JP2002327641A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置

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JP2002327641A JP2001131481A JP2001131481A JP2002327641A JP 2002327641 A JP2002327641 A JP 2002327641A JP 2001131481 A JP2001131481 A JP 2001131481A JP 2001131481 A JP2001131481 A JP 2001131481A JP 2002327641 A JP2002327641 A JP 2002327641A
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    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ストレージ量の演算値の補正を行う際の
2センサ出力のしきい値を運転条件に応じて変更する
ことにより、排気エミッションをさらに低減する。 【解決手段】 排気浄化装置は、エンジン1の吸入空気
量を検出するセンサ9と、エンジン1の排気通路に設け
られた触媒3と、触媒3に流入する排気の空燃比を検出
するセンサ4と、触媒3から流出する排気の酸素濃度あ
るいは空燃比を検出するセンサ5とを備える。コントロ
ーラ6は、検出された触媒3に流入する排気の空燃比と
エンジン1の吸入空気量に基づき触媒3の酸素ストレー
ジ量を演算し、演算された酸素ストレージ量に基づき触
媒3の酸素ストレージ量が所定値となるようにエンジン
1の空燃比を制御する。さらに、コントローラ6は、検
出された触媒3から流出する排気の酸素濃度あるいは空
燃比が所定しきい値となったときに酸素ストレージ量の
補正を行うとともに、この所定しきい値を吸入空気量に
応じて補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は触媒を備えたエンジンの
排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】三元触媒のNOx、CO、HCの転換効
率を最大に維持するためには触媒雰囲気を理論空燃比に
する必要があるが、触媒の酸素ストレージ量を一定に保
っておくことで、触媒に流入する排気がリーン側にずれ
ても排気中の酸素が触媒に吸収され、逆に、触媒に流入
する排気がリッチ側にずれても触媒に吸収されている酸
素が放出され、触媒雰囲気を実質的に理論空燃比に保つ
ことができる。
【0003】本出願人は、このような三元触媒を備えた
排気浄化装置において、触媒の酸素ストレージ量をエン
ジンの吸入空気量と触媒に流入する排気の空燃比から算
出し、触媒の酸素ストレージ量が一定になるようにエン
ジンの空燃比制御を行い、触媒の転換効率を高く保つ技
術を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】ところで、上記
技術において、触媒下流に設けられたO2センサの出力
に基づき酸素ストレージ量の演算値を補正するようにす
れば、酸素ストレージ量の演算誤差を解消することがで
きる。例えば、O2センサ出力が所定のリッチ側スライ
スレベルとなったときは触媒の酸素ストレージ量はゼロ
になっていると考えられることから、その演算値がゼロ
になっていない場合はゼロにリセットする。
【0005】このようにO2センサ出力に基づき補正を
行う際のスライスレベルの設け方としては、運転条件と
無関係に一定のレベルとすることも考えられるが、本出
願人の知見によれば、排気エミッションの浄化効率はO
2センサ出力のスライスレベルの設け方によって変化
し、また、排気エミッションの浄化効率を最良とするO
2センサ出力のスライスレベルは運転条件によって、特
にエンジンの吸入空気量に応じて変化する。
【0006】本発明は、上記スライスレベルと排気エミ
ッション浄化効率との関係に着目してなされたものであ
り、酸素ストレージ量の演算の補正を行う際のO2セン
サ出力のスライスレベルを運転条件に応じて変更するこ
とにより、さらなる排気エミッション低減を図ることを
目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】第1の発明は、エンジ
ンの排気浄化装置において、エンジンの吸入空気量を検
出する手段と、エンジンの排気通路に設けられた触媒
と、前記触媒に流入する排気の空燃比を検出する手段
と、前記触媒から流出する排気の酸素濃度あるいは空燃
比を検出する手段と、検出された前記触媒に流入する排
気の空燃比と前記エンジンの吸入空気量に基づき触媒の
酸素ストレージ量を演算する酸素ストレージ量演算手段
と、演算された酸素ストレージ量に基づき、前記触媒の
酸素ストレージ量が所定値となるように前記エンジンの
空燃比を制御する空燃比制御手段と、検出された前記触
媒から流出する排気の酸素濃度あるいは空燃比が所定し
きい値となったときに、前記酸素ストレージ量の演算誤
差が縮小されるように酸素ストレージ量の演算値を補正
する酸素ストレージ量補正手段と、前記所定しきい値を
吸入空気量に応じて補正するしきい値補正手段とを備え
たことを特徴とするものである。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、しき
い値補正手段が、前記所定しきい値を吸入空気量が多い
ほどリーン側に補正することを特徴とするものである。
【0009】第3の発明は、第1の発明において、所定
しきい値としてリッチ側しきい値とリーン側しきい値の
少なくとも2つを有することを特徴とするものである。
【0010】第4の発明は、第3の発明において、しき
い値補正手段が、前記リッチ側しきい値を吸入空気量が
多いほどリーン側に補正するものである。
【0011】第5の発明は、第3または第4の発明にお
いて、しきい値補正手段が、前記リーン側しきい値を吸
入空気量が多いほどリーン側に補正するものである。
【0012】第6の発明は、第3の発明において、しき
い値補正手段が、前記リッチ側しきい値とリーン側しき
い値の中央値を吸入空気量が多いほどリーン側にシフト
することによって前記リッチ側しきい値とリーン側しき
い値をリーン側にシフトすることを特徴とするものであ
る。
【0013】第7の発明は、第1から第6の発明におい
て、酸素ストレージ量演算手段が、吸収速度が異なる高
速成分と低速成分とに分けて酸素ストレージ量を演算す
ることを特徴とするものである。
【0014】第8の発明は、第7の発明において、酸素
ストレージ量演算手段が、酸素吸収時、高速成分が優先
して酸素を吸収し、高速成分が酸素を吸収しきれなくな
ったら低速成分が酸素を吸収し始めるという特性に基づ
き前記触媒の酸素ストレージ量を演算することを特徴と
するものである。
【0015】第9の発明は、第7の発明において、酸素
ストレージ量演算手段が、酸素放出時、高速成分に対す
る低速成分の比が所定値より小さい場合は高速成分から
優先して酸素が放出されるという特性に基づき前記触媒
の酸素ストレージ量を演算することを特徴とするもので
ある。
【0016】第10の発明は、第7の発明において、酸
素ストレージ量演算手段が、酸素放出時、高速成分に対
する低速成分の比が所定値より大きい場合は高速成分に
対する低速成分の比が変化しないように高速成分と低速
成分とから酸素が放出されるという特性に基づき前記触
媒の酸素ストレージ量を演算することを特徴とするもの
である。
【0017】第11の発明は、第7の発明において、空
燃比制御手段が、酸素ストレージ量のうち高速成分が所
定量となるように前記エンジンの空燃比を制御すること
を特徴とするものである。
【0018】第12の発明は、第3から第6の発明にお
いて、酸素ストレージ量補正手段が、前記触媒から流出
する排気の酸素濃度あるいは空燃比が前記リッチ側しき
い値になったときに高速成分及び低速成分の演算値をそ
れらの最小容量に補正する請求項3から6のいずれかひ
とつに記載のエンジンの排気浄化装置。
【0019】第13の発明は、第3から第6の発明にお
いて、酸素ストレージ量補正手段が、前記触媒から流出
する排気の酸素濃度あるいは空燃比が前記リーン側しき
い値になったときに高速成分の演算値をその最大容量に
補正することを特徴とするものである。
【0020】
【作用及び効果】したがって、この発明に係る排気浄化
装置では、触媒に流入する排気の空燃比に基づき触媒の
酸素ストレージ量が演算され、触媒の転換効率を高める
べく酸素ストレージ量が一定となるようにエンジンの空
燃比制御が行われる。そして、触媒下流の排気の酸素濃
度あるいは空燃比が所定しきい値(スライスレベル)に
なると酸素ストレージ量の演算誤差を解消するために酸
素ストレージ量の演算値の補正が行われる。
【0021】本出願人の知見によれば、このときのしき
い値の設け方によって排気エミッションの浄化効率が変
化し、排気エミッションの浄化効率を最適にする前記し
きい値は吸入空気量に応じて決定される。そのため、本
発明に係る排気浄化装置においては、前記所定しきい値
を吸入空気量に応じて補正し、排気エミッションの浄化
効率が最適となるようにする(第1の発明)。
【0022】上記所定しきい値の補正方法としては、吸
入空気量が多くなるほど前記所定しきい値をリーン側に
補正することが考えられる(第2の発明)。所定しきい
値をリーン側に補正すれば、触媒から流出する排気がリ
ーン側にずれたときの補正(リーンリセット)が行われ
にくくなってエンジンが比較的リーン側で運転されやす
くなり、触媒から流出するNOx量を低減できる。
【0023】このような所定しきい値としてはリッチ側
しきい値とリーン側しきい値との2つを設定することが
でき、この場合は吸入空気量が多くなるほどリッチ側し
きい値、リーン側しきい値あるいはその両方をリーン側
に補正する(第3から第5の発明)。補正量は両しきい
値で異ならせてもよいし同じとしてもよい。また、リッ
チ側しきい値とリーン側しきい値をある値(中央値)か
らリーン側、リッチ側に所定量離れたところに設定する
場合にはその中央値をリーン側に補正するようにしても
良い(第6の発明)。
【0024】さらに、触媒の酸素ストレージ特性は、触
媒の貴金属に高速で吸収/放出される特性と、触媒のセ
リア等の酸素ストレージ材に低速で吸収/放出される特
性とに分かれるが、第7から第10の発明によると、触
媒の酸素ストレージ量が実際の特性に合わせて高速成分
と低速成分とに分けて演算されるので、酸素ストレージ
量を正確に演算することができる。この結果、酸素スト
レージ量を一定にするための空燃比制御の精度が高めら
れ、触媒の転換効率を高く保つことができ、エンジンか
ら排出されるエミッションの量をより一層低減すること
ができる。
【0025】また、触媒の転換効率を高く保つのに寄与
するのは主として吸収/放出速度が速い高速成分と考え
られるが、第11の発明によると高速成分が一定となる
ようにエンジンの空燃比制御が行われる。
【0026】さらに、触媒の酸素ストレージ特性に基づ
き、触媒から流出する排気の酸素濃度あるいは空燃比が
リッチ側しきい値になると高速成分及び低速成分の演算
値をそれらの最小容量に補正し、触媒から流出する排気
の酸素濃度あるいは空燃比がリーン側しきい値になった
ときに高速成分の演算値をその最大容量に補正するよう
にすれば、それまでに蓄積された演算誤差を解消するこ
とができ、酸素ストレージ量の演算精度を一層高めるこ
とができる(第12,13の発明)。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき本発明の
実施の形態について説明する。
【0028】図1は、本発明が適用される排気浄化装置
の概略構成を示し、火花点火式エンジン1の排気浄化装
置は、排気通路2に設けられた触媒3と、フロントA/
Fセンサ4と、リアO2センサ5と、コントローラ6と
を備える。
【0029】エンジン1の吸気通路7には、運転者のア
クセル操作と独立して制御可能な電子制御式スロットル
弁8と、スロットル弁8によって調整された吸入空気量
Qaを検出するエアフローメータ9とが設けられている。
また、エンジン1にはエンジン回転速度を検出するクラ
ンク角センサ12が設けられている。
【0030】触媒3はいわゆる三元触媒であり、触媒雰
囲気が理論空燃比のときにNOx、HC及びCOを最大
効率で浄化する。触媒3は触媒担体がセリア等の酸素ス
トレージ材で被覆されており、流入する排気の空燃比に
応じて酸素の吸収あるいは放出を行う機能(以下、「酸
素ストレージ機能」)を有している。
【0031】ここで触媒3の酸素ストレージ量は、触媒
3の貴金属(Pt、Rh、Pd等)に吸収/放出される
高速成分HO2と、触媒3の酸素ストレージ材に吸収/放
出される低速成分LO2とに分けることができる。低速成
分LO2は高速成分HO2に比べて多くの酸素を吸収/放出す
ることができるが、その吸収/放出速度は高速成分HO2
に比べて遅いという特性を有している。
【0032】さらに、これら高速成分HO2及び低速成分L
O2は、− 酸素吸収時は、高速成分HO2に優先して酸素が
吸収され、高速成分HO2が最大容量HO2MAXに達して酸素
を吸収しきれない状態になったら低速成分LO2に酸素が
吸収され始める。
【0033】− 酸素放出時は、高速成分HO2に対する低
速成分LO2の比(LO2/HO2)が所定値未満の場合、すな
わち高速成分が比較的多い場合は高速成分HO2から優先
して酸素が放出され、高速成分HO2に対する低速成分LO2
の比が所定値以上の場合は高速成分HO2に対する低速成
分LO2の比が変化しないよう高速成分HO2及び低速成分LO
2の両方から酸素が放出される。という特性を有してい
る。
【0034】触媒3の上流に設けられたフロントA/F
センサ4は触媒3に流入する排気の空燃比をリニアに検
出し、触媒3の下流に設けられたリアO2センサ5は触
媒3下流の酸素濃度を理論空燃比に対して反転的に検出
する。なお、ここでは触媒3の下流に安価なO2センサ
を設けたが、リニアに空燃比を検出できるA/Fセンサ
を設けても良い。
【0035】また、エンジン1には冷却水の温度を検出
する冷却水温センサ10が取り付けられており、検出さ
れた冷却水温はエンジン1の運転状態を判断するのに用
いられる他、触媒3の触媒温度を推定するのにも用いら
れる。
【0036】コントローラ6はマイクロプロセッサ、R
AM、ROM、I/Oインターフェース等で構成され、
エアフローメータ9、フロントA/Fセンサ4及び冷却
水温センサ10の出力に基づき、触媒3の酸素ストレー
ジ量(高速成分HO2及び低速成分LO2)を演算する。
【0037】そして、コントローラ6は、演算した酸素
ストレージ量の高速成分HO2が所定量(例えば高速成分
の最大容量HO2MAXの半分)よりも多いときはエンジン1
の空燃比をリッチ側にシフトさせて高速成分HO2を減少
させ、逆に、所定量よりも少ないときは空燃比をリーン
側にシフトさせて高速成分HO2を増大させ、酸素ストレ
ージ量の高速成分HO2が一定に保たれるようにする。
【0038】さらに、演算誤差により演算される酸素ス
トレージ量と実際の酸素ストレージ量との間にずれが生
じるが、コントローラ6は触媒3下流の酸素濃度に基づ
き所定のタイミングで酸素ストレージ量のリセットを行
い、実際の酸素ストレージ量とのずれを修正する。
【0039】具体的には、リアO2センサ5がリーン判
定した場合は、少なくとも高速成分HO2は最大となって
いると判断し、高速成分HO2を最大容量にリセットす
る。また、リアO2センサ5がリッチ判定した場合は、
高速成分HO2のみならず低速成分LO2からの酸素放出も行
われなくなっていることから、低速成分HO2及び高速成
分LO2を最小容量にリセットする。
【0040】さらに、リアO2センサ5のリーン判定、
リッチ判定のスライスレベル(リッチ判定しきい値RD
T、リーン判定しきい値LDT)はエンジン1の運転条件に
応じて変更され、具体的には、エンジン1の吸入空気量
Qaが多くなるほどリーン側に変更される。これは後述す
るように、設定するスライスレベルによって触媒3で浄
化されずに触媒3をそのまま通過する排気エミッション
の量、すなわち排気エミッションの浄化効率が変化する
ことから、排気エミッションの浄化効率を最適にするス
ライスレベルを設定するためである。
【0041】以下、コントローラ6が行う制御について
詳しく説明する。
【0042】ここではまず、酸素ストレージ量の演算に
ついて説明し、その後で、酸素ストレージ量のリセッ
ト、酸素ストレージ量に基づくエンジン1の空燃比制御
について説明する。
【0043】図2は触媒3の酸素ストレージ量を演算す
るためのルーチンの内容を示し、コントローラ6におい
て所定時間毎に実行される。
【0044】これによると、まず、エンジン1の各種運
転パラメータとして、代表的に冷却水温センサ10、ク
ランク角センサ12、エアフローメータ9の出力が読み
込まれ、触媒3の温度TCATがそれらに基づき推定される
(ステップS1、S2)。そして、推定された触媒温度
TCATと触媒活性温度TACToとを比較することによって触
媒3が活性化したか否かが判断される(ステップS
3)。
【0045】その結果、触媒活性温度TACToに達してい
ると判断された場合は触媒3の酸素ストレージ量の演算
を行うべくステップS4以降に進む。触媒活性温度TACT
oに達しないと判断された場合は、触媒3は酸素の吸収
/放出作用を行わないとして処理を終了する。
【0046】ステップS4では酸素過不足量O2INを演算
するためのサブルーチン(図3)が実行されて触媒3に
流入する排気中の酸素過不足量O2INが演算され、ステッ
プS5では酸素ストレージ量の高速成分の酸素放出率A
を演算するためのサブルーチン(図4)が実行され、高
速成分の酸素放出率Aが演算される。
【0047】さらに、ステップS6では酸素ストレージ
量の高速成分HO2を演算するためのサブルーチン(図
5)が実行され、酸素過不足量O2INと高速成分の酸素放
出率Aに基づき高速成分HO2及び高速成分HO2で吸収され
ずに低速成分LO2に溢れるオーバーフロー分OVERFLOWが
演算される。
【0048】ステップS7では、ステップS6で演算さ
れたオーバーフロー分OVERFLOWに基づき触媒3に流入す
る排気中の酸素過不足量O2INが全て高速成分HO2で吸収
されたか否かを判断する。そして、酸素過不足量O2INが
高速成分で完全に吸収された場合(OVERFLOW=0)は処
理を終了するが、そうでない場合はステップS8へ進ん
で低速成分LO2を演算するためのサブルーチン(図6)
が実行され、高速成分HO2から溢れ出たオーバーフロー
分OVERFLOWに基づき低速成分LO2が演算される。
【0049】なお、ここでは触媒温度TCATをエンジン1
の冷却水温、エンジン負荷、エンジン回転数から推定す
るようにしているが、図1に示すように触媒3に温度セ
ンサ11を取り付け、触媒3の温度を直接測定するよう
にしてもよい。
【0050】また、ステップS3で触媒温度TCATが活性
温度TACToよりも低いときは酸素ストレージ量を演算し
ないようにしているが、ステップS3を無くして、触媒
温度TCATの影響を高速成分の酸素放出率Aや後述する低
速成分の酸素吸収放出率Bに反映するようにしても良
い。
【0051】次に、ステップS4から6及びステップS
8で実行されるサブルーチンについて説明する。
【0052】図3は、触媒3に流入する排気の酸素過不
足量O2INを演算するためのサブルーチンの内容を示す。
このサブルーチンでは触媒3上流の空燃比とエンジン1
の吸入空気量に基づき触媒3に流入する排気の酸素過不
足量O2INが演算される。
【0053】これによると、まず、フロントA/Fセン
サ出力とエアフローメータ出力が読み込まれる(ステッ
プS11)。
【0054】ステップS12では読み込まれたフロント
A/Fセンサ出力を所定の変換テーブルを用いて空燃比
に変換し、触媒3に流入する排気の過不足酸素濃度を演
算する。ここで過不足酸素濃度とは理論空燃比時の酸素
濃度を基準とした相対的な濃度で、排気が理論空燃比で
ゼロ、リッチで負、リーンで正の値をとる。
【0055】ステップS13ではエアフローメータ出力
を所定の変換テーブルを用いて吸入空気量に変換し、ス
テップS14ではステップS13で演算した吸入空気量
にステップS12で演算した過不足酸素濃度を乗じて触
媒3に流入する排気の過不足酸素量O2INを演算する。
【0056】過不足酸素濃度が上記特性を有することか
ら、過不足酸素量O2INは、触媒3に流入する排気が理論
空燃比のときゼロ、リッチのとき負、リーンのとき正の
値をとる。
【0057】また、図4は、酸素ストレージ量の高速成
分の酸素放出率Aを演算するためのサブルーチンの内容
を示す。このサブルーチンでは高速成分HO2の酸素放出
速度が低速成分LO2の影響を受けることから、低速成分L
O2に応じて高速成分の酸素放出率Aが演算される。
【0058】これによると、まず、ステップS21で低
速成分の高速成分に対する比LO2/HO2が所定値ARより大
きいか否かが判断される。
【0059】判断の結果、比LO2/HO2が所定値ARより小
さいと判断された場合、すなわち、高速成分HO2が低速
成分LO2に対して比較的多い場合はステップS22へ進
み、高速成分HO2から酸素が優先して放出されるとして
高速成分の酸素放出率Aに1.0がセットされる。
【0060】これに対し、比LO2/HO2が所定値ARよりも
大きいと判断された場合は、高速成分HO2に対する低速
成分LO2の比が変化しないよう高速成分HO2及び低速成分
LO2から酸素が放出されるので、ステップS23へ進ん
で高速成分の酸素放出率Aとして比LO2/HO2が変化しない
ような値が演算される。
【0061】また、図5は、酸素ストレージ量の高速成
分HO2を演算するためのサブルーチンの内容を示す。こ
のサブルーチンでは触媒3に流入する排気の酸素酸素過
不足量O2INと高速成分の酸素放出率Aに基づき高速成分H
O2の演算が行われる。
【0062】これによると、まず、ステップS31では
酸素過不足量O2INの値に基づき高速成分HO2が酸素を吸
収する状態にあるか、あるいは酸素を放出する状態にあ
るかが判断される。
【0063】その結果、触媒3に流入する排気の空燃比
がリーンであって、酸素過不足量O2INがゼロより大きい
場合、高速成分HO2が酸素を吸収する状態にあると判断
してステップS32に進み、次式(1)、 HO2 = HO2z + O2IN ・・・・・(1) HO2z:高速成分HO2の前回値 により高速成分HO2が演算される。
【0064】一方、酸素過不足量O2INがゼロ以下の値
で、高速成分が酸素を放出する状態にあると判断された
場合はステップS33に進み、次式(2)、 HO2 = HO2z + O2IN × A ・・・・・(2) A:高速成分HO2の酸素放出率 により高速成分HO2が演算される。
【0065】このようにして高速成分HO2が演算された
ら、ステップS34、S35でその値が高速成分の最大
容量HO2MAXを超えていないか、あるいは最小容量HO2MIN
(=0)以下になっていないかが判断される。
【0066】そして、高速成分HO2が最大容量HO2MAX以
上になっている場合はステップS36に進み、高速成分
HO2に吸収されずに溢れ出るオーバーフロー分(過剰
量)OVERFLOWが次式(3)、 OVERFLOW = HO2 − HO2MAX ・・・・・(3) により演算され、さらに、高速成分HO2が最大容量HO2MA
Xに制限される。
【0067】また、高速成分HO2が最小容量HO2MIN以下
になっている場合はステップS37に進み、高速成分HO
2に吸収されずに溢れ出るオーバーフロー分(不足量)O
VERFLOWが次式(4)、 OVERFLOW = HO2 − HO2MIN ・・・・・(4) により演算され、さらに、高速成分HO2が最小容量HO2MI
Nに制限される。なお、ここでは最小容量HO2MINとして
ゼロを与えているから高速成分HO2を全て放出した状態
で不足する酸素量が負のオーバーフロー分として算出さ
れることになる。
【0068】また、高速成分HO2が最大容量HO2MAXと最
小容量HO2MINの間にあるときは、触媒3に流入した排気
の酸素過不足量O2INは全て高速成分HO2に吸収されるの
で、オーバーフロー分OVERFLOWにはゼロが設定される。
【0069】ここで、高速成分HO2が最大容量HO2MAX以
上あるいは最小容量HO2MIN以下となって高速成分HO2か
ら溢れ出たオーバーフロー分OVERFLOWは低速成分LO2で
吸収あるいは放出される。
【0070】また、図6は酸素ストレージ量の低速成分
LO2を演算するためのサブルーチンの内容を示す。この
サブルーチンでは高速成分HO2から溢れ出たオーバーフ
ロー分OVERFLOWに基づき低速成分LO2が演算される。
【0071】これによると、ステップS41では低速成
分LO2が次式(5)、 LO2 = LO2z + OVERFLOW × B ・・・・・(5) LO2z:低速成分LO2の前回値 B:低速成分の酸素吸収放出率 により演算される。ここで低速成分の酸素吸収放出率B
は1以下の正の値に設定されるが、実際には吸収と放出
で異なる特性を有し、また、実際の吸収放出率は触媒温
度TCAT、低速成分LO2等の影響を受けるので、吸収率と
放出率をそれぞれ分離して可変に設定するようにしても
良い。その場合、オーバーフロー分OVERFLOWが正である
とき、酸素が過剰であり、このときの酸素吸収率Bは、
例えば、触媒温度TCATが高いほど、また低速成分LO2が
小さいほど大きな値に設定される。また、オーバーフロ
ー分OVERFLOWが負であるとき、酸素が不足しており、こ
のときの酸素放出率Bは例えば、触媒温度TCATが高いほ
ど、また低速成分LO2が大きいほど大きな値に設定され
る。
【0072】ステップS42、S43では、高速成分HO
2の演算時と同様に、演算された低速成分LO2がその最大
容量LO2MAXを超えていないか、あるいは最小容量LO2MIN
(=0)以下になっていないかが判断される。
【0073】その結果、最大容量LO2MAXを超えている場
合はステップS44に進み、低速成分LO2から溢れる酸
素過不足量O2OUTが次式(6)、 O2OUT = LO2 − LO2MAX ・・・・・(6) により演算されて低速成分LO2が最大容量LO2MAXに制限
される。酸素過不足量O2OUTはそのまま触媒3の下流に
流出する。
【0074】一方、最小容量以下になっている場合はス
テップS45へ進み、低速成分LO2が最小容量LO2MINに
制限される。
【0075】次に、コントローラ6が行う酸素ストレー
ジ量のリセットについて説明する。酸素ストレージ量の
リセットを実行することにより、それまでに蓄積された
演算誤差が解消され、酸素ストレージ量の演算精度を高
めることが可能となる。
【0076】図7はリセット条件の判断ルーチンの内容
を示す。このルーチンは、触媒3下流の酸素濃度から酸
素ストレージ量(高速成分HO2及び低速成分LO2)のリセ
ット条件が成立したか否かを判定し、フラグFrich及び
フラグFleanのセットを行うものである。
【0077】これによると、まず、触媒3下流の酸素濃
度を検出するリアO2センサ5の出力RO2が読み込まれる
(ステップS51)。そして、リアO2センサ出力RO2と
リーン判定しきい値LDT、リッチ判定しきい値RDTとの比
較が行われる(ステップS52、S53)。
【0078】比較の結果、リアO2センサ出力RO2がリー
ン判定しきい値LDTを下回っていた場合はステップS5
4に進んでフラグFleanに酸素ストレージ量のリーンリ
セット条件が成立したことを示す「1」が設定される。
また、リアO2センサ出力RO2がリッチ判定しきい値RDT
を上回っていた場合はステップS55に進んでフラグFr
ichに酸素ストレージ量のリッチリセット条件が成立し
たことを示す「1」が設定される。
【0079】リアO2センサ出力RO2がリーン判定しきい
値LDTとリッチ判定しきい値RDTの間にあるときはステッ
プS56に進んで、フラグFlean及びFrichにリーンリセ
ット条件、リッチリセット条件が不成立であることを示
す「0」が設定される。
【0080】ここで判定しきい値LDT、RDTは吸入空気量
Qaに応じて設定される。これは排気エミッションを低減
するのに最適なしきい値がエンジン1の吸入空気量Qaに
応じて変化するからである。
【0081】図8は実験により得られたリッチ判定しき
い値RDTとNOx流出率(=触媒に流入するNOx量に
対する触媒から流出するNOx量の割合)との関係を示
したものである。これに示されるように、目標とするN
Ox流出率(例えば3%)を実現するリッチ判定しきい
値RDTは吸入空気量Qaが多くなるほどリーン側になる。
【0082】リッチ判定しきい値RDTをリーン側に変更
すれば酸素ストレージ量の演算値を最小容量とするリッ
チリセットが行われやすくなり、リッチリセット後は酸
素ストレージ量が増加するように比較的リーン側の空燃
比で運転される。
【0083】なお、リッチ判定しきい値RDTを、目標と
するNOx流出率を実現する値よりもリッチ側にずらせ
ばNOx流出率をさらに下げることができるが(図8参
照)、この場合はHC、COの流出率が上がってしま
い、全体としては排気エミッションの増加となってしま
う可能性がある。
【0084】リーン判定しきい値LDTとNOx放出率の
関係も図8に示した特性と略同じ特性となり、目標とす
るNOx流出率を実現するのに最適なリーン判定しきい
値LDTは吸入空気量が多くなるほどリーン側になる。
【0085】リーン判定しきい値LDTをリーン側に変更
すれば酸素ストレージ量の演算値を最大容量にリセット
するリーンリセットが行われにくくなる。リーンリセッ
ト後は最大容量とされた酸素ストレージ量を減少させる
ようにリッチ空燃比運転が行われるため、このようにリ
ーンリセットが行われにくくすることにより間接的にエ
ンジン1の運転が比較的リーン側で行われやすくするこ
とができる。
【0086】図9はリッチ判定しきい値RDTの設定ルー
チンを示したものである。
【0087】これによれば、エンジン1の吸入空気量Qa
が読み込まれ(ステップS58)、図10に示すテーブ
ルを参照してこの吸入空気量Qaに応じたリッチ判定しき
い値RDTが設定される(ステップS59)。これによ
り、リッチ判定しきい値RDTを、吸入空気量Qaが多くな
るほどリーン側の値に、逆に、吸入空気量Qaが少なくな
るほどリッチ側の値に設定することができる。
【0088】リーン判定しきい値LDTの設定ルーチンも
図9に示した処理と同様の処理であり、その際には図1
0に示したテーブルと同様の特性のテーブルを参照して
リーン判定しきい値LDTが設定される。これにより、リ
ーン判定しきい値LDTを、吸入空気量Qaが多くなるほど
リーン側の値に、吸入空気量Qaが少なくなるほどリッチ
側の値に設定することができる。
【0089】なお、ここでは、リッチ判定しきい値RD
T、リーン判定しきい値LDTをそれぞれ別のルーチンによ
り設定しているが、図9に示したのと同様の設定ルーチ
ンにより、両判定しきい値の中央値を吸入空気量Qaに応
じて設定しておき、この中央値に固定値である所定値d
を加えた値をリッチ判定しきい値RDT、減じた値をリー
ン判定しきい値LDTとしてもよい。中央値と吸入空気量Q
aとの関係は図10に示した特性と同様であり、中央
値、判定しきい値RDT及びLDTは吸入空気量Qaが多くなる
ほどリーン側に補正される。上記所定値dは固定値であ
るので、中央値が変化しても両判定しきい値RDT、LDTの
間隔は常に一定となる。
【0090】図11は酸素ストレージ量のリセットを行
うためのルーチンの内容を示す。
【0091】これによると、ステップS61、S62で
フラグFlean及びFrichの値の変化に基づきリーンリセッ
ト条件あるいはリッチリセット条件が成立したか否かが
判断される。
【0092】そして、フラグFleanが「0」から「1」
に変化し、リーンリセット条件が成立したと判断された
場合はステップS63に進み、酸素ストレージ量の高速
成分HO2が最大容量HO2MAXにリセットされる。このと
き、低速成分LO2のリセットは行わない。一方、フラグF
richが「0」から「1」に変化し、リッチリセット条件
が成立したと判断された場合はステップS64に進み、
酸素ストレージ量の高速成分HO2及び低速成分LO2がそれ
ぞれ最小容量HO2MIN、LO2MINにリセットされる。
【0093】このような条件でリセットを行うのは、低
速成分LO2の酸素吸収速度が遅いため、高速成分HO2が最
大容量に達すると低速成分LO2が最大容量に達していな
くても酸素が触媒下流に溢れることから、触媒下流がリ
ーンになった時点では少なくとも高速成分HO2は最大容
量になっていると考えられるからである。
【0094】また、触媒下流がリッチになる時点では、
緩やかに酸素を放出する低速成分LO2からも酸素が放出
されていないといえ、高速成分HO2、低速成分LO2共に酸
素を殆ど保持しておらず最小容量になっていると考えら
れるからである。
【0095】さらに、コントローラ6が行う空燃比制御
(酸素ストレージ量一定制御)について説明する。
【0096】図12は酸素ストレージ量から目標空燃比
を演算するルーチンの内容を示す。
【0097】これによると、まず、現在の酸素ストレー
ジ量の高速成分HO2が読み込まれ(ステップS71)、
現在の高速成分HO2と高速成分の目標値TGHO2の偏差DHO2
(=触媒3が必要としている酸素過不足量)が演算され
る(ステップS72)。高速成分の目標値TGHO2は、例
えば高速成分の最大容量HO2MAXの半分に設定される。
【0098】そしてステップS73では、演算された偏
差DHO2が空燃比相当の値に換算され、エンジン1の目標
空燃比が設定される。
【0099】したがって、このルーチンによると、酸素
ストレージ量の高速成分HO2が目標とする量に満たない
場合はエンジン1の目標空燃比がリーン側に設定され、
酸素ストレージ量(高速成分HO2)の増大が図られる。
これに対し、高速成分HO2が目標とする量を超えている
場合はエンジン1の目標空燃比がリッチ側に設定され、
酸素ストレージ量(高速成分HO2)の減少が図られるこ
とになる。
【0100】次に、上記制御を行うことによる全体的な
作用について説明する。
【0101】本発明に係る排気浄化装置にあっては、エ
ンジン1が始動されると触媒3の酸素ストレージ量の演
算が開始され、触媒3の転換効率を最大に保つべく、触
媒3の酸素ストレージ量が一定となるようにエンジン1
の空燃比制御が行われる。
【0102】コントローラ6は触媒3に流入する排気の
空燃比、エンジン1の吸入空気量に基づき触媒3の酸素
ストレージ量を推定演算するが、酸素ストレージ量の演
算は実際の特性に合わせて高速成分HO2と低速成分LO2と
に分けて行われる。
【0103】具体的には、酸素吸収時は、高速成分HO2
が優先して吸収し、高速成分HO2が吸収しきれない状態
となったら低速成分LO2が吸収し始めるとして演算が行
われる。また、酸素放出時は、低速成分LO2と高速成分H
O2の比(LO2/HO2)が一定割合AR以下の場合は高速成分H
O2から優先して酸素が放出されるとし、比LO2/HO2が一
定割合になったらその比LO2/HO2を保つように低速成分L
O2と高速成分HO2の両方から酸素が放出されるとして演
算が行われる。
【0104】そして、演算された酸素ストレージ量の高
速成分HO2が目標値よりも多いときは、コントローラ6
はエンジン1の空燃比をリッチ側に制御して高速成分HO
2を減少させ、目標値よりも少ないときは空燃比をリー
ン側に制御して高速成分HO2を増大させる。
【0105】この結果、酸素ストレージ量の高速成分HO
2が目標とする値に保たれるので、触媒3に流入する排
気の空燃比が理論空燃比からずれたとしても、応答性の
高い高速成分HO2から直ちに酸素が吸収あるいは放出さ
れて触媒雰囲気が理論空燃比方向に修正され、触媒3の
転換効率が最大に保たれる。
【0106】さらに、演算誤差が累積すると演算される
酸素ストレージ量が実際の酸素ストレージ量とずれてく
るが、触媒3下流がリッチあるいはリーンになったタイ
ミングで酸素ストレージ量(高速成分HO2及び低速成分L
O2)のリセットが行われ、演算値と実際の酸素ストレー
ジ量とのずれが修正される。
【0107】図13は上記酸素ストレージ量一定制御を
行ったときの高速成分HO2の変化の様子を示したもので
ある。この場合、時刻t1では、リアO2センサ5の出力
がリーン判定しきい値より小さくなりリーンリセット条
件が成立するので、高速成分HO2が最大容量HO2MAXにリ
セットされる。ただし、このとき低速成分LO2は最大に
なっているとは限らないので低速成分LO2のリセットは
行われない。
【0108】時刻t2、t3では、リアO2センサ5の出
力がリッチ判定しきい値より大きくなりリッチリセット
条件が成立するので、酸素ストレージ量の高速成分HO2
が最小容量(=0)にリセットされる。このとき低速成
分LO2も最小容量にリセットされる(図示せず)。
【0109】このように、触媒3の下流の排気がリッチ
あるいはリーンになったタイミングで酸素ストレージ量
のリセットが行われ、実際の酸素ストレージ量とのずれ
が修正される結果、触媒の酸素ストレージ量の演算精度
がさらに向上し、酸素ストレージ量を一定に保つための
空燃比制御の精度も高められて触媒の転換効率を高く維
持することができる。
【0110】また、エンジン1の吸入空気量Qaが多いほ
ど上記定しきい値RDT、LDT(あるいはそれらの中央値)
をリーン側に変更するようにしたことにより、吸入空気
量Qaが多いときはリッチリセットが行われやすくなると
ともに、リーンリセットが行われにくくなって、エンジ
ン1の運転が比較的リーン側で行われやすくなる。この
ようにエンジン1の運転が比較的リーン側で行われやす
くすることによって排気エミッションの浄化効率を最適
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気浄化装置の概略構成図であ
る。
【図2】触媒の酸素ストレージ量を演算するためのルー
チンの内容を示したフローチャートである。
【図3】触媒に流入する排気の酸素過不足量を演算する
ためのサブルーチンの内容を示したフローチャートであ
る。
【図4】高速成分の酸素放出率を演算するためのサブル
ーチンの内容を示したフローチャートである。
【図5】酸素ストレージ量の高速成分を演算するための
サブルーチンの内容を示したフローチャートである。
【図6】酸素ストレージ量の低速成分を演算するための
サブルーチンの内容を示したフローチャートである。
【図7】リセット条件の判断ルーチンの内容を示したフ
ローチャートである。
【図8】リッチ判定しきい値とNOx流出率との関係を
示した特性図である。
【図9】リッチ判定しきい値の設定ルーチンを示したフ
ローチャートである。
【図10】エンジンの吸入空気量に応じてリッチ判定し
きい値を設定するためのテーブルである。
【図11】酸素ストレージ量のリセットを行うためのル
ーチンの内容を示したフローチャートである。
【図12】酸素ストレージ量から目標空燃比を演算する
ルーチンの内容を示したフローチャートである。
【図13】酸素ストレージ量一定制御を行ったときの様
子を示したタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 排気通路 3 三元触媒 4 フロントA/Fセンサ 5 リアO2センサ 7 吸気通路 8 スロットル弁 9 エアフローメータ 10 冷却水温センサ 11 触媒温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 314 F02D 45/00 314Z Fターム(参考) 3G084 AA03 BA05 BA09 BA13 BA24 DA10 DA25 EA11 EB01 EB11 EC03 FA07 FA10 FA20 FA26 FA28 FA29 FA33 3G091 AA02 AA17 AA28 AB03 BA01 BA14 BA15 BA19 CB02 CB07 DA01 DA02 DA10 DB06 DB07 DB08 DB11 DC01 EA01 EA05 EA16 EA31 EA34 GA06 GB01X GB04Y GB05W GB06W GB07W GB10X GB17X HA36 HA37 3G301 HA01 HA06 JA25 JA26 LA03 LB01 MA01 MA11 NA06 NA07 NA08 ND02 NE01 NE06 NE13 NE14 NE15 NE18 NE20 PA01A PD01A PD02A PD09A PE01A PE03A PE08A PF03A

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸入空気量を検出する手段と、 エンジンの排気通路に設けられた触媒と、 前記触媒に流入する排気の空燃比を検出する手段と、 前記触媒から流出する排気の酸素濃度あるいは空燃比を
    検出する手段と、 検出された前記触媒に流入する排気の空燃比と前記エン
    ジンの吸入空気量に基づき触媒の酸素ストレージ量を演
    算する酸素ストレージ量演算手段と、 演算された酸素ストレージ量に基づき、前記触媒の酸素
    ストレージ量が所定値となるように前記エンジンの空燃
    比を制御する空燃比制御手段と、 検出された前記触媒から流出する排気の酸素濃度あるい
    は空燃比が所定しきい値となったときに、前記酸素スト
    レージ量の演算誤差が縮小されるように酸素ストレージ
    量の演算値を補正する酸素ストレージ量補正手段と、 前記所定しきい値を吸入空気量に応じて補正するしきい
    値補正手段と、を備えたことを特徴とするエンジンの排
    気浄化装置。
  2. 【請求項2】前記しきい値補正手段は、前記所定しきい
    値を吸入空気量が多いほどリーン側に補正することを特
    徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 【請求項3】所定しきい値としてリッチ側しきい値とリ
    ーン側しきい値の少なくとも2つを有することを特徴と
    する請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 【請求項4】前記しきい値補正手段は、前記リッチ側し
    きい値を吸入空気量が多いほどリーン側に補正する請求
    項3に記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 【請求項5】前記しきい値補正手段は、前記リーン側し
    きい値を吸入空気量が多いほどリーン側に補正する請求
    項3または4に記載のエンジンの排気浄化装置。
  6. 【請求項6】前記しきい値補正手段は、前記リッチ側し
    きい値とリーン側しきい値の中央値を吸入空気量が多い
    ほどリーン側にシフトすることによって前記リッチ側し
    きい値とリーン側しきい値をリーン側にシフトすること
    を特徴とする請求項3に記載のエンジンの排気浄化装
    置。
  7. 【請求項7】前記酸素ストレージ量演算手段は、吸収速
    度が異なる高速成分と低速成分とに分けて酸素ストレー
    ジ量を演算することを特徴とする請求項1から6のいず
    れかひとつに記載のエンジンの排気浄化装置。
  8. 【請求項8】前記酸素ストレージ量演算手段は、酸素吸
    収時、高速成分が優先して酸素を吸収し、高速成分が酸
    素を吸収しきれなくなったら低速成分が酸素を吸収し始
    めるという特性に基づき前記触媒の酸素ストレージ量を
    演算することを特徴とする請求項7に記載のエンジンの
    排気浄化装置。
  9. 【請求項9】前記酸素ストレージ量演算手段は、酸素放
    出時、高速成分に対する低速成分の比が所定値より小さ
    い場合は高速成分から優先して酸素が放出されるという
    特性に基づき前記触媒の酸素ストレージ量を演算するこ
    とを特徴とする請求項7に記載のエンジンの排気浄化装
    置。
  10. 【請求項10】前記酸素ストレージ量演算手段は、酸素
    放出時、高速成分に対する低速成分の比が所定値より大
    きい場合は高速成分に対する低速成分の比が変化しない
    ように高速成分と低速成分とから酸素が放出されるとい
    う特性に基づき前記触媒の酸素ストレージ量を演算する
    ことを特徴とする請求項7に記載のエンジンの排気浄化
    装置。
  11. 【請求項11】前記空燃比制御手段は、酸素ストレージ
    量のうち高速成分が所定量となるように前記エンジンの
    空燃比を制御する請求項7に記載のエンジンの排気浄化
    装置。
  12. 【請求項12】前記酸素ストレージ量補正手段は、前記
    触媒から流出する排気の酸素濃度あるいは空燃比が前記
    リッチ側しきい値になったときに高速成分及び低速成分
    の演算値をそれらの最小容量に補正することを特徴とす
    る請求項3から6のいずれかひとつに記載のエンジンの
    排気浄化装置。
  13. 【請求項13】前記酸素ストレージ量補正手段は、前記
    触媒から流出する排気の酸素濃度あるいは空燃比が前記
    リーン側しきい値になったときに高速成分の演算値をそ
    の最大容量に補正することを特徴とする請求項3から6
    のいずれかひとつに記載のエンジンの排気浄化装置。
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