JP2002294245A - 有機化合物の加熱処理方法および加熱処理装置 - Google Patents

有機化合物の加熱処理方法および加熱処理装置

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JP2002294245A
JP2002294245A JP2001103251A JP2001103251A JP2002294245A JP 2002294245 A JP2002294245 A JP 2002294245A JP 2001103251 A JP2001103251 A JP 2001103251A JP 2001103251 A JP2001103251 A JP 2001103251A JP 2002294245 A JP2002294245 A JP 2002294245A
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JP
Japan
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processing chamber
organic compound
superheated steam
water
oxygen
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JP2001103251A
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English (en)
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Hitoshi Ozaki
仁 尾崎
Nobuhiro Nakagawa
信博 中川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機化合物の加熱処理装置に関し、過熱蒸気
を用いてダイオキシン類の発生を抑制して、有機化合物
の熱分解処理を行う。 【解決手段】 1種類以上の有機化合物21を収納する
処理室22と、酸素量低減手段32と、噴出手段33
と、過熱蒸気供給手段40と、排出手段27とを備えた
ものであり、処理室22内部をほぼ無酸素の状態にした
後、過熱蒸気を供給して、有機化合物21の熱分解処理
を行い、有害なダイオキシン類の発生を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過熱蒸気を用いた
有機化合物の加熱処理方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては特開2000−31
3884号公報で知られるような廃棄物の処理方法があ
る。
【0003】以下、図7の従来の廃棄物処理装置の構成
図を参照しながら上記従来の技術について説明する。
【0004】1は生ごみを主体とする廃棄物を撹拌しな
がら高温蒸気に曝して炭化させるための廃棄物処理装置
である。2は蒸気を発生させるボイラーである。3はボ
イラー2で発生した蒸気を高温蒸気に加熱して廃棄物処
理装置1に供給する蒸気過熱器である。
【0005】4は廃棄物処理装置1から排出される排出
ガスを冷却する冷却器である。
【0006】5は冷却器4で液化した排出ガスの油と水
を分離する分離槽である。6は分離槽5内部の水位を示
すレベル計である。7は分離槽5で分離した油を貯める
油槽である。8は分離槽5と油槽7とを分割する分離堰
である。9は分離槽5とレベル計6と油槽7と分離堰8
とで構成される油分離器である。
【0007】10は油分離器9で油を分離した水を吸着
剤等で浄化処理する浄水器である。
【0008】11は冷却器4で液化しなかったガス成分
を処理する脱臭器であり、活性炭等の吸着剤が充填され
ている。12は脱臭器11を通過した排出ガスを大気中
に放出する排気ファンである。
【0009】13はクーリングタワーであり、冷却器4
およびボイラー2に冷却水を供給する。14および15
はポンプである。ボイラー2とクーリングタワー13は
ポンプ14,15を介して接続されている。
【0010】16は浄水器10とポンプ15の吸入側の
間に備えられた逆止弁である。17はポンプ14の吐出
側とポンプ15の吸入側の間に備えられた逆止弁であ
る。
【0011】18はボイラー2から廃棄物処理装置1へ
蒸気を取り出す流量調整弁である。
【0012】19はクーリングタワー13に供給する補
給水の水量を調整する流量調整弁であり、20は分離槽
5に供給する補給水の水量を調整する流量調整弁であ
る。
【0013】以上のように構成された廃棄物処理装置に
ついて、以下その動作を説明する。
【0014】まず、ボイラー2に補給水を流量調整弁1
9で水量を調整しながらクーリングタワー13およびポ
ンプ14,15を介して供給する。このとき、逆止弁1
7を設けることにより、クーリングタワー13に水が逆
流するのを防止する。
【0015】次にボイラー2を稼動させ、補給水を加熱
して必要量の蒸気を発生させる。この蒸気を蒸気過熱器
3で、例えば500〜900℃、好ましくは510〜9
00℃、さらに好ましくは510〜700℃まで加熱す
る。
【0016】そして、この高温蒸気を廃棄物処理装置1
に供給して、例えば10〜60分間、好ましくは20〜
50分間、廃棄物に曝して炭化する。
【0017】炭化した廃棄物は、高温のまま大気に触れ
ると燃え出すので、例えば100〜120℃の蒸気をボ
イラー2から流量調整弁18を介して取り出して、廃棄
物に吹き付けて冷却する。
【0018】廃棄物の炭化処理過程で発生する排出ガス
は、冷却器4で冷やされ、液成分とガス成分に分離され
る。ガス成分は脱臭器11を通過させた後、排気ファン
12を用いて大気中に放出される。
【0019】一方、冷却器4で液化された液成分は油分
離器9に供給され、分離槽5で比重の小さい油と、比重
の大きい水とに分離される。そして、レベル計6で水位
を監視しながら流量調整弁20を介して分離槽5の底部
から補給水を供給することにより、上層の油を分離堰8
の上端を超えてオーバーフローさせて、油槽7に回収す
る。
【0020】分離槽5内の下層の水は底部から抜き出さ
れて、浄水器10で浄化された後、ポンプ15を介して
ボイラー2に戻される。このとき、逆止弁16を設ける
ことにより、浄水器10に水が逆流するのを防止する。
【0021】以上のように、廃棄物を過熱蒸気を使って
炭化処理するので、ダイオキシンの発生が少なく、安全
かつ効率的に生ごみ等の廃棄物を減量できる。
【0022】また、炭化した廃棄物を燃料用や活性炭用
等の炭素材料として有効活用もできる。
【0023】また、水分を多量に含む廃棄物の水分を高
温蒸気により蒸発させて、さらに炭化処理するので、ヨ
ーグルトや牛乳等の乳製品、およびこれら乳製品の製造
過程で発生する有機性廃棄物を効率的に減量して、以降
の取扱いを容易にするとともに、燃料や炭素材としても
使用可能な素材を得ることができる。
【0024】また、炭化した廃棄物を低温蒸気に曝して
冷却しているので、炭化物が燃え出すことを防止でき
る。
【0025】また、炭化処理過程で発生する排出ガス中
の油と水を回収し、回収した水はボイラー2へ戻すよう
にしているので、資源を有効に活用できる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成のように、過熱蒸気を廃棄物処理装置1内に吹
き込むだけでは、有機性廃棄物の隙間の空気(酸素)を
除去することはできない。また、有機性廃棄物中の水分
に溶存する酸素を除去することもできない。つまり、ダ
イオキシン類の生成成分の一つである酸素を除去できな
い。
【0027】そのため、有機性廃棄物が加熱処理される
過程において、ダイオキシン類が生成する温度帯(約3
00℃)を通過するときに、有毒なダイオキシン類が発
生するという欠点があった。
【0028】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、廃棄物中の残存酸素を除去し、加熱処理中のダイオ
キシンの発生を抑制することである。
【0029】また、上記従来の構成では、補給水をその
まま加熱して過熱蒸気として用いているため、補給水中
の溶存酸素が過熱蒸気中にも混在し、ダイオキシン類が
発生するという欠点があった。
【0030】本発明の他の目的は、補給水中の溶存酸素
量を低減し、更にダイオキシン類の発生を抑制すること
である。
【0031】また、上記従来の構成では、廃棄物の処理
過程で発生する排出ガスの冷却に使用して温度上昇した
水を、再び冷却して冷却水として使用しているため、運
転効率が悪いという欠点があった。
【0032】本発明の他の目的は、排出ガスの廃熱を利
用して補給水を昇温し、この高温の水を過熱蒸気にする
ことにより、運転効率を向上させることである。
【0033】また、上記従来の構成では、廃棄物の処理
過程で発生する排出ガスの脱臭は行っているものの、有
毒な排出ガスの大部分を大気中に放出しているという欠
点があった。
【0034】本発明の他の目的は、排出ガスを簡単な方
法で安全に処理することである。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の加熱処理方法の発明は、1種類以上の有機化合物が収
納されている処理室内の酸素量を低減させる第1のステ
ップと、第1のステップで酸素量を低減した処理室内の
温度が有機化合物が熱分解するのに適した温度になるよ
うに処理室内に過熱蒸気を供給する第2のステップとか
らなるものであり、第1のステップで処理室内の酸素量
を低減し、ほぼ無酸素の状態にする。
【0036】次に、第2のステップで、ほぼ無酸素状態
の処理室の内部温度が、有機化合物の熱分解するのに適
した温度になるまで過熱蒸気を供給して加熱する。
【0037】このことにより、ダイオキシン類の発生を
抑制した熱分解処理つまり炭化処理ができるという作用
を有する。
【0038】本発明の請求項2に記載の加熱処理方法の
発明は、請求項1に記載の発明において、第1のステッ
プは、処理室内を加熱して有機化合物を乾燥させる乾燥
ステップと、処理室内を減圧する減圧ステップとから構
成されることを特徴とするものであり、乾燥ステップで
有機化合物が含有する水分を蒸発させる。
【0039】このとき、減圧ステップで処理室内を減圧
することにより、有機化合物の含有水分の蒸発を促すと
ともに、処理室内の空気や水蒸気を排気して酸素を除去
する。そして、処理室内がほぼ真空状態となったところ
で、過熱蒸気を供給して有機化合物を熱分解温度になる
まで加熱する。
【0040】このことにより、有機化合物が水分を含む
場合でも、水分中の溶存酸素を除去して、ダイオキシン
類の発生を更に抑制した熱分解処理つまり炭化処理がで
きるという作用を有する。
【0041】請求項3に記載の加熱処理装置の発明は、
1種類以上の有機化合物を収納する処理室と、処理室内
の酸素量を低減させる酸素量低減手段と、処理室内に過
熱蒸気を噴出する噴出手段と、噴出手段に過熱蒸気を供
給する過熱蒸気供給手段と、処理室内のガスを排出する
排出手段とを備えたものであり、酸素量低減手段により
有機化合物を収納している処理室の酸素量を低減し、処
理室内部をほぼ無酸素の状態にする。
【0042】その後、過熱蒸気供給手段により噴出手段
に過熱蒸気を供給して、処理室内を有機化合物の熱分解
温度になるまで加熱する。処理室内で有機化合物を加熱
した過熱蒸気は、排出手段から処理室外へ排出される。
【0043】このように、有機化合物の熱分解処理つま
り炭化処理が、ほぼ無酸素の状態で行われるので、有害
なダイオキシン類の発生を抑制できるという作用を有す
る。
【0044】請求項4に記載の加熱処理装置の発明は、
請求項3に記載の発明において、酸素量低減手段は、処
理室内を加熱して有機化合物を乾燥させる乾燥手段と、
処理室内部を減圧する減圧手段とから構成されることを
特徴とするものであり、乾燥手段で加熱して有機化合物
の含有水分を蒸発させる。
【0045】このとき、減圧手段で処理室内を減圧する
ことにより、含有水分の蒸発を促すとともに、処理室内
の空気や水蒸気を排気して酸素を除去する。そして、処
理室内がほぼ真空状態となったところで、過熱蒸気を供
給して有機化合物を熱分解温度になるまで加熱する。
【0046】このことにより、有機化合物が水分を含む
場合でも、有機化合物の熱分解処理つまり炭化処理を、
ほぼ無酸素の状態で行うことができるので、有害なダイ
オキシン類の発生を更に抑制できるという作用を有す
る。
【0047】請求項5に記載の加熱処理装置の発明は、
請求項4に記載の発明において、処理室内の酸素量を低
減した後、処理室内に過熱蒸気を供給して加熱するよう
に、酸素量低減手段と過熱蒸気供給手段を制御する制御
手段を備えたことを特徴とするものであり、酸素量低減
手段を駆動させて、処理室内をほぼ無酸素の状態にした
後、過熱蒸気供給手段を駆動させて処理室内に過熱蒸気
を供給するように制御手段で制御する。
【0048】このことにより、ダイオキシンの発生を抑
制した有機化合物の熱分解処理つまり炭化処理を自動で
行うことができるという作用を有する。
【0049】請求項6に記載の加熱処理装置の発明は、
請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の発明にお
いて、過熱蒸気供給手段は、水道から水が補給され所定
量の水を貯めるタンクと、タンクの底部から流出する水
の溶存酸素を除去する溶存酸素除去手段と、溶存酸素除
去手段により溶存酸素量が減少した水を加熱して過熱蒸
気を発生させる過熱蒸気発生手段とを順に配管を介して
接続したものであり、処理室内に有機化合物を入れた後
に、タンクに貯められている水を溶存酸素除去手段へ送
る。
【0050】水は溶存酸素除去手段内で、溶存している
ガス成分(酸素)を除去した後に、過熱蒸気発生手段で
加熱されて過熱蒸気となる。発生した過熱蒸気は、噴出
手段から処理室内へ導かれ、有機化合物を加熱する。
【0051】このように、過熱蒸気供給手段に溶存酸素
除去手段を設けることにより、酸素をほとんど含まない
過熱蒸気を供給して、ダイオキシン類の発生を更に抑制
できるという作用を有する。
【0052】請求項7に記載の加熱処理装置の発明は、
請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の発明にお
いて、処理室に設けた排出手段と、タンク内の水中に位
置してタンクを貫通する熱交換手段とを配管で接続し、
処理室から排出される排出ガスとタンク内に貯められた
水とを熱交換手段で熱交換させることにより、処理室内
で有機化合物の熱分解中に発生するガスは、過熱蒸気と
共に排出手段より排出される。
【0053】この高温の排出ガスおよび排出過熱蒸気は
熱交換手段に送られ、タンクに貯められている水と熱交
換を行い、タンク内の水は熱を吸収して昇温する。
【0054】このことにより、廃棄していた熱を回収し
て利用できるので、加熱処理装置の運転効率を向上でき
るという作用を有する。
【0055】請求項8に記載の加熱処理装置の発明は、
請求項7に記載の発明において、水溶液を貯める貯留槽
を備え、熱交換手段の終端口が水溶液中に浸ることを特
徴とするものであり、高温の排出ガスおよび排出過熱蒸
気は、熱交換手段でタンク内の水に熱を与えることによ
り、その一部が凝縮して気液混合状態となり、貯留槽に
流入する。
【0056】貯留槽に流入した気液混合状態の排出ガス
は、その酸性成分が貯留槽内の水溶液と中和反応し、安
全に処理できるという作用を有する。
【0057】請求項9に記載の加熱処理装置の発明は、
請求項8に記載の発明において、水溶液はPHが7.0
以上で、不揮発性の性質を有するものであり、貯留槽に
流入する気液混合状態の排出ガスの酸性成分をPHが
7.0以上の水溶液と中和反応させるので、簡単な方法
で、さらに効率良く、短時間で安全に処理できるという
作用を有する。
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明による有機化合物の
加熱処理方法および加熱処理装置の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0059】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1による有機化合物の加熱処理方法を示すフローチャ
ートである。
【0060】有機化合物の加熱処理方法の一つである炭
化処理は、ほぼ無酸素の状態で有機化合物を加熱して温
度が約350℃以上になると、炭素を主体とした炭とガ
スに分解することをいう。この炭は活性炭や燃料の素材
として再利用できるため価値が高い。
【0061】ここで、本実施の形態における有機化合物
の加熱処理(炭化)方法について図1を参照して説明す
る。
【0062】まず第1のステップで有機化合物が収納さ
れている処理室内の酸素量を低減し、ほぼ無酸素の状態
にする。
【0063】第1のステップは、有機化合物を100〜
200℃に加熱して、含有水分を蒸発させて、水分中の
溶存酸素を除去する乾燥ステップと、処理室内を100
Pa以下に減圧して空気や水蒸気を除去する減圧ステッ
プとから構成される。
【0064】次に、第2のステップは加熱処理ステップ
であり、第1のステップで酸素量が低減した処理室内の
温度が、有機化合物が熱分解するのに適した温度(35
0〜500℃)になるように過熱蒸気を供給して加熱す
る。
【0065】以上のように本実施の形態では、1種類以
上の有機化合物が収納されている処理室内の酸素量を低
減させる第1のステップと、第1のステップで酸素量を
低減した処理室内の温度が有機化合物が熱分解するのに
適した温度になるように過熱蒸気を供給する第2のステ
ップからなるものであり、処理室内をほぼ無酸素の状態
にして、有機化合物を過熱蒸気で加熱することにより、
ダイオキシン類の発生を抑制した熱分解処理つまり炭化
処理ができる。
【0066】また、第1のステップは、処理室内を加熱
して有機化合物を乾燥させる乾燥ステップと、処理室内
を減圧する減圧ステップから構成することにより、乾燥
ステップで有機化合物の含有水分中の溶存酸素を除去
し、さらに減圧ステップで処理室内を減圧して空気や水
蒸気を除去する。
【0067】このことにより、有機化合物が水分を含む
場合でも、処理室内をほぼ無酸素の状態にして過熱蒸気
を供給して加熱するので、ダイオキシン類の発生を抑制
した熱分解処理つまり炭化処理ができる。
【0068】また、有機化合物を炭化して得られる炭
は、活性炭や燃料の素材として再利用可能である。
【0069】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2による過熱蒸気を用いた加熱処理装置の構成図であ
る。図3は同実施の形態の加熱処理装置における溶存酸
素除去手段の断面斜視図である。図4は同実施の形態の
加熱処理装置における制御手段のブロック図である。図
5は同実施の形態の加熱処理装置における加熱処理方法
を示したフローチャートである。
【0070】図2,図3,図4において、21は有機化
合物であり、一般家庭や企業から排出される廃棄物を仮
定している。22は有機化合物21を収納し、加熱処理
を行う処理室である。23は処理室22内部に底面から
所定間隔あけて備えられ、有機化合物21を載せる板で
あり、ガス成分のみを通過させることができる多孔質製
である。
【0071】24は有機化合物21より上方となるよう
に処理室22内の上部空間に備えられ、有機化合物21
を乾燥する乾燥手段である。25は処理室22内の空気
を100〜200℃に加熱するヒータである。26はヒ
ータ25により加熱された空気を撹拌して、処理室22
内を均一に加熱する撹拌ファンである。乾燥手段24は
ヒータ25と撹拌ファン26により構成される。
【0072】27は処理室22内の上部空間のガスを排
出する排出手段である。28は三方弁であり、1つの流
入口Aと2つの流出口B,Cを備えている。29は減圧
手段であり、真空ポンプを使用している。30は排気フ
ァンである。
【0073】31aは排出手段27と三方弁28の流入
口Aを接続する配管である。31bは三方弁28の流出
口Bと減圧手段29を接続する配管である。31cは三
方弁28の流出口Cと排気ファン30を接続する配管で
ある。
【0074】32は乾燥手段24と、排出手段27と、
三方弁28と、減圧手段29と、配管31a,31bと
で構成される酸素量低減手段である。
【0075】33は処理室22の低部(板23より下)
に備えられる噴出手段であり、過熱蒸気が広角的に噴出
するような口形をしたノズルにより構成される。
【0076】34は水道である。35は水道34より供
給される水を所定量貯めるタンクである。
【0077】36はタンク35から流出する水の溶存酸
素を除去する溶存酸素除去手段である。
【0078】37は溶存酸素除去手段で溶存酸素を除去
した水を搬送するポンプである。
【0079】38はポンプ37で搬送される水を加熱し
て過熱蒸気にする過熱蒸気発生手段であり、周囲が断熱
材で覆われ、500℃の高温で熱を蓄えることができる
蓄熱槽である。
【0080】過熱蒸気発生手段38の内部には、蓄熱材
としてマグネシア岩石の破砕物が充填され、内部を水が
流れながら蓄熱材より熱を吸収する伝熱管と蓄熱材加熱
用のシーズーヒータが埋め込まれている。
【0081】39a,39b,39c,39d,39e
はそれぞれ水道34と、タンク35と、溶存酸素除去手
段36と、ポンプ37と、過熱蒸気発生手段38と、噴
出手段33とを順に接続する配管である。
【0082】40はタンク35と、溶存酸素除去手段3
6と、ポンプ37と、過熱蒸気発生手段38とを順に配
管39b,39c,39dで接続して構成される過熱蒸
気供給手段である。
【0083】41は処理室22内部(処理室22内の上
部空間)の圧力を測定する圧力センサであり、熱線式真
空計を使用している。42は圧力センサ41から送信さ
れる圧力信号を基に、酸素量低減手段32と過熱蒸気供
給手段40を制御して、有機化合物21の加熱処理を自
動で行う制御手段であり、マイコンを使用している。
【0084】43は溶存酸素除去手段36において、配
管39bを介してタンク35から水が流入する原水槽で
ある。44は中空糸を平行に束ねて構成される脱気膜で
あり、内部が減圧された中空糸の間を流れる水の脱気が
できる。45は原水槽43から脱気膜44を横切って流
れる水が流入し、配管39cを介してポンプ37へ水を
供給する脱気水槽である。
【0085】溶存酸素除去手段36の内部は、中心から
原水槽43,脱気膜44,脱気水槽45の三重構造とな
っている。
【0086】46は脱気膜44の端部に備えられ、脱気
膜44を構成している中空糸内部を減圧する減圧口であ
る。47は減圧口46と減圧手段29を接続する配管で
ある。
【0087】48は圧力検出手段であり、圧力センサ4
1から送信される圧力信号を基に処理室22内の圧力を
検出する。
【0088】49は有機化合物の加熱処理を開始する開
始スイッチである。
【0089】50は切換判定手段であり、開始スイッチ
49により有機化合物の加熱処理が開始された後、処理
室22内の酸素量低減の操作および加熱処理の操作の実
行の切り換えを判定する。
【0090】51は酸素量低減実行手段であり、切換判
定手段50が送信する信号を受けて、処理室22内の酸
素量を低減するように、減圧手段29,三方弁28,ヒ
ータ25,撹拌ファン26,排気ファン30,ポンプ3
7を制御する。
【0091】52は第1のタイマであり、処理室22内
の酸素量低減の操作が開始された後、圧力検出手段48
が検出する処理室22内の圧力が所定値以下になると同
時にカウントを始める。
【0092】53は加熱処理実行手段であり、切換判定
手段50が送信する信号を受けて、有機化合物21を過
熱蒸気で加熱処理するように、減圧手段29,三方弁2
8,ヒータ25,撹拌ファン26,排気ファン30,ポ
ンプ37を制御する。
【0093】54は第2のタイマであり、有機化合物2
1の加熱処理の操作開始と同時にカウントを始める。
【0094】55は加熱処理終了手段であり、切換判定
手段50が送信する信号を受けて、加熱処理を終了する
ように、減圧手段29,三方弁28,ヒータ25,撹拌
ファン26,排気ファン30,ポンプ37を制御する。
【0095】以上のように構成された加熱処理装置につ
いて、以下その動作を図5のフローチャートを参照して
説明する。
【0096】まず、有機化合物21の加熱処理を開始す
るために、開始スイッチ49から切換判定手段50に開
始信号を送信する。
【0097】step1では、酸素量低減実行手段51
が、切換判定手段50から酸素量低減実行の信号を受け
て、減圧手段29,ヒータ25,撹拌ファン26にON
信号を送信する。また、排気ファン30,ポンプ37に
OFF信号を送信する。また、三方弁28にA−B接続
信号を送信する。
【0098】そして、ヒータ25および撹拌ファン26
により、有機化合物21は上方から加熱されて含有水分
が蒸発する。処理室22内の空気および水蒸気は、排出
手段27から三方弁28を介して、減圧手段29により
排出される。このようにして、処理室22内の酸素量低
減の操作は実行される。
【0099】step2では、圧力検出手段48が、圧
力センサ41から送信される圧力信号を基に処理室22
内の圧力Pを検出する。
【0100】step3では、切換判定手段50が、圧
力検出手段48により検出される処理室22内の圧力が
100Pa未満か、100Pa以上かを判定する。
【0101】P<100Paのとき、処理室22内は十
分に減圧されていると判定し、step4へ移行する。
【0102】P≧100Paのとき、処理室22内はま
だ減圧しきれていないと判定し、引き続き有機化合物2
1の乾燥と処理室22内の減圧を行う。
【0103】step4では、第1のタイマ52が、処
理室22内が十分に減圧できているとの判定を受けて、
カウントを開始する。
【0104】step5では、切換判定手段50が、第
1のタイマ52がカウントした経過時間T1を基に、酸
素量低減の操作を終了するか、継続するかを判定する。
【0105】処理室22内が十分に減圧された後、2時
間加熱すれば、有機化合物21中の水分を蒸発させるこ
とができる。
【0106】T1>2hのとき、処理室22内の酸素量
低減の操作は終了と判定し、step6へ移行する。
【0107】T1≦2hのとき、処理室22内の酸素量
低減の操作は継続と判定し、カウントを続ける。
【0108】step6では、加熱処理実行手段53
が、酸素量低減から加熱処理の操作へ切り換えの判定を
受けて、減圧手段29,排気ファン30,ポンプ37に
ON信号を送信する。また、ヒータ25,撹拌ファン2
6にOFF信号を送信する。また、三方弁28にA−C
接続信号を送信する。そして、有機化合物21の加熱処
理の操作を実行する。
【0109】step7では、第2のタイマ54が、加
熱処理の操作の開始と同時にカウントを開始する。
【0110】step8では、切換判定手段50が、第
2のタイマ54がカウントした経過時間T2を基に、加
熱処理の操作を終了するか、継続するかを判定する。加
熱処理の操作を0.5時間行うと有機化合物21は炭化
する。
【0111】T2>0.5hのとき、加熱処理の操作は
終了と判定し、step9へ移行する。
【0112】T2≦0.5hのとき、加熱処理の操作は
継続と判定し、カウントを続ける。
【0113】step9では、加熱処理終了手段55
が、加熱処理の操作終了の判定を受けて、減圧手段2
9,ヒータ25,撹拌ファン26,排気ファン30,ポ
ンプ37にOFF信号を送信する。また、三方弁28に
A−C接続信号を送信する。そして、加熱処理の操作を
終了する。
【0114】ここで、加熱処理の操作中の各部の動作に
ついて説明する。
【0115】加熱処理の操作が開始されると、ポンプ3
7が駆動し、タンク35から水が配管39bを通って溶
存酸索除去手段36の原水槽43へ流入する。そして、
脱気膜44を横切って脱気水槽45へ移動する。
【0116】このとき、脱気膜44を構成している中空
糸内部は、減圧手段29により減圧口46および配管4
7を介して、2kPa以下に減圧される。そして脱気膜
44を水が横切るとき、中空糸表面に接触した水の溶存
酸素は中空糸内部へ吸引されるので、溶存酸素量は減少
する。
【0117】中空糸内部を2kPa以下に減圧すると、
補給水中の溶存酸素を約99.7%除去できる。
【0118】このようにして、溶存酸素量が減少した水
は、脱気水槽45を経て、配管39cからポンプ37へ
供給される。そして、過熱蒸気発生手段38に流入し、
伝熱管を流れる間に蓄熱材より熱を吸収し、400〜5
00℃の過熱蒸気となって噴出手段33から処理室22
へ供給される。
【0119】処理室22では、高温の過熱蒸気が有機化
合物21を加熱し、温度が約350に達したとき熱分解
が始まる。このとき、処理室22内はほぼ無酸素の状態
なので、有機化合物21は炭とガスに分解され、ダイオ
キシン類の発生はほとんどない。
【0120】熱分解により発生したガスと過熱蒸気が混
合した高温の排出ガスは、排出手段27から排気ファン
30により、三方弁28を介して処理室22外へ排出さ
れる。
【0121】以上のように、本実施の形態は、1種類以
上の有機化合物21を収納する処理室22と、処理室2
2内の酸素量を低減させる酸素量低減手段32と、処理
室22内に過熱蒸気を噴出する噴出手段33と、噴出手
段33に過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給手段40と、
処理室22内のガスを排出する排出手段27とを備えた
ものであり、有機化合物21を収納している処理室22
の酸素量を低減し、処理室22内部をほぼ無酸素の雰囲
気にした後、過熱蒸気を供給して、有機化合物21の熱
分解処理つまり炭化処理を行うので、有害なダイオキシ
ン類の発生を抑制できる。
【0122】また、酸素量低減手段32は、処理室22
内を加熱して有機化合物21を乾燥させる乾燥手段24
と、処理室22内部を減圧する減圧手段29とから構成
されることを特徴とするものであり、乾燥手段24で有
機化合物21を加熱して含有する水分を蒸発させて、水
分に溶存する酸素を除去し、減圧手段29で処理室22
内を減圧して空気および水蒸気を除去した後、過熱蒸気
を供給して有機化合物21を熱分解温度になるまで加熱
する。
【0123】このことにより、有機化合物21が水分を
含む場合でも、有機化合物21の熱分解処理つまり炭化
処理を、ほぼ無酸素の状態で行うことができるので、有
害なダイオキシン類の発生を抑制できる。
【0124】また、処理室22内の酸素量を低減した
後、処理室22内に過熱蒸気を供給して加熱するよう
に、酸素量低減手段32と過熱蒸気供給手段40を制御
する制御手段42を備えたことを特徴とするものであ
り、処理室22内をほぼ無酸素の状態にした後、過熱蒸
気供給手段40を駆動させて処理室22内に過熱蒸気を
供給するように制御手段42で制御することにより、ダ
イオキシンの発生を抑制した有機化合物21の熱分解処
理つまり炭化処理を自動で行うことができる。
【0125】また、過熱蒸気供給手段40は、水道34
から水が補給され所定量の水を貯めるタンク35と、タ
ンク35の底部から流出する水の溶存酸素を除去する溶
存酸素除去手段36と、溶存酸素除去手段36により溶
存酸素量が減少した水を加熱して過熱蒸気を発生させる
過熱蒸気発生手段38とを順に配管39b,39c,3
9dを介して接続したものであり、タンク35から流出
する水は溶存酸素除去手段36で、水に溶存しているガ
ス成分(酸素)を除去した後、過熱蒸気発生手段38で
加熱されて過熱蒸気となる。
【0126】このことにより、酸素をほとんど含まない
過熱蒸気を供給して、ダイオキシン類の発生を更に抑制
できる。
【0127】なお、本実施の形態では、過熱蒸気発生手
段38として蓄熱槽を用いた蓄熱式としたが、ガス燃焼
式や電磁誘導式としても差し支えはない。
【0128】(実施の形態3)図6は本発明の実施の形
態3による加熱処理装置の排出ガスの処理手段の構成図
である。
【0129】尚、本発明の実施の形態2と同一構成につ
いては同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0130】図6において、56は配管39aを介して
水道34と接続されているタンクであり、常に一定量の
水を貯めている。57は、タンク56に蓄えられる水で
あり、タンク56底部に接続されている配管39bから
溶存酸素除去手段36に供給される。
【0131】58はタンク56内に備えられた熱交換手
段であり、熱交換器である。59は排気ファン30と熱
交換手段58を接続する配管であり、処理室22から排
出される高温の排出ガスと水57とを熱交換させる。
【0132】60は貯留槽であり、常に一定の水溶液を
貯留している。61は貯留槽60に貯留されるPH7.
0以上で不揮発性の水溶液であり、水酸化ナトリウム水
溶液を使用している。熱交換手段58の終端口は、水溶
液61中に浸されている。
【0133】以上のように構成された加熱処理装置の排
出ガスの処理行程の動作について説明する。
【0134】排気ファン30より排出された高温の排出
ガスは、配管59を通過して熱交換手段58に送られ
る。
【0135】熱交換手段58では、タンク56に貯めら
れている水57と、高温の排出ガスが熱交換を行う。高
温の排出ガスの熱を回収した水57は温度が上昇する。
排出ガスは一部が凝縮して気液混合状態となり、貯留槽
60へ送られて、ここで排出ガス中に含まれている塩化
水素などの酸性成分とアルカリ性水溶液(水酸化ナトリ
ウム水溶液)61が中和反応する。
【0136】以上のように、本実施の形態では、処理室
22に設けた排出手段27と、タンク56内の水57中
に位置してタンク56を貫通する熱交換手段58を、三
方弁28および排気ファン30を介して配管31a,3
1c,59で接続し、処理室22から排出される排出ガ
スとタンク56内に貯められた水57とを熱交換手段5
8で熱交換させることにより、処理室22で有機化合物
21の加熱中に発生する高温の排出ガスは熱交換手段5
8に送られ、タンク56に貯められている水57と熱交
換を行う。
【0137】このことにより、水57は熱を吸収して温
度が高くなり、廃棄していた熱を回収できるので、加熱
処理装置の運転効率を向上できる。
【0138】また、水溶液61を貯める貯留槽60を備
え、熱交換手段58の終端口が水溶液61中に浸ること
を特徴とするものであり、熱交換手段58で熱交換を行
い貯留槽60に流入した気液混合状態の排出ガスは、そ
の酸性成分が貯留槽60内の水溶液61と中和反応し、
安全に処理できる。
【0139】また、水溶液61はPHが7.0以上で、
不揮発性の性質を有するものであり、貯留槽60に流入
する気液混合状態の排出ガスの酸性成分をPHが7.0
以上の水溶液61と中和反応させるので、簡単な方法
で、さらに効率良く、短時間で安全に処理できる。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の加
熱処理方法の発明は、1種類以上の有機化合物が収納さ
れている処理室内の酸素量を低減させる第1のステップ
と、第1のステップで酸素量を低減した処理室内の温度
が有機化合物が熱分解するのに適した温度になるように
処理室内に過熱蒸気を供給する第2のステップとからな
るものであり、ほぼ無酸素状態の処理室の内部温度が、
有機化合物を熱分解するのに適した温度になるまで過熱
蒸気を供給して加熱することにより、ダイオキシン類の
発生を抑制した熱分解処理つまり炭化処理ができる。
【0141】また、本発明の請求項2に記載の加熱処理
方法の発明は、請求項1に記載の発明において、第1の
ステップは、処理室内を加熱して有機化合物を乾燥させ
る乾燥ステップと、処理室内を減圧する減圧ステップと
から構成されることを特徴とするものであり、乾燥ステ
ップで有機化合物が含有する水分を蒸発させて、さら
に、減圧ステップで処理室内を減圧して空気および水蒸
気を除去する。
【0142】そして、処理室に過熱蒸気を供給して有機
化合物を熱分解温度になるまで加熱することにより、有
機化合物が水分を含む場合でも、ダイオキシン類の発生
を更に抑制した熱分解処理つまり炭化処理ができる。
【0143】また、請求項3に記載の加熱処理装置の発
明は、1種類以上の有機化合物を収納する処理室と、処
理室内の酸素量を低減させる酸素量低減手段と、処理室
内に過熱蒸気を噴出する噴出手段と、噴出手段に過熱蒸
気を供給する過熱蒸気供給手段と、処理室内のガスを排
出する排出手段とを備えたものであり、有機化合物を収
納している処理室の酸素量を低減し、処理室内をほぼ無
酸素の状態にする。
【0144】その後、過熱蒸気で有機化合物を加熱して
熱分解処埋つまり炭化処理するので、有害なダイオキシ
ン類の発生を抑制できる。
【0145】また、請求項4に記載の加熱処理装置の発
明は、請求項3に記載の発明において、酸素量低減手段
は、処理室内を加熱して有機化合物を乾燥させる乾燥手
段と、処理室内部を減圧する減圧手段とから構成される
ことを特徴とするものであり、乾燥手段で有機化合物を
加熱して含有する水分を蒸発させて、さらに、減圧手段
で処理室内を減圧して空気および水蒸気を除去する。
【0146】その後、処理室に過熱蒸気を供給して有機
化合物を熱分解温度になるまで加熱することにより、有
機化合物が水分を含む場合でも、有機化合物の熱分解処
理つまり炭化処理を、ほぼ無酸素の状態で行うことがで
きるので、有害なダイオキシン類の発生を更に抑制でき
る。
【0147】また、請求項5に記載の加熱処理装置の発
明は、請求項4に記載の発明において、処理室内の酸素
量を低減した後、処理室内に過熱蒸気を供給して加熱す
るように、酸素量低減手段と過熱蒸気供給手段を制御す
る制御手段を備えたことを特徴とするものであり、酸素
量低減手段を駆動させて、処理室内をほぼ無酸素の状態
にした後、過熱蒸気供給手段を駆動させて処理室内に過
熱蒸気を供給するように制御手段で制御することによ
り、ダイオキシンの発生を抑制した有機化合物の熱分解
処理つまり炭化処理を自動で行うことができる。
【0148】また、請求項6に記載の加熱処理装置の発
明は、請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の発
明において、過熱蒸気供給手段は、水道から水が補給さ
れ所定量の水を貯めるタンクと、タンクの底部から流出
する水の溶存酸素を除去する溶存酸素除去手段と、溶存
酸素除去手段により溶存酸素量が減少した水を加熱して
過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生手段とを順に配管を
介して接続したものであり、タンクに貯められている水
は溶存酸素除去手段内で、溶存しているガス成分(酸
素)を除去した後に、過熱蒸気発生手段で加熱されて、
過熱蒸気となり処理室内へ噴出し、有機化合物を加熱す
る。
【0149】このことにより、有機化合物の熱分解つま
り炭化に適した酸素をほとんど含まない過熱蒸気を供給
して、ダイオキシン類の発生を更に抑制できる。
【0150】また、請求項7に記載の加熱処理装置の発
明は、請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の発
明において、処理室に設けた排出手段と、タンク内の水
中に位置してタンクを貫通する熱交換手段とを配管で接
続し、処理室から排出される排出ガスとタンク内に貯め
られた水とを熱交換手段で熱交換させることにより、処
理室での有機化合物の加熱中に発生する高温の排出ガス
および排出過熱蒸気と、タンクに貯められている水とが
熱交換を行うことにより、廃棄していた熱を回収できる
ので、加熱処理装置の運転効率を向上できる。
【0151】また、請求項8に記載の加熱処理装置の発
明は、請求項7に記載の発明において、水溶液を貯める
貯留槽を備え、熱交換手段の終端口が水溶液中に浸るこ
とを特徴とするものであり、高温の排出ガスと排出過熱
蒸気は熱交換手段でタンク内の水に熱を与えることによ
り、その一部は凝縮して気液混合状態となり貯留槽に流
入する。
【0152】気液混合状態の排出ガスの酸性成分を水溶
液と中和反応させることにより、安全に処理できる。
【0153】また、請求項9に記載の加熱処理装置の発
明は、請求項8に記載の発明において、水溶液はPHが
7.0以上で、不揮発性の性質を有するものであり、貯
留槽に流人する気液混合状態の排出ガスの酸性成分をP
Hが7.0以上の水溶液と中和反応させることにより、
簡単な方法で、さらに効率良く、短時間で安全に処理で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による有機化合物の加熱
処理方法のブロック図
【図2】本発明の実施の形態2による過熱蒸気を用いた
加熱処理装置のシステム図
【図3】同実施の形態の加熱処理装置における溶存酸素
除去手段の断面図
【図4】同実施の形態の加熱処理装置における制御手段
のブロック図
【図5】同実施の形態の加熱処理装置における加熱処理
方法を示したフローチャート
【図6】本発明の実施の形態3による加熱処理装置の排
出ガスの処理手段の構成図
【図7】従来の廃棄物処理装置の構成図
【符号の説明】
21 有機化合物(廃棄物) 22 処理室 24 乾燥手段 27 排出手段 29 減圧手段(真空ポンプ) 32 酸素量低減手段 33 噴出手段 34 水道 35,56 タンク 36 溶存酸素除去手段 38 過熱蒸気発生手段(蓄熱槽) 39a,39b,39c,39d,39e,50 配
管 40 過熱蒸気供給手段 42 制御手段 57 水 58 熱交換手段 60 貯留槽 61 水溶液(水酸化ナトリウム水溶液)
フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA03 AB07 BA03 BA10 CA26 CA42 CB31 CC03 DA02 DA20 4D037 AA02 AB11 BA23 4H012 HA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種類以上の有機化合物が収納されてい
    る処理室内の酸素量を低減させる第1のステップと、前
    記第1のステップで酸素量を低減した前記処理室内の温
    度が前記有機化合物が熱分解するのに適した温度になる
    ように前記処理室内に過熱蒸気を供給する第2のステッ
    プとからなる有機化合物の加熱処理方法。
  2. 【請求項2】 第1のステップは、処理室内を加熱して
    有機化合物を乾燥させる乾燥ステップと、前記処理室内
    を減圧する減圧ステップとから構成されることを特徴と
    する請求項1に記載の有機化合物の加熱処理方法。
  3. 【請求項3】 1種類以上の有機化合物を収納する処理
    室と、前記処理室内の酸素量を低減させる酸素量低減手
    段と、前記処理室内に過熱蒸気を噴出する噴出手段と、
    前記噴出手段に過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給手段
    と、前記処理室内のガスを排出する排出手段とを備えた
    有機化合物の加熱処理装置。
  4. 【請求項4】 酸素量低減手段は、処理室内を加熱して
    有機化合物を乾燥させる乾燥手段と、前記処理室内部を
    減圧する減圧手段とから構成されることを特徴とする請
    求項3に記載の有機化合物の加熱処理装置。
  5. 【請求項5】 処理室内の酸素量を低減した後、前記処
    理室内に過熱蒸気を供給して加熱するように、酸素量低
    減手段と過熱蒸気供給手段を制御する制御手段を備えた
    ことを特徴とする請求項4に記載の有機化合物の加熱処
    理装置。
  6. 【請求項6】 過熱蒸気供給手段は、水道から水が補給
    され所定量の水を貯めるタンクと、前記タンクの底部か
    ら流出する水の溶存酸素を除去する溶存酸素除去手段
    と、前記溶存酸素除去手段により溶存酸素量が減少した
    水を加熱して過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生手段と
    を順に配管を介して接続したことを特徴とする請求項3
    から請求項5のいずれか一項に記載の有機化合物の加熱
    処理装置。
  7. 【請求項7】 処理室に設けた排出手段と、タンク内の
    水中に位置して前記タンクを貫通する熱交換手段とを配
    管で接続し、前記処理室から排出される排出ガスと前記
    タンク内に貯められた水とを前記熱交換手段で熱交換さ
    せることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか
    一項に記載の有機化合物の加熱処理装置。
  8. 【請求項8】 水溶液を貯める貯留槽を備え、熱交換手
    段の終端口が前記水溶液中に浸ることを特徴とする請求
    項7に記載の有機化合物の加熱処理装置。
  9. 【請求項9】 水溶液はPHが7.0以上で、不揮発性
    の性質を有することを特徴とする請求項8に記載の有機
    化合物の加熱処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103316893A (zh) * 2013-06-19 2013-09-25 段伟 一种低压过热蒸汽病死动物家禽处理装置
WO2022153883A1 (ja) * 2020-12-30 2022-07-21 直彌 吉川 熱分解システム

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