JP2002308653A - 封着タブレット - Google Patents

封着タブレット

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JP2002308653A
JP2002308653A JP2001110904A JP2001110904A JP2002308653A JP 2002308653 A JP2002308653 A JP 2002308653A JP 2001110904 A JP2001110904 A JP 2001110904A JP 2001110904 A JP2001110904 A JP 2001110904A JP 2002308653 A JP2002308653 A JP 2002308653A
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sealing
glass
panel
tablet
melting point
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Hajime Hikata
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレーパネルなどの平面表示
装置のパネル2に形成された排気孔3の周囲に排気管と
してのガラス管1の先端を配置し、該ガラス管1の先端
を排気孔3の周囲のパネル部分に封着して取り付けるた
めの封着タブレットにおいて、封着ガラスの本来の適正
な温度よりも低い温度で封着した場合にも、高い強度で
ガラス管1を封着することができ、かつカケなど生じに
くい封着タブレットを得る。 【解決手段】 封着する際パネル2側に位置し、封着温
度に加熱されることによって軟化する環状の封着ガラス
部11と、封着ガラス部11の上に設けられ、封着温度
に加熱されても軟化しない環状の高融点部12とを備え
ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)などの平面表示装置のパネルに排
気管としてのガラス管を取り付けるための封着タブレッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】PDP等の平面表示装置には、その内部
を排気、または排気後ガスを充填する目的で、排気管と
呼ばれるガラス管が取り付けられている。このガラス管
は、平面表示装置のパネルに設けられた排気孔の位置
と、ガラス管先端の開口部が一致するように取り付けら
れる。
【0003】ガラス管の取り付けにあたっては、排気設
備への接続を容易にできるようにガラス管の傾きをパネ
ルに対して極力なくしパネル面に対し垂直に取り付ける
こと、さらには平面表示装置の発光能力を低下させない
ように気密性が保たれるように取り付けることなどが求
められる。また、後工程において、ガラス管が折損した
り、取り付け部が剥がれたりしないような強度でガラス
管をパネルに取り付ける必要がある。
【0004】ガラス管をパネルに接着させる方法として
は、一般に、ガラス粉末を単純な環状に成形した封着ガ
ラスタブレットが用いられている。封着ガラスタブレッ
トには、ガラス管を挿入するための挿入孔が形成されて
おり、この挿入孔にガラス管を挿入し、ガラス管の先端
をパネルの排気孔の位置に合わせ、封着ガラスタブレッ
トの封着温度で焼成し、封着ガラスを軟化させることに
より、ガラス管をパネルに取り付けている。
【0005】ガラス管を取り付けた後排気する際には、
排気効率を上げるため比較的高い温度(例えば350
℃)で排気されている。このとき、封着ガラスが軟化し
て変形し排気管が動いて排気孔を塞いだり、封着ガラス
部に穴があいて気密性が損なわれないように、封着ガラ
スには、350℃程度でガラス管を動かないように固定
することができる耐熱性が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして取り
付けられた排気管においては、パネルに対し排気管が垂
直に取り付けられているので、排気管に荷重がかかる
と、パネルと排気管とをつなぐ封着ガラスに最も応力が
かかりやすい。従って、このような応力を分散するとい
う観点からは、封着後の封着ガラスの形状は、排気管の
できるだけ高い位置からパネルに向かって裾が広がるよ
うな形状を有していることが好ましい。また、ガラス管
と封着ガラスの濡れ角度は90°以下であることが好ま
しく、濡れ角度が90°を超えるような形状は、リエン
トランス形状と呼ばれており、このようなリエントラン
ス形状になると応力がリエントランス部分に集中し、ガ
ラス管がこの部分で折損するため好ましくない。従っ
て、封着後の封着ガラスの形状がリエントランス形状と
ならないように封着することが好ましい。
【0007】また、平面表示装置に使用される蛍光体に
は熱に弱いものがあり、より低い温度で封着することが
できる低温封着性が求められるようになってきている。
しかしながら、低温で封着できるガラスを用いると、同
時に耐熱性も低下するため好ましくない。従って、従来
より用いられている封着ガラス材料を用いて、低温で封
着することが求められるが、低温で封着すると、封着ガ
ラスの流動性が乏しいため、封着ガラスと排気管との接
着部分がリエントランス形状となり、ガラス管に応力が
集中し、ガラス管が容易に折損するという問題を生じ
る。
【0008】封着後の形状がリエントランス形状となら
ないようにするためには、パネル側に近づくにつれて裾
が広がるような円錐形の形状に封着ガラスタブレットを
形成する方法が考えられる。しかしながら、このような
形状は、傾斜面を有しており、このような傾斜面が存在
すると封着ガラスタブレットを作製する際のプレス力が
分散され、封着ガラスタブレットにおける緻密性が上が
らず、さらにタブレットのエッジ部分が鋭角になるた
め、カケを生じ易いという問題が生じる。このようなカ
ケにより生じた粉末がパネルに付着すると、封着の際に
パネルに焼き付き、除去困難な汚損となる。
【0009】本発明の目的は、封着ガラスの材質から推
奨される封着温度よりも低い温度で封着した場合におい
ても、高い強度でガラス管を封着することができ、かつ
カケなどを生じにくい封着タブレットを提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、平面表示装置
のパネルに形成された排気孔の周囲に排気管としてのガ
ラス管の先端を配置し、該ガラス管の先端を排気孔の周
囲のパネル部分に封着して取り付けるための封着タブレ
ットであり、該封着タブレットには、ガラス管を挿入し
て通すための挿入孔が形成されており、ガラス管を該挿
入孔に通して封着する際パネル側に位置し、封着温度に
加熱されることによって軟化する環状の封着ガラス部
と、該封着ガラス部の上に設けられ、封着温度に加熱さ
れても軟化しない環状の高融点部とを備えることを特徴
としている。
【0011】本発明の封着タブレットにおいては、封着
する際パネル側に位置する封着ガラス部と、該ガラス部
の上に設けられる高融点部とを備えている。高融点部
は、封着温度に加熱されても軟化しない部材であるの
で、高融点部とパネルガラスとをクリップ等で挟み封着
タブレットを固定することができる。また、ガラス管は
封着タブレットの挿入孔内に挿入されているので、封着
タブレットによってガラス管をパネルの上に垂直に立て
ることができる。従って、本発明の封着タブレットを用
いれば、別体の固定具等を用いることなく、ガラス管を
パネルの上に立てることができる。
【0012】封着ガラス部は、パネルガラスと高融点部
との間に挟まれた状態で固定されているので、封着温度
に加熱されて封着ガラス部が軟化すると、高融点部によ
って封着ガラスがパネル側に押し付けられ、軟化した封
着ガラスがパネル面上に押し広げられて、広い面積でパ
ネルと接着する。従って、封着ガラスの材質から推奨さ
れる封着温度よりも低い温度で封着した場合において
も、高い強度でガラス管をパネルに接着させることがで
きる。
【0013】また、軟化した封着ガラスは、高融点部に
よってパネル側に押し付けられた際、高融点部の挿入孔
とガラス管との間の隙間に入り込む。隙間に入った封着
ガラスは、その厚みが非常に薄いため、リエントランス
形状にはならず、また高融点部とガラス管との管には十
分な隙間が存在しているので、ガラス管に応力がかかっ
ても、応力が分散して高融点部に伝達され、伝達された
応力はタブレットの底面全体と側面からパネルに分散し
て伝えられる。従って、ガラス管に応力がかかっても、
ガラス管が折損するのを防止することができる。
【0014】また、本発明の封着タブレットでは、封着
ガラス部にリエントランス形状が形成されにくいので、
従来のパネルに向かって裾が広がるような円錐形状に形
成する必要がなく、封着タブレットの取り扱い時におい
てカケ等を生じない。
【0015】本発明における封着ガラス部の材質は、ガ
ラス管をパネルに封着することができるものであればよ
く特に限定されるものではない。結晶性ガラスや非晶質
ガラスのいずれを用いてもよいし、結晶性ガラスや非晶
質ガラスの粉末に耐火性フィラーを混合した複合粉末を
用いてもよい。また、これらに着色剤を混合してもよ
い。一般には、低融点ガラス粉末と耐火性フィラーを混
合した粉末をプレス成形したものが好ましく用いられ
る。
【0016】封着ガラス部は、一般に上記のような原料
粉末をプレス成形することにより製造することができ
る。本発明における高融点部の材質は、封着温度に加熱
されても軟化しないものであればよく特に限定されるも
のではない。例えば、ガラス、金属、セラミックス等の
無機物を用いることができる。
【0017】高融点部は、高融点部に用いる材質に応じ
て成形することができる。ガラスやセラミックス等を用
いる場合には、封着ガラス部と同様にして原料粉末をプ
レスして成形することができる。金属などの場合は、切
削加工や鋳造等の方法により成形することができる。
【0018】本発明においては、封着ガラス部の外径及
び高融点部の外径のうち大きい方の外径が挿入孔の内径
の2倍以上(封着ガラス部及び高融点部の挿入孔の内径
が異なる場合は小さい方の内径の2倍以上)であること
が好ましい。この条件を満たすことにより、封着後の封
着ガラスとパネルとの接着面積が大きくなり、より高い
強度でガラス管を封着させることができるようになる。
【0019】本発明の封着タブレットにおいては、封着
ガラス部が高融点部に接着して一体に形成されているこ
とが好ましい。接着ガラス部と高融点部を一体に形成す
ることにより、その取り扱いが容易になる。封着ガラス
部と高融点部とを一体にする方法としては、それぞれ別
個に形成した封着ガラス部と高融点部とを積み重ね、封
着ガラス部が接着性を有する程度に加熱する方法が挙げ
られる。この場合、支持台の上に高融点部を載せ、その
上に封着ガラス部を載せた状態で加熱することが好まし
い。このような状態で加熱すれば、封着ガラス部の下に
高融点部が存在しているので、封着ガラス部が支持台に
接着することがない。また、支持台に棒状の突起を設
け、この棒状突起に高融点部及び封着ガラス部の挿入孔
を嵌め入れた状態で封着ガラス部を加熱し一体化させて
もよい。この場合、棒状突起に高融点部及び封着ガラス
部の挿入孔を嵌め入れることにより、封着ガラス部の挿
入孔と高融点部の挿入孔の位置を容易に揃えることがで
きる。
【0020】また、本発明においては、高融点部の外径
が封着ガラス部の外径よりも大きいことが好ましい。上
述のように、高融点部の上に封着ガラス部を載せて封着
ガラス部を焼き付けることにより一体化する場合、上方
に位置する封着ガラス部の外径が高融点部の外径よりも
大きいと、封着ガラス部が加熱された際、高融点部より
外側の封着ガラス部の周辺部が軟化して下方に垂れない
ように注意する必要がある。高融点部の外径が封着ガラ
ス部の外径よりも大きいければ、このような問題を生じ
ることなく封着ガラス部を焼き付けて一体化することが
できる。
【0021】また、封着ガラス部の外径が高融点部の外
径よりも大きいと、高融点部をクリップ等で留めてガラ
ス管を封着する際、高融点部より外にはみ出した封着ガ
ラス部の周辺部が軟化して高融点部の上に載りクリップ
等に付着するという問題が生じる。高融点部の外径が封
着ガラス部の外径よりも大きければ、このような問題を
生じることなくガラス管をパネルに取り付けることがで
きる。
【0022】本発明における平面表示装置は、特に限定
されるものではないが、例えば、プラズマディスプレー
パネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレ
ー(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルデ
ィスプレー(PALC)、または蛍光表示管(VFD)
が挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】表1に示すように、実施例1〜7
及び比較例8〜10の封着タブレットを作製した。封着
ガラス部の材料としては、以下のガラスを用いた。
【0024】・LS−0206:日本電気硝子社製非晶
質複合ガラス、推奨封着温度450℃、熱膨張係数72
×10-7/℃、屈伏点353℃ ・LS−7105:日本電気硝子社製結晶性ガラス、推
奨封着温度450℃、熱膨張係数85×10-7/℃ 高融点部の材料としては、以下のガラスを用いた。 ・FN−13:日本電気硝子社製高融点ガラス、熱膨張
係数76×10-7/℃、軟化点697℃、ガラス転移点
513℃ なお、上記FN−13は、500℃以下の温度では変形
しないガラスである。
【0025】実施例1及び2の封着タブレットは、図1
(a)に示すような形状を有するものである。図1
(a)に示すように、封着タブレット10は、封着ガラ
ス部11の上に高融点部12を設けることにより構成さ
れている。図1(a)では、ガラス管1をパネル2に封
着により取り付ける時の配置状態を示している。以下に
説明する図2(a)〜図9(a)も同様にガラス管1を
パネル2に取り付ける時の配置状態を示す断面図であ
る。
【0026】図1(a)に示すように、パネル2に形成
された排気孔3の周囲に、ガラス管1の先端が接するよ
うにガラス管1が配置される。ガラス管1の先端部の周
囲には、封着タブレット10が配置されている。封着タ
ブレット10を構成する封着ガラス部11及び高融点部
12には、それぞれガラス管1を挿入して通すための挿
入孔13が形成されており、この挿入孔13に通した状
態でガラス管1がパネル2の上に載せられている。
【0027】実施例1及び2の封着タブレットの封着ガ
ラス部及び高融点部の寸法は、表1に示す通りである。
実施例3は、図2(a)に示すような形状の封着タブレ
ットであり、封着ガラス部11及び高融点部12の寸法
は表1に示す通りである。図2(a)に示すように、こ
の実施例の封着タブレットは、上記の実施例1及び2と
ほぼ同様の形状を有している。この実施例においては、
後述するように、実施例1及び2と異なるクリップを用
いているため、封着後の封着ガラス部の形状が、若干上
記実施例1及び2と異なっている。
【0028】実施例4は、図3(a)に示すように、高
融点部12の外径が、封着ガラス部11の外径よりも大
きな形状を有しており、封着ガラス部及び高融点部の寸
法は表1に示す通りである。
【0029】実施例5は、図4(a)に示すような形状
の封着ガラス部11及び高融点部12を有する封着タブ
レットであり、封着ガラス部11の外径は、高融点部1
2の外径より大きくなっている。これらの寸法は、表1
に示す通りである。
【0030】実施例6は、図5(a)に示すような形状
の封着ガラス部11及び高融点部12を有する封着タブ
レット10である。図5(a)に示すように、高融点部
12は先端部の径が細くなるような形状を有している。
封着ガラス部11及び高融点部12の形状は、表1に示
す通りである。表1に示すように、高融点部12の先端
部の径は10.0mmであり、その高さは2.0mmで
ある。高融点部12の封着ガラス11側の径の大きい部
分は直径14.0mmであり、その高さは1.0mmで
ある。
【0031】実施例7は、図6(a)に示すような形状
の封着ガラス部11及び高融点部12を有している。図
6(a)に示すように、封着ガラス部11は先端部の径
が細くなっており、この階段状部分の上に高融点部12
が載せられている。封着ガラス部11及び高融点部12
の寸法は、表1に示す通りである。表1に示すように、
封着ガラス部11の先端の径の細い部分は直径6.5m
mであり、その高さは0.5mmである。また、パネル
2側の径の大きな部分の直径は13.5mmであり、そ
の高さは1.6mmである。
【0032】比較例8は、図7(a)に示すような形状
の封着ガラスタブレット20であり、その寸法は表1に
示す通りである。比較例9は、図8(a)に示すような
パネル2に向かって裾が広がるような円錐形状の封着ガ
ラスタブレット20である。その寸法は、表1に示され
ており、封着ガラス部の外径は、パネル2側の最も大き
な直径の寸法である。
【0033】比較例10は、図9(a)に示すような形
状の封着ガラスタブレット20であり、その寸法は表1
に示す通りである。なお、この比較例10は、封着ガラ
スタブレット20に用いたガラスに推奨されている封着
温度で封着する例である。
【0034】上記各実施例の封着ガラス部及び高融点
部、並びに上記各比較例の封着ガラスタブレットは、原
料粉末とバインダーを混合して造粒器にかけて造粒した
後、所定の金型に粉末を充填しプレス成形し、得られた
成形体を脱バインダーした後焼結させて製造した。各部
の寸法は、ノギスを用いて計測した。
【0035】上記各封着タブレット10及び封着ガラス
タブレット20を用いて、パネルガラスの上にガラス管
を封着した。パネルガラスとしては、日本電気硝子社製
PDP用パネルガラスPP8(熱膨張係数83×10-7
/℃)を用いた。ガラス管としては、日本電気硝子社製
FE−2(熱膨張係数84×10-7/℃)を用いた。ガ
ラス管の寸法は、外径4.8mm、内径3mm、長さ6
0mmである。
【0036】上記の各封着タブレット及び封着ガラスタ
ブレットを用い、図1(a)〜図9(a)に示すよう
に、パネル2の上にガラス管1及び封着タブレット10
または封着ガラスタブレット20を配置し、この状態で
表1に示す封着温度に加熱して封着ガラス部または封着
ガラスタブレットを加熱軟化させた。図1(b)〜図9
(b)は、封着後の封着タブレット10または封着ガラ
スタブレット20の形状を示す断面図である。
【0037】実施例1、2及び4〜6においては、挟む
力が強いクリップを用いて高融点部とパネルガラスとを
挟み、封着した。従って、図1(a)及び図3(b)〜
図5(b)に示されるように、高融点部がパネル2に非
常に接近した状態で封着されている。
【0038】実施例3及び実施例7においては、上記の
クリップよりも挟む力が弱いクリップを用いて封着し
た。従って、図2(b)及び図6(b)に示されるよう
に、封着後の高融点部12とパネル2との間に封着ガラ
スが比較的厚く存在するような状態で封着されている。
【0039】比較例8〜10においては、封着ガラスタ
ブレットをクリップで挟むことができないので、ガラス
管1の上部を別体の固定具でパネルガラスに対し垂直に
なるように保持した。
【0040】図7(b)に示すように、上記の各実施例
及び比較例の中で、比較例8においては、封着後の封着
ガラスとガラス管1との接触部分においてリエントラン
ス形状21が認められた。図10(a)はリエントラン
ス形状が認められない場合を示しており、ガラス管1と
の接触部分において封着後の封着ガラス20の濡れ角度
θが90°以下となっている。図10(b)に示すよう
に、ガラス管1との接触部分21において、封着後の封
着ガラス20の濡れ角度θが90°以上の場合、この形
状をリエントランス形状という。
【0041】このリエントランス形状が形成されると、
ガラス管に応力がかかった場合、このリエントランス形
状の部分に応力が集中し、ガラス管がこの部分で折損す
る。各実施例及び各比較例について、以下のようにし
て、管引き倒し強度、耐熱性、及びカケ性を評価した。
【0042】・管引き倒し強度:パネルに接着したガラ
ス管を、パネルから5cmの部分でバネばかりに接続し
て引き倒し、そのとき表示された最大荷重を計測し、管
引き倒し強度としした。
【0043】・耐熱性:ガラス管が封着された封着パネ
ルを垂直に立て、ガラス管が地面に対して水平になるよ
うにし、この状態で350℃で20分間加熱し、ガラス
管が元の角度から変化しなかったものを○、変化したも
のを×とした。
【0044】・カケ性:封着ガラスタブレット1個を、
直径30mm、長さ600mmのアクリル製円筒に入れ
両端をゴムで留め、60°の角度で2秒1サイクルで2
0サイクル左右にアクリル製円筒を傾けるチューブロッ
ク試験を行い、試験後封着ガラスタブレットにカケが認
められたものを×、カケが認められないものを○とし
た。
【0045】以上の評価結果を表1に示す。表1におい
て、「最大外径/内径」は、封着ガラス部の外径及び高
融点部の外径のうち大きな方の外径と、挿入孔の内径と
の比を表している。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなように、本発明に従う実
施例1〜7の封着タブレットを用いた場合、管引き倒し
強度が高く、高い強度でガラス管が封着されていること
がわかる。また、耐熱性及びカケ性においても問題がな
かった。
【0048】これに対し、従来の封着ガラスタブレット
を用いた比較例8においては、上述のように、リエント
ランス形状が認められている。従って、ガラス管に応力
が集中すると、ガラス管が破壊され、管引き倒し強度が
小さくなっている。
【0049】また、パネルに近づくにつれて裾が広がる
円錐形状を有した比較例9の封着ガラスタブレットを用
いた場合には、カケ性において問題があった。比較例1
0においては、封着ガラスタブレットに用いる封着ガラ
スに推奨された封着温度で封着しており、実施例よりも
高い温度で封着している。この場合、リエントランス形
状が認められないが、本発明の実施例に比べ、管引き倒
し強度が小さくなっている。これは、本発明の実施例で
は、高融点部をクリップで挟んで固定しているため、封
着ガラス部がより強固にパネルに押し付けられて接着し
ているためであると考えられる。
【0050】なお、本発明は、上記実施例で示した封着
ガラス部及び高融点部の形状及び寸法に限定されるもの
ではなく、種々の形状及び寸法のものを適宜用いること
ができるものである。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、封着ガラスの本来の適
正な封着温度(推奨封着温度)よりも低い温度で封着し
た場合にも、高い強度でガラス管を封着することができ
る。また、本発明によれば、推奨封着温度の高いガラス
を用いることができるので耐熱性を高めることができ
る。また、本発明によれば、取り扱い時においてカケが
発生しにくい封着タブレットとすることができる。
【0052】また、本発明によれば、クリップなどを用
いて簡易に封着タブレットを固定することができ、ガラ
ス管をパネル上に立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う実施例の封着タブレットを用いて
ガラス管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図
(a)及び封着後の封着タブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図2】本発明に従う実施例の封着タブレットを用いて
ガラス管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図
(a)及び封着後の封着タブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図3】本発明に従う実施例の封着タブレットを用いて
ガラス管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図
(a)及び封着後の封着タブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図4】本発明に従う実施例の封着タブレットを用いて
ガラス管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図
(a)及び封着後の封着タブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図5】本発明に従う実施例の封着タブレットを用いて
ガラス管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図
(a)及び封着後の封着タブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図6】本発明に従う実施例の封着タブレットを用いて
ガラス管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図
(a)及び封着後の封着タブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図7】比較例の封着ガラスタブレットを用いてガラス
管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図(a)及
び封着後の封着ガラスタブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図8】比較例の封着ガラスタブレットを用いてガラス
管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図(a)及
び封着後の封着ガラスタブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図9】比較例の封着ガラスタブレットを用いてガラス
管をパネルに取り付ける時の状態を示す断面図(a)及
び封着後の封着ガラスタブレットの形状を示す断面図
(b)。
【図10】ガラス管に接着している封着ガラスの接着部
分の形状を示す断面図であり、(a)はリエントランス
形状が形成されていない状態を示し、(b)はリエント
ランス形状が形成されている状態を示す。
【符号の説明】
1…ガラス管 2…パネル 3…パネルに形成された排気孔 10…封着タブレット 11…封着ガラス部 12…高融点部 13…封着ガラス部及び高融点部の挿入孔 20…従来の封着ガラスタブレット 21…リエントランス形状

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面表示装置のパネルに形成された排気
    孔の周囲に排気管としてのガラス管の先端を配置し、該
    ガラス管の先端を前記排気孔の周囲のパネル部分に封着
    して取り付けるための封着タブレットであって、 前記ガラス管を挿入して通すための挿入孔が形成されて
    おり、 前記ガラス管を前記挿入孔に通して封着する際前記パネ
    ル側に位置し、封着温度に加熱されることによって軟化
    する環状の封着ガラス部と、 前記封着ガラス部の上に設けられ、封着温度に加熱され
    ても軟化しない環状の高融点部とを備えることを特徴と
    する封着タブレット。
  2. 【請求項2】 前記封着ガラス部の外径及び前記高融点
    部の外径のうち大きい方の外径が、前記挿入孔の内径の
    2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の封着
    タブレット。
  3. 【請求項3】 前記高融点部の外径が、前記封着ガラス
    部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1または
    2に記載の封着タブレット。
  4. 【請求項4】 前記封着ガラス部が前記高融点部に接着
    して一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の封着タブレット。
  5. 【請求項5】 平面表示装置が、プラズマディスプレイ
    パネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレ
    イ(FED)、プラズマアドレスリキッドクリスタルデ
    ィスプレイ(PALC)、または蛍光表示管(VFD)
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の封着タブレット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006169018A (ja) * 2004-12-14 2006-06-29 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスタブレット、その製造方法およびガラスタブレット一体型排気管
JP2007210880A (ja) * 2006-01-16 2007-08-23 Nippon Electric Glass Co Ltd ビスマス系ガラス組成物およびビスマス系封着材料
JP2011105596A (ja) * 2011-02-10 2011-06-02 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスタブレット、その製造方法およびガラスタブレット一体型排気管

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