JP2002296557A - 液晶素子のシミュレーション方法 - Google Patents
液晶素子のシミュレーション方法Info
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Abstract
ず実際の液晶素子の特性をより高い精度で再現できる液
晶素子のシミュレーション方法を提供する。 【解決手段】 本発明では、液晶やその他の誘電体の体
積抵抗率を考慮してシミュレーション計算を行う。具体
的には、所定の汎関数Xが計算領域内で最小となるよう
に電位を計算する。また、電極に印加される電圧が時間
とともに変化する場合には時間の変化も考慮したシミュ
レーションを行う。
Description
用して液晶素子の液晶分子配列をシミュレーションする
液晶素子のシミュレーション方法に関する。
電子機器の表示装置として液晶素子が広く使用されるよ
うになった。液晶素子は,一対の基板の間に液晶層を挟
んだ構造を有している。これらの基板の相互に対向する
面上にはそれぞれ電極及び誘電体膜等が形成されてお
り、外側の面には偏光フィルムや位相差フィルムが配置
されている。
化すると液晶層内の液晶分子の配列が変化して、液晶素
子を透過する光量(反射型の場合は反射光量)が変化す
る。画素毎に透過光量(又は反射光量)を制御すること
によって、文字や画像を表示することができる。ところ
で、液晶素子の開発には、液晶素子を構成する液晶や誘
電体などの物性値を変化させたとき、電極などの配置を
変化させたとき、及び印加電圧を変化させたときに、液
晶分子がどのように配列し、その結果どのような光学特
性が得られるのかをコンピュータを用いて計算するシミ
ュレーションが広く活用されている。この種のシミュレ
ーションを用いることにより、実際に液晶素子を作製し
なくても多くの有益な知見が得られ、液晶素子の特性改
善や、新規モードの開発などに役立てることができる。
例えば、従来の液晶素子用シミュレーション方法とし
て、特開平11−24023号に開示された方法があ
る。
って実際の液晶素子の特性を忠実に再現することは容易
ではなく、シミュレーションによる計算結果と実際の液
晶素子の特性との誤差ができる限り小さいシミュレーシ
ョン方法の開発が要望されている。液晶素子の特性を計
算するシミュレーション方法は、一次元、二次元及び三
次元のいずれか1つの計算領域内に液晶層、誘電体層及
び電極などを配置して、計算領域内の各点における電位
V及び液晶分子のダイレクタ成分nx ,ny ,nzの間
に成り立つ方程式を,適当な境界条件のもとで数値的に
解くものである。計算手法には、有限要素法及び差分法
などがある。また、必要に応じて,計算により得られた
液晶分子のダイレクタ成分から、液晶パネルの光学特性
を計算する。
て説明する。但し、ここでは計算領域が二次元の場合に
ついて説明する。以下のシミュレーションでは、電位計
算と液晶分子ダイレクタの計算とを行う場合について説
明する。 [1]電位計算 ここでは、有限要素法により電位計算を行うこととす
る。図1に示されるように、二次元領域内を三角形の要
素に分割する。各要素の頂点(これを節点と呼ぶ)の座
標を(X(i),z(j))とし、Δx=x(i+1)
−x(i)、Δz=z(j+1)−z(j)とする。ま
た、計算開始時の時間をt(0)とし、その後時間t
(1),t(2),…,t(k),…における電位を計
算していく。ここで、Δt=t(k+1)−t(k)と
する。
t(k)での電位をV(i,j,k)とする。各要素内
において誘電率テンソルの成分は一定であるとする。図
1において、要素I内の電位Vを座標x,zの一次式で
下記(13)式で示すように近似する。
z)であるから、(13)式は「要素内で電界が一定で
ある」とみなせるほど各要素が十分に小さいと仮定して
いることと等価である。α1 ,α2 ,α3 は下記(1
4)〜(16)式で与えられる。
その他の誘電体を完全な絶縁体とみなし、電気的な物性
値としては誘電率のみを考慮していた。一般に、誘電率
テンソルεの媒質においては、下記(17)式で示すラ
プラスの方程式が成り立つ。
Xを二次元の領域内で最小にすることと等価である。
ルの成分である。各要素の面積はΔxΔz/2であるか
ら、各要素におけるXh は下記(19)式に示すように
なる。
2 ,α3 を求めて(19)式に代入すると、要素Iのポ
テンシャルエネルギーXI が求まる。系全体のポテンシ
ャルエネルギーXは、下記(20)式で表される。
定めれば、この値は(13)式の仮定のもとに得られた
近似値であり、要素分割を細かくすれば得られた値が真
の空間電位に近づくことが期待できる。Xを最小にする
には節点電位V(i,j,k)を変数パラメータと考
え、各V(i,j,k)に対する微分を0とする。Xを
V(i,j,k)に関して微分して0とおくと、図1か
らわかるとおり、節点(x(i),z(j))に関係す
る6個の要素I〜VIだけが残る。すなわち、下記(2
1)式で表される。
位V(i,j,k)に関して二次式である。従って、V
(i,j,k)で微分するとV(i,j,k)(未知
数)に関する一次式が得られる。全ての節点電位につい
て(21)式をつくることにより、未知数と同数の連立
一次方程式が得られる。(21)式は、結局下記(2
2)式で示すように変形される。
j,k)、C2 (i,j,k)、C3(i,j,k)、
C4 (i,j,k)、C5 (i,j,k)、C6 (i,
j,k)は、誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13の関
数である。誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13は節点
(x(i),z(j))における液晶分子ダイレクタの
成分nx (i,j,k)、ny (i,j,k)、n
z (i,j,k)の関数である。
したが、差分法による場合でも(22)式と同様の式が
得られる。 (22)式により得られる連立一次方程式はSOR(Su
ccessive Over-Relaxation:連続過緩和)法などにより
解く。例として、SOR法による手順を以下に示す。
j,k−1)をV(i,j,k)の近似値として用い
る。 (2) 下記(23)式によりΔVを求める。
(i,j,k)を変化させたものを、下記(24)式に
示すように新たにV(i,j,k)とする。
収束条件δよりも小さい場合には新たに得られたV
(i,j,k)を連立方程式の解とする。 (5)(4)で1つでも収束条件を満たさないV(i,j,
k)があった場合には、(2) に戻って計算を繰り返す。 [2]液晶分子ダイレクタの計算 文献(A.Kilian and S.Hess Z.Naturforsch.44a.693(19
89).など)によると、液晶分子ダイレクタの運動方程式
は下記(25)式のとおりである。
数:K11=K22=K33≡Kcom )を採用した。γ1 は回
転粘性係数、λはラグランジュの未定乗数である。(2
5)式を差分化すると、下記(26)式に示すようにな
る。
k+1)の記載は省略する。(26)式により、既知で
ある時間t(k)におけるnx (i,j,k)、n
y (i,j,k)、nz (i,j,k)、V(i,j,
k)から、未知である時間t(k+1)におけるn
x (i,j,k+1)、ny (i,j,k+1)、nz
(i,j,k+1)を求める。ラグランジュの未定乗数
λは、(26)式により求めたnx (i,j,k+
1)、ny (i,j,k+1)、nz (i,j,k+
1)を下記(27)式に示すように規格化することによ
り、無視できる。
繰り返しながら時間発展させていく。計算手順を以下に
示す。また、計算手順のフローチャートを図2に示す。 (1) 初期配向(nx (i,j,0)、ny (i,j,
0)、nz (i,j,0))、初期電位V(i,j,
0)を設定する(ステップS11)。
(i,j,k)、nz (i,j,k)を用いて、各要素
における誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め
(ステップS12)、更に誘電率テンソル成分ε11、ε
33、ε13からC0 (i,j,k)、C1 (i,j,
k)、C2 (i,j,k)、C3 (i,j,k)、C4
(i,j,k)、C5 (i,j,k)、C6 (i,j,
k)を求める(ステップS13)。
て、V(i,j,k)を求める(ステップS14〜1
7)。 (4) 既知であるnx (i,j,k)、ny (i,j,
k)、nz (i,j,k)、V(i,j,k)を用い
て、(26)式によりnx (i,j,k+1)、n
y (i,j,k+1)、nz (i,j,k+1)を求め
る(ステップS18)。
るまで、(2) に戻って計算を繰り返す(ステップS1
9)。時間Tが経過すれば計算を終了する。 以上、計算領域が二次元の場合について説明したが、一
次元又は三次元の場合でも同様に計算することができ
る。また、図1は要素の形状が同一で規則正しく配置し
てある場合の例であるが、不規則な場合でも同様に計算
することができる。
た従来のシミュレーション方法では、実際の液晶素子の
特性を再現できないことがある。図3の模式図に示され
る垂直配向型液晶素子について、従来の一次元シミュレ
ーション方法により計算を行った。2枚の基板10a,
10bの液晶層13に面する側には、透明電極11a,
11b、垂直配向膜12a,12bが形成されている。
垂直配向膜12a,12bの比誘電率εは3.5であ
る。液晶分子は負の誘電率異方性(ε(平行)=3.
6、ε(垂直)=7.4)を有するネマティック液晶で
あり、電圧無印加時には液晶分子は基板面に対してほぼ
垂直に配向している。図示はしていないが、基板10
a,10bの外側にはそれぞれ偏光フィルムが、吸収軸
が互いに直交するように配置されている。
11a,11b間に直流電圧5Vを印加したときの透過
率の時間変化を計算した結果を図4に示す。また、図3
に示される液晶素子を実際に作製して電極10a,10
b間に直流電圧5Vを印加したときの透過率の時間変化
を測定した結果を図5に示す。図5には、体積抵抗率が
1010Ωcmの液晶を使用した場合の透過率の時間変化
と、体積抵抗率が10 12Ωcmの液晶を使用した場合の
透過率の時間変化を示している。
抗率が1012Ωcmと高い場合には、計算結果と測定結
果がよく一致する。しかし、液晶の体積抵抗率が1010
Ωcmと低い場合には、計算結果と測定結果との誤差が
大きくなる。本発明の目的は、液晶やその他の誘電体の
体積抵抗率に拘わらず実際の液晶素子の特性をより高い
精度で再現できる液晶素子のシミュレーション方法を提
供することである。
のシミュレーション方法では、液晶素子の液晶分子配列
を計算する液晶素子のシミュレーション方法であって、
一次元、二次元及び三次元のいずれか1つの計算領域に
おいて、電位V及び液晶分子のダイレクタ成分を離散化
し、下記(28)式に示す汎関数Xが計算領域内で最小
となるように、前記電位Vを計算する。
率をρとし、∫dvは計算領域内にわたる積分を意味す
る。この場合に、電極間に電圧を印加した直後には、下
記(29)式に示す汎関数Xが計算領域内で最小となる
ように、前記電位Vを計算する。
ーション方法では、一次元、二次元及び三次元のいずれ
か1つの計算領域において、電位V及び液晶分子のダイ
レクタ成分を離散化し、下記(30)式を数値的に解く
ことにより前記電位Vを計算する。
には、下記(31)式を数値的に解くことにより前記電
位Vを計算する。
本発明の第3の液晶素子のシミュレーション方法では、
ある時間tから微小な時間Δtだけ経過した時間t+Δ
tにおける電位を計算する際に、計算領域に配置された
少なくとも1つ以上の電極の電位が、時間tにV1 ,V
2 ,…,VN であり、時間t+ΔtにV1 ’,V2 ’,
…,VN ’であるとして、V1 =V1 ’、かつV2 =V
2 ’、…、かつVN =VN ’が成立するときには下記
(32)式に示す汎関数Xが計算領域内で最小となるよ
うに求めた電位Vを時間t+Δtにおける電位とし、V
1 =V1 ’、かつV2 =V2 ’、…、かつVN =VN ’
が成立しないときには電極の電位がV1 ,V2 ,…,V
N の状態で下記(33)式に示す汎関数Xが計算領域内
で最小となるように求めた電位VA と、電極の電位がV
1 ’−V1 ,V2 ’−V2 ,…,VN ’−VN の状態で
下記(34)式に示す汎関数X’が計算領域内で最小と
なるように求めた電位VB との和を、時間t+Δtにお
ける電位とする。
抗率をρとし、∫dvは計算領域内にわたる積分を意味
する。また、本発明の第4の液晶素子のシミュレーショ
ン方法では、ある時間tから微小な時間Δtだけ経過し
た時間t+Δtにおける電位を計算する際に、計算領域
に配置された少なくとも1つ以上の電極の電位が、時間
tにV1 ,V2 ,…,VN であり、時間t+Δtに
V1 ’,V2 ’,…,VN ’であるとして、V1 =
V1 ’、かつV2 =V2 ’、…、かつVN =VN ’が成
立するときには下記(35)式に示す方程式を解いて求
めた電位Vを時間t+Δtにおける電位とし、V 1 =V
1 ’、かつV2 =V2 ’、…、かつVN =VN ’が成立
しないときには電極の電位V1 ,V2 ,…,VN の状態
で下記(36)式に示す方程式を解いて求めた電位VA
と、電極の電位がV1 ’−V1 ,V2 ’−V2 ,…,V
N ’−VNの状態で下記(37)式に示す方程式を解い
て求めた電位VB との和を、時間t+Δtにおける電位
Vとする。
抗率をρとする。従来のシミュレーション方法では、液
晶やその他の誘電体を完全な絶縁体、すなわち体積抵抗
率が無限大とみなして誘電率のみを考慮し、液晶の体積
抵抗率を考慮していない。このため、液晶の体積抵抗率
が低いときには誤差が大きくなる。これに対し、本発明
では、いずれも液晶やその他の誘電体の体積抵抗率を考
慮することによって、実際の液晶分子の配列を忠実にシ
ミュレーションする。
ともに変化する場合には、上記第1及び第2の液晶素子
のシミュレーション方法では対応できない。実際の液晶
素子は、矩形波電圧などにより駆動する場合が多い。従
って、実際に則した計算を行うためには上記第3及び第
4の液晶素子のシミュレーション方法のように、電極に
印加される電圧が時間とともに変化する場合にも対応で
きるようにする必要がある。
て液晶素子の液晶分子配列を計算するプログラムを記録
した記録媒体であって、(1) 位置i,j、時間k=0に
おける液晶分子の初期配向nx (i,j,0)、n
y (i,j,0)、nz (i,j,0)と初期電圧
(i,j,0)とを設定し、(2) 前記初期配向n
x (i,j,0)、ny (i,j,0)、nz (i,
j,0)を用いて、各要素における誘電率テンソル成分
ε11、ε33、ε13を求め、(3) 前記誘電率テンソル成分
ε11、ε33、ε13から、下記(38)式に示す誘電率テ
ンソル成分ε11、ε33、ε13の関数であるC0 (i,
j,0)、C1 (i,j,0)、C2 (i,j,0)、
C3 (i,j,0)、C4 (i,j,0)、C5 (i,
j,0)、C6 (i,j,0)を求め、
字kを省略している。) (4) 下記(39)式を解いて節点電位V(i,j,0)
を求め、
y (i,j,0)、nz (i,j,0)及び前記初期電
位V(i,j,0)を用いて、下記(40)式により時
間k=1における配向nx (i,j,1)、ny (i,
j,1)、nz (i,j,1)を求め、
記(38)式のD0 (i,j)、D 1 (i,j)、D2
(i,j)、D3 (i,j)、D4 (i,j)を求め、
(7) 既知のnx (i,j,k−1)、ny (i,j,k
−1)、nz (i,j,k−1)を用いて、各要素にお
ける誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め、(8)
誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13から、C0 (i,
j,k−1)、C 1 (i,j,k−1)、C2 (i,
j,k−1)、C3 (i,j,k−1)、C 4 (i,
j,k−1)、C5 (i,j,k−1)、C6 (i,
j,k−1)を求め、(9) 既知のnx (i,j,k)、
ny (i,j,k)、nz (i,j,k)を用いて、各
要素における誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求
め、(10)誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13からC0
(i,j,k)、C1 (i,j,k)、C2 (i,j,
k)、C3 (i,j,k)、C4 (i,j,k)、C5
(i,j,k)、C6 (i,j,k)を求め、(11)下記
(41)式を解いて、V(i,j,k)を求め、
y (i,j,k)、nz (i,j,k)、V(i,j,
k)を用いて、前記(40)式によりnx (i,j,k
+1)、n y (i,j,k+1)、nz (i,j,k+
1)を求め、(13)あらかじめ決められた時間Tが経過す
るまで、(7)に戻って計算を繰り返すプログラムが記
録されている。
されており、コンピュータ(計算機)を用いて液晶分子
の配列を計算する。これにより、任意の位置及び時間に
おける液晶分子の配列をシミュレーションできる。
て、添付の図面を参照して説明する。 (第1の実施の形態)一般に、誘電率テンソルε、体積
抵抗率ρの媒質において、電界をE,電流密度をj、空
間電荷密度をqとすると、下記(42),(43)式が
成り立つ。
式が成り立つ。
計算を行う。以下、前記の「従来の技術」の説明と同様
に、計算領域が二次元の場合について本発明の実施の形
態を説明する。まず、「従来の技術」で説明したのと同
様に、図1に示されるように要素分割を行う。(44)
式は次の(45)式の汎関数Xを二次元の領域内で最小
にすることと等価である。
全体のポテンシャルエネルギーをV(i,j,k)に関
して微分して0とおくと、節点(x(i),z(j))
に関する6個の要素I〜IVだけが残り、次の(46)式
が得られる。なお、(46)式では時間に関する添え字
kを省略している。
C2 (i,j)、C3 (i,j)、C4 (i,j)、C
5 (i,j)、C6 (i,j)は、誘電率テンソル成分
ε11、ε33、ε13の関数である。また、誘電率テンソル
成分ε11、ε33、ε13は、節点(x(i),z(j))
における液晶分子ダイレクタの成分nx (i,j)、n
y (i,j)、nz (i,j)の関数である。更に、D
0 (i,j)、D1 (i,j)、D2 (i,j)、D3
(i,j)、D4 (i,j)は体積抵抗率ρの関数であ
り、ρは時間によらず一定とする。
分化すると下記(47)式に示すようになる。
(48)式により求める。
た直後の初期電位を計算する際には注意が必要である。
液晶やその他の誘電体を、容量素子と抵抗素子とが並列
に結合した電気回路で近似する場合を考える。例えば、
図6に示されるように、誘電体層1の容量をC1 、抵抗
をR1 、誘電体層2の容量をC2 、抵抗をR2 とし、こ
の電気回路に電圧V0 を印加する場合を考える。
C1 ,C2 のみによって分配されるため、誘電体層1,
2に印加される電圧V1 ,V2 は、V1 =V0 C2 /
(C1+C2 )、V2 =V0 C1 /(C1 +C2 )とな
る。すなわち、電圧を印加した直後は、容量のみを考慮
すればよい。従って、電圧を印加した直後の初期電位を
計算する際には、液晶やその他の誘電体の体積抵抗率を
考慮しない場合、すなわち(22)式により計算する。
したが、差分法による場合でも(47)式と同様の式が
得られる。液晶分子ダイレクタの計算は、「従来の技
術」で説明したのと基本的に同じである。計算手順を以
下に示す。また、フローチャートを図7,8に示す。 (1) 初期配向nx (i,j,0)、ny (i,j,
0)、nz (i,j,0)、初期電位V(i,j,0)
を設定する(ステップS21)。
(i,j,0)、nz (i,j,0)を用いて、各要素
における誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め
(ステップS22)、更に誘電率テンソル成分ε11、ε
33、ε13からC0 (i,j,0)、C1 (i,j,
0)、C2 (i,j,0)、C3 (i,j,0)、C4
(i,j,0)、C5 (i,j,0)、C6 (i,j,
0)を求める(ステップS23)。
て、V(i,j,0)を求める(ステップS24〜S2
7)。 (4) 既知であるnx (i,j,0)、ny (i,j,
0)、nz (i,j,0)、V(i,j,0)を用い
て、(26)式によりnx (i,j,1)、ny (i,
j,1)、nz (i,j,1)を求める(ステップS2
8)。
(i,j)、D1 (i,j)、D2(i,j)、D
3 (i,j)、D4 (i,j)を求める(ステップS2
9)。 (6) 既知であるnx (i,j,k−1)、ny (i,
j,k−1)、nz (i,j,k−1)を用いて、各要
素における誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め
(ステップS30)、更に誘電率テンソル成分ε11、ε
33、ε13からC0(i,j,k−1)、C1 (i,j,
k−1)、C2 (i,j,k−1)、C3(i,j,k
−1)、C4 (i,j,k−1)、C5 (i,j,k−
1)、C6(i,j,k−1)を求める(ステップS3
1)。
(i,j,k)、nz (i,j,k)を用いて、各要素
における誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め
(ステップS32)、更に誘電率テンソル成分ε11、ε
33、ε13からC0 (i,j,k)、C1 (i,j,
k)、C2 (i,j,k)、C3 (i,j,k)、C4
(i,j,k)、C5 (i,j,k)、C6 (i,j,
k)を求める(ステップS33)。
て、V(i,j,k)を求める(ステップS34〜S3
7)。 (9) 既知であるnx (i,j,k)、ny (i,j,
k)、nz (i,j,k)、V(i,j,k)を用い
て、(26)式によりnx (i,j,k+1)、n
y (i,j,k+1)、nz (i,j,k+1)を求め
る(ステップS38)。
るまで、(6) に戻って計算を繰り返す(ステップS3
9)。時間Tが経過すれば計算を終了する。このように
して、液晶分子ダイレクタが求まる。以上、計算領域が
二次元の場合について説明したが、一次元又は三次元の
場合でも同様に計算することができる。また、図1は要
素の形状が同一で規則正しく配置してある場合の例であ
るが、不規則な場合でも同様に計算することができる。
法によって図3に示される垂直配向型液晶素子につい
て、一次元シミュレーションによる計算を行った結果に
ついて説明する。電極11a,11b間に直流電圧5V
を印加したときの透過率の時間変化を計算した結果を図
9に示す。図9は、体積抵抗率が1010Ωcmの液晶の
場合の透過率の時間変化と、体積抵抗率が1012Ωcm
の液晶の場合の透過率の時間変化を示している。図9の
計算結果と図5の測定結果とを比較すると、本実施の形
態のシミュレーション方法では、従来方法に比べて液晶
の体積抵抗率が低い場合もよく一致していることがわか
る。
ン方法では、液晶やその他の誘電体の体積抵抗率を考慮
して計算を行うので、実際の液晶素子の特性を小さい誤
差で再現することができる。 (第2の実施の形態)以下、本発明の第2の実施の形態
の液晶素子のシミュレーション方法について説明する。
したシミュレーション方法では、電極に印加される電圧
が時間とともに変化する場合には特別な処理が必要であ
る。例として、図10に示されるような、誘電体層22
aと誘電体層22bとを一対の電極21a,21bによ
り挟んだ系について考える。説明を簡単にするために、
図10に示される系を、図11に示される電気回路によ
り近似する。
R1 、誘電体層22bの容量をC2 、抵抗をR2 とす
る。容量C1 の電荷をQ1 、容量C2 の電荷をQ2 とす
る。誘電体層22aに印加される電圧をV1 、誘電体層
22bに印加される電圧をV2 とする。図11に示され
る回路に印加される電圧が0⇒V0 ⇒V0 ’と変化する
場合を考える。電圧V1 ,V2 の時間変化を図12に示
す。図12において、時間t=0において電圧が0⇒V
0 と変化し、時間t=t0 において電圧がV0 ⇒V0’
と変化する。
た直後における容量C1 の下側の電荷−Q1 (+0)と
容量C2 の上側の電荷+Q2 (+0)の和は、電荷の連
続性により、V0 を印加する直前の電荷−Q1 (−0)
と−Q2 (−0)の和に等しくならなければならない。
また、V0 を印加する直前の電荷は0であるから、下記
(49)式のように表すことができる。
である。また、V0 を印加した直後には、下記(50)
式が成り立つ。
(51)式が成り立つ。
層22a,22bに印加される電圧V1 (+0)、V2
(+0)は、下記(52)式のようになる。
た変化分V0 が、容量C1 ,C2 によって分配される。
次に、時間t=t0 において印加電圧がV0 からV0 ’
へと変化する場合を考える。V0 ’を印加する直前のV
1 ,V2 をV1 (−t0 )、V2 (−t0 )とし、
V0 ’を印加した直後のV1 ,V2 をV1 (+t0 )、
V2 (+t0 )とする。印加電圧が0からV0 へ変化し
たときと同様に、V0 ’を印加した直後は、V0 からV
0 ’に変化した変化分V0 ’−V0 が容量C1 ,C2 に
よって分配される。すなわち、下記(53)式に示すよ
うになる。
ある場合には、V1 ,V2 の時間変化は図13に示され
るようになる。系に対する印加電圧がどのように変化し
ても、常に容量C1 ,C2 のみによってV1 ,V2 に分
配され、V1 とV2 との比は一定である。つまり、印加
電圧の変化に対して特別の処理は必要ない。一方、誘電
体層22a,22bの抵抗を考慮した場合、印加電圧の
変化に対して特別の処理が必要である。(53)式から
わかるように、印加電圧が変化した直後のV1 ,V
2 は、印加電圧が変化する直前のV1 ,V2 と、抵抗を
考慮しない(抵抗が無限大)条件でV0 ’−V0 を印加
したときの電圧V1 ,V2 の和によって求められる。
層32a、誘電体層32b、電極31a,31b,31
cからなる二次元領域において計算する場合について説
明する。電極31a,31b,31cの電位をV1 ,V
2 ,V3 とし、ある時間ステップt(k)における電位
V(i,j,k)まで計算が進んでいるとする。次の時
間ステップt(k+1)の直後に、電極31a,31
b,31cの電位をV1’,V2 ’,V3 ’に変化させ
る。
31a,31b,31cの電位をV 1 ’,V2 ’,
V3 ’に変化させた直後の電位V(i,j,k+1)
は、電位V A (i,j,k+1)とVB (i,j,k+
1)の和により求められる。ここで、VA (i,j,k
+1)は、電極31a,31b,31cの電位を
V 1 ’,V2 ’,V3 ’に変化させる直前の電位であ
り、電極31a,31b,31cの電位がV1 ,V2 ,
V3 の状態で、液晶層と誘電体層の誘電率と体積抵抗率
とを考慮した手法で求めた時間ステップt(k+1)に
おける電位である。
に示されるように、電極31a,31b,31cの電位
がV1 ’−V1 ,V2 ’−V2 ,V3 ’−V3 の状態
で、液晶層と誘電体層の誘電率のみを考慮した手法で求
めた時間ステップt(k+1)における電位である。V
A (i,j,k+1)を求める際には、液晶やその他の
誘電体の体積抵抗率を考慮した(47)式により計算
し、VB (i,j,k+1)を求める際には、液晶やそ
の他の誘電体の体積抵抗率を考慮しない(22)式によ
り計算する。印加電圧が変化する場合を含めたフローチ
ャートを図16〜19に示す。このフローチャートで、
ステップS41からステップS54は印加電圧が変化し
ないときの手順を示しており、第1の実施の形態で既に
説明した手順と基本的に同じである。
43からステップS55に移行して、電極の電位をV1
〜VN からV1 ’〜VN ’に変更する。ステップS56
からステップS66はVA (i,j,k)の計算手順を
示し、ステップS67からステップS73はVB (i,
j,k)の計算手順を示している。VA (i,j,k)
とVB (i,j,k)とを計算した後、ステップS67
でVA (i,j,k)とVB (i,j,k)との和をV
(i,j,k)としている。
一次元及び三次元の場合でも同様である。また、図1は
要素の形状が同一で規則正しく配置してある場合の例で
あるが、不規則な場合でも同様である。図20に示され
る二次元領域について、第2の実施の形態の方法により
計算した。一方の基板の液晶層33cに面する側には、
電極31a、誘電体層33b(ε=3.5)及び垂直配
向膜33a(ε=3.5)が順に形成されている。他方
の基板の液晶層33cに面する側には、電極31c、誘
電体層33e(ε=7.0)、電極31b及び垂直配向
膜33d(ε=3.5)が順に形成されている。液晶分
子は正の誘電率異方性(ε(平行)=25、ε(垂直)
=7)を有するネマティック液晶であり、電圧無印加時
には基板面に対してほぼ垂直に配向している。図示はし
ていないが、両基板の外側には偏光フィルムが、吸収軸
が互いに直交するように配置されている。
振幅6V、周波数30Hzの矩形波電圧を印加したとき
の、透過率の時間変化を計算した結果を図21に示す。
図21は、液晶層及びその他の誘電体層の体積抵抗率を
考慮した場合と、考慮していない場合とを示している。
体積抵抗率を考慮した場合には、電極31bに印加して
いる矩形波電圧の周波数に対応して、透過率の変動(フ
リッカ)が生じている。それに対して、体積抵抗率を考
慮しない場合には、透過率の変動(フリッカ)が生じな
い。
作製し、計算と同様に電圧を印加したときの透過率の時
間変化を測定した結果を図22に示す。図22の測定結
果と、図21の体積抵抗率を考慮した場合の結果は比較
的よく一致している。つまり、液晶やその他の誘電体の
体積抵抗率を考慮した液晶素子のシミュレーション方法
において、電極に対する印加電圧が変化する場合に対応
できる機能を追加することにより、実際の液晶素子の特
性を小さい誤差で再現することができる。
する液晶素子のシミュレーション方法であって、一次
元、二次元及び三次元のいずれか1つの計算領域におい
て、電位V及び液晶分子のダイレクタ成分を離散化し、
下記(54)式に示す汎関数Xが計算領域内で最小とな
るように、前記電位Vを計算することを特徴とする液晶
素子のシミュレーション方法。
率をρとし、∫dvは計算領域内にわたる積分を意味す
る。 (付記2)電極間に電圧を印加した直後には、下記(5
5)式に示す汎関数Xが計算領域内で最小となるよう
に、前記電位Vを計算することを特徴とする付記1に記
載の液晶素子のシミュレーション方法。
dvは計算領域内にわたる積分を意味する。 (付記3)前記電位Vを有限要素法により計算すること
を特徴とする付記1に記載の液晶素子のシミュレーショ
ン方法。 (付記4)液晶素子の液晶分子配列を計算する液晶素子
のシミュレーション方法であって、一次元、二次元及び
三次元のいずれか1つの計算領域において、電位V及び
液晶分子のダイレクタ成分を離散化し、下記(56)式
を数値的に解くことにより前記電位Vを計算することを
特徴とする液晶素子のシミュレーション方法。
抗率をρとする。 (付記5)電極間に電圧を印加した直後には、下記(5
7)式を数値的に解くことにより前記電位Vを計算する
ことを特徴とする付記4に記載の液晶素子のシミュレー
ション方法。
(付記6)前記電位Vを差分法により計算することを特
徴とする付記4に記載 の液晶素子のシミュレーション方法。 (付記7)一次元、二次元及び三次元のいずれか1つの
計算領域において、電位V及び液晶分子のダイレクタ成
分の間に成立する方程式を離散化し、電位V及びダイレ
クタ成分を数値的に解いて液晶素子の液晶分子配列を求
める液晶素子のシミュレーション方法であって、ある時
間tから微小な時間Δtだけ経過した時間t+Δtにお
ける電位を計算する際に、計算領域に配置された少なく
とも1つ以上の電極の電位が、時間tにV1 ,V2 ,
…,VN であり、時間t+ΔtにV 1 ’,V2 ’,…,
VN ’であるとして、V1 =V1 ’、かつV2 =
V2 ’、…、かつVN =VN ’が成立するときには下記
(58)式に示す汎関数Xが計算領域内で最小となるよ
うに求めた電位Vを時間t+Δtにおける電位とし、V
1 =V1 ’、かつV2 =V2 ’、…、かつVN =VN ’
が成立しないときには電極の電位がV1 ,V2 ,…,V
N の状態で下記(59)式に示す汎関数Xが計算領域内
で最小となるように求めた電位VA と、電極の電位がV
1 ’−V1 ,V2 ’−V2 ,…,VN ’−VN の状態で
下記(60)式に示す汎関数X’が計算領域内で最小と
なるように求めた電位VB との和を、時間t+Δtにお
ける電位とすることを特徴とする液晶素子のシミュレー
ション方法。
抗率をρとし、∫dvは計算領域内にわたる積分を意味
する。 (付記8)前記電位Vを有限要素法により計算すること
を特徴とする付記7に記載の液晶素子のシミュレーショ
ン方法。 (付記9)一次元、二次元及び三次元のいずれか1つの
計算領域において、電位V及び液晶分子のダイレクタ成
分の間に成立する方程式を離散化し、電位V及びダイレ
クタ成分を数値的に解いて液晶素子の液晶分子配列を求
める液晶素子のシミュレーション方法であって、ある時
間tから微小な時間Δtだけ経過した時間t+Δtにお
ける電位を計算する際に、計算領域に配置された少なく
とも1つ以上の電極の電位が、時間tにV1 ,V2 ,
…,VN であり、時間t+ΔtにV 1 ’,V2 ’,…,
VN ’であるとして、V1 =V1 ’、かつV2 =
V2 ’、…、かつVN =VN ’が成立するときには下記
(61)式に示す方程式を解いて求めた電位Vを時間t
+Δtにおける電位とし、V1 =V1 ’、かつV2 =V
2 ’、…、かつVN =VN ’が成立しないときには電極
の電位V1 ,V2 ,…,VNの状態で下記(62)式に
示す方程式を解いて求めた電位VA と、電極の電位がV
1 ’−V1 ,V2 ’−V2 ,…,VN ’−VN の状態で
下記(63)式に示す方程式を解いて求めた電位VB と
の和を、時間t+Δtにおける電位Vとすることを特徴
とする液晶素子のシミュレーション方法。
抗率をρとする。 (付記10)前記電位Vを差分法により計算することを
特徴とする付記9に記載の液晶素子のシミュレーション
方法。 (付記11)コンピュータを用いて液晶素子の液晶分子
配列を計算するプログラムを記録した記録媒体であっ
て、(1) 位置i,j、時間k=0における液晶分子の初
期配向nx (i,j,0)、ny (i,j,0)、nz
(i,j,0)と初期電圧(i,j,0)とを設定し、
(2) 前記初期配向nx (i,j,0)、ny (i,j,
0)、nz (i,j,0)を用いて、各要素における誘
電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め、(3) 前記誘
電率テンソル成分ε11、ε33、ε13から、下記(64)
式に示す誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13の関数で
あるC0 (i,j,0)、C1 (i,j,0)、C
2 (i,j,0)、C3 (i,j,0)、C4 (i,
j,0)、C5 (i,j,0)、C6 (i,j,0)を
求め、
字kを省略している。) (4) 下記(65)式を解いて節点電位V(i,j,0)
を求め、
y (i,j,0)、nz (i,j,0)及び前記初期電
位V(i,j,0)を用いて、下記(66)式により時
間k=1における配向nx (i,j,1)、ny (i,
j,1)、nz (i,j,1)を求め、
記(64)式のD0 (i,j)、D 1 (i,j)、D2
(i,j)、D3 (i,j)、D4 (i,j)を求め、
(7) 既知のnx (i,j,k−1)、ny (i,j,k
−1)、nz (i,j,k−1)を用いて、各要素にお
ける誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め、(8)
誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13から、C0 (i,
j,k−1)、C 1 (i,j,k−1)、C2 (i,
j,k−1)、C3 (i,j,k−1)、C 4 (i,
j,k−1)、C5 (i,j,k−1)、C6 (i,
j,k−1)を求め、(9) 既知のnx (i,j,k)、
ny (i,j,k)、nz (i,j,k)を用いて、各
要素における誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求
め、(10)誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13からC0
(i,j,k)、C1 (i,j,k)、C2 (i,j,
k)、C3 (i,j,k)、C4 (i,j,k)、C5
(i,j,k)、C6 (i,j,k)を求め、(11)下記
(67)式を解いて、V(i,j,k)を求め、
y (i,j,k)、nz (i,j,k)、V(i,j,
k)を用いて、前記(66)式によりnx (i,j,k
+1)、n y (i,j,k+1)、nz (i,j,k+
1)を求め、(13)あらかじめ決められた時間Tが経過す
るまで、(7) に戻って計算を繰り返すプログラムが記録
された記録媒体。
のシミュレーション方法によれば、液晶やその他の誘電
体の体積抵抗率を考慮しているので、実際の液晶素子の
特性を小さい誤差で再現することができる。また、電極
に印加される電圧が時間とともに変化する場合に対応さ
せることにより、実際の液晶素子の特性をより小さな誤
差で再現することができる。
図であり、二次元領域内を三角形の要素に分割した状態
を示す図である。
法による計算手順を示すフローチャートである。
晶素子を示す模式図である。
3の液晶素子の透過率の時間変化を計算した結果を示す
図である。
率の時間変化を測定した結果を示す図である。
抵抗素子とが並列に結合した電気回路で近似する場合の
等価回路図である。
ローチャート(その1)である。
ローチャート(その2)である。
間変化を計算した結果を示す図である。
レーション対象の液晶素子を示す模式図である
ある。
0⇒V0 ⇒V0 ’と変化する場合の電圧V1 ,V2 の時
間変化を示す図である。
る場合の電圧V1 ,V2 の時間変化を示す図である。
レーション対象の液晶素子を示す模式図である。
ミュレーション方法を示す模式図である。
すフローチャート(その1)である。
すフローチャート(その2)である。
すフローチャート(その3)である。
すフローチャート(その4)である。
レーション対象の液晶素子を示す模式図である。
間変化を計算した結果と、体積抵抗率を考慮しないで透
過率の時間変化を計算した結果とを示す図である。
て透過率の時間変化を測定した結果を示す図である。
1c…電極、 12a,12b,33a,33d…垂直配向膜、 13,23a,33c…液晶層、 22a,22b,32b,33e…誘電体層。
Claims (5)
- 【請求項1】 液晶素子の液晶分子配列を計算する液晶
素子のシミュレーション方法であって、 一次元、二次元及び三次元のいずれか1つの計算領域に
おいて電位V及び液晶分子のダイレクタ成分を離散化
し、下記(1)式に示す汎関数Xが計算領域内で最小と
なるように、前記電位Vを計算することを特徴とする液
晶素子のシミュレーション方法。 【数1】 但し、媒質の誘電テンソルをε、体積抵抗率をρとし、
∫dvは計算領域内にわたる積分を意味する。 - 【請求項2】 液晶素子の液晶分子配列を計算する液晶
素子のシミュレーション方法であって、 一次元、二次元及び三次元のいずれか1つの計算領域に
おいて電位V及び液晶分子のダイレクタ成分を離散化
し、下記(2)式を数値的に解くことにより前記電位V
を計算することを特徴とする液晶素子のシミュレーショ
ン方法。 【数2】 但し、媒質の誘電率テンソルをε、体積抵抗率をρとす
る。 - 【請求項3】 一次元、二次元及び三次元のいずれか1
つの計算領域において電位V及び液晶分子のダイレクタ
成分の間に成立する方程式を離散化し、電位V及びダイ
レクタ成分を数値的に解いて液晶素子の液晶分子配列を
求める液晶素子のシミュレーション方法であって、 ある時間tから微小な時間Δtだけ経過した時間t+Δ
tにおける電位を計算する際に、計算領域に配置された
少なくとも1つ以上の電極の電位が、時間tにV1 ,V
2 ,…,VN であり、時間t+ΔtにV1 ’,V2 ’,
…,VN ’であるとして、 V1 =V1 ’、かつV2 =V2 ’、…、かつVN =
VN ’が成立するときには下記(3)式に示す汎関数X
が計算領域内で最小となるように求めた電位Vを時間t
+Δtにおける電位とし、 V1 =V1 ’、かつV2 =V2 ’、…、かつVN =
VN ’が成立しないときには電極の電位がV1 ,V2 ,
…,VN の状態で下記(4)式に示す汎関数Xが計算領
域内で最小となるように求めた電位VA と、電極の電位
がV1 ’−V1 ,V 2 ’−V2 ,…,VN ’−VN の状
態で下記(5)式に示す汎関数X’が計算領域内で最小
となるように求めた電位VB との和を、時間t+Δtに
おける電位とすることを特徴とする液晶素子のシミュレ
ーション方法。 【数3】 【数4】 【数5】 但し、媒質の誘電率テンソルをε、体積抵抗率をρと
し、∫dvは計算領域内にわたる積分を意味する。 - 【請求項4】 一次元、二次元及び三次元のいずれか1
つの計算領域において電位V及び液晶分子のダイレクタ
成分の間に成立する方程式を離散化し、電位V及びダイ
レクタ成分を数値的に解いて液晶素子の液晶分子配列を
求める液晶素子のシミュレーション方法であって、 ある時間tから微小な時間Δtだけ経過した時間t+Δ
tにおける電位を計算する際に、計算領域に配置された
少なくとも1つ以上の電極の電位が、時間tにV1 ,V
2 ,…,VN であり、時間t+ΔtにV1 ’,V2 ’,
…,VN ’であるとして、 V1 =V1 ’、かつV2 =V2 ’、…、かつVN =
VN ’が成立するときには下記(6)式に示す方程式を
解いて求めた電位Vを時間t+Δtにおける電位とし、 V1 =V1 ’、かつV2 =V2 ’、…、かつVN =
VN ’が成立しないときには電極の電位V1 ,V2 ,
…,VN の状態で下記(7)式に示す方程式を解いて求
めた電位VA と、電極の電位がV1 ’−V1 ,V2 ’−
V2 ,…,VN ’−V N の状態で下記(8)式に示す方
程式を解いて求めた電位VB との和を、時間t+Δtに
おける電位Vとすることを特徴とする液晶素子のシミュ
レーション方法。 【数6】 【数7】 【数8】 但し、媒質の誘電率テンソルをε、体積抵抗率をρとす
る。 - 【請求項5】 コンピュータを用いて液晶素子の液晶分
子配列を計算するプログラムを記録した記録媒体であっ
て、 (1) 位置i,j、時間k=0における液晶分子の初期配
向nx (i,j,0)、ny (i,j,0)、n
z (i,j,0)と初期電圧(i,j,0)とを設定
し、 (2) 前記初期配向nx (i,j,0)、ny (i,j,
0)、nz (i,j,0)を用いて、各要素における誘
電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め、 (3) 前記誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13から、下
記(9)式に示す誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13
の関数であるC0 (i,j,0)、C1 (i,j,
0)、C2 (i,j,0)、C3 (i,j,0)、C4
(i,j,0)、C 5 (i,j,0)、C6 (i,j,
0)を求め、 【数9】 (但し、(9)式では時間に関する添え字kを省略して
いる。) (4) 下記(10)式を解いて節点電位V(i,j,0)
を求め、 【数10】 (5) 前記初期配向nx (i,j,0)、ny (i,j,
0)、nz (i,j,0)及び前記初期電位V(i,
j,0)を用いて、下記(11)式により時間k=1に
おける配向nx (i,j,1)、ny (i,j,1)、
nz (i,j,1)を求め、 【数11】 (6) 各要素における体積抵抗率ρから、前記(9)式の
D0 (i,j)、D1(i,j)、D2 (i,j)、D
3 (i,j)、D4 (i,j)を求め、 (7) 既知のnx (i,j,k−1)、ny (i,j,k
−1)、nz (i,j,k−1)を用いて、各要素にお
ける誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13を求め、 (8) 誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13から、C
0 (i,j,k−1)、C 1 (i,j,k−1)、C2
(i,j,k−1)、C3 (i,j,k−1)、C
4 (i,j,k−1)、C5 (i,j,k−1)、C6
(i,j,k−1)を求め、 (9) 既知のnx (i,j,k)、ny (i,j,k)、
nz (i,j,k)を用いて、各要素における誘電率テ
ンソル成分ε11、ε33、ε13を求め、 (10)誘電率テンソル成分ε11、ε33、ε13からC
0 (i,j,k)、C1 (i,j,k)、C2 (i,
j,k)、C3 (i,j,k)、C4 (i,j,k)、
C5 (i,j,k)、C6 (i,j,k)を求め、 (11)下記(12)式を解いて、V(i,j,k)を求
め、 【数12】 (12)既知のnx (i,j,k)、ny (i,j,k)、
nz (i,j,k)、V(i,j,k)を用いて、前記
(11)式によりnx (i,j,k+1)、n y (i,
j,k+1)、nz (i,j,k+1)を求め、 (13)あらかじめ決められた時間Tが経過するまで、(7)
に戻って計算を繰り返す プログラムが記録された記録媒体。
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KR100491618B1 (ko) * | 2002-12-13 | 2005-05-30 | (주)사나이시스템 | 액정셀의 전기적 특성 및 액정 배향 분포를 계산하는 시스템 |
JP2006259632A (ja) * | 2005-03-18 | 2006-09-28 | Sharp Corp | コンピュータに液晶素子における液晶分子配列をシミュレーションさせるシミュレーションプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体 |
CN110764315A (zh) * | 2019-10-28 | 2020-02-07 | 深圳市华星光电技术有限公司 | 液晶配向力仿真方法、系统、设备及存储介质 |
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- 2001-03-30 JP JP2001100394A patent/JP4387068B2/ja not_active Expired - Fee Related
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