JP2002327376A - 保温性布帛 - Google Patents

保温性布帛

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JP2002327376A
JP2002327376A JP2002056312A JP2002056312A JP2002327376A JP 2002327376 A JP2002327376 A JP 2002327376A JP 2002056312 A JP2002056312 A JP 2002056312A JP 2002056312 A JP2002056312 A JP 2002056312A JP 2002327376 A JP2002327376 A JP 2002327376A
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heat retaining
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Yasunao Shimano
泰尚 嶋野
Munehide Yamaguchi
宗英 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 あらゆる布帛に対し保温性を付与できる汎用
性があり、優れた保温効果を示し、この保温効果が公知
の測定法で確実に実証できる、実用性の高い保温性布帛
を提供する。 【解決手段】 布帛本体と、金属酸化物系微粒子、カー
ボンブラックおよび赤外線吸収色素の中から選ばれた少
なくとも一つからなり、前記布帛本体に付与した赤外線
吸収剤とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温性布帛に関す
る。さらに詳しくは、保温性が望まれている衣料、イン
テリア、その他の繊維資材などに利用できる保温性布帛
に関する。
【0002】
【従来の技術】保温性布帛の製造方法については、これ
まで、いろいろ提案されているが、いずれも、以下にの
べるように、種々問題があった。ひとつの方法は、パラ
フィン類などの相変化材料をマイクロカプセル化し樹脂
バインダーで布帛に固着して保温効果を発揮させる方法
(特関平5−156570)がある。相変化材料は、溶
融するときに吸熱して環境温度を低下させ、固化すると
きに発熱する。この方法はこの原理を利用している。し
かし、この方法で製造した保温性布帛は、相変化材料の
吸熱容量、発熱容量が小さいため、大量に使用する必要
があり、布帛の持つ手触りを硬くして、商品価値を低下
させる。
【0003】さらに、布帛にデッドエアーを形成するこ
とにより、空気の対流による熱の損失を防ぎ、保温性を
高める方法がある。具体的には、毛布などのように、起
毛、立毛によりデッドエアーを形成する方法、中空繊維
を使用してデッドエアー層を形成する方法がある。保温
効果をもっとも確実に発揮できる方法はデッドエアーを
利用した方法である。しかし、この方法には、布帛の素
材や用途の特性から、起毛、立毛状態を作ることが困難
なものが多く、デッドエアーを形成できる布帛の種類が
かなり限定されてしまうと言う問題がある。中空繊維を
使用する方法は、糸の製造段階から商品設計が必要であ
り、製造コストが高くなり、加工も複雑であって、汎用
的でない。
【0004】繊維の分野以外で行われているデッドエア
ー形成方法として、ウレタン発泡材などを用いる方法が
ある。発泡構造でデッドエアーを作ることは保温性付与
に有効である。発泡手法には熱で分解する化学発泡剤を
使用する方法、ウレタン反応の際に発生する炭酸ガスを
使用する方法、フレオンガスなどの揮発性ガスを使用す
る方法、熱膨張するマイクロカプセルを使用する方法が
知られている。しかし、ウレタン発泡材を用いる方法で
は、ウレタン発泡材を布帛に積層すると極端に厚みが増
すと言う重大な問題があり、布帛の持つ本来の外観や手
触りが変化してしまうと言う問題もある。すなわち、布
帛は、用途、使用目的に応じて、例えば、タフタ裏地や
シャツ地、ブラウス地などではそれぞれ外観、厚み、手
触りなどに実質的な制限を有している。そのため、布帛
本未の外観、厚み、手触りなどをほとんど変化させるこ
となく保温性布帛を得ることが必要なのである。この方
法は操作が複雑であるという問題も有する。
【0005】なお、赤外線放射セラミックを繊維に練り
込む方法(特開平9−59827)も提案されている
が、体温に近い低温で赤外線の放射や効果が働くか否か
疑問がある。しかも、前述した、相変化材料を利用する
方法の保温効果は示差熱量計で確認することができ、デ
ッドエアーを利用する方法の保温効果はカトーテック
(株)製のサーモラボIIなどの測定機器を使用してカ
ラー写真(サーモグラフ)で簡単に確認することができ
るが、赤外線放射セラミックを利用する方法の保温効果
を実証するのは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題
は、あらゆる布帛に対し保温性を付与できる汎用性があ
り、優れた保温効果を示し、この保温効果が公知の測定
法で確実に実証できる、実用性の高い保温性布帛を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる保温性布
帛は、布帛本体と、金属酸化物系微粒子、カーボンブラ
ックおよび赤外線吸収色素の中から選ばれた少なくとも
一つからなり、前記布帛本体に付与した赤外線吸収剤と
を備える。
【0008】
【発明の実施の形態】〔布帛本体〕本発明において、布
帛本体とは、保温性を付与する対象となる布帛を意味
し、布帛でありさえすれば、種類は問わない。布帛本体
を構成する繊維の種類としては、ポリエステル、ナイロ
ンなどの合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、綿、ウー
ル、絹などの天然繊維やこれらの複合したものが使用可
能であり、特に限定されるものではない。その形態とし
ては、織物、編物、不織布などであり、布帛の厚み、目
付、外観などに制限はない。
【0009】〔赤外線吸収剤〕赤外線吸収剤としては、
金属酸化物系微粒子、カーボンブラック、有機化合物の
赤外線吸収色素を用いる。特に、金属酸化物系微粒子
は、赤外線吸収性能と赤外線反射性能を合わせ持つもの
が多く、好ましく用いられる。具体的には、アンチモン
ドープ酸化錫(ATO)やスズドープ酸化インジューム
(ITO)などの100nm以下の金属酸化物系微粒子
が好ましく用いられる。このような金属酸化物系微粒子
は、可視光線を透過する透明な材料でもあり、布帛本体
の色相に変化を与えない点でも好ましい。この種の金属
酸化物系微粒子は、水系の分散品やトルエンなどの溶剤
系分散品として入手することができる。一般に黒顔料と
して使用されるカーボンブラックも、有効な赤外線吸収
剤であり、塗布だけでなく、繊維に練り込むことで、保
温性を向上させることも出来る。カーボンブラックの粒
子径は、特に限定されないが、黒顔料等に用いられてい
る数μm程度の粒子径であればよい。カーボンブラック
は、布帛の色相が黒やネービーブルー、エンジ色などの
濃色品である場合に好ましく使用される。カーボンブラ
ックを淡色の薄地布帛本体に付与すると、布帛本体の色
がグレー化する傾向がある。
【0010】〔中空状粒子〕本発明では、保温性を向上
させるために、赤外線吸収剤に加えて直径1μm以下の
中空状粒子をも布帛本体に付着させることができる。中
空状粒子を併用した場合、赤外線吸収剤だけを布帛に付
与したものに比べ、予想をはるかに越えて、保温効果が
向上する。すなわち、太陽光などの比較的強い赤外線を
吸収し、温度が上昇した布帛の温度を維持し続けられる
ことに加え、赤外線吸収剤だけではエネルギーの放出が
速いために確認できなかった、人体から発せられる弱い
赤外線も蓄積することができ、保温性を飛躍的に向上さ
せることができるのである。
【0011】本発明で使用する中空状粒子は、直径1.
0μm以下のものであり、好ましくは直径0.5μm程
度のものである。この大きさの中空状微粒子は、布帛本
体を構成する繊維の円周数十ミクロンと比較して十分に
小さく、これを布帛に付着させても、布帛本体が本来持
つ外観、厚み、手触りをほとんど変えることなく、布帛
本体に保温性を付与できる。中空状粒子は一般に、内部
の空孔とシェル部の空気/ポリマー界面での屈折率の差
で光を散乱して、白度や不透明度を増す性質があり、遮
蔽性のある白色顔料ではあるけれども、これを布帛本体
に付着させて何ら問題はない。
【0012】この中空状粒子は、特に限定はされない
が、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、および/また
は、これらの共重合樹脂などからなるものが好ましく用
いられる。具体的には、ポリスチレン、ポリ−α−メチ
ルスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸イソ
プロピル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリアクリロ
ニトリル、ポリメタクリロニトリルなどのアクリル系樹
脂の他、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリビニルアルコール、ポリ−o−ビニルベンジル
アルコール、ポリ−m−ビニルベンジルアルコール、ポ
リ−p−ビニルベンジルアルコール、ポリビニルホルマ
ール、ポリビニルアセタール、ポリビニルプロピオナー
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルイソブチラー
ル、ポリビニル−tert−ブチルエーテル、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルカルバゾール、酢酸セルロー
ス、ポリカーボネート、さらにはこれらの共重合体など
があげられる。
【0013】中空状粒子の中空体積率は、25容量%以
上のものが好ましく用いられ、その構造は、多数の微細
孔を有するもの、単シェル層を形成するもの、多重シェ
ル層を形成するものなどがあげられる。中空体積率と
は、粒子体積に対する中空部分の体積の割合をいう。中
空部分の体積は、特開昭56−32513号公報記載の
ように、中空粒子を炭化水素オイル(nD 1.51)に
浸漬した後に光学顕微鏡で観察することによって測定で
きる。中空状粒子は、水系の分散状態や乾燥した粉末状
で入手出来る。保温性布帛を溶剤系配合組成物を用いて
製造する場合は、溶剤に対する不溶性を持たせるため、
架橋型の中空状粒子が好ましく用いられる。
【0014】〔布帛本体への付与〕赤外線吸収剤および
中空状粒子の布帛本体に対する付与量としては、赤外線
吸収剤は1平方メートル当たり0.01g以上、10g
以下が好ましい。中空状粒子は布帛の1平方メートル当
たり1g以上、30g以下が好ましく、1g以上、10
g以下がより好ましい。カーボンブラックを赤外線吸収
剤として使用する場合は1平方メートル当たり0.1g
以上、10g以下付与するとよい。本発明では、赤外線
吸収剤や中空状粒子を、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、
ナイロン樹脂などのバインダー樹脂に配合して使用し
て、布帛に付与する。バインダー樹脂の種類は、特に限
定されるものではない。バインダー樹脂の付与量は、樹
脂固形分基準で、1平方メートル当たり0.1g以上、
30g以下にすることが好ましい。この配合組成物は、
水系、溶剤系のいずれで構成しても良いが、入手出来る
材料の組成を考えると、水系の方が構成しやすい。溶剤
としては、トルエン、イソプロピルアルコール、ジメチ
ルホルムアミド、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど
が好ましく用いられる。この配合組成物には、メラミン
系、イソシア糸、エポキシ系などの架橋剤を併用しても
よい。
【0015】保温性付与組成物は、上に述べた、バイン
ダー樹脂に赤外線吸収剤または赤外線吸収剤と中空状粒
子とを配合した組成物を言う。布帛本体に対する付着性
を向上させる等の目的で適当な添加剤をさらに配合して
も良い。赤外線吸収剤と中空状粒子の配合量は、例え
ば、バインダー樹脂固形分100重量部に対し、赤外線
吸収剤1〜200重量部、中空状粒子1〜2000重量
部である。布帛本体への樹脂組成物の付与手段として
は、パディングの後マングルロールで絞る方法、グラビ
ヤコーティング法、ナイフコーティング法、キスロール
法、スクリーンプリント法など、公知のあらゆる付与手
段が適用できる。目的とする付着量や付着状態により選
択すれば良い。赤外線吸収剤に加え中空状微粒子を布帛
に付与する場合は、中空状粒子を布帛に付与した後に赤
外線吸収剤を付与したり、その逆の順序にしたり、保温
性付与組成物を用いて赤外線吸収剤と中空状微粒子とを
同時に付与したりする。
【0016】なお、赤外線吸収剤と中空状粒子とは、繊
維に練り込む等の方法で布帛本体に付与しても良く、付
与する手段に制限はない。
【0017】
【実施例】以下に実施例により、本発明を具体的に説明
する。 (参考例1)この参考例は、本発明の技術的範囲からは
外れる参考技術である。ポリエステル100%からなる
タフタ織物(密度76×90本/インチ)に、分散染料
カヤロンポリエステルイエロー4GE(日本化薬(株)
製)を1%o.w.f.の濃度で用い、130℃でイエ
ローに染色した。ついで、常法により乾燥後、160℃
で30秒間セットした。
【0018】保温性付与の為に、下記の配合組成物を用
意した。 配合組成物 インプラニールDLN 6.0% (バイエル社製水系ウレタン樹脂、固形分40%) アクリル/スチレン共重合微粒子の水分散液 80.0% (中空状粒子径0.45ミクロン、中空率33%、固形分40%) 水 14.0% つぎに、125メッシュのグラビヤロールを使用して織
物の片面に7g/m2付与した後、120℃で乾燥し、
保温性布帛を得た。
【0019】得られた保温性布帛と末処理布帛の保温率
および赤外線放射温度の測定を行ったところ、 保温率 :参考例 19 %、未処理布 13 % 赤外線放射温度:参考例 32.0 ℃、未処理布 32.0℃ であり、保温性が向上している。保温性布帛の色相もほ
とんど変化は見られなかった。保温性布帛と末処理布帛
の保温性の測定としての保温率と赤外線放射温度の測定
は以下のように行った。
【0020】保温性の測定法 1.保温率の測定 カトーテック(株)製のサーモラボIIを測定に用い
た。15×15cm の測定試料を36℃の熱板の上に
置き、試料を乗せた後、同一温度に保つ為の消費電力量
から保温率を計算で求めた。 2.赤外線放射温度の測定 蓄熱性を確認するため赤外線放射温度の測定を行った。
試料に赤外線を照射するためジェブ電気製の250W赤
外線ランプ、赤外線放射温度分布を測定するため日本電
気三栄(株)製のサーモトレーサー3102を用いた。
【0021】人工気象室内20℃、65%RHの環境下
で15×15cmの試料を発泡スチロールの上に置き、
赤外線ランプを用い赤外線を照射した。試料周囲の温度
が31℃になった時、試料表面の赤外線放射温度分布を
温度表示付きのカラー写真として記録し、測定した。 〔実施例1〕上記保温性付与組成物から中空状粒子を除
き、カーボンブラックを用いた以外は参考例1と同様に
処理して、保温性布帛を得た。すなわち、下記の配合組
成物を使用して、保温性布帛を得た。
【0022】 配合組成物 インプラニールDLN 6.0% (バイエル社製水系ウレタン樹脂、固形分40%) リューダイWブラックRC 5.0% (カーボンブラック、大日本インキ製、固形分40%) 水 89.0% 得られた保温性布帛と未処理布の保温率および赤外線放
射温度の測定を行ったところ、 保温率 :実施例 9 %、未処理布 13 % 赤外線放射温度:実施例37.2℃、未処理布 32.0℃ であり、赤外線放射温度が上昇することが確認できた。
但し、保温率は低下した。得られた布帛の色相はグレー
にくすんでいた。 (実施例2)ポリエステル100%からなるタフタ織物
(密度76×90本/インチ)に、分散染料カヤロンポ
リエステルブラックEX−SF(日本化薬(株)製)を
15%o.w.f.の濃度で使用し、130℃で黒色に
染色した。ついで、常法により還元洗浄し、乾燥後、1
60℃で30秒間セットした。
【0023】保温性付与の為に、下記の配合組成物を用
意した。 配合組成物 インプラニールDLN 6.0% (バイエル社製水系ウレタン樹脂、固形分40%) アクリル/スチレン共重合微粒子の水分散液 80.0% (中空状粒子径0.45ミクロン、中空率33%、固形分40%) リューダイWブラックRC 5.0% (カーボンブラック、大日本インキ製、固形分40%) 水 9.0% つぎに、125メッシュのグラビヤロールを使用して織
物の片面に7g/m2付与した後、120℃で乾燥し、
保温性布帛を得た。
【0024】得られた保温性布帛と未処理布帛の保温率
および赤外線放射温度の測定を行ったところ、 保温率 :実施例 19 %、未処理布 13 % 赤外線放射温度:実施例 37.2℃、未処理布 32.0℃ であり、いずれの方法でも保温性の向上が確認できた。 (実施例3)ポリエステル100%からなるタフタ織物
(密度76×90本/インチ)に、スミカロンイエロー
E−RPD(住友化学工業(株)製)0.005%o.
w.f.を用いて、アイボリーに染色した。水洗、乾燥
後、160℃で30秒間セットした。
【0025】保温性付与の為に、下記の配合組成物を用
意した。 配合組成物 インプラニールDLN 6.0% (バイエル社製水系ウレタン樹脂、固形分40%) アクリル/スチレン共重合微粒子の水分散液 80.0% (中空状粒子径0.45ミクロン、中空率33%、固形分40%) ATO微粒子水分散液 (金属酸化物系微粒子径50nm以下、固形分15%) 10.0% 水 4.0% つぎに、125メッシュのグラビヤロールを使用して織
物の片面に7g/m2塗布した後、120℃で乾燥し、
保温性布帛を得た。
【0026】得られた保温性布帛と未処理布帛の保温率
およぴ赤外線放射温度の測定を行ったところ、 保温率 :実施例 19 %、未処理布 13 % 赤外線放射温度:実施例 34.5℃、未処理布 32.0℃ であり、いずれの方法でも保温性の向上が確認できた。 (実施例4)ポリエステル100%からなる目付100
g/m2 のスパン織物を常法により蛍光増白したものを
試験に用いた。
【0027】保温性付与の為に、下記の配合組成物を用
意した。 配合組成物 EX628 7.0% (新中村化学製水系アクリル樹脂、固形分40%) アクリル/スチレン共重合微粒子の水分散液 85.0 % (中空状粒子経0.45ミクロン、中空率50%、固形分40%) ATO水分散液 (金属酸化物系微粒子径50nm以下、固形分15%) 8.0% つぎに、125メッシュのグラビヤロールを使用して織
物の片面に7g/m2塗布した後、120℃で乾燥し、
保温性布帛を得た。
【0028】得られた保温性布帛と未処理布帛の保温率
および赤外線放射温度の測定を行ったところ、 保温率 :実施例 22 %、未処理布 15 % 赤外線放射温度:実施例 37.3℃、未処理布 33.5℃ であり、いずれの方法でも保温性の向上が確認できた。
(実施例5)ポリエステル100%からなる目付100
g/m2 のスバン織物を常法により蛍光増白したものを
試験に用いた。
【0029】保温性付与の為に、下記の配合組成物を用
意した。 クリスコートAC80 70.0% (大日本インキ製溶剤系アクリル樹脂、固形分20%) アクリル/スチレン共重合微粒子粉末 15.0% (中空状粒子径0.5ミクロン、中空率33%) ATO微粒子トルエン分散液 5.0% (金属酸化物系微粒子径 50nm以下、固形分55%) コロネートHL 1.0% (日本ポリウレタン製、ポリイソシアネート) トルエン 5.0% ナイフコーティング法により、織物の片面に20g/m
2 塗布した後、120℃で乾燥し、得られた保温性布帛
と未処理布帛の保温率およぴ赤外線放射温度の測定を行
ったところ、 保温率 :実施例 20 %、未処理布 15 % 赤外線放射温度:実施例 36.5℃、未処理布 33.5℃ であり、いずれの方法でも保温性の向上が確認できた。
【0030】
【発明の効果】本発明にかかる保温性布帛は、布帛の厚
み、目付、外観に制限がないので、あらゆる布帛に適用
することができる。この保温性布帛は、加工前の布帛本
体に比べ、外観、厚み、手触りがほとんど変化しないた
め、用途が限定されず、汎用性に優れている。この保温
性布帛は、保温性にも優れているため、防寒用衣服、保
温カバー、カーテン等に利用すれば、快適な環境の付与
し、省エネルギー化にも役立つ。本発明にかかる保温性
布帛の保温効果は、測定資料に一定の熱量を与え、赤外
線放射温度計で測定し、温度分布のカラー写真を得る方
法により未処理の布帛と比較して、温度が高くなってお
り、蓄熱性を有することを確認できる。このように、本
発明の保温性繊維布帛は、その効果が比較対照布帛との
数値の差として実証できる実用性の高い繊維布帛であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】布帛本体と、 金属酸化物系微粒子、カーボンブラックおよび赤外線吸
    収色素の中から選ばれた少なくとも一つからなり、前記
    布帛本体に付与された赤外線吸収剤とを備える保温性布
    帛。
  2. 【請求項2】赤外線吸収剤が、粒子径100nm以下で
    ある請求項1に記載の保温性布帛。
  3. 【請求項3】前記赤外線吸収剤が、赤外線吸収性能と赤
    外線反射性能を合わせ持つ物質である請求項1または2
    に記載の保温性布帛。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342450A (ja) * 2005-06-08 2006-12-21 Teijin Fibers Ltd 温度によって熱放射率が変化する繊維および繊維構造体および繊維製品
JP2010150675A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Toyobo Specialties Trading Co Ltd 保温編地

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