JP2002316959A - ビシナルジオール化合物の製造法 - Google Patents

ビシナルジオール化合物の製造法

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JP2002316959A
JP2002316959A JP2001116403A JP2001116403A JP2002316959A JP 2002316959 A JP2002316959 A JP 2002316959A JP 2001116403 A JP2001116403 A JP 2001116403A JP 2001116403 A JP2001116403 A JP 2001116403A JP 2002316959 A JP2002316959 A JP 2002316959A
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diol compound
activated alumina
isomers
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JP2001116403A
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Hitoshi Fujimura
整 藤村
Takashi Honma
貴志 本間
Kikuo Ataka
喜久雄 安宅
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 【本発明が解決しようとする課題】触媒の分離が容易
で、温和な条件下、不純物の生成が少ないエポキシ化合
物から相当するビシナルジオール化合物の製造法を提供
する。 【解決手段】エポキシ化合物に入手が容易な活性アルミ
ナと水とを接触させることを特徴とするビシナルジオー
ル化合物の製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汎用化学品、医農
薬原体の中間体として重要なビシナルジオール化合物の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビシナルジオール化合物の製造方法とし
ては、鉱酸触媒の存在下、対応するエポキシ化合物の水
和反応により合成できることは広く知られている(例え
ばAdvanced Organic Chemisr
y; 3rd Ed.; P232, Wiley:
New York 1985.)。しかし、これらの方
法では、硫酸、過塩素酸などの強い酸を触媒とするた
め、対腐食性の反応装置の使用や、均一系の反応のた
め、触媒の中和や分離工程が必要である。さらに、反応
温度が比較的高いため、用いるエポキシ化合物によって
は、生成するジオールの脱水反応や、中間体である炭素
陽イオンの転移反応によりビシナルジオール化合物以外
のジオールや骨格転移をともなった生成物が副生する場
合がある(例えばNeftekhimiya, 199
9, 456)。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、不均一反
応により触媒の分離が容易で、温和な条件下、不純物の
生成が少ないビシナルジオール化合物の製造方法を提案
する。
【0004】
【課題を解決するのための手段】本発明者らは鋭意検討
した結果、エポキシ化合物に入手が容易な活性アルミナ
と水とを接触させることにより、対応するビシナルジオ
ール化合物を非常に高い選択率で製造できることを見い
だし、本発明に至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する活性アルミナは、共立出版社の化学大
辞典に記載されているような、吸着力の特に強いアルミ
ナであり、通常のアルミナを180℃以上、好ましくは
180〜320℃で加熱させ吸着気体を放出したもので
ある。これら活性アルミナは、上記条件下で調整したも
のを使用しても、市販品をそのまま使用することも何ら
問題はない。市販品の活性アルミナの具体例としては、
ICN社(旧Woelm)社製ブロックマングレードS
uperIが挙げられる。
【0006】本発明で実施するエポキシ化合物、水およ
び活性アルミナの接触方法は、特に制限はされない。例
えば、エポキシ化合物、水および活性アルミナを有機溶
媒に順不同で加えることも何ら問題はないが、予め水と
活性アルミナを接触させた後に、エポキシ化合物を加え
て接触させる方法が好ましい。
【0007】水の使用量は、用いる活性アルミナに対し
0.05〜5wt%が望ましく、より好ましくは0.4
〜4wt%、さらに好ましくは0.5〜2wt%であ
る。水の使用量が余りに多いと、反応が進行しづらくな
る。
【0008】活性アルミナの添加量としては、エポキシ
化合物1mmolに対し、3g以上であれば特に問題は
ないが、好ましくはエポキシ化合物1mmolに対して
5〜10gである。。
【0009】本発明では、エポキシ化合物を溶媒として
使用することも可能であるが、通常は、炭化水素化合物
を有機溶媒として使用し、接触反応を行う。使用する有
機溶媒としては、炭素数5〜12の脂肪族炭化水素類、
炭素数1〜4の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、炭素数6
〜8の芳香族炭化水素類、炭素数6〜8の芳香族ハロゲ
ン化炭化水素類が挙げられ、これらは単独でも混合して
使用することも可能である。炭素数5〜12の脂肪族炭
化水素類の具体例としては、ペンタン、シクロペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプ
タン、オクタン、シクロオクタン、ノナン、デカン、シ
クロデカン、ウンデカン、シクロウンデカン、ドデカ
ン、シクロドデカンおよびそれらの構造異性体が挙げら
れ、ハロゲン原子(フッソ、塩素、臭素およびヨウ素)
を含む炭素数1〜4の脂肪族ハロゲン化炭化水素類の具
体例としては、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロ
ロプロパン、ジクロロブタン等が挙げられる。炭素数6
〜8芳香族の炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、
トルエン、キシレン(オルト、メタ、パラ)が挙げら
れ、ハロゲン原子(フッソ、塩素、臭素およびヨウ素)
を含む炭素数6〜8の芳香族ハロゲン化炭化水素類の具
体例としてはクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロ
ロトルエン、クロロキシレンが挙げられる。
【0010】本発明の接触反応条件の一つである反応圧
力に関しては、特に制限がなく、常圧でも加圧でも良
い。しかし、操作性の容易な常圧で反応を行うことが望
ましい。
【0011】本発明の接触反応条件の一つである反応温
度は、使用する有機溶媒の沸点以上でも可能であるが、
通常は使用する有機溶媒の沸点以下である。好ましくは
0℃〜有機溶媒の沸点温度、より好ましくは10℃〜有
機溶媒の沸点温度である。反応温度が余りに高いと副生
物が増加する傾向が認められる。
【0012】有機溶媒の使用量としては、特に制限はな
いが、活性化アルミナとスラリーを形成する程度の溶媒
量があれば良い。
【0013】本発明で使用するエポキシ化合物は、一般
式(1)で示される化合物である。
【化2】 ここで、(式中、R1,R2,R3,R4は水素原子、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基
を表し、それぞれ同一であっても異なっていても良い。
またR1,R2,R3,R4の中から選ばれた任意の2つの
基が結合して環を形成していても良い。また前記の
1、R2、R3、R4で示される置換基は、その炭素原子
に結合している水素原子が、ハロゲン原子、アルキル
基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、ニトロ基、シアノ基又はジアルキルアミノ
基等で更に置換されていても良い。)
【0014】より詳細には、前記の一般式(1)につい
て式中、R1,R2,R3,R4は水素、炭素数1〜18の
アルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数5〜
8のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基で
あり、それぞれ同一であっても異なっていても良い。ま
たR1,R2,R3,R4の中から選ばれた任意の2つの基
が結合して炭素数3〜12の環(この炭素環は飽和でも
不飽和でも良い)を形成していても良い。
【0015】前記アルキル基としての具体例は、メチル
基、エチル基、プロピル基(及びその異性体)、ブチル
基(及びその異性体)、ペンチル基(及びその異性
体)、ヘキシル基(及びその異性体)、ヘプチル基(及
びその異性体)、オクチル基(及びその異性体)、ノニ
ル基(及びその異性体)、デシル基(及びその異性
体)、ウンデシル基(及びその異性体)、ドデシル基
(及びその異性体)、トリデシル基(及びその異性
体)、テトラデシル基(及びその異性体)、ペンタデシ
ル基(及びその異性体)、ヘキサデシル基(及びその異
性体)、ヘプタデシル基(及びその異性体)、オクタデ
シル基(及びその異性体)等が挙げられる。
【0016】前記アルケニル基としての具体例は、ビニ
ル基(及びその異性体)、プロペニル基(及びその異性
体)、ブテニル基(及びその異性体)、ペンテニル基
(及びその異性体)、ヘキセニル基(及びその異性
体)、ヘプテニル基(及びその異性体)、オクテニル基
(及びその異性体)が挙げられる。
【0017】前記シクロアルキル基としての具体例は、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられ
る。
【0018】前記アリール基としての具体例は、フェニ
ル基、トリル基(及びその異性体)、キシリル基(及び
その異性体)、ナフチル基(及びその異性体)、ジメチ
ルナフチル基(及びその異性体)等が挙げられる。
【0019】前記R1,R2,R3,R4の中から選ばれた
任意の2つの基が結合して形成する炭素環としての具体
例は、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペン
タン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロ
オクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロ
ウンデカン環、シクロドデカン環があげられ、これらの
環では、1〜2個の不飽和結合を含んでも良い。
【0020】また前記のR1、R2、R3、R4で示される
置換基は、その炭素原子に結合している水素原子が、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、シアノ基
又はジアルキルアミノ基等で更に置換されていても良
い。
【0021】前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0022】前記アルキル基としては、炭素数1〜2
0、特に1〜12のアルキル基が好ましく、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基(及びその異性体)、ブ
チル基(及びその異性体)、ペンチル基(及びその異性
体)、ヘキシル基(及びその異性体)、ヘプチル基(及
びその異性体)、オクチル基(及びその異性体)、ノニ
ル基(及びその異性体)、デシル基(及びその異性
体)、ウンデシル基(及びその異性体)、ドデシル基
(及びその異性体)等が挙げられる。
【0023】前記シクロアルキル基としては、特に炭素
数3〜12のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シ
クロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、
シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル基等
が挙げられる。
【0024】前記アルケニル基としては、炭素数2〜2
0、特に2〜12のアルケニル基が好ましく、例えば、
ビニル基、プロペニル基(及びその異性体)、ブテニル
基(及びその異性体)、ペンテニル基(及びその異性
体)、ヘキセニル基(及びその異性体)、ヘプテニル基
(及びその異性体)、オクテニル基(及びその異性
体)、ノネニル基(及びその異性体)、デセニル基(及
びその異性体)、ウンデセニル基(及びその異性体)、
ドデセニル基(及びその異性体)等が挙げられる。
【0025】前記アリール基としては、炭素数6〜2
0、特に6〜12のアリール基が好ましく、例えば、フ
ェニル基、トリル基(及びその異性体)、キシリル基
(及びその異性体)、ナフチル基(及びその異性体)、
ジメチルナフチル基(及びその異性体)等が挙げられ
る。
【0026】前記アラルキル基としては、特に炭素数7
〜14例えばベンジル基、フェネチル基、フェニルプロ
ピル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル基、ナフチ
ルエチル基、ナフチルプロピル基、ナフチルブチル基、
ジフェニルメチル基等が挙げられる。
【0027】前記アルコキシ基としては、特に炭素数1
〜10のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基(及びその異性体)、ブ
トキシ基(及びその異性体)、ペンタノキシ基(及びそ
の異性体)、ヘキサノキシ基(及びその異性体)、ヘプ
タノキシ基(及びその異性体)、オクタノキシ基(及び
その異性体)、ノナノキシ基(及びその異性体)、デカ
ノキシ基(及びその異性体)等が挙げられる。
【0028】前記アリールオキシ基としては、特に炭素
数6〜14のアリールオキシ基が好ましく、フェノキシ
基、トリロキシ基(及びその異性体)、キシリロキシ基
(及びその異性体)、ナフトキシ基(及びその異性
体)、ジメチルナフトキシ基(及びその異性体)等が挙
げられる。
【0029】前記ジアルキルアミノ基としては、特に炭
素数2〜10のジアルキルアミノ基が好ましく、ジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基
(及びその異性体)等が挙げられる。
【0030】一般式(1)で示されるエポキシ化合物の
具体例としては、スチレンオキシド、エチレンオキシ
ド、1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシブタ
ン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタ
ン、2,3−エポキシペンタン、1,2−エポキシ−5
−ヘキセン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポ
キシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エ
ポキシ−7−オクテン、1,2−エポキシノナン、1,
2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、
1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカ
ン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシ
ペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2
−エポキシヘプタデカン、1,2−エポキシオクタデカ
ン、9,10−エポキシオクタデカン、1,2−エポキ
シノナデカン、1,2−エポキシエイコサン、エポキシ
シクロペンタン、エポキシシクロヘキサン、エポキシシ
クロヘプタン、エポキシシクロオクタン、1,2−エポ
キシ−5−シクロオクテン、エポキシシクロデカン、エ
ポキシシクロドデカン、1,2−エポキシ−5,9−シ
クロドデカジエン、フェニルグリシジルエーテル、メチ
ルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プ
ロピルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、ブチルグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、
エピブロモヒドリン、エピフルオロヒドリン等があげら
れる。
【0031】本発明の反応終了後、触媒は、簡単に濾過
することにより除去され、得られたビシナルジオール化
合物は、反応液から蒸留あるいは結晶化等により分離・
精製される。
【0032】
【実施例】以下に実施例、および比較例を挙げて、本発
明を具体的に説明する。 (1)化合物の分析方法 使用するエポキシ化合物、得られるビシナルジオール化
合物および副生物は、ガスクロマトグラフィーにて各化
合物のファクターを同じとして面積百分率で算出定量し
た。
【0033】実施例1 エポキシシクロドデカンの水和による1,2−シクロド
デカンジオールの合成良く乾燥された3口フラスコ(5
0ml)にAr気流下、ヘキサン15ml(水分量6
4.8ppm)を加え、激しく攪拌しながら活性アルミ
ナAl23(ICN社製ブロックマングレードSupe
rI(10g))、次にH2O49ml(2.7mmo
l)を加え1時間室温で攪拌した後、エポキシシクロド
デカン0.27g(1.5mmol)を加えた。室温で
4時間攪拌後、14時間静置し、H 2O2mlを加え
て、反応を停止させた。反応終了後、テトラヒドロフラ
ン(以下THFと略記)(10ml)を加え、Al23
を吸引濾過し、更にTHF(20ml)でAl23を洗
浄した。得られた濾液をガスクロマトグラフィーにて分
析したところ、エポキシシクロドデカンは37.7モル
%残存しており、得られた1,2−シクロドデカンジオ
ールは56.9モル%であった。これは消費されたエポ
キシシクロドデカンに対し、選択率は91.3モル%に
相当する。シクロドデカノン等の副生物の総量は、5.
4モル%であった。これらの結果を表1に示した。
【0034】実施例2〜9 実施例1に準じて、活性アルミナに対する水の使用量を
変化させた時の反応結果を表1に併せて示した。
【表1】
【0035】実施例10 エポキシシクロオクタンの水和反応による1,2−シク
ロオクタンジオールの合成 良く乾燥された3口フラスコ(100ml)にAr気流
下、ヘキサン30ml(水分量64.8ppm)を加え
激しく攪拌しながら活性アルミナAl23(ICN社製
ブロックマングレードSuperI(20g))、次に
2O215ml(12.0mmol)を加え1時間室温
で攪拌した後、エポキシシクロオクタン378.6mg
(3.0mmol)を加えた。室温で4時間攪拌後さら
に14時間静置した後、H2O4mlを加えて1時間攪
拌し、反応を停止させる。反応混合物にTHF(20m
l)を加え0.5時間攪拌後Al23を吸引濾過し、T
HF(40ml)でAl23を洗浄した。得られた濾液
をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、エポキ
シシクロオクタンは完全に消費され、1,2−シクロオ
クタンジオールが収率95.0モル%で生成し、副生物
は5モル%であった。
【0036】実施例11 エポキシシクロヘキサンの水和反応による1,2−シク
ロヘキサンジオールの合成 良く乾燥された3口フラスコ (100ml)にAr気
流下、ヘキサン30ml(水分量64.8ppm)を加
え激しく攪拌しながら活性アルミナAl23(ICN社
製ブロックマングレードSuperI(20g))、次
にH2O215ml(12.0mmol)を加え1時間室
温で攪拌した後、エポキシシクヘキサン294.5mg
(3.0mmol)を加えた。室温で4時間攪拌後さら
に14時間静置した後、H2O4mlを加えて1時間攪
拌し、反応を停止させる。反応混合物にTHF(20m
l)を加え0.5時間攪拌後Al23を吸引濾過し、T
HF(40ml)でAl23を洗浄した。得られた濾液
をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、エポキ
シシクロヘキサンは完全に消費され、1,2−シクロヘ
キサンジオールの収率は96.0モル%であり、副生物
は4モル%であった。
【0037】実施例12 スチレンオキシドの水和による1−フェニル−1,2−
エタンジオールの合成 良く乾燥された3口フラスコ(100ml)にAr気流
下、ヘキサン30ml(水分量58.3ppm)を加え
激しく攪拌しながら活性アルミナAl23(ICN社製
ブロックマングレードSuperI(20g))、次に
2O215μl(12mmol)を加え1時間室温で
攪拌した後、スチレンオキシド360.5mg(3.0
mmol)を加えた。室温で5時間攪拌後さらに15時
間静置した後、H2O4mlを加えて1時間攪拌し、反
応を停止させる。反応混合物にTHF(20ml)を加
え0.5時間攪拌後Al23を吸引濾過し、THF(4
0ml)でAl23を洗浄した。得られた濾液をガスク
ロマトグラフィーにて分析したところ、スチレンオキシ
ドは完全に消費され、1−フェニル−1,2−エタンジ
オールが収率96.7モル%であり、副生物は3.3モ
ル%であった。
【0038】実施例13 1,2−エポキシヘキサンの水和による1,2−ヘキサ
ンジオールの合成 良く乾燥された3口フラスコ(100ml)にAr気流
下、ヘキサン30ml(水分量58.3ppm)を加え
激しく攪拌しながら活性アルミナAl23(ICN社製
ブロックマングレードSuperI(20g))、次に
2O215μl(12mmol)を加え1時間室温で
攪拌した後、1,2−エポキシヘキサン300.5mg
(3.0mmol)を加えた。室温で4時間攪拌後さら
に19時間静置した後、H2O4mlを加えて1時間攪
拌し、反応を停止させる。反応混合物にTHF(20m
l)を加え0.5時間攪拌後Al23を吸引濾過し、T
HF(40ml)でAl23を洗浄した。得られた濾液
をガスクロマトグラフィーにて分析したところ、1,2
−エポキシヘキサンは完全に消費され、1,2−ヘキサ
ンジオールが収率90モル%で得られ、副生物は10モ
ル%であった。
【0039】実施例14 (1R,2R)−(+)−1−フェニルプロピレンオキ
シドの水和による(1S,2R)−1−フェニル−プロ
パンジオールの合成 良く乾燥された3口フラスコ(100ml)にAr気流
下、ヘキサン30ml(水分量58.3ppm)を加え
激しく攪拌しながら活性アルミナAl23(ICN社製
ブロックマングレードSuperI(20g))、次に
2O215μl(12mmol)を加え1時間室温で
攪拌した後、(1R,2R)−(+)−1−フェニルプ
ロピレンオキシド402.5mg(3.0mmol)を
加えた。室温で2.5時間攪拌後さらに16.5時間静
置した後、H2O5mlを加えて1時間攪拌し、反応を
停止させる。反応混合物にTHF(20ml)を加え
0.5時間攪拌後Al23を吸引濾過し、THF(40
ml)でAl23を洗浄した。得られた濾液をガスクロ
マトグラフィーにて分析したところ、原料は完全に消費
され、(1S,2R)−1−フェニル−プロパンジオー
ルが収率85.4モル%で得られ、副生物は14.6モ
ル%であった。
【0040】比較例1 酸触媒によるエポキシシクロドデカンの水和反応での
1,2−シクロドデカンジオールの合成 ガラス内挿管を具備するオートクレーブ(50ml)に
エポキシシクロドデカン0.91g(5.0mmo
l),THF2.5ml、水2,5mlを加えた後、過
塩素酸0.35mmol(35重量%水溶液、100m
l)を加え、窒素で5kg/cm2に加圧した後、14
0℃で3時間反応を行った。反応後反応容器を室温に冷
却し、窒素を放出して大気圧に戻した後、反応混合物に
THF10ml、飽和食塩水10mlを加えて分液し、
有機相中の1,2−シクロドデカンジオールおよび副生
物をガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、
1,2−シクロドデカンジオールが収率で72モル%、
副生物としてシクロドデカノン6.3モル%、シクロド
デセノール8.2モル%、シクロドデカジエン13.5
モル%の収率で生成した。
【0041】比較例2 酸触媒によるエポキシシクロドデカンの水和反応での
1,2−シクロドデカンジオールの合成 ガラス内挿管を具備するオートクレーブ(50ml)に
エポキシシクロドデカン0.91g(5.0mmo
l),THF2.5ml、水2.5mlを加えた後、過
塩素酸0.35mmol(35重量%水溶液、100m
l)を加え、室温下で3時間反応を行った。しかし、反
応は進行せず、原料が回収された。
【0042】
【発明の効果】本発明により、触媒の分離が容易で、温
和な条件下、不純物の生成が少ないビシナルジオール化
合物を製造する方法が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC41 BA09 BA30 BB11 BB12 BC34 BD10 BE60 FC52 FG29 4H039 CA60 CF90

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)に示されるエポキシ化合物に
    水および活性アルミナを接触させることを特徴とするビ
    シナルジオール化合物の製造法。 【化1】 ここで、(式中、R1,R2,R3,R4は水素原子、アル
    キル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基
    を表し、それぞれ同一であっても異なっていても良い。
    またR1,R2,R3,R4の中から選ばれた任意の2つの
    基が結合して環を形成していても良い。また前記の
    1、R2、R3、R4で示される置換基は、その炭素原子
    に結合している水素原子が、ハロゲン原子、アルキル
    基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
    ルオキシ基、ニトロ基、シアノ基又はジアルキルアミノ
    基等で更に置換されていても良い。)
  2. 【請求項2】活性アルミナに対し、0.05〜5wt%
    の割合の水と接触させることを特徴とする請求項1記載
    のビシナルジオール化合物の製造法。
  3. 【請求項3】水0.05〜5wt%含む活性アルミナを
    接触させることを特徴とする請求項1記載のビシナルジ
    オール化合物の製造法。
  4. 【請求項4】有機溶媒として脂肪族炭化水素類、芳香族
    炭化水素類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類および芳香族
    ハロゲン化炭化水素類からなる群より選ばれる少なくと
    も一種の炭化水素化合物を用いることを特徴とする請求
    項1〜3いずれか1項記載のビシナルジオール化合物の
    製造法。
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