JP2002324682A - 電界発光灯及びその製造方法 - Google Patents

電界発光灯及びその製造方法

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JP2002324682A
JP2002324682A JP2001125861A JP2001125861A JP2002324682A JP 2002324682 A JP2002324682 A JP 2002324682A JP 2001125861 A JP2001125861 A JP 2001125861A JP 2001125861 A JP2001125861 A JP 2001125861A JP 2002324682 A JP2002324682 A JP 2002324682A
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phosphor
electroluminescent lamp
emitting layer
layer
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Naoyuki Mori
尚之 森
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非発光時の地色が白色で、発光時の輝度を改
善した安価な電界発光灯を提供する。 【解決手段】 透明電極3の上に、蛍光体4と、バイン
ダ5と、白色フィラー9で被覆した樹脂粉末7Aとを溶
媒中に分散したインキを用いて発光層8を印刷し、次い
で発光層8を加熱して樹脂粉末7Aを溶融することによ
り、白色フィラー9を内部に取り込んだ樹脂層7を蛍光
体4と蛍光体4との間に形成し、次いで発光層8の上に
裏面電極10を形成して電界発光灯1を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界発光灯及びその
製造方法に関し、特に液晶ディスプレイのバックライト
に好適な電界発光灯及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、情報化社会の進展に伴い携帯電
話、PHS等の携帯型電子機器が急速に普及している。
これらの電子機器は液晶ディスプレイを搭載しており、
バックライトとして小型・薄型の電界発光灯が使用され
ている。この種の電界発光灯51は、例えば図4の断面
図に示す積層構造を有し、次のようにして製造される。
なお、図4はリード接続構造の図示を省略している。ま
ず、厚さ100〜200μmのPET等からなる絶縁性
の透明フィルム52の片面に、蒸着、スパッタ等でIT
Oなどの透明電極53を30〜50nmの厚みで形成す
る。また、ITO粉末を含む導電ペーストを数〜数10
μm厚に印刷してもよい。
【0003】次に、硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体54
(中心粒径(メジアン径)20〜30μm)と、フッ素
ゴム(比重約1.8)等からなるバインダ55とを有機
溶剤に分散させた発光層用インキを用いて、透明電極5
3上にスクリーン印刷により発光層56を30〜50μ
mの厚さに形成する。バインダには、水分による蛍光体
の劣化を防止するため、防湿性に優れたフッ素ゴムを使
用している。インキの粘度はスクリーン印刷に適するよ
うに調整されている。
【0004】次に、発光層56上に、チタン酸バリウム
からなる白色高誘電体粉末と、フッ素ゴムとを有機溶剤
中に分散させた反射絶縁層用インキを用いて、スクリー
ン印刷により反射絶縁層57を10〜20μmの厚さに
印刷形成する。インキの粘度はスクリーン印刷に適する
ように調整されている。
【0005】次に、反射絶縁層57上に、銀やカーボン
を含む導電ペーストからなる裏面電極58をスクリーン
印刷で10〜20μmの厚さに形成する。
【0006】次に、裏面電極58上に、メラミン樹脂、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂からなる
保護層59をスクリーン印刷で所定厚形成し、電界発光
灯51を得る。
【0007】上記電界発光灯を点灯するには、通常、電
池などの直流低電圧を交流電圧に変換するICインバ−
タなどの駆動装置が使用される。この種のインバ−タは
直流電源、インダクタ(チョ−ク、トランスなど)、ス
イッチング素子を備えている。動作は、まずスイッチを
オンにして電源からインダクタに電流を流してインダク
タにエネルギ−を蓄積し、次にスイッチをオフにして上
記エネルギ−を放出し電界発光灯の容量負荷を充電す
る。以下、オンオフを繰り返して電界発光灯の端子電圧
を上昇する(ステップアップ方式)。充分な高電圧にな
った時点で電界発光灯の電荷を放電する。充放電を繰り
返すことにより発光する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の電界
発光灯51において、反射絶縁層57は電極間の絶縁耐
圧を向上させると共に、高反射率のため輝度を向上させ
るという作用効果を奏する。しかしながら、電極間に印
加された電圧は反射絶縁層57にも分配されるので、そ
のぶん発光層56に分配される電圧が低下して輝度損失
が生じる。また、反射絶縁層57を印刷することによっ
て、積層回数がふえ、コスト高になるという問題もあ
る。
【0009】そこで、反射絶縁層を除去して発光層を透
明電極と裏面電極とで直接挟み、発光層分圧の増加とコ
スト低減を図った簡易な構造の電界発光灯が提案されて
いる。この種の電界発光灯の発光層の色は、発光時には
蛍光体の発光色(例えば青緑色)に見えるものの、非発
光時にはバインダ、蛍光体固有の地色を呈し、また、蛍
光体は透明であるため裏面電極の色が透過して見え、い
わゆる白色ではない。このため、電界発光灯を液晶のバ
ックライトに使用すると、非発光時の液晶が地色を呈
し、表示品質が劣る。そこで、非発光時の地色を白色に
するため、種々の対策が採られている。例えば、図5に
示すように、発光層62中に白色フィラー61を混合し
た電界発光灯60がある。これはバインダ55中に蛍光
体54を分散した従来のスラリーに、さらに白色フィラ
ー61を混合し、これを用いて発光層62を塗布形成し
たものである。この構成は量産性に優れ、地色を白色に
できる。しかしながら、塗布後の発光層62において、
それ自身は発光しない白色フィラー61が蛍光体4の一
部(特に、蛍光体の上下)を覆い、蛍光体の発光を遮蔽
するため、輝度損失が生じる。
【0010】そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてな
されたもので、非発光時の地色が白色であり、発光時の
輝度が高く、簡易な構造で安価な電界発光灯とその製造
方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電界発光灯は、
透明電極と裏面電極とで発光層を挟んでなり、該発光層
は蛍光体と、バインダと、白色フィラーを含む樹脂層と
からなり、該樹脂層は蛍光体と蛍光体との間に溶融固化
して配設されていることを特徴とする。この構成によ
り、蛍光体と蛍光体との間に白色フィラーを含む比誘電
率が小さい樹脂層を高密度に形成できるので、非発光時
の地色が白色となり表示品質が向上する。さらに、反射
率の向上で輝度が改善される。また、樹脂層の比誘電率
が小さいため樹脂層の静電容量が減少し、ICインバー
タ駆動時の負荷が軽減してICインバータの出力電圧が
増加し、増加した電圧が蛍光体にかかり、平均電界が増
大して輝度が向上する。
【0012】また、前記樹脂層内の白色フィラーの密度
が裏面電極側で高くなるように分布していることを特徴
とする。この構成により、白色フィラーによって遮蔽さ
れる光損失が減るので、輝度を犠牲にすることなく反射
層、白色層の作用効果を奏することができる。
【0013】また、蛍光体に対する樹脂層の重量比が
0.07〜0.27であることを特徴とする。この構成に
より、隣接する蛍光体と蛍光体との間に適量の樹脂層を
形成でき、蛍光体の上下に付着しないようにすることが
できる。その結果、適量の白色フィラーを混合できて非
発光時の地色の白色度を向上できると共に、輝度を向上
できる。
【0014】また、前記樹脂層は、ポリエチレン、エチ
レン・アクリル酸共重合体、ポリプロピレン、ポリスチ
レンから選択された樹脂を含むことを特徴とする。これ
らの樹脂は比誘電率がバインダよりも小さく、かつ融点
が低いので、低い加熱温度で蛍光体間に溶融固化でき
る。このため発光層等に加熱による悪影響を及ぼすこと
なく所望の白色フィラー含有樹脂層を形成できる。
【0015】また、前記白色フィラーは、金属酸化物粉
末、ガラス粉末、樹脂層よりも融点の高い白色樹脂粉末
から選択されていることを特徴とする。いずれも白色
度、反射率が高いので、地色、輝度を改善できる。
【0016】また、本発明の電界発光灯の製造方法は、
透明電極又は裏面電極の上に、蛍光体と、バインダと、
白色フィラーで被覆した樹脂粉末とを溶媒中に分散した
インキを用いて発光層を形成する工程と、前記発光層を
加熱して樹脂粉末を溶融する工程と、溶融した樹脂を固
化する工程とを具備することを特徴とする。この構成に
より、蛍光体と蛍光体との間に白色層、反射層の機能を
有する樹脂層を形成できる。
【0017】また、前記工程において、白色フィラーで
被覆した樹脂粉末を溶融一体化し固化する過程で、白色
フィラーを樹脂中に取り込むことを特徴とする。この構
成により、蛍光体と蛍光体との間に白色、反射機能を有
する樹脂層を容易に形成できる。
【0018】また、前記蛍光体の平均粒径に対する前記
樹脂粉末の平均粒径の比は、0.2〜1.1であることを
特徴とする。この構成により、蛍光体の上下面への樹脂
層の付着を防止でき、また蛍光体間隔を適化できて、輝
度を向上できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の電界発光灯1の構造の特
徴は、図1の積層構成の要部断面図に示すように、透明
フィルム2上に形成された透明電極3と裏面電極10と
の間に発光層8が形成され、前記発光層8は蛍光体4
と、バインダ5と、樹脂層7と、白色フィラー9とから
なり、前記樹脂層7は発光層の水平方向に隣接する蛍光
体4と蛍光体4との間に溶融一体化され固化されて配設
されていることである。特に、白色フィラー9は溶融固
化された樹脂層7中にランダムに含まれており、白色
層、反射層として作用する。裏面電極10の上には保護
層11を形成してもよい。なお、図1ではリード接続構
造の図示を省略している。ここで固化とは、形状を保持
できないような流動状態ではなく、硬度は小さいが所定
の形状を保持できる状態ないしは硬い固体を意味する。
【0020】白色フィラー9は白色層、反射層として作
用するが、樹脂層7内での分布によっては蛍光体の発光
の一部を遮蔽し、輝度を低下させることがある。したが
って、輝度を犠牲にすることなく白色層、反射層として
作用するために白色フィラーの分布を最適化する必要が
ある。望ましい分布は、図2の要部断面図に示すよう
に、樹脂層7内での白色フィラー9の密度が裏面電極に
近い側(図2では下側)で高くなるように分布すること
が望ましい。この分布では、蛍光体4から出射した光は
矢印のように高密度の白色フィラーからなる層で反射し
て後、他の白色フィラーで遮蔽されることなく上方へ出
射するので、輝度損失を改善できる。
【0021】樹脂層7が発光層に垂直の方向、すなわち
蛍光体4の上下に配設されると、蛍光体4にかかる垂直
方向の電界強度が低下するので、輝度が低下する。した
がって、樹脂層7は電極面上に面に水平方向に若干の間
隔で配設された蛍光体4と蛍光体4との間に配設され、
隙間をバインダが占める形態が望ましい。この形態を実
現するためには、後述するように白色フィラーで被覆さ
れた所定粒径、所定重量の樹脂粉末と、蛍光体と、バイ
ンダとを含む発光層用インキを用いて発光層を印刷し、
次いで白色フィラー9で被覆された樹脂粉末を加熱によ
り流動化させなければならない。そのための具体的な条
件は下記のとおりである。
【0022】第1に樹脂粉末の融点である。加熱温度
は、フィルム、蛍光体、透明電極、裏面電極、バインダ
などが変形、変質しない温度にするべきである。したが
って、加熱温度よりも低い融点の樹脂を用いるべきであ
る。加熱温度は略180℃以下が望ましいので、樹脂の
融点は160℃以下、特に100〜150℃が望まし
い。
【0023】第2に、蛍光体の粒径に対する樹脂粉末の
粒径である。樹脂粉末の粒径は蛍光体の粒径よりも小さ
いことが望ましい。粒径分布を有する粉体では、蛍光体
の平均粒径に対して0.2〜1.1倍の平均粒径を有する
樹脂粉末が望ましい。特に略0.5(0.4〜0.7)倍
が最適である。蛍光体粒径よりも過度に小さいと、蛍光
体の上面、下面に付着して電界損失を生じ輝度低下の原
因になる。また、加熱溶融で一体化しにくい。一方、蛍
光体よりも粒径が大きくなりすぎると、印刷後の発光層
の蛍光体間隔が大きくなり蛍光体配列密度が小さくなっ
て輝度が低下する。
【0024】第3に、樹脂粉末の重量比である。蛍光体
に対する樹脂の重量比で規定すると、0.07〜0.2
7が望ましい。0.07よりも小さいと樹脂の絶対量が
不足して、混合できる白色フィラー量が減り白色度が低
下する。また、発光層の静電容量を低下させることによ
るインバータ駆動時の輝度向上効果が十分に得られなく
なる。また、0.27より大きいと樹脂が過剰となり、
蛍光体の上下にも付着し、電界強度が低下して輝度が低
下する。また、樹脂の体積が増加して蛍光体間隔が大き
くなり蛍光体配列密度が小さくなって輝度が低下する。
前記重量比は、硫化亜鉛蛍光体(比重4.1)と、比重
0.9程度の樹脂(ポリエチレン等)の場合に最適であ
るが、これらに近い比重の樹脂にも適用できる。
【0025】第4に、樹脂粉末の形態である。望ましい
形態は真球又はこれに近い形状(多面体等)の樹脂粉末
である。印刷後の発光層において、蛍光体間での樹脂の
充填密度が高くなる。
【0026】第5に、バインダ5よりも比誘電率が十分
に小さいことである。これはインバータ駆動での輝度を
向上させるための条件である。例えば、バインダである
フッ素ゴムの比誘電率は略15であるから、樹脂の比誘
電率は5以下、望ましくは3以下が好適する。
【0027】好適する樹脂は、融点が低く、バインダよ
りも比誘電率が小さく、可視光の吸収率が小さいもので
あればどのようなものでも良い。例えば、ポリエチレ
ン、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリプロピレン、
ポリスチレンなどが好適する。ポリエチレンビーズで
は、商品名「フロービーズ HE-3040」(住友精化
(株)製、比誘電率2〜3、重量分布における平均粒径
12μm、融点130℃)、商品名「フロービーズ LE
-1080」(比誘電率2〜3、平均粒径6μm、融点10
7℃)、商品名「フロービーズ LE-9020」(比誘電率
2〜3、平均粒径25μm、融点107℃)などが好適
する。エチレン・アクリル酸共重合体ビーズでは、商品
名「フロービーズ EA-209」(住友精化(株)製、比誘
電率2〜3、重量分布における平均粒径10μm、融点
105℃)が好適する。これらの樹脂は比誘電率が5以
下でバインダよりも小さく、かつ融点が160℃以下と
低いので、低温加熱で溶融し固化して比誘電率の小さい
樹脂層を形成できる。
【0028】白色フィラーとしては、酸化チタン、チタ
ン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジル
コニウム、酸化亜鉛等の白色を呈する金属酸化物粉末や
白色ガラス粉末が好適する。また、上記加熱温度で軟化
しない白色樹脂粉末も使用できる。これらの白色フィラ
ーを樹脂粉末に被覆し、カプセル化する。樹脂粉末が白
色を呈するまで被覆する。被覆方法は液相法、湿式法、
乾式法、あるいは化学的方法、物理化学的方法、機械的
物理的方法などとして分類される既知の方法から選択す
る。例えば、無機質(又は有機質)壁カプセル化法など
が好適する。
【0029】次に、本発明の電界発光灯1の製造方法に
ついて図3の要部断面図を参照しながら説明する。ま
ず、図3(a)は透明導電フィルムであって、厚さ75
〜200μmのPET等からなる絶縁性の透明フィルム
2の片面に、蒸着、スパッタ等でITOなどの透明電極
3を30〜50nm程度の厚みで形成したものである。
また、透明フィルム2の片面にITO等の導電性無機化
合物や、ポリアニリン、ポリエチレンジオキシチオフェ
ン等の導電性高分子を印刷し透明電極3としてもよい。
【0030】次に、図3(b)は発光層形成工程を説明
するための図である。硫化亜鉛を銅で付活した蛍光体4
(中心粒径(メジアン径)20μm)と、フッ素ゴム
(比重約1.8)等からなるバインダ5と、未被覆の樹
脂ビーズ7A(例えば、商品名「フロービーズ HE-304
0」)を白色フィラー9で被覆した本発明に特有の被覆
樹脂ビーズ12(拡大断面図で示す)とを有機溶剤(例
えば、イソホロン)中に分散させた発光層用インキを用
いて、透明電極3上にスクリーン印刷により発光層8を
20〜50μmの厚さに形成する。バインダ5には、水
分による蛍光体の劣化を防止するため、防湿性に優れた
フッ素ゴム(例えば、ダイキン工業(株)製G501)を使
用している。発光層用インキの調合方法は、まず有機溶
剤1に対して重量比で0.4のフッ素ゴムを溶解してバ
インダ溶液とし、次いで、このバインダ溶液1に対して
重量比で1.1〜1.5の蛍光体を分散させ、さらにバイ
ンダ溶液に対して所定の重量比の被覆樹脂ビーズ12を
分散させる。インキの粘度はスクリーン印刷に適するよ
うに調整する。また、蛍光体4にかかる電圧の低下を防
止するために、バインダ5が蛍光体4の上面、下面にあ
まり厚く付着しないように、バインダ量を選択すること
が望ましい。
【0031】印刷後の発光層8では、図3(b)に示す
ように、蛍光体4が若干の間隔をおいて一層に配列さ
れ、蛍光体4と蛍光体4との間(横方向)に、蛍光体よ
りも粒径の小さい被覆樹脂ビーズ12が1個ないし複数
個配列され、隙間をバインダ5が占める形態になってい
る。被覆樹脂ビーズの平均粒径、蛍光体との重量比等を
適化することにより、印刷後の発光層をこのような形態
にすることができる。
【0032】次に、図3(c)は本発明の製造方法に特
有の発光層加熱工程を説明するための図である。この工
程では、図3(b)に示した発光層印刷後の透明導電フ
ィルムを印刷面を上にして電気オーブンで加熱する。加
熱により、白色フィラーを被覆した被覆樹脂ビーズ12
のうち特に複数の樹脂ビーズ7Aが溶融一体化して樹脂
層7となり、図3(c)に示すように蛍光体4と蛍光体
4との間を占める。個々の樹脂ビーズ7Aを覆っていた
白色フィラー9は、樹脂ビーズ7Aの溶融一体化に伴っ
て多数の破片状になり、樹脂層7中にランダムに取り込
まれる。このように蛍光体間に溶融した比誘電率の小さ
い樹脂が充填される形態が最も望ましい。加熱条件は樹
脂ビーズだけが溶融するように、温度と時間を選択す
る。例えばポリエチレンビーズの場合は、120℃〜1
60℃、10〜30分程度が好適する。
【0033】次に、加熱を停止し、自然冷却して樹脂層
7を固化する。
【0034】次に、樹脂層固化後の発光層上に従来と同
様にして裏面電極10、保護層11を積層形成し、電界
発光灯1を得る。
【0035】さて、上記の電界発光灯1では、蛍光体4
と蛍光体4との間に樹脂層7中に取り込まれた白色フィ
ラー9の微小片が多数配設されているので、非発光時の
地色が白色になり表示品質が向上する。また、反射率が
向上して輝度向上にも寄与する。また、蛍光体4と蛍光
体4との間に蛍光体4、バインダ5よりも比誘電率が小
さい(したがって静電容量が小さい)樹脂層7が形成さ
れているので、発光層8の平均的な静電容量が低下す
る。このため、かかる電界発光灯1を従来のICインバ
ータで点灯すると、静電容量が低下して負荷が軽くなっ
た分ICインバータの出力電圧が増加する。このため、
発光層8にかかる平均的な電圧が増加し、蛍光体4にか
かる電界が増加するので、輝度が向上する。
【0036】本発明の電界発光灯の他の製造方法として
は、裏面電極の上に上記発光層を印刷し、ついで発光層
を加熱し、次いで透明電極を形成してもよいし、発光層
を透明電極と裏面電極で挟んだ後に加熱してもよい。
【0037】次に、白色フィラーを図2に示したように
分布させるための製造方法について説明する。ポイント
は、発光層の加熱中に白色フィラーを沈殿させるのであ
る。すなわち、樹脂粉末よりも十分に比重の大きい白色
フィラーを使用して発光層を塗布し、次いで発光層を下
にして透明導電フィルムを許容温度内でできるだけ高温
で長時間加熱し樹脂の流動性を高めながら白色フィラー
を沈殿させるのである。分布を確実にするためには、基
板に裏面電極を形成し、その上に発光層を印刷し、この
発光層を上にして加熱し、重力で白色フィラーを沈殿さ
せることが望ましい。
【0038】
【発明の効果】本発明の電界発光灯は、透明電極と裏面
電極とで発光層を挟み、該発光層は蛍光体と、バインダ
と、白色フィラーを含む樹脂層とからなり、該樹脂層は
蛍光体と蛍光体との間に溶融固化して配設されているこ
とを特徴とする。この構成により、蛍光体と蛍光体との
間に白色フィラーを含む樹脂層が高密度に形成されるの
で、非発光時の地色が白色となり表示品質が向上する。
また、反射率の向上で輝度が改善される。さらに樹脂層
の比誘電率が小さい場合、インバータ駆動での輝度が向
上する。
【0039】また、本発明の電界発光灯の製造方法は、
透明電極又は裏面電極の上に、蛍光体と、バインダと、
白色フィラーで被覆した樹脂粉末とを溶媒中に分散した
インキを用いて発光層を印刷する工程と、前記発光層を
加熱して樹脂粉末を溶融一体化すると共に樹脂中に白色
フィラーを取り込む工程とを具備することを特徴とす
る。この構成により、非発光時の地色が白色であり、発
光時の輝度が高い電界発光灯を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電界発光灯の構造を説明するための
要部断面図
【図2】 本発明の電界発光灯の他の構造を説明するた
めの要部断面図
【図3】 本発明の電界発光灯の製造方法を説明するた
めの要部断面図
【図4】 従来の電界発光灯の要部断面図
【図5】 従来の他の電界発光灯の要部断面図
【符号の説明】
1 電界発光灯 2 透明フィルム 3 透明電極 4 蛍光体 5 バインダ 7 樹脂層 7A 樹脂粉末 8 発光層 9 白色フィラー 10 裏面電極 11 保護層 12 被覆樹脂ビーズ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極と裏面電極とで発光層を挟み、該
    発光層は蛍光体と、バインダと、白色フィラーを含む樹
    脂層とからなり、該樹脂層は蛍光体と蛍光体との間に溶
    融固化して配設されている電界発光灯。
  2. 【請求項2】樹脂層内の白色フィラーの密度が裏面電極
    側で高くなるように分布していることを特徴とする請求
    項1記載の電界発光灯。
  3. 【請求項3】蛍光体に対する樹脂層の重量比が0.07
    〜0.27であることを特徴とする請求項1記載の電界
    発光灯。
  4. 【請求項4】樹脂層は、ポリエチレン、エチレン・アク
    リル酸共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレンから選
    択された樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の電
    界発光灯。
  5. 【請求項5】白色フィラーは、金属酸化物粉末、ガラス
    粉末、樹脂層よりも融点の高い白色樹脂粉末から選択さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の電界発光灯。
  6. 【請求項6】透明電極又は裏面電極の上に、蛍光体と、
    バインダと、白色フィラーで被覆した樹脂粉末とを溶媒
    中に分散したインキを用いて発光層を形成する工程と、
    前記発光層を加熱して樹脂粉末を溶融する工程と、溶融
    した樹脂を固化する工程とを具備する電界発光灯の製造
    方法。
  7. 【請求項7】白色フィラーで被覆した樹脂粉末を溶融し
    固化する過程で、白色フィラーを樹脂層中に取り込むこ
    とを特徴とする請求項6記載の電界発光灯の製造方法。
  8. 【請求項8】蛍光体の平均粒径に対する前記樹脂粉末の
    平均粒径の比は、0.2〜1.1であることを特徴とする
    請求項6記載の電界発光灯の製造方法。
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WO2007140766A3 (de) * 2006-06-07 2008-11-13 Osram Opto Semiconductors Gmbh Verfahren zum anordnen einer pulverschicht auf einem substrat sowie schichtaufbau mit mindestens einer pulverschicht auf einem substrat
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