JP2002318203A - 光沢床面の清掃管理方法とその装置 - Google Patents
光沢床面の清掃管理方法とその装置Info
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Abstract
て、光沢床面の汚れ具合を数値化して客観的に判定し光
沢床面の清掃管理を行なう方法とそのための清掃管理装
置を提供する。 【解決手段】 任意の清掃面域の光沢床面上の任意の複
数の測定点における光沢度を測定することを経時的に繰
り返し、測定時点nでの該複数の光沢度の測定値の最大
値Gnと最小値gnとを求めて、An=√{Gn 2−a
(Gn−gn)2−b(gn−g1)2}により、汚れ
指標Anを算出し、汚れ指標Anをもって清掃管理を行
なう。光沢床面上の光沢度を測定する光沢度計と、光沢
度計により測定した複数の測定点における光沢度のデー
タから、最大値Gnと最小値g nとを求めて、上式によ
り、汚れ指標Anを算出する演算部を備えた中央処理部
と、該汚れ指標Anを表示する表示部と、光沢度のデー
タおよび設定データを記録するための記憶部と、を備え
る。
Description
面の清掃管理の方法とその装置に関する。
を弾性床材で覆い、通常は、弾性床材表面に表面維持剤
(ワックス)が塗布されて使用され、このような床面
は、オフィスや販売店などの床面として広く使用されて
いる。光沢床面は、人の歩行、その他、物品の運搬車の
通行や、埃やごみにより表面が汚れてくると、定期的
に、あるいは汚れ具合が目立つようになる度に、随時、
種々の清掃がなされ、表面の清浄性を維持するように、
床面の清掃管理がなされている。
して、あるいは、計器測定して、そのデータから清掃す
るか否か、清掃する時期を大まかに決定されていた。目
視判断は、表面の「きれいさ」に対する個人的な感受性
や好みなどの問題があり、判断には時には恣意的な要素
が入りやすく、それ故に、個人差が大きかった。
1号は、汚れ具合の判断の適正化を図るために、計器測
定により汚れが大きい場所と汚れが少ない場所との色差
値を測定し、両者の相対色差値が一定値を超えないよう
に清掃管理を行なう技術を開示している。この技術は、
照射した光の床面からの反射光XYZ表色系の刺激値
X、Y、Zから求めた表面色を基準板の表面色と比較し
て色差値を求め、汚れの度合いの指標としていた。
準にして清掃時期を決定することは、清掃時期の個人差
を排除して客観的にでき、床面の品質を常に一定以上に
保持できる利点がある。しかし、この技術は、美観上色
彩や色差を重視するカーペットや絨毯など、専ら表面光
が乱反射する場合には、特に優れているが、上記のよう
な光沢を重視する床材には、必ずしも適当とは言えなか
った。
方法は、床表面における光反射率を利用する方法も検討
され、この方法は、表面の汚れが大きいほどその反射率
が低下することを利用するものである。
べき床面の領域の幾つかの測定点で反射率を測定し、そ
の平均値を以って床面の汚れを判断するものである。こ
の判断方法は、床面が大体均一に汚れていくような床面
に対しては、反射率を平均化するのは意味があるであろ
うが、比較的広い面域について特定部位が特に汚れ易い
ような環境では、平均化は意味がない。平均値は、必ず
しも汚れた点での汚れを代表するものでないので、床面
全体について清掃を要する汚れを判断する資料には使用
することはできなかった。特に、床面の汚れを除去しな
いままワックスがけを行なうと、多層に表面維持剤が塗
り重ねられ、その結果、反射率は高いけれども、汚れが
残ったままであり、同様に、反射率が低くても、汚れが
少ない場合もある。
率を以って汚れ度合いを評価することも考えられるが、
最小反射率が低下しても、同様に面域全体に反射率が低
い場合には、汚れはさほど目立たずに、許容される場合
が多い。逆に、反射率の最小値が比較的高くても、最小
値が、その周辺の部位での反射率の最大値との差が大き
いと、最小値側の部位が汚れになって特に目立つので、
洗浄清掃を行なう必要が出てくる。このように、単に、
最小値だけでは、汚れの判断、評価をすることはできな
い。そして、最小値で管理すれば、反射率測定の都度、
最小値が予め設定した基準値を下回る度に汚れの部位だ
けをスポット的に清掃することになり、その部位を頻繁
に回復清掃をしなければないことになる。このようにし
て、測定反射率の平均値あるいは最小値だけで光沢床面
全体についての汚れを評価することも、洗浄・ワックス
がけないし回復清掃の時期を決めるにも、なお不充分で
あった。
た床面について清掃の度合いを客観的に評価することが
必要であるが、清掃の度合いないしは清掃前後の汚れ度
合の測定に、反射率を利用することが可能である。この
場合にも、単に反射率の平均値、ないし最小値だけで評
価しても、全体としての清掃後のきれいさを反映してい
ない。さらに、清掃後に汚れ除去が改善されない場合に
も清掃者の清掃の方法や技能によるものか、それとも、
塗布するワックス材質に起因するものか、判断する方法
も必要である。
汚れ具合を客観的に測定し表現でき、その汚れ具合のデ
ータで以って清掃管理を行なう方法を提供しようとする
ものてある。本発明は、さらに、このような光沢床面の
清掃管理を実施するのに使用できるように、光沢床面の
汚れ具合を客観的に測定し表示できる清掃管理装置を提
供しようとするものである。
管理方法は、任意の清掃面域の光沢床面上の任意の複数
の測定点における光沢度を測定することを経時的に繰り
返し、測定時点nでの該複数の光沢度の測定値の最大値
Gnと最小値gnとを求めて、次の式(1)の関係か
ら、汚れ指標Anを算出し、汚れ指標Anをもって清掃
管理を行なうことを特徴としている。即ち、 An=√{Gn 2−a(Gn−gn)2 } ・・・・・・・・・(1) が利用される。ここで、aは重み係数である。
代えて、次の式(2)を使用することもできる。即ち、 An=√{Gn 2−a(Gn−gn)2−b(gn−g1)2}・・・(2) この式で、aとbとは重み係数であり、g1は最小値g
nの初期値である。
からn回に亘って任意の清掃面域の複数の位置の光沢度
が測定されるが、n回目に測定した光沢度のデータから
光沢度の最大値Gnと最小値gnとが選ばれ、式(1)
により汚れ指標Anを求めて、汚れ指標Anにより汚れ
具合を判断するものである。
指標An を、光沢度の最小値gnではなくて、最大値
Gnを中心にして、評価するものである。そして、式中
のa(Gn−gn)2 の項が、最大値Gnと最小値g
nとの間の光沢度差を考慮して、差Gn−gnが大きい
ほど汚れ指標Anが低下するように、汚れ指標Anに最
小値gnを反映させている。
n−g1)2の項により光沢度の最小値gnとその初期
値g1との差|gn−g1|を考慮するもので、これ
は、初期値g1と比較して、測定時nの最小値gnの変
動を、汚れ指標Anに反映させるためである。
の差|Gn−gn|を補正により加えることによって、
最大値Gnを中心にして最小値gnを反映させて汚れ指
標A nを人が床面を見た時に感じる汚れ具合に合致させ
るものである。式(2)においては、さらに、最小値の
初期値との差|gn−g1|を補正に加える。
度の最大値Gnと最小値gnとの差|Gn−gn|に重
み付けをする係数で、通常は、正の数を採る。重み係数
aは、特に、光沢床面の使用環境によって、設定し変更
することができる。最大値G nと最小値gnは、両方と
も高くても低くても、汚れが小さいとして許容できるけ
れども、その両方の差が大きくなって、汚れの部位が特
に目立つようになるのを嫌うような使用環境では、測定
ごとに光沢度の最大値Gnと最小値gnとが大きな変動
をする場合には、係数aには大きな数値が採用され、例
えば、aは、2〜8の範囲を採用でき、特に、aは、3
〜5の範囲が好ましい。
小値gnについてのその測定時と初期値との差|gn−
g1|に重み付けをして、最小値gnの経時変化を重視
するための係数である。bは、好ましくは、0〜5程度
の数値をとる。
1は、通常は、任意の時期の光沢度測定値が採用できる
けれども、通常は、所定の方法で清掃した直後の測定値
が採用される。汚れ指数の初期値A1 は、n=1とし
て、式(1)または式(2)から計算され、この初期値
を1回目として、次いで、経時的に、測定されたn回目
の測定光沢度のデータが、同様に、式(1)または式
(2)により、その時の汚れ指数が求められる。
れ指標Anを使用して、床面の汚れや管理良否の判定を
して、床面の洗浄時期が決定される。本発明は、好まし
くは、測定時点nの汚れ指標Anを初期値A1と比較し
て、比較値A1−Anが所定の設定値以上に達した時点
nを光沢床面の回復清掃要求時点とする。この設定値
は、回復清掃要求指示用設定値と呼ばれる。比較値A1
−Anと回復清掃要求指示用設定値との比較から回復清
掃要求時点に達したときには、光沢床面の清掃の指示か
なされ、これに応じて清掃が実施される。清掃後に光沢
度を測定すれば、光沢床面の光沢度、特に、最大値と最
小値は上昇し、汚れ指標Anが上昇することになる。
設定値以外に、床面が良好な管理状態にあるかどうかを
示すための管理用設定値を設けてもよく、比較値A1−
Anが、管理用設定値以内ならば、良好な管理状態にあ
ることを表示することもできる。比較値A1−Anが、
管理用設定値以上で且つ回復清掃要求指示用の設定以下
であれば、要注意と判断できる。
斜め入射した光を床面に対して反対に反射した光につい
ての反射率の絶対値とすることができる。光沢度は、ま
た、反射率の決まった標準反射板や光沢度の基準として
もよい。光沢度は、同質の床材から成る標準試料板に対
する相対的反射率としてもよい。本発明においては、特
に、JIS Z8741「鏡面光沢度」に規定する測定
法に準拠した光沢度を採用するのが好ましい。このJI
S法光沢度は、屈折率1.567の平滑で清浄なガラス
板の反射率を測定して、そのガラス表面の光沢度を10
0%と定義され、この場合、床面の光沢度は、このよう
なガラス表面の光沢度に対する100分率で示される。
ための装置を含むが、装置は、任意の清掃面域の床面上
の任意の複数の測定点における光反射率を測定すること
を経時的に繰り返して光沢床面の清掃管理を行なうため
の清掃管理装置である。清掃管理装置は、光沢床面上の
光沢度を測定する光沢度計と、光沢度計により測定した
複数の測定点における光沢度のデータから、最大値Gn
と最小値gnとを求めて、上記の式(1)または式
(2)により、汚れ指標Anを算出する演算部を備えた
中央処理部と、該汚れ指標Anを表示する表示部と、光
沢度のデータおよび設定データを記録するための記憶部
と、を備えたものである。
れ指標Anを初期値A1と比較して、比較値An−A1
を算出し、比較値A1−Anが所定の設定値以上に達し
た時点nを回復清掃要求時点とし、上記の表示部が、回
復清掃の要否を表示するようにするのが好ましい。
面は、上記のように、光沢性が重視される床材を貼設し
た床面であり、床材は、弾性床材と呼ばれる材料から成
っている。弾性床材には、塩化ビニール系、リノリウム
(リノタイル)系、アスファルト系、及びゴム系などが挙
げられる。これらの床材は、表面に透明な薄いポリマー
層を形成するための表面維持剤(あるいは、床維持材、
通称、ワックスと呼ばれる)が塗布されて仕上げられ、
表面が比較的滑らかであり、光沢を有する床面である。
している建物の性質や人や物の出入りの頻度・度合いそ
の他の使用環境などによって大きく変わるけれども、日
常的には掃除と水拭き程度がなされ、比較的短い周期
で、例えば、2週間ないし1ヵ月間隔でバフ掛けなどが
なされる。さらに、半月ないし二三ヶ月毎に表面洗浄と
表面維持剤塗布(ワックス掛け)がなされ、一二年毎に
表面維持剤の更新のために、表面維持剤の全面剥離と表
面維持剤の更新塗布がなされる。本発明においては、回
復清掃には、表面洗浄と表面維持剤塗布の操作、及び、
表面剥離と表面維持剤の更新塗布の操作を含むものとす
る。
測定することのより実施されるが、この実施形態では、
光沢度は、上記JIS Z8741「鏡面光沢度」に規
定する測定法に準拠して、JIS K5400「塗料の
一般試験方法」による塗料の光沢度測定値を利用するも
のとして、以下に説明する。
ら測定部位への入射光の入射角θ(床面の法線に対する
入射光の角度、従って、同時に、測定部位からの反射光
を受光器の受ける受光角)を20°、60°及び85°
に取り、照射部位からの受光器の光束を測定して、反射
率を求め、鏡面光沢度の一次基準面として屈折率1.5
67の平滑で清浄なガラスの光沢度を100としたとき
の百分率数で表される。また、必要に応じて、光沢度を
求める際には、予め光沢度を較正した二次基準面を使用
することもできる。この実施形態では、光沢床面を管理
対象とするので、二次基準面として、測定部位と実質的
に同じ材質で汚れのない光沢性の床材試料を使用しても
よい。この場合、二次基準面は、予め、上記一次基準面
を基準として、光沢度が決定され、実際の床面の光沢度
は、実際の床面で測定した光束(あるいは反射率)と、
同じ条件で測定した一次基準面の光束(同様に反射率)
との比の百分率としてら得られる。
できるものであれば、利用可能であり、特に限定されな
いが、携帯型のものが実施の上で便利である。携帯型の
光沢計は、計器凾内に発光源(例えば、キセノンラン
ブ)、発光源から対象物に照射しその反射光を誘導する
レンズ光学系と、反射光を電気信号に変換する光束測定
器(例えば、シリコンフォトトランジスタ)とから成
る。測定対象の床面に計器凾を近接させその光学系によ
り、光を床面に照射させて、その反射光の光束を測定す
る。照射光の床面に対する角度も、適宜、設定すること
ができる。この計器では、一次基準面又は二次基準面を
使用して、予め、光沢度が較正される。
べき光沢床面の面域について、複数の測定部位を定め、
測定部位での光沢度を光沢計で測定する。測定部位の選
定は任意でよいが、その床面の利用環境に対応して、汚
れやすい部位と汚れ難い部位を含むように選定するのが
好ましい。汚れやすい部位とは、例えば、人の出入り口
や頻繁に通行される常用の通路の中心部などを含む。汚
れ難い部位には、通路であっても壁際や、その他、人が
あまり立ち入らない場所を選ぶことができる。
時間、測定部位の位置と共に、記録される。概ね一定期
間ごとに、ほぼ同じ測定領域について、採取するのが好
ましい。測定された光沢度のデータから、n回目の光沢
度測定について光沢度の最大値Gnと最小値gnを決定
して、上記式(1)又は式(2)に代入して、汚れ指標
Anを算出する。
使用環境により変更されてもよいが、aは、3〜5の範
囲から選び、bは0〜5の範囲から選ぶ。一例として、
比較的に最大値Gnと最小値gnとが変動するような使
用形態の床面に対しては、好ましくは、a=4とb=1
に設定するのがよい。
数値が小さいほど汚れていると判断されるので、汚れ指
標の特定値を設定して、算出した汚れ指標Anが、特定
指標値より小さいと、光沢床面が汚れていると判断する
ことができる。
値の汚れ指標A1と比較し、両者の差A1−Anを比較
値とし、比較値A1−Anによって、汚れを判断する方
法が採用できる。初期値A1は、床面の洗浄ワックスが
けした直後に測定した光沢度のデータに基づく汚れ指標
とすれば、この場合には、比較値A1−Anは、洗浄し
た後の汚れの程度を示すことになる。
A1−Anに対して、予め回復清掃要求のための設定値
ΔAsを設定しておき、測定ごとに、比較値A1−An
を設定値ΔAと比較し、A1−AnがΔAより大きけれ
ば、床面の洗浄を指示するようにする。
回復清掃要求の設定値ΔAsと共に、管理用設定値ΔA
cを設けて、しかも、ΔAsより小さい数値にしてお
く。こうすれば、光沢度測定ごとに比較値A1−A
nを、ΔAc及びΔAsと比較して、適正な管理範囲に
入っているか、注意期間にあるのか、あるいは、回復清
掃要求時期にあるかを判断することができる。
光沢度に準拠するとすれば、Anは、光沢度Gnとgn
と同じ次元(%)で表わされるが、このとき、例えば、
管理用設定値ΔAcは5〜15%の範囲に設定し、回復
清掃要求用設定値ΔAsには10〜20%の範囲に設定
することができる。これら設定値範囲の設定は、床面の
用途、使用環境に依存して、決めることができ、例え
ば、光沢床面を常にきれいな光沢状態に管理すべきとき
は、ΔAcとΔAsは共に小さい値に設定され、これに
対して、全般にある程度の汚れが目立たない程度で許容
されるならば、ΔAcとΔAsは共に相対的に大きな値
に設定される。一例として、コンビニエンスストアの売
り場における床面では、ΔAcを8〜12程度に、特
に、8〜10に、ΔAsは、15〜18程度に、特に、
15〜16に、設定することができる。他方、銀行など
の金融機関に置ける床面は、厳しい清掃管理が要求さ
れ、例えば、客用ロビーや自動金銭支払いコーナ床面で
の光沢床面の管理においては、ΔAcを5〜8程度に、
ΔAsは10〜12程度が選ばれる。
理においては、管理対象の床面の使用の形態や環境に応
じて、予め、式(1)又は式(2)の上記の重み係数a及
びbと、洗浄指示用設定値ΔAs及び管理用設定値ΔA
cを設定しておき、該床面の任意ないしは所定の複数で
の位置で、非定期的又は定期的に(例えば、毎日、ある
いは隔日の、又は週間の如く)光沢度を測定し、測定デ
ータから光沢度の光沢度の最大値Gnと最小値gnを決
定する。初期値には、通常は、洗浄されて光沢が調製さ
れてきれいにされて床面における測定光沢度のデータか
ら、G1とg1を使用する。上記の最大値Gnと最小値
gnを上記式(1)または式(2)に代入して、汚れ指
標Anを算出し、比較値A1−Anを得る。比較値A1
−Anを、設定値ΔAcとΔAsと比較して、比較値A
1−Anが、設定値ΔAcより小さければ、良好適切な
管理状態と判断し、設定値ΔAcとΔAsとの範囲内に
あれば、床面は注意期間にあると判断し、ΔAsより高
ければ、床面の洗浄・ワックス掛けを指示する。
Asの対比により、床面の洗浄と表面維持剤の塗布及び
所要のバフ掛けを行ない、計画的に光沢床面の光沢度の
回復を図り、美観を管理することができる。
所要の部位についてさらに光沢度を測定して汚れ指数A
nを測定し、塗布前の光沢度の汚れ指Anと比較して、
表面維持剤の塗布の効果が確認される。汚れ指数の比較
から、もし、塗布効果が不充分であると判断すれば、再
度、表面維持剤の塗布のやり直しを要求ないし指示され
る。表面維持剤の塗布後の光沢度のデータは、初期値と
して、以後の床面管理に供せられる。
最小値gnとを与えたときの、汚れ指標Anの計算シュ
ミレーションの結果を示す。図1は、重み係数a=4,
b=1に設定して、式(2)により、Anを計算してい
る。最大値Gnと最小値gnが、共に経時的に一様に低
下するパターンにおいて、汚れ指標Anも一様に低下し
ている。このパターンは、通常の良好に管理されている
床面を示す例であろう。
下せずに、最小値gnだけが低下する例であるが、重み
係数a=4,b=1に設定して、式(2)により計算A
nを計算している。最小値gnの低下に伴って、汚れ指
標Anも一様に低下している。このパターンは、汚れ難
い場所も含めて比較的よく管理されて、この部位の光沢
度、即ち最大値Gnが一定に保持されおり、汚れ指標A
nの低下により、汚れが進行していることがわかる。
的に増加しながら最小値gnは低下するパターンについ
てのAnの推移を示す。このようなパターンは、光沢床
面の管理が不適切である場合に生じ得るが、この場合の
汚れ指標Anを、式(2)によるa=4,b=1により
計算した時は、指標Anは、初期からそれほど経過しな
いときまでの最大値Gnと最小値gnは差が小さいの
で、影響を受けないが、その後に両者の差が大きくなる
につれて、汚れ指標Anが低下し、汚れが目立ってくる
ことを示している。a=2,b=1の時の計算値An
は、あまり変化せず、汚れ指標Anとしては、有効では
なく、また、図示しないが、a=1,b=1のときは、
汚れ指標Anは、上昇するので、汚れの目視観察とは、
反対の結果を示しており、適当ではない。このように、
光沢度の最大値Gnと最小値gnとが経時的に相反する
挙動を取るときは、重み係数aを大きな値、例えばa=
3〜6に設定することにより、汚れ指標Anにより光沢
床面の汚れを適切に表現できる。
床面の清掃管理に使用するものであるが、装置は、概し
て、床面の複数個所の光沢度を測定する光沢度計と、光
沢度計で測定したその光沢度データから、汚れ指標An
と、その比較値A1−Anを算出する演算部を含む中央
処理部と、これらのデータを表示する表示部とを含んで
いる。
この図を参照しながら説明すると、まず、光沢度計2
は、発光源22(例えば、小型のランブ)と、発光源2
2からの光を床材表面に、規定の角度で照射するための
光学系(通常は、収束レンズ)と、床材9の表面からの
反射光を上記の規定の角度で受光素子23(例えば、シ
リコンフォトセル)に向ける受光光学系(例えば、レン
ズ)と、受光素子からの電気信号を光沢度信号にに変換
して出力する電子回路24とから成っている。
計2により測定した測定点における光沢度信号のデータ
を、逐次、記憶部4に記録した後、測定後または測定中
に、中央処理部1内の演算部において測定データから最
大値Gnと最小値gnとを求めて、予め設定された上記
の式(1)または式(2)により、汚れ指標Anを計算
する。中央処理部1は、汚れ指標Anを、最大値Gnと
最小値gnと共に、表示部5(例えば、ディスプレー)
により表示され、これにより、その床面における汚れ具
合がわかる。
され、測定毎に最大値Gnと最小値gn、指標Anが、
記憶部4に記録され、蓄積される。中央処理部1は、さ
らに、その測定時の汚れ指標Anと、蓄積された初期の
汚れ指標A1との比較値A1−Anを計算することがで
き、比較値A1−Anもまた表示するようにする。
理用設定値ΔAcが設定されておれば、演算部は、比較
値A1−Anを、ΔAs及びΔAcとを比較して、床面
が管理範囲内か、洗浄指示すべきかを判定し、判定結果
を表示部に表示する。
用され、記憶部は、中央処理部からの光沢度のデータや
計算データ記録して、蓄積しておき、さらに、ΔAs及
びΔAcなどの設定デーが記録される。このような記録
手段は、上記のマイクロプロセッサーと一体に又は別体
のメモリーを利用すればよい。また、表示部は、通常
は、液晶パネルが利用でき、中央処理部からのデータを
表示するものであり、表示内容は、例えば、測定回nご
との最大値Gnと最小値g n、汚れ指標An、比較値A
1−An、あるいは、管理範囲内か洗浄指示かを表示か
ら適宜選ばれる。
(入力手段)を設けて、データを設定するようにでき
る。データ設定手段は、特に可変データを入力するため
に使用され、このようなデータの変更は、洗浄指示用設
定値ΔAs及び管理用設定値ΔAcの設定があり、ある
いは上記式(1)中の重み係数a、bの変更がある。こ
れらの設定データは、多くの場合は、同じ床面の面域に
ついては、多数回の測定時に亘って、一定とされるのが
好ましいが、これらのデータは、光沢床面の環境に適し
た数値に変更することができることもまた必要となる。
に、データについての日付と床面を特定するための符号
・記号が、入力される。さらに、複数の床面について、
特に複数の建物における多数の床面の管理を行なうに
は、これら日付と記号の設定、または記録されたこれら
符号の呼出しが、光沢度測定の度になされる。
は、光沢度計2を携帯型とし、中央処理部1と表示装置
5を含むコンピュータとは別体として、構成し、両者間
を有線若しくは無線で接続してデータ交換を行なうよう
にしたシステムが採用できる。
は、光沢度計を含めた一体型で、好ましくは携帯型が利
用され、所望任意の位置の床面に載置するだけで、光沢
度が逐次測定され、上記の計算を実施し且つ表示するも
のが好ましい。
要断面図を示すが、外凾11の底面12に透光可能な開
口部13を設け、内部暗箱にして、光沢計2を内臓する
が、発光源22に小型のランブを使用し、発光源22か
らの光を規定の角度θで照射するための照射光学系25
として収束レンズにより、開口部13に置ける底面とほ
ぼ面一の測定面に特定の光照射面域を持って集光し、反
射光を上記の規定の角度θ’で受光光学系26としての
レンズを介して受光素子23としてのシリコンフォトセ
ル)に向けるように配置されている。
としてのマイクロプロセッサが内蔵され、外凾10の上
面側に表示装置5としての液晶ディスプレー50が、装
着され、表示データが見えるようになっている。
測定目的の床材9の表面に載置するだけで、照射光が、
床材9の表面に照射されその反射光が、受光素子23に
より受光されて、電気信号に変換され、電子回路によ
り、光沢度のデータにし、中央処理部1に送られ、上記
に説明したように、処理される。
発現させる弾性床材として塩化ビニール系床材を使用し
た床面について実施した清掃管理方法に使用したデータ
を示すが、光沢度の測定は、初期の表面維持剤(ワック
ス)塗布直後の最初n=1の光沢度測定から大よそ1週
間間隔で実施された。光沢床面に対して、4箇所の測定
点で光沢度測定がされた。
(n1=1〜5)、最大値Gnと最小値gn、汚れ指標
An、経時的に一様に低下しており、比較値An1−A
1が6%を越えた時点n=5で、洗浄とワックス掛けが
なされた。
沢度測定を行ない、さらに1週間間隔で、光沢度測定が
繰り返された。この例では、比較値An2−A1が10
%を越えた時点n2=5で、2回目の洗浄とワックス掛
けがなされた。このワックス掛けの直後に、直後に(n
3=1)、光沢度測定を行ない、その後、図示しない
が、同様にほぼ1週間間隔で、光沢度測定が繰り返され
た。
任意の複数の測定点における光沢度を測定することを経
時的に繰り返し、測定時点nでの該複数の光沢度の測定
値の最大値Gnと最小値gnとを求めて、上記式(1)
又は式(2)の関係から求めた汚れ指標Anをもって、
汚れ度合いを数値判断するので、汚れ度合いの判断に個
人的な誤差が関与する余地が少なく、客観的に判断で
き、光沢床面の合理的な清掃管理を実施することができ
る。さらに、式(1)と(2)とは、適度な重み係数を
選択することにより、光沢床面に汚れの大きい場所と小
さい場所が混在するような清掃管理が不適切な床面にお
いても、汚れ指標Anを利用して、汚れ度合いを数値化
でき、清掃管理を適切化することができる。
nが予め設定した所定の設定値以上に達した時点nを光
沢床面の回復清掃要求時点とするようにすれば、回復清
掃をすべき時点についての個人的な判断によらず、特
に、恣意的な判断によらず、適切な時期に回復清掃を実
施し、光沢床面をきれいな状態を常に保持することがで
きる。特に、交通量の大きい地点と小さい地点とを選ん
で光沢度測定して、2点計測法により、比較的広い面域
の光沢面の汚れを数値化、指標化でき、光沢度計測時間
の短縮に有効である。
741に規定する光沢度の測定法に準拠してなされるよ
うにすれば清掃管理方法の信頼性を高めることができ
る。
面上の光沢度を測定する光沢度計と、光沢度のデータの
最大値Gnと最小値gnとから上記式(1)又は式
(2)により、汚れ指標Anを算出する演算部を備えた
中央処理部と、を備えるので、汚れ度合いの測定とその
データの処理管理を自動化と効率化できる。
上に達した時点nを回復清掃要求時点とし、上記の表示
部が、回復清掃の要否を表示するようにすれば、回復清
掃を開始する時期についての個人的な判断によらず、特
に、恣意的な判断によらず、適切な時期に回復清掃を実
施し、光沢床面をきれいな状態を常に保持することがで
きる。光沢床面には、表面維持剤により光沢を発現させ
る弾性床材を使用した床面とすれば、本発明の装置は、
そのような床面での光沢の測定とその維持に有効であ
る。
定する光沢度測定法に準拠して光沢度測定をするものと
すれば、装置の信頼性を高めることができる。
部及び表示部とを一体にされた可搬型装置とすれば、光
沢床面のどこでも測定でき、清掃管理に寄与するするこ
とができる。
処理部に入力するための入力部を備えて、上記の重み係
数aや上記比較値A1−Anと対比すべき設定値を、適
宜設定するようにすれば、清掃管理装置は、光沢床面の
使用環境に応じた最適の数値を入力して、汚れ度合いの
適切な表現と、それによる回復清掃要求時点の指示によ
り、適切に清掃をすることができる。
推移のシミュレーション結果を示すグラフ。
推移を示す図1と同様図。
推移を示す図1と同様図。
図。
型装置の模式的断面図。
タの推移を示すグラフ。
Claims (13)
- 【請求項1】 任意の清掃面域の光沢床面上の任意の複
数の測定点における光沢度を測定することを経時的に繰
り返し、測定時点nでの該複数の光沢度の測定値の最大
値Gnと最小値gnとを求めて、次の式(1)により、
汚れ指標Anを算出し、汚れ指標Anをもって清掃管理
を行なう光沢床面の清掃管理方法 An=√{Gn 2−a(Gn−gn)2 } ・・・・・・・・・(1) [ここで、aは重み係数である]。 - 【請求項2】 上記式(1)に代えて、式(2)を使用
する請求項2に記載の清掃管理方法 An=√{Gn 2−a(Gn−gn)2−b(gn−g1)2}・・・(2) [ここで、aとbとは重み係数であり、g1は最小値g
nの初期値である]。 - 【請求項3】 汚れ指標Anが、初期値A1と比較し
て、比較値A1−Anが予め設定した所定の設定値以上
に達した時点nを光沢床面の回復清掃要求時点とするよ
うにした請求項1または2に記載の清掃管理方法。 - 【請求項4】 光沢床面が、表面維持剤により光沢を発
現させる弾性床材を使用した床面である請求項1ないし
3いずれかに記載の清掃管理方法。 - 【請求項5】 光沢度の測定が、JIS Z8741に
規定する光沢度の測定法に準拠してなされる請求項1な
いし4にいずれかに記載の清掃管理方法。 - 【請求項6】 任意の清掃面域の光沢床面上の任意の複
数の測定点における光沢度を測定することを経時的に繰
り返して光沢床面の清掃管理を行なう清掃管理装置であ
って、 清掃管理装置が、光沢床面上の光沢度を測定する光沢度
計と、 光沢度計により測定した複数の測定点における光沢度の
データから、最大値G nと最小値gnとを求めて、次の
式(1)により、汚れ指標Anを算出する演算部を備え
た中央処理部と、該汚れ指標Anを表示する表示部と、
光沢度のデータおよび設定データを記録するための記憶
部と、を備えた光沢床面の清掃管理装置 An=√{Gn 2−a(Gn−gn)2 } ・・・・・・・・・(1) [ここで、aは重み係数である]。 - 【請求項7】 上記式(1)に代えて、式(2)を使用
する請求項6に記載の清掃管理装置 An=√{Gn 2−a(Gn−gn)2−b(gn−g1)2}・・・(2) [ここで、aとbとは重み係数であり、g1は最小値g
nの初期値である]。 - 【請求項8】 上記の演算部が、汚れ指標Anを初期値
A1と比較して、比較値An−A1を算出し、比較値A
1−Anが所定の設定値以上に達した時点nを回復清掃
要求時点とし、上記の表示部が、回復清掃の要否を表示
するようにした請求項6または7に記載の清掃管理装
置。 - 【請求項9】 光沢床面が、表面維持剤により光沢を発
現させる弾性床材を使用した床面である請求項6ないし
8いずれかに記載の清掃管理装置。 - 【請求項10】 上記光沢度計が、JIS Z8741
に規定する光沢度測定法に準拠して光沢度測定をする請
求項6ないし9いずれかに記載の清掃管理装置。 - 【請求項11】 清掃管理装置が、上記の光沢度計と、
中央処理部及び表示部と、を一体にされた可搬型装置で
ある請求項6ないし10いずれかに記載の清掃管理装
置。 - 【請求項12】 清掃管理装置が、設定すべきデータを
中央処理部に入力するための入力部を備え、上記の重み
係数aを設定する請求項6ないし11いずれかに記載の
清掃管理装置。 - 【請求項13】 清掃管理装置が、設定すべきデータを
中央処理部に入力するための入力部を備え、上記比較値
A1−Anと対比すべき設定値を設定するようにした請
求項6ないし12いずれかに記載の清掃管理装置。
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---|---|---|---|
JP2001124217A JP3442746B2 (ja) | 2001-04-23 | 2001-04-23 | 光沢床面の清掃管理方法とその装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002318203A true JP2002318203A (ja) | 2002-10-31 |
JP3442746B2 JP3442746B2 (ja) | 2003-09-02 |
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---|---|---|---|---|
JP2007333737A (ja) * | 2006-06-16 | 2007-12-27 | Rohm & Haas Co | 表面における応力の発生 |
US8192504B2 (en) | 2007-03-09 | 2012-06-05 | Rohm And Haas Company | Cationic polymer latex |
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- 2001-04-23 JP JP2001124217A patent/JP3442746B2/ja not_active Expired - Fee Related
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