JP2002308898A - 蛋白質受容体結合性環状ペプチドおよびその製造法 - Google Patents

蛋白質受容体結合性環状ペプチドおよびその製造法

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Kenji Shibata
健志 柴田
Motoo Yamazaki
基生 山▲崎▼
Kumiko Takahashi
久美子 高橋
Junji Kanazawa
純二 金澤
Noriaki Hirayama
令明 平山
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Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体内で作用する受容体結合能を有する蛋白
質と同様の生理活性を有するか、または該蛋白質の作用
を阻害する、取り扱いの容易な化合物およびその製造法
を提供すること。 【解決手段】 受容体に結合する能力を有する環状ペプ
チド(以下、受容体結合性環状ペプチドと称す)を製造
するに際し、受容体結合能を有する蛋白質のアミノ酸配
列中、該蛋白質とその受容体との結合に関与するアミノ
酸残基またはこれを含むペプチドを選定し、該アミノ酸
残基の側鎖が環状分子の外側を向き、かつ環状分子の片
側に並ぶように該環状ペプチドの構造を固定できるリン
カーを用いることを特徴とする受容体結合性環状ペプチ
ドの製造法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受容体結合能を有
する蛋白質のある一部分のアミノ酸配列をもとに、それ
ら蛋白質に対する受容体に作用する環状ペプチドを設計
し、製造する方法ならびに該方法により得られる受容体
結合性環状ペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】生体内で作用する蛋白質の多くは、医薬
として利用価値があり、様々な分野で利用されている。
しかし蛋白質は高分子物質であり、複雑な三次元構造を
有し、生産や利用に際して取り扱いが難しい。そこで、
蛋白質と同様の生理活性を有し、かつ取り扱いが容易な
低分子化合物が望まれている[Trends in Biotechnolog
y, 14, 369 (1996), Current Opinion in Structural B
iology, 7, 457 (1997)]。
【0003】Trends in Biotechnology, 14, 369 (199
6)には、既に立体構造解析が行われているインターロイ
キン(IL)-5や顆粒球−マクロファージコロニー刺激因
子(GM-CSF)に関して、そのデータを基にした同様の生
理活性を有する低分子化合物の設計法の概念が述べら
れ、さらに立体構造的に類縁蛋白質であると考えられる
成長ホルモン(GH)、IL-2、IL-3、マクロファージコロ
ニー刺激因子(M-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-C
SF)、エリスロポエチン(EPO)、IL-6、IL-7、IL-10、
IL-12、プロラクチン等への該設計法の適応の可能性も
示されているが、汎用性の高い蛋白質と同様の生理活性
を有する低分子化合物設計法は示されていない。
【0004】生体内で作用する受容体結合能を有する蛋
白質は、それぞれに特異的な受容体に結合して作用する
ので、上記の低分子化合物は該受容体に結合することが
必要である。医薬品に応用される生理活性蛋白質として
は、EPOやG-CSF等が知られており、これらと同じ作用を
有する低分子化合物の探索が行われている。
【0005】EPOと同様の作用を有し、その受容体に作
用するペプチド化合物が、ファージ上に発現させたペプ
チドライブラリーの中から見出されている[WO96/4074
9、WO96/40772、Science, 273, 458 (1996)、Science,
273, 464 (1996)]。G-CSFと同様の作用を有し、その受
容体に作用する低分子非ペプチド化合物が化合物ライブ
ラリーの中から見出されている[WO94/17185、WO97/440
33、Science, 281, 257 (1998)]。
【0006】医薬品への応用が期待されているトロンボ
ポエチン(TPO)においても、ファージライブラリーの
中からその受容体に作用するペプチド化合物(WO96/407
50、Science, 276, 1696 (1997)、特開平10-72492)、
さらに低分子化合物ライブラリーの中から非ペプチド性
の化合物が見出されている(特開平11-1477)。GM-CSF
に関しては、その作用を阻害するペプチド性化合物がい
くつか報告されている。例えば、GM-CSF部分ペプチド
[Peptide Research, 8, 20 (1995)]、抗−抗GM-CSF抗
体−抗体の抗原結合部位の部分ペプチド[J. Biol. Che
m., 270, 6628 (1995)]、抗−抗GM-CSF抗体−抗体の抗
原結合部位の立体構造とGM-CSFの立体構造との比較から
設計された環状ペプチド[J. Biol. Chem., 271, 1966
(1996)]が報告されている。
【0007】また、摂食を負に制御するホルモンとして
知られているレプチンに関しては、その部分ペプチドに
レプチン様活性があることが報告されている[Endocrin
ology, 137, 5182 (1996)、同138, 1413 (1997)]。し
かしながら、受容体結合能を有する蛋白質の配列の中か
ら受容体との結合に関与するアミノ酸残基を選定し、そ
のアミノ酸残基またはそれを含むペプチドをリンカーを
用いて適切な配置につなぎあわせ、該アミノ酸残基の側
鎖が分子の外側を向きかつ片側に並ぶように設計した受
容体結合性環状ペプチドを製造する本発明方法に関して
は知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体内で作
用する受容体結合能を有する蛋白質と同様の生理活性を
有するか、または該蛋白質の作用を阻害する、取り扱い
の容易な化合物およびその製造法を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、生体内で作用
する受容体結合能を有する蛋白質からその受容体結合に
重要なアミノ酸残基またはこれを含むペプチドを選定
し、それらを適切な配置につなぎあわせることによっ
て、また必要に応じてアミノ酸の欠失、付加、置換を施
して、該受容体に結合する環状ペプチドを設計し、製造
する方法、および該方法により設計し、製造した受容体
結合性環状ペプチドを提供する。
【0010】従って、本出願は下記(1)〜(24)に
記載の発明に関わる。 (1) 受容体に結合する能力を有する環状ペプチド
(以下、受容体結合性環状ペプチドと称す)を製造する
に際し、受容体結合能を有する蛋白質のアミノ酸配列
中、該蛋白質とその受容体との結合に関与するアミノ酸
残基またはこれを含むペプチドを選定し、該アミノ酸残
基の側鎖が環状分子の外側を向き、かつ環状分子の片側
に並ぶように該環状ペプチドの構造を固定できるリンカ
ーを用いることを特徴とする受容体結合性環状ペプチド
の製造法。 (2) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミノ
酸残基を含むペプチドが、該蛋白質の部分ペプチドであ
る、上記(1)記載の製造法。 (3) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミノ
酸残基を含むペプチドが、該蛋白質の部分ペプチド中1
つ以上のアミノ酸残基が欠失もしくは他のアミノ酸残基
に置換され、または該蛋白質の部分ペプチドに1つ以上
のアミノ酸残基が付加されたものである、上記(1)記
載の製造法。 (4) 蛋白質が、サイトカインまたは増殖因子であ
る、上記(1)記載の製造法。 (5) 蛋白質が、EPO、G-CSF、TPO、GM-CSF、レプチ
ン、GH、IL-5およびIL-6からなる群から選ばれるもので
ある、上記(1)記載の製造法。 (6) 蛋白質が、G-CSFである、上記(1)記載の製
造法。 (7) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミノ
酸残基を含むペプチドが、親水性/疎水性予測および2
次構造予測により、受容体に結合する可能性のあるルー
プ構造を持つと推定できるペプチドであることを特徴と
する、上記(1)記載の製造法。 (8) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミノ
酸残基を含むペプチドが、該蛋白質を認識する抗体によ
り選定される該蛋白質の部分ペプチドである、上記
(1)記載の製造法。 (9) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミノ
酸残基が、該蛋白質のアミノ酸残基を一つずつアラニン
残基に置換してその生理活性を調べるアラニンスキャン
により同定されるものである、上記(1)記載の製造
法。 (10) リンカーが、グリシン、β-アラニン、アミ
ノ安息香酸またはこれらを2種以上組合わせたペプチド
である、上記(1)記載の製造法。 (11) アミノ安息香酸が、4-アミノ安息香酸であ
る、上記(10)記載の製造法。 (12) リンカーが、β-アラニンと4-アミノ安息香
酸を結合したものである、上記(1)記載の製造法。 (13) 受容体結合性環状ペプチドが、分子量500〜6
000の環状ペプチドである、上記(1)記載の製造法。 (14) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミ
ノ酸残基を含むペプチドが、G-CSFのアミノ酸配列中、N
末端から30−50番目のアミノ酸配列、130−150番目のア
ミノ酸配列およびそれらの一部のアミノ酸配列からなる
ペプチドからなる群から選ばれるものである、上記
(1)記載の製造法。 (15) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミ
ノ酸残基が、G-CSFのアミノ酸配列中、N末端から40番目
のLys、48番目のVal、49番目のLeu、または144番目のPh
eである、上記(1)記載の製造法。 (16) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミ
ノ酸残基を含むペプチドが、GM-CSFのアミノ酸配列中、
N末端から17−31番目のアミノ酸配列、96−112番目のア
ミノ酸配列およびそれらの一部のアミノ酸配列からなる
ペプチドからなる群から選ばれるものである、上記
(1)記載の製造法。 (17) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミ
ノ酸残基を含むペプチドが、IL-5のアミノ酸配列中、N
末端から7−29番目のアミノ酸配列、93−110番目のアミ
ノ酸配列およびそれらの一部のアミノ酸配列からなるペ
プチドからなる群から選ばれるものである、上記(1)
記載の製造法。 (18) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミ
ノ酸残基を含むペプチドが、レプチンのアミノ酸配列
中、N末端から22−56番目のアミノ酸配列および106−14
0番目のアミノ酸配列からなるペプチドからなる群から
選ばれるものである、上記(1)記載の製造法。 (19) 蛋白質とその受容体との結合に関与するアミ
ノ酸残基または該アミノ酸残基を含むペプチドが、IL-6
のアミノ酸配列中、N末端から21−34番目のアミノ酸配
列、88−105番目のアミノ酸配列、168−185番目のアミ
ノ酸配列およびそれらの一部のアミノ酸配列からなるペ
プチド、ならびに173番目、179番目および182番目のア
ミノ酸残基からなる群から選ばれるものである、上記
(1)記載の製造法。 (20) 受容体結合性環状ペプチドが分子モデリング
ソフトを用いて設計されたものである、上記(1)記載
の製造法。 (21) 上記(1)〜(20)のいずれかに記載の製
造法で得られる受容体結合性環状ペプチド。 (22) 配列番号1記載のアミノ酸配列を有する環状
ペプチド。 (23) 配列番号2記載のアミノ酸配列を有する環状
ペプチド。 (24) 上記(21)〜(23)のいずれかに記載の
受容体結合性環状ペプチドまたはその薬理的に許容され
る塩を含有する医薬。
【0011】
【発明の実施の形態】受容体結合能を有する蛋白質とし
ては、例えばサイトカインや増殖因子等があげられる。
受容体結合能を有する蛋白質のアミノ酸配列中、該蛋白
質とその受容体との結合に関与するアミノ酸残基は、該
蛋白質を認識する抗体により選定する方法、該蛋白質の
アミノ酸残基を一つずつアラニン残基に置換してその生
理活性を調べるアラニンスキャンにより同定する方法等
により選定することができる。
【0012】受容体結合能を有する蛋白質に対する抗体
は数多く確立されており、該抗体が認識する部位に関し
ても知られている。抗体により認識される部位は、立体
構造上蛋白質の表面に存在していると考えられる。G-CS
Fに対する抗体および該抗体が認識する部位も知られて
いる[J. Biol. Chem., 266, 23815 (1991)]。また、
受容体結合能を有する蛋白質の各アミノ酸残基を一つず
つアラニン残基に置換し、その生理活性を調べるアラニ
ンスキャンと呼ばれる方法で、受容体結合能をはじめと
する活性発現における各残基の重要度が推測できる。G-
CSFでもこのような研究が行われている[Biochemistry,
35, 9034 (1996)]。これらの情報から、受容体結合能
を有する蛋白質の受容体結合に関与するアミノ酸残基が
推測できる。
【0013】一方、G-CSF[FEBS Letters, 410, 131 (1
997)]やIL-5[Trends in Biotechnology, 14, 369 (19
96)]に見られるように、ループ構造は受容体との結合
に関わっている場合が多い。また、蛋白質中のループ構
造は、そのアミノ酸配列から親水性/疎水性予測と2次
構造予測により推定することが可能であることが報告さ
れている[Journal of Molecular Biology, 235, 13 (1
994)]。従って、親水性/疎水性予測{KyteとDoolittl
eの方法[Journal of Molecular Biology, 157, 105-13
2 (1982)]等}と2次構造予測{Chou-Fasmanの方法[A
dvances in Enzymology, 47, 45-147 (1978)]等}によ
り、受容体に結合する可能性のあるループ構造部を推定
することによって受容体結合に関与するアミノ酸残基を
含むペプチドを選定することもできる。
【0014】このようにして推定される、受容体結合能
を有する蛋白質の受容体結合に関与する部位は、蛋白質
分子全体に散在せず、1ないし数ヶ所に集中して存在す
る場合が多い。例えば、G-CSFにおいてはそのアミノ酸
配列のN末端から35−50番目および130−150番目のアミ
ノ酸近傍[FEBS Letters, 410, 131 (1997)]、GM-CSF
においてはそのアミノ酸配列のN末端から17−31番目お
よび96−112番目のアミノ酸近傍[Peptide Research,
8, 20 (1995)]、IL-5においてはそのアミノ酸配列のN
末端から7−29番目および93−110番目のアミノ酸近傍
[Trends in Biotechnology, 14, 369 (1996)]、レプ
チンにおいてはそのアミノ酸配列のN末端から22−56番
目のアミノ酸近傍[Endocrinology, 137, 5182 (199
6)]および106−140番目のアミノ酸近傍[Endocrinolog
y, 138, 1413 (1997)]がそれぞれ受容体結合に関与し
ていると推察されている。IL-6においてはそのアミノ酸
配列のN末端から88−105番目のアミノ酸近傍が受容体結
合に重要であること[Biochem. Biophys. Res. Commu
n., 189, 211 (1992)]、21−34番目のアミノ酸近傍お
よび168−185番目のアミノ酸近傍[J. Peptide Res., 5
2, 216 (1998)]ならびに173、179および182番目のアミ
ノ酸[J. Biol. Chem., 268, 22377 (1993)]が受容体
結合を含めた生理活性の発現に重要であることが報告さ
れている。
【0015】次に、以上のようにして選定された受容体
との結合に関与するアミノ酸残基またはこれを含むペプ
チド、例えばG-CSFにおける前記2ヶ所の推定部位また
はその部分ペプチドを、グリシン、β-アラニン、2-ア
ミノ安息香酸、3-アミノ安息香酸、4-アミノ安息香酸等
を任意に組み合わせたリンカーで結合し、さらにジスル
フィド結合等により環状構造を形成し、環状ペプチドを
製造する。その際、受容体との結合が最適となるような
分子を選択することが好ましい。すなわち、候補となる
ペプチド分子の最安定構造を、コンピュータによりその
分子の原子間力が極小になるよう、分子力学、分子動力
学等を用いて、または既存の分子モデリングソフトを用
いて予測することで、受容体結合に重要な役割を担うと
推測されているアミノ酸残基の側鎖が環状分子の外側を
向き、しかもそれらを分子の片側に配置するようにでき
るものを選択できる。分子モデリングは、分子力学、分
子動力学、または分子起動法に基づく計算をコンピュー
ターを用いて行い、ある特定の分子の原子間力が極小と
なるような構造を予測することにより行うが、例えば市
販のInsight II、Discover(Molecular Simulations In
c., San Diego, CA,USA)等の分子モデリングソフトを
用いることもできる。
【0016】その際、適切なリンカーを用いると、受容
体結合に重要な役割を担うと推測されているアミノ酸残
基の側鎖が環状分子の外側を向き、しかもそれらを分子
の片側に配置するようにできる。例えばG-CSFではリン
カーとして4-アミノ安息香酸とβ-アラニンを用いるとG
-CSFのアミノ酸配列のN末端から40番目のLys(以下、Ly
s40と称する。類似の他の表記についても同様であ
る)、Val48、Leu49、Phe144等を好ましい配置に固定で
きる。
【0017】こうして設計、製造したG-CSF受容体結合
性環状ペプチドの1例が後述する化合物1である。ま
た、選定した推定部位のなかで、受容体結合に直接関与
していないと推測されるアミノ酸残基については、上記
の設計において、受容体結合に重要な役割を担うと推測
されるアミノ酸残基の側鎖の配置を変化させない限り、
該アミノ酸残基を欠失もしくは他の任意のアミノ酸に置
換することができ、また、同様に受容体結合に重要な役
割を担うと推測されるアミノ酸残基の側鎖の配置を変化
させない限り選定した推定部位のアミノ酸残基もしくは
ペプチドに他のアミノ酸残基を付加することもできる。
【0018】こうして化合物1にアミノ酸残基の置換を
施した化合物が後述する化合物2である。同様の手法
で、他の受容体結合能を有する蛋白質についても、抗体
エピトープの同定、アラニンスキャン等の点変異体の活
性測定による重要アミノ酸の推定、ループ構造部位の推
定等がなされれば、1ないし数ヶ所の推定部位をリンカ
ーでつなぎ、例えば分子モデリングソフトを用いて、そ
れぞれの受容体に作用する環状ペプチドを設計すること
ができる。
【0019】受容体結合能を有する蛋白質における受容
体との結合に関与するアミノ酸残基またはこれを含むペ
プチドは、同一種のものに由来するものであることが好
ましいが、目的により別種のものに由来する部分配列を
組合せて設計し、受容体結合性環状ペプチドを製造する
こともできる。以下に、本明細書中で用いられるアミノ
酸およびその保護基に関する略号を説明する。アミノ酸
およびその保護基に関する略号は、生化学命名に関する
IUPAC-IUB委員会(IUPAC-IUB Joint Commission on Bio
chemical Nomenclature)の勧告[ヨーロピアン・ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur. J. Bioche
m.), 138,9-37 (1984)]に従った。
【0020】以下の略号は、特に断らない限り対応する
下記のアミノ酸および保護基を表す。 Ala: L-アラニン Arg: L-アルギニン Gln: L-グルタミン Glu: L-グルタミン酸 Glx: L-グルタミンまたはL-グルタミン酸 Gly: グリシン His: L-ヒスチジン Leu: L-ロイシン Lys: L-リジン Phe: L-フェニルアラニン Pro: L-プロリン Thr: L-スレオニン Tyr: L-チロシン Val: L-バリン Cys: L-システイン HomoCys: L-ホモシステイン β-Ala: β-アラニン 4-Abz: 4-アミノ安息香酸
【0021】以下の略号は、対応する下記のアミノ酸の
保護基および側鎖保護アミノ酸を表す。 Fmoc: 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル Boc: t-ブチルオキシカルボニル tBu: t-ブチル StBu: t-ブチルチオ Trt: トリチル Pmc: 2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル Fmoc-Glu(OtBu)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキシ
カルボニル-L-グルタミン酸-γ-t-ブチルエステル Fmoc-Thr(tBu)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキシカ
ルボニル-O-t-ブチル-L-スレオニン Fmoc-Tyr(t-Bu)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキシ
カルボニル-O-t-ブチル-L-チロシン Fmoc-Arg(Pmc)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキシカ
ルボニル-Ng-2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スル
ホニル-L-アルギニン Fmoc-Gln(Trt)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキシカ
ルボニル-Nγ-トリチル-L-グルタミン Fmoc-His(Trt)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキシカ
ルボニル-Nim-トリチル-L-ヒスチジン Fmoc-Cys(StBu)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキシ
カルボニル-S-t-ブチルチオ-L-システイン Fmoc-HomoCys(Trt)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキ
シカルボニル-S-トリチル-L-ホモシステイン Fmoc-Lys(Boc)-OH: Nα-9-フルオレニルメチルオキシカ
ルボニル-Nε-t-ブチルオキシカルボニル-L-リジン 以下の略号は、対応する下記の反応溶媒、反応試薬等を
表す。 PyBOP: ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジ
ノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート HOBt: N-ヒドロキシベンゾトリアゾール DMF: N,N-ジメチルホルムアミド TFA: トリフルオロ酢酸 NMM: N-メチルモルホリン NMP: N-メチルピロリドン DMSO: ジメチルスルホキシド
【0022】次に、上記のようにして設計された本発明
の受容体結合性環状ペプチドの製造法について説明す
る。本発明の受容体結合性環状ペプチドは、一般的な液
相もしくは固相ペプチド合成法、それらを適宜組み合わ
せる方法、またはそれらに準じる方法によって合成する
ことができる[ザ・ペプタイズ、アナリシス、シンセシ
ス、バイオロジー(The Peptides, Analysis, Synthesi
s, Biology)、第1巻、エアハルト・グロス(Erhard Gros
s)およびヨハン・マインホッファー(Johannes Meinhofe
r)編、アカデミック・プレス(Academic Press)(1979
年);同第2巻、エアハルト・グロスおよびヨハン・マイ
ンホッファー編、アカデミック・プレス(1980年);同第
3巻、エアハルト・グロスおよびヨハン・マインホッフ
ァー編、アカデミック・プレス(1981年);ペプチド合成
の基礎と実験、泉屋信夫ら、丸善 (1985年);続医薬品
の開発、第14巻、ペプチド合成、矢島治明監修、廣川書
店 (1991年);インターナショナル・ジャーナル・オブ
・ペプタイド・アンド・プロテイン・リサーチ(Interna
tional Journal of Peptide and Protein Research), 3
5, 161 (1990)]。
【0023】また、本発明の受容体結合性環状ペプチド
は、自動ペプチド合成機を用いて合成することもでき
る。ペプチド合成機によるペプチドの合成は、島津製作
所製ペプチド合成機、アプライドバイオシステム社[Ap
plied Biosystems Inc., U.S.A. (ABI社)]製ペプチド
合成機、アドバンスドケムテック社[Advanced ChemTec
hInc., U.S.A.(ACT社)]製ペプチド合成機等の市販のペ
プチド合成機上で、適当に側鎖保護したNα-9-フルオレ
ニルメチルオキシカルボニルアミノ酸またはNα-t-ブチ
ルオキシカルボニルアミノ酸等を用い、それぞれの合成
プログラムに従い、実施することができる。
【0024】本発明の受容体結合性環状ペプチドの合成
原料となる保護アミノ酸および担体樹脂は、ABI社、島
津製作所、国産化学(株)、ノバ・バイオケム社(Nova
Biochem)、渡辺化学(株)、ACT社、ペプチド研究所
(株)、バッケム社(Bachem AG)等から入手すること
ができる。このようにして得られる受容体結合性環状ペ
プチドは、C-4、C-8、C-18タイプ等の逆相シリカゲルカ
ラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLC
という)、分配樹脂、吸着樹脂、イオン交換樹脂、シリ
カゲル、化学修飾シリカゲル、逆相シリカゲル、アルミ
ナ、珪藻土、珪酸マグネシウム等を用いたゲル濾過等の
カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等
により精製することができる。
【0025】本発明における受容体結合性環状ペプチド
としては、分子量500〜6000のものが好適なものとして
あげられる。本発明の受容体結合性環状ペプチドの薬理
的に許容される塩は、常法に従い得ることができる。す
なわち、受容体結合性環状ペプチドの酸付加塩または有
機塩基付加塩は、例えば対応する酸あるいは有機塩基の
水溶液に該受容体結合性環状ペプチドを溶解し、凍結乾
燥することによって得ることができる。また、受容体結
合性環状ペプチドの金属塩は、対応する金属イオンを含
む水溶液に該受容体結合性環状ペプチドを溶解し、ゲル
濾過またはHPLCで精製することによって得ることができ
る。次に、本発明の受容体結合性環状ペプチドの具体例
を第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】次に、本発明の受容体結合性環状ペプチド
の生理活性について試験例で示す。 試験例1 G-CSF阻害活性 以下に示すとおり、G-CSF依存性の増殖を示すマウス骨
髄性白血病細胞NFS-60[Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
82, 6687 (1985)、同 83, 5010 (1986)]を用いる細胞
増殖比色定量試験[Jpn. Pharmacol. Ther., 19, 2767
(1991)]を実施した。
【0028】試験には、基本培地[RPMI-1640 (GIBC
O)、10%非働化ウシ胎児血清(GIBCO)、100 unit/mlペニ
シリン(GIBCO)、100μg/mlストレプトマイシン(GIBC
O)、50μmol/L 2-メルカプトエタノール(和光純薬工
業)]を調製して使用した。NFS-60細胞の継代維持に
は、基本培地に参考例1で得られたG-CSF誘導体10 ng/ml
を添加したものを継代用培地として使用した。
【0029】対数増殖期にあるNFS-60細胞を回収し、ト
リパンブルー非染色性の生細胞率が90%以上であること
を確認後、基本培地を用いて遠心分離操作(1000 rpm、
5分間)を2回行い継代時のG-CSF誘導体を洗浄除去し
た。化合物1をDMSOを溶媒として100 mmol/Lの濃度で溶
解後、基本培地を用いて段階希釈を行った。NFS-60細胞
(2 x 104個)を、1 ng/mlのG-CSF誘導体存在下、化合
物1の段階希釈溶液とともに37℃、5%CO2、飽和湿度条
件で96ウエル平底プレート(Nunc)内で2日間培養した
(最終液量50μl/ウエル、3ウエル使用)。MTT[3-(4,
5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラ
ゾリウム ブロミド]試薬(SIGMA)をダルベッコPBS
(リン酸緩衝化生理食塩水;大日本製薬)を用いて5 mg
/mlの濃度で用時溶解し、培養ウエル内に10μlずつ添加
し、さらに37℃、5%CO2、飽和湿度条件で5時間培養し
てホルマザンを生成させた。培養ウエル内にDMSOを125
μlずつ添加して攪拌することによりホルマザンを培養
液中に抽出し、マイクロプレートリーダー(MTP-32、Co
rona electric)を用いて吸光度(550-630nm)を測定
後、平均値を求めた。なお細胞増殖陰性群としてG-CSF
誘導体非添加で培養を行った群を、細胞増殖陽性群とし
て1 ng/mlのG-CSF誘導体存在下で化合物1の段階希釈溶
液を添加せずに培養を行った群を設定した。また化合物
1の溶解溶媒についても同様に試験を行い、細胞増殖に
及ぼす影響を検討した。ホルマザンの抽出まではすべて
無菌的に操作を行った。
【0030】その結果、化合物1は濃度に応じた細胞増
殖抑制活性を示し、250μmol/Lで53.2%の細胞増殖抑制
活性を示した。同手法での試験の結果、化合物2は250μ
mol/Lで27.5%の細胞増殖抑制活性を示した。本発明の
受容体結合性環状ペプチドは、設計の基となるサイトカ
インや増殖因子等が有する生理活性を有し、またはこれ
らを阻害する活性を有するので、それらの活性に基づ
き、医薬として使用することができる。
【0031】本発明における医薬としては、好中球減少
症、白血病、腎性貧血、再生不良性貧血、多血症、血小
板減少症、血小板増多症、癌、慢性関節リウマチ、気管
支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、全身性エリテマト
ーデス、糸球体腎炎、感染症、糖尿病、肥満症、成長不
全症、末端肥大症等の治療薬があげられる。本発明の受
容体結合性環状ペプチドまたはその薬理的に許容される
塩を含有する医薬は、各種注射剤、経皮粘膜投与剤、経
口剤等の各種形態での投与が可能であり、該投与形態に
応じた種々の剤形で使用される。
【0032】投与剤形としては、例えば静脈内注射、筋
肉内注射、皮下注射、皮内注射等用の注射剤、懸濁注射
剤、凍結乾燥剤等の用時溶解型注射剤、座剤、経鼻剤等
の経粘膜投与剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、懸濁液等
の経口剤等をあげることができる。これらの剤形の製剤
化には、通常知られた方法が適用される。例えば、製剤
用担体が液体の場合は、本発明の受容体結合性環状ペプ
チドまたはその薬理的に許容される塩を該液体に溶解す
るかもしくは分散させて製剤化する。また、製剤用担体
が粉末の場合は、本発明の受容体結合性環状ペプチドま
たはその薬理的に許容される塩を該粉末と混合するかも
しくはこれに吸着させて製剤化する。
【0033】さらに目的に応じて、これらに医薬品とし
て許容される保存剤、安定化剤、抗酸化剤、賦形剤、結
合剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、着色剤、芳香剤、矯味
剤、剤皮、懸濁化剤、乳化剤、溶解補助剤、緩衝剤、等
張化剤、塑性剤、界面活性剤、無痛化剤等を含有させ
る。使用する製剤用担体としては、例えば、水、注射用
蒸留水、生理食塩水、グルコース、フラクトース、白
糖、ラクトース、デンプン、セルロース、メチルセルロ
ース、力ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、グリセリン、マンニトール、キシリトー
ル、ソルビトール、グルクロン酸、ヒアルロン酸、ヘパ
リン、キチン、キトサン、グリシン、アラニン、プロリ
ン、セリン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン
酸、リジン、アルギニン、ヒト血清アルブミン、ヒト血
清グロブリン、コラーゲン、ゼラチン、アルギン酸、タ
ルク、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水
素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、尿素、シリ
コーン樹脂、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、アスコルビン酸、α-トコフェロール等
があげられる。
【0034】本発明の受容体結合性環状ペプチドまたは
その薬理的に許容される塩の投与量は、投与方法、本発
明の受容体結合性環状ペプチドまたはその薬理的に許容
される塩の種類、患者の年齢、症状等によって変えるこ
とができる。例えば、本発明の受容体結合性環状ペプチ
ドまたはその薬理的に許容される塩は、1日あたり0.00
001〜100mg/kg、好ましくは0.0001〜100mg/kg、さらに
好ましくは0.001〜10mg/kgを投与することができる。
【0035】以下に、実施例をあげて本発明を詳細に説
明する。
【0036】
【実施例】実施例1 化合物1の設計 G-CSFにおけるそのアミノ酸配列のN末端から35-50番目
および130-150番目のアミノ酸近傍の配列を、グリシ
ン、β-アラニン、4-アミノ安息香酸を任意に組み合わ
せたリンカーで結合し、さらにジスルフィド結合で環状
構造を有するように設計したいくつかのペプチドの立体
構造を、分子モデリングソフトInsight IIおよびDiscov
er(Molecular Simulations Inc., San Diego, CA, US
A)を用いてモデリングし、それらの構造を最適化し
た。
【0037】分子モデリングの結果得られた化合物1の
最安定構造を図1に示す。図1より、化合物1では、受
容体結合に重要な役割を担うと推測されているアミノ酸
残基、すなわちG-CSFにおけるLys40、Val48、Leu49、Ph
e144に相当する化合物1のアミノ酸配列のN末端から6番
目のLys、14番目のVal、15番目のLeu、21番目のPheの側
鎖が環状分子の外側を向き、しかもそれらが分子の片側
に配置されることが示された。
【0038】実施例2 化合物1の合成 H-Cys(Trt)37.6μmolが結合した担体樹脂(Chlorotrity
lレジン、AnaSpec社)80mgを島津製作所製の自動ペプチ
ド合成機(以下、自動合成機と称す)の反応容器に入
れ、島津製作所の合成プログラムに従って、以下の工程
で操作を行った。 (a)担体樹脂を1 mlのジクロロメタンに浸して10分間
放置した後、該溶液を排出し、さらに担体樹脂を900μl
のDMFで3分間洗浄し、該溶液を排出した。 (b)Fmoc-Arg(Pmc)-OH 225.6μmol、PyBOP 225.6μmo
l、HOBt一水和物 225.6μmolおよびNMM 338.4μmolをDM
F 789.7μl中で5分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加
えて混合物を60分間攪拌し、溶液を排出した。 (c)担体樹脂を900μlのDMFで1分間洗浄し、該溶液を
排出し、この操作を5回繰り返した。
【0039】こうして、Fmoc-Arg(Pmc)-Cys(Trt)が担体
上に合成された。次に、 (d)30%ピペリジン-DMF溶液900μlを加えて混合物を
4分間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をもう1回繰り
返した。 (e)(c)と同操作を行った。こうして、Fmoc基を除
去したH-Arg(Pmc)-Cys(Trt)の結合した担体樹脂を得
た。
【0040】次に、得られた担体樹脂を用い、工程
(b)でFmoc-Arg(Pmc)-OHの代わりにFmoc-Gln(Trt)-OH
を用いる以外は工程(b)〜(e)の操作を繰返し行
い、H-Gln(Trt)-Arg(Pmc)-Cys(Trt)を担体上に合成し
た。さらに、工程(b)でFmoc-Arg(Pmc)-OHの代わりに
Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-β-Ala
-OH、Fmoc-4-Abz-OHを順次用いる以外は、工程(b)〜
(e)の操作を繰り返し、側鎖保護ペプチドの結合した
担体樹脂を得た。
【0041】ここでいったん反応容器を自動合成機より
外し、次にFmoc-Gly-OH 225.6μmol、PyBOP 225.6μmo
l、HOBt 一水和物 225.6μmolおよびNMM 338.4μmolをD
MF 789.7μl中で5分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加
えて混合物を3日間攪拌し、溶液を排出した。続いて工
程(c)の操作を行い、無水酢酸752μmolを含む1 mlの
DMFを加えて1時間攪拌した後溶液を排出し、再度(c)
の操作を行った。次に30%ピペリジン-DMF溶液900μlを
加えて混合物を1時間攪拌し、該溶液を排出し、この操
作をもう1回繰り返した。続いて工程(c)の操作を行
った後に、再び反応容器を自動合成機に取り付けた。
【0042】再び自動合成機を用い、工程(b)でFmoc
-Arg(Pmc)-OHの代わりにFmoc-Leu-OH、Fmoc-Val-OH、Fm
oc-Leu-OH、Fmoc-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-Glu(OtBu)-OH、F
moc-Pro-OH、Fmoc-His(Trt)-OH、Fmoc-Cys(StBu)-OH、F
moc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、Fm
oc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Cys(StBu)-OH、Fm
oc-HomoCys(Trt)-OHを順次用いる以外は工程(b)〜
(e)の操作を繰り返し、側鎖保護ペプチドの結合した
担体樹脂を得た。
【0043】反応容器を自動合成機からはずし、担体樹
脂に100 mgのジチオスレイトールを含むDMF溶液1 mlを
加え、50℃で2時間攪拌した。該溶液を排出後、順次DM
F、メタノール、ジブチルエーテルで樹脂を洗浄し、減
圧下12時間乾燥し、Cysの保護基であるStBu基のみが選
択的に除去された側鎖保護ペプチドの結合した担体樹脂
を得た。該樹脂に20%DMSOを含むNMPを1ml加え、室温で
4日間攪拌した後、該溶液を排出し、再度順次DMF、メタ
ノール、ジブチルエーテルで樹脂を洗浄し、減圧下12時
間乾燥した。こうしてCys2-Cys8間にジスルフィド結合
が形成された。
【0044】この担体樹脂に、TFA(82.5%)、チオア
ニソール(5%)、水(5%)、エチルメチルスルフィド
(3%)、1,2-エタンジチオール(2.5%)、チオフェノ
ール(2%)からなる混合溶液800μlを加えて室温で8時
間放置し、側鎖保護基を除去するとともに樹脂よりペプ
チドを切り出した。樹脂を濾別後、得られた濾液にエー
テル約10ml を加え、生成した沈澱を遠心分離およびデ
カンテーションにより回収し、粗ペプチド84.4mgを取得
した。
【0045】以上の操作を再度行い、同じ粗ペプチド7
1.8mgを取得した。得られた粗ペプチドのうち151.2mgを
15mlの2mol/L酢酸水溶液に溶解後、水で1.5Lに希釈し、
アンモニア水でpHを5.5に調整した。室温で24時間攪拌
し、HomoCys1-Cys24間のジスルフィド結合を形成させ
た。酢酸を加えてpHを3.8まで下げた後、沈殿物を濾別
して、逆相カラム(資生堂製、CAPCELLPAK C18 30mmI.
D.×250mm)を用いたHPLCで精製した。0.1% TFA水溶液
に、0.1%TFAを含む90%アセトニトリル水溶液を加えて
いく直線濃度勾配法で溶出し、220nmで検出し、化合物1
を含む画分を得た。この画分を凍結乾燥して、化合物1
を7.6mg 得た。 質量分析[FABMS]; m/z = 2642.6(M+H+) アミノ酸分析; Glx 3.1(3),Gly 2.2(2),His 1.0
(1),Arg 1.1 (1),Thr0.9(1),Ala 2.1(2),Pro
0.9(1),Tyr 0.9 (1),Val 0.9(1),Lys 0.9
(1),Leu 2.8 (3),Phe 1.1 (1),Cys 2.8 (3)HomoCy
s、4-Abzおよびβ-Alaは分析せず
【0046】実施例3 化合物2の合成 H-Cys(Trt)が33.6μmol結合した担体樹脂(Chlorotrity
lレジン、AnaSpec社)60mgを島津製作所製の自動合成機
の反応容器に入れ、島津製作所の合成プログラムに従っ
て、以下の工程で操作を行った。 (a)担体樹脂を1mlのジクロロメタンに浸して10分間
放置した後、該溶液を排出し、さらに担体樹脂を900μl
のDMFで3分間洗浄し、該溶液を排出した。 (b)Fmoc-Glu(OtBu)-OH 336μmol、PyBOP 336μmol、
HOBt 1水和物 336μmolおよびNMM 504μmolをDMF 1176.
2μl中で5分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加えて混
合物を60分間攪拌し、溶液を排出した。 (c)担体樹脂を900μlのDMFで1分間洗浄し、該溶液を
排出し、この操作を5回繰り返した。
【0047】こうして、Fmoc-Glu(OtBu)-Cys(Trt)が担
体上に合成された。 (d)30%ピペリジン-DMF溶液900μlを加えて混合物を
4分間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をもう1回繰り
返した。 (e)(c)と同操作を行った。こうして、Fmoc基を除
去したH-Glu(OtBu)-Cys(Trt)の結合した担体樹脂を得
た。
【0048】次に、ここで得られた担体樹脂を用い、工
程(b)の操作でFmoc-Glu(OtBu)-OHの代わりにFmoc-Gl
n(Trt)-OHを用いる以外は工程(b)〜(e)の操作を
繰返し行い、H-Gln(Trt)-Glu(OtBu)-Cys(Trt)を担体上
に合成した。さらに、工程(b)でFmoc-Glu(OtBu)-OH
の代わりにFmoc-Phe-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Gly-OH、F
moc-β-Ala-OH、Fmoc-4-Abz-OHを順次用いる以外は、工
程(b)〜(e)の操作を繰り返し、側鎖保護ペプチド
の結合した担体樹脂を得た。ただし、Fmoc-4-Abz-OHを
縮合した後の工程(d)では、攪拌時間を1時間とし
た。
【0049】ここでいったん反応容器を自動合成機より
外し、次にFmoc-Gly-OH 336μmol、PyBOP 336μmol、HO
Bt 1水和物 336μmolおよびNMM 504μmolをDMF 1176.2
μl中で5分間攪拌し、得られた溶液を樹脂に加えて混合
物を1日間攪拌し、溶液を排出した。続いて工程(c)
の操作を行い、30%ピペリジン-DMF溶液900μlを加えて
混合物を1時間攪拌し、該溶液を排出し、この操作をも
う1回繰り返した。続いて工程(c)の操作を行った後
に、再び反応容器を自動合成機に取り付けた。
【0050】再び自動合成機を用い、工程(b)でFmoc
-Glu(OtBu)-OHの代わりにFmoc-Leu-OH、Fmoc-Val-OH、F
moc-Leu-OH、Fmoc-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-Glu(OtBu)-OH、
Fmoc-Pro-OH、Fmoc-His(Trt)-OH、Fmoc-Cys(StBu)-OH、
Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OH、F
moc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Cys(StBu)-OH、F
moc-HomoCys(Trt)-OHを順次用いる以外は工程(b)〜
(e)の操作を繰り返し、側鎖保護ペプチドの結合した
担体樹脂を得た。
【0051】反応容器を自動合成機からはずし、担体樹
脂に100 mgのジチオスレイトールを含むDMF溶液700μl
を加え、室温で6時間攪拌した。該溶液を排出後、DMFで
樹脂を洗浄し、Cysの保護基であるStBu基のみが選択的
に除去された側鎖保護ペプチドの結合した担体樹脂を得
た。該樹脂をDMSOで洗浄した後、49%DMSOおよび1%NMM
を含むNMPを800μl加え、室温で5日間攪拌した。該溶液
を排出し、順次DMF、メタノール、ジブチルエーテルで
樹脂を洗浄し、減圧下12時間乾燥し、Cys2-Cys8間にジ
スルフィド結合の形成した担体樹脂を得た。
【0052】この担体樹脂に、TFA(90%)、チオアニ
ソール(5%)および1,2-エタンジチオール(5%)から
なる混合溶液500μlを加えて室温で2時間放置し、側鎖
保護基を除去するとともに樹脂よりペプチドを切り出し
た。樹脂を濾別後、得られた濾液にエーテル約10 mlを
加え、生成した沈澱を遠心分離およびデカンテーション
により回収し、粗ペプチド62.9 mgを取得した。
【0053】以上の操作を再度行い、同じ粗ペプチド6
9.8mgを取得した。得られた粗ペプチド132.7 mgを13.3
mlの2 mol/L酢酸水溶液に溶解後、水で10倍に希釈し、
アンモニア水でpHを4.9に調整した。これを室温で24時
間攪拌し、HomoCys1-Cys24間にジスルフィド結合の形成
した化合物を含有する水溶液を得た。該水溶液に酢酸を
2ml加えた後、沈殿物を濾別して、実施例1と同様に精製
し、化合物2を1.7mg 得た。 質量分析[TOFMS]; m/z = 2614.0(M+H+) アミノ酸分析; Glx 4.9(4),Gly 1.7(2),His 0.9
(1),Thr 0.9(1),Ala2.2(2),Pro 0.9(1),Tyr
1.0 (1),Val 0.8(1),Lys 1.0(1),Leu 2.7 (3),
Phe 0.9 (1),Cys 3.0 (3) HomoCys、4-Abzおよびβ-Alaは分析せず 参考例1 組換え型ヒト顆粒球コロニー刺激因子誘導体
の調製 配列番号3に示したアミノ酸配列を有するヒト顆粒球コ
ロニー刺激因子(hG-CSF)のN末端から1番目のスレオニ
ンをアラニンに、3番目のロイシンをスレオニンに、4番
目のグリシンをチロシンに、5番目のプロリンをアルギ
ニンに、17番目のシステインをセリンにそれぞれ置換し
たhG-CSF誘導体を、特公平7-96558に記載の方法により
取得した。
【0054】即ち、上記のhG-CSF誘導体をコードするDN
Aを含むプラスミドpCfBD28を保有する大腸菌W3110strA
株(Escherichia coli ECfBD28 FERM BP-1479)をLG培
地(バクトトリプトン10 g、酵母エキス5 g、塩化ナト
リウム5 g、グルコース1 gを水1 Lに溶かし、水酸化ナ
トリウム水溶液でpHを7.0とする)で37℃、18時間培養
し、この培養液5mlを25μg/mlのトリプトファンと50μg
/mlのアンピシリンを含むMCG培地[第二リン酸ナトリウ
ム(Na2HPO4) 0.6%、第一リン酸カリウム(KH 2PO4
0.3%、塩化ナトリウム0.5%、カザミノ酸0.5%、硫酸
マグネシウム(MgSO4) 1mmol/L、ビタミンB1 4μg/m
l、pH7.2]100 mlに接種し、30℃で4〜8時間培養後、ト
リプトファンの誘導物質である3β-インドールアクリル
酸(3β-indoleacrylic acid)を10μg/ml加え、さらに
2〜12時間培養を続けた。培養液を8,000 rpm、10分間遠
心分離して集菌し、30 mmol/L塩化ナトリウムを含む30
mmol/Lトリス・塩酸緩衝液(pH 7.5)で洗浄した。洗浄
菌体を上記緩衝液30mlに懸濁し、0℃で10分間超音波破
砕(BRANSON SONIC POWER COMPANY社、SONIFIER CELL D
ISRUPTOR 200、OUTPUT CONTROL2)した。該超音波破砕
物を9,000 rpmで30分間遠心分離して菌体残渣を得た。
【0055】菌体残渣からマーストンらの方法[バイオ
・テクノロジー(BIO/TECHNOLOGY),2, 800 (1984)]に準
じ、hG-CSF誘導体を抽出・精製・可溶化・再生し取得し
た。
【0056】
【発明の効果】本発明により、各種受容体結合能を有す
る蛋白質等の配列をもとに、それらの受容体に作用する
環状ペプチドを設計し、製造する方法が提供される。ま
た、該方法で設計し、製造した受容体結合性環状ペプチ
ドが提供される。
【0057】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> KYOWA HAKKO KOGYO CO., LTD. <120> Protein receptor-binding cyclic peptides and method for production thereof <130> H12-1211D1 <140> <141> <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0058】 <210> 1 <211> 24 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> MOD#RES <222> (1) <223> Xaa represents L-homocysteine <220> <221> MOD#RES <222> (17) <223> Xaa represents 4-aminobenzoic acid <220> <221> MOD#RES <222> (18) <223> Xaa represents β-alanine <220> <221> DISULFIDE <222> (1)..(24) <223> 1 and 24 form a disulfide-bond <220> <221> DISULFIDE <222> (2)..(8) <223> 2 and 8 form a disulfide-bond <400> 1 Xaa Cys Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Glu Glu Leu Val Leu Gly Xaa Xaa 1 5 10 15 Gly Ala Phe Gln Arg Cys 20 24
【0059】 <210> 2 <211> 24 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <221> MOD#RES <222> (1) <223> Xaa represents L-homocysteine <220> <221> MOD#RES <222> (17) <223> Xaa represents 4-aminobenzoic acid <220> <221> MOD#RES <222> (18) <223> Xaa represents β−alanine <220> <221> DISULFIDE <222> (1)..(24) <223> 1 and 24 form a disulfide−bond <220> <221> DISULFIDE <222> (2)..(8) <400> 2 Xaa Cys Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Glu Glu Leu Val Leu Gly Xaa Xaa 1 5 10 15 Gly Ala Phe Gln Glu Cys 20 24
【0060】 <210> 3 <211> 174 <212> PRT <213> Homo Sapience <400> 3 Thr Pro Leu Gly Pro Ala Ser Ser Leu Pro Gln Ser Phe Leu Leu Lys 1 5 10 15 Cys Leu Glu Gln Val Arg Lys Ile Gln Gly Asp Gly Ala Ala Leu Gln 20 25 30 Glu Lys Leu Cys Ala Thr Tyr Lys Leu Cys His Pro Glu Glu Leu Val 35 40 45 Leu Leu Gly His Ser Leu Gly Ile Pro Trp Ala Pro Leu Ser Ser Cys 50 55 60 Pro Ser Gln Ala Leu Gln Leu Ala Gly Cys Leu Ser Gln Leu His Ser 65 70 75 80 Gly Leu Phe Leu Tyr Gln Gly Leu Leu Gln Ala Leu Glu Gly Ile Ser 85 90 95 Pro Glu Leu Gly Pro Thr Leu Asp Thr Leu Gln Leu Asp Val Ala Asp 100 105 110 Phe Ala Thr Thr Ile Trp Gln Gln Met Glu Glu Leu Gly Met Ala Pro 115 120 125 Ala Leu Gln Pro Thr Gln Gly Ala Met Pro Ala Phe Ala Ser Ala Phe 130 135 140 Gln Arg Arg Ala Gly Gly Val Leu Val Ala Ser His Leu Gln Ser Phe 145 150 155 160 Leu Glu Val Ser Tyr Arg Val Leu Arg His Leu Ala Gln Pro 165 170 174
【図面の簡単な説明】
【図1】分子モデリングの結果得られた化合物1の最安
定構造を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 7/00 A61P 7/02 7/02 7/04 7/04 7/06 7/06 11/06 11/06 13/12 13/12 17/00 17/00 29/00 101 29/00 101 31/00 31/00 35/00 35/00 35/02 35/02 37/06 37/06 37/08 37/08 43/00 111 43/00 111 A61K 37/02 (72)発明者 金澤 純二 静岡県駿東郡長泉町下土狩1188 協和醗酵 工業株式会社医薬総合研究所内 (72)発明者 平山 令明 神奈川県座間市立野台3−35−22 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA06 AA07 BA01 BA02 BA08 BA19 BA22 BA24 BA26 BA28 CA59 DA17 DA18 DA19 DB52 DB56 NA14 ZA51 ZA53 ZA54 ZA55 ZA59 ZA70 ZA81 ZA89 ZB08 ZB13 ZB15 ZB26 ZB27 ZB31 ZC02 ZC04 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 BA18 BA31 BA41 DA11 EA20 FA32 FA34 FA74 HA02 HA03 HA04

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受容体に結合する能力を有する環状ペプ
    チド(以下、受容体結合性環状ペプチドと称す)を製造
    するに際し、受容体結合能を有する蛋白質のアミノ酸配
    列中、該蛋白質とその受容体との結合に関与するアミノ
    酸残基またはこれを含むペプチドを選定し、該アミノ酸
    残基の側鎖が環状分子の外側を向き、かつ環状分子の片
    側に並ぶように該環状ペプチドの構造を固定できるリン
    カーを用いることを特徴とする受容体結合性環状ペプチ
    ドの製造法。
  2. 【請求項2】 蛋白質とその受容体との結合に関与する
    アミノ酸残基を含むペプチドが、該蛋白質の部分ペプチ
    ドである、請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 蛋白質とその受容体との結合に関与する
    アミノ酸残基を含むペプチドが、該蛋白質の部分ペプチ
    ド中1つ以上のアミノ酸残基が欠失もしくは他のアミノ
    酸残基に置換され、または該蛋白質の部分ペプチドに1
    つ以上のアミノ酸残基が付加されたものである、請求項
    1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 蛋白質が、サイトカインまたは増殖因子
    である、請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 蛋白質が、エリスロポエチン(EPO)、
    顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、トロンボポエチン
    (TPO)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(G
    M-CSF)、レプチン、成長ホルモン(GH)、インターロ
    イキン-5(IL-5)およびインターロイキン-6(IL-6)か
    らなる群から選ばれるものである、請求項1記載の製造
    法。
  6. 【請求項6】 蛋白質が、顆粒球コロニー刺激因子(G-
    CSF)である、請求項1記載の製造法。
  7. 【請求項7】 蛋白質とその受容体との結合に関与する
    アミノ酸残基を含むペプチドが、親水性/疎水性予測お
    よび2次構造予測により、受容体に結合する可能性のあ
    るループ構造を持つと推定できるペプチドであることを
    特徴とする、請求項1記載の製造法。
  8. 【請求項8】 蛋白質とその受容体との結合に関与する
    アミノ酸残基を含むペプチドが、該蛋白質を認識する抗
    体により選定される該蛋白質の部分ペプチドである、請
    求項1記載の製造法。
  9. 【請求項9】 蛋白質とその受容体との結合に関与する
    アミノ酸残基が、該蛋白質のアミノ酸残基を一つずつア
    ラニン残基に置換してその生理活性を調べるアラニンス
    キャンにより同定されるものである、請求項1記載の製
    造法。
  10. 【請求項10】 リンカーが、グリシン、β-アラニ
    ン、アミノ安息香酸またはこれらを2種以上組合わせた
    ペプチドである、請求項1記載の製造法。
  11. 【請求項11】 アミノ安息香酸が、4-アミノ安息香酸
    である、請求項10記載の製造法。
  12. 【請求項12】 リンカーが、β-アラニンと4-アミノ
    安息香酸を結合したものである、請求項1記載の製造
    法。
  13. 【請求項13】 受容体結合性環状ペプチドが、分子量
    500〜6000の環状ペプチドである、請求項1記載の製造
    法。
  14. 【請求項14】 蛋白質とその受容体との結合に関与す
    るアミノ酸残基を含むペプチドが、G-CSFのアミノ酸配
    列中、N末端から30−50番目のアミノ酸配列、130−150
    番目のアミノ酸配列およびそれらの一部分のアミノ酸配
    列からなるペプチドからなる群から選ばれるものであ
    る、請求項1記載の製造法。
  15. 【請求項15】 蛋白質とその受容体との結合に関与す
    るアミノ酸残基が、G−CSFのアミノ酸配列中、N末端か
    ら40番目のLys、48番目のVal、49番目のLeu、または144
    番目のPheである、請求項1記載の製造法。
  16. 【請求項16】 蛋白質とその受容体との結合に関与す
    るアミノ酸残基を含むペプチドが、GM-CSFのアミノ酸配
    列中、N末端から17−31番目のアミノ酸配列、96−112番
    目のアミノ酸配列およびそれらの一部分のアミノ酸配列
    からなるペプチドからなる群から選ばれるものである、
    請求項1記載の製造法。
  17. 【請求項17】 蛋白質とその受容体との結合に関与す
    るアミノ酸残基を含むペプチドが、IL-5のアミノ酸配列
    中、N末端から7−29番目のアミノ酸配列、93−110番目
    のアミノ酸配列およびそれらの一部分のアミノ酸配列か
    らなるペプチドからなる群から選ばれるものである、請
    求項1記載の製造法。
  18. 【請求項18】 蛋白質とその受容体との結合に関与す
    るアミノ酸残基を含むペプチドが、レプチンのアミノ酸
    配列中、N末端から22−56番目のアミノ酸配列、106−14
    0番目のアミノ酸配列およびそれらの一部分のアミノ酸
    配列からなるペプチドからなる群から選ばれるものであ
    る、請求項1記載の製造法。
  19. 【請求項19】 蛋白質とその受容体との結合に関与す
    るアミノ酸残基または該アミノ酸残基を含むペプチド
    が、IL-6のアミノ酸配列中、N末端から21−34番目のア
    ミノ酸配列、88−105番目のアミノ酸配列、168−185番
    目のアミノ酸配列およびそれらの一部分のアミノ酸配列
    からなるペプチド、ならびに173番目、179番目および18
    2番目のアミノ酸残基からなる群から選ばれるものであ
    る、請求項1記載の製造法。
  20. 【請求項20】 受容体結合性環状ペプチドが分子モデ
    リングソフトを用いて設計されたものである、請求項1
    記載の製造法。
  21. 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載の製
    造法で得られる受容体結合性環状ペプチド。
  22. 【請求項22】 配列番号1記載のアミノ酸配列を有す
    る環状ペプチド。
  23. 【請求項23】 配列番号2記載のアミノ酸配列を有す
    る環状ペプチド。
  24. 【請求項24】 請求項21〜23のいずれかに記載の
    受容体結合性環状ペプチドまたはその薬理的に許容され
    る塩を含有する医薬。
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JP2010522693A (ja) * 2006-12-28 2010-07-08 メダレックス インコーポレイテッド 化学リンカー及び切断可能な基質及びそれらの抱合体

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