JP2002332561A - ピストンリングの部分窒化方法および部分窒化ピストンリング - Google Patents

ピストンリングの部分窒化方法および部分窒化ピストンリング

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JP2002332561A
JP2002332561A JP2001138710A JP2001138710A JP2002332561A JP 2002332561 A JP2002332561 A JP 2002332561A JP 2001138710 A JP2001138710 A JP 2001138710A JP 2001138710 A JP2001138710 A JP 2001138710A JP 2002332561 A JP2002332561 A JP 2002332561A
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Fumio Kiyota
文夫 清田
Hiroshi Mitsuida
浩 三井田
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Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精密な小物部品に寸法精度が高く
量産性に優れた安価な部分窒化処理を可能とさせる。内
燃機関のピストン用のトップリングやオイルリングの本
体の製造・コスト面の問題点の解決を図る。 【解決手段】 ペルヒドロポリシラザンを有機溶
剤にて希釈した溶液を鉄系合金からなる部材にコーティ
ングし、焼成して5μm以下のシリカ(SiO2)膜を形
成する。窒化部分のシリカを除去してから窒化処理を行
い、鉄系合金部材に部分窒化処理層を生成する。トップ
リングにおいては、コーナー部(5)が0.05〜0.
5mmの長さの範囲で窒化されていない部分を有す。オイ
ルリングにおいては、その本体のライナとの当たり幅部
のみが窒化される構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
部品のような精密小物部品を対象とした、寸法精度が高
く量産性に優れかつ安価な部分窒化方法に関するもので
ある。またその部分窒化方法を応用した内燃機関用ピス
トンリング及びその構成部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジン部品のような精密小物
部品では、摺動による摩耗や焼付を防止するために窒化
処理が多く採用されている。内燃機関用のピストンリン
グについてみると、トップリングはSUS440Bに近
い合金組成の鋼材をその全表面にガス窒化したものが、
多く使用されている。このような精密部品の部分窒化を
寸法精度が高く量産性に優れるとともに安価な部分窒化
処理方法は、これまで存在していなかった。このため、
全体的に窒化するしか方法がなく、そのためにこれらの
部品では性能的にも潜在的な問題があり、今後さらに高
まる環境対策面やエンジン長寿命化の要求に対応できな
くなってきていた。
【0003】被膜を利用した部分窒化方法には以下のよ
うな従来ものがあるが、それぞれ精密な部分窒化には適
していない。 (a) メッキ法によって部材表面にニッケルや銅の被膜を
形成し、次に部分的にその被膜を除去した後に窒化処理
を行う方法 (b) 水ガラスを窒化を防止したい部分にハケやパテを用
いて塗布して窒化処理を行う方法。
【0004】これらを実験で確認した結果から、(a) の
メッキ方法では窒化を防止するためには5μm以上のメ
ッキ厚さが必要であり、またメッキ被膜の除去には機械
加工によるか、酸の液中に浸漬処理することが必要であ
る。メッキ被膜の形成とメッキ被膜の除去のいずれもコ
ストの高いものとなる。(b) の水ガラスを用いる方法で
は、その塗布方法と厚い膜厚となるために寸法精度の高
い部分窒化はできない。また被膜の密着性が悪いことや
被膜の緻密度が低いことから、コーティングした部分に
あっても局部的に窒化層が形成される箇所が散見され
る。またソーダ成分を含むためにガラス被膜の軟化点が
低く、窒化時に接触した部品がくっつく問題がある。ま
た窒化後に厚いガラス被膜の除去が困難であり、ショッ
トブラスと等で硬質粒子を部品に高速で吹き付けて除去
すると部品の変形を伴う問題がある。
【0005】次に、精密小物部品の適用として内燃機関
用ピストンリングについて、これまで最適な部分窒化方
法が存在しなかったために全体的な窒化を採用している
結果、ピストンリング及びその構成部品が抱えている問
題点について以下に説明する。
【0006】A:トップリングの問題点 (1)ガソリンエンジン用のトップリング 本来はシリンダーと摺動する外周側だけに窒化層が必要
である。トップリングの全面に窒化層が形成されると、
高出力エンジンにあっては、トップリングの側面の窒化
層がアルミニウム合金製ピストンのリング溝を摩耗させ
てしまう問題がある。リング溝の摩耗が進行すると、溝
の中でトップリングはピストンの上下動に逆らって慣性
力で上下動し激しくリング溝に衝突することを繰り返す
ためトップリングの折損にいたる場合もある。この側面
が窒化されたトップリングによって引き起こされるリン
グ溝の摩耗対策として、ピストンに硬質アルマイト処理
をすることや、例えば特公平07−063266号公報
に示されているように、ピストンリングの側面に固体潤
滑剤を含有する耐熱性樹脂皮膜を形成させることが必要
となっている。しかし、これらはいずれも硬質アルマイ
ト膜や樹脂被膜の耐久性に限界がある他にコストの高い
ものとなっている。
【0007】側面に窒化層を形成させない手段として
は、前述した従来公知の被膜を利用した部分窒化方法の
他に、外周側にのみに窒化層を形成する方法として、プ
ラズマ窒化方法(イオン窒化とも称される)方法があ
る。この方法はアンモニア等の窒化ガスを含む低真空状
態において、ピストンリングを治具に段積みして取り付
け、ピストンリングを陰極とし容器を陽極として電圧を
かけることで異常グロー領域の放電を起こさせて窒化処
理する。しかし、この方法では、治具へリングを段積み
にし密着固定して取り付け処理後はリングを治具から取
り外す作業が必要な他に、プラズマ窒化処理装置へのピ
ストンリングの充填率がガス窒化の場合に比べて著しく
低いため高コストとなる。このコスト高のために、特公
平4−181067号公報や特公平5−44575号公
報にて示されているように幅寸法が小さいオイルリング
のサイドレールの極一部に限定的に適用されているだけ
である。
【0008】なお、プラズマ窒化装置での充填率を低く
しなければならないのは、次の理由による。 (a) 隣り合う部品との間で、放電が重畳するとその部分
だけ温度が著しく上昇し窒化ムラが発生するので、これ
を防ぐために間隔をあける必要がある。 (b) プラズマ窒化中の処理物は、放電により加熱される
一方で、(水冷された)炉壁からの輻射で冷却されてい
る。このため処理物の温度を均一にするには、炉壁と処
理物の距離を均一にし、かつ輻射の妨げとなるようなも
のを間に存在しないようにする必要がある。
【0009】プラズマ窒化で外周面のみを窒化したトッ
プリングの完成品の断面図を図1に示す。母材1は、S
US440B類似鋼種等の高Cr鋼材が使用されている
が、プラズマ窒化の場合もガス窒化の場合と同様に、窒
化層の表面には硬くて脆い(Fe,Cr)2Nや(F
e,Cr)2-3Nからなる白層が形成される。内周面2
と両側面3には窒化層は存在しない。外周面では、外周
ラップ加工面4ではラップ加工により白層は除去されて
いるが、両側面3と外周ラップ加工面4とが繋がる外周
R面5には、窒化層6の上に白層7が除去できないで残
っている。この外周R面5は、エンジン運転の初期には
ライナ内壁面とは接触しないが、長期のエンジン運転に
おいてピストンリングの外周ラップ加工面4が摩耗して
いくと、この外周R面5の白層7がライナ内周面と摺動
するようになるために、ライナ内周面を傷つけたり、ま
たそれが原因で焼き付きを発生する問題がある。
【0010】図2には、全面をガス窒化処理したのち、
両頭研磨機で両側面を研磨加工し外周面をラップ加工し
た従来の一般的な工法・工程順で完成されたトップリン
グの完成品の断面図を示す。母材1の両側面3には白層
は(研磨によって除去されているため)存在しないが、
ピストンの溝摩耗を引き起こす原因となる窒化層6が存
在する。外周面ではプラズマ窒化による場合と同様に外
周ラップ加工面4ではラップ加工により白層は除去され
ているが、側面2と外周ラップ加工面4とが繋がる外周
R面5には、窒化層6の上に白層7が除去できないで残
っている。このため、長期のエンジン運転において外周
R面5の白層7がライナ内周面と摺動し、ライナ内周面
を傷つけたり、またそれが原因で焼き付きを発生する問
題がある。
【0011】また、ガス窒化はプラズマ窒化方法より
も、ピストンリングの充填率が高く低コストですむ処理
方法である。しかしガス窒化はアンモニアガスがピスト
ンリング表面に接触し、鉄系材料のピストンリングの表
面が触媒的作用を果たしてアンモニアガスを分解し、そ
の時に発生する活性な窒素やアンモニアによって窒化が
進むことがガス窒化の原理である。従って、アンモニア
ガスが均一にピストンリングに接触しないと窒化ムラが
発生する。ピストンリングは薄肉で表面積が大きい形状
をしているために、窒化ムラの発生は外周形状や側面反
り等の寸法不良に直結する。そのためピストンリングの
1本づつの間隔を広げて処理ガスの流れを良くし窒化ム
ラが発生しないようにする必要があり、イオン窒化(プ
ラズマ窒化)の場合よりは充填効率が良いが、一般的な
部品のガス窒化の場合に比べると充填効率が低い状態で
窒化処理しなければならない問題点を抱えている。
【0012】(2)ディーゼル用のトップリング ディーゼルエンジンのトップリングは、ガソリンエンジ
ンよりも燃焼圧力が高いために燃焼の度に燃焼圧力によ
って皿状の変形を伴う。ピストンのリング溝が摩耗した
場合には、この皿状の変形が大きくなり、トップリング
の側面と外周面とを繋ぐ部分に応力が繰り返し作用する
ために、この部分を起点とする疲労破壊による折損が起
きやすい。近年では、高出力化や排気ガス対策に伴って
さらに燃焼圧力が増加する方向にあり、この問題が大き
くなってきている。ディーゼルエンジンのトップリング
用として、従来はSUS440B類似鋼種等の高Cr鋼
材を全面窒化したものが多く使用されていたが、耐久性
の向上や焼付に対する信頼性向上を目的として、これら
の鋼材からなる母材に全面窒化した上に、イオンプレー
ティングによって窒化クロム等の硬質皮膜したトップリ
ングが採用されていた。
【0013】しかし、燃焼圧力の高いエンジンでは、全
面窒化+イオンプレーティング被膜のトップリングで
は、疲労強度が低下することが問題となってきている。
その原因は、イオンプレーティングによる硬質被膜は、
通常大きな圧縮の残留応力を持つが、その下にある窒化
層は、イオンプレーティング時の処理温度(約500
℃)での長時間保持と徐冷により圧縮の残留応力が解放
されてしまう。さらに前述したイオンプレーティングに
よる硬質皮膜に発生する圧縮の残留応力の影響によっ
て、下部の窒化層は引張りの残留応力が発生した状態と
なってしまう。このため疲労破壊は、イオンプレーティ
ングによる硬質皮膜の下層の窒化層を起点として発生す
る。
【0014】この対策として、特開平5−172248
号公報や特開2000−291800公報で、外周面に
窒化層を形成させずにイオンプレーティング被膜をつけ
たトップリングが提案されている。しかし、これら提案
のピストンリングでは、イオンプレーティング被膜が摩
耗消滅すると下地に窒化層が無いために摩耗は急激に進
行してしまう問題がある。また、それを考慮に入れる
と、イオンプレーティングによる硬質皮膜を厚くするこ
とが必要となり、高額なイオンプレーティング設備の生
産性が低下し、また高価なターゲット材料を多く消耗す
るために製造コストが極めて高いものとなる。
【0015】B:オイルリングの問題点 ディーゼルエンジンでは、鉄製のピストンがヘビーデュ
ーティー用に多く採用されている。この場合、図3に示
すような2ピースオイルリングでは、オイルリング本体
20の側面25に窒化層26が残っていても、ピストン
のリング溝摩耗は起きない。むしろ、側面25はオイル
中のカーボン粒子等によって摩耗する場合があり、リン
グの側面が窒化されていることが必要である。しかし、
内周面21には全面窒化により、硬い白層が残るために
SUP−12のような安価なバネ鋼のコイルエキスパン
ダーでは、摩耗させ、張力が低下しオイルコントロール
性能が悪化する問題があった。そのために、硬質クロム
メッキをつけたコイルエキスパンダーが摩耗対策として
必要となっており、コストの高いものとなっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の第一
は、自動車のエンジン部品のような精密な小物部品に最
適な、寸法精度が高く量産性に優れるとともに安価な部
分窒化処理を可能にすることにある。本発明の他の目的
は、その部分窒化方法により、前述した各ピストンリン
グの本体や2ピースオイルリング本体の製造・コスト上
の問題を解決し、新たなピストンリング本体や2ピース
オイルリング本体を得ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の目的の第一であ
る精密小物部品に最適な部分窒化を可能にする方法とし
て、薄くて緻密な窒化防止被膜を部品に形成させ、次に
窒化する部分からこの被膜を除去してから窒化し、最後
にこの窒化防止被膜を部品から除去することで、このよ
うな精密小物部品の部分窒化が可能となる。このような
窒化防止被膜には、以下のような特性が必要である。 (a) 均一かつ簡単にコーティングできること。 (b) 部品の取り扱いで膜に傷がつきにくいために硬度が
高いこと。 (c) 曲げや剪断等の軽度の塑性加工を行っても、皮膜が
剥離しないこと。 (d) 精密な機械加工や塑性加工の時に膜厚の影響を受け
ないために、皮膜は極めて薄い厚さで窒化を防止できる
こと。 (e) 塑性加工時に金型等を傷つけないために膜表面は平
滑となること。 (f) 窒化する部分から、その皮膜を除去することが容易
で、かつ精度が高いこと。 (g) 窒化の温度で溶融したり、剥離したり、ひびが入ら
ない膜であること。 (h) 窒化処理後に皮膜の除去が容易であること。
【0018】本発明は、上記の観点から種々の被膜をピ
ストンリング母材に形成させ、次にその母材を機械加工
や塑性加工を行って皮膜を部分的に除去してから窒化処
理を行い、さらに窒化処理後に窒化防止皮膜を除去する
試行錯誤を繰り返す中で、SiO2膜が窒化防止に効果
的であり、特にペルヒドロポリシラザンを有機溶剤で希
釈した液中に処理部品を浸漬し、引き上げてから乾燥、
焼成することで緻密なSiO2膜が得られ、前述した精
密小物部品の部分窒化に必要な皮膜の要求特性の全てを
満足できることを見いだした。
【0019】ペルヒドロポリシラザンは、−(SiH2
NH)−を基本ユニットとする有機溶剤に可溶な無機ポ
リマーであり、塗布後に大気中で低温度にて焼成するこ
とで水分や酸素と反応して緻密な高純度のシリカ(Si
2)膜が得られる。また膜厚の制御は有機溶剤での希
釈量によって容易に調整ができる。処理物へのコーティ
ングは、有機溶剤での希釈した液の中に浸漬し引き上げ
乾燥焼成することで簡単に行うことができ、得られたS
iO2膜は、密着性が良く薄膜であることから、軽度の
塑性加工で剥離することもない。また硬度も高く、膜表
面は平滑であり金型を傷つけることもない。窒化したい
部分では、研磨等で膜を除去することが容易であり、ま
た局部的な剪断等で露出させた面にはSiO2膜が残ら
ないことから、これらの部分を容易に部分窒化すること
ができる。さらに窒化処理後にはフッ酸を主体とする液
中に浸漬することでSiO2膜は容易に除去できる。
【0020】本発明によれば、鉄系合金からなる部材
に、5μm以下のSiO2膜をコーティングした後に、窒
化する部分の鉄合金素地を露出させて窒化処理を行うこ
とを特徴とする部分窒化方法が提供される。
【0021】さらに本発明によれば、ペルヒドロポリシ
ラザンを有機溶剤にて希釈した溶液を鉄系合金からなる
部材にコーティングし、乾燥し、または乾燥後に焼成す
ることにより、部材にシリカ(SiO2)膜を形成した
後に、窒化する部分の鉄合金素地を露出させて窒化処理
を行うことを特徴とする部分窒化方法が提供される。
【0022】さらに本発明によれば、外周面のみが窒化
されているトップリングにおいて、外周面と両側面との
コーナー部が長さ(外周側への投影長さ)で0.05〜
0.5mmの範囲で窒化されていない部分が存在すること
を特徴とするトップリングが提供される。
【0023】さらに本発明によれば、外周面のみが窒化
されているトップリングにおいて、外周面と両側面との
コーナー部が長さ(外周側への投影長さ)で0.05〜
0.5mmの範囲で窒化されていない部分が存在し、かつ
外周部にPVDもしくはCVDによって成膜された硬質
皮膜が存在することを特徴とするトップリングが提供さ
れる。
【0024】さらに本発明によれば、内周側からコイル
エキスパンダーで張力を受ける2ピース構造のオイルリ
ングにおいて、オイルリング本体のライナとの当たり幅
部のみが窒化されていることを特徴とするオイルリング
が提供される。
【0025】さらに本発明によれば、内周側からコイル
エキスパンダーで張力を受ける2ピース構造のオイルリ
ングにおいて、オイルリング本体のライナとの当たり幅
部と両側面のみが窒化されていることを特徴とするオイ
ルリングが提供される。
【0026】さらに本発明によれば、請求項1又は2の
部分窒化方法により製造された請求項3乃至6の何れか
に記載のピストンリングが提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、内燃機関用のピストンリ
ングおよびその構成部品について、本発明の実施形態を
図上により説明する。
【0028】
【実施例】[実施例1]高さ(幅 h1):1.2mm、厚
さ(a1):2.9mmで両側面と外周面との間のコーナ
ー部はR=0.15〜0.25mmの略矩形の断面形状を
有する硬度Hv400の高クロム鋼材(主要な合金組
成:0.85C−17Cr−1Mo−0.1V)を、コ
イリング機によりカム形状でかつ呼び径が86mmのトッ
プリングとなるように1本づつ成形・切断し、その後5
50℃で30分保持し残留歪除去の熱処理を行った。次
に酸洗いし水洗乾燥した。このトップリング用素材を、
ポリヒドロポリシラザンをキシレンで希釈した溶液(商
品名:東燃ポリシラザンL110)をキシレンでさらに
希釈して濃度8重量%とした液に浸漬し、引き上げて乾
燥し大気中で400℃で1時間の焼成を行い、0.2〜
0.5μmの厚さのSiO2膜を全体に形成させた。
【0029】次に、治具に段積みにし外周が真円となる
ように絞った状態で両端を拘束し治具を回転させなが
ら、#500のSiC粒を表面につけたフィルムで外周
面のSiO2膜の除去を行った。外周R面のSiO2膜は
フィルムラップでは除去されずに残っていることを確認
した。
【0030】次にトップリング用素材を治具から取り外
し、ガス窒化処理炉にてアンモニアと窒素ガスを流気さ
せつつ575℃で6時間保持し窒化処理を行った。なお
窒化処理炉には三角形の棒にピストンリング素材を合口
部を揃えて、ほぼ隣の素材と密接する状態で窒化処理を
行った。従来の略5倍の充填量であるにもかかわらず、
トップリング素材の外周側に窒化ムラは発生しなかっ
た。次に、フッ硝酸液(49%HF:60%H3=1:
100)中で5分間浸漬しSiO2膜を完全に溶解除去
した後に、両頭研磨機での側面加工→外周ラップ加工→
隙加工の通常の全面窒化トップリングと同一の後加工工
程を経て最終の形状に仕上げた。
【0031】得られたトップリングの断面を図4に示す
が、両側面3と内周面2には窒化層が無く、外周面4に
のみ窒化層6が存在するがコーナー部の外周R面5には
白層は存在しなかった。このため、得られたトップリン
グは、ガソリンエンジンのトップリングとして使用した
場合、アルミピストンの溝を摩耗させることがなく、ま
た長期間の運転の後も相手ライナ面を傷つけることはな
い。また、ガス窒化時にも、外周側のみの部分窒化であ
ることから、充填率を高くしても窒化ムラによる寸法不
良は発生しなかった。
【0032】[実施例2]図5の(a)に断面形状を示
すような高さ(幅 h1):2.3mm、厚さ(a1):
3.3mmで両側面と外周面との間のコーナー部はR=
0.15〜0.25mmの略矩形の断面形状を有する硬度
Hv400の高クロム鋼材(主要な合金組成:0.85
C−17Cr−1Mo−0.1V)を、コイリング機に
よりカム形状でかつ呼び径が95mmのトップリングとな
るように1本づつ成形・切断し、その後550℃で30
分保持し残留歪除去の熱処理を行った。
【0033】次に酸洗いし水洗乾燥した。このトップリ
ング用素材を、ポリヒドロポリシラザンをキシレンで希
釈した溶液(商品名:東燃ポリシラザンL110)をキ
シレンでさらに希釈して濃度8重量%とした液に浸漬
し、引き上げて乾燥し大気中で400℃で1時間の焼成
を行い、0.2〜0.5μmの厚さのSiO2膜31を全
体に形成させた。
【0034】次に、真円の治具の中にリング用素材を固
定し、NC旋盤にて図5の(b)に示すように両側面に
キーストン面32を旋削で得た。その後に治具に段積み
にし外周が真円となるように絞った状態で両端を拘束し
治具を回転させながら、#500のSiC粒を表面につ
けたフィルムで外周面33のSiO2膜の除去を行っ
た。両側面の平行部34と外周R面35ではSiO2
31はフィルムラップでは除去されずに残っている。
【0035】次にトップリング用素材を治具から取り外
し、ガス窒化処理炉にてアンモニアと窒素ガスを流気さ
せつつ575℃で6時間保持し窒化処理を行った。なお
窒化処理炉には三角形の棒にピストンリング素材を合口
部を揃えて、ほぼ隣の素材と密接する状態で窒化処理を
行った。従来の略5倍の充填量であるにもかかわらず、
トップリング素材の外周側に窒化ムラは発生しなかっ
た。
【0036】図5の(c)に窒化直後の断面図を示す
が、SiO2膜31を除去した部分のみが窒化されてい
る。窒化部は白層36とその下部に窒化層37が存在し
ている。
【0037】次に、フッ硝酸液(49%HF:60%H
3=1:100)中で5分間浸漬しSiO2膜を完全に溶
解除去した後に、外周ラップ加工→キーストン研磨機で
の両側面を研磨→両頭研磨機での両側面の平行部研磨→
隙仕上げ加工の通常の全面窒化トップリングと同一の後
加工工程を経て最終の形状に仕上げた。
【0038】得られたトップリングの断面を図5の
(d)に示すが、両側面の平行部34と内周面38およ
び外周R面35には窒化層が無く、外周面ラップ加工面
33には深さ70μmの窒化層37が、キーストン面3
2には深さ30μmの窒化層37が存在している。な
お、コーナー部としての外周R面35の窒化されていな
い部分の寸法は、0.05〜0.20mm(外周側への投
影長さ)の範囲であった。
【0039】[実施例3]実施例2でガス窒化処理後に
SiO2膜を除去したトップリング素材を真円の治具に
挿入した状態で両側面を挟みつけて、真円治具から抜き
出し、CBN砥石を用いてプランジカット方式により外
周面のプロフィル研磨を行った。
【0040】図6の(a)にその断面を示す。両側面の
平行部34と内周面38およびコーナー部即ち外周R面
35には窒化層が無く、外周研磨面40には深さ65μ
mの窒化層37が存在し、外周R面35の窒化されてい
ない部分の寸法は、0.10〜0.20mm(外周側への
投影長さ)の範囲であった。キーストン面32には窒化
層37と白層36が存在している。次にこのリング素材
をアセトン溶液中で超音波洗浄した後に、アーク式イオ
ンプレーティング装置の炉内の治具にセットして1×1
-3Paに排気し、炉内のヒーターにて475℃で10
分加熱保持する。次に5×10-3Paにてバイアス電圧
を−800V印加し、クロムターゲットに真空放電を発
生させてから、アルゴンガスを導入し5分間のメタルボ
ンバードを行った。その後で、アルゴンガスの導入を停
止し窒素ガスを導入して4×10 -1Paの状態でバイア
ス電圧が−10VでCrN被膜が25μmとなるまで成
膜を続けた。炉冷却の後に取り出し、外周ラップ加工→
キーストン研磨機での両側面を研磨→両頭研磨機での両
側面の平行部研磨→隙仕上げ加工の通常の全面窒化トッ
プリングと同一の後加工工程を経て最終の形状に仕上げ
た。
【0041】得られたトップリングの断面を図6の
(b)に示すが、外周面にはイオンプレーティングによ
るCrN被膜41が、膜厚15〜20μm存在する。両
側面の平行部34と内周面38および外周R面35のh
寸法の範囲は窒化層が無く、寸法hは0.05〜0.2
0mmの範囲であった。外周面の窒化層37の膜厚は50
〜60μm、キーストン面32には深さ25μmの窒化層
37が存在していた。
【0042】[実施例4]厚さ(a1):4.0mm、幅
(h1):2.5mm、当たり幅(h5):0.3mmの断面
形状を有し(図7参照)(窓部寸法:窓長さ3.0×窓
幅0.75mm)、硬度Hv400の高クロム鋼材(主要
な合金組成:0.85C−17Cr−1Mo−0.1
V)を、呼び径:122mmとなるように連続的にコイリ
ングし、その後に合口部を切断し450℃で30分保持
し残留歪除去の熱処理を行い酸洗い後に水洗乾燥しオイ
ルリング本体とした。このオイルリング本体を、ポリヒ
ドロポリシラザンをキシレンで希釈した溶液(商品名:
東燃ポリシラザンL110)をキシレンでさらに希釈し
て濃度8重量%とした液に浸漬し、引き上げて乾燥し大
気中で400℃で1時間の焼成を行い、0.2〜0.5
μmの厚さのSiO2膜を全体に形成させた。
【0043】次に、両頭研磨機により、オイルリングの
両側面を略0.03mm研磨除去したのち、治具に縦方向
に段積みした形でとりつけた。その状態で治具を回転さ
せつつ外周側の当たり幅部のSiO2膜を研磨剤(Si
C)を塗布したフィルムにて除去した。次に治具から取
り外し、ガス窒化処理炉にてアンモニアと窒素ガスを流
気させつつ575℃で6時間保持し窒化処理を行った。
次に、フッ硝酸液(49%HF:60%H3=1:10
0)中で5分間浸漬しSiO2膜を完全に溶解除去した
後に、両頭研磨機での側面加工→外周ラップ加工→隙仕
上げ加工の通常の全面窒化品と同一の後加工工程を経て
最終の形状に仕上げた。
【0044】得られたオイルリング本体の断面を図7に
示すが、両側面63と、外周面の当たり幅部64にのみ
窒化層65が存在するが、他の面には窒化層は存在しな
い。
【0045】[実施例5]実施例4でのSiO2膜をつ
けたオイルリング本体を、両頭研磨をせずに治具に縦方
向に段積みした形でとりつけた。その状態で治具を回転
させつつ外周側の当たり幅部のSiO2膜を研磨剤(S
iC)を塗布したフィルムにて除去した。次に治具から
取り外し、ガス窒化処理炉にてアンモニアと窒素ガスを
流気させつつ575℃で6時間保持し窒化処理を行っ
た。次に、フッ硝酸液(49%HF:60%H3=1:
100)中で5分間浸漬しSiO2膜を完全に溶解除去
した後に、両頭研磨機での側面加工→外周ラップ加工→
隙仕上げ加工の通常の全面窒化品と同一の後加工工程を
経て最終の形状に仕上げた。
【0046】得られたオイルリング本体の断面を図8に
示すが、外周面の当たり幅部64にのみ窒化層65が存
在するが、他の面には窒化層は存在しない。
【0047】
【発明の効果】本発明では、緻密でガスバリアー性が高
いSiO2膜を利用いることから、極めて薄い膜で窒化
を防止することができる。また極めて薄い膜であること
から、寸法精度の高い塑性加工が行える。実施例のエキ
スパンダーの塑性加工での曲げや剪断においても、Si
2膜は剥離することがなく窒化防止の効果を発揮す
る。また膜の表面は平滑なために成形用ギヤを摩耗させ
ることもない。窒化を行いたい部分の膜を、機械的にし
たり、部材を剪断加工によって鉄素地を露出させること
も容易である。また、硬度が高い膜であることから、S
iO2膜をつけた後の取り扱いで傷が発生することもな
く、窒化防止の機能が傷で阻害されることもない。また
窒化処理後にSiO2膜を除去することは、フッ酸を含
む液中に浸漬して溶解除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ窒化で外周面のみを窒化したトップリ
ングの完成品の断面図である。
【図2】全面をガス窒化処理したのち、両頭研磨機で両
側面を研磨加工し外周面をラップ加工した従来の一般的
な工法・工程順で完成されたトップリングである。
【図3】ガス窒化後の2ピースオイルリングである。
【図4】本願実施例1で得られたピストンリングの断面
図である。
【図5】(a)は本願実施例2のSiO2皮膜を形成後
のピストンリングの断面図であり、(b)は本願実施例
2の両側面にキーストン面32を旋削で得た後のピスト
ンリングの断面図であり、(c)は本願実施例2の窒化
直後の断面図であり、(d)は本願実施例2の最終の形
状に仕上げたピストンリングの断面図である。
【図6】(a)は本願実施例2の外周面のプロフィル研
磨を行った後のピストンリングの断面図であり、(b)
はイオンプレーティングによりCrN被膜を形成した本
願実施例3のピストンリングの断面図である。
【図7】本願実施例4のオイルリングの断面図である。
【図8】本願実施例5のオイルリングの断面図である。
【符号の説明】
1 母材 2,38 内周面 3,63 両側面 4,33 外周面 5,35 外周R面 6,37,65 窒化層 31 SiO2膜 32 キーストン面 36 白層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 9/12 F16J 9/12 9/26 9/26 C Fターム(参考) 3J044 AA18 BA01 BB36 BC06 BC07 CB18 CB28 DA09 4K028 AA02 AB01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系合金からなる部材に、5μm以下の
    SiO2膜をコーティングした後に、窒化する部分の鉄
    合金素地を露出させて窒化処理を行うことを特徴とする
    部分窒化方法。
  2. 【請求項2】 ペルヒドロポリシラザンを有機溶剤にて
    希釈した溶液を鉄系合金からなる部材にコーティング
    し、乾燥し、または乾燥後に焼成することにより、部材
    にシリカ(SiO2)膜を形成した後に、窒化する部分
    の鉄合金素地を露出させて窒化処理を行うことを特徴と
    する部分窒化方法。
  3. 【請求項3】 外周面のみが窒化されているトップリン
    グにおいて、外周面と両側面とのコーナー部が長さ(外
    周側への投影長さ)で0.05〜0.5mmの範囲で窒化
    されていない部分が存在することを特徴とするトップリ
    ング。
  4. 【請求項4】 外周面のみが窒化されているトップリン
    グにおいて、外周面と両側面とのコーナー部が長さ(外
    周側への投影長さ)で0.05〜0.5mmの範囲で窒化
    されていない部分が存在し、かつ外周部にPVDもしく
    はCVDによって成膜された硬質皮膜が存在することを
    特徴とするトップリング。
  5. 【請求項5】 内周側からコイルエキスパンダーで張力
    を受ける2ピース構造のオイルリングにおいて、オイル
    リング本体のライナとの当たり幅部のみが窒化されてい
    ることを特徴とするオイルリング。
  6. 【請求項6】 内周側からコイルエキスパンダーで張力
    を受ける2ピース構造のオイルリングにおいて、オイル
    リング本体のライナとの当たり幅部と両側面のみが窒化
    されていることを特徴とするオイルリング。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2の部分窒化方法により製
    造された請求項3乃至6の何れかに記載のピストンリン
    グ。
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