JP2002302890A - 抄紙機の制御方法とその装置 - Google Patents

抄紙機の制御方法とその装置

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JP2002302890A JP2001106038A JP2001106038A JP2002302890A JP 2002302890 A JP2002302890 A JP 2002302890A JP 2001106038 A JP2001106038 A JP 2001106038A JP 2001106038 A JP2001106038 A JP 2001106038A JP 2002302890 A JP2002302890 A JP 2002302890A
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和弘 石崎
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健司 高尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抄替え後のドライヤ入口におけるウェブ水分率
の初期値を正確に予測し、抄替え時のドライヤ蒸気圧制
御を正確かつ短時間で行うようにする。 【解決手段】抄替え後の蒸気圧設定値の予測シミュレー
ションで、抄替え前後の絶乾坪量の差の割合と抄速の差
の割合からシミュレーションの水分率初期値を求め、ま
たサイズの流量と濃度からサイズの絶乾塗工量を求め
て、この塗工量からサイズプレス後のドライヤ入口ウェ
ブ水分率を演算するようにした。水分率が正確に求めら
れるのでドライヤの制御が正確にできて製品の品質が向
上し、また抄替え時間が短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抄紙機において
ドライヤパート入口におけるウェブの水分率を推定し
て、その推定値を基にドライヤの蒸気圧を推定してドラ
イヤを制御する抄紙機の制御方法およびその装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図7に代表的な抄紙機の構成を示す。こ
の図において、パルプ原料はストックインレット81か
らワイヤパート82に吐出される。ワイヤパート82は
回転するロール821によって矢印Aの方向に移動させ
られる。ワイヤパート82に吐出されたパルプ原料は濾
水されてウェブ(紙)が形成され、プレスパート83に
運ばれ、更に搾水される。
【0003】プレスパート83で搾水されたウェブはプ
レドライヤ84に運ばれる。プレドライヤ84には多数
の蒸気ドラム841が配置され、その中に導かれる蒸気
によって加熱されている。ウェブはこの蒸気ドラムに巻
き付きながら順次送られ、その間に所定の水分率になる
まで乾燥させられる。
【0004】乾燥したウェブはサイズプレス85でサイ
ズ(塗工剤)塗布などのサイズ処理を受けた後、アフタ
ドライヤ86で更に乾燥させられ、87に示すように製
品として巻き取られる。なお、アフタドライヤ86はプ
レドライヤ84と同様の構造を有している。
【0005】88,89はBM計であり、それぞれプレ
ドライヤ84、アフタドライヤ86を出た直後のウェブ
の坪量,水分率などを検出する。この検出された値は図
示しない制御装置に入力される。この制御装置は製品が
予め決められた仕様値になるように、ワイヤパート82
に吐出するパルプ原料の吐出量、あるいはプレドライヤ
84およびアフタドライヤ86の蒸気ドラムに導く蒸気
量、および抄速などを制御する。また、異なる製品を連
続して生産する抄替え制御も一般的に行われている。
【0006】抄替え制御においては、新たな製品に切り
替える途中である抄替え時間中に得られる製品は規格外
の損紙になるので、操業効率を高めるためにはこの抄替
え時間をできるだけ短くしなければならない。この課題
を解決するために、特許第3094798号明細書にお
いて、シミュレーションによって抄替え後の蒸気圧設定
値を予測する方法の発明が記載されている。以下、この
発明の概要を説明する。
【0007】特許第3094798号明細書に記載され
た発明では、プレドライヤ84およびアフタドライヤ8
6の蒸気ドラムを平面に簡略化したアイロンモデルを用
いて、蒸気ドラム、ウェブおよび蒸気ドラムにエンドレ
スに巻き付けられたキャンバス間の接触の状態を5つの
パターンに分類して各パターンの熱伝達微分方程式を導
き、この方程式を差分方程式に変換してこの差分方程式
を解くことにより抄替え後の蒸気圧設定値を予測してい
る。
【0008】蒸気ドラム、ウェブ、キャンバスがこの順
に接触しているパターンの熱伝達微分方程式は、下記
(5)〜(7)式のように表される。
【0009】
【数9】
【0010】ここにおいて,上記(5)〜(7)式の各
パラメータの意味を以下に示す。 L:ドラム厚さ(m) L:ウェブ厚さ(m) L:キャンバス厚さ(m) T:ドラム内蒸気温度(℃) T:ドラム表面温度(℃) T:ウェブ(紙)温度(℃) T:キャンバス温度(℃) T:フード内空気乾球温度(℃) C:ドラム比熱 (kJ/(kg・℃)) C:ウェブ(紙)比熱 (kJ/(kg・℃)) C:キャンバス比熱 (kJ/(kg・℃)) ρ:ドラム密度 (kg/m) ρ:ウェブ(紙)密度 (kg/m) ρ:キャンバス密度 (kg/m) h:ドラム内蒸気とドラム表面との間の熱伝達率 (kJ
/(m2・sec・℃)) hDW:ドラム表面とウェブとの間の熱伝達率 (kJ/(m
2・sec・℃)) hWC:ウェブ表面とキャンバスとの間の熱伝達率 (kJ
/(m2・sec・℃)) h:キャンバスとフード内空気との間の熱伝達率 (kJ
/(m2・sec・℃)) 図8に、これらの各パラメータをまとめた表を示す。
【0011】前記(6)式中のEvapo(T, T )は水分
蒸発によってウェブから奪われる気化熱量を表す関数で
あり、下記(8)式で表わされる。
【0012】
【数10】
【0013】特許第3094798号明細書に記載され
た発明には上記以外の接触パターンにおける熱伝達微分
方程式も与えられているが、煩雑になるので省略する。
前記(5)〜(7)式の微分方程式は、抄速と蒸気ドラ
ムの円周長などで決まる時間幅Δtで時刻を差分化して
差分方程式を導き、この差分方程式の数値解を求める。
時刻が進むとウェブは抄紙機の上流側から下流側に移動
していくので、差分方程式の数値解から蒸気ドラムにお
けるウェブの温度を計算することができる。
【0014】前記(8)式から、ウェブからの単位面
積、単位時間当たりの蒸発水分量であるEvapoMP(T
) (H2Okg/(m2・sec))は、下記(9)式で表すことが
できる。
【0015】
【数11】
【0016】この式を用いると、刻み時間幅Δt経過後
のウェブの絶対水分率MPABS(j)(j = 1, ・・・・・・,
N)は下記(10)式で計算することができる。
【0017】
【数12】
【0018】この絶対水分率から(相対)水分率MP
(j) (j=1, ・・・・・・・・・ N)(%)は、下記(11)式で計算
することができる。
【0019】
【数13】
【0020】図9に、前記(5)〜(11)式を用いて
定常状態におけるシュミレーションのアルゴリズムを表
すフローチャートを示す。最初に現状の操業状態、すな
わち現在の抄速(m/min)、坪量設定値(g/m2)、水分率設
定値(%)を取り込む。次に、抄速と蒸気ドラムの円周長
などから、差分計算の刻み時間幅Δtを決定し、現状の
ドライヤの蒸気圧の設定値から、飽和蒸気圧曲線を用い
てドラム内の蒸気温度T(j) (j=1, ・・・・・・・, N)を計
算する。なお、Nは分割メッシュの数である。
【0021】続いて、前記(5)〜(11)式およびそ
れから導かれる差分方程式を用いて、ドラム温度T
(j) (j=1, ・・・・・・, N)、ウェブ温度T(j) (j=1, ・・
・・・・, N)、キャンバス温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)お
よびウェブ最終水分率MP(j) (j=1, ・・・・・・, N)を計算
する。そして、最終シリンダでのウェブ相対水分率MP
(N)と水分計による実測値MPMEASUREの収束判
定を行う。すなわち、MP(N)とMPMEASURE
差の絶対値が所定の値EPより小さいと収束したとす
る。
【0022】収束していないと乾燥速度係数KをΔKだ
け補正して、再度ドラム温度、ウェブ温度、キャンバス
温度、ウェブ相対水分率を計算する。また、収束する
と、乾燥速度係数K、ドラム温度T(j)、ウェブ温度
(j)、キャンバス温度T(j)およびウェブ相対水分
率MP(j)の値をそのときの値に確定し、定常状態シュ
ミレーションを終了する。
【0023】尚、プレドライヤパートとアフタドライヤ
パートからなるドライヤパートの場合、アフタドライヤ
パート出口の水分率を最終水分率として計算してもよい
が、プレドライヤパートとアフタドライヤパートのそれ
ぞれの出口の水分率を最終水分率としてもよい。後者の
場合、収束計算はそれぞれのドライヤパートに関して行
うことになる。
【0024】以上説明した定常状態シュミレーション
で、最終シリンダにおける絶対水分率が実測値に近くな
るように、乾燥速度係数Kが調整される。次に、抄替え
後の操業状態における最適な蒸気圧設定値の予測を、蒸
気圧予測シュミレーションにより行う。この蒸気圧予測
シュミレーションを、図10のフローチャートに基づい
て説明する。
【0025】図10において、最初に抄替え後の操業状
態、すなわち抄速(m/min)、坪量設定値(g/m2)、水分率
設定値(%)を取り込む。続いて、抄速およびドラムの円
周長等に基づいて差分計算の元になる刻み時間幅Δtを
決定する。そして、現在のドライヤ蒸気圧設定値P(kP
a)により、飽和蒸気圧曲線を用いてドラム内蒸気温度T
(j) (j=1, ・・・・・・, N)を計算する。Nは分割メッシュ
の数である。
【0026】次に、定常状態シュミレーションで決定し
た乾燥速度係数Kの値を用い、更に差分方程式の初期値
として、プレドライヤパート入口のウェブ水分率値とし
て、例えば定常状態シミュレーションで用いた抄替え前
の値を用い、前記(5)〜(11)式およびその差分方
程式により数値計算を行って、ドラム温度T(j) (j=
1, ・・・・・・, N)、ウェブ温度T(j) (j=1, ・・・・・・,
N)、キャンバス温度T(j) (j=1, ・・・・・・, N)およびウ
ェブ水分率MP(j) (j=1, ・・・・・・, N)を計算する。
【0027】そして、最終シリンダにおけるウェブ水分
率MP(N)の値と抄替え後の水分率設定値とを比較し
て、定常状態シミュレーションと同じ方法で収束判定を
行う。収束していないとドライヤ蒸気圧設定値Pを一定
値ΔPだけ補正して再度ドラム温度、ウェブ温度、キャ
ンバス温度、ウェブ相対水分率を計算する。収束してい
ると、そのときのこれらの値を確定し、蒸気圧予測シミ
ュレーションを終了する。
【0028】また、このような抄紙機では、安定した製
品を生産するためには、製品の乾燥過程の制御が重要な
要素になる。特にアフタドライヤ86における乾燥は製
品の品質に直結するので重要である。そのためには、そ
の入り口での製品の水分率を正確に把握する必要があ
る。
【0029】従来、アフタドライヤ86入り口における
製品の水分率は、サイズプレス85の前に設置されてい
るBM計88の測定値を用いて例えば下記(12)式を
用いて計算していた。なお、この式における絶対水分率
は製品であるウェブの絶乾重量に対する水分重量の比率
のことであり、「数1」等の式で用いている水分率とは
異なる表現法である。
【0030】
【数14】
【0031】プレドライヤ84の出口の絶対水分率abs
MPPREENDはプレドライヤ84における定常状態
のシミュレーションの解として求められる。しかし、サ
イズプレス85において濃度5〜10%程度のサイズが
塗布されるので、その分を補正しなければならない。
【0032】すなわち、前記(12)式の右辺分子の第
1項のBDPRE×absMPPREE NDはプレドライ
ヤ84の出口での単位面積当たりの水分重量(g/
)を表し、第2項のCW・(100−S)/Sは単
位面積当たりに塗布されたサイズに含まれる水分重量
(g/m)を表している。これら2項の和がアフタド
ライヤ86入り口における製品の単位面積当たりに含ま
れる水分量であるから、この値をBM計89で測定され
た絶乾坪量BDAFTで割ることによって求められるこ
とは、容易に理解できる。
【0033】なお、サイズの絶乾塗工量CWはBM計8
8と89で測定された絶乾坪量の測定値の差分として、
下記(13)式で求めた値を用いている。 CW=BDAFT―BDPRE ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (13)
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな抄紙機におけるドライヤ入り口のウェブ水分率の計
算方法および抄替え後の蒸気圧予測シミュレーションに
は、次のような課題があった。
【0034】図10の蒸気圧予測シミュレーションで
は、水分率の初期値MP(1)は例えば抄替前と同一の水
分率値を用い、水分率計からの入力値や、50%等の固
定値を用いたりしていた。しかし、抄替え前後で坪量や
抄速などの操業状態が変化した場合、ワイヤ状に原料が
残る割合であるワイヤリテンションや循環白水の濃度、
あるいはワイヤパートおける搾水能力等が変化するの
で、ドライヤ入り口での水分率(通常40〜60%)も
変化することがわかっている。
【0035】また、坪量が大きくなると抄速一定の場
合、ドライヤ入り口における水分率が大きくなることが
経験的に知られている。例えば、坪量が10g/m
化すると水分率は1〜2%変化する。ドライヤ入り口で
の水分率が1%変化すると、図9の蒸気圧予測シュミレ
ーションでは予測値に10kPa程度の差が生じる。その
ため、ドライヤ入り口での水分率を抄替え前と同一にし
た場合では、蒸気圧の予測値が抄替え後の望ましい蒸気
圧設定値に対して無視できない偏差をもってしまうとい
う課題もあった。
【0036】また、前記(12)式からわかるように、
水分率の計算にはプレドライヤ84出口における絶乾坪
量BDPREを用いているので、サイズプレス85前に
設置されているBM計88が存在しない抄紙機では、こ
の式によって水分率を計算することができないという課
題があった。
【0037】更に、たとえBM計88が設置されていて
も、前記(12)式、(13)式によって水分率を計算
する場合は、この計器の測定精度に起因する水分率の計
算誤差が大きくなるという課題があった。すなわち、
(12)式、(13)式を用いた計算方法には計算誤差
が大きいという問題がある。このことを具体例を用いて
説明する。
【0038】今、各測定値および測定値から計算した水
分率が下記のようであったとする。 BDPRE=100.0(g/m) BDAFT=102.0(g/m) CW=2.0(g/m) S=8% absMPPREEND=0.02 これらの値を前記(12)式に代入すると、 BDPRE×absMPPREEND=100×0.02
=2.0 CW・(100−S)/S=2×11.5=23.0 absMPAFTIN=(23.0+2.0)/102.
0=0.245 が得られる。
【0039】一方、各測定器の測定精度は、おおむね次
のようになる。 坪量計精度=±0.15(g/m) 水分計精度=±0.1(%) これらの値から、絶乾坪量精度、絶乾塗工量精度は下記
のように計算できる。
【0040】
【数15】
【0041】この計算値から、サイズの単位面積当たり
の塗工量とアフタドライヤ86入り口の水分率の誤差は
次のようになる。
【0042】
【数16】
【0043】すなわち、測定器の精度によってΔabsM
AFTIN/absMPAFTIN=0.028/0.
245=11.4%程度の誤差が生じる。絶乾塗工量は
4つの測定器の測定値から演算されるために誤差が大き
く、更にサイズに含まれる水分量を計算すると、サイズ
の濃度の逆数倍(約10倍)に誤差が増大する。その結
果、上記のように大きな誤差が発生する。そのため、正
確な制御をする事が困難であるという課題もあった。
【0044】このように、ドライヤ入り口の水分率を正
確に予測することは、抄紙機の制御に重要な意味を持つ
ことは明らかである。
【0045】従って本発明が解決しようとする課題は、
ドライヤ入り口におけるウェブの水分率を正確に見積も
って、良好な制御ができ、かつ抄替え時間を短縮するこ
とができる抄紙機の制御方法およびその装置を提供する
ことにある。
【0046】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明のうち請求項1及び2記載の発明は、
蒸気ドラム、ウェブおよびキャンバス間に成立する熱伝
達方程式を差分化した差分方程式を解くことにより抄替
え後のドライヤ蒸気圧を予測して、この予測値を抄替え
後のドライヤ蒸気圧設定値とする抄紙機の制御方法にお
いて、差分方程式を解く際に、抄替え後のドライヤパー
ト入り口(プレドライヤーパート入口)のウェブ水分率
の初期値を下式に基づいて演算するようにしたものであ
る。予測値を正確に求めることができ、抄替え時間を短
縮できる。なお、この式における水分率はウェブの全重
量に対する水分重量の比率を表しており、相対水分率と
も言う。 ウェブ水分率の初期値=MPNowInit+A・(BD
BD)/BD+A・(V−V)/V BD,BD:抄替え前、抄替え後の絶乾坪量(設定
値) V,V:抄替え前、抄替え後の抄速(設定値) A、A、MPNowInit:定数(パラメータ)
【0047】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、パラメータA、A、MPNowInitを操業
状態に応じて調整するようにしたものである。種々の操
業状態に対応させることができる。
【0048】請求項4及び5記載の発明は、現在の操業
状態を取り込み、差分計算の刻み時間幅の決定を行う初
期設定部と、水分率演算部と、シミュレーションによっ
て乾燥速度係数を求める乾燥速度係数演算部と、これら
各部の出力が入力され、蒸気ドラム、ウェブおよびキャ
ンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程
式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測す
る蒸気圧予測部と、この蒸気圧予測部の出力が入力され
る制御部とを具備し、水分率演算部で下式に基づいて前
記蒸気圧予測部が差分方程式を解く際に用いるドライヤ
入り口の水分率の初期値を演算し、また制御部は蒸気圧
予測部が出力する蒸気圧予測値を抄替え後の蒸気圧設定
値として抄紙機を制御するようにしたものである。予測
値を正確に求めることができ、抄替え時間を短縮するこ
とができる。 ウェブ水分率の初期値=MPNowInit+A・(BD
BD)/BD+A・(V−V)/V BD,BD:抄替え前、抄替え後の絶乾坪量(設定
値) V,V:抄替え前、抄替え後の抄速(設定値) A、A:MPNowInit:定数(パラメータ)
【0049】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、パラメータA、A、MPNowInitを操業
状態に応じて調整するようにしたものである。種々の操
業状態に対応させることができる。
【0050】請求項7および8記載の発明は、サイズの
絶乾塗工量を下式に基づいて演算し、この絶乾塗工量か
らウェブの水分率を求め、これによりドライヤを制御す
るようにしたものである。アフタドライヤ前のBM計か
ら水分率を入力することが不要となり、アフタードライ
ヤパート出口の水分率のみを実測して収束計算するよう
にすれば、アフタードライヤパート前のBM計が設置さ
れていなくても容易にドライヤを制御でき、また計器の
誤差の影響を受けない。 サイズの絶乾塗工量=A・(F×S×W)/(V×d) F:サイズの流量 S:サイズの濃度 W:サイズの比重 V:抄速 d:ウェブの幅 A:定数
【0051】請求項9記載の発明は、請求項8記載の発
明において、ドライヤ入り口の水分率を下式で求めるよ
うにしたものである。正確に水分率を求めることができ
る。 アフタドライヤパート入り口の絶対水分率=(absMo+
CW・(100−S)/S)/BDAFT absMo:サイズ塗布前のウェブの単位面積あたりの水分
量 CW:サイズの絶乾塗工量 S:サイズの濃度(%) BDAFT:ドライヤ出口における絶乾坪量
【0052】請求項10記載の発明は、サイズを塗布す
る前のウェブを製造するウェブ製造部と、このウェブを
乾燥させるプレドライヤパートと、該ウェブにサイズを
塗布するサイズ塗布部と、このサイズが塗布されたウェ
ブを乾燥するアフタドライヤパートと、サイズが塗布さ
れたウェブの水分率を演算する水分率演算部と、この水
分率演算部の出力が入力され、前記ドライヤを制御する
制御部とを具備し、水分率演算部は下記(14)式から
サイズの絶乾塗工量を演算し、かつ下記(15)式から
サイズ塗布後のアフタドライヤパート入口のウェブ水分
率を演算するようにしたものである。正確に水分率を求
めることができる。 CW=A・(F×S×W)/(V×d)・・・・・・ (14) アフタドライヤパート入り口のウェブ水分率=(absMo+CW・(100−S) /S)/BDAFT ・・・・・・ (15) CW:サイズの絶乾塗工量 F:サイズの流量 S:サイズの濃度(%) W:サイズの比重 V:抄速 d:ウェブの幅 A:定数 absMo:サイズ塗布前のウェブの単位面積あたりの水分
量 BDAFT:プレドライヤ出口における絶乾坪量
【0053】請求項11および12記載の発明は、抄替
え後のサイズの絶乾塗工量を下式に基づいて演算し、こ
の塗工量から抄替え後のドライヤの蒸気圧設定値を決定
するようにしたものである。抄替え後の水分率を正確に
見積もることができ、抄替え時間を短縮できる。 抄替え後の絶乾塗工量予測値=CW*=CW・S
CW*:抄替え後の絶乾塗工量 CW:抄替え前の絶乾塗工量 S:抄替え前のサイズの濃度 S :抄替え後のサイズの濃度設定値
【0054】請求項13記載の発明は、請求項11およ
び12記載の発明において、抄替え後のドライヤ入り口
の絶対水分率を下式で求めるようにしたものである。水
分率を正確に見積もることができ、抄替え時間を短縮す
ることができる。 抄替え後のドライヤ入り口絶対水分率=(absMo+CW
・(100−S )/S )/BDAFT absMo:サイズ塗布前のウェブの単位面積あたりの水分
量 CW:抄替え後のサイズの絶乾塗工量予測値 BDAFT:ドライヤ出口の絶乾坪量の設定値 S :抄替え後のサイズの濃度設定値(%)
【0055】請求項14記載の発明は、サイズを塗布す
る前のウェブを製造するウェブ製造部と、このウェブ製
造部で製造されたウェブを乾燥させるプレドライヤパー
トと、該ウェブにサイズを塗布するサイズ塗布部と、こ
のサイズが塗布されたウェブを乾燥するアフタドライヤ
と、抄替え後のウェブの水分率を予測する水分率予測部
と、この水分率予測部の出力が入力され、ドライヤを制
御する制御部とを具備し、水分率予測部は下記(16)
式から抄替え後のサイズの絶乾塗工量を演算し、かつ下
記(17)式から抄替え後のサイズが塗布された後のア
フタドライヤパート入口のウェブ水分率を予測するよう
にしたものである。抄替え後の水分率を正確に予測で
き、抄替え時間を短縮できる。 CW=CW・S /S ・・・・・・ (16) 抄替え後のアフタドライヤパート入り口絶対水分率 =(absMo+CW*・(100−S )/S )・BDAFT ・・・・・・ (17) CW:抄替え後の絶乾塗工量予測値 S:抄替え前のサイズの濃度 S :抄替え後のサイズの濃度設定値 absMo:サイズ塗布前のウェブの単位面積あたりの水分
量 BDAFT:ドライヤ出口の絶乾坪量の設定値
【0056】請求項15記載の発明は、請求項9または
請求項13記載の発明において、サイズの流量および濃
度として、測定値の移動平均値を用いたるようにしたも
のである。流量計や濃度計の短周期の変動や測定誤差を
抑えることができる。
【0057】請求項16記載の発明は、請求項7、請求
項8、請求項9、請求項11、請求項12、請求項13
記載の内のいずれかの発明において、サイズの流量およ
び濃度として、測定値の移動平均値を用いるようにした
ものである。流量計や濃度計の短周期の変動や測定誤差
を抑えることができる。
【0058】請求項17記載の発明は、蒸気ドライヤの
蒸気ドラムにキャンバスと共にウエブを巻き付けてウエ
ブを乾燥させる抄紙機で、抄替え時に該ウエブの水分率
を所定の設定値に向かって変更するため、抄替え後の各
蒸気ドラムへの蒸気圧力を予測して制御する抄紙機の制
御方法であって、前記蒸気ドラム、前記キャンバスおよ
び前記ウエブの相互間に熱平衡式を導入して該熱平衡式
を差分方程式に書き直し、検出器により、少なくともド
ライヤ蒸気圧力、ウェブ坪量、抄速、ドライヤパート出
口のウェブ水分率値の各値を取り込み、更に、前記差分
方程式に、アフタドライヤパート入り口ウェブ水分率の
初期値として請求項9の式を用いた値を与えると共に、
その他の初期値も与え、ウェブの移動分に対応する所定
の時間間隔で該差分方程式を繰り返し解き、算出した最
終水分率値が検出器により取り込んだ実際の測定値に所
定の許容範囲内で一致するまで繰り返すことより、前記
ウエブの乾燥速度係数と、ドライヤパート内の移動方向
に沿う定常状態ウエブ水分率推移パターンとを求め、更
に抄き替え時に、抄替後の操業プロセス値として、少な
くともウェブ設定坪量、設定抄速、ドライヤパート出口
ウェブ設定水分率値の各値を取り込み、前記差分方程式
に、ドライヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として
前記請求項2および/または請求項13に記載の方法に
よって求めた値を与えると共に、前記ドライヤパート出
口ウエブ設定水分率値に、算出したウエブ最終水分率値
を所定の許容範囲内で一致させるべく、前記各蒸気ドラ
ムへの蒸気圧力を変動させて、前記差分方程式を、ウェ
ブの移動分に対応する所定の時間間隔で繰り返し解き、
ウェブの移動方向に沿う各蒸気ドラムへの蒸気圧力のパ
ターンを求め、実際の抄替時に、該蒸気圧力のパターン
に一致させるべく各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変更する
ことを特徴とする抄替機の制御方法である。
【0059】本発明において、前記差分方程式に、ドラ
イヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として前記請求
項2および/または請求項13に記載の方法によって求
めた値を与える場合、プレドライヤパート入り口につい
ては前記請求項2の方法を用い、アフタドライヤパート
入り口については前記請求項9の方法を用いるが、いず
れか一方のみを用いても構わない。
【0060】請求項18記載の発明は、蒸気ドライヤの
蒸気ドラムにキャンバスと共にウエブを巻き付けてウエ
ブを乾燥させる抄紙機で、抄替え時に該ウエブの水分率
を所定の設定値に向かって変更するため、抄替え後の各
蒸気ドラムへの蒸気圧力を予測して制御する抄紙機の制
御装置であって、前記蒸気ドラム、前記キャンバスおよ
び前記ウエブの相互間に熱平衡式を導入して該熱平衡式
を差分方程式として記憶する記憶手段と、、少なくとも
ドライヤ蒸気圧力、ウェブ坪量、抄速、ドライヤパート
出口のウェブ水分率値の各値を取り込む検出手段と、前
記差分方程式に、アフタドライヤパート入り口ウェブ水
分率の初期値として請求項9の式を用いた値を与えると
共に、その他の初期値も与え、ウェブの移動分に対応す
る所定の時間間隔で該差分方程式を繰り返し解き、算出
した最終水分率値が検出器により取り込んだ実際の測定
値に所定の許容範囲内で一致するまで繰り返すことよ
り、前記ウエブの乾燥速度係数と、ドライヤパート内の
移動方向に沿う定常状態ウエブ水分率推移パターンとを
求める計算手段と、更に抄き替え時に、抄替後の操業プ
ロセス値として、少なくともウェブ設定坪量、設定抄
速、ドライヤパート出口ウェブ設定水分率値の各値を取
り込み設定する設定手段と、前記差分方程式に、ドライ
ヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として前記請求項
5および/または請求項14に記載の手段によって求め
た値を与える入力手段と、前記ドライヤパート出口ウェ
ブ設定水分率値に、算出したウェブ最終水分率値を所定
の許容範囲内で一致させるべく、前記各蒸気ドラムへの
蒸気圧力を変動させて、前記差分方程式を、ウェブの移
動分に対応する所定の時間間隔で繰り返し解き、ウェブ
の移動方向に沿って各蒸気ドラムへの蒸気圧力のパター
ンを求める計算手段と、実際の抄替時に、各蒸気ドラム
への蒸気圧力を前記蒸気圧力のパターンに一致させるべ
く変更していく変更手段を備えていることを特徴とする
抄替機の制御装置である。
【0061】本発明において、前記差分方程式に、ドラ
イヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として前記請求
項2および/または請求項13に記載の方法によって求
めた値を与える場合、プレドライヤパート入り口につい
ては前記請求項2の方法を用い、アフタドライヤパート
入り口については前記請求項9の方法を用いるが、いず
れか一方のみを用いても構わない。
【0062】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を本発明の一実施
例に沿って詳細に説明する。まず、プレドライヤパート
において抄替後の蒸気圧設定値を求める方法を、図9と
図1を用いて説明する。最初に定常状態シミュレーショ
ンを図9に示す従来技術と同様に行って、乾燥速度係数K
を決定する。次に抄替後の蒸気圧を予測するが、前述し
たように、従来の抄替え後の蒸気圧予測シミュレーショ
ンでは、ドライヤパート入り口の水分率MP(1)として
抄替え前の値(50%等)を用いていたが、そのために
蒸気圧の予測値に誤差が生じるという課題があった。そ
のため、図1フローチャートの蒸気圧予測シミュレーシ
ョンにおいて、熱伝達微分方程式に基づく差分方程式を
解く数値演算で、ウェブ相対水分率の初期値MP(1)で
あるドライヤパート入り口(プレドライヤパート入口)
水分率を下記(18)式で計算するようにする。
【0063】
【数17】
【0064】MPNowInitは図9の定常状態シミュレーシ
ョンで用いるドライヤパート入り口水分率の初期値でも
あり、水分率計が設置されているときにはその測定値を
用いてもよく、水分率計がない場合は運転状態に応じた
固定値などを用いればよい。例えば水分率計からの入力
値(50%等)を用いる。また、AおよびAはチュ
ーニングパラメータであり、操業状態によって調整す
る。A=A=0とすると、図10の従来例と同じに
なる。また、MPNowInitもチューニングパラメータとし
て用いることもできる。
【0065】この(18)式により演算した例を示す。
=8.7、A=1.0に設定し、BD=100
(g/m2)、BD=125(g/m2)、V=750(m/mi
n)、V=600(m/min)としたときに、(18)式を
用いて演算すると、 MPNextInit=50+8.7×25/100+1.0×
(−150)/750=52.0% になり、抄替後の初期値として、抄替前の定常状態シミ
ュレーションの初期値50%を用いた場合と比較して2
%の差が生じていることがわかる。
【0066】図1に、上記(18)式を用いた抄替え後
の蒸気圧予測シミュレーションのフローチャートを示
す。図1において、最初に抄速等の操業状態を読み込
み、ついで抄速、ドラム円周長などから刻み時間幅を決
定する。この部分は、図10従来例と同じである。次
に、前記(18)式を用いてMPNextInitを演算し、それ
をドライヤ入り口水分率の初期値MP(1)に代入する。そ
れから、ドラム温度、ウェブ温度、キャンバス温度、ウ
ェブ水分率を演算し、ウェブ最終水分率値MP(N)が収
束しているかを調べて、収束していないと蒸気圧設定値
を補正して再度ドラム温度などの演算を実行する。この
部分も、図10従来例と同じである。この蒸気圧設定値
を抄替え後のドライヤの蒸気圧設定値として用いて抄紙
機を制御するようにする。
【0067】図3に、図1フローチャートの蒸気圧設定
値の予測方法を含む制御方法を実現する抄紙機の制御装
置の構成を示す。図3において、11は現在の操業状態
を読み込み、また刻み時間幅Δtを決定する初期設定部
である。12は前記(18)式に基づいて水分率の初期
値を演算する水分率演算部である。13は図9フローチ
ャートに基づいてシミュレーションにより乾燥速度係数
を求める乾燥速度係数演算部である。
【0068】14はこれら初期設定部11,相対水分率
演算部12,乾燥速度係数演算部13の出力が入力さ
れ、図1フローチャートのアルゴリズム中のループ演算
を行って抄替え後の蒸気圧を予測する蒸気圧予測部であ
る。15は蒸気圧予測部14で予測された蒸気圧を抄替
え後のドライヤの蒸気圧設定値として抄紙機を制御する
制御部である。16は,制御対象であるドライヤであ
る。このようにして、抄替え時間を短縮できる抄紙機の
制御装置を実現できる。
【0069】次に、アフタドライヤにおいて抄替後の蒸
気圧設定値を求める方法を説明する。最初に図9を用い
て定常状態シミュレーションを説明する。請求項9の式
「数4」の変形である前記(12)式によって定常状態
におけるアフタドライヤ入り口絶対水分率absMP
AFTINを計算する。ここで、absMPPREEND
は、プレドライヤの定常状態のシミュレーションより求
められる。また、サイズの絶乾塗工量CWを下記(1
9)式により求めるようにする。
【0070】
【数18】
【0071】この(19)式の分子はサイズの流量と濃
度と比重の積であり、1分間に使用されるサイズの絶乾
重量を表している。単位はg/分である。濃度Sの単位
は%なので、100で割ることによって割合に変換して
いる。また、比重Wの単位はkg/Lなので、1000
倍することによってg(グラム)に変換している。
【0072】また、前記(19)式の分母は抄速と製品
である紙の幅の積であり、1分間当たりのサイズが転写
される紙の面積を表している。単位はm/分である。
従って、この式により紙の単位面積当たりに転写される
サイズの重量、すなわちサイズの絶乾塗工量CWを求め
ることができる。
【0073】なお、サイズの流量Fおよび濃度Sはそれ
ぞれ流量計、濃度計で測定されるが、応答が早いダイナ
ミックな制御に用いるわけではないので、5分間程度の
十分長い時間の移動平均を取った値を用いるようにして
いる。そのため、これらの測定値に短い周期の変動や測
定誤差があっても、その影響を最小限にすることができ
る。
【0074】このアフタドライヤ入り口絶対水分率abs
MPAFTIN から、図9における差分方程式の数値
解を求める演算における、ウェブ水分率の初期値MP
(1)を、(11)式のように計算する。これにより、
図9のようにアフタドライヤパートにおける乾燥速度係
数Kが決定される。BM計が、サイズプレス前にも設置
されている場合には、プレドライヤとアフタドライヤで
別々に収束計算を行う。サイズプレス前のBM計が設置
されていない場合には、アフタドライヤのみで収束計算
を行う。
【0075】図4に、前記(19)式を用いた抄紙機の
制御装置の構成を示す。この図において、21はサイズ
が塗布される前のウェブを製造するウェブ製造部であ
る。22はこのウェブ製造部21で製造されたウェブに
サイズを塗布するサイズ塗布部である。23はサイズが
塗布されたウェブを乾燥させるドライヤである。24は
水分率演算部であり、前記(19)式および(12)式
に基づいてサイズが塗布されたウェブの水分率を演算す
る。25は制御部であり、水分率演算部24が演算・出
力した水分率を入力し、この水分率に基づいてドライヤ
23を制御する。
【0076】次に、図2に示す銘柄変更時(抄替え時)
のアフタドライヤの蒸気圧予測シミュレーションについ
て考察する。一般に銘柄変更時には抄速が変化する。サ
イズプレスにおけるサイズの転写量は抄速に比例するの
で、抄速が変化するとサイズの流量も抄速に比例する。
従って、下記(20)式が成立する。
【0077】
【数19】
【0078】従って、銘柄変更前後で抄速がVからV
に、サイズの濃度がSからSに変化したとすると、銘
柄変更前後のサイズの絶乾塗工量CW、CWは下記
(21)式によって計算することができる。
【0079】
【数20】
【0080】この(21)式から、サイズの濃度の設定
値が銘柄毎に与えられている場合に、銘柄変更後の絶乾
塗工量は下記(22)式によって予測することができ
る。
【0081】
【数21】
【0082】すなわち、銘柄変更前に銘柄変更後の絶乾
塗工量を知ることができる。前述したように、銘柄変更
後のプレドライヤ出口の絶対水分率absMP
PREEND*はシュミレーションによって求めること
ができ、またプレドライヤ出口の絶乾坪量はアフタドラ
イヤ出口の絶乾坪量からサイズの絶乾塗工量を引いた値
であるので、銘柄変更前に銘柄変更後のアフタドライヤ
入り口の絶対水分率absMPAFTIN* を下記(2
3)式によって推定することができる。
【0083】
【数22】
【0084】この銘柄変更後のアフタドライヤの絶対水
分率absMPAFTIN*を用いて、銘柄変更後のアフタ
ドライヤ蒸気圧の予測値を演算する方法を、図2を用い
て説明する。図2において、最初に、銘柄変更前の定常
状態におけるドライヤ各セクションの蒸気圧設定値と、
銘柄変更後の抄速等の操業状態を読み込む。ついて抄
速、ドラム円周長などから刻み時間幅を決定する。この
部分は、図10従来例と同じである。次に、前記(2
3)式を用いてabsMPAFTIN*を演算し、それをド
ライヤ入り口水分率の初期値MP(1)に代入する。それ
から、ドラム温度、ウェブ温度、キャンバス温度、ウェ
ブ相対水分率を演算し、ウェブ最終水分率値MP(N)が収
束しているか調べて、収束していないと蒸気圧設定値を
補正して再度ドラム温度などの演算を実行する。この部
分も、図10従来例と同じである。この蒸気圧設定値を
抄替後のドライヤの蒸気圧設定値として用いて抄紙機を
制御するようにする。
【0085】抄替前の蒸気圧設定値から、上記抄替後の
蒸気圧設定値に変更する変更方法は、先願の特許第30
94798号明細書の方法によってもよいし,別の方法
によってもよい。
【0086】図5に、銘柄変更時の制御を行う抄紙機の
制御装置の構成を示す。この図において、31はサイズ
を塗布する前のウェブを製造するウェブ製造部である。
32はウェブ製造部31で製造されたウェブにサイズを
塗布するサイズ塗布部である。33はサイズが塗布され
たウェブを乾燥させるドライヤである。34は前記(2
2)式および(12)式から銘柄変更後のウェブの水分
率を予測する水分率予測部である。35は水分率予測部
34の出力が入力され、ドライヤ33を制御する制御部
である。制御部35は銘柄変更後に水分率予測部34の
出力に基づいてドライヤ33を制御する。
【0087】図6に、サイズの塗工制御装置の構成を示
す。この図において、4は濃度制御部であり、ストレー
ジタンク5に貯蔵されている濃度が一定のサイズと希釈
水を混合して、任意の濃度のサイズを作成する。濃度が
一定値C(=10%)のサイズの流量は流量計46で検
出され、比率設定器41に入力される。この比率設定器
41にはまた希釈水の比率が銘柄毎に手動で入力され
る。比率設定器41は設定された希釈水比率になるよう
に、バルブ42を制御する。希釈水の流量は流量計43
で測定される。濃度一定のサイズと希釈水はロータリー
スクリーン61で混合され、サプライタンク62に貯蔵
される。
【0088】サプライタンク62に貯蔵されたサイズは
サイズプレス7内のコータ71に注入され、ロール72
に転写されて更に製品であるウェブ(紙)73に再転写
される。サプライタンク62の液位は液面計63で測定
され、その測定値はバルブ制御器44に入力される。バ
ルブ制御器44はバルブ45を制御して、サプライタン
ク62の液位を一定値に保つようにする。
【0089】コータ71における転写率は一定なので、
サイズの流量は抄速に比例して変化する。ストレージタ
ンク5から供給されるサイズの給液流量をA(L/min)、
比率設定器41に設定される比率をrとすると、コータ
71に供給されるサイズの流量F(L/min)は、 F=(1+r)・A になる。また、サイズの濃度Sと希釈水の比率rとの間
には、下式の関係がある。
【0090】
【数23】
【0091】従って、前記(19)式から絶乾塗工量C
Wが演算でき、また前記(22)式から抄替え後の絶乾
塗工量を求めることができる。また、これらの結果とプ
レドライヤ乾燥状態のシミュレーションによるプレドラ
イヤ出口水分率の計算結果から、前記(12)式により
抄替え前のアフタドライヤ入り口の水分率を計算するこ
とができる。更に、(12)式のCWに(22)式のC
を代入すると、抄替え後の水分率を求めることが
できる。
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明によれば、次の効果が期待できる。 請求項1〜
6記載の発明によれば、蒸気ドラム、ウェブおよびキャ
ンバス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程
式を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測し
て、この予測値を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定値とす
る抄紙機の制御方法において、差分方程式を解く際に、
ドライヤパート入り口(プレドライヤパート入口)の相
対水分率の初期値を所定の式に基づいて演算するように
した。
【0092】そのため、抄替え後のドライヤ蒸気圧の予
測値として、実際の蒸気圧設定値により近い値を得るこ
とができる。従って、抄替え後の蒸気圧設定値をこの予
測値とすることによって抄替え時間を短くすることがで
き、損紙の削減、生産性の向上を図ることができるとい
う効果がある。
【0093】また、抄替え後のウェブ温度、水分率など
ドライヤ内の乾燥状態をより精度よく予測できるので、
操業上有利な情報をオペレータに与えることができると
いう効果もある。
【0094】また、パラメータA、A、MPNowInit
を操業状態に応じて調整するようにした。種々の抄紙機
や操業状態に対応することができるので、より汎用性が
高くなるという効果がある。また、パラメータをチュー
ニングすることにより、より効果を高めることができ
る。
【0095】請求項7〜14記載の発明によれば、サイ
ズの絶乾塗工量を所定の式に基づいて演算し、この絶乾
塗工量からアフタードライヤパートウェブの水分率を予
測し、これによりドライヤを制御するようにした。
【0096】BM計がサイズプレス前に設置されていな
くとも精度の良い塗工量の計算が可能となり、アフタド
ライヤパート出口の水分率のみを実測して収束計算する
ようにすれば、容易にドライヤを制御できるという効果
がある。また、計器の誤差に影響されず、正確な塗工量
を求めることができるので、ドライヤの制御をより正確
に行うことができ、製品の品質を高めることができると
いう効果もある。
【0097】更に、BM計が設置されていない場合、操
業監視や定常制御に用いることもできるという効果もあ
る。
【0098】また、BM計を少なくすることができれ
ば、装置を簡単かつ安価に製作することができるという
効果がある。
【0099】また、抄替え後の水分率を正確に見積もる
ことができ、抄替え時間を短縮することができる。その
ため、損紙が少なくなり、生産性を高めることができる
という効果がある。
【0100】請求項15,16記載の発明によれば、サ
イズの流量および濃度として、測定値の移動平均値を用
いるようにした。流量計や濃度計の短周期の変動や測定
誤差を抑えることができるので、より正確に水分率を見
積もることができるという効果がある。また、安価な流
量計や濃度計を用いることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すフローチャートであ
る。
【図2】本発明の一実施例を示すフローチャートであ
る。
【図3】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す構成図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す構成図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す構成図である。
【図7】一般的な抄紙機の構成図である。
【図8】熱伝達方程式のパラメータをまとめた表であ
る。
【図9】従来の定常状態シミュレーションを示すフロー
チャートである。
【図10】従来の蒸気圧予測シミュレーションを示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
11 初期設定部 12 水分率演算部 13 乾燥速度係数演算部 14 蒸気圧予測部 16 ドライヤ 15,25,35 制御部 21,31 ウェブ製造部 22,32 サイズ塗布部 23,33 ドライヤ 24 水分率演算部 34 水分率予測部 4 濃度制御部 5 ストレージタンク 62 サプライタンク 7 サイズプレス 71 コータ 72 ロール 73 ウェブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 孝生 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内 (72)発明者 森 芳立 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 (72)発明者 石崎 和弘 鳥取県米子市吉岡373番地 王子製紙株式 会社米子工場内 (72)発明者 高尾 健司 鳥取県米子市吉岡373番地 王子製紙株式 会社米子工場内 (72)発明者 清水 博文 愛知県春日井市王子町1番地 王子製紙株 式会社春日井工場内 Fターム(参考) 4L055 BD06 BD07 BE08 CF01 CF50 DA09 DA12 DA13 DA14 DA16 DA17 FA22 FA30

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸気ドラム、ウェブおよびキャンバス間に
    成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式を解くこ
    とにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測して、この予
    測したドライヤ蒸気圧を抄替え後のドライヤ蒸気圧設定
    値とする抄紙機の制御方法において、前記差分方程式を
    解く際に、抄替え後のドライヤパート入り口のウェブ水
    分率の初期値を絶乾坪量の変更量と抄速の変更量に基づ
    いて演算するようにしたことを特徴とする抄紙機の制御
    方法。
  2. 【請求項2】抄替え後のドライヤパート入り口のウェブ
    水分率の初期値は下式により求めることを特徴とする請
    求項1記載の抄紙機の制御方法。 【数1】
  3. 【請求項3】パラメータであるA、A、MPNowInit
    を操業状態に応じて調整するようにしたことを特徴とす
    る請求項2記載の抄紙機の制御方法。
  4. 【請求項4】現在の操業状態を取り込み、また抄速、蒸
    気ドラムの円周長などから差分計算の刻み時間幅を求め
    る初期設定部と、水分率演算部と、シミュレーションに
    よって乾燥速度係数を求める乾燥速度係数演算部と、こ
    れら初期設定部と水分率演算部および乾燥速度係数演算
    部の出力が入力され、蒸気ドラム、ウェブおよびキャン
    バス間に成立する熱伝達方程式を差分化した差分方程式
    を解くことにより抄替え後のドライヤ蒸気圧を予測する
    蒸気圧予測部と、この蒸気圧予測部の出力が入力される
    制御部とを有し、前記水分率演算部は、絶乾坪量の変更
    量と抄速の変更量に基づいて前記蒸気圧予測部が差分方
    程式を解く際に用いる抄替え後のドライヤパート入り口
    の水分率の初期値を演算し、前記制御部は前記蒸気圧予
    測部が出力する蒸気圧予測値を抄替え後の蒸気圧設定値
    として抄紙機を制御するようにしたことを特徴とする抄
    紙機の制御装置。
  5. 【請求項5】抄替え後のドライヤパート入り口ウェブ水
    分率の初期値は下式により求めることを特徴とする請求
    項4記載の抄紙機の制御装置。 【数2】
  6. 【請求項6】パラメータであるA、A、MPNowInit
    を操業状態に応じて調整するようにしたことを特徴とす
    る請求項5記載の抄紙機の制御装置。
  7. 【請求項7】パルプ原料をワイヤパートに吐出してワイ
    ヤーパート等で水分を除去し、ウェブを形成し、プレド
    ライヤパートで乾燥し、サイズを塗布した後に更にアフ
    タードライヤパートで乾燥して製品にする抄紙機の制御
    方法において、サイズの絶乾塗工量をサイズ流量,サイ
    ズ濃度,サイズ比重,抄速,ウェブ幅から演算して求
    め、この絶乾塗工量からアフタードライヤパート入り口
    のウェブの水分率を求め、これにより前記ドライヤを制
    御するようにしたことを特徴とする抄紙機の制御方法。
  8. 【請求項8】サイズの絶乾塗工量を下式に基づいて演算
    し、この絶乾塗工量からサイズプレス後のアフタードラ
    イヤパート入口のウェブの水分率を求め、これにより前
    記ドライヤを制御するようにしたことを特徴とする請求
    項7記載の抄紙機の制御方法。 【数3】サイズの絶乾塗工量=CW=A・(F×S×
    W)/(V×d) F:サイズの流量 S:サイズの濃度 W:サイズの比重 V:抄速 d:ウェブの幅 A:定数
  9. 【請求項9】サイズプレス後のアフタドライヤパート入
    り口の絶対水分率(絶乾坪量に対する水分率)を下式で
    求めるようにしたことを特徴とする請求項8記載の抄紙
    機の制御方法。 【数4】アフタドライヤパート入り口のウェブ絶対水分
    率={absMo+CW・(100−S)/S}/BD
    AFT ここで、 absMo:サイズ塗布前のウェブの単位面積あたりの水分
    量(シミュレーションによる計算値) BDAFT:プレドライヤパート出口の絶乾坪量 CW:サイズの絶乾塗工量 S:サイズの濃度(%)
  10. 【請求項10】サイズを塗布する前のウェブを製造する
    ウェブ製造部と、このウェブ製造部で製造されたウェブ
    を乾燥させるプレドライヤパートと、該ウェブにサイズ
    を塗布するサイズ塗布部と、このサイズが塗布されたウ
    ェブを乾燥するアフタードライヤパートと、サイズが塗
    布されたウェブの水分率を演算する水分率演算部と、こ
    の水分率演算部の出力が入力され、前記ドライヤを制御
    する制御部とを有し、前記水分率演算部は下記(1)式
    からサイズの絶乾塗工量を演算し、かつ下記(2)式に
    基づいてサイズ塗布後のアフタードライヤパート入口の
    ウェブの絶対水分率を演算するようにしたことを特徴と
    する抄紙機の制御装置。 【数5】
  11. 【請求項11】パルプ原料をワイヤパートに吐出してワ
    イヤーパート等で水分を除去してウェブを形成し、プレ
    ドライヤパートで乾燥し、サイズを塗布した後にアフタ
    ドライヤパートで乾燥して製品にする抄紙機の制御方法
    において、抄替え後のサイズの絶乾塗工量予測値を抄替
    え前のサイズの絶乾塗工量と抄替え前のサイズ濃度と抄
    替え後のサイズ濃度設定値に基づいて演算し、この塗工
    量予測値から抄替え後のアフタドライヤパート入り口に
    おけるウェブの水分率の予測値を決定するようにしたこ
    とを特徴とする抄紙機の制御方法。
  12. 【請求項12】抄替え後のサイズの絶乾塗工量予測値は
    下式により求めることを特徴とする請求項11記載の抄
    紙機の制御方法。 【数6】
  13. 【請求項13】抄替え後のドライヤ入り口における水分
    率を下式で求めるようにしたことを特徴とする請求項1
    2記載の抄紙機の制御方法。 【数7】抄替え後のドライヤ入り口絶対水分率={absM
    o+CW・(100−S )/S }/BD
    AFT ここで、 absMo:サイズ塗布前のウェブの単位面積あたりの水分
    量(シミュレーションによる計算値) CW:抄替え後のサイズの絶乾塗工量予測値 BDAFT:ドライヤ出口の絶乾坪量の設定値 S :抄替え後のサイズの濃度設定値
  14. 【請求項14】サイズを塗布する前のウェブを製造する
    ウェブ製造部と、このウェブ製造部で製造されたウェブ
    を乾燥させるプレドライヤパートと、該ウェブにサイズ
    を塗布するサイズ塗布部と、このサイズが塗布されたウ
    ェブを乾燥するアフタドライヤパートと、抄替え後のウ
    ェブの水分率を予測する水分率予測部と、この水分率予
    測部の出力が入力され、前記ドライヤを制御する制御部
    とを有し、前記水分率予測部は下記(3)式から抄替え
    後のサイズの絶乾塗工量を演算し、かつ下記(4)式に
    基づいて抄替え後のサイズが塗布された後のアフタドラ
    イヤパート入口のウェブ水分率を予測するようにしたこ
    とを特徴とする抄紙機の制御装置。 【数8】
  15. 【請求項15】サイズの流量および濃度として、各測定
    値の移動平均値を用いたことを特徴とする請求項10ま
    たは請求項14記載の抄紙機の制御装置。
  16. 【請求項16】サイズの流量および濃度として、各測定
    値の移動平均値を用いたことを特徴とする請求項7、請
    求項8、請求項9、請求項11、請求項12、請求項1
    3の内のいずれかに記載の抄紙機の制御方法。
  17. 【請求項17】蒸気ドライヤの蒸気ドラムにキャンバス
    と共にウエブを巻き付けてウエブを乾燥させる抄紙機
    で、抄替え時に該ウエブの水分率を所定の設定値に向か
    って変更するため、抄替え後の各蒸気ドラムへの蒸気圧
    力を予測して制御する抄紙機の制御方法であって、前記
    蒸気ドラム、前記キャンバスおよび前記ウエブの相互間
    に熱平衡式を導入して該熱平衡式を差分方程式に書き直
    し、検出器により、少なくともドライヤ蒸気圧力、ウェ
    ブ坪量、抄速、ドライヤパート出口のウェブ水分率値の
    各値を取り込み、更に、前記差分方程式に、アフタドラ
    イヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として請求項9
    の式を用いた値を与えると共に、その他の初期値も与
    え、ウェブの移動分に対応する所定の時間間隔で該差分
    方程式を繰り返し解き、算出した最終水分率値が検出器
    により取り込んだ実際の測定値に所定の許容範囲内で一
    致するまで繰り返すことより、前記ウエブの乾燥速度係
    数と、ドライヤパート内の移動方向に沿う定常状態ウエ
    ブ水分率推移パターンとを求め、更に抄き替え時に、抄
    替後の操業プロセス値として、少なくともウェブ設定坪
    量、設定抄速、ドライヤパート出口ウェブ設定水分率値
    の各値を取り込み、前記差分方程式に、ドライヤパート
    入り口ウェブ水分率の初期値として前記請求項2および
    /または請求項13に記載の方法によって求めた値を与
    えると共に、前記ドライヤパート出口ウエブ設定水分率
    値に、算出したウエブ最終水分率値を所定の許容範囲内
    で一致させるべく、前記各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変
    動させて、前記差分方程式を、ウェブの移動分に対応す
    る所定の時間間隔で繰り返し解き、ウェブの移動方向に
    沿う各蒸気ドラムへの蒸気圧力のパターンを求め、 実際の抄替時に、該蒸気圧力のパターンに一致させるべ
    く各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変更することを特徴とす
    る抄替機の制御方法。
  18. 【請求項18】蒸気ドライヤの蒸気ドラムにキャンバス
    と共にウエブを巻き付けてウエブを乾燥させる抄紙機
    で、抄替え時に該ウエブの水分率を所定の設定値に向か
    って変更するため、抄替え後の各蒸気ドラムへの蒸気圧
    力を予測して制御する抄紙機の制御装置であって、前記
    蒸気ドラム、前記キャンバスおよび前記ウエブの相互間
    に熱平衡式を導入して該熱平衡式を差分方程式として記
    憶する記憶手段と、少なくともドライヤ蒸気圧力、ウェ
    ブ坪量、抄速、ドライヤパート出口のウェブ水分率値の
    各値を取り込む検出手段と、前記差分方程式に、アフタ
    ドライヤパート入り口ウェブ水分率の初期値として請求
    項9の式を用いた値を与えると共に、その他の初期値も
    与え、ウェブの移動分に対応する所定の時間間隔で該差
    分方程式を繰り返し解き、算出した最終水分率値が検出
    器により取り込んだ実際の測定値に所定の許容範囲内で
    一致するまで繰り返すことより、前記ウエブの乾燥速度
    係数と、ドライヤパート内の移動方向に沿う定常状態ウ
    エブ水分率推移パターンとを求める計算手段と、更に抄
    き替え時に、抄替後の操業プロセス値として、少なくと
    もウェブ設定坪量、設定抄速、ドライヤパート出口ウェ
    ブ設定水分率値の各値を取り込み設定する設定手段と、
    前記差分方程式に、ドライヤパート入り口ウェブ水分率
    の初期値として前記請求項5および/または請求項14
    に記載の手段によって求めた値を与える入力手段と、前
    記ドライヤパート出口ウェブ設定水分率値に、算出した
    ウェブ最終水分率値を所定の許容範囲内で一致させるべ
    く、前記各蒸気ドラムへの蒸気圧力を変動させて、前記
    差分方程式を、ウェブの移動分に対応する所定の時間間
    隔で繰り返し解き、ウェブの移動方向に沿って各蒸気ド
    ラムへの蒸気圧力のパターンを求める計算手段と、 実際の抄替時に、各蒸気ドラムへの蒸気圧力を前記蒸気
    圧力のパターンに一致させるべく変更していく変更手段
    と、を備えていることを特徴とする抄替機の制御装置。
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