JP2002332293A - 免疫系の調節 - Google Patents

免疫系の調節

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JP2002332293A
JP2002332293A JP2002121516A JP2002121516A JP2002332293A JP 2002332293 A JP2002332293 A JP 2002332293A JP 2002121516 A JP2002121516 A JP 2002121516A JP 2002121516 A JP2002121516 A JP 2002121516A JP 2002332293 A JP2002332293 A JP 2002332293A
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βaed
βaet
dhea
immune response
regulation
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Loria Roger
ロリア ロジャー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DHEA投与で認められる望ましくない副作
用を引き起こすことなく免疫系の防御調節を増進させる
薬剤が、感染に対する宿主耐性の特に有利な改善を提供
すること。次に、免疫系の防御調節は、化学療法剤の低
投与量の使用で効果が得られ得、広範囲の防御を伴った
即効性の応答を提供すること。 【解決手段】 本発明は、アンドロステンジオール(A
ED)およびアンドロステントリオール(AET)を投
与することにより、免疫応答の調節、ストレス影響の改
善、および、化学療法または放射線被照射の好ましくな
い影響の回避のための改良方法を提供する。免疫応答調
節の改良方法は、感染症および免疫疾患(例えば、糖尿
病および慢性疲労症候群(現在では両疾患とも免疫応答
関連症候群と考えられている))の治療に使用され得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンドロステンジ
オール(AED)およびアンドロステントリオール(A
ET)を投与することにより、免疫応答の調節、ストレ
ス影響の改善、および、化学療法または放射線被照射の
好ましくない影響の回避のための改良方法を提供する。
免疫応答調節の改良された方法は、感染症および免疫疾
患(例えば、糖尿病および慢性疲労症候群(現在では両
疾患とも免疫応答関連症候群と考えられている))の治
療に使用され得る。
【0002】
【従来の技術】(発明の背景)脊椎動物での、病原体に
対する宿主予防法の開発には、液性免疫応答および/ま
たは細胞性免疫応答の動員に関連する、選択的な宿主免
疫応答が要求される。いくつかの因子は、長期間の免疫
抑制または免疫系の「負方向の調節(down−reg
ulation)」を引き起こすことにより、身体防御
応答能力に有害な影響をおよぼす。その結果は攻撃から
身体防御ができなくなるので、実際には、「負方向の調
節」よりは免疫系の「悪性調節(mal−regula
tion)」または「逆調節(deregulatio
n)」と呼ばれる方が適切である。免疫抑制は、宿主中
で病原体が増殖する好機を提供する。何が免疫に重要な
損傷をもたらすかは問題ではない。結果的に適切な免疫
応答を引き起こすことができないので、同様の影響がも
たらされる。免疫抑制の多くの異なる原因には、ウイル
ス、細菌、真菌、酵母菌および寄生虫の感染、化学療
法、放射線照射、厳しいストレス、慢性疲労症候群、糖
尿病、およびある種のステロイド療法がある。
【0003】薬理学的に適切な投与量で、副腎皮質起源
のステロイドホルモンを投与されている患者が感染症の
発生の増加を示すことは、長年知られている。A.S.
Fauci, immunolo. rev. 6
5, 133−155 (1982);および、J.
E. ParilloおよびA.S. Fauci,
Annual Review of Pharmaco
logy and Toxicology 19, 1
79−201 (1979)。3−β−ヒドロキシアン
ドロスト−5−エン−17−オンまたはデヒドロイソ−
アンドロステロン(以下、DHEAと呼ぶ)としても知
られているデヒドロエピアンドロステロンは、哺乳類に
認められる量的に主要な副腎皮質ステロイドホルモンの
1つである、17−ケトステロイドである。M.E.
Windholz, The Merck Inde
x, 第9版 (1976); K. Diemおよび
C. Lentner, Geigy Scienti
fic Tables (1975)。(DHEAは、
生殖腺ステロイド合成での中間体として作用するようで
あるが、DHEAの主要な生理学的機能は、完全には理
解されていない。しかし、このホルモンのレベルは、2
0代で低下しはじめ、初老以降ではもとのレベルの5%
にまでなる)。
【0004】臨床的に、DHEAは、乾癬、通風、高脂
肪血症の患者を治療するために、全身投与および/また
は局所投与され、そして、冠状動脈血栓症後の(pos
t−coronary)患者に投与されてきた。W.
Regelsonら、NewYork Academy
of Sciences 518, 260−273
(1988)。哺乳類では、DHEAが体重最適化お
よび抗発癌性効果を有することが示された。
【0005】ヨーロッパで臨床的に、DHEAは、閉経
期症状の逆転のための薬剤としてエストロゲンと組み合
わせて使用され、さらに、躁欝病、精神分裂病、および
アルツハイマー病の治療に使用された。さらに、DHE
Aは、進行した癌および多発性硬化症の治療に、臨床的
に40 mg/kg/日で使用された。(Regels
on、前出)。穏和なアンドロゲン効果、多毛症、およ
び、リビドの増大が、副作用として観察された。これら
の副作用は、投与量のモニターおよび/または類似体の
使用により克服され得る。
【0006】米国特許第5,077,284号「免疫応
答を改善するためのデヒドロエピアンドロステロンの使
用」には、感染に対する宿主応答を改善するための、D
HEAの皮下または経口投与が記載されている。米国特
許第4,978,532号には、DHEA送達のための
パッチ法の使用が記載されている。
【0007】現在では、DHEAは、哺乳類の免疫応答
を増大するより効能のある薬剤に、最終的に導く代謝経
路における前駆体であることが開示されている。それ
は、DHEAが二相性化合物として作用する:それは、
アンドロステンジオール(5−アンドロステン 3β,
17βジオールであり、以後βAEDと呼ぶ)またはア
ンドロステントリオール(5 アンドロステン 3β,
7β,17βトリオールであり、以後βAETと呼ぶ)
に転換されると免疫調製薬として作用するが、インビト
ロでは、βAEDおよび/またはβAETへの転換の前
に、細胞増殖に対してある種のリンホトキシンおよび抑
制効果を有する。従って現在では、DHEAの投与は、
そのDHEAがより活性な代謝物へと部分転換する結果
として、優れた免疫増強特性を示すと理解されている。
【0008】DHEA投与で認められる望ましくない副
作用を引き起こすことなく免疫系の防御調節を増進させ
る薬剤は、感染に対する宿主耐性の特に有利な改善を提
供する。次に、免疫系の防御調節は、化学療法剤の低投
与量の使用で効果が得られ得、広範囲の防御を伴った即
効性の応答を提供する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】DHEA投与で認めら
れる望ましくない副作用を引き起こすことなく免疫系の
防御調節を増進させる薬剤が、感染に対する宿主耐性の
特に有利な改善を提供すること。次に、免疫系の防御調
節は、化学療法剤の低投与量の使用で効果が得られ得、
広範囲の防御を伴った即効性の応答を提供すること。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、アンドロステ
ンジオール(AED)およびアンドロステントリオール
(AET)を投与することにより、免疫応答の調節、ス
トレス影響の改善、および、化学療法または放射線被照
射の好ましくない影響の回避のための改良方法を提供す
る。免疫応答調節の改良方法は、感染症および免疫疾患
(例えば、糖尿病および慢性疲労症候群(現在では両疾
患とも免疫応答関連症候群と考えられている))の治療
に使用され得る。
【0011】本願発明において、活性薬剤として、5−
アンドロステン3β,17βジオール(βAED)、5
−アンドロステン3β,7β,17βトリオール(βA
ET)または5−アンドロステン3β,7β,17βト
リオール(αAET)、または下式の化合物のうちの少
なくとも1種を薬学的に受容可能なキャリア中に含有す
る組成物:
【0012】
【化1】 ここで、Rは、H、2〜8個の炭素のアルケニル、1
〜8個の炭素のアルキル、1〜4個の炭素のフェニルア
ルキル、フェニル、またはCORであり得、ここで、
は、H、1〜8個の炭素のアルキル、2〜8個の炭
素のアルケニル、フェニルアルキル(ここで、該アルキ
ルは、1〜4個の炭素を有する)(ベンジルを含む)、
またはフェニルであり、どのフェニル部分も、ヒドロキ
シ、1〜4個の炭素のカルボキシ、ハロ、1〜4個の炭
素のアルコキシ、1〜4個の炭素のアルキル、または2
〜4個の炭素のアルケニルから選択される、3つまでの
置換を有し得、そして、どのアルキルも直鎖、分枝鎖で
あり得るか、または、該アルキルは、全体または部分的
に環状化され得る組成物が提供される。
【0013】本願発明の1つの局面において、この組成
物の活性薬剤がβAEDまたはβAETである。本願発
明の別の局面において、この組成物はグリコールを含有
する。
【0014】本願発明の1つの局面において、この組成
物の活性薬剤が、支持体に結合されており、好ましく
は、この組成物がパッチである。
【0015】本願発明の1つの局面において、この組成
物は密封容器中に存在する。本願発明の別の局面におい
て、この組成物はカプセル形態の経口投与用の組成物で
ある。
【0016】本願発明の1つの局面において、この組成
物は移植に適用される。
【0017】さらに本願発明において、上記の組成物の
有効量を投与することにより、哺乳類における化学療法
または放射線療法での好ましくない影響を予防または改
善するための方法が提供される。
【0018】本願発明の特定の局面において、使用され
る活性薬剤がβAETおよび/またはβAEDである。
さらなる局面において、この活性薬剤が、パッチまたは
インプラントにより投与される。
【0019】本願発明において、上記の組成物を、免疫
の正方向への調節量を投与することにより、脊椎動物の
免疫応答を増強する方法が提供される。1つの局面にお
いてこの組成物が、皮下、皮内、または局所塗布により
投与される。特定の局面においてこの組成物がクモ膜下
腔内に投与されか、パッチとして投与されるか、鼻腔内
投与されるか、膣壁に接触する組成物になるような様式
で投与されるか、口から投与される。さらなる局面にお
いて、上記の組成物が、コンドーム用潤滑剤として投与
される。特定の局面においては、上記の組成物は、ワセ
リンを含有する。
【0020】本願発明において、AEDまたはAETの
付着阻害量に細胞を曝すことにより、該細胞が他の細胞
に付着するのを阻害する方法が提供される。また、本願
発明において、AEDまたはAETのリンパ球増殖促進
量を増殖培地に添加することにより、インビトロでのリ
ンパ球増殖を増大させる方法が提供される。さらに、本
願発明において: (1)リンパ球を被験体から取り出して分離する、工
程; (2)AEDまたはAEDを含有する培地で、工程
(1)で得たリンパ球を増殖する、工程;および、 (3)該リンパ球を該増殖培地から分離し、該リンパ球
を、工程1でそれらを取り出した該被験体に投与する、
工程。 により、被験体において、自己起源のリンパ球を増加さ
せる方法が提供される。
【0021】本願発明において、脊椎動物の免疫応答を
増強する方法であって、βAED、αAET、βAE
T、または下式の化合物を、該脊椎動物の食物または水
中に入れて投与することによる、方法:
【0022】
【化2】 ここで、Rは、H、2〜8個の炭素のアルケニル、1
〜8個の炭素のアルキル、1〜4個の炭素のフェニルア
ルキル、フェニル、またはCORであり得、ここで、
は、H、1〜8個の炭素のアルキル、2〜8個の炭
素のアルケニル、フェニルアルキル(ここで、該アルキ
ルは、1〜4個の炭素を有する)(ベンジルを含む)、
またはフェニルであり、どのフェニル部分も、ヒドロキ
シ、1〜4個の炭素のカルボキシ、ハロ、1〜4個の炭
素のアルコキシ、1〜4個の炭素のアルキル、または2
〜4個の炭素のアルケニルから選択される、3つまでの
置換を有し得、そして、どのアルキルも直鎖、分枝鎖で
あり得るか、または、該アルキルは、全体または部分的
に環状化され得る、方法が提供される。
【0023】ある局面において、対象となる脊椎動物
が、慢性疲労症候群のヒト、または慢性酵母菌感染にか
かっているヒトである。
【0024】
【発明の実施の形態】(発明の開示)本発明は、感染に
対する免疫系の防御応答を増強するために有用な化合物
および組成物を提供する。本発明の医薬組成物はまた、
しばしば免疫抑制を伴う他の合併症の治療にも有用であ
る。防御免疫応答の増強はまた、本明細書中では免疫応
答の正方向の調節(up−regulation)また
は調節と呼ばれ得る。
【0025】本発明は、AETのαおよびβ両立体異性
体の合成方法を提供する。両異性体とも、体内に存在す
る。しかし、異性体の活性は変わるので、分離異性体を
調製する方法が提供されることは重要である。現在で
は、βAETが免疫応答の調節における活性薬剤である
ことが知られている。しかし、αAETは、過剰である
とき、おそらくβAETと平衡状態にある。しかし、応
答間隔の遅れが何であるかは現在知られていないので、
βAETは治療に使用される異性体である組成物であ
る。
【0026】βAEDおよびβAET、および保護類似
体を使用すると、DHEAの使用から生じるある種の副
作用が回避される。βAEDおよびβAETを用いるこ
とにより、前駆体DHEAが投与されたときに生じる多
くのアンドロゲン副作用が回避される。βAEDおよび
βAETを用いると、速効で制御的な免疫応答が増強さ
れ得る。さらに下記の表1の情報に示されるように、β
AEDは、その防御がDHEAによりもたらされた防御
とは定量的および定性的に異なるので、ウイルス攻撃に
対する防御特性に関してDHEAより予想外に優れてい
る。βAED、および、AETのαおよびβ異性体は以
下の通りである。
【0027】
【化3】 医薬組成物に加えて、本発明は、βAEDおよびβAE
Tの類似体および誘導体を包含する。後に合成法の例示
で示されているように、いくつかの置換化合物が、βA
EDおよびβAET調製の開始物質または中間体として
有用である。βAEDは、市販品から入手可能であり、
他のステロイド生成用の原料物質として使用されてい
る。(米国特許第2,521,586号を参照のこ
と)。試験に使用される生成物は、Sigmaから入手
した。βAEDおよびβAETはまた、加水分解で得ら
れたβAEDまたはβAETにおいて、保護基で置換さ
れ得る。従って、アシル化およびアルキル化誘導体が、
βAEDおよびβAETの前駆体として有用である。以
下の式のような化合物:
【0028】
【化4】 ここで、Rは、H、2〜8個の炭素のアルケニル、1
〜8個の炭素のアルキル、1〜4個の炭素のフェニルア
ルキル、フェニル、またはCORであり得、ここで、
は、H、1〜8個の炭素のアルキル、2〜8個の炭
素のアルケニル、フェニルアルキル(ここで、該アルキ
ルは、1〜4個の炭素を有する)(ベンジルを含む)、
またはフェニルである。どのフェニル部分も、ヒドロキ
シ、1〜4個の炭素のカルボキシ、ハロ、1〜4個の炭
素のアルコキシ、1〜4個の炭素のアルキル、または2
〜4個の炭素のアルケニルから選択される、3つまでの
置換を有し得、そして、どのアルキルも、直鎖、分枝鎖
であり得るか、または、このアルキルは、全体または部
分的に環状化され得る。
【0029】実施例のモデルとして使用された急性ウイ
ルス感染は、その広範囲に及ぶ効果およびモデルの厳し
さのために、防御を示すのに選択された。コクサッキー
ウイルス(Coxsackievirus)B4は、マ
ウスを死に至らせる。ヒトでは、コクサッキーウイルス
は、上気道感染症、咽頭炎、出血性結膜炎、髄膜炎、発
疹、脳炎、肝炎、乳児下痢、麻痺、心膜炎、および心筋
炎のような多様な病状を引き起こす。現在では、このグ
ループのウイルスはまた、若年型糖尿病の発症において
ある役割を有すると考えられている。
【0030】本明細書に教示されているようなβAED
およびβAET、および保護類似体の使用により、ヒト
を含む脊椎動物に、感染または免疫抑制作用に曝された
ことに起因する病的状態に対する高レベルの防御が提供
される。臨床医薬では、βAEDおよびβAETでの治
療は、病原生物に曝された患者の病的状態を減退させ得
る。これらの薬剤は、特に感染に感受性であることが知
られる患者において、予防用に効果的に使用され得る。
手術または化学療法を受けている患者、または、火傷、
再生不良性貧血または再生不能性貧血、または肝炎を患
っている患者は、このようなβAEDおよび/またはβ
AETの予防的投与で利益を得る感受性の患者である。
また、免疫抑制の原因には、ウイルス、細菌、真菌、酵
母菌および寄生虫感染、化学療法、放射線照射、厳しい
ストレス、慢性疲労症候群、および、ある種のステロイ
ド療法がある。本発明の組成物は、特にヒト免疫不全ウ
イルス(HIV)および肝炎のような、身体の免疫応答
を破壊するウイルスが原因となる感染症患者を治療する
のに有用である。
【0031】βAEDおよびβAETの両方ともが、D
MSOのような親油性キャリアを用いて、最も効果的に
処方される。実施例で使用された動物への皮下投与で
は、活性薬剤を1:1 DMSO/エタノールに溶解
し、次に、動物への皮下投与用に希釈した。組成物を口
から投与する場合には、0.4% AEDを含有する組
成物を供給するように食物に添加した。皮膚に塗布する
場合には、AEDは、例えば、DMSOおよびアルコー
ルを含有するキャリア物質に溶解され、次にパッチに適
用され得る。このような場合には、溶液中のAEDは、
パッチの支持材に組成物を適用する前に、グリセロール
のような別のキャリアに添加され得る。膣または肛門投
与には、AEDは、坐剤、浣腸剤により、またはクリー
ムなどの塗布より投与され得る。本発明の組成物は、活
性薬剤が外胚葉起源の組織と接触するようないずれもの
様式により投与され得る。このような方法には、皮下ま
たは皮内注射、または局所塗布が含まれる。局所塗布の
一方法は、活性薬剤を浸潤させた皮膚パッチの使用であ
る。この送達方法は、非侵襲的であり、非熟練者によっ
ても容易に投与されるので、好都合である。本発明の組
成物はまた、輸送中のストレスから生じる病的状態を防
ぐための動物用医薬としても使用され得る。βAEDお
よびβAETの投与は、感染症の流行およびヒトが消費
する食物中への感染微生物の導入を予防するための方法
として有効であり得る。βAEDおよびβAETは、皮
下注射、食物または飲物中に入れること、皮膚塗布用パ
ッチ、または吸入により投与され得る。特に健康面での
関心には、卵を介する感染の流行がある。卵はしばしば
親の雌鳥での発育中に感染する。本発明の活性薬剤を含
有する組成物は、卵の細菌感染を予防するために、飼料
または飲料水に添加され得る。
【0032】パッチが動物または鳥類に使用される場合
には、皮膚が直接パッチに露出されなければならない。
パッチが使用されるときには、皮膚を露出するために、
鳥類または動物の毛を引き抜くか、または剃る必要があ
り得る。
【0033】他の投与の好ましい方法には、頬、舌下、
鼻腔内、または気管内経路が含まれる。この目的のため
にはスプレーが有用であり得る。鼻腔内投与には、活性
薬剤は吸引される粉末として送達され得る。シクロデキ
ストリン封入複合体のような封入複合体は、口腔咽頭粘
膜および鼻腔粘膜への投与に適した組成物である。
【0034】βAEDおよびβAETはまた、免疫応答
を増強するためのワクチンとともに与えられ得る。これ
らの薬剤は、ワクチンを含有する組成物中またはワクチ
ンとは別の組成物中のいずれかで投与され得る。
【0035】本発明の化合物はまた、経口または肛門経
路により腸粘膜に投与され得る。坐剤、持続性浣腸剤
(retention enema)として用いられる
溶液、および、クリームまたはゼリーが、肛門投与での
使用に適したキャリアである。
【0036】本発明の化合物は、クリーム、ゼリー、坐
剤、または潅注液により、膣粘膜に適用され得る。感染
生物に曝された部位での免疫応答を増強するために、本
化合物は、予防用膣調製物に添加され得るか、またはコ
ンドームの潤滑剤として使用され得る。
【0037】本発明の組成物の投与は、脳炎および髄膜
炎に対する予防手段として非常に有効であることを証明
した。本発明の組成物は、脊椎レベルでまたは大槽中の
いずれかでクモ膜下腔内に投与され得る。
【0038】本発明の活性薬剤は、眼適用に適合した、
ドロップ、クリーム、または、ゲル溶液または懸濁液の
形態の組成物により、眼経路で投与され得る。
【0039】βAEDおよびβAETは、体細胞の付着
特性を阻害する。抗付着特性をもたらす目的には、本発
明の活性薬剤は、手術中に上皮組織に直接送達され得
る。このような使用の例は、感染症、子宮内膜症、およ
び、腸および卵巣の悪性腫瘍のような症状(そこでは、
外来細胞または粒子が、腹膜内層の正常細胞に付着する
ことが問題である)における、本発明の活性薬剤を含有
する組成物の網への適用に関連する。本発明の組成物
は、例えば、ミストまたはスプレーとして投与され得
る。
【0040】DHEAがβAED、およびAETの両異
性体に転換されることが、インビボにおいて示された。
次に、βAEDおよびβAETは、免疫応答の調節因子
(レギュレーター)として作用する。皮膚では、DHE
AのAED、そして次のAETへの転換は、DHEAの
代謝経路の1つであると考えられる。ヒトの副腎皮質お
よび肝臓は、DHEAの7α−ヒドロキシル化のみを形
成し、7β−ヒドロキル化は形成し得ないが、ヒトの皮
膚は、7β−OH DHEAを形成し、AEDの7βヒ
ドロキシル化を行ってβAETを得る酵素的機構を有す
る。以下の表は、DHEAの代謝経路を示す。
【0041】
【化5】 DHEA(a)は、免疫増強活性を有することが知られ
ている。しかし、デヒドロエピアンドロステロン硫酸
「(b)」は、免疫系において増強効果を有さないこと
が認められた。5アンドロステン−3β,11β,17
β−トリオールおよび5アンドロステン−3β,16
β,17β−トリオールはともに、免疫抑制効果を有す
る。テストステロン「(i)」は、宿主免疫応答におい
て効果を有することが知られているが、この効果は、致
死的な感染症の予防には至らない。テストステロンおよ
び他の性ホルモンの免疫応答に対する定量的および定性
的効果は、異なる性質および範囲のものである。
【0042】
【実施例】(実施例1)アンドロステンジオール(5
アンドロステン−3β、17β、ジオール、βAED)
を使用した結果、ウイルス感染および細菌感染に対して
著しいおよびかなりの抵抗性であった。用量曲線実験
は、次のように処理した:βAEDおよびDHEAを、
1回の持続用量として8.3mgのAEDまたは25m
gのDHEAを、SWR\JおよびC57BL\6J近
親交配マウスに投与した。次いで、活性薬剤の防御値を
測定するために、マウスに種々の量のコクサッキーウイ
ルスB4(CB4)を感染させた。βAEDは、コクサ
ッキーウイルスB4に対して50%防御用量を与え、そ
れはDHEAにより与えられる防御より100倍大き
い。さらに、ED50における相違に比べて、アンドロ
ステンジオールで達成されるウイルス性の致死に対する
防御の程度もまたDHEA注射で得られる程度より大き
い。βAEDによりもたらされたウイルスに誘導される
致死に対する防御の増加は、DHEAにより得られた防
御とは統計学的に有意に異なる(P<0.05)。
【0043】
【表1】 これらの結果から分かるように、βAEDは、致死をさ
けることにおいてDHEA前駆体より著しく効果が高
い。有効量のβAEDは、DHEAで効果を得るために
必要な用量の1/3未満であり、致死からの防御を達成
するのに効果的である。ウイルスを介する致死からの同
様の防御がまた、近親交配したC57BL/6J(b)
系統でも観察された。2つの近親交配マウス系統(SW
R/JおよびC57BL/6J)は、その主要組織適合
性ハプロタイプが異なり、それぞれqおよびbである。
この結果は、異なる組織適合性の系統において、βAE
Dを用いて達成される免疫応答の正方向の調節が、第1
7染色体上の主要組織適合遺伝子と無関係であり得るこ
とを示す。
【0044】最近の報告で、皮膚は特有の免疫機能を有
し得ることが示されている。J.W. Streile
inおよびR.E. Tigelar、Photoim
munology、Parrishら編 (Plenu
m Publishing、New York、198
3)95−130ページ。実際に、皮膚は皮膚免疫細胞
群をマウス系統のThy−1+樹枝状表皮細胞中に含む
ことが知られており、それはIL−1に類似の表皮の胸
腺細胞活性化因子を産生する表皮のランゲルハンス細胞
およびケラチノサイトを含む。
【0045】(実施例2)8mgのβAEDを含む組成
物を、異系交配したICRマウスに皮下投与した。次い
で、致死量のStreptococcus faeca
lis X1515.OG1RF株を感染させた。βA
EDを与えた動物は、細菌のみを感染させた動物におけ
る致死率の57%から、感染させ、そして1回の皮下
(SC)投与量のβAEDで処置した動物における致死
率0%まで致死率を減少したことから明らかであるよう
に、病的状態に対する著しい抵抗性を示した。さらに、
一定の閾値の用量を越えるβAEDは、脾臓および胸腺
においてかなりのリンパ球の増殖をもたらすが、それは
感染動物においてのみである。ウイルスに曝されず、1
頭あたり8mgのβAEDを投与しても増殖を引き起こ
さなかった。ウイルス感染のみの近親交配のSWR/J
マウス、およびβAED処置のみまたはβAED処置お
よびウイルス感染で処置した動物の臓器の組織病理学試
験により、βAEDはウイルス誘導性の心筋症および膵
疾患からの防御に効果があることが判明した。下記の表
2に示されたデータに、βAEDは、宿主のICR近親
交配系統(現在、Holland Sprague D
owley Companyにより供給されるIns
t, of Cancer Reseach系統)を、
S.faecalisから、しかしDHEAが同じ効果
に必要とする用量の1/3の用量で、防御することが示
される。
【0046】
【表2】 防御は、24時間以内に死ぬ極めて急性の感染において
達せられた(処置群での0/7に対して未処置群では4
/7であった)。マウスには、細菌S.faecali
s X1515.OG1RF単離株を含む致死量のプラ
スミドを感染させた。
【0047】(実施例3)単層の膀胱腫瘍細胞を含むウ
エルを、アッセイに使用する前に一晩、βAEDまたは
DHEAのいずれかの50μモル溶液でカバーする。結
果を下の表3に示す。
【0048】
【表3】 表3に示すように、DHEAおよびβAEDは共にヒト
膀胱腫瘍細胞への細菌の付着を阻害する。βAEDおよ
びAETは、膜流動性、または細胞への付着および/ま
たは浸透に影響する構成成分のいずれかに、効果を有す
ると考えられている。膀胱腫瘍細胞(EJ6)を、膜流
動性におけるAEDの効果を測定するために膜プローブ
として蛍光プローブ1−4、トリメチルアンモニオ−フ
ェニル−6 1,3,5ヘキサトリエン(TMA−DP
H)を使用してフローサイトメトリーで分析した。
【0049】(結果) A. サンプル1および2は標準の組織培養液中で増殖
させたコントロール細胞を示す。 B. サンプル3または4は50μM AED入りの上
記のコントロール培養液で増殖させた細胞を示す。
【0050】 サンプルA1. 0.121256 サンプルA2. 0.120548 コントロールの平均 0.120902 AED 50 μM 3. 0.135151 AED 50 μM 4. 0.142453 試験の平均 0.138802 コントロールとβAED処理細胞との間の0.0178
99の差は有意であり、βAEDが細胞膜の付着におい
て有意の変化を引き起こすことが証明される。それは、
細胞膜の硬度の増加(流動性の減少)が付着に影響する
ことであり得る。
【0051】(実施例4)細胞培養液に4X107のH
ela細胞を接種した。DHEAを50μMの濃度まで
加え、βAEDを50μMの濃度まで加えた。DHEA
に曝した細胞培養では、細胞数が2倍の減少を示した。
βAEDに曝した細胞培養(コントロール)およびキャ
リアーのみに曝した培養は生存細胞数に2倍の増加を示
したまたは変化を示さなかった。これらの観察で、βA
EDは細胞応答の初期でDHEAの有害な効果を有さな
いことが示唆される。DHEAおよびβAEDのいずれ
もインビトロでウイルス感染粒子数に影響を有しない。
【0052】(実施例5)マウスに8mgのβAEDま
たは25mgのDHEAを皮下注射した。次いで、マウ
スにコクサッキーウイルスB4、105粒子を感染させ
た。7日後にマウスを屠殺した。脾臓のリンパ球を取り
出し、コンカナバリンA、5μg/mlでインビトロで
刺激した。刺激を3H−チミジン取り込み法で測定し
た。βAEDは脾臓のリンパ球の増殖に大きな効果を有
し、6.6倍大きい増殖が明示された。データはまた、
初期のステロイドDHEAの継続投与の結果、免疫系を
いくらか抑制することを示唆する。
【0053】上記の結果は、DHEA処置において観察
される免疫の正方向の調節を上回る初期の免疫抑制また
は毒性が回避されるため、感染への免疫応答を増大させ
るためにはDHEAよりもβAEDまたはβAETを使
用する方が有利であることを明らかに示唆する。従っ
て、DHEAよりむしろβAEDまたはβAETでの治
療が、感染生物への免疫応答を改善するためには好まし
い。
【0054】DHEAとAEDとの間の構造におけるた
だ一つの変化は、17位のケト基のβ水酸基への還元で
ある。7位の水素をβ水酸基で置換したAETは、皮膚
の代謝経路により生成される。言い換えれば、βAET
は皮膚におけるDHEAの代謝経路の下流産物である。
βAETは、免疫の正方向の調節、および、ストレス、
化学療法、および放射線照射の好ましくない効果からの
防御をもたらす最も有効な化合物であると考えられる。
【0055】(調製の方法#1)本発明の重要な局面
は、医薬として使用する立体特異的な(sterio−
specific)βAETの調製である。合成は、開
始物質として7−オキソ−3β,17βアセトキシ−ア
ンドロスト−5−エンを用いて行った。
【0056】(3β,7β,17β−トリヒドロキシア
ンドロスト−5−エン(I)および3β,7α,17β
−トリヒドロキシアンドロスト−5−エン(II)の合
成:)氷酢酸中での3β,17β−ジアセトキシアンド
ロスト−5−エンの酸化クロム酸化で、3β,17β−
ジアセトキシアンドロスト−5エン−7−オン(II
I)[(I)または(II)の中間体]を生じる。
【0057】イソプロパノール中での(III)のアル
ミニウムイソプロポキシド還元で(I)が生じる。テト
ラヒドロフラン中での(III)のリチウムトリ(第2
級ブチル)ボロヒドリド還元で、(II)が生じる。
【0058】(3β,17β−ジアセトキシアンドロス
ト−5−エン−7−オン(III)の調製)400ml
の氷酢酸中の37.4g(0.1mol)の3β,17
β−ジアセトキシアンドロスト−5−エン(Stera
loids A7850)を、20mlのH20および
20mlの氷酢酸に溶解した30.06g(0.3mo
l)の酸化クロム(VI)(Aldrich 23,2
65−3)と反応させた。CrO3溶液を3β,17β
−ジアセトキシアンドロスト−5−エン溶液に滴下して
加え、4時間55℃の温度に維持した。いずれの未反応
CrO3をも分解するために、反応混合物にメタノール
を加え、続いて塩の水溶液およびエーテルを加えた。エ
ーテルを蒸発させて7.8g(20%収量)の粗III
を生じた(詳細は、実験書#1、10−16ページにあ
る)。95%EtOHからの結晶化で、(III)融点
214−215℃、DSCピーク191−224℃、2
20℃で最高、(文献1)融点218−219℃、(文
献2)融点224−225℃(メタノール由来)を生じ
た。
【0059】順相tlc:EtOAC−シクロヘキサン
−EtOH(45:45:10)、Rf=0.86。I
Rバンド(cm −1:1737、1666(文献2、
1728、1668)。1H NMR(CDC13)、
(d)、ppm: 0.81(s,3H)、1.25
(s,3H)、2.02(s,6H)、2.25(m,
H C−4における)、2.5(m,H C−8におけ
る)、4.6(t,HC−17における)、4.7
(m,H C−3における)、5.72(s,1H);
(文献2、0.80(s,3H)、1.20(s,3
H)、2.03(s,6H)、4.62(m,1H)、
5.71(g,1H)。)逆相 lc/ms(高速原子
衝撃検出)でm/z 389(M+HJ’ 主lcピー
ク中のイオンを検出した(文献2 m/z 388
(M)。実験的C−13 nmr、(d)、ppmによ
る帰属(CDC13)は:
【0060】
【化6】 (3β,7β,17β−トリヒドロキシアンドロスト−
5−エン(I)の調製)3β,17β−ジアセトキシア
ンドロスト−5−エン−7−オンをイソプロパノール中
でのアルミニウムイソプロポキシドによって還元し、3
β,7β,7β−トリヒドロキシアンドロスト−5−エ
ンを得た。
【0061】(3β,7α,17β−トリヒドロキシア
ンドロスト−5−エン(II)の調製)テトラヒドロフ
ラン中のリチウムトリ(第2級ブチル)ボロヒドリド
(Aldrich L−Selectride)5.1
ml(5.1mmol)を、窒素下で新たに蒸留した1
5mlのテトラヒドロフランの中の、499mg(1.
28mmol)の3β,17β−ジアセトキシアンドロ
スト−5−エン−7−オンにすばやく加え、氷浴の温度
で1.5時間撹拌した。15mlメタノール中の0.9
gのKOHを加え、反応混合物を0.5時間還流し、次
いで37.5mlの10%NaCl溶液を加えた。冷凍
庫(−20℃)で冷却後、結晶を生じ、濾過し、12
3.6mg(19%)(II)、融点239−45℃を
得た。メタノールからの結晶は、(II)、融点24
9.5−253℃を生じた。1H nmr(CD(O
D)3)、(d)、ppm:0.75(s,3H)、
1.01(s,3H)、3.1(m,1H)、3.6
(t,1H)、3.7(d,1H)、5.50(d,1
H)。
【0062】実験的C−13 nmr、(d)、ppm
による帰属(CD(OD)3)は:
【0063】
【化7】 (考察)立体化学は、コレスト−5−エン−3β、7β
−ジオールおよびコレスト−5−エン−3β、7α−ジ
オールプロトンnmr(文献3)と比較して、3β、7
β、17β−トリヒドロキシアンドロスト−5エン
(I)および3B、7α、17β−トリヒドロキシアン
ドロスト−5−エン(II)に帰属した。(II)を作
製するための(III)のL−Selectride還
元は、7α−ヒドロキシコレステロールの調製に関する
Morisakiにより与えられた条件と同じ反応条件
を用いて行った4。構造異性体(I)および(II)に
関する炭素−13共鳴を示す。(多重度(ppm))
【0064】
【化8】 (参考文献) 1.Adolf Butenandtら、Ber. 7
1B、1316−22(1938)。 2.Anthony J. Pearsonら、J.C
hem.Soc. Perkin Trans. I、
267−273(1985)。 3.Leland L. Smithら、J.Org.
Chem.、38巻、No.1、119−123(19
73)。 4.Masao Morisakiら、Chem.Ph
arm.Bull.35(5)1847−1852、
(1987)。
【0065】(調製の方法#2)AETのαおよびβ異
性体を調製する第二の方法が開発されている。そのプロ
セスは、開始物質として3β,17βジアセトキシアン
ドロスト−5−エン、市販の試薬(Stereloid
s A7850)を用いる。この化合物を、Pears
onにより記載されたようにヘキサ六カルボニルクロム
(Cr(Co)6)で酸化して、3β,17β−ジアセ
トキシアンドロスト−5−エン−7−オンを形成させ
た。(Pearsonら、J. Chem Soc.
Perkin. Trans. 1、1985、26
7)。次いで、形成されたエノン(enone)をトリ
イソブチルアルミニウム(TIBA)で還元し、用いた
溶媒に応じて、アセチル化7α−ヒドロキシ(3a)生
成物または7β−ヒドロキシ(3b)生成物を得た。
【0066】(3β,7α,17β−トリヒドロキシア
ンドロスト−5−エンの調製)3β,17β−ジアセト
キシアンドロスト−5−エン−7−オン(0.4991
g、1.285mmol)の溶液およびテトラヒドロフ
ラン(20mL、MgSO4上で乾燥)を窒素環境下で
混合した。TIBA(2mL、2mmol、1Mトルエ
ン中)をシリンジで滴下して加えた。溶液を約7時間、
室温で撹拌した。酢酸エチル(1.4mL)、メタノー
ル(10mL)を加えて、および最後に10mLの50
%酢酸を加えて反応を停止した。この溶液を100mL
の水に加え、酢酸エチルで抽出した(50mLで3
回)。有機溶媒層を合わせて、次いで飽和炭酸水素ナト
リウム溶液(50mL)、飽和塩化ナトリウム溶液(5
0mLで2回)、および水(50mL)で洗浄した。次
いで、有機溶媒層を硫酸マグネシウム上で乾燥して、溶
媒をロータリーエバポレーターで除去し、96%を越え
る粗生成物を得た。1H NMRは、粗生成物が3β,
17β−ジアセトキシアンドロスト−5−エン−7−オ
ン(開始物質)を65%および3β,17β−ジアセト
キシ−7α−ヒドロキシアンドロスト−5−エンを35
%含むことを示唆した。
【0067】(3β,7β,17β−トリヒドロキシア
ンドロスト−5−エンの調製)3β,17βジアセトキ
シアンドロスト−5−エン−7−オン(0.9581
g、2.466mmol)の溶液およびペンタン(30
mL、MgSO4上で乾燥)を、窒素環境下で混合し
た。次いで、TIBA(9.5mL、9.5mmol、
1Mトルエン中)をシリンジで滴下して加えた。溶液を
約1時間室温で撹拌した。蒸留した塩酸(約5mL)を
加えて反応を停止した。この溶液を水(100mL)に
加えて、酢酸エチルで抽出した(50mLで3回)。有
機溶媒層を合わせて、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶
液(50ml)、飽和塩化ナトリウム溶液(50mLで
2回)および水(50mL)で数回洗浄した。有機溶媒
層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒をロータリーエ
バポレーターで除去し、86%の粗生成物を得た。1H
NMRは、粗生成物が、3β,17β−ジアセトキシ
−7−β−ヒドロキシアンドロスト−5−エン−7−オ
ン(86%)および3β,17β−ジアセトキシ−7−
α−ヒドロキシアンドロスト−5−エンを含むことを示
唆する。
【0068】上記の両方の場合において、最終生成物を
調製の方法#1に従って還元した。
【0069】βAEDおよびβAETを含む本発明の組
成物は、いかなる治療条件でも有用である。免疫応答に
関連する症状は現在、糖尿病、慢性疲労症候群、ストレ
ス、化学療法、および放射線照射に曝すことを含んでい
る。免疫応答の異常を伴う多くのこれらの症状のさらに
憂鬱な結果の1つは、脱毛症を含む。本発明の化合物
は、化学療法および放射線照射の影響を含むそのような
免疫応答の異常の結果の脱毛症の治療に有効である。脱
毛症において、αAETは治療での使用に、かなりの利
益がある。βAEDおよびβAETの両方の組成物は、
これらの症状において生じる免疫抑制の他の好ましくな
い影響を解決するのに有用である。
【0070】(実施例6)SWR/J近親交配マウスに
1回持続用量の0.5、2.0、4.0、および8.0
mg/匹のβAEDを注射し、次いで107PFUのコ
クサッキーウイルスB4を感染させた。結果を以下に示
す: AED投与量(mg/匹) 累積生存率(%) 0 17 0.5 83 2 100 4 100 8 100。
【0071】これらの結果に基づいて、107PFUの
CB4での感染からの50%防御を達成するのに必要な
βAEDの理論用量(推定)は、0.25mg/匹であ
る。
【0072】実施例で、βAEDは、コクサッキーウイ
ルスB4からの防御に関して50倍から100倍、DH
EAより効力が高いことを示す。
【0073】(実施例7)感染動物における心臓および
膵臓の病理学上のβAED効果を評価する試みで、3群
の近親交配SWR/Jマウスを比較した。研究した群
は、ウイルスのみに感染させた動物、βAEDのみで処
置した動物、およびウイルスに感染させβAEDで処置
した動物を含んだ。比較により以下のことが判明した: 心臓 膵臓 AED 特になし 特になし ウイルス 事実上の 心筋のカルシウム沈着 重篤な壊死 を伴う限局性の (膵疾患) 多発性壊死 AEDプラス 誘導性心筋症 ウイルス誘導性 ウイルス の形跡はない 膵疾患の形跡はない。
【0074】これらの結果は、1回の持続用量として
8.0mg/マウスで投与されたβAEDが、心臓組織
をウイルスに誘導される心筋症から防御し、また膵臓を
ウイルスに誘導されるこの器官の壊死から防御したこと
を示す。これらの結果は、βAEDがウイルスに誘導さ
れる心臓血管の疾患および膵臓の疾患、特に心筋症およ
び膵疾患からの防御において効果的に用いられ得ること
を示す。以前には、これらの器官をウイルスに誘導され
る損傷から防御する有効な薬剤はなかった。
【0075】(実施例8)βAED、αAET、および
βAETの効果を、マウスにコクサッキーウイルスB
4、5.0X107pfu/匹を感染させて比較した。
次のデータは、ウイルス感染後指定した日での全累積致
死率(n/6)を示す。
【0076】 累積致死率 処置群 (感染後日数) 2 4 6 8 10 12 14 16 ウイルスのみ 0 1 6 * * * * * βAED 0.5mg/ウイルス 0 0 1 1 6 * * * αAET 0.5mg/ウイルス 0 1 4 4 4 4 4 4 βAET 0.5mg/ウイルス 0 0 1 1 2 2 4 4。
【0077】αAETはウイルスから2匹を防御するこ
とを明らかにしたが、初期の致死率は、少なくとも早期
には、αAET由来の防御がほとんどまたは全くないこ
とを示唆する。他の研究により、βAEDまたはβAE
Tのいずれかによるより、αAETによるほうがずっと
防御が少なかったことが示唆される。明らかに、βAE
Tは初期のおよび長期の防御の両方に最も効果のある薬
剤である。αAETによる防御には限界があることは明
らかである。従って、この異性体は免疫応答を増強する
効果に関して、βAETほど有用ではない。
【0078】免疫系の調節を提供する活性薬剤としての
βAEDまたはβAETの使用は、ウイルス、細菌、お
よび他の感染に対して、宿主の免疫応答を効果的に調節
する事を可能にする。他に抗ウイルス化学療法が存在し
ない、ウイルスに誘導された心臓感染または膵臓感染の
場合に、βAEDおよびβAETは予防的な防御因子と
しての価値を有する。βAEDおよびβAETの防御的
な価値は、外科的手術をうける患者またはシュードモナ
ス属のような耐性株の微生物が重大な恐れを示す損傷を
患っている患者に対して特に重要である。そのような患
者の例は、内臓手術をうける患者または腹部の銃創を患
っている患者である。リューマチ熱のような症状の病歴
を有する患者はまた、βAEDまたはβAETの予防的
な使用から利益を受ける。特有の場合における投与の形
態は、防御が求められる感染原因および微生物の標的組
織に依存する。持続性投与としての皮下投与は、上記の
データによって示されるような全身の感染に対して効果
的である。一方、組成物を、特有の組織における感染に
あった場合に体を支えるために与える場合は、この組成
物は、最も影響を受けた組織に活性薬剤を投与するのに
好都合であり得る。
【0079】示された場合に用いられるキャリアーは、
投与形態に依存する。AEDおよびAETの両方とも、
親油性化合物である。それらは、DHEAよりは水に溶
解性である。親油性ステロイド用の溶媒は当該分野で既
知であり、これらの化合物についてキャリアーとして用
いられる。そのようなキャリアーの例は、ポリプロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコールのようなグリコ
ール、およびシクロデキストリン、特に本来無定形のシ
クロデキストリンである。考えられる他の賦形剤は、水
中油型エマルジョンを調製するためのポリオキシエチレ
ンソルビタンの脂肪酸エステル(Tween)またはソ
ルビタンの脂肪酸エステル(Span)を含む。
【0080】(実施例9)経口投与用のAEDの処方の
カプセルを、15mgのβAED、150mgの澱粉、
および5mgのステアリン酸マグネシウムを含ませて調
製する。カプセルを、毎日または日に2回投与して、1
日の用量を15mg/日に達成した。
【0081】実験室では、βAEDを0.4%の比率で
動物の食餌に加えた。βAEDを含む食餌で飼育した動
物に実施例1の教示に従って注射することでコクサッキ
ーウイルスB4に曝した場合、コントロールの動物は全
て死んだが、βAEDで飼育した動物は生き残った。
【0082】(実施例10)皮膚または粘膜に投与する
ための調製物は、次のように調製し得る: 成分 w/w(%) AED 0.5% モノステアリン酸グリセリル 3.0% プロピレングリコール 13.0% ワセリン 83.5%。
【0083】βAEDまたはβAETまたはその類似体
を経口投与した場合、活性薬剤が破壊および上位胃腸管
での吸収から保護されれば、活性薬剤はより効果的に利
用され得る。活性薬剤は、腸管粘膜に曝した期間が増加
する場合、最も効果的である。従って、腸内で徐放性の
効果のある処方で活性薬剤を含むカプセルの使用は、ク
ローン病および大腸炎のような腸障害の治療に適する。
大腸の炎症の治療に対する持続浣腸剤の使用もまた適切
である。持続浣腸剤としての投与の処方は次のように処
方され得る: (実施例11) 成分 w/w(%) βAET 4% プロピレングリコール 96%。
【0084】活性薬剤を口腔の粘膜に投与する場合、咽
頭カタルおよび鼻腔に使用するために、バッカル錠また
はスプレーとして投与し得る。
【0085】組成物はまた、吸入を介して、気管支に投
与し得た。この投与法は、肺感染症の患者の治療、ある
いは黒色肺病またはしばしば日和見感染により合併され
る気腫のような他の肺の症状の治療において特に有用で
ある。組成物は、気管へのエアロゾルにより投与され得
たか、または呼吸治療において使用される他の薬剤と共
にミストで投与され得た。
【0086】AEDおよびAETの皮膚への投与は、支
持体が活性薬剤を浸透させてあるパッチを用いるか、ま
たは徐放性の活性薬剤をもたらすインプラントを用いて
行われ得る。
【0087】βAEDまたはβAETの投与のためのパ
ッチは、薬物を含む粘着性のパッチとして処方され得
る。例えば、パッチは、活性薬剤を含む圧感受性のシリ
コーン粘着マトリックスが非浸透性の裏装で覆われ得る
円盤状物であり得る。この円盤状物は粘着物中に活性薬
剤を含み得るか、または活性薬剤を保持するポリウレタ
ンフォームまたはガーゼのような材質の支持体をその場
所に結合し得るかのいずれかである。使用前に、活性薬
剤を含む物質はパッチを守るためにカバーされる。
【0088】(実施例12)非浸透性の裏装と保護カバ
ー層との間にはさまれた粘着性マトリックスのトリラミ
ネートで構成されるパッチを次のように調製した:シク
ロヘキサン(50% w/v)中の圧感受性シリコーン
粘着組成物BIOPSATM Q7−2920(Dow
Corning Corp., Midland,
Michigan, U.S.A.)に、十分なβAE
Dを加え、0.5%のβAED組成物を得る。粘着物を
ポリエステルフィルムに添付して連続層を提供し、約2
mg/cm2の活性薬剤を提供する。次いで粘着物を含
むフィルムを10cm2のパッチにする。パッチを保護
層でカバーし、パッチの適用前に取り除く。パッチは、
浸透強化物(例えば、シクロデキストリン、ブチル化ヒ
ドロキシアニソール、またはブチル化ヒドロキシトルエ
ン)を含有して調製し得る。しかし、本発明の活性薬剤
は表皮組織への適用に有効であることが思い出される。
パッチを薄いまたは擦りむいた皮膚に適用する場合、浸
透強化物を加える必要はほとんどない。
【0089】本発明の組成物は、放射線療法または化学
療法の間、または、環境の災難または治療の結果のいず
れで被照射が起こる場合でも放射線照射に曝した後に、
予防的に投与され得る。他の事例は、これらの免疫の正
方向の調節因子の使用が適切である場合、火傷、再生不
良性貧血および再生不能性貧血、糖尿病、および初老間
で流行している流行病における治療にある。それらの使
用はまた、心筋疾患および膵疾患に関係のあるデータに
より示されたように、危険な感染生物に曝した影響を避
けるまたは軽減するのに有益である。そのような使用は
特に、HIV感染のような免疫系を標的にする微生物に
曝された群において示唆された。ある事例では、本明細
書中で教示される組成物はまた、過敏反応を中和するブ
ロック抗体の生成における免疫調整薬として使用され得
る。
【0090】上記に示したように、内臓の手術、または
他の「ひどい」外科手術を行う予定にある被験体は、β
AEDまたはβAETを予防的に投与され得る。侵襲性
歯科手術または口腔内手術前に本明細書中で教示された
ような組成物を使用することが考えられる。
【0091】表に示し、上記に考察したように、本発明
の組成物は細菌の組織への付着を避けるために使用され
得る。組成物の投与による細胞の細胞への付着の防止は
また、血栓症の防止に適用される。本発明の組成物は、
血栓症の形成の防止が必要な場合、血管への遅延性点滴
として投与され得る。そのような使用の例は、動脈への
点滴の結果の血栓崩壊または脳血栓症の防止である。膀
胱への点滴もまた尿路感染の防止または治療に有効であ
る。βAEDまたはβAETの投与は、感染性病巣の形
成の防止の手段として用いられ得る。
【0092】βAEDおよびβAETは両方とも、紫外
線変質(depravation)の影響を克服するの
に有効である。従って、光線変質(通常、季節性適応障
害という)に関する抑制の影響を克服するために、この
組成物の投与が適切である。
【0093】βAEDおよびβAETは、免疫原への応
答を増大させるためにワクチン接種での付加物として用
いられ得る。これら薬剤は、ワクチンへの応答を増大さ
せるだけでなく、体が特異抗体の増加に応答する前に、
疾患に対して防御する能力もまた増大させる。そのよう
な使用は、免疫応答の阻害が、例えば悪性疾患、AID
S、または農薬に曝されるような環境因子に冒された被
験体における場合と同様に複雑な因子であり得る事例に
おいて特に適する。もちろん、ワクチンへの付加物とし
ての使用は、ヒト以外の脊椎動物に適用できることが理
解される。それは、ペット、酪農動物、肉の生産用の動
物、魚および鶏のワクチン接種を含む。
【0094】鶏は特に拘束された条件で生存している場
合に、感染症にかかる傾向がある。コクシジウム症、サ
ルモネラ感染症、ウイルス感染症(白血病および肉腫
(レトロウイルスにより起こる)のような悪性疾患を生
じるものを含む)は、現在の商業的な条件下で成長した
鶏の間で特に一般的である。本発明の活性薬剤は、外胚
葉起源の組織と薬剤とが接触に至るいかなる方法によっ
ても与えられ得る。
【0095】ヒトでのコクサッキーウイルスの影響は、
既に知られている。そのような影響を避ける価値は、特
に子供においては明らかである。水痘帯状ヘルペスのよ
うな他のウイルスの影響は、初老において衰弱させる疾
患の重要な原因と考えられる。さらに、感受性のある大
人での水痘はしばしば重い疾患を引き起こす。子供で
は、水痘は、子供が免疫抑制治療をうけているか、また
は一般的に免疫不全である場合に、死を引き起こし得
る。βAEDおよびβAETは、感染に曝された感受性
患者の予防処置に有用である。最終的に、HSV感染か
らの胎児および新生児の防御が、本発明の大変重要な適
用である。βAEDおよびβAETは、新生児の防御の
手段としてHSV感染女性への第三の三ヶ月間の間に投
与され得る。
【0096】インビトロにおいて、これらの化合物はリ
ンパ球の増殖を誘導するための市販仕様で使用され得
る。βAEDおよびβAETを用いると、組織培養での
そのような増殖産物の生成が増大する。臨床的仕様で
は、βAEDおよびβAETは、感染と戦う患者の能力
を効果的に増強するために与えられ得る。患者リンパ球
を引き出し、βAEDまたはβAETを含む培地中にイ
ンビトロで再生して、リンパ球の増殖を増加させ得る。
次いで応答に対してそのように感作させたリンパ球を患
者に再導入し得た。悪性疾患または他の細胞性疾患のよ
うな場合に、機能不全細胞は、増殖培地中で増殖する前
に既知の方法により不活性化され得る。
【0097】本発明の組成物はまた、病原生物による感
染の結果から動物を防御するために予防的に使用され得
る。売買するための船積みのストレス下で、動物はしば
しば、普通は重傷ではないが出荷所への途中で動物に大
きな体重の減少を引き起こし得る感染に感受性になる。
そのような減少は、本明細書に開示したβAEDおよび
βAETおよび類似体の投与により避けられ得る。活性
薬剤は、パッチ、注射により、または食餌中に与えられ
得る。外胚葉起源の組織へ曝す期間を延ばす場合に上記
活性薬剤が最も効果的であるので、活性薬剤をGI管を
通して投与する場合に、組成物は腸粘膜への活性薬剤の
露出期間を延ばすように、そして上部GI管における破
壊から薬剤を守るように改変される。従って、腸での徐
放性効果のあるカプセルの使用が適する。カプセルは、
動物に投与するためにえさ中に入れられ得る。大腸の感
染を治療するために、活性薬剤は持続浣腸剤により与え
られ得る。
【0098】βAEDおよびβAETは口腔、咽頭、お
よび鼻腔の粘膜へ、錠剤、ロゼンジによる投与、口腔−
咽頭腔中で使用するスプレーとしてまたは鼻のスプレー
としての投与により投与され得る。
【0099】皮膚への投与は、パッチを用いて行われ
得、これは皮膚へ適用されるべき支持体に活性薬剤をし
み込ませている。宿主が哺乳類または鳥の場合、パッチ
を適用する領域を剃るかまたは毛を除く必要があり得
る。
【0100】投与の好ましい方法は、持続投与としての
皮下注射による。皮下注射は容易に行われ、効果はかな
り長期に続くので、その方法は特に哺乳類への活性薬剤
の投与に適する。
【0101】βAEDおよびβAETは既に体内に天然
成分として存在する。それらは、安全であると知られて
いるレベルで重篤な毒性の問題を示さない;それらは化
学的にきわめて安定であることが明らかである。
【0102】使用される用量は、宿主の大きさおよび状
態に依存する。本明細書中に示された試験データは小動
物において得られた。大きな成体哺乳動物では、0.2
mg/daから30mg/daのAEDの毎日の用量が
好ましい用量である。AETに関しては、好ましい用量
は通常0.001mg/daから20mg/daの範囲
であり、さらに好ましい用量では0.001mg/da
から1mg/daである。しかし、用量は投与経路に依
存して変化する。皮下、吸入、およびくも膜下内投与
は、活性薬剤の用量が低いことを必要とする方法であ
る。
【0103】もちろん、保護基を有するβAEDおよび
βAETの類似体は、標的組織へのβAEDまたはβA
ETの送達の手段として宿主に投与され得る。アシル化
は、化合物を保護する好ましい方法である。ここでR1
がCOR2であるアシル化化合物もまたβAEDおよび
βAETを調製するための開始物質としての使用に適す
る化合物である。
【0104】活性薬剤、βAEDおよびβAETは、他
の活性薬剤と共同で与えられ得る。他の活性成分は同時
に与えられ得るか、またはβAEDまたはβAETを含
む組成物中に取り込まれ得る。βAEDおよびβAET
は、正方向の調節の防御免疫応答によりこれらの薬剤の
活性を強めるために、抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌
薬、駆虫薬のような抗感染薬とともに与えられ得る。抗
ウイルス薬は、例えばジデオキシイノシン、AZT、ア
シクロビルなどを含む。AEDおよびAETと組合せら
れ得る他の活性薬剤は、エピネフィリンのような抗アレ
ルギー薬剤を含む。
【0105】最後に、βAEDおよびβAETを含む医
薬組成物は、免疫抑制治療により悪化する感染を患った
被験体においてウイルス感染と戦うために使用するの
に、特に価値がある。組織移植した患者での主な合併症
の1つは、通常は重篤な症状を引き起こさないウイルス
での日和見感染である。本発明の組成物は、免疫応答の
急性防御調節を引き起こすので、これを用いることによ
り、医療チームは、抵抗できない感染を避けるために免
疫応答を調節する一方、移植拒絶を避けるために「シー
ソー」治療に患者を置き得る。
【0106】
【発明の効果】DHEA投与で認められる望ましくない
副作用を引き起こすことなく免疫系の防御調節を増進さ
せる薬剤は、感染に対する宿主耐性の特に有利な改善を
提供する。次に、免疫系の防御調節は、化学療法剤の低
投与量の使用で効果が得られ得、広範囲の防御を伴った
即効性の応答を提供する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5−アンドロステン3β,7β,17β
    トリオールの実質的に立体特異的な生成のための方法で
    あって、3β,17β−ジアセトキシアンドロスト−5
    −エン−7−オンをイソプロパノール中でアルミニウム
    イソプロポシキドで還元する工程を包含する、方法。
  2. 【請求項2】5−アンドロステン3β,7β,17βト
    リオールの実質的に立体特異的な生成のための方法であ
    って、3β,17β−ジアセトキシアンドロスト−5−
    エン−7−オンをペンタン中でトリイソブチルアルミニ
    ウムで還元して3β,17β−ジアセトキシ−7β−ヒ
    ドロキシアンドロスト−5−エンを生成し、続けてアセ
    トキシ基を除去する工程を包含する、方法。
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