JP2002320226A - 圧縮画像配信方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネットワークを介して送信側装置から圧縮画
像を複数の受信側装置にマルチキャスト送信する際に、
一部受信処理能力の低い受信側装置が含まれていた場合
においても、再送処理を行うことなく、配信画像をその
リアルタイム性を損なわずに復元することができる圧縮
画像配信方法および装置を提供すること。 【解決手段】 送信対象の画像を２次元平面でタイル状
に分割した分割画像データを圧縮処理した圧縮分割画像
データと、分割画像データの２次元平面上での座標情報
と、一括送信パケット数と送信パケットのシリアル番号
を含む構成の圧縮画像パケットを送信側装置において生
成し、該圧縮画像パケットをマルチキャスト送信した
後、いずれかの受信側装置から受信失敗通知を受信した
ことに応じて、所定時間の間、圧縮画像パケットの送信
を停止し、停止時間経過後の送信開始後は圧縮画像パケ
ットの送信速度を所定時間だけ低下させることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テレビ会議等の送
信側装置からネットワークを介して圧縮画像パケットを
複数の受信側装置にマルチキャスト送信する圧縮画像配
信方法および装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ネットワークを介して画像データをマル
チキャストで配信するシステムおいては、受信側装置の
受信処理能力や回線の状態に応じて連続性のある画像デ
ータが正常に受信できなくなる場合がある。このような
受信失敗の発生時には、従来においては、受信に失敗し
たデータを再送することで解決することが一般的であっ
た。しかし、リアルタイム性が必要とされる場合、受信
処理能力の低い受信側装置が含まれるシステム構成にお
いては、この再送処理が原因でリアルタイム性を損なう
ことがある。この問題を解決する技術として特開平２０
００−９２０４９号公報に開示された技術がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平２０００−９２０４９号公報に記載の技術は、送信
側装置がパケットに連続性情報を付加して送信を行い、
受信側装置がパケットを受信した際に連続性情報に連続
性が認められない場合に復元不可能と判断して破棄する
ため、パケットの受信率が一定の水準を満たさないとき
には多くのデータが復元不可能となり、リアルタイム性
を損なうという問題がある。

【０００４】本発明の目的は、ネットワークを介して送
信側装置から圧縮画像を複数の受信側装置にマルチキャ
スト送信する際に、一部受信処理能力の低い受信側装置
が含まれていた場合においても、再送処理を行うことな
く、配信画像をそのリアルタイム性を損なわずに復元す
ることができる圧縮画像配信方法および装置を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、送信対象の画像を２次元平面でタイル状
に分割した分割画像データを圧縮処理した圧縮分割画像
データと、分割画像データの２次元平面上での座標情報
と、一括送信パケット数と送信パケットのシリアル番号
を含む構成の圧縮画像パケットを送信側装置において生
成し、該圧縮画像パケットをマルチキャスト送信した
後、いずれかの受信側装置から受信失敗通知を受信した
ことに応じて、所定時間の間、圧縮画像パケットの送信
を停止し、停止時間経過後の送信開始後は圧縮画像パケ
ットの送信速度を所定時間だけ低下させることを特徴と
する。また、前記受信側装置は、前記一括送信パケット
数または送信パケットのシリアル番号に基づき各圧縮分
割画像データの受信成功または失敗を判定し、その判定
結果に応じて受信失敗通知を送信側装置に送信すること
を特徴とする。

【０００６】本発明に係る圧縮画像配信装置は、送信対
象の画像を２次元平面でタイル状に分割した分割画像デ
ータを圧縮処理した圧縮分割画像データと、分割画像デ
ータの２次元平面上での座標情報と、一括送信パケット
数または送信パケットのシリアル番号を含む構成の圧縮
画像パケットを生成する手段と、前記圧縮画像パケット
を受信側装置にマルチキャスト送信した後、いずれかの
受信側装置から受信失敗通知を受信したことに応じて、
所定時間の間、圧縮画像パケットの送信を停止させる手
段と、停止時間経過後の送信開始後は圧縮画像パケット
の送信速度を所定時間だけ低下させる手段とを備えたこ
とを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する場合の一
形態を図面を参照して具体的に説明する。図１は、本発
明の圧縮画像配信方法を適用したシステムの一実施形態
を示すシステム構成図であり、本実施形態のシステム
は、送信側装置１および複数の受信側装置２Ａ〜２Ｃ
と、ネットワーク３とで構成されている。送信側装置１
は、画像表示部１１および送信処理部１２とから構成さ
れ、また各受信側装置２Ａ〜２Ｃは受信処理部２１およ
び画像表示部２２とから構成されている。

【０００８】図２は、送信側装置１の送信処理部１２の
詳細構成を示すブロック図である。送信処理部１２は、
画像分割処理部１２１、流量制御情報処理部１２２、画
像圧縮処理部１２３、パケット生成処理部１２４、パケ
ット送信処理部１２５を有している。画像分割処理部１
２１は、画像表示部１１に表示されて送信対象の画像を
２次元平面でタイル状に分割する処理を行う部分であ
る。画像圧縮処理部１２３は、画像分割処理部１２１で
分割された分割画像を所定のアルゴリズムに従い圧縮す
る部分である。流量制御情報処理部１２２は、１つの圧
縮分割パケットを送信するたびに、各パケットの先頭に
付加されるパケット番号１６の値（シリアル番号）を更
新し、パケット番号が一括送信パケット数に対応する値
になったならば、パケット番号を初期値に戻すという送
信パケット数の管理を行うと共に、受信側装置２Ａ〜２
Ｃからの受信失敗通知を受信したことに応じて、所定時
間の間、圧縮画像パケットの送信を停止させ、停止時間
経過後の送信開始後は受信側装置２Ａ〜２Ｃに一括して
送信するパケット数を調整することにより、圧縮画像パ
ケットの送信速度を調整する部分である。なお、いずれ
の受信側装置２Ａ〜２Ｃからも受信失敗通知を受信しな
かった場合には、圧縮画像パケットの送信速度を予め設
定した段階だけ上昇させる。

【０００９】パケット生成処理部１２４は、圧縮分割画
像にパケット番号や２次元平面状のＸＹ座標情報等を付
加することにより１つの圧縮分割画像パケットを生成す
る部分である。パケット送信処理部１２５は、パケット
生成処理部１２４が生成した圧縮分割画像パケットをマ
ルチキャストでネットワーク３を介して複数の受信側装
置２Ａ〜２Ｃに送信する部分である。

【００１０】ここで、１つの圧縮分割画像パケット４１
は、図４に示すように構成されている。図４に示す圧縮
分割画像パケットは、パケット番号４１１、一括送信パ
ケット数４１２、Ｘ座標情報４１３、Ｙ座標情報４１
４、圧縮分割画像データ４１５とで構成されている。パ
ケット番号４１１は、マルチキャスト送信する圧縮分割
画像パケットのシリアル番号であり、一括送信パケット
数は一括送信するパケットの数を表す情報である。例え
ば、図５に例示するような１フレーム分の画像をｎ行ｍ
列のタイル状に分割し、ｎｍ個の圧縮分割画像データを
一括送信する場合、一括送信パケット数＝ｎｍ個に設定
される。なお、受信側の処理能力により、ｎｍ個の圧縮
分割パケットを２回または３回といった複数回に分けて
送信する場合もある。この場合の一括送信パケット数
は、ｎｍ／ｋ（但し、ｋ＝分割送信回数）となる。Ｘ座
標情報４１３、Ｙ座標情報４１４は、図５に示すよう
に、送信対象の画像が表示された画像表示領域の左上隅
をＸＹ座標の原点として送信対象画像を２次元平面状で
ｎｍ個に分割した場合の各分割画像のＸ，Ｙ座標値を示
すものである。圧縮分割画像データ４１５は、タイル状
の各分割画像データを圧縮した画像データである。

【００１１】図３は、受信側装置２Ａ〜２Ｃの受信処理
部２１の詳細構成を示すブロック図である。受信処理部
２１は、パケット受信処理部２１１、パケット分解処理
部２１２、受信失敗判定処理部２１３、画像伸長処理部
２１４、画像データ部２１５、画像表示処理部２１６を
有している。パケット受信処理部２１１は、ネットワー
ク３を介して図４で示したような構成の圧縮分割画像パ
ケット４１を受信し、内部の受信バッファ（図示せず）
に蓄積し、パケット分解処理部２１２に転送する部分で
ある。パケット分解処理部２１２は、図４で示したよう
な圧縮分割画像パケット４１を分解し、Ｘ座標情報４１
３、Ｙ座標情報４１４、圧縮分割画像データ４１５につ
いては画像伸長処理部２１４に転送し、パケット番号４
１１および一括送信パケット数４１２については受信失
敗判定処理部２１３に転送する部分である。

【００１２】受信失敗判定処理部２１３は、パケット番
号４１１の連続性または一括送信パケット数４１２と実
際に受信したパケット数との不整合を判定することによ
り、受信失敗か否かを判定する部分である。パケット番
号に連続性がない場合は受信失敗と判定する。また、一
括送信パケット数４１２と実際に受信したパケット数と
が不一致の場合も受信失敗と判定する。受信失敗の場合
は、一括受信完了後に受信失敗通知をネットワーク３を
介して送信側装置１に送信する。画像伸長処理部２１４
は、パケット分解処理部２１２から転送された圧縮分割
画像データを圧縮アルゴリズムに対応した伸長処理アル
ゴリズムで伸長し、Ｘ座標情報４１３、Ｙ座標情報４１
４で示される座標位置の画像データに復元する。画像デ
ータ部２１５は、復元された各座標位置の画像データを
１フレーム分の画像データに組立て、表示処理部２１６
に送る部分である。画像表示処理部２１６は、画像デー
タ部２１５から送られてきた画像データを画像表示部２
２に表示させる部分である。

【００１３】図６は、送信側装置１が送信する画像と受
信側装置２Ａ〜２Ｃが受信する画像を表す説明図であ
る。画像は送信側装置１によって図５で示したように分
割され、かつ圧縮されてパケット単位で送信される。受
信側装置２Ａ〜２Ｃは受信した圧縮分割画像パケット４
１から画像を復元するが、受信側装置２Ａ〜２Ｃが受信
バッファの溢れ等の原因で受信処理できなかったパケッ
トの画像領域は欠損する。図６においては、欠損した分
割画像領域を符号６１で示している。

【００１４】以上の構成において、例えば図５で示した
ような画像を送信側装置１から受信側装置２Ａ〜２Ｃに
マルチキャスト送信する場合、送信対象画像は、画像分
割処理部１２１において図５に示したように２次元平面
でタイル状に分割される。この後、画像圧縮処理部にお
いて所定のアルゴリズムに従い圧縮される。そして、パ
ケット生成処理部１２４において、図５に示すような圧
縮分割画像パケットに組立てられ、パケット送信処理部
１２５からネットワーク３を介して各受信側装置２Ａ〜
２Ｃに送信される。各受信側装置２Ａ〜２Ｃのパケット
受信処理部２１１は、ネットワーク３を介して図４で示
したような構成の圧縮分割画像パケット４１を受信した
ならば、内部の受信バッファ（図示せず）に蓄積し、パ
ケット分解処理部２１２に転送する。

【００１５】パケット分解処理部２１２は、図４で示し
たような圧縮分割画像パケット４１を分解し、Ｘ座標情
報４１３、Ｙ座標情報４１４、圧縮分割画像データ４１
５については画像伸長処理部２１４に転送し、パケット
番号４１１および一括送信パケット数４１２については
受信失敗判定処理部２１３に転送する。画像伸長処理部
２１４は、パケット分解処理部２１２から転送された圧
縮分割画像データを圧縮アルゴリズムに対応した伸長処
理アルゴリズムで伸長し、Ｘ座標情報４１３、Ｙ座標情
報４１４で示される座標位置の画像データに復元し、画
像データ部２１５で各座標位置の画像データを１フレー
ム分の画像データに組立てさせ、表示処理部２１６を介
して画像表示部２２に表示させる。

【００１６】このように、各分割画像データに位置座標
を付加しておくことにより、受信バッファの溢れや回線
障害が原因で一部のパケットに欠損が生じた場合であっ
ても、再送することなく、欠損していない部分の画像は
正常に再現される。従って、リアルタイム性のある画像
を配信する場合には、画質は犠牲になるが、画像全体の
イメージは直ちに再現される。

【００１７】一方、受信失敗判定処理部２１３は、パケ
ット番号４１１の連続性または一括送信パケット数４１
２と実際に受信したパケット数との不整合を判定し、パ
ケット番号４１１に連続性がない場合は受信失敗と判定
する。また、一括送信パケット数４１２と実際に受信し
たパケット数とが不一致の場合も受信失敗と判定する。
受信失敗の場合は、一括受信完了後に受信失敗通知をネ
ットワーク３を介して送信側装置１に送信する。従っ
て、この実施形態では、パケット番号４１１に連続性に
ないパケットが１つ以上受信された場合、および一括送
信パケット数４１２と異なる数のパケットが受信された
場合には、受信失敗となり、このことが送信側装置１に
送信される。

【００１８】送信側装置１の流量制御情報処理部１２２
は、受信側装置２Ａ〜２Ｃからの受信失敗通知を受信し
たことに応じて、所定時間の間、圧縮画像パケットの送
信を停止させ、停止時間経過後の送信開始後は受信側装
置２Ａ〜２Ｃに一括して送信するパケット数を調整する
ことにより、圧縮画像パケットの送信速度を調整する。
すなわち、受信側装置２Ａ〜２Ｃのいずれかが他のアプ
リケーションの実行状態にあり、受信バッファに蓄積さ
れたパケットを処理できず、画像を正常に再現できない
状態であるものと見做し、一定時間当たりの送信パケッ
ト数を減らして送信する。これにより、次のフレームの
画像は受信失敗通知を送信した受信側装置で正常に受信
可能になる。なお、さらに受信失敗通知が返信された場
合にはさらにパケットの送信速度を減ずることになる。
なお、いずれの受信側装置２Ａ〜２Ｃからも受信失敗通
知を受信しなかった場合には、圧縮画像パケットの送信
速度を予め設定した段階だけ上昇させる。

【００１９】このように、圧縮分割画像パケットの送信
速度を制御することにより、受信側装置２Ａ〜２Ｃの受
信能力を考慮したマルチキャスト配信が可能になる。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、ネットワークを介して
送信側装置から圧縮画像を複数の受信側装置にマルチキ
ャスト送信する際に、一部受信処理能力の低い受信側装
置が含まれていた場合においても、再送処理を行うこと
なく、配信画像をそのリアルタイム性を損なわずに復元
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示すシステム構成図で
ある。

【図２】送信側装置の詳細構成を示すブロック図であ
る。

【図３】受信側装置の詳細構成を示すブロック図であ
る。

【図４】圧縮分割画像パケットの構成を示す説明図であ
る。

【図５】分割画像の座標情報を表す説明図である。

【図６】送信画像と欠落部分を含む再現画像の例を示す
説明図である。

【符号の説明】

１…送信側装置、２Ａ〜２Ｃ…受信側装置、３…ネット
ワーク、１１…画像表示部、１２…送信処理部、２２…
画像表示部、４１…圧縮分割画像パケット、１２１…画
像分割処理部、１２２…流量制御情報処理部、１２３…
画像圧縮処理部、１２４…パケット生成処理部、１２５
…パケット送信処理部、２１１…パケット受信処理部、
２１２…パケット分解処理部、２１３…受信失敗判定処
理部、２１４…画像伸長処理部、２１５…画像データ
部、２１６…画像表示処理部、４１１…パケット番号、
４１２…一括送信パケット数、４１３…Ｘ座標情報、４
１４…Ｙ座標情報、４１５…圧縮分割画像データ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5C059 RB02 RF07 RF15 SS01 SS07 5K014 AA03 DA02 FA08 FA12 HA05 5K030 GA11 HA08 HB02 LA01 LA07 LD02 LD08 LE14 MB13

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送信側装置からネットワークを介して圧
   縮画像パケットを複数の受信側装置にマルチキャスト送
   信する圧縮画像配信方法であって、 送信対象の画像を２次元平面でタイル状に分割した分割
   画像データを圧縮処理した圧縮分割画像データと、分割
   画像データの２次元平面上での座標情報と、一括送信パ
   ケット数と送信パケットのシリアル番号を含む構成の圧
   縮画像パケットを送信側装置において生成し、該圧縮画
   像パケットをマルチキャスト送信した後、いずれかの受
   信側装置から受信失敗通知を受信したことに応じて、所
   定時間の間、圧縮画像パケットの送信を停止し、停止時
   間経過後の送信開始後は圧縮画像パケットの送信速度を
   所定時間だけ低下させることを特徴とする圧縮画像配信
   方法。
2. 【請求項２】 前記受信側装置は、前記一括送信パケッ
   ト数と送信パケットのシリアル番号に基づき各圧縮分割
   画像データの受信成功または失敗を判定し、その判定結
   果に応じて受信失敗通知を送信側装置に送信することを
   特徴とする請求項１に記載の圧縮画像配信方法。
3. 【請求項３】 ネットワークを介して圧縮画像パケット
   を複数の受信側装置にマルチキャスト送信する圧縮画像
   配信装置であって、 送信対象の画像を２次元平面でタイル状に分割した分割
   画像データを圧縮処理した圧縮分割画像データと、分割
   画像データの２次元平面上での座標情報と、一括送信パ
   ケット数と送信パケットのシリアル番号を含む構成の圧
   縮画像パケットを生成する手段と、 前記圧縮画像パケットを受信側装置にマルチキャスト送
   信した後、いずれかの受信側装置から受信失敗通知を受
   信したことに応じて、所定時間の間、圧縮画像パケット
   の送信を停止させる手段と、 停止時間経過後の送信開始後は圧縮画像パケットの送信
   速度を所定時間だけ低下させる手段とを備えたことを特
   徴とする圧縮画像配信装置。