JP2002328085A - 表面処理鋼材の耐食寿命予測方法、表面処理鋼材、表面処理鋼材の設計方法及び表面処理鋼材の製造方法 - Google Patents

表面処理鋼材の耐食寿命予測方法、表面処理鋼材、表面処理鋼材の設計方法及び表面処理鋼材の製造方法

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JP2002328085A
JP2002328085A JP2002051299A JP2002051299A JP2002328085A JP 2002328085 A JP2002328085 A JP 2002328085A JP 2002051299 A JP2002051299 A JP 2002051299A JP 2002051299 A JP2002051299 A JP 2002051299A JP 2002328085 A JP2002328085 A JP 2002328085A
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corrosion
amount
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treated steel
corrosive
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JP2002051299A
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Inventor
Hiroshi Kajiyama
浩志 梶山
Daisuke Mizuno
大輔 水野
Sakae Fujita
栄 藤田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寿命を高精度に予測することを可能にした表
面処理鋼材の寿命予測方法、その寿命予測に関連した表
面処理鋼材、表面処理鋼材の設計方法及び表面処理鋼材
の製造方法を提供する。 【解決手段】 表面処理鋼材が用いられた実機の1又は
複数の部位について、複数年分の腐食量及びその腐食環
境因子をそれぞれ測定し、その腐食量及び腐食環境因子
に基づいて実機の各部位の腐食量の経年変化を求め、そ
の腐食量の経年変化に基づいて各部位の耐食寿命を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電製品の各種製
品、構造物等に使用される表面処理鋼材の耐食寿命予測
方法、寿命予測した表面処理鋼材、表面処理鋼材の設計
方法及び表面処理鋼材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表面処理鋼材は、OA機器(複写機,パ
ソコン等)、AV機器(テレビ,ビデオ等)、冷蔵庫、
洗濯機等の家電製品に大量に使用されている。表面処理
鋼材の種類としては、電気亜鉛めっき鋼材、溶融亜鉛め
っき鋼材、化成処理鋼材,塗装鋼材等がある。中でも、
化成処理鋼材としてはクロメート処理材が多く使われて
いる。
【0003】近年、クロメート処理材の皮膜中に含有す
る6価クロムが人体の健康に影響を及ぼす疑いがあると
いう理由からクロムフリー表面処理鋼材も検討され、既
に実用化されている。今後、クロメート材からクロムフ
リー材への代替が増大すると予想される。
【0004】一方、家電製品の市場の国際化により、特
に高温多湿な東南アジアなどを想定した製品設計が必要
になると予想される。また、日本の家電業界各社は、環
境保全・省資源の観点から、「グリーン調達制度」を制
定して、家電製品のリサイクルや部品のリユースの推進
を図っており、製品や部品の使用期間が延長することに
なることから、製品の寿命設計がさらに重要になる。
【0005】以上のように、クロムフリー材等の新しい
材料の使用拡大,市場の国際化、リユースなどにより使
用期間の延長が図られていることから、家電製品等の寿
命設計を行う上で、家電製品等に使用されている表面処
理鋼材の耐食寿命予測方法が不可欠になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の家電製品向けの
表面処理鋼材の耐食性の評価法としては、塩水噴霧試験
等の腐食促進試験と、家電製品の実際の使用環境におけ
る長期暴露試験が行われてきた。しかしながら、塩水噴
霧試験は家電製品の使用されている実際の腐食環境との
相関が低いと考えられ、長期寿命との相関も不明であ
る。また、実際の腐食環境を適切に再現した、寿命予測
可能な腐食促進試験法がないという問題点もある。
【0007】また、長期暴露試験は長時間を要するとい
う問題点があり,家電製品によっては10年以上の時間
を要する。更に、家電製品の使用される環境では、一般
に腐食速度が小さいため定量的なデータが少ない。特
に、クロムフリー材などの新しい材料では使用実績が短
く、長期耐食データがないという問題点もある。
【0008】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたものであり、寿命を高精度に予測することを可
能にした表面処理鋼材の寿命予測方法、その寿命予測し
た表面処理鋼材、表面処理鋼材の設計方法及び表面処理
鋼材の製造方法を提供することを目的とする
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の一つの態
様に係る表面処理鋼材の耐食寿命予測方法は、表面処理
鋼材が用いられた実機の1又は複数の部位について、複
数年分の腐食量及びその腐食環境因子をそれぞれ測定す
る工程と、腐食量及び腐食環境因子に基づいて実機の各
部位の腐食量の経年変化を求める工程とを有する。
【0010】(2)本発明の他の態様に係る表面処理鋼
材の耐食寿命予測方法は、測定された所定の材料の腐食
量及びその腐食環境因子の内、前記腐食環境因子とそれ
に対応する腐食量との関係付けが複数年分に亘るデータ
を備えたデータベースを備え、設計対象となる実機又は
その実機を模擬した構造物(以下実機等という)につい
ての腐食環境因子を測定する工程と、実機等の腐食環境
因子と前記データの腐食環境因子との関係から、所定の
材料を実機に適用した場合の腐食量の経年変化を求める
工程とを有する。
【0011】(3)本発明の他の態様に係る表面処理鋼
材の耐食寿命予測方法は、測定された基準材料の腐食量
及び複数の腐食環境因子の内、前記複数の腐食環境因子
が前記腐食量に基づいてグループ化された第1のデー
タ、及び、測定された所定の材料の腐食量及びその腐食
環境因子の内、前記のグループ化された腐食環境因子と
それに対応する腐食量との関係付けが複数年分に亘る第
2のデータを備えたデータベースを備え、設計対象とな
る実機等についての腐食環境因子を測定する工程と、実
機等の腐食環境因子が第1のデータの腐食環境因子のど
のグループに属するかを求めて、そのグループに対応し
た第2のデータの腐食量に基づいて、所定の材料を実機
に適用した場合の腐食量の経年変化を求める工程とを有
する。
【0012】(4)本発明の他の態様に係る表面処理鋼
材の耐食寿命予測方法は、上記(3)の方法において、
実機等の各部位についての腐食環境因子を計測し、実機
等の部位の腐食環境因子が前記第1のデータの腐食環境
因子のどのグループに属するかを求めて、そのグループ
に対応した前記第2のデータの腐食量に基づいて、所定
の材料を実機に適用した場合の各部位の腐食量の経年変
化を求める。
【0013】(5)本発明の他の態様に係る表面処理鋼
材の耐食寿命予測方法は、基準材料の腐食試験を複数種
類の腐食環境の元で行う試験工程と、基準材料の腐食量
を基準として腐食環境を複数の環境等級に分類し、試験
工程における各腐食環境が属する環境等級を求める第1
の分類工程と、所定材料の腐食量を複数の腐食環境の元
で、その使用時間に対応させて調査する調査工程と、調
査工程の調査結果に基づいて、所定材料の腐食環境が属
する環境等級を求めるとともに、所定材料の環境等級に
おける使用時間に対する腐食量を調査結果の腐食量に基
づいた値とする第2の分類工程と、腐食環境、環境等
級、及び所定の材料の使用時間に対する腐食量情報の三
者の対応関係に基づいて、所定の腐食環境における前記
所定材料の腐食量の経年変化を求める工程とを備える。
【0014】(6)本発明の他の態様に係る表面処理鋼
材の耐食寿命予測方法は、所定材料の腐食量を基準とし
てその腐食環境が複数の環境等級に分類され、所定材料
における環境等級毎の腐食速度情報を備えたデータベー
スを保持する工程と、製品の使用条件に基づいてその腐
食環境を計測する環境計測工程と、環境計測工程により
得られた腐食環境が属する前記環境等級を求め、更に、
当該環境等級に対応する腐食速度情報に基づいて、所定
材料が製品に使用された場合の腐食量の経年変化を求め
る工程とを備える。
【0015】(7)本発明の他の態様に係る表面処理鋼
材の寿命予測方法は、製品の使用環境に対応した条件で
新規材料の初期腐食量を求める工程と、製品の使用環境
に対応した条件下で新規材料の腐食促進試験を行う工程
と、新規材料の初期腐食量及び腐食促進試験に基づい
て、新規材料の腐食量の経年変化を求める工程とを有す
る。
【0016】(8)本発明の他の態様に係る表面処理鋼
材の寿命予測方法は、上記(7)において、所定の材料
の腐食促進試験の評価結果と、所定の材料の既知の腐食
量の経年変化とに基づいて新規材料の腐食促進試験の試
験条件を評価する。
【0017】(9)本発明の他の態様に係る表面処理鋼
材の寿命予測方法は、測定された所定の材料の腐食量及
びその腐食環境因子の内、前記腐食環境因子とそれに対
応する腐食量との関係付けが複数年分に亘るデータと、
設計対象となる実機等の腐食環境因子についてのデータ
とを有するデータベースを備え、実機等の腐食環境因子
と前記データの腐食環境因子との関係から、所定の材料
を実機に適用した場合の腐食量の経年変化を求める。
【0018】(10)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、測定された基準材料の腐食量及
び複数の腐食環境因子の内、複数の腐食環境因子が腐食
量に基づいてグループ化された第1のデータと、測定さ
れた所定の材料の腐食量及びその腐食環境因子の内、前
記のグループ化された腐食環境因子とそれに対応する腐
食量との関係付けが複数年分に亘る第2のデータと、設
計対象となる実機等の腐食環境因子についてのデータと
を有するデータベースを備え、実機等の腐食環境因子が
第1のデータの腐食環境因子のどのグループに属するか
を求めて、そのグループに対応した第2のデータの腐食
量に基づいて、所定の材料を実機に適用した場合の腐食
量の経年変化を求める。
【0019】(11)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、上記(10)において、データ
ベースは実機等の各部位の腐食環境因子についてのデー
タを有し、実機等の各部位の腐食環境因子が第1のデー
タの腐食環境因子のどのグループに属するかを求めて、
そのグループに対応した第2のデータの腐食量に基づい
て、所定の材料を実機に適用した場合の各部位の腐食量
の経年変化を求める。
【0020】(12)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、上記(1)乃至(11)におい
て、所定の材料の腐食量の経年変化に基づいて耐食寿命
を求める。
【0021】(13)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、上記(1)乃至(12)におい
て、所定の材料の表面処理の仕様とその腐食量との関係
を、使用年数に応じて求める。
【0022】(14)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、上記(1)乃至(13)の表面
処理鋼材の耐食寿命予測方法により寿命が予測された鋼
材であって、各部位の腐食量の経年変化又は耐食寿命に
関するデータが添付される。
【0023】(15)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、上記(14)において、データ
又はそれを示す記号が表面処理鋼材に付記されてなる。
【0024】(16)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、上記(14)又は(15)にお
いて、データ又はそれに関連するデータが電子情報とし
て納入先に送付される。
【0025】(17)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、上記(1)乃至(13)の表面
処理鋼材の耐食寿命予測方法により腐食の進行が予測さ
れた1以上の表面処理鋼材から選択し、又は、1以上の
表面処理鋼材における腐食量の経年変化に基づいて、腐
食量の予測をしなかった表面処理鋼材から選択し若しく
は新たな表面処理鋼材を設計することにより、実機に適
用するために鋼材を選定する。
【0026】(18)本発明の他の態様に係る表面処理
鋼材の寿命予測方法は、上記(17)の表面処理鋼材の
設計方法により設計された表面処理鋼材を製造する。
【0027】
【発明の実施の形態】実施形態1.図1は本発明の実施
形態1に係る表面処理鋼材の寿命予測方法の処理過程を
示したフローチャートである。本実施形態1において
は、実際に家電製品に使用されている表面処理鋼材の耐
食寿命を予測する場合について説明する。なお、以下の
説明においては理解を容易にするために、具体的な事例
(数値等)を挙げるが本発明はその事例に限定されるも
のではない。このことは後述の実施形態においても同様
である。
【0028】(S1)まず、実際に使用されている家電
製品の腐食実態調査を行う。家電製品の腐食実態調査の
ためには、まず、調査対象製品の選定と回収を行う。使
用年数が例えば3年、6年、10年のものをそれぞれ5
台ずつ回収する。ここでは、回収地域は関東地区で、使
用場所はオフィス等の室内環境であるものとする。
【0029】次いで、家電製品の材料調査を行う。家電
製品の材料調査としては、その家電製品に使用されてい
る表面処理鋼材の種類、めっき付着量、化成処理付着量
(クロメート付着量など)、鋼材化学成分等が挙げられ
る。めっき種及びめっき付着量を調査する際には、例え
ば製品から試験片を切り出し、非対象面をテープシール
し、希塩酸でめっき皮膜を溶解した後、溶液を高周波プ
ラズマ発光分光分析装置(ICP)で分析して、めっき
種及びめっき付着量を求める。クロメート処理について
は、蛍光X線分析装置を用いて、クロメートの有無及び
クロメート付着量を測定する。
【0030】また、鋼材の腐食量の測定方法として、例
えば、Znめっき鋼材の場合には鋼材表面のZn腐食量
の測定を行う。その測定方法は、例えば製品から鋼材を
切り出し、非対象面と端面をテープシールした後に、試
験片を試験液(重クロム酸アンモニウム水溶液)に室温
で例えば15分間浸漬し、鋼材表面の亜鉛腐食生成物を
溶解する。溶解液に硝酸水溶液を加えて酸性にした後
に、原子吸光分光分析装置を用いて亜鉛濃度を分析して
Zn腐食量を求める。一例として、表1に6年使用した
製品のZn腐食量を示す。部位ごとに腐食量が異なって
いることが分かる。このようにして得られたデータは耐
食性データベースに格納される。
【0031】
【表1】
【0032】(S2) 次に、上述のようにした得られ
たデータに基づいて部位ごとの腐食量の経時変化を調べ
る。例えば上記のデータを上記の耐食性データベースか
ら読み出して次の(1)式に適用してその定数a,bを
求める。 logY=a+blogX …(1) 但し、Y:Zn腐食量、X:使用年数、a,bは定数で
ある。
【0033】表1の各部位ごとに上記の(1)式の定数
a,bを求めることにより、各部位のZn腐食量の経年
変化を求めることができる。
【0034】図2は上記の(1)式により使用年数に対
するZn腐食量の経年変化を求めた際の一例を示した特
性図である。なお、同図において○印は上記の処理(S
1)において求めた測定データである。但し、図2は上
記の家電製品の或る1つの部位(底板外側)についての
Zn腐食量の経年変化を示したものであり、他の部位に
ついても同様してその経年変化を求めておくものとす
る。このようにして得られたデータは耐食性データベー
スに格納される。
【0035】(S3)次に、上記の家電製品の寿命を求
める。図2の例においては、白錆の発生する腐食量:1
000mg/m2を耐食寿命とすると、耐食寿命は20年以
上であると予測される。他の部位についても同様にして
その寿命を予測する。次の表2は上記のようにして予測
した各部位の耐食寿命を纏めたものである。
【0036】
【表2】
【0037】(S4)上記の耐食寿命の予測を利用して
次期製品を製造・販売する。例えば材料メーカーがこの
耐食寿命の予測結果を家電メーカーに提供することで、
家電メーカーは次期製品の使用材料として従来材が要求
性能を満足していると判断し、同じ材料を次期の同機種
に採用することになる。その結果、家電メーカーはその
材料を材料メーカー発注し、材料メーカーはその材料を
製造し、製品の耐食性データを添付して材料を納入す
る。家電メーカーは次期製品を製造し、販売する。
【0038】なお、製品に耐食性データを添付する際の
データとは図2のデータ又は寿命に関するデータであ
る。また、添付とは機械的に添付するだけでなく、表面
処理鋼材とそのデータとが何らかの関連付けがなされて
いる場合も含む。例えば上記の各部位の腐食量について
のデータ又はそれを示す記号を表面処理鋼材に付記した
り、或いはそのデータ又はそれに関連するデータを電子
情報として納入先に送付する場合も含まれる。この電子
情報はFD等の記録媒体でも良いし、ネットワークを介
して納入先に送付(送信)したりしても良い。
【0039】実施形態2.図3及び図4は本発明の実施
形態2に係る表面処理鋼材の耐食寿命予測方法に係る処
理過程を示すフローチャートであり、図3は耐食性デー
タを収集するまでの過程を示し、図4はその耐食性デー
タを利用して材料を製造・販売をするまでの過程を示し
ている。本実施形態2においては、例えば家電製品に実
際に使用した実績のない材料(但し、一般的なデータは
保有している)を家電製品に適用した場合の各部位につ
いて耐食寿命を予測する例について説明する。
【0040】(S11)まず、或る基準材料の腐食実態
を調査(試験)する。この測定方法の詳細は上記の実施
形態1にて説明したので省略する。ここで、基準材料
は、絶対的な基準なものではなく、ユーザー毎や商品の
種類により適宜選択される性質のものであり、通常、
鉄、亜鉛、溶融亜鉛めっき鋼板等を基準材料とするが、
溶融Al-Zn合金めっき鋼板や化成処理鋼板等を基準
材料としてもよい。また、腐食実態の調査についても、
ユーザーから腐食データの提示があった場合、腐食デー
タベースに該当する腐食データが既にある場合、又は他
のデータ等から予測できる場合には、これらの既存のデ
ータを利用し、不足しているデータについてのみ腐食実
態の調査を行うようにしてもよい。なお、既存のデータ
で十分な場合には、腐食実態の調査を省略することがで
きる。
【0041】(S12)次に、その腐食環境因子の計測
を行う。腐食環境因子としては、温度、湿度、付着塩分
量等が挙げられる。温度は温度計、湿度は湿度計を用い
て測定する。付着塩分量の測定は、例えば鋼材表面を清
浄な脱脂綿を蒸留水で濡らして鋼材表面を拭き取り、そ
の脱脂綿を蒸留水に浸漬して溶液中に溶け出した塩化物
イオン濃度をイオンクロマトグラフィー装置を用いて分
析する。その濃度を表面に付着した付着塩分量に換算す
る。
【0042】(S13)上記の調査及び計測に基づいて
腐食環境因子の分類分けを行う。ここでは、腐食量に基
づいて腐食環境因子を分類する。図5はこのときの分類
分けの説明図である。図5の例においては腐食量S1〜
S5に応じて腐食環境因子(又はその組み合わせ)をC
1〜C5に分類している。即ち、基準材料の腐食量S1
〜S5に対してその原因となる腐食環境因子(又はその
組み合わせ)をC1〜C5(環境等級)に分類してい
る。
【0043】図6は上記にて分類した後のデータ構造を
示した説明図である。例えば腐食環境の分類C1(腐食
量〜S1)についてみると、温度が〜T1、相対湿度が
〜H1、付着塩分量が〜CL1の例が示されているが、
分類C1に対応した腐食量をもたらす腐食環境因子の組
み合わせは多数存在する。このことは分類C2〜C5に
おいても同様である。
【0044】(S14)家電製品に使用された実績のな
い材料(但し、その材料の一般的なデータは保有されて
いるものとする。)、例えば材料A〜Dについての過去
の複数年のデータ(腐食量、その環境(腐食環境因
子))を上記の分類C1〜C5に基づいて整理する。材
料A〜Dについて、例えば3年、5年、10年の各年に
ついての腐食環境(腐食環境因子)と腐食量(腐食実
態)との関係を纏める。即ち、材料Aについてみると、
まず、その腐食環境因子が図6の何れの分類C1〜C5
に属するかを検討し、例えば分類C1に属するとしたな
らば、その腐食量をその分類C1に書き込む。このよう
な処理を材料Aについて各年について多数行う。材料B
〜Dにおいても同様にしてその処理を行う。なお、これ
らの材料A〜Dについて上記のデータがない場合には、
その材料の腐食量を複数の腐食環境の元で、その使用時
間(使用年数)に対応させて調査する必要がある。
【0045】図7は上記のようにして分類C1〜C5に
基づいて整理された材料A〜Dのデータ(腐食量)の構
成例を示した図である。ここでは、例えば3年、5年、
10年の各年についての、腐食環境の分類と腐食量とが
関係付けられたデータ示されている。これらのデータ
は、同一腐食環境(同一の環境等級)での腐食速度情報
を形成することになる。
【0046】(S15)図7のデータ(3年、5年、1
0年)を整理して各材料A〜Dの腐食量の経年変化を求
める。即ち、図7のデータを上記の(1)式に適用して
それぞれの材料についての定数a,bを求めることによ
り、分類C1〜C5に対応した使用年数と腐食量との関
係を求める。図8は例えば材料Aについての分類C1〜
C5に対応した使用年数と腐食量との関係(腐食速度情
報)を示した特性図である。材料B〜Dについても同様
にして求められる。これらのデータも耐食性データベー
スには格納される。
【0047】(S16)製品条件を提示する。製品条件
とは、製品の構造、製品の寿命設計(耐用年数、リサイ
クル、リユース等)、要求性能、外観品質、コスト等が
ある。 (S17)家電製品が使用される環境条件を設定する。
この環境条件としては例えば腐食環境(地域、場所、部
位等)がある。 (S18)家電製品の環境計測を行う。製品の使用され
る典型的な室内環境に製品又はその模造品を置いて、製
品に温度計と湿度計を取り付け、実際に使用している状
況での環境計測を行う。比較のために、同時に使用場所
である室内の計測も実施するのが望ましい。例えば1年
間の計測を実施して、平均温度と平均相対湿度を求め
る。
【0048】表3はその環境計測の結果を示した表であ
る。家電製品例えばプリンタの部位1(背板外面)、部
位2(背板内面)、部位3(用紙カセット底板)、部位
4(底板内側)、部位5(底板外側)及び室内について
の平均温度、平均相対湿度及び付着塩分量をそれぞれ計
測している。
【0049】
【表3】
【0050】この腐食環境計測は、ユーザーから環境デ
ータの提示があった場合、耐食性データベースに腐食環
境データが既にある場合、又は気象データ等から予測で
きる場合には、これらの既存のデータを利用し、不足し
ているデータのみ腐食環境計測を行ってもよい。なお、
既存のデータで十分な場合には、腐食環境計測を省略す
ることができる。
【0051】(S19)環境分類の評価をする。表3の
各部位についての腐食環境因子の測定値を図6の該当す
る主要腐食因子に当てはめて、その主要腐食因子の属す
る分類(C1〜C5)を見い出す。分類が分かれば、図
8の特性から材料Aについての腐食量の経年変化が分か
る。また、同様にして材料B〜Dについての腐食量の経
年変化も分かる。これらのデータも耐食性データベース
に格納される。
【0052】(S20)材料の寿命予測をする。上記の
処理から材料A〜Dの経年変化が分かると、所定の腐食
量を閾値として、その材料の寿命を予測する。
【0053】(S21)材料設計をする。図9は材料設
計の過程を示したフローチャートである。 (S21a)寿命予測した材料の中に製品条件を満たし
たものがあるかどうかを検討する。 (S21b)寿命予測した材料の中に製品条件を満たし
たものがある場合には、他の要求性能を検討する。例え
ばコスト、加工性、意匠、対指紋性等について検討す
る。 (S21c)上記の他の要求性能を満たしたものがある
かどうか検討する。 (S21d)上記の他の要求性能を満たしたものがある
場合には、その検討結果に基づいて材料を選定する(特
に候補となるものが2以上ある場合)。
【0054】(S21e)上記の検討(S21a)にお
いて寿命予測した材料の中に製品条件を満たしたものが
ない場合には、製造実績のある全ての材料(新規材を含
む)を検討したかどうかを検討する。 (S21f)上記の検討(S21e)において、製造実
績のある全ての材料(新規材を含む)を検討していない
という判断をした場合には、材料の見直しを行って例え
ばまだ寿命予測を行っていない材料D〜Hについて、材
料の寿命予測をする。勿論、この材料D〜Hについても
図7のデータを構成することとなる元データがあるもの
とする。
【0055】(S21g)上記の検討(S21e)にお
いて、製造実績のある全ての材料(新規材を含む)を検
討しているという判断をした場合には、新規材料の設計
(製品条件提示元との協議を含む)をすることになる。 (S21h)上記の検討(S21c)において他の要求
性能を満たしたものが無いという判断をした場合には、
製造実績のある全ての材料(新規材を含む)を検討した
かどうかを検討する。 (S21i)上記の検討(S21h)において製造実績
のある全ての材料(新規材を含む)を検討していないと
いう判断をした場合には、製品設計の見直し(製品条件
提示元との協議を含む)をして、上記の製品条件の提示
の処理に移行する。また、上記の検討(S21h)にお
いて製造実績のある全ての材料(新規材を含む)を検討
したという判断をした場合には、新規材料の設計(製品
条件提示元との協議を含む)をすることになる(S21
g)。
【0056】なお、上記の検討(S21a)において、
例えば寿命予測対象となった全ての鋼材が耐用年数を満
たさないような判断があった場合には、予測対象となっ
た鋼材よりも明かに耐食性が高いとわかっている表面処
理鋼材を選定してもよい。同系統の鋼材であればある程
度の対応関係がつけられるので、例えば最も寿命が長い
と予測された鋼材と同系統かつ高耐食性の鋼材を選定す
ればよい。
【0057】また、新規材の設計をする場合(S21
g)には、例えば或る鋼材にマイナーな設計修正を行え
ば耐食性向上の程度が予測できる場合にはそのことを利
用する。寿命予測対象となった鋼材の化成処理付着量を
変更するとか、化成処理の種類を変えるとか、めっき付
着量を変更する等が考えられる。また、新規材の耐食寿
命の予測は後述の実施形態5においてなされる。なお、
本発明においては、表面処理鋼材の表面処理層及び/又
は下地の鋼材の材料選択、材料選定、材料設計の何れも
設計という概念に含まれるものとする。
【0058】実施形態3.本実施形態3においては、上
記の実施形態2の主要環境因子(温度、湿度、付着塩分
量)の代わりにACMセンサの出力を用いて耐食寿命の
予測を行っている。本実施形態3の処理の流れは基本的
には上記の実施形態2と同じなので相違点を中心に説明
する。
【0059】表4は腐食環境の分類とACMセンサの出
力との関係を示したものである。ガルバニック対の一例
であるACMセンサの出力は、後述のように、温度、湿
度及び付着塩分量の複合的な状態を一義的に示すので、
図6のような腐食環境因子の組み合わせはなく複雑にな
らない。
【0060】
【表4】
【0061】このガルバニック対は絶縁された2種類の
金属または導電性物質で構成されるセンサであり、2種
類の金属又は導電性物質に流れる電流を測定し、環境の
腐食性を評価するものである。このガルバニック対の一
例としてACM(Atmospheric Corrosion Monitor)型
腐食センサがある。2種類の金属または導電性物質は特
に限定されないが、ここではFe-Ag対ACM型腐食
センサについて説明する。このACM型腐食センサは例
えば64mm×64mm×0.8mmの炭素鋼の基板上に絶縁
ペーストを塗布して、その上層にAgの導電ペーストを
塗布したものである。乾燥時には、Fe基板とAg導電
ペースト間は絶縁ペーストにより電気的に遮断されてい
るが、雨水、結露水等、水が付着して電気回路が閉じる
と異種金属接触腐食、即ちFe基板の腐食が起こってり
腐食電流が流れる。この腐食電流をセンサ出力として取
り出し、環境の腐食性を評価する。このACMセンサの
出力はセンサの濡れの度合いが高いほど、即ち相対湿度
が高いほど大きく、付着水に溶解した塩化物イオン等の
濃度が高いほど大きい。したがって、ACMセンサの出
力は大気腐食の主要環境因子である付着塩分量と相対湿
度の両方を反映している。
【0062】表5は家電製品(例えばプリンタ)の環境
計測を行った結果を示した表である。この表5の測定結
果から環境分類の評価をする。表5の各部位についての
ACMセンサの出力(測定値)を表4のACMセンサの
出力に当てはめれば、その出力が属する分類(C1〜C
5)を見い出すことができる。分類が分かれば、上記の
図8の特性からその材料の腐食量の経年変化を求めるこ
とができる。
【0063】
【表5】
【0064】実施形態4.なお、上述の実施形態2,3
においては、分類C1〜C5を求めるのに基準材料を介
在させた例について説明したが、基準材料を介在させず
に、材料A〜Dの腐食量とその腐食環境因子とを直接関
係付けるようにしてもよい。例えば実施形態3の例で
は、図7の分類の項目に表4のデータ(センサの出力)
を当てはめておけば、表5の環境計測の結果を図7に直
接当てはめることができるので、材料A〜Dの腐食量を
直接求めることができる。
【0065】実施形態5.図10は本発明の実施形態5
に係る表面処理鋼材の耐食寿命予測方法に係る処理過程
を示すフローチャートである。本実施形態5において
は、従来材の代わりに新たに開発した新規材(例えばク
ロムフリー材)を採用する場合の例である。新規材は使
用実績が短く、腐食実態調査によって材料の耐食性を調
べることが出来ないので、以下のような処理によりその
材料の寿命を予測する。
【0066】(S30)製品条件を提示する。この提示
は上記の実施形態2と同じである。 (S31)環境条件の設定をする。この設定は上記の実
施形態2と同じである。 (S32)環境計測(各部位)を行う。製品の使用され
る典型的な室内環境に製品を置いて、製品に温度計と湿
度計を取り付け、実際に使用している状況での環境計測
を行う。比較のため、同時に、使用場所である室内の計
測も実施する。例えば1年間の計測を実施し、平均温度
及び平均相対湿度を求める。これらの環境計測は後述の
腐食促進試験を行う際に用いられる。
【0067】(S33)新規材の初期腐食量を求める。
後述の処理(S37)における精度向上と予測結果の妥
当性の確認のために、新規材の初期腐食量を求める(例
えば1年間、最低1ヶ月以上)。
【0068】なお、初期腐食量の測定には小型試験片の
暴露試験及び/又はQCMセンサを適用するものとす
る。QCMセンサはQCM(水晶振動微量天秤法;Quar
tz Crystal Microbalance)によるセンサであり、QC
Mは水晶振動子の共振周波数変化からナノグラムオーダ
ーの微小な質量変化を測定する方法であり、従来の微量
天秤法に比べて非常に感度が高いのが特徴である。
【0069】QCMセンサは水晶の対称中心を持たない
六方晶構造に由来する圧電効果を利用しており、水晶の
圧電効果の大きさとその温度依存性は水晶をカットする
方向に依存し,通常、QCMには共振周波数の温度依存
性が最も小さいATカットが用いられている。特定の方
向にカットした水晶板の両側に電極を取り付け、厚み方
向に微小の交流電圧をかけると、水晶の圧電効果により
水晶板がせん断方向に厚みすべり共鳴振動を起こす。水
晶板の両面の電極には,一般に金の蒸着膜が用いられる
が、水晶との密着性を高めるため、クロムなどを予備蒸
着する。QCMセンサの金電極上への薄膜の作製には、
目的に応じて、電析、各種のCVD及びPVDが採用さ
れる。更に、塗布処理、浸漬処理、熱処理などを行うこ
ともできる。例えば、表面処理鋼材(亜鉛めっき+化成
処理)を模擬したQCMセンサの場合には、水晶上の金
の蒸着膜の表面に電気亜鉛めっきを施し、更にクロメー
ト処理などの化成処理を施せば良い。
【0070】(S34)新規材及び従来材についての腐
食促進試験を行う。実環境を模擬した腐食促進試験法に
より従来材と新規材の耐食性評価を行う。腐食促進試験
法の試験条件は上記の環境計測に基づいて設定される
が、例えば以下の24時間1サイクルとする。 温度30℃,相対湿度95%,12時間 → 温度40℃,相対湿度50%,12時間 なお、この試験条件は昼夜の温度差による夜間の結露現
象を模擬している。製品の腐食実態調査で得られた付着
塩分量10mg/m2を試験前に試験片表面に付着させてか
ら腐食試験を行う。
【0071】(S35)腐食促進試験の妥当性を検討す
る。図11(A)(B)は従来材の特性の部位の腐食量
の経年変化及び従来材の腐食促進試験の評価結果を示し
た特性図ある。ここで、図11(A)の特性について次
の回帰式の定数をa,bを求める。 logY=a+blogX …(2) 但し、Y:Zn腐食量、X:使用年数である。
【0072】また、図11(B)の特性について次の回
帰式の定数をa’,b’を求める。 logY=a’+b’logX’ …(3) 但し、X’はサイクル数である。
【0073】ここで、上記の定数bとb’とが同じ値を
示した場合には腐食促進試験のサイクル数と腐食実態デ
ータの使用年数とが対応していることが分かり、上記の
腐食促進試験の試験方法が妥当であったことが分かる。
また、定数bとb’とが同じ値を示さなく直線でなけれ
ば可能な範囲で、使用年数とサイクルとの相関図により
直線近似する。そのような直線近似することが妥当でな
い場合(使用年数とサイクル数とが相関がない場合)に
は上記の処理(S33)に戻って試験条件を変更して再
び腐食促進試験を行う。
【0074】(S36)新規材の腐食量の経年変化を求
める。腐食促進試験が妥当であった場合には次に新規材
の腐食量の経年変化を求める。図12(A)は新規材の
腐食促進試験の評価結果を示した特性図である。この図
12(A)の特性について次の回帰式の定数をc’、
d’を求める。 logY=c’+d’logX’ …(4)
【0075】ここで、従来材の腐食促進試験が実態調査
結果とほぼ同様の腐食挙動を示したことから、新規材に
ついても腐食促進試験法によって腐食挙動が再現できて
いるものとみなして、新規材の腐食量の経年変化を示す
次式の定数dと上記の定数d’とは等しいものとする。 logY=c+dlogX …(5)
【0076】次に、精度向上と予測結果の妥当性の確認
のために、新規材の初期腐食量をを上記の(5)式に適
用して定数cを求めることにより、両定数c,dが求ま
り、腐食量の経年変化が求められる。図12(B)は上
記の(5)式の計算結果を図示したものである。
【0077】(S37)〜(S39)上述のように得ら
れた新規材の腐食量の経年変化に基づいて、その材料の
寿命を判断し、材料を設計し、更に製造・販売する処理
の内容は、上述の実施形態2と同じである。
【0078】なお、上述の説明は従来材が家電製品(実
機)に適用されたデータがあるという前提であるが(図
11(A))、家電製品(実機)に適用されたデータが
無い場合には(但し、一般的なデータは保有してい
る)、上記の実施形態2,3の処理を行って、従来材を
家電製品(実機)に適用した場合の腐食量の経年変化を
求めてから、上記の処理(S35)を行う。
【0079】実施形態6.図13は上述のようにして得
られた或る材料についての化成処理付着量(表面処理の
仕様の一例)と10年後のZn腐食量との関係をプロッ
トした特性図である。この特性図は上記の実施形態2〜
4により得られる。ここで、製品の寿命を10年とし、
10年後のZn腐食量の寿命を定める閾値を設定するこ
とにより、その材料の化成処理付着量が求められる。こ
のように製品寿命との関連で、化成処理付着量とZn腐
食量との関係を求めておくことにより、製品の寿命に最
適な化成処理付着量が求まる。なお、ここでは寿命が1
0年の例について説明したが、寿命を15年、20年と
設定することにより、その寿命に最適な化成処理付着量
を得て、オーバースペックにならないようにすることが
可能になっている。図13の特性図は或る腐食環境の或
る製品の或る部位についてのデータを示すものである
が、この種のデータ(表面処理の仕様に関連するデー
タ)をデータベースに蓄積しておくことにより、製品条
件、使用環境、製品等が分かれば自動的に材料の表面処
理の仕様(めっきの種類、めっき付着量、化成処理の種
類、化成処理付着量、塗装等)が定まることになり、設
計も自動的に行うことが可能になっている。
【0080】実施形態7.なお、上述の実施形態におい
ては、腐食量を求めるのにQCMセンサを用いた例につ
いて説明したが、交流インピーダンス法によってもよ
い。この交流インピーダンス法とは、直流分極成分に微
小交流成分を重畳させて電極に印加し、電極反応を解析
する方法であり、腐食反応の解析に多く利用されてい
る。交流インピーダンス法による測定においては、イン
ピーダンスの絶対値と位相のずれを測定することによ
り、腐食速度のみならず電気二重層容量、金属表面の皮
膜の状態、吸着成分の影響等の様々な情報を得ることが
できる。
【0081】実施形態8.また、上述の腐食量の測定、
即ち耐食性評価法としては屋内暴露試験、屋外暴露試
験、複合サイクル試験、乾湿繰り返し試験などが挙げら
れる。腐食環境因子として塩分付着の影響がある場合に
は、試験の最初または途中で、塩水に浸漬したり、塩分
を付着させたりするのが望ましい。また、各種表面処理
鋼材の耐食性評価法として電気化学測定法を用いること
も出来る。電気化学測定法としては,分極測定,交流イ
ンピーダンス法、SVET(走査型振動電極;Scanning
Vibrating Electrode Technique)、kelvin P
robe、QCM等が挙げられる。また、その評価に際
しては、表面処理鋼材が家電製品に使用される際の状態
を考慮して、プレス加工、溶接、塗装性などを考慮した
耐食性評価を行うこともできる。
【0082】実施形態9.また、上述の実施形態におい
ては家電製品の例について説明したが、本発明は家電製
品に限定されるものではなく、各種の製品、構造物等に
適用される。また、本発明の対象となっている表面処理
鋼材については特に限定されず、電気亜鉛めっき鋼板、
亜鉛ニッケル合金電気めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼
板、5%アルミ亜鉛合金めっき鋼板、55%アルミ亜鉛合
金めっき鋼板、化成処理鋼板、塗装鋼板、ラミネート鋼
板、ティンフリースチール等に適用できる。化成処理鋼
板としては、クロメート処理材、クロムフリー材等が挙
げられる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下のような効果が得られる。 (1)各種製品の各部位の表面処理鋼材の耐食寿命を予
測できる。 (2)製品の使用された実績のないる材料であっても、
腐食量と腐食環境因子とを関連付けたデータがある場合
には、各種製品の各部位についての耐食寿命を予測でき
る。 (3)新規材料であっても、腐食促進試験と初期腐食試
験(暴露試験)とを行うことによって、その新材料の腐
食量の耐食寿命を予測することができる。 (4)製品の使用される環境、部位、製品寿命に応じた
最適材料を選定することができる。 (5)製品の使用される環境、部位に応じた製品寿命を
予測できるので、製品のリサイクル設計、リユース設計
が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る家庭電器の寿命予測
方法の処理過程を示したフローチャートである。
【図2】上記の(1)式により使用年数に対するZn腐
食量を経年変化を求めた際の一例を示した特性図であ
る。
【図3】本発明の実施形態2に係る表面処理鋼材の耐食
寿命予測方法の処理過程を示したフローチャート(その
1)である。
【図4】本発明の実施形態2に係る表面処理鋼材の耐食
寿命予測方法の処理過程を示したフローチャート(その
2)である。
【図5】腐食量(S1〜S5)に応じた腐食環境因子
(又はその組み合わせ)の分類(C1〜C5)の例を示
す説明図である。
【図6】分類後のデータ構造を示した説明図である。
【図7】上記の分類(C1〜C5)に基づいて整理され
た材料A〜Dのデータ(腐食量)の構成例を示した図で
ある。
【図8】材料Aについての分類(C1〜C5)に対応し
た使用年数と腐食量との関係を示した特性図である。
【図9】図4の材料設計の処理の詳細を示したフローチ
ャートである。
【図10】本発明の実施形態5に係る表面処理鋼材の耐
食寿命予測方法の処理過程を示したフローチャートであ
る。
【図11】従来材の腐食量の経年変化及び従来材の腐食
促進試験の評価結果を示した特性図ある。
【図12】新規材の腐食促進試験の評価結果及び新規材
の腐食量の経年変化を示した特性図ある。
【図13】或る材料についての化成処理付着量と10年
後のZn腐食量との関係をプロットした特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 栄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G050 AA01 AA04 BA01 BA03 CA07 DA01 EB03 EB07 EC05 EC06 4K062 AA01 BA05 BA20 DA05 DA10 FA02 FA11 FA12

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面処理鋼材が用いられた実機の1又は
    複数の部位について、複数年分の腐食量及びその腐食環
    境因子をそれぞれ測定する工程と、 前記腐食量及び腐食環境因子に基づいて前記実機の各部
    位の腐食量の経年変化を求める工程とを有することを特
    徴とする表面処理鋼材の耐食寿命予測方法。
  2. 【請求項2】 測定された所定の材料の腐食量及びその
    腐食環境因子の内、前記腐食環境因子とそれに対応する
    腐食量との関係付けが複数年分に亘るデータを備えたデ
    ータベースを備え、 設計対象となる実機又はその実機を模擬した構造物(以
    下実機等という)についての腐食環境因子を測定する工
    程と、 前記実機等の腐食環境因子と前記データの腐食環境因子
    との関係から、前記所定の材料を前記実機に適用した場
    合の腐食量の経年変化を求める工程とを有することを特
    徴とする表面処理鋼材の耐食寿命予測方法。
  3. 【請求項3】 測定された基準材料の腐食量及び複数の
    腐食環境因子の内、前記複数の腐食環境因子が前記腐食
    量に基づいてグループ化された第1のデータ、及び、測
    定された所定の材料の腐食量及びその腐食環境因子の
    内、前記のグループ化された腐食環境因子とそれに対応
    する腐食量との関係付けが複数年分に亘る第2のデータ
    を備えたデータベースを備え、 設計対象となる実機等についての腐食環境因子を測定す
    る工程と、 前記実機等の腐食環境因子が前記第1のデータの腐食環
    境因子のどのグループに属するかを求めて、そのグルー
    プに対応した前記第2のデータの腐食量に基づいて、前
    記所定の材料を前記実機に適用した場合の腐食量の経年
    変化を求める工程とを有することを特徴とする表面処理
    鋼材の耐食寿命予測方法。
  4. 【請求項4】 実機等の各部位についての腐食環境因子
    を計測し、前記実機等の各部位の腐食環境因子が前記第
    1のデータの腐食環境因子のどのグループに属するかを
    求めて、そのグループに対応した前記第2のデータの腐
    食量に基づいて、前記所定の材料を前記実機に適用した
    場合の各部位の腐食量の経年変化を求めることを特徴と
    する請求項3記載の表面処理鋼材の耐食寿命予測方法。
  5. 【請求項5】 基準材料の腐食試験を複数種類の腐食環
    境の元で行う試験工程と、 前記基準材料の腐食量を基準として腐食環境を複数の環
    境等級に分類し、前記試験工程における各腐食環境が属
    する前記環境等級を求める第1の分類工程と、 所定材料の腐食量を複数の腐食環境の元で、その使用時
    間に対応させて調査する調査工程と、 前記調査工程の調査結果に基づいて、前記所定材料の腐
    食環境が属する前記環境等級を求めるとともに、前記所
    定材料の環境等級における使用時間に対する腐食量を前
    記調査結果の腐食量に基づいた値とする第2の分類工程
    と、 前記腐食環境、前記環境等級、及び前記所定の材料の使
    用時間に対する腐食量情報の三者の対応関係に基づい
    て、所定の腐食環境における前記所定材料の腐食量の経
    年変化を求める工程とを備えたことを特徴とする表面処
    理鋼材の耐食寿命予測方法。
  6. 【請求項6】 所定材料の腐食量を基準としてその腐食
    環境が複数の環境等級に分類され、前記所定材料におけ
    る環境等級毎の腐食速度情報を備えたデータベースを保
    持する工程と、 製品の使用条件に基づいてその腐食環境を計測する環境
    計測工程と、 前記環境計測工程により得られた腐食環境が属する前記
    環境等級を求め、更に、当該環境等級に対応する腐食速
    度情報に基づいて、前記所定材料が前記製品に使用され
    た場合の腐食量の経年変化を求める工程とを備えたこと
    を特徴とする表面処理鋼材の耐食性寿命予測方法。
  7. 【請求項7】 製品の使用環境に対応した条件で新規材
    料の初期腐食量を求める工程と、 製品の使用環境に対応した条件下で新規材料の腐食促進
    試験を行う工程と、 前記新規材料の初期腐食量及び腐食促進試験に基づい
    て、前記新規材料の腐食量の経年変化を求める工程とを
    有することを特徴とする表面処理鋼材の耐食寿命予測方
    法。
  8. 【請求項8】 所定の材料の腐食促進試験の評価結果
    と、前記所定の材料の既知の腐食量の経年変化とに基づ
    いて前記新規材料の腐食促進試験の試験条件を評価する
    ことを特徴とする請求項7記載の表面処理鋼材の耐食寿
    命予測方法。
  9. 【請求項9】 測定された所定の材料の腐食量及びその
    腐食環境因子の内、前記腐食環境因子とそれに対応する
    腐食量との関係付けが複数年分に亘るデータと、設計対
    象となる実機等の腐食環境因子についてのデータとを有
    するデータベースを備え、 前記実機等の腐食環境因子と前記データの腐食環境因子
    との関係から、前記所定の材料を前記実機に適用した場
    合の腐食量の経年変化を求めることを特徴とする表面処
    理鋼材の耐食寿命予測方法。
  10. 【請求項10】 測定された基準材料の腐食量及び複数
    の腐食環境因子の内、前記複数の腐食環境因子が前記腐
    食量に基づいてグループ化された第1のデータと、測定
    された所定の材料の腐食量及びその腐食環境因子の内、
    前記のグループ化された腐食環境因子とそれに対応する
    腐食量との関係付けが複数年分に亘る第2のデータと、
    設計対象となる実機等の腐食環境因子についてのデータ
    とを有するデータベースを備え、 前記実機等の腐食環境因子が前記第1のデータの腐食環
    境因子のどのグループに属するかを求めて、そのグルー
    プに対応した前記第2のデータの腐食量に基づいて、前
    記所定の材料を前記実機に適用した場合の腐食量の経年
    変化を求めることを特徴とする表面処理鋼材の耐食寿命
    予測方法。
  11. 【請求項11】 前記データベースは実機等の各部位の
    腐食環境因子についてのデータを有し、前記実機等の部
    位の腐食環境因子が前記第1のデータの腐食環境因子の
    どのグループに属するかを求めて、そのグループに対応
    した前記第2のデータの腐食量に基づいて、前記所定の
    材料を前記実機に適用した場合の各部位の腐食量の経年
    変化を求めることを特徴とする請求項10記載の表面処
    理鋼材の耐食寿命予測方法。
  12. 【請求項12】 前記所定の材料の腐食量の経年変化に
    基づいて耐食寿命を求めることを特徴とする請求項1乃
    至11の何れかに記載の表面処理鋼材の耐食寿命予測方
    法。
  13. 【請求項13】 前記所定の材料の表面処理の仕様とそ
    の腐食量との関係を、使用年数に応じて求めることを特
    徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の表面処理鋼
    材の耐食寿命予測方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13の何れかに記載の表
    面処理鋼材の耐食寿命予測方法により寿命が予測された
    鋼材であって、前記各部位の腐食量の経年変化又は耐食
    寿命に関するデータが添付されることを特徴とする表面
    処理鋼材。
  15. 【請求項15】 前記データ又はそれを示す記号が表面
    処理鋼材に付記されてなることを特徴とする請求項14
    記載の表面処理鋼材。
  16. 【請求項16】 前記データ又はそれに関連するデータ
    が電子情報として納入先に送付されることを特徴とする
    請求項14又は15記載の表面処理鋼材。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至13の何れかに記載の表
    面処理鋼材の耐食寿命予測方法により腐食の進行が予測
    された1以上の表面処理鋼材から選択し、又は、前記1
    以上の表面処理鋼材における腐食量の経年変化に基づい
    て、腐食量の予測をしなかった表面処理鋼材から選択し
    若しくは新たな表面処理鋼材を設計することにより、実
    機に適用するために鋼材を選定することを特徴とする表
    面処理鋼材の設計方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の表面処理鋼材の設計
    方法により設計された表面処理鋼材を製造することを特
    徴とする表面処理鋼材の製造方法。
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