JP2002297061A - 有機薄膜el素子およびその駆動方法 - Google Patents

有機薄膜el素子およびその駆動方法

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JP2002297061A JP2002061459A JP2002061459A JP2002297061A JP 2002297061 A JP2002297061 A JP 2002297061A JP 2002061459 A JP2002061459 A JP 2002061459A JP 2002061459 A JP2002061459 A JP 2002061459A JP 2002297061 A JP2002297061 A JP 2002297061A
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Hitoshi Hisada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般に用いられている発光性電子輸送層を他
の発光層と組み合わせて用いると、高効率、高色純度、
長寿命の素子を実現するのが困難であった。高解像度の
パターン発光を効率良く長寿命で得るのは困難であっ
た。高画素数の表示を効率良く均一に得るのは困難であ
った。 【解決手段】 発光層と電子輸送層の間に非発光性電子
輸送層を設ける。正孔注入電極上に特定のパターン化絶
縁層を設ける。各画素の駆動用薄膜トランジスタのゲー
ト電圧を保持するメモリー容量と並列に、前記トランジ
スタのチャネル層形成と同時に作製した抵抗層を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば平面型自発
光表示装置をはじめ通信、照明その他の用途に供する各
種光源として使用可能な自発光の素子に係る有機エレク
トロルミネセンス(EL)素子およびその駆動方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年平面型の表示装置としてはLCDパ
ネルが幅広く用いられているが、依然として応答速度が
遅い、視野角が狭い等の欠点があり、またこれらを改善
した多くの新方式においても特性が十分でなかったりパ
ネルとしてのコストが高くなるなどの課題がある。その
ような中で自発光で視認性に優れ、応答速度も速く広範
囲な応用が期待できる新たな発光素子としての有機EL
素子に期待が集まっている。
【0003】有機EL素子は有機物層に電極から電子、
正孔を注入しその再結合によって発光を得るものであ
り、古くから多くの研究がなされてきたが、一般にその
発光効率は低く実用的な発光素子への応用とは程遠いも
のであった。
【0004】そのような中で、1987年にTangら
によって提案された素子(「アプライ フィジックス
レター」第51巻1987年(C.W.Tang an
dS.A.Vanslyke:Appl.Phys.L
ett.51(1987)913.))は、透明基板上
に透明正孔注入電極、発光機能層、電子注入電極を有す
る構成の素子であって、発光機能層が正孔輸送層と発光
層(電子輸送層)を積層した構成であり、また電子注入
電極として仕事関数が低く電子注入障壁の低い金属と比
較的仕事関数が大きく安定な金属との合金としてMgA
gを用いたものであった。
【0005】このような電子注入電極を用いる事により
高効率で比較的安定して電子を注入する事が可能とな
り、正孔輸送層と発光層(電子輸送層)の界面近傍で高
効率で発光を得る事が可能となった。Tangらはこの
ような構成で、10V以下の低い電圧で1000cd/
2 以上の高い輝度と、1.5lm/W以上の高い効率
を実現している。このTangらの報告がきっかけとな
って現在でも活発な検討が続けられている。
【0006】以下に現在一般に検討されている有機EL
素子について概説する。
【0007】有機EL素子は一般に、透明基板上に正孔
注入電極、発光機能層、電子注入電極の順に積層して形
成し、発光機能層は正孔輸送層と発光層(電子輸送層)
などのように複数の積層膜とすることが多い。このよう
に各層に役割を機能分離させて担わせる事により各層に
適切な材料選択が可能となり素子の特性も向上する。
【0008】透明基板としては一般にコーニング173
7等のガラス基板が広く用いられている。板厚は0.7
〜1.1mm程度が強度と重量の観点から扱いやすい。
【0009】正孔注入電極としてはITOのスパッタ
膜、エレクトロンビーム蒸着膜、イオンプレーティング
膜等の透明電極が用いられる。膜厚は必要とされるシー
トレジスタンス値と可視光透過率から決定されるが、有
機EL素子では比較的駆動電流密度が高いため、シート
レジスタンスを小さくするため100nm以上の厚さで
用いられることが多い。
【0010】発光機能層は種々の構成が検討されている
が、トリフェニルジアミン誘導体などの正孔輸送材料を
真空蒸着により数十nm膜厚に形成した正孔輸送層と、
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の発光材料
(電子輸送材料)を真空蒸着により数十nmの膜厚に形
成した層を積層した構成とすることが多い。
【0011】一般に、電子と正孔が再結合し発光する部
分を発光層と呼んでいるが、この部分が正孔注入電極ま
たは電子注入電極の近傍にあると再結合によって生成し
たエキシトンが非発光失活し発光効率が低下する。この
現象を防止するためと、下地となる基板の表面状態の影
響の緩和のため、正孔注入電極側には正孔輸送層を設
け、電子注入電極側には電子輸送層を設ける構成が必要
である。トリス(8−キノリノラト)アルミニウムは緑
色の発光性の電子輸送材料であり、発光層と電子輸送層
を兼ねた層として用いられているが、その正孔輸送層側
の部分が実際には発光層として機能し、電子注入電極側
の部分が電子輸送層として機能しているものと考えられ
る。
【0012】電子注入電極はTangらの提案したMg
Ag合金またはAlLi合金等、仕事関数が低く電子注
入障壁の低い金属と比較的仕事関数が大きく安定な金属
との合金が用いられることが多い。
【0013】またこのような素子をマトリクス状に配置
して、線順次に走査して発光させれば単なる発光素子に
とどまらず像情報の表示装置として有用である。しかし
この場合、例えば縦480画素×横640画素のマトリ
クスで、縦方向に順に走査して発光させる駆動を考える
と、各画素の発光時間は1/480となり、例えばパネ
ルの明るさとして平均輝度100カンデラを得ようとす
れば、各画素の実際の発光輝度は480倍で48000
カンデラが必要となる。このように高い瞬時輝度を得よ
うとすれば高い駆動電圧と高い瞬時電流が必要であり、
配線抵抗による損失電力増加など消費電力の増大を招く
ことになる。
【0014】そこで像情報の表示装置としては、上記の
ような単純マトリクス(パッシブマトリクス)駆動以外
に、個々の発光素子(画素)に駆動用薄膜トランジスタ
と、電圧で与えられた情報を次の情報付与までの期間保
持するメモリー容量を有する構成のアクティブマトリク
ス駆動によるものが検討されている(例えば、「プロシ
ーディングス オブザ 18番 インタナショナル デ
ィスプレイ リサーチコンファレンス」第217頁から
第220頁(Proceedings ofthe 1
8th International Display
Research Conference,p217
〜p220)など)。
【0015】このようなアクティブマトリクス駆動で
は、必須の構成要素として各画素毎に有機薄膜EL素子
と駆動用薄膜トランジスタとメモリー容量が必要である
他、電圧で与える発光情報を順次に書き込んでいくため
のスイッチング用トランジスタなどの書き込み手段が最
低限必要となる。すなわち一般に最低限2つのトランジ
スタと1つの容量素子が有機薄膜EL素子以外に必要と
なる。
【0016】このようにアクティブマトリクス駆動にお
いてはその像情報表示に必要な構成部材は増加するが、
パッシブマトリクス駆動と異なり、各画素は順次に選択
されていない期間も引き続きメモリー容量に保持された
電圧に従って発光を続けることとなり、パネルの平均輝
度と比較して素子自体の発光輝度が著しく高くなる現象
が無く、パネルとしての消費電力が著しく低下できる特
徴がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このようにTangら
の提案による機能分離した積層型の素子構成を用い、ま
た電子注入電極としてMgAg等の仕事関数が低く電子
注入障壁の低い金属と比較的仕事関数が大きく安定な金
属との合金を用いる事により、数V程度の低電圧でも数
百カンデラ程度の十分な輝度が得られる素子が実現でき
る。また、前述したトリス(8−キノリノラト)アルミ
ニウムは緑色の発光性の電子輸送材料であり、緑色の有
機薄膜EL素子を作製する場合には、発光層と電子輸送
層を兼ねた層として用いることが出来て便利である。
【0018】しかしながら、上述のトリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウムまたはその誘導体で発光性の電子
輸送層としての特性に優れ高効率の得られる材料を用い
た場合、発光層を他の材料で構成して他の発光色を得よ
うとしても、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
またはその誘導体からの発光が混在する課題がある。
【0019】すなわち、発光層と電子輸送層を積層して
発光層のみから発光を得ようとしても、電子輸送層が上
記のような発光性の材料の場合、発光層を通過した正孔
が電子輸送層にまで達し、当該領域で再結合して発光す
る現象を完全には避け難い課題がある。
【0020】例えば電子輸送層の膜厚を20nm程度の
比較的薄い膜厚にすることにより、電子輸送層内で再結
合して生成したエキシトンの電極による失活割合を高
め、電子輸送層からの発光を抑制することも考えられる
が、このような膜厚の最適化では効率と色純度のトレー
ドオフによりおのずと限界があり、高い効率と色純度と
長寿命を同時に実現できる優れた有機薄膜EL素子を得
ることは困難であった。
【0021】また固定パターン発光を印刷物並みの高解
像度で得ようとする場合には、陰極または陽極のパター
ン化で行うには限界があり、絶縁層のパターン化による
方法が期待されていたが、通常のフォトリソグラフィー
工程を利用した場合には、初期から陰極の断線や、陰極
陽極間短絡、発光効率の低下などの課題があり、また連
続駆動時の信頼性も極めて低い課題があった。また非発
光時にも発光パターンが視認可能となり、発光非発光の
電気的制御で情報の表示非表示を制御できない課題があ
った。
【0022】また前述のようなマトリクス状の表示装置
では、特に画素数が多い表示装置では、消費電力の大き
なパッシブマトリクス駆動に代わって、消費電力を大幅
に低減できるアクティブマトリクス駆動が期待されてい
るが、一般にこのような用途に用いられる薄膜トランジ
スタのゲート電圧Vgに対するソース−ドレイン電流特
性(I−Vg特性)には素子間で大きなバラツキがあ
り、これが発光の不均一またはそれに起因する有効階調
数の減少という形となって画像品質の低下につながる課
題が指摘されている。
【0023】電流が流れ始めるゲート電圧Vthのバラ
ツキに関しては、自動的にこれをキャンセルする電圧を
各画素(各駆動用薄膜トランジスタ)毎に発光情報のメ
モリ容量とは別の容量にメモリーして補正する技術が検
討されている。(SID98Digest,p11〜p
14)。
【0024】しかしながらこのような手法の実現には各
画素毎に4つのトランジスタと2つの容量が必要であ
り、また実際の駆動時のゲート電圧領域での電流バラツ
キ(I−Vg特性の傾きのバラツキに相当)が依然とし
て大きく発光の不均一またはそれに起因する有効階調数
の減少という形となって画像品質の低下につながる課題
がある。
【0025】
【課題を解決するための手段】このような状況に鑑み、
筆者等は種々の物性を有する材料を用い、種々の構成で
種々の特性の機能性薄膜を積層し発光効率、色純度、寿
命の観点で評価を行った中から、特定の機能層を用いる
ことにより、または特定の材料を組み合わせて用いるこ
とにより、正孔と電子の再結合域を効果的に制御できる
ことを見出して本発明を完成させるに至った。
【0026】また筆者等は印刷物並みの高い解像度の固
定パターン表示を高い発光効率で信頼性良く実現するた
めに、種々の絶縁層によるパターン化発光素子を試作し
た中から、特定の絶縁層を用いることにより、高い発光
効率を得ることが可能であること、また陰極の断線や、
陰極陽極間短絡、効率低下等の抑制による信頼性向上が
可能であること、また非発光時にはパターンの視認が困
難であり情報の表示非表示を電気的な発光非発光で制御
可能とすることが出来ることを見出して本発明を完成さ
せるに至った。
【0027】また筆者等は種々の薄膜トランジスタの組
み合わせによる駆動手段を検討し、チャンネルの移動度
が変化した場合に、実際の発光がどのように変化するか
を検討した中から、駆動手段として特定のトランジス
タ、容量、抵抗の組み合わせにより、各画素の発光均一
性が高く、すなわち高レベルの階調が実現できることを
見出して本発明を完成させるに至った。
【0028】具体的には、第1の発明の有機薄膜EL素
子は、透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少
なくとも前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設け
られた発光層と電子注入輸送層を有し、前記発光層と電
子注入輸送層との間に非発光性電子輸送層を有すること
を特徴とする。
【0029】また、第2の発明の有機薄膜EL素子は、
透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少なくと
も前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けられた
発光層と電子注入輸送層を有し、前記発光層と電子注入
輸送層との間に非発光性正孔阻止層を有することを特徴
とする。
【0030】また、第3の発明の有機薄膜EL素子は、
透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少なくと
も前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けられた
発光層と電子注入輸送層を有し、前記発光層が正孔輸送
能と電子輸送能の両方を有することを特徴とする。
【0031】また、第4の発明の有機薄膜EL素子は、
透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少なくと
も前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けられた
発光層と電子注入輸送層を有し、前記発光層と電子注入
輸送層との間にアクセプター性有機分子からなる薄層を
有することを特徴とする。
【0032】また、第5の発明の有機薄膜EL素子は、
透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少なくと
も前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けられた
発光層と電子注入輸送層を有し、前記発光層が主として
有機発光分子とアクセプター性有機分子からなることを
特徴とする。
【0033】また、第6の発明の有機薄膜EL素子は、
前記アクセプター性有機分子が主として7,7,8,8
−テトラシアノキノジメタンよりなることを特徴とす
る。
【0034】また、第7の発明の有機薄膜EL素子は、
前記アクセプター性有機分子が主としてテトラシアノエ
チレンよりなることを特徴とする。
【0035】また、第8の発明の有機薄膜EL素子は、
前記電子注入輸送層が発光性であり、且つ当該発光波長
が発光層の発光波長と異なることを特徴とする。
【0036】また、第9の発明の有機薄膜EL素子は、
前記電子注入輸送層が発光性であり、且つ当該発光波長
より発光層の発光波長が短波長であることを特徴とす
る。
【0037】また、第10の発明の有機薄膜EL素子
は、前記電子注入輸送層が主としてトリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウムまたはその誘導体よりなることを
特徴とする。
【0038】また、第11の発明の有機薄膜EL素子
は、透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少な
くとも前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けら
れた発光層を有し、前記発光層が、主として1,1,
4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンとN,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンから
なることを特徴とする。
【0039】また、第12の発明の有機薄膜EL素子
は、透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少な
くとも前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けら
れた発光層を有し、前記発光層が主として1,1,4,
4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンとN,N’−
ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−
N,N’−ジフェニルベンジジンからなることを特徴と
する。
【0040】また、第13の発明の有機薄膜EL素子
は、透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少な
くとも前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けら
れた発光層と正孔阻止層を有し、前記正孔阻止層が主と
して1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジ
エンからなることを特徴とする。
【0041】また、第14の発明の有機薄膜EL素子
は、透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少な
くとも前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けら
れた発光層と正孔阻止層を有し、前記正孔阻止層が主と
して1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジ
エンとテトラフェニルエチレンからなることを特徴とす
る。
【0042】また、第15の発明の有機薄膜EL素子
は、前記発光層が、主として1,1,4,4−テトラフ
ェニル−1,3−ブタジエンとN,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミンからなることを特徴とす
る。
【0043】また、第16の発明の有機薄膜EL素子
は、前記発光層が、主として1,1,4,4−テトラフ
ェニル−1,3−ブタジエンとN,N’−ビス(4’−
ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−ジ
フェニルベンジジンからなることを特徴とする。
【0044】また、第17の発明の有機薄膜EL素子
は、透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少な
くとも前記正孔注入電極と電子注入電極との間に連続し
て設けられた発光層と正孔阻止層と非発光性電子輸送層
を有し、前記発光層が主として、1,1,4,4−テト
ラフェニル−1,3−ブタジエンとN,N’−ジフェニ
ル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミンからなり、前記正孔
阻止層が主として1,1,4,4−テトラフェニル−
1,3−ブタジエンからなることを特徴とする。
【0045】また、第18の発明の有機薄膜EL素子
は、透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少な
くとも前記正孔注入電極と電子注入電極との間に連続し
て設けられた発光層と正孔阻止層と非発光性電子輸送層
を有し、前記発光層が主として1,1,4,4−テトラ
フェニル−1,3−ブタジエンとN,N’−ビス(4’
−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−
ジフェニルベンジジンからなり、前記正孔阻止層が主と
して1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジ
エンからなることを特徴とする。
【0046】また、第19の発明の有機薄膜EL素子
は、前記非発光性電子輸送層が主として7,7,8,8
−テトラシアノキノジメタンよりなることを特徴とす
る。
【0047】また、第20の発明の有機薄膜EL素子
は、前記非発光性電子輸送層が主としてテトラシアノエ
チレンよりなることを特徴とする。
【0048】また、第21の発明の有機薄膜EL素子
は、透明基板上に正孔注入電極と電子注入電極と、少な
くとも前記正孔注入電極と電子注入電極との間に設けら
れた絶縁層と発光機能層を有し、前記絶縁層が像情報に
対応してパターン形成されたフォトレジスト層であるこ
とを特徴とする。
【0049】また、第22の発明の有機薄膜EL素子
は、前記フォトレジスト層が膜厚0.02μm以上0.
2μm以下であり、且つパターン形成された後に150
℃以上の温度で完全硬化されていることを特徴とする。
【0050】また、第23の発明の有機薄膜EL素子
は、前記正孔注入電極上に前記フォトレジスト層を形成
し完全硬化した後で、発光機能層を形成する前に前記正
孔注入電極表面の気相クリーニングを行うことを特徴と
する。
【0051】また、第24の発明は、正孔注入電極と電
子注入電極との間に電圧を加えることで電流を流し発光
を得る有機薄膜EL素子の駆動方法であって、電源の片
方の極と有機薄膜EL素子の片方の極を接続するととも
に、それぞれの他方の極を薄膜トランジスタを介して接
続し、且つ当該トランジスタのゲート電圧保持用のメモ
リー容量を有し、一定の時間間隔毎に発光強度の情報ま
たは発光非発光の情報を当該メモリー容量に充放電させ
ることにより書き込んで、発光状態を制御する駆動方法
において、当該メモリー容量と並列に前記薄膜トランジ
スタのチャネル層と同時に同じ成膜条件で作成した層を
抵抗として配置したことを特徴とする。
【0052】また、第25の発明は、前記メモリー容量
と抵抗の平均値の積より求められる時定数が、少なくと
も前記の一定の時間間隔より小さく、且つ当該時間間隔
の1/100の時間より大きいことを特徴とする。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
有機薄膜EL素子について説明する。
【0054】本発明の有機薄膜EL素子は、透明基板上
に正孔注入電極と電子注入電極と、少なくとも正孔注入
電極と電子注入電極との間に設けられた発光機能層によ
り構成される。ここで発光機能層とは両電極から注入さ
れた正孔と電子によって発光する過程に関与する各層を
集合的に総称するものであり、一般に知られるように、
実際には正孔輸送層と電子輸送性発光層との積層構造で
あったり、正孔輸送層と発光層と電子輸送層の積層構造
であったり、さらに正孔注入層や電子注入層などの層が
積層された構造であったりする。
【0055】前記透明基板は、有機薄膜EL素子を坦持
出来るものであればよく、コーニング1737ガラスな
どの通常のガラス基板が用いられる事が多いが、ポリエ
ステルその他の樹脂フィルムなども用いる事が出来る。
一般に電子注入電極および正孔注入電極は、そのどちら
か一方が透明である必要があり、透明基板上に透明電極
を設けて発光を外部に取り出すことが多いが、シリコン
基板などの不透明基板上に成膜し上部電極を透明電極と
して発光を取出しても良い。通常、正孔注入電極に透明
なITO(インジウム錫酸化物)膜を用いる事が多く、
電子注入電極はTangらの提案したMgAg合金また
はAlLi合金など、仕事関数が低く電子注入障壁の低
い金属と比較的仕事関数が大きく安定な金属との合金が
用いられることが多い。
【0056】また、電子注入電極は、実質的に発光機能
層への電子の注入に寄与する層と電極としての電気伝導
性を担う層の積層構造としてもよく、一般には数Å程度
の膜厚の弗化リチウム層や酸化リチウム層とアルミニウ
ム層の積層構造の電子注入電極などが用いられる。この
場合、電子注入電極にアルミニウム層のみを用いた場合
と比較して駆動電圧が低下し発光効率が向上することが
知られている。
【0057】ITO膜はその透明性を向上させまたは抵
抗率を低下させる目的でスパッタ、エレクトロンビーム
蒸着、イオンプレーティング等の成膜方法が行われてお
り、また抵抗率や形状制御の目的で種々の後処理が行わ
れる事も多い。また膜厚は必要とされるシートレジスタ
ンス値と可視光透過率から決定されるが、有機EL素子
では比較的駆動電流密度が高いため、シートレジスタン
スを小さくするため100nm以上の厚さで用いられる
ことが多い。
【0058】正孔注入電極には、これらの通常のITO
膜を用いる事が出来る他、導電性粉体を分散した透明導
電性塗料の塗布膜その他の電極を用いる事が出来る。ま
た、電子注入電極には、上述したMgAg、AlLiそ
の他の仕事関数が低く電子注入障壁の低い金属と比較的
仕事関数が大きく安定な金属との合金の他、はじめに薄
層のLi膜を形成した後にAl膜を比較的厚く形成する
ような積層電極や、LiF膜やAl23膜を薄層に形成
した後にAl膜を比較的厚く形成するような積層電極
や、その他の種々の電極構成を用いる事が出来る。
【0059】第1の発明において、その要部は発光層と
電子注入輸送層との間に非発光性の電子輸送層を設ける
独自の構成にあり、各層を構成する材料は一般に知られ
ている材料を広く用いることができる。
【0060】第2の発明において、その要部は発光層と
電子注入輸送層との間に非発光性の正孔阻止層を設ける
独自の構成にあり、各層を構成する材料は一般に知られ
ている材料を広く用いることができる。
【0061】第3の発明において、その要部は発光層と
して電子と正孔の両方を輸送できるものを用いた独自の
構成にあり、各層を構成する材料は一般に知られている
材料を広く用いることができる。
【0062】第4の発明において、その要部は発光層と
電子注入輸送層との間にアクセプター性の有機分子から
なる薄層を設ける独自の構成にあり、各層を構成する材
料は一般に知られている材料を広く用いることができ
る。
【0063】第5の発明において、その要部は発光層が
有機発光分子とアクセプター性有機分子からなる独自の
構成にあり、各層を構成する材料は一般に知られている
材料を広く用いることができる。
【0064】特に電子注入輸送層として発光性のトリス
(8−キノリノラト)アルミニウムまたはその誘導体な
どの材料を用いる場合には、これらの構成とすることで
顕著な色純度の向上と寿命の向上が認められる。
【0065】これはこれらの独自の構成により正孔と電
子の再結合領域が制御されて、発光性電子注入輸送層の
発光が抑制され、効果的に発光層の中で再結合および発
光が行われるためである。
【0066】電子注入輸送層とは、電子注入電極から電
子を注入され、且つ電子を輸送する役割を担う層を言
い、単層または積層膜としてこの機能を有する部分の総
称として用いている。正孔阻止層は正孔の移動を妨げ、
その正孔注入電極側に正孔を溜める働きを有する層であ
れば良いが、その正孔注入電極側に接する層と比較して
そのイオン化ポテンシャルが大きく正孔の注入が困難で
あるか、または注入できたとしても、正孔移動度が極端
に小さい層であれば、このような役目を果たすことがで
きる。正孔輸送能と電子輸送能の両方を有するとは、両
キャリアの輸送能が大きな差でないことを指す。有機発
光分子とは、分子に固有の蛍光を示し、特に本発明では
固体薄膜状態で電気的な励起(電子と正孔の再結合)に
よって蛍光を発する材料を言う。
【0067】第11の発明において、その要部は発光層
が主として1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−
ブタジエンとN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス
(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,
4’−ジアミンからなることにあり、正孔注入輸送層や
電子注入輸送層その他の各層は通常の材料を幅広く用い
ることができる。この2つの材料は共蒸着または混合塗
料からの塗布などにより発光層として成膜されるが、そ
の混合割合は重量比で1:9以上9:1以下であればよ
い。この混合材料からなる発光層を用いることで高い発
光効率が安定して得られるものである。
【0068】第12の発明において、その要部は発光層
が主として1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−
ブタジエンとN,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ
−4−ビフェニリル)−N,N’−ジフェニルベンジジ
ンからなることにあり、正孔注入輸送層や電子注入輸送
層その他の各層は通常の材料を幅広く用いることができ
る。この2つの材料は、共蒸着または混合塗料からの塗
布などにより発光層として成膜されるが、その混合割合
は重量比で1:9以上9:1以下であればよい。この混
合材料からなる発光層を用いることで、高い発光効率が
安定して得られるものである。
【0069】第13の発明において、その要部は発光層
と接して設けられた正孔阻止層が主として1,1,4,
4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンからなること
にあり、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層その
他の各層は通常の材料を幅広く用いることができる。
1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン
はそのイオン化ポテンシャルが極めて大きく、正孔の注
入障壁が高い特徴があり、結果としてそれに接する発光
層内での再結合確率を高める働きをするものである。
【0070】第14の発明において、その要部は発光層
と接して設けられた正孔阻止層が主として1,1,4,
4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンとテトラフェ
ニルエチレンからなることにあり、正孔注入輸送層、発
光層、電子注入輸送層その他の各層は通常の材料を幅広
く用いることができる。テトラフェニルエチレンを適量
混合することにより、1,1,4,4−テトラフェニル
−1,3−ブタジエンの結晶化による黒点(非発光欠
陥)を抑制することができるが、多量に混合すると正孔
阻止層としての効果が損なわれる。1,1,4,4−テ
トラフェニル−1,3−ブタジエンに対するテトラフェ
ニルエチレンの混合割合は重量比で0.5%以上60%
以下である。
【0071】第17の発明において、その要部は連続し
て設けられた発光層と正孔阻止層と非発光性電子輸送層
を有し、前記発光層が、主として、1,1,4,4−テ
トラフェニル−1,3−ブタジエンとN,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンからなり、前記
正孔阻止層が主として1,1,4,4−テトラフェニル
−1,3−ブタジエンからなることにあり、正孔注入輸
送層、発光層、電子注入輸送層その他の各層は通常の材
料を幅広く用いることができる。また非発光性電子輸送
層としては7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン
やテトラシアノエチレンなどの材料を用いることが出来
る。
【0072】この1,1,4,4−テトラフェニル−
1,3−ブタジエンとN,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル
−4,4’−ジアミンの発光層材料は、共蒸着、または
混合塗料からの塗布などにより発光層として成膜される
が、その混合割合は重量比で1:9以上9:1以下であ
ればよい。この混合材料からなる発光層を用いること
と、正孔阻止層が主として1,1,4,4−テトラフェ
ニル−1,3−ブタジエンからなることで、正孔と電子
の再結合領域を発光層内に効果的に限定し、色純度が良
く高い発光効率が安定して得られるものである。
【0073】第17の発明において、その要部は連続し
て設けられた発光層と正孔阻止層と非発光性電子輸送層
を有し、前記発光層が、主として1,1,4,4−テト
ラフェニル−1,3−ブタジエンとN,N’−ビス
(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,
N’−ジフェニルベンジジンからなり、前記正孔阻止層
が主として1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−
ブタジエンからなることにあり、正孔注入輸送層、発光
層、電子注入輸送層その他の各層は通常の材料を幅広く
用いることができる。
【0074】また、非発光性電子輸送層としては7,
7,8,8−テトラシアノキノジメタンやテトラシアノ
エチレン等の材料を用いることが出来る。この1,1,
4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンとN,
N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリ
ル)−N,N’−ジフェニルベンジジンの発光層材料
は、共蒸着または混合塗料からの塗布などにより発光層
として成膜されるが、その混合割合は重量比で1:9以
上9:1以下であればよい。この混合材料からなる発光
層を用いることと、正孔阻止層が主として1,1,4,
4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンからなること
で、正孔と電子の再結合領域を発光層内に効果的に限定
し、色純度が良く高い発光効率が安定して得られるもの
である。
【0075】第21の発明において、その要部はパター
ン形成されたフォトレジスト層を縁層として用いて発光
をパターン化することにあり、発光機能層は通常のもの
を幅広く用いることが出来る。
【0076】第22の発明において、要部は、上記に加
えてフォトレジストの膜厚を0.02μm以上0.2μ
m以下とすることと、150℃以上の温度で完全硬化さ
せることである。フォトレジスト膜厚を0.02μm以
下にすると均一な膜を得ることが困難になり、ハジキな
どの膜欠陥部が発光するなどの問題が顕著になる。また
0.2μm以上では、フォトレジストの形成されている
部分と非形成部分の段差が大きくなり、段差部で発光機
能層の上部に形成する電極の導通が不十分となる問題が
顕著になる他、段差部が目立ち、非発光時にも発光パタ
ーンが容易に視認出来てしまう問題がある。またフォト
レジスト層の硬化温度が150℃未満で不十分である
と、未硬化有機レジスト分子の発光部分への再付着によ
って著しく発光効率が低下する問題がある。
【0077】第23の発明において、要部は、上記に加
えてフォトレジスト層を完全硬化した後で、発光機能層
を形成する前に、正孔注入電極表面の気相クリーニング
を行うことにある。気相クリーニングの方法としては、
酸素プラズマ処理やUVオゾン処理など一般に用いられ
ている方法を幅広く用いることができる。このクリーニ
ング処理により、表面に残留した微量の有機物層などを
取り除き高い発光効率を安定して得ることができるもの
である。
【0078】第24の発明において、その要部は有機薄
膜EL素子の駆動用薄膜トランジスタ素子のゲート電圧
をメモリーする容量と並列に、同トランジスタのチャネ
ル層と同時に同じ成膜条件で作成した層を抵抗として配
置することにある。これにより、基板条件や成膜条件等
の局所的なバラツキにより、チャネル層の移動度、キャ
リア濃度等の特性が変化しても、それと同様に抵抗層の
移動度、キャリア濃度も変化することとなる。すなわ
ち、例えば各画素に一定の電圧が発光情報として与えら
れ、メモリー容量に蓄えられ、その電圧に応じて各駆動
用薄膜トランジスタに電流が流れて有機薄膜EL素子が
発光するわけであるが、この時移動度が大きいなどの理
由により同一ゲート電圧に対する電流が大きくなる画素
では、メモリー容量に並列に配置された上記抵抗を流れ
る電流も大きくなり、他の画素と比較して速くにゲート
電圧が低下し、結果として発光時間が短くなることとな
る。
【0079】つまり、画素の駆動用薄膜トランジスタに
流れる電流の大きな画素は、発光の輝度は流れる電流に
応じて高くなるが、駆動用薄膜トランジスタのチャネル
と同時に同条件で作成した抵抗を流れる電流も同じ割合
で大きくなるため、その分だけメモリー容量の放電が速
く、発光情報の書き込みから書き込みまでの時間間隔
(1フレーム時間)の中での実際の発光時間が短くなる
ことになり、パネルとして観察される平均の輝度は互い
に補償されて同等になることを意味する。
【0080】一方、反対に同一のゲート電圧に対して、
駆動用薄膜トランジスタに流れる電流の小さな画素は、
発光の輝度は流れる電流に応じて低くなるが、駆動用薄
膜トランジスタのチャネルと同時に同条件で作成した抵
抗を流れる電流も同じ割合で小さくなるため、その分だ
けメモリー容量の放電が遅く、1フレーム時間の中での
実際の発光時間が長くなることになり、パネルとして観
察される平均の輝度は互いに補償されて同等になること
を意味する。
【0081】第25の発明において、その要部は上記構
成に加えて、メモリー容量と、駆動用薄膜トランジスタ
のチャネルと同時に同条件で作成した抵抗の各画素の平
均値の積より求められる時定数が、少なくとも前記の1
フレーム時間より小さく、且つ1フレーム時間の1/1
00の時間より大きいことである。移動度のバラツキな
どにより上述の抵抗値はばらつくことになるが、その平
均値とメモリー容量の積(放電時定数)が1フレーム時
間より長いと、実質的にほとんどの画素においては、1
フレーム時間全体に渡って発光を続けることとなり、効
果的な電流バラツキの補償が期待できない。
【0082】一方、同時定数が1フレーム時間の1/1
00以下では、補償は効果的に機能するものの、実際に
必要なピーク輝度がパネル輝度の100倍以上となり、
先に述べたパッシブマトリクス駆動と同様に消費電力が
大きくなりアクティブマトリクス駆動のメリットが得ら
れない。すなわち、本発明の駆動手段はこれらの現象に
鑑み、前述の時定数の平均を1フレーム時間より小さ
く、且つ1フレーム時間の1/100の時間より大きく
なるようにメモリー容量および抵抗層の幅と長さを設定
することによって、平均より時定数が大きい画素も小さ
い画素も発光時間がその輝度に反比例することによって
輝度バラツキを抑制できるものである。
【0083】本駆動手段で設けたメモリー容量と並列に
配置する抵抗層による、駆動用薄膜トランジスタの特性
バラツキの補償効果は極めて顕著であり、ここで述べた
抵抗層をメモリー容量と並列に設けない通常の駆動手段
では、トランジスタの特性バラツキにより一桁以上の輝
度バラツキとなる場合でも、目視では全く輝度バラツキ
を認識出来ないレベルにまで抑制することが出来る。こ
れによりゲート電圧値自体で階調制御する場合でも、サ
ブフィールド法を用いる場合でも、高い階調再現性が得
られる。
【0084】一方、通常の駆動手段による方法では、メ
モリー容量は僅かなリーク電流で放電するのみであり、
通常、走査によるデータ書き込みの僅かな時間以外は常
に発光を続けているのに対して、本発明による駆動手段
を用いた場合には、そのトランジスタ特性のバラツキに
応じて、画素によって発光時間が短くなっており、その
分だけ発光効率が低下することになるのが欠点である。
しかしながら、本欠点は、表示画像として要求される均
一性や階調レベルに応じて、前述の放電時定数を適切に
設定することによって最小化することが出来る。
【0085】次に具体的な実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。
【0086】(実施例1)透明基板上に正孔注入電極を
形成した基板として、市販のITO付きガラス基板(三
容真空株式会社製、サイズ100×100mm×t=
0.7mm、シート抵抗約14Ω/□)を用い、電子注
入電極との重なりにより発光面積が10×10mmとな
るようにフォトリソグラフィーによりパターン化した。
フォトリソ後の基板処理は市販のレジスト剥離液(ジメ
チルスルホキシドとN−メチル−2−ピロリドンとの混
合溶液)に浸漬して剥離を行った後、アセトンでリンス
し、さらに発煙硝酸中に1分間浸漬して完全にレジスト
を除去した。
【0087】ITO表面の洗浄は、基板の裏面表面の両
面を十分に行い、テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイドの0.238%水溶液を十分に供給しながら、
ナイロンブラシによる機械的な擦り洗浄を行った。その
後、純水で十分にすすぎ、スピン乾燥を行った。また有
機薄膜EL素子の蒸着前には、市販のプラズマリアクタ
ー(ヤマト科学株式会社製、PR41型)中で、酸素流
量20sccm、圧力0.2Torr、高周波出力30
0Wの条件で1分間の酸素プラズマ処理を行ってから、
蒸着槽内に配置した。
【0088】真空蒸着装置は市販の高真空蒸着装置(日
本真空技術株式会社製、EBV−6DA型)を改造した
装置を用いた。主たる排気装置は排気速度1500リッ
トル/minのターボ分子ポンプ(大阪真空株式会社
製、TC1500)であり、到達真空度は約1×10-6
Torr以下であり、全ての蒸着は2〜3×10-6To
rrの範囲で行った。また全ての蒸着はタングステン製
の抵抗加熱式蒸着ボートに直流電源(菊水電子株式会社
製、PAK10−70A)を接続して行った。
【0089】このようにして真空層中に配置したITO
付きガラス基板上に、正孔輸送層として、N,N’−ビ
ス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−
N,N’−ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学株式会
社製)と、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベンを、それぞれ0.3nm/sおよび0.0
1nm/sの蒸着速度で共蒸着して膜厚約80nmに形
成した。
【0090】次に、発光層として1,1,4,4−テト
ラフェニル−1,3−ブタジエン(関東化学株式会社
製)を0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約10nmに形
成した。
【0091】次に、非発光性電子輸送層7,7,8,8
−テトラシアノキノジメタン(関東化学株式会社製)を
0.1nm/sの蒸着速度で膜厚約5nmに形成した。
【0092】次に電子輸送層としてトリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウム(同仁化学株式会社製)を0.3
nm/sの蒸着速度で膜厚約25nmに形成した。
【0093】次に、電子注入電極として、AlLi合金
(高純度化学株式会社製、Al/Li重量比99/1)
から低温でLiのみを、約0.1nm/sの蒸着速度で
膜厚約1nmに形成し、続いて、そのAlLi合金をさ
らに昇温しLiが出尽くした状態から、Alのみを、約
1.5nm/sの蒸着速度で膜厚約100nmに形成
し、積層型の電子注入電極とした。
【0094】このようにして作成した有機薄膜EL素子
は、蒸着槽内を乾燥窒素でリークした後、乾燥窒素雰囲
気下で、コーニング7059ガラス製の蓋を接着剤(ア
ネルバ株式会社製、商品名スーパーバックシール953
−7000)で貼り付けてサンプルとした。
【0095】このようにして得た有機薄膜EL素子サン
プルは、次のようにして評価を行った。DC駆動電源は
直流定電流電源(アドバンテスト株式会社製、商品名マ
ルチチャンネルカレントボルテージコントローラーTR
6163)を用い、発光波長のスペクトル測定およびC
IE色度測定は瞬間マルチ測光システム(大塚電子株式
会社製、MCPD5000)により測定し、輝度は輝度計(東京
光学機械株式会社製、商品名トプコンルミネセンスメー
ターBM−8)によって測定した。輝度ムラ、黒点(非
発光部)等の発光画像品質は、50倍の光学顕微鏡によ
り観察した。
【0096】初期の評価は素子の蒸着後ガラス蓋を接着
してから12時間後に常温常湿の通常の実験室環境で行
い、発光色度CIE(X,Y)、発光効率(cd/
A)、100cd/m2発光時の駆動電圧を評価した。
また初期輝度が100cd/m2となる電流値で、常温
常湿の通常の実験室環境で直流定電流駆動で連続発光試
験を行った。この試験から色度が変化するか、輝度が半
減(50cd/m2 )に達した時間を寿命として評価し
た。これらの評価結果を(表1)に示す。
【0097】
【表1】
【0098】本実施例によれば、色純度が良く、高い発
光効率を有し、低い駆動電圧で自発光で視認性に優れた
発光が得られ、連続発光試験においても輝度低下が小さ
く、色度の変化が無い、少ない消費電力で、極めて長期
間にわたって安定して使用できる有機薄膜EL素子を実
現できた。
【0099】(実施例2)実施例1の非発光性電子輸送
層の形成において、7,7,8,8−テトラシアノキノ
ジメタン(関東化学株式会社製)の代わりに、テトラシ
アノエチレン(関東化学株式会社製)を用いた以外は実
施例1と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを作成
し、実施例1に記載のように評価を行った。その結果を
(表1)に示す。
【0100】(実施例3)実施例1の正孔輸送層と発光
層との間に、新たな発光層として1,1,4,4−テト
ラフェニル−1,3−ブタジエン(関東化学株式会社
製)とN,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−
ビフェニリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(保
土ヶ谷化学株式会社製)を、それぞれ0.15nm/s
の蒸着速度で共蒸着して膜厚約10nmに形成した。
【0101】それ以外の構成は全て実施例1と同様にし
て、有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記
載のように評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0102】(実施例4)実施例3の非発光性電子輸送
層の形成において、7,7,8,8−テトラシアノキノ
ジメタン(関東化学株式会社製)の代わりに、テトラシ
アノエチレン(関東化学株式会社製)を用いた以外は実
施例1と同様にして、有機薄膜EL素子サンプルを作成
し、実施例1に記載のように評価を行った。その結果を
(表1)に示す。
【0103】(実施例5)実施例3の発光層である1,
1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン層
と、非発光性電子輸送層である7,7,8,8−テトラ
シアノキノジメタンの代わりに、新たな発光層として、
1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン
(関東化学株式会社製)と7,7,8,8−テトラシア
ノキノジメタン(関東化学株式会社製)を、それぞれ
0.15nm/sの蒸着速度で共蒸着して膜厚約10n
mに形成した。
【0104】それ以外の構成は全て実施例3と同様にし
て有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載
のように評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0105】(実施例6)実施例5の新たな発光層にお
いて、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(関
東化学株式会社製)の代わりに、テトラシアノエチレン
(関東化学株式会社製)を用いた以外は実施例5と同様
にして有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に
記載のように評価を行った。その結果を(表1)に示
す。
【0106】(実施例7)実施例1の発光層の形成にお
いて、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタ
ジエン層の代わりに、1,1,4,4−テトラフェニル
−1,3−ブタジエン(関東化学株式会社製)とCou
marin540(LambdaPhysik株式会社
製)を、それぞれ0.15nm/sの蒸着速度で共蒸着
して膜厚約10nmに形成した。
【0107】それ以外の構成は全て実施例1と同様にし
て有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載
のように評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0108】(実施例8)実施例7の非発光性電子輸送
層として、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン
(関東化学株式会社製)の代わりに、テトラシアノエチ
レン(関東化学株式会社製)を用いた以外は実施例7と
同様にして有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例
1に記載のように評価を行った。その結果を(表1)に
示す。
【0109】(実施例9)実施例1の非発光性電子輸送
層である7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン層
の代わりに、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3
−ブタジエン(関東化学株式会社製)と7,7,8,8
−テトラシアノキノジメタン(関東化学株式会社製)
を、それぞれ0.15nm/sの蒸着速度で共蒸着して
膜厚約10nmに形成した。
【0110】それ以外の構成は全て実施例1と同様にし
て有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載
のように評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0111】(実施例10)実施例9の7,7,8,8
−テトラシアノキノジメタン(関東化学株式会社製)の
代わりに、テトラシアノエチレン(関東化学株式会社
製)を用いた以外は実施例9と同様にして有機薄膜EL
素子サンプルを作成し、実施例1に記載のように評価を
行った。その結果を(表1)に示す。
【0112】(実施例11)実施例1の電子輸送層の形
成において、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
(同仁化学株式会社製)の代わりに、トリス(4−メチル
−8−キノリノラト)アルミニウム(ケミプロ化成株式
会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして有機薄膜
EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載のように評
価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0113】(実施例12)実施例2の電子輸送層の形
成において、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
(同仁化学株式会社製)の代わりに、トリス(4−メチル
−8−キノリノラト)アルミニウム(ケミプロ化成株式
会社製)を用いた以外は実施例2と同様にして有機薄膜
EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載のように評
価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0114】(実施例13)実施例3の新たな発光層の
形成において、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミ
ノ−4−ビフェニリル)−N,N’−ジフェニルベンジ
ジン(保土ヶ谷化学株式会社製)の代わりに、N,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(同仁化
学株式会社製)を用いた以外は実施例3と同様にして有
機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載のよ
うに評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0115】(実施例14)実施例4の新たな発光層の
形成において、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミ
ノ−4−ビフェニリル)−N,N’−ジフェニルベンジ
ジン(保土ヶ谷化学株式会社製)の代わりに、N,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(同仁化
学株式会社製)を用いた以外は実施例4と同様にして有
機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載のよ
うに評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0116】(実施例15)実施例7の非発光性電子輸
送層として用いた7,7,8,8−テトラシアノキノジ
メタン層5nmの代わりに、1,1,4,4−テトラフ
ェニル−1,3−ブタジエン(関東化学株式会社製)を
10nmの膜厚に形成した以外は実施例7と同様にして
有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載の
ように評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0117】(実施例16)実施例1の発光層として設
けた1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジ
エン層10nmの代わりに、1,1,4,4−テトラフ
ェニル−1,3−ブタジエン(関東化学株式会社製)と
N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェ
ニリル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷
化学株式会社製)を、各々0.15nm/sの蒸着速度
で共蒸着して膜厚約10nmに形成し、さらに続けて、
1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン
(関東化学株式会社製)とテトラフェニルエチレン(関
東化学株式会社製)を、それぞれ0.15nm/sの蒸
着速度で共蒸着して膜厚約10nmに形成した。
【0118】それ以外は実施例1と同様にして有機薄膜
EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載のように評
価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0119】(実施例17)実施例15の発光層として
設けた1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタ
ジエンとCoumarin540との共蒸着層10nm
の代わりに、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3
−ブタジエン(関東化学株式会社製)とN,N’−ビス
(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,
N’−ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学株式会社
製)を、それぞれ0.15nm/sの蒸着速度で共蒸着
して膜厚約10nmに形成した。
【0120】それ以外は実施例15と同様にして有機薄
膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載のように
評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0121】(実施例18)実施例15の発光層として
設けた1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタ
ジエンとCoumarin540との共蒸着層10nm
の代わりに、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3
−ブタジエン(関東化学株式会社製)とN,N’−ジフ
ェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(同仁化学株式
会社製)を、それぞれ0.15nm/sの蒸着速度で共
蒸着して膜厚約10nmに形成した。
【0122】それ以外は実施例15と同様にして有機薄
膜EL素子サンプルを作成し、実施例1に記載のように
評価を行った。その結果を(表1)に示す。
【0123】(実施例19)実施例3の電子輸送層の形
成において、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
層の膜厚を25nmの代わりに、20nmとした以外は
実施例3と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを作成
し、実施例1に記載のように評価を行った。その結果を
(表1)に示す。
【0124】(実施例20)実施例3の電子輸送層の形
成において、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム
層の膜厚を25nmの代わりに、30nmとした以外は
実施例3と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを作成
し、実施例1に記載のように評価を行った。その結果を
(表1)に示す。
【0125】(実施例21)実施例3の正孔輸送層の形
成に続いて、発光層形成の前に、N,N’−ビス(4’
−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−
ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学株式会社製)を
0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約5nmに形成した以
外は実施例3と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを
作成し、実施例1に記載のように評価を行った。その結
果を(表1)に示す。
【0126】(実施例22)実施例4の正孔輸送層の形
成に続いて、発光層形成の前に、N,N’−ビス(4’
−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−
ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学株式会社製)を
0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約5nmに形成した以
外は実施例4と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを
作成し、実施例1に記載のように評価を行った。その結
果を(表1)に示す。
【0127】(比較例1)実施例1において、非発光性
電子輸送層(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタ
ン層5nm)を形成せず、また電子輸送層(トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム層25nm)を膜厚15
nmに形成した以外は実施例1と同様にして有機薄膜E
L素子サンプルを作成し、実施例1と同様に評価を行っ
た。その結果を(表1)に示す。
【0128】(比較例2)実施例1において、非発光性
電子輸送層(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタ
ン層5nm)を形成せず、また電子輸送層(トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム層25nm)を膜厚20
nmに形成した以外は実施例1と同様にして有機薄膜E
L素子サンプルを作成し、実施例1と同様に評価を行っ
た。その結果を(表1)に示す。
【0129】(比較例3)実施例1において、非発光性
電子輸送層(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタ
ン層5nm)を形成せず、また電子輸送層(トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム層25nm)を膜厚25
nmに形成した以外は実施例1と同様にして有機薄膜E
L素子サンプルを作成し、実施例1と同様に評価を行っ
た。その結果を(表1)に示す。
【0130】(比較例4)実施例1において、非発光性
電子輸送層(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタ
ン層5nm)を形成せず、また電子輸送層(トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム層25nm)を膜厚30
nmに形成した以外は実施例1と同様にして有機薄膜E
L素子サンプルを作成し、実施例1と同様に評価を行っ
た。その結果を(表1)に示す。(表1)において各実
施例および比較例の素子構成は略号によって略記されて
おり、「TPT」は、N,N’−ビス(4’−ジフェニ
ルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−ジフェニル
ベンジジン、「TPD」は、N,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン、「PS」は、4−N,
N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、「T
PB」は、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−
ブタジエン、「TPE」は、テトラフェニルエチレン、
「C540」は、Coumarin540「TCNQ」
は、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、「T
CNE」は、テトラシアノエチレン、「Alq3」は、
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、「Almq
3」は、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アル
ミニウム、を表し、左から積層構成を表す記号として/
で区切ってITO電極側から順に記載した。()内の数
字は膜厚をnmで示し、+は共蒸着を示す。
【0131】(実施例23)透明基板上に正孔注入電極
を形成した基板として、市販のITO付きガラス基板
(三容真空株式会社製、サイズ100×100mm×t
=0.7mm、シート抵抗約14Ω/□)を用い、電子
注入電極との重なりにより発光可能面積が70×70m
mとなるようにフォトリソグラフィーによりパターン化
した。フォトリソ後の基板処理は市販のレジスト剥離液
(ジメチルスルホキシドとnメチル2ピロリドンとの混
合溶液)に浸漬して剥離を行った後、アセトンでリンス
し、さらに発煙硝酸中に1分間浸漬して完全にレジスト
を除去した。ITO表面の洗浄は、基板の裏面表面の両
面を十分に行い、テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイドの0.238%水溶液を十分に供給しながら、
ナイロンブラシによる機械的な擦り洗浄を行った。その
後、純水で十分にすすぎ、スピン乾燥を行った。
【0132】このようにして作製した正孔注入電極の上
に、絶縁層を次のように形成した。ポジ型フォトレジス
ト(東京応化工業株式会社製OFPR5000)を専用
シンナーで希釈してスピナーで塗布した。露光前のプリ
ベークとして130℃15分間のオーブン加熱を行った
後、発光パターンに対応したマスクを用いて露光し、現
像して発光パターンに対応したレジスト膜を得た。さら
に180℃30分間のオーブン加熱を行って、膜厚約
0.1μmのパターン化されたフォトレジスト層(絶縁
層)を得た。
【0133】発光パターンに対応したマスクは、市販の
プリンター(アルプス電機株式会社製MD2000)で
OHPシートに600dpiの解像度で黒色プリントし
たものを用いた。
【0134】次に、再度基板の裏面表面の両面を、テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.238
%水溶液を十分に供給しながら、ナイロンブラシによる
機械的な擦り洗浄を行った。その後、純水で十分にすす
ぎ、スピン乾燥を行った。
【0135】また発光機能層の蒸着前には、市販のプラ
ズマリアクター(ヤマト科学株式会社製、PR41型)
中で、酸素流量20sccm、圧力0.2Torr、高
周波出力300Wの条件で1分間の酸素プラズマ処理を
行ってから、蒸着槽内に配置した。
【0136】真空蒸着装置は市販の高真空蒸着装置(日
本真空技術株式会社製、EBV−6DA型)を改造した
装置を用いた。主たる排気装置は排気速度1500リッ
トル/minのターボ分子ポンプ(大阪真空株式会社
製、TC1500)であり、到達真空度は約1×10-6
Torr以下であり、全ての蒸着は2〜3×10-6To
rrの範囲で行った。また全ての蒸着はタングステン製
の抵抗加熱式蒸着ボートに直流電源(菊水電子株式会社
製、PAK10−70A)を接続して行った。
【0137】このようにして真空層中に配置したITO
付きガラス基板上に、正孔輸送層として、N,N’−ビ
ス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−
N,N’−ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学株式会
社製)と、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニ
ルスチルベンを、それぞれ0.3nm/sおよび0.0
1nm/sの蒸着速度で共蒸着して膜厚約80nmに形
成した。
【0138】次に、発光層(発光性電子輸送層)として
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(同仁化学株
式会社製)を0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約40n
mに形成した。
【0139】次に、電子注入電極として、AlLi合金
(高純度化学株式会社製、Al/Li重量比99/1)
から低温でLiのみを、約0.1nm/sの蒸着速度で
膜厚約1nmに形成し、続いて、そのAlLi合金をさ
らに昇温しLiが出尽くした状態から、Alのみを、約
1.5nm/sの蒸着速度で膜厚約100nmに形成
し、積層型の電子注入電極とした。
【0140】このようにして作成した有機薄膜EL素子
は、蒸着槽内を乾燥窒素でリークした後、乾燥窒素雰囲
気下で、コーニング7059ガラス製の蓋を接着剤(ア
ネルバ株式会社製、商品名スーパーバックシール953
−7000)で貼り付けてサンプルとした。
【0141】このようにして得た有機薄膜EL素子サン
プルは、市販の小型ボタン電池(3V×2個)で駆動
し、明るく視認性に優れ、低消費電力で長寿命なだけで
なく、用いた600dpiのマスクパターンに極めて忠
実な、通常の印刷物に匹敵する優れた解像度のパターン
発光を得ることができた。発光輝度は6Vで300cd
/m2、輝度半減寿命は5000時間以上であった。
【0142】また発光パターン情報は非発光時にはほと
んど見えず、判読は極めて困難であり、通電の有無のみ
で情報の表示・非表示を切りかえれるものであった。
【0143】このように本実施例によれば、高い発光効
率で、低い駆動電圧で自発光で視認性に優れた発光が得
られ、また極めて高解像度で忠実な発光パターンが再現
性良く得られ、且つ連続発光試験においても輝度低下が
小さく、少ない消費電力で、極めて長期間にわたって安
定して使用できる有機薄膜EL素子を実現できるもので
ある。
【0144】(比較例5)実施例23において、パター
ン化絶縁層(フォトレジスト)の現像後、180℃30分
間の硬化を行わず、代わりに通常のポストベークとして
135℃30分の乾燥を行った以外は実施例23と同様
にして有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施例23
と同様に発光させた。
【0145】このようにして得た有機薄膜EL素子サン
プルは、同じ電池による駆動ではほとんど発光せず、通
常の直流電源による駆動でも発光効率が低く、発光を得
るのに極めて高い電圧が必要であった。発光輝度は、1
2Vで100cd/m2 であった。
【0146】また発光パターン情報は実施例23と同様
に、非発光時にはほとんど見えず、判読は極めて困難で
あり、通電の有無のみで情報の表示・非表示を切りかえ
れるものであった。
【0147】(比較例6)実施例23において、パター
ン化絶縁層(フォトレジスト)の膜厚0.1μmの代わ
りに、膜厚0.3μmに形成を行った以外は実施例23
と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実施
例23と同様に発光させた。
【0148】このようにして得た有機薄膜EL素子サン
プルは、初期においては実施例23と同様の優れた発光
状態が得られるものもあったが、発光を続けていると部
分的に陰極が劣化し非発光となる部分が増加し、数時間
で相当の部分が非発光となった。またサンプルによって
は初期から非発光部分のあるものや、正負電極の短絡に
より全く発光しないものも多かった。
【0149】また本素子が非発光の時もパターンが容易
に判読することが出来る状態であり、通電の有無のみで
情報の表示・非表示を切り替えることが出来なかった。
【0150】(比較例7)実施例23において、パター
ン化絶縁層(フォトレジスト)の膜厚0.1μmの代わ
りに、膜厚0.01μmに形成を行った以外は実施例2
3と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実
施例23と同様に発光させた。
【0151】このようにして得た有機薄膜EL素子サン
プルは、パターンとしては非発光であるべきところの多
くが発光し、極めて表示品質が低下した判読しにくいも
のであった。発光の輝度および寿命においては実施例2
3と同様に良好であった。
【0152】また発光パターン情報は実施例23と同様
に、非発光時にはほとんど見えず、判読は極めて困難で
あったが、前述のように発光時も本来非発光であるべき
部分の発光により判読が困難であった。
【0153】(実施例24)透明基板として、ガラス基
板(コーニング1737)を用い、通常の低温ポリシリ
コンTFTの作製プロセスを用いて、駆動手段を次のよ
うに作製した。
【0154】画素数は縦480、横640のVGAと
し、各画素毎に透明電極としてITO膜を形成した。I
TO電極と正電極ライン間には駆動用薄膜トランジスタ
としてW=30μm、L=3μmのp型低温ポリシリコ
ン薄膜トランジスタを形成して接続した。また、このゲ
ート電極と正電極ライン間には0.2pFのメモリー容
量を設けた。
【0155】また、このメモリー容量と並列に前記の駆
動用薄膜トランジスタのp型チャネル層形成と同時に、
同条件で抵抗層を形成した。抵抗層の抵抗値は厚さ、
幅、長さが一定であっても移動度の差などの成膜バラツ
キにより異なるが、全画素の平均値で10GΩとなるよ
うに形成した。
【0156】また、各画素の発光情報を一定の時間毎に
メモリー容量を充放電させることにより書き込むため、
各画素毎に順次情報書き込み用薄膜トランジスタとして
W=3μm、L=3μmのp型低温ポリシリコン薄膜ト
ランジスタを形成して、同トランジスタのゲートを走査
電極に、ソースをデータ(ソース)電極に、ドレインを
前記駆動用薄膜トランジスタのゲートに接続した。
【0157】このようにして作製した駆動手段の上に、
前記のITO電極部のみを開口部として残して絶縁膜を
形成した。
【0158】次に、この基板を洗浄した後、市販のプラ
ズマリアクター(ヤマト科学株式会社製、PR41型)
中で、酸素流量20sccm、圧力0.2Torr、高
周波出力300Wの条件で1分間の酸素プラズマ処理を
行ってから、蒸着槽内に配置した。
【0159】真空蒸着装置は市販の高真空蒸着装置(日
本真空技術株式会社製、EBV−6DA型)を改造した
装置を用いた。主たる排気装置は排気速度1500リッ
トル/minのターボ分子ポンプ(大阪真空株式会社
製、TC1500)であり、到達真空度は約1×10-6
Torr以下であり、全ての蒸着は2〜3×10-6To
rrの範囲で行った。また全ての蒸着はタングステン製
の抵抗加熱式蒸着ボートに直流電源(菊水電子株式会社
製、PAK10−70A)を接続して行った。
【0160】このようにして真空層中に配置した駆動手
段形成後のガラス基板上に、正孔輸送層として、N,
N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリ
ル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学
株式会社製)と、4−N,N−ジフェニルアミノ−α−
フェニルスチルベンを、それぞれ0.3nm/sおよび
0.01nm/sの蒸着速度で共蒸着して膜厚約80n
mに形成した。
【0161】次に、発光層(発光性電子輸送層)として
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(同仁化学株
式会社製)を0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約40n
mに形成した。
【0162】次に、電子注入電極として、AlLi合金
(高純度化学株式会社製、Al/Li重量比99/1)
から低温でLiのみを、約0.1nm/sの蒸着速度で
膜厚約1nmに形成し、続いて、そのAlLi合金をさ
らに昇温しLiが出尽くした状態から、Alのみを、約
1.5nm/sの蒸着速度で膜厚約100nmに形成
し、積層型の電子注入電極とした。
【0163】このようにして作成した有機薄膜EL素子
は、蒸着槽内を乾燥窒素でリークした後、乾燥窒素雰囲
気下で、コーニング7059ガラス製の蓋を接着剤(ア
ネルバ株式会社製、商品名スーパーバックシール953
−7000)で貼り付けてサンプルとした。
【0164】このようにして得た有機薄膜EL素子サン
プルは、電子注入電極を接地し、正電極ラインに7Vの
直流電圧を印加し、走査電極を順に走査して、データ
(ソース)電極に各画素の発光情報に対応した電圧を与
えて発光させた。走査は横一行毎に順に縦方向に480
行の走査を行った。走査の繰り返し周波数(フレームレ
ート)は100Hzとし、データ(ソース)電極に与え
る各画素の発光情報に対応した電圧値は発光の階調情報
に対応した256段階の直流電圧を与えた。
【0165】このようにして発光させたVGAサイズの
有機薄膜EL素子は、全画素に同一のデータを与えた場
合には、輝度ムラや発光の不均一が無く、256段階の
階調信号を与えた場合には、信号に忠実な発光が得られ
た。また全画素最大輝度で点灯時のパネルの輝度は30
0cd/m2 であり、直流7Vの駆動で高い発光輝度が
得られた。また連続点灯時の寿命は5000時間以上で
あった。
【0166】このように本実施例によれば、表示が多く
の画素から構成される場合であっても、高い発光効率
で、低い駆動電圧で自発光で視認性に優れた発光が得ら
れ、またムラなどの不均一の無い極めて一様性に優れた
発光が得られ、また256階調の高い階調再現性が得ら
れた。また連続発光試験においても輝度低下が小さく、
少ない消費電力で、極めて長期間にわたって安定して使
用できる有機薄膜EL素子を実現できるものである。
【0167】(比較例8)実施例24において、メモリ
ー容量と並列に抵抗層を形成しない以外は全て実施例2
4と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実
施例24と同様に発光させた。
【0168】このようにして発光させたVGAサイズの
有機薄膜EL素子は、全画素に同一データを与えた場合
にもは、輝度ムラや発光の不均一が認められ、256段
階の階調信号を与えた場合にも、階調の再現性が悪く、
極めて低品質な表示画像しか得られなかった。また全画
素最大輝度で点灯時のパネルの輝度は高い部分では50
0cd/m2を超える一方、低い部分は50cd/m2
下であった。
【0169】(実施例25)実施例24と駆動手段およ
び有機薄膜EL素子は同様に作製し、駆動方法も実施例
24と同様に正電極ラインに7Vの直流電圧を印加し、
走査電極を順に走査して、データ(ソース)電極に各画
素の発光情報に対応した電圧を与えて発光させた。階調
の表現方法のみ、実施例24の方法の代わりに、データ
(ソース)電極には常に発光または非発光に対応する電
圧を与えることとし、走査速度を速くしてサブフィール
ド法により階調制御を行った。
【0170】このようにして発光させたVGAサイズの
有機薄膜EL素子は、全画素が同じ明るさとなるように
駆動した場合には、輝度ムラや発光の不均一が無く、2
56段階の階調をサブフィールド法で与えた場合には信
号に忠実な発光が得られた。また全画素最大輝度で点灯
時のパネルの輝度は250cd/m2 であり、直流7V
の駆動で高い発光輝度が得られた。また連続点灯時の寿
命は5000時間以上であった。
【0171】(比較例9)実施例25において、メモリ
ー容量と並列に抵抗層を形成しない以外は全て実施例2
5と同様にして有機薄膜EL素子サンプルを作成し、実
施例25と同様に発光させた。
【0172】このようにして発光させたVGAサイズの
有機薄膜EL素子は、全画素に同一の条件で駆動した場
合にも、輝度ムラや発光の不均一が認められ、256段
階の階調をサブフィールド法で与えた場合にも、階調の
再現性が悪く、極めて低品質な表示画像しか得られなか
った。また全画素をフルフィールドで点灯時のパネルの
輝度は高い部分では400cd/m2を超える一方、低
い部分は50cd/m2以下であった。
【0173】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、色純度が
良く、高い発光効率を有し、低い駆動電圧で自発光で視
認性に優れた発光が得られ、連続発光試験においても輝
度低下が小さく、色度の変化が無い、少ない消費電力
で、極めて長期間にわたって安定して使用できる有機薄
膜EL素子を実現できるものである。
【0174】また、透明基板上に正孔注入電極と電子注
入電極と、少なくとも前記正孔注入電極と電子注入電極
との間に設けられた絶縁層と発光機能層を有し、前記絶
縁層が像情報に対応してパターン形成されたフォトレジ
スト層としたことによって、高い発光効率で、低い駆動
電圧で自発光で視認性に優れた発光が得られ、また極め
て高解像度で忠実な発光パターンが再現性良く得られ、
且つ連続発光試験においても輝度低下が小さく、少ない
消費電力で、極めて長期間にわたって安定して使用でき
る有機薄膜EL素子を実現できるものである。
【0175】また、正孔注入電極と電子注入電極との間
に電圧を加えることで電流を流し、発光を得る有機薄膜
EL素子の駆動方法であって、電源の片方の極と有機薄
膜EL素子の片方の極を接続するとともに、それぞれの
他方の極を薄膜トランジスタを介して接続し、且つ当該
トランジスタのゲート電圧保持用のメモリー容量を有
し、一定の時間間隔毎に発光強度の情報または発光非発
光の情報を当該メモリー容量に充放電させることにより
書き込んで、発光状態を制御する駆動方法において、当
該メモリー容量と並列に前記薄膜トランジスタのチャネ
ル層と同時に同じ成膜条件で作成した層を抵抗として配
置したことによって、表示が多くの画素から構成される
場合であっても、高い発光効率で、低い駆動電圧で自発
光で視認性に優れた発光が得られ、またムラなどの不均
一の無い極めて一様性に優れた発光が得られ、また25
6階調の高い階調再現性が得られた。また連続発光試験
においても輝度低下が小さく、少ない消費電力で、極め
て長期間にわたって安定して使用できる有機薄膜EL素
子を実現できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川瀬 透 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 杉浦 久則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 久田 均 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 水口 信一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB04 AB06 AB11 AB17 DB03 GA04 5C094 AA03 AA10 AA24 AA43 AA53 BA03 BA27 CA19 DA13 DB01 DB04 EA04 FB01 FB12 FB14 FB15 FB20 JA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正孔注入電極と電子注入電極との間に電
    圧を加えることで電流を流し発光を得る有機薄膜EL素
    子の駆動方法であって、電源の片方の極と有機薄膜EL
    素子の片方の極を接続するとともに、それぞれの他方の
    極を薄膜トランジスタを介して接続し、且つ当該トラン
    ジスタのゲート電圧保持用のメモリー容量を有し、一定
    の時間間隔毎に発光強度の情報または発光非発光の情報
    を当該メモリー容量に充放電させることにより書き込ん
    で、発光状態を制御する駆動方法において、当該メモリ
    ー容量と並列に前記薄膜トランジスタのチャネル層と同
    時に同じ成膜条件で作成した層を抵抗として配置したこ
    とを特徴とする有機薄膜EL素子の駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記メモリー容量と前記抵抗の平均値の
    積より求められる時定数が、少なくとも前記の一定の時
    間間隔より小さく、且つ当該時間間隔の1/100の時
    間より大きいことを特徴とする請求項2に記載の有機薄
    膜EL素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の駆動方法により駆動さ
    れる有機薄膜EL素子。
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