JP2002310086A - シールレスモータポンプ - Google Patents

シールレスモータポンプ

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JP2002310086A
JP2002310086A JP2001115145A JP2001115145A JP2002310086A JP 2002310086 A JP2002310086 A JP 2002310086A JP 2001115145 A JP2001115145 A JP 2001115145A JP 2001115145 A JP2001115145 A JP 2001115145A JP 2002310086 A JP2002310086 A JP 2002310086A
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JP
Japan
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liquid
pump
motor
rotating shaft
pressure
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Application number
JP2001115145A
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English (en)
Inventor
Koji Kubota
康志 久保田
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Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
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  • Control Of Non-Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高揚程下においてもサーキュレーション液量
を適正な量に保ち、液サーキュレーション流路の圧力を
高く保って加圧サーキュレーションの機能を維持しつ
つ、残留軸スラスト力を無くし、過渡時であっても軸ス
ラストを自動的にバランスさせる信頼性の高いシールレ
スモータポンプを提供することである。 【解決手段】 第二ポンプ部9の第二吐出部12におけ
る一部の液を抜き出し、モータ1の第一ポンプ部5側よ
り液を導入し、第二吸込部11内部に戻す液サーキュレ
ーション流路14には、回転体20が設けられ、その上
流面側、下流面側の液流路にそれぞれ液室21、22を
区画形成し、両液室21、22は第一オリフィス23で
連絡され、液室21において回転体20が液圧を受ける
面積は、液室22において回転体20が液圧を受ける面
積より大で、液室22は、軸方向クリアランスが可変の
第二オリフィス24に連絡される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ部とポンプ
部が一体構造のシールレスモータポンプに係り、特に小
型高揚程の加圧サーキュレーション型のシールレスモー
タポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高揚程で、構造が簡単で、沸点の
低い取扱い液でも突沸を起こさず吸い込み可能なシール
レスモータポンプとして、インペラにより加圧された高
圧側の取扱い液を一部抜き出しモータ内部に導入して液
サーキュレーション流路を形成した、加圧サーキュレー
ション型が、さらに高揚程を得るためには複数のインペ
ラを設けた多段加圧型が用いられる。これらの加圧サー
キュレーション型シールレスモータポンプにおいて、揚
程が一段当り数百メートルを超える場合は、同一設計の
インペラを一段目と二段目に配置し、インペラで発生す
る軸スラスト力を相殺しても、他の部分例えば軸端面等
で発生する残留軸スラスト力が無視し得ない大きさにな
り、その対策として種々の構造的工夫がなされている。
【0003】図3、図4に可変オリフィスを用いた従来
例として、特開2000−324747号公報において
開示されたシールレスモータポンプの概念図、詳細図を
示す。図3において、モータ1の回転軸2は軸受け3、
4で軸支される。回転軸2の一方側に第一ポンプ部5が
設けられ(図3の右側、以後第一ポンプ部側という)、
回転軸2に取り付けられた第一主インペラ6、第一吸込
部7、第一吐出部8を有する。回転軸の他方側に第一ポ
ンプ部に対向して、第二ポンプ部9が設けられ(図3の
左側、以後第二ポンプ部側という)、回転軸に取り付け
られた第二主インペラ10、第二吸込部11、第二吐出
部12を有する。第一吸込部7、第二吸込部11は、そ
れぞれ回転軸に平行な方向に向けて開口し、第一吐出部
8と第二吐出部12は回転軸の円周方向に開口し、第一
吐出部8と第二吸込部11とは、連結配管13により連
結される。また、シールモータポンプの内部に、第二吐
出部12の図示されていない液導入口から始まり、回転
軸2と軸受け4との間の隙間よりモータ1の内部に入
り、回転軸2と軸受け3との間の隙間よりモータ1の内
部より出て、第一吐出部の図示されていない液排出口に
至る液サーキュレーション流路14が設けられる。
【0004】図4には、前記液サーキュレーション流路
14の後半部分が示され、詳細には、回転軸2に取り付
けられたロータ15と、その周囲に設けられたステータ
16との間の隙間、回転軸2と軸受け3との間の隙間を
へて、回転軸2にはめあわされたリング部材17と第一
ポンプ部5のインペラ室にはめあわされたせり出し部材
18の間の隙間に連絡し、第一ポンプ部の第一吐出部8
に至る。ここでリング部材17と、せり出し部材18は
可変オリフィスを構成する。せり出し部材18の内径φ
dは、リング部材17の外径φD以下である。
【0005】つぎに、このような構造の従来例のシール
レスモータポンプの作用を説明する。モータ1が駆動さ
れると、回転軸2が高速回転し、第一ポンプ部5の第一
主インペラ6の回転遠心力により、第一吸込部7は、回
転軸2に平行な方向に液を吸い込み、回転軸2の円周方
向の第一吐出部8に所定の揚程で吐出する。所定の揚程
を得た液は、連結配管13により、第二ポンプ部の第二
吸込部11に吸い込まれ、もう一段加圧され第二吐出部
より吐出される。また加圧された一部の液が抜き出さ
れ、第二吐出部12の図示されていない液導入口に導か
れ、回転軸2と軸受け4との間の隙間に連絡して、モー
タ1の内部に入り、回転軸2に取り付けられたロータ1
5と、その周囲に設けられたステータ16との間の隙
間、回転軸2と軸受け3との間の隙間をへてモータ1の
内部より出て、第一吐出部の図示されていない液排出口
に至る液サーキュレーション流路14を流れ、モータ回
転の潤滑、駆動による発熱の冷却を行う。蒸気圧の高い
取扱い液の場合でも、液サーキュレーション流路におい
て十分加圧された液を抜き出して用いるので、温度上昇
による液の突沸が防げる。
【0006】ここで図3に戻って、回転軸にかかる軸ス
ラスト力を検討する。第一主インペラと第二主インペラ
の形状を同一にとることで、それぞれのインペラで発生
する軸スラスト力は相殺され、そのことによる残留軸ス
ラスト力は生じない。第一吸込部7における液圧力をP
1とし、第二吸込部11における液圧力をP2とする
と、P1とP2は逆方向でP2はP1より大きいので、
回転軸端にこの圧力差に対応して、回転軸の第二ポンプ
部側から第一ポンプ部側に向かう方向に第一の残留軸ス
ラスト力が生ずる。さらに、液サーキュレーション流路
14において、液はロータ15とステータ16等の隙間
を流れて圧力降下を生じ、そのロータ15の上流側と下
流側の圧力差に対応して、回転軸端に、液の流れる方
向、すなわち第二ポンプ部側から第一ポンプ部側の方向
に第二の残留軸スラスト力が生ずる。このように従来例
の構造においては、第一の残留軸スラスト力の方向と第
二の残留軸スラスト力の方向はともに第二ポンプ部側か
ら第一ポンプ部側の方向となり、その大きさが加算さ
れ、軸受に過大な負荷をかけている。
【0007】つぎにリング部材17と、せり出し部材1
8が可変オリフィスの作用について説明する。リング部
材17と、せり出し部材18の微小隙間により液サーキ
ュレーション流路14全体の流量が制限されて減少し、
第二の残留軸スラスト力を抑制する効果がある。
【0008】また起動時、停止時などの過渡時において
軸スラスト力が大きくなると、回転軸2が軸方向に移動
して、リング部材17とせり出し部材18の間の隙間が
変化する。たとえば前記回転軸の第二ポンプ部側から第
一ポンプ部側に向かう方向の残留軸スラスト力が過渡的
に増加したときは、回転軸が軸の長手方向に第一ポンプ
側(図4の右側)の方向に移動し、この隙間が小さくな
る。この隙間が減少すると前記液サーキュレーション流
路14を流れる液流量すなわちサーキュレーション液量
が減少し、ロータ15とステータ16の隙間の流れによ
る圧力降下が減少し、第二ポンプ側から第一ポンプ側に
向かう第二の残留軸スラスト力が減少し、回転軸が逆側
(第二ポンプ部側、図4の左側)の方向に移動してこの
隙間が拡大する。このようにして回転軸の一方側に向か
う軸スラスト力と他方側に向かう軸スラスト力とがバラ
ンスし、過渡的な軸スラスト力の変動を抑制する隙間
で、インペラは回転軸の長手方向に関して静止する。上
に述べたのと反対方向に残留軸スラスト力が過渡的に増
加したときも同様である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように従来例の加
圧サーキュレーション型シールレスモータポンプにおい
ては、可変オリフィスを液サーキュレーション流路に設
けることで、蒸気圧の高い取扱い液の突沸を防ぎつつ第
二の残留軸スラスト力成分を抑制し、また過渡時におけ
る残留軸スラスト力の変動に対し自動的にその変動を抑
制できる。しかし、可変オリフィスを用いても第一の残
留軸スラスト力成分は変化せず、これを抑制できない。
また一段あたりの揚程が増加すると回転軸端の圧力差が
増大して第一の残留スラスト力が増大し、また液サーキ
ュレーション流路両端の圧力差も増大してサーキュレー
ション液量が増大し、モータ効率が低下するとともに第
二の残留スラスト力成分も増加し、全体の残留軸スラス
ト力を十分には抑制できず、軸受寿命が問題となる課題
があった。
【0010】そこで本発明の目的は、かかる課題を解決
し、揚程の増加により液サーキュレーション流路両端の
圧力差が大きくなってもサーキュレーション液量を適正
な量にコントロールでき、液サーキュレーション流路の
圧力を高く保って加圧サーキュレーションの機能を維持
しつつ、残留軸スラスト力を無くし、過渡時であっても
軸スラストを自動的にバランスさせる信頼性の高いシー
ルレスモータポンプを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明に係るシールレスモータポンプは、回転軸を
軸支する軸受けと、ステータと、回転軸に装着されたロ
ータを備えるモータ部と、前記回転軸に同軸に装着され
たインペラを有するポンプ部と、ポンプ部の吐出部にお
ける液の一部を抜き出し、少なくとも前記モータ部内部
を流れ、前記モータ部を潤滑冷却し、ポンプ部の内部に
戻す液サーキュレーション流路を有するシールレスモー
タポンプにおいて、前記液サーキュレーション流路にお
ける圧力降下により回転軸に与える軸スラスト力が、ポ
ンプ部の吸込部における圧力により回転軸端に与える軸
スラスト力を打ち消す方向に、前記液サーキュレーショ
ン流路を液が流れることを特徴とする。
【0012】また、本発明に係るシールレスモータポン
プは、回転軸を軸支する軸受けと、ステータと、回転軸
に装着されたロータを備えるモータ部と、前記回転軸に
それぞれ同軸に装着されたインペラを有する複数のポン
プ部と、最終段のポンプ部の揚程を高くするように、前
段の吐出部と後段のポンプ部の吸込部とを連結する連結
配管と、最終段ポンプ部の吐出部における液の一部を抜
き出して、少なくとも前記モータ部内部を流れ、前記モ
ータ部を潤滑冷却し、前記最終段ポンプ部の吸込部内に
戻す液サーキュレーション流路を有するシールレスモー
タポンプにおいて、前記液サーキュレーション流路にお
ける圧力降下により回転軸に与える軸スラスト力が、前
記複数のポンプ部の吸込部における圧力により回転軸端
に与える軸スラスト力を打ち消す方向に、前記液サーキ
ュレーション流路を液が流れることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係るシールレスモータポン
プは、回転軸を軸支する軸受けと、ステータと、回転軸
に装着されたロータを備えるモータ部と、前記回転軸端
の一方の側に同軸に装着された第一主インペラを有し、
かつ液を吸い込む第一吸込部及び前記第一主インペラに
より液を吐出する第一吐出部を備えてなる第一ポンプ部
と、前記回転軸の他方の側に同軸に装着された第二主イ
ンペラを有し、かつ前記第一吐出部から排出される液
を、連結配管を介して、吸い込む第二吸込部及び吸い込
まれた液を吐出する第二吐出部を備えてなる第二ポンプ
部と、第二ポンプ部の第二吐出部における一部の液を抜
き出して、前記モータ部の第一ポンプ部側より前記モー
タ部内に液を導入し、第二ポンプ部の第二吸込部内部に
戻す液サーキュレーション流路を有するシールレスモー
タポンプにおいて、前記液サーキュレーション流路にお
ける圧力降下により回転軸に与える軸スラスト力が、前
記第一のポンプ部および第二のポンプ部の吸込部におけ
る圧力により回転軸端に与える軸スラスト力を打ち消す
方向に、前記液サーキュレーション流路を液が流れるこ
とを特徴とする。
【0014】さらに、本発明に係るシールレスモータポ
ンプは、前記液サーキュレーション流路には、前記回転
軸に取り付けられた回転体が設けられ、回転体の上流面
側および下流面側の液流路にそれぞれ液室を区画形成
し、両液室は回転体の外周に設けられた円環状隙間の第
一オリフィスで連絡され、前記上流面側の液室において
回転体が液圧を受ける面積は、前記下流面側の液室にお
いて回転体が液圧を受ける面積より大きく、下流面側の
液室は、下流側で一個または複数の、回転体の軸方向移
動にしたがってその軸方向クリアランスを可変とする第
二オリフィスに連絡されていることを特徴とする。
【0015】本発明に係るシールレスモータポンプは、
モータ部と、前記回転軸に同軸に装着されたインペラを
有するポンプ部と、ポンプ部の吐出部における液の一部
を抜き出し、少なくとも前記モータ部内部を流れ、前記
モータ部を潤滑冷却し、ポンプ部の内部に戻す液サーキ
ュレーション流路を有するので、加圧サーキュレーショ
ンの機能を維持する。また前記液サーキュレーション流
路における圧力降下により回転軸に与える軸スラスト力
が、ポンプ部の吸込部における圧力により回転軸端に与
える軸スラスト力を打ち消す方向に、前記液サーキュレ
ーション流路を液が流れるので、軸スラスト力成分を互
いに相殺することができる。また、前記液サーキュレー
ション流路には、前記回転軸に取り付けられた回転体が
設けられ、回転体の上流面側および下流面側の液流路に
それぞれ液室を区画形成し、両液室は回転体の外周に設
けられた円環状隙間の第一オリフィスで連絡されるの
で、その円環状隙間で液流量を制限でき、液サーキュレ
ーション流路両端の圧力差が大きくなってもサーキュレ
ーション液量を適正な量にコントロールできる。また前
記上流面側の液室において回転体が液圧を受ける面積
は、前記下流面側の液室において回転体が液圧を受ける
面積より大きく設定したので、第一オリフィスで生ずる
圧力差を効果的に回転軸の軸スラスト力に変換でき、こ
の軸スラスト力の方向はポンプ部の吸込部における圧力
により回転軸端に与える軸スラスト力を打ち消す方向で
あるので、全体の軸スラスト力を互いに完全に相殺して
無くすことができる。さらに下流面側の液室は、下流側
で一個または複数の、回転体の軸方向移動にしたがって
その軸方向クリアランスを可変とする第二オリフィスに
連絡されているので、過渡時であっても軸スラストを自
動的にバランスさせることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施の
形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係るシ
ールレスモータポンプの断面図において液サーキュレー
ション流路を示したものであり、図3、図4と共通の部
分は同一の符号を付して説明を省略した。図1におい
て、モータ1、回転軸2の一方の側(図1で下方側、以
後第一ポンプ部側という)に同軸に装着された第一主イ
ンペラ6、第一吸込部7、第一吐出部8を備えてなる第
一ポンプ部5と、前記回転軸の他方の側(図1で上方
側、以後第二ポンプ部側という)に同軸に装着された第
二主インペラ10、第二吸込部11、第二吐出部12を
備えてなる第二ポンプ部9と、連結配管13の配置関係
は図3、図4と同様である。
【0017】但し液サーキュレーション流路14の配置
関係は図3、図4と大きく異なる。すなわち、液サーキ
ュレーション流路14は、第二吐出部12に設けられた
液導入口からモータ1の外部に沿って、モータ1の第一
ポンプ部側へ延び、回転軸2と軸受け3との間の隙間ま
での液流路14A、回転軸2と軸受け3との間の隙間よ
りモータ1の内部に入り、ロータ15とステータ16と
の間の隙間に連絡され、回転軸2と軸受け3との間の隙
間までの液流路14B、回転軸2と軸受け3との間の隙
間から始まる、回転軸2に取り付けられた回転体20周
辺の液流路14C、回転体20周辺の液流路14Cに引
き続き、回転軸2内部に設けられた液流路に連絡し、第
二吐出部12に設けられた液排出口に至る液流路14D
を有する。
【0018】図2は、前記回転体周辺の液流路14C、
及びそれに引き続く液流路14D部分の詳細図である。
回転軸2と軸受け4との間の隙間に続いて始まる液流路
14Cには、前記回転軸2に取り付けられた回転体20
が設けられ、回転体20の上流面側および下流面側の液
流路にそれぞれ液室21、22を区画形成し、両液室2
1、22は回転体20の外周に設けられた円環状隙間の
第一オリフィス23で連絡される。第一オリフィス23
の円環状隙間は、ロータ15とステータ16の間の隙間
より小さい値に設定される。例えばロータ15とステー
タ16の間の隙間を2mmとするときは、円環状隙間を
0.5mm以下に設定するのが好ましい。回転体20
と、それに対向する壁部材の接触、衝突により起こる損
傷、いわゆる「かじり」を防ぐため、壁部材の材質は例
えば銅合金を用いることが好ましい。また前記上流面側
の液室21において回転体20が液圧を受ける面積は、
前記下流面側の液室22において回転体20が液圧を受
ける面積より大きく設定される。つぎに下流面側の液室
22は、下流側で一個または複数の、回転体20の軸方
向移動にしたがってその軸方向クリアランスを可変とす
る第二オリフィス24に連絡される。これに続いて液流
路14Dは、回転軸の円周部に設けられた開口部25か
ら回転軸中心を貫通する管部分26に連絡し、回転軸の
円周部に設けられた液排出口27から第二吸込部11に
連絡して終わる。
【0019】このような構成のシールレスモータポンプ
の作用について説明する。モータ1、第一主インペラ
6、第一吸込部7、第一吐出部8を備えてなる第一ポン
プ部5、第二主インペラ10、第二吸込部11、第二吐
出部12を備えてなる第二ポンプ部9と、連結配管13
の配置関係は図3、図4と同様であり、取扱い液は第一
ポンプ部5、第二ポンプ部9で二段に加圧されて所定の
高揚程を得る。このとき、第一吸込部7の圧力P1と、
第二吸込部11の圧力P2の回転軸2に対する方向は図
3に示すものと同じであり、回転軸端には第二ポンプ部
9側から第一ポンプ部5側に向かう方向(図1で上から
下に向かう方向)の第一の残留軸スラスト力が生ずる。
つぎに、液サーキュレーション流路14は、液流路14
Aにより第二吐出部12からモータ1の第一ポンプ部5
側の回転軸2と軸受け3の間の隙間に連絡し、液流路1
4Bでモータ1の内部を第二ポンプ部9側に向かい、回
転軸2と軸受け4の隙間に連絡するので、モータ1のロ
ータ15、ステータ16の間の隙間を高圧の液が流れ、
圧力降下を生じ、それにより第二の残留軸スラスト力が
生ずる。その方向は液の流れる方向、すなわち第一ポン
プ部5側から第二ポンプ部9側に向かう方向(図1で下
から上に向かう方向)で、上に述べた第一の残留軸スラ
スト力の方向と逆方向となり、本発明によれば、第一の
残留軸スラスト力と第二の残留軸スラスト力を互いに相
殺し、全体の残留軸スラスト力を小さくする。
【0020】さらに液流路14Cにおいては、回転体2
0の外周に設けられた円環状隙間の第一オリフィス23
で連絡され、この円環状隙間は、ロータ15とステータ
16の間の隙間より小さく、サーキュレーション液量全
体はこの第一オリフィス23で制限される。したがって
高揚程により液サーキュレーション流路両端の圧力差が
大きくなってもサーキュレーション液量を適正な量にコ
ントロールでき、モータ効率は低下しない。
【0021】また前記上流面側の液室21において回転
体20が液圧を受ける面積は、前記下流面側の液室22
において回転体20が液圧を受ける面積より大きいの
で、第一オリフィス23で生ずる圧力降下を効果的に回
転体20を介して回転軸2に軸スラスト力として伝え
る。この軸スラスト力の方向は、液の流れる方向(図
1、図2で、下から上に向かう方向)と同じで、既に述
べたロータ15とステータ16の間の隙間で生ずる圧力
降下による第二の残留軸スラスト力と同方向であるの
で、本発明によれば、第二の残留軸スラスト力を第一の
残留軸スラスト力と等しい大きさにまで拡大して、第一
の残留軸スラスト力を完全に相殺し全体の残留軸スラス
ト力をゼロにする。
【0022】また下流面側の液室22は、下流側で一個
または複数の、回転体の軸方向移動にしたがってその軸
方向クリアランスを可変とする第二オリフィス24に連
絡されるので、起動時、停止時などの過渡時において軸
スラスト力が大きくなると、回転軸2が軸の長手方向に
移動し、第二オリフィス24の軸方向クリアランスが変
化する。たとえば第一ポンプ部5側から第二ポンプ部9
側に向かう方向(図2の下から上に向かう方向)に残留
軸スラスト力が過渡的に増加したときは、回転軸2が第
二ポンプ側に移動し、この軸方向クリアランスが小さく
なる。このクリアランスの減少により全体のサーキュレ
ーション液量が減少し、第一クリアランス等における流
れによる圧力降下が減少し、前記回転軸2の第一ポンプ
部5側から第二ポンプ部9側に向かう第二の残留軸スラ
スト力が減少し、回転軸2が逆方向(図2の上から下へ
向かう方向)に移動してこのクリアランスが拡大する。
このようにして回転軸の一方側に向かう軸スラスト力と
他方側に向かう軸スラスト力とがバランスし、過渡的な
軸スラスト力の変動を抑制する隙間で、インペラは回転
軸の長手方向に関して静止する。上に述べたのと反対方
向に残留軸スラスト力が過渡的に増加したときも同様で
ある。
【0023】液流路14Dは、第二吸込部11に至って
終わり、液サーキュレーション流路14全体として、第
二吐出部12から得た高圧が圧力降下により流路の下流
に行くにつれ低下するが、なおも第二吸込部11の圧力
よりは十分高いので、取扱い液の突沸を防止する十分な
高圧を維持しつつ第二吸込部11に液を戻すことがで
き、液サーキュレーションの機能を維持できる。
【0024】本発明の実施の形態の説明においては、回
転軸の両側に対向してそれぞれ一個のポンプ部を設けた
場合について述べたが、これに限らず回転軸の片側に一
個のポンプのみを設けた一段ポンプの場合、三個以上の
ポンプを設けた場合、またその段数が回転軸の両側で異
なっている場合、さらにインペラの形状、吸い込みの方
向等ポンプの構造、特性が相互に異なっている場合で
も、回転軸にそれぞれ同軸に装着されたインペラを有す
る一以上のポンプ部により回転軸端に残留軸スラスト力
が生じる場合であれば、本発明が実施できる。また取り
扱い液が腐食性である場合にステータと隔絶するように
キャン内にロータを収容する構造の、いわゆるキャンド
モータにも同様に本発明が実施できる。また液サーキュ
レーション流路が回転軸内部の管に設けられる場合に限
らず、たとえばハウジング内部など可動部分でない構成
部分に設けて本発明を実施できる。
【0025】
【発明の効果】本発明に係るシールレスモータポンプ
は、ポンプ部の吐出部における液の一部を抜き出し、少
なくとも前記モータ部内部を流れ、前記モータ部を潤滑
冷却し、ポンプ部の内部に戻す液サーキュレーション流
路を有するので、加圧サーキュレーションの機能を維持
できた。また前記液サーキュレーション流路における圧
力降下により回転軸に与える軸スラスト力が、ポンプ部
の吸込部における圧力により回転軸端に与える軸スラス
ト力を打ち消す方向に、前記液サーキュレーション流路
を液が流れるので、残留軸スラスト力成分を相互に相殺
することができた。また、前記液サーキュレーション流
路には、前記回転軸に取り付けられた回転体が設けら
れ、回転体の上流面側および下流面側の液流路にそれぞ
れ液室を区画形成し、両液室は回転体の外周に設けられ
た円環状隙間の第一オリフィスで連絡されるので、その
円環状隙間で液流量を制限でき、サーキュレーション液
量を適正な量にコントロールでき、モータ効率の低下を
防げた。また前記上流面側の液室において回転体が液圧
を受ける面積は、前記下流面側の液室において回転体が
液圧を受ける面積より大きく設定したので、第一オリフ
ィスで生ずる圧力差を効果的に回転軸の軸スラスト力に
変換でき、全体の軸スラスト力を互いに完全に相殺して
無くすことができた。さらに下流面側の液室は、下流側
で一個または複数の、回転体の軸方向移動にしたがって
その軸方向クリアランスを可変とする第二オリフィスに
連絡されているので、過渡時であっても軸スラストを自
動的にバランスさせることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るシールレスモータ
ポンプの断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係るシールレスモータ
ポンプの液流路14C、14Dの詳細図である。
【図3】 従来例のシールレスモータポンプの概念図で
ある。
【図4】 従来例のシールレスモータポンプの、モータ
から第一ポンプ部にかけての構造詳細図である。
【符号の説明】
1 モータ、2 回転軸、3、4 軸受け、5 第一ポ
ンプ部、6 第一主インペラ、7 第一吸込部、8 第
一吐出部、9 第二ポンプ部、10 第二主インペラ、
11 第二吸込部、12 第二吐出部、13 連結配
管、14 液サーキュレーション流路、14A,14
B,14C,14D 液流路、15 ロータ、16 ス
テータ、17 リング部材、18 せり出し部材、20
回転体、21,22 液室、23 第一オリフィス、
24 第二オリフィス、25 開口部、26 管部分、
27 液排出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 9/197 H02K 9/197 Fターム(参考) 3H020 AA02 BA10 DA24 5H607 BB01 BB06 BB14 CC01 CC03 CC09 DD01 DD02 DD03 FF06 GG00 5H609 BB01 BB02 BB14 PP02 PP05 PP06 PP07 PP10 PP11 QQ10 QQ13 QQ18 RR27 RR42 RR46

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸を軸支する軸受けと、ステータ
    と、回転軸に装着されたロータを備えるモータ部と、前
    記回転軸に同軸に装着されたインペラを有するポンプ部
    と、ポンプ部の吐出部における液の一部を抜き出し、少
    なくとも前記モータ部内部を流れ、前記モータ部を潤滑
    冷却し、ポンプ部の内部に戻す液サーキュレーション流
    路を有するシールレスモータポンプにおいて、前記液サ
    ーキュレーション流路における圧力降下により回転軸に
    与える軸スラスト力が、ポンプ部の吸込部における圧力
    により回転軸端に与える軸スラスト力を打ち消す方向
    に、前記液サーキュレーション流路を液が流れることを
    特徴とするシールレスモータポンプ。
  2. 【請求項2】 回転軸を軸支する軸受けと、ステータ
    と、回転軸に装着されたロータを備えるモータ部と、前
    記回転軸にそれぞれ同軸に装着されたインペラを有する
    複数のポンプ部と、最終段のポンプ部の揚程を高くする
    ように、前段の吐出部と後段のポンプ部の吸込部とを連
    結する連結配管と、最終段ポンプ部の吐出部における液
    の一部を抜き出して、少なくとも前記モータ部内部を流
    れ、前記モータ部を潤滑冷却し、前記最終段ポンプ部の
    吸込部内に戻す液サーキュレーション流路を有するシー
    ルレスモータポンプにおいて、前記液サーキュレーショ
    ン流路における圧力降下により回転軸に与える軸スラス
    ト力が、前記複数のポンプ部の吸込部における圧力によ
    り回転軸端に与える軸スラスト力を打ち消す方向に、前
    記液サーキュレーション流路を液が流れることを特徴と
    するシールレスモータポンプ。
  3. 【請求項3】 回転軸を軸支する軸受けと、ステータ
    と、回転軸に装着されたロータを備えるモータ部と、前
    記回転軸端の一方の側に同軸に装着された第一主インペ
    ラを有し、かつ液を吸い込む第一吸込部及び前記第一主
    インペラにより液を吐出する第一吐出部を備えてなる第
    一ポンプ部と、前記回転軸の他方の側に同軸に装着され
    た第二主インペラを有し、かつ前記第一吐出部から排出
    される液を、連結配管を介して、吸い込む第二吸込部及
    び吸い込まれた液を吐出する第二吐出部を備えてなる第
    二ポンプ部と、第二ポンプ部の第二吐出部における一部
    の液を抜き出して、前記モータ部の第一ポンプ部側より
    前記モータ部内に液を導入し、第二ポンプ部の第二吸込
    部内部に戻す液サーキュレーション流路を有するシール
    レスモータポンプにおいて、前記液サーキュレーション
    流路における圧力降下により回転軸に与える軸スラスト
    力が、前記第一のポンプ部および第二のポンプ部の吸込
    部における圧力により回転軸端に与える軸スラスト力を
    打ち消す方向に、前記液サーキュレーション流路を液が
    流れることを特徴とするシールレスモータポンプ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1、請求項2または請求項3
    のいずれかに記載のシールレスモータポンプにおいて、
    前記液サーキュレーション流路には、前記回転軸に取り
    付けられた回転体が設けられ、回転体の上流面側および
    下流面側の液流路にそれぞれ液室を区画形成し、両液室
    は回転体の外周に設けられた円環状隙間の第一オリフィ
    スで連絡され、前記上流面側の液室において回転体が液
    圧を受ける面積は、前記下流面側の液室において回転体
    が液圧を受ける面積より大きく、下流面側の液室は、下
    流側で一個または複数の、回転体の軸方向移動にしたが
    ってその軸方向クリアランスを可変とする第二オリフィ
    スに連絡されていることを特徴とするシールレスモータ
    ポンプ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008025373A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Nikkiso Co Ltd キャンドモータポンプ
CN102628464A (zh) * 2011-11-14 2012-08-08 兰州理工大学 一体化电机叶片泵液压动力单元
CN104150331A (zh) * 2014-08-07 2014-11-19 广东合普动力科技有限公司 带通风结构的永磁同步曳引机
EP4027500A1 (en) * 2021-01-12 2022-07-13 ABB Schweiz AG An electric machine

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