JP2002314181A - エタロンおよび単一縦モードレーザー - Google Patents

エタロンおよび単一縦モードレーザー

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JP2002314181A
JP2002314181A JP2002039649A JP2002039649A JP2002314181A JP 2002314181 A JP2002314181 A JP 2002314181A JP 2002039649 A JP2002039649 A JP 2002039649A JP 2002039649 A JP2002039649 A JP 2002039649A JP 2002314181 A JP2002314181 A JP 2002314181A
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laser
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laser beam
resonator
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Hiroaki Hiuga
浩彰 日向
Yoji Okazaki
洋二 岡崎
Chiaki Goto
千秋 後藤
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振しきい値の上昇と、それに伴う出力低下
等の問題、さらにはビームプロファイルの歪みを招くこ
とのない単一縦モードレーザーを得る。 【解決手段】 固体レーザー媒質であるNd:YAG結
晶13の端面13aと共振器ミラー14とで構成される共振器
内に、互いに平行な2つの光通過端面15a、15bが共振
器軸に対して所定の角度をなす状態にして、Nd:YA
G結晶13のゲインピーク波長と縦モードが一致し、かつ
縦モード間隔が該Nd:YAG結晶13のゲイン半値全幅
と略一致しているエタロン15を挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザー、特に詳細
には、レーザー共振器内にエタロンを配して発振モード
を単一縦モード化するようにしたレーザーに関するもの
である。
【0002】また本発明は上記のエタロンに関するもの
である。
【0003】
【従来の技術】例えば特開昭62-189783 号公報に示され
るように、ネオジウム等の希土類がドーピングされた固
体レーザーロッドを半導体レーザー(レーザーダイオー
ド)等によってポンピングする固体レーザーが公知とな
っている。
【0004】この種の固体レーザー等においては、例え
ばOptics Letters(オプティクス・レターズ)Vol.18
(1993) p.420 に記載されているように、モード競合ノ
イズの発生を抑えるために、その共振器内にエタロンを
配して波長選択し、発振モードを単一縦モード化するこ
とも行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにエ
タロンを用いて単一縦モード化を図る従来のレーザーに
おいては、レーザーが発振するためのポンピングパワー
のしきい値が著しく上昇し、その結果、レーザーの出力
低下等の問題が生じることがある。このしきい値上昇
は、レーザー媒質の発振可能な波長幅内に複数のエタロ
ン縦モードが存在して、単一縦モード化が不可能になる
ことを避けるために、エタロン縦モード間隔を上記発振
可能な波長幅に対して十分大きく設定することに起因し
ている。
【0006】すなわち、そのような構成においては一般
に、エタロン厚さをサブミクロンのオーダーで制御しな
い限り、エタロン縦モードとレーザー媒質のゲインピー
ク波長とが一致することはなく、そのようになっている
とゲインが有効に使われないために、発振しきい値が上
昇してしまうのである。
【0007】エタロン厚さを研磨によりサブミクロンの
オーダーで制御するのは、極めて困難であり、例え可能
であっても莫大なコストを要するので、現実的ではな
い。そこで従来、共振器内に挿入するエタロンの共振器
軸に対する傾きを調整することにより、エタロンの光路
長を調整し、エタロン縦モードとレーザー媒質のゲイン
ピーク波長とを一致させる試みがなされてきた。
【0008】しかしエタロンの傾きが大きくなり過ぎる
と、エタロン挿入ロスが増大して、やはり発振しきい値
の上昇と、それに伴う出力低下等の問題が生じる。それ
とは逆にエタロンの傾きが小さくなり過ぎると、出力は
出るものの、単一縦モード性が悪化する等の問題が生じ
る。また、特にレーザー装置を大量生産する場合には、
1台毎にエタロンの角度調整をする必要があるから、生
産性が低下するとともに、1台毎に発振しきい値や出力
等の仕様が異なってしまうという問題も生じる。さら
に、光路長調整のためにエタロンを大きく傾ける必要が
ある場合は、そのようにエタロンを傾けたことにより、
発振ビームのプロファイルが歪むという問題も生じる。
【0009】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、発振しきい値の上昇と、それに伴う出力低下等
の問題、およびビームプロファイルの歪みの問題、さら
には単一縦モード性の悪化の問題のない単一縦モードレ
ーザーを提供することを目的とするものである。
【0010】また本発明は、上述のような単一縦モード
レーザーを実現するためのエタロンを提供することを目
的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるエタロン
は、請求項1に記載の通り、レーザー装置の共振器内に
配置されてレーザービームを単一縦モード化するエタロ
ンにおいて、互いに平行な2つの光通過端面にレーザー
ビームが所定の角度で入射する状態で、その縦モードが
レーザー媒質のゲインピーク波長と一致し、かつ縦モー
ド間隔が該レーザー媒質のゲイン半値全幅と略一致して
いることを特徴とするものである。
【0012】一方、本発明による単一縦モードレーザー
は、上記構成のエタロンを用いるものであり、すなわち
請求項2に記載の通り、このエタロンが、互いに平行な
2つの光通過端面が共振器軸に対して所定の角度をなす
状態にして共振器内に配されていることを特徴とするも
のである。
【0013】なおこの本発明による単一縦モードレーザ
ーにおいて好ましくは、請求項3に記載の通り、上記所
定の角度を、共振器軸に対して前記光通過端面の法線が
なす角度と定義したとき、該角度が略30′に設定され
る。
【0014】
【発明の効果】上記の構成を有する本発明の単一縦モー
ドレーザーは、エタロン縦モードとレーザー媒質のゲイ
ンピーク波長とが一致しているため、ゲインを有効に利
用でき、したがって発振しきい値が低く、発振しきい値
上昇に伴う出力低下等の問題を防止可能となる。また、
この本発明の単一縦モードレーザーにおいては、エタロ
ンの縦モード間隔がレーザー媒質のゲイン半値全幅と略
一致していることにより、エタロンの第2縦モード(隣
接モード)で発振することが確実に防止される。
【0015】さらにこの本発明による単一縦モードレー
ザーは、光路長調整のためにエタロンの傾きを調整する
必要がないものであるから、エタロン挿入ロスを低く抑
えて高効率化が実現でき、また、発振ビームのプロファ
イルが歪むという問題も防止でき、その上単一縦モード
性も良好なものとなる。さらに、光路長調整のためにエ
タロンを調整する手段が不要になって、コスト低減の効
果も得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の第1
の実施形態によるレーザーダイオードポンピング固体レ
ーザーを示すものである。このレーザーダイオードポン
ピング固体レーザーは、ポンピング光としてのレーザー
ビーム10を発する半導体レーザー(フェーズドアレイレ
ーザー)11と、発散光である上記レーザービーム10を集
束させる集光レンズ12と、ネオジウム (Nd)がドー
ピングされた固体レーザー媒質であるYAG結晶(以
下、Nd:YAG結晶と称する)13と、このNd:YA
G結晶13の前方側(図中右方側)に配された共振器ミラ
ー14と、この共振器ミラー14とNd:YAG結晶13との
間に配されたエタロン15とからなる。以上の各要素は、
図示しない共通の筐体にマウントされて一体化されてい
る。またフェーズドアレイレーザー11は、図示しないペ
ルチェ素子と温調回路とにより所定温度に保たれる。
【0017】フェーズドアレイレーザー11としては、波
長809 nmのレーザービーム10を発するものが用いられ
ている。またNd:YAG結晶13はNd濃度が1atm %
で、厚さが1mmのものである。このNd:YAG結晶
13は入射したレーザービーム10によってネオジウム原子
が励起されることにより、波長が946.2 nmのレーザー
ビーム16を発する。
【0018】ここでNd:YAG結晶13の両端面13aお
よび13bと、エタロン15の光通過端面15aおよび15b
と、共振器ミラー14のミラー面14aおよび光出射端面14
bの、以上挙げた波長、並びにNd:YAG結晶13の別
の発振線1064nm、1300nmに対する反射率あるいは透
過率は、適宜のコーティングを施すことにより下表の通
りに調整されている。なおこの表中、Rは反射率を、T
は透過率を示しており、それらの数値の単位は%であ
る。
【0019】 13a 13b 15a 15b 14a 14b 809 nm T≧85 R≦2 − − − − 946.2nm R≧99.9 R≦0.1 R=15 R=15 R≧98 R≦0.2 1064 nm T≧30 R≦10 − − T≧30 R≦10 1300 nm T≧70 R≦25 − − T≧70 R≦25 上記の構成においては、エタロン15の両端面15a、15b
間に波長946.2 nmの定在波が生じ、この波長946.2 n
mのレーザービーム16のみがNd:YAG結晶端面13a
とミラー面14aとの間で強く共振し、その一部が共振器
ミラー14の光出射端面14bから出射する。このレーザー
ビーム16は、単一縦モードで発振していることが確認さ
れた。
【0020】なおエタロン15は両端面15a、15bが互い
に平行な平行平板であり、Nd:YAG結晶端面13aと
ミラー面14aとで構成される共振器の軸に対して、両端
面15a、15bの法線が30′の角度をなす状態に配置され
ている。
【0021】ここで本装置においては、図2に示す通
り、レーザー媒質であるNd:YAG結晶13のゲインピ
ーク波長は946.2 nmであり、またこの946 nm帯のゲ
イン半値全幅Wは0.8 nmである。一方エタロン15のF
SR(Free Spectral Range :縦モード間隔)は上記N
d:YAG結晶13のゲイン半値全幅Wと一致させて0.8
nmとされ、それとともに、その1つのエタロン縦モー
ドがNd:YAG結晶13のゲインピーク波長と一致させ
て946.2 nmとされている。
【0022】本装置においては、このようにエタロン縦
モードとNd:YAG結晶13のゲインピーク波長とが一
致しているため、ゲインを有効に利用でき、したがって
発振しきい値が低く、発振しきい値上昇に伴う出力低下
等の問題を防止可能で、さらに単一縦モード性も良好と
なる。また本装置は、光路長調整のためにエタロン15の
傾斜角を調整する手段も不要であるから、比較的低コス
トで作製可能となる。
【0023】なお、エタロン15のFSRをNd:YAG
結晶13のゲイン半値全幅Wと一致させることは必ずしも
必要ではないが、エタロン15の第2縦モード(隣接モー
ド)で発振することをより確実に防止するためには、そ
のFSRをNd:YAG結晶13のゲイン半値全幅Wと略
一致させるのが好ましい。
【0024】次に図3を参照して、本発明の第2の実施
形態について説明する。なおこの図3において、図1中
の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについて
の重複した説明は省略する(以下、同様)。
【0025】この第2の実施形態のレーザーダイオード
ポンピング固体レーザーは第1実施形態の装置と比べる
と、共振器内に光波長変換素子20が配置されている点が
基本的に異なる。この光波長変換素子20は一例として、
周期ドメイン反転構造を有するMgOドープLiNbO
3 のバルク結晶からなるものである。この構成において
もエタロン15の作用により、波長946.2 nmの単一縦モ
ードのレーザービーム16が得られる。そしてこのレーザ
ービーム16は光波長変換素子20により、波長が1/2す
なわち473.1 nmの青色の第2高調波21に変換される。
【0026】ここでNd:YAG結晶13の両端面13aお
よび13bと、エタロン15の両端面15aおよび15bと、共
振器ミラー14のミラー面14aおよび光出射端面14bの、
各波長に対する反射率あるいは透過率は、適宜のコーテ
ィングを施すことにより下表の通りに調整されている。
なおこの表中でも、Rは反射率を、Tは透過率を示して
おり、それらの数値の単位は%である。
【0027】 13a 13b 15a 15b 14a 14b 809 nm T≧85 R≦2 − − − − 946.2nm R≧99.9 R≦0.1 R=15 R=15 R≧99.9 R≦0.2 1064 nm T≧30 R≦10 − − T≧30 R≦10 1300 nm T≧70 R≦25 − − T≧70 R≦25 473.1nm R≧98 R≦10 R≦1 R≦1 T≧93 R≦0.3 また、光波長変換素子20の両端面20a、20bの反射率
は、以下の通りである。 上記の構成において、波長946.2 nmのレーザービーム
16は共振器ミラー14のミラー面14aをほとんど透過せ
ず、その一方波長473.1 nmの第2高調波21の一部がこ
のミラー面14aを透過して、光出射端面14bから出射す
る。この第2高調波21も単一縦モードであることが確認
された。
【0028】この第2実施形態の装置においても、エタ
ロン15の縦モードとNd:YAG結晶13のゲインピーク
波長とが一致しているため、先に説明した第1実施形態
の装置におけるのと同様の効果が得られる。
【0029】次に図10を参照して、本発明の第3の実施
形態について説明する。この第3実施形態によるレーザ
ーダイオードポンピング固体レーザーは第2実施形態の
装置と比べると、光波長変換素子20とエタロン15の配置
の順序が入れ替わっている点だけが異なり、それ以外の
構成は第2実施形態の装置と基本的に同様である。
【0030】この構成においてもエタロン15の作用によ
り、波長946.2 nmの単一縦モードのレーザービーム16
が得られる。そしてこのレーザービーム16は光波長変換
素子20により、波長が1/2すなわち473.1 nmの青色
の第2高調波21に変換される。この第2高調波21も単一
縦モードであることが確認された。
【0031】また本実施形態においては、第2実施形態
の装置と比べると、レーザービーム16のビーム径がより
小さい位置に光波長変換素子20が配置されているため、
波長変換効率が一層高まり、より高い第2高調波出力が
得られるようになる。
【0032】次に、上述のようにNd:YAG結晶13の
ゲインピーク波長と縦モードが一致したエタロン15を作
製する方法について説明する。図4は、このエタロン15
を作製する装置の一例を示すものである。この装置にお
いては、図1および図3のレーザーダイオードポンピン
グ固体レーザーと同様にNd:YAG結晶をレーザー媒
質とする固体レーザー30から単一縦モードのレーザービ
ーム31が発せられ、このレーザービーム31はビームエキ
スパンダ32に通される。このビームエキスパンダ32によ
りビーム径が拡大されたレーザービーム31は、ビームス
プリッタ33を透過して、エタロン基板5に照射される。
【0033】このエタロン基板5は、一例として屈折率
が1.45のフューズドシリカからなり、厚さが約0.38mm
で、一辺が50mmの正方形に形成されたものである。こ
のエタロン基板5の面積は、例えば3mm四方の正方形
とされるエタロン15と比較すれば、十分に大きいもので
ある。
【0034】またこのエタロン基板5の両表面5a、5
b(エタロン15の光通過端面15a、15bとなる表面)に
は、後にそれが切断されてエタロン15とされた際に適度
なFinesse (縦モード選択性の強さ)を有するように、
所定のコーティングが予め施されている。このコーティ
ングは、例えば図1のレーザー装置に適用するエタロン
15を作製する場合ならば、前述のように 946.2nmの光
に対して反射率R=15%となるものである。
【0035】このエタロン基板5に、その一表面5a側
から照射されたレーザービーム31の一部はこの表面5a
で反射し、残余は該基板5を透過後に表面5bで反射す
る。このように反射したレーザービーム31はビームスプ
リッタ33で反射し、集光レンズ34により収束せしめられ
る。この収束位置にはCCD撮像素子等からなる2次元
光検出器35が配設されており、レーザービーム31の結像
状態がこの2次元光検出器35によって撮影される。この
撮影された像は、例えばCRT表示装置等の表示手段36
において拡大再生される。
【0036】エタロン基板5は平行平板となるように研
磨されたものであるが、両表面5a、5bを完全に平行
に研磨することは、一般に不可能である。つまりこのエ
タロン基板5は、必ず厚さの分布を有するものとなる。
そのため、上記のエタロン基板表面5aで反射したレー
ザービーム31と、表面5bで反射したレーザービーム31
との干渉により、例えば図5に示すような干渉縞が生じ
る。表示手段36において拡大再生される像は、この干渉
縞を示すものとなる。
【0037】本例においては反射型の干渉計が構成され
ているので、細分してエタロン15とした際にエタロン縦
モードがNd:YAG結晶13のゲインピーク波長946.2
nmと等しくなるような厚さとなっているエタロン基板
5の部分は、上記干渉縞の暗部に対応する部分である。
そこで、この干渉縞の暗部に対応する基板部分を細分し
てエタロン15とし、それを図1、図3あるいは図10のレ
ーザー装置において共振器軸に対して両端面15a、15b
が垂直となる向きに配置すれば、そのエタロン15は、縦
モードがNd:YAG結晶13のゲインピーク波長と一致
するものとなる。
【0038】それに対して、透過型の干渉計を利用する
場合は、干渉縞の明部に対応する基板部分を細分してエ
タロン15とすれば、そのエタロン15は、縦モードがN
d:YAG結晶13のゲインピーク波長と一致するものと
なる。
【0039】本方法によれば、エタロン基板5が前述の
通り50mm四方の正方形で、エタロン15を3mm四方の
正方形に切断する場合で、縦モードがNd:YAG結晶
13のゲインピーク波長と一致するエタロン15を一度に10
0 枚以上作製することができる。
【0040】なお、予めエタロン基板5をどのように切
断するか定めておき、その切断線(図5中、1点鎖線で
表示)を表示手段36においてスーパーインポーズ等の手
法により干渉像と重ね合わせて表示すれば、例えば右か
ら何列目の上から何番目の切断片は干渉縞の暗部にある
からエタロン15として利用できる、ということが一目瞭
然となり、エタロン作製作業の能率が向上する。
【0041】次に、Nd:YAG結晶13のゲインピーク
波長と縦モードが一致したエタロン15を作製する別の方
法について説明する。図6は、このエタロン15を作製す
る装置の一例を示すものである。この装置においては、
ポンピング光としてのレーザービーム40を発する半導体
レーザー(フェーズドアレイレーザー)41と、発散光で
ある上記レーザービーム40を集束させる集光レンズ42
と、Nd:YAG結晶43と、共振器ミラー44とからなる
評価用レーザー装置が用いられる。
【0042】上記Nd:YAG結晶43は、図1、図3お
よび図10のレーザー装置を構成するNd:YAG結晶13
と同様にゲインピーク波長が946.2 nmのものである。
またこの評価用レーザー装置の共振器はNd:YAG結
晶43と共振器ミラー44とによって構成されるが、その中
には、前述したものと同様のエタロン基板5が配され
る。
【0043】エタロン基板5はこの評価用レーザー装置
においてエタロンとして作用し、それによりレーザービ
ーム45が単一縦モード化される。このレーザービーム45
は集光レンズ46によって集光されて光ファイバー47内に
入射し、そこを伝搬して光スペクトラムアナライザー48
に導かれる。光スペクトラムアナライザー48はレーザー
ビーム45の発振波長を測定し、その測定結果を示す信号
S1をコンピューター49に入力する。
【0044】このコンピューター49は、エタロン基板5
を保持している2次元移動ステージ50に駆動制御信号S
2を入力する。2次元移動ステージ50はこの駆動制御信
号S2に基づいて駆動し、エタロン基板5をレーザービ
ーム45に対して2次元的に、つまり図中の上下方向およ
び紙面に垂直な方向に相対移動させる。それによりエタ
ロン基板5は、レーザービーム45によって2次元走査さ
れる。
【0045】先に述べた通りエタロン基板5は厚さの分
布を有するので、レーザービーム45のエタロン基板5上
の走査位置に応じてその発振波長が変化する。コンピュ
ーター49は2次元移動ステージ50からその移動位置(す
なわちレーザービーム45のエタロン基板5上の走査位
置)を示す信号S3を受け、そのとき入力される上記信
号S1と該信号S3とを対応させて、エタロン基板5上
の各位置毎にレーザービーム45の発振波長を示すマップ
を作成する。
【0046】このマップは、例えば図7に示すようなも
のとなり、例えばCRT表示装置等の表示手段51におい
て表示される。そこでこの表示されたマップを見れば、
エタロン基板5のどの部分を切断してエタロン15とすれ
ば、そのエタロン縦モードがNd:YAG結晶13のゲイ
ンピーク波長と一致するかを知ることができる。例えば
図7のような場合は、Nd:YAG結晶13のゲインピー
ク波長946.2 nmに対してエタロン縦モードの誤差を±
0.2 nm許容するならば、エタロン基板5の図中斜線を
付した部分を切断してエタロン15とすればよい。このよ
うにして得られたエタロン15も、そのエタロン縦モード
がNd:YAG結晶13のゲインピーク波長と一致する。
【0047】本方法によれば、エタロン基板5が前述の
通り50mm四方の正方形で、エタロン15を3mm四方の
正方形に切断する場合で、縦モードがNd:YAG結晶
13のゲインピーク波長と一致する(誤差±0.2 nm以
内)エタロン15を一度に100 枚以上作製することができ
る。
【0048】なおこの方法においても、予めエタロン基
板5をどのように切断するか定めておき、その切断線
(図5中、1点鎖線で表示したもの)を表示手段51にお
いてマップと重ね合わせて表示すれば、例えば右から何
列目の上から何番目の切断片はエタロン15として利用で
きる、ということが一目瞭然となり、エタロン作製作業
の能率が向上する。
【0049】次に、Nd:YAG結晶13のゲインピーク
波長と縦モードが一致したエタロン15を作製するさらに
別の方法について説明する。図8は、このエタロン15を
作製する装置の一例を示すものである。この装置は、先
に図6に示した装置と比べると基本的に、エタロン基板
5に代えて複数の基板細片5Pを保持した治具60が配さ
れる点、および2次元移動ステージ50の代りに1次元移
動ステージ61が用いられている点が異なるものである。
【0050】なお上記基板細片5Pは、前述したような
比較的大面積のエタロン基板5をエタロンサイズに切断
してなるものであり、それらは図9の正面図にも示す通
り、治具60に1列に並べて保持される。そして治具60
は、保持している基板細片5Pの両表面に固体レーザー
ビーム(評価用レーザービーム)45が入射する向きにし
て、1次元移動ステージ61に保持されている。
【0051】基板細片5Pはこの評価用レーザー装置に
おいてエタロンとして作用し、それによりレーザービー
ム45が単一縦モード化される。このレーザービーム45の
発振波長は、図6の装置におけるのと同様にして光スペ
クトラムアナライザー48によって測定される。そして光
スペクトラムアナライザー48が出力する上記発振波長を
示す信号S1が、コンピューター49に入力される。1次
元移動ステージ61はコンピューター49が出力する駆動制
御信号S2に基づいて駆動し、治具60を図中の上下方向
に、基板細片5Pの取付けピッチと同じピッチで間欠移
動させる。
【0052】このように治具60が移動することにより、
そこに取り付けられている複数の基板細片5Pが、順次
共振器内でレーザービーム45の照射を受ける位置に配さ
れる。先に述べた通りエタロン基板5は厚さの分布を有
するので、それが切断されてなる複数の基板細片5P
は、必ずしも同じ厚さにはなっていない。そこで、共振
器内に配された基板細片5Pの厚さに応じて、レーザー
ビーム45の発振波長が変化することになる。
【0053】コンピューター49は、1次元移動ステージ
61を1ピッチ移動させる毎に、つまり各基板細片5Pが
レーザービーム45の照射を受ける位置に配される毎に、
そのとき入力される信号S1が示すレーザービーム45の
発振波長がNd:YAG結晶13のゲインピーク波長946.
2 nmと、例えば許容誤差±0.2 nmで一致するか否か
を判定する。この判定結果は、表示手段51においてリス
トにして表示される。このリストは例えば、「No.1=O
K No.2=OK No.3=NG ………」等のよう
に、各基板細片5Pの共振器内に配される順番と対応付
けて記載される。この順番は、治具60における基板細片
5Pの並び順と対応するから、図9に示すように治具60
に表示しておくことができる。
【0054】そこで、上記リストでOKとされた番号の
基板細片5Pを選び出してそれをエタロン15とし、それ
を図1、図3あるいは図10のレーザー装置において使用
すれば、そのエタロン縦モードがNd:YAG結晶13の
ゲインピーク波長と、誤差±0.2 nm以内で一致するよ
うになる。
【0055】本方法によれば、エタロン基板5が前述の
通り50mm四方の正方形で、エタロン15を3mm四方の
正方形に形成する場合で、縦モードがNd:YAG結晶
13のゲインピーク波長と一致する(誤差±0.2 nm以
内)エタロン15を歩留まり約50%で作製することも可能
である。
【0056】なお、上述のように駆動源を備えた1次元
移動ステージ61とコンピューター49とを使用せずに、マ
ニュアル操作により各基板細片5Pをレーザービーム45
の照射を受ける位置に順次配し、その都度光スペクトラ
ムアナライザー48が表示するレーザービーム45の発振波
長を読み取って、各基板細片5Pをエタロン15として使
用できるか否か判定するようにしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による固体レーザー装
置を示す側面図
【図2】図1の装置におけるレーザー媒質のゲインとエ
タロン縦モードとの関係を示すグラフ
【図3】本発明の第2の実施形態による固体レーザー装
置を示す側面図
【図4】エタロン作製装置の一例を示す側面図
【図5】図4の装置において生じる干渉縞とエタロン基
板との位置関係を示す概略図
【図6】エタロン作製装置の別の例を示す側面図
【図7】図6の装置における評価用レーザービームの発
振波長とエタロン基板との位置関係を示すマップの概略
【図8】エタロン作製装置のさらに別の例を示す側面図
【図9】図8の装置の一部を拡大して示す正面図
【図10】本発明の第3の実施形態による固体レーザー
装置を示す側面図
【符号の説明】
5 エタロン基板 5P エタロン基板細片 10 レーザービーム(ポンピング光) 11、41 半導体レーザー 12、34、42、46 集光レンズ 13、43 Nd:YAG結晶 14、44 共振器ミラー 15 エタロン 15a、15b エタロンの光通過端面 16 固体レーザービーム 20 光波長変換素子 21 第2高調波 30 固体レーザー 31 単一縦モードレーザービーム 32 ビームエキスパンダ 33 ビームスプリッタ 35 2次元光検出器 36、51 表示手段 45 評価用レーザービーム 47 光ファイバー 48 光スペクトラムアナライザー 49 コンピューター 50 2次元移動ステージ 60 治具 61 1次元移動ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 千秋 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2K002 AB12 CA03 DA01 GA04 HA20 5F072 AB02 HH02 HH05 JJ02 JJ05 JJ13 KK01 KK06 KK08 KK12 MM20 PP07 QQ02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー装置の共振器内に配置されてレ
    ーザービームを単一縦モード化するエタロンにおいて、
    互いに平行な2つの光通過端面にレーザービームが所定
    の角度で入射する状態で、その縦モードがレーザー媒質
    のゲインピーク波長と一致し、かつ縦モード間隔が該レ
    ーザー媒質のゲイン半値全幅と略一致していることを特
    徴とするエタロン。
  2. 【請求項2】 互いに平行な2つの光通過端面が共振器
    軸に対して所定の角度をなす状態にして、レーザー媒質
    のゲインピーク波長と縦モードが一致し、かつ縦モード
    間隔が該レーザー媒質のゲイン半値全幅と略一致してい
    るエタロンが共振器内に配されていることを特徴とする
    単一縦モードレーザー。
  3. 【請求項3】 上記所定の角度を、共振器軸に対して前
    記光通過端面の法線がなす角度と定義したとき、該角度
    が略30′であることを特徴とする請求項2記載の単一縦
    モードレーザー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100427875C (zh) * 2006-10-27 2008-10-22 清华大学 激光共焦回馈显微测量装置
JP2013015427A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Fuji Electric Co Ltd 微粒子検出装置

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CN100427875C (zh) * 2006-10-27 2008-10-22 清华大学 激光共焦回馈显微测量装置
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