JP2002330961A - X線ct装置 - Google Patents

X線ct装置

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JP2002330961A
JP2002330961A JP2001366017A JP2001366017A JP2002330961A JP 2002330961 A JP2002330961 A JP 2002330961A JP 2001366017 A JP2001366017 A JP 2001366017A JP 2001366017 A JP2001366017 A JP 2001366017A JP 2002330961 A JP2002330961 A JP 2002330961A
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    • A61B6/02Arrangements for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis
    • A61B6/027Arrangements for diagnosis sequentially in different planes; Stereoscopic radiation diagnosis characterised by the use of a particular data acquisition trajectory, e.g. helical or spiral

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 螺旋スキャンを用いてモーションアーチファ
クトが低減した広範囲の心臓断層像を作成し、これによ
りスムーズな動画を得るX線CT装置を提供する。 【解決手段】 マルチスライスX線CT装置において、
レトロペクティブECGゲート撮影を螺旋スキャンにも
適用し、その時に発生する投影データの不連続を、例え
ば180度対向関係の心拍時相のデータなどを用いて補
間してモーションアーチファクトを低減し、また、これ
により得られる連続性の分割投影データを利用し、任意
のスライス位置及び心時相の投影データを形成し、適宜
組み合わせ、あるいは、集合することにより、任意の時
間間隔の心時相における心臓全体の断層画像、その三次
元画像、さらには、心臓の三次元動画などを、途切れな
くスムーズに作成することを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線CT(Comput
ed Tomography)装置に関し、特に心臓用ECGゲート
撮影に好適なX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、人体の心臓はその拍動のためX
線CT装置を用いて撮影を行うとモーションアーチファ
クトが断層画像に表れ、診断上好ましく無い画像とな
る。モーションアーチファクトを発生させないために
は、スキャンスピードを高速にすることで解決すること
ができる。
【0003】現在のスキャンスピードが1秒程度のX線
CT装置においては、被検体の心電情報をもとに、X線
曝射を間欠的に行うことで、心拍時相が同じで異なる投
影角度における投影データを1スキャン分、計測して、
このデータを用いて画像の再構成を行なっており、一般
的にはECGトリガー、プロスペクティプなどと呼ばれ
ている。また、心臓周期に同期させずに投影データを得
て(撮影して)、投影データを得たあとに心拍時相が同
一の投影データを組み合わせて画像を再構成する方法も
提案されている。これはECGゲート撮影、レトロペク
ティブと一般的には呼ばれている。
【0004】なお、上記に説明した心臓撮影方式は主と
して、テーブルを停止させて撮影を行うもの(ノーマル
スキャンと称する)である。
【0005】また、一般に、心臓の拍動の様子を観察す
るためには、上記のようにして得られた心臓断層像、あ
るいは、複数の心臓断層像から得られる三次元画像を、
心時相の順番に、連続的に表示して心臓断層の動画とす
るという手段がとられており、スキャンタイムを微調整
することによって心拍周期との同期を図るという手段が
採られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
説明した心臓撮影方法は、テーブルを停止させての撮影
(ノーマルスキャン)を前提とすることから、テーブル
を移動して撮影する螺旋スキャンの場合には、投影デー
タの不連続性が発生し、臨床上好ましくない画像を得る
ことになる。
【0007】また、心臓断層の動画を得る場合には、上
述のように、スキャンタイムを微調整することによって
心拍周期との同期を図る手段が採られているが、しかし
ながら、その機械的な要素から、微調整できるスキャン
タイムの範囲には限界があり、また、上記の従来技術で
は、1心拍を分割し、それぞれの心時相における画像を
並べた動画であったので、スムーズな動画を作成するこ
とができなかった。
【0008】そこで本発明の目的は、まず、螺旋スキャ
ンを用いても、モーションアーチファクトが低減された
広範囲な心臓断層像を得ることができるX線CT装置を
提供することにある。
【0009】さらに、本発明では、心拍数とスキャンタ
イムの設定値との間にズレが生じた場合でも、心臓の拍
動による動きアーチファクト(モーションアーチフアク
ト)の少ない心臓断層像を得ることが出来、かつ、従来
に比較してもよりスムーズな心臓断層動画を得ることの
出来るX線CT装置を提供することをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的を達成するため、まず、以下のような解決手段が提
供されている。 (1)心臓用ECGゲート機能を備えたX線CT装置に
おいて、被検体の心拍数とCTスキャナーのスキャンス
ピードから、心拍周期とスキャン周期の同期信号を求め
る同期ユニットと、この同期ユニットをもとに各スキャ
ン周期から心拍時相の合う投影データを収集する投影デ
ータ算出ユニットと、を具備するようにした。 (2)上記(1)の投影データ算出ユニットは螺旋スキ
ャンにおいて、各スキャン周期から心拍時相の合う投影
データを収集する際、心拍とスキャン周期によって生じ
るベット方向の不連続領域を対向データで補う補間手段
を有し、この補間によりベット方向に不連続な領域が存
在しても任意ベット位置で投影データの算出を可能にし
た。 (3)上記(1)の投影データ算出ユニットは、螺旋ス
キャンにおいて、各スキャン周期から心拍時相の合う投
影データを収集する際、心拍とスキャン周期によって生
じるベット方向の不連続領域を近傍の心拍時相が同一の
投影データを用いた補間で補う補間手段を有し、この補
正によりベット方向に不連続な領域が存在しても任意ベ
ット位置で投影データを算出可能にした。
【0011】また、本発明によれば、上記他の目的を達
成するため、更に、以下の解決手段が提供されている。 (4)上記(1)のX線CT装置において、上記の投影
データ算出ユニットは、さらに、収集した心拍時相の合
う投影データから、任意のスライス位置の心臓断層像を
作成することにより心臓断層動画を得て表示するように
した。 (5)上記(1)のX線CT装置において、上記投影デ
ータ算出ユニットは、さらに、収集した心拍時相の合う
投影データから、任意の心拍時相の心臓断層像を作成す
ることにより心臓断層動画を得て表示するようにした。 (6)上記(1)のX線CT装置において、上記投影デ
ータ算出ユニットは、さらに、得られた任意の心拍時相
の心臓断層像を各々の心拍時相ごとに体軸方向に複数集
合することによって心臓の三次元画像を得て表示するよ
うにした。 (7)上記(1)のX線CT装置において、上記投影デ
ータ算出ユニットは、さらに、得られた三次元画像を心
拍時相の順番に表示することにより心臓の三次元像の動
画を得る。 (8)上記(1)のX線CT装置において、上記投影デ
ータ算出ユニットは、投影データから心拍時相の等しい
分割投影データを収集する際、分割投影データの先頭投
影角度とデータ幅とデータ数との少なくとも1つを調整
することによって、任意の心拍時相に等しく、かつ、画
像再構成に必要な投影角度範囲の投影データを形成する
ことが可能とした。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の基本構成であっ
て、X線CT装置スキャナ10と各スキャン周期から心
拍時相の合う投影データを収集する投影データ算出ユニ
ット11および被検体12の断層像などを表示する患者
モニター13を示した。
【0013】図2には今後の実施例の中で説明に用いる
心電図の波形名称を示した。心電図の中でもっとも値の
高いものをR波、その前後をQ,S波と呼ばれている。
詳細については医学系の専門書を参照されたい。
【0014】図3ではレトロペクティブECGゲート撮
影方法を説明する。図3はスキャン中にベットは動かな
い場合でかつX線検出器は1列の場合である。図3のよ
うにスキャン周期が1秒、被検体の心拍周期(R−R時
間)が0.75秒の場合、3スキャン後(心拍で記述す
れば4心拍後)に、スキャン時相と心拍時相が同じにな
る。3スキャン周期の中で心臓は4回心拍を繰り返すた
め、心拍時相が同じ投影データが3スキャンの中に4回
存在することになる。レトロペクティブECGゲートで
は、心拍時相が同じで投影角度が異なるデータを1スキ
ャン周期分収集すればよい。今4心拍周期から1スキャ
ン周期分の投影データを収集するので、1心拍周期あた
りに収集される投影データは投影角度で表現すれば1/
2冗分ずつ収集すれば良いことになる。
【0015】すなわち、第1周期では心電波形R1,R
2が発生し、第2周期でR3,第3周期でR4,R5が
それぞれ発生する。心臓の動きはそれが拡張したときに
静止に近い状態になり、これは、心電波形のR1〜R5
発生時である。この時点をそれぞれスタート点として、
投影角度で1/2πずつの投影データを作成し、これら
を投影角度順につなぎ合せると、一枚の心臓のほぼ静止
した投影データが得られる。図3のa,b,c,dの投
影データは、それぞれ、R1,R2,R3,R4を始点
として投影角度1/2πずつ撮影したときの部分投影デ
ータを示す。これを実行すると図4(a)のような投影
データを作ることになる。このデータはR波後1/2π
ずつ各心拍周期から収集されており、投影角度はすべて
異なっている。つまり1/2πの投影角度をスキャンす
る時間で、360度をスキャンしたことに等価というこ
とになる。図4(b)に示すようにa,bの部分は第1
スキャン周期から、dの部分は第3スキャン周期、Cは
第2スキャン周期からデータを収集している。
【0016】すなわち、図4(a)は、図3の部分投影
データa,b,c,dを投影角度0〜2π7の順に並べ
て一つの投影データを作成したものである。従って心電
波形R1,R4,R3,R2,R5の順に部分投影デー
タa,d,c,bが並ぶことになる。図4(b)は部分
投影データa,b,c,dを収集して一枚の心臓の投影
データを構成した例を示すもので、投影角度0〜2πに
対して、最初の1/4π、すなわち、0〜1/2πは部
分投影データaになり、次いで、1/2π〜πは部分投
影データd、そして、cおよびdは、それぞれ、π〜3
/2πおよび3/2π〜2πに位置する部分投影データ
であり、これで、一枚分の投影データが作成される。
【0017】このレトロぺクティブECGゲートは(図
3の例では)1/2πの投影角度をスキャンする時間
で、360度をスキャンしたことになるため、理論的な
スキャン時間は0.25秒で撮影したことになり、1ス
キャン1秒程度の現在の第3世代CTでも心臓の撮影が
高速に行える。また、スキャン時間と心拍の時間によっ
てはより高速なスキャンも行える。
【0018】図5は心臓撮影を行う際の大まかな流れを
示す。まずステップ1でスキャン時間と被検体の心拍数
に基づいて、ステップ3で必要になるスキャン周期を求
めておく。すなわち、ステップ1において、図3に示し
たスキャン時間1秒と、被検体心拍数0.75秒とか
ら、必要スキャン数としてスキャンと心拍とが同期する
スキャン数=3と、投影データ分割数=1/4分割〔図
4(a),(b)〕を決定する。ステップ2では、ステ
ップ1で求めたスキャン数に基づき撮影を行う。ステッ
プ3で投影データ算出ユニット11は被検体12から得
られた心電情報(図3のR1〜R5)を基に、各種スキ
ャン周期から心拍時相の合う投影データ(図3のa〜
d)を収集する。ステップ4ではステップ3で得られた
投影データをもとに各種処理装置で再構成処理され画像
となる。この画像は心臓があたかも止って見えるような
断層像となる。
【0019】図3のレトロペクティプECGゲートスキ
ャンを、スキャン中にテーブルが動く螺旋スキャンに適
用した場合を図6に示す。また、図6では検出器が4列
検出器を用いて説明する。図6でもスキャン周期は1
秒、心拍周期は0.75秒を用いている。図縦軸はベッ
ト方向、横軸は投影角度を示している。検出器の軌跡は
各検出器の中心を措いている。螺旋スキャンピッチは、
1スキャンが終了すると、1検出器分テーブルが移動す
るピッチ1を用いている。つまり第3スキャンが終了し
たときの1列検出器の位置が第1スキャン(投影角度は
ゼロの時)の4列検出器の位置と同じになる。図6では
ベットが固定され、X線源やX線検出器が動くと仮定し
て(実際にはX線源やX線検出器が動かず、ベットが移
動する)説明しているため、X線検出器の軌跡は傾きを
待った直線として表現できる。
【0020】図6でも図3と同じように心拍時相が同じ
投影データを収集すると、図6の斜線で示す領域が該当
する。
【0021】図6の場合も3スキャン周期の中で心拍周
期は4回行われるのであるから、1/2π分投影データ
を収集すれば1スキャン分の投影データを得ることが可
能である。図6の場合4列検出器を用いているため、収
集する投影データは検出器分の幅を待つことになり、こ
れを図では斜線の長方形で示している。つまり長方形内
であれば、任意のスライス位置で投影データを近傍の検
出器で得られた投影データ間の補間によって算出可能と
なる。すなわち、スキャンは1周期1秒で、投影角度は
0〜2πである。このスキャンが3周期行われて、心電
波形R1〜R4ごとに投影データa,b,c,dを得る
ようにする。
【0022】図7では、図6の各スキャン周期で得られ
る投影データを1スキャン分で描けるように、長方形を
第1スキャン内に平行移動させて表現してある。すなわ
ち、投影角度0〜2πの間に、投影データがa,d,
c,bの順に並んだ状態になる。図7では各周期より収
集された投影データが、階段状に描かれているが、これ
は螺旋スキャンをおこなっているため収集したデータは
ベット方向にずれているからである。例えば、図7で示
すスライス位置SPでの投影データは、いずれの投影角
度であっても、斜線で示す長方形内に含まれているた
め、算出が可能となる。補間の方法は図8で示すように
単純な距離に応じた重みを使った線形補間などを用いれ
ば実現することができる。
【0023】図8では説明のため図7のπ〜3/2πの
部分の投影データを抜きだしているが、この場合3列お
よび4列検出器より所望するスライス位置の投影データ
を算出している。すなわち、図8(a)は3列目の検出
器80と4列目の検出器81とにより、公知の一般的な
線形補間方法により、スライス位置83を算出したもの
である。また、図8(b)はスライス位置83’を算出
する例を示すもので、検出器の軌跡80’と81’の間
を例えば1.0に設置し、スライス位置83’と軌跡8
0’との間の重みを例えばw=0.6、スライス位置8
3’と軌跡81’との間の重みを例えばw=0.4に設
定して、スライス位置を算出する方法を示したものであ
る。図7のスライス位置70はこのようにして算出した
ものである。
【0024】図6,7では第3スキャンまでを表現して
いるが、図9ではさらにスキャンした場合において収集
できる投影データを第1スキャン内に平行移動して表現
した。スキャンを続けて行けば図9に示すように様々な
スライス位置で心拍時相が同一で投影角度が異なる投影
データが算出可能となる。すなわち、投影データa,
b,c,dは、それぞれ、第1周期〜第3周期に相当す
る投影データであり、e,f,g,hは第4〜第6周期
に相当する投影データを示すものである。この場合、ス
ライス位置90〜93は、いずれかの投影データにまた
がっているので、任意のスライス位置で画像データを作
成することができる。
【0025】次に、心拍などが異なる場合を説明する。
スキャン周期1秒、心拍周期0.8秒、螺旋スキャンピ
ッチが1の例ではスキャン4周期、心拍周期では5周期
で同期することになる。この場合は収集される投影デー
タはそれぞれ2/5πずつになる。本発明では収集する
投影データの幅などは投影データ算出ユニットでなされ
る。
【0026】図6,7,8で説明したように上記の例を
図であらわすと図10のようになる。図10スライス位
置SPの投影データを算出しようとすると、2/5π〜
4/5πの区間において、長方形の中にスライス位置が
含まれておらず投影データが算出できない、投影データ
の不連続領域100が発生している。この場合投影デー
タの算出は不可能である。図9の例でも不連続な領域は
発生しているが、図10の例に比べてその区間はきわめ
て狭いので、様々なスライス位置で投影データを算出可
能となる。図10では、不連続な区間の幅が広いため、
算出不可能なスライス位置が非常に増えることになる。
図11ではその極端な例を示したもので、スキャン周期
1秒、心拍周期0.9秒の場合を想定した。図11の場
合収集される投影データの幅は1/5πとなり、必要と
なる投影データ9周期となる。9周期行って漸く1スキ
ャン分の投影データを収集できるわけであるが、この9
スキャン周期の間に螺旋スキャンの場合、ベットがどん
どん移動していくため、図11に示すように投影データ
の不連続領域110は著しく大きくなる。このため所望
するスライス位置で投影データの算出が不可能になって
しまう。
【0027】本発明では以下のように上記の不具合を解
決した。図12(a)には1秒スキャン、心拍周期が
0.8秒で繰り返される場合におけるレトロペクティプ
ECGゲートスキャン法を示している。図12(a)で
も明らかなように例えばスライス位置SP1では4/5
π〜6/5π(不連続領域A)の区間において投影デー
タの不連続が発生している。またスライス位置SP2で
は8/5π〜2π(不連続領域B)の区間において投影
データの不連続領域が発生している。投影データの不連
続があると所望するスライス位置の投影データを算出す
ることができないため、このまま再構成処理を行い画像
を求めるとアーチファクトまたは著しく劣化した画像を
得ることになる。
【0028】図12(a)で示すように4/5π〜6/
5πと8/5π〜2πは180度対向関係にある。対向
関係とは同じ領域を透過するX線パスであって、そのX
線の入射が互いに180度ずれている関係を言う。つま
り180度対向データはベットが静止しているスキャン
では理論的にはまったく同じになることになる。
【0029】図12(a)での対向関係では、螺旋スキ
ャンを用いているため対向関係であっても、そのベット
方向が異なるため同一にはならない。しかしながら、不
連続領域を180度対向する投影データで置き換えるこ
とによって、不連続領域をなくすることは非常に有効な
補正方法である。なぜならばレトロペクティブECGゲ
ート撮影では、心臓のモーションアーチファクトをでき
るだけ抑制するため、心拍時相が同一の投影データを収
集することを前提としている。このため図12(a)で
示す不連続領域Aになんらかの投影データを置き換える
場合、180度対向位置関係であって、かつ、心拍時相
が同一である投影データを用いなければならない。図1
2(a)で示す四角の斜線領域はすべて心拍時相が同一
のデータとなっているので、これらから対向関係にある
投影データを用いれば、180度対向位置関係であっ
て、かつ、心拍時相が同一である投影データを用いるこ
とになる。
【0030】上記の対向関係にあって、かつ心拍時相が
同一の投影データを不連続領域に埋め込んだ例が図12
(b)である。図12(b)では不連続領域が埋め込み
処理によって消滅しており、スライス位置SP1で投影
データの算出が可能となっている。また逆に不連続領域
Bでは8/5π〜2πの区間が不連続であるが、これも
180度対向関係にある、4/5π〜6/5πのデータ
を埋め込むことで解決し、スライス位置SP2の投影デ
ータを算出可能としている。
【0031】上記は対向関係にある投影データを用いて
いるが、スライス位置SP1の不連続領域の投影データ
を、四角斜線領域CとDから線形補間によって算出して
も投影データの算出は可能である。前記180度対向デ
ータを用いる方法より信頼性は低いものの、心拍時相が
同一のデータを用いることになり、心臓撮影には適して
いると言える。
【0032】なお、上記の説明では、180度対向関係
にあって心拍時相が同一のデータを用いる方法、隣接す
る投影データを用いて線形補間などによって求める方法
を採用しているが、どちらも心拍時相は同一のデータを
用いているため、得られる心臓断層像は心臓のモーショ
ンアーチファクトが少ない画像を得ることができる。
【0033】続いて、本発明の他の実施の形態になる心
臓用ECGゲート機能を備えたX線CT装置であって、
上記に説明した本発明によって得られる連続領域の投影
データ、すなわち、各スキャン周期から心拍時相の合う
投影データを収集して心臓断層像を得ることにより、よ
りスムーズな心臓断層動画を得ることが可能となるX線
CT装置について説明する。
【0034】まず、図13を用いて、この装置は、図示
のように、X線照射および検出を行うスキャナガントリ
部202と、このスキャナガントリ部202で検出され
た計測データから投影データを作成する投影データ形成
装置207と、作成された投影データをCT画像信号に
処理する画像処理装置208、並びに、CT画像を出力
する表示装置205とを備えている。
【0035】すなわち、このスキャナガントリ部202
は、回転円盤209と、この回転円盤209に搭載され
たX線管201と、このX線管201に取り付けられて
X線束の方向を制御するためのコリメータ210と、そ
して、やはり上記回転円盤209に搭載されたX線検出
器204とを備えている。なお、このX線検出器204
は、検出素子を被検体の体軸方向に複数列並べることに
より、同時に複数位置の投影データが取得可能なマルチ
スライス検出器である。また、この回転円盤209は回
転駆動装置11によって回転されており、この回転駆動
装置211は測定制御装置212によって制御されてい
る。
【0036】また、上記X線管201から発生するX線
強度は、測定制御装置212によって制御されており、
この測定制御装置212はコンピュータ213によって
操作・制御されている。さらに、上記の投影データ形成
装置207は、患者の心電波形を取得するために心電計
206に接続されている。
【0037】以上にその概略構成を説明した本発明にな
るX線CT装置では、患者テーブルに患者を寝かせた状
態で、X線管201からX線が照射される。このX線は
コリメータ210により指向性を得てX線検出器204
によって検出されるが、その際、上記の回転円盤209
を患者の周りに回転させることにより、X線を照射する
方向を変えながら(スキャンしながら)、X線検出器2
04を用いてX線を検出する。この検出された計測デー
タは、投影データ形成装置207に転送され、ここでは
心電計206により計測される患者の心電情報(上記図
2やそれに関する記載を参照)と、測定制御装置212
から得られる撮影条件から、上記一の実施の形態により
説明した方法によって、モーションアーチファクトの少
ない投影データを形成する。また、このようにして得ら
れた投影データは、さらに、画像処理装置208によっ
てCT画像に再構成され、表示装置205上に3次元の
動画画像として出力される。
【0038】次に、図14を用いて、スキャン周期と心
周期とが完全に同期する1例を説明する。なお、この図
14(A)には、X線CT装置の投影データ形成装置2
07における分割投影データ収集のタイミングが示され
ている。また、図14(B)には、上記図14(A)に
示す「180度+ファン角≒240度」の期間における
分割投影データ収集タイミングの拡大図が示されてい
る。
【0039】この図14(A)の横軸は時間(t)であ
り、また、その縦軸は患者テーブル(図13における符
号3を参照)の直線移動方向(Z軸)の位置である。ま
た、この横軸下方には心電計206からのECG信号を
図示し、時間方向(t)での心拍動の位置を示してい
る。なお、この時の撮影条件は、螺旋ピッチ1、4列の
検出器とし、スキャン周期と心周期の比が6:7の場合
を想定した。ここで螺旋ピッチはZ軸方向の検出素子配
列ピッチに対する比として定義される。
【0040】この図14(A)の縦軸には、4本の斜め
線が螺旋スキャンを行った場合の回転中心における4個
の検出素子の軌跡を示している。また、検出素子の中心
軌跡上の太線は、上記の実施の形態でも説明した、心時
相の等しい分割投影データを示しており、ここでは、そ
れぞれの分割投影データをal,a2,a3,a4とし
た。また、ここでは、分割投影データの収集方法が理解
しやすいように、第1スキャン目に収集後の投影データ
を示し、図14(B)の下方の4つに区切られた方形
は、収集後の投影データの拡大図であり、区切られたそ
れぞれの部分は収集された各々の分割投影データを示
し、かつ、図中には、それぞれの分割投影データの検出
器データ、スキャン開始からのスキャン数、そして、投
影角範囲を明示している。
【0041】このようにスキャン周期と心周期の比が
6:7の場合、第1列検出器の第1スキャン投影角0〜
60度の分割投影データa1、第2列検出器の第2スキ
ャン投影角60〜120度の分割投影データa2、第3
列検出器の第3スキャン投影角120〜180度の分割
投影データa3、そして、第4列検出器の第4スキャン
投影角180〜240度の分割投影データa4は、それ
ぞれがECG信号において同範囲の分割投影データであ
って、同じデータ幅を持った4個の分割投影データから
画像再構成に必要となる180度にX線源のファン角を
加えた投影角度(約240度)分の投影データの収集に
成功していることが明らかであろう。
【0042】以上のアルゴリズムを用いて収集した投影
データを画像再構成することにより、時間分解能がスキ
ャンタイムの6分の1、且つモーションアーチファクト
が少ない再構成画像を得ることが可能である。なお、上
記図14の撮影条件では、本来、モーションアーチファ
クトが少ない投影データを形成することが可能であるの
で、この撮影条件を、ここでは理想の条件とする。
【0043】しかし、上記図14で説明した投影データ
収集法を適用できる条件は、スキャン周期と心周期の比
が6:7の場合に限られており、この比とは異なる条件
下で上記図14の投影データ収集法を適用した場合、心
時相の等しい分割投影データを収集することができず、
モーションアーチフアクトが少ない再構成画像を得るこ
とは不可能である。
【0044】上記の問題点に対する対策として、例え
ば、スキャンタイムを機械的に変更して、理想的な条件
に近づけることも可能であるが、しかしながら、機械的
変更により微調整できるスキャンタイムの範囲には限界
があり、そのため、心時相の等しい分割投影データを収
集することはできず、モーションアーチファクトが少な
い再構成画像を得ることは不可能である。
【0045】そこで、本発明では、分割投影データの分
割数および分割投影データ幅を患者の心周期によって調
整することによって、モーションアーチファクトが少な
い再構成画像を得る投影データ収集法を提案するもので
あり、その詳細について、以下に図15を用いて説明す
る。
【0046】この図15に示される内容は、上記図14
と同様である。但し、撮影条件は螺旋ピッチ1、4列検
出器とし、スキャン周期と心周期の比が36:43の場
合を想定している。この比は、上記に説明した理想の条
件と比べて、X線源が10度移動するのに要する時間だ
けスキャンタイムよりも心周期が長い場合の比である。
また、収集する分割投影データをそれぞれb1,b2,
b3,b4とした。
【0047】スキャン周期と心周期の比が36:43の
場合、第1列検出器の第1スキャン投影角0〜70度の
分割投影データb1、第2列検出器の第2スキャン投影
角70〜140度の分割投影データb2、第3列検出器
の第3スキャン投影角140〜210度の分割投影デー
タb3、そして、第4列検出器の第4スキャン投影角2
10〜240度の分割投影データb4とを組み合わせ
て、画像再構成に必要となる180度にX線源のファン
角を加えた投影角度(約240度)分の投影データを収
集している(図15(B)の拡大図参照)。
【0048】この図15の分割投影データ収集法は、上
記図14の場合と比べて、分割投影データb1、b2、
b3のデータ幅をそれぞれ10度ずつ増加させ、一方、
b4のデータ幅をb1、b2、b3のデータ幅の増加角
度の合計である30度だけ減少させ、30度としたのが
特徴である。またb2、b3、b4の分割投影データ開
始角度をそれぞれ、10度,20度,30度ずつ増加さ
せ、これにより、b1、b2、b3、b4はそれぞれ心
時相の等しい分割投影データとなっている(図15
(A)最下段のECG信号(心拍信号)を参照)。
【0049】この図15に示すように、分割投影データ
のデータ幅を調整する分割投影データ収集法を用いて収
集した投影データを画像再構成することによれば、時間
分解能がスキャンタイムの36分の7、且つ、モーショ
ンアーチフアクトが少ない再構成画像を得ることが可能
となる。
【0050】このように、上記図15では、スキャンタ
イムと心周期の比が36:43の場合(理想の条件と比
べて、X線源が10度移動するのに要する時間だけスキ
ャンタイムよりも心周期が長い場合の比)の分割投影デ
ータ収集法を示したが、さらにスキャンタイムと心周期
の差が大きい場合でも、同様に、収集する分割投影デー
タの数を変更することによって、心時相の等しい投影デ
ータを収集することが可能である。
【0051】図16には、スキャンタイムと心周期の比
が18:23の場合(理想の条件と比べて、X線源が2
0度移動するのに要する時間だけスキャンタイムよりも
心周期が長い場合の比)の分割投影データ収集法を示し
た。なお、ここでは、説明の重複を避けるため、拡大図
のみを図示し、分割投影データをそれぞれc1、c2、
c3とした。そして、これら分割投影データc1、c
2、c3のデータ幅をそれぞれ20度づつ増加させ、収
集する分割投影データを3個に減少させることによっ
て、やはり上記と同様に、モーションアーチファクトが
少ない投影データを得ることが可能となる。
【0052】この図16の分割投影データのデータ幅を
調整する分割投影データ収集法を用いて収集した投影デ
ータを画像再構成することにより、時間分解能がスキャ
ンタイムの9分の2、且つ、モーションアーチフアクト
が少ない再構成画像を得ることが可能である。
【0053】また、以上に述べた図14〜図16で説明
した以外のスキャン周期と心周期の比の場合でも、上記
と同様に、患者の心周期に合わせて分割投影データの幅
と分割投影データ数を調整し、心時相の等しい分割投影
データを収集することによって、モーションアーチファ
クトの少ない投影データを形成することが可能である。
【0054】しかし、あまりに理想の条件(即ち、スキ
ャン周期と心周期の比が6:7)から外れた条件の場
合、本発明を利用すると、得られる分割投影データ数が
少なくなり、且つ、分割投影データ幅も大きくなり、得
られる再構成画像のモーションアーチファクトは多くな
る。そのため、よりモーションアーチファクトが少ない
再構成画像を得るためには、測定時のスキャンタイムを
予め理想の条件に近くなるように設定しておき、本発明
を利用することが望ましい。
【0055】また、分割投影データ収集を行うと、分割
投影データの境界部分では心時相が急激に変化するた
め、心臓断層像を作成した際にモーションアーチファク
トが発生する。この現象を解決するには、それぞれの分
割投影データのデータ幅を広めに設定し、それぞれの分
割投影データの境界付近のデータに重み付け処理を行
い、隣り合う分割投影データの境界部分を足し合わせて
重ねあわせるなどの手段が考えられる。
【0056】また、不整脈など患者の心拍動が不規則に
なった場合でも、心電計から得られる心拍動の情報(即
ち、上記のECG信号)を用いて分割投影データのデー
タ幅、収集してくるデータ数を調整することにより、本
発明を利用することが可能である。
【0057】続いて、上記のようにして得られた投影デ
ータ作成後の画像再構成方法について、図17,18,
19,20を用いて説明する。すなわち、任意のスライ
ス位置の心臓断層像を得るには、作成した投影データに
幾つかの処理を施す必要がある。まず、図17には、心
臓断層を得るまでの処理の流れを示した。前述の様に患
者の心拍数、撮影条件から分割投影データの分割数、デ
ータ幅を求め(step11)、分割投影データを収集
することによって投影データを作成する(step1
2)。なお、上記に説明した図14,15,16におい
ては、一つの投影データの収集方法についての例を示し
たが、しかしながら実際には、スライス位置の異なる複
数の投影データの収集も可能である。そこで、この複数
の投影データの作成について、以下に、図18を用いて
説明する。
【0058】まず、図18には、上記図14で示した理
想の条件における投影データの作成方法例を示した。4
列の検出器のデータからスライス範囲の異なる3個の投
影データを作成している。得られる投影データをR1,
R2,R3とし、収集してきた分割投影データそれぞれ
について、用いた検出器データ、スキャン開始からのス
キャン数、投影角範囲を示した。また、第1スキャンを
基準として、それ以前のスキャンをマイナスで示してい
る。この3個の投影データからあるスライス位置におけ
る心臓断層像を得るための2種類の方法を説明する。
【0059】1つ目の方法について、上記図17と共に
図19を用いて説明する。この図19の縦軸はスライス
方向位置を示しており、点線で示されたスライス位置の
心臓断層像を求めることとする。そのため、まず、3個
の投影データR1,R2,R3それぞれに対してZ軸方
向の重み付け処理を行い(上記図17のstep1
3)、これにより、あるスライス位置の投影データを作
成する。次に、処理後の投影データR1’、R2’,R
3’のそれぞれに対して画像再構成を行い(step1
4)、スライス位置の異なる3個の心臓断層像を得る。
そして、最終的に得られた3個の心臓断層像img1,
img2,img3から、内挿、または外挿の補間処理
(Z軸方向補間処理)を用いて(step15)、任意
のスライス位置の心臓断層像imgを得ることができ
る。
【0060】次に、2つ目の方法について、図20を用
いて説明する。この方法では作成した3個の投影データ
R1,R2,R3から、内挿、または外挿を用いたスラ
イス方向の補間を行い、任意のスライス位置の投影デー
タR’を得る(Z軸方向補間処理)ものである(上記図
17のstep16)。その次に、投影データR’に対
して画像再構成を行う(step17)ことにより、任
意のスライス位置の心臓断層像imgを得ることができ
る。
【0061】更に、図21を用いて、操作者が指示した
任意の心時相における、画像再構成に必要な投影角度範
囲の投影データを形成する手法について説明する。この
図21は、上記図14と同様の条件における、各心時相
の分割投影データの収集方法を示しており、すなわち、
撮影条件は螺旋ピッチ1、4列検出器とし、スキャン周
期と心周期の比が6:7の場合を想定したものである。
前述した通り、この理想の条件下では、心時相が等し
く、データ幅の等しい4個の分割投影データを用いてモ
ーションアーチファクトの少ない再構成画像を得ること
が可能である。
【0062】図において、最も上方には心電波形(EC
G信号)を示し、その下方には、1心拍を7個の心時相
に分割した場合のそれぞれの心時相を、AからGの英字
で表した。その下方には、4個の検出器それぞれの投影
データを帯状の方形で図示しており、1スキャンを分割
投影データの投影角度幅で区切り、各分割投影データを
投影角度の小さい順番に1から6の数字で表している。
また、分割投影データ収集方法が分かり易いように、第
2列検出器の投影データは第2スキャンから、第3列検
出器の投影データは第3スキャンから、第4列検出喪の
投影データは第4スキャンから収集されている様子を図
示している。また、この図からは、スキャン周期と心周
期との比が6:7の条件下であるので、スキャンが進む
に連れて、各検出器の分割投影データ1〜6の心時相が
1心時相ずれることが分かるであろう。また、図の最も
下方には、分割投影データ収集後の投影データを図示し
た。例えば、Aの心時相の投影データを形成する場合、
縦に直列に並ぶ4個の分割投影データ(二重線で囲まれ
た部分)を収集し、画像再構成に必要な投影データを得
ることが可能である。また、同様にB、Gの心時相につ
いても投影データ形成の例が図示されている。
【0063】次に、任意の心時相の投影データを形成す
る一例として、心時相Aと心時相Bのちょうど中間の心
時相をもった投影データを形成することを考える。この
場合、まず、それぞれの検出器の投影データにおける分
割投影データの先頭投影角度を、分割投影データの投影
角度範囲の半分の角度(30度)だけX線源の進行方向
へ移動させる。各々の検出器における先頭投影角度変更
後の投影データを、変更前の投影データ列の下方に示
し、各分割投影データを1.5、2.5、…6.5とし
た。
【0064】この場合にも、上記した心時相Aの投影デ
ータを形成した場合と同様に、分割投影データの先頭投
影角度の移動後の分割投影データを収集することで、心
時相Aと心時相Bの中間の心時相における投影データを
形成することができる。収集後の投影データをこの図2
1下方に、心時相A〜Bの投影データとして図示した。
また、同様の収集方法で、心時相Bと心時相Cの中間の
心時相の投影データなど、各心時相の中間の心時相の投
影データを収集することが可能である。
【0065】このように、分割投影データの先頭投影角
度を移動させることにより、各心時相の中間の心時相の
投影データを収集する方法を説明したが、これによれ
ば、分割投影データの先頭投影角度の移動量を変更する
ことにより、任意の心時相の投影データを形成すること
が可能であることがわかる。
【0066】また、分割投影データの先頭投影角度の移
動量が任意の投影角度だけ異なる投影データを複数作成
し、それぞれを画像再構成することによって、任意の時
間間隔の心時相における心臓断層像を複数枚作成するこ
とが可能であることもわかる。
【0067】また、同様の方法で体軸方向(スライス方
向)の異なる複数箇所の位置においても、任意の時間間
隔の心時相における再構成画像を作成し、同じ心時相を
持った再構成画像を体軸方向に集合することによって、
任意の時間間隔の心時相における心臓全体の断層画像、
即ち、三次元画像を作成することが可能であることもわ
かるであろう。
【0068】また、上記のようにして得られた三次元画
像を、心時相の順番に表示装置(図13の符号206を
参照)上に表示することにより、途切れなくスムーズに
拍動する心臓の三次元動画、即ち、四次元画像を得るこ
とが可能であることがわかる。
【0069】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明に
なるX線CT装置によれば、特に螺旋スキャン時におけ
る投影データの不連続性を解消し、特に、これにより得
られる心臓断層像は、心臓のモーションアーチファクト
が少ない良好な断層画像を得ることが可能となる。
【0070】また、上記本発明になるX線CT装置によ
り得られる連続性の分割投影データを利用して、任意の
スライス位置及び心時相の投影データを形成することが
可能であり、これらを適宜組み合わせ、あるいは、集合
することにより、任意の時間間隔の心時相における心臓
全体の断層画像、その三次元画像、さらには、心臓の三
次元動画などを、モーションアーチファクトを低減し、
途切れなくスムーズに作成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の基本構成を示すブロック図で
ある。
【図2】心電波形の説明図である。
【図3】レトロペクティブECGゲートの説明図であ
る。
【図4】レトロペクティブECGゲートの説明図であ
る。
【図5】本発明の流れを示す図である。
【図6】複数列検出器におけるレトロペクティプECG
ゲートの説明図である。
【図7】複数列検出器におけるレトロペクティプECG
ゲートの説明図である。
【図8】補間方法の説明図である。
【図9】複数列検出器におけるレトロペクティブECG
ゲートの説明図である。
【図10】不連続投影データの説明図である。
【図11】不連続投影データの説明図である。
【図12】不連続領域の補間説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態になるマルチスライス
X線CT装置の構成の概略を示す図である。
【図14】上記本発明のX線CT装置における投影デー
タ形成装置の分割投影データ収集の一例を示す図であ
る。
【図15】上記本発明のX線CT装置における投影デー
タ形成装置の分割投影データ収集の他の一例を示す図で
ある。
【図16】やはり、上記本発明のX線CT装置における
投影データ形成装置の分割投影データ収集のさらに他の
一例を示す図である。
【図17】上記本発明のX線CT装置における投影デー
タ形成装置と画像処理装置が行う処理の流れを示す図で
ある。
【図18】上記図17で示される処理の詳細を説明する
図である。
【図19】やはり、上記図17で示される処理の詳細を
説明する図である。
【図20】やはり、上記図17で示される処理の詳細を
説明する図である。
【図21】本発明のX線CT装置における投影データ形
成装置での、任意の心時相をもった分割投影データ収集
の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 X線CT装置 11 算出ユニット 12 被検体 13 処理装置 80,81 検出器の軌跡 202 スキャナガントリ部 206 心電計 207 投影データ形成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 靖 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 Fターム(参考) 4C093 AA22 BA10 CA13 DA02 EB17 EB18 FA47 FA55 FC23 FD07 FD12 FF42

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心臓用ECGゲート機能を備えたX線C
    T装置において、被検体の心拍数とCTスキャナーのス
    キャンスピードから、心拍周期とスキャン周期の同期信
    号を求める同期ユニットと、この同期ユニットをもとに
    各スキャン周期から心拍時相の合う投影データを収集す
    る投影データ算出ユニットと、を具備したことを特徴と
    するX線CT装置。
  2. 【請求項2】 上記投影データ算出ユニットは、螺旋ス
    キャン時に、各スキャン周期から心拍時相の合う投影デ
    ータを収集する際、心拍とスキャン周期によって生じる
    ベッド方向の不連続領域を対向データで補う補間手段を
    有し、この補間によりベッド方向に不連続な投影データ
    を算出することを特徴とする請求項1に記載のX線CT
    装置。
  3. 【請求項3】 上記投影データ算出ユニットは、螺旋ス
    キャン時に、各スキャン周期から心拍時相の合う投影デ
    ータを収集する際、心拍とスキャン周期によって生じる
    ベット方向の不連続領域を近傍の心拍時相が同一の投影
    データを用いた補間で補う補間手段を有し、この補正に
    よりベッド方向に不連続な投影データを算出することを
    特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  4. 【請求項4】 上記投影データ算出ユニットは、さら
    に、収集した心拍時相の合う投影データから、任意のス
    ライス位置の心臓断層像を作成することにより心臓断層
    動画を得て表示することを特徴とする請求項1に記載の
    X線CT装置。
  5. 【請求項5】 上記投影データ算出ユニットは、さら
    に、収集した心拍時相の合う投影データから、任意の心
    拍時相の心臓断層像を作成することにより心臓断層動画
    を得て表示することを特徴とする請求項1に記載のX線
    CT装置。
  6. 【請求項6】 上記投影データ算出ユニットは、さら
    に、得られた任意の心拍時相の心臓断層像を各々の心拍
    時相ごとに体軸方向に複数集合することによって心臓の
    三次元画像を得て表示することを特徴とする請求項4に
    記載のX線CT装置。
  7. 【請求項7】 上記投影データ算出ユニットは、さら
    に、得られた三次元画像を心拍時相の順番に表示するこ
    とにより心臓の三次元像の動画を得ることを特徴とする
    請求項5又は6に記載のX線CT装置。
  8. 【請求項8】 上記投影データ算出ユニットは、投影デ
    ータから心拍時相の等しい分割投影データを収集する
    際、分割投影データの先頭投影角度とデータ数とデータ
    幅との少なくとも1つを調整することによって、任意の
    心拍時相に等しく、かつ、画像再構成に必要な投影角度
    範囲の投影データを形成することを特徴とする請求項1
    に記載のX線CT装置。
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