JP2002335037A - 波長可変光源および波長可変方法 - Google Patents
波長可変光源および波長可変方法Info
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Abstract
てリングレーザを構成し、可変波長光フィルタの透過中
心波長を掃引して出力波長を可変させる波長可変光源に
おいて、出力波長の波長跳び(周波数跳び)を抑え、環
境変動に対して安定した出力強度を得る。 【解決手段】 可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GH
z)は、リングの長さLRと媒質中の光速cで表される光
源の縦モード間隔c/LR の10倍以上であり、かつ周波
数跳びの許容値H(GHz)、前記半導体光増幅手段の利
得リプルの深さm(dB)、利得リプルの周期TG (G
Hz)としたときに(10.8×TGH/m)1/2以下とする。
Description
用いられる波長可変光源および波長可変方法に関する。
それぞれ異なる信号で変調した複数の光信号を波長多重
伝送し、また波長ルータを用いてルーティング処理を行
う波長多重通信システムの開発・実用化が進んでいる。
この波長多重通信システムの利用波長帯域は、例えばエ
ルビウム添加光ファイバ増幅器と利得シフト型エルビウ
ム添加光ファイバ増幅器を並列に接続して得られる増幅
帯域1530〜1600nmである。また、波長多重通信システ
ムの各光キャリアの光周波数間隔は年々狭くなってお
り、現在までに12.5GHz間隔のシステムが報告されてい
る。この場合、利用する各光キャリアには1〜2GHz程
度の光周波数精度が求められる。
光増幅器と可変波長光フィルタを光ファイバでリング状
に接続して発振させるリングレーザがある。このリング
レーザは、可変波長光フィルタの透過中心波長に応じて
リングレーザの発振波長を変化させることができる。こ
こで、半導体光増幅器(または半導体レーザ増幅器)
は、100 nm以上の利得帯域を有するので、リングレー
ザは原理的に 100nm以上の波長可変性を有し、波長多
重通信システムに用いる柔軟性の高い光源として有望に
なっている。このリングレーザを例えば25GHz間隔の波
長多重通信システムに用いるには、1〜2GHz程度の光
周波数精度で、周波数跳びがなくレーザ出力周波数を掃
引できることが求められる。
源の基本構成を示す。図において、半導体光増幅器11
と、可変波長光フィルタ12と、出力を取り出す光方向
性結合器13が光ファイバ14を介してリング状に接続
される。さらに、リング内には、光の伝搬方向を一方向
に限定する光アイソレータ15を配置してもよい。ま
た、リング中を周回する光の偏波モードが周回ごとに常
に同じになるように、光ファイバ14として偏波保持光
ファイバを用いたり、リング内に周回する光の偏波モー
ドを単一に限定する偏光子16を配置してもよい。
長を特定の波長間隔に設定するために、可変波長光フィ
ルタ12と周期的な波長透過特性を有する周期光フィル
タを組み合わせた構成が知られている(特開平8−78
787号公報)。この波長可変光源では、可変波長光フ
ィルタの透過中心波長を掃引した際に、周期光フィルタ
のピーク波長で決まる離散的な波長間隔の出力波長が得
られるようになっている。
可変光源は、可変波長光フィルタだけで発振波長を連続
的に掃引しても、所定の出力波長に設定することが容易
でないために、周期的な波長透過特性を有する周期光フ
ィルタと組み合わせて出力波長を離散的に設定しようと
するものである。すなわち、波長多重通信システムに用
いる光源として、出力波長を例えば 100GHz程度の離散
的な波長間隔で設定することを主眼としている。
残留反射がファブリペロー共振器を形成するために、波
長に対して周期的な利得特性(利得リプル)が生じる。
この詳細な原理については、オーム社「光増幅器とその
応用」に記述されている。
可変光源に用いられる周期光フィルタと同じような、所
定の波長間隔で波長を選択するような作用をもたらす。
このため、図1に示すようなリングレーザにおいて、可
変波長光フィルタ12の透過中心波長を連続的に掃引し
ても、レーザの出力波長(出力光周波数)に波長跳び
(周波数跳び)が生じることになる。
は、光周波数fに対して、
反射率、R2 は出力端面での反射率、Gs は素子利得、
faは半導体光増幅器の共振周波数、Lは素子長、cは媒
質中の光速である。利得リプルの周期TG はc/2Lと
なる。半導体光増幅器の利得リプルの深さmは、
ともに0.1 %に抑えた場合でも、例えば素子利得Gs を
26dBで動作させると、2dB以上の利得リプルが発生
することが計算される。さらに、半導体光増幅器の入力
・出力において光ファイバとの結合損失が生じるので、
実際には素子利得20dB程度で利得リプルが4dB程度
になる。図2は、半導体光増幅器の利得スペクトル(実
測値)の例である。波長に対して利得が周期的に変化し
ていることがわかる。
波数の縦モードは、半導体光増幅器の共振周波数faを中
心に、リング長LR と媒質中の光速cで表される光源の
縦モード間隔c/LR で存在する。例えば、光ファイバ
中の光速を2×108 m/sとし、リング長LR が20cm
の場合には、縦モード間隔は1GHz(≒ 0.008nm)と
なる。このような縦モード間隔c/LR と同程度または
これよりも狭い半値全幅をもつ可変波長光フィルタを用
いると、光ファイバで接続されたリングレーザの場合に
は、そのリング長が振動や温度等に対して微妙に伸縮す
るために、振動や温度等に対してモードの選択性が不安
定になり、出力強度が不安定になる問題がある。
更する際には、レーザを発振させた状態で可変波長光フ
ィルタの透過中心波長を変化させると、発振波長が光フ
ィルタの透過中心波長に追従しない問題がある。
ィルタを用いてリングレーザを構成し、可変波長光フィ
ルタの透過中心波長を掃引して出力波長を可変させる波
長可変光源において、出力波長の波長跳び(周波数跳
び)を抑え、環境変動に対して安定した出力強度を得る
ことができる波長可変光源および波長可変方法を提供す
ることを目的とする。
1の波長可変光源は、上記のような半導体光増幅器およ
び可変波長光フィルタを用いたリングレーザにおいて、
可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GHz)として、リ
ングの長さLR と媒質中の光速cで表される光源の縦モ
ード間隔c/LR の10倍以上に設定する。これにより、
振動や温度等に対するモードの選択性を安定化して出力
強度を安定にする。
f(GHz)は、周波数跳びの許容値H(GHz)、半導体
光増幅器の利得リプルの深さm(dB)、利得リプルの
周期TG (GHz)としたときに、(10.8×TGH/m)
1/2 以下とする。
効性を考慮して周波数跳びの許容値Hを±2GHzと設定
した場合には、可変波長光フィルタの半値全幅Δf(G
Hz)は、(21.6×TG/m)1/2 以下とする(請求項
2)。
利得スペクトルG(f) は (1)式で表されるが、これと可
変波長光フィルタの透過スペクトルを掛け合わせたリン
グレーザの実効的な利得スペクトルT(f) は、可変波長
光フィルタの半値全幅をΔf、透過中心周波数をf0とす
ると、
の透過スペクトル形状はローレンツ型としている。この
可変波長光フィルタの透過中心周波数を掃引したとき
に、リングレーザの発振光周波数に生じる周波数跳びH
(GHz)は、このリングレーザの実効的な利得スペクト
ルのピーク周波数と、可変波長光フィルタの透過中心周
波数f0からのずれとして、(3) 式を用いて計算すること
ができる。
Δfを(10.8×TGH/m)1/2 以下にすれば、リングレ
ーザの実効的な利得スペクトルのピーク周波数が可変波
長光フィルタの透過中心周波数f0からH(GHz)以上ず
れないことになる。この結果、半値全幅Δf(GHz)を
(10.8×TGH/m)1/2 以下に設定した可変波長光フィ
ルタを用いた波長可変光源は、可変波長光フィルタの透
過中心周波数を掃引したときに、H(GHz)以上の周波
数跳びがなくなる。
対する半導体光増幅器の利得リプルの深さm(dB)と
可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GHz)の関係を示
す。図3(a) はH=1GHzの場合であり、●および○は
利得リプル周期TG が60GHzおよび30GHzの半導体光増
幅器に対する計算結果である。すなわち、 ●:Δf=(10.8×60GHz/m)1/2 ○:Δf=(10.8×30GHz/m)1/2 である。
よび○は利得リプル周期TG が60GHzおよび30GHzの半
導体光増幅器に対する計算結果である。すなわち、 ●:Δf=(21.6×60GHz/m)1/2 ○:Δf=(21.6×30GHz/m)1/2 である。図中の斜線部分は、可変波長光フィルタの半値
全幅Δf(GHz)がc/LR の10倍以上、かつ(10.8×
TGH/m)1/2=(21.6×60GHz/m)1/2以下となる範
囲を示す。
(GHz)に対して、半導体光増幅器における利得リプル
の深さmが大きい場合には、より狭い半値全幅Δfの可
変波長光フィルタを用いればよいことが分かる。また、
例えば±2GHzの周波数跳びを許容するとして、利得リ
プルの深さm=1dB、利得リプル周期TG =60GHzの
半導体光増幅器を用いた場合には、可変波長光フィルタ
の半値全幅Δfを36GHz(≒0.3 nm)以下とすると、
リングレーザの実効的な利得スペクトルT(f)のピーク
周波数が可変波長光フィルタの透過中心周波数f0から±
2GHz以上ずれないことがわかる。
の半導体光増幅器を用いる場合に、可変波長光フィルタ
の半値全幅Δfの上限値(10.8×TGH/m)1/2 はmの
低下に応じて大きくなるが、図4(a) に示すように可変
波長光フィルタの半値全幅Δfをm=1の値である(1
0.8×TGH)1/2 以下になるようにその上限を設ける。
なお、図4(a) はH=2GHz、TG =60GHzの場合であ
り、可変波長光フィルタの半値全幅Δfは36GHz(≒0.
3 nm)以下に設定する。また、リング長LR が20cm
以上のリングレーザを構成すると、可変波長光フィルタ
の半値全幅Δfの下限値10×c/LR はLR の増加に応
じて小さくなるが、図4(a) に示すように可変波長光フ
ィルタの半値全幅ΔfをLR =20cmの値に対応する10
GHz(≒0.08nm)以上になるようにその下限を設け
る。これが請求項3に示す 10GHz以上(10.8×TGH)1/2 GHz以下 の意味である。
の半導体光増幅器を用いる場合には、同様に図4(b) に
示すように可変波長光フィルタの半値全幅Δfをm=0.
5 の値である(21.6×TGH)1/2 以下になるように上限
を設ける。なお、図4(b) はH=2GHz、TG =60GHz
の場合であり、可変波長光フィルタの半値全幅Δfは51
GHz(≒0.41nm)以下に設定する。また、リング長L
R が20cm以上のリングレーザを構成した場合には、同
様に図4(b) に示すように可変波長光フィルタの半値全
幅ΔfをLR =20cmの値に対応する10GHz(≒0.08n
m)以上になるように下限を設ける。これが請求項4に
示す 10GHz以上(21.6×TGH)1/2 GHz以下 の意味である。
G は、素子長Lと媒質中の光速cによってc/2Lと表
され、一般に60GHz程度以下である。この利得リプル周
期が60GHzより小さい半導体光増幅器を用いる場合に
は、上記の条件は必要条件であって十分条件ではない。
件によって中心周波数の連続掃引を実現した波長可変光
源において、低雑音特性が得られない場合がある。この
原因として、半導体光増幅器の応答時間τ(ns)と、
可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GHz)の関係があ
る。
その雑音抑圧効果である。この特徴については、論文(I
EEE Photonics Technology Letters, vol.11, pp.1042-
1044, 1999)に詳述されている。図5は、雑音抑圧効果
のイメージを示す。例えば、図5(a) の時間波形に示す
ような強度雑音をもつ光入力に対して、図5(b) の時間
波形に示すような強度雑音を抑圧する効果をもつ。
は、半導体光増幅器11の自然放出光雑音を可変波長光
フィルタ12で切り出し、この光が次の周回で半導体光
増幅器11を通過することで雑音抑圧効果を受ける。こ
の動作がリング構成によって繰り返されることにより、
光スペクトルが狭窄化し、かつ強度雑音成分が抑圧され
た低雑音な光が得られると考えられる。
として、半導体光増幅器固有のキャリア緩和時間に起因
した過渡応答特性がある。これについては、オーム社
「光増幅器とその応用」に記述されている。例えば図6
(a) のように、緩和時間より長いレンジで強度変動する
ような時間波形を入力すると、その出力は図6(b) のよ
うに、波形の立ち上がりに急激な強度変動を伴ういわゆ
る過渡応答特性を示す。図1に示した波長可変光源で安
定して強度雑音が抑圧された出力を得るためには、図6
(b) に示した定常応答を常に実現することが望ましく、
過渡応答による強度雑音の増大を防ぐ必要がある。
全幅Δfの光バンドパスフィルタと応答速度τの光増幅
器とを繰り返し通過するようないわゆる負帰還ループで
あり、当該の時定数τと1/Δfが近すぎると解が収束
しないと解釈できる。この場合の動作を、上記の半導体
光増幅器の特徴に基づいて説明すると次のようになる。
成分の関係を示す。図7(a),(b) は、白色雑音光の時間
波形(強度対時間特性)および光スペクトルをコンピュ
ータシミュレーションによって発生させたものである。
図7(c),(d) は、図7(a),(b) に示す白色雑音光を半値
全幅Δf=25GHzの光フィルタに通したときの時間波形
および光スペクトルを示す。なお、時間波形は、帯域 2
00GHzの計測器によって観測している。
たリングレーザ中の半導体光増幅器の自然放出光を模擬
したものであり、その時間波形に示すように単位時間当
たりの強度はほぼ一定している。一方、半値全幅Δfの
光フィルタを通すと、1/Δf程度の時間スケール(こ
の場合は40ps)の低周波の直流でない強度雑音成分が
生じる。図1に示すリングレーザでは、上述したように
τより大きい時間スケールの強度変動は、半導体光増幅
器において過渡応答を引き起こすので、図7(c) に示す
波形の光を半導体光増幅器に入力した場合には上述の強
度雑音抑圧効果は期待できない。半導体光増幅器におけ
る過渡応答を抑圧し、ループの繰り返し出力を収束さ
せ、十分に雑音が抑圧されたリングレーザ出力を得るた
めには、Δfを1/τより十分(10倍以上)大きくする
(請求項5)。
数1/τは、1.0 〜1.6 GHz程度であることが報告され
ている(IEEE Photonics Technology Letters,vol.9, p
p.907-909, 1997) 。図8は、この論文と同様の四光波
混合発生効率からの換算による方法で半導体光増幅器の
緩和時間の逆数1/τを測定したものであり、周波数0
GHzの場合よりも効率が3dB落ちる周波数が1/τで
あり、1/τは 2.0〜3.5 GHz程度になっている。総じ
て半導体光増幅器の緩和時間の逆数1/τは1.0〜3.5
GHz程度となり、リングレーザを構成する際の可変波長
光フィルタの半値全幅Δfは、10GHz〜35GHz程度(0.
08nm〜0.28nm)とする必要がある。
全幅に対する発振スペクトル(リングレーザの出力光ス
ペクトル)の半値全幅と相対強度雑音(RIN)の実験
値を示す。これによれば、光スペクトルが0.05nm以下
に狭窄化され、相対強度雑音として−117 dB/Hz 以下
の低雑音特性を示す可変波長光フィルタの実効的半値全
幅は、0.2 nm(25GHz)以上の範囲であることがわか
る。
フィルタの実効的半値全幅」とは、リングレーザを開ル
ープとした場合(どこかでリングを切断した場合)の、
ループ1周分の実効的な透過スペクトルの半値全幅とい
う意味である。実際には、可変波長光フィルタの透過ス
ペクトルと、利得リプル(半導体光増幅器の端面反射に
起因する利得の波長依存性)のある半導体光増幅器の利
得スペクトルの掛け合わせが実効的な透過スペクトルと
なる。可変波長光フィルタの透過中心周波数が、半導体
光増幅器の利得ピークに一致した場合、可変波長光フィ
ルタの実効的な半値全幅は、この掛け合わせの効果によ
り小さくなる。
半値全幅に対する実効的透過スペクトル半値全幅の最小
値(可変波長光フィルタの透過中心周波数が半導体光増
幅器の利得ピークに一致し、掛け合わせによってスペク
トルが一番細くなった場合)を示す。図10により、利
得リプルが大きいと、図9を用いて説明したように可変
波長光フィルタの実効的半値全幅を 0.2nm(25GHz)
以上として低雑音特性を得るためには、可変波長光フィ
ルタそのものの半値全幅の下限が 0.2nm(25GHz)よ
りも若干大きい値とする必要があることがわかる。
0.2nm(25GHz)となる場合について、半導体光増幅
器の利得リプルの深さm(dB)と可変波長光フィルタ
そのものの半値全幅Δf(GHz、nm)の関係を図11
に示す。▲および△は利得リプル周期TG が60GHzおよ
び30GHzの半導体光増幅器に対する計算結果である。上
述の理由により、低雑音特性を得るためには、この▲お
よび△のプロットが可変波長光フィルタの半値全幅Δf
の下限値となる。なお、●および○は、図3(b)に示す
ように、利得リプル周期TG が60GHzおよび30GHzの半
導体光増幅器を用いた場合に、周波数跳びHが2GHz以
下となるための可変波長光フィルタの半値全幅の上限値
となる。
周期が60GHzの場合には図11(a)の斜線の範囲、利得
リプル周期が30GHzの場合には図11(b) の斜線の範囲
が、周波数跳びHが2GHz以下で、かつ低雑音特性を得
るための可変波長光フィルタの半値全幅の範囲となる
(請求項6,7)。
ーザ内の半導体光増幅器として、光アイソレータを挟ん
で2つの半導体光増幅器を直列に接続したものを用い
る。これにより、可変波長光フィルタの半値全幅に対す
る要求条件を緩めることができる。この理由を以下に説
明する。
の1つの半導体光増幅器で得ようすると、前述したよう
に2dB以上の利得リプルが生じる。一方、同じ26dB
の利得を、直列接続された端面反射率0.1 %の2つの半
導体光増幅器でそれぞれ13dBずつ得る場合には、トー
タルの利得リプルは0.34dBとなる。
mが大きい場合には、図3に示すように、より狭い半値
全幅Δfの可変波長光フィルタを用いる必要があるが、
このように直列接続された2つの半導体光増幅器を用い
ると、同じ利得を得るための利得リプルの深さmが大幅
に低減されるので、可変波長光フィルタの半値全幅に対
する要求値の範囲を拡大することができる。
する際に、可変波長光フィルタの透過中心波長の変更前
に、半導体光増幅手段の駆動電流を遮断または低下さ
せ、可変波長光フィルタの透過中心波長の変更後に、半
導体光増幅手段の駆動電流を再生するか、または可変波
長光フィルタの透過中心波長の変更後に、半導体光増幅
手段の駆動電流を一時遮断または低下させて再生する
(請求項10,12)。
する際に、可変波長光フィルタの透過中心波長の変更前
に、リング中を周回する光の光パワーを遮断または低下
させ、可変波長光フィルタの透過中心波長の変更後に、
リング中を周回する光の光パワーを再生するか、または
可変波長光フィルタの透過中心波長の変更後に、リング
中を周回する光の光パワーを一時遮断または低下させて
再生する(請求項11,13)。
示す半導体光増幅器11および可変波長光フィルタ12
を用いたリングレーザにおいて、可変波長光フィルタ1
2の半値全幅Δf(GHz)を、リングの長さLR と媒質
中の光速cで表される光源の縦モード間隔c/LR の10
倍以上に設定し、かつ周波数跳びの許容値H(GHz)、
半導体光増幅器の利得リプルの深さm(dB)、利得リ
プルの周期TG (GHz)としたときに、(10.8×TGH
/m)1/2 以下に設定する。例えば、m= 1.5dB、TG
=30GHz、H=2GHzとすると、半値全幅Δfが20.8G
Hz以下の可変波長光フィルタ12を用いればよいことに
なる。
62.5GHz(≒0.5 nm)の可変波長光フィルタを用いた
場合のレーザ出力周波数特性の実験値を図12に示す。
可変波長光フィルタは、透過中心波長を0.004 nm(≒
0.5 GHz)ステップで掃引した。ここに示すように、最
大5GHz程度の周波数跳びがみられ、波長可変光フィル
タの透過中心波長と出力周波数との間の線型性も非常に
悪いことが分かる。
5 nm)の可変波長光フィルタを用いて周波数跳びを回
避するには、半導体光増幅器の利得リプルの深さmを小
さくし、半値全幅Δfの上限値を62.5GHz以上にすれば
よい。例えば、m=0.1 dB、TG =30GHz、H=2G
Hzとすると、半値全幅Δfが80.5GHz以下の可変波長光
フィルタ12を用いればよいことになる。
実施形態を示す。本実施形態は、図1に示すリングレー
ザの基本構成における半導体光増幅器11を、光アイソ
レータ15を挟んで2つの半導体光増幅器11−1,1
1−2を直列に接続したものに替えたことを特徴とす
る。さらに、光ファイバ14として偏波保持光ファイバ
を用い、リング中を周回する光の偏波モードが周回ごと
に常に同じになるする。また、リング内に周回する光の
偏波モードを単一に限定する偏光子16を配置する。
の利得は、上記の実験における半導体光増幅器の利得の
約半分として動作させた。この2つの半導体光増幅器1
1−1,11−2で構成した半導体光増幅手段の利得ス
ペクトルを図14に示す。ここに示すように、利得リプ
ルの深さmは 0.1dB程度まで抑えられていることが分
かる。利得リプルの周期TG は約30GHzである。本実施
形態の可変波長光フィルタ12の半値全幅Δfは62.5G
Hz(≒0.5 nm)であるが、2つの半導体光増幅器11
−1,11−2を用いることによりm=0.1 dB、TG
=30GHz、H=2GHzにおいてΔf<80.5GHzという条
件を満たす。
出力周波数特性の実験値を示す。可変波長光フィルタ1
2は、透過中心波長を0.004 nm(≒0.5 GHz)ステッ
プで掃引した。ここに示すように、周波数跳びがなく、
可変波長光フィルタ12の透過中心波長に対して出力周
波数の線型性がよい波長可変光源が実現できていること
が分かる。
動作条件に近い条件が望ましいが、実際の動作は図13
に示すような閉ループで行われるので、実際の動作中に
利得スペクトルを測定することは難しい。そこで、半導
体光増幅器の飽和出力と部品の損失から実動作時の半導
体光増幅器の入力パワーを見積もり、この入力パワーを
用いて利得スペクトルを測定する。例えば、−20dBm
以下の小信号利得の利得リプル、または入力光を遮断し
た状態で測定される自然放出光スペクトルのリプルは、
半導体光増幅器の未飽和時の特性を示すため、飽和状態
に近い実動作時の利得リプルよりだいぶ大きく測定され
る。
可変波長光フィルタ12の半値全幅Δf(GHz)とし
て、半導体光増幅器11−1,11−2の応答時間τ
(ns)の逆数の10倍(10/τ)以上に設定し、かつ
(10.8×TGH/m)1/2 以下に設定する。たとえば、m
= 0.5dB、TG =60GHz、H=2GHzとすると、半値
全幅Δfが26GHz以上、51GHz以下(ここでは37.5GHz
(≒0.3 nm))の可変波長光フィルタ12を用いる。こ
の2つの半導体光増幅器11−1,11−2で構成した
半導体光増幅手段の利得スペクトルを図16に示す。利
得リプルの深さmは約0.5dBである。さらに、この場
合のレーザ出力周波数特性および相対強度雑音特性を図
17に示す。波長1552〜1555nmに渡って周波数跳びが
なく、かつ相対強度雑音(RIN)が−140 dB/Hz以
下の低雑音特性が得られていることがわかる。
では、可変波長光フィルタ12の透過中心波長を変更す
る前に、半導体光増幅器11−1,11−2の駆動電流
を零にし、可変波長光フィルタ12の透過中心波長を変
更した後に、再び半導体光増幅器11−1,11−2の
駆動電流を再生して出力周波数(波長)を変更させた。
また、可変波長光フィルタ12の透過中心波長を変更し
た後に、半導体光増幅器11−1,11−2の駆動電流
を一時零にしても同様であった。
ないまま可変波長光フィルタ12の透過中心波長を掃引
した場合には、図18に示すように大きな出力周波数跳
びが見られた。この結果、可変波長光フィルタ12の透
過中心波長を変更する場合には、その前に半導体光増幅
器11−1,11−2の利得を遮断または低下させ、変
更後に半導体光増幅器11−1,11−2の利得を再生
させることが有効であることが分かった。
実施形態を示す。本実施形態は、図1に示すリングレー
ザの基本構成において、可変波長光フィルタ12の透過
中心波長を制御する波長制御手段21が、その波長制御
のタイミングに応じて半導体光増幅器11の駆動電流を
オン/オフ制御する構成である。図6の第2の実施形態
のリングレーザにおいても同様に構成することができ
る。
実施形態を示す。本実施形態は、第2の実施形態の可変
波長光フィルタ11の透過中心波長変更時に、波長制御
手段21が半導体光増幅器11の利得を制御する構成に
代わり、リング中に光パワー減衰手段または光パワー遮
断手段による光パワー制御手段22を挿入し、リング中
の光パワーを制御する構成である。
12の透過中心波長を変更する前に、光パワー制御手段
22を操作してリング中を周回する光の光パワーを低下
または遮断し、可変波長光フィルタ12の透過中心波長
を変更した後に、再び光パワー制御手段21を操作して
リング中を周回する光の光パワーを再生する。また、波
長制御手段21は、可変波長光フィルタ12の透過中心
波長を変更した後に、光パワー制御手段22を操作して
リング中を周回する光の光パワーを一時低下または遮断
するようにしてもよい。
光源は、半導体光増幅器および可変波長光フィルタを用
いたリングレーザにおいて、可変波長光フィルタの半値
全幅Δf(GHz)を、リングの長さLR と媒質中の光速
cで表される光源の縦モード間隔c/LR の10倍以上、
または半導体光増幅器の応答時間τ(ns)の逆数の10
倍(10/τ)以上に設定することにより、振動や温度等
に対するモードの選択性を安定化して出力強度を安定に
することができる。
f(GHz)は、周波数跳びの許容値H(GHz)、半導体
光増幅器の利得リプルの深さm(dB)、利得リプルの
周期TG (GHz)としたときに、(10.8×TGH/m)
1/2 以下とする。特に、周波数跳びの許容値Hを±2G
Hzと設定した場合には、可変波長光フィルタの半値全幅
Δf(GHz)は、(21.6×TG/m)1/2 以下とする。こ
れにより、周波数跳びがなく、可変波長光フィルタ12
の透過中心波長の掃引に対して出力周波数(出力波長)
の線型性がよい波長可変光源を実現することができる。
変方法は、出力波長を変更する際に、半導体光増幅器の
駆動電流を遮断または低下させるか、リング中の光パワ
ーを遮断または低下させることにより、可変波長光フィ
ルタの透過中心波長の掃引に対して出力波長が追従せず
に出力波長跳びが発生する事態を回避することができ
る。
を示すブロック図。
例を示す図。
長光フィルタの半値全幅Δfの関係を示す図。
限を説明する図。
示す図。
緩和時間逆数(1/τ)の実験値を示す図。
発振スペクトルの半値全幅と相対強度雑音(RIN)の
実験値を示す図。
半値全幅を示す図。
波長光フィルタの半値全幅Δfの関係を示す図。
験値を示す図。
すブロック図。
ペクトルを示す図。
性の実験値を示す図。
幅手段の利得スペクトルを示す図。
周波数特性、相対強度雑音特性の実験値を示す図。
波長光フィルタ12の透過中心波長を掃引した場合の実
験結果を示す図。
すブロック図。
すブロック図。
Claims (13)
- 【請求項1】 半導体光増幅手段と可変波長光フィルタ
と光方向性結合器を偏波保持光ファイバを介してリング
状に接続し、当該リング中を周回する光の偏波モードが
周回ごとに常に同じになるように構成し、前記可変波長
光フィルタの透過中心波長を掃引し、その透過中心波長
に対応する波長の光を前記光方向性結合器から出力する
波長可変光源において、 前記可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GHz)は、前
記リングの長さLR と媒質中の光速cで表される光源の
縦モード間隔c/LR の10倍以上であり、かつ周波数跳
びの許容値H(GHz)、前記半導体光増幅手段の利得リ
プルの深さm(dB)、利得リプルの周期TG (GHz)
としたときに(10.8×TGH/m)1/2 以下であることを
特徴とする波長可変光源。 - 【請求項2】 半導体光増幅手段と可変波長光フィルタ
と光方向性結合器を偏波保持光ファイバを介してリング
状に接続し、当該リング中を周回する光の偏波モードが
周回ごとに常に同じになるように構成し、前記可変波長
光フィルタの透過中心波長を掃引し、その透過中心波長
に対応する波長の光を前記光方向性結合器から出力する
波長可変光源において、 前記可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GHz)は、前
記リングの長さLR と媒質中の光速cで表される光源の
縦モード間隔c/LR の10倍以上であり、かつ前記半導
体光増幅手段の利得リプルの深さm(dB)、利得リプ
ルの周期TG (GHz)としたときに(21.6×TG/m)
1/2 以下であることを特徴とする波長可変光源。 - 【請求項3】 請求項1に記載の波長可変光源におい
て、 前記リングの長さLR を20cm以上、前記半導体光増幅
手段の利得リプルの深さmを1dB以下としたときに、
前記可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GHz)は、10
GHz以上、(10.8×TGH)1/2 GHz以下であることを特
徴とする波長可変光源。 - 【請求項4】 請求項1に記載の波長可変光源におい
て、 前記リングの長さLR を20cm以上、前記半導体光増幅
手段の利得リプルの深さmを 0.5dB以下としたとき
に、前記可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GHz)
は、10GHz以上、(21.6×TGH)1/2 GHz以下であるこ
とを特徴とする波長可変光源。 - 【請求項5】 半導体光増幅手段と可変波長光フィルタ
と光方向性結合器を偏波保持光ファイバを介してリング
状に接続し、当該リング中を周回する光の偏波モードが
周回ごとに常に同じになるように構成し、前記可変波長
光フィルタの透過中心波長を掃引し、その透過中心波長
に対応する波長の光を前記光方向性結合器から出力する
波長可変光源において、 前記可変波長光フィルタの半値全幅Δf(GHz)は、前
記半導体光増幅手段の応答時間τ(ns)の逆数の10倍
(10/τ)以上であり、かつ周波数跳びの許容値H(G
Hz)、前記半導体光増幅手段の利得リプルの深さm(d
B)、利得リプルの周期TG (GHz)としたときに(1
0.8×TGH/m)1/2 以下であることを特徴とする波長
可変光源。 - 【請求項6】 請求項5に記載の波長可変光源におい
て、 前記半導体光増幅手段の利得リプルの深さmを1dB以
下としたときに、前記可変波長光フィルタの半値全幅Δ
f(GHz)は、25GHz以上、(10.8×TGH)1/2以下であ
ることを特徴とする波長可変光源。 - 【請求項7】 請求項5に記載の波長可変光源におい
て、 前記半導体光増幅手段の利得リプルの深さmを 0.5dB
以下としたときに、前記可変波長光フィルタの半値全幅
Δf(GHz)は、25GHz以上、(21.6×TGH)1/2GHz以下
であることを特徴とする波長可変光源。 - 【請求項8】 半導体光増幅手段と可変波長光フィルタ
と光方向性結合器を光ファイバを介してリング状に接続
し、前記可変波長光フィルタの透過中心波長を掃引し、
その透過中心波長に対応する波長の光を前記光方向性結
合器から出力する波長可変光源において、 前記半導体光増幅手段は、光アイソレータを挟んで2つ
の半導体光増幅器を直列に接続した構成であることを特
徴とする波長可変光源。 - 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の波長可
変光源において、 前記半導体光増幅手段は、光アイソレータを挟んで2つ
の半導体光増幅器を直列に接続した構成であることを特
徴とする波長可変光源。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の波長
可変光源において、 前記半導体光増幅手段の駆動電流を遮断または低下させ
る駆動電流制御手段を備え、 光源の出力波長を変更する際に、前記可変波長光フィル
タの透過中心波長の変更前に、前記駆動電流制御手段を
制御して前記半導体光増幅手段の駆動電流を遮断または
低下させ、前記可変波長光フィルタの透過中心波長の変
更後に、前記駆動電流制御手段を制御して前記半導体光
増幅手段の駆動電流を再生するか、または前記可変波長
光フィルタの透過中心波長の変更後に、前記駆動電流制
御手段を制御して前記半導体光増幅手段の駆動電流を一
時遮断または低下させて再生する構成であることを特徴
とする波長可変光源。 - 【請求項11】 請求項1〜9のいずれかに記載の波長
可変光源において、 前記リング中に、周回する光の光パワーを遮断または減
衰させる光パワー制御手段を備え、 光源の出力波長を変更する際に、前記可変波長光フィル
タの透過中心波長の変更前に、前記光パワー制御手段を
制御して前記リング中を周回する光の光パワーを遮断ま
たは低下させ、前記可変波長光フィルタの透過中心波長
の変更後に、前記光パワー制御手段を制御して前記リン
グ中を周回する光の光パワーを再生するか、または前記
可変波長光フィルタの透過中心波長の変更後に、前記光
パワー制御手段を制御して前記リング中を周回する光の
光パワーを一時遮断または低下させて再生する構成であ
ることを特徴とする波長可変光源。 - 【請求項12】 半導体光増幅手段と可変波長光フィル
タと光方向性結合器を偏波保持光ファイバを介してリン
グ状に接続し、当該リング中を周回する光の偏波モード
が周回ごとに常に同じになるように構成し、前記可変波
長光フィルタの透過中心波長を掃引し、その透過中心波
長に対応する波長の光を前記光方向性結合器から出力す
る波長可変光源の波長可変方法において、 前記可変波長光フィルタの透過中心波長の変更前に、前
記半導体光増幅手段の駆動電流を遮断または低下させ、
前記可変波長光フィルタの透過中心波長の変更後に、前
記半導体光増幅手段の駆動電流を再生するか、または前
記可変波長光フィルタの透過中心波長の変更後に、前記
半導体光増幅手段の駆動電流を一時遮断または低下させ
て再生することを特徴とする波長可変方法。 - 【請求項13】 半導体光増幅手段と可変波長光フィル
タと光方向性結合器を偏波保持光ファイバを介してリン
グ状に接続し、当該リング中を周回する光の偏波モード
が周回ごとに常に同じになるように構成し、前記可変波
長光フィルタの透過中心波長を掃引し、その透過中心波
長に対応する波長の光を前記光方向性結合器から出力す
る波長可変光源の波長可変方法において、 前記可変波長光フィルタの透過中心波長の変更前に、前
記リング中を周回する光の光パワーを遮断または低下さ
せ、前記可変波長光フィルタの透過中心波長の変更後
に、前記リング中を周回する光の光パワーを再生する
か、または前記可変波長光フィルタの透過中心波長の変
更後に、前記リング中を周回する光の光パワーを一時遮
断または低下させて再生することを特徴とする波長可変
方法。
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---|---|---|---|---|
JP2005327881A (ja) * | 2004-05-13 | 2005-11-24 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 波長可変半導体レーザ |
JP2007183429A (ja) * | 2006-01-06 | 2007-07-19 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 波長可変フィルタおよび波長可変レーザ |
JP2008226985A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-09-25 | Nec Corp | 直接変調波長可変レーザ |
-
2001
- 2001-06-13 JP JP2001179169A patent/JP3875856B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4648647B2 (ja) * | 2004-05-13 | 2011-03-09 | 日本電信電話株式会社 | 波長可変半導体レーザ |
JP2007183429A (ja) * | 2006-01-06 | 2007-07-19 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 波長可変フィルタおよび波長可変レーザ |
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