JP2002298876A - 固体高分子電解質型燃料電池用セパレータおよびそれを備えた固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池用セパレータおよびそれを備えた固体高分子電解質型燃料電池

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JP2002298876A
JP2002298876A JP2001097239A JP2001097239A JP2002298876A JP 2002298876 A JP2002298876 A JP 2002298876A JP 2001097239 A JP2001097239 A JP 2001097239A JP 2001097239 A JP2001097239 A JP 2001097239A JP 2002298876 A JP2002298876 A JP 2002298876A
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polymer electrolyte
fuel cell
cathode
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Naohiro Tsumura
直宏 津村
Shuji Hitomi
人見  周二
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス漏れのない、高性能なPEFC用セパレー
タおよびそれを備えたPEFCを提供する。 【解決手段】ガス供給マニホールドとガス排出マニホー
ルドを備えた固体高分子電解質型燃料電池用セパレータ
であって、前記セパレータのガス拡散電極と接する面を
表面、ガス拡散電極と接しない面を裏面とした時、前記
セパレータは、表面にガス流路、裏面にm個(但しmは
m≦nを満たす整数)の溝、表面から裏面に貫通するn
個(但しnは3以上の整数)の貫通孔を備え、ガス流路
は前記n個の貫通孔と連続し、1個以上(n−1)個以
下の貫通孔は1個以上(m−1)個以下の溝を介してガ
ス供給マニホールドと連続し、残りの貫通孔は残りの溝
を介してガス排出マニホールドと連続し、前記セパレー
タの表面には、ガス流路を囲み、ガス供給マニホールド
とガス排出マニホールドを含まない閉じた平面が存在す
る構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子電解質
型燃料電池用セパレータおよびそれを備えた固体高分子
電解質型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池(以下では「PE
FC」とする)は、固体高分子電解質膜と、その膜を挟
むように配置されたアノ−ド側ガス拡散電極とカソ−ド
側ガス拡散電極とで構成される膜−電極接合体(ME
A)の両側にセパレータを備えたPEFC単セルを、多
数積層したPEFCスタックで構成される発電装置であ
る。 この装置の発電は、アノード側ガス拡散電極に燃
料を、またカソ−ド側ガス拡散電極に酸化剤を供給する
ことによっておこなわれる。燃料として水素ガス、酸化
剤として酸素ガスを供給することによってこの装置を作
動させた場合、つぎのような電気化学反応が進行する。
【0003】 アノ−ド側電極:2H→4H+4e カソ−ド側電極:O+4H+4e→HO 従来のPEFC単セルおよびそれに使用されるセパレー
タの構造を、図4、図5および図6を用いて説明する。
図4は従来のセパレータを備えたPEFC単セルの断面
構造を示す図、図5は従来のカソード側セパレータの表
面の構造を示す図、図6は従来のカソード側セパレータ
の裏面の構造を示す図である。なお、従来のアノード側
セパレータの表面および裏面も、図5および図6と同様
の構造である。
【0004】図4、図5および図6において、1はカソ
ード側ガス拡散電極、2はアノード側ガス拡散電極、3
は固体高分子電解質膜、4はガスケット、5はカソード
側セパレータ、6はアノード側セパレータ、7はカソー
ド側ガス供給マニホールド、8はカソード側ガス排出マ
ニホールド、9はアノード側ガス供給マニホールド、1
0はアノード側ガス排出マニホールド、11はカソード
側ガス流路、12はアノード側ガス流路、13はカソー
ド側ガス流路11とカソード側ガス供給マニホールド7
を連続する溝、14はカソード側ガス流路11とカソー
ド側ガス排出マニホールド8を連続する溝である。
【0005】従来のPEFC単セルは、図4に断面構造
を示したように、カソード側ガス拡散電極1およびアノ
ード側ガス拡散電極2が、固体高分子電解質膜3の両面
に接合された膜−電極接合体(MEA)の両側に、カソ
ード側セパレータ5およびアノード側セパレータ6がガ
スケット4を介して備えられている。PEFC単セルに
は、マニホールド7、8、9、10が備えられている。
そして、カソード側セパレータ5のカソード側ガス拡散
電極1に対向する面(表面)にはカソード側ガス流路1
1が設けられ、また、アノード側セパレータ6のアノー
ド側ガス拡散電極2に対向する面(表面)にはアノード
側ガス流路12が設けられている。カソード側ガス流路
11およびアノード側ガス流路12の形状は溝状であ
る。
【0006】酸化剤ガスは、カソード側ガス供給マニホ
ールド7からカソード側ガス流路11を通り、カソード
側ガス排出マニホールド8から排気され、その間にカソ
ード側ガス拡散電極1で電気化学反応して消費される。
また、燃料ガスは、アノード側ガス供給マニホールド9
からアノード側ガス流路12を通り、アノード側ガス排
出マニホールド10から排気され、その間にアノード側
ガス拡散電極2で電気化学反応して消費される。
【0007】従来のカソード側セパレータの表面の構造
を図5に、また、裏面の構造を図6に示す。裏面には各
マニホールド7、8、9、10が設けられている。表面
にはカソード側ガス流路11と溝13および14が備え
られ、カソード側ガス流路11とカソード側ガス供給マ
ニホールド7は溝13で連続され、カソード側ガス流路
11とカソード側ガス排出マニホールド8は溝14で連
続されている。
【0008】このように従来のPEFC用カソード側セ
パレータ5では、カソード側ガス流路11が形成された
のと同じ面(表面)に2個の溝13および14が形成さ
れているために、カソード側セパレータ5の表面におい
ては、カソード側ガス流路11を囲むが、カソード側ガ
ス供給マニホールド7およびカソード側ガス排出マニホ
ールド8を含まない閉じた平面が存在しない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の構造
のセパレータにおいては、膜−電極接合体(MEA)を
ガスケットを介してセパレータで挟んだ場合、溝の部分
ではガスケットを十分に圧迫することができない。その
ため、セパレータとガスケットとの間、ガスケットと固
体高分子電解質膜との間において、ガスの密閉性が低下
するといった問題があった。特に、電解質膜とガスケッ
トとの間での密閉性の低下は、ガスがもう一方の電極の
ガス流路に漏れ出す原因となって、それによって、セル
電圧が低下することとなっていた。
【0010】また、従来のセパレータのガス拡散電極に
対向する面(表面)に備えられたガス流路では、ガスを
流通させるために大きな圧力損失が発生するといった問
題があった。特に大量のガスを流通させる場合、ガス流
路内のガスの流れが速くなるので、大きな圧力損失が生
じる。このようなセパレータを備えたPEFCスタック
では、ガスを供給するための装置の消費電力が大きくな
るので、システム全体のエネルギー効率が大きく低下す
る。
【0011】そこで本発明は、上記の問題を克服し、ガ
ス漏れのない、高性能なPEFC用セパレータおよびそ
れを備えたPEFCを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ガス
供給マニホールドとガス排出マニホールドを備えた固体
高分子電解質型燃料電池用セパレータであって、前記セ
パレータのガス拡散電極と接する面を表面、ガス拡散電
極と接しない面を裏面とした時、前記セパレータは、表
面にガス流路、裏面にm個(但しmはm≦nを満たす整
数)の溝、表面から裏面に貫通するn個(但しnは3以
上の整数)の貫通孔を備え、ガス流路は前記n個の貫通
孔と連続し、1個以上(n−1)個以下の貫通孔は1個
以上(m−1)個以下の溝を介してガス供給マニホール
ドと連続し、残りの貫通孔は残りの溝を介してガス排出
マニホールドと連続し、前記セパレータの表面には、ガ
ス流路を囲み、ガス供給マニホールドとガス排出マニホ
ールドを含まない閉じた平面が存在することを特徴とす
る。
【0013】請求項1の発明によれば、シールが確実
で、ガス漏れのない、高性能なPEFC用セパレータを
得ることができる。
【0014】請求項2の発明は、上記固体高分子電解質
型燃料電池用セパレータにおいて、セパレータの裏面に
温度調節部を備えたことを特徴とする。
【0015】請求項2の発明によれば、PEFCの温度
を最適値に制御することができる。
【0016】請求項3の発明は、上記固体高分子電解質
型燃料電池用セパレータにおいて、ガス流路、n個の貫
通孔、m個の溝を備えたセパレータを2組以上備えたこ
とを特徴とする。
【0017】請求項3の発明によれば、PEFC単セル
の電極面積を大きくすることができ、大出力のPEFC
を得ることができる。
【0018】請求項4の発明は、固体高分子電解質膜と
その両面に接合した一対のガス拡散電極とで構成される
膜−電極接合体の両側をセパレータで挟んだPEFCの
単セルを複数積層したPEFCスタックにおいて、少な
くとも1枚のセパレータが上記のセパレータであること
を特徴とする。
【0019】請求項4の発明によれば、ガス漏れのな
い、高性能なPEFCスタックを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のPEFC用セパレータの
実施形態を、図面を用いて具体的に説明する。図1は本
発明のPEFC単セルの断面構造を示した図、図2は本
発明のPEFC用カソード側セパレータの表面の構造を
示す図、図3は本発明のカソード側セパレータの裏面の
構造を示す図である。これらの図においては、カソード
側セパレータの裏面に2個の溝と、表面から裏面に貫通
する6個の貫通孔を備えた例を示した。なお、本発明の
アノード側セパレータの表面および裏面も、図2および
図3と同様の構造である。
【0021】図1、図2および図3において、記号1〜
12は、図4〜図6と同じものを示し、15はカソード
側セパレータの裏面に備えた第1の溝、16はカソード
側セパレータの裏面に備えた第2の溝、17a、17
b、17c、18a、18bおよび18cはカソード側
セパレータの表面から裏面に貫通する、第1〜第6の合
計6個の貫通孔、19は温度調節部、20は温度調節水
流路である。
【0022】図1に示したように、本発明になるPEF
C単セルは、固体高分子電解質膜3の両面に、カソード
側ガス拡散電極1およびアノード側ガス拡散電極2とを
接合した膜―電極接合体(MEA)の両側を、ガスケッ
ト4を介して挟み、さらにその外側から温度調整部19
を当接させた構造である。PEFCスタックは、このP
EFC単セルを多数積層したものである。
【0023】そしてカソード側セパレータ5のカソード
側ガス拡散電極1に接している面を表面とした時、カソ
ード側セパレータ5の表面にカソード側ガス流路11を
備え、カソード側セパレータ5の裏面には第1の溝15
と第2の溝16を備えており、また、カソード側セパレ
ータ5には6個の貫通孔17a、17b、17c、18
a、18b、18cが備えられ、カソード側ガス流路1
1はこれら6個の貫通孔と連続している。
【0024】本発明のカソード側セパレータ5の表面に
は、図2に示したように、カソード側ガス供給マニホー
ルド7、カソード側ガス排出マニホールド8、アノード
側ガス供給マニホールド9、アノード側ガス排出マニホ
ールド10およびカソード側ガス流路11が備えられて
いる。また、本発明のカソード側セパレータ5の裏面に
は、図3に示したように、4つのマニホールド7、8、
9、10と、第1の溝15および第2の溝16が備えら
れている。そして、カソード側ガス流路11と3個の貫
通孔17a、17b、17cと第1の溝15とガス供給
マニホールド7とが連続しており、また、カソード側ガ
ス流路11と3個の貫通孔18a、18b、18cと第
2の溝16とガス排出マニホールド8とが連続してい
る。
【0025】そして、カソード側の酸化剤ガスは図1に
示した矢印の方向のように、ガス供給マニホールド7か
らカソード側ガス拡散電極1を通ってガス排出マニホー
ルド8に流れ、酸化剤ガスはカソード側ガス拡散電極1
での電気化学反応によって消費され、未反応のガスや反
応生成物はガス排出マニホールド8から排気される。
【0026】本発明のPEFC用カソード側セパレータ
5においては、カソード側セパレータ5の表面に設けら
れたカソード側ガス流路11とガス供給マニホールド7
は、3つの貫通孔17a、17b、17cとカソード側
セパレータ5の裏面に備えた第1の溝15を介して連続
し、また、カソード側セパレータ5の表面に設けられた
カソード側ガス流路11とガス排出マニホールド8は、
3つの貫通孔18a、18b、18cとカソード側セパ
レータ5の裏面に備えた第2の溝16を介して連続して
いるため、カソード側セパレータ5の表面には、図2の
点線で示したような、カソード側ガス流路11を囲み、
カソード側ガス供給マニホールド7とカソード側ガス排
出マニホールド8を含まない閉じた平面が存在すること
になる。
【0027】そのため、閉じた平面を利用して、各マニ
ホールド部をOリングやガスケットなどによって確実に
シールをすることができ、ガス供給マニホールドからガ
ス流路へ流れ込むガスが対極にリークすることを著しく
減少することができる。そのことにより、燃料ガスや酸
化ガスが外部に漏出したり、混合したりすることを防止
できるために、より安全で、効率の良いPEFCスタッ
クを製作することが可能となる図1、図2および図3に
おいては、セパレータの表面から裏面に貫通する貫通孔
を6個と、裏面に2個の溝を備え、3個の貫通孔が1個
の溝を介してマニホールドと連続している場合を示した
が、本発明のセパレータにおいては、貫通孔は3個以上
の任意の整数n個あればよく、それに合わせて、溝の数
は2個以上の任意の整数m個(ただし、m≦nとする)
あればよい。例えば、カソード側ガス流路11にa個の
貫通孔が連続しており、このa個の貫通孔がa個よりも
少ない溝と連続しているような形状、いいかえると、複
数の溝の中には、1個の溝に複数の貫通孔が連続してい
る形状のものが混在していてもよい。
【0028】貫通孔の数と溝の数をこのようにすること
により、セパレータの表面に設けられたガス流路をn個
の貫通孔と連続させ、そのうち1個以上(n−1)個以
下の貫通孔は1個以上(m−1)個以下の溝を介してガ
ス供給マニホールドと連続させ、残りの貫通孔は残りの
溝を介してガス排出マニホールドと連続させることがで
きる。
【0029】また、本発明のセパレータにおいては、ガ
ス供給マニホールドが1個の溝および1個の貫通孔を介
してガス流路と連続しており、ガス排出マニホールドが
(m−1)個の溝および(n−1)個の貫通孔を介して
ガス流路と連続しているようにしてもよいし、その逆
に、ガス排出マニホールドが1個の溝および1個の貫通
孔を介してガス流路と連続しており、ガス供給マニホー
ルドが(m−1)個の溝および(n−1)個の貫通孔を
介してガス流路と連続しているようにしてもよい。
【0030】このように、ガス流路にガスが供給される
側の貫通孔および溝、またガスが排出される側の貫通孔
および溝を、少なくとも一方を複数とすることによっ
て、それぞれの貫通孔や溝に流通するガス量が少なくな
り、各貫通孔を流れるガスの流速を減少させることがで
きる。特に、電極面積が大きくなり、大量のガスを流通
させる必要がある場合でも、貫通孔およびそれに連続す
る溝の数を増加することによって、ガスの流れを減速さ
せ、流通にともなう圧力損失を削減できるので、燃料電
池システム全体のエネルギー効率を向上させることがで
きる。
【0031】さらに、このような特徴を有する本発明の
セパレータでは、ガス流路のガス供給部からガス排出部
までの構造、すなわちガスが流れる溝の幅や深さあるい
は貫通孔の寸法およびガスが流れる始点から終点までの
距離を調整することによって、それぞれに流入するガス
の量を制御することができる。例えば、図3に示すよう
に、各溝や貫通孔の形状をほぼ同じものすることによっ
て、それぞれに流れ込むガスの量を均一にすることがで
きる。
【0032】本発明におけるセパレータは、ガス拡散電
極に接している面(表面)とは反対側(裏面)が温度調
節部と接していることが好ましい。ここで、温度調節部
とは、通常は、PEFCスタックが運転状態の時に発熱
するため、その熱を除去するために循環させる冷却水を
さすが、始動時等でPEFCスタックを加熱するため
に、温水を流す場合もある。また、セパレータと温度調
節部が一体となっていてもよい。
【0033】本発明においては、上述の、表面にガス流
路、n個の貫通孔、裏面にm個の溝を備えたセパレータ
を、2組以上備えたPEFC単セルとすることも可能で
ある。このような構造とすることにより、基準の面積の
セパレータを作製しておけば、使用するガス拡散電極の
面積に応じて、セパレータを複数個ならべたPEFC単
セルとすることより、大出力のPEFCスタックを簡単
に作製することができる。
【0034】さらに本発明は固体高分子電解質膜とその
両面に接合した一対のガス拡散電極とで構成される膜−
電極接合体(MEA)の両側をセパレータで挟んだ固体
高分子電解質型燃料電池の単セルを複数積層した固体高
分子電解質型燃料電池スタックにおいて、少なくとも1
枚のセパレータを上述のセパレータとすることによりセ
パレータと単セルとの間でのガスのリークを削減するこ
とができる。さらに、本発明のPEFCスタックでは、
ガスのリークを著しく削減できることのよってガスの利
用率を向上できることから、各単セルの少なくとも一方
に本発明のセパレータを備えることが好ましい。
【0035】本発明のPEFC用セパレータの表面に設
けるガス流路の形状は特に限定されないが、ガス流路内
部でのガスの偏在を防ぐためには、ガス流路の形状は、
深さが5.0mm以下、幅が5.0mm以下の溝状であ
ることが好ましく、電極とセパレータとの間の接触抵抗
を削減するために、幅は1.0mm以下であることが特
に好ましい。
【0036】本発明のPEFC用のセパレータの裏面に
設ける溝の形状は、溝内の流体の圧力損失を軽減するた
めに、深さ0.30mm以上、幅1.0mm以上の溝で
あることが好ましい。また、セパレータの表面と裏面を
貫通する貫通孔は、厚み方向の断面が円形や長円形のも
のを用いることができる。とくに、流体の圧力損失を軽
減するために、その形状は、セパレータの表面に設けら
れたガス流路を構成する溝の断面積の0.50〜2.0
0倍の面積を有する円形であることが好ましい。
【0037】本発明のセパレータの形状は、燃料電池ス
タックに備えられたときに、たわみが少なくなることか
ら長方形であることが好ましく、とくにたわみの少ない
形状として、その単辺と長辺との比が1.0:2.0〜
1.0:5.0であることが好ましい。また、その厚み
は、燃料電池スタックを小形化ができることから、1
0.0mm以下であることが好ましく、反応熱を効率よ
く回収するために、2.0mm以下であることが好まし
い。またその材質は、炭素材料や金属材料を用いること
ができる。とくに、化学的に安定で加工性に優れた炭素
材料が好ましい。
【0038】本発明のPEFC単セルに用いられる電極
には、触媒を備えたガス拡散電極を用いることができ
る。ここで、触媒としては、白金、ルテニウム、ロジウ
ム、イリジウム、パラジウム、オスニウム、マグネシウ
ム、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、タングステン
および金からなる群より選ばれた少なくともひとつ以上
の元素を含む粒子またはそれをカーボン粒子などの担体
に担持したものを用いることができる。また、本発明の
PEFCスタックに用いられる固体高分子電解質には、
パーフルオロカーボンスルフォン酸型またはスチレン−
ジビニルベンゼン系のスルフォン酸型陽イオン交換樹脂
が好ましい。本発明のPEFC単セルやPEFCスタッ
クに用いられるガスケットには、これらの限るものでは
ないが、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、
エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、水
素化ニトリルゴム等のゴム、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素樹脂、等を原料とする板状のものを使用す
ることができる。また、さらに、機密性を向上させるた
めに、Oリングをガスケットとして使用することができ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を好適な実施例を用いて説明す
る. [実施例]カソード側およびアノード側とも同一形状
の、本発明のPEFC用セパレータを製作した。厚さ5
mmのカーボン板の表面にガス流路を、裏面に2個の溝
を、さらに6個の貫通孔を形成することによって、実施
例のセパレータを製作した。ガス拡散電極に対向する面
(表面)の形状は図2と、また、裏面の形状は図3と同
じとした。
【0040】図2および図3に示した4個のマニホール
ド7、8、9、10はすべて長円形で、直線部分の長さ
が15.0mm、その幅が10.0mm、円形部分は半
径5.0mmの半円形であり、セパレータの表面に対し
て垂直に加工されている。裏面に設けられた溝15と1
6は、いずれも幅10.0mm、深さ1.0mmであ
る。そして、6個の貫通孔はいずれも直径1.0mmの
円形で、セパレータの表面に垂直に形成されている。セ
パレータの表面に設けられたガス流路11の形状は、幅
1.0mm、深さ1.0mmの溝状である。
【0041】[比較例]厚さ5mmのカーボン板の表面
にガス流路と貫通孔とを形成した、従来のPEFC用セ
パレータを製作した。ガス拡散電極に対向する面(表
面)の形状は図5と、また、裏面の形状は図6と同じと
した。図5において、4個のマニホールド7、8、9、
10はすべて長円形で、直線部分の長さが15.0m
m、その幅が10.0mm、円形部分は半径5.0mm
の半円形であり、セパレータの表面に対して垂直に加工
されている。セパレータの表面に設けられたガス流路1
1は、幅1.0mm、深さ1.0mmの溝状である。
【0042】固体高分子電解質(デュポン社製、ナフィ
オン、膜厚約50μm)の両面にアノード側電極および
カソード側電極(ともに1.0mg/cmの白金を担
持したガス拡散電極、有効面積225cm)を接合す
ることによって膜−電極接合体(MEA)を製作した。
そして、その両面に実施例と比較例のセパレータを配し
た単セルを組立て、この単セルを3組積層することによ
ってPEFCスタックを製作し、つぎのような評価をお
いこなった。
【0043】まず、セルスタックの燃料ガスの排気口を
閉じ、同ガスの供給口から窒素ガスを封入し、その圧力
を増加させた。その結果、実施例のPEFCスタックで
は、窒素ガスの封入する圧力を3.0atmまで増加さ
せたときに、酸化剤ガスの供給口と排気口とから窒素ガ
スが漏れだした。一方、比較例のPEFCスタックで
は、その漏れは圧力が2.0atmのときに観測され
た。これは、本発明のセパレータを用いることによって
ガスの気密性が向上し、対極側へのクロスリークするガ
スの量を大きく削減できることが示された。
【0044】つぎに、実施例と比較例のPEFCスタッ
クに水素と空気とを1atmにて供給し、80℃、30
0mA/cmで作動させたときの圧力損失(供給ガス
圧と排気ガス圧との差)と電圧とを調べた結果を図7と
図8に示した。図7および図8において、Aは実施例の
PEFCスタック、Bは比較例のPEFCスタックにつ
いてのデータである。本発明のPEFCスタックの圧力
損失は、比較例のPEFCスタックよりも約0.1at
m低い値を示した。また、本発明の燃料電池スタックの
電圧は、比較例のものよりも約50mV高い電圧を示し
た。これは、本発明のセパレータを用いることによっ
て、PEFCスタックに供給されるガスの圧力損失を削
減し、その出力性能を向上できることを示している。
【0045】
【発明の効果】本発明のPRFC用セパレータを用いる
ことにより、ガス漏れがなく、高性能なPEFCスタッ
クを提供することができる。また、本発明のPEFCス
タックによれば、エネルギー効率の高い燃料電池発電シ
ステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のセパレータを備えた燃料電池ス
タックの概略図
【図2】本発明のセパレータの一例を示す概略図、
【図3】本発明の一例のセパレータを備えた燃料電池ス
タックの一部を示す図
【図4】従来のセパレータを備えたPEFC単セルの断
面構造を示す図。
【図5】従来のセパレータの表面の構造を示す図。
【図6】従来のセパレータの裏面の構造を示す図
【図7】PEFCセルスタックを300mA/cm
作動させたときのガスの圧力損失を示す図。
【図8】PEFCセルスタックの300mA/cm
の電圧を示す図。
【符号の説明】
1 カソード側ガス拡散電極 2 アノード側ガス拡散電極 3 固体高分子電解質膜 4 ガスケット 5 カソード側セパレータ 6 アノード側セパレータ 7 カソード側ガス供給マニホールド 8 カソード側ガス排出マニホールド 9 アノード側ガス供給マニホールド 10 アノード側ガス排出マニホールド 11 カソード側ガス流路 12 アノード側ガス流路 13 カソード側ガス流路11とカソード側ガス供給マ
ニホールド7を連続する溝 14 カソード側ガス流路11とカソード側ガス排出マ
ニホールド8を連続する溝 15 カソード側セパレータの裏面に備えた第1の溝 16 カソード側セパレータの裏面に備えた第2の溝 17a、17b、17c、18a、18b、18c 貫
通孔 19 温度調節部 20 温度調節水流路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス供給マニホールドとガス排出マニホ
    ールドを備えた固体高分子電解質型燃料電池用セパレー
    タであって、前記セパレータのガス拡散電極と接する面
    を表面、ガス拡散電極と接しない面を裏面とした時、前
    記セパレータは、表面にガス流路、裏面にm個(但しm
    はm≦nを満たす整数)の溝、表面から裏面に貫通する
    n個(但しnは3以上の整数)の貫通孔を備え、ガス流
    路は前記n個の貫通孔と連続し、1個以上(n−1)個
    以下の貫通孔は1個以上(m−1)個以下の溝を介して
    ガス供給マニホールドと連続し、残りの貫通孔は残りの
    溝を介してガス排出マニホールドと連続し、前記セパレ
    ータの表面には、ガス流路を囲み、ガス供給マニホール
    ドとガス排出マニホールドを含まない閉じた平面が存在
    することを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用セ
    パレータ。
  2. 【請求項2】 セパレータの裏面に温度調節部を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質型
    燃料電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の、ガス流路、
    n個の貫通孔、m個の溝を備えたセパレータを2組以上
    備えたことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用
    セパレータ。
  4. 【請求項4】 固体高分子電解質膜とその両面に接合し
    た一対のガス拡散電極とで構成される膜−電極接合体の
    両側をセパレータで挟んだ固体高分子電解質型燃料電池
    の単セルを複数積層した固体高分子電解質型燃料電池ス
    タックにおいて、少なくとも1枚のセパレータが請求項
    1、2または3に記載のセパレータであることを特徴と
    する固体高分子電解質型燃料電池スタック。
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