JP2002295339A - 摺動部材およびこれを用いた燃料噴射ポンプ - Google Patents

摺動部材およびこれを用いた燃料噴射ポンプ

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JP2002295339A JP2001095483A JP2001095483A JP2002295339A JP 2002295339 A JP2002295339 A JP 2002295339A JP 2001095483 A JP2001095483 A JP 2001095483A JP 2001095483 A JP2001095483 A JP 2001095483A JP 2002295339 A JP2002295339 A JP 2002295339A
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injection pump
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Shigehiko Inayoshi
成彦 稲吉
Hirotake Hamamatsu
宏武 濱松
Hitoshi Umemoto
仁 梅本
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工が容易で異常摩耗および焼き付きを防止
する摺動部材および燃料噴射ポンプを提供する。 【解決手段】 シュー27とローラ部材28とは、相対
的に滑り運動可能な摺動部を形成する。シュー27は鉄
系の金属により形成されているため、曲面部27aのよ
うに複雑な形状を有する部材も容易に加工することがで
きる。シュー27には、例えば金属含有ダイヤモンドラ
イクカーボンやセラミックスからなる硬質皮膜層271
が形成されている。ローラ部材28は円柱形状であり、
セラミックスによっても容易に成形可能である。シュー
27に硬質皮膜層271を形成することにより、シュー
271の表面が保護されるだけでなく、シュー271を
形成する鉄系の金属が摺動部の発熱により軟化し、ロー
ラ部材28へ移着することが防止される。そのため、異
常摩耗および焼き付きを防止することができ、燃料圧力
の高圧化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相互に滑り移動す
る摺動部を構成する摺動部材および燃料噴射ポンプを提
供することにある。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばディーゼルエンジンな
どのエンジンの燃料噴射ポンプとして、プランジャを駆
動するカムが設けられた燃料噴射ポンプが用いられてい
る。上記のような燃料噴射ポンプの場合、シリンダの内
部でプランジャが往復移動することにより燃料が加圧さ
れる。プランジャは、エンジンにより駆動されるドライ
ブシャフトの回転運動をカムを用いて往復運動に変換す
ることにより駆動される。近年、エンジンの出力向上な
らびにエンジンから排出される物質の低減を図るため、
燃料の噴射圧力のさらなる高圧化が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料の
噴射圧力を高めるためには、燃料噴射ポンプによる燃料
の加圧圧力を高める必要があり、燃料噴射ポンプの負荷
が過大となる。特に、摺動しているカムとプランジャと
の摺動部には、大きな力が作用し部材間で焼き付きが発
生するおそれがある。そのため、燃料の加圧圧力の上昇
には限界がある。
【0004】摺動部における焼き付きを防止し燃料の加
圧圧力を高める方法として、例えば特開平8−1098
84号公報に開示されている手段が公知である。特開平
8−109884号公報に開示されているポンプによる
と、カムとプランジャとの間に窒化珪素系のセラミック
スボールを介在させている。セラミックスボールを介在
させることにより、カムとプランジャとの間の焼き付き
の防止ならびに摩耗の低減を図っている。しかし、セラ
ミックスボールを介在させた場合、カム、プランジャお
よびセラミックスボールの各部材間での接触面積が小さ
くなる。そのため、ボールとの摺動量が大きなカムの表
面が荒れ、焼き付きを生じるおそれがある。
【0005】また、ローラおよびシューのいずれか一方
または両方に耐焼き付け性の高いセラミックス材料を用
いることにより、カム、ローラおよびシュー間での摩耗
および焼き付きの低減を図ることが考えられる。しか
し、ローラまたはシューのいずれか一方にセラミックス
材料を用いた場合、他方の部材を形成する鉄系の材料が
高圧下での摺動による発熱のため軟化する。軟化した鉄
系の材料は、セラミックス材料の表面の微小な凹凸部に
移着し埋没する。鉄系の材料がセラミックス材料の表面
に移着し埋没すると、鉄系の材料により形成されている
部材とセラミックス表面に埋没した鉄系の材料とが接触
することになり、同種類の材料による接触となる。その
結果、摩擦係数が急激に増大し、異常摩耗および焼き付
きを招くおそれがある。
【0006】一方、ローラおよびシューの両方の部材を
セラミックス材料により形成することにより、上記のよ
うな異常摩耗および焼き付きを防止することも考えられ
る。しかし、シューのように複雑な形状の部材はセラミ
ックスによる精密な成形が困難であり、加工工程の複雑
化を招くという問題がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、加工が容易で異
常摩耗および焼き付きを防止する摺動部材を提供するこ
とにある。また、本発明の他の目的は、加工が容易で異
常摩耗および焼き付きを防止し、供給する燃料の圧力が
高い燃料噴射ポンプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
摺動部材によると、固定側部材と可動側部材とから摺動
部材が構成されている。固定側部材は鉄系の金属により
形成されている。そのため、精密な形状に容易に成形す
ることができる。また、固定側部材側の鉄系の金属には
硬質皮膜層が被覆されている。そのため、被膜のない鉄
系の金属と比較して耐摩耗性を高めることができる。一
方、可動側部材側はセラミックスにより形成されてい
る。そのため、単純な形状の例えばローラ部材や球状部
材などを容易に成形することができる。また、可動側部
材をセラミックスにより形成することにより、高圧およ
び高圧下における摺動に対する耐久性を向上することが
できる。したがって、容易に加工することができ、異常
摩耗および焼き付きを防止することができる。
【0009】本発明の請求項2記載の摺動部材による
と、固定側部材に形成されている硬質皮膜層は金属含有
ダイヤモンドライクカーボンから形成されている。金属
含有のダイヤモンドライクカーボンは、凝着性が低く、
耐熱性および耐摩耗性が高い。そのため、鉄系の金属か
ら形成されている固定側部材の表面を保護し、異常摩耗
および焼き付きを防止することができる。
【0010】本発明の請求項3記載の摺動部材による
と、固定部材側に形成されている硬質皮膜層はセラミッ
クス系の材料によって形成されている。セラミックス
は、耐熱性および耐摩耗性が高い。そのため、鉄系の金
属から形成されている固定側部材の表面を保護し、異常
摩耗および焼き付きを防止することができる。
【0011】本発明の請求項4記載の燃料噴射ポンプに
よると、プランジャに接続されているシューと、シュー
と当接するローラ部材とは摺動部を形成している。固定
側の部材であるシューは硬質皮膜層が形成されている鉄
系の金属により形成され、可動側の部材であるローラ部
材はセラミックスにより形成されている。シューを鉄系
の金属により形成することにより、形状が複雑なシュー
を容易かつ精密に成形することができる。また、シュー
を形成する鉄系の金属には硬質皮膜層が被覆されてい
る。そのため、被膜のない鉄系の金属と比較して耐摩耗
性を高めることができる。一方、ローラ部材はセラミッ
クスにより形成されている。ローラ部材は、例えば円柱
形状などのように単純な形状であるため、セラミックス
によっても容易に成形することができる。また、ローラ
部材をセラミックスにより形成することにより、高圧お
よび高圧下における摺動に対する耐久性を向上すること
ができる。さらに、燃料噴射ポンプの場合、シューとロ
ーラ部材との間には燃料である軽油が潤滑剤として介在
する。そのため、摺動部の異常摩耗を防止することがで
きる。したがって、容易に加工することができ、異常摩
耗および焼き付きを防止することができる。
【0012】本発明の請求項5記載の燃料噴射ポンプに
よると、シューに形成されている硬質皮膜層は金属含有
ダイヤモンドライクカーボンから形成されている。金属
含有のダイヤモンドライクカーボンは、凝着性が低く、
耐熱性および耐摩耗性が高い。そのため、鉄系の金属か
ら形成されているシューの表面を保護し、異常摩耗およ
び焼き付きを防止することができる。
【0013】本発明の請求項6記載の燃料噴射ポンプに
よると、シューにはタングステンカーバイト系の硬質皮
膜層が被覆されている。そのため、タングステンは炭素
との親和性が高いため、緻密で耐久性の高い硬質皮膜を
形成することができる。本発明の請求項7記載の燃料噴
射ポンプによると、シューに形成されている硬質皮膜層
はセラミックス系の材料によって形成されている。セラ
ミックスは、耐熱性および耐摩耗性が高い。そのため、
鉄系の金属から形成されているシューの表面を保護し、
異常摩耗および焼き付きを防止することができる。
【0014】本発明の請求項8記載の燃料噴射ポンプに
よると、ローラ部材は窒化珪素系セラミックスにより形
成されている。そのため、安価で耐熱性の高いローラ部
材を形成することができる。また、単純な形状のローラ
部材を容易に成形することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例による燃
料噴射ポンプを図面に基づいて説明する。本実施例で
は、燃料噴射ポンプ1をディーゼルエンジンのコモンレ
ール式燃料噴射システムに適用した例について説明す
る。
【0016】図2に示すように、燃料噴射ポンプ1はポ
ンプハウジング10を有している。ポンプハウジング1
0の内部には図示しないエンジンによって駆動されるド
ライブシャフト11が保持されている。ドライブシャフ
ト11は、エンジンの1/2回転と同期して回転駆動さ
れる。ドライブシャフト11には低圧燃料供給用のベー
ン式フィードポンプ21が連結されている。フィードポ
ンプ21はドライブシャフト11と一体に回転し、図示
しない燃料タンクから燃料を吸入し燃料を一定の圧力に
加圧する。加圧された燃料は、通路12、通路13、通
路14、通路15を経由して燃料溜まり51に供給され
る。フィードポンプ21の燃料吐出側および燃料吸入側
は、吐出圧力を調整可能な図示しない圧力調整弁を介し
て接続されている。
【0017】ドライブシャフト11は、ベアリング17
およびベアリング18を介してポンプハウジング10に
回転可能に支持されている。ドライブシャフト11の端
部にはインナーカム22が一体または別体に接続されて
いる。
【0018】ポンプハウジング10の端部に形成されて
いる開口部には、ヘッド19が取り付けられている。ヘ
ッド19の中央部は突出しており、インナーカム22に
接続されている。ヘッド19のドライブシャフト側の中
央部に設けられている摺動孔23の内部には複数のプラ
ンジャ24が往復移動可能かつ摺動可能に収容されてい
る。摺動孔23の内部がシリンダである。プランジャ2
4の端面部と摺動孔23の内壁との間に圧力室25が形
成される。圧力室25は、通路26、逆止弁30および
電磁弁40を経由して燃料溜まり51に連通している。
圧力室25は、燃料溜まり51から流入する加圧された
燃料をさらに加圧する圧力室として機能する。
【0019】ヘッド19の反ドライブシャフト側には、
燃料溜まり51が形成されるロックアダプタ50が固定
されている。燃料溜まり51の内部には、フィードポン
プ21によって加圧された燃料が蓄えられる。燃料溜ま
り51に蓄えられている燃料は、ロックアダプタ50お
よびヘッド19の内部に形成されている通路26を経由
して圧力室25へ供給される。燃料溜まり51から圧力
室25までの間には、ロックアダプタ50とヘッド19
との間に挟持されている逆止弁30が配設されている。
そのため、燃料は燃料溜まり51方向への逆流が防止さ
れ、燃料は燃料溜まり51から圧力室25方向へ供給さ
れる。ロックアダプタ50の反ドライブシャフト側に
は、電磁弁40が配設されている。電磁弁40は、圧力
室25へ供給される燃料の流量を制御する。電磁弁40
は、ポンプハウジング10の外周部に設けられているフ
ランジ11aに図示しないボルトによって固定されてい
る。
【0020】逆止弁30は、図3に示すようにハウジン
グ31をドライブシャフト11の軸方向へ貫通する流路
32、ならびに流路32を開閉する弁体33を有してい
る。流路32は、途中で圧力室25方向へ内径が拡大し
円錐形状のシート面32aを形成する。弁体33は、ス
プリングストッパ34の内部に保持されるスプリング3
5によって電磁弁40方向へ付勢されており、シート面
32aに着座可能である。逆止弁30は、通常閉弁状態
であり、電磁弁40が開弁して燃料溜まり51から燃料
が流入すると、燃料の圧力により弁体33に作用する力
によってスプリング35の付勢力に抗して開弁する。
【0021】電磁弁40は、コイル41が内蔵されてい
るハウジング42、ならびにハウジング42に固定され
るバルブボディ43を有している。バルブボディ43に
設けられているシリンダ43aの内部に弁体44を摺動
可能に保持している。弁体44の逆止弁30側には環状
の流路43bが形成され、流路43bは流路43cによ
り燃料溜まり51に連通している。また、流路74bは
流路74dにより逆止弁30の流路32に連通してい
る。
【0022】弁体44の反逆止弁側の端部には、アーマ
チャ45が圧入して固定されている。アーマチャ45
は、ステータ46と一定の間隔を形成して対向してい
る。ステータ46の外周部にはコイル41が配設されて
いる。ステータ46の内部に設けられているスプリング
室461の内部にはスプリング47が配置され、アーマ
チャ45を逆止弁方向へ付勢している。
【0023】流路43dの開口端部には、略円錐形状の
シート面43eが形成されている。コイル41に通電さ
れていない場合、スプリング47の付勢力により弁体4
4がシート面43eに着座する。これにより、流路43
bと流路43cとの間を閉塞する。コイル41に通電さ
れると、アーマチャ45がスプリング47の付勢力に抗
して吸引され、アーマチャ45と一体の弁体44がシー
ト面43eから離間する。これにより、流路43bと流
路43cとの間は開放される。
【0024】図4に示すように、プランジャ24はリン
グ形状のインナーカム22の内周側に周方向に等間隔で
配置されている。プランジャ24の外周側端部にはシュ
ー27が設けられている。シュー27には、ローラ部材
28が回転可能に保持されている。インナーカム22
は、ローラ部材28の外周側にローラ部材28と摺動可
能に配置されている。インナーカム22の内周側には、
等間隔で配置された複数のカム面221が形成されてい
る。
【0025】ドライブシャフト11の回転により、ドラ
イブシャフト11と一体に形成されているインナーカム
22が回転すると、プランジャ24はシリンダである摺
動孔23の内部を往復駆動される。プランジャ24が摺
動孔23の内部を内周側へ移動することにより圧力室2
5の燃料は加圧される。
【0026】圧力室25で加圧された燃料は、図2に示
すポンプハウジング10に形成されている吐出孔16か
らデリバリバルブ60、図示しない供給配管を経由して
図示しないコモンレールへ供給される。コモンレールへ
供給される燃料の圧力は、エンジンの運転状態によって
変更される。デリバリバルブ60は逆止弁としての機能
を有している。デリバリバルブ60は、弁体61とこれ
を閉弁方向へ付勢するリターンスプリング62を有し、
加圧された燃料が所定の圧力を超えると開弁し加圧され
た燃料を排出する。
【0027】次に、シュー27とローラ部材28とから
構成される摺動部について詳細に説明する。ローラ部材
28は、セラミックスにより形成され、図1に示すよう
に円柱形状に形成されている。ローラ部材28を構成す
るセラミックスとしては、窒化珪素を用いることができ
る。窒化珪素は、セラミックスとして広く用いられてい
る材料であり、安価である。また、ローラ部材28は単
純な円柱形状であるため、成形が容易である。
【0028】シュー27は、鉄系の金属から形成されて
いる。シュー27は反プランジャ側が曲面形状に形成さ
れ、この曲面部27aはローラ部材28を保持可能であ
る。ローラ部材28は、シュー27の曲面部27aに保
持され、回動可能である。すなわち、ローラ部材28と
シュー27とが接触している部位は摺動部を形成してお
り、回動するローラ部材28が可動側部材であり、ロー
ラ部材28を支持するシュー27が固定側部材である。
シュー27は、鉄系の金属により形成されているため、
曲面部27aのような複雑な形状を有する場合であって
も精密な成形が容易である。
【0029】シュー27は、例えば軸受け鋼などから形
成されている。シュー27の外周には、硬質皮膜層27
1が形成されている。硬質皮膜層271は、金属含有ダ
イヤモンドライクカーボンまたはセラミックスなどから
なる。
【0030】金属含有ダイヤモンドライクカーボンは、
炭素と水素とからなる分子結合中に金属を含んでいる硬
度の高い炭素系素材である。金属含有ダイヤモンドライ
クカーボンとしては、炭素との親和性の高いタングステ
ン、クロムあるいはチタンなどが適しており、特にタン
グステンを含有するタングステンカーバイトカーボンが
被膜の強度および耐熱性が高く適している。一方、硬質
皮膜層をセラミックスにより形成してもよい。硬質皮膜
層を形成するセラミックスとしては、窒化クロムあるい
は窒化チタンなど金属窒化物が適している。
【0031】シュー27の表面に硬質皮膜層271を形
成することにより、シュー27の摺動部分が硬質皮膜層
271により保護される。そのため、高圧下での摺動の
ように摺動部分が高温になる場合でも、シュー27を構
成する鉄系の金属が軟化し、軟化した金属がローラ部材
28へ移着することを防止できる。
【0032】以上、説明したように本発明の一実施例に
よる燃料噴射ポンプ1によると、複雑な形状のシュー2
7を鉄系の金属により、単純な形状のローラ部材28を
セラミックスにより形成している。ローラ部材28は単
純な円柱形状であるため、セラミックスによっても容易
に成形することができる。また、ローラ部材28をセラ
ミックスで形成することにより、強度および耐熱性を高
めることができる。そのため、燃料の高圧化にともなっ
て摺動部が高圧および高温となる場合でも、高い耐久性
を確保することができる。一方、シュー27は鉄系の金
属により形成され、表面に硬質皮膜層271が形成され
ている。シュー27は、ローラ部材28と比較し複雑な
形状であるため、鉄系の金属により形成することで精密
な形状の加工が容易である。また、シュー27は鉄系の
金属の表面に硬質皮膜層271が形成されている。その
ため、摺動部が高圧および高温となる場合でも、摺動部
分を硬質皮膜層271が保護し、シュー27を形成する
鉄系の金属が軟化してローラ部材28の表面へ移着する
ことを防止できる。さらに、硬質皮膜層271を形成す
ることにより、シュー27の表面が保護され、耐熱性お
よび耐摩耗性を向上することができる。したがって、ロ
ーラ部材28とシュー27との摺動部における異常摩耗
および焼き付きを防止することができ、摺動部の耐久性
を向上することができるため、燃料噴射ポンプ1のさら
なる高圧化を図ることができる。
【0033】また、シュー27からローラ部材28への
金属の移着を防止することにより、ローラ部材28とイ
ンナーカム22との間における同種材料による摺動を防
止することができる。そのため、シュー27とローラ部
材28との間の異常摩耗および焼き付きが防止されるだ
けでなく、ローラ部材28とインナーカム22との間の
異常摩耗および焼き付きを防止することができる。
【0034】本発明の一実施例では、シュー27に形成
する硬質皮膜層271を金属含有ダイヤモンドライクカ
ーボンであるタングステンカーバイトカーボンにより形
成している。タングステンカーバイトカーボンなどの金
属含有ダイヤモンドライクカーボンは、凝着性が低く耐
熱性および耐摩耗性が高い。そのため、摺動部における
異常摩耗および焼き付きを防止することができる。ま
た、硬質皮膜層271は、金属窒化物からなるセラミッ
クスにより形成することもできる。セラミックスを用い
る場合でも、金属含有ダイヤモンドライクカーボン同様
に耐熱性および耐摩耗性を向上することができる。
【0035】本発明の一実施例では、ローラ部材28は
窒化珪素などのセラミックスにより形成されている。窒
化珪素はセラミックスの材料として広く用いられている
汎用の材料であるため、入手が容易で安価である。その
ため、低コストで高い耐久性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による燃料噴射ポンプの摺動
部分を拡大した模式的な断面図である。
【図2】本発明の一実施例による燃料噴射ポンプを示す
断面図である。
【図3】本発明の一実施例による燃料噴射ポンプの電磁
弁および逆止弁の近傍を拡大した断面図である。
【図4】図3のIV−IV線で切断した断面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ 22 インナーカム 23 摺動孔(シリンダ) 24 プランジャ 27 シュー(固定側部材) 28 ローラ部材(可動側部材) 271 硬質皮膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01B 31/02 101 C01B 31/34 31/34 C23C 16/27 C23C 16/27 F04B 21/00 N (72)発明者 梅本 仁 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 BA49 BA55 CA01S CD14 CD18 CD21 CE02 CE05 3H071 AA07 BB01 CC26 EE02 EE12 4G046 CB03 CB08 MA07 MB03 MB09 4K030 BA20 BA28 BA36 LA23 4K044 AA02 AB10 BA18 BB01 BC01 BC11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に滑り運動する摺動部材であっ
    て、 硬質皮膜層が被覆されている鉄系の金属により形成され
    ている固定側部材と、 前記固定側部材と摺動し、セラミックスにより形成され
    ている可動側部材と、 を備えることを特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記固定側部材は、金属含有ダイヤモン
    ドライクカーボンの硬質皮膜層が形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  3. 【請求項3】 前記固定側部材は、セラミックス系の硬
    質皮膜層が形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の摺動部材。
  4. 【請求項4】 シリンダの内部を往復移動し燃料を加圧
    するプランジャと、 前記プランジャを駆動するカムと、 前記カムと摺動可能に当接するローラ部材と、 前記プランジャに接続され前記ローラ部材と当接するシ
    ューとを備え、 前記ローラ部材と前記シューとは相対的に滑り運動可能
    な摺動部を形成し、前記シューは硬質皮膜層が被覆され
    ている鉄系の金属により形成され、前記ローラ部材はセ
    ラミックスにより形成されていることを特徴とする燃料
    噴射ポンプ。
  5. 【請求項5】 前記シューは、金属含有ダイヤモンドラ
    イクカーボンの硬質皮膜層が形成されていることを特徴
    とする請求項4記載の燃料噴射ポンプ。
  6. 【請求項6】 前記シューは、タングステンカーバイト
    カーボン系の硬質皮膜層が形成されていることを特徴と
    する請求項5記載の燃料噴射ポンプ。
  7. 【請求項7】 前記シューは、セラミックス系の硬質皮
    膜層が形成されていることを特徴とする請求項4記載の
    燃料噴射ポンプ。
  8. 【請求項8】 前記ローラ部材は、窒化珪素系セラミッ
    クスから形成されていることを特徴とする請求項4から
    7のいずれか一項記載の燃料噴射ポンプ。
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