JP2002305191A - 形状シミュレーション方法 - Google Patents

形状シミュレーション方法

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JP2002305191A
JP2002305191A JP2002039064A JP2002039064A JP2002305191A JP 2002305191 A JP2002305191 A JP 2002305191A JP 2002039064 A JP2002039064 A JP 2002039064A JP 2002039064 A JP2002039064 A JP 2002039064A JP 2002305191 A JP2002305191 A JP 2002305191A
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cells
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Masato Fujinaga
正人 藤永
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置の製造工程における加工形状を高
精度にシミュレーションすることができる形状シミュレ
ーション方法を提供する。 【解決手段】 解析領域100aにおいて体積率“1”
が与えられている領域は、2種類のセルC3、C4に分
割されている。そして、セルC3の上方にはセルC1が
隣接しており、セルC1には体積率“0”が与えられて
いる。セルC1とセルC3とが隣接する方向に関し、い
ずれのセルC1、C3もその幅は等しく設定されてい
る。体積率を補間することにより、解析領域100aの
最下辺から7単位の位置で体積率が0.5と求められ、
物質の境界BS の上限は、セルC3とセルC1との境界
に位置することになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物質粒子の流入又
は流出により経時的に変化する解析領域の形状をシミュ
レーションする形状シミュレーション方法に関し、特
に、半導体製造工程におけるエッチング工程やデポジシ
ョン工程等における加工形状をシミュレーションする形
状シミュレーション方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置は高密度化される傾向
にあり、製造工程における加工形状の高精度化が重要な
課題となっている。このため、半導体装置の製造工程に
おける加工形状をシミュレーションする形状シミュレー
ション方法が開発されている。以下、従来の形状シミュ
レーション方法について詳細に説明する。
【0003】1.解析領域のセル分割図28および図2
9は、従来の形状シミュレーションにおいて用いられる
セル分割の例を示す概念図である。ここでは解析すべき
領域200a、200bが横方向に11単位、縦方向に
10単位の大きさである場合が例示されている。各セル
の中に示された数字は、各セルの中心における体積率を
示す。
【0004】図28および図29は、それぞれ成膜前お
よび後の形状を示すものである。図28において、体積
率“1”で示されたセルは、既に物質(たとえばシリコ
ン)が存在していることを表わし、体積率“0”で示さ
れたセルは、未だ物質(たとえばシリコン)が存在して
いないことを示す。ただし、必ずしも真空である場合の
み対応するのではなく、空気が存在していると考えても
差し支えない。
【0005】図28は、シリコン等の物質が堆積する前
の初期状態をセルに分割したものである。ここで、シリ
コン等の物質は、初期状態において解析領域200aの
左下から右へ8単位、上へ7単位の大きさの長方形を占
めているものとしてセルに分割されている。このため、
図28に示された解析領域200aのうち、その左下か
ら右へ8単位、上へ7単位の大きさの長方形を分割する
セルには体積率“1”が与えられている。
【0006】一方、これ以外の解析領域200aを分割
するセルにはこれに対応する解析領域において物質が存
在しないので、体積率“0”が与えられている。ただ
し、上記のように図28に示された初期状態において体
積率“0”を示しているセルは、初期状態において体積
率“1”が与えられているセルと比較して、その堆積方
向の幅が狭い。ここで、堆積物は、概ね上方から飛来す
るものとし、堆積方向は右方向または上方向として捉え
られる。
【0007】これは、成膜のシミュレーションにおいて
は、初期状態において体積率“1”が与えられているセ
ルの体積率に変化が生じないことが前提であるのに対
し、初期状態において体積率“0”が与えられているセ
ルの体積率は増大していき、これによって注目している
物質の形状が変化するので、かかる領域を細かく解析す
る必要があるためである。
【0008】したがって、初期状態において異なる体積
率を有して隣接するセルの幅は、互いに異なっている。
成膜における形状のシミュレーションにおいては、一般
に初期状態における体積率が大きいセルの方が、堆積方
向の幅が広い。逆に、エッチングにおける形状のシミュ
レーションにおいては、初期状態において物質が存在し
ていた領域の体積率の減少をつぶさに知る必要があるた
め、一般に初期状態における体積率が大きいセルの方が
そのエッチング方向の幅が狭い。
【0009】図29は、成膜後の各セルの体積率を示し
ている。成膜後の解析領域200bを分割するセルは解
析領域200aを分割するセルと同一であるが、体積に
関するシミュレーションによって各セルの体積率が解析
領域200aとは変化している。上述のように初期状態
を示す図28において既に体積率が“1”であったセル
の体積率は変化しないが、体積率が“0”であったセル
の中にはその体積率が変化しているものがある。
【0010】ここで、体積率は体積に関するシミュレー
ションによって求められているので、“0”から“1”
の間の非整数の値をとるものがある。このような場合、
どこまでが物質として堆積した領域で、どこまでが、依
然として物質が存在しない領域(空気または真空)なの
かという物質の境界を決定しなければ、形状をシミュレ
ーションしたことにはならない。
【0011】2.境界の決定手法ところで、セルで分割
された解析領域において物質の境界を決定するには、一
般に補間によって体積率が“0、5”の位置を求め、こ
れをもって物質の境界とする決定方法が採用されてい
る。このような決定方法の一般的な説明は、たとえば、
「超LSI技術[16]デバイスとプロセス(その
6)」(半導体研究36、西沢潤一編、財団法人半導体
研究振興会、工業調査会発行)のp107〜p109に
おいてなされている。ここでは、さらに複数の物質が存
在する場合について検討することにより、体積率が
“0.5”の位置をもって物質の境界とする妥当性につ
いて説明する。
【0012】図30は、図28および図29とは無関係
に設定した解析領域201を示す概念図である。横方向
に6単位、縦方向に5単位の解析領域201において、
Si、SiO2 、Si34 がそれぞれ図に示される領
域を占めている場合を考える。ここで、異なる物質が同
時に存在するセルは存在していないと仮定する。
【0013】今、各物質ごとに解析領域の体積率を考え
る。図31〜図33はそれぞれSi、SiO2 、Si3
4 の体積率を示した解析領域201a〜201cを示
す概念図である。ここで、それぞれの物質の存在する領
域における体積率を“1”としても上記の仮定には反し
ない。
【0014】このような状況にある各物質の境界を求め
ることを考える際、仮に体積率が“0.25”をとる位
置を境界として決定することとする。体積率は、各セル
の中心における体積率を示しているので、図31で考え
ると、破線で示されるようにSiの境界BSiは最下辺か
ら2.25単位の位置に存在することになる。一方、図
32を参照して、破線で示されるようにSiO2 の境界
SiO の下限は、最下辺から1.75単位の位置に存在
することになる。これでは、Siの境界BSiはSiO2
の内部に存在し、また、SiO2 の境界BSiO はSiの
内部に存在することにより、同一のセルに異なる物質が
同時に存在することになる。これでは上記の仮定に反す
る。
【0015】同様にして、図33を参照して、破線で示
されるようにSi34 の境界BSi N は、Siの内部に
もSiO2 の内部にも存在することになり不合理であ
る。また、体積率が“0.75”をとる位置を境界とし
て決定することを仮定しても同様な不合理が生じる。
【0016】しかし、体積率が“0.5”をとる位置を
境界として決定すると、Siの境界BSiもSiO2 の境
界BSiO も最下辺から2単位の位置に存在することにな
り、両者は一致する。このため、これらの2つの境界が
互いに異なる物質の内部において存在するという不合理
は生じない。Si34 の境界BSiN に関しても同様で
ある。
【0017】以上のような理由によっても体積率が
“0.5”の位置を求め、これをもって物質の境界とす
る決定方法が妥当であることがわかる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】次に、図28を再び参
照して解析領域200aにおける物質の境界について検
討する。初期状態において物質が存在しているセルC2
と、その上方に隣接し、物質が存在していないセルC1
とから、物質の境界BS の上限が決定される。セルC1
は、セルC2に存在する物質を土台として堆積する物質
が存在する領域に位置するので、その上下方向の幅はセ
ルC2の上下方向の幅より細かく設定されている。
【0019】このため、セルC1、C2の中心において
それぞれ体積率“0”、“1”を与え、補間によって体
積率“0.5”の位置から物質の境界BS の上限を求め
ると、破線で示されるようにセルC2の内部に入り込む
ことになる。具体的には、セルC1の上下方向の幅が1
単位であり、セルC2の上下方向の幅が4単位であるの
で、物質の境界BS の上限は、解析領域200aの最下
辺から6.25単位の位置に存在することになる。物質
の境界BS の右限界も同様にして、解析領域200aの
最左辺から7.25単位の位置に存在することになる。
【0020】本来、解析領域200aは、横方向に8単
位、上下方向に7単位の広さの領域において物質が存在
する場合を初期状態として解析を進めるものである。し
たがって、このように境界が位置することは、その精度
が悪いことを示していることになる。
【0021】この精度の悪さを反映して、図29に示さ
れた体積のシミュレーションが行なわれた後の物質の境
界は破線で示されるようになり、体積のシミュレーショ
ンにもかかわらず、当初に存在した物質がエッチングさ
れたかのような境界が求められることになる。特に、角
の真下や孔の側壁に入射する堆積物を正確に計算できな
くなり、堆積後の形状は不正確になるという問題点があ
った。
【0022】次に、従来の形状シミュレーションにおけ
る、デポジションおよびエッチング計算に関する問題点
について説明する。図70は、表面セルの境界面を示す
図である。図70を参照して、解析領域は、小さな矩形
領域(セル)に分割されており、セル中の数字は、物質
の体積率を示している。また、斜線を施したセルは表面
セルを示しており、太い実線で示した面が物質の表面と
なる境界面を示している。したがって、従来の形状シミ
ュレーション方法では、物質表面を矩形で近似し、近似
された表面を基に、デポジションやエッチング等の計算
を行なっていた。この結果、表面積に比例するような反
応速度を有するデポジションやエッチング等の計算に対
して不正確になるという問題点があった。つまり、物質
表面が矩形で近似されるため、たとえば、斜めの表面を
持つものに対して約1.4倍表面積が異なり、その結果
計算される形状に誤差を生じていた。
【0023】次に、従来の形状シミュレーションにおけ
る体積率の記憶方法に関する問題点について説明する。
たとえば、材質の異なる物質X1 、X2 、X3 から構成
される物質の各体積率は以下のように記憶される。図7
1〜図74は、解析領域に複数の物質が存在する場合の
物質X1 、X2 、X3 、および全物質の体積率の計算結
果を示す図である。図71〜図74を参照して、解析領
域が上下方向5単位、横方向5単位に分割されている場
合、各物質および全物質に対して分割されたセルごとに
それぞれの体積率を記憶する必要がある。したがって、
物質数が多くなればなるほど、その物質数に対応した記
憶容量が必要となり、特に、三次元化したとき、非常に
多くの記憶容量が必要となるという問題点があった。こ
の結果、計算機の記憶容量に制限され、解析領域を細か
く分割することができず、高精度なシミュレーションを
行なうことができないという問題点があった。
【0024】本発明は、上記課題を解決するためのもの
であって、半導体装置の製造工程における加工形状を高
精度にシミュレーションすることができる形状シミュレ
ーション方法を提供することを目的とする。
【0025】本発明の他の目的は、半導体装置の製造工
程における加工形状を短時間でシミュレーションするこ
とができる形状シミュレーション方法を提供することで
ある。
【0026】本発明のさらに他の目的は、半導体装置の
製造工程における加工形状を少ない記憶容量でシミュレ
ーションすることができる形状シミュレーション方法を
提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1ないし請求項4
記載の形状シミュレーション方法は、物質粒子の移動に
より変化する解析領域の形状をシミュレーションする形
状シミュレーション方法であって、解析領域を複数の解
析要素に分割する第1ステップと、解析要素の中から表
面に位置する第1解析要素における物質粒子の移動領域
と非移動領域との第1境界を特定する第2ステップと、
上記第1境界を基に、第1解析要素の近傍でかつ表面に
位置する第2解析要素における物質粒子の移動領域と非
移動領域との第2境界を特定する第3ステップとを含
む。
【0028】望ましくは、上記第3ステップは、第2解
析要素における第1境界の近傍の第3境界が移動領域で
あるか非移動領域であるかを判定する第4ステップと、
第4ステップにおいて移動領域と判定された場合、第3
境界が非移動領域と判定されるまで、第3境界を第2ス
テップで非移動領域であると判定された方向へ移動さ
せ、第2境界を特定する第5ステップと、第4ステップ
において非移動領域と判定された場合、第3境界が移動
領域と判定されるまで、第3境界を第2ステップで移動
領域であると判定された方向へ移動させ、第2境界を特
定する第6ステップとを含む。
【0029】上記移動領域は、物質粒子が流入する流入
領域または物質粒子が流出する流出領域のいずれであっ
てもよいし、非移動領域は、物質粒子が流入しない非流
入領域または物質粒子が流出しない非流出領域のいずれ
であってもよい。
【0030】[作用]請求項1ないし請求項4記載の形
状シミュレーション方法においては、第1解析要素の近
傍にある第2解析要素の第2境界は第1解析要素の第1
境界とほぼ等しい位置にあるので、第1境界を基に第2
境界を特定することにより、短時間で第2境界を特定す
ることが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】1.本発明の基本的な考え方 本発明の詳細を具体的に説明する前に、その基本的な考
え方を説明する。図1および図2は、本発明の基本的な
考え方を説明する概念図であり、解析領域100a、1
00bを複数のセルによって分割した様子を示してい
る。従来の技術において図28、図29を用いて説明さ
れた解析領域200a、200bと同様に、解析領域1
00a、100bが横方向に11単位、縦方向に10単
位の大きさである場合が例示されている。各セルの中に
示された数字は、各セルの中心における体積率を示す。
【0032】図1および図2は、それぞれ成膜前および
後の形状を示すものである。図1において、体積率
“1”で示されたセルは、既にシリコン等の物質が存在
していることを示し、体積率“0”で示されたセルは、
未だ物質が存在していないことを示す。ここで、物質
は、初期状態において解析領域100aの左下から右へ
8単位、上へ7単位の大きさの長方形を占めているとの
前提の下に複数のセルに分割されている。このため、図
28と類似して、解析領域100aのうち、その左下か
ら右へ8単位、上へ7単位の大きさの長方形を分割する
セルには体積率“1”が与えられている。
【0033】ただし、図28に示された解析領域200
aとは、解析領域100aのセルの分割数およびその大
きさが異なる。物質の存在するすなわち体積率“1”が
与えられている領域のうち、解析領域200aにおいて
セルC2で示されていた領域は、解析領域100aにお
いては2つのセルC3、C4にさらに分割されている。
そして、セルC3の上方にはセルC1が隣接しており、
セルC1には体積率“0”が与えられている。
【0034】セルC1とセルC3とが隣接する方向に関
し、いずれのセルC1、C3もその幅は等しく取られて
いる。このため、体積率を補間することにより、解析領
域100aの最下辺から7単位の位置で体積率が“0.
5”と求められ、物質の境界BS の上限は、体積率が
“1”であるセルC3と体積率が“0”であるセルC1
との境界に位置することになる。同様にして、物質の境
界BS の右限界は、互いに隣接する体積率が“1”であ
るセルと体積率が“0”であるセルとの境界に位置し、
最左辺から8単位の位置に存在することになる。
【0035】これは、物質が初期状態において解析領域
100aの左下から右へ8単位、上へ7単位の大きさの
長方形を占めているとの前提に対して非常に精度よく合
致していることになる。
【0036】このような解析領域100aを初期状態と
し、堆積のシミュレーションを行なって得られた解析領
域100bにおいては、破線で示される物質の境界、す
なわち形状は左下から右へ8単位、上へ7単位の大きさ
の長方形の内部に進入することがない。つまり、予め存
在した物質がエッチングされたような形状となることは
なく、堆積のシミュレーション結果として妥当性のある
形状がシミュレートされる。
【0037】上記のように本発明では、補間によって体
積率“0.5”となる位置を物質の境界として形状のシ
ミュレートを行なう際、その初期状態におけるセルの分
割を所定の規則に基づいて行なうことのみによって精度
を高めるものであり、従来の場合と比較してメモリ数の
極端な増加はなく、また別途複雑な計算も要しないこと
から計算時間の増加も著しくはない。そしてこの所定の
規則とは、体積率“1”および“0”のそれぞれを有す
るセルが隣接する際には、その隣接する方向に関してセ
ルの幅を互いに等しくするものであり、これによって補
間にて体積率“0.5”となる位置をこれらのセルの境
界に位置するようにすることができる。なお、上記隣接
するセルの幅は、ほぼ等しければよく、たとえば、約5
0%程度の差があったとしても、体積率“0.5”とな
る位置は、ほぼ隣接するセルの境界に位置し、上記と同
様の効果を得ることができる。
【0038】2.具体的方法 以下、本発明による形状シミュレーションの具体的な方
法について図を用いて説明する。以下の方法は、セル分
割に関する技術および物質の境界を求める技術を除き、
たとえば、本出願人による特開平4−133326号公
報において開示されている。
【0039】(1) 全体的な流れ 図3は、本発明の一実施例の形状シミュレーション方法
を示すフローチャートである。まず、ステップS1でプ
ロセスパラメータを入力する。次に、ステップS2で解
析領域を複数の直方体セルに分割し、所定条件となる体
積率が各セルに与えられる。図4は、直方体セルを例示
する斜視図であり、各セルを、x方向をi、y方向を
j、z方向をkとして、(i、j、k)で表わすことと
する。
【0040】このセル分割を行なうステップS2におい
て、「1.本発明の基本的な考え方」で説明したよう
に、体積率“1”および“0”のそれぞれを有するセル
が隣接する際には、その隣接する方向に関してセルの幅
を互いに等しくする。「1.本発明の基本的な考え方」
では、平面的なセルについて説明したが、このように立
体的なセルにおいても同様に分割を行なうことが可能で
あり、また、補間により体積率“0.5”となる位置を
これらのセルの境界に位置するようにすることができる
ことも同様である。したがって、図1に示されるものと
同様に物質の境界をセルの境界に位置させることができ
る。
【0041】続くステップS3では、解析領域において
どのような処理工程に関して解析(形状シミュレーショ
ン)を行なうのかが判別される。そして、デポジション
工程であれば、ステップS4に進んでデポジション計算
が行なわれ、エッチング工程であれば、ステップS5に
進んでエッチング計算が行なわれる。これらのステップ
S4およびS5では、デポジション工程およびエッチン
グ工程終了時における各セルの物質の体積率が算出され
る。これによって、図2に示されるものと同様にして各
セルの体積率が求まる。その後、ステップS6で各セル
における体積率が記憶され、ステップS7で体積率
“0.5”を有する位置が求められ、物質の境界BS
表示される。ステップS5〜S7は、ステップS8で一
連の工程がすべて終了したと判定されるまで繰返し行な
われる。
【0042】(2) デポジション計算の具体的方法 図5は、図3に示されたステップS4の詳細を示すフロ
ーチャートである。以下、この図5を参照してデポジシ
ョン計算の方法を具体的に説明する。各セル中に存在す
る物質の体積率をCt (i、j、k)で表わすこととす
る。
【0043】まず、ステップS11で表面セルを導出す
る。あるセルが表面セルであるか否かは、次のようにし
て判別される。注目しているセル(i、j、k)の周り
のセルの体積率Ct (i±1、j、k)、Ct (i、j
±1、k)およびCt (i、j、k±1)を求める。そ
して、これらの6個の値に0.5未満のものが存在する
とき、セル(i、j、k)が表面セルであるとする。た
だし、セル(i、j、k)の体積率Ct (i、j、k)
が0.5未満のセルは表面セルとしない。
【0044】次に、ステップS12でデポジションの種
類が判別される。スパッタデポジションの場合には、ス
テップS13でターゲットとウエハとの位置関係および
立体角からのデポジション速度が計算される。また、C
VD法等の等方的デポジションの場合には、ステップS
14で表面積からデポジションの速度を計算する。いず
れの場合にも算出されたデポジション速度から堆積され
る物質たとえば、シリコンが表面セルの境界面を通し、
このセル内に単位時間に流入する体積率Rijkを求め
る。
【0045】さらに、ステップS15で微小時間dt秒
後のセル(i、j、k)の物質の体積率Ct+dt(i、
j、k)を次式に基づいて計算する。
【0046】Ct+dt(i、j、k)=Ct (i、j、
k)+Rijk ・dt その後、ステップS16で各セルの体積率を調整する処
理が行なわれる。上式によって求められた体積率Ct+dt
(i、j、k)が1を越えた場合には、そのセル(i、
j、k)の周りのセル(i±1、j、k)、(i、j±
1、k)および(i、j、k±1)のうち体積率が0.
5以下のセルα、β、γ、…を検出する。そして、これ
らのセルα、β、γ、…とセル(i、j、k)とが隣接
する面の面積をそれぞれSα、Sβ、Sγ、…として、 Ct+dt(i、j、k)←1 Ct+dt(α)←Ct+dt(α)+η・Sα/(Sα+Sβ
+Sγ+…) Ct+dt(β)←Ct+dt(β)+η・Sβ/(Sα+Sβ
+Sγ+…) Ct+dt(γ)←Ct+dt(γ)+η・Sγ/(Sα+Sβ
+Sγ+…) とする。ただし、 η=Ct+dt(i、j、k)−1 である。上記のようにして体積率を与え直す。
【0047】ここで、微小時間dtは、単位時間に流入
または流出する体積率Rijk の最大値をRmax としたと
き、dt=1/1・Rmax とすることが望ましい。ただ
し、デポジション時間t0 の最後のタイムステップの時
間間隔dtend は、nを整数として、dtend =t0
n・dtに設定する必要がある。
【0048】(3) 立体角を求める具体的方法 上記に説明したように、ステップS14、S15におい
てデポジション速度を求めるには、立体角を求める必要
がある。以下、その具体的方法の一例について説明す
る。
【0049】まず、図4を参照する。セル(i、j、
k)には、6つの面があり、各面に入射する物質量すな
わち粒子数を計算する必要がある。セルの1つの面に入
射する粒子数を計算する場合、その面の中心FCを始点
とするベクトルV=(VX 、V Y 、VZ )を定める。
【0050】図6は、ベクトルVが依存する座標系を示
す概念図である。このように座標系を設定すると、 VX =sinθ・cosφ VY =sinθ・sinφ VZ =−cosθ 0≦θ≦π/2 0≦φ≦2π となる。このとき、微小立体角dΩは、 dΩ=sinθdφdθ で与えられる。
【0051】θ方向の分割数をNθ、φ方向の分割数を
Nφとすると、 θ=π(i−1/2)/2Nθ φ=2π(j−1/2)/Nφ となる。ただし、 1≦i≦Nθ 1≦j≦Nφ である。
【0052】このベクトルVが物質で充填された他のセ
ルを通るときには、その方向から粒子は入射することが
できない。よって、ベクトルVがどのセルを通るかを見
出す必要がある。これは、たとえば、以下のようにすれ
ば、比較的計算時間が短くて見出される。
【0053】まず、図7に示すように、xy平面を4つ
の領域R1 〜R4 に分割し、ベクトルVが通過するセル
がどの領域に存在するかを判別する。ここでは、セルが
領域R1 に存在する場合について説明する。
【0054】すなわち、VX >0、VY >0、VZ <0
であるから、セル(i、j、k)の次に通過するセルを
(u、v、w)とすると、u≧i、v≧j、w≦kが成
り立つ。さらに、ベクトルVは、その方向に飛来する物
質粒子の速度として把握することができ、粒子の始点を
0 =(x0 、y0 、z0 )とすると、t秒後の粒子の
位置ベクトルr=(x、y、z)は、 r=V・t+r0 x=VX ・t+x0 y=VY ・t+y0 z=VZ ・t+z0 で与えられる。
【0055】また、図8および図9に示すように、隣接
するセルの境界部の座標をBX(i)、BY(j)、B
Z(k)等で表わすと、粒子がセル(i、j、k)の境
界部BX(i+1)、BY(j+1)、BZ(k)を通
過する時刻は、それぞれ、 tX (i+1)={BX(i+1)−x0 }/VXY (j+1)={BY(j+1)−y0 }/VYZ (k)={BZ(k)−z0 }/VZ で表わされる。
【0056】図8および図9に示された例では、tZ
(k)<tY (j+1)<tX (i+1)であるから、
0<t<tX (i+1)を満足させる時刻tでは、x方
向のセル番号はiである。また、0<t<tY (j+
1)の時刻tでは、y方向のセル番号はjである。そこ
で、時刻tがtY (j+1)になるまでz方向のセル境
界座標をBZ(k−1)、BZ(k−2)、…と動か
し、時刻tがtY (j+1)を越えたら、今度はy方向
のセル境界座標を一つ動かして、tX (i+1)とt Y
(j+2)と比較する。
【0057】図10は、各セルの境界部を通過する時刻
X 、tY およびtZ を数直線上に表わした概念図であ
る。図10から、ベクトルVが通過するセルは、(i,
j,k−1),(i,j,k−2),(i,j+1,k
−2),(i,j+1,k−3),(i,j+2,k−
3),(i,j+2,k−4),(i,j+3,k−
4),(i+1,j+3,k−4),(i+1,j+
3,k−5),…というように、同時刻に位置するx、
y、z方向のセル番号を書き出せばよいことがわかる。
ただし、この場合、tX 、tY 、tZ の各周期の大小を
考慮して、まずtZを動かし、次いでtY 、さらにtX
を動かして同時刻に位置するセル番号を調べることが望
ましい。
【0058】また、物質が充填されたセルのうち最も高
い位置にあるセル、すなわちz座標が最も小さいセルを
判別し、このセルより上方(−z軸方向)にあるセルに
ついては立体角の判断に関して考慮しないようにする。
これにより、さらに計算時間の短縮が可能となる。
【0059】(4) 物質の境界を求める具体的方法 図3のステップS7において、物質の形状、すなわち、
物質の境界を求める具体的方法について説明する。図1
1は、ステップS7の詳細を示すフローチャートであ
る。
【0060】図12は、解析領域において同一の頂点O
0 を共有する8つのセルCE11〜CE18近傍を示す斜視
図である。まず、各セルの中心O11〜O18において得ら
れる体積率C11〜C18を求める(ステップS21)。こ
の計算は、ステップS7に先立って図3のステップS6
において既に行なわれている。
【0061】次に、ステップS22において、着目する
セルに対応する直方体の体積として、頂点O0 に関して
着目するセルと対向するセルの中心と、頂点O0 とがつ
くる直方体の体積を求める。たとえば、セルCE11に着
目すると、頂点O0 とセルCE11に対向するセルCE17
の中心O17とがつくる直方体の体積V11を求めることに
なる。同様にして、セルCE12に着目すると、頂点O0
とセルCE12に対向するセルCE18の中心O18とがつく
る直方体の体積V12を求めることになる。
【0062】このようにして求められた体積V11〜V18
から次式を用いて頂点O0 の体積率C0 を求める。
【0063】C0 =(C1111+C1212+…+C18
18)/(V11+V12+…+V18) ステップS21〜S23の処理は、あるセルのすべての
頂点の体積率が求まるまで繰返して行なわれる(ステッ
プS24、S25)。そして、すべての頂点の体積率が
求まったセルにおいて補間計算を行なう(ステップS2
6)。
【0064】図13は、中心Oj を有するセルCEj
おいて等体積率面を求める様子を示す斜視図である。ス
テップS21〜S25においてセルCEj の各頂点の体
積率が求められているので、セルCEj のある面の面心
FCの体積率は、その面の4つの頂点Q1 〜Q4 の平均
値として求められる。そして、面心FC、頂点Q1 〜Q
4 のうちの隣接する2つ、中心Oj の4つの点が構成す
る四面体の各辺において補間計算を行なうことにより体
積率が“0.5”の位置を求めることができる。したが
って、これらの位置を結ぶことにより、物質の境界B
S 、すなわち物質の形状を求めることができる(ステッ
プS27)。
【0065】(5) 体積率“0.5”の位置を物質の
境界とする理由 この理由に関しては、既に、「(2)境界の決定方法」
において簡単には説明したが、ここでは、さらに誤差と
の関係において境界の決定方法の妥当性について説明す
る。ただし、説明の煩雑さを避けるため、解析領域が二
次元の場合について説明を行なうが、解析領域が三次元
の場合でも同様である。
【0066】図14は、1方向に隣接するセルC20〜C
22を示す概念図である。それぞれ隣接する方向に沿った
幅は、d1 〜d3 である。そして、セルC20〜C22の中
心には、それぞれ体積率“1.0”、“x”、“0”が
与えられている。
【0067】まず、体積率aの位置を物質の境界とする
場合について考えてみる。体積率xは、0以上1以下の
値をとるため、境界となる点の位置P′は、xとaの大
小関係に依存して、線形補間計算によってセルC20の中
心とセルC22の中心との間で定まる。したがって、その
位置P′は、
【0068】
【数1】
【0069】となる。今、幅がd1 :d2 =d2 :d3
を満足するように解析領域が分割されている場合、幅d
2 を1に固定すると、d1 =1/d3 となる。そして、
実際の境界の位置は、P=d1 /2+xである。そし
て、誤差を(P′−P)の絶対値で評価することができ
る。
【0070】図15〜図17は、これらの誤差を体積率
xに関してプロットしたグラフである。ただし、d1
1/d3 であるので、d1 =0.2、1.0、4.0の
場合は、それぞれ図14で右側に位置するセルほどその
幅が広い場合、幅が等しい場合、右側に位置するセルほ
どその幅が狭い場合、にそれぞれ相当する。
【0071】体積率aが0.2となる位置を物質の境界
とすることが望ましいのは、d1 =4.0の場合であ
り、中心に与えられた体積率の大きいセルほどその幅が
広い場合に相当する(図15)。また、体積率aが0.
8となる位置を物質の境界とすることが望ましいのは、
1 =0.2の場合であり、中心に与えられた体積率の
小さいセルほどその幅が広い場合に相当する(図1
6)。また、体積率aが0.5となる位置を物質の境界
とすることが望ましいのは、d1 =1.0の場合であ
り、セルの幅が等しい場合に相当する(図17)。
【0072】しかし、通常解析領域を分割する場合に、
セルが隣接する一方向においてその幅を順次広くしてい
く(あるいは狭くしていく)ことは行なわれず、ほぼ等
間隔で解析領域をセルに分割することがほとんどであ
る。このことから考えると、通常に解析領域を分割した
場合には、誤差の点からも体積率が0.5となる位置を
物質の境界とすることが望ましい。
【0073】図18〜図21は、本発明の効果を示すグ
ラフである。図18は、従来の形状シミュレーションに
おいて用いられる分割を示す。縦軸の座標が1.0〜
1.5μmの範囲においては、横方向に20等分割(す
なわち0.025μm幅での分割)がされている。そし
て、縦軸の座標が0.0〜0.5μmの範囲においては
縦方向に20等分割(すなわち0.025μm幅での分
割)がされている。
【0074】初期状態において、体積率“1”を与えら
れたセルは、横軸の座標が0.0〜1.0の範囲におい
ては、縦軸の座標が0.5〜2.5の範囲まで、横軸の
座標が1.0〜1.5の範囲においては、縦軸の座標が
1.5〜2.5の範囲まで、そして、横軸の座標が1.
5〜2.5の範囲においては、縦軸の座標が0.5〜
2.5の範囲までに位置している。これ以外に位置する
セルには、体積率“0”が与えられている。すなわち、
体積率“1”が与えられているセルと比較して、体積率
“0”が与えられているセルの方が細かい。
【0075】図19は、図18に示された分割を用いて
アルミニウムのスパッタデポジションを行なった形状シ
ミュレーションによるデポジション結果を示す図であ
る。図19は、平坦な面に0.25μm堆積する場合の
シミュレーションである。
【0076】また、図20は、本発明を適用した形状シ
ミュレーションにおいて用いられる分割を示す。横軸の
座標が0.975〜1.525μmの範囲においては、
横方向に22等分割(すなわち0.025μm幅での分
割)がされている。そして、縦軸の座標が0.0〜0.
525μmの範囲においては、縦方向に21等分割(す
なわち0.025μm幅での分割)がされている。
【0077】図20においても、図18と同様に、初期
状態において体積率“1”を与えられたセルは、横軸の
座標が0.0〜1.0の範囲においては、縦軸の座標が
0.5〜2.5の範囲まで、横軸の座標が1.0〜1.
5の範囲においては、縦軸の座標が1.5〜2.5の範
囲まで、そして、横軸の座標が1.5〜2.5の範囲に
おいては、縦軸の座標が0.5〜2.5の範囲までに位
置している。これ以外に位置するセルには体積率“0”
が与えられている。よって、図18に示された分割と比
較して、図20に示された分割は、体積率が“1”とな
っている領域の最表面においては、体積率が“0”とな
っているセルと同じ細かさのセルに分割されている。
【0078】図21は、図20に示された分割を用いて
アルミニウムのスパッタデポジションを行なった形状シ
ミュレーションによるデポジション結果を示す図であ
る。図21も図19と同様に、平坦な面に0.25μm
堆積する場合のシミュレーションである。
【0079】図19に示された従来の場合では、あたか
もエッチングがされたかのような形状を呈しているが、
図21に示される本発明を適用した場合ではそのような
不都合が生じていないことがわかる。
【0080】(6) エッチング計算の具体的方法 図22は、図3におけるステップS5の詳細を示すフロ
ーチャートである。本発明はデポジションのみならず、
エッチングにおける形状シミュレーションにも適用する
ことができる。
【0081】しかし、エッチングでは初期状態において
物質が存在していた領域が順次除去されていくのである
から、体積率“1”となる領域の分割を体積率“0”と
なる領域の分割領域よりも細かくすることが望ましい。
ただし、デポジションにおける形状シミュレーションと
逆に、体積率“0”となる領域の分割であっても、体積
率“1”となる領域に隣接するセルは、隣接する方向に
おいてその隣接した体積率“1”であるセルの幅と等し
い幅に分割されることになる。
【0082】図23は、エッチングにおける形状シミュ
レーションに用いられる解析領域101aを示す概念図
である。ここで、体積率“1”の物質として、シリコン
を例にとり、真空の領域の体積率を“0”としている。
真空の領域のうち、シリコンに隣接する部分の分割は、
シリコンの分割の幅と等しくなるように行なわれてい
る。
【0083】再び図22を参照して、エッチング計算の
方法を具体的に説明する。ステップS31で表面セルが
導出される。各セル(i、j、k)の体積率Ct (i、
j、k)がCt (i、j、k)>0でかつ周りのセルの
体積率Ct (i±1、j、k)、Ct (i、j±1、
k)およびCt (i、j、k±1)のうちに0のものが
存在するとき、そのセル(i、j、k)を表面セルとす
る。
【0084】次に、ステップS32で処理の種類の判別
を行ない、転写の場合はステップS33で光強度および
感光剤分布の計算を行ない、続くステップS34で現像
速度を算出した後、ステップS35で表面積から流出す
る物質の単位時間の流出量を計算する。
【0085】また、等方性エッチングを行なう場合は、
ステップS32から直接ステップS35に進んで流出量
を計算する。さらに、異方性エッチングの場合は、ステ
ップS36でエッチャントの角度分散および立体角から
単位時間の流出量を計算する。
【0086】そして、ステップS35あるいはS36で
計算された流出量からエッチャントされる物質(たとえ
ばシリコン)が表面セル(i、j、k)の面を通してこ
のセルから単位時間に流出する体積率Rijk を求める。
【0087】さらに、ステップS37で微小時間dt秒
後のセル(i、j、k)の体積率C t+dt(i、j、k)
を次式に基づいて計算する。
【0088】Ct+dt(i、j、k)=Ct (i、j、
k)−Rijk ・dt その後、ステップS38で各セルの体積率を調整する処
理を行なう。上式で求められた体積率Ct+dt(i、j、
k)が負となった場合には、そのセル(i、j、k)の
周りのセル(i±1、j、k)、(i、j±1、k)お
よび(i、j、k±1)のうち物質の体積率が0.5以
上のセルα、β、γ、…を検出する。そして、これらの
セルα、β、γ、…とセル(i、j、k)とが接する面
の面積をそれぞれSα、Sβ、Sγ、…として、 Ct+dt(i、j、k)←0 Ct+dt(α)←Ct+dt(α)−η・Sα/(Sα+Sβ
+Sγ+…) Ct+dt(β)←Ct+dt(β)−η・Sβ/(Sα+Sβ
+Sγ+…) Ct+dt(γ)←Ct+dt(γ)−η・Sγ/(Sα+Sβ
+Sγ+…) とする。ただし、 η=−Ct+dt(i、j、k)>0 である。
【0089】上式に基づき体積率を与え直す。ただし、
この与え直しによってセルα、β、γ、…の体積率が負
となった場合には、そのセルの体積率を0とする。
【0090】以上の一連のステップS31〜S38は、
ステップS39およびステップS40でエッチング時間
0 が経過したと判定されるまで微小時間dtごとに行
なわれる。
【0091】3.他の応用例 上記の説明においては、解析領域を長方形または立方体
のセルに分割した場合を示したが、セルの形状はこのよ
うに限定されるものではない。
【0092】たとえば、図24に示されるように、解析
領域のうち物質の境界BS で隔離された2つの領域R
1 、R2 を三角形のセルに分割して形状シミュレーショ
ンを行なうことも考えられる。そして、このようにセル
が三角形の場合においてもこの発明を適用することがで
きる。図25は、この発明の応用例を説明する解析領域
の概念図である。領域R1 、R2 は、それぞれ初期状態
において体積率“0”、“1”が与えられた領域であ
り、境界BS において接している。ここでは、デポジシ
ョンにおける形状シミュレーションを考慮して、領域R
1 を分割するセルを、領域R2 を分割するセルよりも細
かくしている。ただし、領域R2 を分割するセルのうち
領域R1 に接するものは、そのセルを領域R1 を分割す
るセルのように細かくしている。このようにすること
で、等体積率面の計算の精度が向上し、シミュレーショ
ンにおける形状より正確に求めることができる。
【0093】また、解析領域を四面体のセルに分割して
もよい。図26は、1つの立方体のセルを24個に分割
する四面体の構成を示す斜視図である。立方体の体心
O、1つの面心FC、そして面心FCが存在する面を構
成する頂点Q1 〜Q4 のうちの隣接する2つが形成する
四面体は、1つの立方体のセルをさらに24等分する。
もちろん、分割はこのような等分割に限られない。図2
7は、任意の形状の四面体が4つ隣接する様子を示す斜
視図である。このように解析領域を複数の四面体によっ
て分割することもでき、本発明をこのように分割された
解析領域においても適用することが可能である。
【0094】4.立体角を求める他の具体的方法 上記に説明した「(3)立体角を求める具体的方法」で
は、基本的にすべてのセルに対してすべての立体角つま
り、立体角の分割数の積の数(Nθ・Nφ)について物
質粒子がくるかこないかを調べる必要があり、長い計算
時間が必要であった。一方、計算時間を短縮するため立
体角の分割数またはセルの分割数を少なくすると、計算
精度が落ち、正確な形状シミュレーションを行なうこと
ができないという問題点があった。
【0095】以下、計算時間をさらに短縮することがで
きる立体角を求める方法について説明する。
【0096】図34および図35は、計算時間をさらに
短縮することができる立体角を求める方法を説明する第
1および第2の図である。
【0097】図34では、半導体製造工程において凹部
が形成されている場合の断面形状を示している。図34
に示すように、解析領域の中の1つの解析要素nの両サ
イドには、壁が形成されている。この場合、デポジショ
ン工程またはエッチング工程において流入または流出す
る物質粒子の範囲は、角度θ1+θ2の範囲に限られ
る。したがって、物質粒子が流入または流出する領域
(以下、流出入領域と称す)と物質粒子が流入または流
出しない領域(以下、非流出入領域と称す)との境界B
1、B2を特定し、流出入領域のみの解析を行なうこと
により解析時間が短縮される。
【0098】解析要素nの近傍に位置する解析要素mの
境界について考えると、解析要素mは解析要素nの近傍
に位置するので、解析要素mの境界B1′は解析要素n
の境界B1とほぼ等しく、境界B2′は境界B2にほぼ
等しい。つまり、z軸に対する1つの立体角θ1′はθ
1にほぼ等しく、θ2′はθ2とほぼ等しい。したがっ
て、解析要素nについて、境界B1、B2がすでに特定
されている場合は、解析要素mの境界を特定する際、境
界B1、B2の近傍のみを調べれば、境界B1′、B
2′を特定することができる。この結果、境界を調べる
際の調査範囲が非常に狭くなり、少ない計算量で短時間
のうちに流出入領域と非流出入領域との境界を特定する
ことが可能となる。
【0099】図35は、図1を立体的に示した図であ
る。図35では、流出入領域2以外の非流出入領域1
a、1bを斜線で示している。非流出入領域1aと流出
入領域2との境界B2は、角度φ、θで特定される。し
たがって、すでに境界B2が特定されている場合は、角
度θを変化させることにより次の境界を特定することが
可能となる。以下の説明では、上記の流出入領域と非流
出入領域との境界を特定する処理を表面シャドーイング
計算と称し、角度θ、φで特定される方向が流出入領域
に含まれるか非流出入領域に含まれるかを計算した結果
をシャドーイング計算結果SL(I、J)で表わす。こ
こで、1≦I≦Nθ、1≦J≦Nφであり、Nφはθ方
向の分割数、Nφはφ方向の分割数である。また、シャ
ドーイング計算結果SL(I、J)は流出入領域である
場合1、非流出入領域である場合0とする。
【0100】次に、上記の立体角を求める方法を用いた
デポジション計算処理について説明する。図36は、上
記の立体角を求める方法を用いたデポジション計算処理
を説明するフローチャートである。
【0101】まず、ステップS41において、すでに計
算されている体積率Ct (i、j、k)を入力する。
【0102】次に、ステップS42において、入力され
た体積率Ct (i、j、k)の値から表面セルとなるセ
ルを導出する。
【0103】次に、ステップS43において、導出され
た表面セルに要素番号mを付与する。要素番号mは1か
ら順番に付与していく。
【0104】次に、ステップS44において、初期値と
して要素番号mを0とする。次に、ステップS45にお
いて、要素番号mに1を足した値を要素番号mとする。
したがって、ここでは、要素番号mは1となる。
【0105】次に、ステップS46において、後述する
シャドーイング計算処理を実行する。このシャドーイン
グ計算処理では、要素番号mに応じて所定の処理が実行
される。
【0106】次に、ステップS47において、ステップ
S46で求められたシャドーイング計算結果S(I、
J)を用いたデポジション速度の計算を行なう。
【0107】以下、図6を用いてシャドーイング計算結
果SL(I、J)を用いたデポジション速度R(m)の
計算について説明する。
【0108】図6で示すように、セルmに流入する物質
粒子の方向をベクトルVとし、ベクトルVの長さをr、
ベクトルV方向の微小面積のθ方向の1辺の長さをA、
φ方向の1辺の長さをBとすると、デポジション速度R
(m)は次式で表される。
【0109】
【数2】
【0110】次に、ステップS48において、現在解析
している表面セルの要素番号mが解析すべき最大の要素
番号Mと等しいか否かを判断する。mがMと等しくなけ
れば、次の表面セルについて解析するためステップS4
5へ移行し、mがMと等しい場合はステップS49へ移
行する。
【0111】次に、ステップS49において、解析時間
の時間ステップ幅dtの計算を行なう。ここでは、たと
えば、上記のステップS47において計算したデポジシ
ョン速度を基に、デポジション速度が速い場合は時間ス
テップ幅dtを小さくし、デポジション速度が遅い場合
は時間ステップ幅dtを大きくする。
【0112】次に、ステップS50において、ステップ
S49で決定された時間ステップ幅dtの間に増減する
各セルの体積率Ct+dt(i、j、k)を次式に基づいて
計算する。
【0113】Ct+dt(i、j、k)=Ct (i、j、
k)+Rijk ・dt ここで、Rijk は、セルの各面について計算したでポジ
ション速度R(m)を足し合わせた単位時間に流入する
体積率である。
【0114】次に、ステップS51において、ステップ
S50で求めた各セルの体積率を調整する処理を行な
う。この処理は、たとえば、図5に示すステップS16
と同様の処理であるので以下その説明を省略する。
【0115】次に、ステップS52において、時間tを
微小時間dtだけ更新する。次に、ステップS53にお
いて、時間tがデポジション時間t0 を経過したか否か
を判断する。時間tがデポジション時間t0 を経過して
いない場合はステップS41へ移行し、以降の処理を継
続し、時間tがデポジション時間t0 を経過している場
合は処理を終了する。
【0116】次に、図36に示すシャドーイング計算処
理について説明する。図37は、図36に示すシャドー
イング計算処理を説明するフローチャートである。
【0117】まず、ステップS61において、現在解析
している表面セルの要素番号mが1であるか否かを判断
する。要素番号mが1である場合はステップS63に移
行し、その他の場合はステップS62へ移行する。
【0118】要素番号mが1である場合、表面セルは最
初の表面セルであり、すでに計算しているシャドーイン
グ計算結果SL(I、J)は存在しないため、後述する
最初のシャドーイング計算結果SL(I、J)の算出処
理を行なう。
【0119】一方、要素番号mが1でない場合は、すで
に計算したシャドーイング計算結果SL(I、J)が存
在するため、このシャドーイング計算結果SL(I、
J)を用いて現在解析中の表面セルのシャドーイング計
算結果SL(I、J)の算出処理を後述するように行な
う。
【0120】ステップS62またはステップS63が終
了した後、ステップS64において、各ステップで求め
た表面シャドーイング計算結果SL(I、J)をOLD
(I、J)に記憶し、処理を終了する。
【0121】次に、図37に示す最初のシャドーイング
計算結果SL(I、J)の導出処理について説明する。
図38は、図37に示す最初のシャドーイング計算結果
SL(I、J)の導出処理を説明するフローチャートで
ある。
【0122】この処理では、θ方向の分割数をNθ、φ
方向の分割数をNφとすると、 θ=π(I−1/2)/2Nθ φ=2π(J−1/2)/Nφ となる。ただし、 1≦I≦Nθ 1≦J≦Nφ であり、以下の処理では、物質粒子が流入する方向を角
度θ、φの代わりに変数I、Jで特定する。
【0123】まず、ステップS71において、初期値と
して変数I、Jの値を0にする。次に、ステップS74
において、変数J、Iに対応する角度φ、θを計算し、
次式に従い物質粒子が流入する方向を示すベクトルVを
決定する。
【0124】V=(sinθcosφ、sinθsin
φ、−cosθ)=(Vx 、Vy 、VZ ) 次に、ステップS75において、ベクトルVが通過する
セルがどの領域に存在するかを判定する。ここで、領域
とは、図7に示すxy平面を4つに分割した領域R1 〜
R4 である。
【0125】次に、ステップS76において、ベクトル
Vが通過するセルを決定する。この処理は、たとえば、
図8〜図10を用いて説明した処理と同様の処理により
行なうことができる。
【0126】次に、ステップS77において、ベクトル
Vが通過するセルが物質セルであるか否かを判断する。
ここで、物質セルとは物質で充填されたセルを示す。通
過セルが物質セルである場合はステップS80へ移行
し、その他の場合はステップS88へ移行する。
【0127】通過するセルが物質セルである場合はステ
ップS80において、変数I、Jで特定される方向は物
質粒子が流入してこない非流入領域に属するため、この
方向のシャドーイング計算結果としてSL(I、J)を
0にする。
【0128】一方、通過セルが物質セルでない場合はス
テップS78において、ベクトルVが物質セルを通過せ
ず解析領域外まで達するか否かを判断する。解析領域外
に達していない場合はステップS76へ移行し、次に通
過するセルについて以降の処理を継続し、解析領域外で
ある場合はステップS79へ移行する。
【0129】解析領域外の場合、変数I、Jが特定する
方向には、物質セルが存在しないため、物質粒子が流入
することができ、変数I、Jが特定する方向は物質粒子
が流入することができる流入領域に属することになる。
したがって、ステップS79において、この方向のシャ
ドーイング計算結果SL(I、J)を1にする。
【0130】上記のように、非流入領域の場合シャドー
イング計算結果SL(I、J)を0とし、流入領域の場
合シャドーイング計算結果(I、J)を1とすることに
より、上記のデポジション速度R(m)の計算式では、
非流入領域は計算結果が0となり、シャドーイング計算
結果SL(I、J)を直接用いてデポジション速度R
(m)を計算することができる。
【0131】次に、ステップS81において、変数Iが
Nθと等しいか否かを判断する。変数IがNθと等しい
場合、θ方向のすべての方向についてシャドーイング計
算が終了しているのでステップS82へ移行し、その他
の場合は、ステップS73へ移行し、θ方向の他の方向
についてシャドーイング計算を継続する。
【0132】変数IがNθに等しい場合、ステップS8
2において、変数JがNφに等しいか否かを判断する。
変数JがNφに等しい場合、φ方向のすべての方向につ
いてシャドーイング計算が終了しているので処理を終了
し、その他の場合はステップS72へ移行し、その他の
φ方向についてのシャドーイング計算結果の計算を継続
する。
【0133】上記処理では、0≦θ≦π/2、0≦φ≦
2πの範囲で計算したが、0≦θ≦π、0≦φ≦πの範
囲で計算してもよい。
【0134】次に、図37に示す既に計算したシャドー
イング計算結果SL(I、J)を用いたSL(I、J)
の導出処理を説明する。図39及び図40は、図37に
示す既に計算したシャドーイング計算結果SL(I、
J)を用いたシャドーイング計算結果SL(I、J)の
導出処理を説明する第1及び第2のフローチャートであ
る。
【0135】この処理では、θの範囲として0≦θ≦π
とし、φの範囲として0≦φ≦πとする。また、これら
の範囲の分割数をそれぞれ2Nθ、Nφ/2とする。し
たがって、変数I、Jは、1≦I≦2Nθ、1≦J≦N
φ/2となる。上記のような範囲に設定したのは、図3
4に示すように2つの境界がある場合、2つの境界を一
度の処理で特定するためである。
【0136】まず、ステップS91において、変数Jを
0にする。次に、ステップS92において、変数Jをイ
ンクリメントする。
【0137】次に、ステップS93において、すでに計
算されている1つ前の解析要素のシャドーイング計算結
果OLD(I、J)から流入領域と非流入領域との境界
をサーチする。ここでは、変数Jを固定し、変数Iを1
から順にインクリメントしながら境界をサーチする。
【0138】次に、ステップS94において、ステップ
S93で特定された第1の境界、たとえば、図34に示
す境界B2が、OLD(I1、J)=0かつOLD(I
1+1、J)=1を満たすか否かを判断する。この条件
を満たす境界は、非流入領域から流入領域へ変化する境
界である。上記の条件を満たす場合はステップS95へ
移行し、満たさない場合は図40に示すステップS11
1へ移行する。
【0139】次に、現在解析しているセル(要素番号
m)のシャドーイング計算結果SL(I1、J)を算出
する。シャドーイング結果SL(I1、J)の算出処理
は、図8に示すステップS74〜S80までの処理と同
様に行なう。以下のシャドーイング計算結果SL(I
1、J)、SL(I2、J)の導出も同様である。
【0140】次に、ステップS96において、計算した
表面シャドーイング計算結果SL(I1、J)が0であ
るか否かを判断する。0でない場合はステップS97へ
移行し、0である場合はステップS101へ移行する。
ステップS95で計算されたシャドーイング計算結果S
L(I1、J)が1の場合は、現在の境界は、変数I1
の増加に伴い非流入領域から流入領域へ変化する境界で
あるため、変数I1を減少させる方向に現在解析してい
るセルの境界があるはずである。したがって、ステップ
S97において、変数I1をデクリメントする。
【0141】次に、ステップS98において、デクリメ
ントされた変数I1を用いてシャドーイング計算結果S
L(I1、J)を導出する。
【0142】次に、ステップS99において、ステップ
S98で導出したシャドーイング計算結果SL(I1、
J)が1であるか否かを判断する。1である場合は、ま
だ境界が見つかっていないためステップS97へ移行し
以降の処理を継続し、1でない場合、つまり、0の場合
は境界が見つかったのでステップS100へ移行する。
【0143】次に、ステップS100において、シャド
ーイング計算結果として、I≦I1のときSL(I、
J)を0にし、I>I1のときSL(I、J)を1にす
る。
【0144】一方、ステップS96において、ステップ
S95で計算したシャドーイング計算結果SL(I1、
J)が0であると判断された場合、現在解析しているセ
ルの境界は、変数I1を増加する方向に存在するため、
ステップS101において、変数I1をインクリメント
する。
【0145】次に、ステップS102において、ステッ
プS101でインクリメントされた変数I1を用いてシ
ャドーイング計算結果SL(I1、J)を導出する。
【0146】次に、ステップS103において、ステッ
プS102で導出したシャドーイング計算結果SL(I
1、J)が0であるか否かを判断する。0である場合
は、まだ境界が見つかっていないためステップS101
へ移行し以降の処理を継続し、0でない場合、つまり、
1の場合はステップS104へ移行する。
【0147】次に、ステップS104において、I<I
1のときSL(I、J)を0にし、I≧I1のときSL
(I、J)を1にする。
【0148】また、ステップS94において、ステップ
S93でサーチされた境界として、OLD(I1、J)
=0かつOLD(I1+1、J)=1の条件を満たさな
い場合、ステップS111において、シャドーイング計
算結果SL(I2、J)を導出する。ここで、I2は、
OLD(I、J)が1から0へ変化するときのOLD
(I、J)が1である最後のIの値である。したがっ
て、I2、Jで特定される方向とI2+1、Jで特定さ
れる方向との間に、流入領域から非流入領域へ変化する
境界が存在する。
【0149】次に、ステップS112において、ステッ
プS71で導出したシャドーイング計算結果SL(I
2、J)が1であるか否かを判断する。1でない場合は
ステップS113へ移行し、1である場合はステップS
117へ移行する。
【0150】SL(I2、J)が1でない場合、つま
り、SL(I2、J)が0の場合は、I2を減少する方
向に境界が存在するため、ステップS113において、
I2をデクリメントする。
【0151】次に、ステップS114において、デクリ
メントされた変数I2を用いてシャドーイング計算結果
SL(I2、J)を導出する。
【0152】次に、ステップS115において、ステッ
プS114で導出されたシャドーイング計算結果SL
(I2、J)が0であるか否かを判断する。シャドーイ
ング計算結果SL(I2、J)が0である場合まだ境界
が見つかっていないので、ステップS113へ移行し以
降の処理を継続し、0でない場合、つまり、1の場合
は、境界が見つかっているので、ステップS116へ移
行する。
【0153】次に、ステップS116において、I≦I
2のときSL(I、J)を1にし、I>I2のときSL
(I、J)を0にする。
【0154】一方、ステップS112において、ステッ
プS111で導出されたシャドーイング計算結果SL
(I2、J)が1であると判断された場合は、変数I2
を増加する方向に境界が存在するため、ステップS11
7において、変数I2をインクリメントする。
【0155】次に、ステップS118において、インク
リメントされた変数I2を用いてシャドーイング計算結
果SL(I2、J)を導出する。
【0156】次に、ステップS119において、ステッ
プS118で導出された表面シャドーイング計算結果S
L(I2、J)が1であるか否かを判断する。1である
場合はまだ境界が見つかっていないためステップS11
7へ移行し、以降の処理を継続し、1でない場合、つま
り、0の場合はすでに境界が見つかっているのでステッ
プS120へ移行する。
【0157】次に、ステップS120において、I<I
2のときSL(I、J)を1とし、I≧I2のときSL
(I、J)を0にする。
【0158】次に、ステップS105において、1≦I
≦2Nθの範囲ですべての境界をサーチしたか否かを確
認する。すべての境界をサーチしていない場合は、さら
にサーチを続けるため、ステップS93へ移行し以降の
処理を継続し、サーチしている場合はステップS106
へ移行する。
【0159】次にステップS106において、変数Jが
Nφ/2に等しいか否かを確認する。変数JがNφ/2
に等しい場合はすべての方向についてシャドーイング計
算結果SL(I、J)を計算しているので処理を終了
し、その他の場合はステップS92へ移行し処理を継続
する。
【0160】以上の処理により、すでに計算された近傍
のセルのシャドーイング計算結果SL(I、J)つま
り、OLD(I、J)を用いて、流入領域と非流入領域
との境界をサーチし、サーチした境界の近辺を調査する
ことにより、現在解析しているセルのシャドーイング計
算結果SL(I、J)を求めるため、非常に短時間です
べての表面セルについてシャドーイング計算結果SL
(I、J)を求めることが可能となる。つまり、境界が
すぐに見つかった場合はθ方向の分割数2Nθ分の計算
をする必要がないため、計算時間は1/2Nθに短縮さ
れる。
【0161】また、上記処理では、0≦θ≦π、0≦φ
≦πの範囲で計算したが、0≦θ≦π/2、0≦φ≦2
πの範囲で計算してもよい。
【0162】次に、エッチング計算処理について説明す
る。図41は、上記の立体角を求める方法を用いたエッ
チング計算処理を説明するフローチャートである。図4
1に示すエッチング計算処理は図36に示すデポジショ
ン計算処理とほぼ同様の処理であり、ステップS127
においてデポジション速度の代わりにエッチング速度を
計算することが異なるだけである。また、エッチング速
度の計算方法も、上記に説明したデポジション速度の計
算方法と同様であるので以下その説明を省略する。
【0163】上記実施例では、解析要素として、直方体
セルを用いて説明したが、他の解析要素であっても、同
様に適用することができる。たとえば、解析要素として
ストリングモデル、リムーバルモデル、レイトレイシン
グモデル等を使用しても同様である。
【0164】また、本発明は、境界が2個あるときだけ
でなく、1個、3個、4個、…、L個のどれかに決まっ
ている場合は、同様の処理により、計算時間を短縮する
ことができる。
【0165】5.デポジションおよびエッチング計算の
他の具体的な方法 (1) 全体的な流れ 以下、デポジションおよびエッチング計算の他の具体的
な方法について説明する。この方法は、正確な表面形状
を用いてデポジションおよびエッチング計算を行なうこ
とにより、デポジションおよびエッチング計算を高精度
に行なうことを可能とする。図42は、デポジションお
よびエッチング計算の他の具体的な方法を示すフローチ
ャートである。
【0166】図42を参照して、まず、ステップS14
1において、解析領域中の各セルに初期体積率を設定す
る。
【0167】次に、ステップS142において、表面形
状の導出を行なう。表面形状の導出は、各セルの体積率
から各セルごとに体積率が0.5となる等体積率面を導
出する。具体的導出方法は以下に詳細に説明する。
【0168】次に、ステップS143において、デポジ
ション計算の場合は、各セルの表面に流入する物質粒子
の流入密度を計算する。具体的には、図5に示すステッ
プS13およびS14により流入密度が計算される。
【0169】また、エッチング計算では、各セルの表面
から流出する物質粒子の流入密度を計算する。具体的に
は、図22に示すステップS33〜S36により流入密
度が計算される。
【0170】次に、ステップS144において、解析時
間の時間ステップ幅dtの計算を行なう。具体的には、
各セルの体積率の増加または減少分が0.5以下になる
ように解析時間の時間ステップ幅dtを決定する。
【0171】次に、ステップ145において、ステップ
S144で決定された時間ステップ幅dtの間に増減す
る各セルの体積率を計算する。次に、ステップS146
において、時間tを微小時間dtだけ更新する。次に、
ステップS147において、時間tがデポジション時間
またはエッチング時間t0 を経過したか否かを判断す
る。時間tがデポジション時間またはエッチング時間t
0 を経過していない場合はステップS142へ移行し、
以降の処理を継続し、経過している場合は処理を終了す
る。
【0172】上記のデポジションおよびエッチング計算
の方法では、各セルに流入または流出する物質粒子の量
を各セルの等体積率面(体積率が0.5の面)に流入ま
たは流出する物質粒子の量として求めているので、従来
のように矩形で近似された表面セルの表面に流入または
流出する物質粒子の量を用いて計算するよりも非常に高
精度に計算することが可能となる。
【0173】(2) 等体積率面の導出方法 以下、図42に示すステップS142で表面形状の導出
に用いられる等体積率面の導出方法について詳細に説明
する。
【0174】(a) 第1の導出方法 以下、第1の等体積率面の導出方法について説明する。
図43は、第1の等体積率面の導出方法を示すフローチ
ャートである。
【0175】まず、ステップS151において、セルを
8つの直方体に分割する。図44は、8分割されたセル
を示す図である。図44に示すA1〜A8はセルの各頂
点を示し、F1〜F4はセルの表面の各面心を示し、S
1〜S12はセルの各辺の中点を示し、B1はセルの体
心を示す。図44に示すように、セルは均等に8分割さ
れ、分割されたセルの各頂点はA1〜A8、F1〜F
6、S1〜S12、B1となる。
【0176】次に、ステップS152において、分割さ
れたセルの頂点の体積率を計算する。図45は、分割さ
れたセルの頂点の体積率を求める方法を説明するための
図である。たとえば、頂点A1の体積率は以下のように
して求められる。頂点A1を囲む各セルの体心B1〜B
8の体積率は既に求まっているので、各体心B1〜B8
の体積率をC1〜C8とする。また、体心B1〜B8と
頂点A1を中心として対向する体心と頂点A1とがつく
る直方体の体積をV1〜V8とする。たとえば、体心B
7の場合は、頂点A1を中心として対向する体心はB1
となり、頂点A1、S2、F1、S5、F5、B1、F
2、S1を頂点とする直方体の体積がV7となる。した
がって、頂点A1の体積率CA1は以下の式で表わされ
る。
【0177】CA1=(C1V1+C2V2+…+C8V
8)/(V1+V2+…+V8) 以上の方法により、たとえば、頂点A1の体積率が求め
られる。
【0178】次に、ステップS153において、分割さ
れたセルのすべての頂点の体積率を求めたか否かについ
て判断される。すべての頂点を求めていない場合はステ
ップS156へ移行し、頂点の位置を更新し、ステップ
S152へ移行し以降の処理を継続する。一方、すべて
の頂点の体積率が求められている場合は、ステップS1
54へ移行する。
【0179】以上の処理により、分割された8つのセル
のすべての頂点である27個の頂点A1〜A8、S1〜
S12、F1〜F6、B1の体積率が求められる。
【0180】次に、ステップS154へ移行し、次に、
分割されたセルの各辺上の体積率が0.5となる位置
を、求めた各頂点の体積率から線形補間により計算す
る。図46は、図43に示す導出方法により求められた
等体積率面を示す図である。図中のかっこ内は、体積率
を示す。たとえば、図46に示すように分割されたセル
の各頂点の体積率が求められた場合、これらの体積率を
用いて線形補間により体積率が0.5となる各辺上の点
E1〜E3が求められる。ここで、補間計算は線形補間
計算としたが、他の補間計算を用いてもよいし、以降の
補間計算でも同様である。
【0181】次に、ステップS155において、体積率
が0.5となる各点を結合する。たとえば、図46に示
すように体積率が0.5となる各点E1〜E3が求めら
れた場合各点を結合し、等体積率面EFが求められる。
【0182】上記導出方法では、1つのセルをさらに8
分割しており、非常に細かく等体積率面を導出すること
ができ、求めた等体積率面を用いて上記のデポジション
およびエッチング計算を行なうことにより非常に高精度
な形状シミュレーションを行なうことが可能となる。
【0183】(b) 第2の導出方法 次に、第2の等体積率面の導出方法について説明する。
図43は、第2の等体積率面の導出方法を示すフローチ
ャートである。上記第1の導出方法では三次元の場合に
ついて述べたが、第2の導出方法は二次元の場合に適用
される。
【0184】図47を参照して、まず、ステップS16
1において、二次元の長方形のセルをさらに4つの長方
形に分割する。図48は、4分割されたセルを示す図で
ある。図48において、A1〜A4は元のセルの各頂点
を示し、S1〜S4は元のセルの各辺の中点を示し、F
1は元のセルの面心を示している。したがって、分割さ
れた4つの長方形のセルは頂点A1〜A4、S1〜S
4、F1を有する。
【0185】次に、ステップS162において、分割さ
れたセルの頂点の体積率の計算を行なう。たとえば、頂
点A1の体積率は以下のようにして求められる。図49
は、分割されたセルの頂点の体積率を求める方法を説明
するための図である。頂点A1を囲む各セルの面心F1
〜F4の体積率は既に求まっており、各体積率をそれぞ
れC1〜C4とする。また、面心F1〜F4と頂点A1
を中心として対向する面心F1〜F4と頂点A1とがつ
くる長方形の体積をV1〜V4とする。たとえば、面心
F3に対向する面心はF1であり、対向する長方形は頂
点A1、S1、F1、S4により構成される長方形とな
り、その長方形の体積をV3とする。したがって、頂点
A1の体積率は以下の式により求められる。
【0186】CA1=(C1V1+C2V2+C3V3+
C4V4)/(V1+V2+V3+V4) 上式により分割されたセルの各頂点の体積率を計算する
ことが可能となる。
【0187】次に、ステップS163において、分割さ
れたセルのすべての頂点の体積率を求めたか否かについ
て判断される。すべての体積率を求めていない場合は、
ステップS166へ移行し、頂点の位置を更新し、さら
に、ステップS162へ移行し以降の処理を継続する。
一方、すべての頂点の体積率を求めている場合はステッ
プS164へ移行する。以上の処理により、分割された
セルのすべての頂点の体積率を求めることができる。
【0188】次に、ステップS164において、分割さ
れたセルの各辺上の体積率が0.5となる位置を線形補
間により計算する。図50は、図47に示す導出方法に
より求められた等体積率面を示す図である。たとえば、
図50に示すように各頂点が求められた場合、体積率が
0.5となる点E1、E2が、ステップS162で求め
た頂点A1、S1、F1、S4の体積率から線形補間に
より求められる。
【0189】次に、ステップS165において、体積率
が0.5となる各点を結合する。図50に示す例では、
体積率が0.5となる点E1、E2を結合し、等体積率
面EFが決定される。
【0190】上記の導出方法では、二次元のシミュレー
ションの場合、長方形のセルをさらに4つの長方形のセ
ルに分割し、分割されたセルの各頂点の体積率から体積
率が0.5となる等体積率面を求めているので、非常に
細かく等体積率面を求めることができ、求められた高精
度な等体積率面を用いてデポジションおよびエッチング
計算を行なうことにより非常に高精度な形状シミュレー
ションを行なうことが可能となる。
【0191】(c) 第3の導出方法 次に、第3の等体積率面の導出方法について説明する。
図51は、第3の等体積率面の導出方法を示すフローチ
ャートである。第3の導出方法は、三次元の形状シミュ
レーションに適用される。
【0192】図51を参照して、まず、ステップS17
1において、直方体のセルの各頂点の体積率を計算す
る。図52は、図51に示す導出方法を説明するための
図である。図52に示すように、セルは頂点A1〜A8
を有する。たとえば、頂点A1の体積率は頂点A1の周
りのセルの体積率から図43に示すステップS152で
説明した方法と同様にして体積率が求められる。
【0193】次に、ステップS172において、すべて
の頂点の体積率を求めたか否かが判断される。すべての
頂点の体積率を求めていない場合は、ステップS174
へ移行し、頂点の位置を更新し、ステップS171へ移
行し以降の処理を継続する。一方、すべての頂点の体積
率が求められている場合は、ステップS173へ移行す
る。以上の処理により、図52に示すように頂点A1〜
A8の各体積率が求められる。
【0194】次に、ステップS173において、セルの
各辺上の体積率が0.5となる位置を線形補間により計
算する。たとえば、図52に示すように、頂点A1〜A
8の体積率から各辺上で体積率が0.5となる点E1〜
E3が求められる。
【0195】次に、ステップS174において、体積率
が0.5となる位置を結合する。図52に示す例では、
体積率が0.5となる点E1〜E3が結合され、等体積
率面EFが決定される。
【0196】上記第3の導出方法では、第1の導出方法
に比べ、求める体積率の数が少ないため、計算時間は約
8分の1となり、高速な形状シミュレーションを実現す
ることが可能となる。また、記憶する体積率の数も削減
されるため、体積率を記憶するための記憶容量も削減す
ることが可能となる。
【0197】(d) 第4の導出方法 次に、第4の等体積率面の導出方法について説明する。
図53は、第4の等体積率面の導出方法を示すフローチ
ャートである。第4の導出方法は二次元の形状シミュレ
ーションに適用される。
【0198】図53を参照して、まず、ステップS18
1において、長方形のセルの各頂点の体積率が計算され
る。図54は、図53に示す導出方法を説明するための
図である。たとえば、図54に示すように、長方形のセ
ルが4つの頂点A1〜A4を有する場合、各頂点の体積
率が図47に示すステップS162で説明した体積率の
計算方法と同様にして求められる。
【0199】次に、ステップS182において、すべて
の頂点の体積率を求めたか否かについて判断される。す
べての頂点の体積率を求めていない場合は、ステップS
185で頂点の位置を更新し、ステップS181へ移行
し以降の処理を継続する。一方、すべての頂点の体積率
が求められている場合は、ステップS183へ移行す
る。
【0200】次に、ステップS183において、セルの
各辺上の体積率が0.5となる位置を線形補間により計
算する。たとえば、図54に示す例では、頂点A1〜A
4の体積率からセルの辺上の体積率が0.5となる点E
1、E2が求められる。
【0201】次に、ステップS184において、体積率
が0.5となる点を結合する。たとえば、図54に示す
ように、体積率が0.5となる点E1、E2が結合され
等体積率面EFが決定される。
【0202】上記第4の導出方法では、セルの頂点の体
積率のみを用いているため、使用する体積率の数が少な
く、計算時間は、第2の導出方法に比べて約2分の1と
なり、高速に計算を行なうことが可能となる。また、使
用する体積率の数が少ないため、体積率を記憶する記憶
装置の記憶容量も少なくすることができ、同一の計算機
を用いる場合は、セルの分割数を増やすことができ、結
果として高精度な形状シミュレーションを行なうことが
可能となる。
【0203】(e) 第5の導出方法 次に、第5の等体積率面の導出方法について説明する。
第5の導出方法は、「(4)物質の境界を求める具体的
方法」において図11〜図13を用いて説明した等体積
率面を求める方法を用いる。つまり、直方体のセルの各
頂点と直方体のセルの境界面の中心点における体積率を
線形補間により求める。そして、対象となるセルを24
個の四面体に分割し、その四面体の辺上で体積率が0.
5となる点を線形補間により求め、求めた点を結合する
ことにより等体積率面を求めるものである。詳細につい
ては既に説明しているので以下省略する。
【0204】上記の第5の導出方法では、求める体積率
の数が少ないため、第1の導出方法と比較して計算時間
は約2分の1となる。したがって、高速に形状をシミュ
レーションすることができるとともに、体積率を記憶す
る装置の記憶容量が削減されるため、同一の装置を用い
る場合はセルの分割数を増やすことができ高精度な形状
シミュレーションを行なうことが可能となる。
【0205】(f) 第6の導出方法 次に、第6の等体積率面の導出方法について説明する。
図55は、第6の等体積率面の導出方法を示すフローチ
ャートである。第6の導出方法は三次元の形状シミュレ
ーションに適用される。
【0206】図55を参照して、まず、ステップS19
1において、セルを4つの三角形に分割する。図56
は、図55に示す導出方法を説明するための図である。
図56を参照して、たとえば、4つの頂点A1〜A4か
ら構成される長方形のセルを面心F1を中心として4つ
の三角形に分割する。
【0207】次に、ステップS192において、長方形
のセルの頂点の体積率の計算を行なう。具体的には、図
47に示すステップS162で示した体積率の計算方法
と同様にして各頂点の体積率の計算を行なう。
【0208】次に、ステップS194において、セルの
各辺上の体積率が0.5となる位置を線形補間により計
算する。たとえば、図56に示す例では、分割された三
角形の各頂点A1〜A4、F1の体積率から三角形の各
辺上の体積率が0.5となる点E1〜E4を線形補間に
より計算する。
【0209】次に、ステップS195において、体積率
が0.5となる点を結合する。具体的には、図56に示
すように、体積率が0.5となる点E1〜E4をそれぞ
れ結合し、等体積率面EFを決定する。
【0210】上記第6の導出方法では、図56に示すよ
うに、3つの辺を用いて等体積率面を決定することがで
きるので、図54に示す第4の導出方法に比べより細か
く等体積率面を表わすことができ、より高精度に体積率
面を近似することができる。したがって、高精度に近似
された等体積率面を用いてデポジションおよびエッチン
グ計算を行なうことができるので、高精度な形状シミュ
レーションを行なうことが可能となる。
【0211】上記各導出方法では、三次元の形状シミュ
レーションでは直方体のセルとして説明したが、立方体
のセルでも同様であり、二次元の形状シミュレーション
では長方形のセルについて説明したが、正方形のセルで
も同様に適用することが可能である。
【0212】6.体積率の記憶方法 (1) 第1の記憶方法 以下、第1の体積率の記憶方法について説明する。図5
7は、第1の体積率の記憶方法を示すフローチャートで
ある。
【0213】まず、図57に示すフローチャートで使用
する各変数について説明する。IND(i、j、k)は
各セルに対応した材料インデックスであり、括弧内の
i、j、kにより対応するセルが特定される。IND
(i、j、k)には、たとえば、真空または空気のみが
存在する場合は0が記憶され、1種類の材質のみにより
完全に充填されている単一領域の場合はその材質に対応
する数字が記憶される。たとえば、シリコンの場合は1
が記憶され、ポリシリコンの場合は2が記憶され、Si
2 の場合は3が記憶され、以降各材質ごとに重複しな
い番号が記憶される。また、1つのセルの中に複数の材
質(真空または空気を含む)が存在する場合、混在領域
として、各セルごとに100より大きい所定の番号が記
憶される。A(m、II)は材質体積率である。ここ
で、mは材質番号であり、たとえば、上述のように、シ
リコンの場合は1、ポリシリコンの場合は2、SiO2
の場合は3等の所定の数字が対応する。また、IIはI
I=IND(i、j、k)−100により求められる数
字である。A(m、II)は、混在領域の場合に使用さ
れる変数であり、セルの中に存在する各材質ごとに体積
率が記憶される。
【0214】図57を参照して、まず、ステップS20
1において、材料インデックスIND(i、j、k)が
101以上であるか否かが判断される。101以上であ
る場合は対応するセルが混在領域であると判断し、ステ
ップS202へ移行する。一方、101より小さい場合
は、混在領域ではなく単一領域であると判断してステッ
プS204へ移行する。
【0215】混在領域であると判断された場合、ステッ
プS202において、IND(i、j、k)から100
を引いた結果をIIへ代入する。たとえば、IND
(i、j、k)が101の場合は計算結果が1となり、
IIの値は1となる。
【0216】次に、ステップS203において、材料体
積率A(m、II)の値をCm(i、j、k)へ代入す
る。ここで、Cm(i、j、k)は材質mの体積率を示
す。つまり、mおよびIIで特定される材料体積率つま
りII番目の混在領域であるセルの中の材質mの体積率
が、Cm(i、j、k)へ代入される。
【0217】一方、単一領域であると判断された場合、
ステップS204において、IND(i、j、k)が材
質番号mと等しいか否かが判断される。等しい場合は、
対応するセルには材質番号mにより特定される材質が体
積率“1”で存在しているので、ステップS205へ移
行し、Cm(i、j、k)に1を代入する。一方、等し
くない場合は、対応するセルには真空または空気がある
ことがわかるので、ステップS206へ移行し、空気ま
たは真空を示す“0”をCm(i、j、k)へ代入す
る。
【0218】以上の処理を所定の材料番号mごとに実行
し、すべての材質に対して各セルの体積率Cm(i、
j、k)が設定される。
【0219】次に、第1の記憶方法についてさらに具体
的に説明する。図58は、シリコンの体積率の計算結果
を示す図であり、図59は、ポリシリコンの体積率の計
算結果を示す図であり、図60は、SiO2 の体積率の
計算結果を示す図であり、図61は、図58〜図60に
対応する材料インデックスを示す図である。図58〜図
60で格子内部の数字は各材質の体積率を示している。
【0220】図58に示すように、シリコンの体積率が
1のセルは、図61では材料インデックス1が対応して
いる。また、図59に示すポリシリコンの体積率が1の
セルは図61では2が対応している。さらに、図60に
示すようにSiO2 の体積率が1のセルには、図61に
示すように材料インデックス3が対応している。また、
各材質とも存在していないセルには図61に示すように
材料インデックス0が対応している。その他のセルつま
り混在領域のセルには、101〜106の番号が各セル
ごとに材料インデックスとして設定されている。
【0221】たとえば、i=1、k=3のセルの材料イ
ンデックスは101である。したがって、上記のフロー
チャートに従い、材料インデックス101から100が
減算され、IIは1となる。このセルには、シリコンが
0.5の体積率で、ポリシリコンが0.5の体積率で存
在している。したがって、材料体積率A(m、II)
は、A(1、1)=0.5、A(2、1)=0.5の値
がそれぞれ記憶されている。したがって、これらの値を
体積率Cm(i、k)に代入され、C1(1、3)=
0.5、C2(1、3)=0.5となる。
【0222】たとえば、上記の3つの材質ごとに体積率
を記憶する場合、合計75個のデータが必要となる。し
かし、第1の記憶方法では、混在領域101〜106に
ついてのみ複数のデータを記憶すればよく、記憶すべき
データは単一領域が19個のデータ、混在領域が9個の
データとなり合計28個のデータを記憶するだけでよ
く、記憶容量は104分の1に削減されている。したが
って、同一の記憶容量を持つ計算機を用いて形状シミュ
レーションを行なう場合、記憶容量は4分の1に削減さ
れ、4倍のセルについてデータを記憶することができ
る。この結果、セルの分割数を向上することができ、よ
り高精度な形状シミュレーションを行なうことが可能と
なる。
【0223】次に、デポジションおよびエッチング計算
等で更新された体積率の記憶方法について説明する。図
62は、記憶する体積率の更新方法を示すフローチャー
トである。
【0224】図62を参照して、ステップS211にお
いて、IIへ0を代入する。次に、ステップS212に
おいて、計算された体積率Cm(i、j、k)が0より
大きくかつ1より小さいか否かを判断する。上記条件を
満たす場合はステップS213へ移行し、満たさない場
合はステップS217へ移行する。
【0225】上記の条件を満たす場合、計算された体積
率Cm(i、j、k)をそのまま記憶してもよいので以
下の処理を実行する。まず、ステップS213におい
て、IIに1を足し、その結果をIIとする。
【0226】次に、ステップS214において、IIに
100を加算しその結果を材料インデックスIND
(i、j、k)へ代入する。
【0227】次にステップS215において、体積率C
m(i、j、k)を材質体積率A(m、II)へ代入す
る。以上の処理により、材質番号mに応じた体積率が材
質体積率A(m、II)へ記憶される。
【0228】次に、i、j、kを更新し、ステップS2
12へ移行し、次のセルについて上記と同様の処理を実
行する。
【0229】一方、ステップS212で条件を満たさな
いと判断された場合、ステップS217において、体積
率Cm(i、j、k)が0に等しいか否かが判断され
る。0に等しい場合はステップS218へ移行し、等し
くない場合はステップS220へ移行する。
【0230】0と等しい場合、対応するセルは真空また
は空気のみが存在するため、材料インデックスIND
(i、j、k)へ0を代入する。
【0231】一方、0に等しくない場合は、ステップS
218において、体積率Cm(i、j、k)が1に等し
いか否かが判断される。1に等しくない場合はステップ
S219へ移行し、等しい場合はステップS221へ移
行する。
【0232】1に等しい場合、対応するセルには材質番
号mに対応する材質が完全に充填されているため、ステ
ップS221において、材料インデックスIND(i、
j、k)へmを代入する。
【0233】次に、1に等しくない場合は、体積率Cm
(i、j、k)は0より小さくまたは1より大きくなっ
ているので、体積率の修正処理を行なう必要があるた
め、ステップS219において体積率の修正を行なう。
【0234】以上の処理を所定の材料番号mごとに実行
し、すべての材質に対して各セルの体積率が更新され
る。
【0235】次に、上記の体積率の修正処理について詳
細に説明する。図63は、デポジション計算前の状態を
示す図であり、図64は、デポジション計算後の状態を
示す図であり、図65は、体積率修正後の状態を示す図
である。たとえば、図63に示す状態からデポジション
計算後、図64に示すように、体積率が1を越えたセル
(○をつけたセル)が存在する場合は、以降のように修
正処理を行なう。体積率が1を越えたセル(i、j、
k)の周りのセル(i±1、j、k)、セル(i、j±
1、k)およびセル(i、j、k±1)のうち体積率が
0.5以下のセルα、β、γ、…、とセル(i、j、
k)とが接する面の面積をSα、Sβ、Sγ、…とし
て、 Ct+dt(i、j、k)←1 Ct+dt(α)←Ct+dt(α)+η・Sα/(Sα+Sβ
+Sγ+…) Ct+dt(β)←Ct+dt(β)+η・Sβ/(Sα+Sβ
+Sγ+…) Ct+dt(γ)←Ct+dt(γ)+η・Sγ/(Sα+Sβ
+Sγ+…) とする。ただし、 η=Ct+dt(i、j、k)−1 である。以上の処理により、修正後の体積率は図65に
示すようになり、すべての体積率が0以上1以下の値を
とる。
【0236】次に、エッチング計算において体積率が負
となった場合の修正処理について説明する。図66は、
エッチング計算前の状態を示す図であり、図67は、エ
ッチング計算後の状態を示す図であり、図68は、体積
率修正後の状態を示す図である。図66に示す状態から
エッチング計算を行ない、図67に示すように体積率が
負となるセルが存在する場合は以降の修正処理を行な
う。すなわち、体積率が負となったセル(i、j、k)
の周りのセル(i±1、j、k)、セル(i、j±1、
k)およびセル(i、j、k±1)のうち体積率が0.
5以上のセルα、β、γ、…、とセル(i、j、k)と
が接する面の面積をSα、Sβ、Sγ、…として、 Ct+dt(i、j、k)←0 Ct+dt(α)←Ct+dt(α)−η・Sα/(Sα+Sβ
+Sγ+…) Ct+dt(β)←Ct+dt(β)−η・Sβ/(Sα+Sβ
+Sγ+…) Ct+dt(γ)←Ct+dt(γ)−η・Sγ/(Sα+Sβ
+Sγ+…) とする。ただし、 η=−Ct+dt(i、j、k)>0 であり、上記の式により、セルα、β、γ、…の体積率
が負となった場合には、そのセルの体積率を0とする。
以上の修正処理を行なうことにより、図68に示すよう
に、すべての体積率が0以上1以下の値をとる。
【0237】(2) 第2の記憶方法 次に、第2の体積率の記憶方法について説明する。図6
9は、第2の体積率の記憶方法を説明するフローチャー
トである。
【0238】まず、図69に示すフローチャートで使用
する変数について説明する。IND(i、j、k)とC
m(i、j、k)は上記の第1の記憶方法と同様であ
る。NS(II)はスタート番号であり、NE(II)
はエンド番号である。NS(II)とNE(II)は、
混在領域のIND(i、j、k)ごとにつまりIIごと
に設定される数字である。つまり、NE(II)−NS
(II)+1が混在領域のセルの材質数となる。また、
CC(L)は混在領域のセルの材料体積率であり、IC
(L)は混在領域のセルの材質インデックスである。混
在領域のセルに含まれる材料の数だけCC(L)および
IC(L)が存在し、混在領域のセルに含まれる材質お
よびその体積率が特定される。また、変数LはNS(I
I)≦L≦NE(II)の値である。
【0239】図69を参照して、まず、ステップS22
1において、材料インデックスIND(i、j、k)が
101以上であるか否かを判断する。101以上である
場合はステップS222へ移行し、その他の場合はステ
ップS229へ移行する。
【0240】101以上の場合、対応するセルは混在領
域であるので、以下の処理により体積率を求める。ま
ず、ステップS222において、材料インデックスIN
D(i、j、k)から100を減算し、その値をIIへ
代入する。次に、ステップS223において、IIに対
応するスタート番号NS(II)およびエンド番号NE
(II)を求める。次に、ステップS224において、
LがNS(II)からNE(II)の範囲でDOループ
処理を実行する。次に、ステップS225において、材
質インデックスIC(L)が材料番号mと等しいか否か
を判断する。等しい場合はステップS226へ移行し、
等しくない場合はステップS227へ移行する。
【0241】IC(L)がmに等しい場合、ステップS
226において、IC(L)に対応する材質体積率CC
(L)の値をCm(i、j、k)へ代入する。この処理
により、混在領域のセルの材質番号mに対応する材質の
体積率がCm(i、j、k)へ代入される。
【0242】一方、IC(L)がmに等しくない場合、
ステップS227において、LがNE(II)に等しい
か否かを判断する。等しい場合はステップS228へ移
行し、等しくない場合はステップS224へ移行する。
【0243】一方、LがNE(II)に等しくない場
合、DOループが終了していないので、ステップS22
4においてDOループが終了するまで以降の処理が継続
される。
【0244】また、ステップS221において、IND
(i、j、k)が101以上でないと判断された場合、
つまり、対応するセルが単一領域であると判断された場
合、ステップS229において、IND(i、j、k)
が材質番号mに等しいか否かが判断される。等しい場合
はステップS230へ移行し、等しくない場合はステッ
プS231へ移行する。
【0245】IND(i、j、k)がmに等しい場合、
対応するセルには材質番号mに対応する材質が完全に充
填されているため、ステップS230において、体積率
Cm(i、j、k)に1を代入する。
【0246】一方、IND(i、j、k)がmに等しく
ない場合、対応するセルには材質番号mに対応する材質
は存在しないため、ステップS231において、体積率
Cm(i、j、k)へ0を代入する。
【0247】以上の処理を各材質番号mごとに実行し、
各セルの各材質番号mに対応した体積率Cm(i、j、
k)へ所定の体積率が代入される。
【0248】以上の処理により、第2の記憶方法でも、
第1の記憶方法と同様に、真空または空気が存在するセ
ルの材料インデックスIND(i、j、k)には0が記
憶され、材質番号mに対応する材質が完全に充填されて
いるセルの材料インデックスIND(i、j、k)には
材質番号mが記憶される。また、混在領域のセルの材料
インデックスIND(i、j、k)には101以上の所
定の数が記憶されるとともに、材料インデックスIND
(i、j、k)に対応して存在する材質数だけ材料体積
率CC(L)および混在領域の材質インデックスIC
(L)が記憶される。
【0249】以上の処理により、第2の記憶方法でも、
単一領域のセルに対応するデータは各セルごとに1つの
み記憶すればよく、第1の実施例と同様にデータの記憶
容量を削減することが可能となる。したがって、所定の
記憶容量を有する計算機を用いて形状シミュレーション
を行なう場合、セルの分割数を増加することができ、よ
り高精度な形状シミュレーションを行なうことが可能と
なる。
【0250】また、本発明の具現化にあたり適用される
言語および計算機等は特に限定されるものではなく、言
語としては、たとえば、C、フォートラン等の言語を用
いてもよい。
【0251】
【発明の効果】請求項1ないし請求項4記載の形状シミ
ュレーション方法においては、すでに特定された第1境
界を基に第2境界を特定するので、短時間で第2境界を
特定することができ、また、解析要素及び立体角の分割
数を減少する必要もない。この結果、半導体装置の製造
工程における加工形状を短時間でかつ高精度にシミュレ
ーションすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本的な考え方を説明する第1の概
念図である。
【図2】 本発明の基本的な考え方を説明する第2の概
念図である。
【図3】 本発明の一実施例を示すフローチャートであ
る。
【図4】 直方体セルを例示する斜視図である。
【図5】 図3に示すデポジション計算処理を説明する
フローチャートである。
【図6】 立体角を求める具体的方法を説明する概念図
である。
【図7】 分割された領域を示す図である。
【図8】 ベクトルVが通過するセルを説明する第1の
図である。
【図9】 ベクトルVが通過するセルを説明する第2の
図である。
【図10】 ベクトルVが通過するセルを説明する第3
の図である。
【図11】 図3に示すステップS7において物質の境
界を求める具体的方法を示すフローチャートである。
【図12】 物質の境界を求める具体的な方法を説明す
る斜視図である。
【図13】 等体積率面を求める様子を示す斜視図であ
る。
【図14】 境界の決定方法の妥当性について説明する
概念図である。
【図15】 境界の決定方法の妥当性について説明する
第1のグラフである。
【図16】 境界の決定方法の妥当性について説明する
第2のグラフである。
【図17】 境界の決定方法の妥当性について説明する
第3のグラフである。
【図18】 本発明の効果を示す第1のグラフである。
【図19】 本発明の効果を示す第2のグラフである。
【図20】 本発明の効果を示す第3のグラフである。
【図21】 本発明の効果を示す第4のグラフである。
【図22】 図3に示すエッチング計算処理を説明する
フローチャートである。
【図23】 エッチングにおける形状シミュレーション
に用いられる解析領域を示す概念図である。
【図24】 本発明の他の応用例を説明する第1の概念
図である。
【図25】 本発明の他の応用例を説明する第2の概念
図である。
【図26】 本発明の他の応用例を説明する第1の斜視
図である。
【図27】 本発明の他の応用例を説明する第2の斜視
図である。
【図28】 従来の形状シミュレーション方法を説明す
る概念図である。
【図29】 従来の形状シミュレーション方法において
境界の決定方法の妥当性について説明する第1の概念図
である。
【図30】 従来の形状シミュレーション方法において
境界の決定方法の妥当性について説明する第2の概念図
である。
【図31】 従来の形状シミュレーション方法において
境界の決定方法の妥当性について説明する第3の概念図
である。
【図32】 従来の形状シミュレーション方法において
境界の決定方法の妥当性について説明する第4の概念図
である。
【図33】 従来の形状シミュレーション方法において
境界の決定方法の妥当性について説明する第5の概念図
である。
【図34】 立体角を求める他の方法の概要を説明する
第1の図である。
【図35】 立体角を求める他の方法の概要を説明する
第2の図である。
【図36】 立体角を求める他の方法を用いたデポジシ
ョン計算処理を説明するフローチャートである。
【図37】 図36に示すシャドーイング計算処理を説
明するフローチャートである。
【図38】 図37に示す最初のシャドーイング計算結
果の導出処理を説明するフローチャートである。
【図39】 図37に示す既に計算したシャドーイング
計算結果を用いたシャドーイング計算結果の導出処理を
説明する第1のフローチャートである。
【図40】 図37に示す既に計算したシャドーイング
計算結果を用いたシャドーイング計算結果の導出処理を
説明する第2のフローチャートである。
【図41】 立体角度を求める他の方法を用いたエッチ
ング計算処理を説明するフローチャートである。
【図42】 デポジションおよびエッチング計算の他の
具体的な方法を示すフローチャートである。
【図43】 第1の等体積率面の導出方法を示すフロー
チャートである。
【図44】 8分割されたセルを示す図である。
【図45】 図44に示す分割されたセルの頂点の体積
率を求める方法を説明するための図である。
【図46】 図43に示す導出方法により求められた等
体積率面を示す図である。
【図47】 第2の等体積率面の導出方法を示すフロー
チャートである。
【図48】 4分割されたセルを示す図である。
【図49】 図48に示す分割されたセルの頂点の体積
率を求める方法を説明するための図である。
【図50】 図47に示す導出方法により求められた等
体積率面を示す図である。
【図51】 第3の等体積率面の導出方法を示すフロー
チャートである。
【図52】 図51に示す導出方法を説明するための図
である。
【図53】 第4の等体積率面の導出方法を示すフロー
チャートである。
【図54】 図53に示す導出方法を説明するための図
である。
【図55】 第6の等体積率面の導出方法を示すフロー
チャートである。
【図56】 図55に示す導出方法を説明するための図
である。
【図57】 第1の体積率の記憶方法を示すフローチャ
ートである。
【図58】 シリコンの体積率の計算結果を示す図であ
る。
【図59】 ポリシリコンの体積率の計算結果を示す図
である。
【図60】 SiO2 の体積率の計算結果を示す図であ
る。
【図61】 図58ないし図60に対応する材料インデ
ックスを示す図である。
【図62】 記憶する体積率の更新方法を示すフローチ
ャートである。
【図63】 デポジション計算前の状態を示す図であ
る。
【図64】 デポジション計算後の状態を示す図であ
る。
【図65】 体積率修正後の状態を示す図である。
【図66】 エッチング計算前のの状態を示す図であ
る。
【図67】 エッチング計算後の状態を示す図である。
【図68】 体積率修正後の状態を示す図である。
【図69】 第2の体積率の記憶方法を示すフローチャ
ートである。
【図70】 従来の形状シミュレーション方法の表面セ
ルの境界面を示す図である。
【図71】 解析領域に複数の物質が混在する場合の物
質X1 の体積率の計算結果を示す図である。
【図72】 解析領域に複数の物質が混在する場合の物
質X2 の体積率の計算結果を示す図である。
【図73】 解析領域に複数の物質が混在する場合の物
質X3 の体積率の計算結果を示す図である。
【図74】 解析領域に複数の物質が混在する場合の全
物質の体積率の計算結果を示す図である。
【符号の説明】
100a,100b 解析領域、BS 物質の境界、C
1〜C4 セル、m,n 解析要素、B1,B2,B
1′,B2′ 境界。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物質粒子の移動により変化する解析領域
    の形状をシミュレーションする形状シミュレーション方
    法であって、 前記解析領域を複数の解析要素に分割する第1ステップ
    と、 前記解析要素の中から表面に位置する第1解析要素にお
    ける前記物質粒子の移動領域と非移動領域との第1境界
    を特定する第2ステップと、 前記第1境界を基に、前記第1解析要素の近傍でかつ表
    面に位置する第2解析要素における前記物質粒子の移動
    領域と非移動領域との第2境界を特定する第3ステップ
    とを含む形状シミュレーション方法。
  2. 【請求項2】 前記第3ステップは、 前記第2解析要素における前記第1境界の近傍の第3境
    界が移動領域であるか非移動領域であるかを判定する第
    4ステップと、 前記第4ステップにおいて移動領域と判定された場合、
    前記第3境界が非移動領域と判定されるまで、前記第3
    境界を前記第2ステップで非移動領域であると判定され
    た方向へ移動させ、前記第2境界を特定する第5ステッ
    プと、 前記第4ステップにおいて非移動領域と判定された場
    合、前記第3境界が移動領域と判定されるまで、前記第
    3境界を前記第2ステップで移動領域であると判定され
    た方向へ移動させ、前記第2境界を特定する第6ステッ
    プとを含む請求項1記載の形状シミュレーション方法。
  3. 【請求項3】 前記移動領域は、前記物質粒子が流入す
    る流入領域を含み、 前記非移動領域は、前記物質粒子が流入しない非流入領
    域を含む請求項1記載の形状シミュレーション方法。
  4. 【請求項4】 前記移動領域は、前記物質粒子が流出す
    る流出領域を含み、 前記非移動領域は、前記物質粒子が流出しない非流出領
    域を含む請求項1記載の形状シミュレーション方法。
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