JP2002302501A - 多糖類誘導体 - Google Patents

多糖類誘導体

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JP2002302501A
JP2002302501A JP2001106540A JP2001106540A JP2002302501A JP 2002302501 A JP2002302501 A JP 2002302501A JP 2001106540 A JP2001106540 A JP 2001106540A JP 2001106540 A JP2001106540 A JP 2001106540A JP 2002302501 A JP2002302501 A JP 2002302501A
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昌生 ▲ルイ▼
Masao Rui
Tomomi Iguchi
智美 井口
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定の疎水性を有し安定性が優れており、且
つ反応性に富む官能基が導入されている多糖類誘導体を
提供する。 【解決手段】 多糖類誘導体を構成する無水単糖ユニッ
トの炭素原子に結合している化学グループに、A群(酢
酸エステル基、プロピオン酸エステル基、酪酸エステ
ル、メチルエーテル基、エチルエーテル基)から選択さ
れる化学グループが少なくとも一種含まれており、さら
にA群から選択される化学グループが結合されていない
炭素原子の内少なくとも一つがアルデヒド基、ケトン
基、またはカルボキシル基に変換されているか、少なく
とも一つがB群(アルデヒド基、ケトン基、カルボキシ
ル基、アミノ基、ハロゲン基、エポキシ基)から選択さ
れる官能基を有する化学グループの少なくとも一種と結
合する。一定の疎水性を有し安定性に優れ、膜やプラス
チック等の材料としての性質を確保しながら、従来の材
料にない性能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業材料、特に多糖
類産業材料に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースを始めとする自然界に豊富に
存在する天然多糖類を材料とする多糖類誘導体は、多く
の分野で利用されてきた。中でもセルロース誘導体の一
種である酢酸セルロースは分離膜、プラスチック、塗
料、繊維などとして、幅広く利用されている。自然に優
しい素材として、最近特に環境関連分野でも注目を集め
ている。もっとも汎用されている酢酸セルロースはアセ
チル置換度約2.4(酢化度55%)のジアセテートであ
る。分離膜としての応用は海水淡化や浄水装置用の逆浸
透膜や限外濾過膜などが挙げられる。また、過酸化水素
検出用バイオセンサの選択透過膜としても実用化されて
いる。酢酸セルロースはプラスチックの材料として可塑
剤などを添加した後、フィルム、シート、または各種の
形に成型される。最近、特定の成分を添加して生分解性
プラスチックとしても応用されている。
【0003】図1に酢酸セルロースの分子構造を示す。
無水グルコースユニットの2、3、6位の炭素に結合し
ている官能基は水酸基または酢酸エステル基である。3
つの炭素原子に結合している水酸基の内、平均して何個
が酢酸エステル基に置換されているかを示すパラメータ
ーは置換度である。例えば、置換度2.4は、3つの炭素
原子に結合している水酸基の内、平均して2.4個が酢酸
エステル基に置換されており、水酸基が0.6個であるこ
とを意味する。グルコースユニット内における酢酸エス
テル置換基の位置分布はその製造方法によって異なる
が、工業的に製造されている市販品は大凡均一な分布を
有している。酢酸セルロースは置換度が高いほど、疎水
性が増大する。化学式からも分かるように、酢酸セルロ
ースに含まれている反応性のもっとも高い官能基は水酸
基であり、水酸基は自然界に近いマイルドな条件(中性
pH、室温)ではほとんど反応性を示さない。この反応性
の低さは疎水性とともに材料としての安定性をもたら
し、今日の広範囲にわたる利用につながる原因のひとつ
になっている。しかしながら、上記反応性の低さはまた
酢酸セルロースの利用範囲を制限する側面がある。例え
ば、酢酸セルロースを主原料とする生分解性プラスチッ
クは、色んな添加剤による改良にも係わらず、自然界に
おける分解速度が、ポリ乳酸などを材料とする他の材料
に比べてかなり遅い。また、過酸化水素選択透過膜とし
てバイオセンサに利用される場合、電極や酵素膜などと
の親和性が低いという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状を鑑み本発
明は、疎水性で安定性が優れており、且つ反応性に富む
官能基が導入されている多糖類誘導体を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1の多糖類誘導体は、無水単糖ユニットの炭素原子に
結合している化学グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル(-OCOCH2C2H5)メ
チルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基(-OC
2H5)から選択される化学グループが、少なくとも一種
含まれており、さらに、前記A群から選択される化学グ
ループが結合されていない炭素原子の内、少なくとも一
つがアルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)またはカ
ルボキシル基(-COOH)に変換されている無水単糖ユニ
ットが含まれていることを特徴とする。
【0006】上記課題を解決する請求項2の多糖類誘導
体は、無水単糖ユニットの炭素原子に結合している化学
グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル(-OCOCH2C2H5)メ
チルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基(-OC
2H5)から選択される化学グループおよび B群:アルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)、カル
ボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NR2、R:水素または
アルキル基)、ハロゲン基(-Cl、-Br、-I)、エポキシ
基から選択される官能基を有する化学グループが、少な
くともそれぞれ一種含まれている無水単糖ユニットが含
まれていることを特徴とする。
【0007】上記課題を解決する請求項3の多糖類誘導
体は、請求項1または2に記載の多糖類がセルロースで
あることを特徴とする。自然界にもっとも豊富に存在す
る多糖類であるセルロースはコストが安く入手しやすい
ので、本発明による多糖類誘導体のベース材料として好
ましい。
【0008】上記課題を解決する請求項4の多糖類誘導
体は、請求項3において、前記A群から選択される化学
グループが酢酸エステル基であることを特徴とする。酢
酸エステル基が導入されているセルロース誘導体は生産
コストが低い上、広い応用範囲が期待される。
【0009】上記課題を解決する請求項5の多糖類誘導
体は、請求項4において、前記酢酸エステル基の含量
は、単位無水グルコースユニット当たり1.4〜2.6個の範
囲にあることを特徴とするので、生体触媒の固定化担体
から、プラスチックの原料まで、幅広い応用が期待され
る。
【0010】上記課題を解決する請求項6の多糖類誘導
体は、請求項5において、前記酢酸エステル基の含量
は、単位無水グルコースユニット当たり1.8〜2.4の範囲
にあることを特徴とするので、特に選択透過膜を始めと
する分離膜への利用が適している。
【0011】上記課題を解決する請求項7の多糖類誘導
体は、請求項1において、前記A群から選択される化学
グループが酢酸エステル基であり、酢酸エステル基が結
合していない炭素原子の内、少なくとも一つがアルデヒ
ド基(-CHO)に変換されている単糖ユニットが含まれて
いることを特徴とする。アルデヒド基が常温常圧などの
マイルドな環境下でも高い反応性を示すので、特に反応
性が要求される使用目的に適している。
【0012】上記課題を解決する請求項8の多糖類誘導
体は、開環されている単糖ユニットが含まれていること
を特徴とするので、開環されている単糖ユニットが含ま
れていないものに比べてより多くの反応性官能基が導入
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面などを用いて本発明をさ
らに詳細に説明する。本発明において、多糖類誘導体の
ベースとなる多糖類の基本構成単位は無水ヘキソースユ
ニットである。図2に無水ヘキソースユニットが無水グ
ルコースの場合の化学構造式を例示する。本発明による
多糖類誘導体のベースとなる多糖類として、セルロー
ス、アミロース、アミロペクチン、デキストラン、アル
ギン酸、キチン、キトサンなどが挙げられる。中でも材
料資源の豊富さと取り扱い易さから、セルロースがもっ
とも好ましい。セルロースは図2のAに示す無水グルコ
ースがβ1−4グルコシド結合で連なった繊維状高分子
であり、2、3、6位の炭素に水酸基が結合している。
図2のBはデキストランを構成する単糖ユニットであ
り、水酸基は全部無水グルコースユニット環に結合して
いることが特徴である。
【0014】まず、本発明による多糖類誘導体の化学構
造的特徴を説明する。多糖類誘導体を構成する無水単糖
ユニットの炭素に結合している化学グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル(-OCOCH2C2H5)メ
チルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基(-OC
2H5)から選択される化学グループが、少なくとも一種
含まれている。
【0015】さらに、前記A群から選択される化学グル
ープが結合されていない炭素原子の内、少なくとも一つ
がアルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)またはカル
ボキシル基(-COOH)に変換されている単糖ユニットが
含まれていること、または前記A群から選択される化学
グループが結合されていない炭素原子の内、少なくとも
一つが B群:アルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)、アミ
ノ基(-NR1R2、R:水素またはアルキル基)、カルボキ
シル基(-COOH)、ハロゲン基(-Cl、-Br、-I)、およ
びエポキシ基から選択される官能基を有する化学グルー
プと結合していることを特徴とする。
【0016】さらに、前記A群の官能基と結合していな
い炭素の内、アルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO
-)、またはカルボキシル基に変換されているものと、
前記B群から選択された化学グループと結合しているも
のとが混在してもよい。また、こうした化学グループが
複数含まれてもよい。さらに、単糖ユニットが開環され
た形をとってもよい。通常前記いずれの化学グループに
も置換されていない水酸基が含まれている。
【0017】前記A群の官能基は主に本発明による多糖
類誘導体のバルク材料としての性質、特に溶解性、熱可
塑性、融点、密度、強度、成型性、形状安定性、耐候
性、などの物理的な性質を規定する。官能基の種類と共
に、その含量(ここでその指標として置換度を用いる)
が重要である。一例を挙げると、主にエステル系官能基
を有する誘導体は置換度が1.5以上で水不溶になり、置
換度が高いほど、極性の低い溶媒に可溶となる。エステ
ル系誘導体の中では、その製造コストの安さおよび広範
囲に渡る応用が可能であることから、酢酸エステルをメ
ーン置換基とする多糖類誘導体が望ましい。なかでもそ
の出発原料が自然界に豊富に存在するセルロースである
酢酸セルロース系誘導体がもっとも望ましい。
【0018】本発明による多糖類誘導体に含まれ、無水
単糖ユニット上の炭素から変換されているアルデヒド基
(-CHO)、ケトン基(-CO-)、またはカルボキシル基
(-COOH)、および前記B群から選択される化学グルー
プは、主に2つの機能を担っている。ひとつは、前記A
グループの官能基によって規定されている材料としての
物理的性質に微調整を与える機能である。もうひとつ
は、材料に反応性、特定成分に対する吸着性などの化学
的な性質や細菌などの微生物に対する親和性、抗菌性な
どの生化学的性質を付与する機能である。以下A群官能
基が酢酸エステルである酢酸セルロースを例に詳細に説
明する。
【0019】前記無水単糖ユニット上の炭素から変換さ
れているアルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)、ま
たはカルボキシル基(-COOH)、および前記B群から選
択された化学グループを含まない、無水グルコースユニ
ットの炭素原子に酢酸エステルが結合している酢酸セル
ロースの場合、工業的にもっとも大量に製造されている
置換度2.4〜2.5の二酢酸セルロースを例に挙げると、疎
水性が強く、アセトン、酢酸メチル、メチルセルソブア
セテート、ジアセトンアルコールなどの中極性溶媒、ま
たはこれらの溶媒に水やエチルアルコールなどの強極性
溶媒を少量(20%以下)添加した混合溶媒に溶解する。
荷電を有していない。中性pHや室温などのマイルドな環
境ではほとんど他の物質と化学反応を起こさない。また
金属イオンなどの無機成分に対する吸着性を示さず、微
生物に対する親和性も低い。
【0020】一方、前記無水単糖ユニット上の炭素から
変換されているアルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO
-)、またはカルボキシル基(-COOH)、および前記B群
から選択された化学グループを含む本発明による酢酸セ
ルロース誘導体の場合、これらの官能基を有する化学グ
ループは総じて高い親水性を有するので、同置換度の酢
酸セルロースに比べてわずかに異なる溶解性を示す。例
えば1無水グルコースユニット当たり0.1〜1.5個の炭素
原子がアルデヒド基に変換されている酢酸セルロース誘
導体(以下アルデヒド化酢酸セルロースと呼ぶ)は同置
換度の酢酸セルロースに比べて水の比率がより多いジア
セトンアルコール/水混合溶媒へ可溶である。また、置
換度2.2の酢酸セルロースはジアセトンアルコールに可
溶であるが、同置換度で無水グルコースユニット当たり
0.1〜0.6個の炭素原子がカルボキシル基に変換されてい
る酢酸セルロース誘導体(以下カルボキシル化酢酸セル
ロースと呼ぶ)はジアセトンアルコールには完全に溶解
せず、10-40%の水を含むジアセトンアルコール/水混
合溶媒に可溶となる。また、これらの酢酸セルロース誘
導体は膜などの材料に成型した場合、膜含水率が酢酸セ
ルロースと異なり、例えば分離膜として利用される場
合、異なる濾過および分離性能の発現が予想される。
【0021】しかし、本発明による酢酸セルロース誘導
体のもっとも顕著な特徴は酢酸セルロースの基本性質を
有しながら、反応性官能基を有することである。反応性
官能基の導入により従来の酢酸セルロースにはない多く
の機能が発現でき、材料としてより幅広い応用が考えら
れる。応用例の詳細は後述するが、ここで簡単に幾つか
の分野を例示する。例えば、酵素、抗体や微生物などの
生体触媒の固定化単体としての利用、基板支持体や他の
機能性膜との密着性がよい過酸化水素選択膜や分離膜と
しての利用、生分解性プラスチック原料としての利用、
抗菌材料としての利用、浄水材料としての利用、などが
挙げられる。
【0022】次に本発明による多糖類誘導体の化学構造
について化学式を例示して具体的に説明する。図3から
図5に本発明による多糖類誘導体を構成する単糖ユニッ
トを幾つか例示する。化学式1〜3は6位の炭素がアル
デヒド基に、および2、3位の炭素がケトン基に変換さ
れている単糖ユニットの例であり、化学式4〜6は無水
単糖ユニットが開環されジアルデヒドの形になっている
例である。また、化学式7〜10は無水単糖ユニットの
炭素がカルボキシル基に変換されているものが含まれて
いる例である。図示のように同時にアルデヒドやケトン
基が含まれてもよい。さらに、化学式11と12はカル
ボキシメチル基がエーテル結合を通して2位または6位
の炭素に結合している例である。化学式13から18は
アミノ基が導入されている単糖ユニット(式中のR1、R2
は水素原子またはアルキル鎖を示す)を示す例である。
一般的にアミノ基が1級アミンまたは2級アミンである
ことが望ましい。式19から21はハロゲン基(X = C
l, Br, I)が、そして式22から24はエポキシ基が導
入されている単糖ユニットの例である。また、式25か
ら33に示すように、より長い鎖長をもつ官能基が導入
されている単糖ユニットが含まれてもよい。
【0023】なお、前記すべての化学式において、ORは
前記Aグループから選択される官能基を意味する。ま
た、R1、R2はアルキル基を示す。
【0024】次に本発明による多糖類誘導体の製造方法
について説明する。本発明による多糖類誘導体の出発原
料として、セルロース、デキストラン、アルギン酸、ヒ
アルロン酸、およびキチンなどの天然多糖類、またはこ
れらの誘導体、例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロ
ース、プロピオン酸セルロース、メチルセルロース、エ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、および
キトサンなどが挙げられる。
【0025】本発明による多糖類誘導体は極めて多くの
バリエーションを有することが以上の説明から明らかで
ある。したがって、その製造方法も出発原料や目的誘導
体に応じて極めて多くの方法から選択されることにな
り、逐一説明することが不可能である。ここで製造方法
のストラテジーを中心に、代表的な方法を数例挙げて簡
単に説明することにする。
【0026】本発明による多糖類誘導体を製造する基本
方法として次の三つから選択することができる。第一
に、セルロース、デキストラン、デンプンなどの置換基
を有しない多糖類から出発し、まず無水単糖ユニットに
A群から選択される化学グループを所定量導入して、そ
れから前記A群から選択される化学グループが結合して
いない位置の炭素をアルデヒド基(-CHO)、ケトン基
(-CO-)、またはカルボキシル基(-COOH)に変換する
か、前記A群から選択される化学グループが結合してい
ない位置の炭素に前記B群から選択された官能基を有す
る化学グループを導入するという方法が挙げられる。第
二に、前記第一の方法とは逆の手法、すなわち、まずセ
ルロース、デキストラン、デンプンなどの置換基を有し
ない多糖類の無水単糖ユニットにある水酸基と結合して
いる炭素をアルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)、
またはカルボキシル基(-COOH)に変換するか、前記B
群から選択された官能基を有する化学グループを導入し
てから、前記A群から選択される化学グループを導入す
るという方法が挙げられる。第三の方法として、目的誘
導体に導入予定の、前記A群またはB群から選択された
化学グループがすでに部分的に含まれている多糖類誘導
体から出発するという方法が挙げられる。すなわち、前
記A群から選択される化学グループがすでに導入されて
いる多糖類誘導体、例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セ
ルロース、プロピオン酸セルロース、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、などからは、前記A群から選択
される化学グループが結合していない位置の炭素をアル
デヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)、またはカルボキ
シル基(-COOH)に変換するか、前記A群から選択され
る化学グループが結合していない位置の炭素に前記B群
から選択された官能基を有する化学グループを導入す
る。逆のケース、例えば、アルギン酸、ヒアルロン酸、
カルボキシメチルセルロース、キチンおよびキトサン、
などの多糖類誘導体からは、前記A群から選択される化
学グループを導入する。
【0027】本発明による多糖類誘導体は、その化学的
組成、構造および性質が多岐に渡るため、極めて多くの
利用形態が考えられる。以下その主たる利用形態の幾つ
かについて簡単に説明する。
【0028】本発明による多糖類誘導体の第一の利用形
態として、分離膜の材料が挙げられる。具体的な例とし
て、海水淡化や浄水装置などに使用される逆浸透膜、物
質の濃縮分離などに使用される限外濾過膜、化学センサ
やバイオセンサなどに使用される選択透過膜などが挙げ
られる。この場合、膜材料の候補としては前記A群に属
する化学グループがエステル基の多糖類誘導体が望まし
い。製造コストや原料の豊富さから、より望ましくはセ
ルロースのエステル誘導体であり、もっとも望ましくは
酢酸セルロース誘導体である。
【0029】さらに、本発明による多糖類誘導体に含ま
れる前記A群に属する化学グループは本発明による多糖
類誘導体の分離膜としての基本性能を主に特徴付けるこ
とから、種々の状況に勘案してその含量を制御すること
が重要である。例えば、前記A群に属する化学グループ
が酢酸エステルである酢酸セルロース誘導体の場合、そ
の含量は単位無水グルコースユニットあたり1.4〜2.6個
の範囲にあることが望ましく、より望ましくは1.8〜2.4
個の範囲である。
【0030】また、本発明による多糖類誘導体の特徴を
決定するもう一つの側面、前記A群から選択される化学
グループが結合していない炭素位に結合する前記B群に
属する化学グループは、アミノ基、カルボキシル基、エ
ポキシ基、あるいはハロゲン基など、サイズの小さいグ
ループが望ましい。または前記A群から選択される化学
グループが結合していない位置の炭素自身がアルデヒド
基、ケトン基またはカルボキシル基になっている無水単
糖ユニットが含まれる誘導体が望ましい。これは、分離
膜として必要な膜の物理的強度や分離機能などの材料と
しての基本的な性能は主に前記A群に属する化学グルー
プによって発揮されるので、付加機能を与えるB群に属
する化学グループは、その機能を発揮する限り、できる
だけ前記A群の化学グループの働きへの影響を抑える方
が望ましく、嵩高ではないこれらのグループはその影響
が小さいことに基づいている。特にアルデヒド基は常温
常圧などのマイルドな環境下でも前処理なしで反応性す
るので、もっとも望ましい。
【0031】以下酢酸セルロース誘導体を例に、具体的
に説明する。酢酸セルロースは、逆浸透膜、限外濾過
膜、過酸化水素選択透過膜など、分離膜としての幅広い
応用はすでに多くの産業分野でされている。その分離機
能は主にサイズ制限によって発現される。しかし、反応
性が乏しく、疎水性の酢酸エステル基しか導入されてい
ないので、それ以上の働きが期待できない。同じ理由
で、膜の膜支持体など、膜と組み合わせる他の材料との
親和性や密着性が弱い欠点を有する。一方、本発明によ
る酢酸セルロース誘導体は、酢酸セルロースと同等かそ
れ以上の分離性能を実現しながら、さらに多くのメリッ
トを有する機能を分離膜に付与する。具体的に、一定量
のアルデヒド基、ケトン基またはカルボキシル基が導入
されている酢酸セルロース誘導体は、バルク材料として
の疎水性を保ちながら、これらの官能基は置換された水
酸基よりも親水性が高いので、分子レベルでの局部の親
水性が高く、例えば海水淡化や浄水膜として利用される
場合、同じ条件では酢酸セルロースよりも高い水透過速
度が得られ、より高いコストパフォーマンスの実現に寄
与する。さらに、アルデヒド基、カルボキシル基、アミ
ノ基、ハロゲン基、エポキシ基などの反応性官能基が膜
に反応性を与えることにより、支持体への付着性、抗菌
性、生体触媒固定化能など、多くの付加的メリットを実
現している。
【0032】例えば、逆浸透膜として利用する場合、従
来、酢酸セルロースを厚さ10マイクロメートル以上の
非対称膜(片方の表面が分離性能を発現するサブミクロ
ン厚の緻密構造であり、反対側表面を含む大部分の領域
は孔サイズの大きい多孔性構造となって膜に一定の強度
を与える。)に製造した後、支持体またはモジュールに
張り付けてから使用する。分離機能だけの視点からみる
と、単なる水の透過抵抗を増大する緻密層以外の厚い膜
の部分は無くした方がよいのである。かといって、膜を
薄くすると、膜の製造と取り付けが困難になる上、強度
の弱さから耐久性に課題がある。一方、本発明による酢
酸セルロース誘導体は、支持体にシラン化処理などの表
面処理を行うだけで、支持体表面に直接成膜することが
できる。膜が支持体表面との間に化学的結合を形成して
いるので、両者が一体化され、数マイクロメートル以下
の膜厚でも強い強度が実現される。こうした逆浸透膜は
従来の酢酸セルロース膜と同等の耐久性を有しながら、
格段に高い水処理能力を発現できる。さらに、アミノ基
などのカチオン性官能基を導入されている膜は抗菌性を
有し、カビや最近などの微生物付着による膜の目詰まり
や劣化を防ぎ、膜の使用寿命を大きく延ばすメリットも
ある。
【0033】別の例として、化学センサやバイオセンサ
に使用される過酸化水素選択透過膜を挙げて説明する。
酢酸セルロース膜は、いままで検討されてきた過酸化水
素選択透過膜の中でもっとも安定性のよい膜である。し
かし、過酸化水素電極などの支持体との親和性が弱いこ
とから、前記逆浸透膜と同様、厚さ10マイクロメート
ル以上の膜を製造してから一定のサイズに切って張り付
けるのが現状である。膜が厚いこと、さらに物理的張り
付けによる膜と電極表面との間に隙間ができやすいこと
から、センサの過酸化水素に対する感度の低下が避けら
れない上、センサの応答性や洗浄性が悪い。
【0034】一方、本発明による酢酸セルロース誘導体
は電極を含む支持体の表面に直接成膜し、支持体表面と
の間に強い密着性を有する過酸化水素透過膜を製造する
ことができる。その結果、膜が薄く、支持体との間に隙
間がないので、従来のセンサに比べて、感度が高く、応
答性や洗浄性が格段によい。さらに、支持体の表面への
直接成膜による製造コストの低下というメリットも享受
できる。
【0035】また、バイオセンサでは、ほとんどの場
合、過酸化水素選択透過膜は酵素膜などの固定化生体触
媒膜と組み合わせて使用することになっている。従来は
酢酸セルロース過酸化水素選択透過膜の上にさらに別々
に製造した固定化生体触媒膜を張り合わせて使用するこ
とになっている。固定化生体触媒膜を独立に製造してい
るので、どうしても厚くする必要があり、さらに固定化
生体触媒膜と過酸化水素選択透過膜との間の密着性が悪
い。これらの要因は前記要因と一緒となり、さらにセン
サの感度を低下させ、応答性や洗浄性を悪化させる。さ
らに、膜間および膜と支持体との間に常に気泡などの進
入というリスクがあり、センサ作動の安定性に悪影響を
与える。
【0036】一方、本発明による酢酸セルロース誘導体
からなる過酸化水素選択透過膜には反応性官能基が含ま
れているので、電極を含む支持体表面をシラン化処理な
どの簡単な処理で支持体表面との間に強く密着性を与え
ることができる。したがって、本発明によるセルロース
誘導体を含む溶液からキャストやスピンコートなどの手
法により、表面に直接成膜することができ、薄膜化およ
び密着化を簡単に実現できる。その結果、従来のセンサ
に比べて感度が飛躍的に向上するだけでなく、製造コス
トも低い。さらに、過酸化水素選択透過膜の表面または
中に酵素などの生体触媒を固定化することが簡単であ
る。その結果、本発明によるセルロース誘導体膜は過酸
化水素選択透過膜と生体触媒固定化担体との二つの役割
を同時に果たすことができる。もちろん、過酸化水素選
択透過膜の上に別に生体触媒固定化膜を形成することも
できる。この場合においても、過酸化水素選択透過膜と
生体触媒固定化膜との間の密着性が高いというメリット
がある。
【0037】上記第一の利用形態において、反応性官能
基は分離膜としての材料に反応性、支持体密着性などの
付加的な機能を追加付与する役割を果たすので、その含
有量は一般的にA群に属する化学グループのそれよりも
少ないことが望ましい。一例を挙げると、A群に属する
酢酸エステルが結合していない無水グルコースユニット
の炭素がアルデヒド基または/およびケトン基に変換さ
れているアルデヒド化酢酸セルロースの場合、アルデヒ
ド基の含量は無水グルコースユニットあたり0.1〜1.5個
が望ましく、より望ましくは0.3〜1.0の範囲である。
【0038】本発明による多糖類誘導体の第二の利用形
態として、生分解性プラスチックを製造する材料が挙げ
られる。セルロースやアルギン酸を始めとする天然多糖
類は地球上における生命活動のサイクルに出現している
生命由来成分のひとつであり、当然これらを出発原料と
した誘導体にも自然界における生分解性が期待できる。
実際、酢酸セルロースや酪酸セルロースなどを主原料と
する生分解性プラスチックが開発され実用化されてい
る。しかし、現在実用化されている生分解プラスチック
の中で、これらのセルロース誘導体からのものがポリ乳
酸などを原料とするものに比べて、その生分解速度がか
なり遅いのが現状である。その原因として、疎水性の高
いこれらの誘導体は微生物などへの親和性が低く、微生
物などによって分泌される酵素などの生体触媒の良基質
ではないことが挙げられる。本発明による多糖類誘導体
は、B群に属する親水性や反応性の高い官能基を導入す
ることにより、微生物への親和性を高め、さらにこれら
の官能基が酵素のターゲットになりやすいことから、プ
ラスチックとしての性能を維持しながら、より生分解性
を高めた生分解性プラスチックの製造が可能である。
【0039】本発明による多糖類誘導体の第三の利用形
態として、生体触媒を固定化するための担体が挙げられ
る。この場合、多糖類誘導体に含まれる前記A群に属す
る化学グループの含量は上記第一および第二の利用形態
に比べて、より少なく、逆にアルデヒドやカルボキシル
基に変換される無水グルコースユニットの炭素、あるい
は前記B群に属する化学グループの含量が、より多く含
まれてもよい。これは、生体触媒を固定化する担体とし
てより多くの生体触媒固定化サイトが含まれる方が望ま
しいケースが多いからである。これらの化学グループの
例として、アルデヒド基、カルボキシル基、エポキシ
基、アミノ基、ハロゲン基などの官能基を含む化学グル
ープが挙げられる。生体触媒固定化担体としての本発明
による多糖類誘導体の、アルギン酸、セルロース、デキ
ストランやキトサンなど従来の多糖類固定化担体に比べ
て、本発明による多糖類誘導体の生体触媒固定化担体と
してのもっとも顕著な特徴はAグループに属する疎水性
化学グループを有することである。故に、本発明による
多糖類誘導体に基づいた固定化生体触媒は、目的とする
構造や形に成型加工しやすい、材料としての安定性が高
い、環境のpHや温度の変化による膨潤や収縮などの影響
を受けにくい、などの特徴があり、従来の固定化担体に
ないメリットを享受することができる。
【0040】本発明による多糖類誘導体の第四の利用形
態として、水処理剤などの環境分野への応用が挙げられ
る。例えば、アミノ基が導入されている本発明による多
糖類誘導体を、重金属イオン吸着剤や凝集剤として利用
することができる。この場合、キチンやキトサンなど従
来利用されている材料に比べて、適度に疎水性官能基が
含まれている本発明による多糖類誘導体は、同程度の吸
着容量または凝集作用を示しながら、より含水率の低い
吸収体または凝集体として回収でき、その後の処理をよ
りしやすくするというメリットがある。さらに、セルロ
ースを原料として製造された場合、本発明による水処理
剤自身のコストは従来のキトサン処理剤よりも安いとい
うメリットがある。
【0041】本発明による多糖類誘導体のさらなる利用
形態として、塗料、接着剤、および各種粉体や流体に添
加するバインダーなどが挙げられるが、ここではその説
明を省く。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多糖類誘
導体は、疎水性で安定性が優れ、且つ反応性に富んだも
のとなるので、産業上の利用可能性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セルロース誘導体の一種である酢酸セルロ
ースの基本構造を示す図である。
【図2】 本発明による多糖類誘導体のベースとなる
多糖類の基本構成単位のひとつである、無水グルコース
の化学構造式を例示する図である。図にある数字は炭素
の順番を示す。
【図3】 本発明による選択透過膜を構成する材料で
ある多糖類誘導体に含まれる単糖ユニットの構造を例示
する図である。
【図4】 本発明による選択透過膜を構成する材料で
ある多糖類誘導体に含まれる単糖ユニットの構造を例示
する図である。
【図5】 本発明による選択透過膜を構成する材料で
ある多糖類誘導体に含まれる単糖ユニットの構造を例示
する図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水単糖ユニットの炭素原子に結合し
    ている化学グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
    テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル(-OCOCH2C2H5)メ
    チルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基(-OC
    2H5)から選択される化学グループが、少なくとも一種
    含まれており、さらに、前記A群から選択される化学グ
    ループが結合されていない炭素原子の内、少なくとも一
    つがアルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)またはカ
    ルボキシル基(-COOH)に変換されている無水単糖ユニ
    ットが含まれていることを特徴とする多糖類誘導体。
  2. 【請求項2】 無水単糖ユニットの炭素原子に結合し
    ている化学グループに、 A群:酢酸エステル基(-OCOCH3)、プロピオン酸エス
    テル基(-OCOC2H5)、酪酸エステル(-OCOCH2C2H5)メ
    チルエーテル基(-OCH3)、エチルエーテル基(-OC
    2H5)から選択される化学グループおよび B群:アルデヒド基(-CHO)、ケトン基(-CO-)、カル
    ボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NR2、R:水素または
    アルキル基)、ハロゲン基(-Cl、-Br、-I)、エポキシ
    基から選択される官能基を有する化学グループが、少な
    くともそれぞれ一種含まれている無水単糖ユニットが含
    まれていることを特徴とする多糖類誘導体。
  3. 【請求項3】 前記多糖類がセルロースである、請求
    項1または2に記載の多糖類誘導体。
  4. 【請求項4】 前記A群から選択される化学グループ
    が酢酸エステル基である、請求項3に記載の多糖類誘導
    体。
  5. 【請求項5】 前記酢酸エステル基の含量は、単位無
    水グルコースユニット当たり1.4〜2.6個の範囲にあるこ
    とを特徴とする、請求項4に記載の多糖類誘導体。
  6. 【請求項6】 前記酢酸エステル基の含量は、単位無
    水グルコースユニット当たり1.8〜2.4の範囲にあること
    を特徴とする、請求項4に記載の多糖類誘導体。
  7. 【請求項7】 前記A群から選択される化学グループ
    が酢酸エステル基であり、酢酸エステル基が結合してい
    ない炭素原子の内、少なくとも一つがアルデヒド基(-C
    HO)に変換されている単糖ユニットが含まれていること
    を特徴とする、請求項1に記載の多糖類誘導体。
  8. 【請求項8】 開環されている単糖ユニットが含まれ
    ていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記
    載の多糖類誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012224874A (ja) * 2003-11-28 2012-11-15 Eastman Chemical Co セルロースインターポリマー及び酸化方法

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