JP2002325595A - レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入方法 - Google Patents

レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入方法

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JP2002325595A JP2002066834A JP2002066834A JP2002325595A JP 2002325595 A JP2002325595 A JP 2002325595A JP 2002066834 A JP2002066834 A JP 2002066834A JP 2002066834 A JP2002066834 A JP 2002066834A JP 2002325595 A JP2002325595 A JP 2002325595A
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Jinichi Hashino
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便かつ効率のよい遺伝子導入法を提供する
こと。 【解決手段】 レトロウイルスによる標的細胞への遺伝
子導入効率を向上させる方法において、標的細胞結合部
位と線維芽細胞増殖因子、コラーゲンまたはポリリジン
由来のレトロウイルス結合部位またはそれらと機能的な
同等物とを同一分子上に有する有効量の機能性物質の存
在下で、標的細胞をレトロウイルスで感染させることを
特徴とするレトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導
入を向上させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医学、細胞工学、
遺伝子工学、発生工学などの分野において標的細胞への
遺伝子導入効率を向上させ、標的細胞の形質転換を効率
良く行うことを可能にする方法およびそれに関連する一
連の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】多数のヒト疾病についてその機構が解明
され、また、組換えDNA技術、および細胞への遺伝子
導入技術が急速に進歩したことより、近年、重篤な遺伝
病を治療するための体細胞遺伝子治療法のプロトコール
の開発が進められている。また、最近では遺伝病のみな
らずAIDSのようなウイルス感染症やガンの治療にも
遺伝子治療を適用しようという試みがなされている。
【0003】これまでに米国食品医薬品局(FDA)が
承認したヒトでの遺伝子導入試験の大部分は組換えレト
ロウイルスベクターを用いて細胞への遺伝子導入を行う
ものである。レトロウイルスベクターは目的の外来遺伝
子を細胞内に効率的に導入し、その染色体DNA中に安
定に組み込むので、特に長期にわたる遺伝子発現が望ま
れる遺伝子治療にとって好ましい遺伝子導入手段であ
る。該ベクターは遺伝子導入された生物に悪影響を与え
ないように様々な工夫が施されている。例えば、遺伝子
導入に用いられたベクター自体が細胞内で複製を行い、
無制限な感染(遺伝子導入)を繰り返さないよう、ベク
ター中の複製機能は欠損させてある。これらのベクター
(複製能欠損レトロウイルスベクター)は自己複製でき
ないため、一般的にはレトロウイルス産生細胞(パッケ
ージング細胞)を使用してウイルス粒子に包まれたレト
ロウイルスベクターを調製する。
【0004】一方、骨髄細胞はイン−ビトロ(in vitr
o)での取り扱いが可能なこと、および自己複製能を有
する造血幹細胞を含有していることから、体細胞遺伝子
治療法の良好な標的細胞である。また、臍帯血液も造血
幹細胞を含む多数の原始前駆細胞を含有していることが
これまでに証明されている。これらの標的細胞に遺伝子
を導入して生体に移植する遺伝子治療を行うことによ
り、導入された遺伝子が血液細胞中で長期にわたり発現
され、疾病を生涯治癒することができる。
【0005】しかし、多数のグループによって研究が進
められているにもかかわらず、造血幹細胞は高効率の遺
伝子導入の難しい細胞の一つである。これまで、マウス
やその他の動物の造血幹細胞に関して最も効率の良い遺
伝子導入のプロトコールは、造血幹細胞をレトロウイル
ス産生細胞とともに共培養するという方法であったが、
安全性についての懸念から、ヒトにおける臨床的な遺伝
子治療法には、レトロウイルス産生細胞の混入の危険性
の低い無細胞系での遺伝子導入が望まれている。残念な
がら、レトロウイルス産生細胞との共培養を行わずに造
血幹細胞に効率的に遺伝子を導入することは容易ではな
い。
【0006】最近、細胞外マトリックスの成分であるフ
ィブロネクチンや、そのフラグメントが、単独でレトロ
ウイルスによる細胞への遺伝子導入効率を向上させるこ
とが報告されている(J. Clin. Invest.、第93巻、第14
51〜1457頁、1994年、Blood、第88巻、第855〜862頁、1
996年)。また、遺伝子工学的に生産されたフィブロネ
クチンフラグメントも同様の性質を有しており、これを
利用して造血幹細胞に効率よく外来遺伝子を導入させる
ことが可能であることも示された(WO95/2620
0号)。こうしたフィブロネクチンによる遺伝子導入効
率の向上には、フィブロネクチン中のヘパリン結合領域
と、レトロウイルスとの結合が関与していることが示唆
されている。これらのフィブロネクチンや、フィブロネ
クチンフラグメントを利用した方法は、全てフィブロネ
クチンや、そのフラグメントを固定化したプレート中で
細胞にレトロウイルスベクターを感染させるものであ
る。
【0007】上記のフィブロネクチンや、フィブロネク
チンフラグメントを利用した遺伝子導入法は、レトロウ
イルス結合部位と標的細胞部位を同一の分子上に有する
フィブロネクチンあるいはそのフラグメント分子によっ
て達成されると考えられている(Nature Medicine、第2
巻、第876〜872頁、1996年)。したがって、上記の方法
を応用して種々の標的細胞に効率良く遺伝子を導入する
ためには、細胞に応じて一つの分子上にウイルスと細胞
の結合部位を有する機能性物質を作製する必要があり、
普遍的な遺伝子導入法として利用するためには、なお問
題を有している。
【0008】また、上記の方法は、レトロウイルス感染
時に標的細胞の培養に使用するプレートの表面にフィブ
ロネクチンあるいはフィブロネクチンフラグメントを固
定化することによって達成されているが、プレートへの
固定化は煩雑な操作を要し、簡便な遺伝子導入法とは言
えない。
【0009】さらに、上記の方法に使用される機能性物
質は、レトロウイルス結合部位としてフィブロネクチン
由来のヘパリン結合領域を含むものに限られている。こ
のため、これ以外のレトロウイルス結合物質を見いだす
ことにより、さらに優れた遺伝子導入方法を開発する可
能性がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決し、より簡便かつ効率のよい遺伝子導入法を
提供すべくなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フィブロ
ネクチンあるいはそのフラグメントに代表される機能性
物質によるレトロウイルス感染促進作用が、レトロウイ
ルス結合部位を有する領域と、細胞結合部位を有する領
域とが同一分子上に存在しない場合においても認められ
ることを見いだした。すなわち、レトロウイルス結合部
位を有する有効量の機能性物質と、遺伝子導入の標的細
胞への結合部位を有する機能性物質とを混合して使用す
ることにより、標的細胞へのレトロウイルスによる遺伝
子導入効率を向上させることができることを見いだし
た。
【0012】また、本発明者らは、機能性物質によるレ
トロウイルス感染促進作用が、機能性物質をプレートの
表面に固定化しない状態であっても認められることも見
いだした。また、機能性物質を固定化したビーズの存在
下にレトロウイルスを標的細胞に接触させた場合にも、
標的細胞への遺伝子導入効率が向上されることを見いだ
した。
【0013】本発明者らは、また、フィブロネクチン由
来のヘパリン結合領域を含まないレトロウイルス結合性
物質を見いだし、該物質およびそれらの誘導体がレトロ
ウイルスによる標的細胞への遺伝子導入に有用であるこ
とも見いだした。さらに、本発明者らは、レトロウイル
スによる標的細胞への遺伝子導入に有用な機能性物質を
創成することに成功し、本発明を完成させるに至った。
【0014】かくして、本発明の第1の発明はレトロウ
イルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向上させる
方法に関し、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子
導入において、レトロウイルス結合部位を有する有効量
の機能性物質と、標的細胞結合部位を有する他の有効量
の機能性物質との混合物の存在下で、標的細胞をレトロ
ウイルスで感染させることを特徴とする。
【0015】本発明の第1の発明のレトロウイルス結合
部位を有する機能性物質は特に限定するものではなく、
例えば、フィブロネクチンのヘパリン−II結合領域、
線維芽細胞増殖因子、コラーゲン、ポリリジンまたはそ
れらと機能的な同等物から選択される機能性物質であ
る。また、標的細胞結合部位を有する機能性物質とは、
標的細胞に結合するリガンドを含有する物質であればよ
い。当該リガンドとしては、細胞接着性のタンパク質、
ホルモン、サイトカイン、抗体、糖鎖、炭水化物または
標的細胞の代謝物等があり、細胞接着性のタンパク質と
しては、例えば、フィブロネクチンの細胞結合領域ポリ
ペプチドがある。当該フィブロネクチンの細胞結合領域
としては、VLA−5および/またはVLA−4への結
合領域ポリペプチドがある。また、他のリガンドとして
はエリスロポエチンが挙げられる。
【0016】第1の発明に使用する機能性物質は非固定
化でも、固定化されていてもよく、特にビーズに固定化
することにより、簡便に使用できる。また、標的細胞に
結合部位を有する機能性物質として、標的細胞に特異的
なリガンドを選択することにより、第1の発明により、
簡便に標的細胞への遺伝子導入のターゲッテングが可能
になる。
【0017】上記のごとく、従来のWO95/2620
0号や、Nature Medicineに開示される方法において
は、レトロウイルスと標的細胞が、レトロウイルス結合
部位と標的細胞結合部位とを同一分子上に有する機能性
物質上で共配置することが、レトロウイルスによる標的
細胞への遺伝子導入効率を向上させる機構において必須
とされている。しかしながら、本発明により、レトロウ
イルス結合部位を有する有効量の機能性物質と、標的細
胞結合部位を有する他の有効量の機能性物質との混合物
の存在下でレトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導
入を行うと、遺伝子導入効率が向上する。
【0018】本発明の第2の発明は、レトロウイルス結
合部位を有する有効量の機能性物質と、標的細胞結合部
位を有する他の有効量の機能性物質との混合物を含有す
るレトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入に使用
する標的細胞の培養培地に関する。
【0019】第2の発明の培地を使用することにより、
第1の発明が簡便に実施することができる。
【0020】本発明の第3の発明はレトロウイルスの配
置方法に関し、レトロウイルス結合部位を有する有効量
の機能性物質と、標的細胞結合部位を有する他の有効量
の機能性物質との混合物と接触したレトロウイルスを含
有する培地を、インキュベートすることを特徴とする。
【0021】本発明の第4の発明は、標的細胞内へのレ
トロウイルス介在遺伝子導入の実施に使用するためのキ
ットであって、(a)レトロウイルス結合部位を有する
有効量の機能性物質および/または標的細胞結合部位を
有する他の有効量の機能性物質、(b)レトロウイルス
と接触した標的細胞をインキュベートするための人工基
質、および(c)上記標的細胞を予備刺激するための標
的細胞増殖因子、を含んでなることを特徴とするキット
に関する。
【0022】第4の発明のキットを使用することによ
り、第1および第3の態様をそれぞれ簡便に行うことが
できる。
【0023】本発明の第5の発明は、レトロウイルスに
よる標的細胞への遺伝子導入効率を向上させる方法に関
し、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入に際
し、標的細胞結合部位と、線維芽細胞増殖因子、コラー
ゲンまたはポリリジン由来のレトロウイルス結合部位ま
たはそれらと機能的な同等物とを同一分子上に有する有
効量の機能性物質の存在下で、標的細胞をレトロウイル
スで感染させることを特徴とするレトロウイルスによる
標的細胞への遺伝子導入を向上させる方法である。
【0024】上記のWO95/26200号公報および
Nature Medicineに記載される従来の方法においては、
最も効率よく、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝
子導入を向上させる方法に使用できる物質として、フィ
ブロネクチンのフラグメントが開示されている。しかし
ながら、フィブロネクチンフラグメント以外の機能性物
質でどのような機能性物質が効率よくレトロウイルスに
よる標的細胞への遺伝子導入を向上させる方法に使用で
きるかについては、具体的な開示はない。特に、この従
来の方法において、レトロウイルス結合部位とは、フィ
ブロネクチンのリピート12−14が開示されているの
みである。
【0025】本発明者らは、このフィブロネクチンのリ
ピート12−14とは、構造的相関の全くない、線維芽
細胞増殖因子、コラーゲン、ポリリジン等が、意外に
も、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入を向
上させる方法において有効に使用できることを見いだし
た。したがって、これらの物質と機能的な同等物、すな
わち、これらの物質と機能的に同等のレトロウイルス結
合部位を有し、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝
子導入効率を向上させる能力を有する物質は、いずれも
第5の発明において使用することができる。
【0026】第5の発明において、標的細胞結合部位に
は、標的細胞に結合するリガンドを含有する物質が使用
でき、これはレトロウイルス結合部位と結合している。
【0027】当該リガンドとしては、例えば、細胞接着
性のタンパク質、ホルモン、サイトカイン、抗体、糖
鎖、炭水化物または標的細胞の代謝物等が挙げられる。
細胞接着性のタンパク質の一例としては、フィブロネク
チンの細胞結合領域ポリペプチドが挙げられ、例えば、
VLA−5および/またはVLA−4への結合領域ポリ
ペプチドが使用できる。他のリガンドとしては、エリス
ロポエチンが挙げられる。
【0028】第5の発明において、レトロウイルス結合
部位として供される線維芽細胞増殖因子としては、例え
ば、配列表の配列番号3で表される線維芽細胞増殖因
子、該因子の機能的同等物や、該因子または該因子の機
能的同等物を含有するポリペプチドから選択される線維
芽細胞増殖因子がある。
【0029】これらの機能性物質としては、例えば、配
列表の配列番号4または5で表されるアミノ酸配列を有
するポリペプチドが挙げられる。
【0030】第5の発明において、レトロウイルス結合
部位として供されるコラーゲンとしては、例えば、V型
コラーゲン由来のインスリン結合部位を含有するフラグ
メント、該フラグメントの機能的同等物や、該フラグメ
ントまたは該フラグメントの機能的同等物を含有するポ
リペプチドから選択されるコラーゲンがある。また、当
該フラグメントとしては、例えば、配列表の配列番号6
で表されるアミノ酸配列を含有するフラグメントが挙げ
られる。
【0031】これらの機能性物質としては、配列表の配
列番号7または8で表されるアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドが挙げられる。
【0032】第5の発明において、レトロウイルス結合
部位として供されるポリリジン(polylysine)とはL−
リジン(lysine)の重合体であって、例えば、市販のポ
リリジンより適当な重合度のポリリジンを選択し使用す
ることができる。
【0033】線維芽細胞増殖因子、コラーゲン、または
ポリリジン由来のレトロウイルス結合部位が同時に標的
細胞結合部位を有する場合においては、この線維芽細胞
増殖因子、コラーゲンまたはポリリジン由来のレトロウ
イルス結合部位を有する有効量の機能性物質の存在下
で、標的細胞をレトロウイルスで感染させることによっ
て、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率
を向上させることができる。また、標的細胞が接着性細
胞の場合には、該機能性物質にレトロウイルスと標的細
胞とがそれぞれ結合、接着し、この線維芽細胞増殖因
子、コラーゲンまたはポリリジン由来のレトロウイルス
結合部位を有する有効量の機能性物質の存在下で、標的
細胞をレトロウイルスで感染させることによって、レト
ロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向上さ
せることができる。
【0034】なお、配列表の配列番号1で表されるポリ
ペプチド(以下、H−271と称す)が同時に標的細胞
結合部位を有する場合、すなわち、標的細胞が該ポリペ
プチド、H−271、に結合性を有する場合において
も、有効量のこのポリペプチドの存在下で、標的細胞を
レトロウイルスで感染させることによって、レトロウイ
ルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向上させるこ
とができることも見いだした。
【0035】すなわち、上記Nature Medicineによれ
ば、フィブロネクチンのリピート12−14がレトロウ
イルス結合部位と開示されているが、本発明者らは、意
外にも、このH−271が標的細胞の種類によっては、
標的細胞結合部位として、レトロウイルスによる標的細
胞への遺伝子導入効率の向上に有効に機能することを見
いだした。また、標的細胞が接着性細胞の場合にも、こ
のポリペプチドにレトロウイルス、標的細胞がそれぞれ
結合、接着し、有効量のこのポリペプチドの存在下で、
標的細胞をレトロウイルスで感染させることによって、
レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向
上させることができることも見いだした。
【0036】第5の発明において当該機能性物質は固定
化されていてもよく、固定化されていなくてもよいが、
標的細胞が接着性細胞の場合は、固定化して用いるのが
効率の良い方法である。
【0037】本発明の第6の発明は、標的細胞結合部位
と、線維芽細胞増殖因子、コラーゲンまたはポリリジン
由来のレトロウイルス結合部位またはそれらと機能的な
同等物とを同一分子上に有する有効量の機能性物を含有
するレトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入に使
用する標的細胞の培養培地に関する。
【0038】本発明の第7の発明は、上記した線維芽細
胞増殖因子、コラーゲンまたはポリリジン由来のレトロ
ウイルス結合部位を有する有効量の機能性物質と接触し
たレトロウイルスを含有する培地をインキュベートする
レトロウイルスの配置方法に関する。これらの機能性物
質は、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入を
向上させる方法において、レトロウイルスの配置に有効
に使用できる。
【0039】また、本発明のレトロウイルスの配置方法
では、標的細胞結合部位と線維芽細胞増殖因子、コラー
ゲンまたはポリリジン由来のレトロウイルス結合部位ま
たはそれらと機能的な同等物とを同一分子上に有する有
効量の機能性物質と接触したレトロウイルスを含有する
培地をインキュベートすることも包含する。
【0040】本発明の第8の発明は、標的細胞内へのレ
トロウイルス介在遺伝子導入の実施に使用するためのキ
ットであって、(a)標的細胞結合部位と、線維芽細胞
増殖因子、コラーゲンまたはポリリジン由来のレトロウ
イルス結合部位またはそれらと機能的な同等物とを同一
分子上に有する有効量の機能性物質、(b)レトロウイ
ルスと接触した標的細胞をインキュベートするための人
工基質、および(c)上記標的細胞を予備刺激するため
の標的細胞増殖因子、を含んでなることを特徴とするキ
ットに関する。
【0041】これらの第1および第5の方法の発明、第
2および第6の培地の発明、第3および第7の方法の発
明ならびに第4および第8のキットの発明、いずれにお
いても、機能性物質のビーズ固定化物が好適に使用でき
る。
【0042】本発明の第9の発明は、レトロウイルスに
よる標的細胞への遺伝子導入効率を向上させる方法に関
し、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入にお
いて、実質的に純粋なフィブロネクチン、実質的に純粋
なフィブロネクチンフラグメントおよびそれらの混合物
より選択される有効量のビーズに固定化された機能性物
質の存在下で、標的細胞をレトロウイルスで感染させる
ことを特徴とする。
【0043】本発明の第10の発明もレトロウイルスに
よる標的細胞への遺伝子導入効率を向上させる方法に関
し、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入にお
いて、実質的に純粋なフィブロネクチン、実質的に純粋
なフィブロネクチンフラグメントおよびそれらの混合物
より選択される有効量の固定化されていない機能性物質
の存在下で、標的細胞をレトロウイルスで感染させるこ
とを特徴とする。
【0044】上記のWO95/26200号およびNatu
re Medicineの方法においては、レトロウイルスと標的
細胞が、レトロウイルス結合部位と標的細胞結合部位を
同一分子上に有する機能性物質上で共配置することが、
レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向
上させる機構において必須である。この方法において、
レトロウイルスと標的細胞を、レトロウイルス結合部位
と標的細胞結合部位を同一分子上に有する機能性物質上
に共配置させるには、レトロウイルス結合部位と標的細
胞結合部位を同一分子上に有する機能性物質を培養基に
固定化させることによりはじめて可能になる。
【0045】しかしながら、本発明によれば、これらの
実質的に純粋なフィブロネクチン、実質的に純粋なフィ
ブロネクチンフラグメントおよびそれらの混合物を用い
る場合においても、意外にも、上記レトロウイルス結合
部位と標的細胞結合部位を同一分子上に有する機能性物
質上が培養基に固定化された状態でなくても、効率よ
く、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率
が向上する。
【0046】第1、第5、第9および第10の発明にお
いて、標的細胞としては、例えば、幹細胞(stem cell
s)、造血細胞、非接着性低密度単核細胞、接着性細
胞、骨髄細胞、造血幹細胞、末梢血幹細胞、臍帯血液細
胞、胎児性造血幹細胞、胚形成幹細胞、胚細胞、プライ
モディアル・ジャーム・セル(primordial germ cel
l)、卵母細胞、卵原細胞、卵子、精母細胞、精子、C
D34+細胞、C−kit+細胞、多能性造血前駆細
胞、単能性造血前駆細胞、赤血球系前駆細胞、リンパ球
母細胞、成熟血球、リンパ球、B細胞、T細胞、線維芽
細胞、神経芽細胞、神経細胞、内皮細胞、血管内皮細
胞、肝細胞、筋芽細胞、骨格筋細胞、平滑筋細胞、ガン
細胞、骨髄腫細胞および白血病細胞から選択される細胞
が使用できる。
【0047】第1、第3、第5、第7、第9および第1
0の発明において、レトロウイルスとしては、外来遺伝
子を含有するレトロウイルスを使用することができ、ま
た、レトロウイルスとしては、例えば、組換え体レトロ
ウイルスベクターが使用できる。さらに、レトロウイル
スとしては、例えば、複製能を欠損した組換え体レトロ
ウイルスベクターを使用することができる。
【0048】本発明の第11の発明は、上記の第1、第
5、第9および第10の発明で得られる遺伝子導入細胞
に関する。
【0049】本発明の第12の発明は、第11の発明の
遺伝子導入細胞を脊椎動物に移植する細胞移植方法に関
する。
【0050】本発明の第13の発明は、配列表の配列番
号13で表されるレトロウイルスによる標的細胞への遺
伝子導入効率を向上させるポリペプチドまたはその機能
的同等物に関する。
【0051】本発明の第14の発明は、第13の発明の
ポリペプチドをコードする遺伝子に関する。かかる遺伝
子の例としては、配列表の配列番号17で表される遺伝
子または厳密な条件下で該遺伝子にハイブリダイズし、
レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向
上させるポリペプチドをコードする遺伝子が挙げられ
る。
【0052】上記WO95/26200号およびNature
Medicineの方法において、最も効率よく遺伝子導入に
使用できるのはCH−296である。一方、本発明者ら
は、VLA−5結合部位、VLA−4結合部位を有さな
い、上記ポリペプチドが意外にも、本発明に使用できる
ことを見いだした。
【0053】本発明の第15の発明は、配列表の配列番
号30で表されるレトロウイルスによる標的細胞への遺
伝子導入効率を向上させるポリペプチドまたはその機能
的同等物に関する。
【0054】本発明の第16の発明は、第15の発明の
ポリペプチドをコードする遺伝子に関する。かかる遺伝
子の例としては、配列表の配列番号33で表される遺伝
子または厳密な条件下で該遺伝子にハイブリダイズし、
レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向
上させるポリペプチドをコードする遺伝子が挙げられ
る。
【0055】本発明の第17の発明は配列表の配列番号
5で表されるレトロウイルスによる標的細胞への遺伝子
導入効率を向上させるポリペプチドまたはその機能的同
等物に関する。
【0056】本発明の第18の発明は、第17の発明の
ポリペプチドをコードする遺伝子に関する。かかる遺伝
子の例としては、配列表の配列番号26で表される遺伝
子または厳密な条件下で該遺伝子にハイブリダイズし、
レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向
上させるポリペプチドをコードする遺伝子がある。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明の遺伝子導入方法には、通
常、組換えレトロウイルスベクターが使用され、特に、
複製能欠損組換えレトロウイルスベクターが好適であ
る。該ベクターは感染した細胞中で自己複製できないよ
うに複製能を欠損させてあり、非病原性である。これら
のベクターは脊椎動物細胞、特に、哺乳動物細胞のよう
な宿主細胞に侵入し、その染色体DNA中にベクターに
挿入された外来遺伝子を安定に組み込むことができる。
【0058】本発明では、細胞に導入しようとする外来
遺伝子は適当なプロモーター、例えば、レトロウイルス
ベクター中に存在するLTRのプロモーターや外来プロ
モーターの制御下に、組換えレトロウイルスベクター内
に挿入して使用することができる。また、外来遺伝子の
転写を達成するためにはプロモーターおよび転写開始部
位と共同する他の調節要素、例えば、エンハンサー配列
がベクター内に存在していてもよい。さらに、好ましく
は、導入された遺伝子はその下流にターミネーター配列
を含有することができる。導入される外来遺伝子は天然
のものでも、または人工的に作製されたものでもよく、
あるいは起源を異にするDNA分子が、ライゲーション
や当該技術分野で公知の他の手段によって結合されたも
のであってもよい。
【0059】レトロウイルスベクターに挿入される外来
遺伝子は、細胞中に導入することが望まれる任意の遺伝
子を選ぶことができる。例えば、外来遺伝子は、治療の
対象となる疾患に関連している酵素や、タンパク質、ア
ンチセンス核酸もしくはリボザイムまたはフォルスプラ
イマー(例えば、WO90/13641号参照)、細胞
内抗体(例えば、WO94/02610号参照)、増殖因
子等をコードするものを使用することができる。
【0060】本発明で用いるレトロウイルスベクター
は、遺伝子導入された細胞の選択を可能にする適当なマ
ーカー遺伝子を有していてもよい。マーカー遺伝子とし
ては、例えば、細胞に抗生物質に対する耐性を付与する
薬剤耐性遺伝子や、酵素活性の検出によって遺伝子導入
された細胞を見分けることができるレポーター遺伝子が
利用できる。
【0061】使用できるベクターには、例えば、公知の
MFGベクター(ATCC No.68754)やα−
SGC(ATCC No.68755)等のレトロウイ
ルスベクターがある。また、本願明細書の下記の実施例
において使用したN2/ZipTKNEOベクター(TK
NEO、Blood、第78巻、第310〜317頁、1991年)およ
びPM5neoベクター(Exp. Hematol.、第23巻、第6
30〜638頁、1995年)は、いずれもマーカー遺伝子とし
てネオマイシン耐性遺伝子(ネオマイシンホスホトラン
スフェラーゼ遺伝子)を含有している。したがって、こ
れらのベクターによって遺伝子導入された細胞は該遺伝
子産物により不活化される抗生物質(ネオマイシン、G
418等)に対する耐性を有する細胞として確認するこ
とができる。また、これらのベクターは公知のパッケー
ジング細胞株、例えば、公知のPG13(ATCC C
RL−10686)、PG13/LNc8(ATCC
CRL−10685)、PM317(ATCC CRL
−9078)や米国特許5,278,056号に記載の細
胞株、GP+E−86(ATCC CRL9642)や
GP+envAm−12(ATCC CRL9641)
等の細胞株を使用することにより、該ベクターがパッケ
ージングされたウイルス粒子として調製することができ
る。
【0062】本明細書において、機能性物質の有効量と
は、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入によ
り、標的細胞の形質転換が生じるのに有効な量であり、
用いる機能性物質、レトロウイルスおよび標的細胞の種
類により、本明細書記載の方法により、選定することが
できる。また、遺伝子導入効率とは、形質転換効率を意
味する。
【0063】レトロウイルスと結合し、その結果、本発
明で有効に役立つ機能性物質の能力は、下記実施例に記
載したような、定型的な方法を使用して確認することが
できる。
【0064】これらのアッセイは、レトロウイルス粒子
がマトリックス上に固定された本発明に使用できる機能
性物質と結合して、その結果、レトロウイルスがマトリ
ックスからの洗い流しに抵抗する程度を測定する。簡単
に言えば、例えば、ウイルス含有上清液を、レトロウイ
ルス結合部位を有する機能性物質の固定物を含有するウ
エル中でインキュベートする。ついで、このウエルを生
理的食塩緩衝液で徹底的に洗浄し、その後、標的細胞を
ウエル内でインキュベートしてウエル内に残存している
ウイルスの感染活性値を測定する。最初にウエルに添加
されたウイルス上清液と比較して、感染活性または力価
の減少を評価し、類似する対照実施(例えば、BSA固
定化ウエルを使用して)と比較する。対照ウエルと比較
して、本発明の機能性物質を固定化したウエル内の残存
力価が顕著に高いことは、当該物質が本発明のレトロウ
イルス結合部位を有する機能性物質として用いることが
できることを意味する。
【0065】このスクリーニング方法を促進するため
に、ウイルスベクターは選択可能なマーカー遺伝子を含
有することができる。
【0066】この方法により、本発明で使用するレトロ
ウイルス結合部位を有する機能性物質のスクリーニング
を行うことができる。
【0067】このようなレトロウイルス結合部位を有す
る機能性物質としては、フィブロネクチンのヘパリン−
II結合領域、線維芽細胞増殖因子、コラーゲンまたは
ポリリジン由来のレトロウイルス結合部位を有する機能
性物質が挙げられる。
【0068】本発明で使用される機能性物質の細胞結合
部位、すなわち、標的細胞結合性のリガンドを含有する
物質と、細胞との結合は慣用の方法を使用して同様にア
ッセイすることができる。例えば、このような方法に
は、Nature 352:438〜441(1991年)に
記載された方法が含まれる。
【0069】簡単に言えば、細胞結合部位を有する機能
性物質を培養プレート上に固定化し、アッセイすべき細
胞集団は培地に重層して30分から2時間置く。このイ
ンキュベーション期間後に、機能性物質に接着していな
い細胞を回収し、計数し、生存性についてアッセイす
る。機能性物質と接着した細胞もトリプシンまたは細胞
解離緩衝液(例えば、Gibco)を使用して回収し、計数
し、そして生存性を試験する。場合によっては、例え
ば、造血コロニー形成細胞では、細胞をさらに12〜1
4日間培養して細胞のコロニー形成特性を確認する。つ
いで、接着細胞の割合を計算し、ウシ血清アルブミン
(BSA)を固定化した培養プレートのような標準ない
し標準対照と比較する。標的細胞とアッセイした機能性
物質の実質的な結合によって、機能性物質/細胞の組合
せが本発明に適しており、この標的細胞結合部位を有す
る機能性物質を、レトロウイルス結合部位を有する機能
性物質と結合または共存させて、ウイルスベクターによ
る標的細胞の感染を測定することによって、本発明に使
用する機能性物質を構築することができる。
【0070】本発明に使用できるレトロウイルス結合部
位を有する機能性物質としては、上記のように、線維芽
細胞増殖因子、コラーゲンまたはポリリジン由来のレト
ロウイルス結合部位が選択できるが、これらの物質と同
等のレトロウイルス結合活性を有し、標的細胞結合部位
を有するリガンドとの結合または共存において、レトロ
ウイルスによる標的細胞の遺伝子導入効率を向上させる
物質は全て、線維芽細胞増殖因子、コラーゲンまたはポ
リリジン由来のレトロウイルス結合部位と機能的な同等
物に包含される。
【0071】上記方法により、選定されたレトロウイル
ス結合部位を有する機能性物質と、標的細胞結合部位を
有する機能性物質との結合または共存下において、本発
明の遺伝子導入方法に使用する標的細胞、レトロウイル
スを使用し、その遺伝子導入効率の向上性を測定するこ
とにより本発明に使用する機能性物質の有効量が決定で
きる。
【0072】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
1つの態様は、レトロウイルスベクターによる標的細胞
への遺伝子導入効率を高める方法である。この方法は、
レトロウイルスベクターによる細胞への遺伝子導入効率
を高めるのに有効な、レトロウイルス結合部位を有する
機能性物質と、標的細胞結合部位を有する他の機能性物
質との混合物の共存下にレトロウイルスベクターを生存
可能な標的細胞に感染させることを特徴とする。
【0073】この方法は、レトロウイルスベクターによ
って遺伝子導入された遺伝子導入細胞を得る方法として
使用でき、該細胞を生物個体に移植することによる生物
個体への遺伝子導入を可能にする。
【0074】用いるレトロウイルス結合部位を有する機
能性物質としては、特に限定はなく、例えば、フィブロ
ネクチンのヘパリン−II結合領域、線維芽細胞増殖因
子、コラーゲン、ポリリジン等があり、またこれらの機
能性物質と機能的に同等な物質、例えば、ヘパリン結合
性部位を有する機能性物質も使用することができる。ま
た、該機能性物質の混合物、該機能性物質を含有するポ
リペプチド、該機能性物質の重合体、該機能性物質の誘
導体等を使用することができる。これらの機能性物質
は、天然起源の物質から得ることができ、また、人為的
に作製する(例えば、遺伝子組換え技術や化学合成技術
によって作製する)ことができ、さらに、天然起源の物
質と人為的に作製された物質との組合せにより作製する
こともできる。
【0075】なお、用いる機能性物質は、本明細書中に
示される高効率での遺伝子導入の達成が可能なレトロウ
イルス結合部位および/または標的細胞結合部位を有し
ている範囲においては、天然起源のポリペプチドのアミ
ノ酸配列に変異が生じたものであってもよい。本明細書
においては天然起源のポリペプチドのアミノ酸配列中の
1あるいは、例えば、数個までの複数のアミノ酸が欠
失、置換、挿入および/または付加されていても、所望
のレトロウイルス結合部位および/または標的細胞結合
部位を有する限り、そのポリペプチドを天然アミノ酸配
列を有するポリペプチドの機能的同等物と呼ぶ。これら
の機能的同等物は、該機能的同等物をコードする遺伝子
を作製、使用して当該機能的同等物を作製したうえ、そ
の生物活性を確認することにより得ることができる。
【0076】この点に関して、関連バイオテクノロジー
技術は、対象の機能的領域中のアミノ酸の欠失、置換、
付加または他の修飾を定型的に実施することができる状
態にまで進歩している。つぎに、得られたアミノ酸配列
は、所望の細胞結合活性またはウイルス結合活性につい
て定型的に上記のスクリーニングに付すことができる。
【0077】また、該機能性同等物をコードする遺伝子
は、上記の機能性物質をコードする遺伝子にハイブリダ
イズする遺伝子を検索することにより、得ることができ
る。
【0078】すなわち、上記の機能性物質をコードする
遺伝子またはその塩基配列の一部をハイブリダイゼーシ
ョンのプローブまたはPCR等の遺伝子増幅法のプライ
マーに用いることにより、本酵素類似の活性を有するタ
ンパクをコードする遺伝子をスクリーニングすることが
できる。なお、該方法では目的の遺伝子の一部のみを含
むDNA断片が得られることがあるが、その際には、得
られたDNA断片の塩基配列を調べてそれが目的の遺伝
子の一部であることを確かめた上、該DNA断片または
その一部をプローブとしてハイブリダイゼーションを行
うか、または該DNA断片の塩基配列に基づいて合成さ
れたプライマーを用いてPCRを行うことにより、目的
の遺伝子全体を取得することができる。
【0079】上記のハイブリダイゼーションは、例え
ば、以下の条件で行うことができる。すなわち、DNA
を固定したメンブレンを0.5% SDS、0.1% ウ
シ血清アルブミン(BSA)、0.1% ポリビニルピ
ロリドン、0.1% フィコール400、0.01% 変
性サケ精子DNAを含む6×SSC(1×SSCは0.
15M NaCl、0.015M クエン酸ナトリウム、
pH7.0を示す)中で、50℃にて12〜20時間、
プローブとともにインキュベートする。インキュベーシ
ョン終了後、0.5% SDSを含む2×SSC中、3
7℃での洗浄から始めて、SSC濃度は0.1×までの
範囲で、また、温度は50℃までの範囲で変化させ、固
定されたDNA由来のシグナルがバックグラウンドと区
別できるようになるまでメンブレンを洗浄する。
【0080】また、こうして得られた新たな遺伝子につ
いて、そこにコードされているタンパクの有する活性
を、上記と同様の方法によって調べることにより、得ら
れた遺伝子が目的とするものであるかどうかを確認する
ことができる。
【0081】上記WO95/26200号に記載のよう
に、フィブロネクチンのヘパリン−II結合領域はレト
ロウイルス結合部位を有するポリペプチドである。繊維
芽細胞増殖因子、コラーゲン、ポリリジンはフィブロネ
クチンのヘパリン−II結合領域との間に構造的な類似
(例えば、アミノ酸配列上の類似性)が見られる物質で
はないが、本発明者らは、これらの物質がレトロウイル
ス結合部位を有していることを見いだした。
【0082】本発明に使用される標的細胞結合部位を有
する機能性物質も、特に限定はないが、標的細胞に結合
するリガンドを有する物質であり、該リガンドとしては
細胞接着性のタンパク質、ホルモンやサイトカイン、細
胞表面の抗原に対する抗体、多糖類や糖タンパク、糖脂
質中の糖鎖、あるいは標的細胞の代謝物などが挙げられ
る。また、該機能性物質を含有するポリペプチド、該機
能性物質の重合体、該機能性物質の誘導体、該機能性物
質の機能的同等物等を使用することもできる。これらの
機能性物質は天然起源の物質から得ることができ、ま
た、人為的に作製する(例えば、遺伝子組換え技術や化
学合成技術によって作製する)ことができ、さらに、天
然起源の物質と人為的に作製された物質との組合せによ
り作製することもできる。
【0083】使用される細胞接着タンパク質としては、
フィブロネクチンやそのフラグメントがある。例えば、
米国特許第5,198,423号に記載の、Pro1239−
Ser1515に対応するヒトフィブロネクチンの細胞結合
ドメインは、本明細書に記載のポリペプチドC−274
と同等の機能を有しており、BHKおよびB16−F1
0細胞等と結合することが示されている(J.Biochem.、
第110巻、第285〜291頁、1991年)。これらのポリペプ
チド中に存在するRGDSの4アミノ酸からなる配列は
VLA−5レセプターのリガンドである。VLA−5レ
セプターの発現は広範な細胞において見られるが、分化
した細胞よりも未分化なものによく発現している。ま
た、フィブロネクチン中のCS−1領域はVLA−4レ
セプターのリガンドとして知られており、該レセプター
を発現している細胞(T細胞、B細胞、単球、NK細
胞、好酸球、好塩基球、胸腺細胞、骨髄単球系細胞、赤
芽球系前駆細胞、リンパ球系前駆細胞、メラノーマ、筋
細胞等)に結合する。特開平3−284700号に記載
のポリペプチドで、配列表の配列番号29で表されるポ
リペプチド(以下C277−CS1と称す)は上記のV
LA−5、およびVLA−4レセプターのリガンドの両
方を含有するポリペプチドであり、本発明の方法におい
て、これらのレセプターを有する細胞への遺伝子導入に
使用することができる。さらに、ヘパリン−II領域は
繊維芽細胞、内皮細胞および腫瘍細胞と結合することが
示されている。ヘパリン−II領域の細胞結合部位ポリ
ペプチド配列はレトロウイルス結合部位を有する機能性
物質のポリペプチドの存在下で、レトロウイルスベクタ
ーの感染を予め定められた細胞に向けるうえで有用であ
る。
【0084】細胞特異的な作用を有するホルモンやサイ
トカイン類は本発明の方法に使用される細胞結合部位を
有する機能性物質として適している。例えば、造血系の
サイトカインであるエリスロポエチンを使用することに
より、赤血球系の細胞への遺伝子導入を行うことができ
る。エリスロポエチンは公知の方法にて作製し、使用す
ることができる。また、該エリスロポエチンの機能的同
等物およびエリスロポエチンまたは該エリスロポエチン
の機能的同等物を含有するポリペプチドも使用すること
ができる。
【0085】下記実施例に示されるように、レトロウイ
ルス結合活性を有する機能性物質(例えば、H−271
や繊維芽細胞増殖因子)をフィブロネクチン由来の細胞
結合活性を有するポリペプチドC−274等との混合物
で使用した場合には高い遺伝子導入効率を得ることがで
きる。これらの実験に用いたNIH/3T3細胞はC−
274と結合可能なVLA−5レセプターを発現してお
り、この両者の相互作用が遺伝子導入効率の向上に寄与
している。
【0086】さらに、同様な現象はエリスロポエチンレ
セプターを発現するTF−I細胞(Blood、第73巻、
第375〜380頁、1989年)への遺伝子導入にエ
リスロポエチン誘導体を共存させた場合にも観察され
る。しかも、この効果はエリスロポエチンレセプターを
有していない細胞では認められない。
【0087】これらの結果より、レトロウイルス結合部
位を有する機能性物質と細胞結合部位を有する他の機能
性物質との共存による細胞特異的な遺伝子導入効率の上
昇が起こることが明らかにされた。
【0088】本発明のこの態様においては、レトロウイ
ルス結合部位を有する機能性物質を、他の標的細胞との
結合部位を有する機能性物質との混合物として使用す
る。これによって、当該機能性物質に親和性を有する標
的細胞へのレトロウイルスベクターによる遺伝子導入の
効率を顕著に高めることができる。こうして、遺伝子導
入効率が向上することにより、ウイルス産生細胞との共
培養の回避が可能となることは、本発明の1つの利点で
ある。
【0089】目的とする細胞に選択的に遺伝子を導入す
る手段は利用価値が高く、これまでにも様々な方法が研
究されており、例えば、目的細胞の表面に存在するレセ
プターに結合する物質とDNA結合性物質とを結合させ
た非ウイルスベクター(molecular conjugation vecto
r)がある。該ベクターを利用した遺伝子導入の例とし
ては、アシアロ糖タンパクを用いた肝ガン細胞への導入
(J. Biol. Chem.、第262巻、第4429〜4432頁、1987
年)、トランスフェリンを用いたリンパ芽球細胞への導
入(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第89巻、第6099〜61
03頁、1992年)、抗EGFレセプター抗体を用いたガン
細胞への導入(FEBS Letters、第338巻、第167〜169
頁、1994年)等が知られている。このような非ウイルス
ベクターを用いた遺伝子導入法は、導入された遺伝子が
細胞の染色体DNA上に組み込まれないため、導入され
た遺伝子の長期にわたる発現が望まれる場合には好まし
い方法ではない。染色体上への遺伝子組み込みが可能な
ベクターとして繁用されるレトロウイルスベクターを用
い、これを特定の細胞に感染させようとする試みも行わ
れており、例えば、レトロウイルス粒子を直接化学修飾
してラクトースを結合させることによる肝細胞への遺伝
子導入(J. Biol. Chem.、第266巻、第14143〜14146
頁、1991年)、エリスロポエチンとの融合タンパクとし
たエンベロープタンパクを有する組換えウイルス粒子を
利用したエリスロポエチンレセプター発現細胞への遺伝
子導入(Science、第266巻、第1373〜1376頁、1994年)
等が開発されている。しかし、この目的のためには標的
細胞に応じて特別なウイルス粒子の調製を要する。さら
に、ウイルス粒子の化学修飾は煩雑な操作を必要とする
上に、ウイルスの不活化を招くおそれがあり、また、遺
伝子工学的に改変したウイルスエンベロープについて
は、必ずしも必要な機能(標的細胞への結合、およびウ
イルス粒子の構築)を有するものが得られるとは限らな
い。
【0090】上記WO95/26200号には、細胞結
合活性を有する適当なリガンドを共有結合させたフィブ
ロネクチンのフラグメント共存下においては、特別な修
飾をしていないレトロウイルスベクターを目的とする細
胞に導入することが可能であることが示唆されている。
しかし、該方法ではウイルス結合活性と細胞への結合活
性の両方を有する機能性分子を用いるため、標的細胞ご
とに個別の機能性物質を作製しなければならない。ま
た、作製された機能性物質に両活性が保持されているか
どうかは明らかでない。
【0091】本発明によるレトロウイルス結合部位を有
する機能性物質と、標的細胞との結合部位を有する他の
機能性物質との組み合わせは、広範囲の細胞種に対して
レトロウイルスベクターを用いた遺伝子の送達系が提供
できる。この目的のためには、レトロウイルス結合部位
を有する機能性物質と、標的細胞との結合部位を有する
機能性物質とが共有結合によって結合されている必要は
ない。したがって、標的となる細胞ごとに、レトロウイ
ルス結合部位を有する機能性物質と、標的細胞との結合
部位を有する機能性物質とが共有結合によって結合され
た、特定の機能性物質を作製する必要がなく、目的の細
胞への遺伝子導入を簡便、かつ効率よく行うことができ
る。
【0092】本発明の方法を用いた標的細胞への遺伝子
導入の例としては、造血系の細胞への遺伝子導入が挙げ
られる。上記のフィブロネクチンのCS−1細胞接着領
域は造血幹細胞への遺伝子導入に有用なことが知られて
いる。また、造血系の細胞の分化には上記のエリスロポ
エチンの他にも多数の細胞特異的なサイトカインが関与
していることが知られており、これらを利用することに
よって目的とする細胞(細胞系)に特異的に遺伝子を導
入できる。例えば、G−CSFを用いた場合には巨芽
球、および顆粒球前駆細胞を標的とすることが可能であ
る。
【0093】細胞結合活部位を有する機能性物質とし
て、悪性細胞と、特異的または優先的に結合する物質を
用いることにより、これらの細胞を標的として遺伝子導
入を行うこともできる。
【0094】例えば、ある種の肺癌細胞においてはHE
R−2、HER−4というレセプターが過剰発現してい
ることが知られている(Proc. Nat. Acad. Sci. USA、
第92巻、第9747〜9751頁、1995年)。したがって、該レ
セプターに対するリガンドのヘリグリン(heregulin)
をレトロウイルス結合部位を含有する機能性物質と組み
合わせることにより、肺癌細胞の増殖を制御することが
可能となる。
【0095】また、例えば、甲状腺(癌)細胞に対して
はヨウ素を有する機能性物質を、また、肝臓(癌)細胞
は高密度リポタンパク質(High-density lipoprotein、
HDL)やアシアロ糖タンパク質またはこれらの一部を
含有する機能性物質を使用することによって遺伝子導入
の標的とすることができる。
【0096】さらに、標的細胞の表面に存在する抗原に
対する抗体、好適にはモノクローナル抗体を、細胞結合
活性を有する機能性物質として使用することにより、抗
体が入手できる任意の細胞を標的とすることが可能とな
る。こうして、本発明により開示されるレトロウイルス
ベクターと標的細胞との配置方法を使用することによ
り、広範囲の種類の細胞を標的とすることができる。
【0097】特に、好ましい態様は、レトロウイルスベ
クターによる標的細胞への遺伝子導入効率を高める方法
において、新規な機能性物質を用いて遺伝子導入を行
う。
【0098】これまでレトロウイルスによる細胞への遺
伝子導入に有効とされたレトロウイルス結合部位を有す
る機能性物質はフィブロネクチンのヘパリン−II領域
のみである。
【0099】上記のように該領域は、それ自体特定の細
胞に対して結合部位を有しており、標的細胞によっては
この活性が望ましくない場合がある。このような場合に
は、この結合部位を他の標的細胞結合部位に置き換える
ことにより、目的を達成することが可能となる。このよ
うに、性質の異なる複数の機能性物質が使用可能なこと
は、本発明による遺伝子治療の適用範囲を広げることに
つながり、目的の標的細胞へのターゲッテングも容易に
行うことができる。
【0100】本発明により提供される、新規なレトロウ
イルス結合部位を有する機能性物質としては、線維芽細
胞増殖因子、該因子を含有するポリペプチド、コラーゲ
ンのフラグメント、該フラグメントの混合物、該フラグ
メントを含有するポリペプチド、該機能性物質の重合体
等が挙げられる。また、ポリリジンも本発明の目的に使
用することができる。これらの機能性物質は、天然起源
の物質から得ることができ、また、人為的に作製する
(例えば、遺伝子組換え技術または化学合成技術によっ
て作製する)ことができ、さらに、天然起源の物質と化
学的に合成された物質との組合せにより作製することも
できる。該機能性物質は、本発明の第1の発明の遺伝子
導入方法にも使用でき、また、該機能性物質と細胞結合
活性を有する機能性物質とのキメラ分子も細胞への遺伝
子導入に有用である。
【0101】上記の新規な機能性物質はいずれもレトロ
ウイルス結合活性を有している。しかしながら、これら
の物質は上記WO95/26200号に記載の、ヒトフ
ィブロネクチンのヘパリン−II結合領域またはそれに
類似したアミノ酸配列を有するポリペプチドを含有する
ものではない。
【0102】本発明に使用される線維芽細胞増殖因子と
しては、実質的に純化された天然物を使用しても良く、
また、遺伝子工学的に作製されたものを使用しても良
い。本発明には、配列表の配列番号3で表される線維芽
細胞増殖因子を使用することができ、さらに、これらの
ポリペプチドの機能を損なうことなく改変された誘導体
も使用することができる。線維芽細胞増殖因子誘導体の
例としては、配列表の配列番号4で表されるポリペプチ
ド(以下、C−FGF・Aと称する)がある。これは配
列番号3で表される線維芽細胞増殖因子のN末端にフィ
ブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチドが結合したポ
リペプチドであり、米国特許第5,302,701号に記
載の方法により遺伝子工学的に製造することができる。
該ポリペプチドは該米国特許にFERM P−1263
7として記載され、現在はブタペスト条約の下、FER
M BP−5278の受託番号で茨城県つくば市東1丁
目1番3号の通産省工業技術院生命工学工業技術研究所
(NIBH)に寄託されている大腸菌(原寄託日:平成
3年12月9日)を使用することによって得ることがで
きる。
【0103】また、配列番号5で表される、フィブロネ
クチン由来のCS−1細胞接着領域を有する上記のC−
FGF・Aの誘導体ポリペプチド(以下、C−FGF−
CS1と称する)は、上記の茨城県つくば市東1丁目1
番3号の通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に、
ブタペスト条約の下、FERM BP−5654の受託
番号で寄託されている大腸菌(原寄託日:平成8年9月
6日)を使用し、本願明細書に記載の方法で得ることが
できる。このC−FGF−CS1はCS−1結合性を有
する標的細胞、特に造血幹細胞への遺伝子導入において
特に有用である。
【0104】コラーゲンのフラグメントとしては、天然
型のコラーゲンを酵素学的、化学的に分解し、実質的に
純化したフラグメントを使用しても良く、また、遺伝子
工学的に作製されたものを使用しても良い。さらに、こ
れらのフラグメントの機能を損なうことなく改変された
ものも使用することができる。コラーゲンの中で、ヒト
V型コラーゲンは強いインスリン結合活性を有し(特開
平2−209899号)、インスリン結合部位を含有す
るポリペプチドとしては配列表の配列番号28で表され
るアミノ酸配列を含有するポリペプチドがあり(特開平
5−97698号)、その例としては、配列表の配列番
号6で表されるポリペプチド(以下、ColVと称す
る)が挙げられる。ColVは本願明細書実施例に開示
の方法で作製することができる。ColVを含有するポ
リペプチドであって、配列番号7で表されるポリペプチ
ド(以下、C277−ColVと称する)は、ColV
のN末端にフィブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチ
ドが結合したポリペプチドであり、上記特開平5−97
698号に記載されているように遺伝子工学的に製造す
ることができる。C277−ColVは該公開公報にF
ERM P−12560として記載され、現在はブタペ
スト条約の下、FERM BP−5277の受託番号で
茨城県つくば市東1丁目1番3号の通産省工業技術院生
命工学工業技術研究所に寄託されている大腸菌(原寄託
日:平成3年10月7日)を使用することによって得る
ことができる。
【0105】配列番号8で表される、フィブロネクチン
由来のCS−1細胞接着領域を有する上記のC277−
ColVの誘導体ポリペプチド(以下、C−ColV−
CS1と称する)は以下に示す方法によって作製するこ
とができる。ブタペスト条約の下、FERM BP−2
800の受託番号で茨城県つくば市東1丁目1番3号の
通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されて
いる大腸菌(原寄託日:平成1年5月12日)より調製
されるプラスミドpCH102を鋳型とし、プライマー
CS1−S(配列表の配列番号9にその塩基配列を示
す)およびM4を用いたPCR反応により増幅されるD
NA断片を制限酵素NheI、SalIで消化した後に
単離する。
【0106】一方、上記C277−ColVをコードす
る遺伝子を含み、上記大腸菌FERM BP−5277
より調製されるプラスミドpTF7520ColVを鋳
型とし、プライマーCF、およびCNRを用いたPCR
反応により増幅されるDNA断片を制限酵素AccII
I、NheIで消化した後に単離する。配列表の配列番
号10および12にCFおよびCNRのそれぞれの塩基
配列を示す。上記の2つのDNA断片を、プラスミドp
TF7520ColVを制限酵素AccIII、SalI
で消化して得られる約4.4kbのDNA断片と混合
し、ライゲーションを行って得られる組換えプラスミド
はC277−ColVのC末端側にCS−1細胞接着領
域を有し、ColVのC末端より2番目のグルタミン酸
がアラニンに、C末端のスレオニンがセリンにそれぞれ
置換されたポリペプチド、C−ColV−CS1をコー
ドしている。このプラスミドで形質転換された大腸菌を
培養した後、培養物より目的のポリペプチドを取得する
ことができる。このC−ColV−CS1はCS−1結
合性を有する標的細胞、特に幹細胞への遺伝子導入にお
いて特に有用である。
【0107】ポリリジンとしては、上記のごとく、市販
のポリリジンより適当な重合度のポリリジンを選択し、
使用することができる。
【0108】本発明で使用する機能性物質としては、上
記の機能性物質の誘導体も使用することができる。上記
のC−FGF−CS1またはその機能的同等物、C−C
olV−CS1またはその機能的同等物はその例であ
る。また、これらの機能性物質を複数の分子結合させた
重合体や、機能性物質を公知方法により修飾したもの
(糖鎖の付加等)も本発明に使用することができる。こ
れら誘導体および該誘導体の機能的同等物は、該誘導体
をコードする遺伝子および該誘導体の機能的同等物をコ
ードする遺伝子を用いて遺伝子工学的に製造することも
できる。さらに、これらの機能性物質のアミノ酸配列中
にシステインを付加、挿入、置換することにより、機能
性物質の誘導体の作製に有用なシステイン化機能性物質
を作製することができる。また、システイン化機能性物
質であって、レトロウイルス結合部位を有する分子と、
システイン化機能性物質であって標的細胞結合部位を有
する他の分子とを結合させることも容易である。さら
に、システイン化機能性物質のシステイン残基の反応性
を利用して他の機能性物質との結合体を作製することが
できる。
【0109】別の好ましい態様では、レトロウイルスベ
クターによる標的細胞への遺伝子導入効率を高めるフィ
ブロネクチンのレトロウイルス結合部位ポリペプチドの
重合体を用いて遺伝子導入を行う。
【0110】該機能性物質は上記WO95/26200
号に記載の、ヒトフィブロネクチンのヘパリン−II結
合領域を一分子内に複数個有するポリペプチド、および
該ポリペプチドの誘導体である。なお、本発明に使用す
る機能性物質としては、該機能性物質と同等の活性を有
する範囲内で、天然起源のポリペプチドとはそのアミノ
酸配列が一部異なっている機能的同等物を含むことがで
きる。
【0111】用いる機能性物質の重合体としては上記の
フィブロネクチン由来のポリペプチドを酵素学的または
化学的に重合させたものや、遺伝子工学的に作製された
ものがある。フィブロネクチンのヘパリン−II結合領
域を一分子内に2個有するポリペプチドとしては配列表
の配列番号13にアミノ酸配列を示すポリペプチド(以
下、H2−547と称す)が挙げられる。H2−547
はブタペスト条約の下、FERM BP−5656の受
託番号で茨城県つくば市東1丁目1番3号の通産省工業
技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている大腸菌
(原寄託日:平成8年9月6日)を使用し、本明細書に
記載の方法によって取得することができる。また、配列
表の配列番号14にアミノ酸配列を示すポリペプチド
は、H2−547のN末端にフィブロネクチンの細胞接
着部位ポリペプチドが結合した誘導体ポリペプチド(以
下、CH2−826と称す)である。該ポリペプチドは
本明細書に記載の方法にしたがって取得することができ
る。さらに、配列表の配列番号30にアミノ酸配列を示
すポリペプチドは、H2−547のC末端にフィブロネ
クチンのCS−1細胞接着領域を結合した誘導体ポリペ
プチド(以下、H2S−573と称す)である。該ポリ
ペプチドはブタペスト条約の下、FERM BP−56
55の受託番号で茨城県つくば市東1丁目1番3号の通
産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されてい
る大腸菌(原寄託日:平成8年9月6日)を使用し、本
明細書に記載の方法によって取得することができる。C
S−1細胞接着領域を有するH2S−573は造血幹細
胞への遺伝子導入に有用である。
【0112】また、別の好ましい態様においては、、レ
トロウイルスベクターによる標的細胞への遺伝子導入に
おいて、レトロウイルスベクターによる細胞への遺伝子
導入効率を向上させるのに有効な、ビーズ上に固定され
た機能性物質との共存下に複製能欠損組換えレトロウイ
ルスベクターを生存可能な標的細胞に感染させる。
【0113】従来の、上記のWO95/26200号お
よびNature Medicineに記載の機能性物質を用いてレト
ロウイルスベクターによる標的細胞への遺伝子導入効率
を向上させる方法は、これまではウイルスを細胞に感染
させる際に使用する容器(細胞培養用のプレート)の表
面に該機能性物質を固定化することにより実施されてき
た。この方法では、プレートを機能性物質を含有する溶
液で処理した後、さらに余分の機能性物質を洗い流すな
ど、煩雑な操作を要する。
【0114】このように、機能性物質が固定化されたプ
レートを使用する遺伝子導入方法は簡便な方法とは言い
難い。これに対して、機能性物質をビーズ上に固定して
使用する方法はつぎのような利点を有している。
【0115】機能性物質をビーズに固定する操作はプレ
ートの場合に比べて小さなスペースで行うことができ、
また、ビーズを密閉可能な容器中で取り扱える。機能性
物質が固定化されたプレートはその表面が空気にさらさ
れるため、安定性の低い機能性物質の場合には保存中の
乾燥による機能性物質の変質等に気を配る必要がある
が、ビーズは溶液中に懸濁して保存することができるた
め、乾燥の危険はない。さらにビーズの使用は機能性物
質の存在する表面積を大きくすることから、プレート使
用に比べて高い遺伝子導入効率を得ることも可能とな
る。
【0116】機能性物質の固定化は常法により行えばよ
く、例えば、標的細胞培養容器に固定化しても良く、例
えば、細胞培養用のビーズに固定化しても良い。ビーズ
の素材、材質等は使用する目的によって選択することが
できる。ビーズとしては、例えば、中心の丸い、または
球状の核を持ち、核の表面は親水性のポリマーで被覆さ
れているものでもよい。この核やポリマーの素材として
は、例えば、特表平8−501092号に記載のものが
例示される。例えば、生分解性ビーズを使用し、これら
の機能性物質が固定化されたビーズを生体内に投与する
こともできる。また、レトロウイルス結合部位を有する
分子が固定化されたビーズと、標的細胞結合部位を有す
る他の分子が固定化されたビーズとを混合して使用する
のも効率の良い方法である。
【0117】これらの機能性物質を固定化せずに使用す
る場合は、例えば、標的細胞培養容器を、予め、該機能
性物質の吸着を防止する物質、例えば、牛血清アルブミ
ン(BSA)で前処理し、これらの機能性物質の非特異
的吸着を防止して使用すればよい。
【0118】本発明によれば、このような非固定の系に
おいても、本発明に使用する機能性物質により、遺伝子
導入が効率良く達成される。
【0119】また、後に説明する、本発明の方法の実施
用に設計されたキットは、細胞への遺伝子導入を極めて
簡便に実施することを可能にする。
【0120】上記のごとく、本発明の方法によって遺伝
子を導入された細胞は生体に移植することが可能であ
り、これによって生体内で外来遺伝子を発現させる遺伝
子治療を行うことができる。
【0121】例えば、造血幹細胞を標的細胞とした遺伝
子治療は以下のような操作によって実施することができ
る。まず、ドナーより造血幹細胞を含有する材料、例え
ば、骨髄組織、末梢血液、臍帯血液等を採取する。これ
らの材料はそのまま遺伝子導入操作に用いることも可能
であるが、通常は、密度勾配遠心分離等の方法により造
血幹細胞が含まれる単核細胞画分を調製するか、さら
に、CD34および/またはC−kitといった細胞表
面のマーカー分子を利用した造血幹細胞の精製を行う。
これらの造血幹細胞を含有する材料について、必要に応
じて適当な細胞増殖因子等を用いた予備刺激を行った
後、本発明の方法、とりわけ、造血幹細胞への結合活性
を有する機能性物質の存在下に、目的とする遺伝子を挿
入された組換えレトロウイルスベクターを感染させる。
こうして得られた遺伝子導入された細胞は、例えば、静
脈内投与によってレシピエントに移植することができ
る。レシピエントは、好ましくはドナー自身であるが、
同種異系移植を行うことも可能であり、例えば、臍帯血
液を材料とした場合には同種異系移植が行われる。
【0122】造血幹細胞を標的とした遺伝子治療として
は、患者において欠損しているか、異常が見られる遺伝
子を補完するものがあり、例えば、ADA欠損症やゴー
シェ病の遺伝子治療がこれにあたる。この他、例えば、
ガンや白血病の治療に使用される化学療法剤による造血
細胞の障害を緩和するために、造血幹細胞への薬剤耐性
遺伝子の導入が行われることがある。
【0123】造血幹細胞はVLA−4レセプターを発現
していることが知られており、本発明により開示された
CS−1細胞接着領域を有する機能性物質を利用して効
率よく遺伝子導入を行うことが可能である。また、造血
幹細胞表面には上記のようにCD34、C−kitとい
った分子も発現されており、これらの分子に対する抗体
やC−kitのリガンドである幹細胞因子(stem cell
factor)をレトロウイルス結合部位を有する機能性物質
と組み合わせることによっても、遺伝子導入効率を向上
させることができる。
【0124】また、癌の遺伝子治療法としては、癌細胞
にサイトカイン類の遺伝子を導入した後にその増殖能力
を奪って患者の体内に戻し、腫瘍免疫を増強させる腫瘍
ワクチン療法が研究されている(Human Gene Therapy、
第5巻、第153〜164頁、1994年)。癌細胞に高い親和性
を有する機能性物質を用いて本発明の方法を適用するこ
とにより、このような遺伝子治療も、より効果の高いも
のとなる。
【0125】また、AIDSを遺伝子治療法によって治
療しようという試みも行われている。この場合には、A
IDSの原因であるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の
感染するT細胞に、HIVの複製や遺伝子発現を妨げる
ような核酸分子(アンチセンス核酸やリボザイム等)を
コードする遺伝子を導入することが考えられている(例
えば、J. Virol.、第69巻、第4045〜4052頁、1995
年)。T細胞への遺伝子導入は、T細胞表面に存在する
分子に結合する機能性物質、例えば抗CD4抗体等を利
用し、本発明の方法により達成することができる。
【0126】このように、遺伝子導入される標的細胞と
しては、上記した本発明の態様に従って、該標的細胞結
合部位を有する機能性物質が入手、あるいは作製可能な
範囲の任意の細胞を使用することができる。
【0127】また、本発明の方法は標的細胞をレトロウ
イルス産生細胞の存在下で共培養する必要のないこと、
およびヒトにおいては臨床での使用に問題のあるヘキサ
ジメトリン・ブロミドを使用しないこと等の点から、臨
床における遺伝子治療のプロトコールとしても適したも
のといえる。
【0128】さらに、遺伝子治療以外の分野への本発明
の適用として、例えば、標的細胞として胚形成幹細胞、
プライモディアル・ジャーム・セル、卵母細胞、卵原細
胞、卵子、精母細胞、精子等を使用した、トランスジェ
ニック脊椎動物の簡便な作成を挙げることができる。
【0129】すなわち、本発明は、その1つの態様とし
て、本発明の方法で得られる形質転換細胞を脊椎動物に
移植する細胞移植方法も提供する。形質転換細胞が移植
される脊椎動物としては、哺乳類(例、マウス、ラッ
ト、ウサギ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ、イヌ、サル、チ
ンパンジー、ヒト等)、鳥類(例、ニワトリ、七面鳥、
ウズラ、アヒル、カモ等)、爬虫類(例、ヘビ、ワニ、
カメ等)、両生類(例、カエル、サンショウウオ、イモ
リ等)、魚類(例、アジ、サバ、スズキ、タイ、ハタ、
ブリ、マグロ、サケ、マス、コイ、アユ、ウナギ、ヒラ
メ、サメ、エイ、チョウザメ等)が挙げられる。
【0130】かくして、本発明のこの態様によれば、実
質的に純粋なフィブロネクチン、実質的に純粋なフィブ
ロネクチンフラグメントまたはそれらの混合物と同様
に、本発明に使用する機能性物質のレトロウイルス結合
部位と標的細胞結合部位により、レトロウイルスによる
遺伝子導入が効率良く行われる。それにより、従来の方
法の限界を有していない、遺伝子材料の脊椎動物細胞内
への効率的な導入可能な技術が提供できる。
【0131】本発明のさらなる別の態様においては、レ
トロウイルス結合部位と、標的細胞結合部位とを同一分
子中に有する、実質的に純粋なフィブロネクチン、実質
的に純粋なフィブロネクチンフラグメントまたはそれら
の混合物と同等の機能を有する物質の有効量を機能性物
質として使用する。
【0132】かかる機能性物質としては、フィブロネク
チン、フィブロネクチンフラグメントまたはそれらの混
合物と同等の効率で遺伝子導入を行う物質であり、典型
的には、上記した本発明による新規なレトロウイルス結
合部位と標的細胞結合部位とを同一分子中に有する機能
性物質が挙げられる。これらの機能性物質を使用する場
合は、少なくとも1以上の機能性物質にレトロウイルス
と標的細胞とが結合すると考えられる。
【0133】上記したレトロウイルス結合部位と、標的
細胞結合部位とを同一分子中に有する機能性物質は、例
えば、配列表の配列番号21および22で表されるポリ
ペプチド(以下、各々、CHV−181およびCHV−
179と称する)が包含される。
【0134】これらのペプチドはH−271中に含まれ
るIII型類似配列(III−12、III−13 、III−1
4)を含むものであり、CHV−181はIII−12、I
II−13配列が、また、CHV−179はIII−13 、
III−14配列がそれぞれフィブロネクチンの細胞接着
ポリペプチド(Pro1239−Ser1515)のC末端にメ
チオニンを介して付加されたものである。
【0135】ポリペプチドCHV−181を発現するた
めのプラスミドは、例えば、以下に示す方法によって構
築することができる。
【0136】まず、フィブロネクチンのヘパリン結合ポ
リペプチド(H−271)をコードするDNA断片を含
有するプラスミドpHD101を エシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)HB101/pHD101(FE
RM BP−2264)より調製する。このプラスミド
上のIII−13配列のC末端をコードする領域に部位特
異的変異導入方法によってHindIIIサイトを導入し
た後、これをNcoI、HindIIIで消化し、III−1
2、III−13配列をコードするDNA断片を得る。一
方、プラスミドベクターpINIII−ompA1をHin
dIII、SalIで消化し、リポプロテインターミネー
ター領域をコードするDNA断片を得る。
【0137】つぎに、フィブロネクチンの細胞接着ポリ
ペプチド(C−279)をコードするDNA断片を含有
するプラスミドpTF7021を エシェリヒア・コリ
(Escherichia coli)JM109/pTF7021(F
ERM BP−1941)より調製し、このプラスミド
上のC−279の停止コドンの直前に部位特異的変異導
入方法によってNcoIサイトを導入したプラスミドp
TF7520を作製する。このプラスミドをNcoI、
SalIで消化した後、上記のIII−12、III−13配
列をコードするDNA断片、およびリポプロテインター
ミネーター領域をコードするDNA断片と混合してライ
ゲーションを行うことにより、ポリペプチドCHV−1
81を発現するためのプラスミドpCHV181を得る
ことができる。配列表の配列番号27にプラスミドpC
HV181上のポリペプチドCHV−181をコードす
る領域の塩基配列を示す。
【0138】また、ポリペプチドCHV−179を発現
するためのプラスミドは、例えば、以下に示す方法によ
って構築することができる。
【0139】まず、上記のプラスミドpHD101上の
III−13配列のN末端をコードする領域に部位特異的
変異導入方法によってNcoIサイトを導入した後、こ
れをNcoI、HindIIIで消化し、III−13、III
−14配列をコードするDNA断片を得る。これと、上
記のリポプロテインターミネーター領域をコードするD
NA断片と、NcoIおよびSalIで消化したプラス
ミドpTF7520とを混合してライゲーションを行う
ことにより、ポリペプチドCHV−179を発現するた
めのプラスミドpCHV179を得ることができる。
【0140】CHV−181およびCHV−179はそ
れぞれ上記のプラスミドで形質転換された大腸菌を培養
した後、得られた培養物より精製を行って取得すること
ができる。
【0141】これらの機能性物質も、非固定でも、上記
と同様に、例えば、ビーズに固定しても使用できる。
【0142】さらに別の態様では、本発明は、(1)上
記のレトロウイルス結合部位を有する有効量の機能性物
質と、標的細胞結合部位を有する他の有効量の機能性物
質の混合物または(2)上記の本発明の新規なレトロウ
イルス結合部位および標的細胞結合部位の有効量を同一
分子中に有する機能性物質を含有するレトロウイルスに
よる標的細胞への遺伝子導入に使用する標的細胞の培養
培地を提供するもので、機能性物質は非固定でも、固定
化されていてもよい。
【0143】本発明の培養培地の他の成分は、標的細胞
の培養に使用できるものであれば特に制限はなく、市販
の細胞培養用培地を使用してもよい。また、本発明の培
地は、血清や標的細胞の生育に必要な細胞増殖因子、微
生物などによる汚染を防ぐための抗生物質等を含むこと
ができる。例えば、NIH/3T3細胞の場合には、1
0%ウシ胎児血清(ギブコ社製)と、50単位/mlの
ペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシン(共
にギブコ社製)とを含有するダルベッコ改変イーグル培
地(DMEM、JRHバイオサイエンス社製)を培養培
地に用いることができる。
【0144】さらに別の態様では、本発明は、(1)上
記したレトロウイルス結合部位を有する分子と、標的細
胞結合部位を有する他の分子との混合物、(2)上記し
た本発明による新規なレトロウイルス結合部位と、標的
細胞結合部位とを同一分子中に有する機能性物質、また
は(3)上記したレトロウイルス結合部位を有する機能
性物質と接触したレトロウイルスを含有する培地をイン
キュベートすることを特徴とするレトロウイルスの配置
方法を提供する。
【0145】該機能性物質は、非固定でも、上記のごと
く、固定化されていてもよい。インキュベーションは、
常法に従って行うことができ、例えば、37℃、CO
濃度5%、湿度99.5%の条件で行うことができる。
この条件は、使用する標的細胞に応じて適宜調整し、ま
た、培養時間も細胞や目的に応じて変更することができ
る。
【0146】本発明の方法を使用すれば、例えば、標的
細胞にウイルスを送達する広範囲の構築物中にウイルス
粒子を配置させることができる。
【0147】本発明の別の態様では、標的細胞内へのレ
トロウイルス介在遺伝子導入の実施に使用するためのキ
ットを提供する。
【0148】該キットは、(a)有効量の、(1)上記
したレトロウイルス結合部位を有する分子と、標的細胞
結合部位を有する他の分子との混合物または(2)上記
した本発明による新規なレトロウイルス結合部位と、標
的細胞結合部位とを同一分子中に有する機能性物質、
(b)標的細胞と接触したレトロウイルスをインキュベ
ートするための人工基質、および(c)上記標的細胞を
予備刺激するための標的細胞増殖因子、を含んでなるキ
ットを提供するもので、(a)の機能性物質は、非固定
でも、固定化されていてもよく、このキットは、さら
に、遺伝子導入に使用する組換えレトロウイルスベクタ
ーや、必要な緩衝剤等を含有していてもよい。
【0149】人工基質としては、細胞培養用のプレー
ト、ペトリ皿、フラスコ等を用いることができ、例え
ば、ポリスチレン製のものを使用できる。
【0150】標的細胞がG0期の細胞である場合には、
レトロウイルスが感染しないため、予備刺激によって細
胞周期に誘導することが好ましく、この目的で、レトロ
ウイルスの感染に先立って、標的細胞を適当な標的細胞
増殖因子の存在下で培養する。例えば、骨髄細胞や造血
幹細胞に遺伝子導入を行う場合の予備刺激には、インタ
ーロイキン−6および幹細胞因子のような標的細胞増殖
因子が使用される。
【0151】キットの各構成成分は、各々、自体公知の
方法により、水溶液の他、凍結乾燥物、顆粒、錠剤等の
剤形とすることができ、
【0152】本発明のキットを使用することにより、例
えば、形質転換された生存可能な標的細胞培養物を得る
ことができ、標的細胞内へのレトロウイルス介在の遺伝
子導入を簡便に実施することができる。
【0153】本発明はまた、実質的に純粋なフィブロネ
クチン、実質的に純粋なフィブロネクチンフラグメント
およびそれらの混合物より選択される機能性物質または
その重合体の有効量の非固定化物またはビーズ固定化物
を使用する、レトロウイルスによる標的細胞への遺伝子
導入も包含する。
【0154】本発明は、上記のCH2−826およびそ
の機能的同等物を包含する。また、本発明は、CH2−
826をコードする遺伝子を提供し、配列表の配列番号
20で表される遺伝子がその1例である。本発明はこれ
らの遺伝子の機能的同等物も包含する。
【0155】さらに、本発明は、上記のCHV−181
を提供し、本発明はその機能的同等物を包含する。ま
た、CHV−181をコードする遺伝子を提供し、配列
表の配列番号27で表される遺伝子がその1例である。
本発明はこの遺伝子の機能的同等物を包含する。
【0156】本発明はまた、レトロウイルス結合部位の
重合体および/または標的細胞結合部位の重合体を含有
する重合体を提供することができる。重合体の具体例と
しては線維芽細胞増殖因子の重合体、V型コラーゲン由
来のインスリン結合部位を有するポリペプチドの重合体
が例示される。これらの重合体をコードする遺伝子も提
供する。
【0157】以下に考察するように、本発明は特定の理
論によって限定されるものではないが、レトロウイルス
と細胞とをそれぞれの機能領域部位に結合させることに
よって、レトロウイルスによる細胞への遺伝子導入、す
なわち形質転換が促進される。
【0158】レトロウイルスと結合し、その結果、本発
明で有効に役立つ機能性物質としては、実質的に純粋な
フィブロネクチン、実質的に純粋なフィブロネクチンフ
ラグメントまたはそれらの混合物があるが、本発明者ら
は、上記したような、これらと実質的に同等な機能を有
する本発明の機能性物質が標的細胞のレトロウイルスに
よる遺伝子導入効率、すなわち形質転換効率を向上させ
ることを見出したのである。
【0159】本明細書中に記載のフィブロネクチンのフ
ラグメントは天然または合成起源のものであることがで
き、例えば、ルオスラチ(Ruoslahti)ら(1981
年)、J.Biol. Chem. 256:7277;パテル(Pate
l)およびロディッシュ(Lodish)(1986年)、J. C
ell. Biol. 102:449;およびベルナルディ(Ber
nardi)等(1987年)、J. Cell. Biol. 105:4
89 によって既に記載されたようにして、天然起源の
物質から実質的に純粋な形態で製造することができる。
この点に関して、本明細書で実質的に純粋なフィブロネ
クチンまたはフィブロネクチンフラグメントと称してい
るのは、これらが天然においてフィブロネクチンと一緒
に存在する他のタンパク質を本質的に含有していないこ
とを意味する。
【0160】本明細書中に記載の実質的に純粋なフィブ
ロネクチンまたはフィブロネクチンフラグメントは、例
えば、米国特許第5,198,423号に一般的に記載さ
れているようにして、遺伝子組換え体より製造すること
もできる。特に、下記実施例でH−271、H−29
6、CH−271(配列番号23)およびCH−296
(配列番号24)として同定された組換え体フラグメン
トならびにこれらを取得する方法はこの特許に詳細に記
載されている。下記実施例で使用したC−274フラグ
メントは米国特許第5,102,988号に記載されてい
るようにして得た。これらフラグメントまたはこれらフ
ラグメントから定型的に誘導できるフラグメントは、米
国特許第5,198,423号にも記載されているよう
に、ブタペスト条約の下、茨城県つくば市東1丁目1番
3号の工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM
P−10721(H−296)(原寄託日:平成1年5月
12日)、FERM BP−2799(メチオニンを介
してH−271と結合したC−277、すなわち、CH
−271)(原寄託日:平成1年5月12日)、FER
MBP−2800(メチオニンを介してH−296と結
合したC−277、すなわち、CH−296)(原寄託
日:平成1年5月12日)およびFERM BP−22
64(H−271)(原寄託日:平成1年1月30日)
の受託番号のもとで寄託された大腸菌を培養することに
よって入手することができる。
【0161】さらに、本明細書で使用できるフィブロネ
クチンフラグメントまたはこのようなフラグメントの出
発物質に関する有用な情報は、キミヅカ(Kimizuka)
ら、J.Biochem. 110、284〜291(1991
年)(これは上記した組換体フラグメントに関してさら
に報告している);EMBO J.、4、1755〜1759
(1985年)(これはヒトフィブロネクチン遺伝子の
構造を報告している);およびBiochemistry、25、4
936〜4941(1986年)(これはヒトフィブロ
ネクチンのヘパリン−II結合領域について報告してい
る)中に見ることができる。例えば、下記実施例に報告
されているような種々の組換え体フラグメント中に含ま
れるようなCS−1細胞接着領域とヘパリン−II結合
領域との両方を有するフィブロネクチンフラグメント
は、これまでの研究で造血細胞内への遺伝子導入効率を
顕著に高めることが分かっている。
【0162】かくして、本明細書中に記載のフィブロネ
クチン関連ポリペプチドは、フィブロネクチンのCS−
1細胞接着領域の細胞結合活性を提供するアミノ酸配列
ならびにウイルスと結合するフィブロネクチンのヘパリ
ン−II結合領域のアミノ酸配列を提供する。
【0163】なお、上記WO95/26200号に記載
の、レトロウイルスベクターによる形質転換を高めるた
めに使用されるウイルス結合ポリペプチドは (i)ヒトフィブロネクチンのヘパリン−II結合領域のAla1690−Thr1960に相 当する、下記の式(配列番号1)で表される第1のアミノ酸配列: Ala Ile Pro Ala Pro Thr Asp Leu Lys Phe Thr Gln Val Thr Pro Thr Ser Leu Ser Ala Gln Trp Thr Pro Pro Asn Val Gln Leu Thr Gly Tyr Arg Val Arg Val Thr Pro Lys Glu Lys Thr Gly Pro Met Lys Glu Ile Asn Leu Ala Pro Asp Ser Ser Ser Val Val VAl Ser Gly Leu Met Val Ala Thr Lys Tyr Glu Val Ser val Tyr Ala Leu Lys Asp Thr Leu Thr Ser Arg Pro Ala Gln Gly Val Val Thr Thr Leu Glu Asn Val Ser Pro Pro Arg Arg Ala Arg Val Thr Asp Ala Thr Glu Thr Thr Ile Thr Ile Ser Trp Arg Thr Lys Thr Glu Thr Ile Thr Gly Phe Gln Val Asp Ala Val Pro Ala Asn Gly Gln Thr Pro Ile Gln Arg Thr Ile Cys Pro Asp VAl Arg Ser Tyr Thr Ile Thr Gly Leu Gln Pro Gly Thr Asp Tyr Lys Ile Tyr Leu Tyr Thr Leu Asn Asp Asn Ala Arg Ser Ser Pro Val Val Ile Asp Ala Ser Thr Ala Ile Asp Ala Pro Ser Asn Leu Arg Phe Leu Ala Thr Thr Pro Asn Ser Leu Leu Val Ser Trp Gln Pro Pro Arg Ala Arg Ile Thr Gly Tyr Ile Ile Lys Tyr Glu Cys Pro Gly Ser Pro Pro Arg Glu Val Val Pro Arg Pro Arg Pro Gly Val Thr Glu Ala Thr Ile Thr Gly Leu Glu Pro Gly Thr Glu Tyr Thr Ile Tyr Val Ile Ala Leu Lys Asn Asn Gln Lys Ser Glu Pro Leu Ile Gly Arg Lys Lys Thr; またはレトロウイルスと結合する能力を有し、上記の配
列に十分類似したアミノ酸配列および(ii)ヒトフィブ
ロネクチンのIIICS結合ドメインの1部分に相当す
る、下記の式(配列番号2)で表される第2のアミノ酸
配列(CS−1): Asp Glu Leu Pro Gln Leu Val Thr Leu Pro His Pro Asn Leu His Gly Pro Glu Ile Leu Asp Val Pro Ser Thr; または原始前駆細胞および/または長期再定住(幹)細
胞のような造血細胞と結合する能力を有し、上記の配列
に十分類似したアミノ酸配列を含む。
【0164】なお、上記の配列表の配列番号1で表され
るポリペプチド(H−271)のレトロウイルス結合活
性は濃度依存性を示し、実施例8に示すように高濃度下
においては、CH−271と実質的に同等の活性を示
す。すなわち、高濃度の有効量のH−271の存在下で
はじめてレトロウイルスと標的細胞とは、少なくとも1
分子以上のH−271に結合することが本発明により見
い出された。
【0165】本発明で使用する機能性物質中のレトロウ
イルス結合部位とレトロウイルスとの強力な結合は、広
範囲の細胞種においてウイルスを用いた治療法のための
送達系を構築するために使用することができる。この目
的のために、本発明で使用する機能性物質のレトロウイ
ルス結合部位を含むポリペプチドは、構築物として標的
細胞特異性を与える任意の細胞結合部位を含む物質と結
合させる場合もあり、またはその細胞接着部位を含む物
質と共存させる場合もある。すなわち、レトロウイルス
結合部位を有する機能性物質性と、細胞結合部位を有す
る機能性物質性物質は結合していても良く、また異なる
分子として共存していても良い。
【0166】この方法は、各標的細胞用に特別のレトロ
ウイルス細胞株を構築するこれまでの必要性を回避する
ことができ、目的の標的細胞の種類により、最適の標的
細胞結合部位を有する機能性物質の選択が容易になる。
したがって、本発明の機能性物質を使用することによ
り、使用する標的細胞に特異的なターゲティングが容易
に実施され、特にレトロウイルス結合部位を有する機能
性物質性と、細胞結合部位を有する機能性物質性物質の
混合物を使用する本発明の方法は、目的の標的細胞への
目的の遺伝子導入効率の向上に、極めて有用である。ま
た本発明が提供する新規機能性物質はレトロウイルスに
よる標的細胞への遺伝子導入効率の向上させる方法およ
び関連の技術において、極めて有用である。
【0167】
【実施例】以下に実施例を挙げて、さらに詳しく本発明
を説明するが、本発明は下記実施例の範囲のみに限定さ
れるものではない。
【0168】実施例1 (1)ウイルス上清液の調製 レトロウイルスプラスミド、PM5neoベクター(Ex
p. Hematol.、第23巻、第630〜638頁、1995年)を含有
するGP+E−86細胞(ATCC CRL−964
2)は10% ウシ胎児血清(FCS、ギブコ社製)な
らびに50単位/mlのペニシリンおよび50μg/mlの
ストレプトマイシン(共にギブコ社製)を含有するダル
ベッコ改変イーグル培地(DMEM、JRHバイオサイ
エンス社製)中で培養した。なお、以降の操作に使用し
たDMEMはすべて50単位/mlのペニシリンおよび5
0μg/mlのストレプトマイシンを含んだものである。
PM5neoウイルス含有上清液は上記産生細胞をセミ
コンフルエントに生育させたプレート(10cm径のゼラ
チンコート細胞培養用ディシュ、岩城硝子社製)に10
% FCSを含有する4mlのDMEMを添加し、一夜培
養した後に採集して調製した。採集した培地上清を0.
45ミクロンのフィルター(ミリポア社製)でろ過して
ウイルス上清液ストックとし、使用するまでは−80℃
で保存した。
【0169】また、レトロウイルスプラスミド、TKN
EOベクター(Blood、第78巻、第310〜317頁、1991
年)についてはGP+envAm−12細胞(ATCC
CRL−9641)を使用し、上記同様の操作を行っ
てTKNEOウイルス上清液を調製した。
【0170】(2)上清液のウイルス力価の測定 上清液のウイルス力価はNIH/3T3 細胞を使用し
て標準的な方法(J. Virol.、第62巻、第1120〜1124
頁、1988年)に従って測定した。すなわち、6ウエルの
組織培養プレートの1ウエルあたりに2000個のNI
H/3T3細胞(ATCC CRL−1658)を含む
DMEMを添加し、一夜培養した後、系列希釈したウイ
ルス上清液と終濃度7.5μg/mlのヘキサジメトリン
・ブロミド(ポリブレン:アルドリッチ社製)とを各ウ
エルに加えた。これを37℃で24時間インキュベート
した後、培地を終濃度0.75mg/mlのG418(ギブ
コ社製)を含有するものと交換してさらにインキュベー
トを続けた。10〜12日後に生育したG418耐性
(G418r)コロニーをクリスタルバイオレットで染
色しその数を記録した。ウエルあたりのコロニー数にウ
イルス上清液の希釈倍率を乗じた値より、上清1ml当た
りに含まれる感染性粒子数(cfu/ml)を算出し、これ
を上清液の力価として以降の実験におけるウイルス上清
液の添加量を決定した。
【0171】実施例2 (1)フィブロネクチン由来ポリペプチドの調製 ヒトフィブロネクチン由来のポリペプチド、H−271
(配列表の配列番号1にそのアミノ酸配列を示す)は該
ポリペプチドをコードするDNAを含む組換えプラスミ
ド、pHD101を含有する大腸菌、Escherichia col
i HB101/pHD101(FERM BP−22
64)より、米国特許第5,198,423号公報に記載
の方法により調製した。
【0172】また、ポリペプチドCH−271(配列表
の配列番号23にそのアミノ酸配列を示す)は以下に示
す方法により調製した。すなわち、大腸菌、Escherichi
a coli HB101/pCH101(FERM BP
−2799)を用い、これを上記の公報に記載の方法で
培養し、該培養物よりCH−271を得た。
【0173】また、ポリペプチドCH−296(配列表
の配列番号24にそのアミノ酸配列を示す)は以下に示
す方法により調製した。すなわち、大腸菌、Escherichi
a coli HB101/pCH102(FERM BP
−2800)を用い、これを上記の公報に記載の方法で
培養し、該培養物よりCH−296を得た。
【0174】ポリペプチドC−274(配列表の配列番
号25にそのアミノ酸配列を示す)は以下に示す方法に
より調製した。すなわち、大腸菌、Escherichia coli
JM109/pTF7221(FERM BP−19
15)を用い、これを米国特許第5,102,988号公
報に記載の方法で培養し、該培養物よりC−274を得
た。
【0175】さらに、ポリペプチドC277−CS1
(配列表の配列番号29にそのアミノ酸配列を示す)は
以下に示す方法により調製した。すなわち、特開平3−
284700号公報にFERM P−11339として
記載され、現在はブタペスト条約の下、上記の茨城県つ
くば市東1丁目1番3号の通産省工業技術院生命工学工
業技術研究所に受託番号FERM BP−5723とし
て寄託されている大腸菌、Escherichia coli HB1
01/pCS25(原寄託日;平成2年3月5日)を用
い、これを上記公報に記載の方法で培養し、該培養物よ
りC277−CS1を得た。
【0176】(2)C−FGF・Aの調製 ポリペプチドC−FGF・A(配列表の配列番号4にそ
のアミノ酸配列を示す)は以下に示す方法に従って調製
した。すなわち、上記ポリペプチドをコードするDNA
を含有する組み換えプラスミド、pYMH−CF・Aを
含む大腸菌、Escherichia coli JM109/pYM
H−CF・A(FERM BP−5278)を100μ
g/mlのアンピシリンを含む5mlのLB培地中、37℃
で8時間培養した。この前培養液を100μg/mlのア
ンピシリン、1mMのIPTG(イソプロピル−β−D
−チオガラクトピラノシド)を含むLB培地500mlに
接種し、37℃で一夜培養した後集菌した。得られた菌
体を1mM PMSF(フェニルメタンスルホニウムフ
ルオリド)、0.05% ノニデットP−40を含む1
0mlのPBS(リン酸緩衝生理食塩水)に懸濁し、超音
波処理を行って菌体を破砕した後、遠心分離を行って上
清を得た。この上清の260nmにおける吸光度を測定し
て、これに上清の液量(ml)を乗じた値を算出し、この
値4000に対して1mlの割合で5%ポリエチレンイミ
ンを加えた後、遠心分離して上清を得た。この上清をあ
らかじめPBSで平衡化したハイトラップ−ヘパリンカ
ラム(ファルマシア社製)にかけ、PBSで非吸着の画
分を洗浄した後、0.5Mから2MのNaCl濃度勾配
を持つPBSで吸着画分の溶出を行った。溶出液をSD
S−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAG
E)により分析すると約47kdのポリペプチドを含む2
つの画分が存在していたが、このうちの高NaCl濃度
で溶出された方の画分を集めて1.5M NaClを含
むPBSで平衡化したスーパーロース6カラム(ファル
マシア社製)にかけた。溶出液をSDS−PAGEによ
り分析し、約47kdのポリペプチドを含む画分を集めて
精製C−FGF・Aを調製し、以下の操作に使用した。
【0177】(3)C−FGF−CS1の調製 まず、ポリペプチドC−FGF−CS1(配列表の配列
番号5にそのアミノ酸配列を示す)を大腸菌を宿主とし
て発現させるためのプラスミドを構築した。
【0178】Escherichia coli HB101/pCH1
02(FERM BP−2800)を培養し、得られた
菌体よりアルカリ−SDS法によってプラスミドpCH
102を調製した。このプラスミドを鋳型とし、プライ
マーM4(宝酒造社製)及び配列表の配列番号9に塩基
配列を示すプライマーCS1−Sを用いたPCR反応を
行った後、エタノール沈殿によって反応液中の増幅DN
A断片を回収した。得られたDNA断片をNheI、S
alI(ともに宝酒造社製)で消化した後、アガロース
ゲル電気泳動を行い約970bpのDNA断片をゲルより
回収した。
【0179】次にEscherichia coli JM109/p
YMH−CF・A(FERM BP−5278)を培養
し、得られた菌体よりアルカリ−SDS法によってプラ
スミドpYMH−CF・Aを調製した。このプラスミド
を鋳型とし、配列番号10に塩基配列を示すプライマー
CF及び配列表の配列番号11に塩基配列を示すプライ
マーFNRを用いたPCR反応を行った後、エタノール
沈殿によって反応液中の増幅DNA断片を回収した。得
られたDNA断片をEco52I(宝酒造社製)、Nh
eIで消化した後、アガロースゲル電気泳動を行い約3
20bpのDNA断片をゲルより回収した。
【0180】上記のプラスミドpYMH−CF・AをE
co52I、SalIで消化した後にアガロースゲル電
気泳動を行って単離される約4.1kbのDNA断片を
上記の約970bpのDNA断片及び約320bpのDNA
断片と混合し、ライゲーションを行って得られる組換え
プラスミドを大腸菌JM109に導入した。得られた形
質転換体よりプラスミドを調製し、上記の3つのDNA
断片が1分子ずつ含まれたものを選んでプラスミドpC
FS100と命名した。また、プラスミドpCFS10
0で形質転換された大腸菌JM109を Escherichia
coli JM109/pCFS100と命名した。プラス
ミドpCFS100はC−FGF・AのC末端側にフィ
ブロネクチン由来のCS−1細胞接着領域を有し、FG
FのC末端より2番目のリジンがアラニンに置換された
ポリペプチド、C−FGF−CS1をコードしている。
【0181】ポリペプチドC−FGF−CS1は以下に
示す方法に従って調製した。すなわち、上記の大腸菌、
Escherichia coli JM109/pCFS100を1
00μg/mlのアンピシリンを含む5mlのLB培地中、
37℃で8時間培養した。この前培養液を100μg/m
lのアンピシリン、1mMのIPTGを含むLB培地50
0mlに接種し、37℃で一夜培養した後集菌した。得ら
れた菌体を0.5MNaCl、1mM PMSF、0.
05% ノニデットP−40を含む10mlのPBS(リ
ン酸緩衝生理食塩水)に懸濁し、超音波処理を行って菌
体を破砕した後、遠心分離を行って上清を得た。この上
清をあらかじめ0.5M NaClを含むPBSで平衡
化したハイトラップ−ヘパリンカラムにかけ、0.5M
NaClを含むPBSで非吸着の画分を洗浄した後、
0.5Mから2MのNaCl濃度勾配を持つPBSで吸
着画分の溶出を行った。溶出液をSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動により分析し、約50kdのポリペ
プチドを含む画分を集めて精製C−FGF−CS1を調
製し、以下の操作に使用した。
【0182】こうして得られた精製C−FGF−CS1
のN末端から5番目までのアミノ酸配列を調べたとこ
ろ、配列表の配列番号5に示されたアミノ酸配列のもの
と一致した。また、質量分析法によって測定された精製
C−FGF−CS1の分子量も上記のアミノ酸配列から
予想されるものと一致した。
【0183】(4)C277−ColVの調製 ポリペプチドC277−ColV(配列表の配列番号6
にそのアミノ酸配列を示す)は以下に示す操作によって
精製した。すなわち、上記ポリペプチドをコードするD
NAを含有する組み換えプラスミド、pTF7520C
olVを含む大腸菌、Escherichia coli JM109
/pTF7520ColV(FERMBP−5277)
を100μg/mlのアンピシリンを含む5mlのLB培地
中、37℃で6.5時間培養した。この前培養液を10
0μg/mlのアンピシリンを含むLB培地500mlに接
種し、37℃で培養した。660nmにおける吸光度が
0.6に達した時点でIPTGを終濃度1mMになるよ
うに添加して一夜培養した後に集菌した。得られた菌体
を1mM EDTA、0.05% ノニデットP−4
0、2mM PMSFを含む10mlのPBSに懸濁し、
超音波処理を10分間行って菌体を破砕した。この菌体
破砕液を遠心分離して得た上清をPBSで平衡化したリ
ソースQカラム(ファルマシア社製)にかけ、目的のポ
リペプチドを含む非吸着画分を得た。この画分をPBS
で平衡化したハイトラップ−ヘパリンカラムにかけ、P
BSで非吸着の画分を洗浄した後、0Mから0.5Mの
NaCl濃度勾配を持つPBSで吸着画分の溶出を行っ
た。溶出液をSDS−PAGEにより分析し、48kdの
ポリペプチドを含む画分を集めて精製C277−Col
Vを調製し、以下の操作に使用した。
【0184】(5)ColVの調製 まず、ポリペプチドColV(配列表の配列番号6にそ
のアミノ酸配列を示す)を大腸菌を宿主として発現させ
るためのプラスミドを構築した。
【0185】Escherichia coli HB101/pTF
7520ColV(FERM BP−5277)を培養
し、得られた菌体よりアルカリ−SDS法によってプラ
スミドpTF7520ColVを調製した。このプラス
ミドをNcoI、BamHI(ともに宝酒造社製)で消
化後、アガロースゲル電気泳動を行い、約0.58kbの
DNA断片をゲルより回収した。これをあらかじめNc
oIとBamHIで消化しておいたプラスミドベクター
pET8C(ノバジェン社製)と混合してライゲーショ
ンを行った。得られた組換えプラスミドを大腸菌BL2
1に導入して得られた形質転換体よりプラスミドを調製
し、上記の約0.58kbDNA断片1分子のみが含まれ
たものを選び、これをプラスミドpETColVと命名
した。
【0186】上記のプラスミドpETColVで形質転
換された大腸菌BL21、Escherichia coli BL−
21/pETColVを50μg/mlのアンピシリンを
含む10mlのLB培地中、37℃で一夜培養した。この
前培養液0.2mlを50μg/mlのアンピシリン、を含
むLB培地100mlに接種し、37℃で培養した。60
0nmの吸光度が0.4に達した時点でIPTGを終濃度
1mMとなるように添加し、一夜培養した後に集菌し
た。得られた菌体を1mM EDTA、0.05%ノニ
デットP−40、10μg/ml アプロチニン(aprotin
in)、10μg/ml ロイペプチン(leupeptin)、2m
M PMSFを含む5mlのPBS(リン酸緩衝生理食塩
水)に懸濁し、超音波処理を行って菌体を破砕した後、
遠心分離を行って上清を得た。この上清をPBSで平衡
化したハイトラップ−ヘパリンカラムにかけ、PBSで
非吸着の画分を洗浄した後、0.5MのNaClを含む
PBSで吸着画分の溶出を行った。溶出液をSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動により分析した結果、ほ
ぼ単一な約18kdのポリペプチドが確認された。こうし
て得られた精製ColVを以下の操作に使用した。
【0187】(6)H2−547の調製 ポリペプチドH2−547(配列表の配列番号13にそ
のアミノ酸配列を示す)を発現させるためのプラスミド
は以下に示す操作に従って構築した。Escherichia coli
HB101/pCH102(FERM BP−280
0)を培養し、得られた菌体よりアルカリ−SDS法に
よってプラスミドpCH102を調製した。このプラス
ミドを鋳型とし、配列表の配列番号15に塩基配列を示
すプライマー12Sと配列表の配列番号16に塩基配列
を示すプライマー14Aとを用いたPCR反応の後、ア
ガロースゲル電気泳動を行い、フィブロネクチンのヘパ
リン結合ポリペプチドをコードする約0.8kbのDNA
断片をゲルより回収した。得られたDNA断片をNco
I、BamHI(ともに宝酒造社製)で消化した後、N
coI、BamHIで消化したpTV118N(宝酒造
社製)と混合してライゲーションを行い、大腸菌JM1
09に導入した。得られた形質転換体よりプラスミドを
調製し、上記のDNA断片を含むプラスミドを選んでこ
れをプラスミドpRH1とした。
【0188】プラスミドベクターpINIII−ompA1
(The EMBO Journal、第3巻、第2437〜2442頁、1984
年)をBamHIとHincII(宝酒造社製)とで消化
し、リポプロテインターミネーター領域を含む約0.9
kbのDNA断片を回収した。これをBamHIとHin
cIIで消化した上記のプラスミドpRH1と混合してラ
イゲーションを行い、lacプロモーター、ヘパリン結
合ポリペプチドをコードするDNA断片およびリポプロ
テインターミネーターをこの順に含むプラスミドpRH
1−Tを得た。
【0189】プラスミドpRH1−TをNheIとSc
aI(ともに宝酒造社製)で消化して得られる約3.1
kbのDNA断片と、SpeI(宝酒造社製)とScaI
で消化して得られる約2.5kbのDNA断片をそれぞれ
調製し、この2つをライゲーションさせることによって
lacプロモーター、ヘパリン結合ポリペプチドが2個
タンデムに連結されたポリペプチドをコードするオープ
ンリーディングフレーム、およびリポプロテインターミ
ネーターをこの順に含むプラスミドpRH2−Tを得
た。上記のオープンリーディングフレームの塩基配列を
配列表の配列番号17に示す。
【0190】ポリペプチドH2−547は以下の方法に
より調製した。100μg/mlのアンピシリンを含む1
20mlのLB培地を入れた500mlバッフル付き三角フ
ラスコを4本用意し、これに上記のプラスミドpRH2
−Tで形質転換された大腸菌HB101、Escherichia
coli HB101/pRH2−Tを接種して37℃で1
晩培養した。培養液より遠心分離によって菌体を集め、
40mlの破砕用緩衝液(50mM トリス−HCl、1m
M EDTA、150mM NaCl、1mM DTT、1m
M PMSF、pH7.5)に懸濁し、超音波処理を行
って菌体を破砕した。遠心分離を行って得られた上清を
精製用緩衝液(50mM トリス−HCl、pH7.5)
で平衡化されたハイトラップ−ヘパリンカラム(ファル
マシア社製)にかけた。同緩衝液でカラム内の非吸着画
分を洗浄した後、0〜1M NaCl濃度勾配を持つ精
製用緩衝液で溶出を行った。溶出液をSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動で分析し、分子量約6万のポリ
ペプチドを含む画分を集めて精製H2−547標品を得
た。得られた標品の蛋白量をBCAプロテインアッセイ
リエージェント(ピアス社製)により、ウシ血清アルブ
ミンをスタンダードとして測定したところ、約10mgの
H2−547が得られていた。
【0191】こうして得られた精製H2−547のN末
端から5残基までののアミノ酸配列を調べたところ、配
列表の配列番号17に示される塩基配列から予想される
H2−547のアミノ酸配列よりN末端のメチオニンが
除去されたもの(配列表の配列番号13にその配列を示
す)と一致した。また、質量分析法によって測定された
精製H2−547の分子量は配列表の配列番号13に示
されるアミノ酸配列から予想されるものと一致した。
【0192】(7)CH2−826の調製 ポリペプチドCH2−826(配列表の配列番号14に
そのアミノ酸配列を示す)を発現させるためのプラスミ
ドは以下に示す操作に従って構築した。上記のプラスミ
ドpCH102を鋳型とし、配列表の配列番号18に塩
基配列を示すプライマーCLSと配列表の配列番号19
に塩基配列を示すプライマーCLAとを用いたPCR反
応の後、アガロースゲル電気泳動を行い、フィブロネク
チンの細胞接着ポリペプチドをコードする約0.8kbの
DNA断片をゲルより回収した。得られたDNA断片を
NcoI、BglII(宝酒造社製)で消化した後、Nc
oI、BamHIで消化したpTV118Nと混合して
ライゲーションを行い、大腸菌JM109に導入した。
得られた形質転換体よりプラスミドを調製し、上記のD
NA断片を含むプラスミドを選んでこれをプラスミドp
RC1とした。このプラスミドpRC1をSpeIとS
caIで消化して得られる約2.5kbのDNA断片と、
上記のプラスミドpRH2−TをNheIとScaIで
消化して得られる約3.9kbのDNA断片とを混合して
ライゲーションを行い、細胞接着ポリペプチドのC末端
にヘパリン結合ポリペプチドが2個タンデムに連結され
たポリペプチドをコードするプラスミドpRCH2−T
を得た。このポリペプチドをコードするプラスミドpR
CH2−T上のオープンリーディングフレームの塩基配
列を配列表の配列番号20に示す。
【0193】ポリペプチドCH2−826は実施例2−
(6)に記載のポリペプチドH2−547について用い
られたものと同様の方法により調製した。ハイトラップ
ヘパリンカラムの溶出液のうち分子量約9万のポリペプ
チドを含む画分を集めて精製CH2−826標品を得
た。
【0194】(8)H2S−537の調製 ポリペプチドH2S−537(配列表の配列番号30に
そのアミノ酸配列を示す)を発現させるためのプラスミ
ドは以下に示す操作に従って構築した。上記のプラスミ
ドpCH102を鋳型とし、配列表の配列番号31に塩
基配列を示すプライマーCS1Sと、配列表の配列番号
32に塩基配列を示すプライマーCS1Aとを用いたP
CR反応の後、アガロースゲル電気泳動を行ってフィブ
ロネクチンのCS−1細胞接着領域をコードする約0.
1kbのDNA断片をゲルより回収した。得られたDNA
断片をNcoI、BamHIで消化した後、NcoI、
BamHIで消化したプラスミドベクターpTV118
Nと混合してライゲーションを行い、大腸菌JM109
に導入した。得られた形質転換体よりプラスミドを調製
し、上記のDNA断片を含むプラスミドを選んでこれを
プラスミドpRS1とした。
【0195】プラスミドベクターpINIII−ompA1
をBamHIとHincIIとで消化し、リポプロテイ
ンターミネーター領域を含む約0.9kbのDNA断片
を回収した。これをBamHIとHincIIとで消化し
た上記のプラスミドpRS1と混合してライゲーション
を行い、lacプロモーター、CS−1領域ポリペプチ
ドをコードするDNA断片及びリポプロテインターミネ
ーターをこの順に含むプラスミドpRS1−Tを得た。
【0196】プラスミドpRS1−TをNheIとSc
aIで消化して得られる約2.4kbのDNA断片と、
プラスミドpRH2−TをSpeI、ScaI、Pst
I(宝酒造社製)で消化して得られる約3.3kbのD
NA断片をそれぞれ調製し、この2つをライゲーション
させることによってlacプロモーター、タンデムに並
んだ2個のヘパリン結合ポリペプチドのC末端側にさら
にCS−1領域が連結された構造のポリペプチドをコー
ドするオープンリーディングフレーム、及びリポプロテ
インターミネーターをこの順に含むプラスミドpRH2
S−Tを得た。上記のオープンリーディングフレームの
塩基配列を配列表の配列番号32に示す。
【0197】ポリペプチドH2S−573は実施例2−
(6)に記載のポリペプチドH2−547について用い
られたものと同様の方法により調製した。ハイトラップ
ヘパリンカラムの溶出液のうち分子量約6万のポリペプ
チドを含む画分を集めて精製H2S−573標品を得
た。
【0198】(9)機能性物質のプレートへの固定化 機能性物質を固定化されたプレート(6ウエルの組織培
養プレート、ファルコン社製)をレトロウイルスの細胞
への感染実験に使用する場合には、以下に示す操作にし
たがって固定化操作を行った。すなわち、上記の実施例
に記載の各種機能性物質を適当な濃度となるようにPB
Sに溶解した溶液を1ウエル(底面積9.6cm2)あた
り2ml添加し、紫外線の照射下においてプレートのふた
を開けて1時間、さらにふたを閉めて1時間、室温でイ
ンキュベートした。次に機能性物質溶液を2%のウシ血
清アルブミン(BSA、ベーリンガー・マンハイム社
製)を含むPBS 2mlに交換してさらに30分間、室
温でインキュベートした後、25mM ヘペス(HEPE
S)を含むPBSでプレートを洗浄した。BSAを固定
化した対照プレートは、上記の操作のうちポリペプチド
溶液とのインキュベーションを省略して作製した。
【0199】なお、以降に示す実施例での遺伝子導入
(ウイルス感染)実験においては、特に断らない限り上
記の6ウエルの組織培養プレートを使用し、プレートへ
の固定化に使用した機能性物質の濃度を示す場合には、
ウエルの単位底面積あたりの機能性物質量をpmol/cm2
(およびμg/cm2)を単位として記載する。たとえば上
記のプレート(底面積9.6cm2)について48μg/ml
のH−271溶液2mlを用いて固定化を行った場合に
は、「333pmol/cm2(10μg/cm2)のH−271
を用いて固定化した」と記載する。また、遺伝子導入後
の浮遊細胞(TF−1、HL−60)を培養する際に用
いるCH−296を固定化したプレートは、48pmol/
cm2(3μg/cm2)のCH−296溶液を用い、上記の
操作によって固定化を行ったものである。以降の実施例
において、標的細胞へのウイルス感染はすべてポリブレ
ンを含有しない培地中で行った。また、使用するウイル
ス、細胞、培地等の量を示す場合には特に断らない限り
1ウエルあたりの量を記載する。
【0200】実施例3 (1)機能性物質の混合物を用いた遺伝子導入 細胞に結合する物質と、レトロウイルスに結合する物質
とを混合してプレートに固定化した場合の遺伝子導入効
率への影響を調べるために以下に示す実験を行った。ま
ず、実施例2−(9)に記載の方法に従って32pmol/
cm2(1.5μg/cm2)のC−FGF・A、32pmol/c
m2(1μg/cm2)のC−274と32pmol/cm2(0.
5μg/cm2)のFGFとの混合物、および32pmol/cm
2(0.5μg/cm2)のFGF(ベクトン・ディッキン
ソン社製)のそれぞれを用い、各ポリペプチドをプレー
トに固定化した。これらのプレート、およびBSAを固
定化した対照プレートのそれぞれに1000cfuのPM
5neoウイルスを含む2mlのウイルス上清液を加えて
37℃、30分間プレインキュベーションした後、PB
Sを用いてプレートを徹底的に洗浄した。このプレート
に2000個のNIH/3T3細胞を含む2mlのDME
M培地を加え、ポリブレンの非存在下に37℃、2時間
インキュベーションした後、非付着細胞はデカンテーシ
ョンによって、またプレートに付着した細胞はトリプシ
ン処理の後にプレートから剥がすことによってそれぞれ
採取し、これらを合わせた。得られた細胞懸濁液を二分
して一方をDMEM、もう一方を終濃度0.75mg/ml
のG418を含むDMEMとともに37℃で10日間培
養し、出現したコロニー数を数えた。G418を含まな
い培地で得られたコロニー数に対するG418耐性コロ
ニー数の割合を遺伝子導入効率とし、その結果を図1に
示す。図中、横軸は使用した機能性物質、縦軸は遺伝子
導入効率をそれぞれ示す。
【0201】図1に示されるように、レトロウイルスの
感染時間を2時間とした場合にはFGF単独ではC−F
GF・Aに比べて低い遺伝子導入効率しか得られない
が、C−274とFGFの混合物を固定化したプレート
を用いた場合には、この2つのポリペプチドが共有結合
したC−FGF・Aを用いた場合と同様の効率でG41
8耐性コロニーが得られた。
【0202】詳細な検討を行うために、C−274の
み、およびFGFのみを固定化した場合とこれらの混合
物を固定化した場合との比較を行った。すなわち32pm
ol/cm 2(1μg/cm2)のC−274、32pmol/cm
2(0.5μg/cm2)のFGF、および32pmol/cm2
C−274と32pmol/cm2のFGFとの混合物のそれ
ぞれを用いて実施例2−(9)に記載の方法によってプ
レートへの固定化を行い、これらのプレートを用いて上
記同様の操作でレトロウイルス感染への効果を調べた。
得られた結果を図2に示す。図中、横軸は使用した機能
性物質、縦軸は遺伝子導入効率をそれぞれ示す。
【0203】図2に示されるようにC−274とFGF
との混合物を固定化したプレートを用いた場合にはFG
Fのみを固定化したものに比べて高い遺伝子導入効率を
示した。またレトロウイルス結合部位を有しないC−2
74のみを固定化したプレートではG418耐性コロニ
ーは得られなかった。以上の実験結果より、レトロウイ
ルス結合部位を有するFGFに細胞結合部位を有するC
−274を組み合わせることによってFGF単独で使用
した場合に比べて高い感染効率が得られること、および
このようなポリペプチドの組み合わせによる効果の発現
には必ずしもポリペプチド鎖が共有結合で結ばれている
必要がないことが示された。
【0204】(2)機能性物質の混合物を用いた遺伝子
導入 レトロウイルス結合部位を有するポリペプチドをCol
Vに置き換えて、実施例3−(1)同様の実験を行っ
た。本実験においてはC−274とColVとを種々の
モル比で混合した場合を比較した。すなわち、330pm
ol/cm2(6μg/cm2)のColV、330pmol/cm
2(10μg/cm2)のC−274と330pmol/cm2のC
olVとの混合物(C−274とColVのモル比は1
0:10)、100pmol/cm2(3μg/cm2)のC−2
74と330pmol/cm2のColVとの混合物(3:1
0)、33pmol/cm2(1μg/cm2)のC−274と3
30pmol/cm2のColVとの混合物(1:10)、3
30pmol/cm2(16μg/cm2)のC277−Col
V、および330pmol/cm2(10μg/cm2)のC−2
74のそれぞれを用いて実施例2−(9)に記載の方法
によってプレートへの固定化を行い、作製されたプレー
トを用いて上記同様の操作でレトロウイルス感染への効
果を調べた。得られた結果を図3に示す。図中、横軸は
使用した機能性物質、縦軸は遺伝子導入効率をそれぞれ
示す。
【0205】図3に示されるように感染時間を2時間と
した場合にはColVを固定化したプレート上での感染
効率はC277−ColV固定化プレートの1/2以下
であるが、ColVとその1/10量(分子数として)
のC274の混合物を固定化したプレートを用いた場合
にはC277−ColVと同等の感染効率が得られてお
り、FGFの場合同様にC−274分子のレトロウイル
ス感染の促進効果が確かめられた。なお、ColV分子
に対するC−274分子の割合が上昇した場合にはこの
効果はむしろ低下し、等量のColV、C−274を含
む混合物を固定化した場合にはColVのみを固定化し
た場合とほとんど差はみられない。
【0206】(3)機能性物質の混合物を用いた遺伝子
導入 細胞結合部位を有する物質と、レトロウイルス結合部位
を有する物質とを混合してプレートへの固定化を行った
場合の遺伝子導入効率への影響を調べるために以下に示
す実験を行った。まず、実施例2−(9)に記載の方法
に従い、32pmol/cm2(1μg/cm2)のC−274、
333pmol/cm2(10μg/cm2)のH−271、およ
び32pmol/cm2(1μg/cm2)のC−274と333p
mol/cm2(10μg/cm2)のH−271との混合物のそ
れぞれを用いてプレートへの固定化を行った。これらの
プレートそれぞれに1000cfuのPM5neoウイル
スを含む2mlのウイルス上清液を加え、37℃、30分
間プレインキュベーションした後、PBSを用いてプレ
ートを徹底的に洗浄した。このプレートに2000個の
NIH/3T3細胞を含む2mlのDMEM培地を加えて
37℃、2時間インキュベーションした後、非付着細胞
はデカンテーションによって、またプレートに付着した
細胞はトリプシン処理の後にプレートから剥がすことに
よってそれぞれ採取し、これらを合わせた。得られた細
胞懸濁液を二分して一方をDMEM、もう一方を終濃度
0.75mg/mlのG418を含むDMEMとともに37
℃で10日間培養し、出現したコロニー数を数えた。G
418を含まない培地で得られたコロニー数に対するG
418耐性コロニー数の割合を遺伝子導入効率とし、そ
の結果を図4に示す。図中、横軸は使用した機能性物
質、縦軸は遺伝子導入効率をそれぞれ示す。
【0207】図4に示されるように、C−274とH−
271の混合物(モル比1:10)を固定化したプレー
トを用いた場合にはH−271のみを固定化したものに
比べて感染効率が大きく上昇した。なお、C−274の
みを固定化したプレートでは遺伝子導入は見られなかっ
た。
【0208】(4)C277−CS1を用いた遺伝子導入 細胞結合部位を有する物質としてC277−CS1を用
い、これとレトロウイルスに結合部位を有する物質とを
混合してプレートへの固定化を行った場合の感染効率へ
の影響を調べるために以下に示す実験を行った。レトロ
ウイルスに結合する物質としてはポリリジン[(Ly
s)n、ポリ−L−リジン臭化水素酸塩、分子量5万〜
10万、和光純薬社製]、およびH−271の2種を用
い、また細胞には浮遊細胞であるTF−1細胞(ATC
C CRL−2003)を用いた。まず、実施例2−
(9)に記載の方法に従い、以下に示す溶液でプレート
への固定化を行った。33pmol/cm2(1.1μg/c
m2)のC277−CS1、133pmol/cm2(10μg/c
m2)のポリリジン、33pmol/cm2のC277−CS1と1
33pmol/cm2のポリリジンとの混合物、333pmol/c
m2(10μg/cm2)のH−271、33pmol/cm2のC2
77−CS1と333pmol/cm2のH−271との混合
物、および33pmol/cm2(2.1μg/cm2)のCH−
296。これらのプレートそれぞれに1×104cfu/の
TKNEOウイルス、1×104個のTF−1細胞を含
むRPMI1640培地[5ng/ml GM−CFS(ペ
トロ テック社製)、50単位/ml ペニシリン、50
μg/mlストレプトマイシンを含むもの]を加えて37
℃で24時間インキュベーションした。インキュベーシ
ョン終了後、非付着細胞はデカンテーションによって、
またプレートに付着した細胞はトリプシン処理を行って
それぞれ採取し、これらを合わせた。得られた細胞懸濁
液のうちの1/5づつをCH−296を固定化したプレ
ート2枚に移して24時間インキュベートした後、培地
を一方は上記の培地、またもう一方は終濃度0.75mg
/mlのG418を含む上記の培地に交換して37℃で8
日間培養し、出現したコロニー数を数えた。G418の
存在下、非存在下に出現したコロニー数よりG418耐
性コロニーの出現率(遺伝子導入効率)を算出した。
【0209】図5に得られた結果を示す。図中、横軸は
使用した機能性物質、縦軸は遺伝子導入効率をそれぞれ
示す。なお図5の(a)はレトロウイルス結合性物質と
してポリリジンを用いた場合、(b)はH−271を用
いた場合である。細胞へ結合部位を有するC277−CS
1をポリリジン、あるいはH−271と併用することに
より、遺伝子導入効率はこれらのレトロウイルス結合性
物質のみを固定化したプレートに比べて著しく上昇する
ことが示された。
【0210】(5)エリスロポエチン誘導体ポリペプチ
ドの調製 エリスロポエチンに対するレセプターを有する細胞への
遺伝子導入に使用するために、エリスロポエチンをグル
タチオン−S−トランスフェラーゼとの融合ポリペプチ
ドとした誘導体ポリペプチド、GST−Epoを調製し
た。配列表の配列番号34にGST−Epoのアミノ酸
配列を示す。該配列中233番目〜398番目のアミノ
酸配列がエリスロポエチンに相当する。
【0211】まず、GST−Epoを発現させるための
プラスミドを以下に示す操作に従って構築した。ヒト胎
児肝臓由来のcDNAライブラリー(クロンテック社
製)を鋳型とし、プライマーEPF1、EPR1(配列
表の配列番号35、36にそれぞれプライマーEPF
1、EPR1の塩基配列を示す)を用いたPCRを行っ
た。この反応液の一部をとってこれを鋳型とし、プライ
マーEPF2、EPR2(配列表の配列番号37、38
にそれぞれプライマーEPF2、EPR2の塩基配列を
示す)を用いて再度PCRを行った。この反応液より増
幅DNA断片を回収し、これをEcoRI、BamHI
(ともに宝酒造社製)で消化した後、アガロースゲル電
気泳動を行ってエリスロポエチンをコードする領域を含
む約520bpのDNA断片を回収した。得られた断片を
EcoRI(宝酒造社製)、BamHIで消化したプラ
スミドベクターpTV118N(宝酒造社製)と混合し
てライゲーションを行った後、大腸菌JM109に導入
した。得られた形質転換体より上記のDNA断片を含む
プラスミドを保持するものを選択し、プラスミドを調製
してこれをプラスミドpEPOと命名した。次に、こう
して得られたプラスミドpEPOをEcoRI、Sal
I(宝酒造社製)で消化した後、アガロースゲル電気泳
動を行って約0.5kpのDNA断片を回収した。この断
片をEcoRI、SalIで消化したプラスミドベクタ
ーpGEX5X−3(ファルマシア社製)と混合してラ
イゲーションを行った後、大腸菌JM109に導入し
た。得られた形質転換体より上記のDNA断片を含むプ
ラスミドを保持するものを選択し、このプラスミドを調
製してこれをプラスミドpGSTEPOと命名した。該
プラスミドにはベクター由来のグルタチオン−S−トラ
ンスフェラーゼのC末端部分にエリスロポエチンのアミ
ノ酸配列が挿入された融合ポリペプチド、GST−Ep
oがコードされている。プラスミドpGSTEPO上の
GST−EPOをコードする塩基配列を配列表の配列番
号39に示す。
【0212】ポリペプチドGST−Epoは以下に示す
操作によって調製した。100μg/mlのアンピシリン
を含む5mlのLB培地を7本準備し、それぞれに上記の
プラスミドpGSTEPOで形質転換された大腸菌JM
109、Escherichia coliJM109/pGSTEPO
を接種して37℃で1晩培養した。次に、同様の培地5
00mlずつを入れた2リットル容三角フラスコを7本用
意し、これに上記の培養液5mlずつを接種して37℃で
培養した。培養開始より3.5時間後に終濃度1mMと
なるようにIPTGを添加し、さらに3.5時間培養し
た。培養終了後、遠心分離を行って培養液より菌体を回
収し、これを1mM PMSFおよび1mM EDTAを含
む100mlのPBSに懸濁し、超音波処理を行って菌体
を破砕した。得られた破砕液に1mM PMSF、1mM
EDTAおよび2%のTritonX−100を含む100m
lのPBSを加え、氷上に30分間静置した後に遠心分
離を行って上清を集めた。得られた上清を0.45μm
のフィルター(ミリポア社製)でろ過した後、PBSで
平衡化したグルタチオン−セファロース4Bカラム(フ
ァルマシア社製、3ml)にアプライした。カラムをPB
Sで洗浄後、10mM グルタチオンを含む50mM トリ
ス−HCl、pH8.0を用いて溶出を行った。溶出液
をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析し、
分子量約4.4万のポリペプチドを含む画分を集めてこ
れをPBSに対して透析した。透析後の試料をPBSで
平衡化したリソースQカラム(ファルマシア社製、6m
l)にアプライし、カラムをPBSで洗浄後、0〜0.
6M NaCl濃度勾配を持つPBSにより溶出を行っ
た。上記同様にグルタチオンを含む50mM トリス−H
Cl、pH8.0を用いて溶出を行った。分子量約4.
4万のポリペプチドを含む画分を集め、これをセントリ
コン10(アミコン社製)を用いた限外ろ過によって約
50μlまで濃縮し、さらにウルトラフリーC3GVS
TRL(ミリポア社製)を用いてろ過した後、ろ液をス
ーパーデックス200カラム(ファルマシア社製、PB
Sにて平衡化)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーに
供した。分子量約4.4万のポリペプチドを含む溶出画
分を集め、これをGST−Epoポリペプチド溶液とし
て以降の実験に使用した。このGST−Epo溶液中に
は総タンパクの約50%のGST−Epoが含まれてい
た。
【0213】(6)エリスロポエチンレセプター発現細
胞への遺伝子導入 細胞結合活性を有する機能性物質としてエリスロポエチ
ンを使用した場合の遺伝子導入への効果を、エリスロポ
エチンのレセプターを発現するTF−1、およびエリス
ロポエチンのレセプターを発現しないHL−60(AT
CC CCL−240)の2種の細胞を用いて調べた。
なお、エリスロポエチンとしては上記のエリスロポエチ
ン誘導体ポリペプチド(GST−Epo)を、また、レ
トロウイルスに結合する物質としてポリリジンをそれぞ
れ使用した。まず、実施例2−(9)に記載の方法に従
って34pmol/cm2(1.5μg/cm2)相当のGST−
Epo、133pmol/cm2(10μg/cm2)のポリリジ
ンおよび34pmol/cm2のGST−Epoと133pmol
/cm2のポリリジンとの混合物のそれぞれを用いてプレ
ートへの固定化を行った。これらのプレートそれぞれに
1×104cfu/のTKNEOウイルス、および1×10
4個の細胞を含む培地を加えて37℃で24時間インキ
ュベーションした。なお培地としては、TF−1につい
てはRPMI1640培地(5ng/ml GM−CFS、
50単位/ml ペニシリン、50μg/mlストレプトマイ
シンを添加したもの)、HL−60にはRPMI培地
(ニッスイ社製、10% FCS、50単位/ml ペニシ
リン、50μg/ml ストレプトマイシンを添加したも
の)をそれぞれ使用した。インキュベーション終了後、
非付着細胞はデカンテーションによって、またプレート
に付着した細胞はトリプシン処理を行ってそれぞれ採取
し、これらを合わせた。各プレートより得られた細胞懸
濁液のうちの1/5づつをCH−296を固定化したプ
レート2枚に移して24時間インキュベートした後、培
地を一方は上記の培地、またもう一方は終濃度0.75
mg/mlのG418を含む上記の培地に交換して37℃で
8日間培養し、出現したコロニー数を数えた。G418
の存在下、非存在下に出現したコロニー数よりG418
耐性コロニーの出現率(遺伝子導入効率)を算出した。
【0214】図6に結果を示す。図中、横軸は使用した
機能性物質、縦軸は遺伝子導入効率をそれぞれ示す。図
6(a)に示したTF−1細胞の場合、ポリリジンのみ
を固定化したプレートにおいてもある程度の遺伝子導入
が起こっているが、GST−Epoが共存する場合には
これよりも高い遺伝子導入効率が得られた。一方、図6
(b)に示したHL−60細胞では、GST−Epoの
共存による遺伝子導入効率の上昇は見られなかった。以
上の結果より、エリスロポエチンを利用することによ
り、標的とする細胞に特異的な遺伝子導入が可能なこと
が示された。
【0215】さらに、レトロウイルス結合部位を有する
物質をH2−547にかえてTF−1細胞への遺伝子導
入実験を行った。実施例2−(9)に記載の方法に従っ
て333pmol/cm2(20μg/cm2)のH2−547、
34pmol/cm2(1.5μg/cm2)相当のGST−Ep
o、および34pmol/cm2のGST−Epoと333pmo
l/cm2(20μg/cm2)のH2−547との混合物のそ
れぞれを用いてプレートへの固定化を行った。同時にB
SAを固定化したプレートを使用した対照実験も行っ
た。図7に得られた結果を示す。図中、横軸はプレート
に固定化された機能性物質、縦軸は遺伝子導入効率をそ
れぞれ示す。図に示されるようにH2−547を使用し
た場合にもGST−Epoの共存によってTF−1細胞
への遺伝子導入効率が向上することが示された。
【0216】(7)機能性物質の混合物を固定化したビ
ーズを用いた遺伝子導入 細胞結合部位を有する物質とレトロウイルス結合部位を
有する物質の両者を固定化したビーズを用いて、レトロ
ウイルス感染効率を上げることが可能かどうかを調べ
た。
【0217】ポリペプチドを固定化したビーズは以下に
示す方法により調製した。ビーズには粒子径1.14μ
mのポリスチレンビーズ(ポリビーズ ポリスチレン
ミクロスフェア、ポリサイエンス社製)を用いた。上記
ビーズの2.5%懸濁液20μlにエタノール80μl、
および各種ポリペプチドのPBS溶液 2mlを加えて4
℃で一夜静置した後、BSAおよびPBSを加えて4ml
の1%BSA/PBS懸濁液とした。この懸濁液より遠
心分離によって回収したビーズを再度5mlの1%BSA
/PBSに懸濁し、室温で1時間静置してポリペプチド
固定化ビーズの懸濁液を得た。ポリペプチド溶液として
は100μg/ml C−274、100μg/ml H−27
1、100μg/ml CH−271、100μg/ml CH
−296、および100μg/ml H−271と10μg
/ml C−274の混合物を用い、また対照として2%
BSA溶液を使用して固定化を行ったビーズも同様に調
製した。
【0218】調製されたポリペプチド固定化ビーズのう
ち1/10量を上記の懸濁液より回収し、それぞれを2
000個のTF−1細胞、1000cfuのTKNEOウ
イルス上清液とともに37℃で一晩培養した。細胞を回
収し、0.3% Bacto Agar(ディフコ社製)を含むR
PMI培地[10%FCS、5ng/ml GM−CFS
(ペトロ テック社製)、50単位/ml ペニシリン、
50μg/mlストレプトマイシンを含むもの]に懸濁
し、これを予め0.5% Bacto Agarを含む上記のRP
MI培地で作製した35mm プレート上にまいた。な
お、培地は0.75mg/mlG418を含むもの、含まな
いものの2通りを使用した。プレートを5% CO
中、37℃で14日間インキュベーションした後、G
418の存在下、非存在下に出現したコロニーを計数
し、G418耐性コロニーの出現率(遺伝子導入効率)
を算出した。
【0219】図8に結果を示す。図中、横軸はビーズに
固定化された機能性物質、縦軸は遺伝子導入効率をそれ
ぞれ示す。H−271とC−274の混合物を固定化し
たビーズを使用した場合には、H−271のみを固定化
されたビーズ、同一分子中にレトロウイルス結合部位と
細胞結合部位の両方を有するCH−271やCH−29
6がそれぞれ固定化されたビーズを用いた場合に比べて
も高い遺伝子導入効率が得られた。
【0220】実施例4 (1)FGF、C−FGF・Aを用いた遺伝子導入 FGF(ベクトン・ディッキンソン社製)、および配列
表の配列番号4で表されるポリペプチド(C−FGF・
A)のレトロウイルス感染に対する影響をNIH/3T
3細胞コロニー形成アッセイによって調べた。すなわ
ち、実施例2−(9)に記載の方法により132pmo
l/cm2(2.25μg/cm2)のFGF、および1
33pmol/cm2(6.3μg/cm2)のC−FG
F・Aのそれぞれを用いて固定化を行ったプレート、お
よびBSAを固定化した対照プレートのそれぞれに10
00cfuのPM5neoウイルスを含む2mlのウイルス
上清液を加えて37℃、30分間プレインキュベーショ
ンした後、PBSを用いてプレートを徹底的に洗浄し
た。このプレートに2000個のNIH/3T3細胞を
含む2mlのDMEM培地を加えて37℃、24時間イン
キュベーションし、その後0.75mg/mlのG418を
含む選択培地中で10日間増殖させ、それに続いてコロ
ニーを染色し、計数した。図9に得られた結果を示す。
図中、横軸はプレートに固定化された機能性物質、縦軸
は出現したG418耐性コロニー数をそれぞれ示す。
【0221】図9に示されるように、対照として使用し
たBSA固定化プレートではコロニーが出現しなかった
のに対し、FGF、およびC−FGF・Aを固定化した
プレートを用いた場合にはG418耐性コロニーの出現
が確認された。この結果よりFGF、C−FGF・Aが
レトロウイルス結合部位を有していること、および、フ
ィブロネクチンの細胞結合部位ポリペプチドが付加され
たC−FGF・Aは遺伝子導入においてFGFより優れ
た効果を有することが示された。
【0222】(2)プレートへの固定化に使用したC−
FGF・A濃度と遺伝子導入効率との関係 種々の濃度のC−FGF・Aで固定化を行ったプレート
での遺伝子導入効率の比較を行った。すなわち実施例2
−(9)に記載の方法に従い、0.521pmol/cm
2(0.0247μg/cm2)〜5.21pmol/cm2(0.
247μg/cm2)のC−FGF・Aを用いて固定化を行
ったプレート、およびBSA固定化プレート(対照プレ
ート)を用い、実施例4−(1)と同様の操作でレトロ
ウイルスの感染を行った。ウイルス感染処理後、非付着
細胞はデカンテーションによって、またプレートに付着
した細胞はトリプシン処理によってプレートから剥がす
ことによってそれぞれ採取し、両者を合わせた。得られ
た細胞懸濁液を2等分して一方をDMEM、他方を終濃
度0.75mg/mlのG418を含むDMEMとともに3
7℃で10日間培養した後、出現したコロニー数を数
え、G418を含まない培地で得られたコロニー数に対
するG418耐性コロニー数の割合を遺伝子導入効率と
した。
【0223】得られた結果を図10に示す。図中、横軸
はプレートの固定化操作に使用されたC−FGF・Aの
濃度、縦軸は遺伝子導入効率をそれぞれ示す。なお、対
照プレートでの実験結果はポリペプチド濃度0μmol/c
m2としてプロットした。図10に示されるように、固定
化に使用したC−FGF・Aの濃度依存的に遺伝子導入
効率の上昇が見られた。
【0224】(3)HL−60細胞への遺伝子導入 浮遊細胞であるHL−60細胞(ATCC CCL−2
40)へのレトロウイルスの感染に関して、各種のポリ
ペプチドの存在の効果を以下に示す操作によって調べ
た。すなわち、100pmol/cm2のC−FGF・A
(4.8μg/cm2)、およびC−FGF−CS1(5.
1μg/cm2)を用いて実施例2−(9)に記載の方法で
固定化を行ったプレート、およびBSAを固定化した対
照プレートのそれぞれに1×104cfu/のTKNEOウ
イルス、2000個のHL−60細胞を含む2mlのRP
MI培地(10% FCS、50単位/mlのペニシリン
および50μg/mlのストレプトマイシンを添加して使
用)を加えて37℃で24時間インキュベーションし
た。インキュベーション終了後、非付着細胞はデカンテ
ーションによって、またプレートに付着した細胞はピペ
ッティングによってそれぞれ採取し、これらを合わせ
た。得られた細胞懸濁液のうちの1/2づつをCH−2
96固定化プレートに移して24時間インキュベートし
た後、培地を終濃度0.75mg/mlのG418を含む上
記のRPMI培地に交換し、37℃で12日間培養し、
出現したコロニー数を数えた。各ポリペプチドを使用し
て得られたG418耐性コロニー数を図11に示す。図
中、横軸はプレートに固定化された機能性物質、縦軸は
出現したG418耐性コロニー数をそれぞれ示す。
【0225】図11に示されるように、BSA固定化プ
レートに比較してC−FGF・AおよびC−FGF−C
S1を固定化したプレートではG418耐性コロニー数
が著しく上昇しており、これらのポリペプチドがHL−
60細胞へのレトロウイルスの感染を促進していること
が示された。
【0226】(4)マウス骨髄細胞への遺伝子導入 骨髄細胞へのレトロウイルス感染に対するFGF、C−
FGF・AおよびC−FGF−CS1の効果を調べるた
め、以下に示す実験を行った。
【0227】6〜8週齢のマウス(C3H/HeJ)に
150mg/Kgの5−フルオロウラシル(5−FU、アム
レスコ社製)を腹腔内投与し、その2日後に大腿骨およ
び脛骨を摘出して骨髄を採取した。得られた骨髄をフィ
コール−ハイパク(密度 1.0875g/ml、ファルマシア
社製)を用いた密度勾配遠心分離に供し、低密度単核細
胞画分を調製してこれをマウス骨髄細胞とした。
【0228】マウス骨髄細胞はルスキー(Luskey)等の
方法(Blood、第80巻、第396〜402頁、1992年)に従
い、レトロウイルス感染前に予備刺激を行った。すなわ
ち、20% FCS、100単位/ml 組換えヒトインタ
ーロイキン−6(rhIL−6、アムジェン社製)、10
0ng/ml 組換えマウス幹細胞因子(rmSCF、アムジ
ェン社製)、50単位/mlのペニシリンおよび50μg
/mlのストレプトマイシンを含有するα−MEM(ギブ
コ社製)中に1×106cells/mlの細胞密度で上記のマ
ウス骨髄細胞を添加し、5% CO中、37℃で48
時間インキュベートした。予備刺激した細胞は容器に付
着したものを含め、ピペットを用いて吸引、採集した。
【0229】実施例2−(9)に記載の方法に従って2
36μmol/cm2(4μg/cm2)のFGF、169pmol/
cm2(8μg/cm2)のC−FGF・A、あるいは159
μmol/cm2(8μg/cm2)のC−FGF−CS1を用い
て固定化を行ったプレート、およびBSA固定化プレー
ト(対照プレート)に1×106個の予備刺激した細胞
と1×104cfuのPM5neoウイルスとを含む上記の
予備刺激に用いられた培地 2mlを添加して37℃でイ
ンキュベートした。2時間後に同量のウイルスを含む同
様の培地(2ml)を新たにプレートに追加し、さらに2
2時間インキュベートを続けた。インキュベート終了
後、非接着細胞はデカンテーションによって、またプレ
ートに接着した細胞は細胞解離緩衝液(CDB、酵素を
含まないもの、ギブコ社製)を使用してそれぞれ採集
し、これらを合わせて同緩衝液で2回洗浄した後、細胞
数を計数した。採集した細胞はHPP−CFC(High P
roliferative Potential-Colony Forming Cells、高増
殖能コロニー形成細胞)アッセイに供した。
【0230】HPP−CFCアッセイはブラッドレー
(Bradley)等の方法(Aust. J. Exp.Biol. Med. Sc
i.、第44巻、第287〜293頁、1966年)に従って行った。
培地には1%/0.66%重層軟寒天培地を使用し、終
濃度1.5mg/mlのG418を含むもの、および含まな
いものの2通りを用いた。1ウエルあたりに1×104
個の感染細胞を添加し、10% CO中、37℃で1
3日間インキュベートした。インキュベーション終了
後、出現したコロニーを倒立顕微鏡で観察し、HPP−
CFC由来の高密度コロニー(径0.5mm以上)を計数
してG418耐性コロニーの出現率(遺伝子導入効率)
を算出した。得られた結果を図12に示す。図中、横軸
は使用した機能性物質、縦軸は遺伝子導入効率を示す。
【0231】図12に示されるように、対照として使用
したBSA固定化プレートではG418耐性コロニーは
出現していないのに対し、上記の各ポリペプチドを固定
化したプレートを使用した場合にはG418耐性コロニ
ーが得られている。また、遺伝子導入効率はFGF、C
−FGF・A、C−FGF−CS1の順に高くなってお
り、細胞への結合活性を持つフィブロネクチン由来の細
胞結合部位ポリペプチド、およびCS−1ポリペプチド
部分の存在が骨髄細胞へのレトロウイルスの感染効率を
高めた。
【0232】(5)プレートの固定化に使用したC27
7−ColV濃度と遺伝子導入効率との関係 種々の濃度のC277−ColVを用いて固定化を行っ
たプレートでの遺伝子導入効率の比較を以下に示す操作
により行った。0.1pmol/cm2(0.1μg/cm2)〜
416pmol/cm2(20μg/cm2)のC277−Col
Vを用い、実施例2−(9)に記載の方法によってプレ
ートへの固定化を行った。これらのプレートのそれぞれ
に1000cfuのPM5neoウイルスを含む2mlのウ
イルス上清液を加えて37℃、30分間プレインキュベ
ーションした後、PBSを用いてプレートを徹底的に洗
浄した。このプレートに2000個のNIH/3T3細
胞を含む2mlのDMEM培地を加えて37℃、24時間
インキュベーションした後、非付着細胞はデカンテーシ
ョンによって、またプレートに付着した細胞はトリプシ
ン処理の後にプレートから剥がすことによってそれぞれ
採取し、これらを合わせた。得られた細胞懸濁液を二分
し、一方にはDMEM、もう一方には終濃度0.75mg
/mlのG418を含むDMEMを加えて37℃で10日
間培養し、出現したコロニー数を数えた。G418を含
まない培地で得られたコロニー数に対するG418耐性
コロニー数の割合を遺伝子導入効率とし、その結果を図
13に示す。図中、横軸は使用した機能性物質、縦軸は
遺伝子導入効率を示す。
【0233】図13に示されるようにC277−Col
Vを固定化したプレートを用いた場合、固定化に使用し
たC277−ColVの濃度依存的に遺伝子導入効率が
上昇した。
【0234】(6)ポリリジンを用いた遺伝子導入 ポリリジン[(Lys)n ]とレトロウイルスとの結合
を以下に示す操作により調べた。ポリリジンとしてはポ
リ−L−リジン臭化水素酸塩(分子量5万〜10万、和
光純薬社製)を使用した。まず、133pmol/cm2(1
0μg/cm2)のPBS溶液としたポリリジンを用い、実
施例2−(9)に記載の方法によってプレートへの固定
化を行った。このプレート、およびBSAを固定化した
対照プレートのそれぞれについて実施例4−(2)に記
載の方法で遺伝子導入効率を評価した。その結果を図1
4に示す。図中、横軸は使用した機能性物質、縦軸は遺
伝子導入効率を示す。
【0235】図14に示されるようにBSAを用いた対
照プレートではコロニーが見られなかったのに対し、ポ
リリジンを固定化したプレートではG418耐性コロニ
ーの出現が確認された。このことはレトロウイルスがプ
レートに固定化されたポリリジンに結合するために、洗
浄後のプレート上にレトロウイルスが残存していること
を示している。
【0236】実施例5 (1)ポリペプチドの重合体を用いた遺伝子導入 ポリペプチドの重合体を用いた遺伝子導入は、各ポリペ
プチドをプレート上に固定しない状態で使用し、実施し
た。実施例2−(9)に記載の方法であらかじめBSA
を固定化しておいたプレートに1000pfuのPM5n
eoウイルス、2000個のNIH/3T3細胞、およ
び終濃度0.63nmol/mlの各ポリペプチド(H−27
1、CH−271、H2−547、CH2−826)を
含む2mlのDMEM培地を加えて37℃、24時間イン
キュベートした後、非付着細胞はデカンテーションによ
って、またプレートに付着した細胞はトリプシン処理に
よってプレートから剥がすことによってそれぞれ採取
し、両者を合わせた。また、対照としてポリペプチドを
添加しないものについても同様の操作で導入実験を行っ
た。得られた細胞懸濁液を2等分して一方をDMEM、
他方を終濃度0.75mg/mlのG418を含むDMEM
とともに37℃で10日間培養し、出現したコロニー数
を数えた。G418を含まない培地で得られたコロニー
数に対するG418耐性コロニー数の割合を遺伝子導入
効率とし、その結果を図15に示す。図中、横軸は使用
した機能性物質、縦軸は遺伝子導入効率を示す。
【0237】図15に示されるように、H2−547存
在下での遺伝子導入効率はCH−271存在下に比べて
著しく高く、またCH2−826でもCH−271と同
等あるいはそれ以上の遺伝子導入効率が得られた。
【0238】さらに詳細な検討を行った。ポリペプチド
としてCH−271、CH−296、H2−547を使
用し、それぞれプレートあたり0.126nmol(終濃度
0.063nmol/ml)、1.26nmol(終濃度0.63
nmol/ml)の2通りの量で用いた他は上記と同様に操作
した。図16に得られた結果を示す。図中、横軸は使用
した機能性物質とその量、縦軸は遺伝子導入効率を示
す。
【0239】図16に示されるようにH2−547を用
いた場合には、用いた2通りのポリペプチド量のどちら
でもCH−271、CH−296に比べて有意に高い遺
伝子導入効率が得られた。
【0240】(2)H2S−573を用いたマウス骨髄
細胞への遺伝子導入 骨髄細胞へのレトロウイルス感染に対するH2S−57
3の効果を調べるため、実施例4−(4)に記載の方法
でマウス骨髄細胞への遺伝子導入を実験を行った。
【0241】マウス骨髄細胞は上記実施例に記載の方法
に従って調製し、予備刺激を行った。なお、レトロウイ
ルス感染時のプレートにはH2S−573[160pmol
/cm 2(10μg/cm2)]を固定化したものの他、CH
−296[132pmol/cm2(8.3μg/cm2)]を固
定化したもの、および対照としてBSAを固定化したも
のを用いた。HPP−CFCアッセイにより得られた結
果を図17に示す。図中、横軸は使用した機能性物質、
縦軸は遺伝子導入効率を示す。
【0242】図17に示されるように、対照として使用
したBSA固定化プレートではG418耐性の高密度コ
ロニーの出現は見られない。CH−296固定化プレー
トでは約50%の遺伝子導入効率が得られているが、H
2S−573固定化プレートを用いた場合にはこれより
も高い効率でG418耐性の高密度コロニーが得られ
た。
【0243】実施例6 (1)非固定の機能性物質を用いた遺伝子導入 ポリペプチドがプレート上に固定されない状態で共存す
る場合にレトロウイルスの感染効率に与える影響につい
て以下のようにして調べた。すなわち、実施例2−
(9)に記載の方法によりあらかじめBSAを固定化し
ておいたプレートに100cfuのPM5neoウイル
ス、2000個のNIH/3T3細胞、および終濃度1
0、40、250μg/ml(それぞれ0.158、0.
632、3.950nmol/mlに相当)のCH−296を
含む2mlのDMEM培地を加えて24時間インキュベー
ションした後、非付着細胞はデカンテーションによっ
て、またプレートに付着した細胞はトリプシン処理の後
にプレートから剥がすことによってそれぞれ採取し、両
者を合わせた。得られた細胞懸濁液を10cm細胞培養用
プレートに移して24時間インキュベートした後、培地
を終濃度0.75mg/mlのG418を含むDMEMに交
換してさらに10日間培養した。また、対照としてCH
−296を添加しないもの、および32pmol/cm2(2
μg/cm2)、127pmol/cm2(8μg/cm2)のCH−
296を固定化したプレートを用いてこれにウイルス上
清液と細胞を加えたものについて上記同様に操作した。
こうして得られたG418耐性コロニーの数を数え、結
果を表1にまとめた。
【0244】
【表1】
【0245】表1に示されるように溶液中に細胞、ウイ
ルス、CH−296が共存する場合にはCH−296非
存在下に比べてG418耐性コロニー数が大幅に増加し
た。また、その数はCH−296を固定化したプレート
を用いた場合と同等か、もしくはそれよりも多かった。
なお、BSA固定化プレートに上記の各濃度のCH−2
96溶液を添加してしばらく放置した後にプレートを洗
浄してウイルス感染実験に用いた場合には、上記のCH
−296を添加しない場合と同程度のG418耐性コロ
ニーしか得られないことから、BSA固定化プレートに
はCH−296が結合しないことがわかる。従って上記
のCH−296によるレトロウイルス感染促進効果はイ
ンキュベート中に溶液中のCH−296がプレートに結
合してもたらされたものではないと考えられる。
【0246】(2)非固定の機能性物質を用いた遺伝子
導入 ポリペプチドがプレート上に固定されない状態で共存す
る場合にレトロウイルスの感染効率に与える影響につい
て以下のようにして調べた。すなわち、実施例2−
(9)に記載の方法によりあらかじめBSAを固定化し
ておいたプレートに1000cfuのPM5neoウイル
ス、2000個のNIH/3T3細胞、および終濃度
1.67nmol/mlのC−FGF・A、ColV、C27
7−ColVをそれぞれ含む2mlのDMEM培地を加え
て37℃、24時間インキュベーションした後、非付着
細胞はデカンテーションによって、またプレートに付着
した細胞はトリプシン処理の後にプレートから剥がすこ
とによってそれぞれ採取し、両者を合わせた。得られた
細胞懸濁液を二分して一方をDMEM、もう一方を終濃
度0.75mg/mlのG418を含むDMEMとともに3
7℃で10日間培養し、出現したコロニー数を数えた。
G418を含まない培地で得られたコロニー数に対する
G418耐性コロニー数の割合を遺伝子導入効率とし、
その結果を図18に示す。図中、横軸は使用した機能性
物質、縦軸は遺伝子導入効率を示す。
【0247】図18に示されるように、各ポリペプチド
がウイルス感染時に共存する場合には高い遺伝子導入効
率が得られており、これらのポリペプチドがプレート上
に固定されない状態でもレトロウイルス感染の促進効果
を有することが明らかとなった。
【0248】(3)非固定の機能性物質を用いた浮遊細
胞への遺伝子導入 非固定のポリペプチドが浮遊細胞への遺伝子導入効率に
与える影響について以下のようにして調べた。すなわ
ち、実施例2−(9)に記載の方法により333pmol/
cm2(10μg/cm2)のH−271を固定化したプレー
ト、およびBSAを固定化したプレートのそれぞれに1
×104cfu/のTKNEOウイルス、1×104個のT
F−1細胞を含む2mlのRPMI1640培地[5ng/
ml GM−CFS、50単位/ml ペニシリン、50μg
/mlストレプトマイシンを含むもの]を加え、さらにB
SAを固定化したプレートには終濃度50μg/ml
(1.67nmol/ml)のH−271を加えて37℃で2
4時間インキュベーションした。インキュベーション終
了後、非付着細胞はデカンテーションによって、またプ
レートに付着した細胞はトリプシン処理を行ってそれぞ
れ採取し、これらを合わせた。得られた細胞懸濁液のう
ちの1/5づつをCH−296を固定化したプレート2
枚に移して24時間インキュベートした後、培地を一方
は上記の培地、またもう一方は終濃度0.75mg/mlの
G418を含む上記の培地に交換して37℃で8日間培
養し、出現したコロニー数を数えた。G418の存在
下、非存在下に出現したコロニー数よりG418耐性コ
ロニーの出現率(遺伝子導入効率)を算出した。得られ
た結果を図19に示す。図中、横軸は使用した機能性物
質とその使用形態、縦軸は遺伝子導入効率を示す。
【0249】図19に示されるように、非固定のH−2
71を使用した場合にはH−271を固定化したプレー
トよりも高い遺伝子導入効率が得られており、TF−1
細胞への遺伝子導入にH−271を使用する際には、非
固定の状態の方が好ましいことが示された。
【0250】(4)ポリペプチドによるレトロウイルス
感染促進の機構の解明 上記実施例に示された、非固定のポリペプチドによる細
胞へのレトロウイルス感染の促進が細胞とポリペプチド
との結合、およびポリペプチドとレトロウイルスとの結
合を介して起こっていることを確かめるために以下に示
すような実験を行った。まず実施例2−(9)に記載の
方法で調製したBSA固定化プレートに1000個のN
IH/3T3細胞を含む2mlのDMEMを加え、37℃
で24時間生育させた。このプレートより培地を除き、
それぞれ2mlの1.67nmol/mlのH−271、CH−
271、C−FGF・Aおよび対照としてPBSを加え
て37℃、2.5時間インキュベートした後、25mM
ヘペス(HEPES)を含むハンクス平衡塩類溶液(H
BSS、Gibco社製)でプレートを洗浄した。次に
1000cfuのPM5neoウイルスを含む2mlのウイ
ルス上清液をプレートに加えて37℃、30分間インキ
ュベートした後、PBSでプレートを洗浄した。このプ
レートに2mlのDMEMを加えて37℃、24時間イン
キュベートした後に非付着細胞はデカンテーションによ
って、またプレートに付着した細胞はトリプシン処理の
後にプレートから剥がすことによってそれぞれ採取し、
両者を合わせた。得られた細胞懸濁液を二分して一方を
DMEM、もう一方を終濃度0.75mg/mlのG418
を含むDMEMとともに37℃で10日間培養し、出現
したコロニー数を数えた。G418を含まない培地で得
られたコロニー数に対するG418耐性コロニー数の割
合を遺伝子導入効率とし、その結果を図20に示す。図
中、横軸は使用した機能性物質、縦軸は遺伝子導入効率
を示す。
【0251】図20に示されるようにプレート上の細胞
を上記のポリペプチド溶液で処理した後にウイルス感染
を行った場合には著しい感染効率の上昇が見られた。こ
のことは細胞にポリペプチドが結合し、さらに細胞上の
ポリペプチドにレトロウイルスが結合することによって
レトロウイルスの感染効率の上昇が起こることを示唆し
ている。
【0252】さらに、添加するポリペプチドを、0.2
9nmol/mlのC−FGF・A、および0.79nmol/ml
のCH−296に変更し、上記同様の実験を行った。図
21にその結果を示す。図中、横軸は使用した機能性物
質、縦軸は遺伝子導入効率を示す。図21に示されるよ
うにC−FGF・A、およびCH−296を添加した場
合には遺伝子導入効率の上昇が見られており、C−FG
F・Aについて上記の活性が確認されるとともに、CH
−296も同じ機構でレトロウイルスの感染を促進する
活性を有することが示された。
【0253】実施例7 (1)機能性物質を固定化したビーズを用いた遺伝子導
入 機能性物質を固定化したビーズを用いてレトロウイルス
感染効率を上げることが可能かどうかを以下に示す操作
によって調べた。ビーズには粒子径1.14μmのポリ
スチレンビーズ(ポリビーズ ポリスチレン ミクロス
フェア、ポリサイエンス社製)を用いた。上記ビーズの
2.5%懸濁液20μlにエタノール80μl、および4
0μg/mlのCH−296溶液 2mlを加えて4℃で一夜
静置した後、BSAおよびPBSを加えて4mlの1%B
SA/PBS懸濁液とした。この懸濁液より遠心分離に
よって回収したビーズを再度5mlの1%BSA/PBS
に懸濁し、室温で1時間静置してCH−296固定化ビ
ーズの懸濁液を得た。なお対照としてCH−296溶液
のかわりに2%BSAを使用して固定化操作を行ったビ
ーズも同様に調製した。
【0254】上記のビーズ懸濁液のうち1/10量
(0.5ml)をとり、これより遠心分離によってビーズ
を回収した後、これに1000cfuのPM5neoウイ
ルスを含むDMEMを加えて37℃、30分間インキュ
ベートした。ビーズを1%BSA/PBSで2回洗浄
後、2mlのDMEMに懸濁して1mlをプレートに移し、
3×105個のNIH/3T3細胞を含む1mlのDME
Mを加え、COインキュベーター中、37℃で24時
間インキュベートした。その後、培地を終濃度0.75
mg/mlのG418を含むDMEMに交換し、さらに10
日間培養し、出現したコロニーを染色、計数した。表2
にその結果を示す。
【0255】表2に示されるようにCH−296を固定
化したビーズを使用した場合には264個のG418耐
性コロニーが出現したのに対し、対照として用いたBS
A固定化ビーズではまったく耐性コロニーは得られなか
った。このことはCH−296をビーズ上に固定化した
場合でもプレートの場合同様にレトロウイルスの感染効
率を上げる効果を持つことを示している。
【0256】
【表2】
【0257】(2)機能性物質を固定化したビーズを用
いたマウス骨髄細胞への遺伝子導入 機能性物質を固定化したビーズを用いてマウス骨髄細胞
へのレトロウイルス感染効率を上げることが可能かどう
かを以下に示す操作によって調べた。
【0258】マウス骨髄細胞は実施例4−(4)に記載
の方法に従って調製し、予備刺激を行った。
【0259】実施例2−(9)に記載の方法に従ってB
SAを固定化したプレート、これに実施例7−(1)に
記載の方法で調製したCH−296固定化ビーズのうち
1/10量を添加したもののそれぞれに1×106個の
予備刺激した骨髄細胞と1×104cfuのPM5neoウ
イルスとを含む上記の予備刺激に用いられた培地 2ml
を添加して37℃でインキュベートした。2時間後に同
量のウイルスを含む同様の培地(2ml)を新たにプレー
トに追加し、さらに22時間インキュベートを続けた。
インキュベート終了後、非接着細胞はデカンテーション
によって、またプレートに接着した細胞は細胞解離緩衝
液(CDB、酵素を含まない、ギブコ社製)を使用して
それぞれ採集し、これらを合わせて同緩衝液で2回洗浄
した後、細胞数を計数した。採集した細胞は実施例4−
(4)に記載の方法に従いHPP−CFCアッセイに供
した。
【0260】結果を図22に示す。図中、横軸は使用さ
れた機能性物質とその使用形態、縦軸は遺伝子導入効率
を示す。この結果より、CH−296固定化ビーズを用
いた場合でもマウス骨髄細胞へのレトロウイルス感染効
率を上げることが可能であることがわかった。
【0261】実施例8 (1)H−271、およびCH−271を用いた遺伝子
導入 H−271のレトロウイルス感染に対する影響を、H−
271、およびレトロウイルス感染の促進を示すことが
知られているCH−271を固定化したプレート中でウ
イルス上清液をプレインキュベーションした後、プレー
トを徹底的に洗浄し、そこに残存するウイルスの量をN
IH/3T3細胞コロニー形成アッセイで測定し、両者
の結果を比較することにより評価した。すなわち、実施
例2−(9)記載の方法により種々の濃度のH−271
[67pmol/cm2(2μg/cm2)〜333pmol/cm2(1
0μg/cm2)]、およびCH−271[67pmol/cm2
(4μg/cm2)〜333pmol/cm2(20μg/cm2)]
を用いて固定化操作を行ったプレートのそれぞれに10
00cfuのPM5neoウイルスを含む2mlのウイルス
上清液を加えて37℃、30分間プレインキュベーショ
ンした後、PBSを用いてプレートを徹底的に洗浄し
た。このプレートに2000個のNIH/3T3細胞を
含む2mlのDMEM培地を加えて37℃、24時間イン
キュベーションし、その後0.75mg/mlのG418を
含む選択培地中で10日間増殖させ、それに続いてコロ
ニーを染色し、計数した。その結果を図23に示す。図
23は機能性物質と遺伝子導入効率の関係を示す図であ
り、横軸はポリペプチドの使用量、縦軸はG418耐性
コロニー数を示す。
【0262】図23に示されるように、CH−271を
用いた場合には固定化操作に用いたポリペプチド濃度に
かかわらずほぼ同程度のG418耐性コロニーが出現し
た。これに対し、H−271では固定化の際のポリペプ
チド濃度を上げることにより濃度依存的に出現コロニー
数が増加しており、333pmol/cm2で固定化を行った
ものではCH−271と同程度のG418耐性コロニー
が得られた。このことは十分量のH−271を用いてプ
レートの固定化を行うことにより、CH−271と実質
上同等のウイルス感染効率が得られることを示してい
る。
【0263】(2)C−FGF・Aを用いた遺伝子導入 C−FGF・Aポリペプチドのレトロウイルス感染に対
する影響をNIH/3T3細胞コロニー形成アッセイに
よって調べた。すなわち、実施例2−(9)に記載の方
法により127pmol/cm2(6μg/cm2)のC−FGF
・Aで固定化を行ったプレート、127pmol/cm
2(7.6μg/cm2)のCH−271で固定化を行った
プレート、127pmol/cm2(8μg/cm2)のCH−2
96で固定化を行ったプレート、およびBSAを固定化
した対照プレートを使用した他は実施例8−(1)と全
く同じ方法で評価した。その結果を図24に示す。図2
4は機能性物質と遺伝子導入効率の関係を示す図であ
り、横軸に使用した機能性物質およびBSAを、縦軸に
G418耐性コロニー数を示す。
【0264】図24に示されるように、対照として使用
したBSAを固定化したプレートではコロニーが出現し
なかった。一方、C−FGF・Aを固定化したプレート
を用いた場合にはG418耐性コロニーの出現が確認さ
れ、その数はCH−271、およびCH−296を用い
たものと同程度であった。このことはFGF分子上にC
H−271、およびCH−296と実質的に同等の機能
を有するレトロウイルス結合部位が存在していることを
示している。
【0265】(3)C−FGF−CS1を用いた遺伝子
導入 C−FGF−CS1ポリペプチドのレトロウイルス感染
に対する影響を以下に示す操作によって調べた。すなわ
ち、それぞれ133pmol/cm2のC−FGF−CS1
(6.7μg/cm2)、C−FGF・A(6.3μg/c
m2)、CH−271(8μg/cm2)、CH−296
(8.4μg/cm2)を用いて実施例2−(9)に記載の
方法でプレートの固定化を行い、これを用いて実施例8
−(1)同様のNIH/3T3細胞コロニー形成アッセ
イを行った。その結果を図25に示す。図25は機能性
物質と遺伝子導入効率の関係を示す図であり、横軸に使
用した機能性物質を、縦軸にG418耐性コロニー数を
示す。
【0266】図25に示されるように、これら4種のポ
リペプチドを固定化したプレートではほぼ同数のG41
8耐性コロニーが出現しており、C−FGF−CS1分
子も他のポリペプチドと実質的に同等のレトロウイルス
結合活性を有していることを示している。
【0267】(4)C277−ColVを用いた遺伝子
導入 C277−ColVポリペプチドのレトロウイルス感染
に対する影響を、124pmol/cm2(6.4μg/cm2
のC277−ColVで固定化を行ったプレート、およ
びBSAを固定化した対照プレートを用いて実施例8−
(1)と同様の方法で評価した。その結果を図26に示
す。図26は機能性物質と遺伝子導入効率の関係を示す
図であり、横軸に使用した機能性物質およびBSAを、
縦軸にG418耐性コロニー数を示す。
【0268】図26に示されるようにBSAを用いた対
照プレートではコロニーが見られなかったのに対し、C
277−ColVを固定化したプレートではG418耐
性コロニーの出現が確認された。このことはColV分
子上にレトロウイルス結合部位が存在しているために洗
浄後のプレート上にレトロウイルスが残存していること
を示している。
【0269】
【発明の効果】以上記載したごとく、本発明により、レ
トロウイルスを用いて標的細胞に効率よく遺伝子導入す
る方法が提供される。目的とする標的細胞に適した細胞
結合性の物質を選択して本発明の方法を実施することに
より、特殊なレトロウイルスベクターを必要とせず、簡
便かつ高効率で遺伝子導入された標的細胞を取得するこ
とができる。遺伝子導入された細胞の脊椎動物への移植
により、形質転換動物が簡便に作製され、本発明の方法
は医療的分野、細胞工学的分野、遺伝子工学的分野、発
生工学的分野等において有用である。また本発明の機能
性物質、およびその混合物を含有する培地、標的細胞へ
のレトロウイルス介在遺伝子導入を行うためのキットも
提供され、これらの培地、キットを用いることにより、
レトロウイルスの配置、標的細胞への外来遺伝子の導入
などを簡便に効率よく行うことができる。
【0270】
【配列表フリーテキスト】
SEQ ID NO: 1: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 2: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 3: Fibroblast growth factor SEQ ID NO: 4: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 5: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 6: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 7: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 8: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 9: Synthetic DNA SEQ ID NO: 10: Synthetic DNA SEQ ID NO: 11: Synthetic DNA SEQ ID NO: 12: Synthetic DNA SEQ ID NO: 13: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 14: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 15: Synthetic DNA SEQ ID NO: 16: Synthetic DNA SEQ ID NO: 17: DNA encoding artificial polypeptide SEQ ID NO: 18: Synthetic DNA SEQ ID NO: 19: Synthetic DNA SEQ ID NO: 20: DNA encoding artificial polypeptide SEQ ID NO: 21: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 22: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 23: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 24: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 25: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 26: DNA encoding artificial polypeptide SEQ ID NO: 27: DNA encoding artificial polypeptide SEQ ID NO: 28: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 29: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 30: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 31: Synthetic DNA SEQ ID NO: 32: Synthetic DNA SEQ ID NO: 33: DNA encoding artificial polypeptide SEQ ID NO: 34: Artificial polypeptide SEQ ID NO: 35: Synthetic DNA SEQ ID NO: 36: Synthetic DNA SEQ ID NO: 37: Synthetic DNA SEQ ID NO: 38: Synthetic DNA SEQ ID NO: 39: DNA encoding artificial polypeptide
【0271】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Takara Shuzo Co., Ltd. <120> Method for gene introduction into target cells by retrovirus <130> 183112 <150> JP 07-294382 <151> 1995-11-13 <150> JP 08-051847 <151> 1996-03-08 <150> JP 09-518731 <151> 1996-11-07 <160> 39 <210> 1 <211> 271 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificial polypeptide <400> 1 Ala Ile Pro Ala Pro Thr Asp Leu Lys Phe Thr Gln Val Thr Pro 1 5 10 15 Thr Ser Leu Ser Ala Gln Trp Thr Pro Pro Asn Val Gln Leu Thr 20 25 30 Gly Tyr Arg Val Arg Val Thr Pro Lys Glu Lys Thr Gly Pro Met 35 40 45 Lys Glu Ile Asn Leu Ala Pro Asp Ser Ser Ser Val Val Val Ser 50 55 60 Gly Leu Met Val Ala Thr Lys Tyr Glu Val Ser Val Tyr Ala Leu 65 70 75 Lys Asp Thr Leu Thr Ser Arg Pro Ala Gln Gly Val Val Thr Thr 80 85 90 Leu Glu Asn Val Ser Pro Pro Arg Arg Ala Arg Val Thr Asp Ala 95 100 105 Thr Glu Thr Thr Ile Thr Ile Ser Trp Arg Thr Lys Thr Glu Thr 110 115 120 Ile Thr Gly Phe Gln Val Asp Ala Val Pro Ala Asn Gly Gln Thr 125 130 135 Pro Ile Gln Arg Thr Ile Lys Pro Asp Val Arg Ser Tyr Thr Ile 140 145 150 Thr Gly Leu Gln Pro Gly Thr Asp Tyr Lys Ile Tyr Leu Tyr Thr 155 160 165 Leu Asn Asp Asn Ala Arg Ser Ser Pro Val Val Ile Asp Ala Ser 170 175 180 Thr Ala Ile Asp Ala Pro Ser Asn Leu Arg Phe Leu Ala Thr Thr 185 190 195 Pro Asn Ser Leu Leu Val Ser Trp Gln Pro Pro Arg Ala Arg Ile 200 205 210 Thr Gly Tyr Ile Ile Lys Tyr Glu Lys Pro Gly Ser Pro Pro Arg 215 220 225 Glu Val Val Pro Arg Pro Arg Pro Gly Val Thr Glu Ala Thr Ile 230 235 240 Thr Gly Leu Glu Pro Gly Thr Glu Tyr Thr Ile Tyr Val Ile Ala 245 250 255 Leu Lys Asn Asn Gln Lys Ser Glu Pro Leu Ile Gly Arg Lys Lys 260 265 270 Thr <210> 2 <211> 25 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificial polypeptide <400> 2 Asp Glu Leu Pro Gln Leu Val Thr Leu Pro His Pro Asn Leu His 1 5 10 15 Gly Pro Glu Ile Leu Asp Val Pro Ser Thr 20 25 <210> 3 <211> 155 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Fibroblast growth factor <400> 3 Met Ala Ala Gly Ser Ile Thr Thr Leu Pro Ala Leu Pro Glu Asp 1 5 10 15 Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly His Phe Lys Asp Pro Lys 20 25 30 Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe Leu Arg Ile His Pro 35 40 45 Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg Glu Lys Ser Asp Pro His Ile 50 55 60 Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu Arg Gly Val Val Ser Ile Lys 65 70 75 Gly Val Cys Ala Asn Arg Tyr Leu Ala Met Lys Glu Asp Gly Arg 80 85 90 Leu Leu Ala Ser Lys Cys Val Thr Asp Glu Cys Phe Phe Phe Glu 95 100 105 Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr 110 115 120 Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu 125 130 135 Gly Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro 140 145 150 Met Ser Ala Lys Ser 155 <210> 4 <211> 432 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificial polypeptide <400> 4 Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5 10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20 25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu Glu Asp Val Ala Glu Leu 35 40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val Val Leu Thr Asn Leu Leu 50 55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65 70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80 85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95 100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110 115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125 130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140 145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile Val Ala Leu Asn Gly Arg 155 160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln Gln Ser Thr Val Ser Asp 170 175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185 190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200 205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn Ser Pro Val Gln Glu Phe 215 220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230 235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245 250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260 265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser Met Ala Ala Gly Ser Ile Thr Thr 275 280 285 Leu Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro 290 295 300 Gly His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly 305 310 315 Phe Phe Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg 320 325 330 Glu Lys Ser Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu 335 340 345 Arg Gly Val Val Ser Ile Lys Gly Val Cys Ala Asn Arg Tyr Leu 350 355 360 Ala Met Lys Glu Asp Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Cys Val Thr 365 370 375 Asp Glu Cys Phe Phe Phe Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn 380 385 390 Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys 395 400 405 Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln 410 415 420 Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser Ala Lys Ser 425 430 <210> 5 <211> 457 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificial polypeptide <400> 5 Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5 10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20 25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu Glu Asp Val Ala Glu Leu 35 40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val Val Leu Thr Asn Leu Leu 50 55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65 70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80 85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95 100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110 115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125 130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140 145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile Val Ala Leu Asn Gly Arg 155 160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln Gln Ser Thr Val Ser Asp 170 175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185 190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200 205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn Ser Pro Val Gln Glu Phe 215 220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230 235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245 250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260 265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser Met Ala Ala Gly Ser Ile Thr Thr 275 280 285 Leu Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro 290 295 300 Gly His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly 305 310 315 Phe Phe Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg 320 325 330 Glu Lys Ser Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu 335 340 345 Arg Gly Val Val Ser Ile Lys Gly Val Cys Ala Asn Arg Tyr Leu 350 355 360 Ala Met Lys Glu Asp Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Cys Val Thr 365 370 375 Asp Glu Cys Phe Phe Phe Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn 380 385 390 Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys 395 400 405 Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln 410 415 420 Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser Ala Ala Ser Asp Glu Leu 425 430 435 Pro Gln Leu Val 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Leu Pro Gly His Pro 170 175 180 Gly Gln Arg Gly Glu Thr 185 <210> 7 <211> 464 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificial polypeptide <400> 7 Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5 10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20 25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu Glu Asp Val Ala Glu Leu 35 40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val Val Leu Thr Asn Leu Leu 50 55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65 70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80 85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95 100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110 115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125 130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140 145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile Val Ala Leu Asn Gly Arg 155 160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln Gln Ser Thr Val Ser Asp 170 175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185 190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200 205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn Ser Pro Val Gln Glu Phe 215 220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230 235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245 250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260 265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser Met Gly Ile Arg Gly Leu Lys Gly 275 280 285 Thr Lys Gly Glu Lys Gly Glu Asp Gly Phe Pro Gly Phe Lys Gly 290 295 300 Asp Met Gly Ile Lys Gly Asp Arg Gly Glu Ile Gly Pro Pro Gly 305 310 315 Pro Arg Gly Glu Asp Gly Pro Glu Gly Pro Lys Gly Arg Gly Gly 320 325 330 Pro Asn Gly Asp Pro Gly Pro Leu Gly Pro Pro Gly Glu Lys Gly 335 340 345 Lys Leu Gly Val Pro Gly Leu Pro Gly Tyr Pro Gly Arg Gln Gly 350 355 360 Pro Lys Gly Ser Ile Gly Phe Pro Gly Phe Pro Gly Ala Asn Gly 365 370 375 Glu Lys Gly Gly Arg Gly Thr Pro Gly Lys Pro Gly Pro Arg Gly 380 385 390 Gln Arg Gly Pro Thr Gly Pro Arg Gly Glu Arg Gly Pro Arg Gly 395 400 405 Ile Thr Gly Lys Pro Gly Pro Lys Gly Asn Ser Gly Gly Asp Gly 410 415 420 Pro Ala Gly Pro Pro Gly Glu Arg Gly Pro Asn Gly Pro Gln Gly 425 430 435 Pro Thr Gly Phe Pro Gly Pro Lys Gly Pro Pro Gly Pro Pro Gly 440 445 450 Lys Asp Gly Leu Pro Gly His Pro Gly Gln Arg Gly Glu Thr 455 460 <210> 8 <211> 489 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Artificial polypeptide <400> 8 Pro Thr Asp Leu Arg Phe Thr Asn Ile Gly Pro Asp Thr Met Arg 1 5 10 15 Val Thr Trp Ala Pro Pro Pro Ser Ile Asp Leu Thr Asn Phe Leu 20 25 30 Val Arg Tyr Ser Pro Val Lys Asn Glu Glu Asp Val Ala Glu Leu 35 40 45 Ser Ile Ser Pro Ser Asp Asn Ala Val Val Leu Thr Asn Leu Leu 50 55 60 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Val Ser Ser Val Tyr Glu Gln 65 70 75 His Glu Ser Thr Pro Leu Arg Gly Arg Gln Lys Thr Gly Leu Asp 80 85 90 Ser Pro Thr Gly Ile Asp Phe Ser Asp Ile Thr Ala Asn Ser Phe 95 100 105 Thr Val His Trp Ile Ala Pro Arg Ala Thr Ile Thr Gly Tyr Arg 110 115 120 Ile Arg His His Pro Glu His Phe Ser Gly Arg Pro Arg Glu Asp 125 130 135 Arg Val Pro His Ser Arg Asn Ser Ile Thr Leu Thr Asn Leu Thr 140 145 150 Pro Gly Thr Glu Tyr Val Val Ser Ile Val Ala Leu Asn Gly Arg 155 160 165 Glu Glu Ser Pro Leu Leu Ile Gly Gln Gln Ser Thr Val Ser Asp 170 175 180 Val Pro Arg Asp Leu Glu Val Val Ala Ala Thr Pro Thr Ser Leu 185 190 195 Leu Ile Ser Trp Asp Ala Pro Ala Val Thr Val Arg Tyr Tyr Arg 200 205 210 Ile Thr Tyr Gly Glu Thr Gly Gly Asn Ser Pro Val Gln Glu Phe 215 220 225 Thr Val Pro Gly Ser Lys Ser Thr Ala Thr Ile Ser Gly Leu Lys 230 235 240 Pro Gly Val Asp Tyr Thr Ile Thr Val Tyr Ala Val Thr Gly Arg 245 250 255 Gly Asp Ser Pro Ala Ser Ser Lys Pro Ile Ser Ile Asn Tyr Arg 260 265 270 Thr Glu Ile Asp Lys Pro Ser Met Gly Ile Arg Gly Leu Lys Gly 275 280 285 Thr Lys Gly Glu Lys Gly Glu Asp Gly Phe Pro Gly Phe Lys Gly 290 295 300 Asp Met Gly Ile Lys Gly Asp Arg Gly Glu Ile Gly Pro Pro Gly 305 310 315 Pro Arg Gly Glu Asp Gly Pro Glu Gly Pro Lys 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Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 36 GTTGGTGAGG GAGGTGGTGG ATAT 24 <210> 37 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 37 GGCCTCCCGA ATTCCGGTGC CCCACCACGC CTC 33 <210> 38 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic DNA <400> 38 CCCACGTGGA TCCATGGCTA ATCTGTCCCC TGT 33 <210> 39 <211> 1239 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA encoding artificial polypeptide <400> 39 ATGTCCCCTA TACTAGGTTA TTGGAAAATT AAGGGCCTTG TGCAACCCAC TCGACTTCTT 60 TTGGAATATC TTGAAGAAAA ATATGAAGAG CATTTGTATG AGCGCGATGA AGGTGATAAA 120 TGGCGAAACA AAAAGTTTGA ATTGGGTTTG GAGTTTCCCA ATCTTCCTTA TTATATTGAT 180 GGTGATGTTA AATTAACACA GTCTATGGCC ATCATACGTT ATATAGCTGA CAAGCACAAC 240 ATGTTGGGTG GTTGTCCAAA AGAGCGTGCA GAGATTTCAA TGCTTGAAGG AGCGGTTTTG 300 GATATTAGAT ACGGTGTTTC GAGAATTGCA TATAGTAAAG ACTTTGAAAC TCTCAAAGTT 360 GATTTTCTTA GCAAGCTACC TGAAATGCTG AAAATGTTCG AAGATCGTTT ATGTCATAAA 420 ACATATTTAA ATGGTGATCA TGTAACCCAT CCTGACTTCA TGTTGTATGA CGCTCTTGAT 480 GTTGTTTTAT ACATGGACCC AATGTGCCTG GATGCGTTCC CAAAATTAGT TTGTTTTAAA 540 AAACGTATTG AAGCTATCCC ACAAATTGAT AAGTACTTGA AATCCAGCAA GTATATAGCA 600 TGGCCTTTGC AGGGCTGGCA AGCCACGTTT GGTGGTGGCG ACCATCCTCC AAAATCGGAT 660 CTGATCGAAG GTCGTGGGAT CCCCAGGAAT TCCGGTGCCC CACCACGCCT CATCTGTGAC 720 AGCCGAGTCC TGCAGAGGTA CCTCTTGGAG GCCAAGGAGG CCGAGAATAT CACGACGGGC 780 TGTGCTGAAC ACTGCAGCTT GAATGAGAAT ATCACTGTCC CAGACACCAA AGTTAATTTC 840 TATGCCTGGA AGAGGATGGA GGTCGGGCAG CAGGCCGTAG AAGTCTGGCA GGGCCTGGCC 900 CTGCTGTCGG AAGCTGTCCT GCGGGGCCAG GCCCTGTTGG TCAACTCTTC CCAGCCGTGG 960 GAGCCCCTGC AGCTGCATGT GGATAAAGCC GTCAGTGGCC TTCGCAGCCT CACCACTCTG 1020 CTTCGGGCTC TGGGAGCCCA GAAGGAAGCC ATCTCCCCTC CAGATGCGGC CTCAGCTGCT 1080 CCACTCCGAA CAATCACTGC TGACACTTTC CGCAAACTCT TCCGAGTCTA CTCCAATTTC 1140 CTCCGGGGAA AGCTGAAGCT GTACACAGGG GAGGCCTGCA GGACAGGGGA CAGATTAGCC 1200 ATGGATCCTC TAGAGTCGAC TCGAGCGGCC GCATCGTGA 1239
【図面の簡単な説明】
【図1】 線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子を
含有する機能性物質、および線維芽細胞増殖因子とフィ
ブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチドの混合物によ
る標的細胞への遺伝子導入効率を示すグラフである。
【図2】 線維芽細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子と
フィブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチドの混合
物、およびフィブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチ
ドによる標的細胞への遺伝子導入効率を示すグラフであ
る。
【図3】 コラーゲンフラグメント、フィブロネクチン
の細胞接着部位ポリペプチドとコラーゲンフラグメント
の混合物、コラーゲンフラグメントを含有する機能性物
質、およびフィブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチ
ドによる標的細胞への遺伝子導入効率を示すグラフであ
る。
【図4】 フィブロネクチンフラグメント、およびフィ
ブロネクチンフラグメントとフィブロネクチンの細胞接
着部位ポリペプチドの混合物による標的細胞への遺伝子
導入効率を示すグラフである。
【図5】 フィブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチ
ド、ポリリジン、ポリリジンとフィブロネクチンの細胞
接着部位ポリペプチドの混合物、フィブロネクチンフラ
グメント、およびフィブロネクチンフラグメントとフィ
ブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチドの混合物によ
る標的細胞への遺伝子導入効率を示すグラフである。
【図6】 エリスロポエチン誘導体、ポリリジン、およ
びエリスロポエチン誘導体とポリリジンの混合物による
標的細胞への遺伝子導入効率を示すグラフである。
【図7】 エリスロポエチン誘導体、フィブロネクチン
フラグメント重合体、およびエリスロポエチン誘導体と
フィブロネクチンフラグメント重合体の混合物による標
的細胞への遺伝子導入効率を示すグラフである。
【図8】 フィブロネクチンフラグメント固定化ビー
ズ、フィブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチド固定
化ビーズ、およびフィブロネクチンフラグメントとフィ
ブロネクチンの細胞接着部位ポリペプチドの混合物を固
定化したビーズによる標的細胞への遺伝子導入効率を示
すグラフである。
【図9】 線維芽細胞増殖因子、および線維芽細胞増殖
因子を含有する機能性物質による標的細胞への遺伝子導
入を示すグラフである。
【図10】 線維芽細胞増殖因子を含有する機能性物質
の使用量と、標的細胞への遺伝子導入の関係を示すグラ
フである。
【図11】 線維芽細胞増殖因子を含有する機能性物質
による標的細胞への遺伝子導入を示すグラフである。
【図12】 線維芽細胞増殖因子を含有する機能性物質
による標的細胞への遺伝子導入効率を示すもう一つのグ
ラフである。
【図13】 コラーゲンフラグメントを含有する機能性
物質の使用量と、標的細胞への遺伝子導入の関係を示す
グラフである。
【図14】 ポリリジンによる標的細胞への遺伝子導入
効率を示すグラフである。
【図15】 フィブロネクチンフラグメントおよびフィ
ブロネクチンフラグメント重合体による標的細胞への遺
伝子導入効率を示すグラフである。
【図16】 フィブロネクチンフラグメントおよびフィ
ブロネクチンフラグメント重合体による標的細胞への遺
伝子導入効率を示すもうひとつのグラフである。
【図17】 フィブロネクチンフラグメントおよびフィ
ブロネクチンフラグメント重合体による標的細胞への遺
伝子導入効率を示すさらにもうひとつのグラフである。
【図18】 線維芽細胞増殖因子を含有する機能性物
質、コラーゲンフラグメント、およびコラーゲンフラグ
メントを含有する機能性物質による標的細胞への遺伝子
導入効率を示すグラフである。
【図19】 フィブロネクチンフラグメントによる標的
細胞への遺伝子導入効率を示すグラフである。
【図20】 フィブロネクチンフラグメントおよび線維
芽細胞増殖因子を含有する機能性物質による標的細胞へ
の遺伝子導入効率を示すグラフである。
【図21】 線維芽細胞増殖因子を含有する機能性物質
およびフィブロネクチンフラグメントによる標的細胞へ
の遺伝子導入効率を示すグラフである。
【図22】 フィブロネクチンフラグメント固定化ビー
ズによる標的細胞への遺伝子導入効率を示すグラフであ
る。
【図23】 フィブロネクチンフラグメント使用量と、
標的細胞への遺伝子導入の関係を示すグラフである。
【図24】 線維芽細胞増殖因子を含有する機能性物質
およびフィブロネクチンフラグメントによる標的細胞へ
の遺伝子導入を示すグラフである。
【図25】 線維芽細胞増殖因子を含有する機能性物質
およびフィブロネクチンフラグメントによる標的細胞へ
の遺伝子導入を示すもう1つのグラフである。
【図26】 コラーゲンフラグメントを含有する機能性
物質による標的細胞への遺伝子導入を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C12N 5/00 B C12N 5/10 A61K 37/02 (72)発明者 橋野 仁一 大阪府高槻市明野町27−3 (72)発明者 加藤 郁之進 京都府宇治市南陵町1−1−150 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 DA02 EA02 GA11 GA18 HA01 HA17 4B065 AA90X AA92X AA94X AA97Y AB01 BA02 BB19 BB23 CA44 4C084 AA02 AA06 AA13 BA44 CA53 CA56 DA27 MA02 NA05 NA14 ZB261 ZB262 4C087 AA01 AA02 AA03 BC83 MA02 NA05 NA13 NA14 ZB26 4H045 AA10 BA10 CA40 DA01 EA20

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レトロウイルスによる標的細胞への遺伝
    子導入効率を向上させる方法において、標的細胞結合部
    位と線維芽細胞増殖因子、コラーゲンまたはポリリジン
    由来のレトロウイルス結合部位またはそれらと機能的な
    同等物とを同一分子上に有する有効量の機能性物質の存
    在下で、標的細胞をレトロウイルスで感染させることを
    特徴とするレトロウイルスによる標的細胞への遺伝子導
    入を向上させる方法。
  2. 【請求項2】 標的細胞結合部位が、標的細胞と特異的
    に結合するリガンドである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 リガンドが、細胞接着性のタンパク質、
    ホルモン、サイトカイン、抗体、糖鎖、炭水化物または
    代謝物である請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 細胞接着性のタンパク質が、フィブロネ
    クチンの細胞結合領域ポリペプチドである請求項3記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 フィブロネクチンの細胞結合領域ポリペ
    プチドが、VLA−5および/またはVLA−4への結
    合領域ポリペプチドである請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 リガンドが、エリスロポエチンである請
    求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】 線維芽細胞増殖因子が、配列表の配列番
    号3で表される線維芽細胞増殖因子、該因子の機能的同
    等物、および該因子または該因子の機能的同等物を含有
    するポリペプチドから選択される線維芽細胞増殖因子で
    ある請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 機能性物質が配列表の配列番号4または
    5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドである
    請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 コラーゲンがV型コラーゲン由来のイン
    スリン結合部位を含有するフラグメント、該フラグメン
    トの機能的同等物、および該フラグメントまたは該フラ
    グメントの機能的同等物を含有するポリペプチドから選
    択されるコラーゲンである請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 V型コラーゲン由来のインスリン結合
    部位を含有するフラグメントが、配列表の配列番号6で
    表されるアミノ酸配列を含有するフラグメントである請
    求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 機能性物質が配列表の配列番号7また
    は8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであ
    る請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 機能性物質が固定化されている請求項
    1〜11いずれか1項記載の方法。
  13. 【請求項13】 機能性物質が固定化されていない請求
    項1〜11いずれか1項記載の方法。
  14. 【請求項14】 標的細胞結合部位と線維芽細胞増殖因
    子、コラーゲンまたはポリリジン由来のレトロウイルス
    結合部位またはそれらと機能的な同等物とを同一分子上
    に有する有効量の機能性物を含有するレトロウイルスに
    よる標的細胞への遺伝子導入に使用する標的細胞の培養
    培地。
  15. 【請求項15】 線維芽細胞増殖因子が、配列表の配列
    番号3で表される線維芽細胞増殖因子、該因子の機能的
    同等物および該因子または該因子の機能的同等物を含有
    するポリペプチドから選択される線維芽細胞増殖因子で
    ある請求項14記載の培養培地。
  16. 【請求項16】 機能性物質が、配列表の配列番号4ま
    たは5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドで
    ある請求項14記載の培養培地。
  17. 【請求項17】 コラーゲンが、V型コラーゲン由来の
    インスリン結合部位を含有するフラグメント、該フラグ
    メントの機能的同等物、および該フラグメントまたは該
    フラグメントの機能的同等物を含有するポリペプチドか
    ら選択されるコラーゲンである請求項14記載の培養培
    地。
  18. 【請求項18】 V型コラーゲン由来のインスリン結合
    部位を含有するフラグメントが、配列表の配列番号6で
    表されるアミノ酸配列を有するフラグメントである請求
    項14記載の培養培地。
  19. 【請求項19】 機能性物質が、配列表の配列番号7ま
    たは8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドで
    ある請求項14記載の培養培地。
  20. 【請求項20】 機能性物質が固定化されている請求項
    14〜19いずれか1項記載の培養培地。
  21. 【請求項21】 標的細胞結合部位と線維芽細胞増殖因
    子、コラーゲンまたはポリリジン由来のレトロウイルス
    結合部位またはそれらと機能的な同等物とを同一分子上
    に有する有効量の機能性物質と接触したレトロウイルス
    を含有する培地をインキュベートすることを特徴とする
    レトロウイルスの配置方法。
  22. 【請求項22】 線維芽細胞増殖因子が、配列表の配列
    番号3で表される線維芽細胞増殖因子、該因子の機能的
    同等物、および該因子または該因子の機能的同等物を含
    有するポリペプチドから選択される線維芽細胞増殖因子
    である請求項21記載の配置方法。
  23. 【請求項23】 機能性物質が、配列表の配列番号4ま
    たは5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドで
    ある請求項21記載の配置方法。
  24. 【請求項24】 コラーゲンが、V型コラーゲン由来の
    インスリン結合部位を含有するフラグメント、該フラグ
    メントの機能的同等物、および該フラグメントまたは該
    フラグメントの機能的同等物を含有するポリペプチドか
    ら選択されるコラーゲンである請求項21記載の配置方
    法。
  25. 【請求項25】 V型コラーゲン由来のインスリン結合
    部位を含有するフラグメントが、配列表の配列番号6で
    表されるアミノ酸配列を含有するフラグメントである請
    求項24記載の配置方法。
  26. 【請求項26】 機能性物質が、配列表の配列番号7ま
    たは8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドで
    ある請求項21記載の配置方法。
  27. 【請求項27】 機能性物質が固定化されている請求項
    21〜26いずれか1項記載の配置方法。
  28. 【請求項28】 標的細胞内へのレトロウイルス介在遺
    伝子導入の実施に使用するためのキットであって、 (a)標的細胞結合部位と線維芽細胞増殖因子、コラー
    ゲンまたはポリリジン由来のレトロウイルス結合部位ま
    たはそれらと機能的な同等物とを同一分子上に有する有
    する有効量の機能性物質、 (b)レトロウイルスと標的細胞をインキュベートする
    ための人工基質、および (c)上記標的細胞を予備刺激するための標的細胞増殖
    因子、を含んでなることを特徴とするキット。
  29. 【請求項29】 線維芽細胞増殖因子が、配列表の配列
    番号3で表される線維芽細胞増殖因子、該因子の機能的
    同等物、および該因子または該因子の機能的同等物を含
    有するポリペプチドから選択される線維芽細胞増殖因子
    である請求項28記載のキット。
  30. 【請求項30】 機能性物質が、配列表の配列番号4ま
    たは5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドで
    ある請求項28記載のキット。
  31. 【請求項31】 コラーゲンが、V型コラーゲン由来の
    インスリン結合部位を含有するフラグメント、該フラグ
    メントの機能的同等物、および該フラグメントまたは該
    フラグメントの機能的同等物を含有するポリペプチドか
    ら選択されるコラーゲンである請求項28記載のキッ
    ト。
  32. 【請求項32】 V型コラーゲン由来のインスリン結合
    部位を含有するフラグメントが、配列表の配列番号6で
    表されるアミノ酸配列を有するフラグメントである請求
    項31記載のキット。
  33. 【請求項33】 機能性物質が配列表の配列番号7また
    は8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであ
    る請求項28記載のキット。
  34. 【請求項34】 機能性物質が固定化されている請求項
    28〜33いずれか1項記載のキット。
  35. 【請求項35】 機能性物質がビーズに固定化されてい
    る請求項12記載の方法。
  36. 【請求項36】 機能性物質がビーズに固定化されてい
    る請求項20記載の培養培地。
  37. 【請求項37】 機能性物質がビーズに固定化されてい
    る請求項27記載の配置方法。
  38. 【請求項38】 機能性物質がビーズに固定化されてい
    る請求項34記載のキット。
  39. 【請求項39】 レトロウイルスによる標的細胞への遺
    伝子導入効率を向上させる方法において、実質的に純粋
    なフィブロネクチン、実質的に純粋なフィブロネクチン
    フラグメントおよびそれらの混合物より選択される有効
    量のビーズに固定化された機能性物質の存在下で、標的
    細胞をレトロウイルスで感染させることを特徴とするレ
    トロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向上
    させる方法。
  40. 【請求項40】 レトロウイルスによる標的細胞への遺
    伝子導入効率を向上させる方法において、実質的に純粋
    なフィブロネクチン、実質的に純粋なフィブロネクチン
    フラグメントおよびはそれらの混合物より選択される有
    効量の固定化されていない機能性物質の存在下で、標的
    細胞をレトロウイルスで感染させることを特徴とするレ
    トロウイルスによる標的細胞への遺伝子導入効率を向上
    させる方法。
  41. 【請求項41】 標的細胞が、幹細胞(stem cells)、
    造血細胞、非接着性低密度単核細胞、接着性細胞、骨髄
    細胞、造血幹細胞、末梢血幹細胞、臍帯血液細胞、胎児
    性造血幹細胞、胚形成幹細胞、胚細胞、プライモディア
    ル ジャームセル(primordial germ cell)、卵母細
    胞、卵原細胞、卵子、精母細胞、精子、CD34+細
    胞、C−kit+細胞、多能性造血前駆細胞、単能性造
    血前駆細胞、赤血球系前駆細胞、リンパ球母細胞、成熟
    血球、リンパ球、B細胞、T細胞、線維芽細胞、神経芽
    細胞、神経細胞、内皮細胞、血管内皮細胞、肝細胞、筋
    芽細胞、骨格筋細胞、平滑筋細胞、ガン細胞、骨髄腫細
    胞及び白血病細胞から選択される細胞である請求項1〜
    13、35、39および40いずれか1項記載の方法。
  42. 【請求項42】 レトロウイルスが、外来遺伝子を含有
    するレトロウイルスである請求項1〜13、21〜2
    7、35、37および39〜41いずれか1項記載の方
    法。
  43. 【請求項43】 レトロウイルスが、組換体レトロウイ
    ルスベクターである請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】 レトロウイルスが、複製能を欠損した
    組換え体レトロウイルスベクターである請求項42記載
    の方法。
  45. 【請求項45】 配列表の配列番号13で表されるポリ
    ペプチド、または該配列に1または数個のアミノ酸の欠
    失、置換、挿入および/または付加がなされたアミノ酸
    配列を有し、かつレトロウイルス結合活性を有するポリ
    ペプチド。
  46. 【請求項46】 請求項45記載のポリペプチドをコー
    ドする遺伝子。
  47. 【請求項47】 配列表の配列番号17で表される請求
    項46記載の遺伝子または厳密な条件下で該遺伝子にハ
    イブリダイズし、レトロウイルスによる標的細胞への遺
    伝子導入効率を向上させるポリペプチドをコードする遺
    伝子。
  48. 【請求項48】 配列表の配列番号30で表されるポリ
    ペプチド、または該配列に1または数個のアミノ酸の欠
    失、置換、挿入および/または付加がなされたアミノ酸
    配列を有し、かつレトロウイルス結合活性を有するポリ
    ペプチド。
  49. 【請求項49】 請求項48記載のポリペプチドをコー
    ドする遺伝子。
  50. 【請求項50】 配列表の配列番号33で表される請求
    項49記載の遺伝子または厳密な条件下で該遺伝子にハ
    イブリダイズし、レトロウイルスによる標的細胞への遺
    伝子導入効率を向上させるポリペプチドをコードする遺
    伝子。
  51. 【請求項51】 配列表の配列番号5で表されるポリペ
    プチド、または該配列に1または数個のアミノ酸の欠
    失、置換、挿入および/または付加がなされたアミノ酸
    配列を有し、かつレトロウイルス結合活性を有するポリ
    ペプチド。
  52. 【請求項52】 請求項51記載のポリペプチドをコー
    ドする遺伝子。
  53. 【請求項53】 配列表の配列番号26で表される請求
    項52記載の遺伝子または厳密な条件下で該遺伝子にハ
    イブリダイズし、レトロウイルスによる標的細胞への遺
    伝子導入効率を向上させるポリペプチドをコードする遺
    伝子。
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