JP2002321038A - 抜取模型及び消失模型を用いて造型された鋳型により鋳造された鋳造物及びその鋳造方法 - Google Patents

抜取模型及び消失模型を用いて造型された鋳型により鋳造された鋳造物及びその鋳造方法

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JP2002321038A JP2001128090A JP2001128090A JP2002321038A JP 2002321038 A JP2002321038 A JP 2002321038A JP 2001128090 A JP2001128090 A JP 2001128090A JP 2001128090 A JP2001128090 A JP 2001128090A JP 2002321038 A JP2002321038 A JP 2002321038A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造物の仕様が確定した部位については抜取
模型で鋳込み空間を形成し、仕様変更がある未確定部位
については消失模型を用いて鋳型を造型することにより
仕様変更に迅速かつ低コストで対応可能にすることであ
る。 【解決手段】 鋳造物の仕様が確定した確定部位につい
ては、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、確定部位
と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位について
は、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部が連
接部位で鋳込み空間に現出するように配置して型込めし
た鋳型に鋳込んで鋳造物を鋳造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木型等の抜取模型
及び消失模型を用いて造型された鋳型により鋳造された
鋳造物及びその鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マシニングセンタ、NC専用機など工作
機械のベッド、ワークテーブル等の鋳造物は、一般的
に、形状が確定した汎用品については木型で鋳型を造型
して鋳造し、形状変更がある専用品については発泡樹脂
製の消失模型で鋳型を造型して鋳造していた。また、N
C専用機のベッド等の鋳造物は、下方ベース部位の寸法
が標準仕様として数種類用意され、標準仕様の中からユ
ーザが選択した下方ベース部位にユーザの要求に応じて
変更された上方部位を付設したベッドを設計し、このベ
ッド用の木型で造型した鋳型に鋳込んで鋳造していた。
【0003】上記ベッドの上方部位の外周側面には切
粉、クーラント、潤滑油等を回収するためのオイルパン
が樋状に外方に突設されている。このオイルパンは、木
型で造型された鋳型の鋳込み空間に内周部分が突出する
ようにオイルパンを鋳型内に設置し、内周部分を鋳ぐる
みしてベッドの上方部位の外周側面に取り付けていた。
【0004】さらに、テーブルが摺動自在に載置される
ベッド上面は、硬化して磨耗しないようにする必要があ
るため、高周波焼入れ等を行って硬度を高くしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】工作機械のベッド等の
大きな鋳造物を一個毎に消失模型で鋳型を造型して鋳造
することは、コスト高となる。また、ユーザの要求によ
り変更される可能性がある部位を有するベッドの模型を
木型で製作することは、コスト面、木型の保管面からも
不可能であった。また、ベッドの下方部位の形状は確定
したが、上方部位は複数の形状で実際にベッドを製作し
て最適な形状を決定することがある。このような場合
も、上方部位のみ形状が異なる複数種類のベッド用の鋳
型を木型又は消失模型だけで造型することはコスト高と
なる。
【0006】木型で造型された鋳型の鋳込み空間に突出
されたオイルパン内周部分を鋳ぐるみして、オイルパン
をベッドの上方部位外周側面に取り付けることは、オイ
ルパンは鋳造物と異金属の鋼板で成形され、内周部分が
鋳込み空間に突出されて酸化され易いので、部分的に溶
着不良、剥離が生じてクーラント漏れ、油漏れを起す原
因となっていた。密着性をよくするために、オイルパン
内周部分にニッケル等のなじみ性のよい金属をメッキす
ることはコスト高となる。オイルパンを複数部分に分割
し、ベッド上方部位の外周側面にボルト締めし、接合部
分をパテで埋めてクーラント漏れ、油漏れを防止するこ
とは、作業が複雑になり、コスト高となる不具合があっ
た。また、テーブルが載置される部分を高周波焼入れす
ることは、時間と費用を要する問題があった。
【0007】本発明はかかる従来の問題点を解決するた
めになされたもので、鋳造物の仕様が確定した部位につ
いては抜取模型で鋳込み空間を形成し、仕様変更がある
未確定部位については、消失模型で鋳型を造型すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、鋳造物の
仕様が確定した確定部位については、抜取模型を用いて
鋳込み空間を形成し、前記確定部位と連接部位で連接し
仕様変更がある未確定部位については、該未確定部位に
対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で前記鋳
込み空間に現出するように配置して型込めした鋳型に鋳
込んで鋳造された鋳造物であることである。
【0009】請求項2に係る発明の構成上の特徴は、鋳
造物の仕様が確定した確定部位については、抜取模型を
用いて鋳込み空間を形成し、前記確定部位と連接部位で
連接し仕様変更がある未確定部位については、該未確定
部位に対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で
前記鋳込み空間に現出するように配置し型込めして鋳型
を造型し、該鋳型に鋳込んで前記鋳造物を鋳造すること
である。
【0010】請求項3に係る発明の構成上の特徴は、工
作機械を構成する鋳造物の汎用部位については、抜取模
型を用いて鋳込み空間を形成し、前記汎用部位と連接部
位で連接し仕様変更がある専用部位については、該専用
部位に対応する形状の消失模型を端部が前記連接部位で
前記鋳込み空間に現出するように配置し型込めして鋳型
を造型し、該鋳型に鋳込んで前記鋳造物を鋳造すること
である。
【0011】請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請
求項2又は請求項3に記載の抜取模型及び消失模型を用
いた鋳造方法において、前記消失模型に前記鋳造物と異
なる異種金属材料で形成された形成部材の一部を挿入
し、該形成部材の一部を鋳ぐるみすることである。
【0012】請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請
求項2乃至請求項4のいずれかに記載の抜取模型及び消
失模型を用いた鋳造方法において、前記鋳造物の硬化し
たい所望表面部分に対応する消失模型の表面部分にチル
化剤を塗布して前記所望表面部分が硬化したねずみ鋳鉄
の鋳造物を鋳造することである。
【0013】請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請
求項2乃至請求項4のいずれかに記載の抜取模型及び消
失模型を用いた鋳造方法において、前記鋳造物の機械的
性質を変えたい所望表面部分に対応する消失模型の表面
部分に前記鋳造物の金属材料と機械的性質が異なる異種
材料の粉末を付着させ、前記所望表面部分に前記異種材
料の粉末を分散させて前記鋳造物を鋳造することであ
る。
【0014】
【発明の作用・効果】上記のように構成した請求項1に
係る発明においては、鋳造物の仕様が確定した確定部位
については、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、確
定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位に
ついては、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端
部が連接部位で鋳込み空間に現出するように配置して型
込めした鋳型に鋳込んで鋳造した鋳造物であるので、確
定部位に関しては木型等の抜取模型で多数の鋳型を造型
して一個当りのコストを低くし、未確定部位に関して
は、消失模型の使用により、ユーザの要求、または設計
変更等による仕様変更に迅速に対応することができる。
【0015】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、鋳造物の仕様が確定した確定部位について
は、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、確定部位と
連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位について
は、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部が連
接部位で鋳込み空間に現出するように配置し、型込めし
て鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで鋳造物を鋳造するよ
うにしたので、確定部位に関しては木型等の抜取模型で
多数の鋳型を造型して一個当りのコストを低減し、未確
定部位に関しては消失模型の使用によりユーザの要求ま
たは設計変更等による仕様変更に迅速に対応し、多種類
の鋳造物を短時間、低コストで鋳造することができる。
また、木型等の抜取模型の種類を最小限にして模型保管
のための管理費を削減することができる。
【0016】上記のように構成した請求項3に係る発明
においては、工作機械を構成する鋳造物の汎用部位につ
いては、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、汎用部
位と連接部位で連接し形状変更がある専用部位について
は、該専用部位に対応する形状の消失模型を端部が連接
部位で鋳込み空間に現出するように配置し、型込めして
鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで鋳造物を鋳造するよう
にしたので、工作機械の標準寸法になっている汎用部位
に関しては、木型等の抜取模型で多数の鋳型を造型して
一個当りのコストを低くし、専用部位に関しては消失模
型の使用により、ユーザの要求または設計変更等による
仕様変更に容易且つ迅速に対応可能となり、多種類の工
作物の鋳造物を短時間、低コストで鋳造することができ
る。また、木型等の抜取模型の種類を最小限にして模型
保管のための管理費を削減することができる。
【0017】上記のように構成した請求項4に係る発明
においては、消失模型に鋳造物と異なる異種金属材料で
形成された形成部材の一部を挿入して消失鋳型を造型
し、該形成部材の一部を鋳ぐるみするようにしたので、
請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加え、ユー
ザの要求または設計変更等により異種金属材料の形成部
材の取付け位置が変更されても容易に対応することだで
きる。また、形成部材の一部は消失模型に挿入されて空
気との接触が遮断され、酸化が防止されるので、形成部
材の一部は溶着不良、剥離を生じることなく鋳造物に鋳
ぐるみされる。
【0018】上記のように構成した請求項5に係る発明
においては、ねずみ鋳鉄の鋳造物の硬化したい所望表面
部分に対応する消失模型の表面部分にチル化剤を塗布し
て該所望表面部分を硬化するようにしたので、請求項2
又は請求項3に記載の発明の効果に加え、ユーザの要求
または設計変更等により鋳造物の硬化したい表面部分の
位置が変更されても容易に対応することができる。
【0019】上記のように構成した請求項6に係る発明
においては、鋳造物の機械的性質を変えたい所望表面部
分に対応する消失模型の表面部分に、鋳造物の金属材料
と機械的性質が異なる異種材料の粉末を付着させ、該所
望表面部分に異種材料の粉末を分散させて該表面部分の
機械的性質を変えるようにしたので、請求項2又は請求
項3に記載の発明の効果に加え、ユーザの要求または設
計変更等により鋳造物の機械的性質を変えたい表面部分
の位置が変更されても容易に対応することだできる。
【0020】
【実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を図面に基
づいて説明する。図1において、11はNC専用機のベ
ッドで、下方部位であるベース部12上に上方部位であ
るテーブルガイド部13が連接部位14で連接した一体
の鋳造物15である。ベッド11は、ベース部12の寸
法が標準仕様として数種類用意され、この標準仕様の中
からユーザが選択した仕様のベース部12に、用途に合
わせた寸法形状のテーブルガイド部13が所望配置位置
に設けられた仕様となっている。即ち、ベース部12は
ベッド11の形状が確定した確定部位、換言すれば汎用
部位であり、テーブルガイド部13は確定部位と連接部
位14で連接し、ユーザの要求または設計変更等で形状
及び配置位置等の仕様が変更される未確定部位、換言す
れば専用部位である。
【0021】仕様が確定したベース部12については、
木型等の抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、仕様が
未確定なテーブルガイド部13については、テーブルガ
イド部13に対応する形状の消失模型をその端部が連接
部位14で鋳込み空間に現出するように配置して型込め
した鋳型に鋳込んで、ベッド11は鋳造されている。1
6は切粉、クーラント、潤滑油等を回収するための樋状
のオイルパンで、内周面がテーブルガイド部13の外周
側面に鋳ぐるみされて外方に突設されている。
【0022】NC汎用機、マシニングセンタ等の汎用工
作機械においても新機種を開発する場合、ベッド、パレ
ットチェンジャ、テーブル等の鋳造物の構成部品につい
ては、一部位の形状は設計段階で確定するが、他部位は
複数の形状、配置位置で実際に鋳造物を試作してテスト
しないと最適な形状、配置位置等の仕様を決定すること
ができないことがある。係る鋳造物に本発明を適用した
第2実施形態について説明する。図2において、21は
NC汎用機のテーブルで、一部位であるスライド部22
上に他部位である回転テーブル支承部23が連接部位2
4で連接した一体の鋳造物25である。スライド部21
は過去の実績から類似するテーブルのスライド部と同一
形状寸法に設計段階で確定することができる。一対の回
転テーブル支承部23が形状、ピッチを変えてスライド
部21上に一体に設けられた種々のテーブル21が設
計、試作され、最適な仕様が決定される。この場合は、
スライド部22はテーブル21の仕様が確定した確定部
位であり、一対の回転テーブル支承部23は確定部位と
連接部位24で連接し、設計変更等で仕様変更される未
確定部位である。
【0023】仕様が確定したスライド部22について
は、木型等の抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、仕
様が未確定な回転テーブル支承部23については、回転
テーブル支承部23に対応する形状の消失模型をその端
部が連接部位24で鋳込み空間に現出するように配置し
て型込めした鋳型に鋳込みしてテーブル21は鋳造され
ている。26は切粉、クーラント、潤滑油等を回収する
ための樋状のオイルパンで、内周面が回転テーブル支承
部23の外周側面に鋳ぐるみされて外方に突設されてい
る。
【0024】各回転テーブル支承部23の中心孔27に
は鋼管28が鋳ぐるみされ、鋳造後に内周面が焼入れさ
れている。回転テーブル支承部23の上面には回転テー
ブル20がクロスローラベアリングにより回転可能に支
承され、回転テーブル20を割出し位置に固定するクラ
ンプ装置の係合部が鋼管28の内周面に係脱するように
なっている。
【0025】なお、本発明は、仕様が確定した確定部位
と、この確定部位と連接部位で連接し仕様変更がある未
確定部位を有する鋳造物であれは、工作機械の構成部品
に限らず、一般機械の構成部品或いは単体で完成品であ
る鋳造物に適用することができる。
【0026】次に、図3、5及び6に基づいて本発明に
係る抜取模型及び消失模型を用いて造型された鋳型によ
る鋳造方法により、第1実施形態の鋳造物15であるベ
ッド11を鋳造する場合について説明する。ベッド11
の形状が確定した確定部位であるベース部12につい
て、ベース部12用の木型等の抜取模型を下型用鋳枠2
9に配置して型込めした後、模型を離型して鋳込み空間
32を形成した下型33を造型する(工程51)。ベー
ス部12と連接部位14で連接し、形状変更がある未確
定部位であるテーブルガイド部13については、テーブ
ルガイド部13に対応する形状の消失模型34を発砲樹
脂等で製作し、この消失模型34を上型用鋳枠30の所
定位置に配置して型込めし、上型35を造型する(工程
52)。樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチルメタ
クリレート等を使用する。消失模型34には、ベッド1
2と異なる異種金属材料の鋼板で形成された形成部材と
してのオイルパン16の内周部が挿入されている。
【0027】図4に示すように、下型33と上型35と
が型合せされて鋳型36が作成される(工程53)。下
型33と上型35とが型合せされたとき、消失模型34
の端部が連接部位14に対応する位置で鋳込み空間32
に現出するように消失模型34は配置されている。溶融
した鋳鉄である溶湯が鋳型36に設けた湯口37及び湯
道38を介して鋳込まれると、溶湯が鋳込み空間32に
充填されてベース部12を形成し、樹脂製の消失模型3
4は燃えて消失し、その空間に溶湯が入れ替わり流入し
てテーブルガイド部13を形成する(工程54)。溶湯
が消失模型34と入れ替わる途中において、オイルパン
16の消失模型34に挿入された内周部が溶湯に鋳ぐる
みされ、オイルパン16はテーブルガイド部13の外周
側面に外方に突出してに一体的に取り付けられる。オイ
ルパン16の内周部は消失模型34に挿入されて空気と
の接触を遮断され、酸化することなく鋳ぐるみされるの
で、テーブルガイド13とオイルパン内周部との間で溶
着不良、剥離を生じることがない。鋳型ばらししてベッ
ド12の鋳造物15を鋳型36から取り出し(工程5
5)、必要箇所を機械加工して(工程56)、ベッド1
2を作成する。
【0028】テーブルガイド部13の上面部分19をチ
ル化して硬化したい場合、鋳鉄としてねずみ鋳鉄を使用
し、テーブルガイド部13の硬化したい上面部分19に
対応する消失模型34の表面部分39にチル化剤を塗布
して上面部分を硬化する。このために先ず、図5に示す
ように、テルル(Te)を主要成分とするチル化剤の溶
液を作成する(工程61)。チル化剤としては、例えば
市販されているテルリット150(商品名)を使用す
る。溶液はテルリット150を水で、テルリット150
対水の重量比を流動性及び濃度の点で、4:1〜1:
1、好ましくは、3:1で希釈して作成する。なお、テ
ルリット150の成分は、重量%で、シルカ骨材:40
〜50%、金属テルル:14〜16%、有機粘結剤:2
%以下、無機粘結剤:3%以下、添加剤:微量、水分:
残部となっている。テーブルガイド部13の硬化したい
上面部分に対応する消失模型34の表面部分39にチル
化剤を塗布する(工程62)。このためチル化剤の溶液
を消失模型34の該当表面部分39に刷毛で塗布し、乾
燥させる。チル化剤の溶液の塗布、乾燥を3回程度繰り
返すことにより該当表面部分39に十分な量のチル化剤
を塗布することができる。
【0029】該当表面部分39にチル化剤を塗布した消
失模型34の全表面に、塗型剤を塗布し(工程63)、
塗型剤が塗布された消失模型34を上型用鋳枠30に入
れて型込めして上型35を造型する。この上型35と下
型33とを型合わせした鋳型36に溶融したねずみ鋳鉄
を鋳込むと、消失模型34の該当表面部分39に塗布さ
れていたチル化剤が流入したねずみ鋳鉄の溶湯に接触
し、テーブルガイド部13の上面部分39がチル化して
硬化する。
【0030】鋳造物15の所望表面部分の耐摩耗性を高
くするなど機械的性質を変えるために、所望表面部分に
鋳造物15の金属材料と異なる異種材料の粉末を分散さ
せる方法について、テーブルガイド部13の所望表面部
分である上面部分19の耐摩耗性を高くする場合につい
て説明する。図6に示すように、溶湯の金属材料と機械
的性質が異なる複数の異種材料からなるゲル状異種材料
を作成する(工程65)。例えば耐摩耗性を高くする異
種材料としては、高硬度材料としてタングステン
(W)、炭化タングステン(WC)等のタングステン化
合物、窒化チタン(TiN)、炭化珪素(SiC)、酸
化アルミニウム(Al2O2)等がある。高硬度材料の
硬度を調整するために用いる硬度調整材料としては、コ
バルト(Co)、鋳鉄ステンレス等の鉄系化合物、ニッ
ケル(Ni)、銅(Cu)等がある。高硬度材料および
硬度調整材料は、粒径が数μ〜0.1mmの粉末が適し
ている。複数種の異種材料の粉末をゲル状化するための
バイダーは、鋳造の際に速やかにガス化或いは炭化する
でんぷんのりが適している。これら高硬度材料および硬
度調整材料の粉末を所望硬度を得るような割合で混合
し、でんぷんのりに混ぜてゲル状にする。例えば、耐摩
耗性材料としてのタングステン粉末に、耐摩耗性を調整
するために任意量のコバルト粉末を加えてでんぷんのり
でゲル状化した異種材料を消失模型34の該当表面部分
39に適宜厚さで塗布する(工程66)。ゲル状化した
異種材料が塗布された消失模型34を上型用鋳枠30に
入れて型込めして上型35を造型する。この上型35と
下型33とを型合わせした鋳型36に、例えば溶融した
片状黒鉛鋳鉄(FC300)を鋳込むと、消失模型34
の該当表面部分39に塗布されていた異種材料がテーブ
ルガイド16の上面部分19に分散し、異種材料のタン
グステン粉末は、片状黒鉛鋳鉄に含有される炭素
(C)、リン(P)及びマンガン(Mn)等と化学結合
し、炭化タングステン(WC)を主成分とする微小偏析
を形成し、テーブルガイド部13の上面部分19の耐摩
耗性を向上する。
【0031】次に、第2実施形態の鋳造物25を鋳造す
る方法を図7に示す鋳型50に基づいて説明する。鋳造
物25であるテーブル21の仕様確定部位であるスライ
ド部22の外周面形状と同じ外形を有する木型を回転テ
ーブル支承部23側を上にして模型定盤上に取り付けて
下型用鋳枠40内に配置する。
【0032】仕様未確定部位である回転テーブル支承部
23に対応する形状の一対の消失模型42を発砲樹脂等
で作成する。各消失模型42には、鋼管28の内径と等
しい小径と外径と等しい大径を有する段付き孔43が軸
心に形成され、この段付き孔43の肩部に鋼管28が嵌
合され、段付き孔43の大径穴の開口端と鋼管28の端
面との間には、鋼管28と同じ内外径を有する発泡樹脂
製のリング44が固着されている。一対の消失模型42
は、皿状のオイルパン45に所定ピッチで所定位置に穿
設された穴に嵌合され、嵌合部分は発泡樹脂用の接着剤
46で隙間なく埋められる。オイルパン45を取り付け
られた一対の消失模型42は、スライド部22の外周面
形状と同じ外形を有する木型上に位置決めして載置され
て型込めされ、木型が離型されて下型47が造型される
(工程51)。
【0033】上型用鋳枠41内に湯口、湯道等の模型を
配置して型込めし、上型49を作成する(工程52)。
上型49の下面にスライド部22の内周面形状と同じ外
形を有する中子48が固着され、下型47と上型49と
が型合せされて鋳型50が作成される(工程53)。下
型47と上型49とが型合せされたとき、下型47のス
ライド部22の外周面形状と同じ外形を有する木型によ
り形成された空間の内周面と中子48の外周面との間に
は鋳込み空間58が形成され、消失模型41の端部は連
接部位24に対応する位置で鋳込み空間58に現出す
る。
【0034】溶融した鋳鉄である溶湯が湯口、湯道から
鋳型50に鋳込まれると、溶湯が鋳込み空間58に充填
されてスライド部22を形成し、樹脂製の消失模型42
は燃えて消失し、その空間に溶湯が入れ替わり流入して
回転テーブル支承部23を形成する(工程54)。溶湯
が消失模型42と入れ替わる途中において、オイルパン
45を消失模型42に固着する発砲樹脂用の接着剤46
が溶湯と入れ替わりオイルパン45の穴の内周部が溶湯
に鋳ぐるみされ、オイルパン16は回転テーブル支承部
23の外周側面に外方に突出してに一体的に取り付けら
れる。鋼管28も回転テーブル支承部23の中心孔27
に鋳ぐるみされる。その後、鋳型ばらしして鋳造物25
を鋳型50から取り出し(工程55)、必要箇所を機械
加工して(工程56)、テーブル22を作成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 工作機械のベッドを示す断面図である。
【図2】 テーブルを示す断面図である。
【図3】 本発明に係る抜取模型及び消失鋳型を用いた
鋳造方法の工程を示す図である。
【図4】 ベッドの鋳型を示す断面図である。
【図5】 鋳造物の所望表面部分をチル化する工程を示
す図である。
【図6】 鋳造物の所望表面部分の機械的性質を変える
ために所望表面部分に異種材料の粉末を分散させる方法
の工程を示す図である。
【図7】 テーブルの鋳型を示す断面図である。
【符号の説明】
11・・・ベッド、12・・・ベース部(仕様確定部
位)、13・・・テーブルガイド部(仕様未確定部
位)、14,24・・連接部位、15,25・・・鋳造
物、16,26・・・オイルパン、21・・・テーブ
ル、22スライド部(仕様確定部位)、23・・・回転
テーブル支承部(仕様未確定部位)、28・・・鋼管、
29,40・・・下型用鋳枠、30,41・・・上型用
鋳枠、32,58・・・鋳込み空間、33,47・・・
下型、34,42・・・消失模型、35,49・・・上
型、36,50・・・鋳型、48・・・中子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 文夫 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 道下 良一 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 4E093 GC14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳造物の仕様が確定した確定部位につい
    ては、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記確定
    部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位につ
    いては、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部
    が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置
    して型込めした鋳型に鋳込んで鋳造したことを特徴とす
    る鋳造物。
  2. 【請求項2】 鋳造物の仕様が確定した確定部位につい
    ては、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記確定
    部位と連接部位で連接し仕様変更がある未確定部位につ
    いては、該未確定部位に対応する形状の消失模型を端部
    が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置
    し型込めして鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで前記鋳造
    物を鋳造することを特徴とする抜取模型及び消失模型を
    用いた鋳造方法。
  3. 【請求項3】 工作機械を構成する鋳造物の汎用部位に
    ついては、抜取模型を用いて鋳込み空間を形成し、前記
    汎用部位と連接部位で連接し仕様変更がある専用部位に
    ついては、該専用部位に対応する形状の消失模型を端部
    が前記連接部位で前記鋳込み空間に現出するように配置
    し型込めして鋳型を造型し、該鋳型に鋳込んで前記鋳造
    物を鋳造することを特徴とする抜取模型及び消失模型を
    用いた鋳造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の抜取模型
    及び消失模型を用いた鋳造方法において、前記消失模型
    に前記鋳造物と異なる異種金属材料で形成された形成部
    材の一部を挿入し、該形成部材の一部を鋳ぐるみするこ
    とを特徴とする抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載
    の抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法において、前
    記鋳造物の硬化したい所望表面部分に対応する消失模型
    の表面部分にチル化剤を塗布して前記所望表面部分が硬
    化したねずみ鋳鉄の鋳造物を鋳造することを特徴とする
    抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至請求項4のいずれかに記載
    の抜取模型及び消失模型を用いた鋳造方法において、前
    記鋳造物の機械的性質を変えたい所望表面部分に対応す
    る消失模型の表面部分に前記鋳造物の金属材料と機械的
    性質が異なる異種材料の粉末を付着させ、前記所望表面
    部分に前記異種材料の粉末を分散させて前記鋳造物を鋳
    造することを特徴とする抜取模型及び消失模型を用いた
    鋳造方法。
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