JP2002324712A - ノイズ吸収素子 - Google Patents
ノイズ吸収素子Info
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- JP2002324712A JP2002324712A JP2001126227A JP2001126227A JP2002324712A JP 2002324712 A JP2002324712 A JP 2002324712A JP 2001126227 A JP2001126227 A JP 2001126227A JP 2001126227 A JP2001126227 A JP 2001126227A JP 2002324712 A JP2002324712 A JP 2002324712A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ノイズ吸収効果の高いノイズ吸収素子を提供
する。 【解決手段】 導体2に折り返し部を設け、その折り返
し部を金属磁性粉と電気絶縁性高分子材との混合物から
なる磁性成形体3内に設置したことを特徴とする。
する。 【解決手段】 導体2に折り返し部を設け、その折り返
し部を金属磁性粉と電気絶縁性高分子材との混合物から
なる磁性成形体3内に設置したことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばキーボード
などの電子機器の信号線(導体)に取り付けられて、電
子機器の内部で発生したノイズや外部から信号線を通し
て電子機器へ流れ込むノイズを吸収するノイズ吸収素子
に関する。
などの電子機器の信号線(導体)に取り付けられて、電
子機器の内部で発生したノイズや外部から信号線を通し
て電子機器へ流れ込むノイズを吸収するノイズ吸収素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のノイズ吸収素子として、信号線
を2分割された半円弧型の磁性体で挟み付けたもの(特
開平11−273957号公報、特開2000−286
127号公報、特開2000−286129号公報な
ど)、信号線を折り返して磁性体に巻き付けたもの(特
開平10−269854号公報)などが知られている。
を2分割された半円弧型の磁性体で挟み付けたもの(特
開平11−273957号公報、特開2000−286
127号公報、特開2000−286129号公報な
ど)、信号線を折り返して磁性体に巻き付けたもの(特
開平10−269854号公報)などが知られている。
【0003】図20は、従来の信号線を折り返して磁性
体に巻き付けたノイズ吸収素子の斜視図である。磁性体
100は2分割された半円筒型のブロック110からな
り、内側に信号線300が挿通する貫通孔120を形成
する溝が設けられている。磁性体100は、フェライト
コアから構成されている。
体に巻き付けたノイズ吸収素子の斜視図である。磁性体
100は2分割された半円筒型のブロック110からな
り、内側に信号線300が挿通する貫通孔120を形成
する溝が設けられている。磁性体100は、フェライト
コアから構成されている。
【0004】2つのブロック110の当接面113を互
いに当接して構成した磁性体100に信号線300を挿
通して1回巻き付けられ、この状態で合成樹脂からなる
ケース(図示せず)内に収納・固定される。
いに当接して構成した磁性体100に信号線300を挿
通して1回巻き付けられ、この状態で合成樹脂からなる
ケース(図示せず)内に収納・固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】信号線を単に磁性体に
通すよりも、図20のように折り返して巻き付けるよう
にした方がノイズ吸収効果がある。しかし図20に示す
従来のノイズ吸収素子は信号線300の折り返し部31
0は磁性体100の外側に配置されるため、ノイズ吸収
が半減するという欠点がある。
通すよりも、図20のように折り返して巻き付けるよう
にした方がノイズ吸収効果がある。しかし図20に示す
従来のノイズ吸収素子は信号線300の折り返し部31
0は磁性体100の外側に配置されるため、ノイズ吸収
が半減するという欠点がある。
【0006】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、ノイズ吸収効果の大きいノイズ吸収素子を
提供することにある。
点を解消し、ノイズ吸収効果の大きいノイズ吸収素子を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1の手段は、例えば信号線などの導体に
Uターン部と直線部分とを有する折り返し部を設け、そ
の折り返し部の少なくとも直線部分を例えばFe−Co
合金系軟磁性材料などの金属磁性粉と例えばシリコン系
樹脂などの電気絶縁性高分子材との混合物からなる磁性
成形体内に設置したことを特徴とするものである。
め、本発明の第1の手段は、例えば信号線などの導体に
Uターン部と直線部分とを有する折り返し部を設け、そ
の折り返し部の少なくとも直線部分を例えばFe−Co
合金系軟磁性材料などの金属磁性粉と例えばシリコン系
樹脂などの電気絶縁性高分子材との混合物からなる磁性
成形体内に設置したことを特徴とするものである。
【0008】本発明の第2の手段は前記第1の手段にお
いて、前記金属磁性粉が鱗片状をしており、大半の鱗片
状金属磁性粉の扁平面が前記磁性成形体内に設置されて
いる折り返し部のうちの直線部分の軸方向に対してほぼ
直交する方向に配向されていることを特徴とするもので
ある。
いて、前記金属磁性粉が鱗片状をしており、大半の鱗片
状金属磁性粉の扁平面が前記磁性成形体内に設置されて
いる折り返し部のうちの直線部分の軸方向に対してほぼ
直交する方向に配向されていることを特徴とするもので
ある。
【0009】本発明の第3の手段は前記第1の手段にお
いて、前記折り返し部のUターン部が実質的に前記磁性
成形体内に設置されていることを特徴とするものであ
る。
いて、前記折り返し部のUターン部が実質的に前記磁性
成形体内に設置されていることを特徴とするものであ
る。
【0010】本発明の第4の手段は前記第1の手段にお
いて、前記磁性成形体の内部に一方の端面から他方の端
面に向けて貫通した挿通孔と、その磁性成形体の周面か
ら前記挿通孔に連通した切り込み部が形成され、前記導
体の折り返し部の直線部分が切り込み部を通して挿通孔
に挿入されたことを特徴とするものである。
いて、前記磁性成形体の内部に一方の端面から他方の端
面に向けて貫通した挿通孔と、その磁性成形体の周面か
ら前記挿通孔に連通した切り込み部が形成され、前記導
体の折り返し部の直線部分が切り込み部を通して挿通孔
に挿入されたことを特徴とするものである。
【0011】本発明の第5の手段は前記第4の手段にお
いて、前記磁性成形体が弾性変形可能であることを特徴
とするものである。
いて、前記磁性成形体が弾性変形可能であることを特徴
とするものである。
【0012】本発明の第6の手段は前記第4の手段にお
いて、前記切り込み部の磁性成形体周面側に挿入ガイド
部が設けられていることを特徴とするものである。
いて、前記切り込み部の磁性成形体周面側に挿入ガイド
部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】本発明の第7の手段は前記第4の手段にお
いて、前記導体の折り返し部が挿通孔に設置された状態
で、前記切り込み部に形成されている対向した2つの切
り込み面が互いに密着していることを特徴とするもので
ある。
いて、前記導体の折り返し部が挿通孔に設置された状態
で、前記切り込み部に形成されている対向した2つの切
り込み面が互いに密着していることを特徴とするもので
ある。
【0014】本発明の第8の手段は前記第4の手段にお
いて、前記挿通孔が複数設けられ、各挿通孔に対応して
磁性成形体の周面に外側切り込み部が形成されているこ
とを特徴とするものである。
いて、前記挿通孔が複数設けられ、各挿通孔に対応して
磁性成形体の周面に外側切り込み部が形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0015】本発明の第9の手段は前記第4の手段にお
いて、前記挿通孔が複数設けられ、そのうちの1つの挿
通孔に対応して磁性成形体の周面に外側切り込み部が形
成され、その1つの挿通孔から他の挿通孔に向けて連通
した内側切り込み部が形成されていることを特徴とする
ものである。
いて、前記挿通孔が複数設けられ、そのうちの1つの挿
通孔に対応して磁性成形体の周面に外側切り込み部が形
成され、その1つの挿通孔から他の挿通孔に向けて連通
した内側切り込み部が形成されていることを特徴とする
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図とと
もに説明する。図1は第1実施形態に係るノイズ吸収素
子の斜視図、図2はそのノイズ吸収素子に用いる磁性成
形体の平面図、図3はその磁性成形体の横断面図、図4
はその磁性成形体の縦断面図、図5は導体の折り返し部
の斜視図、図6はそのノイズ吸収素子の横断面図、図7
は図1A−A線上の断面図である。
もに説明する。図1は第1実施形態に係るノイズ吸収素
子の斜視図、図2はそのノイズ吸収素子に用いる磁性成
形体の平面図、図3はその磁性成形体の横断面図、図4
はその磁性成形体の縦断面図、図5は導体の折り返し部
の斜視図、図6はそのノイズ吸収素子の横断面図、図7
は図1A−A線上の断面図である。
【0017】ノイズ吸収素子1は、信号線などの導体2
と、金属磁性粉と電気絶縁性高分子材との混合物からな
る磁性成形体3との組合体より構成されている。前記金
属磁性粉としては軟磁性金属粉が用いられ、例えば78
重量%Ni−Fe、45重量%Ni−Fe、36重量%
Ni−Fe、12重量%Mn−9.6重量%Cu−6重
量%Fe−Niなどのパーマロイ合金や、42重量%N
i−Fe、52重量%Ni−FeなどのNi−Fe合
金、29重量%Ni−17重量%Co−Fe、10〜1
8重量%Cr−Feなどの電磁ステンレス鋼、3〜10
重量%Cr−3〜10重量%Si−Fe、9〜22重量
%Ni−16〜26重量%Cr−Fe、Fe−Cr−A
l系合金、Fe−Cr−Al−Si系合金、Fe−Co
−X(但しXはV、Al、Si、Crのグループから選
択された少なくとも1種の元素)などが好ましいが、そ
の他のFe系合金も適用可能である。
と、金属磁性粉と電気絶縁性高分子材との混合物からな
る磁性成形体3との組合体より構成されている。前記金
属磁性粉としては軟磁性金属粉が用いられ、例えば78
重量%Ni−Fe、45重量%Ni−Fe、36重量%
Ni−Fe、12重量%Mn−9.6重量%Cu−6重
量%Fe−Niなどのパーマロイ合金や、42重量%N
i−Fe、52重量%Ni−FeなどのNi−Fe合
金、29重量%Ni−17重量%Co−Fe、10〜1
8重量%Cr−Feなどの電磁ステンレス鋼、3〜10
重量%Cr−3〜10重量%Si−Fe、9〜22重量
%Ni−16〜26重量%Cr−Fe、Fe−Cr−A
l系合金、Fe−Cr−Al−Si系合金、Fe−Co
−X(但しXはV、Al、Si、Crのグループから選
択された少なくとも1種の元素)などが好ましいが、そ
の他のFe系合金も適用可能である。
【0018】金属磁性粉としては鱗片状のものが好まし
く、鱗片状金属磁性粉の形状は、平均長・短径が200
μm以下、好ましくは100μm以下、平均厚さが10
μm以下、好ましくは1μm以下で、所要の減衰周波数
帯域により表皮効果厚を設定する。
く、鱗片状金属磁性粉の形状は、平均長・短径が200
μm以下、好ましくは100μm以下、平均厚さが10
μm以下、好ましくは1μm以下で、所要の減衰周波数
帯域により表皮効果厚を設定する。
【0019】前記高分子材としては、例えばポリブタジ
エンゴム、ポリイソプレンゴム、エチレンイソプレンゴ
ム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、イソブチレンイ
ソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどの合成ゴ
ム、シリコン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレ
ン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリイミド系樹脂など各種の柔軟性を有する高分子材が
使用可能である。特に高密度ポリエチレン系樹脂やポリ
プロピレン系樹脂は熱伝導性が良好であるため、またポ
リアミド系樹脂やポリイミド系樹脂は耐熱性が良好であ
るため賞用される。なお、熱伝導性を高めるためガラス
繊維、カーボン繊維、無機物などのフィラーを適量混合
した複合材を用いることもできる。
エンゴム、ポリイソプレンゴム、エチレンイソプレンゴ
ム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、イソブチレンイ
ソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどの合成ゴ
ム、シリコン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレ
ン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリイミド系樹脂など各種の柔軟性を有する高分子材が
使用可能である。特に高密度ポリエチレン系樹脂やポリ
プロピレン系樹脂は熱伝導性が良好であるため、またポ
リアミド系樹脂やポリイミド系樹脂は耐熱性が良好であ
るため賞用される。なお、熱伝導性を高めるためガラス
繊維、カーボン繊維、無機物などのフィラーを適量混合
した複合材を用いることもできる。
【0020】金属磁性粉と高分子材の混合重量比は金属
磁性粉の割合が大きい方がノイズ吸収効果は増大する
が、柔軟性(弾性)を損なう可能性がある。従って金属
磁性粉の含有率は70重量%程度までは可能であるが、
柔軟性(弾性)、成形性、加工性、取扱性などを考慮す
ると30〜50重量%の範囲が好ましく、素子の形状と
の兼ね合いで選択する必要があり、金属磁性粉の含有量
を多くできない場合は、導体への被覆長さを長くしてノ
イズ吸収効果を高めることができる。
磁性粉の割合が大きい方がノイズ吸収効果は増大する
が、柔軟性(弾性)を損なう可能性がある。従って金属
磁性粉の含有率は70重量%程度までは可能であるが、
柔軟性(弾性)、成形性、加工性、取扱性などを考慮す
ると30〜50重量%の範囲が好ましく、素子の形状と
の兼ね合いで選択する必要があり、金属磁性粉の含有量
を多くできない場合は、導体への被覆長さを長くしてノ
イズ吸収効果を高めることができる。
【0021】磁性成形体3の具体例としては、Fe−C
o−X(XはV、Al、Si、Crのグループから選択
された元素)合金で、平均長・短径が60μm以下、平
均厚さが0.2μmの鱗片状した軟磁性金属粉を40〜
50重量%と、シリコン樹脂を60〜50重量%混合し
た弾性を有する成形体が好ましい。
o−X(XはV、Al、Si、Crのグループから選択
された元素)合金で、平均長・短径が60μm以下、平
均厚さが0.2μmの鱗片状した軟磁性金属粉を40〜
50重量%と、シリコン樹脂を60〜50重量%混合し
た弾性を有する成形体が好ましい。
【0022】磁性成形体3の外形は図1に示すように円
柱状または角柱状をしており、磁性成形体3の一方の端
面3aから他方の端面3bに向けて貫通した第1挿通孔
4a、第2挿通孔4b、第3挿通孔4cが周方向に等間
隔に設けられている(図2、図3参照)。図2と図4に
示すように磁性成形体3の一方の端面3aに第1挿通孔
4aと第2挿通孔4bの開口部を連通する第1連通溝5
aが、磁性成形体3の他方の端面3bに第2挿通孔4b
と第3挿通孔4cの開口部を連通する第2連通溝5b
が、それぞれ形成されている。従って第1挿通孔4a、
第1連通溝5a、第2挿通孔4b、第2連通溝5b、第
3挿通孔4cは連通した状態になっている。
柱状または角柱状をしており、磁性成形体3の一方の端
面3aから他方の端面3bに向けて貫通した第1挿通孔
4a、第2挿通孔4b、第3挿通孔4cが周方向に等間
隔に設けられている(図2、図3参照)。図2と図4に
示すように磁性成形体3の一方の端面3aに第1挿通孔
4aと第2挿通孔4bの開口部を連通する第1連通溝5
aが、磁性成形体3の他方の端面3bに第2挿通孔4b
と第3挿通孔4cの開口部を連通する第2連通溝5b
が、それぞれ形成されている。従って第1挿通孔4a、
第1連通溝5a、第2挿通孔4b、第2連通溝5b、第
3挿通孔4cは連通した状態になっている。
【0023】磁性成形体3の周面から各第1挿通孔4
a、第2挿通孔4b、第3挿通孔4cに向けて切り込み
部6a、6b、6cが形成され、各切り込み部6の長さ
は各挿通孔4の長さと同寸である。各切り込み部6の周
面側には、外側に向けて広がったV溝状の挿入ガイド部
7が、切り込み部6の全長にわたって設けられる。
a、第2挿通孔4b、第3挿通孔4cに向けて切り込み
部6a、6b、6cが形成され、各切り込み部6の長さ
は各挿通孔4の長さと同寸である。各切り込み部6の周
面側には、外側に向けて広がったV溝状の挿入ガイド部
7が、切り込み部6の全長にわたって設けられる。
【0024】この磁性成形体3内に導体2が挿入され
る。図5に示すように線状の導体2は途中で2回U字状
に折り曲げられて、ほぼ平行に並ぶ第1直線部分8a、
第2直線部分8b、第3直線部分8cと、第1直線部分
8aと第2直線部分8bを結ぶ第1Uターン部9a、第
2直線部分8bと第3直線部分8cを結ぶ第2Uターン
部9bを有する折り返し部を構成している。
る。図5に示すように線状の導体2は途中で2回U字状
に折り曲げられて、ほぼ平行に並ぶ第1直線部分8a、
第2直線部分8b、第3直線部分8cと、第1直線部分
8aと第2直線部分8bを結ぶ第1Uターン部9a、第
2直線部分8bと第3直線部分8cを結ぶ第2Uターン
部9bを有する折り返し部を構成している。
【0025】前記第1直線部分8aを磁性成形体3の第
1挿通孔4aの外側に持ってきて、第1挿通孔4aと連
通している切り込み部6aの挿入ガイド部7から第1挿
通孔4aに押し込むことにより、切り込み部6aが弾性
的に拡がり、第1直線部分8aが第1挿通孔4a内に挿
入される。同様の手順で第2直線部分8bが第2挿通孔
4b内に挿入され、第3直線部分8cが第3挿通孔4c
内に挿入される。また導体2の第1Uターン部9aが第
1連通溝5a内に、第2Uターン部9bが第2連通溝5
b内にそれぞれ収容され、第1Uターン部9aと第2U
ターン部9bも磁性成形体3内に配置されて端面3a,
3bより外側には突出していない。
1挿通孔4aの外側に持ってきて、第1挿通孔4aと連
通している切り込み部6aの挿入ガイド部7から第1挿
通孔4aに押し込むことにより、切り込み部6aが弾性
的に拡がり、第1直線部分8aが第1挿通孔4a内に挿
入される。同様の手順で第2直線部分8bが第2挿通孔
4b内に挿入され、第3直線部分8cが第3挿通孔4c
内に挿入される。また導体2の第1Uターン部9aが第
1連通溝5a内に、第2Uターン部9bが第2連通溝5
b内にそれぞれ収容され、第1Uターン部9aと第2U
ターン部9bも磁性成形体3内に配置されて端面3a,
3bより外側には突出していない。
【0026】このようにして導体2を磁性成形体3内に
収容して構成したノイズ吸収素子が図1、図6ならびに
図7に示されている。図6に示すように直線部分8を挿
通孔4内に設置した状態で、切り込み部6に形成されて
いる対向した2つの切り込み面が互いに密着して、切り
込み部6に隙間は形成されない。このようにするために
は、磁性成形体3が適度の弾性を有し、挿通孔4の内径
を直線部分8の外径以上に設定する必要がある。
収容して構成したノイズ吸収素子が図1、図6ならびに
図7に示されている。図6に示すように直線部分8を挿
通孔4内に設置した状態で、切り込み部6に形成されて
いる対向した2つの切り込み面が互いに密着して、切り
込み部6に隙間は形成されない。このようにするために
は、磁性成形体3が適度の弾性を有し、挿通孔4の内径
を直線部分8の外径以上に設定する必要がある。
【0027】図8と図9は本発明の第2実施形態を示す
図で、図8は磁性成形体の横断面図、図9はノイズ吸収
素子の横断面図である。前記第1実施形態の場合は図3
に示すように、磁性成形体3の各挿通孔4に対してそれ
ぞれ外側に切り込み部6を形成したが、本実施形態で
は、例えば第2挿通孔4bに対してだけ外側の切り込み
部6bが形成され、第2挿通孔4bから第1挿通孔4a
に向けてV溝状の内側の切り込み部6dが、また第2挿
通孔4bから第3挿通孔4cに向けてV溝状の内側の切
り込み部6eがそれぞれ設けられている。従って第1挿
通孔4aと第2挿通孔4bは切り込み部6dにより連通
し、第3挿通孔4cと第2挿通孔4bは切り込み部6e
により連通している。
図で、図8は磁性成形体の横断面図、図9はノイズ吸収
素子の横断面図である。前記第1実施形態の場合は図3
に示すように、磁性成形体3の各挿通孔4に対してそれ
ぞれ外側に切り込み部6を形成したが、本実施形態で
は、例えば第2挿通孔4bに対してだけ外側の切り込み
部6bが形成され、第2挿通孔4bから第1挿通孔4a
に向けてV溝状の内側の切り込み部6dが、また第2挿
通孔4bから第3挿通孔4cに向けてV溝状の内側の切
り込み部6eがそれぞれ設けられている。従って第1挿
通孔4aと第2挿通孔4bは切り込み部6dにより連通
し、第3挿通孔4cと第2挿通孔4bは切り込み部6e
により連通している。
【0028】この磁性成形体3に対して図5に示す導体
2を挿入には、まず導体2の第1直線部分8aを外側の
切り込み部6bから第2挿通孔4bに挿入し、さらにそ
こから内側の切り込み部6dを通して第1挿通孔4aに
挿入する。次に第3直線部分8cを同様にして第2挿通
孔4b経由で第3挿通孔4cに挿入し、最後に第2直線
部分8bを第2挿通孔4bに挿入することにより、図9
に示すように各直線部分8が各挿通孔4内に設置され
る。
2を挿入には、まず導体2の第1直線部分8aを外側の
切り込み部6bから第2挿通孔4bに挿入し、さらにそ
こから内側の切り込み部6dを通して第1挿通孔4aに
挿入する。次に第3直線部分8cを同様にして第2挿通
孔4b経由で第3挿通孔4cに挿入し、最後に第2直線
部分8bを第2挿通孔4bに挿入することにより、図9
に示すように各直線部分8が各挿通孔4内に設置され
る。
【0029】図示していないが、本実施形態の場合にも
導体2の第1Uターン部9aが第1連通溝5a内に、第
2Uターン部9bが第2連通溝5b内にそれぞれ収容さ
れ、第1Uターン部9aと第2Uターン部9bも磁性成
形体3内に配置されて端面3a,3bより外側には突出
していない。
導体2の第1Uターン部9aが第1連通溝5a内に、第
2Uターン部9bが第2連通溝5b内にそれぞれ収容さ
れ、第1Uターン部9aと第2Uターン部9bも磁性成
形体3内に配置されて端面3a,3bより外側には突出
していない。
【0030】図10は、本発明の第3実施形態を示すノ
イズ吸収素子の横断面図である。本実施形態の場合、磁
性成形体3の内側中央部に1つの挿通孔4が形成され、
それに挿入ガイド部7付きの切り込み部6が1つ設けら
れている。
イズ吸収素子の横断面図である。本実施形態の場合、磁
性成形体3の内側中央部に1つの挿通孔4が形成され、
それに挿入ガイド部7付きの切り込み部6が1つ設けら
れている。
【0031】導体2は図5に示す状態から直線部分8
a,8b,8cを寄せ集め、それらを一緒に挿通孔4内
に挿入する。図示していないがこの実施形態でも導体2
の第1Uターン部9aと第2Uターン部9bは挿通孔4
内に配置され、磁性成形体3より突出していない構成に
なっている。
a,8b,8cを寄せ集め、それらを一緒に挿通孔4内
に挿入する。図示していないがこの実施形態でも導体2
の第1Uターン部9aと第2Uターン部9bは挿通孔4
内に配置され、磁性成形体3より突出していない構成に
なっている。
【0032】前記第2実施形態や第3実施形態のよう
に、磁性成形体3に設ける外側の切り込み部6が1つの
場合は、複数の外側切り込み部6を設けるものよりもノ
イズ吸収効果が高い。
に、磁性成形体3に設ける外側の切り込み部6が1つの
場合は、複数の外側切り込み部6を設けるものよりもノ
イズ吸収効果が高い。
【0033】図11は、本発明の第4実施形態を示すノ
イズ吸収素子の縦断面図である。本実施形態の場合、磁
性成形体3は内側中央部に貫通しない1つの挿通孔4が
形成された底部3cを有する筒状体からなる。導体2を
U字状に折り曲げることにより形成された2本の直線部
分8a,8bが挿通孔4内に挿入され、Uターン部9が
底部3cによって覆われている。挿通孔4の開口部にテ
ーパ状に広がった挿入ガイド部7が形成されている。こ
の実施形態では切込み6を設ける必要がなく、磁性成形
体3への導体2の挿入が容易である。
イズ吸収素子の縦断面図である。本実施形態の場合、磁
性成形体3は内側中央部に貫通しない1つの挿通孔4が
形成された底部3cを有する筒状体からなる。導体2を
U字状に折り曲げることにより形成された2本の直線部
分8a,8bが挿通孔4内に挿入され、Uターン部9が
底部3cによって覆われている。挿通孔4の開口部にテ
ーパ状に広がった挿入ガイド部7が形成されている。こ
の実施形態では切込み6を設ける必要がなく、磁性成形
体3への導体2の挿入が容易である。
【0034】本実施形態の場合、導体2をU字状に折り
曲げて折り返し部を形成したが、導体2をほぼM字状に
折り曲げて折り返し部を形成することにより、磁性成形
体3で覆われる折り返し部の長さを長くすることも可能
である。
曲げて折り返し部を形成したが、導体2をほぼM字状に
折り曲げて折り返し部を形成することにより、磁性成形
体3で覆われる折り返し部の長さを長くすることも可能
である。
【0035】図12ないし図14は、導体に対する鱗片
状金属磁性粉の配向例を示す図である。これらの図に示
す磁性成形体3はシート状のもので、鱗片状金属磁性粉
10の配向度が90%以上になるように作製している。
絶縁基板11上にマイクロストリップライン状の導体2
を印刷形成し、その上に磁性成形体3を配置している。
導体2に電流Iを流すことにより、導体2を中心にして
放射状に電界12が、導体2と同心円状に磁界13が形
成される。
状金属磁性粉の配向例を示す図である。これらの図に示
す磁性成形体3はシート状のもので、鱗片状金属磁性粉
10の配向度が90%以上になるように作製している。
絶縁基板11上にマイクロストリップライン状の導体2
を印刷形成し、その上に磁性成形体3を配置している。
導体2に電流Iを流すことにより、導体2を中心にして
放射状に電界12が、導体2と同心円状に磁界13が形
成される。
【0036】各図とも磁性成形体3の一部を立方形に切
り欠いて磁性成形体3内の鱗片状金属磁性粉10の配向
状態を示し、その切欠部の隣に鱗片状金属磁性粉10の
向きを拡大して示している。
り欠いて磁性成形体3内の鱗片状金属磁性粉10の配向
状態を示し、その切欠部の隣に鱗片状金属磁性粉10の
向きを拡大して示している。
【0037】図12の配向例は、鱗片状金属磁性粉10
の扁平面が導体2の平面ならびに電流Iの方向と平行に
なるように配向され、従って同図(b)に示すように磁
界13に対してほぼ平行、電界12に対して直交してい
る。
の扁平面が導体2の平面ならびに電流Iの方向と平行に
なるように配向され、従って同図(b)に示すように磁
界13に対してほぼ平行、電界12に対して直交してい
る。
【0038】図13の配向例は、鱗片状金属磁性粉10
の扁平面が導体2の平面ならびに電流Iの方向と直交す
るように配向され、従って同図(b)に示すように磁界
13に対してほぼ平行、電界12に対しても平行になっ
ている。
の扁平面が導体2の平面ならびに電流Iの方向と直交す
るように配向され、従って同図(b)に示すように磁界
13に対してほぼ平行、電界12に対しても平行になっ
ている。
【0039】図14の配向例は、鱗片状金属磁性粉10
の扁平面が導体2の平面に対して直交し、電流Iの方向
と平行になるように配向され、従って同図(b)に示す
ように磁界13に対して直交し、電界12に対して平行
になっている。
の扁平面が導体2の平面に対して直交し、電流Iの方向
と平行になるように配向され、従って同図(b)に示す
ように磁界13に対して直交し、電界12に対して平行
になっている。
【0040】図15は、図12ないし図14の各配向例
における伝送信号の減衰特性を示す図である。この減衰
特性試験は下記の条件で行なった。図中の曲線Xは図1
2の配向例の特性曲線、曲線Yは図13の配向例の特性
曲線、曲線Zは図14の配向例の特性曲線である。
における伝送信号の減衰特性を示す図である。この減衰
特性試験は下記の条件で行なった。図中の曲線Xは図1
2の配向例の特性曲線、曲線Yは図13の配向例の特性
曲線、曲線Zは図14の配向例の特性曲線である。
【0041】(試験条件) 測定基板:60×70mm FR−4マイクロストリッ
プライン Z=50Ω 測定機器:ネットワークアナライザ 測定方法:Sパラ法 試 料:4×30mm 導体中央付近 一般に信号の減衰量が−20dBm以下であるとノイズ
吸収効果があるとされているから、曲線Xのもの、すな
わち図12に示すように鱗片状金属磁性粉10の扁平面
が磁界13に対してほぼ平行、電界12に対して直交す
るように配向されている場合でもノイズ吸収効果はあ
る。しかし、その吸収効果が現れる周波数帯域は約4〜
6GHzと狭く、他の周波数帯域ではノイズ吸収効果が
ない。
プライン Z=50Ω 測定機器:ネットワークアナライザ 測定方法:Sパラ法 試 料:4×30mm 導体中央付近 一般に信号の減衰量が−20dBm以下であるとノイズ
吸収効果があるとされているから、曲線Xのもの、すな
わち図12に示すように鱗片状金属磁性粉10の扁平面
が磁界13に対してほぼ平行、電界12に対して直交す
るように配向されている場合でもノイズ吸収効果はあ
る。しかし、その吸収効果が現れる周波数帯域は約4〜
6GHzと狭く、他の周波数帯域ではノイズ吸収効果が
ない。
【0042】これに対して曲線Yのもの、すなわち図1
3に示すように鱗片状金属磁性粉10の扁平面が磁界1
3に対してほぼ平行、電界12に対しても平行になるよ
うに配向すれば、3〜18GHzの広い周波数帯域にわ
たってノイズ吸収効果があることが実験により立証され
た。
3に示すように鱗片状金属磁性粉10の扁平面が磁界1
3に対してほぼ平行、電界12に対しても平行になるよ
うに配向すれば、3〜18GHzの広い周波数帯域にわ
たってノイズ吸収効果があることが実験により立証され
た。
【0043】一般に波長より遠方に設置したノイズ吸収
素子は、アンテナ線と見做されるストリップライン(導
体)に対して平行に鱗片状金属磁性粉の扁平面を配置す
ると、誘電損失および渦電流損失を含む、磁気的損失が
最大となる。しかし、波長よりも短い近傍に設置したノ
イズ吸収素子は、空間インピーダンスが異なるととも
に、ストリップライン(導体)にインピーダンス変化を
与え、漏洩電磁界との相互作用が発生し、異なる特性を
示すことが知られている。ストリップライン(導体)の
近傍にノイズ吸収素子を設置する場合、漏洩電磁界成分
に対して平行、すなわちストリップライン(導体)に対
して直交する方向に鱗片状金属磁性粉の扁平面を配置す
る方が減衰量の極大値が得られる(図15曲線Y参
照)。これはストリップライン(導体)とグランドプレ
ーン間に、電磁界を拡散減衰し易くしているとも言え
る。理論的には十分解明されていないが、以下の理由が
考えられる。
素子は、アンテナ線と見做されるストリップライン(導
体)に対して平行に鱗片状金属磁性粉の扁平面を配置す
ると、誘電損失および渦電流損失を含む、磁気的損失が
最大となる。しかし、波長よりも短い近傍に設置したノ
イズ吸収素子は、空間インピーダンスが異なるととも
に、ストリップライン(導体)にインピーダンス変化を
与え、漏洩電磁界との相互作用が発生し、異なる特性を
示すことが知られている。ストリップライン(導体)の
近傍にノイズ吸収素子を設置する場合、漏洩電磁界成分
に対して平行、すなわちストリップライン(導体)に対
して直交する方向に鱗片状金属磁性粉の扁平面を配置す
る方が減衰量の極大値が得られる(図15曲線Y参
照)。これはストリップライン(導体)とグランドプレ
ーン間に、電磁界を拡散減衰し易くしているとも言え
る。理論的には十分解明されていないが、以下の理由が
考えられる。
【0044】鱗片状金属磁性粉の扁平面を電磁界に対し
て平行に配向すると(図13参照)、鱗片状金属磁性粉
が互いに電気的に絶縁されている場合、対向する磁性体
面に反磁場が発生し、振幅値の時間的な差により磁気的
損失が極大化する。これは図12や図14に示すような
配向例に比べて、ノイズ吸収効果が広い周波数帯域にわ
たって高いことが前述のように実験的に立証されてい
る。
て平行に配向すると(図13参照)、鱗片状金属磁性粉
が互いに電気的に絶縁されている場合、対向する磁性体
面に反磁場が発生し、振幅値の時間的な差により磁気的
損失が極大化する。これは図12や図14に示すような
配向例に比べて、ノイズ吸収効果が広い周波数帯域にわ
たって高いことが前述のように実験的に立証されてい
る。
【0045】図15の実験データは理想線路であるマイ
クロストリップラインでの結果であり、不要ノイズ放射
は基本的には少ない。実際の回路設計では50Ωの均一
なインピーダンス設計は困難であり、反射などによる不
要輻射が問題となり易い。この対策としてノイズ周波数
帯域での不要信号成分の拡散・減衰を狙いとし、グラン
ド層と信号線間または信号線と信号線の間に、電気絶縁
体と金属磁性体を混合したノイズ吸収体を設置すると効
果的である。この絶縁体と金属磁性体の複合材は、誘電
率の周波数依存性は殆どないため、導体(信号線)に対
して同軸線上に設置し、インピーダンス整合をとり、高
周波帯域では磁性損失を図ることが可能である。
クロストリップラインでの結果であり、不要ノイズ放射
は基本的には少ない。実際の回路設計では50Ωの均一
なインピーダンス設計は困難であり、反射などによる不
要輻射が問題となり易い。この対策としてノイズ周波数
帯域での不要信号成分の拡散・減衰を狙いとし、グラン
ド層と信号線間または信号線と信号線の間に、電気絶縁
体と金属磁性体を混合したノイズ吸収体を設置すると効
果的である。この絶縁体と金属磁性体の複合材は、誘電
率の周波数依存性は殆どないため、導体(信号線)に対
して同軸線上に設置し、インピーダンス整合をとり、高
周波帯域では磁性損失を図ることが可能である。
【0046】図16は、導体2に流す電流(I)方向に
対して鱗片状金属磁性粉10の扁平面を直交する方向に
配置した状態を示す模式図である。図17は導体2に発
生する電界12と磁界13に対する鱗片状金属磁性粉1
0の扁平面の向きを示した図であり、同図のように鱗片
状金属磁性粉10の扁平面を電界12と磁界13に対し
て平行に配向すれば図15の曲線Yのように優れたノイ
ズ吸収効果が得られる。
対して鱗片状金属磁性粉10の扁平面を直交する方向に
配置した状態を示す模式図である。図17は導体2に発
生する電界12と磁界13に対する鱗片状金属磁性粉1
0の扁平面の向きを示した図であり、同図のように鱗片
状金属磁性粉10の扁平面を電界12と磁界13に対し
て平行に配向すれば図15の曲線Yのように優れたノイ
ズ吸収効果が得られる。
【0047】図18は、磁性成形体3中における鱗片状
金属磁性粉10の大半(約50重量%以上)をその扁平
面が導体2の軸方向(電流流れ方向)と直交する方向に
配向するように磁性成形体3が成形できる手段を説明す
るための図である。
金属磁性粉10の大半(約50重量%以上)をその扁平
面が導体2の軸方向(電流流れ方向)と直交する方向に
配向するように磁性成形体3が成形できる手段を説明す
るための図である。
【0048】図に示すように固定金型14と移動金型1
5の接合により形成されるキャビティ16内に、挿通孔
4a〜4cを形成するためのコアピン17が3本周方向
に等間隔に挿入、設置される。
5の接合により形成されるキャビティ16内に、挿通孔
4a〜4cを形成するためのコアピン17が3本周方向
に等間隔に挿入、設置される。
【0049】3本のコアピン17の中央位置に射出ゲー
ト18が設けられ、鱗片状金属磁性粉と高分子材との混
練物からなる加熱溶融物19がゲート18からキャビテ
ィ16内に射出される。ゲート18から射出された加熱
溶融物19は、同図に矢印で示すように各コアピン17
の周囲を回り込むように流れ、溶融物19中の鱗片状金
属磁性粉10の大半はその流れに沿って扁平面がコアピ
ン17の軸方向とほぼ直交するように自然に配向され、
冷却により各鱗片状金属磁性粉10の姿勢が固定され
る。このようにして射出成形された磁性成形体3に導体
2を挿入すると、鱗片状金属磁性粉10の大半をその扁
平面が導体2の長手方向(軸方向)と直交することにな
る。
ト18が設けられ、鱗片状金属磁性粉と高分子材との混
練物からなる加熱溶融物19がゲート18からキャビテ
ィ16内に射出される。ゲート18から射出された加熱
溶融物19は、同図に矢印で示すように各コアピン17
の周囲を回り込むように流れ、溶融物19中の鱗片状金
属磁性粉10の大半はその流れに沿って扁平面がコアピ
ン17の軸方向とほぼ直交するように自然に配向され、
冷却により各鱗片状金属磁性粉10の姿勢が固定され
る。このようにして射出成形された磁性成形体3に導体
2を挿入すると、鱗片状金属磁性粉10の大半をその扁
平面が導体2の長手方向(軸方向)と直交することにな
る。
【0050】この例ではキャビティ16の中央位置に1
つのゲート18を設けたが、キャビティ16の外周部、
例えば各コアピン17の外側位置にそれぞれゲートを設
け、各ゲートから前記加熱溶融物をコアピンを回り込む
ように流し込んでも同様に鱗片状金属磁性粉の自然配向
がなされる。
つのゲート18を設けたが、キャビティ16の外周部、
例えば各コアピン17の外側位置にそれぞれゲートを設
け、各ゲートから前記加熱溶融物をコアピンを回り込む
ように流し込んでも同様に鱗片状金属磁性粉の自然配向
がなされる。
【0051】図19は、鱗片状金属磁性粉の他の配向手
段を説明するための図である。長尺状の磁性成形体素体
20を射出成形あるいは押出し成形で作り、それが未硬
化のうち電磁コイルを有する磁場配向装置21に装着
し、磁性成形体素体20に例えば0.4テスラー程度の
外部磁界を印加することにより、磁性成形体素体20内
の鱗片状金属磁性粉を一定方向に強制的に配向して、磁
性成形体素体20を硬化させる。その後に磁性成形体素
体20を磁場配向装置21から取り出し、同図に点線で
示しているように所定の長さに切断して磁性成形体とす
る。この磁性成形体素体20を成形する際に図18に示
す手段を併用すれば、鱗片状金属磁性粉の配向がより効
果的である。
段を説明するための図である。長尺状の磁性成形体素体
20を射出成形あるいは押出し成形で作り、それが未硬
化のうち電磁コイルを有する磁場配向装置21に装着
し、磁性成形体素体20に例えば0.4テスラー程度の
外部磁界を印加することにより、磁性成形体素体20内
の鱗片状金属磁性粉を一定方向に強制的に配向して、磁
性成形体素体20を硬化させる。その後に磁性成形体素
体20を磁場配向装置21から取り出し、同図に点線で
示しているように所定の長さに切断して磁性成形体とす
る。この磁性成形体素体20を成形する際に図18に示
す手段を併用すれば、鱗片状金属磁性粉の配向がより効
果的である。
【0052】前記実施形態では1本の導体を折り返して
1つの磁性成形体内に挿入した例を示したが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えば電源線のように
複数本の導体を折り返して同じの磁性成形体内に挿入す
ることも可能である。
1つの磁性成形体内に挿入した例を示したが、本発明は
これに限定されるものではなく、例えば電源線のように
複数本の導体を折り返して同じの磁性成形体内に挿入す
ることも可能である。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の本発明(第1の手段)は
前述のように導体の折り返し部の少なくとも直線部分が
磁性成形体内に設置されているから、ノイズ吸収効果が
高い。
前述のように導体の折り返し部の少なくとも直線部分が
磁性成形体内に設置されているから、ノイズ吸収効果が
高い。
【0054】請求項2記載の本発明(第2の手段)は前
述のように鱗片状金属磁性粉の配向により、優れたノイ
ズ吸収効果が得られる。
述のように鱗片状金属磁性粉の配向により、優れたノイ
ズ吸収効果が得られる。
【0055】請求項3記載の本発明(第3の手段)は前
述のように導体折り返し部のUターン部も実質的に磁性
成形体内に設置されているから、ノイズ吸収効果が高
い。
述のように導体折り返し部のUターン部も実質的に磁性
成形体内に設置されているから、ノイズ吸収効果が高
い。
【0056】請求項4記載の本発明(第4の手段)は前
述のように磁性成形体に挿通孔と切り込み部が連設され
ているから、導体への磁性成形体の装着が容易である。
述のように磁性成形体に挿通孔と切り込み部が連設され
ているから、導体への磁性成形体の装着が容易である。
【0057】請求項5記載の本発明(第5の手段)は前
述のように磁性成形体が弾性変形可能であるため、導体
への磁性成形体の装着が容易である。
述のように磁性成形体が弾性変形可能であるため、導体
への磁性成形体の装着が容易である。
【0058】請求項6記載の本発明(第6の手段)は前
述のように切り込み部の磁性成形体周面側に挿入ガイド
部が設けられているから、磁性成形体への導体の挿入が
容易である。
述のように切り込み部の磁性成形体周面側に挿入ガイド
部が設けられているから、磁性成形体への導体の挿入が
容易である。
【0059】請求項7記載の本発明(第7の手段)は前
述のように導体の折り返し部が挿通孔に設置された状態
で、切り込み部に形成されている対向した2つの切り込
み面が互いに密着しているから、ノイズ吸収効果が高
い。
述のように導体の折り返し部が挿通孔に設置された状態
で、切り込み部に形成されている対向した2つの切り込
み面が互いに密着しているから、ノイズ吸収効果が高
い。
【0060】請求項8記載の本発明(第8の手段)は前
述のように挿通孔が複数設けられ、各挿通孔に対応して
磁性成形体の周面に外側切り込み部が形成されているか
ら、磁性成形体への導体の挿入が容易である。
述のように挿通孔が複数設けられ、各挿通孔に対応して
磁性成形体の周面に外側切り込み部が形成されているか
ら、磁性成形体への導体の挿入が容易である。
【0061】請求項9記載の本発明(第9の手段)は前
述のように挿通孔が複数設けられ、そのうちの1つの挿
通孔に対応して磁性成形体の周面に外側切り込み部が形
成され、その1つの挿通孔から他の挿通孔に向けて連通
した内側切り込み部が形成されているから、ノイズ吸収
効果が高いなどの特長を有している。
述のように挿通孔が複数設けられ、そのうちの1つの挿
通孔に対応して磁性成形体の周面に外側切り込み部が形
成され、その1つの挿通孔から他の挿通孔に向けて連通
した内側切り込み部が形成されているから、ノイズ吸収
効果が高いなどの特長を有している。
【図1】本発明の第1実施形態に係るノイズ吸収素子の
斜視図である。
斜視図である。
【図2】そのノイズ吸収素子に用いる磁性成形体の平面
図である。
図である。
【図3】その磁性成形体の横断面図である。
【図4】その磁性成形体の縦断面図である。
【図5】そのノイズ吸収素子に用いる導体の折り返し部
の斜視図である。
の斜視図である。
【図6】そのノイズ吸収素子の横断面図である。
【図7】図1A−A線上の断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るノイズ吸収素子に
用いる磁性成形体の横断面図である。
用いる磁性成形体の横断面図である。
【図9】そのノイズ吸収素子の横断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るノイズ吸収素子
の横断面図である。
の横断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るノイズ吸収素子
の縦断面図である。
の縦断面図である。
【図12】導体に対する鱗片状金属磁性粉の配向例を示
す図である。
す図である。
【図13】導体に対する鱗片状金属磁性粉の配向例を示
す図である。
す図である。
【図14】導体に対する鱗片状金属磁性粉の配向例を示
す図である。
す図である。
【図15】伝送信号の減衰特性図である。
【図16】導体に流す電流方向に対する鱗片状金属磁性
粉の向きを示す模式図である。
粉の向きを示す模式図である。
【図17】導体に発生する電界と磁界に対する鱗片状金
属磁性粉の向きを示す模式図である。
属磁性粉の向きを示す模式図である。
【図18】鱗片状金属磁性粉の配向手段を説明するため
の図である。
の図である。
【図19】鱗片状金属磁性粉の他の配向手段を説明する
ための図である。
ための図である。
【図20】従来提案されたノイズ吸収素子の斜視図であ
る。
る。
【符号の説明】 1 ノイズ吸収素子 2 導体 3 磁性成形体 3a,3b 磁性成形体の端面 3c 磁性成形体の底部 4 挿通孔 4a 第1挿通孔 4b 第2挿通孔 4c 第3挿通孔 5 連通孔 5a 第1連通孔 5b 第2連通孔 6、6a〜6e 切り込み部 7 挿入ガイド部 8 直線部分 8a 第1直線部分 8b 第2直線部分 8c 第3直線部分 9 Uターン部 9a 第1Uターン部 9b 第2Uターン部 10 鱗片状金属磁性粉 11 絶縁基板 12 電界 13 磁界 14 固定金型 15 移動金型 16 キャビティ 17 コアピン 18 ゲート 19 加熱溶融物 20 磁性成形体素体 21 磁場配向装置
Claims (9)
- 【請求項1】 導体にUターン部と直線部分とを有する
折り返し部を設け、その折り返し部の少なくとも直線部
分を金属磁性粉と電気絶縁性高分子材との混合物からな
る磁性成形体内に設置したことを特徴とするノイズ吸収
素子。 - 【請求項2】 請求項1記載のノイズ吸収素子におい
て、前記金属磁性粉が鱗片状をしており、大半の鱗片状
金属磁性粉の扁平面が前記磁性成形体内に設置されてい
る折り返し部のうちの直線部分の軸方向に対してほぼ直
交する方向に配向されていることを特徴とするノイズ吸
収素子。 - 【請求項3】 請求項1記載のノイズ吸収素子におい
て、前記折り返し部のUターン部が実質的に前記磁性成
形体内に設置されていることを特徴とするノイズ吸収素
子。 - 【請求項4】 請求項1記載のノイズ吸収素子におい
て、前記磁性成形体の内部に一方の端面から他方の端面
に向けて貫通した挿通孔と、その磁性成形体の周面から
前記挿通孔に連通した切り込み部が形成され、前記導体
の折り返し部の直線部分が切り込み部を通して挿通孔に
挿入されたことを特徴とするノイズ吸収素子。 - 【請求項5】 請求項4記載のノイズ吸収素子におい
て、前記磁性成形体が弾性変形可能であることを特徴と
するノイズ吸収素子。 - 【請求項6】 請求項4記載のノイズ吸収素子におい
て、前記切り込み部の磁性成形体周面側に挿入ガイド部
が設けられていることを特徴とするノイズ吸収素子。 - 【請求項7】 請求項4記載のノイズ吸収素子におい
て、前記導体の折り返し部が挿通孔に設置された状態
で、前記切り込み部に形成されている対向した2つの切
り込み面が互いに密着していることを特徴とするノイズ
吸収素子。 - 【請求項8】 請求項4記載のノイズ吸収素子におい
て、前記挿通孔が複数設けられ、各挿通孔に対応して磁
性成形体の周面に外側切り込み部が形成されていること
を特徴とするノイズ吸収素子。 - 【請求項9】 請求項4記載のノイズ吸収素子におい
て、前記挿通孔が複数設けられ、そのうちの1つの挿通
孔に対応して磁性成形体の周面に外側切り込み部が形成
され、その1つの挿通孔から他の挿通孔に向けて連通し
た内側切り込み部が形成されていることを特徴とするノ
イズ吸収素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001126227A JP2002324712A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | ノイズ吸収素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001126227A JP2002324712A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | ノイズ吸収素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002324712A true JP2002324712A (ja) | 2002-11-08 |
Family
ID=18975298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002324712A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11875923B2 (en) | 2019-05-24 | 2024-01-16 | Mitsubishi Electric Corporation | Noise reduction element |
-
2001
- 2001-04-24 JP JP2001126227A patent/JP2002324712A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11875923B2 (en) | 2019-05-24 | 2024-01-16 | Mitsubishi Electric Corporation | Noise reduction element |
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