JP2002294484A - ピロりん酸銅めっき浴及びピロりん酸亜鉛メッキ浴並びにこれらのメッキ浴を用いたメッキ方法 - Google Patents

ピロりん酸銅めっき浴及びピロりん酸亜鉛メッキ浴並びにこれらのメッキ浴を用いたメッキ方法

Info

Publication number
JP2002294484A
JP2002294484A JP2001104958A JP2001104958A JP2002294484A JP 2002294484 A JP2002294484 A JP 2002294484A JP 2001104958 A JP2001104958 A JP 2001104958A JP 2001104958 A JP2001104958 A JP 2001104958A JP 2002294484 A JP2002294484 A JP 2002294484A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pyrophosphate
plating
bath
potassium
sodium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001104958A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuguto Yamashita
嗣人 山下
Makoto Dobashi
誠 土橋
Naotomi Takahashi
直臣 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Mining and Smelting Co Ltd filed Critical Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Priority to JP2001104958A priority Critical patent/JP2002294484A/ja
Publication of JP2002294484A publication Critical patent/JP2002294484A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的なレベルでの生産性を落とすことなく、
従来に比べ、形成されるメッキ被膜の膜厚安定性に優れ
たピロりん酸銅メッキ浴とピロりん酸亜鉛メッキ浴及び
そのメッキ方法の提供を目的とする。 【解決手段】ピロりん酸銅、ピロりん酸カリウム、及び
ピロりん酸ナトリウムとを含んだピロりん酸系の銅メッ
キ浴であって、ピロりん酸カリウムとピロりん酸ナトリ
ウムとの添加量が、[ピロりん酸カリウム]:[ピロり
ん酸ナトリウム]=3:2〜2:3であり、且つ、P比
が10〜14であることを特徴とするピロりん酸銅メッ
キ浴、及び、ピロりん酸カリウムとピロりん酸ナトリウ
ムとの添加量が、[ピロりん酸カリウム]:[ピロりん
酸ナトリウム]=3:2〜2:3であり、且つ、P比が
12〜16であることを特徴とするピロりん酸銅メッキ
浴を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ピロりん酸銅めっき浴、ピロりん
酸亜鉛メッキ浴、及びこれらのメッキ浴を用いたメッキ
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の工業用めっき浴の内、銅メッキ浴
としては、低公害性の酸性の硫酸銅浴又はアルカリ性の
ピロりん酸銅メッキ浴が広く用いられてきた。中でも膜
厚安定性が要求されるプリント基板分野の銅めっき浴と
しては、伝導率の高いピロりん酸カリウムを含むピロり
ん酸銅メッキ浴が使用されるのが一般的である。
【0003】一方、亜鉛メッキ浴としても、酸性浴とア
ルカリ性浴とが広く用いられてきたが、そもそも亜鉛自
体がメッキ法を用いて均一に電着させることが困難なも
のであり、特に、銅箔製造の場に置いては、銅箔表面の
防錆処理としての亜鉛メッキ処理が一般的に行われてき
ており、亜鉛の電着性の不均一がもたらす外観不良が生
じる等の不具合が存在していた。
【0004】以上のような事例に限らず、メッキ法を用
いて製品を製造するにあたっては、形成するメッキ層の
厚さが均一であり、しかも、外観的に優れていることは
必須要件として求められる。特に、複雑な凹凸形状を備
えたメッキ対象物の表面にメッキ処理を施す場合には、
その凹凸形状に沿った均一なメッキ層の形成が出来るこ
とが必要となるのである。このようなことから、メッキ
処理を行う際には、形成されるメッキ層の厚さを、より
均一化させることは、メッキ法における永遠の課題でも
ある。そのため、ピロりん酸銅及びピロりん酸亜鉛を、
溶解度の高いピロりん酸カリウムと組み合わせた浴(以
下、「カリウム浴」と称する。)の研究が広く行われて
きた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り研究が行われてきたピロリン酸系銅メッキ浴を用いて
も、プリント配線板のビアホール内部の層間導通メッ
キ、複雑な凹凸形状を持った製品のメッキ処理を行うに
は、未だ不十分なレベルにあった。即ち、ピロりん酸銅
とピロりん酸カリウムと組み合わせた浴は、析出銅の粒
子を緻密にするには、電流密度およびP比を増加させる
ことで達成できるが、浴組成、メッキ条件等の影響を受
け易いため、操業安定性を確保することが困難で、析出
メッキ被膜の膜厚安定性を確保することも困難というの
が実状であった。また、ピロりん酸亜鉛とピロりん酸カ
リウムと組み合わせた浴においても、同様の問題があ
り、特に複雑な形状の製品上への膜厚安定性を確保する
ことが困難であった。
【0006】これらのことから、工業的なレベルでの生
産性を落とすことなく、従来に比べて、形成されるメッ
キ被膜の膜厚安定性に優れたピロりん酸銅メッキ浴及び
ピロりん酸亜鉛メッキ浴の提供が求められてきた。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本件発明者等
は、鋭意研究の結果、従来のピロりん酸浴では用いるこ
との無かったピロりん酸ナトリウムを用いることによ
り、以下に説明する発明に想到するに到ったのである。
【0008】請求項1には、ピロりん酸銅、ピロりん酸
カリウム、及びピロりん酸ナトリウムとを含んだピロり
ん酸系の銅メッキ浴であって、ピロりん酸カリウムとピ
ロりん酸ナトリウムとの添加量が、[ピロりん酸カリウ
ム]:[ピロりん酸ナトリウム]=3:2〜2:3であ
り、且つ、P比が10〜14であることを特徴とするピ
ロりん酸銅メッキ浴とし、請求項2には、ピロりん酸亜
鉛、ピロりん酸カリウム、及びピロりん酸ナトリウムと
を含んだピロりん酸系の亜鉛メッキ浴であって、ピロり
ん酸カリウムとピロりん酸ナトリウムとの添加量が、
[ピロりん酸カリウム]:[ピロりん酸ナトリウム]=
3:2〜2:3であり、且つ、P比が12〜16である
ことを特徴とするピロりん酸亜鉛メッキ浴としている。
【0009】請求項1及び請求項2に記載の発明におい
て、最も特徴的なことは、従来ピロりん酸系メッキ浴で
は使用できないとされてきたピロりん酸ナトリウムを用
いた点にある。ピロりん酸ナトリウムは、その溶解度が
カリウム塩に比べて極端に小さいため、その使用が敬遠
されてきたのである。
【0010】ところが、本件発明者等が、ピロりん酸銅
又はピロりん酸亜鉛と、ピロりん酸ナトリウムとの混合
浴(以下、「ナトリウム浴」と称する。)を作り、銅又
は亜鉛のメッキ被膜を形成した結果、カリウム浴を用い
た場合に比べ、析出する銅又は亜鉛の析出粒子が非常に
細かく微細化することが判明してきた。これは、メッキ
液中におけるナトリウムイオンのイオン半径が、カリウ
ムイオンのイオン半径よりも小さく、ピロりん酸イオン
や水分子と強固に配位しているため、脱配位して、活性
化するのに大きなエネルギーを要することとなるためと
考えられる。そして、この結果、ナトリウム浴の持つ過
電圧は、カリウム浴の過電圧よりも高くなり、析出速度
が緩やかになるため、析出粒子が微細化するものと考え
られる。析出粒子が微細化すればするほど、メッキ被膜
表面の平滑化が可能となり、光沢のあるメッキ被膜を得
ることが可能となるのである。しかしながら、このナト
リウム浴では、十分な膜厚安定性を得ることが出来ず、
表面に大きな凹凸形状を備えた製品への、均一な膜厚で
のメッキが出来ないのである。
【0011】一方、カリウム浴の場合には、従来から知
られているように、シアン系メッキ浴と比較すると劣る
ものの、高速電着が可能で、しかも、メッキ被膜の膜厚
均一性に優れたものである。これらのことから、本件発
明者等は、ピロりん酸銅とピロりん酸カリウムとピロり
ん酸ナトリウムとの混合浴、ピロりん酸亜鉛とピロりん
酸カリウムとピロりん酸ナトリウムとの混合浴(以下、
「カリウム−ナトリウム浴」と称する。)とし、高速メ
ッキ可能な伝導率を備え、且つ、膜厚均一性に優れたメ
ッキ被膜の形成の可能な、従来にないトータルバランス
に優れたピロりん酸メッキ浴を得たのである。
【0012】本件発明者等が溶液組成に関して、鋭意研
究した結果、ピロりん酸銅メッキ浴の場合、ピロりん酸
カリウムとピロりん酸ナトリウムとの添加量が、[ピロ
りん酸カリウム]:[ピロりん酸ナトリウム]=3:2
〜2:3であり、且つ、P比が10〜14であると言う
条件を満たすことが、上述の目的を達成するために必要
である事が分かった。そして、ピロりん酸亜鉛メッキ浴
の場合、ピロりん酸カリウムとピロりん酸ナトリウムと
の添加量が、[ピロりん酸カリウム]:[ピロりん酸ナ
トリウム]=3:2〜2:3であり、且つ、P比が12
〜16であると言う条件を満たすことが、上述の目的を
達成するために必要である事が分かった。
【0013】ピロりん酸銅メッキ浴の場合にも、ピロり
ん酸亜鉛メッキ浴の場合にも、カリウム−ナトリウム浴
中のピロりん酸カリウムとピロりん酸ナトリウムとの添
加量は、[ピロりん酸カリウム]:[ピロりん酸ナトリ
ウム]=3:2〜2:3の範囲である。[ピロりん酸カ
リウム]:[ピロりん酸ナトリウム]=3:2の条件以
上にピロりん酸カリウムを増量すると、カリウム浴の性
質が強くなり、ナトリウムを共存させた効果が得られ
ず、析出粒子が粗大化して、メッキ被膜の外観光沢が損
なわれるのである。これに対して、[ピロりん酸カリウ
ム]:[ピロりん酸ナトリウム]=2:3の条件より
も、ピロりん酸ナトリウム量を増量すると、析出粒子は
十分に微細化するものの、メッキ被膜の膜厚安定性に欠
けるものとなるのである。
【0014】更に、本件発明に係るピロりん酸系メッキ
浴の場合、一般的に「P比」と称される値も、非常に重
要な要因となってくる。ここで言うP比とは、ピロりん
酸銅メッキ浴の場合には(ピロりん酸の総グラム数)/
(銅のグラム数)で与えられる値であり、ピロりん酸亜
鉛メッキ浴の場合には(ピロりん酸の総グラム数)/
(亜鉛のグラム数)で与えられる値である。ピロりん酸
銅メッキ浴の場合には、このP比を10〜14の範囲に
調整し、ピロりん酸亜鉛メッキ浴の場合には、このP比
を12〜16の範囲に調整するのである。このようにP
比を定めることで、カリウム浴及びナトリウム浴のそれ
ぞれで用いるピロりん酸銅若しくはピロりん酸亜鉛の量
が定まるのである。例えば、P比14、[ピロりん酸カ
リウム]:[ピロりん酸ナトリウム]=2:3のカリウ
ム−ナトリウム浴であるピロりん酸銅メッキ浴を建浴す
る場合は、ピロりん酸カリウム81.0g/l、ピロり
ん酸ナトリウム97.8g/l、ピロりん酸銅20.0
g/lを水に溶解させることになる。P比14、[ピロ
りん酸カリウム]:[ピロりん酸ナトリウム]=1:1
のカリウム−ナトリウム浴であるピロりん酸亜鉛メッキ
浴を建浴する場合は、ピロりん酸カリウム77.4g/
l、ピロりん酸ナトリウム62.3g/l、ピロりん酸
亜鉛15.0g/lを水に溶解させることになる。
【0015】以上のようにP比の範囲を定め、ある一定
の設定電流密度を基準に、電流密度に20%程度のバラ
ツキが生じても、過電圧の変動幅を最小限に抑制する事
の出来る範囲を明確にしたのである。電流密度が多少変
動しても、過電圧の変動幅が小さいと言うことは、メッ
キ被膜の硬度、延び、析出粒子サイズ等の物性に大きな
影響を与えないことを意味しており、均一な物性を持つ
メッキ被膜の形成が可能になることを意味しているので
ある。従って、ここに述べたP比の範囲を逸脱した領域
では、電流密度の変動に対して、メッキ時の過電圧が鋭
敏に反応して、安定した物性のメッキ被膜を得ることが
出来なくなるのである。
【0016】更に、請求項3には、請求項1に記載のピ
ロりん酸銅メッキ浴を用いて被メッキ対象物に電着処理
を行う方法であって、浴温50℃〜70℃、電流密度5
0mA/cm 〜70mA/cm の条件でメッキ処
理することを特徴とする銅メッキ方法とし、請求項4に
は、請求項2に記載のピロりん酸亜鉛メッキ浴を用いて
被メッキ対象物に電着処理を行う方法であって、浴温5
0℃〜70℃、電流密度50mA/cm 〜70mA
/cm の条件でメッキ処理することを特徴とする亜
鉛メッキ方法としている。
【0017】即ち、上述した範囲に置いて、物性的安定
性、外観的安定性、及び膜厚安定性に特に優れた良好な
メッキ被膜の形成の可能となるのである。液温が50℃
未満の場合には、電着速度が遅くなり、工業的用途での
使用が困難となる。一方、液温が70℃を越えると、水
分の蒸発速度が速くなり、メッキ液の濃縮が起こりやす
くなり好ましくないのである。そして、電流密度50m
A/cm 未満となると、工業的に求められる高速電
着性を確保すること困難となり、電流密度70mA/c
を越えると、析出粒子が肥大化し、メッキ被膜の外
観不良が発生しやすくなるのである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
説明しつつ、本件発明をより詳細に説明する。
【0019】第1実施形態: 本実施形態では、カリウ
ム−ナトリウム浴であるピロりん酸銅メッキ浴を建浴
し、被メッキ対象物として、0.2mmの銅板を1.0
×5.0cmのサイズに切り出し、これを図1に示し
たように折り曲げ加工して、メッキ対象面積(図1にお
いて、斜線で示した領域)を1.0×4.0cmとし
て、この部分に銅メッキを行った。そして、図1に示し
た部分と部分とのメッキ厚を測定し、部分のメッ
キ厚を100%としたときの、部分のメッキ厚が何%
に相当するかを調べ、メッキ被膜の膜厚安定性判断の指
標とした。なお、メッキ被膜の厚さは、メッキ後の被メ
ッキ対象物を切断して、該当部分のメッキ厚を断面か
ら、走査型電子顕微鏡を用いて直接観察する方法を採用
した。
【0020】建浴したカリウム−ナトリウム浴であるピ
ロりん酸銅メッキ浴は、ピロりん酸カリウム83.1g
/l、ピロりん酸ナトリウム44.6g/l、ピロりん
酸銅20.0g/lを水に溶解させ、P比10、[ピロ
りん酸カリウム]:[ピロりん酸ナトリウム]=3:2
とした。このP比10で、[ピロりん酸カリウム]:
[ピロりん酸ナトリウム]=3:2の場合が、ピロりん
酸銅メッキ浴においては、最もトータルバランスに優
れ、顕著な効果を示すものである。
【0021】そして、建浴した前記カリウム−ナトリウ
ム浴の浴温を、50℃に維持して、対極には不溶性陽極
であるDSA板を用い、電流密度50mA/cm
で、前記被メッキ対象物の表面に銅メッキ処理を行っ
た。
【0022】以上のようにして、銅メッキ処理の終了し
た被メッキ対象物のメッキ被膜の諸特性を測定した。そ
の結果、部分のメッキ厚は70%、析出銅の粒子径8
Åで、外観的にも非常に優れた状態にあった。なお、粒
子径の測定は、メッキ被膜を、いわゆるX線回折法を用
いて測定したものである。
【0023】更に、本件発明者等は、本件発明に係るカ
リウム−ナトリウム浴の効果を確認するため、ピロりん
酸銅20g/l、ピロりん酸カリウム202.6g/
l、P比14のカリウム浴と(以下、「比較例1」と称
する。)、ピロりん酸銅20g/l、ピロりん酸ナトリ
ウム163.0g/l、P比16のナトリウム浴(以
下、「比較例2」と称する。)とを建浴し、上述したと
同様のメッキ条件で被メッキ対象物に銅メッキを行っ
た。その結果、比較例1の場合の、部分のメッキ厚は
50%、析出銅の粒子径14Åであった。比較例2の場
合は、部分のメッキ厚は35%、析出銅の粒子径3〜
10Åとバラツキの大きいものであった。
【0024】本実施形態で得られた結果と比較例とを対
比することから分かるように、本件発明に係るカリウム
−ナトリウム浴を用いることで、被メッキ対象物が凹凸
を持つ形状を備えていても、カリウム浴及びナトリウム
浴と比べて、被膜安定性に優れたメッキ被膜を形成する
ことが可能であり、且つ、析出粒子径が均一に微細化す
るため、メッキ被膜の外観を非常に美麗にすることが可
能となるのである。
【0025】第2実施形態: 本実施形態では、カリウ
ム−ナトリウム浴であるピロりん酸亜鉛メッキ浴を建浴
し、被メッキ対象物として、第1実施形態で用いたと同
様の用いて、同様のメッキ被膜の評価を行った。従っ
て、重複した記載となる部分については、ここでの記載
を省略する。
【0026】建浴したカリウム−ナトリウム浴であるピ
ロりん酸亜鉛メッキ浴は、ピロりん酸カリウム92.9
g/l、ピロりん酸ナトリウム49.9g/l、ピロり
ん酸亜鉛15.0g/lを水に溶解させ、P比14、
[ピロりん酸カリウム]:[ピロりん酸ナトリウム]=
3:2とした。このP比14で、[ピロりん酸カリウ
ム]:[ピロりん酸ナトリウム]=3:2の場合が、ピ
ロりん酸亜鉛メッキ浴においては、最もトータルバラン
スに優れ、顕著な効果を示すものである。
【0027】そして、建浴した前記カリウム−ナトリウ
ム浴の浴温を、50℃に維持して、対極には不溶性陽極
であるDSA板を用い、電流密度50mA/cm
で、前記被メッキ対象物の表面に亜鉛メッキ処理を行っ
た。
【0028】以上のようにして、亜鉛メッキ処理の終了
した被メッキ対象物のメッキ被膜の諸特性を測定した。
その結果、部分のメッキ厚は70%、析出亜鉛の粒子
径8Åで、外観的にも非常に優れた状態にあった。粒子
径の測定方法は、第1実施形態の場合と同様である。
【0029】更に、本件発明者等は、本件発明に係るカ
リウム−ナトリウム浴の効果を確認するため、ピロりん
酸亜鉛15g/l、ピロりん酸カリウム154.9g/
l、P比14のカリウム浴と(以下、「比較例3」と称
する。)、ピロりん酸亜鉛15g/l、ピロりん酸ナト
リウム124.6g/l、P比14のナトリウム浴(以
下、「比較例4」と称する。)とを建浴し、上述したと
同様のメッキ条件で被メッキ対象物に亜鉛メッキを行っ
た。その結果、比較例3の場合の、部分のメッキ厚は
68%、析出亜鉛の粒子径33Åであった。比較例4の
場合は、部分のメッキ厚は38%、析出亜鉛の粒子径
5Åとであった。比較例4の場合は、析出粒子径は細か
く微細であるが、膜厚安定性の点で全く実用化できるレ
ベルにはない。
【0030】本実施形態で得られた結果と比較例とを対
比することから分かるように、本件発明に係るカリウム
−ナトリウム浴を用いることで、被メッキ対象物が凹凸
を持つ形状を備えていても、カリウム浴及びナトリウム
浴と比べて、被膜安定性に優れたメッキ被膜を形成する
ことが可能であり、且つ、析出粒子径が均一に微細化す
るため、メッキ被膜の外観を非常に美麗にすることが可
能となる点は、第1実施形態の場合と同様である。
【0031】
【発明の効果】本件発明に係るカリウム−ナトリウム浴
を用いることで、被メッキ対象物が凹凸を持つ複雑形状
を備えていても、被膜安定性に優れたメッキ被膜を形成
することが可能であり、且つ、析出粒子径が均一に微細
化するため、メッキ被膜の外観を非常に美麗にすること
が可能となる。従って、本件発明に係るピロりん酸銅メ
ッキ浴は、スルーホール、バイアホール等の立体的複雑
構造を持つプリント配線板の層間導通メッキ、膜厚安定
性の求められるパネルメッキ等において、有用なものと
なる。また、本件発明に係るピロりん酸亜鉛メッキ浴
は、電解銅箔の微細な凹凸形状を備えた粗化面の防錆層
の形成、複雑形状を備えた鉄鋼材料の防錆被膜の形成等
に有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被メッキ対象物の形状を表した模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 直臣 埼玉県上尾市鎌倉橋656−2 三井金属鉱 業株式会社銅箔事業本部銅箔事業部 Fターム(参考) 4K023 AA15 AA19 BA25 DA07 DA08 EA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピロりん酸銅、ピロりん酸カリウム、及び
    ピロりん酸ナトリウムとを含んだピロりん酸系の銅メッ
    キ浴であって、 ピロりん酸カリウムとピロりん酸ナトリウムとの添加量
    が、[ピロりん酸カリウム]:[ピロりん酸ナトリウ
    ム]=3:2〜2:3であり、且つ、P比が10〜14
    であることを特徴とするピロりん酸銅メッキ浴。
  2. 【請求項2】ピロりん酸亜鉛、ピロりん酸カリウム、及
    びピロりん酸ナトリウムとを含んだピロりん酸系の亜鉛
    メッキ浴であって、 ピロりん酸カリウムとピロりん酸ナトリウムとの添加量
    が、[ピロりん酸カリウム]:[ピロりん酸ナトリウ
    ム]=3:2〜2:3であり、且つ、P比が12〜16
    であることを特徴とするピロりん酸亜鉛メッキ浴。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のピロりん酸銅メッキ浴を
    用いて被メッキ対象物に電着処理を行う方法であって、 浴温50℃〜70℃、電流密度50mA/cm 〜7
    0mA/cm の条件でメッキ処理することを特徴と
    する銅メッキ方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載のピロりん酸亜鉛メッキ浴
    を用いて被メッキ対象物に電着処理を行う方法であっ
    て、 浴温50℃〜70℃、電流密度50mA/cm 〜7
    0mA/cm の条件でメッキ処理することを特徴と
    する亜鉛メッキ方法。
JP2001104958A 2001-04-03 2001-04-03 ピロりん酸銅めっき浴及びピロりん酸亜鉛メッキ浴並びにこれらのメッキ浴を用いたメッキ方法 Pending JP2002294484A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001104958A JP2002294484A (ja) 2001-04-03 2001-04-03 ピロりん酸銅めっき浴及びピロりん酸亜鉛メッキ浴並びにこれらのメッキ浴を用いたメッキ方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001104958A JP2002294484A (ja) 2001-04-03 2001-04-03 ピロりん酸銅めっき浴及びピロりん酸亜鉛メッキ浴並びにこれらのメッキ浴を用いたメッキ方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002294484A true JP2002294484A (ja) 2002-10-09

Family

ID=18957737

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001104958A Pending JP2002294484A (ja) 2001-04-03 2001-04-03 ピロりん酸銅めっき浴及びピロりん酸亜鉛メッキ浴並びにこれらのメッキ浴を用いたメッキ方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002294484A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000059035A (ja) * 1998-08-07 2000-02-25 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 複合箔、銅張り積層体、プリント配線板および多層プリント配線板、ならびに複合箔の製造方法
JP2000288769A (ja) * 1999-04-07 2000-10-17 Nippon Steel Corp ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤおよびその製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000059035A (ja) * 1998-08-07 2000-02-25 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 複合箔、銅張り積層体、プリント配線板および多層プリント配線板、ならびに複合箔の製造方法
JP2000288769A (ja) * 1999-04-07 2000-10-17 Nippon Steel Corp ガスシールドアーク溶接用鋼ワイヤおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3058445B2 (ja) 特性の調整された、印刷回路基板用の電着された箔並びにそれを製造するための方法及び電解槽溶液
DE69808497T2 (de) Cyanidfreie, monovalente kupferelektrobeschichtungslösung
EP0709494B1 (en) Method of surface-roughening treatment of copper foil
EP0841412A1 (en) High-tensile electrolytic copper foil and process for producing the same
CN106011965A (zh) 一种电解铜箔表面的微细粗化处理工艺
JP2001505955A (ja) 銅層の電解析出方法
JP5301886B2 (ja) 電解銅箔及びその電解銅箔の製造方法
JP3739929B2 (ja) プリント配線板用銅箔及びその製造方法
US3769179A (en) Copper plating process for printed circuits
JP7019876B1 (ja) プリント配線板用表面処理銅箔、並びにこれを用いたプリント配線板用銅張積層板及びプリント配線板
US2693444A (en) Electrodeposition of chromium and alloys thereof
US4075065A (en) Gold plating bath and process
JP4445616B2 (ja) 電解銅箔
JP3238278B2 (ja) 電解銅箔の製造方法
KR20050063784A (ko) 흑색화 처리면을 구비한 표면처리 동박, 이 표면처리동박의 제조방법 및 이 표면처리 동박을 사용한 플라즈마디스플레이의 전면 패널용 전자파 차폐 도전성 메쉬
JP2002294484A (ja) ピロりん酸銅めっき浴及びピロりん酸亜鉛メッキ浴並びにこれらのメッキ浴を用いたメッキ方法
JPH0826470B2 (ja) 銅メッキ液とこれを用いる電解銅箔の製造方法
US4411744A (en) Bath and process for high speed nickel electroplating
Lee et al. Evaluating and monitoring nucleation and growth in copper foil
US3838025A (en) Method and electrolyte for producing a copper plated microstrip
US2866740A (en) Electrodeposition of rhodium
US4428804A (en) High speed bright silver electroplating bath and process
US2992099A (en) Rhodium alloy
TWI334453B (en) Methods for manufacturing copper foil
JP2005139546A (ja) 黒色化表面処理銅箔及びその黒色化表面処理銅箔の製造方法並びにその黒色化表面処理銅箔を用いて得られる電磁波遮蔽金属メッシュ。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101224

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111026

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120308