JP2002303622A - 白血球分類用試薬および白血球分類方法 - Google Patents

白血球分類用試薬および白血球分類方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液希釈溶液に添加したとき、赤血球を短時
間に溶解するが、白血球に損傷を受けない元のままの状
態またはこれに近い状態に一定時間残し、赤血球を溶解
後、フローサイトメータで前方散乱光と側方散乱光を測
定することにより、白血球を直接リンパ球、単球、好中
球及び好酸球に4分類できる白血球分類試薬を提供す
る。 【解決手段】 本発明の白血球分類試薬は、ポリオキシ
エチレン(3)アルキル(C12〜C13)エーテル硫酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C11
15)エーテル硫酸ナトリウム、またはポリオキシエチ
レン(3)アルキル(C11〜C15)エーテルトリエタノ
ールアミンを含有し、赤血球を溶解し、白血球に作用し
て白血球を分類可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床検査分野において
血球の分類に使用される試薬に関し、詳しくは、フロー
サイトメータを使用して赤血球を溶解した後の血球を光
学的に測定し、白血球を分類する方法に使用する試薬に
関する。また、その試薬を用いた白血球分類方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から白血球を分類し、計数する方法
として、血液希釈溶液にカチオン性界面活性剤のうち第
四級アンモニウム塩を主成分とする赤血球の溶解剤(以
後、溶血剤と称する)を添加して赤血球及び白血球の
膜、細胞質を溶解し、残存する白血球の核をコールター
原理によって測定して白血球数を計数する方法があっ
た。この方法では、白血球を縮った状態で観測している
ために白血球の種類を分類するための情報が得られない
という問題点があった。
【0003】この問題点を解消すべく、溶血剤の成分と
濃度を改善し、白血球の反応を緩やかにすることで、白
血球細胞のリンパ球、単球、顆粒球の溶解速度の違い及
び電気伝導度の違いより、白血球細胞を3分類する方法
がある。しかしながら、血液中の白血球を種類別に計数
することによって、病気の診断に貢献することができる
ために、できればリンパ球、単球、好中球、好酸球およ
び好塩基球に5分類、少なくとも好塩基球を除く4種に
分類する方法が最近になって強く要望されるようになっ
てきた。
【0004】一方、従来から光の散乱による細胞や微粒
子の識別や分析にフローサイトメータが使用されてい
る。図10に示すこの細胞測定装置(フローサイトメー
タ)の流動測定器4は、サンプル粒子からの光散乱を測
定するために設計されている。すなわち、測定される粒
子を含んだ試料液が流動測定器4に導かれ、そこでレー
ザー光源1からのレーザー光が照射光集束用レンズ2及
び3を経て照射され、前方散乱光は照射光ストッパを介
し直射光が停止され散乱光のみが前方散乱光検出用レン
ズ8を経て前方散乱光検出器9により測定され、検出器
により測定された電圧レベルが分析器10に入力され
る。一方流動測定器4における側方散乱光は側方散乱光
検出用レンズ5を経て側方散乱光検出器6により測定さ
れ、検出器により測定された電圧レベル分析器10に入
力される。この分析器10の両電圧レベルに基づいて表
示装置11に前方および側方散乱光による二次元分布図
(スキャッタグラム)が表示される。
【0005】しかしながら、フローサイトメータで測定
しても、前記の第四級アンモニウム塩型界面活性剤を主
成分とする溶血剤を使用する限りは、かなり白血球細胞
の細胞膜が溶解されているため、白血球数の計数ができ
るだけで3分類も難しいのが実状である。
【0006】フローサイトメータを用い前方散乱光と側
方散乱光を測定して白血球を分類する方法では、蓚酸ア
ンモニウムを主成分とした溶血剤を用い血液希釈溶液に
添加し、赤血球のみを溶解し白血球をリンパ球、単球、
顆粒球の3種類に分類していた。しかしながら、この方
法では赤血球の溶解に20〜30分必要であり、多数の
検体を処理する方法としては不適当であった。しかもこ
の方法は、各白血球の分布がはっきりしなく、好酸球が
好中球の分布の中に埋もれてしまい、好酸球のみの分布
として分離できなかった。
【0007】上記の問題を解決すべくポリオキシエチレ
ン系アニオン性界面活性剤およびポリオキシエチレン系
ノニオン性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくと
も1種類の界面活性剤を含有する白血球を3〜5分類す
る白血球分類用試薬が提案されている(国際特許出願公
開番号W088/09504参照)。
【0008】しかしながら、これらのポリオキシエチレ
ン系界面活性剤は、アニオン性およびノニオン性の両方
とも次の共通的一般式を有する。
【0009】
【化1】
【0010】すなわち、エチレンオキシドの付加モル数
が8〜30と比較的大きい。エチレンオキシドの付加モ
ル数がこのように大きいと、細胞溶解力が減少する。ま
た、この試薬を使用し、PF.及びDC法での測定結果
より2次元分布図を得た場合、リンパ球、単球、顆粒球
の分離が悪く、好酸球測定は同時にできないという問題
点が残っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、このよう
な従来の課題に鑑みてなされたものであり、血液希釈溶
液に添加したとき、赤血球を短時間で溶解するにもかか
わらず、白血球は溶血剤によるダメージを受けない元の
ままの状態またはこれに近い状態で一定時間残り、赤血
球を溶解後、フローサイトメータで前方散乱光と側方散
乱光を測定することにより、白血球を直接リンパ球、単
球、好酸球、及び好中球に4分類できる白血球分類用試
薬(溶血剤)を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
赤血球を溶解し、白血球に作用して白血球を分類可能と
することを特徴とする白血球分類用試薬であって、ポリ
オキシエチレン(3)アルキル(C12〜C13)エーテル
硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル
(C11〜C15)エーテル硫酸ナトリウム、または、ポリ
オキシエチレン(3)アルキル(C11〜C15)エーテル
トリエタノールアミンを含有する。
【0013】また請求項2記載の発明は、血液試料液中
の赤血球を溶解して溶血液を生成するために前記血液試
料液に請求項1に記載の試薬を加える第1のステップ
と、前方光散乱と側方光散乱を測定し、それによって白
血球を複数のグループに分類する分布図を作成するため
に、第1のステップで得た溶血液をフローサイトメータ
に導く第2のステップと、を有する白血球分類方法であ
る。
【0014】
【作用】白血球分類用試薬に有用なアニオン界面活性剤
及び両性界面活性剤は、血液希釈溶液に添加したとき、
短時間で赤血球を溶解するが、白血球は損傷を受けない
元のままの状態、またはそれに近い状態のままに残すた
めに必要なものである。
【0015】上記の要件を満足させるために、一般式 R−O−SO2 X …(1) (式中、Rは炭素数8〜18のアルキルまたはアルキレ
ン基であり、XはNa、K、NH4 またはHN(CH2
CH2 OH)3 である)で表わされるアルキル硫酸塩素
アニオン界面活性剤においては、Rは炭素数が8〜18
であり、また一般式 R−O−(CH2 CH2 O)n−SO3 X …(2) (式中、Rは炭素数8〜18のアルキルまたはアルキレ
ン基であり、nは1〜5の整数であり、XはNa、K、
NH4 またはHN(CH2 CH2 OH)3 である)で表
わされるポリオキシエチレン系アニオン界面活性剤にお
いては、Rは炭素数が8〜18であり、またエチレンオ
キシドの付加モル数は1〜5であることが必要である。
細胞の溶解にはアルキル基またはアルキレン基Rの水素
が大きく関与しており、一般にRの鎖長が長くなると溶
解力が強くなり、一方短くなると弱くなる。しかしなが
ら、Rの鎖長が長くなると水への溶解度が減少し、溶解
困難乃至溶血液を懸濁させることになる。上記の限定範
囲内のRの炭素数は、両者のバランスがとれて、上記の
要件を満足させるものである。また、nが大きくなると
親水性が増すが、細胞溶解力が減少し、上記の限定範囲
が上記の要件を満たす。なお、Xは特に細胞への反応に
関係がない。上記のRの炭素数に関する記述は、一般式
(3)
【0016】
【化2】
【0017】(式中、Rは炭素数8〜18のアルキルま
たはアルキレン基であり、XはCH2SO3 またはCO
Oであり、YはNa、K、NH4 またはHN(CH2
2 OH)3 である)で表わされるやし油脂肪酸系アニ
オン界面活性剤にも当て嵌まり、Rの炭素数8〜18と
いう範囲が、上記の要件を満たすものである。また、上
記と同様に、一般式(3)におけるX、Yの両方とも特
に細胞への反応に関係がない。
【0018】両性界面活性剤はpH範囲によりアニオン
界面活性剤またはカチオン界面活性剤として作用するも
のであるが、pHが7以上で溶血剤として使用される場
合にはアニオン界面活性剤として作用する。そして一般
式(4)
【0019】
【化3】
【0020】(式中、Rは炭素数6〜21のアルキルま
たはアルキレン基である)で表わされるベタイン型両性
活性剤においては、Rの炭素数6〜21の範囲が、上記
の要件を満たすものである。
【0021】本発明においては、白血球分類用試薬であ
る溶血剤の添加前に、血液を均一に分散させるための一
般的希釈液により血液を希釈する。この希釈液は、浸透
圧調整剤、緩衝剤、キレート剤及び防黴剤を適量溶解し
た蒸留水からなり、代表的な組成を以下に示す。 希釈液 塩化ナトリウム 9.0g リン酸2水素カリウム 0.91g リン酸水素2ナトリウム 9.55g EDTA2Na 0.3g 1−ヒドロキシピリジン−2−チオンナトリウム 0.25g 蒸留水 1000mL
【0022】浸透圧調整剤は、細胞が安定して存在でき
る浸透圧、すなわち血液試料液の浸透圧を250〜40
0mOsm/kgH2 Oに調整するものである。この範
囲より浸透圧が高いと溶血力が強くなり、特に赤血球の
溶血が進み、そして好中球が少し収縮する。一方、この
範囲より浸透圧が低いと溶血力が弱まり、特に赤血球ゴ
ースト(赤血球の溶け残り)が多くなる。
【0023】緩衝剤は、血液細胞が安定して存在できる
ために、血液試料液のpHを約6.8〜7.6に維持す
る緩衝剤であることが望ましい。しかし、血液試料液に
溶解剤を混合したときに、pHは使用好適範囲でなけれ
ばならい。したがって、目的とする結果をそこなわれな
ければその範囲を越えてもよい。そして本発明に係るア
ニオン界面活性剤ではその種類により使用好適範囲が相
違するものの、一般的にpH3〜11の範囲であり、ま
た両性界面活性剤はpH7〜11の範囲で溶血剤として
作用するものである。この範囲よりpHが高いと溶血力
が強くなり、白血球も赤血球と同時に溶解してしまう。
一方、この範囲よりpHが低いと、溶血力が弱くなり、
白血球の各成分の分布の分離が悪くなる。
【0024】キレート剤は、希釈液の長期間の保存、使
用時の金属イオンによる沈殿の発生を防止するために金
属イオンとキレートを形成するために使用するものであ
る。また、防黴剤は、希釈液の長期保存による黴、細菌
の発生を抑制するために使用するものである。
【0025】なお、上記の希釈液で希釈された血液希釈
溶液に添加される前記界面活性剤を主成分とする溶血剤
の量は、界面活性剤の種類により変化するものの、一般
に、血液試料液中の界面活性剤濃度が低いと、全ての赤
血球を溶解するのに不十分となり赤血球ゴーストが多く
なる。一方、界面活性剤濃度が高いと白血球も赤血球と
共に溶解するようになる。そしてまた、溶血剤の添加量
によっても溶解時間が変化する。添加量が多いと溶解時
間が短くてすむものの、しかし一方、白血球細胞が安定
している時間が短くなる。したがって、界面活性剤の添
加量範囲を適当に選定する必要がある。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例 1 溶血剤としてポリオキシエチレン系アニオン界面活性剤
の1種であるポリオキシエチレン(3)アルキル(C12
〜C13混合物)エーテル硫酸ナトリウム(化学式C12
13−O−(CH2 CH2 O)3 −SO3 Na)を使用
した例を示す。このアニオン界面活性剤1.75gを蒸
留水1000mlに溶解して溶血剤を得る(なお、必要
に応じて浸透圧の調整のために塩化ナトリウムを蒸留水
に適量添加してもよい)。血液25μlを前記に例示し
た組成の希釈液1mlで希釈し、上記の溶血剤125μ
lを添加する。10秒後にフローサイトメータで前方及
び側方散乱光強度を測定し、図1に示す二次元分布図
(スキャットグラム)を得た。図1に示されるように、
白血球はリンパ球(1)、単球(2)、好中球(3)及
び好酸球(4)に明瞭に4分類された。(0)は赤血球
ゴーストである。また、上記の溶血剤(濃度0.175
%)は、上記の血液希釈溶液への添加量範囲100〜1
000μlで図1に示したものと同様の二次元分布図が
得られた。また、先に溶血剤を希釈液に添加したり、希
釈液に適量の上記界面活性剤を希釈せずに直接添加した
液を用いても、本発明の目的を達成することができる。
更に、本実施例の界面活性剤はpH範囲3〜10でも図
1に示したものと同様の結果が得られた。なお、浸透圧
範囲に関しても、250〜400mOsm/kgH2
では図1に示したものと同様の結果が得られた。
【0027】実施例 2 溶血剤成分としてポリオキシエチレン系アニオン界面活
性剤の1種であるポリオキシエチレン(3)アルキル
(C11〜C15混合物)エーテル硫酸ナトリウムを使用
し、このアニオン界面活性剤2.5gを蒸留水1000
mlに溶解したものを溶血剤に使用した以外は実施例1
と同じ手順により白血球を分類した結果を図2に示す。
実施例1と同様に白血球は明瞭に4分類された。また、
添加量範囲50〜300μl(濃度0.25%の溶血剤
の場合)、pH範囲6〜10、及び浸透圧範囲250〜
400mOsm/kgH2 Oでも前記実施例1の場合と
同様に図2に示したものと同様の結果を得た。
【0028】実施例 3 溶血剤の有効成分としてエチレンオキシドの付加モル数
が0の場合のポリオキシエチレン系アニオン界面活性剤
であるラウリル硫酸ナトリウム(化学式C12 25OSO
3 Na)を使用し、このアニオン界面活性剤5.0gを
蒸留水1000mlに溶解したものを溶血剤に使用した
以外は実施例1と同じ手順により白血球を分類した結果
を図3に示す。実施例1と同様に白血球は明瞭に4分類
された。また、濃度0.5%の溶血剤の場合、添加量範
囲50〜200μl、pH範囲5〜8、浸透圧範囲25
0〜400mOsm/kgH2 Oでも前記実施例1の場
合と同様に、図3に示したものと同様の結果を得た。
【0029】実施例 4 前記一般式(2)で表わされるポリオキシエチレン系ア
ニオン界面活性剤について、Rの炭素数が8及び18
で、かつnがそれぞれ3であるものについて上記実施例
1〜3と同様の白血球分類試験を行ったが、両者とも図
1〜図3と類似したリンパ球、単球、好中球及び好酸球
に明瞭に白血球が4分類されたスキャッタグラムを得
た。
【0030】比較例 1 実施例3と同様に溶血剤の有効成分としてラウリル硫酸
ナトリウムを使用して白血球の分類に対するpHの影響
についてpH10及び3における結果を、それぞれ図4
及び図5に示す。pH10では、溶血力が強くなり過ぎ
て白血球と赤血球が同時に溶解してしまうため、殆んど
測定不能な二次元分布図しか得られないことが図4から
分かる。一方、pH3では溶血力が弱くなり過ぎて、図
5に示すように白血球の分離が悪化して不満足な結果し
か得られなかった。
【0031】比較例 2 実施例2と同様に溶血剤の有効成分としてポリオキシエ
チレン(3)アルキル(C11〜C15混合物)エーテル硫
酸ナトリウムを使用して白血球の分類に対する浸透圧の
影響について450mOsm/kgH2 O及び220m
Osm/kgH 2 Oにおいて試験を行った。浸透圧45
0mOsm/kgH2 Oでは溶血力が強くなり過ぎ、特
に赤血球の溶血が進むが、白血球の溶血も進み、特に好
中球が少し収縮して、図6に示すように図4に示した高
pHの場合と同様の殆んど測定不能な二次元分布図しか
得られなかった。一方220mOsm/kgH2 Oでは
溶血力が弱くなり過ぎ、特に赤血球ゴーストが多くな
り、図7に示すような不満足な結果しか得られなかっ
た。また、アルキル基R、エチレンオキシドのモル数n
が請求範囲外の場合も同様であった。
【0032】実施例 5 溶血剤としてやし油脂肪酸系アニオン界面活性剤の1種
であるやし油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(化学式
R−CON(CH3 )CH2 CH2 SO3 Na)を使用
した例を示す。このアニオン界面活性剤5.8gを蒸留
水(実施例1と同様に浸透圧の調整のために塩化ナトリ
ウムを適量添加してもよい)1000mlに溶解して溶
血剤を得た。実施例1と同じ手順を繰返して図8に示す
二次元分布図を得た。図8から明らかなように、白血球
はリンパ球(1)、単球(2)、好中球(3)及び好酸
球(4)に明瞭に4分類された。なお、(0)は赤血球
ゴーストを示す。また、実施例1の場合と同様に、上記
の溶血剤は、濃度0.58%の場合、添加量範囲50〜
300μl、pH範囲6〜9、浸透圧範囲250〜40
0mOsm/kgH2 Oでも図9に示したものと同様の
結果を得た。
【0033】実施例 6 溶血剤としてベタイン型両性界面活性剤の1種である、
次の構造式
【0034】
【化4】
【0035】で表わされる2−アルキル(C8 17〜C
1837混合物)−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキ
シエチルイミダゾリニウムベタインを使用した例を示
す。この両性界面活性剤3.6gを上記実施例5と同様
に蒸留水1000mlに溶解して溶血剤を得た。実施例
5と同じ手順を繰返して図9に示す二次元分布図を得
た。図9から明らかなように、白血球は実施例1〜5の
場合と同様に明瞭に4分類された。また、実施例5と同
様に、上記の溶血剤は、濃度0.36%の場合、添加量
範囲75〜200μl、pH範囲7〜11、浸透圧範囲
250〜400mOsm/kgH2 Oで図9に示したも
のと同様の結果を得た。
【0036】実施例 7 前記の一般式(3)で表わされるベタイン型両性界面活
性剤に関して、Rのアルキル基の炭素数6及び21につ
いて上記実施例6と同様の白血球分類試験を行ったが、
両者とも図9と類似したリンパ球、単球、好中球及び好
酸球に明瞭に白血球が4分類された二次元分布図を得
た。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、血液希釈溶液に添加し
たとき、赤血球を短時間で溶解し、かつ白血球を損傷さ
れない元のままの状態またはこれに近い状態に一定時間
維持できるので、白血球を簡単な手順と構成によって、
直接4分類でき、臨床検査上大きな効果を奏することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶血剤としてポリオキシエチレン(3)アルキ
ル(C12〜C13)エーテル硫酸ナトリウムを用いた場合
の二次元分布図である。
【図2】溶血剤としてポリオキシエチレン(3)アルキ
ル(C11〜C15)エーテル硫酸ナトリウムを用いた場合
の二次元分布図である。
【図3】溶血剤としてラウリル硫酸ナトリウムを用いた
場合の二次元分布図である。
【図4】溶血剤としてラウリル硫酸ナトリウムを用い、
pH10で白血球の分類を行った場合の二次元分布図で
ある。
【図5】溶血剤としてラウリル硫酸ナトリウムを用い、
pH3で白血球の分類を行った場合の二次元分布図であ
る。
【図6】溶血剤としてポリオキシエチレン(3)アルキ
ル(C11〜C15)エーテル硫酸ナトリウムを用い、浸透
圧450mOsm/kgH2 Oで白血球の分類を行った
場合の二次元分布図である。
【図7】溶血剤としてポリオキシエチレン(3)アルキ
ル(C11〜C15)エーテル硫酸ナトリウムを用い、浸透
圧220mOsm/kgH2 Oで白血球の分類を行った
場合の二次元分布図である。
【図8】溶血剤としてやし油脂肪酸メチルタウリンナト
リウムを用いた場合の二次元分布図である。
【図9】溶血剤として2−アルキル(C8 〜C18)−N
−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリ
ニウムベタインを用いた場合の二次元分布図である。
【図10】本発明の白血球分類用試薬を使用するフロー
サイトメータの光学系の説明図である。
【符号の説明】
0 赤血球ゴースト 1 リンパ球 2 単球 3 好中球 4 好酸球
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 真美 東京都新宿区西落合1丁目31番4号 日本 光電富岡株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA03 AA04 BB52 CA11 CA12 CA15 CA16 CA17 CA20 CA25 FA11 FA14 GB00 JA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤血球を溶解し、白血球に作用して白血
    球を分類可能とすることを特徴とする白血球分類用試薬
    であって、 ポリオキシエチレン(3)アルキル(C12〜C13)エー
    テル硫酸ナトリウム、 ポリオキシエチレン(3)アルキル(C11〜C15)エー
    テル硫酸ナトリウム、または、 ポリオキシエチレン(3)アルキル(C11〜C15)エー
    テルトリエタノールアミンを含有する試薬。
  2. 【請求項2】 血液試料液中の赤血球を溶解して溶血液
    を生成するために前記血液試料液に請求項1に記載の試
    薬を加える第1のステップと、 前方光散乱と側方光散乱を測定し、それによって白血球
    を複数のグループに分類する分布図を作成するために、
    第1のステップで得た溶血液をフローサイトメータに導
    く第2のステップと、を有する白血球分類方法。
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