JP2002326225A - ゴムチップ、及びゴムチップの製造方法 - Google Patents

ゴムチップ、及びゴムチップの製造方法

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JP2002326225A
JP2002326225A JP2001134292A JP2001134292A JP2002326225A JP 2002326225 A JP2002326225 A JP 2002326225A JP 2001134292 A JP2001134292 A JP 2001134292A JP 2001134292 A JP2001134292 A JP 2001134292A JP 2002326225 A JP2002326225 A JP 2002326225A
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tire
rubber
rubber chip
ballast
outer peripheral
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JP2001134292A
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English (en)
Inventor
Koji Kuwabara
厚二 桑原
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Misawa Toyo Co Ltd
Original Assignee
Misawa Toyo Co Ltd
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 古タイヤを粉砕して得られ、バラストと混合
されて有道床軌道に荷重衝撃を吸収するための弾性を与
えるのに好適なゴムチップ、及びゴムチップの製造方法
を提供する。 【解決手段】既に使用済みの古タイヤから、金属繊維や
有機繊維などのタイヤの補強部材が含まれない部分を切
り出して、ゴム部分のみからなる原材料を得た後に、カ
ッター粉砕によりバラスト2…と同程度の粒径に粉砕し
て得られたゴムチップ1…である。この際、原材料とな
る古タイヤとしては、建設車両用や産業車両用の、オフ
ロードタイヤもしくはソリッドタイヤなどの、充分なゴ
ム厚のトレッド部を備える古タイヤを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】有道床軌道のバラストと混合
されて、有道床軌道に、列車が通過する際の荷重衝撃を
吸収するための弾性を与えることができるゴムチップ、
及びゴムチップの製造方法に関する。
【0002】
【背景の技術】従来、有道床軌道には、列車が有道床軌
道を通過するときの荷重衝撃が作用する。特に、レール
継目部には僅かな隙間が設けられているので、このレー
ル継目部を車輪が通過するときには、隙間や段差により
大きな荷重衝撃が発生する。このような荷重衝撃は、レ
ールを支持するまくらぎや、該まくらぎの周囲に敷設さ
れる砂利や砕石(バラスト)の他、有道床軌道のレール
継目部、踏切部、分岐部などにくり返して作用する。
【0003】このような荷重衝撃が長期間に渡って作用
すると、有道床軌道の支持力が低下して、継目落ちや、
浮きまくらぎ現象(アオリ・バタツキ現象)などの他、
軌道狂いや、バラストの細粒化による噴泥などの現象が
発生する場合がある。なお、上記各現象は、特に、衝撃
吸収能力が低いPCまくらぎの場合に顕著である。
【0004】そこで、例えば、特開平9−111704
号公報に示されるようなバラスト軌道強化構造が開示さ
れている。上記公報のバラスト軌道強化構造は、まくら
ぎ間に剛な板を設けるとともに、まくらぎの下をくぐら
せた上向きコの字形のアンカーで、剛な板同士を連結す
る構成となっている。上記構成によれば、列車の通過の
際に発生する荷重衝撃は、まくらぎからアンカーを経て
剛な板へと伝えられ、剛な板の広い面を介してバラスト
へと伝達される。この際、剛な板はある程度広い面を有
しているので、荷重衝撃が分散して伝えられ、バラスト
の移動や飛散が発生しにくいとともに、上記各現象を抑
制することができる。
【0005】しかしながら、上記公報のバラスト軌道強
化構造を、既に敷設されている多くの有道床軌道に適用
しようとすると、その工事は大がかりになりやすく、施
工コストがかさむことになってしまう。そこで、例え
ば、特開平11−209903号公報に示されているよ
うな有道床軌道の弾性化工法が開示されている。上記公
報は、バラストにゴムチップを混合することで有道床軌
道に弾性を与えるものであり、既に敷設されている有道
床軌道にも容易に適用でき、かつ、荷重衝撃を吸収して
上述の現象を回避することができる。なお、この場合に
は、有道床軌道に好適に弾性を与えるために、ゴムチッ
プの粒径は、バラストの粒径とほぼ同程度であることが
好ましい。また、上記公報のゴムチップは、レール間に
敷設される用途のためレールを短絡することがないよう
に、電気的絶縁性を確保することが必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、既に使用済
みの古タイヤなどの産業廃棄物の有効活用を図ることが
できれば産業界の利益も大きい。従って、例えば、上記
公報のゴムチップを、古タイヤから得ようとすると、通
常、タイヤには金属繊維などの補強部材が含まれている
ので、ゴムチップには金属繊維が含まれてしまう畏れが
ある。このように金属繊維が含まれた状態のゴムチップ
を有道床軌道へ敷設すると、金属繊維の電気伝導性によ
りレールが短絡される畏れがある。また、ゴムチップの
特性に影響を与える金属繊維以外の補強部材について
も、含まれていない方が好ましい。しかし、以上のよう
な理由から、補強部材を除去しようとして、古タイヤの
補強部材が含まれていないゴムのみからなる部分を用い
るものとすると、バラストと混合するには細かくなりす
ぎてしまう。すなわち、古タイヤから、有道床軌道に好
適に弾性を与えるゴムチップを得ることは困難であっ
た。
【0007】本発明の課題は、古タイヤを粉砕して得ら
れ、有道床軌道のバラストと混合されて、有道床軌道に
荷重衝撃を吸収するための弾性を与えるのに好適なゴム
チップ、及びゴムチップの製造方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、例えば、図1に示すよう
に、トレッド部等の、古タイヤの金属繊維や有機繊維な
どのタイヤの補強部材を含む内周部より外側の外周弾性
材部分を粉砕して得られ、有道床軌道のまくらぎ10、
11の周囲に敷設されるバラスト2…と混合されて、前
記有道床軌道を弾性化するゴムチップ1…であって、前
記外周弾性材部分が、少なくとも前記バラスト2…と同
程度の大きさに粉砕可能な厚さをもつ古タイヤを選別し
て原材料としていることを特徴とする。
【0009】請求項1記載の発明によれば、原材料とな
る古タイヤの補強部材を含む内周部より外側の、ゴム部
分からなる外周弾性材部分が、バラスト2…と同程度の
大きさに粉砕可能な厚さをもつので、該外周弾性材部分
を粉砕して、好適に、バラスト2…と同程度の大きさの
ゴムチップ1…を得ることができる。
【0010】また、本発明のゴムチップ1…は、有道床
軌道に敷設されるバラスト2…に混合されて、列車が通
過するときに発生する荷重衝撃から、有道床軌道を保護
するための弾性を与えることができる。この場合には、
基本的に、本発明のゴムチップ1…をバラスト2…と混
合することで敷設でき、既に敷設されている有道床軌道
への適用も容易であり、大がかりな敷設工事を伴うこと
なく、有道床軌道を弾性化することができる。
【0011】また、タイヤに含まれる金属繊維が取り除
かれるので、本発明のゴムチップ1…の電気的絶縁性を
確保することができる。従って、バラスト2…と混合し
て有道床軌道に敷設しても、レール同士が短絡したりす
ることがない。通常、タイヤの補強部材としては金属繊
維や有機繊維が用いられ、有機繊維としては、例えば、
ナイロン、ポリエステルなどの絶縁性の繊維が用いられ
るので、これらについては多少含まれている状態であっ
ても問題はないが、レール間に敷設する用途であるため
に、金属材料などの電気伝導性をもつ含有物は注意深く
取り除いて、ゴムチップ1…の絶縁性を確保することが
好ましい。なお、このために、金属繊維が含まれていな
い古タイヤは、レールを短絡する畏れがないために、特
に、好適に用いることができる。
【0012】また、本発明のゴムチップ1…の粒径は、
バラスト2…と同程度の大きさか、若しくは、やや小さ
い程度の粒径であることが好ましい。ゴムチップ1…の
粒径がバラスト2…よりも大きすぎると、有道床軌道に
必要以上の弾性を与えすぎてしまう。また、ゴムチップ
1…の大きさが小さすぎる場合には、隣接するバラスト
2…同士がぶつかってしまうようになるために、弾性を
充分に与えることができなくなり効果が低減してしま
う。通常、有道床軌道のバラスト2…となる砕石として
は、摩損率(こすれによるすり減り度合い)が低く吸水
率が少ないものが用いられており、また、稜角に富み、
極端に扁平な砕石や細長い砕石が含まれないようにされ
ている。また、バラスト2…となる砕石としては、通
常、各種の粒径を持つ砕石が混合して用いられている。
これにより、隣接するバラスト2…同士の間には隙間が
設けられるようになり、レールの上下方向の動きを吸収
できるようになる。表1に、バラスト2…として用いら
れる砕石の粒径の分布の一例を示す。なお、表1では、
砕石の粒径の分布を、標準網ふるいを通る砕石を重量百
分率であらわしている。なお、表1は、「土木工学ハン
ドブック 第4版」(技報堂出版株式会社 1993)
からの引用データである。
【表1】 以上の点を考慮して、本発明のゴムチップ1…の粒径と
しては、例えば、1.0×10-2〜5.0×10-2(m)程度の粒径
をもつことが好ましい。
【0013】なお、本発明のゴムチップ1…を有道床軌
道に敷設する方法は、バラスト2…と混合した状態で敷
設できれば、特に限定されるものではない。例えば、有
道床軌道への敷設は、まくらぎ10、11の周囲のバラ
スト2…を部分的に取り除いた後に、この部分に本発明
のゴムチップ1…を配置し、この状態で振動を加えるこ
とで、バラスト2…同士の間にゴムチップ1…を進入さ
せて敷設することができる。なお、この場合に、振動を
加えるには、例えばタイタンパーを用いても良い。タイ
タンパーは、線路のバラスト2…を、振動と自重によっ
て突き固め、まくらぎの下に充填する際に用いられる周
知の機械である。また、まくらぎの周囲に敷設されてい
るバラスト2…を一時的に取り出すとともに、本発明の
ゴムチップ1…と混合して、再度、まくらぎ10、11
の周囲に埋め戻すことで敷設しても良い。
【0014】また、本発明のゴムチップ1…は、既に使
用済みの古タイヤを粉砕して得られるので、産業廃棄物
の有効利用を図ってリサイクル性を高めることができ
る。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載のゴ
ムチップ1…において、前記原材料となる古タイヤは、
前記外周弾性材部分を粉砕した際に、3.0×10- 2(m)以上
の粒径の粉砕物が得られるものであることを特徴とす
る。
【0016】請求項2記載の発明によれば、請求項1と
同様の効果を奏することができる。また、金属繊維や有
機繊維などのタイヤの補強部材を含まない外周弾性材を
切り取って、ゴム材料のみからなる状態としたものを粉
砕したときに、3.0×10-2(m)以上の粒径の粉砕物が得ら
れる古タイヤを用いるので、バラスト2…と同程度の大
きさをもつ本発明のゴムチップ1…を、好適に得ること
ができる。なお、上述の通りに、本発明のゴムチップ1
…の粒径は1.0×10-2〜5.0×10-2(m)程度であることが
好ましく、5.0×10-2(m)程度の粒径の粉砕物が得られる
古タイヤを用いることが、特に、好ましい。
【0017】ところで、乗用車、トラック、バスなどに
用いられるタイヤは、トレッド部のゴム厚が薄く、さら
に、古タイヤはトレッド部がすり減っているので、タイ
ヤの補強部材を取り除いた状態としても、充分な粒径
(3.0×10-2(m)以上)のゴムチップ1…が得られないこ
とが多い。従って、充分なゴム厚のトレッド部を備え
た、比較的大型の古タイヤを用いることが好ましい。例
えば、建設車両、産業車両用、重荷重車両用などのタイ
ヤは、その使用用途から、トレッド部のゴム厚が厚くさ
れており、特に、好適である。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のゴムチップ1…において、前記原材料となる古タ
イヤは、建設車両用や産業車両用の、オフロードタイヤ
もしくはソリッドタイヤであることを特徴とする。
【0019】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2と同様の効果を奏することができる。また、建設
車両用や産業車両用の、オフロードタイヤもしくはソリ
ッドタイヤは、通常、その使用用途からトレッド部のゴ
ム厚が厚くされており、使用済みの古タイヤの状態でも
充分なゴム厚が残ることになる。従って、充分な厚さの
外周弾性材を得ることができ、本発明のゴムチップ1…
の原材料として、好適に用いることができる。
【0020】ここで、本発明のゴムチップ1…の原材料
として各種古タイヤを比較すると、通常の乗用車用のタ
イヤは、比較的小径であるとともに、舗装された路面を
走る用途とされているので、トレッド部のゴム厚が薄く
なっている。これに対して、例えば、オフロードタイヤ
は、石や岩で敷き詰められた悪路を前提にしているた
め、路面からの衝撃を吸収するために、ゴム厚が厚くさ
れたトレッド部を備えていることが多い。また、産業車
両や建設車両や重荷重車両用のタイヤは、悪路を前提に
されているためにトレッド部のゴム厚が厚くされてお
り、本発明のゴムチップ1…の原材料として好適に用い
ることができる。なお、上述の各古タイヤのうちで、補
強部材となるスチールワイヤなどの金属繊維が含まれて
いない古タイヤは、レールの短絡の畏れがないために、
本発明のゴムチップ1…の原材料として、特に、好適に
用いることができる。
【0021】請求項4記載の発明は、例えば、図2に示
すように、請求項1〜3のいずれか一つに記載のゴムチ
ップ1…の製造方法であって、前記古タイヤから、金属
繊維や有機繊維などのタイヤの補強部材を含まない外周
弾性材を切り取る前処理工程と、前記外周弾性材を前記
バラストと同程度の大きさに粉砕する、少なくとも一つ
の粉砕工程(例えば、粗砕工程、中砕工程、細砕工程)
と、を備えていることを特徴とする。
【0022】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜
3と同様の効果を奏することができる。また、上記構成
によれば、前処理工程により、金属繊維や有機繊維など
のタイヤの補強部材を含まない外周弾性材を切り取るこ
とで、補強部材を取り除くとともに、本発明で用いられ
る上述のような大型のタイヤをゴムチップに粉砕しやす
い大きさにすることができる。そして、原材料となる外
周弾性材を得たのちに、少なくとも一つの粉砕工程によ
り、外周弾性材をバラスト2…と同程度の大きさに粉砕
することができるので、本発明のゴムチップ1…を容易
に得ることができる。
【0023】なお、粉砕工程により原材料を粉砕すると
きは、段階的にゴムチップ1…の粒径が小さくなるよう
に、複数の粉砕工程を設けることが好ましい。例えば、
徐々に粒径が小さくなるように、粗砕工程、中砕工程、
細砕工程を設けて粉砕し、細砕工程により得られたゴム
チップ1…の粒径が、バラスト2…と同程度の粒径とな
るように粉砕しても良い。この場合には、各粉砕工程の
粒径に応じて、効率的に粉砕することができる。例え
ば、比較的大きな粒径に粉砕する粗砕工程においては、
比較的、大きな剪断力を加えることができる粉砕機を用
いるなど、各粉砕工程の狙い値にあわせた装置を適宜選
択することができ、効率的に粉砕することができる。ま
た、各粉砕工程においてある程度粒径を揃えながら粉砕
し、次の粉砕工程へと移行することができるので、最終
的な狙い値(バラストと同程度の粒径)に対して、効率
的に粉砕することができるとともに、得られたゴムチッ
プ1…の粒径分布も揃えやすい。
【0024】また、各粉砕工程により粉砕する方法は、
古タイヤから得られる外周弾性材をバラスト2…と同程
度の粒径に粉砕できれば、特に限定されないが、例え
ば、ゴム工業一般で用いられているカッター粉砕を、好
適に適用することができる。なお、カッター粉砕とは、
例えば、回転刃を備えた密閉容器中にゴム材料を投入
し、回転刃によりゴム材料を粉砕する方法であり、ゴム
工業一般で周知の粉砕方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図1、2を参照して、本発
明の実施の形態の一例のゴムチップ1…を詳細に説明す
る。本実施の形態のゴムチップ1…は、図1に示すよう
に、既に使用済みの古タイヤを用いて、バラスト2…と
同程度の粒径となるように、およそ1.0×10-2〜5.0×10
-2(m)の粒径となるように粉砕したものである。そし
て、図1に示すように、本実施の形態のゴムチップ1…
は、有道床軌道のまくらぎ10、11と路盤12との間
のバラスト2…に、適度に分散した状態で埋入される。
これにより、有道床軌道に、列車が通過するときに発生
する荷重衝撃を吸収するための弾性を与え、継目落ち
や、浮きまくらぎ現象、軌道狂い、バラストの細粒化に
よる噴泥などの各現象が発生することを防止する。
【0026】ゴムチップ1…の原材料となる古タイヤと
しては、通常の乗用車、バス、トラック以外の古タイヤ
で、特に、建設車両用や産業車両用の、オフロードタイ
ヤやソリッドタイヤのトレッド部を用いている。このよ
うな大型の古タイヤは、その使用用途からゴム厚が厚く
されたトレッド部が備えられており、金属繊維や有機繊
維などのタイヤの補強部材が含まれない、ゴム部だけか
らなる状態で、好適に、ゴム厚3.0×10-2(m)以上の原材
料を得ることができる。従って、上記各古タイヤを原材
料として用いることで、1.0×10-2〜5.0×10-2(m)の粒
径のゴムチップ1…を、好適に製造することができる。
【0027】また、ゴムチップ1…は、粉砕する際に、
金属繊維や有機繊維などのタイヤの補強部材が含まれて
いない、ゴム部分のみからなるタイヤの外周部分(外周
弾性材)を切り取って原材料としている。さらに、粉砕
に際しては、例えば、磁選機などを用いて適宜な磁場を
かけて選別することで、タイヤに含まれる金属物が取り
除かれている。これにより、本実施の形態のゴムチップ
1の電気的絶縁性が確保され、有道床軌道に敷設された
ときに、レールが短絡されることがない。さらに、ゴム
部分のみからなるタイヤの外周部分を原材料として用い
ているので、有機繊維などの補強部材も取り除かれる。
従って、本実施の形態のゴムチップ1…は、ゴム本来の
弾性を有効に活用して、好適に、有道床軌道に弾性を与
えることができる。
【0028】なお、図1において、ゴムチップ2…とバ
ラスト1…とが埋入された部分には、道床安定剤が散布
されて硬化しており、バラスト2…やゴムチップ1…が
相互に結合されて適度な弾性をもって一体化されるよう
になっている。この場合に、道床安定剤としては、例え
ば、空気中の水分と反応して硬化可能な一液湿気硬化型
ウレタン樹脂などを用いることができる。
【0029】次に、本発明の実施の形態の一例のゴムチ
ップ1…の製造方法を説明する。図2に示すように、本
実施の形態のゴムチップ1…は、例えば、周知のカッタ
ー粉砕により、粗砕工程(図2(D))、中砕工程(図
2(G))、細砕工程(図2(K))の順に段階的に粉
砕されて、バラスト2…と同程度の粒径となるように、
およそ1.0×10-2〜5.0×10-2(m)の粒径に粉砕する。
【0030】始めに、図2(A)に示すように、使用済
みの古タイヤを前処理して、金属繊維や有機繊維などの
タイヤの補強部材が含まれない部分を、ギロチンカッタ
ーなどで切り取って、ゴム部分のみからなる原材料A1
を調整する(前処理工程)。ここで、古タイヤとして
は、産業車両、建設車両、などのオフロードタイヤやソ
リッドタイヤを用いることが好ましい。
【0031】次いで、この原材料A1を、例えば、図2
(B)に示すように、ベルトコンベアB2…などの搬送
手段を備えた自動投入機B1にストックする。なお、原
材料A1の粒径が、後に続く粉砕工程に適さないほど大
きい場合には、適宜、自動投入機B1で搬送する際に、
適当な大きさに切出しても良い。また、この場合には、
原材料A1が互いにほぐされるようになり、原材料A1
が固結したりすることを防止することができる。
【0032】また、図2(C)に示すように、ベルトコ
ンベアB2…などで原材料A1を搬送するとともに、例
えば、ベルトコンベアB2…に計量器C1を設けて、原
材料A1を搬送するに際して、原材料A1の重量を測定
する構成としても良い。この場合には、後に続く粉砕工
程へ投入する原材料A1の重量を、容易に把握すること
ができるために好ましい。
【0033】次いで、粗砕工程に移り、図2(D)に示
すように、原材料A1を粗砕機D1に投入して粗砕す
る。粗砕機D1は、内部に回転刃(図示しない)が設け
られており、原材料A1を粉砕することができるように
なっている。原材料A1は、粗砕機D1の上部に設けら
れている投入口D2から投入されて、粗砕機D1内部の
回転刃(図示しない)により粉砕されるようになってい
る。また、粗砕機D1には、所定のメッシュ数のメッシ
ュ(図示しない)を設け、該メッシュを通過できない粉
砕物は粗砕機D1に戻されてさらに粉砕されるととも
に、メッシュを通過する粉砕物を回収するようにして、
ある程度粒径を揃えながら粗砕する。なお、本実施の形
態においては、粗砕後の粉砕物の粒径が、例えば、約3.
0×10-1(m)程度となるように粉砕する。
【0034】次いで、図2(E)に示すように、磁力に
より金属を選別する磁選機E1により、粗砕工程で得ら
れた粉砕物に含まれる金属異物を除去する。このような
磁選機E1は、本実施の形態のゴムチップ1…を得るま
でに適宜設けて、ゴムチップ1…内に含まれる金属異物
を完全に除去するとともに、有道床軌道に敷設したとき
にレールの短絡が起こらないようにする。なお、磁選機
E1により選別された金属異物は、適宜な搬送手段によ
りスチールヤードなどにまとめられるようにする。
【0035】次いで、図2(F)に示すように、磁選機
E1にかけた後の粉砕物を、篩F1にかけて粒径に応じ
て分級する。これにより、後に続く中砕工程に適当な所
定の粒径の粉砕物を篩分けすることができる。なお、粗
砕工程の後に、すでに、細砕工程での粉砕に適当な粒径
に粉砕されたものについては、後に続く中砕工程にまわ
さずに細砕工程にまわすなど、別工程にまわしても良
い。
【0036】次いで、中砕工程に移り、図2(G)に示
すように、中砕機G1を用いて中砕する。粉砕物は、中
砕機G1の上部に設けられている投入口G2から投入さ
れて、中砕機G1の内部に設けられている回転刃(図示
しない)により粉砕されるようになっている。また、こ
の際には、粗砕機D1の場合と同様に、所定のメッシュ
数をもつメッシュ(図示しない)を設けて、篩分けしな
がら粉砕するようにする。なお、本実施の形態において
は、中砕後の粉砕物の粒径が、約1.0×10-1(m)程度とな
るように微粉砕する。
【0037】次いで、図2(H)に示すように、磁選機
H1を用いて、中砕工程で得られた粉砕物から金属異物
を除去する。この後に、図2(I)に示すように、例え
ば、内部に備えられるスクリューI2により粉砕物を搬
送可能なスクリューホッパーI1にストックする。ま
た、この際、スクリューI2に刃などを備えて、粉砕物
を搬送する際に、粉砕物がほぐされるようになって固結
を防止するようにしても良い。次いで、図2(J)に示
すように、磁選機J1を用いて金属異物を除去する。
【0038】次いで、細砕工程に移り、図2(K)に示
すように、細砕機K1により細砕する。粉砕物は、細砕
機K1の上部に設けられている投入口K2から投入され
て、細砕機K1の内部に設けられている回転刃(図示し
ない)により粉砕されるようになっている。この際に
は、粗砕機D1や中砕機G1の場合と同様に、所定のメ
ッシュ数をもつメッシュ(図示しない)を設けて、篩分
けしながら粉砕するようにする。なお、本実施の形態に
おいては、細砕後の粉砕物の粒径が、約1.0×10-2〜5.0
×10-2(m)程度となるように微粉砕する。
【0039】次いで、図2(L)に示すように、得られ
た粉砕物を篩L1にかけて、粒径に応じて分級する。こ
れにより、所定の粒度をもつゴムチップ1…を篩分けす
ることができる。なお、所定の粒度よりも大きい粉砕物
については、図2(I)に示すスクリューホッパーI1に
戻して、再度、細砕機K1にかけるようにする。
【0040】次いで、図2(M)に示すように、エアセ
パレーターM1により異物を除去する。タイヤに含まれ
る有機繊維などは、エアセパレーターM1により除去す
ることができる。このような有機繊維などの異物は適宜
収集され、繊維置場などに搬送される。次いで、図2
(N)に示すように、篩N1にかけて所定の粒度をもつ
粉砕物を篩分けした後に、図2(O)に示すように、計
量ホッパーO1に投入する。計量ホッパーO1の先端に
は粉砕物の排出口O2が設けられ、該排出口O2の下方
にはパッカースケールなどの計量器O3(図2(P)に
図示)が備えられている。また、計量ホッパーO1の内
部には、粉砕物を計量器O3の方向に搬送するととも
に、粉砕物を排出口O2から計量器O3へと排出するス
クリューO4が備えられている。また、スクリューO4
には、適宜、刃などを備えて、互いにほぐすようにして
固結を防止しても良い。
【0041】そして、図2(P)に示すように、所定の
量の粉砕物が封入されるように計量しながら、図2
(Q)に示すように、本実施の形態のゴムチップ1…を
袋詰めして、倉庫などに保管する。なお、必要であれ
ば、袋詰めするゴムチップを少量取り分けて、得られた
ゴムチップの検査(例えば、嵩比重や、赤外線水分計に
よる含水率の検査や、金属検出機による異物の検査な
ど)を行い、予め決められた規格値に対して、所定の通
りに得られているかどうかを確認する。以上のようにし
て、本発明の実施の形態の一例のゴムチップ1…を製造
することができる。
【0042】以上の本発明の実施の形態のゴムチップ1
…によれば、原材料となる古タイヤとして、特に、建設
車両用や産業車両用の、オフロードタイヤやソリッドタ
イヤを用いており、充分なゴム厚のトレッド部を備えて
いるために、好適に、バラストと同程度の大きさのゴム
チップを得ることができる。また、タイヤに含まれる金
属繊維などの金属物が取り除かれるので、ゴムチップ1
…の電気的絶縁性を確保することができ、有道床軌道へ
敷設してもレール同士が短絡したりする畏れがない。
【0043】また、本実施の形態のゴムチップ1…は、
既に使用済みの古タイヤを粉砕して得られるので、産業
廃棄物の有効利用を図ってリサイクル性を高めることが
できる。
【0044】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。すなわち、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において、適宜に変更可能であることは勿論であ
る。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載のゴムチップによれば、古
タイヤの補強部材を含む内周部より外側の外周弾性材部
分が、バラストと同程度の大きさに粉砕可能な厚さをも
っているので、該外周弾性材部分を粉砕して、好適に、
バラストと同程度の大きさのゴムチップを得ることがで
きる。また、金属繊維が取り除かれるので、本発明のゴ
ムチップの電気的絶縁性を確保することができ、有道床
軌道へ敷設した状態でレール同士が短絡したりする畏れ
がない。また、既に使用済みの古タイヤを粉砕して得ら
れるので、産業廃棄物の有効利用を図ってリサイクル性
を高めることができる。
【0046】請求項2記載のゴムチップによれば、請求
項1と同様の効果を奏することができるとともに、バラ
ストと同程度の大きさをもつ本発明のゴムチップを、好
適に得ることができる。
【0047】請求項3記載のゴムチップによれば、請求
項1または2と同様の効果を奏することができるととも
に、建設車両用や産業車両用の、オフロードタイヤもし
くはソリッドタイヤは、通常、その使用用途からトレッ
ド部のゴム厚が厚くされており、本発明のゴムチップの
原材料として、好適に用いることができる。
【0048】請求項4記載のゴムチップの製造方法によ
れば、請求項1〜3に記載のゴムチップと同様の効果を
奏することができるとともに、本発明のゴムチップを容
易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態のゴムチップ1
…をバラスト2…と混合して、有道床軌道を弾性化した
様子を示す図面である。
【図2】本実施の形態のゴムチップ1…の製造工程を示
す図面である。
【符号の説明】
1 ゴムチップ 2 バラスト 10 まくらぎ 11 まくらぎ D1 粗砕機 G1 中砕機 K1 細砕機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部等の、古タイヤの金属繊維や有
    機繊維などのタイヤの補強部材を含む内周部より外側の
    外周弾性材部分を粉砕して得られ、有道床軌道のまくら
    ぎの周囲に敷設されるバラストと混合されて、前記有道
    床軌道を弾性化するゴムチップであって、 前記外周弾性材部分が、少なくとも前記バラストと同程
    度の大きさに粉砕可能な厚さをもつ古タイヤを選別して
    原材料としていることを特徴とするゴムチップ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のゴムチップにおいて、 前記原材料となる古タイヤは、前記外周弾性材部分を粉
    砕した際に3.0×10-2(m)以上の粒径の粉砕物が得られる
    ものであることを特徴とするゴムチップ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のゴムチップにお
    いて、 前記原材料となる古タイヤは、建設車両用や産業車両用
    の、オフロードタイヤもしくはソリッドタイヤであるこ
    とを特徴とするゴムチップ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載のゴ
    ムチップの製造方法であって、 前記古タイヤから、金属繊維や有機繊維などのタイヤの
    補強部材を含まない外周弾性材を切り取る前処理工程
    と、 前記外周弾性材を前記バラストと同程度の大きさに粉砕
    する、少なくとも一つの粉砕工程と、を備えていること
    を特徴とするゴムチップの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2420620A1 (en) 2010-08-16 2012-02-22 Acciona Infraestructuras, S.A. Damping material for railway rails
RU2475580C2 (ru) * 2011-04-12 2013-02-20 Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования Иркутский государственный университет путей сообщения (ИрГУПС (ИрИИТ)) Балластная призма для скоростных грузонапряженных участков бесстыкового железнодорожного пути
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