JP2002322095A - 脳卒中及び外傷性脳損傷の治療のための医薬としての組み合わせ - Google Patents

脳卒中及び外傷性脳損傷の治療のための医薬としての組み合わせ

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バートランド・レオ・チェナード
Frank Samuel Menniti
フランク・サミュエル・メンニティ
Mario David Saltarelli
マリオ・デーヴィッド・サルタレリ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外傷性脳損傷(TBI)又は低酸素性若しくは虚
血性脳卒中の治療。 【解決手段】NR2Bサブタイプ選択的N−メチル−D−アス
パラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストを、(a)好
中球阻害因子(NIF);(b)ナトリウムチャネルアンタ
ゴニスト;(c)酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤;
(d)グリシン部位アンタゴニスト;(e)カリウムチャ
ネル開口剤;(f)AMPA/カイニン酸受容体アンタゴニ
スト;(g)カルシウムチャネルアンタゴニスト;(h)
GABA−A受容体モジュレーター(例えば、GABA−A受容体
アゴニスト);又は(i)抗炎症剤のいずれかとの組み
合わせで、このような治療を必要とする患者に投与す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NR2Bサブタイプ選
択的N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アン
タゴニストを、ニューロンを毒性傷害から保護し、脳損
傷後の炎症性反応を阻害し又は脳の再潅流を促進する、
一つ又はそれ以上の他の化合物との組み合わせで、その
ような治療を必要とする患者に投与することを含む、外
傷性脳損傷(TBI)、低酸素性脳卒中、又は虚血性脳損
傷を治療する方法に関する。
【0002】より詳細には、本発明は、NR2Bサブタイプ
選択的N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体ア
ゴニストを:(a)好中球阻害因子(NIF);(b)ナト
リウムチャネルアンタゴニスト;(c)酸化窒素シンタ
ーゼ(NOS)阻害剤;(d)グリシン部位アンタゴニス
ト;(e)カリウムチャネル開口剤(opener);(f)AM
PA/カイニン酸受容体アンタゴニスト;(g)カルシウ
ムチャネルアンタゴニスト;(h)GABA−A受容体モジュ
レーター(例えば、GABA−A受容体アゴニスト);(i)
抗炎症剤;又は(j)マトリックスメタロプロテアーゼ
(MMP)阻害剤とのいずれかの組み合わせで、そのよう
な治療を必要とする患者に投与することを含む、外傷性
脳損傷(TBI)或いは低酸素性又は虚血性脳卒中を治療
する方法に関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脳卒
中、外傷又は虚血によって起こる脳及び脊髄の損傷は、
しばしば終生の障害及び早期の死となる。障害及び死の
原因は、中枢神経系のニューロン及び他の細胞の機能の
崩壊及び真性の死である。従って、虚血、低酸素又は外
傷性CNS脳卒中後の、神経性機能不全及び死を軽減又は
予防する治療から明白な利益が期待される。
【0004】CNS脳卒中後の神経性機能不全及び死の原
因の一つは、グルタミン酸及び他の興奮性アミノ酸(EA
A)の長期の高揚、及びグルタミン酸受容体のN−メチル
−D−アスパラギン酸(NMDA)サブタイプの過剰活性化
によって起こる毒性である。グルタミン酸及び他のEAA
は、中枢神経系中で必須アミノ酸及び主要な興奮性神経
媒介物質としての二つの役割を果たす。少なくとも4種
類のEAA受容体があり、特定的にはNMDA、AMPA(2−アミ
ノ−3−(メチル−3−ヒドロキシイソオキサゾール−4
−イル)プロパン酸)、カイニン酸及び代謝刺激物質で
ある。これらのEAA受容体は、全ての生理学的脳機能に
影響する広い範囲の信号の発生を媒介する。神経媒介物
質として、EAAは、シナプス後膜神経終末から放出さ
れ、そして次いで各種の細胞の再取り込み機構によっ
て、急速に再隔絶される。従って、脳の実質中のEAAの
生理学的濃度は低い濃度で保たれる。しかしながら、CN
S脳卒中後、実質中のEAAの濃度は劇的に増加し、そして
時間又は日単位の期間高揚したままであるものである。
これは、EAA受容体の病理学的な過剰活性化及び神経性
機能不全そして死となる。
【0005】いくつかの系統の証拠は、グルタミン酸受
容体のNMDAサブタイプが、先に記載したEAA誘導の毒性
の主たる媒介物質であることを示唆している。第1次培
養のニューロンは、NMDA受容体活性化の毒性効果に対し
て非常に感受性があり、そしてNMDA受容体アンタゴニス
トは、NMDA及びグルタミン毒性の両者から、培養された
ニューロンを保護する(Choi等、J.Neurosci.,198
8,8,185〜196;Rosenberg等、1989,Neurosci.Let
t.103,162)。NMDA受容体アンタゴニストは、病巣虚
血(McCulloch,J.Neural.Trans.,1994,71〜79)
及び頭部外傷(Bullock等、Acta Neurochir.,1992,
55,49〜55)の動物モデル中のニューロンの損失を減少
するために、更にin vivoの神経毒性の媒介物質として
も関係している。NMDA受容体阻害の神経保護効果は、NM
DA受容体チャネル複合体の異なった部位を目標とする、
数種の異なった種類の化合物で行われる。これらは、グ
ルタミン酸結合部位における競合的アンタゴニスト、例
えば(R,E)−4−(3−ホスホノプロプ−2−エニル)
ピペラジン−2−カルボン酸(d−CPPene)(Lowe等、19
94,Neurochem Int.25,583)及びcis−4−ホスホノ
メチル−2−ピペリジンカルボン酸(CGS−19,755)(M
urphy等、1988,Br.J.Pharmacol.95,932)並びにグ
リシンコアゴニスト(Johnson等、Nature,1987,327,
529〜531;及びKemp等、Trends Pharmacol.Sci.,19
93,14,20〜25)結合部位における競合的アンタゴニス
ト、例えば5,7−ジクロロ−4S−(3−フェニル−ウレ
イド)−1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン−2R−カ
ルボン酸(L−689,560)及び5−ニトロ−6,7−ジクロ
ロ−1,4−ジヒドロ−2,3−キノキサリンジオン(ACEA
−1021)(Leeson等、1994,J.Med.Chem.37,4053)
を含む。NMDA受容体で制御されるイオンチャネルを遮断
する化合物も更に同定されていて、フェンサイクリジン
(phencyclidine)(PCP)、(+)−5−メチル−10,1
1−ジヒドロ−5−H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプタン
−5,10−イミン(MK−801)(Kemp等、1987,Trends
in Neurosci.10,294)及びC−(1−ナフチル−N’−
(3−エチルフェニル)−N’−メチル)グアニジン塩酸
塩(CNS−1102)(Reddy等、1994,J.Med.Chem.37,
260)を含む。
【0006】実験系中のNMDA受容体アンタゴニストの神
経保護効果は、この種の化合物の治療的可能性の非常な
興味を促進してきた。数種のプロトタイプアンタゴニス
ト、特に脳卒中及び頭部外傷(Muir等、1995,Stroke
26,503〜513)に対しては、臨床試験に進行している。
しかしながら、治療的投与濃度における副作用が、開発
過程を妨害する有意な問題であった(Muir等、上記)。
特に、グルタミン酸競合的アンタゴニスト及びチャネル
遮断剤の両者は、ヒトの心臓血管への作用及び精神症状
を惹き起こす。これらの副作用の生理学的基本はいまだ
に了解されていないが、ネズミにおいてこれらの種類の
化合物は、帯状皮質及び脾後方皮質の神経の空胞化とし
て、運動機能昂進及び矛盾神経過興奮の発症を惹き起こ
す(Olney等、1991,Science,254,1515〜1518)。グ
リシンコアゴニスト部位におけるアンタゴニストは、よ
り少ない運動の活性化を起こし、そしてネズミの神経保
護的投与量において神経の空胞化を起こさず、この種の
アンタゴニストがヒトにおいてよりよく許容されること
ができる(Kemp等、1993,Trends Pharmacol.Sci.1
4,20〜25)ことが示唆されている。不幸なことには、
キノキサリンジオン核に伴なう生理化学的な問題(溶解
性、脳への浸透、タンパク質との結合)が、この種のも
のを臨床に持ち込む努力を妨げている。
【0007】
【課題を解決するための手段】化合物(1S,2S)−1−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−
フェニルピペリジノ)−1−プロパノール(本明細書中
で以降“化合物A”と呼ぶ)は、NMDA受容体アンタゴニ
ストの第4の種類の機能的作用を示す。この種類は、前
脳において発現するNR2Bサブユニットを含む、NMDA受容
体のサブタイプに特異的であることにおいて独特であ
る。他のリガンドで制御されたイオンチャネルのよう
に、官能性NMDA受容体は、多数のタンパク質サブユニッ
トで構成されている。5種類のサブユニットがこれまで
クローン化されており、NR1(これには8種類の接合変種
がある)及びNR2A〜Dである。発現の研究は、少なくと
も1種類のNR1サブユニット及び1種類又はそれ以上のNR2
サブユニットの組成を示している(Monyer等、Scienc
e,1992,256,1217〜1221;Kutsuwada等、1992、Natur
e 358,36;及びChazot等、1994,Biol.Chem.269,2
4403)。in situのハイブリダイゼーション及び免疫組
織化学の研究は、サブユニットが脳の全域に広くそして
異なって分布されていることを示している(Monyer等、
Neuron,1994,12,529〜540;Kutsuwada等、上記;Ish
ii等、1993,J.Biol.Chem.268,2836;Wenzel等、19
95,NeuroReport 7,45)。
【0008】化合物A及び他の構造的に同類の化合物
は、NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体に機能的に選択
的であるとの知見が得られた。この種のNMDA受容体アン
タゴニストが各種のin vitro及びin vivoの実験モデ
ル(Chenard及びMenniti、1999,Current Pharmaceuti
cal Design 5,381〜404;Di等、1997,Stroke 28,
2244〜2251;Okiyama等、1998,Brain Res.792,291
〜298;Okiyama等、1997,J.Neurotrauma 14,211〜2
22;Tsuchida等、1997,Neurotrauma 14,409〜417)
において、神経保護性であるという事実は、NR2Bサブユ
ニットを含むNMDA受容体がEAA誘導毒性カスケードに顕
著に関与していることを示唆している。更に、NR2Bサブ
ユニットを含むNMDA受容体に対して選択的なアゴニスト
は、他の種類のNMDA受容体アンタゴニストより少ない動
物及びヒトにおける毒性の副作用を生じ、そして優れた
医薬的特性のために選択することができることが見出さ
れている。従って、サブユニットに非選択的NMDA受容体
アンタゴニストの治療的に有効な投与量の投与によって
示される、ある種の心臓血管及び行動上不都合な副作用
は、治療的に有効な量の、NR2Bサブタイプ選択的NMDA受
容体アンタゴニストの使用によって排除又は有意に軽減
することができる。本発明の方法及び医薬的組成物に使
用されるNMDAアンタゴニストは、好ましくはNR2Bサブユ
ニットを含むNMDA受容体に対して選択性を示すものであ
る。
【0009】NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体に対す
る化合物の選択性は、Chenard及びMenniti(Antagonist
s Selective for NMDA receptors Containing th
e NR2B Subunit,Current Pharmaceutical Desig
n,1999,5:381〜404)によって記載されているよう
な、ラットの前脳のラセミ[3H](+)−(1S,2S)−
1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−(4−ヒドロキシ
−4−フェニルピペリジノ)−1−プロパノールの結合部
位に対する親和性として定義される。この親和性は、本
出願中で後で記載されるような放射性リガンド結合アッ
セイで評価される。選択性の化合物は、ラセミ[3H]CP
−101,606の特異的結合をラットの前脳膜からIC50≦5
μMで置換するものである。
【0010】NMDA受容体のNR2Bサブタイプに対して選択
性を持つ多くの化合物は、更に多くの他の受容体及びイ
オンチャネルと相互作用し、そして阻害する。例えば、
イフェンプロジル(ifenprodil)は、α1アドレナリン
受容体を、化合物がNR2BサブタイプNMDA受容体を、そこ
で阻害すると同様な親和性で阻害する。α1アドレナリ
ン受容体の阻害は、イフェンプロジル及び同類の分子の
特定の構造的特徴に関係する(Chenard等、J.Med.Che
m.,1991,34,3085〜3090(1991))。α1アドレナリ
ン受容体を遮断する化合物(例えばプラゾシン)が、脳
卒中、TBI及び関連する状態の治療に使用される薬物に
対して禁否される活性である、血圧降下活性を伴なうこ
とは公知である。従って、本発明の方法及び医薬組成物
に使用されるNMDAアンタゴニストは、好ましくはNMDA受
容体を含むNR2Bに対する選択性を、α1アドレナリン受
容体に対する選択性以上に示すものであり、特に少なく
とも約3:1のNR2B選択性とα1アドレナリン受容体選択
性の比を有するものである。更に好ましくは、このよう
な比は、少なくとも約5:1である。
【0011】本発明は、外傷性脳損傷、脳卒中、又は低
酸素性脳損傷を、NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アン
タゴニストを、他の種類の化合物との組み合わせにより
治療することよって得ることができる更なる治療上の利
益に関する。これらは、ニューロンを毒性の脳卒中から
保護し、脳損傷後の炎症性反応を阻害し及び/又は脳の
再潅流を促進する化合物を含む。NMDA受容体が媒介する
毒性が神経性機能不全及びCNS脳卒中後に起こる死の主
たる原因であるが、付加的な機構が更に関係する。これ
らの付加的な機構の病理学的な因果関係を減少すること
によって、治療的介入の全体的な利益を増加することが
できる。更に、多数の病理学的過程を阻害することは、
NMDA受容体アンタゴニストの使用単独で達成することが
できること、そしてそれ以上の予期されない相乗効果的
利益を与えることができる。
【0012】CNSに対する虚血性、低酸素性、又は外傷
性損傷の進行中に、多くの毒性産物が形成され、これら
は第1次の病理学的過程によって損傷した脳細胞を更に
損傷させ、又は第1次脳卒中から損傷を免れたかもしれ
ない細胞に損傷を発生することができる。これらの毒素
は、制約されるものではないが:酸化窒素(NO);他の
反応性酸素及び窒素中間体、例えば超酸化物及び過酸化
ニトリル;脂質過酸化物;TNFα、IL−1及び他のインタ
ーロイキン、サイトカイン及びケモカイン(chemokine
s);シクロオキシゲナーゼ及びリポキシゲナーゼ誘導
体並びに他の脂肪酸媒介物質、例えばロイコトリエン、
グルタミン酸及びプロスタグランジン;並びに水素イオ
ンを含む。これらの毒素の形成、作用を阻害すること又
は除去を促進することは、CNS細胞を、虚血性、低酸素
性又は外傷性の損傷中の損傷から保護することができ
る。更に、これらの毒素の形成、作用を阻害すること又
は除去を促進することの利益のある効果は、NR2Bサブユ
ニットを含むNMDA受容体を、NR2Bサブユニット選択的NM
DA受容体アゴニストで阻害する利益に伴なう付加又は相
乗効果であることができる。これらの毒素の形成又は作
用を阻害し、或いはこれらの除去を促進する化合物の例
は、制約されるものではないが、抗酸化化合物、好中球
阻害因子(NIF)、ナトリウムチャネルアンタゴニス
ト、NOS阻害剤、カリウムチャネル開口剤、グリシン部
位アンタゴニスト、カリウムチャネル開口剤、AMPA/カ
イニン酸受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネルア
ンタゴニスト、GABA−A受容体モジュレーター(例え
ば、GABA−A受容体アゴニスト)、及び抗炎症剤を含
む。
【0013】先に記載した多くの毒素の形成及び放出
は、虚血性、低酸素性又は外傷性CNS損傷によって生理
学的に活性化される、生理学的信号機構によって惹き起
こされる。これらの信号機構の活性化は、更に細胞の減
極となることができる。この減極は細胞のイオンの恒常
性を崩壊し、細胞が恒常性を維持するために努力するた
めに、エネルギー利用の速度を加速し及び/又は毒素の
形成及び放出を更に加速する。従って、虚血性、低酸素
性又は外傷性CNC損傷中のこれらの信号機構の阻害は、
細胞の機能不全及び死の程度を減少することができる。
更に、これらの信号機構を阻害することの利益のある効
果は、NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体を、NR2Bサブ
ユニット選択的NMDA受容体アンタゴニストで阻害する利
益に伴なう付加又は相乗効果であることができる。これ
らの信号機構は、制約されるものではないが:NR2Bサブ
ユニットを含むもの以外のNMDA受容体;他のEAA受容
体、例えばAMPA、KA、又は代謝刺激物質受容体;減極及
び/又は毒素放出を促進する他のリガンド制御イオンチ
ャネル;L−、P−、Q/R−、N−、又はT−型のものを含
む、電圧制御カルシウムチャネル;電圧制御ナトリウム
チャネルを含む。これらの信号経路を阻害する化合物の
例は、制約されるものではないが、AMPA/カイニン酸受
容体アンタゴニスト、ナトリウムチャネルアンタゴニス
ト及びカルシウムチャネルアンタゴニストを含む。
【0014】虚血性、低酸素性又は外傷性CNS損傷によ
って起こる細胞の減極を阻害し、そして結果としての心
身に有害な効果を阻害するもう一つの方法は、減極を起
こすものに対抗する信号経路を活性化することである。
再び、これらの信号機構を活性することの利益のある効
果は、NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体を、NR2Bサブ
ユニット選択的NMDA受容体アンタゴニストで阻害するこ
との利益に伴なう付加又は相乗効果である。これらの信
号機構は、制約されるものではないが:GABAA受容体の
活性化;電圧又はリガンド制御カリウムチャネルの活性
化;電圧又はリガンド制御塩素チャネルの活性化を含
む。これらの信号経路を活性化する化合物の例は、制約
されるものではないが、カリウムチャネル開口剤及びGA
BA−A受容体アゴニストを含む。
【0015】過剰な細胞の減極及びイオンの恒常性の喪
失は、細胞が物理的一体性を維持する能力の喪失、及び
しばしば壊死性細胞死と名づけられる過程に続いて起こ
る細胞死に導くことができる。しかしながら、虚血性、
低酸素性又は外傷性CNS損傷は、更に多くの細胞におい
て、もう一つの機構を活性化を誘導して、アポトーシス
と名付けられた細胞の死を起こす。壊死性及びアポトー
シス性の細胞の死の間の関係は、完全には理解されてい
なく、そして虚血性、低酸素性又は外傷性CNS損傷のよ
うな病理学的条件において、最終的に細胞の死に導く壊
死性及びアポトーシス性の機構は、自由活動であるのか
もしれない。この相互関係の特異性に関係なく、細胞死
のアポトーシス性機構の阻害は、虚血性、低酸素性又は
外傷性CNS損傷における治療的利益を有することができ
ることは示唆されている。虚血性、低酸素性又は外傷性
CNS損傷中のアポトーシスを阻害することの利益のある
効果は、NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体を、NR2Bサ
ブユニット選択的NMDA受容体アンタゴニストで阻害する
ことの利益に伴なう付加又は相乗効果であることができ
る。アポトーシス性機構は、制約されるものではない
が:FAS/TNFα/p75受容体の活性化;カスパス(caspa
ses)1〜9を含むカスパスの活性化;NFκBの活性化;JN
K及び/又はp38キナーゼ信号カスケードの活性化;ミト
コンドリアの崩壊の阻害及びミトコンドリアの浸透性移
動孔の活性化;カルパインのような細胞間プロテアーゼ
の活性化を含む。これらのアポトーシス機構を阻害する
化合物の例は、制約されるものではないが、カスパス阻
害剤及びアポトーシス機構の媒介物質として先に記載し
た他の酵素の阻害剤を含む。
【0016】CNS中の細胞は、生存及び適切な機能のた
めに、細胞−細胞の相互作用及び細胞外マトリックスと
の相互作用に高度に依存する。しかしながら、虚血性、
低酸素性又は外傷性CNS脳卒中中に、これらの相互作用
は、しばしば崩壊され、そしてこれは、細胞の機能不全
及び死に直接導くか、又は導くことに関与する。従っ
て、虚血性、低酸素性又は外傷性CNS脳卒中中の細胞−
細胞及び細胞−細胞外マトリックスの相互作用を維持す
るための治療は、機能不全及び細胞死を減少することが
期待される。更に、虚血性、低酸素性又は外傷性CNS損
傷中の細胞−細胞及び細胞−細胞外マトリックスの相互
作用を維持するための治療の利益のある効果は、NR2Bサ
ブユニットを含むNMDA受容体を、NR2Bサブユニット選択
的NMDA受容体アンタゴニストで阻害することの利益に伴
なう付加又は相乗効果である。虚血性、低酸素性又は外
傷性CNS脳卒中中の細胞−細胞及び細胞−細胞外マトリ
ックスの相互作用の崩壊に寄与する機構は、制約される
ものではないが、細胞外マトリックスを分解するプロテ
アーゼの活性化を含む。これらは、制約されるものでは
ないが、MMP 1〜13のようなマトリックスメタロプロテ
アーゼを含む。これらの酵素を阻害する化合物の例は、
制約されるものではないが、次の特許又は特許出願:19
99年1月19日に発行された米国特許第5,861,510号;19
94年7月13日に公開された欧州特許出願EP 606,046;1
999年8月18日に公開された欧州特許出願公開EP 935,9
63;1998年8月13日に公開されたPCT特許出願公開WO98/
34918;両者とも1998年5月5日に公開されたPCT特許出願
公開WO98/08825及びWO98/08815;1998年1月29日に公
開されたPCT特許出願公開WO98/03516;及び1998年8月6
日に公開されたPCT特許出願公開WO98/33768中で言及さ
れているものを含む。前記の特許及び特許出願は、本明
細書中に参考文献としてその全てが援用される。
【0017】CNSの虚血、低酸素、又は外傷は、先天性
及び適応性免疫系の各種の成分によって媒介される炎症
性反応に導く。CNSの本質及び免疫系とのその独特な関
係のために、CNSの虚血、低酸素、又は外傷によって惹
き起こされる免疫系の活性化は、細胞の機能不全及び死
に悪化させることができる。それによって免疫活性がCN
S損傷を悪化させる機構は、何倍にもなる。CNSに固有の
免疫細胞、例えば星状細胞及び小膠細胞は、CNS損傷に
続いて活性化される。更に、末梢免疫細胞は、補充され
て、CNSに入り、そして更に活性化されるようになる。
これらの細胞は、単核細胞/マクロファージ、好中球、
及びTリンパ球を含む。損傷後のこれらの末梢免疫細胞
のCNSへの補充及び活性化は、これらの細胞がCNS以外の
損傷された組織によって補充されそして活性化されると
同様の多くの機構が関係する。損傷した組織の部分の細
胞及び損傷の部位の周囲の脈管構造は、血液流中を循環
する免疫細胞に信号するタンパク質を合成し始める。次
いでこれらの細胞は、血管上皮に接着し、そして損傷を
受けた組織の部分及び周囲に入る。次いでこれらの活性
化された免疫細胞は、各種の毒素の放出及び細胞−細胞
及び細胞−細胞外マトリックスの相互作用の崩壊を含
む、先に記載した心身に有害な事象の多くを促進する。
【0018】従って、CNSの虚血、低酸素、又は外傷に
反応する免疫細胞の補充、血管への接着、活性化、並び
に毒素及びプロテアーゼの形成及び放出の阻害は、これ
らのCNS脳卒中によって起こされる細胞の機能不全及び
死を減少させるという仮説として取り上げられる。虚血
性、低酸素性又は外傷性CNS損傷中の免疫細胞の補充、
活性化、並びに毒素及びプロテアーゼの形成及び放出の
阻害の利益のある効果は、NR2Bサブユニットを含むNMDA
受容体を、NR2Bサブユニット選択的NMDA受容体アンタゴ
ニストで阻害することの利益に伴なう付加又は相乗効果
であることができる。免疫細胞の補充を阻害する化合物
は、制約されるものではないが、幅広い各種のサイトカ
イン及びケモカイン受容体を含む。血管への免疫細胞の
接着を阻害する化合物は、制約されるものではないが、
NIF及び各種の細胞接着分子の抗体を含む。免疫細胞の
活性化を阻害する化合物は、制約されるものではない
が、広範囲のサイトカイン及びケモカイン受容体に対す
るアンタゴニスト、NIF及び各種の細胞接着分子の抗
体、活性化信号を細胞の反応に転換することに関係する
細胞間酵素のアンタゴニスト、例えばCOX及びCOX2のア
ンタゴニスト、各種のタンパク質ser/thr及びtyrキナ
ーゼ並びに細胞間プロテアーゼを含む。CNS固有の又は
末梢免疫細胞の補充、接着、及び活性化は、更にこの活
性化に対抗する細胞信号経路の活性化によって阻害する
ことができる。このような信号経路を活性化する化合物
は、制約されるものではないが、PPARγ活性化剤を含
む。
【0019】
【発明の実施の態様】本発明は、更にヒトを含む哺乳動
物の外傷性脳損傷或いは低酸素又は虚血性脳卒中を、前
記哺乳動物に: (a)好中球阻害因子(NIF)又はその医薬として許容さ
れうる塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体
アンタゴニスト性受容体化合物又はその医薬として許容
されうる塩;を投与することを含む治療方法に関し、こ
のとき上記活性薬剤“a”及び“b”は、二種類の薬剤の
組み合わせが低酸素性又は虚血性脳卒中の治療において
有効となる量で存在する。
【0020】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中を治療するた
めの: (a)好中球阻害因子(NIF)又はその医薬として許容さ
れうる塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき活性薬剤“a”及び“b”が、このよう
な組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾
患の治療において有効となる量で存在する。
【0021】好中球阻害因子(NIF)は、好中球活性、
特に好中球の血管上皮細胞への接着の特異的阻害剤であ
るタンパク質であり、そしてこれは、鈎虫及び同類の種
から誘導され、そしてこれは、天然の供給源から分離又
は組み換え法によって製造することができ、そしてこれ
は、寄生虫から分離された場合、糖タンパク質であり、
そしてこれは、タンパク質のインテグリン又はselectio
nファミリーの一員ではなく、そして更に、接着タンパ
ク質の免疫グロブリンのスーパーファミリーの一員でも
ない。
【0022】好中球は、白血球として知られる細胞のク
ラスのサブクラスである、顆粒球として知られる細胞の
クラスのサブクラスである。好中球は、微生物の侵入に
対する宿主の防御系の必須成分である。損傷の部位にお
いて細胞によって放出される可溶性炎症媒介物質に反応
して、好中球は血管壁を通ることによって血流から組織
に移動する。損傷部位において、活性化された好中球
は、食菌作用及びオキシダント、プロテアーゼ及びサイ
トカインのような細胞毒化合物を放出することによって
外来細胞を殺す。その感染と戦うことにおける重要さに
もかかわらず、好中球自体は、組織の損傷を促進する。
異常な炎症性反応中に、好中球は血管壁又は損傷を受け
ていない組織中で毒性物質を放出することによって、有
意な組織の損傷を惹き起こすことができる。別の方法と
して、毛管壁に接着した又は小静脈に凝集した好中球
は、虚血によって組織損傷を生じることができる。この
ような異常な炎症性反応は、成人呼吸促迫症候群(ARD
S);心筋梗塞、ショック、脳卒中及び器官移植に続く
虚血再潅流障害;急性及び慢性の同種移植片拒絶反応;
脈管炎;敗血症;慢性関節リウマチ;及び炎症性皮膚疾
患を含む、各種の臨床的疾患の病因に影響を与えている
(Harlan等、1990,Immunol.Rev.114,5)。
【0023】好中球の炎症の部位における接着は、少な
くとも二つの別個の細胞−細胞相互作用的事象が関係し
ていると信じられている。最初に、炎症を受けた組織の
近辺の血管上皮が好中球に対して接着性となり;好中球
は、“ローリング”として知られる過程で低親和性の接
着機構によって上皮と相互作用する。第2の接着工程
は、ローリングした好中球が更に緊密に血管上皮細胞に
結合し、そして血管から組織に移動する。
【0024】好中球阻害因子は、天然の供給源からこれ
らを分離する方法及びこれらをクローン化する方法と共
に、1999年7月6日に発行された米国特許第5,919,900
号、1998年5月5日に発行された米国特許第5,747,296
号、及び1998年8月4日に発行された米国特許第5,789,
178号中に非常に詳細に記載されている。これらの三つ
の特許は、本明細書中に参考文献としてその全てが援用
される。本発明の医薬組成物及び方法のために適したNI
Fの例は、先に引用した米国特許第5,919,900号中で言
及されているものである。このようなNIFは、線虫及び
他の寄生虫から分離されたある種の糖タンパク質、並び
にある種の組み換え非グリコシル化タンパク質を含む。
本発明の医薬組成物及び方法中で使用するために好まし
いNIFは、先に引用した米国特許第5,919,900号中で好
ましいとして規定されているものである。
【0025】本発明の組成物及び方法中に使用するため
に適したNIFによる好中球活性の阻害は、制約されるも
のではないが、一つ又はそれ以上の次の好中球の活性:
過酸化水素の放出、超酸化物アニオンの放出、ミエロペ
ルオキシダーゼの放出、エラスターゼの放出、同型の好
中球の凝集、塑性表面への接着、血管上皮細胞への接
着、走化性、上皮細胞の単層を通る移動及び食菌作用含
む。物質の好中球阻害活性を測定するための好ましいア
ッセイは、好中球の血管上皮細胞への接着、好中球から
の過酸化水素の放出、同型好中球の凝集又は血管塑性表
面への好中球の接着を測定する、好中球活性の阻害がin
vitroアッセイによって証明されるものを含む。
【0026】本明細書中で使用される“治療”の用語
は、“治療”の用語が適用される疾患又は状態、或いは
一つ又はそれ以上のこのような疾患又は状態兆候の進行
を阻止する又は逆転する或いは緩和する又は予防する事
を指す。本明細書中で使用される“治療すること”の用
語は、用語“治療”が上記で定義されたような疾患又は
状態を治療する行為を指す。
【0027】本発明の好ましい方法及び医薬組成物は、
NMDA受容体アンタゴニストが、以下の式:
【0028】
【化7】 [式中: (a)R2及びR5は、分離しており、そしてR1、R2、R3
びR4は、それぞれ独立に水素、(C1〜C6)アルキル、ハ
ロ、CF3、OH又はOR7であり、そしてR5は、メチル又はエ
チルであるか;或いは(b)R2及びR5は、いっしょにな
り、そして以下の式:
【0029】
【化8】 であって、クロマン−4−オール環を形成し、そして
R1、R3及びR4は、それぞれ独立に水素、(C1〜C6)アル
キル、ハロ、CF3、OH又はOR7であり;R6は、以下の式:
【0030】
【化9】 であり;R7は、メチル、エチル、イソプロピル又はn−
プロピルであり;R8は、(C1〜C6)アルキル、ハロ、CF
3から独立に選択される3個までの置換基で所望により置
換されているフェニルであり;Xは、O、S又は(CH2n
であり;そしてnは、0、1、2、又は3である;]のNR2B
サブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト又はその医
薬として許容されうる酸付加塩である、先に記載した方
法及び医薬組成物を含む。
【0031】式Iの化合物は、米国特許第5,185,343
号;5,272,160号;5,338,754号;5,356,905号、
及び6,046,213号(これらはそれぞれ、1993年2月9
日、1993年12月21日、1994年8月16日、1994年10月18
日、及び2000年4月4日に発行された);米国特許出願番
号08/292,651(1994年8月18日に出願)、08/189,47
9(1994年1月31日に出願)及び09/011,426(1996年6
月20日に出願);米国を指定したPCT国際特許出願第PCT
/IB95/00398(1995年5月26日に出願)(WO96/37222
に対応);及び米国を指定したPCT国際特許出願第PCT/
IB95/00380(1995年5月18日に出願)(WO96/06081に
対応)に記載されている。上記の全ての特許、米国特許
出願及びPCT国際特許出願は、本明細書中に参考文献と
してその全てが援用される。
【0032】本発明の方法及び医薬組成物中に使用され
る好ましい化合物は、R2及びR5が分離しており;R2及び
R3が水素であり;R6が以下の式:
【0033】
【化10】 であり;R8がフェニル、4−ハロフェニル又は4−トリフ
ルオロメチルフェニルである式Iのものを含む。この群
の中で、更に特定的に好ましい化合物は、R5が、以下の
1S*,2S*の相対立体配置:
【0034】
【化11】 を有するメチルであるものである。本発明の方法及び医
薬組成物中に使用される他の好ましい化合物は、R2及び
R5がいっしょになって、そして以下の式:
【0035】
【化12】 のクロマン−4−オール環を形成している式Iのものを含
む。この群の中で、好ましい化合物は、更に前記クロマ
ン−4−オール環のC−3及びC−4位が、以下の3R*,4S*
の相対立体配置:
【0036】
【化13】 を有するものを含む。この群の中で、好ましい化合物
は、更にR6が以下の式:
【0037】
【化14】 であり;そしてR8がフェニル又は4−ハロフェニルであ
るものを含む。
【0038】式Iの化合物は、キラル中心を含むことが
でき、そして従って異なったエナンチオマー及びジアス
テレオマーの形で存在することができる。本発明は、式
Iの化合物の全ての光学異性体及び全ての立体異性体及
びこれらの混合物を含む上記の医薬組成物を使用した上
記の治療の方法及び組成物に関する。
【0039】本明細書中で使用される“アルキル”の用
語は、他に示されない限り、直鎖、分枝鎖又は環状部分
或いはこれらの組み合わせを有する、飽和の一価の炭化
水素基を含む。
【0040】本明細書中で使用される“一つ又はそれ以
上の置換基”の用語は、利用可能な結合部位の数に基づ
いて、一つから可能な最大の数の置換基と等しい数の置
換基までを指す。
【0041】本明細書中で使用される“ハロ”及び“ハ
ロゲン”の用語は、他に指定されない限り、塩素、フッ
素、臭素及びヨウ素を含む。上記の式Iは、一つ又はそ
れ以上の水素、炭素又は他の原子が、その同位体で置換
されているという事実以外は、示したものと同一の化合
物を含む。このような化合物は、代謝の薬物動力学の研
究及び結合アッセイにおける研究及び診断の手段として
有用である。
【0042】本発明の方法及び医薬組成物中に使用する
ために、特に好ましい式IのNMDA受容体アンタゴニスト
は、次のもの:(+)−(1S,2S)−1−(4−ヒドロキ
シ−フェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピ
ペリジノ)−1−イル)−1−プロパノール;(1S,2S)
−1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−
(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)−1−プロ
パノール;(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチ
ルフェニル)−2−ヒドロキシ−4−フェニル(ピペリジ
ノ)−1−プロパノール及び(3R,4S)−3−(4−(4−
フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イ
ル)−クロマン−4,7−ジオール;である。
【0043】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)グリシン部位アンタゴニスト性化合物(例えばガ
ベスチニル(gavestinil))又はその医薬として許容さ
れうる塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体
アンタゴニスト性化合物又はその医薬として許容されう
る塩;を投与することを含む治療の方法に関し、このと
き活性薬剤“a”及び“b”は、二種類の薬剤の組み合わ
せが低酸素性又は虚血性脳卒中の治療において有効とな
る量で存在する。
【0044】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の治療のた
めの: (a)グリシン部位アンタゴニスト性化合物(例えばガ
ベスチニル)又はその医薬として許容されうる塩;及び
(b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;を含み;
そして二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾患の治
療に有効である医薬組成物に関する。
【0045】本発明の医薬組成物及び方法中に使用する
ために適したグリシン部位アンタゴニストの例は、次
の:1999年8月24日に発行された米国特許第5,942,540
号;1999年7月15日に公開された国際特許出願公開WO99
/34790;1998年10月29日に公開された国際特許出願公
開WO98/47878;1998年10月1日に公開された国際特許出
願公開WO98/42673;1991年12月29日に公開された欧州
特許出願公開EP 966475A1;1998年9月11日に公開され
た国際特許出願公開WO98/39327;1998年2月5日に公開
された国際特許出願公開WO98/104556;1997年10月16日
に公開された国際特許出願公開WO97/37652;1996年10
月9日に発行された米国特許第5,837,705号;1997年6
月12日に公開された国際特許出願公開WO97/20553;199
9年3月23日に発行された米国特許第5,886,018号;199
8年9月1日に発行された米国特許第5,801,183号;1995
年3月23日に公開された国際特許出願公開WO95/07887;
1997年11月11日に発行された米国特許第5,686,461
号;1997年3月25日に発行された米国特許第5,614,509
号;1996年4月23日に発行された米国特許第5,510,367
号;1992年12月9日に公開された欧州特許出願公開517,
347A1;1993年11月9日に発行された米国特許第5,260,
324号中で言及されているものである。上記の特許及び
特許出願公開は、本明細書中に参考文献としてその全て
が援用される。
【0046】本発明の医薬組成物及び方法中に使用する
ことができるグリシン部位アンタゴニストの他の例は、
N−(6,7−ジクロロ−2,3−ジオキソ−1,2,3,4−
テトラヒドロ−キノキサリン−5−イル)−N−(2−ヒ
ドロキシ−エチル)−メタンスルホンアミド及び6,7−
ジクロロ−5−[3−メトキシメチル−5−(1−オキシ−
ピリジン−3−イル)−[1,2,4]トリアゾール−4−
イル]−1,4−ジヒドロ−キノキサ−リン−2,3−ジオ
ンである。
【0047】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)ナトリウムチャネル遮断化合物又はその医薬とし
て許容されうる塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMD
A受容体アンタゴニスト性化合物又はその医薬として許
容されうる塩;を投与することを含む治療の方法に関
し、このとき上記活性薬剤“a”及び“b”は、二種類の
薬剤の組み合わせが低酸素性又は虚血性脳卒中の治療に
おいて有効となる量で存在する。
【0048】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の治療する: (a)ナトリウムチャネル遮断化合物又はその医薬とし
て許容されうる塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき活性薬剤“a”及び“b”が、このよう
な組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾
患の治療において有効となる量で存在する。
【0049】先に記載したような本発明の方法及び医薬
組成物中に使用することができる適当なナトリウムチャ
ネル遮断化合物(即ちナトリウムチャネルアンタゴニス
ト)の例は、アジマリン、プロカインアミド、フレカイ
ニド及びリルゾール(riluzole)である。
【0050】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)カルシウムチャネル遮断化合物又はその医薬とし
て許容されうる塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMD
A受容体アンタゴニスト性化合物又はその医薬として許
容されうる塩;を投与することを含む治療の方法に関
し、このとき上記活性薬剤“a”及び“b”は、二種類の
薬剤の組み合わせが低酸素性又は虚血性脳卒中の治療に
おいて有効となる量で存在する。
【0051】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の治療する: (a)カルシウムチャネル遮断化合物又はその医薬とし
て許容されうる塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき活性薬剤“a”及び“b”が、このよう
な組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾
患の治療において有効となる量で存在する。
【0052】先に記載したような本発明の方法及び医薬
組成物中に使用することができる適当なカルシウムチャ
ネル遮断化合物(即ち、カルシウムチャネルアンタゴニ
スト)の例は、ジルチアゼム(diltiazem)、オメガ−
コノトキシン(conotoxin)GVIA、メトキシベラパミ
ル、アムロジピン(amlodipine)、フェロジピン(felo
dipine)、ラシジピン(lacidipine)、及びミベフラジ
ル(mibefradil)である。
【0053】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)カリウムチャネル開口化合物又はその医薬として
許容されうる塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA
受容体アンタゴニスト性化合物又はその医薬として許容
されうる塩;を投与することを含む治療の方法に関し、
このとき上記活性薬剤“a”及び“b”は、二種類の薬剤
の組み合わせが低酸素性又は虚血性脳卒中の治療におい
て有効となる量で存在する。
【0054】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の治療する: (a)カリウムチャネル開口化合物又はその医薬として
許容されうる塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき活性薬剤“a”及び“b”が、このよう
な組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾
患の治療において有効となる量で存在する。
【0055】先に記載したような本発明の方法及び医薬
組成物中に使用することができる適当なカリウムチャネ
ル開口化合物の例は、ジアゾオキシド、フルピルチン
(flupirtine)、ピナシジル(pinacidil)、レブクロ
マカリム(levcromakalim)、リルマカリム(rilmakali
m)、クロマカリム(chromakalim)、PCO−400(J.Vas
c.Res.,Nov.〜Dec.1999,36(6),516〜23)及び
SKP−450(2−[2”(1”,3”−ジオキソロン)−2−
メチル]−4−(2’−オキソ−1’−ピロリジニル)−6
−ニトロ−2H−1−ベンゾピラン)である。
【0056】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)抗炎症性化合物又はその医薬として許容されうる
塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタ
ゴニスト性化合物又はその医薬として許容されうる塩;
を投与することを含む治療の方法に関し、このとき上記
活性薬剤“a”及び“b”は、二種類の薬剤の組み合わせ
が低酸素性又は虚血性脳卒中の治療において有効となる
量で存在する。
【0057】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の治療する: (a)抗炎症性化合物又はその医薬として許容されうる
塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき前記活性薬剤“a”及び“b”が、この
ような組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのよう
な疾患の治療において有効となる量で存在する。
【0058】先に記載したような本発明の方法及び医薬
組成物中に使用することができる適当な抗炎症性化合物
の例は、NSAID、COXII阻害剤、アセトミノフェン(acet
ominophen)及びステロイド系抗炎症剤、例えばメチル
プレドニロロン(prednilolone)及びコルチゾンであ
る。非ステロイド系抗炎症薬物(NSAID)の例は、ジク
ロフェナク(diclofenac)ナトリウム、ナブメトン(na
bumetone)、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、
ケトロラク(ketorolac)、イブプロフェン(ibuprofe
n)及びインドメタシンである。
【0059】本発明の方法及び医薬組成物中で使用する
ことができる適当なCOXII阻害剤の例は、次の:1999年5
月14日に出願された米国特許仮出願60/134,311;1999
年5月14日に出願された米国特許仮出願60/134,312;1
999年5月14日に出願された米国特許仮出願60/134,309
中で言及されているものである。上記の出願は、本明細
書中に参考文献としてその全てが援用される。
【0060】本発明の方法及び医薬組成物中に使用する
ことができる適当なCOXII阻害剤の他の例は、次の:199
8年10月6日に発行された米国特許第5,817,700;1997
年8月7日に公開された国際特許出願公開WO97/28121;1
998年6月16日に発行された米国特許第5,767,291号;1
995年7月25日に発行された米国特許第5,436,265号;1
995年12月12日に発行された米国特許第5,474,995号;
1996年7月16日に発行された米国特許第5,536,752号;
1996年8月27日に発行された米国特許第5,550,142号;
1997年2月18日に発行された米国特許第5,604,260号;
1997年12月16日に発行された米国特許第5,698,584
号;1998年1月20日に発行された米国特許第5,710,140
号;1998年11月24日に発行された米国特許第5,840,74
6号;1998年3月25日に出願された英国特許出願986430;
1997年8月7日に公開された国際特許出願公開WO97/2812
0;1998年1月14日に出願された英国特許出願9800689;1
998年1月14日に出願された英国特許出願9800688;1994
年7月7日に公開された国際特許出願公開WO94/14977;1
998年10月8日に公開された国際特許出願公開WO98/4396
6;1998年1月29日に公開された国際特許出願公開WO98/
03484;1998年9月24日に公開された国際特許出願公開WO
98/41516;1998年9月24日に公開された国際特許出願公
開WO98/41511;1998年5月13日に発行された英国特許出
願公開2,319,032;1996年11月28日に公開された国際
特許出願公開WO96/37467;1996年11月28日に公開され
た国際特許出願公開WO96/37469;1996年11月21日に公
開された国際特許出願公開WO96/36623;1998年1月8日
に公開された国際特許出願公開WO98/00416;1997年11
月27日に公開された国際特許出願公開WO97/44027;199
7年11月27日に公開された国際特許出願公開WO97/4402
8;1996年8月8日に公開された国際特許出願公開WO96/2
3786;1997年10月30日に公開された国際特許出願公開WO
97/40012;1996年6月27日に公開された国際特許出願公
開WO96/19469;1997年10月9日に公開された国際特許出
願公開WO97/36863;1997年4月24日に公開された国際特
許出願公開WO97/14691;1997年4月3日に公開された国
際特許出願公開WO97/11701;1996年5月9日に公開され
た国際特許出願公開WO96/13483;1996年11月28日に公
開された国際特許出願公開WO96/37468;1996年3月7日
に公開された国際特許出願公開WO96/06840;1994年11
月24日に公開された国際特許出願公開WO94/26731;199
4年9月15日に公開された国際特許出願公開WO94/2048
0;1991年4月9日に発行された米国特許第5,006,549
号;1989年1月24日に発行された米国特許第4,800,211
号;1988年11月1日に発行された米国特許第4,782,080
号;1988年1月19日に発行された米国特許第4,720,503
号;1988年7月26日に発行された米国特許第4,760,086
号;1991年11月26日に発行された米国特許第5,068,24
8号;1999年1月12日に発行された米国特許第5,859,25
7号;1998年10月29日に公開された国際特許出願公開WO9
8/47509;1998年10月29日に公開された国際特許出願公
開WO98/47890;1998年10月8日に公開された国際特許出
願公開WO98/43648;1998年6月18日に公開された国際特
許出願公開WO98/25896:1998年5月28日に公開された国
際特許出願公開WO98/22101;1998年4月23日に公開され
た国際特許出願公開WO98/16227;1998年2月19日に公開
された国際特許出願公開WO98/06708;1997年10月23日
に公開された国際特許出願公開WO97/38986;1997年9月
2日に発行された米国特許第5,663,180号;1997年8月2
1日に公開された国際特許出願公開WO97/29776;1997年
8月21日に公開された国際特許出願公開WO97/29775;19
97年8月21日に公開された国際特許出願公開WO97/2977
4;1997年7月31日に公開された国際特許出願公開WO97/
27181;1995年5月4日に公開された国際特許出願公開WO9
5/11883;1997年4月24日に公開された国際特許出願公
開WO97/14679;1997年4月3日に公開された国際特許出
願公開WO97/11704;1996年12月27日に公開された国際
特許出願公開WO96/41645;1996年12月27日に公開され
た国際特許出願公開WO96/41626;1996年12月27日に公
開された国際特許出願公開WO96/41625;1996年12月5日
に公開された国際特許出願公開WO96/38442;1996年12
月5日に公開された国際特許出願公開WO96/38418;1996
年11月21日に公開された国際特許出願公開WO96/3661
7;1996年8月15日に公開された国際特許出願公開WO96/
24585;1996年8月15日に公開された国際特許出願公開WO
96/24584;1996年6月6日に公開された国際特許出願公
開WO96/16934;1996年2月8日に公開された国際特許出
願公開WO96/03385;1996年5月2日に公開された国際特
許出願公開WO96/12703;1996年3月28日に公開された国
際特許出願公開WO96/09304;1996年3月28日に公開され
た国際特許出願公開WO96/09293;1996年2月8日に公開
された国際特許出願公開WO96/03392;1996年2月8日に
公開された国際特許出願公開WO96/03388;1996年2月8
日に公開された国際特許出願公開WO96/03387;1996年2
月1日に公開された国際特許出願公開WO96/02515;1996
年2月1日に公開された国際特許出願公開WO96/02486;1
995年12月19日に発行された米国特許第5,476,944号;
1995年11月16日に公開された国際特許出願公開WO95/30
652;1995年9月19日に発行された米国特許第5,451,60
4号;1995年8月17日に公開された国際特許出願公開WO95
/21817;1995年8月10日に公開された国際特許出願公開
WO95/21197;1995年6月8日に公開された国際特許出願
公開WO95/15315;1996年4月2日に発行された米国特許
第5,504,215号;1996年4月16日に発行された米国特許
第5,508,426号;1996年5月14日に発行された米国特許
第5,516,907号;1998年5月28日に発行された米国特許
第5,521,207号;1998年5月19日に発行された米国特許
第5,753,688号;1998年6月2日に発行された米国特許
第5,760,068号;1995年5月30日に発行された米国特許
第5,420,343号;1995年11月16日に公開された国際特
許出願公開WO95/30656;1995年2月28日に発行された米
国特許第5,393,790号;及び1994年2月8日に公開され
た国際特許出願公開WO94/27980の中で言及されている
ものである。上記の特許及び特許出願は、本明細書中に
参考文献としてその全てが援用される。
【0061】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)GABA−A受容体モジュレーター(例えば、GABA−A
受容体アゴニスト)又はその医薬として許容されうる
塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタ
ゴニスト性化合物又はその医薬として許容されうる塩;
を投与することを含む治療の方法に関し、このとき上記
活性薬剤“a”及び“b”は、二種類の薬剤の組み合わせ
が低酸素性又は虚血性脳卒中の治療において有効となる
量で存在する。
【0062】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の治療する: (a)GABA−A受容体モジュレーター(例えば、GABA−A
受容体アゴニスト)又はその医薬として許容されうる
塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき活性薬剤“a”及び“b”が、このよう
な組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾
患の治療において有効となる量で存在する。
【0063】先に記載したような本発明の方法及び医薬
組成物中に使用することができる適当なGABA−A受容体
モジュレーターの例は、クロメチアゾール(clomethiaz
ole)及びIDDBである。本発明の医薬組成物及び方法に
使用することができるGABA−A受容体モジュレーターの
他の例は、次の:1999年5月27日に公開された国際特許
出願公開WO99/25353;1996年8月29日に公開された国際
特許出願公開WO96/25948;1999年7月29日に公開された
国際特許出願公開WO99/37303;1999年7月20日に発行さ
れた米国特許第5,925,770号;1993年6月1日に発行さ
れた米国特許第5,216,159号;1992年7月14日に発行さ
れた米国特許第5,130,430号;1999年7月20日に発行さ
れた米国特許第5,925,770号;及び1999年3月4日に公
開された国際特許出願公開WO99/10347の中で言及され
ているものである。
【0064】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)抗酸化化合物(例えばアルファ−トコフェロー
ル)又はその医薬として許容されうる塩;及び(b)NR2
Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト性化合物
又はその医薬として許容されうる塩;を投与することを
含む治療の方法に関し、このとき上記活性薬剤“a”及
び“b”は、二種類の薬剤の組み合わせが低酸素性又は
虚血性脳卒中の治療において有効となる量で存在する。
【0065】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中を治療するた
めの: (a)抗酸化化合物(例えば、アルファ−トコフェロー
ル)又はその医薬として許容されうる塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき活性薬剤“a”及び“b”が、このよう
な組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾
患の治療において有効となる量で存在する。
【0066】先に記載したような本発明の方法及び医薬
組成物中に使用することができる適当な抗酸化化合物の
例は、ビタミンE、ビタミンA、カルシウムドベシラート
(dobesilate)、ストバジン(stobadine)、アルファ
−トコフェロール、アスコルビン酸、アルファ−リポ
酸、コルクミン(corcumin)、カタラーゼ、プレバスタ
チン(prevastatin)、N−アセチルシステイン、ノルジ
ヒドログアヤレット酸、ピロリジンジチオカルバメー
ト、LY341122、及びメテキシル(Metexyl)(4−メトキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ
ル)である。
【0067】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)AMPA/カイニン酸受容体アンタゴニスト性化合物
又はその医薬として許容されうる塩;及び(b)NR2Bサ
ブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト性化合物又は
その医薬として許容されうる塩;を投与することを含む
治療の方法に関し、このとき上記活性薬剤“a”及び
“b”は、二種類の薬剤の組み合わせが低酸素性又は虚
血性脳卒中の治療において有効となる量で存在する。
【0068】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中を治療するた
めの: (a)AMPA/カイニン酸受容体アンタゴニスト性化合物
又はその医薬として許容されうる塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき活性薬剤“a”及び“b”が、このよう
な組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾
患の治療において有効となる量で存在する。
【0069】先に記載したような本発明の方法及び医薬
組成物中に使用することができる適当なAMPA/カイニン
酸受容体アンタゴニスト性化合物の例は、6−シアノ−7
−ニトロキノキサリン−2,3−ジオン(CNQX)、6−ニ
トロ−7−スルファモイルベンゾ[f]キノキサリン−
2,3−ジオン(NBQX)、6,7−ジニトロキノキサリン−
2,3−ジオン(DNQX)、1−(4−アミノフェニル)−4
−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5H−2,3−ベンゾ
ジアゼピン塩酸塩及び2,3−ジヒドロキシ−6−ニトロ
−7−スルファモイルベンゾ−[f]キノキサリンであ
る。
【0070】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷、或いは低酸素性又は虚血性脳卒中の、前記哺
乳動物に: (a)NOS阻害化合物又はその医薬として許容されうる
塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタ
ゴニスト性化合物又はその医薬として許容されうる塩;
を投与することを含む治療の方法に関し、このとき上記
活性薬剤“a”及び“b”は、二種類の薬剤の組み合わせ
が低酸素性又は虚血性脳卒中の治療において有効となる
量で存在する。
【0071】本発明は、更にヒトを含む哺乳動物の外傷
性脳損傷或いは低酸素性又は虚血性脳卒中を治療するた
めの: (a)NOS阻害化合物又はその医薬として許容されうる
塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
性化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び
(c)医薬として許容されうる担体;を含む医薬組成物
に関し、このとき活性薬剤“a”及び“b”が、このよう
な組成物中に二種類の薬剤の組み合わせがこのような疾
患の治療において有効となる量で存在する。
【0072】3種類のNOSの既知のイソフォーム−誘導性
型(I−NOS)及びそれぞれ神経性NOS(N−NOS)及び内
皮性NOS(E−NOS)と呼ばれる二種類の構造性型が存在
する。これらの酵素のそれぞれは、各種の刺激に反応し
て酸化窒素(NO)の分子を産生しながら、アルギニンの
シトルリンへの転換を行う。NOSによる過剰の酸化窒素
(NO)の産生は、哺乳動物の多くの疾患及び症状の病理
において役割を演じることが信じられている。例えば、
I−NOSによって産生するNOは、毒性のショック及びある
種のサイトカインによる治療のような全身性低血圧に関
係する疾患において役割を演じると考えられている。サ
イトカイン、例えばインターロイキン1(IL−1)、イン
ターロイキン2(IL−2)又は腫瘍壊死因子(TNF)によ
り治療されている癌患者が、マクロファージ、即ち、誘
導性NOS(I−NOS)から産生するNOによるサイトカイン
誘導のショック及び低血圧に悩まされることが示されて
いる。Chemical and Engineering News,Dec.20,
p.33,(1993)を参照されたい。I−NOS阻害剤は、こ
れを逆転することができる。I−NOSが、虚血症のような
中枢神経系の疾患の病理において役割を演じていること
が更に信じられている。例えば、I−NOSの阻害は、ラッ
トの脳虚血性損傷を改善することが示されている。Am.
J.Physiol.,268,p.R286(1995)を参照されたい。
アジュバント誘導の関節炎の、I−NOSの選択的阻害によ
る抑制が、Eur.J.Pharmacol.,273,p.15〜24(199
5)で報告されている。
【0073】N−NOSによって産生されるNOは、脳虚血
症、疼痛、及び麻酔薬耐性のような疾患において役割を
演じると考えられている。例えば、N−NOSの阻害は、ラ
ットの近位中大脳動脈閉鎖後の梗塞部の体積を減少す
る。J.Cerebr.Blood Flow Metab.,14,p.924〜9
29(1994)を参照されたい。N−NOS阻害は、更にホルマ
リン誘導の後足を舐める行動及び酢酸誘導の腹部狭窄ア
ッセイの後期の活性によって証明されるように、抗侵害
許容に有効であることが示されている。Br.J.Pharmac
ol.,110,p.219〜224(1993)を参照されたい。更
に、ラットにおけるフロイントアジュバントの皮下注射
は、疼痛に対する感受性の増加として表れる、脊髄中の
NOS陽性ニューロンの増加を誘導し、これはNOS阻害剤で
治療することができる。Japanese Journal of Pharm
acology,75,p.327〜335(1997)を参照されたい。最
後にネズミにおけるオピオイド離脱が、N−NOS阻害によ
って減少されることが、報告されている。Neuropsychop
harmacol.,13,p.269〜293(1995)を参照された
い。
【0074】本発明の方法及び医薬組成物中に使用する
ことができるNOS阻害化合物の例は:1997年8月27日に出
願され、そして“2−Aminopyridines Containing Fus
edRing Substituents”の表題の米国特許仮出願60/05
7094;米国を指定し、そして仮出願60/057094からの優
先権を主張する、1998年5月5日に出願され同一の表題を
有するPCT特許出願;米国を指定し、そして1997年10月9
日に公開されたPCT特許出願公開WO97/36871;John
A.Lowe IIIの、“6−Phenylpyridin−2−yl−amine
Derivatives”の表題の、1997年8月28日に出願された米
国特許仮出願60/057739;“4−Amino−6−(2−substi
tuted−4−phenoxy)−substututed−pyridines”の表
題の、米国を指定し、そして1998年1月29日に出願され
たPCT特許出願PCT/IB98/00112;“6−phenylpyridyl
−2−amine Derivatives”の表題の、米国を指定し、
そして1997年11月17日に出願されたPCT特許出願PCT/IB
97/01446;及びJohn A.Lowe,IIIの、1998年6月3日
に出願され、そして“2−Aminopyridines Containing
Fused Ring Substituents”の表題の米国特許仮出
願の中で言及されているものである。上記の特許出願
は、本明細書中に参考文献としてその全てが援用され
る。
【0075】式IのNR2Bサブタイプ選択的NMDAアンタゴ
ニストは、容易に調製される。R2及びR5がいっしょにな
ってクロマン−4−オール環を形成し、そしてR1、R3
びR4が水素である式Iの化合物は、上記に言及した米国
特許第5,356,905号に記載されている、一つ又はそれ
以上の合成方法によって調製することができる。R2及び
R5が分離しており、そしてR1、R2、R3及びR4が水素であ
る式Iの化合物は、全て上記に言及した米国特許第5,18
5,343号、第5,272,160号及び第5,338,754号に記載
されている、一つ又はそれ以上の合成方法によって調製
することができる。式Iの化合物は、更に、全てが上記
で言及されている、米国特許出願08/292,651、08/18
9,479及び09/011,426;米国を指定した(1995年5月2
6日出願)PCT国際特許出願PCT/IB95/00398(WO96/37
222に対応);及び米国を指定した(1995年5月18日出
願)PCT特許出願PCT/IB95/00380(WO96/06081に対
応)に記載されている一つ又はそれ以上の合成方法によ
って調製することができる。
【0076】好ましい化合物、(1S,2S)−1−(4−ヒ
ドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニ
ルピペリジン−1−イル)−1−プロパノール((1S,2
S)遊離塩基)、及びその酒石酸塩は、上記で言及した
米国特許第5,272,160号に記載されているように調製
することができる。(1S,2S)遊離塩基及び対応する
(1R,2R)エナンチオマーを形成する、ラセミ1−(4−
ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェ
ニルピペリジン−1−イル)−1−プロパノールの分割
は、上記で言及し、そして以下の実施例に例示するよう
に、米国特許出願09/011,426に記載されているように
行うことができる。
【0077】(1S,2S)遊離塩基の無水メシラート(me
sylate)は、上記で言及した、米国特許第5,272,160
号に記載されているように調製することができる。(1
S,2S)遊離塩基の無水メシラートは、81%の相対湿度
の環境で平衡させた場合、(1S,2S)エナンチオマーの
メシラート塩三水塩に転換されるものである。
【0078】(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1
−イル)−1−プロパノールのメシラート塩三水塩は、
(1S,2S)遊離塩基から、上記で言及した、“(1S,2
S)−1−(4−Hydroxyphenyl)−2−(4−Hydroxy−4−
Phenylpiperidin−1−yl)−1−Propanol Methanesulf
onate Trihydrate”の表題の米国特許仮出願に記載さ
れているように調製することができる。この方法におい
て、(1S,2S)遊離塩基は、水に30℃で溶解される。こ
の溶液に、少なくとも1当量のメタンスルホン酸を加
え、そして得られた混合物を60〜65℃に温める。温めら
れた溶液を、粒状物を無くすためにろ過することができ
る。溶液を初期体積の約40%まで濃縮し、10℃より低く
冷却し、ろ過により単離し、そして約11.3%の水含有
率(カールフィッシャー滴定により測定)まで乾燥す
る。得られた結晶状メシラート塩三水塩は、再結晶化に
よって更に精製することができる。
【0079】もう一つの好ましい化合物、(3R,4S)−
3−[4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−ピ
ペリジン−1−イル]クロマン−4,7−ジオール((3
R,4S)クロマノール)は、全てが上記で言及されてい
る、米国特許第5,356,905号、米国特許出願08/189,
479、及び“Process for The Resolution of Cis
−Rasemic 7−Benzyloxy−3−[4−(4−Fluoropheny
l)−4−Hydroxy−Piperidin−1−yl]−Chroman−4−o
l Dibenzoyl−D−Tartrate”の表題の米国特許仮出願
に記載されているように調製することができる。(3R,
4S)クロマノールの合成のために必要な出発物質及び試
薬は、商業的に、文献に開示されている合成方法によっ
て、又は以下に与えれれる記載中で例示される合成方法
によるかのいずれかによって容易に入手可能である。
【0080】(3R,4S)クロマノールは、上記で言及し
た米国特許出願08/189,479に記載されているように、
ラセミcis−7−ベンジルオキシ−3−[4−(4−フルオ
ロフェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]
クロマン−4−オールのL−プロリンエステルの分別結晶
化によって調製することができる。好ましい方法は、上
記で言及した、“Process for The Resolution of
Cis−Rasemic 7−Benzyloxy−3−[4−(4−Fluoroph
enyl)−4−Hydroxy−Piperidin−1−yl]−Chroman−4
−ol Dibenzoyl−D−Tartrate”の表題の米国特許仮出
願に記載され、そして実施例3で例示されている分割法
である。この方法において、母体クロマノールは、ラセ
ミcis−7−ベンジルオキシ−3−[4−(4−フルオロフ
ェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]クロ
マン−4−オールを、等モル量のジベンゾイル−D−酒石
酸と、沸騰エタノール水溶液に溶解することによって調
製される。ラセミcis−7−ベンジルオキシ−3−[4−
(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン
−1−イル]クロマン−4−オールは、上記で言及した、
米国特許出願08/189,479に記載されているように調製
される。エタノール水溶液の濃度は重要ではなく、そし
て75%〜95%エタノール(ETOH)間で変更することがで
きる。9:1/ETOH:H2Oの濃度が、効果的であり、そし
て好ましいことが見出された。ラセミ混合物を溶解する
ために充分な量の水性エタノール溶媒が必要である。こ
の量は、ラセミ化合物のグラム当たり約17mlであること
が見出された。
【0081】還流下で加熱しながら撹拌して、ラセミ化
合物を溶解して、濁りを帯びた溶液を形成し、これを撹
拌しながら冷却させて、その結果(+)異性体、(3R,
4S)−7−ベンジルオキシ−3−[4−(4−フルオロフェ
ニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]クロマ
ン−4−オールジベンゾイル−D−酒石酸塩が沈殿し、そ
してろ過によって収集し、そしてエタノール水溶液で洗
浄することができる。これが、(3R,4S)クロマノール
の酒石酸塩である。(3R,4S)クロマノールの乳酸塩及
びマンデル酸塩は、類似の方法で調製される。最初の産
物は、約90%の光学純度である。より高い純度が所望さ
れる場合、産物をエタノール水溶液と再度加熱し、冷却
し、そして産物を収集し、洗浄する。2回のこのような
処理により、99.4%の光学純度の(+)異性体を、総
合収率74%で得ることが見出された。この方法は、水素
化アルミニウムリチウムによる還元工程を省き、そして
従って大量操作のために更に適していることにおいて、
上記で言及した、米国特許出願08/189,479に記載され
た方法より好ましい。この方法は、更に有意に高い収率
で所望する産物を産出する。
【0082】先に記載した(+)異性体は、標準的な方
法によって(3R,4S)−3−[4−(4−フルオロフェニ
ル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]クロマン
−4,7−ジオールに転換することができる。例えば、希
釈塩基による処理を、ピペリジニル塩基を遊離するため
に使用することができ、そしてその後水素化で7−ベン
ジル基を除去して、(3R,4S)クロマノールを得る。
【0083】一般的に、式Iの化合物の医薬として許容
されうる酸付加塩は、塩基型を適当な酸と反応させるこ
とによって容易に調製することができる。塩が一塩基酸
の塩(例えば、塩酸、臭化水素酸、p−トルエンスルホ
ン酸、酢酸)、二塩基酸の水素型(例えばリン酸二水
素、コハク酸)の塩である場合、少なくとも1モル当
量、そして通常はモル過剰の酸が使用される。しかしな
がら、硫酸塩、ヘミコハク酸塩、リン酸一水素塩、又は
リン酸塩のような塩が所望される場合、適当な、そして
厳密に化学当量の酸が一般的に使用されるものである。
遊離塩基又は酸は、通常補助溶媒に混合され、これから
所望の塩を沈殿させるか、又は別の方法として濃縮及び
/又は非溶媒の添加によって単離することができる。
【0084】先に記載したように、NR2Bサブユニットを
含むNMDA受容体に対する化合物の選択性は、Chenard及
びMenniti(Antagonists Selective for NMDA rece
ptorscontaining the NR2B Subunit,Current Phar
maceutical Design,1999,5:381〜404)によって記
載されているように、ラットの前脳のラセミ[3H]
(+)−(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)
−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)−1−
プロパノール結合部位に対する親和性として定義され
る。この親和性は、以下に記載するように放射性リガン
ド結合アッセイで評価される。選択的な化合物は、ラッ
トの前脳膜からラセミ[3H]CP−101,606の特異的結合
を、IC50≦5μMで置換するものである。
【0085】ラセミ[3H](+)−(1S,2S)−1−(4
−ヒドロキシ−フェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−
フェニルピペリジノ)−1−プロパノールのラットの前
脳膜への結合は、Menniti等(CP−101,606,a potent
Neuroprotectant selectivefor forebrain neuron
s,European Journal of Pharmacology,1997,33
1:117〜126)によって記載されているように測定され
る。成長したオスのCDラットの前脳を、0.32Mのスクロ
ース中で4℃でホモジェナイズする。粗製の核ペレット
を1,000×gで10分間の遠心分離で除去し、そして上清
を17,000×gで25分間遠心分離する。得られたペレット
を5mMトリス酢酸pH7.4に4℃で10分間再懸濁して、細胞
粒子を溶解し、そして17,000×gで再度遠心分離する。
得られたペレットを、トリス酢酸で2回洗浄し、10mgタ
ンパク質/mlで再懸濁し、そして−20℃で使用するまで
保存する。
【0086】結合アッセイのために、膜を解凍し、ホモ
ジェナイズし、そして50mMトリスHCl、pH7.4で0.5mg
タンパク質/mlに希釈する。試験される化合物を各種の
濃度で加え、続いてラセミ[3H](+)−(1S,2S)−
1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−(4−ヒドロキシ
−4−フェニルピペリジノ)−1−プロパノール(比活性
42.8Ci/mmol、5nM最終濃度)を加える。震盪水浴中の
30℃で20分間のインキュベーション後、試料を、MB−48
R Cell Harvester(Brandel Research andDevelopm
ent Laboratories,Gaithersburg MD)を使用して、W
hatman GFBガラス繊維フィルター上にろ過する。フィ
ルターを氷冷トリスHCl緩衝液で10秒間洗浄し、そして
フィルター上に捕獲された放射能を液体シンチレーショ
ン分光分析により定量する。非特異的結合は、100μMの
ラセミ[3H](+)−(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシ
−フェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペ
リジノ)−1−プロパノールを含む、並行して行ったイ
ンキュベーションで測定した。特異的結合は、全結合引
く非特異的結合として定義される。
【0087】式Iの化合物は、α1−アドレナリン受容体
より、NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体に対する選択
性を有する。NR2Bサブユニットを含むNMDA受容体に対す
る親和性は、ラットの前脳膜(上記)からラセミ[3H]
(+)−(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)
−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジノ)−1−
プロパノールの特異的結合の置換に対するIC50として測
定される。α1−アドレナリン受容体の親和性は、Green
grass及びBremner(Binding Characteristics of
3H]Prazosin to Rat Brain α−Adrenergic Re
ceptors,EuropeanJournal of Pharmacology,55,32
3〜326,(1979))によって記載されているように測定
した、ラットの脳膜からのラセミ[3H]プラゾシンの特
異的結合の置換に対するIC50として定義される。3より
大きい([3H]プラゾシン/[3H](+)−(1S,2S)
−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−(4−ヒドロキ
シ−4−フェニルピペリジノ)−1−プロパノール)の親
和性の比を持つ化合物が、選択的であると考えられる。
【0088】成長したオスのSprague Dawleyラットの
前脳を、20体積の氷冷50mMトリス/HCl緩衝液(pH7.
7)中でホモジェナイズする。ホモジェネートを50,000
×gで、10分間4℃で遠心分離する。ペレットを再懸濁
し、そして同一条件下で遠心分離し、そして最後のペレ
ットを80体積の50mMトリス/HCl(pH8.0)に4℃で再懸
濁する。
【0089】結合アッセイのために、試験される化合物
を各種の濃度で、1mlの50mMトリス/HCl緩衝液中の500
μgの膜タンパク質に加え、続いて[3H]プラゾシン(A
mersham、比活性33Ci/mmol、0.2nM最終濃度)を加え
る。震盪水浴中の25℃で30分間のインキュベーション
後、試料を、MB−48R Cell Harvester(Brandel Res
earch and Development Laboratories,Gaithersbur
g MD)を使用して、Whatman GFBガラス繊維フィルタ
ー上にろ過する。フィルターを氷冷トリスHCl緩衝液で3
回10秒間洗浄し、そしてフィルターに捕獲された放射能
を、液体シンチレーション分光分析により定量する。非
特異的結合は、100μMのプラゾシンを含む並行して行っ
たインキュベーションで測定した。特異的結合は、全結
合引く非特異的結合として定義される。
【0090】本発明の実施に有用なNR2B選択的NMDA受容
体アンタゴニストは、更に医薬として許容されうる塩の
形で使用することができる。“医薬として許容されうる
酸付加塩”の表現は、制約されるものではないが、塩酸
塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸一水素塩、リン酸塩、
リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、酢酸塩、コハク酸
塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、メ
タンスルホン酸塩(メシラート)及びp−トルエンスル
ホン酸塩(トシラート)のような塩を含むことを意図す
る。本発明の化合物の酸付加塩は、塩基型を適当な酸と
反応させることによって、容易に調製される。塩が一塩
基酸の塩(例えば、塩酸、臭化水素酸、p−トルエンス
ルホン酸、酢酸)、二塩基酸の水素型(例えばリン酸一
水素、コハク酸)又は三塩基酸の二水素型(例えば、リ
ン酸二水素、クエン酸)の塩である場合、少なくとも1
モル当量、そして通常はモル過剰の酸が使用される。し
かしながら、硫酸塩、ヘミコハク酸塩、リン酸一水素
塩、又はリン酸塩のような塩が所望される場合、適当
な、そして厳密に化学当量の酸が一般的に使用されるも
のである。遊離塩基又は酸は、通常補助溶媒に混合さ
れ、これから所望の塩を沈殿するか、又は別の方法とし
て濃縮及び/又は非溶媒の添加によって単離することが
できる。
【0091】物質の好中球阻害活性を測定するために使
用することができるアッセイは、上記で言及した、米国
特許第5,919,900号に記載されている。NMDA受容体ア
ンタゴニスト、そして特にNR2B選択的NMDA受容体アンタ
ゴニストは、更に選択的セロトニン取り込み阻害剤(SS
RI)との組み合わせで投与することができる。同一医薬
組成物の一部として又は別個の医薬組成物のいずれかと
して、NR2B選択的NMDA受容体アンタゴニストと共に、投
与することができる、選択的セロトニン取り込み阻害剤
の例は:フルオキセチン(fluoxetine)、フルボキサミ
ン(fluvoxamine)、パロキセチン(paroxetine)及び
セルトラリン(sertraline)、並びにその塩を含む。
【0092】本発明は、NMDAアンタゴニスト及び他の活
性成分を請求項に記載された組み合わせで、同一医薬組
成物の一部としていっしょに投与される治療の方法、並
びに組み合わせ療法の利益を得るために設計された適当
な投与管理の一部として、二種類の活性薬剤が別個に投
与される方法の両方に関する。適当な投与管理、即ち投
与されるそれぞれの投与の量、及び各活性薬剤の投与の
間隔は、特定のNMDAアンタゴニスト及び組み合わせで使
用される他の活性薬剤、使用される医薬製剤の種類、治
療される対象の特性及び治療される疾患の重篤度に依存
するものである。
【0093】一般的に、本発明の方法を実行する場合、
COX−2阻害剤は、COX−2阻害剤、頭痛の重篤度及び投与
経路にもよるが、平均的成人のヒトに対して1日当たり
約5〜約300mgの範囲の量で投与されるものである。NSAI
DSは、本発明の方法を実行する場合、一般的に平均的成
人のヒトに対して1日当たり約7〜約2,000mgの範囲の量
で投与されるものである。グリシン部位アンタゴニスト
を含むNMDA受容体アンタゴニストは、本発明の方法を実
行する場合、一般的に平均的成人のヒトに対して1日当
たり約25〜約1500mgの範囲の量で投与されるものであ
る。
【0094】NIFは、本発明の方法を実行する場合、一
般的に平均的成人のヒトに対して約0.1〜約140mg/kg
体重/日の範囲の量で投与されるものである。カルシウ
ムチャネルアンタゴニスト、カリウムチャネル開口剤、
ナトリウムチャネルアンタゴニスト、及び抗酸化化合物
は、本発明の方法を実行する場合、一般的に平均的成人
のヒトに、このような薬剤が、単独の活性医薬剤として
それぞれ投与される場合に使用される範囲の量で投与さ
れるものである。このような投与量は、科学的及び医学
的文献中から、そしてヒトに対する使用が食品医薬品局
によって認可されている物質に対しては、Physician’s
Desk Reference,Medical Economics Company,
N.J.の最新版(現時点で53版)から入手可能である。
【0095】ある場合には、上記の範囲の下限より低い
投与量水準で充分以上であることができるし、一方他の
場合には、なお大量の投与量を有害な副作用を惹き起こ
さず使用することができるが、但しこのような高い投与
量水準は、まず一日にわたる投与のために数個の少量の
投与量に分割することを条件とする。
【0096】本発明の方法及び医薬組成物に使用される
医薬的活性薬剤は、経口的、非経口的、又は局所的に、
単独で又は医薬として許容されうる担体若しくは希釈剤
との組み合わせで投与することができ、そしてこのよう
な投与は、一回又は多数回の投与で行うことができる。
更に特に、本発明の治療剤は、広い範囲の各種の異なっ
た投与剤形で投与することができ、即ち、これらは、各
種の医薬として許容されうる不活性担体と、錠剤、カプ
セル、ローゼンジ、トローチ、硬質キャンディー、粉
剤、スプレー剤、クリーム、ロウ膏、座薬、ゼリー、ゲ
ル、ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射用
溶液、エリキシル剤、シロップ剤、等の剤形で組み合わ
せることができる。このような担体は、固体希釈剤又は
充填剤、滅菌水性媒体及び各種の非毒性有機溶媒、等を
含む。更に、経口医薬組成物は、適当に甘味付け及び/
又は芳香付けすることができる。一般的に、本発明の治
療的に有効な化合物は、このような投与剤形中に約5.0
%〜約70重量%の範囲の濃度水準で存在する。
【0097】経口投与において、微結晶セルロース、ク
エン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウ
ム及びグリシンのような各種の賦形剤を含む錠剤は、デ
ンプン(そして好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ又
はタピオカデンプン)、アルギン酸、及びある種の複合
シリカ塩のような各種の崩壊剤と共に、ポリビニルピロ
リドン、スクロース、ゼラチン及びアカシアのような粒
状化結合剤といっしょに使用することができる。更に、
ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及
びタルクのような滑剤は、しばしば錠剤化の目的のため
に、非常に有用である。同様な種類の固体組成物は、更
にゼラチンカプセルの充填物として使用することがで
き;これに関連して好ましい物質は、更にラクトース即
ち乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールを含
む。経口投与に水性懸濁液及び/又はエリキシル剤が所
望される場合、活性成分は各種の甘味剤又は芳香剤、着
色料又は染料、そして所望する場合には、乳化剤及び/
又は懸濁剤も、水、エタノール、プロピレングリコー
ル、グリセリン及び各種の同様なこれらの組み合わせの
ような希釈剤といっしょに混合することができる。
【0098】非経口的投与においては、ゴマ油又はピー
ナッツ油或いは水性プロピレングリコールのいずれかの
中の、本発明によって使用される医薬的な活性薬剤の溶
液を使用することができる。水溶液は、必要な場合適切
に緩衝(好ましくは8より大きいpH)され、そして液体
希釈剤は、まず等張にされなければならない。これらの
水溶液は、静脈注射の目的に適している。油性溶液は、
関節内、筋肉内及び皮下注射の目的に適している。全て
のこれらの溶液の滅菌状態下の調製は、当業者に公知の
標準的な製薬技術によって容易に達成される。
【0099】更に、本発明によって使用される活性薬剤
を、局所的に投与することも可能であり、そしてこれ
は、標準的医薬的慣行によって、クリーム、ゼリー、ゲ
ル、ペースト、貼布、軟膏、等によって行うことができ
る。
【0100】一定の式IのNMDAアンタゴニストは、以下
の実施例によって例示される。全ての非水性反応は、便
宜上窒素下で行われ、そして一般的に収率が最大化され
る。全ての溶媒/希釈剤は、標準的な公開された方法に
よって乾燥したか、又は前もって乾燥した形で購入し
た。全ての反応は、磁気的又は機械的のいずれかで撹拌
した。NMRスペクトルは、300MHzで記録され、そしてppm
で報告された。NMR溶媒は、他に規定しない限り、CDCl3
であった。IRスペクトルは、cm-1で報告され、一般的に
強力な信号のみを規定した。
【0101】
【実施例】実施例1: エナンチオマー(enantiomeric)(1S,2S)−及び(1
R,2R)−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−(4−
ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−1−
プロパノール (+)−酒石酸(300mg、2mmol)を、30mLの温メタノー
ルに溶解した。ラセミ1S*,2S*−1−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジ
ン−1−イル)−1−プロパノール(655mg、2mmol)を、
全てを一度に加えた。撹拌し、そして穏やかに温めて、
無色の均質な溶液を得た。周囲温度で24時間静置して、
319mg(66%)のふわふわした沈殿物を得た。この産物
をメタノールから再結晶して、263mgの左旋性の表題化
合物の(+)−酒石酸塩を、白色の固体として得た;融
点206.5〜207.5℃;[アルファ]D=−36.2°。この
塩(115mg)を、50mLの飽和NaHCO3に加えた。酢酸エチ
ル(5mL)を加え、そして混合物を激しく30分間撹拌し
た。水相を酢酸エチルで繰り返し抽出した。有機層を混
合し、そして食塩水で洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥
し、そして濃縮した。黄褐色の残留物を酢酸エチル−ヘ
キサンから再結晶して、32mg(39%)の白色の左旋性の
表題産物を得た;融点203〜204℃;[アルファ]D=−5
8.4°。分析値、C20H25NO3に対する計算値:C,73.3
7;H,7.70;N,4.28。実測値:C,72.61;H,7.4
5;N,4.21。
【0102】上記の(+)−酒石酸塩の調製からの濾液
を、100mLの飽和NaHCO3水溶液で処理し、そして酢酸エ
チルで充分に抽出した。混合した有機抽出物を、食塩水
で洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥し、そして濃縮して、
380mgの回収出発物質を得た(一部再溶解)。この物質
を30mLのメタノール中の(−)−酒石酸(174mg)で上
記のように処理した。24時間の静置後、ろ過により320m
g(66%)の産物を得て、これをメタノールから再結晶
して、239mgの右旋性の表題産物の(−)−酒石酸塩を
得た;融点206.5〜207.5℃;[アルファ]D=+33.9
°。後者を、上記の方法で右旋性の表題化合物に49%収
率で転換した;融点204〜205℃;[アルファ]D=+5
6.9°。分析値、実測値:C,72.94;H,7.64;N,
4.24。
【0103】実施例2: (1S,2S)−1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−
ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−イル)−1−プロ
パノールメタンスルホン酸三水和物(trihydrate)
【0104】
【化15】 50ガロン(約190L)ガラス内張り反応器に、約65L(1
7.1ガロン)のアセトン、8.65キログラム(kg)(5
7.7mol)の4’−ヒドロキシプロピオフェノン、9.95k
g(72.0mol)の炭酸カリウム及び6.8リットル(l)
(57.7mol)の臭化ベンジルを入れた。混合物を還流
(56℃)で20時間加熱した。薄層クロマトグラフィー
(TLC)の分析は、反応が本質的に完結したことを示し
た。懸濁液を常圧で約38L(10ガロン)の体積に濃縮
し、そして約65L(17.1ガロン)の水を入れた。懸濁液
を25℃で1時間粒状化した。産物を30”(約76cm)ラッ
プ(Lapp)でろ過し、約17.4L(4.6ガロン)の水、続
いて約26L(6.9ガロン)のヘキサン及び約8.7L(2.3
ガロン)のイソプロパノールの混合物で洗浄した。45℃
で真空乾燥後、13.35kg(96.4%)の上記に図示した
産物を得た。
【0105】第2回目の実験を、9.8kg(65.25mol)の
4’−ヒドロキシプロピオフェノンで、上記の方法を使
用して行った。乾燥後、15.1kg(96.3%)の上記に図
示した産物を得た。
【0106】
【化16】 窒素雰囲気下で、100ガロン(約380L)のガラス内張り
反応器に、約284L(75ガロン)の塩化メチレン及び28.
2kg(117.5mol)の工程1の産物を入れた。溶液を5分間
撹拌し、そして次いで18.8kgの臭素を入れた。反応物
を0.5時間22℃で撹拌した。TLCの分析は、反応が本質
的に完結したことを示した。溶液に、約140L(37ガロ
ン)の水を入れ、そして混合物を15分間撹拌した。塩化
メチレンを分離し、そして約70L(18.5ガロン)の飽和
重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。塩化メチレンを分
離し、約150L(40ガロン)の体積まで常圧で濃縮し、そ
して約227L(60ガロン)のイソプロパノールを入れた。
80℃のポット温度まで濃縮を継続し、そして約150L(40
ガロン)の最終体積を得た。懸濁液を20℃まで冷却し、
そして18時間粒状化した。産物を30”ラップでろ過し、
そして約38L(10ガロン)のイソプロパノールで洗浄し
た。45℃で真空乾燥後、29.1kg(77.6%)の上記に図
示した産物を得た。
【0107】
【化17】 窒素雰囲気下で、約76L(20ガロン)のガラス内張り反
応器に、4.90kg(15.3mol)の工程2の産物、約26.5L
(7.0ガロン)の酢酸エチル、2.70kg(15.3mol)の4
−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン及び1.54kgのト
リエチルアミン(15.3mol)を入れた。溶液を還流(77
℃)で18時間加熱した。得られた懸濁液を20℃に冷却し
た。TLCによる分析は、反応が本質的に完結したことを
示した。副産物(トリエチルアミンの臭化水素酸塩)を
30”ラップでろ過し、そして約15L(4ガロン)の酢酸エ
チルで洗浄した。濾液を真空下で、17リットルの体積ま
で濃縮した。濃縮物を48リットルのヘキサンに入れ、そ
して得られた懸濁液を2時間20℃で粒状化した。産物を3
0”ラップでろ過し、そして約15L(4ガロン)のヘキサ
ンで洗浄した。50℃で真空乾燥後、4.9kg(77%)の上
記に図示した産物を得た。
【0108】第2回目の実験は、3.6kg(11.3mol)の
工程2の産物で、上記の方法を使用して行った。乾燥
後、4.1kg(87%)の上記に図示した産物を得た。
【0109】
【化18】 窒素雰囲気下で、100ガロンガラス内張り反応器に、約3
29L(87.0ガロン)の2Bエタノール及び1.7kg(45.2m
ol)の水素化ホウ素ナトリウムを入れた。得られた溶液
を25℃で撹拌し、そして9.4kg(22.6mol)の工程3の
産物を入れた。懸濁液を18時間25〜30℃で撹拌した。TL
Cによる分析は、所望するトレオジアステレオマーへの
反応が、本質的に完結したことを示した。懸濁液に、
7.8リットルの水を加えた。懸濁液を真空下で、約150L
(40ガロン)の体積まで濃縮した。1時間の粒状化後、
産物を30”ラップでろ過し、そして約7.6L(2ガロン)
の2Bエタノールで洗浄した。湿った産物、約36L(9.4
ガロン)の2B−エタノール及び約33L(8.7ガロン)の
水を、100ガロンガラス内張り反応器に入れた。懸濁液
を還流(78℃)で16時間撹拌した。懸濁液を25℃に冷却
し、30”ラップでろ過し、そして約26L(7ガロン)の
水、続いて約15L(4ガロン)の2Bエタノールで洗浄し
た。50℃で空気乾燥後、8.2kg(86.5%)の上記に図
示した産物を得た。この物質を、以下の方法で再結晶し
た。
【0110】100ガロンガラス内張り反応器に、7.9kg
(18.9mol)の工程3の産物、約76L(20ガロン)の2Bエ
タノール及び約15L(4ガロン)のアセトンを入れた。懸
濁液を70℃に加熱して、溶液を得た。溶液を常圧で約57
L(15ガロン)まで濃縮した。懸濁液を25℃に冷却し、
そして1時間粒状化した。産物を30”ラップでろ過し
た。湿った産物及び約44.3L(11.7ガロン)の2Bエタ
ノールを、100ガロンガラス内張り反応器に入れた。懸
濁液を還流(78℃)で18時間加熱した。懸濁液を25℃に
冷却し、30”ラップでろ過し、そして約7.6L(2ガロ
ン)の2Bエタノールで洗浄した。50℃で空気乾燥後、
5.6kg(70.6%)の上記に図示した産物を得た。
【0111】
【化19】 窒素雰囲気下で、50ガロンガラス内張り反応器に、825g
の炭素上の10%パラジウム(50%の水で浸潤)、5.5kg
(13.2mol)の工程4の産物及び約59L(15.5ガロン)
のテトラヒドロフラン(THF)を入れた。混合物を40〜5
0℃で2時間水素化した。この時点で、TLCによる分析
は、反応が本質的に完結したことを示した。反応物をCe
liteで予備コートした14”(約37cm)スパークラー(sp
arkler)を通してろ過し、そして約30L(8ガロン)のTH
Fで洗浄した。濾液を清浄な100ガロンガラス内張り反応
器に移し、約26L(7ガロン)まで真空中で濃縮し、そし
て約79L(21ガロン)の酢酸エチルを入れた。懸濁液を
約38L(10ガロン)まで、そして72℃のポット温度まで
常圧で濃縮した。懸濁液を10℃まで冷却し、30”ラップ
でろ過し、そして約7.6L(2ガロン)の酢酸エチルで洗
浄した。55℃で空気乾燥後、3.9kg(90%)の上記に図
示した産物(即ち、遊離塩基)を得た。
【0112】
【化20】 100ガロンガラス内張り反応器に、約76L(20ガロン)の
メタノール及び3.7kg(11.4mol)の工程5の産物(即
ち、遊離塩基)を入れた。懸濁液を60℃に加熱し、そし
て1.7kg(11.4mol)のD−(−)−酒石酸を入れた。
得られた溶液を還流(65℃)で3時間加熱し、その後懸
濁液が形成された。懸濁液を35℃まで冷却し、30”ラッ
プでろ過し、そして約3.8L(1ガロン)のメタノールで
洗浄した。湿った固体を、100ガロンガラス内張り反応
器に、約38L(10ガロン)のメタノールと共に入れた。
懸濁液を18時間25℃で撹拌した。懸濁液を30”ラップで
ろ過し、そして約7.6L(2ガロン)のメタノールで洗浄
した。50℃で空気乾燥後、2.7kg(101%)の上記に図
示した産物(即ち、遊離塩基(R−(+)エナンチオマ
ー)の酒石酸塩)を得た。この物質を、以下の方法で精
製した:100ガロンガラス内張り反応器に、約40L(10.
6ガロン)のメタノール及び2.67kg(5.6mol)の上記
の酒石酸塩を入れた。懸濁液を還流(80℃)で18時間加
熱した。懸濁液を30℃に冷却し、30”ラップでろ過し、
そして約15L(4ガロン)のメタノールで洗浄した。50℃
で空気乾燥後、2.05kg(76.7%)の上記に図示した産
物(即ち、遊離塩基の酒石酸塩)を得た。
【0113】
【化21】 55リットルのナルゲンタブ(nalgene tub)に、30リッ
トルの水及び1056g(12.6mol)の重炭酸ナトリウム
を、20℃で入れた。得られた溶液に、2.0kg(4.2mo
l)の工程6の産物(即ち、遊離塩基の酒石酸塩)を入れ
た。懸濁液を4時間撹拌し、この間大量の泡立ちが起こ
った。発泡が止まった後で、懸濁液を32cm漏斗でろ過
し、そして約3.8L(1ガロン)の水で洗浄した。50℃で
空気乾燥後、1.28kg(93.5%)の上記に図示した産物
(即ち、遊離塩基)を得た。
【0114】
【化22】 22リットルフラスコに1277g(3.9mol)の工程7の産物
及び14リットルの水を入れた。懸濁液を30℃に温め、そ
して375g(3.9mol)のメタンスルホン酸を入れた。得
られた溶液を60℃に温め、珪藻土(CeliteTM)を通して
ろ過することによって清澄化し、そして2リットルの水
で洗浄した。粒子を含まない溶液を6リットルの体積ま
で真空中で濃縮した。懸濁液を0〜5℃に冷却し、そして
1時間粒状化した。産物を18”(約47cm)フィルター漏
斗でろ過し、そして635mlの粒子を含まない水で洗浄し
た。25℃で18時間空気乾燥後、1647g(88%)の上記に
図示した産物(即ち、メシラート塩三水塩)を得た。
【0115】実施例3: (1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)−2−(4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキ
シピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール−メシ
ラート 3−メチル−4−トリイソプロピルシリルオキシ−α−ブ
ロモプロピオフェノン(9.17g、22.97mmol)、4−(4
−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン(6.
73g、34.45mmol)及びトリエチルアミン(8.0mL、5
7.43mmol)の、エタノール(180mL)中の混合物を、6
時間還流した。溶媒を減圧で除去し、そして残留物を酢
酸エチル及び水間に分配した。各相を分離し、そして有
機層を食塩水で洗浄し、硫酸カルシウムで乾燥し、そし
て濃縮した。残留物をシリカゲルのフラッシュクロマト
グラフィー(3×約9cm(3.5インチ)ヘキサン中で充
填)にかけて、溶出を次のように進めた:10%酢酸エチ
ル/ヘキサン(1000mL)、溶出せず;20%酢酸エチル/
ヘキサン(700mL)、溶出せず;20%酢酸エチル/ヘキ
サン(1300mL)及び25%酢酸エチル/ヘキサン(600m
L)、7.66g(65%)の1−(3−メチル−4−トリイソプ
ロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオ
ロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プ
ロパン−1−オンを、黄色の泡状物として得て、これは
更に精製せずに使用に適していた。酢酸エチル/ヘキサ
ンから再結晶した白色の結晶の試料は、78〜82℃の融点
を有していた。
【0116】水素化ホウ素ナトリウム(0.564g、14.9
2mmol)及びエタノール(60mL)の混合物を、10分間撹
拌し、そして次いで1−(3−メチル−4−トリイソプロ
ピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオロ
フェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)プロ
パン−1−オン(10mLのエタノール中の7.66g、14.92m
mol)を、30mLのエタノールで2回洗浄して加えた。反応
混合物を周囲温度で一晩撹拌した。沈殿した白色の固体
をろ過によって収集し、そして乾燥して、5.72g(74
%)の(1R*,2R*)−1−(3−メチル−4−トリイソプ
ロピルシリルオキシフェニル)−2−(4−(4−フルオ
ロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−
プロパン−1−オールを得て、これは更に精製せずに使
用に適していて、そして188〜189℃の融点を有してい
た。
【0117】上記の反応の産物(5.72g、11.1mmol)
を、テトラヒドロフラン(150mL)中に溶解し、そして
フッ化テトラブチルアンモニウム(12.21mL、12.21mm
ol、1Mテトラヒドロフラン溶液)を加えた。反応物を周
囲温度で1時間撹拌し、そして次いで濃縮した。残留物
を酢酸エチル及び水間に分配し、そして二つの相を分離
した。有機層を塩化メチレンでスラリー化した。沈殿し
た白色の固体をろ過によって収集し、そして乾燥して、
3.41g、(85%)の(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシ
−3−メチルフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニ
ル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロパン
−1−オールを得た。試料(0.16g、0.447mmol)を、
対応するメシラート塩に転換した。塩をメタノール(8m
L)中でスラリー化し、そしてメタンスルホン酸(0.02
9mL、0.45mmol)を加えた。混合物をろ過し、そして濃
縮した。次いで混合物をエタノールから再結晶して、
0.152g(58%)のメシラート塩を得て、これは215〜21
6℃の融点を有していた。分析値、C21H25FNO3・CH4SO3
に対する計算値:C,58.01;H,6.64;N,3.07。実
測値:C,57.99;H,6.72;N,3.17。
【0118】実施例4: 1R,2R 1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)
−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジン−1−
イル)−プロパン−1−オール及び1S,2S 1−(4−ヒ
ドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキ
シ−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−
1−オール 2−ブロモ−1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジ
オキソール−5−イル)プロパン−1−オン(2.00g、
4.89mmol)、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン
(0.9g、5.08mmol)及びトリエチルアミン(1.40m
L、10.04mmol)の、エタノール(50mL)中の混合物
を、一晩還流した。溶媒を減圧で除去し、そして残留物
をエーテル及び水間に分配した。各相を分離し、そして
有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、
そして濃縮した。残留物をシリカゲルのクロマトグラフ
ィー(2×約12.7cm(5インチ)ヘキサン中で充填)に
かけ、溶出を次のように進めた:20%酢酸エチル/ヘキ
サン(500mL)、計量されなかった先駆物;50%酢酸エ
チル/ヘキサン(500mL)、1.76g、(71%)の1−
(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソール−5
−イル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジ
ン−1−イル)−プロパン−1−オンを、明るい黄褐色の
泡状物として得て、これは更に精製せずに使用に適して
いた。
【0119】
【数1】 水素化ホウ素ナトリウム(0.15g、3.97mmol)及びエ
タノール(5mL)の混合物を、10分間撹拌し、そして次
いで1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,3)ジオキソ
ール−5−イル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニルピ
ペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(20mLエタノ
ール中の1.70g、3.36mmol)を加えた。反応物を周囲
温度で週末の間撹拌した。白色の沈殿物を収集し、エタ
ノール及びエーテルで洗浄し、そして空気乾燥して、
1.35gの粗製産物を得た。産物をエタノール/酢酸エチ
ル/塩化メチレンから再結晶して、1.05g、(61%)の
(1R*,2R*)−1−(2,2−ジフェニル−ベンゾ(1,
3)ジオキソール−5−イル)−2−(4−ヒドロキシ−4
−フェニルピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オー
ルを得て、これは224〜224.5℃の融点を有していた。
分析値、C33H33NO4に対する計算値:C,78.08;H,6.
55;N,2.76。実測値:C,78.16;H,6.46;N,2.7
2。
【0120】上記反応の産物(1.00g、1.97mmol)及
び炭素上の10%パラジウム(0.175g)の、メタノール
(50mL)及び酢酸(1.0mL)中の混合物を、約3.5kg/
cm2(50psi)(初期圧力)で5時間周囲温度で水素化し
た。追加の触媒(0.18g)を加え、そして水素化を一晩
継続した。反応物を珪藻土を通してろ過し、そしてフィ
ルターパッドをメタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、
そして残留物を酢酸エチル及び飽和重炭酸ナトリウム水
溶液間に分配し、そして激しく撹拌した。各相を分離
し、そして水層を酢酸エチルで抽出(2×)した。混合
した有機層を水及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルのフラ
ッシュクロマトグラフィー(1×約10cm(4インチ))に
かけて、溶出を次のように進めた:20%酢酸エチル/ヘ
キサン(500mL)、溶出せず;10%メタノール/酢酸エ
チル(250mL)、20%メタノール/酢酸エチル(250mL)
そして50%メタノール/酢酸エチル、0.51g、(75%)
の明るい黄緑色の固体を得た。固体をエタノールから再
結晶して、(1R*,2R*)−1−(3,4−ジヒドロキシフ
ェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリ
ジン−1−イル)−プロパン−1−オールを白色の固体と
して得て、これは167〜168℃の融点を有していた。分析
値、C20H25NO4・0.5C2H6Oに対する計算値:C,68.8
3;H,7.70;N,3.82。実測値:C,68.78;H,8.0
5;N,3.70。
【0121】ラセミ産物を、エタノールに溶解し、そし
て以下のクロマトグラフィーの条件を使用したHPLCによ
って、エナンチオマーに分離した:カラム、Chiralcel
OD;移動相、25%エタノール/75%へキサン;温度、
周囲温度(約22℃);検出、215nMのUV。これらの条件
下で、1R,2R 1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェ
ニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル−ピペリジ
ン−1−イル)−プロパン−1−オールは、約9.12分の
滞留時間で溶出し、そして1S,2S 1−(4−ヒドロキシ
−3−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フ
ェニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オール
は、約16.26分の滞留時間で溶出した。
【0122】実施例5: (3R*,4S*)−3−(4−(4−フルオロフェニル)−4−
ヒドロキシピペリジン−1−イル)−クロマン−4,7−
ジオール 7−ベンジルオキシ−3,3−ジブロモクロマノン(54.7
g、133mmol)、4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒド
ロキシピペリジン(52.0g、266mmol)、及びトリエチ
ルアミン(38mL、270mmol)の、アセトニトリル(2.5
L)中の混合物を、周囲温度で16時間撹拌した。黄色の
沈殿物が形成し、そしてこれを収集し、水及びエーテル
で充分に洗浄し、そして空気乾燥した。7−ベンジルオ
キシ−3[4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ
−ピペリジン−1−イル]クロメノンの収量は、55,4g
(93%)であり、これは更に精製せずに使用に適してい
た。エタノール/テトラヒドロフランから再結晶した試
料は、220〜221℃の融点を有していた。
【0123】
【数2】 分析値、C27H24FNO4の計算値:C,72.80;H,5.43;
N,3.13。実測値:C,72.83;H,5.82;N,2.82。
【0124】7−ベンジルオキシ−3−[4−(4−フルオ
ロフェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]
−クロメノン(8.24g、18.5mmol)のエタノール(400
mL)及びテトラヒドロフラン(600mL)中のスラリー
に、水素化ホウ素ナトリウム(7.0g、185mmol)を加え
た。混合物を一晩撹拌した。追加の水素化ホウ素ナトリ
ウム(7.0g)を加え、そして反応混合物を3日間撹拌し
た。水を加え、そして溶媒を減圧下の45℃で除去した。
形成された固体を収集し、そして水及びエーテルで充分
洗浄した。固体を更に真空中で一晩乾燥して、5.01g、
60%の3R* 4S*7−ベンジルオキシ−3−[4−(4−フル
オロフェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イ
ル]−クロマン−4−オールを得て、これは更に精製せ
ずに使用に適していた。酢酸エチル/クロロホルムから
再結晶された試料は、194〜195℃の融点を有していた。
【0125】
【数3】 分析値、C27H28FNO4に対する計算値:C,72.14;H,
6.28;N,3.12。実測値:C,72.15;H,6.21;N,
3.12。
【0126】3R* 4S* 7−ベンジルオキシ−3−[4−
(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン
−1−イル]−クロマン−4−オール(0.80g、1.78mmo
l)、炭素上の10%パラジウム(0.16g)、メタノール
(40mL)、及び酢酸(0.8mL)の混合物を、出発圧力約
3.41kg/cm2(48.5psi)で、8時間水素化した。反応
物をセライトを通してろ過し、そして濾液を濃縮した。
残留物をエーテル及び飽和重炭酸ナトリウムと1時間激
しく撹拌した。固体を水及びエーテルで洗浄し、そして
真空中で乾燥した。エタノールから再結晶して、0.35g
(54%)の3R*4S* 3−[4−(4−フルオロフェニル)
−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]−クロマン−
4,7−ジオールを、白色の固体として得て、これは159
〜160℃の融点を有していた。
【0127】
【数4】 分析値、C20H22FNO4・0.25H2Oに対する計算値:C,6
6.01;H,6.23;N,3.85。実測値:C,66.22;H,
6.58;N,3.46。
【0128】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バートランド・レオ・チェナード アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント (72)発明者 フランク・サミュエル・メンニティ アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント (72)発明者 マリオ・デーヴィッド・サルタレリ アメリカ合衆国コネチカット州06340,グ ロトン,イースタン・ポイント・ロード, ファイザー・グローバル・リサーチ・アン ド・ディベロプメント Fターム(参考) 4C084 AA20 AA27 MA02 ZA361 ZB211 4C086 AA01 AA02 BA08 BC21 GA02 GA07 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZA36 ZB21

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物の外傷性脳損傷又は低酸素性若
    しくは虚血性脳卒中を治療する方法であって、前記哺乳
    動物に: (a)好中球阻害因子(NIF)又はその医薬として許容さ
    れうる塩;及び(b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体
    アンタゴニスト化合物又はその医薬として許容されうる
    塩;を投与することを含み、このとき上記活性薬剤
    “a”及び“b”が、二の薬剤の組み合わせが低酸素性又
    は虚血性脳卒中の治療において有効となる量で存在す
    る、前記方法。
  2. 【請求項2】 哺乳動物の外傷性脳損傷又は低酸素性若
    しくは虚血性脳卒中を治療するための医薬組成物であっ
    て: (a)好中球阻害因子(NIF)又はその医薬として許容さ
    れうる塩; (b)NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体アンタゴニスト
    化合物又はその医薬として許容されうる塩;及び(c)
    医薬として許容されうる担体;を含み、このとき前記活
    性薬剤“a”及び“b”が、二の薬剤の組み合わせが該疾
    患の治療において有効となる量で該組成物中に存在す
    る、前記組成物。
  3. 【請求項3】 前記NMDA受容体アンタゴニストが、下式
    のNR2B選択的NMDA受容体アンタゴニスト又はその医薬と
    して許容されうる酸付加塩である、請求項1に記載の方
    法: 【化1】 [式中: (a)R2及びR5は、分離しており、そしてR1、R2、R3
    びR4は、それぞれ独立に水素、(C1〜C6)アルキル、ハ
    ロ、CF3、OH又はOR7であり、そしてR5は、メチル又はエ
    チルであるか;又は(b)R2及びR5は、いっしょにな
    り、そして下式であり、 【化2】 クロマン−4−オール環を形成し、そしてR1、R3及びR4
    は、それぞれ独立に水素、(C1〜C6)アルキル、ハロ、
    CF3、OH又はOR7であり;R6は、 【化3】 であり;R7は、メチル、エチル、イソプロピル又はn−
    プロピルであり;R8は、(C1〜C6)アルキル、ハロ、CF
    3からなる群から独立に選択される3個までの置換基で所
    望により置換されているフェニルであり;Xは、O、S又
    は(CH2nであり;そしてnは、0、1、2、又は3であ
    る。]。
  4. 【請求項4】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体ア
    ンタゴニストが、(+)−(1S,2S)−1−(4−ヒドロ
    キシ−フェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニル
    ピペリジノ)−1−プロパノール又はその医薬として許
    容されうる酸付加塩である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体ア
    ンタゴニストが、(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシ−3
    −メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェ
    ニルピペリジノ)−1−プロパノール又はその医薬とし
    て許容されうる酸付加塩である、請求項1に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体ア
    ンタゴニストが、(3R,4S)−3−(4−(4−フルオロ
    フェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−ク
    ロマン−4,7−ジオール又はその医薬として許容されう
    る酸付加塩である、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体ア
    ンタゴニストが、(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシ−
    3−メチルフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニ
    ル)−4−フェニルピペリジン−1−イル)−1−プロパ
    ン−1−オール−メシラートである、請求項1に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体ア
    ンタゴニストが、少なくとも約3:1であるNR2B受容体活
    性とα1−アドレナリン受容体活性との比を有する、請
    求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記NMDA受容体アンタゴニストが、少な
    くとも約5:1であるNR2B受容体活性とα1−アドレナリ
    ン受容体活性との比を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記NMDA受容体アンタゴニストが、下
    式のNR2B選択的NMDA受容体アンタゴニスト又はその医薬
    として許容されうる酸付加塩である、請求項2に記載の
    医薬組成物: 【化4】 [式中: (a)R2及びR5は、分離しており、そしてR1、R2、R3
    びR4は、それぞれ独立に水素、(C1〜C6)アルキル、ハ
    ロ、CF3、OH又はOR7であり、そしてR5は、メチル又はエ
    チルであるか;又は(b)R2及びR5は、いっしょにな
    り、そして下式であり、 【化5】 クロマン−4−オール環を形成し、そしてR1、R3及びR4
    は、それぞれ独立に水素、(C1〜C6)アルキル、ハロ、
    CF3、OH又はOR7であり;R6は、 【化6】 であり;R7は、メチル、エチル、イソプロピル又はn−
    プロピルであり;R8は、(C1〜C6)アルキル、ハロ、CF
    3からなる群から独立に選択される3個までの置換基で所
    望により置換されているフェニルであり;Xは、O、S又
    は(CH2nであり;そしてnは、0、1、2、又は3であ
    る。]。
  11. 【請求項11】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体
    アンタゴニストが、(+)−(1S,2S)−1−(4−ヒド
    ロキシ−フェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェニ
    ルピペリジノ)−1−プロパノール又はその医薬として
    許容されうる酸付加塩である、請求項2に記載の医薬組
    成物。
  12. 【請求項12】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体
    アンタゴニストが、(1S,2S)−1−(4−ヒドロキシ−
    3−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシ−4−フェ
    ニルピペリジノ)−1−プロパノール又はその医薬とし
    て許容されうる酸付加塩である、請求項2に記載の医薬
    組成物。
  13. 【請求項13】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体
    アンタゴニストが、(3R,4S)−3−(4−(4−フルオ
    ロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−
    クロマン−4,7−ジオール又はその医薬として許容され
    うる酸付加塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体
    アンタゴニストが、(1R*,2R*)−1−(4−ヒドロキシ
    −3−メチルフェニル)−2−(4−(4−フルオロフェニ
    ル)−4−フェニルピペリジン−1−イル)−1−プロパ
    ン−1−オール−メシラートである、請求項2に記載の医
    薬組成物。
  15. 【請求項15】 前記NR2Bサブタイプ選択的NMDA受容体
    アンタゴニストが、少なくとも約3:1であるNR2B受容体
    活性とα1−アドレナリン受容体活性との比を有する、
    請求項2に記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】 前記NMDA受容体アンタゴニストが、少
    なくとも約5:1であるNR2B受容体活性とα1−アドレナ
    リン受容体活性との比を有する、請求項2に記載の医薬
    組成物。
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