JP2002326488A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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JP2002326488A
JP2002326488A JP2001131618A JP2001131618A JP2002326488A JP 2002326488 A JP2002326488 A JP 2002326488A JP 2001131618 A JP2001131618 A JP 2001131618A JP 2001131618 A JP2001131618 A JP 2001131618A JP 2002326488 A JP2002326488 A JP 2002326488A
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ink storage
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JP2001131618A
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Jiro Hori
二郎 堀
Katsumi Hori
克己 堀
Eiji Hori
英二 堀
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HIKKUSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク貯留室内の空気が膨張してインクがリザ
ーバ室に流出した際、ペン体がインクリッチ状態になる
ことを抑制する筆記具を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明の筆記具は、インク貯留室2と、ペ
ン体7と、インク貯留室2とペン体7との間に形成さ
れ、大気に連通されたリザーバ室3と、このリザーバ室
とインク貯留室とを区画すると共に、中央部に貫通孔8
aが形成された隔壁8と、インク貯留室2内のインクを
前記ペン体に供給すると共に、貫通孔8aを所定の隙間
をもって挿通する細長状のインク供給体15と、リザー
バ室3に設けられ、インク供給体15が隙間無く挿通さ
れるセパレータ20とを備えている。そして、セパレー
タ20の径方向外側には、インクをリザーバ室3のペン
体側に流出させる流出部20bが形成されていることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記具本体内に液
体状のインクを貯留するインク貯留室と、インク貯留室
内の温度変化や圧力変化を補償するリザーバ室(フィー
ダとも称する)とを備え、これらインク貯留室とリザー
バ室とを隔壁によって区画した形式の筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】上記したような液体状のイ
ンクを直接貯留する形式の筆記具として、例えば、特許
第2534821号に開示された構成が知られている。
この筆記具は、インク貯留室とペン体との間にインク供
給路を設け、インク貯留室内のインクをインク供給通路
によってペン体に供給すると共に、ペン体とインク貯留
室との間に、大気と連通するリザーバ室を配設し、イン
ク貯留室とリザーバ室とを隔壁によって区画した構成と
なっている。そして、この隔壁には、その中央部に前記
インク供給路が嵌合されると共に、筆記具本体の内周面
との間に毛細管流通路が形成されている。
【0003】このように構成された筆記具によれば、例
えば、温度上昇によってインク貯留室内の空気が膨張
し、インク貯留室内の圧力が上昇すると、インクが毛細
管流通路を通ってリザーバ室に流れ、インク貯留室内の
圧力上昇を補償して内部圧力を一定に維持する。また、
例えば、温度低下によってインク貯留室内の空気が収縮
し、インク貯留室内の圧力が低下すると、リザーバ室に
溜まっていたインクが毛細管流通路を通ってインク貯留
室に流れ、インク貯留室内の圧力低下を補償して内部圧
力を一定に維持する。
【0004】このように、上記公報に開示された筆記具
によれば、インク貯留室内の温度変化や圧力変化は、隔
壁の周囲に形成された毛細管流通路によって補償するこ
とを可能にするが、筆記具の姿勢によっては、インク貯
留室内の圧力変化に関係なくインクがリザーバ室に流出
する場合がある。例えば、筆記具を横にした状態、或い
は筆記姿勢のように斜めにした状態では、毛細管流通路
が下側に位置すると、その部分に水頭圧が作用してイン
クがリザーバ室に流出することがある。また、筆記具の
保管状態(姿勢変化)や、温度変化等に伴ない、上記毛
細管流通路を常に一定の状態でインクによりシールさせ
ておくのは困難な場合も生じる。
【0005】すなわち、上記した構成の筆記具では、毛
細管流通路におけるシール特性が安定せず、さらには、
毛細管流通路におけるインクが乾燥して詰まりを生じる
等の問題があり、十分な安定性や信頼性が得られるとは
限らない。
【0006】また、インク貯留室とリザーバ室とを区画
する隔壁に関して、複数の通路(インクが通過する通路
と空気が通過する通路)を形成した構成も知られている
が、これらの通路間においてサイフォン現象が生じ易
く、この結果、インクがリザーバ室に流出してインク貯
留室内の温度変化や圧力変化が充分に補償されない等の
問題がある。
【0007】そこで、このような問題に着目し、本発明
者は、先の出願である特願2000−134915号に
おいて、インク貯留室とリザーバ室とを区画する隔壁の
中央部に貫通孔を形成すると共に、この貫通孔に、例え
ば、多孔質の材料からなる棒状体で形成されたインク供
給体(ペン体とインク貯留室を接続する中継芯)を挿通
させた筆記具を提案している。この構成においては、上
記した貫通孔の径は、インク供給体の径より大きく形成
されており、インク供給体と貫通孔との間に、毛細管力
によりインクを保持可能な隙間を形成している。
【0008】すなわち、上記連通孔には、インクを含浸
しているインク供給体の外周面との間で、毛細管力によ
りインク膜(シール)が形成された状態になっており、
インク貯留室内の圧力が上昇した場合は、連通孔のイン
ク膜が破れ、インクがリザーバ室に押し出されて、イン
ク貯留室内の圧力膨張を解消する。また、インクが消費
されたり、温度変化等によりインク貯留室内の圧力が減
少した場合は、連通孔のインク膜が破れ、少量の空気が
リザーバ室からインク貯留室内に導入されて、このイン
ク貯留室内が負圧になることを防止する。
【0009】このように、インク貯留室内の圧力変化
は、インクが流れるインク供給体の外周と連通孔との間
の隙間に、毛細管力によって形成されるインク膜により
補償され、しかも、そのようなインク膜は、インク貯留
室の中心軸部分に形成されることから、筆記具の姿勢変
化による影響を最も受け難く、これにより、シール特性
が安定し、インク貯留室からリザーバ室に不用意にイン
クが流出することが抑制される。また、気液交換する部
分が1箇所となっていることから、サイフォン現象が生
じることも無く、インク貯留室からリザーバ室に不用意
にインクが流出することが抑制され、かつそのような気
液交換が行なわれる隙間の寸法管理も容易化される。
【0010】特願2000−134915号において提
案した筆記具は、上記のような利点が得られるものの、
本発明者は、インク貯留室の空気が膨張してインクがリ
ザーバ室へ流出するに際し、以下のような、さらに改良
すべき点があることを見出して、本発明を着想するに至
った。
【0011】すなわち、インク貯留室の空気が膨張して
インクがリザーバ室に流出する際、そのインクの流れと
して、図1(a)に示すように、中継芯の内部を流れる
もの(f1)、隙間から中継芯の外表面に沿って流れる
もの(f2)、隙間から隔壁の裏面を伝わって筆記具本
体の内周面に沿って流れるもの(f3)、がある。この
場合、隙間から流出するインクの一部には、図1(a)
及び図1(b)の矢印(f4)で示すように、毛細管力
によって再び中継芯に戻り、上記(f1)と共にその内
部を流れるものがある。
【0012】ところで、インク貯留室からのインク流出
を検証すると、実際には、(f1)や(f2)、特に
(f2)のインクの流れが多く、このように流れるイン
クは、必然的に中継芯の先端に設けられたペン体(中継
芯と一体化されたものを含む)に溜まってしまい、ペン
体がインクリッチ状態になってしまう。このように、ペ
ン体がインクリッチ状態になると、ペン体を紙に押し付
けて筆記する際、液漏れしたり、筆記した文字の初期位
置でドットが発生したり、或いはリザーバ室から大気に
連通する空気通路をインクが遮断する等の問題が生じ
る。このような現象は、特に、筆記具を高温の状態で放
置した後、筆記を行なう際に生じ易い。
【0013】本発明は、以上の事情に基づいてなされた
もので、インク貯留室内の空気が膨張してインクがリザ
ーバ室に流出した際、ペン体がインクリッチ状態になる
ことを抑制する筆記具を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の筆記具は、筆記具本体内に形成されたイ
ンク貯留室と、前記筆記具本体の先端に設けられたペン
体と、前記インク貯留室と前記ペン体との間に形成さ
れ、大気に連通されたリザーバ室と、このリザーバ室と
前記インク貯留室とを区画すると共に、中央部に貫通孔
が形成された隔壁と、前記インク貯留室内のインクを前
記ペン体に供給すると共に、前記貫通孔を所定の隙間を
もって挿通する細長状のインク供給体と、前記リザーバ
室に設けられ、前記インク供給体が隙間無く挿通される
セパレータとを備えており、前記セパレータの径方向外
側には、インクをリザーバ室のペン体側に流出させる流
出部が形成されていることを特徴としている。
【0015】上記した構成において、隔壁の中央部に形
成された連通孔には、そこに挿通されるインク供給体の
外周面との間の隙間に、毛細管力によってインク膜が形
成され、連通孔は閉塞された状態となる。
【0016】この場合、インク貯留室内における温度変
化や圧力変化は、以下のように補償される。すなわち、
筆記によってペン体からインクが消費されたり、あるい
は、温度変化等によりインク貯留室内のインクや空気が
収縮すると、連通孔のインク膜が破れ、少量の空気がリ
ザーバ室からインク貯留室内に導入され、インク貯留室
内が負圧となることを防止する。また、温度変化等によ
って、インク貯留室内のインクや空気が膨張すると、連
通孔のインク膜が破れ、インクがリザーバ室に押し出さ
れて、インク貯留室内の圧力膨張を解消する。
【0017】また、上記した構成では、隔壁の中央部に
形成された貫通孔部分を介して、空気の流入及びインク
の流出(気液交換)が行なわれることから、筆記具が姿
勢変化等しても、中央部は水頭圧の影響を受け難く、最
も効果的な気液交換作用が維持される。
【0018】そして、インク貯留室からインクがリザー
バ室に流出する際、インク供給体の外表面に沿って流れ
るインクは、セパレータに沿って径方向外側、すなわち
筆記具本体の内面に向けられ、流出部を介してリザーバ
室に流出する。この場合、インクは、セパレータの径方
向外側に存在する流出部によって、筆記具本体の内面側
を流れることから、筆記具本体の中央部に設けられたペ
ン体に流れる量が少なくなり、ペン体がインクリッチ状
態になることが抑制される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について具体的に説明する。図2は、本発明の第
1の実施形態を示しており、水性インクを使用した筆記
具を示している。筆記具は、軸筒、すなわち筆記具本体
1を備えており、この本体1内には、円筒状でインクA
が貯留されるインク貯留室2が形成されている。
【0020】本体1の先端側には、リザーバ室3の一部
を構成すべく、円筒状のホルダ5が差し込まれており、
その先端部には、ペン体7(本実施形態ではフェルトチ
ップ)7を保持するチップホルダ5aが一体的に形成さ
れている。この場合、インク貯留室2とリザーバ室3と
は、中心部に通孔8aが形成され、本体1の内部に圧入
された円板状の隔壁8によって区画されている。また、
本体1の尾端部には、尾栓9が取付けられており、イン
ク貯留室をシールした状態に維持している。
【0021】前記チップホルダ5aの上端側には、本体
1内(リザーバ室3内)に延出する円筒部5bが一体的
に形成されており、この円筒部5bの外周とホルダ5の
内周との間に規定される隙間が、リザーバ室3のインク
受け部12として機能する。なお、この受け部12に、
繊維材料等からなる多孔質のインク保持体を設け、イン
クを含浸保持するように構成しても良い。
【0022】前記リザーバ室3には、大気と連通するよ
うに連通孔が設けられており、本実施形態では、前記チ
ップホルダ5aに設けられるペン体7と、チップホルダ
5aの内周との間に、軸方向に延出する連通路13を形
成して、リザーバ室3を大気に連通させている。
【0023】また、本体1の内部には、インク貯留室内
のインクをペン体7に供給するように、軸方向に延出
し、前記隔壁8の貫通孔8aを挿通するインク供給体1
5が設けられている。本実施形態におけるインク供給体
15は、先端側がペン体7に接続されると共に、後端側
が、インク貯留室の尾端に設けられた後端ホルダ17に
嵌入されて閉塞処理されている。また、本実施形態にお
けるインク供給体15は、軸方向に平行な多数の繊維を
収束して圧縮した多孔質の棒状の部材(中継芯)で構成
されており、毛細管力によりインクをペン体7に供給す
るようになっている。
【0024】この場合、中継芯と称される部材には、上
記のような繊維収束体の外周面に、別途不透水性の被覆
を施したものもあるが、本実施形態では、外周面に不透
水性の被覆を施していないものを使用しており、その外
周面から、インクの吸収を可能としている。
【0025】また、インク供給体15は、その外径が、
隔壁8に形成された貫通孔8aの径よりもやや小さくな
るように形成されており、インク供給体15の外周面と
通孔孔8aの内周面との間に、所定の環状の隙間Gを形
成している。
【0026】この隙間Gは、使用するインクの種類等に
より適宜設定されるものであり、毛細管力によってイン
クを保持し、常時は、隙間Gを閉塞して空気の侵入を防
止するシール作用をなすように設定されている。なお、
インク供給体15の外周はインク透過性であるため、隙
間G内には、常に、インク膜が形成され、このインク
は、筆記を行なった際に、隙間Gの毛細管力よりも大き
いインク供給体15の毛細管力によって、インク供給体
15内に取り込まれ、それに伴ってリザーバ室3から空
気が入り込んで行く。
【0027】前記リザーバ室3には、ペン体7と隔壁8
との間に、インク供給体15の外周を流れるインクを方
向変換するための部材(本明細書において、「セパレー
タ」と定義する)20が設けられている。このセパレー
タ20は、図3(a)に示すように、円板状に形成され
ており、その中央には、インク供給体15を隙間無く貫
通させる孔20aが形成され、また、径方向外側には、
インク貯留室から流出したインクをリザーバ室のペン体
側に流出させる流出部20bが形成されている。
【0028】この流出部20bは、隔壁8の貫通孔8a
から流出するインクを、ペン体7に含浸させないように
リザーバ室3(詳細には、上記した受け部12)に流す
ものであり、本実施形態では、外周部に、所定間隔(9
0°間隔)おいて形成されたスリットによって構成され
ている。
【0029】次に、上記したように構成された筆記具の
作用を説明する。通常、隔壁8に形成された貫通孔8a
の隙間Gは、インクの液膜によりシールされている。し
たがって、この筆記具を、ペン体7側を下にして略鉛直
の姿勢にした場合でも、この隙間Gからインクが流出す
ることはない。
【0030】筆記を行なうと、インク貯留室2内のイン
クは、隙間Gの下側からインク供給体15の毛細管力に
よって引き出され、ペン体7に供給される。そして、筆
記によってインク貯留室2内のインクが消費されると、
インク貯留室2内が負圧となる。この負圧によって、隙
間G内に保持されているインク膜のシールが破れ、この
隙間Gから、消費量に見合った少量の空気がリザーバ室
3からインク貯留室2内に導入され、インク貯留室2内
の負圧は解消される。
【0031】インク貯留室2内の空気が温度変化等によ
り収縮した場合、上述したのと同様、隙間Gから空気が
導入され、インク貯留室2内が負圧となることを防止す
る。また、インク貯留室2内の空気が膨張した場合、そ
の圧力により、インクが隙間Gからリザーバ室3に押し
出される。この押し出されたインクの内、特に、流出量
として多いインク供給体15の外周面に沿って流れるも
のは、図3(b)の矢印で示すように、セパレータ20
の表面で方向変換され、径方向外側にある流出部20b
を介して、リザーバ室3内に流れ込む。
【0032】この際、流出するインクは、本体1の内面
側(内面に沿って)を流れることから、図2の受け部1
2に溜まるようになる。すなわち、上記したようなセパ
レータ20を配設したことによって、インク貯留室2か
ら流れ出るインクは、直接、ペン体7には供給されるこ
とはないため、ペン体7がインクリッチ状態になること
が抑制される。この結果、筆記初期時において、液漏れ
や、文字の書き始めにドットが生じるようなことが抑制
される。
【0033】なお、本実施形態では、受け部12に溜ま
ったインクは、インク供給体15の外周がインク吸収可
能であるため、姿勢変化等によってインク供給体15に
リターンされ、筆記により消費されるか、或いは、イン
ク貯留室2側が負圧となった場合、このインク貯留室2
側に戻される。このように、リザーバ室10内のインク
供給体を、インク吸収可能に構成しておくことで、イン
クをリターンさせることが可能となる。
【0034】上述した構成の筆記具は、構造が簡単であ
り、可動部分がないので、製造が容易であると共に、作
動原理が単純であり、高い信頼性が得られる。特に、イ
ンク貯留室2内のインクの消費、温度変化、気圧変化等
による膨張、収縮を補償するためのインク貯留室2内へ
の空気の導入、インクの押し出し等の制御をする部分
が、隔壁8の中央部に形成された貫通孔8aとインク供
給体15との間の短い長さの隙間Gのみであり、しかも
隙間Gには、インク貯留室2内のインク、およびインク
供給体15から常にインクが供給されてインク膜が維持
されている。従って、この筆記具を不使用状態で長期間
放置したような場合でも、この隙間G内のインクが乾燥
して詰まり等を生じることがなく、極めて安定した作動
を確保することができる。
【0035】また、この筆記具を、例えば、ペン体7側
を上向にして長期間放置したような場合でも、インク供
給体15の周表面から毛細管力によりインクが隙間G内
に供給されるので、隙間G内のインクが乾燥して詰まり
等を生じることがなく、安定した特性が得られる。さら
に、貫通孔は、隔壁8の中央部に形成されていることか
ら、筆記具の姿勢変化に伴う水頭圧の変化が最も受け難
く、不必要にインクが流出するようなこともない。
【0036】また、本実施形態のインク供給体15は、
その後端側が閉塞処理されているため、例えば、ペン体
にキャップを被せたときや、或いはインク貯留室内が温
度上昇して空気の内圧が上がった際、インク供給体内に
空気が侵入することが防止され、この結果、インクの安
定した供給制御が可能となる。
【0037】本発明は、インク貯留室とリザーバ室とを
隔壁によって区画し、その隔壁の中央部にインク供給体
が挿通され、しかも、この挿通部分に気液交換が行われ
る隙間が形成されている筆記具において、リザーバ室
に、径方向外側に流出部が形成されたセパレータを配設
することに特徴がある。このため、インク貯留室、リザ
ーバ室、インク供給体等の構成は限定されるものではな
く、種々変形することが可能である。
【0038】以下、そのような各構成要素を変形した実
施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形
態においては、上述した実施形態と同様な機能を有する
部材については、同一の参照符号を付し、その説明を省
略する。
【0039】図4(a)は、本発明の第2の実施形態に
係る筆記具を示す図である。この実施形態では、図2に
示したインク貯留室内に、中央部にインク供給体15を
挿通させる貫通孔28aが形成された隔壁28を複数枚
(2枚)配設し、インク貯留室を、軸方向に複数個、分
割して配設した例を示している(分割して小室化された
インク貯留室を符号2a,2b,2cで示してある)。
また、各隔壁28の貫通孔28aは、隔壁8の貫通孔8
aと同様に構成されており、インク供給体15との間に
隙間が形成されている。
【0040】このような構成によれば、インクは、順に
ペン体側の小室2aから消費され、小室のインクが消費
されると、その小室に空気が導入されて、リザーバ室と
して機能することから、インクの貯留量を大きくするこ
とが可能となる。
【0041】また、この実施形態のセパレータ30は、
前記セパレータ20と同様、中央に形成された孔30a
と、径方向外側に形成されたスリット状の流出部30b
を備えており、さらに、その中央には、隔壁8に向けて
延出し、インク供給体15を所定の長さカバーする延出
部31が一体的に形成されている。
【0042】このように、延出部31を形成してインク
供給体15の外周を覆うことで、図1に示したような、
リザーバ室に流出したインクの、インク供給体15への
戻り(f4)を抑制でき、ペン体7におけるインクリッ
チ状態をより効果的に抑制することが可能となる。な
お、上記した延出部31は、隔壁8のリザーバ室側表面
P1よりも、インク貯留室側に向けて突出する程度の長
さに形成しておくことが好ましい。延出部をこのような
長さに設定することで、貫通孔8aから流出するインク
は、図4(b)に示すように、延出部31の表面に沿っ
て流れるため、インク供給体15への戻りを確実に防止
することが可能になる。
【0043】また、上述した構成において、インク供給
体15の外周を覆う延出部31、特に、その先端部分
に、図5に示すように、インク供給体の外周面に所定の
押圧力をもって圧接する圧接部32(調整部)を形成し
ておくことが好ましい。これは、上述したように、イン
ク供給体15は、軸方向に平行な多数の繊維を収束して
圧縮した多孔質の棒状の部材によって構成されているこ
とから、このような圧接部32を形成してインク供給体
を中心側に向けて押圧することで、インク貯留室の空気
が膨張した際のインク供給体15内を流れるインク量を
調整することが可能となり、ペン体7へ流れるインク量
を効果的に制御することができる。なお、このようなイ
ンク流量の調整は、圧接部32の圧接長さLを変えた
り、圧接部の内径とインク供給体の外径との間の径差を
変えることで、種々変更することが可能である。
【0044】図6は、本発明の第3の実施形態を示す図
である。この実施形態は、本体1内に形成されるリザー
バ室を、隔壁40によって軸方向に2つに区画した構成
例を示している(第1リザーバ室3a,第2リザーバ室
3b)。この場合、各リザーバ室3a,3bには、図2
に示した構成と同様、セパレータ20が配設されてい
る。
【0045】このように、インク貯留室から流出するイ
ンクを貯めるリザーバ室を複数個設けておき、かつ各リ
ザーバ室にセパレータを配設しておくことで、インク貯
留室内の空気が膨張した際に、ペン体7へのインクの流
入を確実に抑制することが可能となる。なお、この構成
において、図に示すように、隔壁40に、インク貯留室
側に向けて延出し、インク供給体15を囲繞する筒状の
突出部41を形成しておくことが好ましい。このような
突出部41を形成しておくことで、筆記具を姿勢変化さ
せても、第2リザーバ室3bに流出したインクを第1リ
ザーバ室3aに流出し難くすることができ、より効果的
にペン体7へのインクの流入を抑制することが可能とな
る。
【0046】また、この実施形態のように、リザーバ室
を複数に分割した場合、いずれか1つのリザーバ室に、
セパレータを配設した構成であっても良い。
【0047】図7は、本発明の第4の実施形態を示す図
である。この実施形態のリザーバ室は、前記第3の実施
形態と同様、隔壁40によって軸方向に2つに区画され
た構成となっている。各リザーバ室3a,3b内には、
セパレータ20,50が配設されており、各セパレータ
20,50は、インク供給体15が挿通する管状体51
によって連結されており、セパレータ20と管状体51
は一体的に形成されている。
【0048】なお、第2リザーバ室3b側に配設される
セパレータ50は、円板状に形成されると共に、その外
径が本体1の内径よりも小さく形成されており、前記管
状体51に嵌入された状態で、本体1の内周面とセパレ
ータ50の外周面との間に、インク流出部となる隙間G
1が規定されるようになっている。
【0049】このようなセパレータ50の構成によれ
ば、構成が簡単になると共に、セパレータ50の外周部
全体に亘って流出部が形成されるため、姿勢変化に関係
なく、インクを本体1の内周面に沿って下方に流すこと
ができる。なお、管状体51の先端側は、図4に示した
構成と同様、隔壁8のリザーバ室側表面P1よりも、イ
ンク貯留室側に向けて突出する程度に形成しておくこと
が好ましい。
【0050】図8は、本発明の第5の実施形態を示す図
である。この実施形態は、上述した図4に示した実施形
態におけるセパレータ30を、隔壁8に近接して配設し
た構成を示している。この場合、隔壁8とセパレータ3
0との間の軸方向における距離は、毛細管力が得られる
程度に設定してある。このように、隔壁8とセパレータ
30との間で、毛細管力が発生するようにセパレータ3
0を配設することで、リザーバ室3に流出したインク
を、筆記具の姿勢変化等によって、インク貯留室側にリ
ターンさせ易くすることが可能となる。
【0051】図9は、本発明の第6の実施形態を示す図
である。上述した実施形態は、いずれも、インク供給体
15の後端部が閉塞処理されていたが、この実施形態に
示すように、インク供給体15の後端部は、閉塞処理す
ることなく、インク貯留室2に露出するよう構成されて
いても良い。
【0052】また、このような構成において、インク供
給体15の後端部を閉塞処理するのであれば、例えば、
後端部を焼き付けたり、ワックス等を含浸させる等の処
理を施せば良い。
【0053】図10は、本発明の第7の実施形態を示す
図である。上述した実施形態は、いずれも、インク供給
体15は、軸方向に平行な多数の繊維を収束して圧縮し
た多孔質の棒状の部材によって構成されていたが、図1
0(b)に示すように、同様な部材の外周に、軸方向に
沿って樹脂コート15aを被着する等、適宜変形するこ
とが可能である。
【0054】このような樹脂コートを被着しておくこと
で、外周部分を流れるインクを、インク供給体の内部に
流入させることが確実に防止され、ペン体7側へのイン
クの流入量を抑制することが可能となる。
【0055】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は、上記した各実施形態以外にも、例えば、
以下のように構成することが可能である。
【0056】ペン体は、インク供給体をチップホルダま
で延出させて、その先端部によって構成したり、ボール
チップを備えた構成にする等、インク貯留室のインクを
筆記できるように構成されていれば良い。また、使用す
るインクの種類やペン体の種類等に応じて、他の構成要
素は適宜変更することが可能である。
【0057】また、セパレータの構成については、例え
ば、図11に示すように、種々変形することが可能であ
る。(a)に示すセパレータ60は、円板状で、中心に
インク供給体が挿通する孔60aを有し、その外周に9
0度間隔で4つの三角形状のスリット60bを形成した
ものであり、(b)に示すセパレータ70は、円板状
で、中心にインク供給体が挿通する孔70aを有し、そ
の外周に90度間隔で4つの半円形状のスリット70b
を形成したものである。また、(c)に示すセパレータ
80は、中心にインク供給体が挿通する孔80aを有
し、周囲に、本体の内周と非接触な直線部80bと、本
体の内周と接触する円弧部80cとを有する非円形状と
したものである(流出部は、本体の内周と非接触な直線
部80bとの間の隙間によって規定される)。
【0058】このように、セパレータの形状、及びセパ
レータに形成される流出部として機能するスリットにつ
いては、その形状、間隔、形成個数等、適宜変形するこ
とが可能である。また、スリット以外にも、セパレータ
の径方向外側に、少なくとも1つの貫通孔を形成したも
の、或いは、セパレータを円板形状とし、本体の内面に
溝を形成して流出部を形成する等、セパレータの外周縁
と本体の内面との間に流出部となる隙間が形成される構
成であっても良い。さらに、セパレータは、円板形状以
外にも、円錐形状にする等、適宜変形することが可能で
ある。
【0059】
【発明の効果】以上、本発明の筆記具によれば、液体状
のインクを貯留するインク貯留室と、このインク貯留室
から流出するインクを受けるリザーバ室とを備えた構成
において、インク貯留室の空気が膨張等をしても、ペン
体がインクリッチ状態になることを抑制することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、インク貯留室とリザーバ室とを隔壁
によって区画した筆記具において、インク貯留室からイ
ンクが流出する状態を示す図、(b)は、図(a)を拡
大して示す図。
【図2】本発明に係る筆記具の第1の実施形態を示す縦
断面図。
【図3】(a)は、図2のI−I線に沿った断面図、
(b)は、セパレータの機能を説明するための縦断面
図。
【図4】本発明に係る筆記具の第2の実施形態を示す図
であり、(a)は縦断面図、(b)は、セパレータの機
能を説明するための縦断面図。
【図5】セパレータの一変形例を示す縦断面図。
【図6】本発明に係る筆記具の第3の実施形態を示す縦
断面図。
【図7】本発明に係る筆記具の第4の実施形態を示す縦
断面図。
【図8】本発明に係る筆記具の第5の実施形態を示す縦
断面図。
【図9】本発明に係る筆記具の第6の実施形態を示す縦
断面図。
【図10】本発明に係る筆記具の第7の実施形態を示す
図であり、(a)は縦断面図、(b)は、インク供給体
の構成を示す図。
【図11】(a)〜(c)を含み、それぞれセパレータ
の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 筆記具本体 2 インク貯留室 3 リザーバ室 7 ペン体 8 隔壁 8a 貫通孔 15 インク供給体 20,30,50,60,70,80 セパレータ 20b,30b,60b,70b,80b スリット
(流出部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 克己 埼玉県鶴ケ島市上広谷351−1 (72)発明者 堀 英二 埼玉県坂戸市本町2−13 グランステージ 1001 Fターム(参考) 2C350 GA01 GA02 GA03 GA04 GA05 GA06 KA07 KA09 KA10 KC02 KF01 NA07 NA10 NA11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筆記具本体内に形成されたインク貯留室
    と、 前記筆記具本体の先端に設けられたペン体と、 前記インク貯留室と前記ペン体との間に形成され、大気
    に連通されたリザーバ室と、 このリザーバ室と前記インク貯留室とを区画すると共
    に、中央部に貫通孔が形成された隔壁と、 前記インク貯留室内のインクを前記ペン体に供給すると
    共に、前記貫通孔を所定の隙間をもって挿通する細長状
    のインク供給体と、 前記リザーバ室に設けられ、前記インク供給体が隙間無
    く挿通されるセパレータとを備えており、 前記セパレータの径方向外側には、インクをリザーバ室
    のペン体側に流出させる流出部が形成されていることを
    特徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】 前記流出部は、前記リザーバの外周部に
    形成されたスリットであることを特徴とする請求項1に
    記載の筆記具。
  3. 【請求項3】 前記セパレータの外径は、前記筆記具本
    体の内径より小さく形成されており、前記流出部は、前
    記筆記具本体の内面全周に亘って形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の筆記具。
  4. 【請求項4】 前記セパレータには、前記隔壁に向けて
    延出し、前記インク供給体を所定の長さカバーする延出
    部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載の筆記具。
  5. 【請求項5】 前記延出部は、前記隔壁のリザーバ室側
    の表面よりも、インク貯留室側に向けて突出しているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の筆記具。
  6. 【請求項6】 前記延出部には、前記インク供給体の外
    周面に対して所定の長さに亘って圧接し、インク供給体
    の内部を流れるインク流量を調整する調整部が形成され
    ていることを特徴とする請求項4又は5に記載の筆記
    具。
  7. 【請求項7】 前記リザーバ室は、軸方向に複数分割さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
  8. 【請求項8】 前記セパレータは、分割されたリザーバ
    室の各室に設けられていることを特徴とする請求項7に
    記載の筆記具。
  9. 【請求項9】 前記セパレータは、前記隔壁との間で毛
    細管力が作用する位置に配設されていることを特徴とす
    る請求項1乃至8のいずれか1項に記載の筆記具。
  10. 【請求項10】 前記インク供給体のペン体とは反対側
    の端部は、閉塞処理されていることを特徴とする請求項
    1乃至9のいずれか1項に記載の筆記具。
  11. 【請求項11】 前記インク供給体は、前記セパレータ
    のペン体側がインクリターン可能に構成されていること
    を特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の
    筆記具。
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