JP2002302986A - 液体供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって安定的に液体製剤を供給でき
る液体供給装置を提供する。 【解決手段】 液体供給装置１０は、貯水タンクの上面
９１に設けられた水受け部９１ａに放水する放水管９３
からの水Ｗに、有効成分を含有する液体製剤を供給す
る。液体供給装置１０は、使用時に水受け部９１ａの放
水管９３先端の下方に配置されて水Ｗに前記液体製剤を
供給すべく作用する作用部１１と、上面視において作用
部１１に対してずれた位置に配置されて前記液体製剤を
収納した収納部１５と、収納部１５及び作用部１１をつ
なぐ連絡路２０とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水洗トイレの貯水
タンク等に適用可能な液体供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、水洗トイレの貯水タンク内の水
に、芳香成分等を含んだ液体製剤を供給する液体供給装
置として、貯水タンクの中に配置されて使用されるもの
がある。一方、貯水タンクの蓋上面の水受け部に配置さ
れて使用される、所謂オンタンク式の液体供給装置もあ
る。水受け部には、貯水タンクの内部空間に連通した注
水孔が設けられており、通常、液体供給装置はその注水
孔の真上に配置される。こうして、手洗い用の水を放水
する放水管からの水が、確実に液体供給装置に当たるよ
うにする。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】水洗トイレの貯水タン
クとしては、蓋上面の水受け部の縁部から注水孔の上方
へと放水管が延びた構成のものが一般的である。オンタ
ンク式の液体供給装置は、このような放水管と干渉しな
い程度に小型でなければならないという、設計上の制約
があった。そのため、液体供給装置内に収納可能な液体
製剤の量は所定以上にできず、フラッシュ回数が多いと
液体供給装置内の液体製剤が枯渇してしまう傾向があっ
た。本発明は、このような事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、長期にわたって安定的に液体製剤を供
給できる液体供給装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、貯
水タンクの上面に設けられた水受け部に放水する放水管
からの水に、有効成分を含有する液体製剤を供給する液
体供給装置において、使用時に前記水受け部の前記放水
管先端の下方に配置されて前記水に前記液体製剤を供給
すべく作用する作用部と、上面視において前記作用部に
対してずれた位置に配置されて前記液体製剤を収納した
収納部と、前記収納部及び前記作用部をつなぐ連絡路と
を備えたことを特徴とする液体供給装置によって達成さ
れる。

【０００５】作用部は、例えば放水管先端の鉛直下方に
配置することができる。放水管が斜め下方に放水するタ
イプであるときは、作用部を放水管先端の斜め下方に配
置することができる。作用部の形態は限定されない。例
えば、内部に液体製剤が充填される弾性中空板状のもの
を採用できる。その他、スクリューポンプ、フロート、
吸液材を備えた構成でもよい。収納部の形態も限定され
ず、例えば、円筒状容器や多角形筒状容器を採用でき
る。収納部は、作用部の放水管からの水が当たる箇所か
ら、上面視においてずれた位置に配置すればよく、例え
ば、作用部に対して偏心した位置に配置することができ
る。収納部は、上面視において作用部に重なっていても
よく、この場合、作用部の縁部付近に収納部を配置でき
る。収納部は、作用部及び／又は連絡路に対して着脱可
能であることが好ましい。収納部は、香料等で変形しな
いような樹脂、ガラス、陶器、磁器等からなるものを採
用できる。収納部は、その最頂部が放水管と干渉しなけ
れば、作用部より高い位置（位置エネルギーが高い位
置）であって、貯水タンクの上面以外の箇所に配置され
てもよい。収納部は、複数設けられてもよく、全ての収
納部の最頂部が放水管と干渉しなければよい。収納部に
は、収納部の内部圧力を調整する手段を設けることが好
ましく、例えば圧力調整孔を設けることが好ましい。こ
うすれば、液体製剤の供給をスムーズにできる。また、
液体製剤の有効成分が揮発性（例えば芳香性）を有する
場合には、収納部に揮散孔を設けたり、その揮散孔に微
多孔膜を設けたりしてもよい。連絡部の形態も限定され
ず、例えば、収納部から水受け部の上面に沿って作用部
へと延びたものを採用できる。連絡路は、収納部及び／
又は作用部に一体的に設けられてもよい。

【０００６】以上のような構成の液体供給装置によれ
ば、収納部が作用部に対してずれた位置に配置されてい
るため、収納部が放水管と干渉しない。したがって、収
納部に対する設計上の制約がなくなり、収納部を大型化
することが可能となり、長期にわたって安定的に液体製
剤を供給することができる。

【０００７】液体製剤の形態も限定されないが、例え
ば、各種界面活性剤、香料、溶剤（水）、着色剤等を含
むものを採用でき、更に洗浄、防汚、漂白、撥水、撥
油、芳香、消臭、除菌、防黴、殺菌、忌避、防虫、殺虫
等の成分を配合することができる。作用部及び収納部の
少なくとも一方に、貯水タンクに対して液体供給装置を
位置決めする手段を設けることが好ましい。位置決め手
段として、作用部の下面に設けられて水受け部の注水孔
内に挿入される位置決め突起や位置決め棒等を例示でき
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図１に示す第１実施形態の液
体供給装置１０は、水洗トイレ用貯水タンクの上面
（蓋）９１に形成された凹状の水受け部９１ａに設置さ
れる。水受け部９１ａには、貯水タンク内に連通した注
水孔９２が設けられている。更に貯水タンクには、水受
け部９１ａの縁部から上方に立ち上げられるとともに先
端側が湾曲された略Ｊ字状の放水管９３が設けられてい
る。本実施形態では、放水管９３の先端が注水孔９２の
鉛直上方（真上）に配置されている。

【０００９】液体供給装置１０は、使用時に放水管９３
先端の鉛直下方に配置される作用部１１と、上面視にお
いて作用部１１に対してずれた位置に配置されて液体製
剤を収納した収納部１５と、収納部１５及び作用部１１
をつなぐ連絡路２０とを備えている。本実施形態では、
上面視において収納部１５が作用部１１に重ならない。

【００１０】本実施形態では、作用部１１として、樹
脂、ゴム又はスポンジ等の弾性材料から形成された中空
板状部材が用いられている。作用部１１の内部にバネを
配設することも考えられる。作用部１１の上面の、放水
管９３からの水が当たる箇所には、動作部としての当た
り（凹部）１２が設けられている。作用部１１の下面に
は、注水孔９２に挿入されて液体供給装置１０の位置決
めを行う位置決め片１３が設けられている。作用部１１
の上面と下面とをつなぐ側面には、連絡路２０の一端
（連絡路２０の側面開口）が接続されている。また、作
用部１１の側面には、内部に充填された液体製剤を外部
に押し出すための押出し孔１２ａが設けられている。押
出し孔１２ａとしては、作用部１１が弾性変形した際に
のみその押出し孔１２ａを通って液体製剤が外部に押し
出される程度の小径のものを採用できる。この押出し孔
１２ａは、作用部１１の形態によっては上面に設けるこ
とも可能である。

【００１１】本実施形態では、収納部１５として、段付
円筒状容器が用いられている。収納部１５は、その小径
部が下、その大径部が上の倒立状態となるように、連絡
路２０に接続されている。収納部１５の小径部の端部開
口は、アルミシール等のシール部材１６で塞がれてい
る。収納部１５を連絡路２０に接続した際には、連絡路
２０上面に設けられた鋭利突起状の破断部２１によっ
て、シール部材１６が破断される。すると、収納部１５
内の液体製剤が、連絡路２０の破断部２１周囲に設けら
れた開口２２を介して連絡路２０内に流入する。収納部
１５は、連絡路２０の開口２２周囲に設けられた支持片
２３によって、倒立状態のまま支持されて、連絡路２０
及び作用部１１へと継続的に液体製剤を供給する。収納
部１５は、連絡路２０及び作用部１１よりも高い位置に
あるため、連絡路２０内及び作用部１１内の液体製剤が
不足すると、収納部１５から自然に連絡部２０及び作用
部１１に液体製剤が供給される。このとき、収納部１５
の最頂部は、放水管９３先端より高い位置にあるが、収
納部１５は放水管９３に干渉しない。本実施形態では、
収納部１５の大径部の端部にも開口が設けられて、その
開口が微多孔シート１７によって塞がれている。液体製
剤中の芳香成分等が、この微多孔シート１７を通して外
部に揮散される。こうして、室内芳香効果等が得られ
る。

【００１２】本実施形態では、連絡路２０として、作用
部１１及び収納部１５とは別体のものが採用されてい
る。連絡路２０は、水受け部９１ａの上面に沿って延び
て、作用部１１と収納部１５とをつないでいる。図示し
ないが、連絡路２０は作用部１１に一体的に設けられて
もよい。

【００１３】上記作用部１１、収納部１５及び連絡路２
０は、使用時に図１のように組み立てればよく、液体供
給装置１０の流通時及び販売時には、作用部１１、収納
部（液体カートリッジ）１５及び連絡路２０をばらし
て、コンパクトに包装しておくことができる。例えば、
収納部１５のみを新しいものに交換して、作用部１１及
び連絡路２０は続けて使用してもよい。

【００１４】本実施形態の作用を説明する。放水管９３
から手洗い用の水Ｗが放水されて、水Ｗが作用部１１上
面の当たり１２を押すと、作用部１１上面が図中二点鎖
線で示すように凹む。これにより、作用部１１の内部空
間に充填された液体製剤が、作用部１１側面に設けられ
た押出し孔１２ａから押し出されて、水受け部９１ａへ
と供給される。こうして、手洗い用の水Ｗに有効成分を
含んだ液体製剤が供給されて、水Ｗと液体製剤との混合
液が、注水孔９２を介して貯水タンク内に注がれる。

【００１５】以上のような構成の液体供給装置１０によ
れば、収納部１５が作用部１１に対して偏心した位置に
配置されているため、収納部１５が放水管９３と干渉し
ない。したがって、収納部１５を大型化でき、長期にわ
たって安定的に液体製剤を供給することができる。

【００１６】図２に示す第２実施形態の液体供給装置３
０は、使用時に放水管９３の下方に配置される作用部３
１が中空円盤状に形成されている。作用部３１の上面中
央部には凹部３１ａが形成され、その凹部３１ａの底面
に、動作部としての当たり（凸部）３２が形成されてい
る。凹部３１ａのまわりの作用部３１の上面の一部に、
収納部３５を倒立状態で装着するための装着開口が設け
られている。この装着開口に、収納部３５の大径部を嵌
合することができる。つまり本実施形態では、上面視に
おいて、収納部３５が作用部３１に重なっているが、収
納部３５は動作部である当たり３２には重なっていな
い。上面視において、当たり３２は収納部３５から露呈
している。作用部３１の側面には、押出し孔３２ａが設
けられている。本実施形態では、作用部３１が連絡路の
機能も兼ねている。こうすることで、部品点数を減らし
ている。作用部３１の下面には、位置決め片３３が設け
られている。

【００１７】図３に示す第３実施形態の液体供給装置５
０は、収納部５５に連絡路５５ａが一体的に設けられて
いる。こうすることで、部品点数を減らしている。本実
施形態では、収納部５５の上部開口に、芳香ゲル剤を充
填（含浸）した蓋５７が設けられている。これにより、
トイレ内等における高い芳香効果を得ることができる。
収納部５５内には、予め液体製剤が充填されてもよい
が、固形の除溶性芳香洗浄剤を収納部５５内に入れて、
収納部５５に水を注いで蓋５７をして使用してもよい。
固形の除溶性芳香洗浄剤は、収納部５５に入れる代わり
に、貯水タンク内に投入してもよい。本実施形態は、オ
ンタンク式であるが、インタンク式的な使い方もできる
ものである。

【００１８】なお、本発明は、前述した実施形態に限定
されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能であ
る。例えば、放水管からの水が作用部に直接当たらなく
てもよい。放水管からの水が水受け部を流れた後、注水
孔を介して貯水タンク内に注がれる前に作用部に当たれ
ばよい。動作部として、単なる凹部や凸部の代わりに、
アクチュエータを駆動するなどのスイッチを採用しても
よい。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
収納部が作用部に対してずれた位置に配置されているた
め、収納部を大型化することが可能となり、長期にわた
って安定的に液体製剤を供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施形態を示す概略断面図であ
る。

【図２】本発明の第２実施形態を示す概略断面図であ
る。

【図３】本発明の第３実施形態を示す概略断面図であ
る。

【符号の説明】

１０，３０，５０ 液体供給装置 １１，３１，５１ 作用部 １２，３２，５２ 当たり（動作部） １２ａ，３２ａ，５２ａ 押出し孔（供給孔） １５，３５，５５ 収納部 ２０ 連絡部 ９３ 放水管 Ｗ 水

【手続補正書】

【提出日】平成１３年４月１９日（２００１．４．１
９）

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図３

【補正方法】変更

【補正内容】

【図３】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貯水タンクの上面に設けられた水受け部
   に放水する放水管からの水に、有効成分を含有する液体
   製剤を供給する液体供給装置において、 使用時に前記水受け部の前記放水管先端の下方に配置さ
   れて前記水に前記液体製剤を供給すべく作用する作用部
   と、上面視において前記作用部に対してずれた位置に配
   置されて前記液体製剤を収納した収納部と、前記収納部
   及び前記作用部をつなぐ連絡路とを備えたことを特徴と
   する液体供給装置。