JP2002302857A - 空気浄化フィルタおよび空気浄化装置 - Google Patents
空気浄化フィルタおよび空気浄化装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸着剤を基材に担持する際に、バインダーが
吸着表面を覆ってしまうことによる除去性能低下を防止
する。 【解決手段】 セラミック２および熱可塑性樹脂３を有
する繊維からなるフィルタ基材１と、吸着剤４を備え、
吸着剤４に熱可塑性樹脂が融着することでフィルタ基材
１に吸着剤４を担持させているので、バインダーのよる
除去性能低下が防止できる。
吸着表面を覆ってしまうことによる除去性能低下を防止
する。 【解決手段】 セラミック２および熱可塑性樹脂３を有
する繊維からなるフィルタ基材１と、吸着剤４を備え、
吸着剤４に熱可塑性樹脂が融着することでフィルタ基材
１に吸着剤４を担持させているので、バインダーのよる
除去性能低下が防止できる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、トイレ、ペット、
タバコ、調理、体臭等の臭いを除去する空気浄化フィル
タおよび空気浄化装置に関するものである。
タバコ、調理、体臭等の臭いを除去する空気浄化フィル
タおよび空気浄化装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】空気浄化フィルタとしては、活性炭等の
吸着剤粒子がフィルタ基材に充填されたものや、活性炭
等から構成されるハニカム構造体が一般的に使用されて
いる。
吸着剤粒子がフィルタ基材に充填されたものや、活性炭
等から構成されるハニカム構造体が一般的に使用されて
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような吸着剤粒子が充填されたフィルタでは、吸着剤粒
子をフィルタ内に密に充填させることが困難であり、吸
着剤の粗密の差が大きくなり、そのため接触効率が悪
く、ガス状物質の除去効率が悪かった。一方、ハニカム
構造体のフィルタを用いた場合には、接触面積が大きく
とれることから接触効率が良く、上記の課題を解決する
もので、除去性能も優れている。
ような吸着剤粒子が充填されたフィルタでは、吸着剤粒
子をフィルタ内に密に充填させることが困難であり、吸
着剤の粗密の差が大きくなり、そのため接触効率が悪
く、ガス状物質の除去効率が悪かった。一方、ハニカム
構造体のフィルタを用いた場合には、接触面積が大きく
とれることから接触効率が良く、上記の課題を解決する
もので、除去性能も優れている。
【０００４】しかしながら、吸着剤のハニカム構造体を
作成する方法としては、吸着剤とバインダーを混煉し、
押し出し成形により作成する方法と、吸着剤とバインダ
ーの混合溶液をハニカム構造体基材に塗布、乾燥して作
成する方法があるが、どちらの場合にもバインダーを用
いることから、このバインダーが吸着剤の吸着表面を覆
ってしまい、除去性能を低下させてしまうことが問題で
あった。
作成する方法としては、吸着剤とバインダーを混煉し、
押し出し成形により作成する方法と、吸着剤とバインダ
ーの混合溶液をハニカム構造体基材に塗布、乾燥して作
成する方法があるが、どちらの場合にもバインダーを用
いることから、このバインダーが吸着剤の吸着表面を覆
ってしまい、除去性能を低下させてしまうことが問題で
あった。
【０００５】本発明は、上記従来の問題点を解決し、バ
インダーを用いることなく吸着剤を担持し、除去効率の
良い空気浄化フィルタおよび空気浄化装置を提供するこ
とを目的とする。
インダーを用いることなく吸着剤を担持し、除去効率の
良い空気浄化フィルタおよび空気浄化装置を提供するこ
とを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために本発明は、セラミックおよび熱可塑性樹脂を有
する繊維からなるフィルタ基材と、吸着剤を備え、前記
吸着剤に前記熱可塑性樹脂が融着することでフィルタ基
材に吸着剤を担持させていることにより、バインダーを
用いる必要がないので、除去効率の良い空気浄化フィル
タを提供することができる。
るために本発明は、セラミックおよび熱可塑性樹脂を有
する繊維からなるフィルタ基材と、吸着剤を備え、前記
吸着剤に前記熱可塑性樹脂が融着することでフィルタ基
材に吸着剤を担持させていることにより、バインダーを
用いる必要がないので、除去効率の良い空気浄化フィル
タを提供することができる。
【０００７】
【発明の実施の形態】本発明の請求項１記載の発明は、
セラミックおよび熱可塑性樹脂を有する繊維からなるフ
ィルタ基材と、吸着剤を備え、前記吸着剤に前記熱可塑
性樹脂が融着している空気浄化フィルタであり、バイン
ダーを加えることなく吸着剤をフィルタ基材に担持させ
ることができるので、除去効率の良い空気浄化フィルタ
を提供することができる。
セラミックおよび熱可塑性樹脂を有する繊維からなるフ
ィルタ基材と、吸着剤を備え、前記吸着剤に前記熱可塑
性樹脂が融着している空気浄化フィルタであり、バイン
ダーを加えることなく吸着剤をフィルタ基材に担持させ
ることができるので、除去効率の良い空気浄化フィルタ
を提供することができる。
【０００８】本発明の請求項２記載の発明は、特に請求
項１記載のセラミック繊維の表面に熱可塑性樹脂を配し
てなるものであり、熱可塑性樹脂が表面にあることか
ら、吸着剤との融着を効率良く行うことができる。ま
た、融着のための加熱時においても、セラミック部分が
繊維としての強度や形状を保つため、融着加熱によりフ
ィルタが目詰まりを起こすことを防ぐことができる。
項１記載のセラミック繊維の表面に熱可塑性樹脂を配し
てなるものであり、熱可塑性樹脂が表面にあることか
ら、吸着剤との融着を効率良く行うことができる。ま
た、融着のための加熱時においても、セラミック部分が
繊維としての強度や形状を保つため、融着加熱によりフ
ィルタが目詰まりを起こすことを防ぐことができる。
【０００９】本発明の請求項３記載の発明は、特に請求
項２記載のセラミック繊維が、シリカ、アルミナ、ジル
コニアの少なくとも１種であるものであり、これら物質
により、セラミック繊維としての強度と屈曲性を有する
フィルタとすることができる。
項２記載のセラミック繊維が、シリカ、アルミナ、ジル
コニアの少なくとも１種であるものであり、これら物質
により、セラミック繊維としての強度と屈曲性を有する
フィルタとすることができる。
【００１０】本発明の請求項４記載の発明は、特に請求
項１〜３のいずれか１項に記載の熱可塑性樹脂の融点が
２００℃以下であるものであり、２００℃以下に加熱す
ることで、吸着剤やセラミック繊維は変質させずに、熱
可塑性樹脂のみ融かすことができる。
項１〜３のいずれか１項に記載の熱可塑性樹脂の融点が
２００℃以下であるものであり、２００℃以下に加熱す
ることで、吸着剤やセラミック繊維は変質させずに、熱
可塑性樹脂のみ融かすことができる。
【００１１】本発明の請求項５記載の発明は、特に請求
項４記載の熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリアミド、ポリエステルのいずれか１つであ
り、これら物質であれば、繊維としての強度や屈曲性を
有し、かつ融点が２００℃以下とすることができる。
項４記載の熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリアミド、ポリエステルのいずれか１つであ
り、これら物質であれば、繊維としての強度や屈曲性を
有し、かつ融点が２００℃以下とすることができる。
【００１２】本発明の請求項６記載の発明は、特に請求
項１〜５のいずれか１項に記載の吸着剤が、活性炭、シ
リカゲル、ゼオライト、金属酸化物の少なくとも１種で
あり、これら物質は比表面積が広く、吸着性能に優れ、
また、２００℃以下の加熱ならば変質することがないも
のである。
項１〜５のいずれか１項に記載の吸着剤が、活性炭、シ
リカゲル、ゼオライト、金属酸化物の少なくとも１種で
あり、これら物質は比表面積が広く、吸着性能に優れ、
また、２００℃以下の加熱ならば変質することがないも
のである。
【００１３】本発明の請求項７記載の発明は、特に請求
項１〜６のいずれか１項に記載のフィルタがプリーツ形
状であり、これにより更に単位体積あたりの表面積が大
きくでき、除去効率が向上する。
項１〜６のいずれか１項に記載のフィルタがプリーツ形
状であり、これにより更に単位体積あたりの表面積が大
きくでき、除去効率が向上する。
【００１４】本発明の請求項８記載の発明は、汚染空気
を浄化する浄化部と、前記浄化部を収容する空気浄化装
置本体を備え、前記空気浄化装置本体には前記浄化部に
空気を導入する吸気口と、前記浄化部で浄化した空気を
排出する排出口と空気を前記吸気口から前記浄化部に導
入し前記排出口から排出する送風手段を設け、前記浄化
部に請求項１〜７のいずれか１項に記載の空気浄化フィ
ルタであるを有した空気浄化装置であり、これにより除
去性能に優れた空気浄化装置を提供することができる。
を浄化する浄化部と、前記浄化部を収容する空気浄化装
置本体を備え、前記空気浄化装置本体には前記浄化部に
空気を導入する吸気口と、前記浄化部で浄化した空気を
排出する排出口と空気を前記吸気口から前記浄化部に導
入し前記排出口から排出する送風手段を設け、前記浄化
部に請求項１〜７のいずれか１項に記載の空気浄化フィ
ルタであるを有した空気浄化装置であり、これにより除
去性能に優れた空気浄化装置を提供することができる。
【００１５】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照しながら説
明する。
明する。
【００１６】図１は本発明の各実施例における空気浄化
フィルタの構成を示す図である。１はセラミックおよび
熱可塑性樹脂を有する繊維からなるフィルタ基材、２は
セラミック繊維、３は熱可塑性樹脂であり、セラミック
繊維２の表面を熱可塑性樹脂３で覆った構成となってい
る。４は吸着剤であり、フィルタ基材１表面の熱可塑性
樹脂３の一部が融着している。
フィルタの構成を示す図である。１はセラミックおよび
熱可塑性樹脂を有する繊維からなるフィルタ基材、２は
セラミック繊維、３は熱可塑性樹脂であり、セラミック
繊維２の表面を熱可塑性樹脂３で覆った構成となってい
る。４は吸着剤であり、フィルタ基材１表面の熱可塑性
樹脂３の一部が融着している。
【００１７】以下、実施例１〜１６は、セラミック繊維
２としてシリカウールを用いて、熱可塑性樹脂３をシリ
カウール表面にコーティングしたフィルタ基材１を作製
し、更に、加熱融着により吸着剤４を担持させたもので
ある。実施例１〜１６の組成および融着温度を（表１）
に示す。
２としてシリカウールを用いて、熱可塑性樹脂３をシリ
カウール表面にコーティングしたフィルタ基材１を作製
し、更に、加熱融着により吸着剤４を担持させたもので
ある。実施例１〜１６の組成および融着温度を（表１）
に示す。
【００１８】
【表１】
【００１９】（実施例１）熱可塑性樹脂３として、融点
が１３５℃の高密度ポリエチレンを用いたシルカウール
フィルタ基材１中に、吸着剤４として、活性炭を分散さ
せ、１４０℃で加熱し、融着させた。
が１３５℃の高密度ポリエチレンを用いたシルカウール
フィルタ基材１中に、吸着剤４として、活性炭を分散さ
せ、１４０℃で加熱し、融着させた。
【００２０】（実施例２）熱可塑性樹脂３として、融点
が１３５℃の高密度ポリエチレンを用いたシルカウール
フィルタ基材１中に、吸着剤４として、シリカゲルを分
散させ、１４０℃で加熱し、融着させた。
が１３５℃の高密度ポリエチレンを用いたシルカウール
フィルタ基材１中に、吸着剤４として、シリカゲルを分
散させ、１４０℃で加熱し、融着させた。
【００２１】（実施例３）熱可塑性樹脂３として、融点
が１３５℃の高密度ポリエチレンを用いたシルカウール
フィルタ基材１中に、吸着剤４として、疎水性ゼオライ
トを分散させ、温度１４０℃で加熱し、融着させた。
が１３５℃の高密度ポリエチレンを用いたシルカウール
フィルタ基材１中に、吸着剤４として、疎水性ゼオライ
トを分散させ、温度１４０℃で加熱し、融着させた。
【００２２】（実施例４）熱可塑性樹脂３として、融点
が１３５℃の高密度ポリエチレンを用いたシルカウール
フィルタ基材１中に、吸着剤４として、二酸化マンガン
を分散させ、温度１４０℃で加熱し、融着させた。
が１３５℃の高密度ポリエチレンを用いたシルカウール
フィルタ基材１中に、吸着剤４として、二酸化マンガン
を分散させ、温度１４０℃で加熱し、融着させた。
【００２３】（実施例５）熱可塑性樹脂３として、融点
が１６５℃のポリプロピレンを用いたシルカウールフィ
ルタ基材１中に、吸着剤４として、活性炭を分散させ、
温度１７０℃で加熱し、融着させた。
が１６５℃のポリプロピレンを用いたシルカウールフィ
ルタ基材１中に、吸着剤４として、活性炭を分散させ、
温度１７０℃で加熱し、融着させた。
【００２４】（実施例６）熱可塑性樹脂３として、融点
が１６５℃のポリプロピレンを用いたシルカウールフィ
ルタ基材１中に、吸着剤４として、シリカゲルを分散さ
せ、温度１７０℃で加熱し、融着させた。
が１６５℃のポリプロピレンを用いたシルカウールフィ
ルタ基材１中に、吸着剤４として、シリカゲルを分散さ
せ、温度１７０℃で加熱し、融着させた。
【００２５】（実施例７）熱可塑性樹脂３として、融点
が１６５℃のポリプロピレンを用いたシルカウールフィ
ルタ基材１中に、吸着剤４として、疎水性ゼオライトを
分散させ、温度１７０℃で加熱し、融着させた。
が１６５℃のポリプロピレンを用いたシルカウールフィ
ルタ基材１中に、吸着剤４として、疎水性ゼオライトを
分散させ、温度１７０℃で加熱し、融着させた。
【００２６】（実施例８）熱可塑性樹脂３として、融点
が１６５℃のポリプロピレンを用いたシルカウールフィ
ルタ基材１中に、吸着剤４として、二酸化マンガンを分
散させ、温度１７０℃で加熱し、融着させた。
が１６５℃のポリプロピレンを用いたシルカウールフィ
ルタ基材１中に、吸着剤４として、二酸化マンガンを分
散させ、温度１７０℃で加熱し、融着させた。
【００２７】（実施例９）熱可塑性樹脂３として、融点
が１８３℃のポリアミドである５，７−ナイロンを用い
たシルカウールフィルタ基材１中に、吸着剤４として、
活性炭、を分散させ、温度１９０℃で加熱し、融着させ
た。
が１８３℃のポリアミドである５，７−ナイロンを用い
たシルカウールフィルタ基材１中に、吸着剤４として、
活性炭、を分散させ、温度１９０℃で加熱し、融着させ
た。
【００２８】（実施例１０）熱可塑性樹脂３として、融
点が１８３℃のポリアミドである５，７−ナイロンを用
いたシルカウールフィルタ基材１中に、吸着剤４とし
て、シリカゲルを分散させ、温度１９０℃で加熱し、融
着させた。
点が１８３℃のポリアミドである５，７−ナイロンを用
いたシルカウールフィルタ基材１中に、吸着剤４とし
て、シリカゲルを分散させ、温度１９０℃で加熱し、融
着させた。
【００２９】（実施例１１）熱可塑性樹脂３として、融
点が１８３℃のポリアミドである５，７−ナイロンを用
いたシルカウールフィルタ基材１中に、吸着剤４とし
て、疎水性ゼオライトを分散させ、温度１９０℃で加熱
し、融着させた。
点が１８３℃のポリアミドである５，７−ナイロンを用
いたシルカウールフィルタ基材１中に、吸着剤４とし
て、疎水性ゼオライトを分散させ、温度１９０℃で加熱
し、融着させた。
【００３０】（実施例１２）熱可塑性樹脂３として、融
点が１８３℃のポリアミドである５，７−ナイロンを用
いたシルカウールフィルタ基材１中に、吸着剤４とし
て、二酸化マンガンを分散させ、温度１９０℃で加熱
し、融着させた。
点が１８３℃のポリアミドである５，７−ナイロンを用
いたシルカウールフィルタ基材１中に、吸着剤４とし
て、二酸化マンガンを分散させ、温度１９０℃で加熱
し、融着させた。
【００３１】（実施例１３）熱可塑性樹脂３として、融
点が１６０℃のポリエステルであるポリヘキサメチレン
テレフタレートを用いたシルカウールフィルタ基材１中
に、吸着剤４として、活性炭を分散させ、温度１７０℃
で加熱し、融着させた。
点が１６０℃のポリエステルであるポリヘキサメチレン
テレフタレートを用いたシルカウールフィルタ基材１中
に、吸着剤４として、活性炭を分散させ、温度１７０℃
で加熱し、融着させた。
【００３２】（実施例１４）熱可塑性樹脂３として、融
点が１６０℃のポリエステルであるポリヘキサメチレン
テレフタレートを用いたシルカウールフィルタ基材１中
に、吸着剤４として、シリカゲルを分散させ、温度１７
０℃で加熱し、融着させた。
点が１６０℃のポリエステルであるポリヘキサメチレン
テレフタレートを用いたシルカウールフィルタ基材１中
に、吸着剤４として、シリカゲルを分散させ、温度１７
０℃で加熱し、融着させた。
【００３３】（実施例１５）熱可塑性樹脂３として、融
点が１６０℃のポリエステルであるポリヘキサメチレン
テレフタレートを用いたシルカウールフィルタ基材１中
に、吸着剤４として、疎水性ゼオライトを分散させ、温
度１７０℃で加熱し、融着させた。
点が１６０℃のポリエステルであるポリヘキサメチレン
テレフタレートを用いたシルカウールフィルタ基材１中
に、吸着剤４として、疎水性ゼオライトを分散させ、温
度１７０℃で加熱し、融着させた。
【００３４】（実施例１６）熱可塑性樹脂３として、融
点が１６０℃のポリエステルであるポリヘキサメチレン
テレフタレートを用いたシルカウールフィルタ基材１中
に、吸着剤４として、二酸化マンガンを分散させ、温度
１７０℃で加熱し、融着させた。
点が１６０℃のポリエステルであるポリヘキサメチレン
テレフタレートを用いたシルカウールフィルタ基材１中
に、吸着剤４として、二酸化マンガンを分散させ、温度
１７０℃で加熱し、融着させた。
【００３５】尚、上記各実施例では、吸着剤をフィルタ
基材中に分散させた後に、フィルタ全体を加熱し融着さ
せたが、吸着剤をフィルタ基材中に分散させる前に、吸
着剤のみを加熱し、フィルタ基材中に分散させても、前
記の方法と同様に融着することができる。
基材中に分散させた後に、フィルタ全体を加熱し融着さ
せたが、吸着剤をフィルタ基材中に分散させる前に、吸
着剤のみを加熱し、フィルタ基材中に分散させても、前
記の方法と同様に融着することができる。
【００３６】次に、本実施例の空気浄化フィルタの脱臭
の効果を検証するために行った実験について説明する。
本実験には、図２の示すカラムを用いて行った。図２中
で５は評価用のカラムで、この中に６の空気浄化フィル
タをセットした。６の空気浄化フィルタとして、実施例
１３の空気浄化フィルタ（５×５×１ｃｍ）２５ｍＬ
と、前記実施例１３の空気浄化フィルタと同体積のセラ
ミックのハニカム構造体に、活性炭をコロイダルシリカ
をバインダーとして加えて担持させたハニカムフィルタ
と、前記実施例１３の空気浄化フィルタと同体積のハニ
カムコアに粒状活性炭を充填した粒状体充填フィルタの
３種類を用いて、除去性能の比較を行った。標準ガスと
して、２０ｐｐｍに調整したアンモニアガスを用いて、
通気風量８．３Ｌ／分でカラムに連続通気した際の、空
気浄化フィルタ通過前と、空気浄化フィルタ通過後のア
ンモニア濃度を測定した。測定したアンモニア濃度か
ら、除去率（％）を（空気浄化フィルタ通過前の濃度）
／（空気浄化フィルタ通過後の濃度）×１００で計算し
た。除去率の経時変化を図３に示す。
の効果を検証するために行った実験について説明する。
本実験には、図２の示すカラムを用いて行った。図２中
で５は評価用のカラムで、この中に６の空気浄化フィル
タをセットした。６の空気浄化フィルタとして、実施例
１３の空気浄化フィルタ（５×５×１ｃｍ）２５ｍＬ
と、前記実施例１３の空気浄化フィルタと同体積のセラ
ミックのハニカム構造体に、活性炭をコロイダルシリカ
をバインダーとして加えて担持させたハニカムフィルタ
と、前記実施例１３の空気浄化フィルタと同体積のハニ
カムコアに粒状活性炭を充填した粒状体充填フィルタの
３種類を用いて、除去性能の比較を行った。標準ガスと
して、２０ｐｐｍに調整したアンモニアガスを用いて、
通気風量８．３Ｌ／分でカラムに連続通気した際の、空
気浄化フィルタ通過前と、空気浄化フィルタ通過後のア
ンモニア濃度を測定した。測定したアンモニア濃度か
ら、除去率（％）を（空気浄化フィルタ通過前の濃度）
／（空気浄化フィルタ通過後の濃度）×１００で計算し
た。除去率の経時変化を図３に示す。
【００３７】粒状体充填フィルタは、実施例１３の空気
浄化フィルタおよびハニカムフィルタと比較して、かな
り除去率が悪かった。これは、粒状体充填フィルタは、
直立して用いた場合には、粒状体が各コアの下側に偏っ
てしまうため、上側は疎な状態になってしまい、除去性
能が劣るのである。実施例１３の空気浄化フィルタで
は、吸着剤がフィルタ基材である繊維に融着されている
ために、このような偏りが起こらず、接触効率が良く、
除去性能が優れるものである。また、ハニカムフィルタ
と比較した場合にも、バインダーを使用していないた
め、吸着剤の吸着表面がバインダーに覆われ、吸着容量
が低下することがないので、結果として、除去率の低下
がハニカム構造体よりも緩やかとなっている。
浄化フィルタおよびハニカムフィルタと比較して、かな
り除去率が悪かった。これは、粒状体充填フィルタは、
直立して用いた場合には、粒状体が各コアの下側に偏っ
てしまうため、上側は疎な状態になってしまい、除去性
能が劣るのである。実施例１３の空気浄化フィルタで
は、吸着剤がフィルタ基材である繊維に融着されている
ために、このような偏りが起こらず、接触効率が良く、
除去性能が優れるものである。また、ハニカムフィルタ
と比較した場合にも、バインダーを使用していないた
め、吸着剤の吸着表面がバインダーに覆われ、吸着容量
が低下することがないので、結果として、除去率の低下
がハニカム構造体よりも緩やかとなっている。
【００３８】（実施例１７）次に、実施例１６の空気浄
化フィルタを組み込んだ空気浄化装置について説明す
る。本実施例の空気浄化装置の断面図を図４に示す。図
４において、７はプリーツ加工した実施例１６の空気浄
化フィルタ、８は空気浄化フィルタ７を収容する空気浄
化装置本体、９は空気浄化装置本体８の側壁に設けた汚
染空気を導入するための吸気口、１０は空気浄化装置本
体８の側壁に設けた浄化した空気を空気浄化装置本体８
から排出する排出口、１１は汚染空気を吸気口８から吸
引する送風手段のファン、１２は吸気口７から入った汚
染空気中の粒子状物質を除去するための集塵フィルタで
ある。
化フィルタを組み込んだ空気浄化装置について説明す
る。本実施例の空気浄化装置の断面図を図４に示す。図
４において、７はプリーツ加工した実施例１６の空気浄
化フィルタ、８は空気浄化フィルタ７を収容する空気浄
化装置本体、９は空気浄化装置本体８の側壁に設けた汚
染空気を導入するための吸気口、１０は空気浄化装置本
体８の側壁に設けた浄化した空気を空気浄化装置本体８
から排出する排出口、１１は汚染空気を吸気口８から吸
引する送風手段のファン、１２は吸気口７から入った汚
染空気中の粒子状物質を除去するための集塵フィルタで
ある。
【００３９】以下、このように構成された空気浄化装置
の動作について説明する。送風手段のファン１１を作動
させると、矢印で示した気流が発生し、吸気口９より吸
気された汚染空気は集塵フィルタ１２を通過し、汚染空
気中に含まれる塵等の粒子状物質は、集塵フィルタ１２
により除去される。さらに空気浄化フィルタ７を通過し
て、汚染空気中に含まれるガス状物質が、空気浄化フィ
ルタ７に含まれる吸着剤で吸着除去され、浄化される。
の動作について説明する。送風手段のファン１１を作動
させると、矢印で示した気流が発生し、吸気口９より吸
気された汚染空気は集塵フィルタ１２を通過し、汚染空
気中に含まれる塵等の粒子状物質は、集塵フィルタ１２
により除去される。さらに空気浄化フィルタ７を通過し
て、汚染空気中に含まれるガス状物質が、空気浄化フィ
ルタ７に含まれる吸着剤で吸着除去され、浄化される。
【００４０】次に本実施例の空気浄化装置の脱臭性能を
検証するために行った実験について説明する。空気浄化
装置を６ｍ3の試験ボックスの中に入れ、試験ボックス
内にアンモニア濃度が２０ｐｐｍとなるように調製し
た。送風手段のファン１１の風量を３ｍ3／分に設定
し、ボックス内のアンモニア濃度を測定した。残存率の
経時変化を図５に示す。尚、比較のためにフィルタ加工
前の空気浄化フィルタについても同様の実験を行った。
プリーツ加工をしてないフィルタに比べて、本実施例の
方が減衰が速く、プリーツ加工による表面積拡大の効果
が認められた。
検証するために行った実験について説明する。空気浄化
装置を６ｍ3の試験ボックスの中に入れ、試験ボックス
内にアンモニア濃度が２０ｐｐｍとなるように調製し
た。送風手段のファン１１の風量を３ｍ3／分に設定
し、ボックス内のアンモニア濃度を測定した。残存率の
経時変化を図５に示す。尚、比較のためにフィルタ加工
前の空気浄化フィルタについても同様の実験を行った。
プリーツ加工をしてないフィルタに比べて、本実施例の
方が減衰が速く、プリーツ加工による表面積拡大の効果
が認められた。
【００４１】上記各実施例では、セラミック繊維とし
て、シリカウールを用いたが、シリカ、アルミナ、ジル
コニアのいずれでも同様の効果が得られるものである。
て、シリカウールを用いたが、シリカ、アルミナ、ジル
コニアのいずれでも同様の効果が得られるものである。
【００４２】また、フィルタ基材は、セラミック樹脂に
熱可塑性樹脂をコーティングした後に不織布加工したも
のを用いたが、繊維を織布状に織り上げたものでも良
い。また、実施例４、８、１２、１６で金属酸化物とし
て二酸化マンガンを用いたが、マンガン、銅、コバル
ト、亜鉛、鉄、ニッケルの少なくとも一種類を含む金属
酸化物または金属の複合酸化物であれば、同様の効果を
示すものである。
熱可塑性樹脂をコーティングした後に不織布加工したも
のを用いたが、繊維を織布状に織り上げたものでも良
い。また、実施例４、８、１２、１６で金属酸化物とし
て二酸化マンガンを用いたが、マンガン、銅、コバル
ト、亜鉛、鉄、ニッケルの少なくとも一種類を含む金属
酸化物または金属の複合酸化物であれば、同様の効果を
示すものである。
【００４３】
【発明の効果】本発明の空気浄化装置によれば、バイン
ダーを用いることなく吸着剤をフィルタ基材に担持する
ことができ、ガス状物質の除去性能を向上することがで
きる。
ダーを用いることなく吸着剤をフィルタ基材に担持する
ことができ、ガス状物質の除去性能を向上することがで
きる。
【図１】本発明の実施例１〜１７の空気浄化フィルタの
構成を示す図
構成を示す図
【図２】本発明の実施例１３の空気浄化フィルタの性能
評価に用いたカラムの概要図
評価に用いたカラムの概要図
【図３】本発明の実施例１３の空気浄化フィルタを用い
た実験での除去率の経時変化を示す図
た実験での除去率の経時変化を示す図
【図４】本発明の実施例１７の空気浄化装置の実施例の
断面図
断面図
【図５】本発明の実施例１７の空気浄化装置を用いた実
験での残存率の経時変化を示す図
験での残存率の経時変化を示す図
１ フィルタ基材 ２ セラミック繊維 ３ 熱可塑性樹脂 ４ 吸着剤 ７ 空気浄化フィルタ ８ 空気浄化装置本体 ９ 吸気口 １０ 排出口 １１ 送風手段（ファン）
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｄ０６Ｍ 11/74 Ｄ０６Ｍ 15/227 11/77 15/59 11/79 101:00 11/83 15/507 Ｚ 15/227 11/00 Ｇ 15/507 15/59 // Ｄ０６Ｍ 101:00 (72)発明者 福田 祐 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 新田 浩朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 4C080 AA05 BB02 CC01 HH05 JJ06 KK08 MM02 MM03 MM06 MM26 MM27 MM28 QQ11 4G066 AA05B AA22B AA72C AC13C AC23C AC27C CA02 DA03 FA33 4L031 AA07 BA02 BA09 BA19 BA20 BA23 BA24 DA00 4L033 AA09 AC15 CA12 CA45 CA55 CA70 4L047 AA04 BC03 BC10 BC11 CA20 CB10 CC12 DA00
Claims (8)
- 【請求項１】 セラミックおよび熱可塑性樹脂を有する
繊維からなるフィルタ基材と、吸着剤を備え、前記吸着
剤に前記熱可塑性樹脂が融着している空気浄化フィル
タ。 - 【請求項２】 セラミック繊維の表面に熱可塑性樹脂を
配してなる請求項１記載の空気浄化フィルタ。 - 【請求項３】 セラミック繊維が、シリカ、アルミナ、
ジルコニアの少なくとも１種である請求項２記載の空気
浄化フィルタ。 - 【請求項４】 熱可塑性樹脂の融点が１２０℃〜２００
℃である請求項１〜３のいずれか１項記載の空気浄化フ
ィルタ。 - 【請求項５】 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリアミド、ポリエステルのいずれか１つよ
りなる請求項４に記載の空気浄化フィルタ。 - 【請求項６】 吸着剤が、活性炭、シリカゲル、ゼオラ
イト、金属酸化物の少なくとも１種である請求項１〜５
のいずれか１項に記載の空気浄化フィルタ。 - 【請求項７】 フィルタがプリーツ形状である請求項１
〜７のいずれか１項に記載の空気浄化フィルタ。 - 【請求項８】 汚染空気を浄化する浄化部と、前記浄化
部を収容する空気浄化装置本体を備え、前記空気浄化装
置本体には前記浄化部に空気を導入する吸気口と、前記
浄化部で浄化した空気を排出する排出口と、空気を前記
吸気口から前記浄化部に導入し前記排出口から排出する
送風手段を設け、前記浄化部に請求項１〜７のいずれか
１項に記載の空気浄化フィルタを有する空気浄化装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001110954A JP2002302857A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | 空気浄化フィルタおよび空気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001110954A JP2002302857A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | 空気浄化フィルタおよび空気浄化装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002302857A true JP2002302857A (ja) | 2002-10-18 |
Family
ID=18962641
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001110954A Pending JP2002302857A (ja) | 2001-04-10 | 2001-04-10 | 空気浄化フィルタおよび空気浄化装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002302857A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007283268A (ja) * | 2006-04-20 | 2007-11-01 | Daikin Ind Ltd | 機能性部材 |
| US7673757B2 (en) | 2006-02-17 | 2010-03-09 | Millipore Corporation | Adsorbent filter media for removal of biological contaminants in process liquids |
| CN107511131A (zh) * | 2017-09-04 | 2017-12-26 | 无锡普爱德环保科技有限公司 | 硅胶/分子筛复合物的制备方法 |
-
2001
- 2001-04-10 JP JP2001110954A patent/JP2002302857A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7673757B2 (en) | 2006-02-17 | 2010-03-09 | Millipore Corporation | Adsorbent filter media for removal of biological contaminants in process liquids |
| US8403153B2 (en) | 2006-02-17 | 2013-03-26 | Emd Millipore Corporation | Adsorbent filter media for removal of biological contaminants in process liquids |
| US8562875B2 (en) | 2006-02-17 | 2013-10-22 | Emd Millipore Corporation | Adsorbent filter media for removal of biological contaminants in process liquids |
| US8672144B2 (en) | 2006-02-17 | 2014-03-18 | Emd Millipore Corporation | Adsorbent filter media for removal of biological contaminants in process liquids |
| JP2007283268A (ja) * | 2006-04-20 | 2007-11-01 | Daikin Ind Ltd | 機能性部材 |
| CN107511131A (zh) * | 2017-09-04 | 2017-12-26 | 无锡普爱德环保科技有限公司 | 硅胶/分子筛复合物的制备方法 |
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