JP2002315824A - 人工心臓用回転ポンプ - Google Patents

人工心臓用回転ポンプ

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JP2002315824A
JP2002315824A JP2001124390A JP2001124390A JP2002315824A JP 2002315824 A JP2002315824 A JP 2002315824A JP 2001124390 A JP2001124390 A JP 2001124390A JP 2001124390 A JP2001124390 A JP 2001124390A JP 2002315824 A JP2002315824 A JP 2002315824A
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Japan
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impeller
bearing
dynamic pressure
artificial heart
blood
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JP2001124390A
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Takashi Yamane
隆志 山根
Minoru Takeda
稔 武田
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Koyo Seiko Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半永久的な耐久寿命の達成し、また、血液の
凝固を防止するとともに、特別な制御系を必要とせず、
フェールセーフ性に優れた人工心臓用回転ポンプを提供
する。 【解決手段】 ケーシング1のポンプ室11内に配置さ
れたインペラ2のスラスト軸受機構として、血液を作動
流体とする動圧軸受5によって構成することで、その軸
受部分における摺動接触面をなくし、摩耗の発生を防止
すると同時に、血液が澱む部位をなくして凝固による血
栓の形成を防止する。また、ラジアル軸受機構としても
動圧軸受を採用するか、あるいは受動型の磁気軸受4を
採用することで、インペラ2の支持機構に制御系が不要
となり、フェールセーフ性に優れた人工心臓用回転ポン
プが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遠心ポンプ型の人工
心臓用回転ポンプに関し、更に詳しくは、インペラを非
接触のもとに回転支持して血液凝固の防止と半永久的な
耐久寿命の実現を図ることのできる人工心臓用回転ポン
プに関する。
【0002】
【従来の技術】体内埋め込み型人工心臓用回転ポンプと
して、軸部の周囲に羽根部が形成され、その軸部並びに
羽根部を中空としたインペラを、羽根部を下側にしてポ
ンプ室内に配置するとともに、そのインペラの羽根部の
底部に設けた磁気カップリングにより当該インペラに回
転を付与するとともに、そのインペラを、軸部に設けた
磁気軸受によりラジアル方向(回転軸に直交する方向)
に支持し、かつ、底部に設けたピボット軸受によりスラ
スト方向(回転軸方向)に支持した構造のものが提案さ
れている(特開平10−33664号)。
【0003】この提案に基づく人工心臓用回転ポンプに
よると、インペラ内に形成された中空部が血流の流路を
形成し、流路形状を単純で横断面積の大きなものとする
ことが可能となって、血流の円滑化を達成することがで
き、また、インペラに回転を与えるための磁気カップリ
ングを底部に配置する一方、ラジアル軸受としての磁気
字受けをその上方の軸部に設けて、これら両者を分離し
ているため、インペラの固有振動数を高く保つことがで
き、その回転を安定したものとすることができるという
利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上の提案
に基づく人工心臓用回転ポンプにおいては、ピボット軸
受を構成するピボット軸およびピボット受けの双方にセ
ラミックスを用いることによって、摩耗の低減を図るこ
とができるが、接触支持であるが故に摩耗の発生は避け
ることができない。その結果、ピボット軸受の摺動接触
面に次第に摩耗粉が蓄積して寿命の短縮化の原因となる
とともに、同じくピボット軸受の摺動接触部分において
血液が澱む、つまり血液の流速が周囲部分に比して遅く
なることに起因して、血液が凝固して血栓を生じ、これ
らにより、長期臨床埋め込みに際して問題となる。
【0005】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、その主たる目的は、従来に比してより半永久的
な耐久寿命を達成することのできる人工心臓用回転ポン
プを提供することにあり、また、他の目的は、特別な制
御系を必要としない受動型の制御機構のもとにインペラ
を回転支持することができ、もってフェールセーフ性に
富んだ人工心臓用回転ポンプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の人工心臓用回転ポンプは、血液の出入口を
有するポンプ室が形成されたケーシングと、上記ポンプ
室内に配置され、軸部の周囲にインペラ部が形成されて
なるインペラと、そのインペラを上記ポンプ室内で回転
軸方向およびその回転軸方向に直交する方向に回転自在
に支持するスラスト軸受機構およびラジアル軸受機構
と、上記ポンプ室に隣接配置され、上記インペラに回転
を与える駆動部を備えた人工心臓用回転ポンプにおい
て、上記スラスト軸受機構が、上記インペラの低部に設
けられて血液を作動流体とする動圧軸受によって構成さ
れていることによって特徴づけられる(請求項1)。
【0007】ここで、本発明においては、スラスト軸受
機構を構成する動圧軸受を、所定の曲率を有する凸面に
動圧溝が形成された凸体と、その凸体が嵌まり込む凹体
との組み合わせによって構成すること(請求項2)がで
きる。
【0008】また、本発明においては、スラスト軸受機
構を構成する動圧軸受の凸体および凹体を、金属材料に
よって形成し、かつ、少なくとも溝が形成された側の表
面をDLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)膜によ
りコーティングした構成(請求項3)を好適に採用する
ことができる。
【0009】更に、本発明においては、スラスト軸受機
構を構成する動圧軸受の凸体および凹体の少なくともい
ずれか一方をセラミックスにより形成した構成(請求項
4)を採用してもよい。
【0010】また、本発明においては、ラジアル軸受機
構を、インペラの軸部に設けられて血液を作動流体とす
る動圧軸受とする構成(請求項5)、あるいは、磁気軸
受とする構成(請求項6)のいずれをも採用することが
できる。
【0011】本発明は、インペラの支持部分を非接触化
することによって所期の目的を達成するものである。す
なわち、前記した提案においてインペラをスラスト方向
に支持するピボット軸受に代えて、インペラ底部に血液
を作動流体とする動圧軸受によってインペラをスラスト
方向に非接触のもとに支持することにより、インペラの
回転による摩耗が発生せず、しかも血液が澱む部位がな
くなり、血栓の形成を防止することができる。
【0012】また、請求項2に係る発明のように、スラ
スト軸受機構を構成する動圧軸受として、所定の曲率を
有する凸面に動圧溝を形成した凸体と、その凸体が嵌ま
り込む凹体によって構成することにより、ラジアル方向
への支持能力をも有したものとなり、上方に配置された
ラジアル軸受機構との組み合わせによって、みそすり運
動の発生を有効に防止して、安定した回転支持を実現す
ることができる。
【0013】なお、本発明において、所定の曲率を有す
る凸面としては、球面、あるいは円錐面に近い凸曲面な
どを採用することができる。
【0014】そして、請求項3に係る発明のように、ス
ラスト軸受機構を構成する血液を作動流体とした動圧軸
受の凸体並びに凹体を金属製として、少なくともそのう
ちの溝が形成された側の表面をDLC膜でコーティング
するか、あるいは請求項4に係る発明のように、これら
の凸体並びに凹体の少なくともいずれか一方をセラミッ
クス製とすることにより、起動・停止時に凸体と凹体が
瞬間的に接触する、いわゆるタッチダウン時における摩
耗を防止すると同時に、生体適合性を良好なものとする
ことができる。
【0015】また、インペラの軸部をラジアル方向に支
持するラジアル軸受機構として、請求項6に係る発明の
ように、従来のこの種の人工心臓用回転ポンプと同様に
磁気軸受で構成し、あるいは請求項5に係る発明のよう
に、このラジアル軸受機構についても、血液を作動流体
とする動圧軸受で構成することにより、この部分におけ
る血液の凝固や摩耗の発生を防止することができ、上記
した効果を確実なものとすることができる。
【0016】また、ラジアル軸受機構として動圧軸受を
用いるか、あるいは非制御式の磁気軸受、つまり永久磁
石を用いた受動型の磁気軸受を用いることにより、制御
部を全く必要とすることなくインペラを非接触のもとに
支持することができ、フェールセーフ性に優れた人工心
臓用回転ポンプが得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形
態の縦断面図で、図2はそのA−A断面図である。ま
た、図3は図1における動圧軸受5の拡大断面図であ
る。
【0018】ケーシング1には、ポンプ室11と、その
ポンプ室11に連通する血液流入口11aおよび血液流
出口11bが設けられている。ポンプ室11内にはイン
ペラ2が収容されており、このインペラ2は、軸部21
の下部の周囲にインペラ部22を一体に形成した構造を
有している。軸部21には、その軸心に沿って中空部2
1aが形成されている。また、インペラ部22にも中心
から外側に向けて広がる中空部22aが形成されてお
り、その中空部22aは中心から放射方向に伸びる複数
のベーン22bによって区画されている。そして、軸部
21の中空部21a、およびインペラ部22のベーン2
2bで区画された中空部22aが、それぞれ血液の流路
を形成している。なお、図2において3は、インペラ部
22の中空部22aと、インペラ部22の底部とポンプ
室11の底面との間の隙間を繋ぐウォッシュアウトホー
ルである。
【0019】インペラ2の軸部21は、ラジアル軸受機
構を構成する磁気軸受装置4によってケーシング1に対
して非接触のもとに回転自在に支持されている。磁気軸
受装置4は、この例において受動型(非制御式)のもの
であり、軸部21の外周に装着された内側支持用永久磁
石41と、ケーシング1側に装着された外側支持用永久
磁石42によって構成され、内側支持用永久磁石41と
外側支持用永久磁石42とは互いに反発するように磁極
が向けられており、これによって軸部21がケーシング
1に対して非接触のもとにラジアル方向に支持される。
【0020】また、インペラ部22の底部には、スラス
ト軸受機構を構成する動圧軸受5が設けられている。こ
の動圧軸受5は、図3に示すように、インペラ部22に
底面に固定された凹球面を有するピボット受け51と、
ケーシング1の内底面に固定された球面を有するピボッ
ト軸52からなり、ピボット軸52の表面である球面に
はスパイラル形状をした動圧溝52aが形成されてい
る。この動圧軸受5は、ポンプ室11内の血液を作動流
体とするものであって、インペラ2の回転時(図3にお
いて矢印の向きに回転)に動圧溝52aのポンプ作用に
よって血液に動圧を発生させ、これによってピボット受
け51とピボット受軸52とが非接触状態のもとに、イ
ンペラ2がケーシング1に対してスラスト方向に支持さ
れる。
【0021】また、このピボット受け51とピボット軸
52の表面に動圧溝52aを形成した動圧軸受5は、ラ
ジアル方向への支持能力も有しており、軸部21を支持
する磁気軸受4とともに、インペラ2を非接触のもとに
安定して支持することができる。
【0022】ここで、動圧軸受5のピボット受け51お
よびピボット軸52の材質は、チタン、あるいは表面に
DLC膜をコーティングした金属材料(例えばチタン、
ステンレス、高炭素鋼など)、もしくはセラミックス、
のうちのいずれか一つの材料とするか、あるいはこれら
の組み合わせにより構成することが好ましく、特に、D
LC膜でコーティングされた金属材料およびセラミック
スのいずれか一つの材料、あるいはこれらの組み合わせ
とすることがより好ましい。すなわち、動圧軸受は回転
開始時や停止時等におけるタッチダウン時において瞬時
ではあるが相互に接触する可能性が有り、DLCおよび
セラミックスは、その摩耗粉が血液あるいは生体に対し
て悪影響を与えにくいためである。
【0023】さて、ケーシング1の下部には、モータ収
容室12が設けられており、その内部にモータ6が収容
されている。このモータ6の出力軸6aの回転は磁気カ
ップリング装置7によってインペラ2に伝達される。磁
気カップリング装置7は、インペラ2の底部に固定され
た一方のカップリング磁極71と、モータ6の出力軸6
aの上端に固定された他方のカップリング磁極72によ
って構成され、これらの両カップリング磁極71,72
は隔壁12aを介して対向し、互いに吸引するようにな
っている。
【0024】以上の本発明の実施の形態の動作について
説明すると、モータ6の駆動を駆動することにより、そ
の出力軸6aに固定されたカップリング磁極72が回転
し、そのカップリング磁極72の漏洩磁束は隔壁12a
を介してカップリング磁極71を吸引し、インペラ2が
回転する。このインペラ2の回転に際しては、その軸部
21が磁気軸受装置4によりラジアル方向に非接触のも
とに支持され、かつ、インペラ部22がポンプ室11内
の血液を作動流体とする動圧軸受5によってスラスト方
向に非接触のもとに支持され、インペラ2はいずれの他
部材にも接触しない状態で回転する。
【0025】インペラ2が回転すると、ケーシング1の
血液流入口11aから血液がポンプ室11内に吸い込ま
れる。この吸い込まれた血液は、インペラ2の軸部21
の中空部21aを流れてインペラ部22の中空部aに達
し、遠心力を付与されてベーン22bに案内されて放射
方向に流れ、血液流出口11bからポンプ室11外に送
り出される。
【0026】以上の実施の形態において特に注目すべき
点は、インペラ2がラジアル軸受装置を構成する受動型
の磁気軸受装置4と、スラスト軸受装置を構成する血液
を作動流体としたピボットタイプの動圧軸受5によっ
て、それぞれ非接触状態で支持されている点であり、摺
動接触面がないが故に摩耗が生じる恐れがなく、摩耗粉
の蓄積に起因する問題が発生しないばかりでなく、摺動
接触部分における血液の凝固も発生しない。従って、血
液凝固を防止して半永久的な耐久寿命を図ることができ
る。
【0027】また、以上の実施の形態において更に注目
すべき点は、ラジアル軸受が受動型の磁気軸受により、
スラスト軸受が血液を作動流体とする動圧軸受によって
構成されており、いずれの軸受装置についても特別な制
御系を要しない受動制御機構からなっている点であり、
これにより、フェールセーフ性に極めて優れた人工心臓
用回転ポンプを得ることができる。
【0028】なお、以上の実施の形態において、磁気軸
受装置4として受動型のものを用いたが、3軸ないしは
5軸を制御する能動型のものとしてもよいが、フェール
セーフ性の点においては上記したように受動型とするこ
とが好ましい。
【0029】また、以上の実施の形態においては、動圧
軸受5のピボット受け51をインペラ2側に、ピボット
軸52をケーシング1側にそれぞれ固定した例を示した
が、図4に要部断面図を示すように、これらを逆転させ
て、ピボット軸52をインペラ2側に、ピボット受け5
1をケーシング1側に固定しても、全く同等の作用効果
を奏することができる。
【0030】更に、動圧軸受5のピボット受け51およ
びピボット軸52の形状としては、上記のように凹球面
と凸球面との組み合わせに限られることなく、図5に例
示するように、ピボット軸52を円錐面に近い凸曲面を
有する凸体とし、ピボット受け51をそのネガティブ形
状、つまり円錐面に近い凹曲面を有する凹体としてもよ
く、要はある程度ラジアル荷重をも受けることができ、
これによってみそすり運動を防止できる形状であれば任
意の凸曲面と凹曲面の組み合わせとすることができる。
【0031】また、本発明においては、インペラ2のラ
ジアル軸受装置を、上記のような磁気軸受装置4に代え
て、ラジアルタイプの動圧軸受とすることができる。図
6にその断面図を示す。この図6においては、図1,2
に示した実施の形態で用いた部材と同一の部材について
は同一の符号を付し、その詳細な説明については省略す
る。
【0032】この図6の実施の形態の特徴は、図7にケ
ーシング1のみを切断した要部断面図を示すように、イ
ンペラ2の軸部21の外周にヘリングボーン形状の動圧
溝8aを形成し、ケーシング1の内円筒面とによって、
血液を作動流体とするラジアル動圧軸受8を構成してい
る点である。このラジアル動圧軸受8は、図7において
矢印で示す向きにインペラ2が回転したとき、軸部21
に形成されたヘリングボーン形状の動圧溝8aのポンプ
作用により、作動流体である血液に動圧を発生させ、軸
部21を非接触のもとにケーシング1に対してラジアル
方向に支持することができる。従って、この図6の実施
の形態においても、インペラ2はその回転時にいずれの
他部材とも接触することなく支持され、先の実施の形態
と同様に、半永久的な耐久寿命と、血液の凝固防止を達
成することができる。ここでは、インペラ2の軸部21
の外周に動圧溝8aを形成する例を示したが、ケーシン
グ1の内円筒面に同様の動圧溝を形成してもよい。
【0033】また、この実施の形態のように、ラジアル
軸受機構並びにスラスト軸受機構の双方ともに動圧軸受
とする構成は、軸受機構のための制御部を一切必要とせ
ず、フェールセーフ性に極めて優れた人工心臓用回転ポ
ンプとなり得ると同時に、安価かつコンパクト化を達成
することができる。
【0034】ここで、このラジアル動圧軸受8の材質に
ついても、少なくとも動圧溝8aを形成している部分の
インペラ2の軸部21、およびそれに対向するケーシン
グ1の内円筒面の部分については、前述したスラスト軸
受機構を構成する動圧軸受4の説明で示したものと同等
の材料を用いることができる。
【0035】また、図6の実施の形態においても、スラ
スト軸受機構を構成する動圧軸受4については、そのピ
ボット受け51とピボット軸52とを上下逆転させても
よく、更にこれらのピボット受け51およびピボット軸
52の形状は凹球面と凸球面の組み合わせのほか、図4
に例示した他の凹曲面と凸曲面の組み合わせとしてもよ
いことは勿論である。
【0036】更に、以上の各実施の形態においては、モ
ータ6の出力軸6aの回転を、磁気カップリング7によ
ってインペラ2伝達した例を示したが、図8に断面図を
示すように、インペラ2の底部に前記した各例と同様の
永久磁石71′を固定する一方、隔壁12aを介してそ
の下側に電磁コイル72′配置し、この電磁コイル7
2′をステータとし、永久磁石71′を固定したインペ
ラ2を実質的にロータとしたモータ6′を構築してもよ
い。この構成においては、電磁コイル72′により形成
される磁束が隔壁12aを介してインペラ2に固定され
た永久磁71′を駆動することで、インペラ72が回転
させることができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、人工心
臓用回転ポンプのインペラをスラスト方向に支持するス
ラスト軸受機構を、血液を作動流体とする動圧軸受とし
て、非接触のもとにインペラをスラスト方向に回転支持
するように構成しているので、インペラの回転による摩
耗が発生せず、しかも血液が澱む部位がなくなるため、
血液の凝固により血栓の発生を防止することができる。
【0038】また、請求項2に係る発明のように、この
スラスト軸受機構を構成する動圧軸受として、所定の曲
率を有する凸面に動圧溝を形成した凸体と、その凸体が
嵌まり込む凹体によって構成すれば、ラジアル方向への
支持能力をも持たせることができ、その上方に設けたラ
ジアル軸受機構との組み合わせによって、みそすり運動
の発生を有効に防止して、安定した回転支持を実現する
ことができる。
【0039】更に、請求項3に係る発明のように、この
スラスト軸受機構を構成する動圧軸受の凸体並びに凹体
をそれぞれ金属製として、少なくとも溝が形成された側
の表面をDLC膜でコーティングするか、あるいは請求
項4に係る発明のように、これらの凸体並びに凹体の少
なくともいずれか一方をセラミックス製とすることによ
り、起動・停止時に凸体と凹体が瞬間的に接触する、い
わゆるタッチダウン時における摩耗を防止すると同時
に、そのタッチダウン時において例え僅かでも摩耗して
も、その摩耗粉は血液あるいは生体に対して悪影響を与
えないという利点もある。
【0040】また、請求項5に係る発明のように、ラジ
アル軸受機構にも血液を作動流体とする動圧軸受を用い
ることにより、インペラの支持機構に全く制御系を必要
とすることがなくなり、フェールセーフ性に極めて優れ
た人工心臓用回転ポンプが得られると同時に、低コスト
化並びにコンパクト化を達成することができる。また、
この作用効果は、請求項6に係る発明のように、ラジア
ル軸受機構として磁気軸受を用い、かつ、その磁気軸受
として永久磁石を用いた受動型のものを用いても同様に
奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態縦断面図である。
【図2】図1のAA断面図である。
【図3】図1における動圧軸受5の拡大断面図である。
【図4】動圧軸受5のピボット受け51とピボット軸5
2とを上下逆転させて本発明の他の実施の形態の要部縦
断面図である。
【図5】本発明の人工心臓用回転ポンプのスラスト軸受
機構としての動圧軸受5に採用可能なピボット受け51
とピボット軸52の他の形状の例を示す断面図である。
【図6】ラジアル軸受機構にも動圧軸受を採用した本発
明の他の実施の形態の構成を示す縦断面図である。
【図7】図6の実施の形態におけるラジアル動圧軸受8
の説明図で、ケーシング1のみを切断して示す要部断面
図である。
【図8】インペラ2に固定した永久磁石71′を隔壁の
下方に配置したステータとしての電磁コイル72′で回
転させる方式を採用した本発明の他の実施の形態の構成
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 11 ポンプ室 11a 血液流入口 11b 血液流出口 12 モータ収容室 12a 隔壁 2 インペラ 21 軸部 22 インペラ部 3 ウォッシュアウトホール 4 磁気軸受装置 41 内側支持用永久磁石 42 外側支持用永久磁石 5 動圧軸受 51 ピボット受け 52 ピボット軸 52a 動圧溝 6 ポンプ 6a 出力軸 7 磁気カップリング装置 8 ラジアル動圧軸受 8a 動圧溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 33/24 F16C 33/24 A Z (72)発明者 武田 稔 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 Fターム(参考) 3H022 AA01 BA06 CA15 CA16 CA18 DA13 3J011 AA02 BA10 BA11 CA02 KA04 4C077 AA04 BB10 DD08 EE01 KK02 NN01 PP24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液の出入口を有するポンプ室が形成さ
    れたケーシングと、上記ポンプ室内に配置され、軸部の
    周囲にインペラ部が形成されてなるインペラと、そのイ
    ンペラを上記ポンプ室内で回転軸方向およびその回転軸
    方向に直交する方向に回転自在に支持するスラスト軸受
    機構およびラジアル軸受機構と、上記ポンプ室に隣接配
    置され、上記インペラに回転を与える駆動部を備えた人
    工心臓用回転ポンプにおいて、 上記スラスト軸受機構が、上記インペラの低部に設けら
    れて血液を作動流体とする動圧軸受によって構成されて
    いることを特徴とする人工心臓用回転ポンプ。
  2. 【請求項2】 上記スラスト軸受機構を構成する動圧軸
    受が、所定の曲率を有する凸面に動圧溝が形成された凸
    体と、その凸体が嵌まり込む凹体との組み合わせによっ
    て構成されていることを特徴とする請求項1に記載の人
    工心臓用回転ポンプ。
  3. 【請求項3】 上記スラスト軸受機構を構成する動圧軸
    受の凸体および凹体が、それぞれ金属材料によって形成
    され、かつ、少なくとも溝が形成された側の表面がDL
    C膜によりコーティングされていることを特徴とする請
    求項2に記載の人工心臓用回転ポンプ。
  4. 【請求項4】 上記スラスト軸受機構を構成する動圧軸
    受の凸体および凹体の少なくとも一方が、セラミックス
    により形成されていることを特徴とする請求項2に記載
    の人工心臓用回転ポンプ。
  5. 【請求項5】 上記ラジアル軸受機構が、上記インペラ
    の軸部に設けられて血液を作動流体とする動圧軸受によ
    って構成されていることを特徴とする請求項1、2、3
    または4に記載の人工心臓用回転ポンプ。
  6. 【請求項6】 上記ラジアル軸受機構が、磁気軸受によ
    って構成されていることを特徴とする請求項1、2、
    3、または4に記載の人工心臓用回転ポンプ。
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