JP2002301931A

JP2002301931A - 座席用空調装置

Info

Publication number: JP2002301931A
Application number: JP2001109590A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Uno; 浩宇野; Mitsuru Yoneyama; 充米山; Shintaro Nozawa; 真太郎野澤
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2001-04-09
Filing date: 2001-04-09
Publication date: 2002-10-15

Abstract

(57)【要約】【課題】小型化を図ると共に、座席内の限られた空間
への収納を容易にすること。【解決手段】送風機２５の内部に設けたペルチェモジ
ュール２０によって熱交換した冷温熱を、座席表面カバ
ー２８に伝える熱伝導シート３１および冷温風を座席表
面カバー２８より吹き出させる通風路３０を備えてい
る。そして冷温風の吹き出しによる対流と熱伝導シート
からの熱伝導の両方の作用により冷却または加温の機能
を有している。これによって接続が簡素されて小型にな
り、また座席内の限られた空間への収納を容易にして通
風路を適正に配置することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、冷却または加温で
きる座席用空調装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の座席用空調装置として
は、特開平５−２７７０２０号公報に記載されているよ
うなものがあった。図８は、前記公報に記載された従来
の座席用空調装置を示すものである。

【０００３】図８において、座席用空調装置は背当部１
と着座部２からなる自動車用の座席３と、この座席３の
下部空間に配設されたペルチェモジュール４と、このペ
ルチェモジュール４に接続され、空気流を冷却または加
温する主熱交換器５および廃熱を空気流に熱交換する廃
熱熱交換器６と、背当部１と着座部２の乗員が座る表面
カバー７に設け、空気流を吹き出す空気流吹出孔８と、
主熱交換器５から空気流吹出孔８に連通し、吹出す空気
流を搬送するために背当部１と着座部２の内部に設けた
空気流通路９と、廃熱熱交換器６から廃熱空気流を搬送
する廃熱空気流通路１０と、ペルチェモジュール４に接
続した主熱交換器５および廃熱熱交換器６に空気流を搬
送する送風機１１から構成されていた。

【０００４】そして、自動車の運転時にペルチェモジュ
ール４と送風機１１が駆動し、夏季では、送風機１１で
搬送された空気流はペルチェモジュール４で伝熱された
主熱交換器５で冷却されて、空気流通路９で搬送され、
空気流吹出孔８から冷風として吹出していた。ペルチェ
モジュール４で伝熱された廃熱熱交換器６で加温された
廃熱空気流は廃熱空気流通路１０から廃熱として吹出し
ていた。一方、冬季では、送風機１１で搬送された空気
流はペルチェモジュール４で伝熱された主熱交換器５で
加温されて、空気流通路９で搬送され、空気流吹出孔８
から温風として吹出していた。ペルチェモジュール４で
伝熱された廃熱熱交換器６で冷却された廃熱空気流は廃
熱空気流通路１０から廃熱として吹出していた。このよ
うにして、乗員の背中および臀部を冷却または加温して
座席の空調が行われていた。

【０００５】また、従来の他の座席用熱搬送装置として
は、特表平１０−５０４９７７号公報に記載されている
ようなものがあった。図９は、前記公報に記載された従
来の他の座席用空調装置を示すものである。

【０００６】図９において、座席用空調装置は座席３
と、座席３内部に形成され、着座した乗員に熱伝導によ
る冷却または加温を効果的にするために座席の表面カバ
ー７に接触して位置決めされ、温度調節された空気を循
環させる空気チヤンネル１２と、空気チヤンネル１２に
連通し、空気を冷却または加温するためのペルチエモジ
ュール４を有するヒートポンプ１３と、装置を作動させ
ると同時に加熱または冷却モードの操作を選択するため
の制御スイッチ１４と、選択された加温または冷却の操
作に従って温度調節された空気を送るためにヒートポン
プ１３の作動を自動的に調整する制御器１５と、ヒート
ポンプ１３に接続し、空気を選択的に加熱または冷却す
る主熱交換器５と、加熱または冷却された空気を送る主
熱交換器送風機１６と、ペルチエモジュール４から不要
な廃熱を除去するための廃熱熱交換器６と、廃熱熱交換
器６へ空気を送る廃熱熱交換器送風機１７とから構成さ
れていた。

【０００７】そして、運転時にペルチェモジュール４と
主熱交換器送風機１６および廃熱熱交換器送風機１７が
駆動し、主熱交換器送風機１６で搬送された空気流はペ
ルチェモジュール４で伝熱された主熱交換器５で冷却ま
たは加温された後、空気チヤンネル１２を循環し、座席
の表面カバー７を冷却または加温して、循環後、主熱交
換器送風機１６に再び戻る。廃熱交換機送風機１７は廃
熱熱交換器６に送風し、ペルチェモジュール４から廃熱
熱交換器６へ伝熱された廃熱を吹出す。このようにし
て、座席３の表面カバー７から着座した乗員の背中およ
び臀部を熱伝導による熱伝達で冷却または加温して座席
の空調が行われていた。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の装置では、ペルチェモジュール４の両面から主熱交換
器５と廃熱熱交換器６に伝熱するように接続したもの
に、空気流が流入するように送風機１１を接続し、主熱
交換器５から冷却または加温された空気流が流入するよ
うに空気流通路９を接続、さらに、廃熱熱交換器６から
廃熱空気流が流入するように廃熱空気流通路１０を接続
するため、接続の構成が複雑になり、組み立て工数を要
していた。また、所要容積も大きくなり、座席内の限ら
れた空間に収納させには難しく、収納した場所からは限
られた場所にしか通風路を配置できないという課題を有
していた。

【０００９】また、前記従来の他の装置では、従来の装
置で記述したことと同様に、ペルチェモジュール４の両
面に主熱交換器５と廃熱熱交換器６を接続したものに主
熱交換器送風機１６および廃熱熱交換器送風機１７を接
続し、主熱交換器５から冷却または加温された空気流が
循環するように空気チヤンネル１２を接続するため、接
続の構成が複雑になり、組み立て工数を要していた。ま
た、所要容積も大きくなり、座席内の限られた空間に収
納させには難しく、収納した場所からは限られた場所に
しか通風路を配置できないという課題を有していた。

【００１０】本発明は前記従来の課題を解決するもの
で、ペルチェモジュール、主熱交換器、廃熱熱交換器、
送風機、空気流通路、廃熱空気流通路の接続を簡素にし
て小型化を図り、座席内の限られた空間への収納を容易
にして通風路を適正に配置した座席用空調装置を提供す
ることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の座席用空調装置は、送風機の内部に
ペルチェモジュールを設け、ペルチェモジュールで熱交
換した冷温熱を座席表面カバーに伝える熱伝導シートお
よび冷温風を座席表面カバーより吹き出させる通風路を
備え、座席表面カバーに搬送された冷温風の吹き出しに
よる対流と熱伝導シートからの熱伝導の両方で冷却また
は加温するようにしたものである。

【００１２】これによって、送風機の内部に設けられた
ペルチェモジュールは冷却または加温する面で通過する
空気を冷温風に熱交換し、廃熱を熱交換する面で通過す
る空気に廃熱を熱交換する。同時に、ペルチェモジュー
ルは熱伝導シートにも熱交換をし、冷却または加温され
た熱伝導シートは座席表面カバーを熱伝導で冷却または
加温する。さらに、冷温風は送風機の吹き出し部から通
風路座席表面カバーに搬送され、座席表面カバーから吹
き出す。そこで、座席表面カバーは冷温風の吹き出しに
よる対流と熱伝導シートからの熱伝導の両方で冷却加温
される。

【００１３】このようにして、ペルチェモジュールは送
風機の内部に設けられ、送風機の吹き出し部から通風路
と廃熱空気流通路に接続するため、接続を簡素にして小
型化が図られ、座席内の限られた空間への収納を容易に
して通風路を適正に配置することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】請求項１に記載の発明は、送風機
の内部にペルチェモジュールを設け、ペルチェモジュー
ルで熱交換した冷温熱を座席表面カバーに伝える熱伝導
シートおよび冷温風を座席表面カバーより吹き出させる
通風路を備え、座席表面カバーに搬送された冷温風の吹
き出しによる対流と熱伝導シートからの熱伝導の両方で
冷却または加温するようにしたことにより、送風機の内
部に設けられたペルチェモジュールは冷却または加温す
る面で通過する空気を冷温風に熱交換し、廃熱を熱交換
する面で通過する空気に廃熱を熱交換する。同時に、ペ
ルチェモジュールは熱伝導シートにも熱交換をし、冷却
または加温された熱伝導シートは座席表面カバーを熱伝
導で冷却または加温する。さらに、冷温風は送風機の吹
き出し部から通風路座席表面カバーに搬送され、座席表
面カバーから吹き出す。そこで、座席表面カバーは冷温
風の吹き出しによる対流と熱伝導シートからの熱伝導の
両方で冷却加温される。

【００１５】このようにして、ペルチェモジュールは送
風機の内部に設けられ、送風機の吹き出し部から通風路
と廃熱空気流通路に接続するため、接続を簡素にして小
型化が図られ、座席内の限られた空間への収納を容易に
して通風路を適正に配置することができる。

【００１６】請求項２に記載の発明は、特に請求項１記
載の座席用空調装置を、送風機の羽根の回転軸芯に平行
になるように、吹き出し部の風路を２分割して、吹き出
し部の内部にペルチェモジュールと、ペルチェモジュー
ルの冷却または加温する面から伝熱され、通過する空気
を冷却または加温する冷温熱交換器と、ペルチェモジュ
ールの廃熱する面から伝熱され、通過する空気と熱交換
する廃熱熱交換器とを収納したことにより、吹き出し部
の内部で分割された一方の風路で、ペルチェモジュール
は冷却または加温する面で通過する空気を冷温風に熱交
換する。同様に、分割された他方の風路で、ペルチェモ
ジュールは廃熱を熱交換する面で通過する空気に廃熱を
熱交換する。そして、冷温風は送風機の吹き出し部から
通風路を通過して座席表面カバーに搬送され、座席表面
カバーから吹き出す。

【００１７】このようにして、ペルチェモジュールは送
風機の内部に設けられ、送風機の吹き出し部から通風路
と廃熱空気流通路に接続するため、接続を簡素にして小
型化が図られ、座席内の限られた空間への収納を容易に
して通風路を適正に配置することができる。また、送風
機の形式にもよるが、例えば、シロッコファンでは、羽
根の外周に近いほうの分割された空間を冷温風吹き出し
に用いると、風量が多いため、圧力損失が大きい通風路
との接続に有利になる。さらに、羽根の軸心を水平にな
るように送風機を設置すると、冷温風吹き出しと廃熱吹
き出しは上下、羽根の軸心を垂直になるように送風機を
設置すると、冷温風吹き出しと廃熱吹き出しは左右に別
れるため、座席への収納が容易になる場合もある。

【００１８】請求項３に記載の発明は、特に請求項１記
載の座席用空調装置を、送風機の羽根の回転軸芯に垂直
になるように、吹き出し部の風路を２分割して、吹き出
し部の内部にペルチェモジュールと、ペルチェモジュー
ルの冷却または加温する面から伝熱され、通過する空気
を冷却または加温する冷温熱交換器と、ペルチェモジュ
ールの廃熱する面から伝熱され、通過する空気と熱交換
する廃熱熱交換器とを収納したことにより、吹き出し部
の内部で分割された一方の風路で、ペルチェモジュール
は冷却または加温する面で通過する空気を冷温風に熱交
換する。同様に、分割された他方の風路で、ペルチェモ
ジュールは廃熱を熱交換する面で通過する空気に廃熱を
熱交換する。そして、冷温風は送風機の吹き出し部から
通風路を通過して座席表面カバーに搬送され、座席表面
カバーから吹き出す。

【００１９】このようにして、ペルチェモジュールは送
風機の内部に設けられ、送風機の吹き出し部から通風路
と廃熱空気流通路に接続するため、接続を簡素にして小
型化が図られ、座席内の限られた空間への収納を容易に
して通風路を適正に配置することができる。また、送風
機の形式にもよるが、例えば、シロッコファンでは、分
割された空間の風量は分割した断面積の比率に比例する
ため、圧力損失が大きい通風路との接続には断面積の比
率を大きくすることで有利になる。さらに、羽根の軸心
を水平になるように送風機を設置すると、冷温風吹き出
しと廃熱吹き出しは左右、羽根の軸心を垂直になるよう
に送風機を設置すると、冷温風吹き出しと廃熱吹き出し
は上下に別れるため、座席への収納が容易になる場合も
ある。

【００２０】請求項４に記載の発明は、特に請求項１記
載の座席用空調装置を、冷温熱交換器から熱交換されて
冷温熱を座席表面カバーに伝え、冷却または加温をし、
さらに空気吹出孔も設けて通風路から通風された冷温風
も吹き出させる熱伝導シートを設けたことにより、ペル
チェモジュールは熱伝導シートにも熱交換をし、冷却ま
たは加温された熱伝導シートは座席表面カバーを熱伝導
で冷却または加温する。

【００２１】このようにして、座席表面カバーは冷温風
の吹き出しによる対流と熱伝導シートからの熱伝導の両
方で冷却加温されるため、とくに装置が小型化でき、座
席内の限られた空間に収納が容易になる。さらに、熱伝
導の機能が優先されるため、冷却または加温の速度が早
まる。

【００２２】請求項５に記載の発明は、特に請求項１記
載の座席用空調装置を、送風機の羽根の回転軸芯に平行
になるように、吹き出し部の風路を２分割して、吹き出
し部の内部に収納されたペルチェモジュールに合わせ
て、送風機のケーシングを大別３に分割し、冷温熱交換
器とケーシングを兼用させた冷温熱交換ケーシングと、
廃熱熱交換器とケーシングを兼用させた廃熱熱交換ケー
シングと、冷温熱交換ケーシングと廃熱熱交換ケーシン
グの間に介在させる断熱ケーシングで送風機のケーシン
グを構成したことにより、ペルチェモジュールは冷却ま
たは加温する面で冷温熱交換ケーシングを冷却または加
温する。冷温熱交換ケーシングと接している分割された
一方の風路は、冷温熱交換ケーシングにより通過する空
気を冷温風に熱交換する。同様に、ペルチェモジュール
は廃熱を熱交換する面で廃熱熱交換ケーシングに廃熱を
熱交換する。廃熱熱交換ケーシングと接している分割さ
れた他方の風路は、通過する空気に廃熱を熱交換する。
断熱ケーシングは冷温熱交換ケーシングと廃熱熱交換ケ
ーシングの間に介在して、互いの伝熱が行われるのを防
止するとともに、吹き出し部の風路を２分割している。

【００２３】このようにして、冷温熱交換器とケーシン
グ、廃熱熱交換器とケーシングを兼用させたため、冷温
熱交換器と廃熱熱交換器の能力が向上し、とくに装置が
小型化でき、座席内の限られた空間に収納がより、容易
になり、通風路を適正に配置することができる。

【００２４】請求項６に記載の発明は、特に請求項１記
載の座席用空調装置を、送風機の羽根の回転軸芯に垂直
になるように、吹き出し部の風路を２分割して、吹き出
し部の内部に収納されたペルチェモジュールに合わせ
て、送風機のケーシングを大別３に分割し、冷温熱交換
器とケーシングを兼用させた冷温熱交換ケーシングと、
廃熱熱交換器とケーシングを兼用させた廃熱熱交換ケー
シングと、冷温熱交換ケーシングと廃熱熱交換ケーシン
グの間に介在させる断熱ケーシングで送風機のケーシン
グを構成したことにより、ペルチェモジュールは冷却ま
たは加温する面で冷温熱交換ケーシングを冷却または加
温する。冷温熱交換ケーシングと接している分割された
一方の風路は、冷温熱交換ケーシングにより通過する空
気を冷温風に熱交換する。同様に、ペルチェモジュール
は廃熱を熱交換する面で廃熱熱交換ケーシングに廃熱を
熱交換する。廃熱熱交換ケーシングと接している分割さ
れた他方の風路は、通過する空気に廃熱を熱交換する。
断熱ケーシングは冷温熱交換ケーシングと廃熱熱交換ケ
ーシングの間に介在して、互いの伝熱が行われるのを防
止するとともに、吹き出し部の風路を２分割している。

【００２５】このようにして、冷温熱交換器とケーシン
グ、廃熱熱交換器とケーシングを兼用させたため、冷温
熱交換器と廃熱熱交換器の能力が向上し、とくに装置が
小型化でき、座席内の限られた空間に収納がより、容易
になり、通風路を適正に配置することができる。

【００２６】請求項７に記載の発明は、特に請求項１記
載の座席用空調装置を、冷温熱交換ケーシングから熱交
換されて冷温熱を座席表面カバーに伝え、冷却または加
温をし、さらに空気吹出孔も設けて通風路から通風され
た冷温風も吹き出させる熱伝導シートを設けたことによ
り、冷温熱交換ケーシングは熱伝導シートにも熱交換を
し、冷却または加温された熱伝導シートは座席表面カバ
ーを熱伝導で冷却または加温する。

【００２７】このようにして、熱伝導シートは冷温熱交
換ケーシングから熱交換されるが、冷温熱交換ケーシン
グとの熱交換面積が広く確保でき、熱交換量が大きくな
り、座席表面カバーへの冷却または加温性能も向上す
る。そして、座席表面カバーは冷温風の吹き出しによる
対流と熱伝導シートからの熱伝導の両方で冷却加温され
るため、冷却または加温の速度が早まる。

【００２８】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。

【００２９】（実施例１）図１は本発明の実施例１にお
ける座席用空調装置の構成図を示すものである。図１に
おいて、２０は冷却または加温するペルチェモジュール
であり、２１は冷温熱交換器でペルチェモジュール２０
の冷却または加温する面２２から伝熱され、通過する空
気を冷却または加温する。２３は廃熱熱交換器であり、
ペルチェモジュール２０の廃熱する面２４から伝熱さ
れ、通過する空気と熱交換する。２５は送風機であり、
ペルチェモジュール２０、冷温熱交換器２１、廃熱熱交
換器２３を内蔵し、これらに空気を送風する。２６は通
風路ボデーであり、冷温熱交換器２１と接続して、冷温
熱交換器２１で熱交換された空気を座席表面カバー２８
に設けた空気吹出孔２９に導く通風路３０を形成する。
３１は熱伝導シートであり、通風路ボデー２６と組み合
わせて通風路３０を形成し、冷温熱交換器２１から伝熱
されて座席２７の着座部３２および背当部３３を冷却ま
たは加温をし、さらに形成する通風路３０で送風機２５
で送風された空気とも熱交換をして、冷却または加温を
した空気を吹き出すための空気吹出孔２９も設けて吹き
出させる。３４は送風機２５のケーシング、３５は吹き
出し部、３６は廃熱空気流通路である。

【００３０】以上のように構成された座席用空調装置に
ついて、以下、その動作、作用を説明する。送風機２５
の内部に設けられたペルチェモジュール２０は冷却また
は加温する面２２で通過する空気を冷温風に熱交換し、
廃熱を熱交換する面で通過する空気に廃熱を熱交換す
る。同時に、ペルチェモジュール２０は熱伝導シート３
１にも熱交換をし、冷却または加温された熱伝導シート
３１は座席表面カバー２８を熱伝導で冷却または加温す
る。さらに、冷温風は送風機２５の吹き出し部３５から
通風路３０を経由して座席表面カバー２８に搬送され、
座席表面カバー２８から吹き出す。そこで、座席表面カ
バー２８は冷温風の吹き出しによる対流と熱伝導シート
３１からの熱伝導の両方で冷却加温される。

【００３１】以上のように、本実施例においては、ペル
チェモジュール２０は送風機２５の内部に設けられ、送
風機２５の吹き出し部３５から通風路３０と廃熱空気流
通路３６に接続するため、接続を簡素にして小型化が図
られ、座席内の限られた空間への収納を容易にして通風
路３０を適正に配置することができる。

【００３２】（実施例２）図２は本発明の実施例２の座
席用空調装置の構成図である。なお実施例１と同一符号
のものは同一構造を有し、説明は省略する。実施例１と
異なる点は、送風機２５の羽根３７の回転軸芯に平行に
なるように、吹き出し部３５の風路を２分割して、吹き
出し部３５の内部にペルチェモジュール２０と、ペルチ
ェモジュール２０の冷却または加温する面２２から伝熱
され、通過する空気を冷却または加温する冷温熱交換器
２１と、ペルチェモジュール２０の廃熱する面２４から
伝熱され、通過する空気と熱交換する廃熱熱交換器２３
とを収納したところである。

【００３３】以上のように構成された座席用空調装置に
ついて、以下、その動作、作用を説明する。吹き出し部
３５の内部で分割された一方の風路で、ペルチェモジュ
ール２０は冷却または加温する面２２で通過する空気を
冷温風に熱交換する。同様に、分割された他方の風路
で、ペルチェモジュール２０は廃熱を熱交換する面で通
過する空気に廃熱を熱交換する。そして、冷温風は送風
機２５の吹き出し部３５から通風路３０を通過して座席
表面カバー２８に搬送され、座席表面カバー２８から吹
き出す。

【００３４】以上のように、本実施例においては、ペル
チェモジュール２０は送風機２５の内部に設けられ、送
風機２５の吹き出し部３５から通風路３０と廃熱空気流
通路３６に接続するため、接続を簡素にして小型化が図
られ、座席内の限られた空間への収納を容易にして通風
路３０を適正に配置することができる。また、送風機２
５の形式にもよるが、例えば、シロッコファンでは、羽
根３７の外周に近いほうの分割された空間を冷温風吹き
出しに用いると、風量が多いため、圧力損失が大きい通
風路３０との接続に有利になる。さらに、羽根３７の軸
心を水平になるように送風機２５を設置すると、冷温風
吹き出しと廃熱吹き出しは上下、羽根３７の軸心を垂直
になるように送風機２５を設置すると、冷温風吹き出し
と廃熱吹き出しは左右に別れるため、座席への収納が容
易になる場合もある。

【００３５】（実施例３）図３は本発明の実施例３の座
席用空調装置の構成図である。なお実施例１と同一符号
のものは同一構造を有し、説明は省略する。実施例１と
異なる点は、送風機２５の羽根３７の回転軸芯に垂直に
なるように、吹き出し部３５の風路を２分割して、吹き
出し部３５の内部にペルチェモジュール２０と、ペルチ
ェモジュール２０の冷却または加温する面２２から伝熱
され、通過する空気を冷却または加温する冷温熱交換器
２１と、ペルチェモジュール２０の廃熱する面２４から
伝熱され、通過する空気と熱交換する廃熱熱交換器２３
とを収納して構成したところである。

【００３６】以上のように構成された座席用空調装置に
ついて、以下、その動作、作用を説明する。吹き出し部
３５の内部で分割された一方の風路で、ペルチェモジュ
ール２０は冷却または加温する面２２で通過する空気を
冷温風に熱交換する。同様に、分割された他方の風路
で、ペルチェモジュール２０は廃熱を熱交換する面で通
過する空気に廃熱を熱交換する。そして、冷温風は送風
機２５の吹き出し部３５から通風路３０を通過して座席
表面カバー２８に搬送され、座席表面カバー２８から吹
き出す。

【００３７】以上のように、本実施例においては、ペル
チェモジュール２０は送風機２５の内部に設けられ、送
風機２５の吹き出し部３５から通風路３０と廃熱空気流
通路３６に接続するため、接続を簡素にして小型化が図
られ、座席内の限られた空間への収納を容易にして通風
路３０を適正に配置することができる。また、送風機２
５の形式にもよるが、例えば、シロッコファンでは、分
割された空間の風量は分割した断面積の比率に比例する
ため、圧力損失が大きい通風路３０との接続には断面積
の比率を大きくすることで有利になる。さらに、羽根３
７の軸心を水平になるように送風機２５を設置すると、
冷温風吹き出しと廃熱吹き出しは左右、羽根３７の軸心
を垂直になるように送風機２５を設置すると、冷温風吹
き出しと廃熱吹き出しは上下に別れるため、座席への収
納が容易になる場合もある。

【００３８】（実施例４）図４は本発明の実施例４の座
席用空調装置の構成図である。なお実施例１と同一符号
のものは同一構造を有し、説明は省略する。実施例１と
異なる点は、冷温熱交換器２１から熱交換されて冷温熱
を座席表面カバー２８に伝え、冷却または加温をし、さ
らに空気吹出孔２９も設けて通風路３０から通風された
冷温風も吹き出させる熱伝導シート３１を設けたところ
である。

【００３９】以上のように構成された座席用空調装置に
ついて、以下、その動作、作用を説明する。ペルチェモ
ジュール２０は熱伝導シート３１にも熱交換をし、冷却
または加温された熱伝導シート３１は座席表面カバー２
８を熱伝導で冷却または加温する。

【００４０】以上のように、本実施例においては、座席
表面カバー２８は冷温風の吹き出しによる対流と熱伝導
シート３１からの熱伝導の両方で冷却加温されるため、
とくに装置が小型化でき、座席内の限られた空間に収納
が容易になる。さらに、熱伝導の機能が優先されるた
め、冷却または加温の速度が早まる。

【００４１】（実施例５）図５は本発明の実施例５の座
席用空調装置の構成図である。なお実施例１と同一符号
のものは同一構造を有し、説明は省略する。実施例１と
異なる点は、送風機２５の羽根３７の回転軸芯に平行に
なるように、吹き出し部３５の風路を２分割して、吹き
出し部３５の内部に収納されたペルチェモジュール２０
に合わせて、送風機２５のケーシング３４を大別３に分
割し、冷温熱交換器２１とケーシング３４を兼用させた
冷温熱交換ケーシング３８と、廃熱熱交換器２３とケー
シング３４を兼用させた廃熱熱交換ケーシング３９と、
冷温熱交換ケーシング３８と廃熱熱交換ケーシング３９
の間に介在させる断熱ケーシング４０で送風機２５のケ
ーシング３４を構成したところである。

【００４２】以上のように構成された座席用空調装置に
ついて、以下、その動作、作用を説明する。ペルチェモ
ジュール２０は冷却または加温する面２２で冷温熱交換
ケーシング３８を冷却または加温する。冷温熱交換ケー
シング３８と接している分割された一方の風路は、冷温
熱交換ケーシング３８により通過する空気を冷温風に熱
交換する。同様に、ペルチェモジュール２０は廃熱を熱
交換する面で廃熱熱交換ケーシング３９に廃熱を熱交換
する。廃熱熱交換ケーシング３９と接している分割され
た他方の風路は、通過する空気に廃熱を熱交換する。断
熱ケーシング４０は冷温熱交換ケーシング３８と廃熱熱
交換ケーシング３９の間に介在して、互いの伝熱が行わ
れるのを防止するとともに、吹き出し部３５の風路を２
分割している。

【００４３】以上のように、本実施例においては、冷温
熱交換器２１とケーシング３４、廃熱熱交換器２３とケ
ーシング３４を兼用させたため、冷温熱交換器２１と廃
熱熱交換器２３の能力が向上し、とくに装置が小型化で
き、座席内の限られた空間に収納がより、容易になり、
通風路３０を適正に配置することができる。

【００４４】（実施例６）図６は本発明の実施例６の座
席用空調装置の構成図である。なお実施例１と同一符号
のものは同一構造を有し、説明は省略する。実施例１と
異なる点は、送風機２５の羽根３７の回転軸芯に垂直に
なるように、吹き出し部３５の風路を２分割して、吹き
出し部３５の内部に収納されたペルチェモジュール２０
に合わせて、送風機２５のケーシング３４を大別３に分
割し、冷温熱交換器２１とケーシング３４を兼用させた
冷温熱交換ケーシング３８と、廃熱熱交換器２３とケー
シング３４を兼用させた廃熱熱交換ケーシング３９と、
冷温熱交換ケーシング３８と廃熱熱交換ケーシング３９
の間に介在させる断熱ケーシング４０で送風機２５のケ
ーシング３４を構成したところである。

【００４５】以上のように構成された座席用空調装置に
ついて、以下、その動作、作用を説明する。ペルチェモ
ジュール２０は冷却または加温する面２２で冷温熱交換
ケーシング３８を冷却または加温する。冷温熱交換ケー
シング３８と接している分割された一方の風路は、冷温
熱交換ケーシング３８により通過する空気を冷温風に熱
交換する。同様に、ペルチェモジュール２０は廃熱を熱
交換する面で廃熱熱交換ケーシング３９に廃熱を熱交換
する。廃熱熱交換ケーシング３９と接している分割され
た他方の風路は、通過する空気に廃熱を熱交換する。断
熱ケーシング４０は冷温熱交換ケーシング３８と廃熱熱
交換ケーシング３９の間に介在して、互いの伝熱が行わ
れるのを防止するとともに、吹き出し部３５の風路を２
分割している。

【００４６】以上のように、本実施例においては、冷温
熱交換器２１とケーシング３４、廃熱熱交換器２３とケ
ーシング３４を兼用させたため、冷温熱交換器２１と廃
熱熱交換器２３の能力が向上し、とくに装置が小型化で
き、座席内の限られた空間に収納がより、容易になり、
通風路３０を適正に配置することができる。

【００４７】（実施例７）図７は本発明の実施例７の座
席用空調装置の構成図である。なお実施例１と同一符号
のものは同一構造を有し、説明は省略する。実施例１と
異なる点は、冷温熱交換ケーシング３８から熱交換され
て冷温熱を座席表面カバー２８に伝え、冷却または加温
をし、さらに空気吹出孔２９も設けて通風路３０から通
風された冷温風も吹き出させる熱伝導シート３１を設け
たところである。

【００４８】以上のように構成された座席用空調装置に
ついて、以下、その動作、作用を説明する。冷温熱交換
ケーシング３８は熱伝導シート３１にも熱交換をし、冷
却または加温された熱伝導シート３１は座席表面カバー
２８を熱伝導で冷却または加温する。

【００４９】以上のように、本実施例においては、熱伝
導シート３１は冷温熱交換ケーシング３８から熱交換さ
れるが、冷温熱交換ケーシング３８との熱交換面積が広
く確保でき、熱交換量が大きくなり、座席表面カバー２
８への冷却または加温性能も向上する。そして、座席表
面カバー２８は冷温風の吹き出しによる対流と熱伝導シ
ート３１からの熱伝導の両方で冷却加温されるため、冷
却または加温の速度が早まる。

【００５０】

【発明の効果】以上のように請求項１〜７記載の発明に
よれば、ペルチェモジュール２０は送風機２５の内部に
設けられ、送風機２５の吹き出し部３５から通風路３０
と廃熱空気流通路３６に接続するため、接続を簡素にし
て小型化が図られ、座席内の限られた空間への収納を容
易にして通風路３０を適正に配置することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における座席用空調装置の構
成図

【図２】本発明の実施例２における座席用空調装置の構
成図

【図３】本発明の実施例３における座席用空調装置の構
成図

【図４】本発明の実施例４における座席用空調装置の構
成図

【図５】本発明の実施例５における座席用空調装置の構
成図

【図６】本発明の実施例６における座席用空調装置の構
成図

【図７】本発明の実施例７における座席用空調装置の構
成図

【図８】従来の座席用空調装置の構成図

【図９】従来の他の座席用空調装置の構成図

【符号の説明】

２０ペルチェモジュール２１冷温熱交換器２２冷却または加温する面２３廃熱熱交換器２４廃熱する面２５送風機２６通風路ボデー２７座席２８座席表面カバー２９空気吹出孔３０通風路３１熱伝導シート３２着座部３３背当部３４送風機ケーシング３５吹き出し部３６廃熱空気流通路３７羽根３８冷温熱交換ケーシング３９廃熱熱交換ケーシング４０断熱ケーシング

フロントページの続き (72)発明者野澤真太郎大阪府門真市大字門真1006番地松下電器産業株式会社内Ｆターム(参考） 3B084 JG02

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】送風機の内部にペルチェモジュールを設
け、このペルチェモジュールで熱交換した冷温熱を座席
表面カバーに伝える熱伝導シートおよび冷温風を座席表
面カバーより吹き出させる通風路を備え、前記座席表面
カバーに搬送された冷温風の吹き出しによる対流と前記
熱伝導シートからの熱伝導の両方の作用により冷却また
は加温する座席用空調装置。
【請求項２】送風機と、この送風機の羽根の回転軸芯
に平行になるように、吹き出し部の風路を２分割して前
記吹き出し部の内部に収納されたペルチェモジュール
と、前記吹き出し部の内部に収納され前記ペルチェモジ
ュールの冷却または加温する面から伝熱されて、通過す
る空気を冷却または加温する冷温熱交換器と、前記吹き
出し部の内部に収納され、前記ペルチェモジュールの廃
熱する面から伝熱されて、通過する空気と熱交換する廃
熱熱交換器と、前記送風機の冷温熱交換器を収納した冷
温吹き出し部と接続して、前記冷温熱交換器で熱交換さ
れた空気を座席に設けた空気吹出孔に導く通風路とから
構成された座席用空調装置。
【請求項３】送風機と、この送風機の羽根の回転軸芯
に垂直になるように、吹き出し部の風路を２分割して前
記吹き出し部の内部に収納されたペルチェモジュール
と、このペルチェモジュールの冷却または加温する面か
ら伝熱され、通過する空気を冷却または加温する冷温熱
交換器と、前記ペルチェモジュールの廃熱する面から伝
熱され、通過する空気と熱交換する廃熱熱交換器と、前
記送風機の冷温熱交換器を収納した冷温吹き出し部と接
続して前記冷温熱交換器で熱交換された空気を座席に設
けた空気吹出孔に導く通風路とから構成された座席用空
調装置。
【請求項４】冷温熱交換器から熱交換されて冷温熱を
座席表面カバーに伝えて冷却または加温すると共に、空
気吹出孔を介して通風路から通風された冷温風を吹き出
させる熱伝導シートを設けた請求項２又は３記載の座席
用空調装置。
【請求項５】送風機の羽根の回転軸芯に平行になるよ
うに、吹き出し部の風路を２分割して、前記吹き出し部
の内部に収納されたペルチェモジュールに合わせて送風
機のケーシングを大別３に分割し、冷温熱交換器と前記
ケーシングを兼用させた冷温熱交換ケーシングと、廃熱
熱交換器と前記ケーシングを兼用させた廃熱熱交換ケー
シングと、前記冷温熱交換ケーシングと前記廃熱熱交換
ケーシングとの間に介在させる断熱ケーシングで送風機
のケーシングを構成した請求項２記載の座席用空調装
置。
【請求項６】送風機の羽根の回転軸芯に垂直になるよ
うに、吹き出し部の風路を２分割して、吹き出し部の内
部に収納されたペルチェモジュールに合わせて送風機の
ケーシングを大別３に分割し、冷温熱交換器とケーシン
グを兼用させた冷温熱交換ケーシングと、廃熱熱交換器
とケーシングを兼用させた廃熱熱交換ケーシングと、前
記冷温熱交換ケーシングと前記廃熱熱交換ケーシングと
の間に介在させる断熱ケーシングで送風機のケーシング
を構成した請求項３記載の座席用空調装置。
【請求項７】冷温熱交換ケーシングから熱交換されて
冷温熱を座席表面カバーに伝えて冷却または加温すると
共に空気吹出孔を介して通風路から通風された冷温風を
吹き出させる熱伝導シートを設けた請求項５又は６記載
の座席用空調装置。