JP2002310492A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
暖房等「足もと」の快適性を優先させる空気調和機の提
供。 【解決手段】床面の輻射温度を検出する輻射温度検出手
段と、足もと優先運転指示手段と、床面温度算出手段
と、床面温度Tfと設定室温Tsとの差「Tf−Ts」
と複数の所定の温度差との大小関係を判別する温度差判
別手段と、その判別結果により室内送風機の設定回転
数、設定室温Ts、吹出風向ルーバー設定角度を補正さ
せる補正手段とを備える。輻射温度検出手段として赤外
線センサーを使用し、外乱赤外線の入射を遮るレンズと
センサーへの赤外線入射角度を制限するガイドを備えた
もの。
Description
空調室床面の温度制御に関するものである。
し、快適な室内空間を実現するための空気調和機が種々
提案されている。例えば、特開平5−26508号公報
には、床面からの輻射温度を検出して算出した床面温度
より算出する床近辺空気温度と空気調和機吸込部空気温
度との温度差の大小により、吹出口を開閉して風量を切
替えるものである。即ち、室内の上下空気温度差が大き
く暖房時の足もとが寒いといった不快感のある場合に吹
出口の開口面積を縮小して吹出風速を増加させると共に
風量を増加させようとするものである。
は、吹出温度と吸込み温度との温度差が小さいときは室
内送風機の風量を少なく、差温が大きいときは風量を大
きくするものである。即ち、暖房時、室温設定が高く風
量が小さく設定されていると、暖房能力が大きく風量が
小さいために吸込み温度と吹出温度との温度差が大き
く、密度差が大きくなるために浮力の影響が強くなり床
面まで温風が到達し難くなるのを防止するもので、床面
付近の温度はできるだけ高く、風速はできるだけ小さく
抑えようとするものである。
開平9−152180号公報には吹出風向の上下方向を
制御する吹出ルーバーの角度を下向きに制御することも
開示されている。
調機による被空調室内の上下温度差を均一にしようとす
る発想とは別に、「足もと」の快適性を優先させる「足
もと優先」運転が求められる場合がある。暖房時は「足
もと温度(≒床面温度)」を上昇させる運転であり、冷
房・除湿時は「足もと温度」が冷え過ぎない運転であ
る。
近傍の床面近傍さえやや低い温度に保てればいいのであ
って、上部空間の温度は上昇しても構わない。こういう
意味では省エネルギーの運転も可能となる。
を検出するための輻射温度検出手段として使用される輻
射センサーはサーミスターを使用したものが多く、この
サーミスター方式では床面の絶対温度を検出することは
できず、時間推移に伴う温度変化をサーミスターの抵抗
変化で検知するものであり、温度検出速度及び温度測定
精度が良くなかった。
線を収束させセンサーに焦点の位置を合わせるレンズや
センサーへの赤外線入射角度を制限するガイドを使用し
ていない従来のサーミスター応用の輻射センサーは温度
検出範囲即ち視野角が非常に大きく、床面のみの温度を
検出したい場合でも、周囲の壁の温度をも検出してしま
う不具合があった。本発明はこのような課題に鑑みなさ
れたものである。
空気調和機は、被空調室床面からの輻射温度を検出する
輻射温度検出手段と、「足もと優先」運転を指示する足
もと優先運転指示手段と、前記輻射温度検出手段により
検出した輻射温度から床面温度Tfを算出する床面温度
算出手段と、前記床面温度算出手段により算出した床面
温度Tfと設定室温Tsとの差「Tf−Ts」と複数の
所定の温度差との大小関係を判別する温度差判別手段
と、前記温度差判別手段の判別結果により室内送風機の
設定回転数を補正させる室内送風機設定回転数補正手段
と、前記温度差判別手段の判別結果により前記設定室温
Tsを補正させる設定室温補正手段と、吹出し風向ルー
バー設定角度を補正させるルーバー設定角度補正手段と
を備え、前記足もと優先運転指示手段による足もと優先
運転時には前記室内送風機設定回転数補正手段、前記設
定室温補正手段、前記ルーバー設定角度補正手段が動作
するものである。
具体例として足もと優先運転時に、床面温度Tfが設定
室温Tsより所定値以上低ければ室内送風機の設定回転
数が所定値アップされ風速風量が大きくなると共に設定
室温も所定値アップされ、風向ルーバーも下方向に向け
られる。このため床面温度が上昇し「足もと」の快適性
を優先させることができる。
足もと優先運転時に、床面温度Tfが設定室温Tsより
所定値以上低ければ室内送風機の設定回転数が所定値ア
ップされ風速風量が大きくなると共に設定室温も所定値
アップされ、風向ルーバーは水平方向に向けられる。こ
のため床面温度が上昇し冷え過ぎが解消され「足もと」
の快適性を優先させることができる。
運転モードの例として足もと優先運転時に、床面温度T
fと設定室温Tsとの温度差より、室内送風機の設定回
転数、設定室温、風向ルーバー方向を制御し、床面温度
さえ適度に冷えれば室内上部空間の温度が上昇しようと
構わない「足もと」優先運転が可能となる。
求項1の前記輻射温度検出手段として絶対温度が検出可
能な赤外線センサーを使用しているものである。このた
め温度検出速度及び温度測定精度が向上している。
求項1又は請求項2の前記輻射温度検出手段として外乱
赤外線の入射を遮るレンズとセンサーへの赤外線入射角
度(=センサーの視野角度)を制限するガイドを備えた
赤外線センサーを使用しているものである。
線を収束させ赤外線センサーの受光部に焦点の位置を合
わせ、ガイドで赤外線の入射角を制限しているので、温
度測定精度が向上している。
実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は
本発明に係る空気調和機の室内機の断面図である。図1
において、1は空気調和機の室内機、3は室内送風機、
4は室内熱交換器、5は風向ルーバー、6は輻射温度検
出手段である。図に矢印で示すように、室内空気が室内
送風機3により吸込まれ、室内熱交換器4にて熱交換さ
れ、風向ルーバー5により制御された方向に吹出すもの
である。図4にも示すように室内機1の本体底面の正面
より見て右側に輻射温度検出手段6が設けられている。
るマイコンを使用した制御部構成のうち、通常備えてい
る制御部分を割愛し、本発明に関係する構成部分を抜粋
して説明するブロック図である。図2において、6は輻
射温度検出手段、7は床面温度Tf算出手段、8は床面
温度Tfと設定室温Tsとの差「Tf−Ts」と複数の
所定の温度差との大小関係を判別する温度差判別手段、
9は設定室温補正手段、10は室内送風機設定回転数補
正手段、11はルーバー設定角度補正手段、12は足も
と優先運転指示手段である。
先運転時の動作について説明する。
る。表1に床面温度Tfと設定室温Tsとの差「Tf−
Ts」と複数の所定の温度差との大小関係を判別する温
度差判別手段8の判別区分とその結果、設定室温補正手
段9により補正される設定室温補正値を対応して示して
いる。
温に1.3℃、0.7℃上乗せされる。例えば暖房運転
時で説明する。設定室温Ts1が20℃で床面温度Tf
1が5℃であったと仮定する。Tf1−Ts1=−15
℃となり−2℃以下であるため、表1より設定室温Ts
1(20℃)に1.3℃加算されて設定室温Ts2(T
s1+1.3=21.3℃)で空気調和機の運転が制御
される。
度が補正されるから、やがて暖房運転時間経過とともに
床面の温度は次第に上がってくる。床面温度がTf2
(19.3℃)を少し(α℃)超えると、(Tf2+
α)−Ts2=(19.3+α)−21.3=−2+α
(単位は℃)となり−2℃より高くなるから、表1より
設定室温の補正値は0.7℃となり、設定室温はTs3
(Ts1+0.7=20.7℃)で空気調和機の運転が
制御される。
Tf3(22.7℃)を少し(α℃)超えると、(Tf
3+α)−Ts3=(22.7+α)−20.7=+2
+α(単位は℃)となり+2℃より高くなるから、表1
より設定室温の補正値は0℃となり、設定室温はTs1
(20℃)に戻って空気調和機の運転が制御される。
℃)以下になると、Tf4−Ts1=22−20=+2
(単位は℃)となり2℃以下となるから、表1より設定
室温の補正値0.7℃が加算されて、設定室温はTs3
(Ts1+0.7=20.7℃)になって空気調和機の
運転が制御される。
が下がり、Tf5(18.7℃)以下になると、Tf5
−Ts3=18.7−20.7=−2(単位は℃)とな
り−2℃以下となるから、表1より設定室温の補正値
1.3℃が加算されて、設定室温はTs2(Ts1+
1.3=21.3℃)になって空気調和機の運転が制御
される。
示のリモコンなどによって空気調和機本体の制御部に指
示される。この手動指示とは別に、自動運転、おまかせ
運転など空気調和機自身が室内温度、外気温等の環境条
件を読み取り自動的に設定する場合もある。また空気調
和機(機械)の安全性等の理由で機械自身が自動的に制
御する場合もある。設定温度と室温とを比較し、圧縮機
の能力などを制御して使用者の望む設定温度に室内温度
を制御するものである。
の設定室温Ts1により上記制御を行うが、設定室温が
Tsnに変更されたら、その時点で改めてTf−Tsn
の算出を行い表1により補正制御を行う。
転数補正手段10について説明する。表2に床面温度T
fと設定室温Tsとの差「Tf−Ts」と複数の所定の
温度差との大小関係を判別する温度差判別手段8の判別
区分とその結果、室内送風機設定回転数補正手段10に
より補正される回転数補正値を対応して示している。
転数に120rpm、60rpm上乗せされる。上述の
ように暖房運転時の例で説明する。設定室温Ts1が2
0℃で床面温度Tf1が5℃であれば、Tf1−Ts1
=15℃となり−2℃以下であるため、表2より室内送
風機3の設定回転数F1rpmに120rpm加算され
て(F1+120)rpmで室内送風機が運転される。
上述のように設定室温補正手段9により設定室温も1.
3℃アップされ、またルーバー5も下向きに角度が補正
されるから、床面の温度は次第に上がってくる。
℃)を少し(α℃)超えると、(Tf2+α)−Ts2
=(19.3+α)−21.3=−2+α(単位は℃)
となり−2℃より高くなるから、設定室温補正手段9
(表1)より設定室温の補正値は0.7℃となり、設定
室温はTs3(Ts1+0.7=20.7℃)と共に、
室内送風機設定回転数補正手段10(表2)より室内送
風機3の設定回転数F1rpmに60rpm加算されて
(F1+60)rpmで室内送風機が運転される。
Tf3(22.7℃)を少し(α℃)超えると、(Tf
3+α)−Ts3=(22.7+α)−20.7=+2
+α(単位は℃)となり2℃より高くなるから、設定室
温補正手段9(表1)より設定室温の補正値は0℃とな
り、設定室温はTs1(20℃)に戻ると共に、室内送
風機設定回転数補正手段10(表2)より室内送風機3
の設定回転数補正も0rpmになり室内送風機設定回転
数もF1rpmに戻って室内送風機が運転される。
℃)以下になると、Tf4−Ts1=22−20=+2
(単位は℃)となり2℃以下となるから、設定室温補正
手段9(表1)より設定室温は補正値0.7℃が加算さ
れて、Ts3(Ts1+0.7=20.7℃)になると
共に、室内送風機設定回転数補正手段10(表2)より
室内送風機3の設定回転数F1rpmに60rpm加算
されて(F1+60)rpmで室内送風機が運転され
る。
が下がり、Tf5(18.7℃)以下になると、Tf5
−Ts3=18.7−20.7=−2(単位は℃)とな
り−2℃以下となるから、設定室温補正手段9(表1)
より設定室温は補正値1.3℃が加算されて、Ts2
(Ts1+1.3=21.3℃)になると共に、室内送
風機設定回転数補正手段10(表2)より室内送風機3
の設定回転数F1rpmに120rpm加算されて(F
1+120)rpmで室内送風機が運転される。なお、
補正後の設定回転数上限として、設定回転数は「強風」
回転数を越える回転数には上げない。
り上記制御を行うが、設定室温がTsnに変更された
ら、その時点で改めてTf−Tsnの算出を行い設定室
温補正手段9(表1)と共に室内送風機設定回転数補正
手段10(表2)の補正制御を行う。
補正手段11について説明する。
を0°、水平(前)方向を90°とすると、「足もと優
先」運転開始時のルーバー角度は暖房運転時:約22°
(説明では「下向き」と称する。)、冷房・除湿運転
時:約90°方向(説明では「水平方向」と称する。)
に変更する。また、リモコンの風向表示は「自動」と変
更される。「足もと優先」運転中に「風向」キーにて設
定を変更すると、新たに設定した方向に風向ルーバー5
は変更される。「足もと優先」運転を解除(通常の運転
など他の運転に切り替え)しても、「足もと優先」運転
中の風向を継続する。なお、空気調和機では、風向ルー
バーの正面から見て右端にステッピングモーターを備え
て風向ルーバーを駆動して、その角度を制御している。
設けた「足もと優先」キーを押して本体に信号を送り、
本体の制御部にその指示を認識させることにより行う。
足もと優先運転中に「足もと優先」キーを押すと解除さ
れる。
ャートを用いて説明する。
と優先運転か否かを判定する。足もと優先運転の場合に
ステップ22で暖房運転か否かを判定し、暖房運転の場
合はステップ23で風向ルーバー5が下向きか否か判定
する。下向きでないときはステップ24で風向ルーバー
5が下向きに変更される。
除湿運転と判定したとき、ステップ25で風向ルーバー
5が水平向きか否か判定する。水平向きでないときはス
テップ26で風向ルーバー5が水平向きに変更される。
ステップ13で足もと優先運転でなかったときはステッ
プ13の手前に戻る。
し、ステップ15で床面温度Tfを算出し、ステップ1
6で床面温度Tf−設定室温Tsが−2℃以下か否かを
判定する。−2℃以下であればステップ17で室内送風
機の設定回転数Fに+120rpm加算して運転すると
共に、ステップ18で設定室温Tsに1.3℃加算して
制御する。ステップ16で床面温度Tf−設定室温Ts
が−2℃より高いときはステップ19で温度差Tf−T
sが−2℃を超え2℃以下かどうか判定し、−2℃を超
え2℃以下の場合はステップ20で室内送風機の設定回
転数Fに+60rpm加算して運転すると共に、ステッ
プ21で設定室温Tsに0.7℃加算して制御する。ス
テップ19で温度差Tf−Tsが2℃を超える場合はそ
のまま何ら補正しない。以下上記のステップを繰り返
す。
度Tfが低ければ設定室温Ts及び室内送風機の設定回
転数が所定値アップされ、風向ルーバー5も暖房運転時
には下方向に、冷房・除湿運転時には水平方向に向けら
れるため床面温度が上昇し、暖房時は暖かく、冷房時も
冷え過ぎが解消され「足もと」の快適性を優先させるこ
とができる。
などによって空気調和機本体の制御部に「おやすみ運
転」が指示されたり、設定時刻になると空気調和機が運
転停止するようにタイマーを設定されたときにその設定
時刻から空気調和機が自動的に「おやすみ運転」と判断
したり、部屋の明るさで「おやすみ運転」を感知する等
冷房運転時に、設定室温Tsより適当に設定値を上昇さ
せた床面温度設定値を設定し、併せて室内送風機の回転
数、風向ルーバー5の方向を設定し、床面温度さえ適度
に冷えれば室内上部空間の温度が上昇しようと構わない
「足もと」優先運転により省エネの冷房運転が可能とな
る。
パイルを使用する赤外線センサー27を採用することに
よって、離れたところにある物体の温度を精度良く検出
することが可能となった輻射温度検出手段6、床面温度
Tf算出手段7について説明する。
が多いが、空気調和機の応用としては比較的広い床面積
を検出する必要があり、空気調和機に適した光学的な設
計が別途必要となった。また空気調和機(室内機)1に
搭載する輻射温度検出手段6として、品位のある外観形
状も要求されるところである。
の高さが垂直距離で2mとし、図4で示すように空気調
和機の直下より部屋の中央方向に約2畳分の床面エリア
の平均的な温度を検出するとして、赤外線センサー27
の視野角は約40゜になる。一般に市販されているサー
モパイルからなる赤外線センサー27の視野角は100
゜以上あるので、この場合、視野角を狭める必要があ
る。図5に示すように視野角を40゜にする為には一般
的に赤外線センサー27の上部に円筒形のガイド28を
設ける。赤外線センサー27の中の赤外線検出部である
受光部30から、円筒形ガイド28の上部内径までの広
角を40゜にすることによって視野角が40゜になる。
と広い仕様の場合は、外乱赤外線の入射、即ち被測定面
以外からの赤外線が円筒形ガイド28の内面で反射し、
赤外線センサー27へ入射する比率が増えて、温度測定
誤差が大きくなる。図5に視野角の大きい場合(a)と
小さい場合(b)について外乱赤外線入射角29の差を
示す。この図では話を簡単にする為に円筒形ガイド28
の内面で外乱赤外線が反射する回数を1回のみとした。
この図より、視野角の大きい場合の方が外乱赤外線入射
角29が大きく、結果的に温度測定誤差が大きくなるこ
とが解る。
形ガイド28の上部へレンズを取り付け、外乱赤外線の
入射を極力遮っている。このレンズは赤外線を透過する
必要があるので、シリコンレンズやポリエチレンなどの
赤外線透過率の高い材料を使用する必要がある。本発明
の赤外線センサ装置は、市販の放射温度計ほどの精度を
必要としないため、高価なシリコンを使用せずに、安価
なポリエチレンを使うことで、赤外線センサー装置を安
価に実現させた。
置において、被測定面の温度を精度良く測定するには、
輻射温度検出装置の視野角から入射する赤外線のみを、
赤外線センサー27で検出できることが望ましい。円筒
形ガイド28そのものやレンズそのものから発する赤外
線が赤外線センサに入射された場合、その入射赤外線は
すべて測定誤差になる。即ち円筒形ガイド28およびレ
ンズの温度と赤外線センサー27の温度は常に同じ温度
であり、これらの間で赤外線の放射、入射が無いことが
被測定面の温度を制度良く測定する為の条件になる。
る鋳造のアルミニウムガイド31で包み込み、赤外線セ
ンサー27とアルミニウムガイド31との温度差を極力
小さくし、温度測定精度を高めることが可能となった。
図6にて(a)は上面図、(b)はそのAA断面図、
(c)はその左方からみた側面図である。
センサー27とアルミニウムガイド31とフレネルレン
ズ32をプリントキバン33に実装した赤外線センサー
装置を示している。図7にて(a)は上面図、(b)は
そのAA断面図である。アルミニウムガイド31の外側
に外乱赤外線の影響を少なくすると共にセンサー検出感
度向上及びセンサー部分の外観品位向上の為の樹脂成型
品からなる多眼のフレネルレンズ32を設け、アルミニ
ウムガイド31の外面形状とレンズ32の内面形状を同
一形状にし、その隙間を無くして接触させ、アルミニウ
ムガイド31とフレネルレンズ32の温度差ひいては赤
外線センサー27とフレネルレンズ32との温度差を極
力小さくし、輻射温度測定精度を高めている。
用した。特に多眼とした理由は、温度検出すべき比較的
広い床面温度を11のポイントについて平均した温度検
出ができるからである。単眼レンズの場合は、主に床面
の中心部分の温度を測定してしまうことになるからであ
る。
て熱伝導率の高いアルミニウムを選び、円筒の内面には
赤外線の反射が極端に少ないようにつや消しの黒色処理
を施している。
サを包み込むような形状とし、赤外線センサとできる限
り広い面積で接触するようにし、双方の温度差が出ない
構造としている。
33に半田付けする構造とし、フレネルレンズ32をこ
れと同じプリントキバン33にはめ込む構造としてい
る。フレネルレンズ32の焦点の位置に赤外線センサー
27の受光部が精度良く配置されるように赤外線センサ
ー27の取り付け位置を合わせるためのスペーサとして
もアルミニウムガイド31を兼用させることで、精度良
く寸法管理が可能となった。
置)において、アルミニウムガイド31の内側円筒部に
図8に示す赤外線センサー27の突起部34が収まる溝
35(図6)を設けることによって、赤外線センサー2
7をプリントキバン33に半田付けする時に、赤外線セ
ンサー27の取り付け方向を間違えないようにしてい
る。
7、信号増幅回路基板36、アルミニウムガイド31、
フレネルレンズ32、赤外線センサ周囲温度測定用サー
ミスタ37、赤外線センサー27用の電源回路38、そ
れに他の制御回路と共通使用するマイコン39および不
揮発性メモリIC40などから構成する。
7は、一般にサーモパイルと呼ばれるもので、シリコン
基板の上に複数の熱電対を直列に並べ、その一端の温接
点側が受光部であり、赤外線を吸収し易い処理が施され
ている。他端の冷接点側は、赤外線センサー27本体の
温度と同一になるよう、赤外線センサー27の金属ケー
スに熱が逃げやすい構造になっている。赤外線センサー
27の金属ケース上部には、赤外線を透過するフィルタ
ー窓が付いている。
赤外線を放射している。従って部屋の床面からも赤外線
が放射されており、それが約2m離れた空気調和機の赤
外線センサー27に入射される。入射される赤外線エネ
ルギー量にほぼ比例する電圧が前述の熱電対の両端に発
生する。
算出手段7に関連する制御回路ブロック図を示してい
る。
し、空気調和機の生産時に予めオフセット電圧の調節を
行う。また増幅回路36は、周囲温度による出力特性変
化が生じるので、周囲温度補正回路を設けている。
端に発生した電圧をこの増幅回路36にて約5,000
倍に増幅してマイコン39のA/Dポートへ入力する。
マイコン39は赤外線センサー27近傍に取り付けた周
囲温度測定用サーミスタ37によって、周囲温度を測定
し、これを赤外線センサー27自身の温度として、増幅
回路36の出力値とから離れた床面の温度を計算して求
める。
射した赤外線エネルギー量とセンサ出力である起電圧に
バラツキ要素がある為、空気調和機の生産時に感度調節
を行って、個々に補正データを不揮発性メモリIC40
に記憶しておく。面黒体と呼ばれる赤外線を反射しない
安定した絶対温度を維持する装置を使用して感度調節を
行う。
データに基づいて補正して計算した値を、床面温度検出
値Tfとする。
周囲温度Ta(℃)において、増幅回路36への赤外線
センサー27からの入力スイッチをオフした時の増幅回
路36の出力電圧Vzを測定する。次に増幅回路36へ
の赤外線センサ−27からの入力スイッチをオンした時
の増幅回路36の出力電圧Vsを測定する。この時、床
面温度Tfは次の計算式にて算出される。 床面温度Tf=Ta−(Vz−Vs)/A (℃) ここで A :増幅回路出力電圧の温度勾配(V/℃) であり、上記した面黒体の温度測定時に計算して、不揮
発性メモリICへ記憶する感度調節値である。
温度を検出する為に、サーモパイルからなる赤外線セン
サー27を使用して、床面の絶対温度が精度良く測定で
きる。
販の放射温度計ほどの精度を必要としないものであり、
回路などにおいても空気調和機として従来から持つ機能
と兼用することにより、比較的安価に実現できる。
ウム鋳造で作成することによって、形状の自由度が増
し、熱容量を大きくできるので、周囲温度の急な変化に
対しても影響を受けにくく、安定した床面温度検出が可
能となった。
ものではない。
果を奏する。
低ければ設定室温Ts及び室内送風機の設定回転数が所
定値アップされ、風向ルーバーも暖房運転時には下方向
に、冷房・除湿運転時には水平方向に向けられるため床
面温度が上昇し、冷房時の冷え過ぎも解消され「足も
と」の快適性を優先させることができる。
運転時に、床面温度さえ適度に冷えれば室内上部空間の
温度が上昇しようと構わない「足もと優先」運転が可能
となる。
検出可能な赤外線センサーを使用し、レンズで被測定部
分である床面からの赤外線を収束させ赤外線センサーの
受光部に焦点の位置を合わせ、ガイドで赤外線の入射角
を制限しているので、温度検出速度及び温度測定精度が
向上している。
る。
ブロック図である。
ローチャートである。
度検出エリアを説明する斜視図である。
入射角の差を説明図である。
(a)、そのAA断面図(b)、側面図(c)である。
センサー装置の上面図(a)、そのA−A断面図(b)
である。
センサーの外観斜視図である。
算出手段の制御回路ブロック図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 被空調室床面からの輻射温度を検出する
輻射温度検出手段と、「足もと優先」運転を指示する足
もと優先運転指示手段と、前記輻射温度検出手段により
検出した輻射温度から床面温度Tfを算出する床面温度
算出手段と、前記床面温度算出手段により算出した床面
温度Tfと設定室温Tsとの差「Tf−Ts」と複数の
所定の温度差との大小関係を判別する温度差判別手段
と、前記温度差判別手段の判別結果により室内送風機の
設定回転数を補正させる室内送風機設定回転数補正手段
と、前記温度差判別手段の判別結果により前記設定室温
Tsを補正させる設定室温補正手段と、吹出風向ルーバ
ー設定角度を補正させるルーバー設定角度補正手段とを
備え、前記足もと優先運転指示手段による足もと優先運
転時には前記室内送風機設定回転数補正手段、前記設定
室温補正手段、前記ルーバー設定角度補正手段が動作す
ることを特徴とする空気調和機。 - 【請求項2】 前記輻射温度検出手段として絶対温度が
検出可能な赤外線センサーを使用していることを特徴と
する請求項1に記載の空気調和機。 - 【請求項3】 前記輻射温度検出手段として外乱赤外線
の入射を遮るレンズとセンサーへの赤外線入射角度を制
限するガイドを備えた赤外線センサーを使用しているこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和
機。
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