JP2002315240A - 同期モータの回転子及びその製造方法 - Google Patents

同期モータの回転子及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同期モータの回転子及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 回転軸が挿入されるよう中心部に軸孔1
11が形成され、軸孔111を中心に相異なる所定間隔
を隔てて所定個数のマグネット挿入孔112及び複数の
誘導伝導体挿入孔113が放射状で形成された複数個の
薄板110が積層され形成されたメインコア131と、
メインコア131のマグネット挿入孔102にそれぞれ
挿入された所定個数のマグネット132と、メインコア
131の軸孔101及び誘導伝導体挿入孔103と対応
する位置に軸孔及び誘導伝導体挿入孔が形成され、マグ
ネット132が挿入されたメインコア131の両端にそ
れぞれ設けられた補助コア134a、134b及びメイ
ンコア131の誘導伝導体挿入孔103と補助コア13
4a、134bの誘導伝導体挿入孔にかけてキャスティ
ング成形された誘導伝導体133とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は同期モータの回転子
及びその製造方法に係り、更に詳しくはモータの性能向
上のために積層コアにマグネットを含めた同期モータの
回転子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】同期モータは交流モータの一種であり、
入力周波数に同期するため安定的な回転特性を有する一
方、電源周波数を変更することによりモータの回転数を
自由に変更できるという長所を有するモータである。
【0003】図1は従来の同期モータの回転子の縦断面
図である。図1を参照して説明すると、回転子20は鉄
心コア22及び固定子(図示せず)からの誘導電流が円滑
に流れるようにするため、鉄心コア22を貫通するアル
ミニウムバー21を備える。
【0004】ここで、鉄心コア22は複数個の鉄板10
が積重ねられてなる。図2は鉄心コア22を構成する一
枚の鉄板10を示した図である。鉄板10はその中心部
に回転軸(図示せず)が嵌め込まれるように軸孔11が成
形される。そして、その軸孔11を中心に、複数個のア
ルミニウム挿入孔12が鉄板10の外周付近に放射状に
成形される。
【0005】アルミニウムバー21は複数の鉄板10が
積層成形された鉄心コア22とアルミニウム挿入孔12
にアルミニウムがキャスティング成形される。前述した
ような構成により、回転子20は誘導電流が巻線された
コイル(図示せず)から固定子(図示せず)に伝達される
と、アルミニウムバー21から誘導電流を伝達され、結
合されている回転軸(図示せず)と共に回動するようにな
る。
【0006】一方、このような従来の同期モータの回転
子20においては、アルミニウムバー21のみではモー
タの回転力を向上させるのに限界があるため、モータの
性能向上を目的として回転子の内部または外周面にマグ
ネット(図示せず)を設ける技術が用いられている。そし
て、マグネットを回転子の内部に設ける場合は回転時に
マグネットが離脱するのを防止するために金属缶(図示
せず)とリベット(図示せず)を用いてマグネットを固定
している。
【0007】しかし、マグネットを固定するために金属
缶やリベットを用いる場合には製造工程時作業工程を増
加させざるを得ず、そのような作業工程の増加は生産性
の低下につながるという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述した問題
点を解決するために案出されたもので、その目的はモー
タの性能を向上させながら、製造工程を短縮することの
できる同期モータの回転子及びその製造方法を提供する
ところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために本発明に係る同期モータの回転子は、回転軸が挿
入されるように中心部に軸孔が形成され、該軸孔を中心
に相異なる所定距離を隔てて所定個数のマグネット挿入
孔及び複数の誘導伝導体挿入孔が放射状に形成された複
数個の薄板が積層され形成されているメインコアと、前
記メインコアのマグネット挿入孔にそれぞれ挿入されて
いる所定個数のマグネットと、前記メインコアの軸孔及
び誘導伝導体挿入孔と対応する位置に軸孔及び誘導伝導
体挿入孔が形成され、前記マグネットが挿入されたメイ
ンコアの両端にそれぞれ設けられている補助コアと、前
記メインコアの誘導伝導体挿入孔と補助コアの誘導伝導
体挿入孔にかけてキャスティング成形されている誘導伝
導体とを具備することを要旨とするものである。
【0010】また、前述した目的を達成するための本発
明の同期モータの回転子製造方法は、回転軸が挿入され
るように中心部に軸孔が形成され、前記軸孔を中心に相
異なる所定距離を隔てて所定個数のマグネット挿入孔及
び複数の誘導伝導体挿入孔が放射状に形成された複数の
薄板を積重ねてメインコアを形成する段階と、前記メイ
ンコアに形成されたマグネット挿入孔にマグネットを挿
入する段階と、前記メインコアの軸孔及び誘導伝導体挿
入孔と対応する位置に軸孔及び誘導伝導体挿入孔が形成
された補助コアを前記メインコアの両端にそれぞれ設け
る段階と、前記メインコア及び補助コアの誘導伝導体挿
入孔にかけて誘導伝導体をキャスティングする段階とが
含まれることを要旨とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき本発
明の望ましい実施例を詳述する。なお、図面及び説明で
は、複数の同一形状及び同一部材があるものについては
一つの形状及び部材を代表符号により表記した。
【0012】図3(a)は本発明に係る同期モータの回
転子の縦断面図である。図面を参照すれば、回転子13
0はメインコア131、マグネット132、第1及び第
2補助コア134a、134b、そして誘導伝導体13
3を具備する。ここで、誘導伝導体133の一適用例と
してアルミニウムを用いているが、他の導電素材の適用
も可能である。
【0013】メインコア131は複数枚の薄い鉄板が積
層形成され、マグネット132はメインコア131内に
設置されている。そして、第1及び第2補助コア134
a、134bはマグネット132が設置されたメインコ
ア131の両端部にそれぞれ設けられる。そして、誘導
伝導体133がメインコア131と第1及び第2補助コ
ア134a、134bにかけてキャスティング成形され
る。ここで、第1及び第2補助コア134a、134b
を構成する鉄板は1枚であっても複数枚であってもよ
い。
【0014】回転子130は前述したような構成によ
り、固定子に巻線されたコイルから誘導電流が伝わる
と、回転子130はキャスティング成形された誘導伝導
体133から誘導電流が伝達され、結合している回転軸
(図示せず)と共に回動し、マグネット132が回転時
の回転力を増加させる。
【0015】図3(b)は図3(a)のI−I線に沿っ
て切断した本発明に係る回転子の縦断面図である。回転
子130にはマグネット挿入孔102と誘導伝導体挿入
孔103が軸孔101から相異なる位置にそれぞれ放射
状に形成されている。各々形成されたマグネット挿入孔
102にはそれぞれ4個のマグネット132が設置され
ており、複数個の誘導伝導体挿入孔103には誘導伝導
体133がキャスティング成形されている。また、隣接
するマグネット挿入孔102どうしの間には積重ね時上
下の鉄板が固定されるようにエンボス形態にコーキング
104が形成され、また磁束漏れ防止孔105が形成さ
れている。
【0016】図4(a)は図3(a)のメインコア13
1を形成する各鉄板110の平面図である。各鉄板11
0は回転軸(図示せず)が挿入されるように軸孔111が
形成され、その軸孔111から所定の離隔された距離を
おいて4個のマグネット132が挿入されるように4個
のマグネット挿入孔112が放射状に形成される。ま
た、軸孔111からマグネット挿入孔112よりさらに
離隔した距離に複数の誘導伝導体挿入孔113が放射状
に形成される。そして、各鉄板110はマグネット挿入
孔112の間にエンボス形態を有するコーキング114
が形成され、形成された各コーキング114の内側に磁
束漏れを防ぐために磁束漏れ防止孔115が形成され
る。
【0017】図4(b)は図3(a)の第1補助コア1
34aを形成する各鉄板120の平面図である。第1補
助コア134aをなす鉄板120は、メインコア131
をなす図4(a)の鉄板110に対応する位置に軸孔1
21が形成されており、その軸孔121から誘導伝導体
挿入孔123がメインコア131の鉄板110に対応す
るように形成されている。そして、コーキング124及
び磁束漏れ防止孔125が、同じくメインコア131の
鉄板110に対応するよう形成されている。ここで、補
助コア134aをなす鉄板120にはメインコアの各鉄
板110に形成されるマグネット挿入孔112が形成さ
れておらず、一方で軸孔121がやや拡張されている。
軸孔121を拡張する理由は、回転子130に結合され
る外部構造物に対応できるようにするためである。一
方、第2補助コア134bをなす鉄板(図示せず)の形状
はメインコア131をなす鉄板110と同一サイズの軸
孔が形成され、該軸孔の寸法を除くその他の寸法形状
は、第1補助コア134aをなす鉄板120と同一の形
状である。
【0018】前述したような相異なる構造を有するメイ
ンコアの鉄板110と第1及び第2補助コアの鉄板12
0を用いた同期モータの回転子の製造方法は次の通りで
ある。
【0019】まず、図4(a)に示す鉄板110を積重
ねてメインコア131を形成し、鉄板110が積層形成
されたメインコア131のマグネット挿入孔112にマ
グネット132を挿入する。その後、マグネット132
が挿入されたメインコア131の両端部にそれぞれ図4
(b)に示す鉄板120及び軸孔がメインコア131と
同一の鉄板(図示せず)を更に積重ねて第1及び第2補助
コア134a、134bを形成する。そして、積重ねら
れたメインコア131と第1及び第2補助コア134
a、134bにかけて誘導伝導体133をキャスティン
グ成形する。ここで、メインコアの鉄板110と補助コ
ア1の鉄板120とを積重ねるときに、それぞれの鉄板
に形成されたコーキング124を介して結合されるため
工程移動時の散乱が防止される。
【0020】このような製造工程により回転子130が
組み立てられると、マグネット132はメインコア13
1と補助コア134a、134bの内部に埋め込まれる
形態になり、キャスティング成形されたアルミニウムの
ような素材の誘導伝導体133は第1及び第2補助コア
134a、134bを介してマグネット132を自然に
固定する。
【0021】すなわち、回転子130のマグネット13
2がメインコア131内に設置され、マグネット挿入孔
112の形成されない補助コア134a、134bがメ
インコア131の両端部にそれぞれ積重ねられると、メ
インコア131と第1及び第2補助コア134a、13
4bにかけてキャスティング成形された誘導伝導体13
3は補助コア134a、134bが脱落することを防止
する形態になるため、マグネット132は回転子130
の内部に固定される。
【0022】その結果、本発明による同期モータの回転
子130の製造方法によれば、メインコア131、補助
コア134a、134bをキャスティング成形すること
により、従来の回転子の組立時においてマグネットを固
定するために必要であったリベット工程を省略すること
ができる。
【0023】以上では本発明の望ましい実施例について
示しかつ説明したが、本発明は前述した実施例に限ら
ず、多様な形状及び素材の変形を通した実施が可能であ
り、そのような変形は請求の範囲内に含まれる。
【0024】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明に係る同期モー
タの回転子130及びその製造方法によれば、誘導伝導
体133及びマグネット132によりモータの効率を向
上させ得るのみならず、メインコア131及び補助コア
134a、134bにかけて誘導伝導体133をキャス
ティング成形して自然にマグネットを固定させられるの
で、工程短縮により生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の同期モータ回転子の縦断面図である。
【図2】 図1のメインコアを形成する各鉄板の平面図
である。
【図3】 (a)は本発明に係る同期モータ回転子の縦
断面図、(b)はそのI−I線に沿って切断した横断面
図である。
【図4】 (a)は図3(a)のメインコアを形成する
鉄板の平面図、(b)は図3(a)の補助コアを形成す
る鉄板の平面図である。
【符号の説明】
10 鉄板 11 軸孔 12 アルミニウム挿入孔 20 回転子 21 アルミニウムバー 22 鉄心コア 102 マグネット挿入孔 103 誘導伝導体挿入孔 104 コーキング 105 磁束漏れ防止孔 110 鉄板 111 軸孔 112 マグネット挿入孔 113 誘導伝導体挿入孔 114 コーキング 115 磁束漏れ防止孔 120 鉄板(第1補助コア板) 121 軸孔 123 誘導伝導体挿入孔 124 コーキング 125 磁束漏れ防止孔 130 同期モータの回転子 131 メインコア 132 マグネット 133 誘導伝導体 134a 第1補助コア 134b 第2補助コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H615 AA01 BB01 BB07 BB14 PP03 PP06 SS03 SS05 SS12 5H621 BB07 GA16 GA18 HH01 JK02 JK05 5H622 AA04 CA02 CA07 CA10 CA13 PP17 PP18 PP20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸が挿入されるように中心部に軸孔
    が成形され、該軸孔を中心に相異なる所定距離を隔てて
    所定個数のマグネット挿入孔及び複数の誘導伝導体挿入
    孔が放射状に成形された複数個の薄板が積層され成形さ
    れているメインコアと、前記メインコアのマグネット挿
    入孔にそれぞれ挿入されている所定個数のマグネット
    と、前記メインコアの軸孔及び誘導伝導体挿入孔と対応
    する位置に軸孔及び誘導伝導体挿入孔が成形され、前記
    マグネットが挿入されたメインコアの両端にそれぞれ設
    けられている補助コアと、前記メインコアの誘導伝導体
    挿入孔と補助コアの誘導伝導体挿入孔にかけてキャステ
    ィング成形されている誘導伝導体とを具備することを特
    徴とする同期モータの回転子。
  2. 【請求項2】 前記補助コアは複数の薄板が積重ねられ
    てなるを特徴とする請求項1に記載の同期モータの回転
    子。
  3. 【請求項3】 前記メインコア及び補助コアの各薄板は
    対応する位置にコーキングが成形されることを特徴とす
    る請求項2に記載の同期モータの回転子。
  4. 【請求項4】 前記誘導伝導体はアルミニウムで成形さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の同期モータの回
    転子。
  5. 【請求項5】 回転軸が挿入されるように中心部に軸孔
    が成形され、該軸孔を中心に相異なる所定距離を隔てて
    所定個数のマグネット挿入孔及び複数の誘導伝導体挿入
    孔が放射状に成形された複数の薄板を積重ねてメインコ
    アを成形する段階と、前記メインコアに成形されたマグ
    ネット挿入孔にマグネットを挿入する段階と、前記メイ
    ンコアの軸孔及び誘導伝導体挿入孔と対応する位置に軸
    孔及び誘導伝導体挿入孔が成形された補助コアを前記メ
    インコアの両端にそれぞれ設ける段階と、前記メインコ
    ア及び補助コアの誘導伝導体挿入孔にかけて誘導伝導体
    をキャスティング成形する段階とが含まれることを特徴
    とする同期モータの回転子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記補助コアを設ける際複数の薄板を積
    層する段階が含まれることを特徴とする請求項5に記載
    の同期モータの回転子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記メインコア及び補助コアを積層する
    際、それぞれの鉄板に成形されたコーキングを通して各
    薄板を整合させる段階が含まれることを特徴とする請求
    項5に記載の同期モータの回転子の製造方法。
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