JP2002297192A - デジタルオーディオ復号装置 - Google Patents

デジタルオーディオ復号装置

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JP2002297192A
JP2002297192A JP2001098486A JP2001098486A JP2002297192A JP 2002297192 A JP2002297192 A JP 2002297192A JP 2001098486 A JP2001098486 A JP 2001098486A JP 2001098486 A JP2001098486 A JP 2001098486A JP 2002297192 A JP2002297192 A JP 2002297192A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 符号化時に不適切に圧縮されたオーディオデ
ータに対して、復号・再生時に雑音の低減を行ない、良
好な音質を提供することが可能なデジタルオーディオ復
号装置を提供する。 【解決手段】 デジタルオーディオ復号装置100は、
音声信号を複数の周波数帯域ごとに圧縮したオーディオ
データの復号を行なう。誤差算出部20は、圧縮された
オーディオデータに含まれる帯域ごとの誤差量を算出す
る。制御帯域判断部30は、各帯域の誤差量をもとに、
補正処理を行なう帯域を決定する。帯域補正部40は、
決定された帯域に対し補正を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、符号化されたオー
ディオデータを復号するオーディオ復号装置の構成に関
し、特に、再生時の聴感的な音質劣化を低減することが
可能なオーディオ復号装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、MPEG−Audio(Moving P
icture Experts Group-Audio)規格(ISO/IEC1
1172−3,ISO/IEC13818−3,ISO
/IEC13818−7)など、オーディオデータを符
号化し、データ量を圧縮する方式が多く提案されてい
る。これらの方式では、符号化時に人間が聴感上あまり
聞き取ることができない情報を除去することで、データ
量を圧縮することを可能としている。
【0003】また、復号化時には、同じくMPEG−A
udio規格などで定められた方式に基づいて、復号処
理が行なわれる。このとき、符号化時に除去された情報
については復元することができないが、符号化時に除去
された情報が聴感上重要でないものであれば、音質の劣
化を感じさせることなくオーディオデータを再生するこ
とができる。
【0004】こうしたオーディオ符号化/復号化方式を
用いることで、限られた伝送容量での通信や、限られた
容量のメディアへの蓄積が可能になる。そのため、イン
ターネットや電話回線による音楽配信、デジタルテレビ
放送、ミニディスク(MD:Mini-Disc)や固体メモリ
を利用した音楽プレーヤーなど、多くの分野で利用され
ている。
【0005】以下、従来のデジタルオーディオ復号装置
の構成について、図面を参照しながら説明する。
【0006】図8は、このような従来のデジタルオーデ
ィオ復号装置800の構成を説明するための図である。
【0007】図8を参照して、「圧縮オーディオデー
タ」は、MPEG−Audio規格などで符号化された
データである。また、「オーディオデータ」は、復号さ
れたオーディオの時系列データであり、DAC(デジタ
ル/アナログ変換器)、増幅器、スピーカを通して、音
として再生することができる。
【0008】オーディオデコーダ810は、「圧縮オー
ディオデータ」を入力とし、MPEG−Audio規格
に従って、デコード処理を行ない、「オーディオデー
タ」を出力する。こうして、MPEG−Audio規格
などで符号化されたデータの復号を実現でき、DAC、
増幅器、スピーカ等の再生系と併せて再生することが可
能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】MPEG−Audio
規格などに従って、符号化を行なう際に、人間の聴感に
そぐわない方法でデータ圧縮が行なわれたり、過度の圧
縮率でデータ圧縮が行なわれたりすると、人間の聴取可
能な情報まで除去されてしまう場合がある。この場合、
このような圧縮データを復号して再生すると、除去され
てしまった情報に相当する部分が雑音として知覚され、
聴取者には不快感を与えてしまうという問題点があっ
た。
【0010】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであって、その目的は、符号化時に
不適切に圧縮されたオーディオデータに対して、復号・
再生時に雑音の低減を行ない、良好な音質を提供するこ
とが可能なオーディオ復号装置を提供することである。
【0011】この発明の他の目的は、不適切に圧縮され
たオーディオデータを自動的に判別することで、雑音を
含んだオーディオデータに対しては雑音を低減して再生
し、適切に符号化されたデータに対しては通常の再生を
妨げないことが可能なオーディオ復号装置を提供するこ
とである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のデジタル
オーディオ復号装置は、音声信号を複数の周波数帯域ご
とに圧縮したオーディオデータの復号を行なうためのデ
ジタルオーディオ復号装置であって、圧縮されたオーデ
ィオデータに含まれる帯域ごとの誤差量を算出する誤差
算出手段と、各帯域の誤差量をもとに、補正処理を行な
う帯域を決定する帯域決定手段と、決定された帯域に対
し補正を行なう補正手段とを備える。
【0013】請求項2記載のデジタルオーディオ復号装
置は、請求項1記載のデジタルオーディオ復号装置の構
成に加えて、各帯域の聴感的な感度を算出するための聴
感算出手段をさらに備え、帯域決定手段は、各帯域の誤
差量と各帯域の聴感的な感度をもとに、補正処理を行な
う帯域を決定する。
【0014】請求項3記載のデジタルオーディオ復号装
置は、請求項1または2に記載のデジタルオーディオ復
号装置の構成に加えて、オーディオデータに含まれる帯
域ごとの誤差量は、オーディオデータの各帯域成分の量
子化間隔をもとに算出される。
【0015】請求項4記載のデジタルオーディオ復号装
置は、請求項2記載のデジタルオーディオ復号装置の構
成に加えて、人間の最小可聴レベル特性を帯域ごとに示
したテーブルを格納するためのテーブル格納部をさらに
備え、聴感算出手段は、テーブルをもとにして、各帯域
の聴感的な感度を算出する。
【0016】請求項5記載のデジタルオーディオ復号装
置は、請求項2記載のデジタルオーディオ復号装置の構
成に加えて、聴感算出手段は、圧縮されたオーディオデ
ータから、各帯域のマスキングレベルを算出し、マスキ
ングレベルを聴感的な感度として使用する。
【0017】請求項6記載のデジタルオーディオ復号装
置は、請求項1記載のデジタルオーディオ復号装置の構
成に加えて、帯域決定手段は、各帯域の誤差量が一定値
以上の帯域を、補正処理を行なう帯域として決定する。
【0018】請求項7記載のデジタルオーディオ復号装
置は、請求項1記載のデジタルオーディオ復号装置の構
成に加えて、帯域決定手段は、最も高い周波数帯域から
連続しており、かつ、誤差量が一定値以上である帯域
を、補正処理を行なう帯域として決定する。
【0019】請求項8記載のデジタルオーディオ復号装
置は、請求項1記載のデジタルオーディオ復号装置の構
成に加えて、帯域決定手段は、最も低い周波数帯域から
連続しており、かつ、誤差量が一定値以上である帯域
を、補正処理を行なう帯域として決定する。
【0020】請求項9記載のデジタルオーディオ復号装
置は、請求項2記載のデジタルオーディオ復号装置の構
成に加えて、帯域決定手段は、誤差量が聴感的な感度を
上回る帯域を、補正処理を行なう帯域として決定する。
【0021】請求項10記載のデジタルオーディオ復号
装置は、請求項2記載のデジタルオーディオ復号装置の
構成に加えて、帯域決定手段は、最も高い周波数帯域か
ら連続しており、かつ、誤差量が聴感的な感度を上回る
帯域を、補正処理を行なう帯域として決定する。
【0022】請求項11記載のデジタルオーディオ復号
装置は、請求項2記載のデジタルオーディオ復号装置の
構成に加えて、帯域決定手段は、最も低い周波数帯域か
ら連続しており、かつ、誤差量が聴感的な感度を上回る
帯域を、補正処理を行なう帯域として決定する。
【0023】請求項12記載のデジタルオーディオ復号
装置は、請求項1または2記載のデジタルオーディオ復
号装置の構成に加えて、補正手段は、帯域決定手段によ
り決定された帯域のオーディオデータの復号を停止す
る。
【0024】請求項13記載のデジタルオーディオ復号
装置は、請求項1または2記載のデジタルオーディオ復
号装置の構成に加えて、補正手段は、帯域決定手段によ
り決定された帯域に応じてフィルタを選択し、決定され
た帯域のオーディオデータを減衰させるフィルタ処理を
行なう。
【0025】請求項14記載のデジタルオーディオ復号
装置は、請求項1または2記載のデジタルオーディオ復
号装置の構成に加えて、帯域決定手段は、補正処理を行
なう帯域とその当該帯域に対する補正係数を決定し、補
正手段は、決定された帯域と補正係数に応じて、決定さ
れた帯域のオーディオデータを補正係数に応じて減衰さ
せる処理を行なう。
【0026】請求項15記載のデジタルオーディオ復号
装置は、音声信号を圧縮したオーディオデータの復号を
行なうためのデジタルオーディオ復号装置であって、圧
縮されたオーディオデータのビットレートを算出するレ
ート算出手段と、ビットレートをもとに補正する帯域を
決定する帯域決定手段と、決定された帯域に対して補正
処理を行なう補正手段とを備える。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0028】また、以下では、ISO/IEC1381
8−7(名称は、MPEG-Audio ADVANCED Audio Codec、
以下、AACと略す)の中で規定されたadtsフォー
マットに対する復号装置を例にとって説明することにす
る。ただし、本発明はこのような規格に限定されること
なく、オーディオデータが周波数分析に基づいて圧縮さ
れており、各周波数帯域ごとに、データ圧縮処理を規定
するデータから、量子化に伴う誤差を予測可能なデータ
圧縮方式や、圧縮オーディオデータ中のデータに基づい
て、ビットレートを算出することが可能な圧縮方式に対
して適用可能なものである。
【0029】[実施の形態1]図1は、本発明の実施の
形態1のデジタルオーディオ復号装置100の構成を説
明するための概略ブロック図である。
【0030】デジタルオーディオ復号装置100は、以
下に説明するとおり、入力の圧縮オーディオデータから
帯域ごとの誤差量を算出し、その誤差量をもとに補正処
理を行なう帯域を決定し、その帯域に対して補正処理を
行なうことで、復号時に聴感的な音質劣化を低減するこ
とが可能である。
【0031】図1を参照して、「圧縮オーディオデー
タ」は、システムへの入力となるAAC規格のデータス
トリームである。「オーディオデータ」は、「圧縮オー
ディオデータ」を復号して得られるオーディオの時系列
データである。オーディオデコーダ10は、「圧縮オー
ディオデータ」を入力として、AAC規格の復号処理を
行ない、復号結果を「オーディオデータ」として出力す
るブロックである。以上により、AAC規格に従う通常
の復号処理が行なわれる。
【0032】図1において、誤差算出部20は、「圧縮
オーディオデータ」から符号化時に発生した各帯域に含
まれる誤差量を算出するブロックである。算出された各
帯域の誤差量は、「予測誤差量」として制御帯域判断部
30に出力される。
【0033】誤差算出部20において「予測誤差量」を
算出する方法について以下に詳しく説明する。
【0034】図2は、AAC規格の、特にadtsフォ
ーマットの圧縮データフォーマットを示す概念図であ
る。
【0035】adtsフォーマットの圧縮データフォー
マットは、図2に示すように、adtsフレームという
データ構造の連続である。
【0036】adtsフレームは、adtsヘッダとい
くつかのフレームから成り立っている。フレームは、復
号処理を行なう単位であり、各チャネルの連続する10
24個のオーディオサンプルを格納している。
【0037】図3は、フレーム内のオーディオサンプル
の構成を示す概念図である。フレーム内のオーディオサ
ンプルは、図3に示すように、周波数変換されて格納さ
れており、周波数帯域ごとに異なる量子化間隔で量子化
されている。
【0038】具体的には、オーディオサンプルは、フレ
ームのデータ構造の中に、以下の形式で格納されてい
る。
【0039】Sq:量子化されたサンプル(量子化のイ
ンデックス値) Scf:スケーリング因子(周波数帯域ごとに異なる) ここで、Sqはチャネルごとに1024サンプル存在
し、それぞれ1024個に分割された各周波数帯域成分
に相当する。一方、Scfは、図3に示すように、10
24個に分割された各周波数帯域のいくつかをまとめた
スケールファクタバンド(以下、sfb)ごとに存在し
ている。これらを用いて、逆量子化は以下の式に従って
行なうことが規格で定められている。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、Sq=SQ,Scf=SCFの場
合の量子化誤差Eについて考える。Scf=SCFであ
って、Sq=SQ−1、Sq=SQ、Sq=SQ+1の
それぞれの場合において、逆量子化の値を求めると以下
の式のように表わされる。
【0042】
【数2】
【0043】ここで、符号化を行なう前の本来のサンプ
ル値をSとすれば、符号化時に、Sq=SQと量子化さ
れるSの範囲は、SがSd(SQ−1,SCF)および
Sd(SQ+1,SCF)よりもSd(SQ,SCF)
に近い場合であるから、そのような範囲を示すと、以下
の式(1)のようになる。さらに、量子化による誤差E
は、E=(S−Sd)と求められるので、Eの範囲は、
以下の式(2)のようになる。
【0044】
【数3】
【0045】上記誤差Eの範囲が広いことは存在する誤
差が大きいことを示し、上記誤差Eの範囲が狭いことは
存在する誤差が小さいことを示すから、誤差Eの範囲の
広さから誤差量の大きさを推定することができる。ま
た、上記の式に従って、誤差Eの範囲は、「圧縮オーデ
ィオデータ」中の量子化サンプルSq、スケール因子S
cfに依存して算出できることになる。
【0046】したがって、「圧縮オーディオデータ」中
の量子化サンプルSq、スケール因子Scfを用いて量
子化間隔を算出し、これを元に「圧縮オーディオデー
タ」中の各周波数成分に含まれる「予測誤差量」を算出
することができる。
【0047】再び、図1を参照して、制御帯域判断部3
0は、各帯域の上述したような「予測誤差量」をもと
に、補正処理を行なう帯域を決定するブロックである。
【0048】制御帯域判断部30は、決定した帯域の情
報を「制御帯域情報」として帯域補正部40に送出す
る。
【0049】次に、制御帯域判断部30において補正処
理を行なう帯域を決定する方法について以下にさらに詳
しく説明する許容誤差のしきい値として定数E0を設け
る。制御帯域判断部30には、この定数E0が予め格納
されており、帯域ごとに「予測誤差量」との比較を行な
う。「予測誤差量」が定数E0よりも大きくなる帯域を
補正処理を行なう帯域として、また、「予測誤差量」が
定数E0以下となる帯域を補正処理を行なわない帯域と
して判断する。
【0050】以上の方法で、補正制御を行なう帯域を示
した情報である「制御帯域情報」を決定し出力すること
ができる。
【0051】帯域補正部40は、制御帯域判断部30か
ら送られる「制御帯域情報」に基づいて、「圧縮オーデ
ィオデータ」の復号結果である「オーディオデータ」に
補正処理を行なう。
【0052】以下、帯域補正部40において行なう補正
処理の方法をさらに詳しく説明する。
【0053】帯域補正部40は、遮断帯域の異なるいく
つかの帯域遮断フィルタ、低域通過フィルタ、高域通過
フィルタを格納しており、それらの中から「制御帯域情
報」によって補正処理を行なうことを示された帯域を遮
断するフィルタを選択する。そして、「オーディオデー
タ」に対し、選択したフィルタを用いてフィルタ処理を
行ない、結果を「補正オーディオデータ」として出力す
る。
【0054】以上説明したような動作により、入力され
たオーディオデータが誤差を多く含んでいる場合、復号
を行なう際に、誤差を多く含んだ帯域成分を自動的に除
去したオーディオデータを出力することが可能となり、
聴感上、雑音を低減した音を提供することができる。
【0055】[実施の形態2]実施の形態2のオーディ
オデータ復号装置の構成は、基本的に実施の形態1のオ
ーディオデータ復号装置100の構成と同様である。
【0056】ただし、以下に説明するように、制御帯域
判断部30において、補正処理を行なう帯域を決定する
際の処理が異なる。
【0057】以下、制御帯域判断部30において、補正
処理を行なう帯域を決定する処理の方法について説明す
る。
【0058】制御帯域判断部30には、許容誤差のしき
い値として定数E0が設けられ、この定数E0が格納さ
れている。
【0059】最も高い周波数帯域から順に、帯域ごとに
「予測誤差量」と定数E0の比較を行ない、初めて「予
測誤差量」<定数E0となるような帯域を求める。この
帯域より高い周波数の全帯域を補正処理を行なう帯域と
して判断する。
【0060】以上の方法で、補正制御を行なう帯域を示
す情報である「制御帯域情報」を決定することができ
る。
【0061】以上の方法によっても、入力されたオーデ
ィオデータが誤差を多く含んでいる場合、復号を行なう
際に誤差を多く含んだ帯域成分を自動的に除去したオー
ディオデータを出力することが可能になり、聴感上雑音
を低減した音を提供することができる。
【0062】また、このとき、「制御帯域情報」として
は境界となる帯域のみの情報を帯域補正部40に送れば
よく、より小規模なシステムで実現することが可能であ
る。さらに、帯域補正部40が格納するフィルタは、低
域通過フィルタのみの組合せでよく、より小規模なシス
テムで実現が可能となる。
【0063】[実施の形態3]実施の形態3のデジタル
オーディオ復号装置の構成は、基本的に実施の形態1の
デジタルオーディオ復号装置の構成と同様であるが、以
下に説明するように、制御帯域判断部30における処理
が異なる。
【0064】以下、制御帯域判断部30において補正処
理を行なう帯域を決定する処理について説明する。
【0065】まず、許容誤差のしきい値として定数E0
を設けておき、制御帯域判断部30にこの定数E0を格
納しておく。
【0066】最も低い周波数帯域から順に、帯域ごとに
「予測誤差量」と定数E0の比較を行ない、初めて「予
測誤差量」<定数E0となる帯域を求める。この帯域よ
り低い周波数の全帯域を補正処理を行なう帯域として判
断する。
【0067】以上の方法で、補正制御を行なう帯域を示
す情報である「制御帯域情報」を決定し出力することが
できる。
【0068】以上の方法によっても、入力されたオーデ
ィオデータが誤差を多く含んでいる場合、復号を行なう
際に、誤差を多く含んだ帯域成分を自動的に除去したオ
ーディオデータを出力することが可能になり、聴感上、
雑音を低減した音を提供することができる。
【0069】また、このとき、「制御帯域情報」として
は境界となる帯域のみの情報を帯域補正部40に送れば
よく、より小規模なシステムで実現が可能である。さら
に、帯域補正部40が格納するフィルタは、高域通過フ
ィルタのみの組合せでよく、より小規模なシステムで実
現が可能である。
【0070】[実施の形態4]図4は、本発明の実施の
形態4のデジタルオーディオ復号装置200の構成を説
明するための概略ブロック図である。
【0071】デジタルオーディオ復号装置200は、以
下に説明するとおり、入力の圧縮オーディオデータから
帯域ごとの誤差量を算出し、その誤差量をもとに補正処
理を行なう帯域を決定し、その帯域に対しては補正処理
を行なうことで、復号時に聴感的な音質劣化を低減す
る。
【0072】図4においても、「圧縮オーディオデー
タ」は、システムへの入力となるAAC規格のデータス
トリームであるものとする。「オーディオデータ」は
「圧縮オーディオデータ」を復号して得られるオーディ
オの時系列データである。
【0073】AACなどの規格では、実施の形態1で説
明したように、フレーム内のオーディオサンプルは周波
数分析された状態で格納されている。したがって、復号
処理の全体の流れの中の後段では、IMDCT(Invers
e Modified Discrete CosineTransform)など周波数領
域から時間領域へ変換する処理が行なわれる。
【0074】図4を参照して、オーディオデコーダ1
0.1は、圧縮オーディオデータを入力として、AAC
規格などの復号処理のうち、周波数領域から時間領域へ
の変換の前段階の処理までを行ない、その処理の結果で
ある周波数領域でのオーディオサンプルを「中間オーデ
ィオデータ1」として出力するブロックである。
【0075】オーディオデコーダ10.2は、帯域補正
部40から出力される周波数領域でのオーディオサンプ
ルである「中間オーディオデータ2」を入力として、A
AC規格などの復号処理のうち、周波数領域から時間領
域への変換以後の処理を行ない、復号処理の結果である
時間領域でのオーディオサンプルを「オーディオデー
タ」として出力するブロックである。
【0076】帯域補正部40が何の処理も行なわず、入
力である「中間オーディオデータ1」を「中間オーディ
オデータ2」として出力した場合、以上の処理により、
たとえば、AAC規格に従う通常の復号が行なわれる。
【0077】図4において誤差算出部20、制御帯域判
断部30は実施の形態1と同じ処理を行ない、帯域補正
部40に補正制御を行なう帯域を示した「制御帯域情
報」を送る。
【0078】帯域補正部40は、制御帯域判断部30か
ら送られる「制御帯域情報」に基づいて、オーディオデ
コーダ10.1の出力である周波数領域でのオーディオ
サンプルに補正処理を行なう。
【0079】帯域補正部40において行なう補正処理の
方法について以下にさらに詳しく説明する帯域補正部4
0の入力である「中間オーディオデータ1」は周波数領
域でのオーディオサンプルである。その中から、「制御
帯域情報」によって補正処理を行なうことを示された帯
域に相当するオーディオサンプルをゼロ値に置き換え、
その周波数成分を除去する。置き換え後のオーディオサ
ンプルを「中間オーディオデータ2」として出力する。
【0080】この置き換えによって、オーディオデコー
ダ10.2で時間領域に変換された「オーディオデー
タ」は、「制御帯域情報」によって補正処理を行なうこ
とを示された帯域成分を含まないデータとして出力され
る。
【0081】以上により、入力されたオーディオデータ
が誤差を多く含んでいる場合、復号を行なう際に、誤差
を多く含んだ帯域成分を自動的に除去したオーディオデ
ータを出力することが可能になり、聴感上、雑音を低減
した音を提供することができる。
【0082】また、周波数領域でサンプル値を間引くこ
とにより、フィルタ処理を行なう必要がないため、より
小規模なシステムで実現をすることが可能である。
【0083】[実施の形態5]実施の形態5のデジタル
オーディオ復号装置の構成は、実施の形態4のデジタル
オーディオ復号装置200の構成と基本的に同様である
が、以下に説明するとおり、制御帯域判断部30および
帯域補正部40の行なう処理が異なる。
【0084】制御帯域判断部30は、「予測誤差量」を
もとにして、補正処理を行なう帯域の情報とともに、ど
の程度補正を行なうかを示す「補正係数」を決定し、両
者を「制御帯域情報」として帯域補正部40に送る。
【0085】制御帯域判断部30において補正処理を行
なう帯域を決定する方法は実施の形態1と同様である。
【0086】「補正係数」を算出する方法については以
下にさらに詳しく説明する。許容誤差のしきい値とし
て、制御帯域判断部30に格納された定数E0と、帯域
ごとの「予測誤差量」とを用いて、「補正係数」を(E
0/「予測誤差量」)として決定する。これは、予測誤
差量を何倍すれば許容誤差量になるかを示す係数であ
る。
【0087】以上の方法で、「制御帯域情報」内の「補
正係数」を決定することができる。帯域補正部40は、
制御帯域判断部30から送られる「制御帯域情報」に基
づいて、オーディオデコーダ10.1の出力である周波
数領域でのオーディオサンプルに補正処理を行なう。
【0088】帯域補正部40において行なう補正処理の
方法を以下に説明する。帯域補正部40の入力である
「中間オーディオデータ1」は、周波数領域のオーディ
オサンプルである。帯域補正部40は、「中間オーディ
オデータ1」の中から、「制御帯域情報」によって補正
処理を行なうことを示された帯域に相当するオーディオ
サンプルに対して、「制御帯域情報」内の「補正係数」
を乗じることにより、補正を行なった値に置き換える。
帯域補正部40は、置き換え後のオーディオサンプルを
「中間オーディオデータ2」として出力する。
【0089】この置き換えによって、「中間オーディオ
データ2」の各周波数成分が含む誤差量は、許容誤差量
E0以下に抑えられ、雑音を低減することが可能とな
る。また、同時に、必要以上に元のオーディオデータを
削除することがなくなるので、補正処理による音質の劣
化を抑制することが可能となる。
【0090】[実施の形態6]図5は、本発明の実施の
形態6のデジタルオーディオ復号装置300の構成を説
明するための概略ブロック図である。
【0091】デジタルオーディオ復号装置300は、以
下に説明するとおり、入力の圧縮オーディオデータから
ビットレートを算出し、そのビットレートをもとに補正
処理を行なう帯域を決定して、その帯域に対して補正処
理を行なうことで、復号時に聴感的な音質劣化を低減す
る。
【0092】図5において、「圧縮オーディオデータ」
は、システムへの入力となる、たとえばAAC規格のデ
ータストリームである。「オーディオデータ」は「圧縮
オーディオデータ」を復号して得られるオーディオの時
系列データである。
【0093】オーディオデコーダ10は、「圧縮オーデ
ィオデータ」を入力として、AAC規格の復号処理を行
ない、復号結果を「オーディオデータ」として出力する
ブロックである。以上により、AAC規格に従う通常の
復号処理が行なわれる。
【0094】図5において、ビットレート算出部50
は、「圧縮オーディオデータ」から、圧縮オーディオデ
ータのビットレートを算出するブロックである。算出さ
れたビットレートは、「ビットレート情報」として制御
帯域判断部30に出力される。
【0095】以下、ビットレート算出部50において
「ビットレート」を算出する方法について、詳しく説明
する。
【0096】AAC規格の、特にadtsフォーマット
の圧縮データフォーマットは、実施の形態1の図2で説
明したとおり、adtsフレームというデータ構造の連
続である。adtsフレーム中には、サンプリング周波
数を示す情報とadtsフレームのサイズを示す情報と
adtsフレーム内に格納されているフレーム数を示す
情報が格納されている。これらの情報をもとに、以下の
ようにして「ビットレート」を算出する。
【0097】adtsフレームサイズ(ビット)×サン
プリング周波数(Hz)/(フレーム数×1024)
(サンプル) 以上の方法により、「ビットレート」の算出が可能であ
る。
【0098】制御帯域判断部30は、各帯域のビットレ
ートをもとに補正処理を行なう帯域を決定するブロック
である。決定した帯域の情報を「制御帯域情報」として
帯域補正部40に送る。
【0099】制御帯域判断部30において補正処理を行
なう帯域を決定する方法を以下に説明する。
【0100】制御帯域判断部30は、ビットレートと補
正処理を行なう帯域の下限との関係をテーブルとして格
納しておく。このテーブルは、ビットレートが下がるほ
ど補正処理を行なう帯域も下がる関係を示しているもの
とする。
【0101】制御帯域判断部30は、このテーブルを用
いて、入力された「ビットレート」に最も近い補正処理
を行なう帯域の下限を求める。この下限値より高周波数
のすべての帯域を補正処理を行なう帯域として判断す
る。
【0102】以上の方法で、補正制御を行なう帯域を示
した情報である「制御帯域情報」を決定することができ
る。
【0103】帯域補正部40は、制御帯域判断部30か
ら送られる「制御帯域情報」に基づいて、「圧縮オーデ
ィオデータ」の復号結果である「オーディオデータ」に
補正処理を行なう。
【0104】帯域補正部40において行なう補正処理の
内容を以下に説明する。帯域補正部40は遮断帯域の異
なるいくつかの帯域遮断フィルタ、低域通過フィルタ、
高域通過フィルタを格納しており、その中から「制御帯
域情報」によって補正処理を行なうことを示された帯域
を遮断するフィルタを選択する。そして、「オーディオ
データ」に対し、選択したフィルタを用いたフィルタ処
理を行ない、結果を「補正オーディオデータ」として出
力する。
【0105】以上により、入力されたオーディオデータ
が誤差を多く含んでいる場合、復号を行なう際に、誤差
を多く含んだ帯域成分を自動的に除去したオーディオデ
ータを出力することが可能になる。したがって、聴感
上、雑音を低減した音を提供することができる。
【0106】[実施の形態7]図6は、本発明の実施の
形態7のデジタルオーディオ復号装置400の構成を説
明するための概略ブロック図である。
【0107】デジタルオーディオ復号装置400は、以
下に説明するとおり、入力の圧縮オーディオデータから
帯域ごとの誤差量を算出し、その誤差量と帯域ごとの聴
感的感度をもとに補正処理を行なう帯域を決定し、その
帯域に対して補正処理を行なうことで、復号時に聴感的
な音質劣化を低減する復号装置のシステム構成を示した
ブロック図である。
【0108】図6において、「圧縮オーディオデータ」
は、システムへの入力となる、たとえばAAC規格のデ
ータストリームである。「オーディオデータ」は、「圧
縮オーディオデータ」を復号して得られるオーディオの
時系列データである。
【0109】オーディオデコーダ10は、実施の形態1
と同様に、「圧縮オーディオデータ」を入力として、A
AC規格の復号処理を行ない、復号結果を「オーディオ
データ」として出力するブロックである。以上により、
AAC規格に従うと通常の復号処理が行なわれる。
【0110】図6において、誤差算出部20は実施の形
態1と同様であり、「圧縮オーディオデータ」から、符
号化時に発生した各帯域に含まれる「予測誤差量」を算
出し制御帯域判断部30に出力する。
【0111】聴覚心理量算出部70は、各帯域において
人間の聴感的な感度である「予測聴覚心理量」を決定
し、制御帯域判断部30に送る。
【0112】聴覚心理量算出部70において、「予測聴
覚心理量」を決定する方法を以下に説明する。
【0113】人間の聴覚の感度は、周波数に依存して異
なっており、たとえば物理的に同じ大きさの音であって
も、4kHzの音と15kHzの音では、4kHzの音
の方が大きく聞こえる。こうした聴覚の感度の周波数依
存性は、ISO226などの規格にまとめられている。
【0114】聴覚心理テーブル格納部60は、上述した
ようなISO226で規定されたような情報をもとに、
周波数と聴感上聞き取ることのできない音の最大値との
関係を示したテーブルを格納しており、聴覚心理量算出
部70では、聴覚心理テーブル格納部60に格納された
情報に基づいて、各帯域の「予測聴覚心理量」を算出す
る。
【0115】以上のような方法で、「予測聴覚心理量」
の決定が可能である。制御帯域判断部30は、各帯域の
「予測誤差量」と「予測聴覚心理量」とをもとに補正処
理を行なう帯域を決定するブロックである。決定した帯
域の情報を「制御帯域情報」として帯域補正部40に送
る。
【0116】以下、制御帯域判断部30において補正処
理を行なう帯域を決定する方法を説明する。
【0117】制御帯域判断部30は、帯域ごとに「予測
誤差量」と「予測聴覚心理量」との比較を行なう。
【0118】「予測誤差量」>「予測聴覚心理量」とな
る帯域を補正処理を行なう帯域とし、「予測誤差量」<
「予測聴覚心理量」となる帯域を、補正処理を行なわな
い帯域として判断する。
【0119】以上の方法で、補正制御を行なう帯域を示
した情報である「制御帯域情報」を決定することができ
る。
【0120】帯域補正部40の構成は、実施の形態1に
示したものと同様であり、「制御帯域情報」に基づい
て、「オーディオデータ」の補正処理を行ない、「補正
オーディオデータ」として出力する。
【0121】なお、実施の形態7のデジタルオーディオ
復号装置400においても、図4に示したデジタルオー
ディオ復号装置200の構成と同様に、オーディオデコ
ーダ10を、周波数領域から時間領域への変換の前段階
の処理までを行なうオーディオデコーダ10.1と、周
波数領域から時間領域への変換以後の処理を行なうオー
ディオデコーダ10.2とに分割し、帯域補正部40
は、オーディオデコーダ10.1の出力を補正して、オ
ーディオデコーダ10.2に与える構成としてもよい。
【0122】また、実施の形態7のデジタルオーディオ
復号装置400においても、実施の形態5のデジタルオ
ーディオ復号装置の構成と同様に、制御帯域判断部30
は、「予測誤差量」と「予測聴覚心理量」をもとにして
決定された補正処理を行なう帯域の情報とともに、どの
程度補正を行なうかを示す「補正係数」を決定し、両者
を「制御帯域情報」として帯域補正部40に送る構成と
してもよい。帯域補正部40では、実施の形態5と同様
にして補正処理を行なう。
【0123】以上により、入力されたオーディオデータ
が誤差を多く含んでいる場合、復号を行なう際に、誤差
を多く含んだ帯域成分を自動的に除去したオーディオデ
ータを出力することが可能になり、聴感上、雑音を低減
した音を提供することができる。
【0124】また、聴感的な特性を考慮して誤差量を評
価することにより、より人間が聴取する際に適切な雑音
の低減を行なうことができる。
【0125】[実施の形態8]図7は、本発明の実施の
形態8のデジタルオーディオ復号装置500の構成を説
明するための概略ブロック図である。
【0126】デジタルオーディオ復号装置500は、以
下に説明するとおり、入力の圧縮オーディオデータから
帯域ごとの誤差量と聴感的感度とを算出し、その誤差量
と聴感的感度とをもとに補正処理を行なう帯域を決定
し、その帯域に対して補正処理を行なうことで、復号時
に聴感的な音質劣化を低減する。
【0127】図7においても、「圧縮オーディオデー
タ」は、システムへの入力となる、たとえばAAC規格
のデータストリームである。「オーディオデータ」は、
「圧縮オーディオデータ」を復号して得られるオーディ
オの時系列データである。
【0128】オーディオデコーダ10は、実施の形態1
と同様に、圧縮オーディオデータを入力として、たとえ
ばAAC規格の復号処理を行ない、復号結果を「オーデ
ィオデータ」として出力するブロックである。以上によ
り、AAC規格に従う通常の復号処理が行なわれる。
【0129】図7において誤差算出部20は実施の形態
1および実施の形態7で説明したのと同様な構成を有
し、「圧縮オーディオデータ」から符号化時に発生した
各帯域における「予測誤差量」を算出し、制御帯域判断
部30に出力する。
【0130】聴覚心理量算出部70は、「圧縮オーディ
オデータ」をもとに各帯域において人間の聴感的な感度
である「予測聴覚心理量」を決定し、制御帯域判断部3
0に送る。
【0131】以下では、聴覚心理量算出部70におい
て、「予測聴覚心理量」を決定する方法を説明する。
【0132】人間の聴覚の感度は、周囲に存在する音に
依存して異なり、この現象は「マスキング」として一般
に知られている。マスキングでは、ある音に対して、周
波数的に近い位置に他の音が存在したり、時間的に近い
位置に音が存在したりすると、その音が聞こえにくくな
るという現象が現われる。すなわち、たとえば物理的に
同じ大きさの4kHzの音であっても、その音のみを聞
く場合と、3.5kHzの他の音と一緒に聞く場合とで
は、前者の方が音が大きく聞こえるという特性がある。
こうした各時刻、各帯域におけるマスキング量を算出す
る方法としては、たとえば、ISO/IES11172
−3などに記載された方法がある。
【0133】聴覚心理量算出部70では、このようなI
SO/IEC11172−03などに記載された方法を
用いて、「圧縮オーディオデータ」から、その時点で各
帯域における聴感上聞き取ることができない音の最大値
を算出する。これを各帯域の「予測聴覚心理量」とす
る。
【0134】以上のような方法で、「予測聴覚心理量」
の決定が可能である。制御帯域判断部30は、実施の形
態7で説明したものと同様の構成を有し、各帯域の「予
測誤差量」と「予測聴覚心理量」とをもとに補正処理を
行なう帯域を決定し、「制御帯域情報」として帯域補正
部40に送る。
【0135】帯域補正部40は、実施の形態7に示した
のと同様の構成を有し、「制御帯域情報」に基づいて、
「オーディオデータ」の補正処理を行ない、「補正オー
ディオデータ」として出力する。
【0136】なお、実施の形態8のデジタルオーディオ
復号装置500においても、図4に示したデジタルオー
ディオ復号装置200の構成と同様に、オーディオデコ
ーダ10を、周波数領域から時間領域への変換の前段階
の処理までを行なうオーディオデコーダ10.1と、周
波数領域から時間領域への変換以後の処理を行なうオー
ディオデコーダ10.2とに分割し、帯域補正部40
は、オーディオデコーダ10.1の出力を補正して、オ
ーディオデコーダ10.2に与える構成としてもよい。
【0137】また、実施の形態8のデジタルオーディオ
復号装置500においても、実施の形態5のデジタルオ
ーディオ復号装置の構成と同様に、制御帯域判断部30
は、「予測誤差量」と「予測聴覚心理量」をもとにして
決定された補正処理を行なう帯域の情報とともに、どの
程度補正を行なうかを示す「補正係数」を決定し、両者
を「制御帯域情報」として帯域補正部40に送る構成と
してもよい。帯域補正部40では、実施の形態5と同様
にして補正処理を行なう。
【0138】以上により、入力されたオーディオデータ
が誤差を多く含んでいる場合、復号を行なう際に、誤差
を多く含んだ帯域成分を自動的に除去したオーディオデ
ータを出力することが可能になり、聴感上、雑音を低減
した音を提供することができる。また、聴感的な特性を
考慮して誤差量を評価することにより、より適切な雑音
の低減を行なうことが可能となる。
【0139】[実施の形態9]実施の形態9のデジタル
オーディオ復号装置の構成は、実施の形態7に示したオ
ーディオ復号装置の構成と基本的に同様である。
【0140】ただし、以下に説明するとおり、制御帯域
判断部30において補正処理を行なう帯域を決定する処
理の方法が異なる。
【0141】すなわち、実施の形態9のデジタルオーデ
ィオ復号装置においては、最も高い周波数帯域から順
に、帯域ごとに「予測誤差量」と「予測聴覚心理量」と
の比較を行ない、初めて、「予測誤差量」<「予測聴覚
心理量」の帯域を求める。この帯域より高い周波数の全
帯域を、補正処理を行なう帯域として判断する。以上の
方法で、補正制御を行なう帯域を示す情報である「制御
帯域情報」を決定することができる。
【0142】このような方法によっても、入力されたオ
ーディオデータが誤差を多く含んでいる場合、復号を行
なう際に誤差を多く含んだ帯域成分を自動的に除去した
オーディオデータを出力することが可能になり、聴感
上、雑音を低減した音を提供することができる。
【0143】また、聴感的な特性を考慮して誤差量を評
価することにより、より適切な雑音の低減が行なえる。
【0144】さらに、このとき、「制御帯域情報」とし
ては境界となる帯域のみの情報を帯域補正部40に送れ
ばよく、より小規模なシステムで実現が可能である。さ
らに、帯域補正部40が格納するフィルタは、低域通過
フィルタのみの組合せでよく、より小規模なシステムで
実現が可能である。
【0145】[実施の形態10]実施の形態10のデジ
タルオーディオ復号装置の構成は、基本的に、実施の形
態7のデジタルオーディオ復号装置の構成と同様であ
り、以下に説明するとおり、制御帯域判断部30におい
て、補正処理を行なう帯域を判断する処理が異なる。
【0146】すなわち、実施の形態10のデジタルオー
ディオ復号装置においては、最も低い周波数帯域から順
に、帯域ごとに「予測誤差量」と「予測聴覚心理量」と
の比較を行ない、初めて、「予測誤差量」<「予測聴覚
心理量」となる帯域を求める。この帯域より低い周波数
の全帯域を、補正処理を行なう帯域として判断する。
【0147】以上の方法で、補正制御を行なう帯域を示
す情報である「制御帯域情報」を決定することができ
る。
【0148】このような方法によっても、入力されたオ
ーディオデータが誤差を多く含んでいる場合、復号を行
なう際に誤差を多く含んだ帯域成分を自動的に除去した
オーディオデータを出力することが可能になり、聴感
上、雑音を低減した音を提供することができる。また、
聴感的な特性を考慮して誤差量を評価することにより、
より適切な雑音の低減が行なえる。さらに、このとき、
「制御帯域情報」としては境界となる帯域のみの情報を
帯域補正部40に送ればよく、より小規模なシステムで
実現が可能である。さらに、帯域補正部40が格納する
フィルタは、高域通過フィルタのみの組合せでよく、よ
り小規模なシステムで実現が可能である。
【0149】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0150】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
符号化時に音質の劣化した圧縮オーディオデータに対
し、再生時の音質劣化を低減することが可能なデジタル
オーディオ復号装置を提供することができる。
【0151】さらに、本発明によれば、符号化時に音質
の劣化した圧縮オーディオデータに対し、雑音を低減し
良好な音質の再生を行なうことが可能なデジタルオーデ
ィオ復号装置を提供することができる。さらに、符号化
時の音質劣化を自動的に判別し、劣化の少ない圧縮デー
タに対しては、通常の再生を妨げないデジタルオーディ
オ復号装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のデジタルオーディオ
復号装置100の構成を説明するための概略ブロック図
である。
【図2】 AAC規格の、特にadtsフォーマットの
圧縮データフォーマットを示す概念図である。
【図3】 フレーム内のオーディオサンプルの構成を示
す概念図である。
【図4】 本発明の実施の形態4のデジタルオーディオ
復号装置200の構成を説明するための概略ブロック図
である。
【図5】 本発明の実施の形態6のデジタルオーディオ
復号装置300の構成を説明するための概略ブロック図
である。
【図6】 本発明の実施の形態7のデジタルオーディオ
復号装置400の構成を説明するための概略ブロック図
である。
【図7】 本発明の実施の形態8のデジタルオーディオ
復号装置500の構成を説明するための概略ブロック図
である。
【図8】 従来のデジタルオーディオ復号装置800の
構成を説明するための図である。
【符号の説明】
10 オーディオデコーダ、20 誤差算出部、30
制御帯域判断部、40帯域補正部、50 ビットレート
算出部、60 聴覚心理テーブル格納部、70 聴覚心
理量算出部、100,200,300,400,500
デジタルオーディオ復号装置。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声信号を複数の周波数帯域ごとに圧縮
    したオーディオデータの復号を行なうためのデジタルオ
    ーディオ復号装置であって、 前記圧縮されたオーディオデータに含まれる帯域ごとの
    誤差量を算出する誤差算出手段と、 前記各帯域の誤差量をもとに、補正処理を行なう帯域を
    決定する帯域決定手段と、 前記決定された帯域に対し補正を行なう補正手段とを備
    える、デジタルオーディオ復号装置。
  2. 【請求項2】 各帯域の聴感的な感度を算出するための
    聴感算出手段をさらに備え、 前記帯域決定手段は、前記各帯域の誤差量と各帯域の聴
    感的な感度をもとに、補正処理を行なう帯域を決定す
    る、請求項1記載のデジタルオーディオ復号装置。
  3. 【請求項3】 前記オーディオデータに含まれる帯域ご
    との誤差量は、オーディオデータの各帯域成分の量子化
    間隔をもとに算出される、請求項1または2に記載のデ
    ジタルオーディオ復号装置。
  4. 【請求項4】 人間の最小可聴レベル特性を帯域ごとに
    示したテーブルを格納するためのテーブル格納部をさら
    に備え、 前記聴感算出手段は、前記テーブルをもとにして、各帯
    域の聴感的な感度を算出する、請求項2記載のデジタル
    オーディオ復号装置。
  5. 【請求項5】 前記聴感算出手段は、前記圧縮されたオ
    ーディオデータから、各帯域のマスキングレベルを算出
    し、前記マスキングレベルを聴感的な感度として使用す
    る、請求項2に記載のデジタルオーディオ復号装置。
  6. 【請求項6】 前記帯域決定手段は、前記各帯域の誤差
    量が一定値以上の帯域を、補正処理を行なう帯域として
    決定する、請求項1記載のデジタルオーディオ復号装
    置。
  7. 【請求項7】 前記帯域決定手段は、最も高い周波数帯
    域から連続しており、かつ、誤差量が一定値以上である
    帯域を、補正処理を行なう帯域として決定する、請求項
    1記載のデジタルオーディオ復号装置。
  8. 【請求項8】 前記帯域決定手段は、最も低い周波数帯
    域から連続しており、かつ、誤差量が一定値以上である
    帯域を、補正処理を行なう帯域として決定する、請求項
    1記載のデジタルオーディオ復号装置。
  9. 【請求項9】 前記帯域決定手段は、誤差量が聴感的な
    感度を上回る帯域を、補正処理を行なう帯域として決定
    する、請求項2に記載のデジタルオーディオ復号装置。
  10. 【請求項10】 前記帯域決定手段は、最も高い周波数
    帯域から連続しており、かつ、誤差量が聴感的な感度を
    上回る帯域を、補正処理を行なう帯域として決定する、
    請求項2記載のデジタルオーディオ復号装置。
  11. 【請求項11】 前記帯域決定手段は、最も低い周波数
    帯域から連続しており、かつ、誤差量が聴感的な感度を
    上回る帯域を、補正処理を行なう帯域として決定する、
    請求項2記載のデジタルオーディオ復号装置。
  12. 【請求項12】 前記補正手段は、前記帯域決定手段に
    より決定された帯域のオーディオデータの復号を停止す
    る、請求項1または2に記載のデジタルオーディオ復号
    装置。
  13. 【請求項13】 前記補正手段は、前記帯域決定手段に
    より決定された帯域に応じてフィルタを選択し、決定さ
    れた帯域のオーディオデータを減衰させるフィルタ処理
    を行なう、請求項1または2に記載のデジタルオーディ
    オ復号装置。
  14. 【請求項14】 前記帯域決定手段は、補正処理を行な
    う帯域とその当該帯域に対する補正係数を決定し、 前記補正手段は、前記決定された帯域と補正係数に応じ
    て、決定された帯域のオーディオデータを前記補正係数
    に応じて減衰させる処理を行なう、請求項1または2に
    記載のデジタルオーディオ復号装置。
  15. 【請求項15】 音声信号を圧縮したオーディオデータ
    の復号を行なうためのデジタルオーディオ復号装置であ
    って、 圧縮されたオーディオデータのビットレートを算出する
    レート算出手段と、 前記ビットレートをもとに補正する帯域を決定する帯域
    決定手段と、 決定された帯域に対して補正処理を行なう補正手段とを
    備える、デジタルオーディオ復号装置。
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