JP2002317856A - 耐摩耗チェーン - Google Patents

耐摩耗チェーン

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JP2002317856A JP2001121311A JP2001121311A JP2002317856A JP 2002317856 A JP2002317856 A JP 2002317856A JP 2001121311 A JP2001121311 A JP 2001121311A JP 2001121311 A JP2001121311 A JP 2001121311A JP 2002317856 A JP2002317856 A JP 2002317856A
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公嗣 上野
Hiroshi Nishimura
寛 西村
Mikio Sasaoka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピンとブシュとの摺動部分などにおける摩耗
を低減し、チェーン寿命を向上させること。 【解決手段】 ブシュ11の両端がそれぞれ一対の内プ
レート12のブシュ孔12aに嵌着固定され、前記ブシ
ュ11内に回転自在に嵌挿されたピン13の両端が一対
の内プレート12の両外側に配置された一対の外プレー
ト14のピン孔14aに嵌着固定されているチェーンに
おいて、前記ブシュ11の内周面と前記ピン13の外周
面に溶射層11a、溶射層13aをそれぞれ形成する。
これにより、ブシュ11とピン13の摺動部分の摩耗が
低減し、チェーンの寿命が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝達機構ある
いは搬送機構などに用いられるブシュドチェーンやロー
ラチェーンに関し、ブシュとピン、及び/又は、ブシュ
とローラの摺動部分における摩耗を防止して、チェーン
寿命を向上させた耐摩耗チェーンである。
【0002】
【従来の技術】従来のチェーン、例えば、ブシュドチェ
ーンは、円筒状のブシュの両端部がそれぞれ一対の内プ
レートのブシュ孔に嵌着固定され、前記ブシュ内に回転
自在に嵌挿されたピンの両端が前記一対の内プレートの
両外側に配置された一対の外プレートのピン孔に嵌着固
定されてなる。また、従来のローラチェーンは、ブシュ
ドチェーンのブシュにローラを回転自在に外嵌して構成
している。この種のチェーンでは、ローラ内周面とブシ
ュ外周面との摺動部分やブシュ内周面とピン外周面との
摺動部分において摩耗が生じ、それがチェーン寿命を縮
める原因の一つとなっている。そこで、このローラ内周
面とブシュ外周面との摺動部分における摩耗を軽減して
チェーン寿命を向上させるために、図6に示すように、
セラミックス等の溶射層を溶射加工が容易なブシュ21
の外周面に設けることが知られている(特開昭61−4
6772号公報、特開昭61−46773号公報、特開
昭61−46774号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ブシュ21の外周面に溶射層を形成したローラチェーン
においても、依然としてローラ26の内周面とブシュ2
1の外周面との摺動部分において摩耗が発生し、ローラ
26の内周面とブシュ21外周面の間の隙間が大きくな
り、チェーン寿命が期待するほど伸びないという厄介な
問題が生じていた。
【0004】本発明の発明者らが、チェーンにおける摩
耗の原因を鋭意究明したところ、以下のことが判明し
た。ブシュ21の外周面に溶射層21bを設けた場合、
摺動部分を構成する相手部材であるローラ26の内周面
の硬度が前記溶射層21bの硬度と比較して低いため、
この溶射層21bとの摺動によってローラ26の内周面
が著しく摩耗する。その結果、ローラ内周面とブシュ外
周面の間の隙間が大きくなり、チェーンピッチが不規則
となり、チェーンのガタなどに不具合が生じるとともに
チェーン寿命を早期に低下させる原因となっていた。
【0005】また、ピン23の外周面に溶射層を設ける
場合にも、ピン23の外周面とブシュ21の内周面の摺
動部分において、上記と同じような摩耗の原因が存在す
ることが判明した。
【0006】そこで、本発明の目的は、ブシュ内周面と
ピン外周面との摺動部分やローラ内周面とブシュ外周面
との摺動部分における摩耗を低減し、これに起因する不
具合を解消するとともにチェーン寿命の長い耐摩耗チェ
ーンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、ブシュの両端がそれぞれ一対の内プレートのブ
シュ孔に嵌着固定され、前記ブシュ内に回転自在に嵌挿
されたピンの両端が前記一対の内プレートの両外側に配
置された一対の外プレートのピン孔に嵌着固定されてい
るチェーンにおいて、前記ブシュの内周面と前記ピンの
外周面の双方に溶射層を形成したことにより、前記課題
を解決するものである。
【0008】本発明の請求項2に係る発明は、ブシュに
ローラが回転自在に外嵌され、前記ブシュの両端がそれ
ぞれ一対の内プレートのブシュ孔に嵌着固定され、前記
ブシュ内に回転自在に嵌挿されたピンの両端が前記一対
の内プレートの両外側に配置された一対の外プレートの
ピン孔に嵌着固定されているチェーンにおいて、前記ロ
ーラの内周面と前記ブシュの外周面の双方、及び/又
は、前記ブシュの内周面と前記ピンの外周面の双方に溶
射層を形成したことにより、前記課題を解決するもので
ある。
【0009】本発明の請求項3に係る発明は、前記請求
項1又は2に記載の構成に加えて、あらかじめ両端部に
向けて拡径するように内面加工した鼓み状の内周面に、
溶射後の内面形状がチェーン幅方向に面一の線接触状態
となるような溶射層を形成したことによって、前記課題
をより一層、解決するものである。
【0010】本発明の請求項4に係る発明は、前記請求
項1又は2に記載の構成に加えて、あらかじめ両端部に
向けて僅かに拡径するように内面加工した鼓み状の内周
面に、鼓み状の内面形状が残存するように溶射層を形成
させたことによって、前記課題をさらに解決するもので
ある。
【0011】ここで、請求項3及び請求項4で言う鼓み
状の内周面とは、両端部に向けて拡径するように内面加
工して得られる内面形状を意味し、その具体的な内面形
状は、中央部から両端部に向けて拡径するテーパー状の
内面形状、もしくは、中央部から両端部に向けて拡径す
る円弧状の内面形状のいずれであっても構わない。
【0012】本発明の溶射層に適用できる材料として
は、摺動部分の耐摩耗性を向上し得る材料であれば、い
かなる材料であっても良く、例えば、WC−Coをはじ
め、TiO2、Al2O3、ZrO2等、各種の溶射材
料を適用することができる。
【0013】
【作用】本請求項1に係る発明の耐摩耗チェーンによれ
ば、ピン外周面とブシュ内周面の双方に溶射層が形成さ
れているために、摺動部分を形成するピン外周面とブシ
ュ内周面の硬度が高くなり、摩耗の一因となる低い硬度
部分の存在がなくなるので、ピン外周面とブシュ内周面
との摺動部分の双方に溶射加工をしていない従来品に比
べ、ピン外周面とブシュ内周面との摺動部分の摩耗を低
減せしめ、この摺動部分が長期にわたって円滑に摺動屈
曲する。
【0014】本請求項2に係る発明の耐摩耗チェーンに
よれば、ローラ内周面とブシュ外周面の双方、及び/又
は、ブシュ内周面とピン外周面の双方に溶射層を形成さ
れているために、摺動部分を形成するローラ内周面とブ
シュ外周面、及び/又は、ブシュ内周面とピン外周面の
硬度が高くなり、摩耗の一因となる摺動部分の低い硬度
部分の存在がなくなるので、ブシュ外周面のみに溶射層
を設けていた従来品に比べ、摺動部分の摩耗を低減せし
め、ローラ内周面とブシュ外周面との摺動部分、及び/
又は、ブシュ内周面とピン外周面との摺動部分が、これ
らの摺動部分が長期にわたって円滑に摺動屈曲する。
【0015】本請求項3に係る発明の耐摩耗チェーンに
よれば、前記請求項1又は2に記載の発明が奏する作用
に加えて、チェーン組み立て前のローラ内周面やブシュ
内周面がこれらの両端部に向けて拡径しているため、溶
射加工が内周面に向けて施し易く、しかも、溶射加工し
たローラ内周面やブシュ内周面に、別途の仕上げ加工を
行うことなく、チェーン幅方向に面一の線接触状態とな
る平滑な溶射層を形成することができ、摺動部分の摩耗
を低減せしめ、チェーンが長期にわたって円滑に摺動屈
曲する。
【0016】本請求項4に係る発明の耐摩耗チェーンに
よれば、前記請求項1又は2に記載の発明が奏する作用
に加えて、あらかじめ両端部に向けて僅かに拡径するよ
うに内面加工した鼓み状の内周面に、鼓み状の内面形状
が残存するように溶射層を形成することができるので、
摺動部分へ潤滑油が流入し易くなり、また、摩耗粉が生
じても迅速に外部に排出されるため、チェーンが長期に
わたって円滑に摺動屈曲する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態につ
いて、それぞれ以下のとおり、図面に基づいて説明す
る。
【0018】図1は、本発明の第1実施例である耐摩耗
チェーンの断面図を示している。本実施例の耐摩耗チェ
ーン10は、ブシュ11の両端が一対の内プレート1
2,12のブシュ孔12a,12aにそれぞれ嵌着固定
されているとともに、前記ブシュ11内に回転自在に嵌
挿されたピン13の両端が前記一対の内プレート12,
12の両外側に配置された一対の外プレート14,14
のピン孔14a,14aに嵌着固定された、所謂、ブシ
ュドチェーンである。なお、図1における符号15は、
外プレート14を抜け止めするための抜け止めピン挿入
孔である。そして、前記ブシュ11の内周面とピン13
の外周面には、スプレー方式溶射法を用いて溶射層11
aと溶射層13aをそれぞれ形成することによって、チ
ェーンが屈曲する際の摺動部分として機能するブシュ1
1の内周面とピン13の外周面の硬度を高くして、摩耗
の一因となる摺動部分の低い硬度部分の存在がなくなる
ようになっている。
【0019】また、前記ブシュ11の内周面に形成する
溶射層11aは、チェーン組み立て前の部品段階でブシ
ュ11の外側から、その内周面に向けて溶射ガンによる
溶射加工を行うため、この溶射ガンに近い内周面の両端
部が中央部に比べて、溶射層の厚みが厚くなっている場
合があるが、このような場合には研磨加工等の仕上げ加
工を施して円滑な摺動性を確保することができる。他
方、前記ピン13の外周面に形成する溶射層13aは、
ピン13の全面に溶射加工して形成することも可能だ
が、外プレート14のピン孔14aに対するピン13の
嵌着固定部に溶射層が存在すると、この嵌着固定部での
嵌着力が低下するため、ピン13の嵌着固定部をマスキ
ングしてブシュ11の内周面との摺動部分にのみ溶射層
を形成する方が格段に良い。
【0020】図2は、本発明の第2実施例である耐摩耗
チェーンの断面図を示している。本第2実施例の耐摩耗
チェーン20は、ブシュ21の両端が一対の内プレート
22,22のブシュ孔22a,22aにそれぞれ嵌着固
定されているとともに、前記ブシュ21内に回転自在に
嵌挿されたピン23の両端が前記一対の内プレート2
2,22の両外側に配置された一対の外プレート24,
24のピン孔24a,24aに嵌着固定され、さらに、
前記ブシュ21にローラ26が回転自在に外嵌された、
所謂、ローラチェーンである。なお、図1における符号
25は、外プレートを抜け止めするための抜け止めピン
挿入孔である。そして、前記ブシュ21の外周面、ロー
ラ26の内周面には、スプレー方式溶射法を用いて溶射
層21b、溶射層26aをそれぞれ形成することによっ
て、チェーンが屈曲する際の摺動部分として機能するロ
ーラ26の内周面とブシュ21の外周面の硬度を高くし
て、摩耗の一因となるこれらの摺動部分の低い硬度部分
をなくするようになっている。
【0021】また、前記ブシュ21やローラ26の内周
面に形成する溶射層は、チェーン組み立て前の部品段階
でブシュやローラの外側から、その内周面に向けて溶射
ガンによる溶射加工を行うため、溶射ガンに近い当該内
周面の両端部が中央部に比べて、溶射層の厚みが厚くな
っている場合があるが、このような場合には研磨加工等
の仕上げ加工を施して円滑な摺動性を確保することがで
きる。他方、前記ブシュ21の外周面に形成する溶射層
21bや外周面ピン23の外周面に形成する溶射層23
aは、ブシュ21やピン23の全面に溶射加工すること
も可能だが、内プレート22のブシュ孔22aに対する
ピン23の嵌着固定部や外プレート24のピン孔24a
に対するピン23の嵌着固定部に溶射層が存在すると、
これらの嵌着固定部での嵌着力が低下するため、ブシュ
21やピン23の嵌着固定部をマスキングして摺動部分
にのみ溶射層を形成する方が格段に良い。
【0022】このようして得られた耐摩耗性のローラチ
ェーンと従来品を次のイ〜ハの前提条件下にて耐摩耗性
試験を行った。 イ. ブシュとローラの面圧: 7.06kgf/cm2 ロ. 摺動速度 : 8.18m/min ハ. 回転数 : 1000000回転 ニ. 試験時間 : 172時間 本発明品:ブシュの仕様 SCM435+外周溶射(HVAF法、200μm) ローラの仕様 SCM435+内周溶射(HVOF法、300μm) 従来品 :ブシュの仕様 SCM435+外周溶射(HVAF法、200μm) ローラの仕様 SCM435焼入
【0023】上記の耐摩耗性試験の結果を次に比較して
示す。 これらの試験結果から明らかなように、ブシュ21の外
周面とローラ26の内周面の双方に溶射層21b,26
aを設けた本発明品は、ブシュ21の外周面のみに溶射
層21bを設けた従来品に比べて、きわめて摩耗量が小
さく、特に、ブシュ21の摩耗量が半減してチェーン寿
命を著しく向上させている。
【0024】図3は、本発明の第3実施例である耐摩耗
チェーンの断面図である。そこで、本第3実施例のロー
ラチェーン20の場合は、ローラ26の内周面に溶射層
26aを形成する前に、ローラ26の内周面をあらかじ
め鼓み状の内面加工を施しているほかは、前述した第2
実施例と同じようなチェーン構造を備えているので、こ
こではその説明を省略する。このようにして得られた本
実施例のローラチェーンでは、チェーン組み立て前のロ
ーラ内周面やブシュ内周面がこれらの両端部に向けて拡
径しているため、溶射加工が内周面に向けて施し易く、
ローラ26やブシュ21等、内径の小さな円筒形部材の
内面であっても面一状態の平滑な溶射層26aを簡便に
形成することができる。しかも、ローラ26の内周面の
両端部と中央部の間で生じていた溶射層厚の差に相当す
る厚み分だけ、この内周面が軸方向中央部から両端部に
向けてテーパー状に拡径した鼓み状の内面加工を施すこ
とにより、溶射加工後に別途仕上げ加工を行うことな
く、チェーン幅方向に面一の線接触状態の溶射層26a
を形成することができる。そのため、ローラ内周面とブ
シュ外周面の間で生じていた偏摩耗を回避することがで
き、チェーン寿命が一層向上した。
【0025】図4は、本発明の第4実施例である耐摩耗
チェーンの断面図である。そこで、本第4実施例のロー
ラチェーン20の場合は、内周面の拡径加工を、ローラ
26の内周面の両端部と中央部の間で生じていた溶射層
厚の差に相当する厚み分以上に行い、鼓み状の内面形状
が残存するように溶射層を形成したほかは、前述した第
3実施例と同じようなチェーン構造を備えているので、
ここではそのチェーン構造の説明を省略する。このよう
にして得られた本第4実施例のローラチェーンでは、鼓
み状の内面形状が残存するように溶射層を形成したた
め、ローラ26の内周面とブシュ21の外周面との摺動
部分の両端において隙間Sができるので、この隙間Sか
ら摺動部分へ潤滑油が流入し易くなってチェーンの潤滑
特性が向上するとともに、この摺動部分に摩耗粉が生じ
ても迅速に外部に自己排出されるという更なる効果が生
じる。
【0026】図5は、本発明の第5実施例である耐摩耗
チェーンの断面図である。そこで、本第5実施例のロー
ラチェーン20の場合は、ローラ26の内周面とブシュ
21の外周面の双方、及び、ブシュ21の内周面とピン
23の外周面の双方に溶射層を形成している。このよう
にして得られた本第5実施例のローラチェーンでは、ロ
ーラ内周面とブシュ外周面の双方のみならず、ブシュ内
周面とピン外周面の双方にも溶射層が設けらているため
に、ブシュ21とピン23の摺動部分も、従来のチェー
ンに比べて、その摩耗が著しく減少してチェーン寿命が
更に一層向上した。
【0027】以上のような各実施例において、本発明の
好ましい実施の形態について説明したが、これに限定さ
れるものではない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る耐摩
耗チェーンは、摺動部分における摩耗を著しく減少させ
ることができ、チェーン寿命を向上させることができる
ものであって、特に、以下のような本発明特有の効果を
奏する。
【0029】本請求項1に係る発明の耐摩耗チェーンに
よれば、ピン外周面とブシュ内周面の双方に溶射層が形
成されているために、摺動部分を形成するピン外周面と
ブシュ内周面の硬度が高くなり、ブシュ外周面のみに溶
射層を設けていた従来品に比べ、摺動部分の摩耗が低減
し、ブシュドチェーンとして耐摩耗性を長期に亙って確
保することができ、チェーン寿命が向上する。
【0030】本請求項2に係る発明の耐摩耗チェーンに
よれば、ローラ内周面とブシュ外周面の双方、及び/又
は、ブシュ内周面とピン外周面の双方に溶射層が形成さ
れているために、摺動部分を形成するローラ内周面とブ
シュ外周面、及び/又は、ピン外周面とブシュ内周面の
硬度が高くなり、ブシュ外周面のみに溶射層を設けてい
た従来品に比べ、ローラ内周面とブシュ外周面との摺動
部分やピン外周面とブシュ内周面との摺動部分における
摩耗が低減し、ローラチェーンとして耐摩耗性を長期に
亙って確保することができ、チェーン寿命が向上する。
【0031】本請求項3に係る発明の耐摩耗チェーンに
よれば、前記請求項1又は2に記載の発明が奏する効果
に加えて、ローラ内周面やブシュ内周面に、別途の仕上
げ加工を行うことなく、チェーン幅方向に面一の線接触
状態の平滑な溶射層を形成することができ、摺動部分に
おける支軸方向の偏摩耗を低減せしめ、チェーン寿命が
一層向上する。また、チェーン組み立て前のローラ内周
面やブシュ内周面がこれらの両端部に向けて拡径してい
るため、溶射加工が内周面に向けて施し易く、ローラや
ブシュ等、内径の小さな円筒形部材の内面であってもチ
ェーン幅方向に面一状態の平滑な溶射層を形成すること
ができ、その製造上の効果もきわめて大きい。
【0032】本請求項4に係る発明の耐摩耗チェーンに
よれば、前記請求項1又は2に記載の発明が奏する効果
に加えて、あらかじめ両端部に向けて僅かに拡径するよ
うに内面加工した鼓み状の内周面に、鼓み状の内面形状
が残存するように溶射層を形成させたことによって、ロ
ーラ内周面やブシュ内周面に、別途の仕上げ加工を行う
ことなく、鼓み状の溶射層を形成することができ、摺動
部分へ潤滑油が流入し易くなり潤滑特性が向上するとと
もに、摩耗粉が生じても迅速に外部に排出されるため、
ブシュ外周面のみに溶射層を設けていた従来品に比べ、
チェーン寿命が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例である耐摩耗チェーンの
断面図。
【図2】 本発明の第2実施例である耐摩耗チェーンの
断面図。
【図3】 本発明の第3実施例である耐摩耗チェーンの
断面図。
【図4】 本発明の第4実施例である耐摩耗チェーンの
断面図。
【図5】 本発明の第5実施例である耐摩耗チェーンの
断面図。
【図6】 従来のローラチェーンの断面図。
【符号の説明】
10 ・・・ 耐摩耗性チェーン(ブシュドチェーン) 20 ・・・ 耐摩耗性チェーン(ローラチェーン) 11,21 ・・・・・ ブシュ 11a,21a ・・・ ブシュ内周面の溶射層 11b,21b ・・・ ブシュ外周面の溶射層 12,22 ・・・・・ 内プレート 12a,22a ・・・ 内プレートのブシュ孔 13,23 ・・・・・ ピン 13a,23a ・・・ ピン外周面の溶射層 14,24 ・・・・・ 外プレート 14a,24a ・・・ 外プレートのピン孔 15,25 ・・・・・ 抜け止めピン挿入孔 26 ・・・ ローラ 26a ・・ ローラ内周面の溶射層 S ・・・・ 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 公嗣 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内 (72)発明者 西村 寛 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内 (72)発明者 笹岡 幹夫 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内 Fターム(参考) 4K031 AA02 AB02 CB08 CB09 CB21 CB42 CB43 CB45

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブシュの両端がそれぞれ一対の内プレー
    トのブシュ孔に嵌着固定され、前記ブシュ内に回転自在
    に嵌挿されたピンの両端が前記一対の内プレートの両外
    側に配置された一対の外プレートのピン孔に嵌着固定さ
    れているチェーンにおいて、前記ブシュの内周面と前記
    ピンの外周面の双方に溶射層を形成したことを特徴とす
    る耐摩耗チェーン。
  2. 【請求項2】 ブシュにローラが回転自在に外嵌され、
    前記ブシュの両端がそれぞれ一対の内プレートのブシュ
    孔に嵌着固定され、前記ブシュ内に回転自在に嵌挿され
    たピンの両端が前記一対の内プレートの両外側に配置さ
    れた一対の外プレートのピン孔に嵌着固定されているチ
    ェーンにおいて、前記ローラの内周面と前記ブシュの外
    周面の双方、及び/又は、前記ブシュの内周面と前記ピ
    ンの外周面の双方に溶射層を形成したことを特徴とする
    耐摩耗チェーン。
  3. 【請求項3】 あらかじめ両端部に向けて僅かに拡径す
    るように内面加工した鼓み状の内周面に、溶射後の内面
    形状がチェーン幅方向に面一の線接触状態となるような
    溶射層を形成したことを特徴とした請求項1又は2に記
    載の耐摩耗チェーン。
  4. 【請求項4】 あらかじめ両端部に向けて僅かに拡径す
    るように内面加工した鼓み状の内周面に、鼓み状の内面
    形状が残存するように溶射層を形成させたことを特徴と
    した請求項1又は2に記載の耐摩耗チェーン。
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WO2012175215A1 (de) * 2011-06-24 2012-12-27 Renold Gmbh Rollenkette
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DE102018207790A1 (de) * 2018-05-17 2019-11-21 HighTechCOM GmbH Glied für eine Antriebskette, Kettenrad, Antriebskette und Fahrrad

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