JP2002313270A - 高真空電子線装置及びその排気方法 - Google Patents

高真空電子線装置及びその排気方法

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JP2002313270A JP2001116247A JP2001116247A JP2002313270A JP 2002313270 A JP2002313270 A JP 2002313270A JP 2001116247 A JP2001116247 A JP 2001116247A JP 2001116247 A JP2001116247 A JP 2001116247A JP 2002313270 A JP2002313270 A JP 2002313270A
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Shigehiro Mitamura
茂宏 三田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子銃が設けられたチャンバにイオンポンプ
が取付けられ、ベーキング装置を設け、排気能力を最大
限にするようにした高真空電子線装置を提供する。 【解決手段】 ベーキング用電源6aからベーキング装
置6に加熱電流が流され、チャンバ2及びイオンポンプ
5を加熱すると同時に、バルブ12及びバルブ11を開
き、その排気通路からチャンバ1を介して油拡散ポンプ
4で真空排気する。ある程度水分や残留ガスが放出さ
れ、チャンバ2が中真空になったベーキング後期でイオ
ンポンプ5を動作させ、発生したガスを排気通路から排
気する。そして、ベーキングを終了しクーリングを開始
した3〜10分後にバルブ11を閉じる。上記の操作を
シーケンスプログラムによって行い、イオンポンプ5に
かかる負荷を軽減し、能力を最大限に引き出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子銃を備えた真
空装置に係わり、特に、イオンポンプとベーキング装置
を備え、高真空度にして電子銃を用いた電子顕微鏡、電
子線マイクロアナライザ、電子線描画装置等の高真空電
子線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線を物質の表面に照射すると、電子
と物質との相互作用の結果、特性X線、反射電子、ある
いは二次電子などの量子を発生する。これらの量子は物
質の性質を示す情報の媒体である。主に特性X線を検出
して物質の微小領域を非破壊で元素分析する装置がX線
マイクロアナライザであり、電子線を走査して2次電子
を検出し信号として表示装置に拡大表示し、記録する装
置が走査形電子顕微鏡である。また、走査電子によって
試料にパターンを描写し加工する装置が電子線描画装置
である。
【0003】上記の各種電子線装置は、内部に色々な部
品が設けられた真空チャンバからなり、真空チャンバ壁
や各部品からガスが放出される。真空チャンバ内のガス
放出機構のモデルを図3に示す。内部の気体を真空ポン
プで速く排気しても、(1)表面吸着ガス、(2)チャ
ンバ壁からの漏れガス、(3)内部吸蔵ガス、(4)チ
ャンバ壁を透過するガス等が内部に放出され、実際の装
置においては、これらの気体がチャンバ内の圧力を支配
している。このうち、(2)の漏れガス、(4)の透過
ガスは普通無視できるくらいに小さくすることができ
る。一方、(1)の表面吸着ガス、(3)の内部吸蔵ガ
スを少なくするために、通常容器の材料にステンレスを
用い、10 Paくらいの所で、あらびきポンプから
主ポンプに切り換えて、真空容器をベーキング(真空容
器を加熱しながら排気すること)することが行われる。
また、排気速度を上げるためには、真空ポンプとチャン
バ間は配管抵抗を少なくするために、直径の大きい配管
を用い、できるだけ距離を短くしてコンダクタンスを大
きくした装置の設計にされる。真空ポンプから遠くに位
置し、細い配管で接続された真空チャンバは、高速に排
気することができないばかりか、到達真空度も低くな
る。そのために、遠くに位置するチャンバには別の差動
排気用のポンプが設置される。
【0004】図4に、X線マイクロアナライザの構造を
示す。X線マイクロアナライザは、通常、電子銃部、電
子ビーム制御系、電子走査部、試料台部、検出器部、お
よびコンピュータ制御とデータ処理系とから構成され
る。装置上部にチャンバ2を備え、電子銃部には負の高
電圧が印加されフィラメントに加熱電流が供給される電
子銃7が、チャンバ2の上部に絶縁されて取付けられて
いる。電子線は、フィラメント、ウエネルト円筒、陰極
からなる電子銃7から放射され、一般に1〜50kVの
電圧で加速されてバルブ12の中心を通り、筒14に設
けられた電子ビーム制御系の集束レンズ19aと対物レ
ンズ19bの電磁レンズ作用によって、細く絞られた電
子プローブとなり、電子走査部の走査コイル19cで偏
向走査されて、下部のチャンバ1内に設けられた試料台
13a上の試料13に照射される。試料13上での電子
線は、直径40Å〜1μm程度になるが、分析目的に応
じて径100μm以上に電磁レンズの励磁を変えて調整
することができる。そして、照射された試料13から、
特性X線、反射電子、2次電子などが放出される。その
特性X線をX線検出器15で検出し、又、その2次電子
を電子線検出器16で検出して、コンピュータ制御とデ
ータ処理系で処理されて、表示装置又は記憶装置に出力
される。上部のチャンバ2は、バルブ12で下方のチャ
ンバ1と仕切られ、差動排気用のイオンポンプ5が配管
接続され、外装にベーキング装置6が装着され、ベーキ
ング用電源6aから加熱電流が流されてチャンバ2が加
熱され、イオンポンプ用電源5aから直流電圧が印加さ
れイオンポンプ5が動作してチャンバ2内が高真空に排
気される。通常、電子線を扱う部分は、約10−5〜1
−7Pa程度の真空度に保たれている。下方のチャン
バ1は、バルブ8を備えたバイパス18を介して、ロー
タリポンプ3で真空あら引きを行い、10−1Paくら
いの所で、バルブ8を閉じて、あらびきポンプから主ポ
ンプに切り換えて、バルブ20を開放し油拡散ポンプ4
(又はターボ分子ポンプ)からバルブ9を介してロータ
リポンプ3で真空排気する。また、主ポンプに切り換え
て所定の真空度になってから、上部のバルブ12を開放
する。上部のチャンバ2は下方の真空排気装置でチャン
バ1を介して排気されるが、配管抵抗が大きいので、ベ
ーキングしてイオンポンプ5によって高真空にされる。
【0005】図5に、スパッタイオンポンプ(以下イオ
ンポンプ5と呼ぶ)の原理を示す。イオンポンプ5は、
(a)対極からなる陰極方向に磁場Bが数kGでかけら
れ、その両陰極間に配置された円筒状の陽極に直流電圧
が印加されて、マグネトロン放電によってイオンを生成
する。(a)の上部の図はa−b断面で見たeの動き
を示す。そして、(b)電離作用によって生成したプラ
スイオンは、化学的に極めて活性な材料(通常、チタ
ン)で作られた陰極に衝突し、そのエネルギーによって
陰極材料がスパッタされて円筒陽極に捕獲される。そし
て(c)スパッタされた金属によるガス吸着が行われ
る。この三つの過程が、常に行われ、空間にある気体を
スパッタされた陰極材との化合物等として空間から除去
する。従って、化学的に不活性な希ガス(He、Ne、
Arなど)は僅かしか排気しない。そのため(c)の上
部の図に示すように、陰極を格子状にするとアルゴンも
真空容器上にスパッタされた原子により閉じ込められて
排気される。このポンプはノーブルポンプと呼ばれてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】X線マイクロアナライ
ザや走査形電子顕微鏡等の高真空電子線装置は、以上の
ように構成されているが、従来、ベーキング時には、ベ
ーキング装置6にベーキング電源6aから加熱電流を流
し、ベーキング開始直後から、イオンポンプ5にイオン
ポンプ用電源5aから直流電圧を印加して動作させる
か、あるいは、ベーキングが終了してからイオンポンプ
5を動作させていた。このようにベーキング開始ととも
にイオンポンプ5を動作させるのでは、ベーキング中は
真空度が低下しているので、イオンポンプ5が低真空中
にさらされ、その負荷が大きくなるという問題がある。
またベーキングが終了してイオンポンプ5が冷えた状態
でイオンポンプ5を動作させるのでは、イオンポンプ5
内の電極エレメント等の浄化が十分に行えないために、
イオンポンプ5の排気能力を十分に引き出せないという
問題がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、電子銃が設けられたチャンバを高真空
にするために、ベーキング装置を設け、イオンポンプ動
作時は低真空にすることの無いようにし、排気能力を最
大限にした高真空電子線装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の高真空電子線装置は、電子銃を内部に含むと
ともに内部を高真空に排気するためのイオンポンプが接
続され外部をベーキング装置で囲まれた第1のチャンバ
と、前記電子銃で発生された電子ビームを導入する第2
のチャンバと、前記第1のチャンバ内を前記イオンポン
プによる排気に先立って中真空に排気するための排気通
路を有する高真空電子線装置において、前記第1のチャ
ンバをベーキングする際に、前記排気通路を介して前記
第1のチャンバを中真空まで排気した後に前記ベーキン
グ装置を起動し、ベーキング終了予定時刻から所定時間
だけ手前の時刻に前記イオンポンプを起動し、その後ベ
ーキング終了予定時刻においてベーキングを停止するよ
う制御する制御装置を備えたものである。
【0009】また、本発明の高真空電子線装置の排気方
法は、電子銃を内部に含むとともに内部を高真空に排気
するためのイオンポンプが接続され、外部をベーキング
装置で囲まれた第1のチャンバと、前記電子銃で発生さ
れた電子ビームを導入する第2のチャンバと、前記第1
のチャンバ内を前記イオンポンプによる排気に先立って
中真空に排気するための排気通路を有する高真空電子線
装置の排気方法において、前記第1のチャンバをベーキ
ングする際に、前記排気通路を介して前記第1のチャン
バを中真空まで排気した後に前記ベーキング装置を起動
し、ベーキング終了予定時刻から所定時間だけ手前の時
刻に前記イオンポンプを起動し、その後ベーキング終了
予定時刻においてベーキングを停止するものである。
【0010】ここで、上記の高真空とは、イオンポンプ
で引いて得られる真空度であり、10−5〜10−7
a程度をさしており、中真空とは、拡散ポンプでひいて
得られる真空度であり、10−2〜10−4Pa程度を
さしている。
【0011】本発明の高真空電子線装置は上記のように
構成されており、電子銃を備え、イオンポンプが接続さ
れ、外部をベーキング装置で囲まれた第1のチャンバ
と、電子銃で発生した電子ビームを導入する第2のチャ
ンバと、第1のチャンバ内を中真空に排気するための排
気通路が設けられ、中真空まで排気した後に、ベーキン
グ装置を起動し、ベーキング終了予定時刻から所定時間
だけ手前の時刻に前記イオンポンプを起動し、その後ベ
ーキング終了予定時刻にベーキングを停止して、チャン
バを高真空度にするもので、イオンポンプの作動と第1
のチャンバのベーキングとを、上記のシーケンスに基づ
いて自動的に制御装置で行う。そのためイオンポンプ動
作時は低真空になることが無いようにし、また、イオン
ポンプの排気能力を最大限にするようにシーケンス制御
を行うことができ、チャンバを効率良く高真空にするこ
とができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の高真空電子線装置及びそ
の排気方法の一実施例を図1、図2を参照しながら説明
する。図1は、本発明の高真空電子線装置の構成を示す
図である。本高真空電子線装置は、装置上部に設けられ
たステンレス製のチャンバ2と、そのチャンバ2に接続
配管されたイオンポンプ5(イオンポンプ用電源5aを
含む)と、チャンバ2に取付けられ電子源に高輝度用の
LaBまたはCeBを用いた電子銃7と、その電子
銃7とチャンバ2とイオンポンプ5の外装を覆い加熱し
てベーキングするベーキング装置6(ベーキング用電源
6aを含む)と、チャンバ2に接続配管されバルブ11
を有するあらびき用のバイパス17と、チャンバ2に対
して筒14を介して接続されるチャンバ1とチャンバ2
との間を仕切るバルブ12と、電子銃7から放射する電
子線を制御して細く絞り試料13に照射する電子ビーム
制御系19と、試料13をセットする試料台13a、試
料13から放射する特性X線を検出するX線検出器1
5、試料13から放射する2次電子を検出する電子線検
出器16とを内蔵するステンレス製のチャンバ1と、そ
のチャンバ1にバイパス17が接続配管され、バルブ8
を介して配管されたあらびき用のバイパス18と、バル
ブ20を介して配管された本排気用の油拡散ポンプ4
と、その油拡散ポンプ4にバルブ9を介して接続された
ロータリポンプ3と、真空系に大気圧を導入するバルブ
10とから構成されている。
【0013】チャンバ2は、全体がベーキング装置6で
覆われ、上部に電子銃7と、側面にイオンポンプ5とあ
らびき用のバイパス17に接続配管されるバルブ11
と、下部に電子銃7からのビームラインを通す筒14を
介してチャンバ1と接続され、その間を仕切るバルブ1
2とを備えている。そして、そのチャンバ2の材料にス
テンレスが用いられ、10−1Paくらいの所で、チャ
ンバ2がベーキング(真空容器を加熱しながら排気する
こと)される。表面の吸着ガス、内部の吸蔵ガスの大部
分が、HOであり、この中の酸素成分が装置の内部に
設けられた部品の表面を酸化したり、イオンポンプ5の
負荷を大きくしたり、イオンポンプ5内の電極エレメン
ト等の浄化を十分に行うことができず、排気能力を十分
に引き出すことができないので、極めて悪い影響を与え
る。そのため、バルブ12及びバルブ11を開放し、ベ
ーキングしてバイパス17から真空あらびきが行われ
る。電子銃7は、通常タングステンのヘアピン形フィラ
メントが使われているが、ここではさらに高輝度を得る
ために、電子源としてランタンヘキサボライド陰極また
はセリウムヘキサボライド陰極を用いる。そして、電子
銃7はマイナスの高電圧が印加されるのでチャンバ2に
電気的に絶縁されて取付けられ、高輝度用の電子源を用
いているので、チャンバ2内部は常に高真空に保たれて
いる。イオンポンプ5は、陰極方向に磁場がかけられ陽
極に直流電圧が印加されて、マグネトロン放電によって
イオンを生成させ、電離作用によって生成したプラスイ
オンが、化学的に極めて活性な材料で作られた陰極に衝
突し、そのエネルギーによって陰極材料がスパッタされ
て陽極に捕獲され、スパッタされた金属によるガス吸着
が行われるスパッタイオンポンプを用いる。希ガス(H
e、Ne、Arなど)の多い場合は、ノーブルポンプを
用いてもよい。ベーキング装置6は、抵抗加熱線を布様
のものでおおって電気的に絶縁したもので、イオンポン
プ5と電子銃7を取付けたチャンバ2の外装を覆い、ベ
ーキング用電源6aから電流を流して、必要な個所に温
度検出器を備えて温度制御し、加熱するものである。抵
抗加熱式以外に赤外線源による加熱方法でもよい。ま
た、加熱後に、風冷もしくは水冷によりクーリングする
こともできる。バイパス17は、チャンバ2にバルブ1
1を介して接続配管され、チャンバ1に接続される。そ
して、バルブ11を開けて、ベーキング装置6でベーキ
ングを行いながら、電子銃7が取付けられたチャンバ2
を真空あらびきする時に、このバイパス17が使用され
る。バルブ11は、開放されて、チャンバ2内がベーキ
ングされ、バイパス17からチャンバ1を介して真空あ
らびきされる。所定の真空度になってからイオンポンプ
5がONされ、イオンポンプ5の負荷をできるだけ軽減
して、その能力をできるだけ発揮させるようにする。そ
して、ベーキング終了後、所定の時間経過した後バルブ
11は閉じられる。バルブ12は、チャンバ2内がベー
キングされている時、バルブ11の開放と同時に、開放
される。ベーキング終了後もチャンバ1が高真空にされ
て、チャンバ2もイオンポンプ5で高真空にされ、バル
ブ12が開放の状態にされる。そして電子銃7からの電
子線が、このバルブ12の中央に通し、電子ビーム制御
系19により試料13に導かれる。使用後はバルブ12
を閉じ、チャンバ2は高真空の状態で保たれる。また、
試料台13a上の試料13を交換するときや、本体のチ
ャンバ1をメインテナンスする時には、バルブ12を閉
じて、電子銃7側のチャンバ2を高真空に維持させる。
【0014】図2に、イオンポンプ5の作動とチャンバ
2のベーキングとバルブ11及びバルブ12の開閉を自
動で行うシーケンス図を示す。図1及び図2を参照しな
がら本装置の動作を説明する。まず、バルブ10を閉
じ、ロータリポンプ3を動作させバルブ8を開き、チャ
ンバ1内をバイパス18を介してあらびきする。次に、
バルブ8を閉じ、バルブ9を開き油拡散ポンプ4を動作
させる。そして、バルブ20を開き、チャンバ1内を真
空にする。次に、チャンバ2内の真空度を高めるため
に、図2に示すシーケンスプログラムによって動作す
る。まず、バルブ11及びバルブ12が開けてあってチ
ャンバ2の真空度はチャンバ1の真空度と同程度になっ
た状態であるとする。次にベーキング装置6にベーキン
グ用電源6aから加熱電流が流され、チャンバ2及びイ
オンポンプ5が加熱される。装置によって異なるが、ベ
ーキング開始してから約1時間で100℃(100〜1
50℃に加熱することが可能)になる工程で加熱する。
チャンバ2及びイオンポンプ5から大量のガス及び水分
が、バイパス17及び筒14を通り、チャンバ1を介し
て、油拡散ポンプ4から排気される。そして、ベーキン
グは、開始して所定の温度になってから約8時間程度そ
の温度で続けられる。十分にガス及び水分が排気された
後、ベーキング終了予定時刻の1時間(30分から2時
間の範囲が可能)手前の時刻のところで、イオンポンプ
5にイオンポンプ用電源5aから直流電圧が印加されイ
オンポンプ5を動作させる。電子銃7を取付けたチャン
バ2は、イオンポンプ5とバイパス17及び筒14で排
気される。筒14は内部にスリットなどがあり配管抵抗
が大きいので、チャンバ2のガス及び水分は大部分がバ
イパス17から排気される。ベーキングは終了予定時刻
になると自動的に終了し、その後、チャンバ2及びイオ
ンポンプ5は、クーリング(風冷もしくは水冷又は自然
冷却でもよい)が開始され、チャンバ2及びイオンポン
プ5の温度も下がり、約1時間かかって室温まで下げ
る。同時に電子銃7の温度も下がる。そして、ベーキン
グ終了後、3〜10分で、イオンポンプ5だけで真空引
きが可能になり、その時刻にバルブ11が閉じられる。
【0015】そして、従来のように、電子銃7からの電
子線が1〜50kVの電圧で加速され、バルブ12の中
心を通り、筒14に設けられた電子ビーム制御系19の
電磁レンズ作用によって細く絞られ、下部のチャンバ1
内に設けられた試料台13a上の試料13に照射され
る。そして照射された試料13から、特性X線、反射電
子、2次電子などが放出される。その特性X線をX線検
出器15で検出し、又、その2次電子を電子線検出器1
6で検出して、コンピュータ制御とデータ処理系で処理
されて、表示装置又は記憶装置に出力される。
【0016】
【発明の効果】本発明の高真空電子銃ベーキング装置は
上記のように構成されており、電子銃を内蔵しイオンポ
ンプが取付けられたチャンバに、ベーキング装置を備
え、本体チャンバとの間に排気通路を設けて中真空まで
排気した後に、ベーキング装置を起動し、ベーキング終
了予定時刻から所定時間だけ手前の時刻にイオンポンプ
を起動し、その後ベーキング終了予定時刻にベーキング
を停止して、チャンバを高真空度にしているので、イオ
ンポンプ動作時は、低真空になることが無いようにさ
れ、イオンポンプ内の碍子などの汚れを最低限に抑え、
また、イオンポンプの残留ガスによるエレメントの浄化
を行い、その際発生したガスをイオンポンプ内にとどま
らせるのでなく、外に放出することで負荷を軽減するこ
とができる。それによって、イオンポンプは長時間にわ
たってその排気能力を最大限にすることができ、シーケ
ンス制御を行うことで延命することができる。そして、
チャンバを長期にわたり効率良く高真空度で使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高真空電子線装置の一実施例を示す
図である。
【図2】 本発明の高真空電子線装置のベーキング制御
温度とイオンポンプ動作とバルブ開閉のタイミングを示
す図である。
【図3】 真空チャンバのガス放出の源を説明するため
の図である。
【図4】 従来の電子線マイクロアナライザの構成を示
す図である。
【図5】 スパッタイオンポンプの動作機構を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1、2…チャンバ 3…ロータリポンプ 4…油拡散ポンプ 5…イオンポンプ 5a…イオンポンプ用電源 6…ベーキング装置 6a…ベーキング用電源 7…電子銃 8、9、10、11、12、20…バルブ 13…試料 13a…試料台 14…筒 15…X線検出器 16…電子線検出器 17、18…バイパス 19…電子ビーム制御系 19a…集束レンズ 19b…対物レンズ 19c…走査コイル
フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA30 AA57 BB10 BD03 CA39 CA65 DA01 EB01 EB31 5C033 KK01 KK02 KK04 5F056 EA16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子銃を内部に含むとともに内部を高真空
    に排気するためのイオンポンプが接続され外部をベーキ
    ング装置で囲まれた第1のチャンバと、前記電子銃で発
    生された電子ビームを導入する第2のチャンバと、前記
    第1のチャンバ内を前記イオンポンプによる排気に先立
    って中真空に排気するための排気通路を有する高真空電
    子線装置において、前記第1のチャンバをベーキングす
    る際に、前記排気通路を介して前記第1のチャンバを中
    真空まで排気した後に前記ベーキング装置を起動し、ベ
    ーキング終了予定時刻から所定時間だけ手前の時刻に前
    記イオンポンプを起動し、その後ベーキング終了予定時
    刻においてベーキングを停止するよう制御する制御装置
    を備えたことを特徴とする高真空電子線装置。
  2. 【請求項2】電子銃を内部に含むとともに内部を高真空
    に排気するためのイオンポンプが接続され外部をベーキ
    ング装置で囲まれた第1のチャンバと、前記電子銃で発
    生された電子ビームを導入する第2のチャンバと、前記
    第1のチャンバ内を前記イオンポンプによる排気に先立
    って中真空に排気するための排気通路を有する高真空電
    子線装置の排気方法において、前記第1のチャンバをベ
    ーキングする際に、前記排気通路を介して前記第1のチ
    ャンバを中真空まで排気した後に前記ベーキング装置を
    起動し、ベーキング終了予定時刻から所定時間だけ手前
    の時刻に前記イオンポンプを起動し、その後ベーキング
    終了予定時刻においてベーキングを停止することを特徴
    とする高真空電子線装置の排気方法。
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