JP2002325511A - 植物育成方法、植物育成システム、植物の生長の活性度合いの測定方法、植物の生育領域の微生物叢の測定方法および植物の生育領域の状態制御方法 - Google Patents

植物育成方法、植物育成システム、植物の生長の活性度合いの測定方法、植物の生育領域の微生物叢の測定方法および植物の生育領域の状態制御方法

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JP2002325511A
JP2002325511A JP2001133470A JP2001133470A JP2002325511A JP 2002325511 A JP2002325511 A JP 2002325511A JP 2001133470 A JP2001133470 A JP 2001133470A JP 2001133470 A JP2001133470 A JP 2001133470A JP 2002325511 A JP2002325511 A JP 2002325511A
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JP
Japan
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plant
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mrna
microflora
measuring
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Koichi Inoue
高一 井上
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物を効果的に育成する植物育成方法および
植物育成システムを提供することである。 【解決手段】 植物の生長の活性度合いを増幅確率の制
限されたSSC−PCR法によりモニターし、土壌等の
微生物叢を増幅確率の制限されたSSC−PCR法によ
りモニターする。土壌等の温度および通気量を制御する
ことにより、硝化細菌群の種類数および量を制御し、硝
酸塩および亜硝酸塩の量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物育成方法、植
物育成システム、植物の生長の活性度合いの測定方法、
植物の生育領域の微生物叢の測定方法および植物の生育
領域の状態制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物工場において、種々の植物を育成す
ることが行われている。従来の植物工場では、植物育成
のために、光、水、温度および空気の供給が制御され
る。それにより、植物を最適な環境で育成することがで
きる。
【0003】具体的には、植物育成室の温度、湿度、照
度およびCO2濃度を測定し、その測定結果に基づいて
照明の明るさ、照明のオン−オフの時間帯、室内の温度
および湿度を制御するとともに、酸素と二酸化炭素との
バランスの空調制御を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自然の中で
は、植物は土壌中の微生物にも影響を受けて生長する。
より自然に近い状態で植物を育成するために微生物を利
用することが有効なことは知られているが、土壌等の微
生物叢を人為的に制御する技術がないために、現状で
は、微生物叢の制御を簡便に行うことができない。その
ため、植物工場等の植物育成に微生物叢の制御は行われ
ていない。
【0005】本発明の目的は、植物を効果的に育成する
植物育成方法および植物育成システムを提供することで
ある。
【0006】本発明の他の目的は、植物の生長の活性度
合いを容易に測定することができる測定方法を提供する
ことである。
【0007】本発明のさらに他の目的は、植物の生育領
域の微生物叢を容易に測定することができる測定方法を
提供することである。
【0008】本発明のさらに他の目的は、植物の生育領
域の状態を容易に制御することができる制御方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係る植物育成方法は、植物の生長の活性度合いを
測定するステップと、植物の生育領域の微生物叢を測定
するステップと、植物の生長の活性度合いの測定結果お
よび微生物叢の測定結果に基づいて植物の生育領域の状
態を制御するステップとを備えたものである。
【0010】本発明に係る植物育成方法においては、植
物の生長の活性度合いが測定されるとともに、植物の生
育領域の微生物叢が測定される。そして、植物の生長の
活性度合いの測定結果および微生物叢の測定結果に基づ
いて植物の生育領域の状態が制御される。
【0011】それにより、植物の育成に関与する微生物
叢を植物の生育領域に人為的に形成することができる。
その結果、自然に近い状態での植物の生長を行わせるこ
とができる。
【0012】活性度合いを測定するステップは、植物か
ら複数種類のmRNAを抽出するステップと、抽出され
た複数種類のmRNAから逆転写酵素を用いて複数種類
のcDNAを合成するステップと、複数種類のプライマ
ーを一度に用いて合成された複数種類のcDNAに対し
て増幅確率を制限したポリメラーゼ連鎖反応法を適用す
ることにより複数のDNA断片を増幅するステップと、
増幅された複数のDNA断片の電気泳動像の解析により
植物の生長の活性度合いを判定するステップとを含んで
もよい。
【0013】この場合、増幅確率が制限されているの
で、電気泳動像におけるバンドとmRNAとの対応付け
が可能になる。それにより、植物の生長に関わる蛋白質
の発現状態を検出することができる。その結果、植物の
生長の活性度合いを判定することができる。
【0014】増幅確率は、平均的に1種類のcDNAか
ら2種類以下のDNA断片が増幅される値であることが
好ましく、平均的に1種類のcDNAから1種類以下の
DNA断片が増幅される値であることがより好ましい。
【0015】活性度合いを測定するステップは、植物か
ら複数種類のmRNAを抽出するステップと、複数種類
のプライマーを用いて抽出された複数種類のmRNAか
ら複数種類のcDNAを合成するとともに、それらの複
数種類のプライマーを一度に用いて合成された複数種類
のcDNAに対して増幅確率を制限したポリメラーゼ連
鎖反応法を適用することにより複数のDNA断片を増幅
するステップと、増幅された複数のDNA断片の電気泳
動像の解析により植物の生長の活性度合いを判定するス
テップとを含んでもよい。
【0016】この場合、増幅確率が制限されているの
で、電気泳動像におけるバンドとmRNAとの対応付け
が可能になる。それにより、植物の生長に関わる蛋白質
の発現状態を検出することができる。その結果、植物の
生長の活性度合いを判定することができる。
【0017】特に、mRNAからcDNAの合成および
ポリメラーゼ連鎖反応を共通のプライマーを用いて行う
ことができるので、活性度合いを簡便に測定することが
できる。
【0018】増幅確率は、平均的に1種類のcDNAか
ら2種類以下のDNA断片が増幅される値であることが
好ましく、平均的に1種類のcDNAから1種類以下の
DNA断片が増幅される値であることがより好ましい。
【0019】増幅するステップにおいて1つの反応溶液
に対して複数種類のプライマーを用いてもよい。この場
合、ポリメラーゼ連鎖反応法における増幅確率の設定が
容易になる。
【0020】活性度合いを測定するステップは、植物か
ら複数種類のmRNAを抽出するステップと、抽出され
た複数種類のmRNAから逆転写酵素を用いて複数種類
のcDNAを合成するステップと、所定の塩基配列を有
するプライマー対を用いて合成された複数種類のcDN
Aに対してポリメラーゼ連鎖反応法を適用することによ
り植物の生長に関わる蛋白質の元となるcDNAを検出
するステップと、検出されたcDNAの電気泳動像の解
析により植物の生長の活性度合いを判定するステップと
を含んでもよい。
【0021】この場合、植物の生長に関わる蛋白質の遺
伝情報をコードしたプライマーを用いてポリメラーゼ連
鎖反応法を適用することにより、植物の生長に関わる蛋
白質の発現状態を検出することができる。その結果、植
物の生長の活性度合いを判定することができる。
【0022】活性度合いを測定するステップは、植物か
ら複数種類のmRNAを抽出するステップと、抽出され
た複数種類のmRNAから逆転写酵素を用いて複数種類
のcDNAを合成するステップと、合成された複数種類
のcDNAにハイブリダイゼーション法を適用すること
により抽出された複数種類のmRNAの発現パターンを
検出するステップとを含んでもよい。
【0023】この場合、DNA−DNAハイブリダイゼ
ーション法により複数種類のmRNAの発現パターンを
検出することにより、植物の生長に関わる蛋白質の発現
状態を検出することができる。その結果、植物の生長の
活性度合いを判定することができる。
【0024】活性度合いを測定するステップは、植物か
ら複数種類のmRNAを抽出するステップと、抽出され
た複数種類のmRNAにハイブリダイゼーション法を適
用することにより複数種類のmRNAの発現パターンを
検出するステップとを含んでもよい。
【0025】この場合、RNA−DNAハイブリダイゼ
ーション法により複数種類のmRNAの発現パターンを
検出することにより、植物の生長に関わる蛋白質の発現
状態を検出することができる。その結果、植物の生長の
活性度合いを判定することができる。
【0026】微生物叢を測定するステップは、植物の生
育領域の土壌を採取するステップと、採取された土壌に
懸濁および分散処理を行うステップと、懸濁および分散
処理により得られた微生物を培養および生化学検査し、
微生物の種類および量を検出するステップとを含んでも
よい。
【0027】この場合、検出された微生物の種類および
量に基づいて植物の生育領域の土壌中の微生物叢の状態
を知ることができる。
【0028】微生物叢を測定するステップは、植物の生
育領域の土壌を採取するステップと、採取された土壌に
懸濁および分散処理を行うステップと、懸濁および分散
処理により得られた微生物叢に含まれる微生物に対して
増幅確率を制限したポリメラーゼ連鎖反応法を適用する
ことにより微生物叢に含まれる微生物のDNAから複数
のDNA断片を増幅し、増幅された複数のDNA断片の
電気泳動像の解析により微生物叢に含まれる微生物の種
類を識別するステップとを含んでもよい。
【0029】この場合、植物の生育領域の土壌中の微生
物叢の状態を容易に知ることができる。
【0030】複数のDNA断片を増幅する際に1つの反
応溶液に対して複数種類のプライマーを用いてもよい。
この場合、ポリメラーゼ連鎖反応法における増幅確率の
設定が容易になる。
【0031】微生物叢を測定するステップは、植物の生
育領域の土壌を採取するステップと、採取された土壌に
懸濁および分散処理を行うステップと、懸濁および分散
処理により得られた微生物叢に含まれる微生物のrRN
Aの遺伝子を保存したDNA領域(以降rDNAと呼
ぶ)をポリメラーゼ連鎖反応法により増幅し、増幅結果
の解析により微生物叢に含まれる微生物の種類を識別す
るステップとを含んでもよい。
【0032】この場合、植物の生育領域の土壌中の微生
物叢の状態を容易に知ることができる。
【0033】植物の生育領域の状態を制御するステップ
は、生育領域の硝酸塩または亜硝酸塩の量を制御するス
テップを含んでもよい。
【0034】この場合、生育領域の硝酸塩または亜硝酸
塩の量を制御することにより、植物の生長の活性度合い
を制御することができる。
【0035】生育領域の硝酸塩または亜硝酸塩の量を制
御するステップは、生育領域の硝化細菌の活性状態を制
御するステップを含んでもよい。
【0036】この場合、生育領域の硝化細菌の活性状態
を制御することにより、生育領域の硝酸塩または亜硝酸
塩の量を制御することができる。
【0037】生育領域の硝化細菌の活性状態を制御する
ステップは、生育領域の温度、酸素量または含水率を制
御するステップを含んでもよい。
【0038】この場合、生育領域の温度、酸素量または
含水率を制御することにより、生育領域の硝化細菌の活
性状態を制御することができる。
【0039】第2の発明に係る植物の生長の活性度合い
の測定方法は、植物の生長の活性度合いを測定する方法
であって、植物から複数種類のmRNAを抽出するステ
ップと、抽出された複数種類のmRNAから逆転写酵素
を用いて複数種類のcDNAを合成するステップと、複
数種類のプライマーを一度に用いて合成された複数種類
のcDNAに対して増幅確率を制限したポリメラーゼ連
鎖反応法を適用することにより複数のDNA断片を増幅
するステップと、増幅された複数のDNA断片の電気泳
動像の解析により植物の生長の活性度合いを判定するス
テップとを含み、増幅するステップにおいて1つの反応
溶液に対して複数種類のプライマーを用いてもよい。
【0040】この場合、増幅確率が制限されているの
で、電気泳動像におけるバンドとmRNAとの対応付け
が可能になる。それにより、植物の生長に関わる蛋白質
の発現状態を検出することができる。その結果、植物の
生長の活性度合いを判定することができる。
【0041】また、1つの反応溶液に対して複数種類の
プライマーを用いているので、ポリメラーゼ連鎖反応に
おける増幅確率の設定が容易になる。
【0042】増幅確率は、平均的に1種類のcDNAか
ら2種類以下のDNA断片が増幅される値であることが
好ましく、平均的に1種類のcDNAから1種類以下の
DNA断片が増幅される値であることがより好ましい。
【0043】第3の発明に係る植物の生長の活性度合い
の測定方法は、植物の生長の活性度合いを測定する方法
であって、植物から複数種類のmRNAを抽出するステ
ップと、複数種類のプライマーを用いて抽出された複数
種類のmRNAから複数種類のcDNAを合成するとと
もに、それらの複数種類のプライマーを一度に用いて合
成された複数種類のcDNAに対して増幅確率を制限し
たポリメラーゼ連鎖反応法を適用することにより複数の
DNA断片を増幅するステップと、増幅された複数のD
NA断片の電気泳動像の解析により植物の生長の活性度
合いを判定するステップとを含むものである。
【0044】この場合、増幅確率が制限されているの
で、電気泳動像におけるバンドとmRNAとの対応付け
が可能になる。それにより、植物の生長に関わる蛋白質
の発現状態を検出することができる。その結果、植物の
生長の活性度合いを判定することができる。
【0045】特に、mRNAからcDNAの合成および
ポリメラーゼ連鎖反応を共通のプライマーを用いて行う
ことができるので、活性度合いを簡便に測定することが
できる。
【0046】増幅確率は、平均的に1種類のcDNAか
ら2種類以下のDNA断片が増幅される値であることが
好ましく、平均的に1種類のcDNAから1種類以下の
DNA断片が増幅される値であることがより好ましい。
【0047】増幅するステップにおいて1つの反応溶液
に対して複数種類のプライマーを用いてもよい。この場
合、ポリメラーゼ連鎖反応法における増幅確率の設定が
容易になる。
【0048】第4の発明に係る植物の生育領域の微生物
叢の測定方法は、植物の生育領域の微生物叢を測定する
方法であって、植物の生育領域の土壌を採取するステッ
プと、採取された土壌に懸濁および分散処理を行うステ
ップと、複数種類のプライマーを一度に用いて懸濁およ
び分散処理により得られた微生物叢に含まれる微生物に
対して増幅確率を制限したポリメラーゼ連鎖反応法を適
用することにより微生物叢に含まれる微生物のDNAか
ら複数のDNA断片を増幅し、増幅された複数のDNA
断片の電気泳動像の解析により微生物叢に含まれる微生
物の種類を識別するステップとを含んでもよい。
【0049】この場合、植物の生育領域の土壌中の微生
物叢の状態を容易に知ることができる。
【0050】第5の発明に係る植物の生育領域の状態の
制御方法は、植物の生育領域の状態を制御する方法であ
って、生育領域の硝化細菌の活性状態を制御することに
より、生育領域の硝酸塩または亜硝酸塩の量を制御する
ものである。
【0051】この場合、生育領域の硝化細菌の活性状態
を制御することにより、生育領域の硝酸塩または亜硝酸
塩の量を制御し、植物の生長の活性度合いを制御するこ
とができる。
【0052】生育領域の温度、酸素量または含水率を制
御することにより、生育領域の硝化細菌の活性状態を制
御してもよい。
【0053】第6の発明に係る植物育成システムは、植
物の生長の活性度合いを測定する第1の測定手段と、植
物の生育領域の微生物叢を測定する第2の測定手段と、
植物の生長の活性度合いの測定結果および微生物叢の測
定結果に基づいて植物の生育領域の状態を制御する制御
手段とを備えたものである。
【0054】本発明に係る植物育成システムにおいて
は、植物の生長の活性度合いが測定されるとともに、植
物の生育領域の微生物叢が測定される。そして、植物の
生長の活性度合いの測定結果および微生物叢の測定結果
に基づいて植物の生育領域の状態が制御される。
【0055】それにより、植物の育成領域に植物の育成
に関与する微生物叢を人為的に形成することができる。
その結果、自然に近い状態での植物の生長を行わせるこ
とができる。
【0056】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態にお
ける植物育成方法を説明するための模式図である。図1
に示すように、植物は、種子の発芽、花芽の形成、開花
および果実の形成と生長する。
【0057】本実施の形態では、植物の生長の活性度合
いをモニターするとともに、土壌等の微生物叢をモニタ
ーする。
【0058】植物の生長の活性度合いのモニターでは、
葉の生長の活性度合いの確認、花の生長の活性度合いの
確認および実の生長の活性度合いの確認を順に行う。
【0059】植物は、葉が生長するときに硝酸塩、亜硝
酸塩等の栄養分を多く必要とする。硝酸塩および亜硝酸
塩の量は、土壌中の硝化細菌の活性により変化する。
【0060】特異的な微生物の活性は植物の育成を促進
させる。特に、硝化細菌群は土壌中の有機物(蛋白質
等)から硝酸塩および亜硝酸塩を作ることができる。植
物はこれを吸収し生長する。植物の葉が生長する時期に
は大量の窒素成分が必要となるため、その時期にあわせ
て硝酸塩および亜硝酸塩を作る。根の近傍で生成される
硝酸塩および亜硝酸塩は効率的に根に吸収される。後述
するように、硝化細菌群の活性は、温度、酸素量、pH
および含水率で制御できる。土壌の全部あるいは一部の
環境を変えることにより、硝化細菌群の活性状態を人為
的に制御し、根の周辺の硝酸塩および亜硝酸塩の量を増
加させる。
【0061】植物の生長の活性度合いをモニターするこ
とにより、葉の生長が開始された時期を知ることができ
る。葉の生長が開始されたならば、土壌等の微生物叢を
モニターしつつ、土壌等の温度および通気量を制御する
ことにより、硝化細菌群の種類数および量が増加するよ
うに調節する。この場合、硝化細菌群が活性化するよう
に、硝化細菌群に至適な温度、通気量および含水率への
制御を開始する。
【0062】続けて、植物の生長の活性度合いをモニタ
ーすることにより、花の生長が開始された時期を知るこ
とができる。花の生長が開始されたならば、土壌等の微
生物叢をモニターしつつ、土壌等の温度および通気量の
制御状態を変更し、硝化細菌群が減少する状態を作り出
す。ここでは、硝化細菌群が不活性化するように、硝化
細菌群の好まない温度、通気量および含水率への制御を
開始する。
【0063】さらに、植物の生長の活性度合いをモニタ
ーすることにより、実の生長が開始された時期を知るこ
とができる。実の生長が開始されたならば、土壌等の微
生物叢をモニターしつつ、土壌等の温度、通気量および
含水率を制御し、引き続き硝化細菌群が減少する状態を
維持する。
【0064】このようにして、葉が十分に繁った植物を
作ることができ、花や実も適切な状態で生長させること
ができる効果的な植物育成を行うことができる。
【0065】植物の生長に関係する微生物群であれば、
硝化細菌群と同様にして容易に制御することができる。
【0066】このように、土壌等の微生物叢を制御する
ことにより、植物の育成状態を制御することが可能とな
る。リン酸塩を生成する微生物群やその他の有用な栄養
分を生産する微生物群を用いることも有用である。これ
らは、上記2種類のモニタリングによって効率的に行う
ことができる。
【0067】(1)植物の生長の活性度合いのモニタリ
ング 植物の活性度合いをRNAの発現状態(量および種類)
により評価することができる。これは2つの方法に大別
することができる。
【0068】1つの方法は、生長に関わる特異的な遺伝
子の定量的検出を行う方法である。生長に関わる特異的
な遺伝子とは、例えば、葉の生長に関わる遺伝子、花の
生長に関わる遺伝子および実の生長に関わる遺伝子であ
る。
【0069】もう1つの方法は、植物全体のRNAを測
定する方法であり、SSC−PCR法をRNAに改良し
た方法である。SSC−PCR法(Single Strain Coun
tingPolymerase Chain Reaction法)では、ディファレン
シャルディスプレー法(differential display法;P. L
iang, A. B. Pardee, Science, 257, 967 (1992))と異
なり、平均的に1種類のRNAから得られるDNA断片
の種類数を多くとも1個程度にするように、増幅確率を
適切に制限する(特開2000-270867号公報)。そのた
め、電気泳動像のバンドとRNAとの対応が可能とな
る。これによって、より実態に近いRNAの発現状態を
観測できる。SSC−PCR法によりmRNAを識別す
る方法については後述する。
【0070】図2は植物の生長の活性度合いのモニタリ
ング方法を示す模式図である。植物の生長の活性度合い
をmRNAの発現状態で測定する。その方法としては、
以下の4つの方法を適宜選択することができる。
【0071】(a)増幅確率を制限したPCR法による
cDNAプールの増幅 まず、植物100から複数種類のmRNAを抽出する
(ステップS1)。逆転写酵素であるオリゴdTプライ
マーを用いて一般的な方法で複数種類のcDNAを合成
し、複数種類のcDNAを含むcDNAプールを調整す
る(ステップS2)。そして、増幅確率を制限したSS
C−PCR法により任意に選択された複数種類のプライ
マーを用いてcDNAプールのPCR増幅を行う(ステ
ップS3)。この場合、調製したcDNAプールを鋳型
として用いて、1種類のcDNAから多くとも1種類の
DNA断片が増幅できる増幅確率となるようにPCR条
件を設定する(特開2000-270867号参照)。最後に、S
SC−PCR法により増幅された複数のDNA断片の電
気泳動像のバンドを解析する(ステップS8)。バンド
とmRNAとを対応づけることにより、植物100の発
現状態を観測することができる。
【0072】従来のディファレンシャルディスプレー法
では、1回の増幅で多くの種類のDNA断片を得るため
のPCR条件が用いられている。しかし、多くのDNA
断片を増幅すると電気泳動像が複雑になり、バンドに対
応するmRNAを見出すのが困難になる。
【0073】本例のように、mRNAから多くとも1種
類のDNA断片が増幅できるように条件を設定すると、
電気泳動像で得られるバンドは、それぞれ異なるmRN
Aに対応する。そのため、バンドの解析が容易となる。
さらに、バンドは単一成分から形成されることが多いた
め、切出してクローニングすることが容易であり、切出
したバンドの塩基配列情報から何の蛋白質に対応するか
を推測することが可能となる。
【0074】また、SSC−PCR法では、ディファレ
ンシャルディスプレー法よりも反応の特異性が高いこと
から、増幅の再現性が高く、キメラ等の予期しないPC
R断片の増幅を極力制限することができる。
【0075】増幅の確率を制限する方法としては、1種
類のプライマーを用いて、マグネシウム濃度およびアニ
ーリング温度の調整により行ってもよいが、1つのPC
R反応溶液に2種類以上のプライマーを共存させること
が好ましい。cDNAプールを増幅した結果、最終的に
電気泳動像で観察されるバンド数が1〜100本、望ま
しくは1〜25本現れるように増幅確率を制限する。
【0076】(b)増幅確率を制限したPCR法による
mRNAの直接増幅 まず、植物100から複数種類のmRNAを抽出する
(ステップS1)。次に、オリゴdTプライマーを用い
て逆転写を行なうのではなく、SSC−PCR法により
任意に選択された複数種類のプライマーを用いて複数種
類のcDNAの合成およびそれに続く増幅確率を制限し
たPCR増幅を行う(ステップS4)。この場合、1種
類のmRNAから多くとも1種類のDNA断片が増幅で
きるPCR用プライマーによりcDNA鎖を合成し、引
き続きPCR反応を行う。これにより、cDNAプール
調製のステップが不要となる。
【0077】最後に、SSC−PCR法により増幅され
た複数のDNA断片の電気泳動像のバンドを解析する
(ステップS8)。バンドとmRNAとを対応づけるこ
とにより、植物100の発現状態を観測することができ
る。
【0078】増幅確率を制限する方法としては、1種類
のプライマーを用いて、マグネシウム濃度およびアニー
リング温度の調整により行ってもよいが、1つのPCR
反応溶液に2種類以上のプライマーを共存させることが
好ましい。mRNAを増幅した結果、最終的に電気泳動
像で観察されるバンド数が1〜100本、好ましくは1
〜25本現れるように増幅確率を制限する。
【0079】(c)特異的プライマー対を用いた1種類
以上の蛋白質の発現検出 まず、植物100から複数種類のmRNAを抽出する
(ステップS1)。逆転写酵素であるオリゴdTプライ
マーを用いて一般的な方法で複数種類のcDNAを合成
し、複数種類のcDNAを含むcDNAプールを調整す
る(ステップS5)。次に、一般的な方法により調製し
たcDNAプールを鋳型として、所定の塩基配列を有す
るプライマー対(以下、特異的プライマー対と呼ぶ)を
用いて通常のPCR法により植物100の生長に関わる
1種類以上の蛋白質の発現状態を検出する(ステップS
6)。ここでは、蛋白質の元となる1種類以上のcDN
Aを特異的プライマー対を用いて検出する。
【0080】最後に、PCR法により増幅された複数の
DNA断片の電気泳動像のバンドを解析する(ステップ
S8)。バンドとmRNAとを対応づけることにより、
植物100の生長に関わる1種類以上の蛋白質の発現状
態を観測することができる。
【0081】この場合、定量的PCR法を用いて定量分
析することによりさらに詳しい生長の度合いを調べるこ
とができる。調べる蛋白質の数は1種類以上とし、調べ
る蛋白質の種類が多いほど、平均的な活性度合いを調べ
ることができる。また、葉の生長状態、花の生長状態ま
たは実の生長状態という組織特異的な活性度、あるい
は、ライフサイクル特異的な活性度を検出することがで
きる。
【0082】(d)DNAチップによるmRNAの発現
パターンの検出 まず、植物100から複数種類のmRNAを抽出する
(ステップS1)。次に、DNAチップを用いて複数種
類のmRNAの発現パターンを検出する(ステップS
7)。種々のライフサイクルで発現する複数種類のcD
NAを配列したDNAチップを用いて活性状態を簡便に
測定することがきる。
【0083】この場合、抽出した複数種類のmRNAを
直接RNA−DNAハイブリダイゼーション法により検
出してもよい。あるいは、ステップS5においてcDN
Aプールを調整し、cDNAプールの複数種類のcDN
Aを変性処理後、DNA−DNAハイブリダイゼーショ
ン法によりcDNAを検出することにより複数種類のm
RNAの発現パターンを検出してもよい。
【0084】(2)土壌等の領域の微生物叢のモニタリ
ング 図3は土壌等の微生物叢のモニタリング方法を示す模式
図である。土壌等の微生物叢のモニタリングでは、以下
の方法の中から適切な1または複数の方法を選択する。
【0085】(A)培養法 まず、土壌等200を生理食塩水等で懸濁し、適切な分
散処理を行う(ステップS11)。その後、一般的な細
菌用培地等で調製した寒天プレート上に塗布し、適切な
温度で適切な期間、培養する。培養後、寒天プレート上
に形成されるコロニーを採取し、生化学検査等を行い、
土壌等200に含まれている微生物の種類および存在数
を調べる(ステップS12)。
【0086】(B)SSC−PCR法 ここで、SSC−PCR法は、特開平11-276176号公報
および特開平11-3419893号公報に記載されており、微生
物のDNAから増幅されるDNA断片の種類数を制限
し、電気泳動像上に1本程度のDNA断片が得られる条
件で任意に選択された複数種類のプライマーを用いて微
生物をPCR増幅する方法である。
【0087】まず、土壌等200を生理食塩水等に懸濁
し、適切な分散処理を行う(ステップS11)。その
後、複数種類の微生物のDNAを鋳型として用いてSS
C−PCR法によりPCR増幅を行なう。得られたPC
R産物を電気泳動パターンにより解析する(ステップS
13)。
【0088】土壌等200の状態の経時変化を調べるこ
とにより、増減する微生物についての情報を見出す。ま
た、微生物ごとのSSC−PCR法で調べた電気泳動パ
ターンを保存したデータベースと照合することにより、
土壌等200に含まれる微生物の種類を推定する。
【0089】(C)rDNA領域のPCR増幅・解析 まず、土壌等200を生理食塩水等に懸濁し、適切な分
散処理を行う(ステップS11)。その後、rDNA領
域のPCR増幅および解析を行う(ステップS14)。
【0090】ここで、rDNA領域は、細菌など同じ種
類の微生物であれば同じプライマー対で増幅できるた
め、微生物の分類などに用いられている。
【0091】細菌では、16SrRNAの遺伝情報が書
き込まれたDNA領域(以降、16SrDNAと呼ぶ)
の塩基配列が細菌の種類を識別するために用いられてい
る(梅崎良則ら、セグメント細菌の定着と腸粘膜諸形質
の活性化、腸内フローラと腸内増殖、光岡知足編、学会
出版センター、pp. 43-63 (1997)など参照)。
【0092】また、16SrDNA領域の硝化細菌に特
有の塩基配列を利用して、硝化細菌のみを見出す方法を
利用してもよい(G. A. Kowalchuk, Z. S. Naoumenko,
P. J. L. Derikx, A. Felske, J. R. Stephen, I. A. A
rkhipchenko, "Molecular analysis of ammonia-oxidiz
ing bacteria of the ( subdivision of the class Pro
teobacteria in compost and composted materials", A
pplied and Environment Microbiology, Vol. 65, No.
2, 396-403 (1999)参照)。
【0093】(D)簡易測定法 調べたい微生物が予めわかっている場合には、上記
(B),(C)の方法を簡便化した3つの簡易測定法の
いずれかを用いてもよい(ステップS15)。
【0094】第1の方法は、予めステップS13のSS
C−PCR法またはステップS14のPCR法によって
増幅したDNA断片の塩基配列からプライマー対を設計
しておく。土壌等を生理食塩水等に懸濁し、適切な分散
処理を行なった後(ステップS11)、微生物のDNA
を鋳型として用いて、設計したプライマー対によりPC
R増幅を行なう。これにより、簡易に微生物の存在を知
ることができる。さらに、定量的PCR法(中山広樹
著、定量的PCR、バイオ実験イラストレイテッド、秀
潤社、東京、pp. 141-151 (1996))を用い、所望の微生
物の存在量を調べることが有効である。
【0095】第2の方法は、予めステップS13のSS
C−PCR法またはステップS14のPCR法によって
増幅したDNA断片、あるいは、それと同一の塩基配列
を有するDNA断片をプローブとして用い、DNA−D
NAハイブリダイゼーション法、あるいは、DNA−R
NAハイブリダイゼーション法により微生物を検出する
方法である。
【0096】特に、調べたい微生物全てについて、PC
R法によって増幅したDNA断片、あるいは、それと同
一の塩基配列を有するDNA断片を基板上に配列させた
DNAチップを用いることにより一度に多くの微生物の
存在を検出する方法が有効である(特願平11-330924
号)。土壌等を生理食塩水等に懸濁し、適切な分散処理
を行なった後、微生物のDNAを鋳型にしてPCR増幅
した産物を含む溶液、あるいは、土壌等を生理食塩水等
に懸濁し、適切な分散処理を行なった後(ステップS1
1)、微生物から抽出したRNAを含む溶液を、DNA
チップに接触させることにより土壌等に含まれる微生物
を複数同時に検出する。
【0097】第3の方法は、FISH(Florescence In
Situ Hybridization)法による微生物像の測定であ
る。このFISH法では、PCR法によって増幅したD
NA断片、あるいは、それと同一の塩基配列を有するD
NA断片をプローブとして用い、DNA−DNAハイブ
リダイゼーション法、あるいは、DNA−RNAハイブ
リダイゼーション法により、in situハイブリダイゼー
ションを行ない、顕微鏡下で微生物像を観察する方法で
ある(Amann, R, W. Ludwig, K. H. Schleifer,Phyloge
netic identification and in situ detection of indi
vidual microbial cells without cultivation, Microb
iol. Rev., 59, 143-169 (1995)参照)。
【0098】土壌そのもの、あるいは、土壌等を生理食
塩水等に懸濁し、適切な分散処理を行なった後(ステッ
プS11)、その懸濁液を用い、in situハイブリダイ
ゼーションの処理を行い、顕微鏡下で微生物の像を蛍光
観察する。
【0099】(3)土壌中の硝酸塩および亜硝酸塩の蓄
積状態の制御方法 図4は土壌中の硝酸塩および亜硝酸塩の蓄積状態の制御
方法を示す模式図である。また、表1に硝酸塩および亜
硝酸塩の増加および減少の要因を示す。
【0100】
【表1】
【0101】土壌等における硝酸塩および亜硝酸塩の量
は大半が蛋白質である生物体窒素からアンモニアを経て
生成される。硝酸塩および亜硝酸塩の量は以下の要因で
変化する。
【0102】図4および表1に示すように、硝化細菌の
活性化、アンモニア量の増加、硝酸塩および亜硝酸塩の
流出量の減少および脱窒菌の不活性化により、硝酸塩お
よび亜硝酸塩の量が増加する。また、硝化細菌の不活性
化、アンモニア量の減少、硝酸塩および亜硝酸塩の流出
量の増加および脱窒菌の活性化により、硝酸塩および亜
硝酸塩の量が減少する。
【0103】硝化細菌の活性は、温度に影響を受け、土
壌中の硝酸イオン、亜硝酸イオンの量が変化する。図5
は温度と硝酸イオンおよび亜硝酸イオンとの関係を示す
図である。図5に示すように、硝酸イオンおよび亜硝酸
イオンの量は、温度により変化する。
【0104】硝化細菌の活性は、温度以外にも、土壌中
のpH、空気量、含水率、栄養分の量、硝化細菌以外の
微生物により影響を受ける。
【0105】これらのパラメータを用いて、植物が硝酸
塩および亜硝酸塩を必要とする時期に、硝化細菌が最も
活性となる温度および空気量へ調節し、土壌の硝酸塩お
よび亜硝酸塩の量を増加させる。逆に、硝酸塩および亜
硝酸塩の不要な時期にこれらのパラメータを至的な条件
から外すことにより硝酸塩および亜硝酸塩の量を減少さ
せる。急速に亜硝酸塩および硝酸塩の量を減少させるた
めに、水に溶けやすい硝酸塩および亜硝酸塩を水で洗浄
することが可能であり、土壌への通気量の増加により原
料となるアンモニアを気散させることも有効である。
【0106】なお、硝化細菌は、Nitrosomonas属、Nitr
osococus属、Nitrosopire属、Nitrosolobus属、Nitroba
cter属に分類される細菌である。
【0107】図6は本発明の植物育成システムの一例で
ある植物工場の構成を示す模式図である。
【0108】図6の植物工場10においては、微生物叢
の制御による効果的植物育成を行なうことができる。
【0109】図6の植物工場10において、ハウジング
(植物育成室)2内に照明器具3および空調機4が設け
られている。また、ハウジング2内の土壌5中にヒータ
6が埋め込まれ、土壌5中に空気を送るエアポンプ7が
設けられている。
【0110】さらに、ハウジング2内には、温度・湿度
計11、照度計12、CO2濃度計13が設けられてい
る。また、ハウジング2内の土壌5中に含水率計14、
温度計15、pH計16、酸素量測定器17および酸化
還元電位計18が埋め込まれている。
【0111】また、植物生長の活性度合いモニター装置
20および微生物叢モニター装置30が設けられてい
る。植物生長の活性度合いモニター装置20は、上記の
植物生長の活性度合いのモニタリングを自動的に実行す
る。微生物叢モニター装置30は、上記の土壌等の微生
物叢のモニタリングを自動的に実行する。
【0112】空調・照明制御装置40は、温度・湿度計
11により測定された温度および湿度、照度計12によ
り測定された照度、CO2濃度計13により測定された
CO2濃度に基づいて照明器具3および空調機4を制御
する。また、土壌環境制御装置50は、含水率計14に
より測定された含水率、温度計15により測定された温
度、pH計16により測定されたpH、酸素量測定器1
7により測定された酸素量、および酸化還元電位計18
により測定された酸化還元電位に基づいて、ヒータ6に
よる温度およびエアポンプ7による通気量を制御する。
【0113】植物育成システム制御系60は、植物生長
の活性度合いモニター装置20および微生物叢モニター
装置30の出力に基づいて、空調・照明制御装置40お
よび土壌環境制御装置50を全体的に制御する。この植
物育成システム制御系60を遠隔制御装置70を用いて
遠隔制御してもよい。
【0114】図6の植物工場10では、植物の生長の活
性度合いを調べながら、適切に土壌環境を制御すること
により微生物叢を制御することができる。
【0115】一例として、食用の果実を育成する場合の
制御方法を示す。植物生長の活性度合いモニター装置2
0が葉の生長の活性が高いことを知らせているときに
は、土壌環境制御装置50により土壌環境を硝化細菌が
活性化される条件に設定する。そして、土壌中の硝化細
菌が活性になることを微生物叢モニター装置30により
確認する。植物生長の活性度合いモニター装置20が開
花形成の活性が高まったことを知らせると、土壌環境制
御装置50により土壌環境を硝化細菌が不活性化される
条件に変更する。そして、土壌中の硝化細菌が不活性に
なることを、微生物叢モニター装置30により確認す
る。これにより、果実が育つ時期に窒素源過多による果
実の生長不良を抑制し、有機栽培特有の味のある果実を
得ることができる。
【0116】以上のように、本実施の形態の植物育成方
法および植物育成システムによれば、植物工場における
植物の育成をより効率的に行うことが可能になる。葉を
食用とするほうれん草等や種子を食用とする豆類など
は、肥料を与えるべき時期が異なるが、微生物叢を制御
することにより目的に合った植物育成が容易になる。
【0117】また、近年、大量の化学肥料を施肥するこ
とによる硝酸性窒素の地下水汚染が問題となっており、
本実施の形態の植物育成方法および植物育成システムに
おいては、必要な量の硝酸塩および亜硝酸塩を適宜生産
することができ、汚染を低減することができる。また、
微生物の分解力を利用するため、堆肥を有効利用するこ
とが可能になる。
【0118】(4)SSC−PCR法 ここで、SSC−PCR法によりmRNAの発現状態を
検出する方法を説明する。
【0119】1.mRNAの調製 植物の細胞または組織からのmRNAの調製は、特に限
定はなく周知の方法で行うことができる。例えば、mR
NAの調製方法は、Current Protocols in Molecular B
iology,4.0.3-4.5.3に記載されている。また、簡便に
は、市販のキット例えば、QIAGEN製RNeasy
Total RNA Systemを用いて行うこと
もできる。
【0120】2.cDNAプールの調製 本例のDNA増幅方法では、先ず、例えば、植物の細胞
から抽出したmRNAプール(混合液)を基に逆転写酵
素を用いて逆転写を行い、cDNAを合成し、cDNA
プールを得る。本例では、この逆転写酵素を用いた逆転
写反応は、特に限定がなく、通常の方法によって行うこ
とができる(Molecular Cloning (ColdSpring Harbor L
aboratory Pres 1989),II-8)。
【0121】3.cDNAプールを用いたDNA断片の
増幅 (1)増幅させるDNA断片数 このDNA断片の増幅に用いるPCRプライマーは、一
種類のプライマー又は2種類以上のプライマーセットか
らなり、前記cDNAプールのうち限定された種類数の
cDNAに対応するDNA断片を増幅し得る増幅確率を
有している。なお、この増幅確率とは、総塩基配列長さ
当たりの増幅バンド数を意味する。
【0122】ここで限定された種類数のcDNAは、各
増幅されるDNA断片及びその増幅量などの再現性を向
上させることが可能となる数であって、最終的な電気泳
動等により解析で各増幅産物が識別し得る数であること
が好ましい。一方、未知のmRNAを調べるためには、
ある程度の種類のmRNAに対応したcDNAを増幅さ
せる必要がある。このような観点から、このcDNAの
限定された種類数は、例えば、100種類以下であり、
より正確な解析を行うためには、1〜25種前後とす
る。
【0123】(2)プライマーの増幅確率 また、上記した限定された種類数のmRNAを合成する
ためには、プライマーは一定の増幅確率を有しているこ
とが必要となる。上述したように、増幅確率とは、総塩
基配列長さ当たりの増幅バンド数を意味する。従って、
ここでmRNAの長さを2000bpとして計算すると、5000
種類のmRNAが存在する細胞又は組織を調べる場合に
は、cDNAプール中に総合計で1×107bpのcDNAが
存在することになる。従って、この場合には、増幅確率
10-6のプライマーを用いることにより、10種類のcD
NA断片が増幅されることになる。
【0124】また、仮に5000種類より多い場合には、増
幅確率の小さなプライマーを用い、逆にmRNAが5000
種類よりも少ない場合には増幅確率の大きなプライマー
を用いる。さらに、平均のmRNAの長さが2000bpより
も大きな場合には増幅確率の小さなプライマーを用い、
逆に2000bpよりも小さな場合には増幅確率の大きなプラ
イマーを用いる。
【0125】このように複数種のcDNAプールを鋳型
にDNA断片を増幅するために用いるプライマーの至適
な増幅確率は、プール中に存在するcDNAの種類数、
長さなどによるが、例えば、10-5から10-9であり、好適
には10-6から10-7である。こうした増幅確率を有するプ
ライマーは、PCRプライマーとして機能する程度の長
さ、例えば、12塩基前後とし、その塩基配列を種々の
組み合わせから構成して、この増幅確率を示したものか
ら選択することができる。例えば、特開2000-270867号
公報に示すプライマーの中から所望の増幅確率を有する
プライマーを用いることができる。
【0126】なお、このcDNAのプール中に存在する
cDNAの種類数及びその長は、増幅確率の明らかな上
記PCRプライマーを用いたPCR反応を1種類、又は
複数種類行い、得られるDNA断片の数を測定すること
で、簡便に調べることができる。
【0127】(3)PCRの条件 PCRの反応液及びPCRの条件は、上記増幅確率を有
するプライマーにより上記限定した種類数のcDNA断
片を増幅し得るように調節する。PCRの反応液は、例
えば、表2の組成とすることができる。また、PCRの
反応条件としては、表3に示す条件とすることができ
る。
【0128】
【表2】
【0129】
【表3】
【0130】上記表2及び表3に示す条件では、目的と
する種類数のDNA断片が増幅することができない場合
には、より緩和な条件にすることができる。緩和な条件
にするためには、例えばPCRの反応液中の塩化マグネ
シウム(MgCl2)濃度を上昇させるか又はアニーリ
ング温度(45℃)を低下させるか等を行うことができ
る。具体的には、例えば、塩化マグネシウム濃度として
は、1.0〜3.0mMの範囲で変更することができ
る。また、アニーリング温度は、例えば、45℃〜55
℃の範囲で変更してもよい。
【0131】増幅されるDNA断片の量は、上記反応溶
液中マグネシウム濃度、PCRサイクルのアニーリング
温度、PCRサイクルのサイクル数、鋳型濃度に依存す
るため、これを調節することにより、増幅させるDNA
断片の量を適正化することができる。ここで、サイクル
数としては、25〜45サイクルとすることができ、好
適には、25〜35サイクルとすることができる。
【0132】4.DNA断片の増幅方法及び電気泳動解
析 本実施形態のDNA断片増幅方法の一例を説明する。こ
こでは、mRNAの種類数等が不明な場合に対応して、
増幅確率の異なるプライマーをそれぞれ使用してcDN
AプールからDNA断片を増幅する場合を示す。
【0133】図7において、マイクロタイタプレート5
0の各ウェル51のそれぞれに異なる増幅確率を有する
プライマーが添加される。ここでは、10-8〜10-6
増幅確率を有するプライマーを用いた。
【0134】これらウェル51にmRNAプールから逆
転写したcDNAプールの一部をそれぞれ添加する。そ
して、上記表1に示すようにPCRバッファ、塩化マグ
ネシウム、dNTPミックス、Taqポリメラーゼを添
加して、反応液を調製する。
【0135】反応液調製後、マイクロタイタプレート5
0を増幅器にセットする。この増幅器は、特に限定はな
く、通常市販されている増幅器を使用することができ
る。増幅器にPCRの条件、例えば、表3に示す条件を
設定する。設定が終了したら、PCR反応を開始させ
る。
【0136】PCRの一連の反応工程を図8に示す。な
お、ここでは、一例として配列番号69に示すプライマ
ー(5'GGCTTCGAATCG`3)プライマーを用いた。
【0137】図8(a)に示す2本鎖のcDNA1は、
熱変性工程において、図8(b)に示すように一本鎖D
NA2a,2bに分離される。図8(c)に示すよう
に、アニーリング工程において、プライマー11aは一
本鎖DNA2a,2b中の相補する配列を探し、相補す
る配列があればその配列に融合する。プライマーが融合
すると、図8(d)に示すように、伸長工程において、
ポリメラーゼによりプライマーからDNAの伸長反応が
起こり、2本鎖DNA3a,3bが合成される。
【0138】ここで生成された2本鎖DNA3a,3b
は、再び、変性工程において、2本鎖が一本鎖に分離さ
れ、プライマーの融合、伸長がサイクル数分だけ繰り返
されてDNA断片が順次増幅される。
【0139】ここで増幅されたDNA断片は、増幅産物
を確認するために、電気泳動にかけられる。この電気泳
動は、解析するDNA断片の数や長さにより、適切なも
のが使用される。例えば、アガロースゲルを用いた電気
泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動などを用いるこ
とができる。また、分画するDNA断片の長さに幅があ
る場合には、ロングレンジ型ゲル及び装置を用いること
ができる。
【0140】図7に、上記電気泳動により増幅DNA断
片を分画した際の予想されるパターン像を示す。このよ
うに、増幅確率が高いプライマーを用いた場合には、D
NA断片の限定された種類数が多くなり、一方、増幅確
率の低いプライマーを用いることにより、DNA断片の
種類数をさらに限定することができる。これにより、従
来のようにcDNAを無作為に膨大な種類数を増幅させ
るRAPD法(RandomAmplified Polymorphic DNA
法)に比して、DNA断片の泳動パターンの解析をより
正確に行うことができ、また、再現性を向上させること
が可能となる。
【0141】したがって、このDNA増幅方法を異なる
発生段階の細胞又は異なる組織由来のmRNAを用いて
逆転写させたcDNAに適用することにより、発生段階
を通したmRNAの発現状態、又は組織特異的なmRN
Aの発現状態を調べることが解析する場合に有効とな
る。また、このDNA増幅方法に用いられるプライマー
耐熱性ポリメラーゼを含むPCR反応試薬をキットとし
て提供することにより簡便にcDNA又はmRNAの解
析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における植物育成方法を
説明するための模式図である。
【図2】植物生長の活性度合いのモニタリング方法を示
す模式図である。
【図3】土壌等の微生物叢のモニタリング方法を示す模
式図である。
【図4】土壌中の硝酸塩および亜硝酸塩蓄積状態の制御
方法を示す模式図である。
【図5】温度と硝酸イオンおよび亜硝酸イオンとの関係
を示す図である。
【図6】本発明の植物育成システムの一例である植物工
場の構成を示す模式図である。
【図7】本実施形態のDNA断片増幅方法の工程を模式
的に示した図である。
【図8】本実施形態のDNA断片増幅方法におけるDN
A増幅過程を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 植物工場 2 ハウジング 3 照明器具 4 空調機 5 土壌 6 ヒータ 7 エアポンプ 11 温度・湿度計 12 照度計 13 CO2 濃度計 14 含水率計 15 温度計 16 pH計 17 酸素量測定器 18 酸化還元電位計 20 植物生長の活性度合いモニター装置 30 微生物叢モニター装置 40 空調・照明制御装置 50 土壌環境制御装置 60 植物育成制御系 70 遠隔制御装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年4月19日(2002.4.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0141
【補正方法】変更
【補正内容】
【0141】したがって、このDNA増幅方法を異なる
発生段階の細胞又は異なる組織由来のmRNAを用いて
逆転写させたcDNAに適用することにより、発生段階
を通したmRNAの発現状態、又は組織特異的なmRN
Aの発現状態を調べることが解析する場合に有効とな
る。また、このDNA増幅方法に用いられるプライマー
耐熱性ポリメラーゼを含むPCR反応試薬をキットとし
て提供することにより簡便にcDNA又はmRNAの解
析を行うことができる。
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> Sanyo Electric Co., Ltd. <120> Plant Growth Method, Plant Growth System, Me
thod of Measuring Activity of Plant Growth, Method
of Measuring Microorganism Flora in Plant Growth
Region and Method of Controlling Condition of Plan
t Growth Region <130> NAR1016009 <160> 1 <210> 1 <211> 12 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 1 ggcttcgaat cg 12
フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA07 AA11 CA04 DA01 GA30 HA19 4B063 QA01 QQ05 QQ09 QQ50 QR32 QR55 QR62 QS34 4B065 AA01X AC20 BA22 CA46 CA53

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物の生長の活性度合いを測定するステ
    ップと、 植物の生育領域の微生物叢を測定するステップと、 前記植物の生長の活性度合いの測定結果および前記微生
    物叢の測定結果に基づいて前記植物の生育領域の状態を
    制御するステップとを備えたことを特徴とする植物育成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記活性度合いを測定するステップは、 植物から複数種類のmRNAを抽出するステップと、 前記抽出された複数種類のmRNAから逆転写酵素を用
    いて複数種類のcDNAを合成するステップと、 複数種類のプライマーを一度に用いて前記合成された複
    数種類のcDNAに対して増幅確率を制限したポリメラ
    ーゼ連鎖反応法を適用することにより複数のDNA断片
    を増幅するステップと、 前記増幅された複数のDNA断片の電気泳動像の解析に
    より前記植物の生長の活性度合いを判定するステップと
    を含むことを特徴とする請求項1記載の植物育成方法。
  3. 【請求項3】 前記活性度合いを測定するステップは、 植物から複数種類のmRNAを抽出するステップと、 複数種類のプライマーを用いて前記抽出された複数種類
    のmRNAから複数種類のcDNAを合成するととも
    に、前記複数種類のプライマーを一度に用いて前記合成
    された複数種類のcDNAに対して増幅確率を制限した
    ポリメラーゼ連鎖反応法を適用することにより複数のD
    NA断片を増幅するステップと、 前記増幅された複数のDNA断片の電気泳動像の解析に
    より前記植物の生長の活性度合いを判定するステップと
    を含むことを特徴とする請求項1記載の植物育成方法。
  4. 【請求項4】 前記増幅するステップにおいて1つの反
    応溶液に対して複数種類のプライマーを用いることを特
    徴とする請求項2または3記載の植物育成方法。
  5. 【請求項5】 前記活性度合いを測定するステップは、 植物から複数種類のmRNAを抽出するステップと、 前記抽出された複数種類のmRNAから逆転写酵素を用
    いて複数種類のcDNAを合成するステップと、 所定の塩基配列を有するプライマー対を用いて前記合成
    された複数種類のcDNAに対してポリメラーゼ連鎖反
    応法を適用することにより植物の生長に関わる蛋白質の
    元となるcDNAを検出するステップと、 前記検出されたcDNAの電気泳動像の解析により前記
    植物の生長の活性度合いを判定するステップとを含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の植物育成方法。
  6. 【請求項6】 前記活性度合いを測定するステップは、 植物から複数種類のmRNAを抽出するステップと、 前記抽出された複数種類のmRNAから逆転写酵素を用
    いて複数種類のcDNAを合成するステップと、 前記合成された複数種類のcDNAにハイブリダイゼー
    ション法を適用することにより前記抽出された複数種類
    のmRNAの発現パターンを検出するステップとを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の植物育成方法。
  7. 【請求項7】 前記活性度合いを測定するステップは、 植物から複数種類のmRNAを抽出するステップと、 前記抽出された複数種類のmRNAにハイブリダイゼー
    ション法を適用することにより複数種類のmRNAの発
    現パターンを検出するステップとを含むことを特徴とす
    る請求項1記載の植物育成方法。
  8. 【請求項8】 前記微生物叢を測定するステップは、 前記植物の生育領域の土壌を採取するステップと、 前記採取された土壌に懸濁および分散処理を行うステッ
    プと、 前記懸濁および分散処理により得られた微生物を培養お
    よび生化学検査し、微生物の種類および量を検出するス
    テップとを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    かに記載の植物育成方法。
  9. 【請求項9】 前記微生物叢を測定するステップは、 前記植物の生育領域の土壌を採取するステップと、 前記採取された土壌に懸濁および分散処理を行うステッ
    プと、 複数種類のプライマーを一度に用いて前記懸濁および分
    散処理により得られた微生物叢に含まれる微生物に対し
    て増幅確率を制限したポリメラーゼ連鎖反応法を適用す
    ることにより微生物叢に含まれる微生物のDNAから複
    数のDNA断片を増幅し、前記増幅された複数のDNA
    断片の電気泳動像の解析により微生物叢に含まれる微生
    物の種類を識別するステップとを含むことを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の植物育成方法。
  10. 【請求項10】 前記複数のDNA断片を増幅する際に
    1つの反応溶液に対して複数種類のプライマーを用いる
    ことを特徴とする請求項9記載の植物育成方法。
  11. 【請求項11】 前記微生物叢を測定するステップは、 前記植物の生育領域の土壌を採取するステップと、 前記採取された土壌に懸濁および分散処理を行うステッ
    プと、 前記懸濁および分散処理により得られた微生物叢に含ま
    れる微生物のrRNAの遺伝子を保存したDNA領域を
    ポリメラーゼ連鎖反応法により増幅し、前記増幅結果の
    解析により微生物叢に含まれる微生物の種類を識別する
    ステップとを含むことを特徴とする請求項1〜7のいず
    れかに記載の植物育成方法。
  12. 【請求項12】 前記植物の生育領域の状態を制御する
    ステップは、 前記生育領域の硝酸塩または亜硝酸塩の量を制御するス
    テップを含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれ
    かに記載の植物育成方法。
  13. 【請求項13】 前記生育領域の硝酸塩または亜硝酸塩
    の量を制御するステップは、前記生育領域の硝化細菌の
    活性状態を制御するステップを含むことを特徴とする請
    求項12記載の植物育成方法。
  14. 【請求項14】 前記生育領域の硝化細菌の活性状態を
    制御するステップは、前記生育領域の温度、酸素量また
    は含水率を制御するステップを含むことを特徴とする請
    求項13記載の植物育成方法。
  15. 【請求項15】 植物の生長の活性度合いを測定する方
    法であって、 植物から複数種類のmRNAを抽出するステップと、 前記抽出された複数種類のmRNAから逆転写酵素を用
    いて複数種類のcDNAを合成するステップと、 複数種類のプライマーを一度に用いて前記合成された複
    数種類のcDNAに対して増幅確率を制限したポリメラ
    ーゼ連鎖反応法を適用することにより複数のDNA断片
    を増幅するステップと、 前記増幅された複数のDNA断片の電気泳動像の解析に
    より前記植物の生長の活性度合いを判定するステップと
    を含み、 前記増幅するステップにおいて1つの反応溶液に対して
    複数種類のプライマーを用いることを特徴とする植物の
    生長の活性度合いの測定方法。
  16. 【請求項16】 植物の生長の活性度合いを測定する方
    法であって、 植物から複数種類のmRNAを抽出するステップと、 複数種類のプライマーを用いて前記抽出された複数種類
    のmRNAから複数種類のcDNAを合成するととも
    に、前記複数種類のプライマーを一度に用いて前記合成
    された複数種類のcDNAに対して増幅確率を制限した
    ポリメラーゼ連鎖反応法を適用することにより複数のD
    NA断片を増幅するステップと、 前記増幅された複数のDNA断片の電気泳動像の解析に
    より前記植物の生長の活性度合いを判定するステップと
    を含むことを特徴とする植物の生長の活性度合いの測定
    方法。
  17. 【請求項17】 前記増幅するステップにおいて1つの
    反応溶液に対して複数種類のプライマーを用いることを
    特徴とする請求項16記載の植物の生長の活性度合いの
    測定方法。
  18. 【請求項18】 植物の生育領域の微生物叢を測定する
    方法であって、 前記植物の生育領域の土壌を採取するステップと、 前記採取された土壌に懸濁および分散処理を行うステッ
    プと、 複数種類のプライマーを一度に用いて前記懸濁および分
    散処理により得られた微生物叢に含まれる微生物に対し
    て増幅確率を制限したポリメラーゼ連鎖反応法を適用す
    ることにより微生物叢に含まれる微生物のDNAから複
    数のDNA断片を増幅し、前記増幅された複数のDNA
    断片の電気泳動像の解析により微生物叢に含まれる微生
    物の種類を識別するステップとを含むことを特徴とする
    植物の生育領域の微生物叢の測定方法。
  19. 【請求項19】 植物の生育領域の状態を制御する方法
    であって、 前記生育領域の硝化細菌の活性状態を制御することによ
    り、前記生育領域の硝酸塩または亜硝酸塩の量を制御す
    ることを特徴とする植物の生育領域の状態制御方法。
  20. 【請求項20】 前記生育領域の温度、酸素量または含
    水率を制御することにより、前記生育領域の硝化細菌の
    活性状態を制御することを特徴とする請求項19記載の
    植物の生育領域の状態制御方法。
  21. 【請求項21】 植物の生長の活性度合いを測定する第
    1の測定手段と、 植物の生育領域の微生物叢を測定する第2の測定手段
    と、 前記植物の生長の活性度合いの測定結果および前記微生
    物叢の測定結果に基づいて前記植物の生育領域の状態を
    制御する制御手段とを備えたことを特徴とする植物育成
    システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210107271A (ko) * 2020-02-24 2021-09-01 인하대학교 산학협력단 인공지능 기반의 실내 수경 시스템

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