JP2002293890A - デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン - Google Patents

デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン

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JP2002293890A
JP2002293890A JP2001096313A JP2001096313A JP2002293890A JP 2002293890 A JP2002293890 A JP 2002293890A JP 2001096313 A JP2001096313 A JP 2001096313A JP 2001096313 A JP2001096313 A JP 2001096313A JP 2002293890 A JP2002293890 A JP 2002293890A
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Manabu Kawa
学 加和
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極性有機媒質への改善された溶解性や相溶性
及び水銀灯の365nm発光帯等の比較的長波長の紫外
線を吸収する能力を付与されたデンドロン側鎖を有する
ポリフェニレンエチニレンを提供する。 【解決手段】 ポリフェニレンエチニレンに、芳香族ポ
リエーテルケトン構造を有するデンドロン残基がそのフ
ォーカルポイント末端において1つの酸素原子を介して
結合されたものであるデンドロン側鎖含有ポリフェニレ
ンエチニレン、及び該デンドロン側鎖含有ポリフェニレ
ンエチニレンを含有し、基板上に塗布されてなる薄膜状
成形体、及び上記デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエ
チニレンを含有する溶液を一方向へのせん断印加条件に
おいて基板上に塗布する上記薄膜状成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デンドロン側鎖含
有ポリフェニレンエチニレン及びその応用に関する。本
発明のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン
は、優れた塗膜形成性を有し、従来公知のポリフェニレ
ンエチニレン誘導体にない優れた有機媒質への溶解性や
相溶性を有するので、溶液塗布により薄膜状成形体を与
えるものである。しかも非屈曲性のπ電子共役系高分子
主鎖構造を有するため、偏光フィルム等の光学異方性薄
膜の材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエチニレン(以下、PP
hEと略記する)は、非屈曲性のπ電子共役系高分子主
鎖構造を有するため、導電性や発光性を有する高分子と
して産業上の利用が期待されるが、同様の目的で盛んに
検討されてきたポリフェニレンビニレン、ポリフェニレ
ン、あるいはポリチオフェン等に比べて必ずしも基礎研
究が十分に行われていないのが現状である。これは、P
PhEが有機媒質に溶解しにくく、高分子量のものの合
成が容易でないことが一因と考えられる。
【0003】かかるPPhEの応用に関する最近の新し
い技術として、芳香環を含む繰り返し単位を有するデン
ドロンがそのフォーカルポイントでPPhEに結合され
てなる構造の、デンドロン側鎖を有するPPhEが、特
開2000−239360号公報に開示されている。か
かるPPhEは、該デンドロンの導入に起因する有機溶
媒溶解性の他に、該デンドロンのアンテナ効果(デンド
ロンが吸収する光のエネルギーをフォーカルポイントを
通じて集中伝達する非常に大きな増感効果)による、P
PhE主鎖の青色発光能を有し、かかる発光能を有する
樹脂組成物やスピンコート薄膜が応用例として報告され
ている。上記公報でその効果が実証されているのは、該
デンドロンとしてポリベンジルエーテル構造を有するデ
ンドロンを使用した場合であるが、かかるポリベンジル
エーテル構造のデンドロンの光吸収帯の長波長側限界は
高々320nm程度であるため、例えば水銀灯の365
nm発光帯のような汎用光源により該青色発光能を発揮
せしめることができない、という技術的限界があった。
また、該ポリベンジルエーテル構造のデンドロンをPP
hEの側鎖とした場合の有機媒質溶解性は必ずしも満足
できるものではなく、例えばメチルメタクリレート等の
エステル系有機媒質への溶解性が不十分であるため、ポ
リメチルメタクリレート樹脂(通称PMMA樹脂)やビ
スフェノールA系ポリカーボネート樹脂(通称PC樹
脂)のようなカルボニル基等の極性官能基を高分子の繰
返し単位に有する重要な透明樹脂への相溶性や分散性が
不十分であるという問題があった。更に、該公報中に例
示されているその他のデンドロン構造を用いても、デン
ドロンの合成が容易でない点、前記の光吸収帯波長や有
機媒質への溶解性の課題は必ずしも改善されない点、及
び例示されているπ電子共役系を有するデンドロンの場
合には着色が顕著となる点において産業上の利用に限界
があった。
【0004】一方、前記公報に記載のないポリエーテル
ケトン構造を有するデンドロンに関連する技術も報告さ
れている。即ち、A.Morikawaら;Macro
molecules,26巻,6324−6329頁
(1993)、T.M.Millerら;J.Am.C
hem.Soc.,115巻,356−357頁(19
93)、C.J.Hawkerら;Macromole
cules,29巻,4370−4380頁(199
6)、A.Morikawa;Macromolecu
les,31巻,5999−6009頁(1998)、
A.Morikawaら;Macromolecule
s,32巻,1062−1068頁(1999)、A.
Morikawaら;Polymer Journa
l,32巻,234−242頁(2000)、及びA.
Morikawaら;PolymerJournal,
32巻,255−262頁(2000)に、有機媒質へ
の溶解性や相溶性に優れ、しかも比較的長波長の紫外線
を吸収する能力が予想されるポリエーテルケトン構造を
有するデンドリマー等の超分岐分子が報告されている
が、これらの報告にある化学合成技術によっては、かか
るデンドリマーをPPhEの高分子鎖に結合することは
できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の従来技術に鑑
み、本発明は、極性有機媒質への改善された溶解性や相
溶性、及び水銀灯の365nm発光帯等の比較的長波長
の紫外線を吸収する能力を付与されたデンドロン側鎖を
有するPPhEを提供すること課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、紫外線吸収能を有する芳香族デンドロ
ンの合成方法とその物性、並びにかかるデンドロンのP
PhE主鎖への結合可能性につき鋭意検討を重ねた結
果、芳香族ポリエーテルケトン構造を有するデンドロン
を使用することにより、有機媒質に対する従来にない優
れた溶解性や相溶性と、該デンドロンの化学構造が含有
する芳香族ケトン単位の効果による比較的長波長の紫外
線吸収能とが発揮可能であることを見出して、本発明を
完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の第1の要旨は、ポリフェニ
レンエチニレンに、芳香族ポリエーテルケトン構造を有
するデンドロン残基がそのフォーカルポイント末端にお
いて1つの酸素原子を介して結合されたものであること
を特徴とするデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニ
レン、に存する。本発明の第2の要旨は、前記のデンド
ロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンを含有し、基板
上に塗布されてなることを特徴とする薄膜状成形体、に
存する。
【0008】本発明の第3の要旨は、前記のデンドロン
側鎖含有ポリフェニレンエチニレンを含有する溶液を一
方向へのせん断印加条件において基板上に塗布すること
を特徴とする前記の薄膜状成形体の製造方法、に存す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 [ポリフェニレンエチニレン]本発明の提供するデンド
ロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレン(PPhE)
は、代表的に例えば下記一般式(1)で表される化学構
造を有する。
【0010】
【化7】
【0011】(但し、一般式(1)における2つのL
は、それぞれ芳香族ポリエーテルケトン構造を有するデ
ンドロン残基を表し、相互に異なっていてもよい。また
丸括弧はその内側の構造が繰返し単位であることを表
し、nは重合度を表す自然数を表す。) 上記一般式(1)にも表わされているように、本発明の
デンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンは、後述
する芳香族ポリエーテルケトン構造を有するデンドロン
(以下「PEKデンドロン」という)残基Lをそのフォ
ーカルポイント末端においてPPhE主鎖に1つの酸素
原子を介して結合したものである。上記一般式(1)に
おけるPPhE主鎖の重合度を表す自然数nには特に制
限はないが、重量平均重合度として、通常5〜100
0、塗膜性と溶剤溶解性の観点から好ましくは10〜7
00、更に好ましくは15〜500、最も好ましくは2
0〜400程度とする。この時の分子量分布にも特に制
限はないが、後述する薄膜状成形体の膜質の均質性や分
子配向性の観点からは分子量分布は小さい方が好ましい
ので、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C)で測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比Mw/Mnとして、通常2.0〜2
0、好ましくは2.0〜15、更に好ましくは2.0〜
10程度とする。
【0012】[芳香族ポリエーテルケトン構造を有する
デンドロン]本発明におけるデンドロン(Dendro
n)残基とは、図1に模式的に示すように、デンドリマ
ー構造を主体とし、そのフォーカルポイント(Foca
lpoint、以下「FP」と略記する)を結合手とす
る1価残基である。ここでいうデンドリマー(Dend
rimer)とは、樹枝状規則分岐を有する分子構造の
総称であり、その概念は、例えばG.R.Newkom
eら著の参考書;Dendritic Molecul
es,Concepts・Synthesis・Per
spectives(VCH Verlags Gmb
H;Weinheim,Germany;1996、I
SBN:3−527−29325−6)において述べら
れているものと同一である。本発明におけるデンドロン
残基は必ず1つのFP末端を有する。FP末端とはデン
ドリマー分岐構造の開始側の末端、即ち該デンドロン残
基の化学構造を模式的に扇型と見なした場合の扇の要に
相当する末端を意味する。また、該FP末端以外の末
端、即ち分岐側の末端を分岐末端と呼ぶ。更に該デンド
ロン残基の分岐の次数を「世代(Generatio
n)」と称する。
【0013】前記のPEKデンドロン残基とは、芳香環
(好ましくはベンゼン環)に直結したカルボニル基を有
するケトン構造(好ましくはベンゾフェノン構造)とエ
ーテル結合とを必須化学構造として有する繰返し単位
(以下「必須繰返し単位」と呼ぶ)からなるデンドロン
残基である。かかる必須繰返し単位の例は後述するが、
本発明におけるPEKデンドロン残基は、該必須繰返し
単位を少なくとも1つその化学構造中に含有していれば
よく、その他の化学構造(例えばポリベンジルエーテル
構造のデンドリマー構造)を含有していてもよいが、本
発明の効果の点で分岐末端側の最終分岐構造は該必須繰
返し単位であることが好ましく、更に好ましくは全ての
分岐構造を該必須繰返し単位で構成する。前記の必須繰
返し単位構造の効果については、例えば、該カルボニル
基は365nm程度の比較的長波長の紫外線吸収能と極
性有機媒質への溶解性や相溶性に寄与し、一方、該エー
テル基はその屈曲性と可動性による溶媒和促進効果の点
で寄与する働きがあるものと推定される。
【0014】前記のPEKデンドロン残基のFP末端に
おけるPPhE主鎖への結合様式に制限はないが、例え
ば下記一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)に
示す3種の化学構造が好適な具体例として挙げられる。
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】(但し、一般式(2)、一般式(3)及び
一般式(4)におけるArは該PEKデンドロン残基が
結合するPPhE主鎖のベンゼン環を表し、L1、L2
びL3はそれぞれ各一般式における該PEKデンドロン
残基の化学構造の残りの部分を表す部分構造であり、一
般式(3)及び一般式(4)におけるx及びyはそれぞ
れL2及びL3の数を表す3以下の自然数である。) これらのPPhE主鎖への結合様式の例示のうち、化学
的安定性の点ではエーテル結合である一般式(2)ある
いは一般式(3)の結合様式が好ましい。また、デンド
ロンの分岐効率の点では一般式(3)及び一般式(4)
におけるx及びyの値はそれぞれ2又は3であることが
好ましく、特にデンドロン骨格の合成容易性や溶解性の
点ではこの自然数は2であることがより好ましく、中で
もベンゼン環のPPhE主鎖への結合位置を1位とした
場合の3位及び5位に互いに異なっていてもよい2つの
2あるいはL3が結合した3,5−分岐構造が特に好ま
しい。
【0019】前記の一般式(2)、一般式(3)及び一
般式(4)におけるPEKデンドロン残基の部分構造L
1、L2及びL3を構成する前記の必須繰返し単位の具体
例としては、下記一般式(5)又は式(6)の丸括弧内
の化学構造が挙げられる。
【0020】
【化11】
【0021】(但し、一般式(5)においてmはフェニ
レン基の連鎖数を表す0〜4の整数である。)
【0022】
【化12】
【0023】これらの必須繰返し単位の具体例のうち比
較的長波長の紫外線吸収能の点で好ましいのは芳香族ケ
トン構造の割合の大きなものであるので、前記一般式
(5)において整数mが0である構造が好ましい。ま
た、有機媒質への溶解性や相溶性の点では、化学構造の
可動性や多様性の点でエーテル結合の数の多い前記式
(6)の構造も好ましい。
【0024】本発明におけるPEKデンドロン残基の分
岐末端の構造には、本発明のPPhEの溶剤溶解性を著
しく低下させない限りにおいて制限はない。かかる分岐
末端の構造としては、有機媒質への溶解性や相溶性、化
学的安定性、及び化学合成容易性のバランスの点でフェ
ニル基が最も一般的かつ好適であるが、この他、4−メ
チルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−イソプロ
ピルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ヘキ
シルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5
−ジメチルフェニル基等の任意数のアルキル基(通常、
炭素数6以下)を置換基として有するフェニル基、4−
クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−ブロモ
フェニル基、4−ヨードフェニル基、3,4−ジクロロ
フェニル基、3,5−ジクロロフェニル基等の任意数の
ハロゲン原子を置換基として有するフェニル基、4−メ
トキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−エト
キシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、3,4−
ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基
等の任意数のエーテル置換基を有するフェニル基、4−
アセトキシフェニル基、3−アセトキシフェニル基、4
−アクリロイロキシフェニル基、4−メタクリロイロキ
シフェニル基、3,4−ジアセトキシフェニル基、3,
5−ジアセトキシフェニル基等の任意数のアシル置換基
を有するフェニル基、あるいは2−ナフチル基等が例示
され、3,5−ジメトキシフェニル基等のアルコキシ基
を有するフェニル基は溶解性の点で好適に使用される。
なお、1つのPEKデンドロン残基がこれら任意の分岐
末端の構造の複数種を有していてもよい。
【0025】本発明に用いられる前記のPEKデンドロ
ン残基の式量は、本発明のPPhEの有機媒質への溶解
性や相溶性や後述するPPhE主鎖の重合反応性を極端
に悪化させない限り特に制限はないが、通常400〜5
000程度、本発明のPPhEの有機媒質への溶解性や
相溶性や後述するPPhE主鎖の重合反応性の点で好ま
しくは550〜3000程度、更に好ましくは700〜
2000程度とする。また該デンドロン残基の世代数と
しては、前記の必須繰返し単位の式量にもよるが、通常
1〜4程度、前記の理由で好ましくは1〜3程度、更に
好ましくは2〜3程度とする。
【0026】なお、本発明においては、異なる分岐末端
の構造や異なる世代数を有する複数種のPEKデンドロ
ン残基が1つのPPhE高分子主鎖に結合していても差
し支えない。 [芳香族ポリエーテルケトン構造を有するデンドロン残
基の製造方法]次に、前記のPEKデンドロン残基の具
体的な構造の製造方法について説明する。
【0027】前記一般式(5)において整数mが0であ
るものを必須繰返し単位とするPEKデンドロンの骨格
は、例えば図2に記載の手順で合成可能である。この手
順の要点は、デンドロンの世代数の増大反応が、電子吸
引性基(この場合はPEK構造中のケトン基)が結合し
たフッ化アリールとフェノール性水酸基とが塩基の存在
下に縮合するエーテル合成反応を利用する、いわゆるC
onvergent法デンドリマー合成戦略(例えば柿
本雅明;化学,50巻,608頁(1995)を参照)
による点である。
【0028】図2の手順で得られるPEKデンドロン骨
格の基本原料である3,5−ビス(4−フルオロベンゾ
イル)アニソール(図2の化合物4、以下、FBAと略
記する)の合成は、前記のA.Morikawaら著の
文献(1993)に報告されているように、市販の5−
ヒドロキシイソフタル酸(化合物1)を出発原料として
合成可能である。即ち、まず、ジメチル硫酸を水酸化ナ
トリウム水溶液中で例えば80℃で30分程度作用させ
た後に、塩酸で酸性溶液として、フェノール性水酸基を
メチルエーテルに変換した化合物(化合物2)を得る。
次いで、チオニルクロリドを反応試剤兼溶媒とする常法
で2つのカルボキシル基を酸塩化物基に変換(化合物
3)するが、この時、少量のN,N−ジメチルホルムア
ミドを添加すると好ましい場合がある。過剰のチオニル
クロリドは蒸留除去する。最後に、モノフルオロベンゼ
ンを反応試剤兼溶媒とし、ここに塩化アルミニウムを、
添加する酸塩化物基に対して小過剰量添加し、攪拌分散
しながら、例えば0℃程度の低温条件で、前記で調製し
た化合物3を添加するFriedel−Crafts反
応により該酸塩化物基にモノフルオロベンゼンを作用さ
せて目的とするFBA(化合物4)を得る。生成するF
BAは、水に投入した反応液の有機溶媒(例えば塩化メ
チレン)抽出による粗精製の後、例えば蒸留(沸点:2
60℃、0.5mmHg)により精製可能である。この
3工程は総収率62%という高収率が可能である。こう
して得られるFBAの分岐末端に所望のヒドロキシアリ
ール類(例えばフェノール)を、例えばカリウムt−ブ
トキシド等の塩基の存在下に縮合する前記のエーテル合
成反応により所望のPEKデンドロン残基の分岐末端基
を導入できる。例えば、フェノールを縮合することによ
り図2の化合物5のようにフェニル末端を導入可能であ
る。化合物5は第1世代のPEKデンドロンであるが、
これのFP末端を活性化して第2世代のPEKデンドロ
ン合成に使用するために、FP末端のメトキシ基の脱メ
チル化により相当するフェノール性水酸基(化合物6)
に変換する。この脱メチル化反応は、前記のA.Mor
ikawa;Macromolecules,32巻,
1062−1068頁(1999)に報告されているよ
うに、塩化アルミニウムをベンゼン等の溶媒中で作用さ
せて可能である。こうしてFP末端が活性化された第1
世代のPEKデンドロン(化合物6)を前記のFBA
(化合物4)の分岐末端と前記のエーテル合成反応によ
り縮合させ、第2世代のPEKデンドロン(化合物7)
を得る。こうして得られる化合物7のFP末端のメトキ
シ基は前記の塩化アルミニウムを作用させる脱メチル化
反応により相当するフェノール性水酸基(化合物8)に
変換されるので、前記化合物7を得たと同様のエーテル
合成反応を用いてFP末端にフェノール性水酸基を有す
る任意世代のPEKデンドロンをFBAと縮合すること
で1世代大きなPEKデンドロンが合成可能である。
【0029】前記式(6)の構造を必須繰返し単位とす
るPEKデンドロンの骨格は、例えば図3に記載の手順
でフェニル基を分岐末端に有する骨格が合成可能であ
る。図3における分岐末端単位となる化合物9は、前記
のA.Morikawaら;Polymer Jour
nal,32巻,234−242頁(2000)に記載
のエーテル化反応を応用して4,4’−ジフルオロベン
ゾフェノン1分子にフェノール1分子を縮合して合成さ
れる。化合物9は3,5−ジヒドロキシベンジルアルコ
ール(以下、3,5−DHBと略記する。)の2つのフ
ェノール性水酸基と縮合して分岐末端の分岐単位(化合
物10)を与える。化合物10のアルコール性水酸基
は、例えば四臭化炭素とトリフェニルホスフィンを使用
する臭素化反応により高収率で相当する臭素化物(化合
物11)に変換される。一方、前記のA.Morika
waら;Polymer Journal,32巻,2
34−242頁(2000)で報告されている化合物1
2はピリジン塩酸塩と加熱する前記の脱メチル化反応に
より分岐単位の重要な原料(化合物13)に変換され
る。この化合物13のフェノール性水酸基は、比較的穏
やかな塩基性条件においてベンジルブロミド誘導体であ
る前記の化合物11と選択的に縮合させて化合物14に
誘導することが可能である。化合物14は、前記の化合
物10を得る反応と同様に3,5−DHBと縮合して世
代数の大きなアルコールデンドロン(化合物15)を与
え、これは前記同様の臭素化反応により相当する臭素化
物(化合物16)に変換可能である。
【0030】前記の一般式(4)で表されるFP末端が
PPhE主鎖とエステル結合する場合に用いられるPE
Kデンドロンとして、FP末端基としてカルボキシル基
(活性化された酸ハロゲン化物基として実際に用いるの
が好適である)を有するものが有用である。かかるPE
Kデンドロンは、下記の図4に示すような手順で合成可
能である。即ち、前記の図2に記載のFBA(化合物
4)のメトキシ基をピリジン塩酸塩との混合加熱反応に
より水酸基に変換し、大量の水中に投入して単離精製し
て化合物17を得る。この化合物17は、次いで4−フ
ルオロベンゾニトリルを例えばカリウムt−ブトキシド
等の塩基の存在下に作用させるエーテル合成反応によ
り、FP末端基としてニトリル基を有する第1世代デン
ドロン(化合物18)を与える。このエーテル合成反応
は、例えばN,N−ジメチルアセトアミド等の非プロト
ン性極性溶媒中で好適に進行し、必要に応じて例えば1
20〜150℃程度に加熱してもよい。このニトリルデ
ンドロン(化合物18)は蒸留による溶媒の除去と抽出
精製の後、メタノールからの再結晶精製が可能であり、
次いで硫酸触媒でのニトリル基の加水分解により相当す
るカルボン酸デンドロン(化合物19)に変換可能であ
る。かかる加水分解反応の溶媒として例えば酢酸が好適
であり、生成物は反応液の水への投入により析出させて
の単離が可能である。更にかかるカルボン酸デンドロン
(化合物19)は、硫酸触媒でのエステル化(Fisc
her法)を、例えばメタノールやエタノール等の乾燥
した低級アルコール中で行い、適宜生成する水を蒸留除
去して平衡を生成物側にずらしながら相当するエステル
デンドロン(化合物20)に変換することが可能であ
る。該エステルデンドロンは、例えば、前記のニトリル
デンドロン(化合物18)を無水エタノール中で乾燥し
た塩化水素ガスを吹き込んで反応させるような加アルコ
ール分解反応によっても得られる。このエステルデンド
ロン(化合物20)の分岐末端のフッ素原子は、例えば
フェノールとの縮合をカリウムt−ブトキシド等の塩基
の存在下に作用させるエーテル合成反応によりフェノキ
シ末端(化合物21)に変換可能である。次いでFP末
端のエステル基を例えば硫酸触媒での加水分解によりカ
ルボキシル基に変換して、相当するカルボン酸デンドロ
ン(化合物22)とすることができる。かかる加水分解
反応の溶媒として例えばジクロロ酢酸が好適であり、例
えば100℃で8時間程度といった比較的激しいプロト
ン酸性条件が使用可能である。かかる加水分解生成物
は、例えば反応液への水の投入及び抽出により単離し、
更にシリカゲルクロマトグラフィで精製可能である。更
に、第2世代のカルボン酸PEKデンドロンの合成方法
を説明する。前記の化合物20の分岐末端フッ素原子を
前記図2中の化合物6のフェノール性水酸基とカリウム
t−ブトキシド等の塩基の存在下に縮合して第2世代の
エステルデンドロン(化合物23)を得る。そしてFP
末端のエステル基を前記の化合物22を得た場合と同様
にジクロロ酢酸を溶媒とした硫酸触媒での加水分解によ
りカルボキシル基に変換して、相当するカルボン酸デン
ドロン(化合物24)とすることができる。第3世代以
上のカルボン酸デンドロンの合成は、前記の化合物23
の合成で使用した化合物6の代わりに、前記の図2の手
順で調製されるFP末端がフェノール性水酸基である任
意世代のPEKデンドロン(例えば図2中の化合物8)
を使用して、同様に可能である。
【0031】なお、以上に例示の製造方法でわかるよう
に、本発明で用いられるPEKデンドロン残基は硫酸や
ジクロロ酢酸のような強酸が存在するプロトン酸性水性
溶媒中で非常に安定である。これは、該PEK構造の化
学的安定性を示す特徴の1つである。 [PEKデンドロン残基を側鎖とするPPhEの製造方
法] 1.PEKデンドロンを結合したジエチニレンベンゼン
の製法 本発明のPEKデンドロン残基を側鎖とするPPhE
(以下「PEK側鎖PPhE」と略称する)の製造に
は、ベンゼン環の1位と4位に前記のPEKデンドロン
残基を酸素原子を介して結合した2,5−ジエチニレン
ベンゼン(以下「PEK結合ジエチニレンベンゼン」と
略称する)が必須原料として使用される。かかるPEK
結合ジエチニレンベンゼンは、例えば以下の手順で合成
される。
【0032】まず、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジ
ヨードベンゼンを、例えばC.Wederら;Macr
omolecules,29巻,5157−5165頁
(1996)に記載の方法、即ち、1,4−ジメトキシ
ベンゼン等の1,4−ジアルコキシベンゼン類にヨウ素
を付加して得る1,4−ジアルコキシ−2,5−ジヨー
ドベンゼンを次いでヨウ化アルミニウム等のルイス酸に
より脱アルキル化して得ることができる。こうして得る
1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヨードベンゼンに過
剰当量のトリメチルシリルアセチレンを有機金属触媒と
塩基(例えばジイソプロピルアミン等の2級アミン類)
の存在下に作用させて、1,4−ジヒドロキシ−2,5
−ビス(トリメチルシリルエチニル)ベンゼンが得られ
る。ここで使用される有機金属触媒としては、例えば塩
化第一銅とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(II)との1:1併用系等の遷移金属のトリ
フェニルホスフィン錯体が好適に使用される。これを塩
基性条件で脱トリメチルシリル化して、重要な合成中間
体である1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジエチニルベ
ンゼン(以下、DHDEBと略記する)が得られる。次
いで、前記の任意のPEKデンドロン残基をDHDEB
の2つの水酸基に縮合結合させるが、この縮合結合の方
法としては下記の一般式(7)、一般式(8)及び一般
式(9)に示す3つの方法が例示される。
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】(但し、一般式(7)、一般式(8)及び
一般式(9)におけるL1、L2及びL 3は、それぞれ一
般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)におけるも
のと同一であり、一般式(8)及び一般式(9)のそれ
ぞれにおけるx及びyは、それぞれ一般式(3)及び一
般式(4)におけるものと同一である。また、一般式
(8)におけるX1及び一般式(9)におけるX3はとも
に、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキルスルホ
ニルオキシ基及びアリールスルホニルオキシ基からなる
群から任意に選択される脱離基を表し、一般式(9)に
おけるXはハロゲン原子を表す。) 前記の一般式(7)に示す方法は、FP末端基としてフ
ェノール性水酸基を有する任意のPEKデンドロン残基
(例えば前記の図2における化合物6や化合物8等)を
ベンゾフェノン構造を介して結合したPEK結合ジエチ
ニレンベンゼンを与え、これは前記一般式(2)に記載
のPEK側鎖PPhEの原料となるものである。即ち、
前記のA.Morikawaら;Polymer Jo
urnal,32巻,234−242頁(2000)に
記載のエーテル化反応を応用して、4,4’−ジフルオ
ロベンゾフェノン1分子に対してPEKデンドロン1分
子を炭酸カリウム等の塩基の存在下にFP末端フェノー
ル性水酸基において縮合してエーテル結合させ、次いで
もう1つのフッ素原子をDHDEBのフェノール性水酸
基と同様に縮合してエーテル結合させる。つまり、この
方法は、芳香環に結合したエーテル結合を形成可能なフ
ッ素原子をFP末端に有する任意のPEKデンドロンを
同様にDHDEBに対して縮合させる方法にも応用可能
なので、例えば前記の図3における化合物14を同様に
DHDEBに対して縮合させる方法も例示される。
【0037】前記の一般式(8)に示す方法は、FP末
端基として前記のX1で表される脱離基を有する任意の
PEKデンドロン残基(例えば前記の図3における化合
物11や化合物16等)をベンジルエーテル構造を介し
て結合したPEK結合ジエチニレンベンゼンを与え、こ
れは前記一般式(3)に記載のPEK側鎖PPhEの原
料となるものである。即ち、まずポリヒドロキシベンジ
ルアルコール類(例えば前記の3,5−DHBや3,
4,5−トリヒドロキシベンジルアルコール等)に対し
てPEKデンドロンを炭酸カリウム(18−クラウン−
6エーテルを共存させると好適な場合がある)等の塩基
の存在下にFP末端を介して縮合してエーテル結合さ
せ、次いでベンジルアルコール構造(構造式a)を例え
ば四臭化炭素とトリフェニルホスフィンを使用する前記
の臭素化反応により相当するベンジルブロミド構造(構
造式b)に変換し、最後に該ベンジルブロミド構造を炭
酸カリウム等の塩基の存在下にDHDEBのフェノール
性水酸基と縮合してエーテル結合させる。つまり、この
方法は、ベンジルブロミド構造をFP末端に有する任意
のPEKデンドロンを同様にDHDEBに対して縮合さ
せる方法にも応用可能なので、例えば前記の図3におけ
る化合物11や化合物16を直接同様にDHDEBに対
して縮合させる方法も例示される。なお、前記の脱離基
1として好適に用いられる具体例としては、臭素原
子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基(メシルオ
キシ基)、p−トルエンスルホニルオキシ基(トシルオ
キシ基)等であり、中でも臭素原子は合成容易性におい
て最も好適に用いられる。
【0038】前記の一般式(9)に示す方法は、FP末
端基として前記のX3で表される脱離基を有する任意の
PEKデンドロン残基(例えば前記の図3における化合
物11や化合物16等)を安息香酸エステル構造を介し
て結合したPEK結合ジエチニレンベンゼンを与え、こ
れは前記式一般式(4)に記載のPEK側鎖PPhEの
原料となるものである。即ち、まずポリヒドロキシ安息
香酸エステル類(例えば3,5−ジヒドロキシ安息香酸
エチルや3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸メチル
等)に対してPEKデンドロンを炭酸カリウム(18−
クラウン−6エーテルを共存させると好適な場合があ
る)等の塩基の存在下にFP末端を介して縮合してエー
テル結合させ、次いで安息香酸エステル構造(構造式
d)を例えば水酸化カリウム等の強塩基を用いた加水分
解反応により相当する安息香酸構造(構造式e)に変換
し、更に該安息香酸構造を塩化チオニル等により安息香
酸の酸ハロゲン化物構造(構造式f)として活性化し、
最後にこれを塩基の存在下にDHDEBのフェノール性
水酸基と縮合してエステル結合させる。つまり、この方
法は、カルボキシル基をFP末端に有する任意のPEK
デンドロンを同様にDHDEBに対して縮合させる方法
にも応用可能なので、例えば前記の図4における化合物
19、化合物22あるいは化合物24を直接同様にDH
DEBに対して縮合させる方法も例示される。なお、前
記の脱離基X3として好適に用いられる具体例は、前記
の脱離基X1の場合の記載と同一である。
【0039】前記に例示したPEKデンドロン残基をD
HDEBに結合する方法を2種類組み合わせて、2種の
PEKデンドロン残基を有するPEK結合ジエチニレン
ベンゼンを得ることも可能である。 2.重縮合によるPEK側鎖PPhEの製法 PEK側鎖PPhEは、前記のPEK結合ジエチニレン
ベンゼン(1当量)と1,4−ジヨードベンゼンに代表
される1,4−ジハロベンゼン(1当量)とを有機金属
触媒と塩基(例えばジイソプロピルアミン等の2級アミ
ン類)の存在下に縮合する重合(重縮合)により好適に
合成され、この時、乾燥したTHF等の溶媒を使用する
と生成する高分子による極端な増粘の回避等の点で好適
な場合があり、また攪拌を加えた方が反応の収率や速度
の点で有利な場合が多い。また、該重縮合反応の任意の
段階(通常は後期)においてエチニルベンゼンやヨード
ベンゼン等の1官能化合物を添加すると、生成高分子の
分子量分布が好ましく調整される場合がある。かかる1
官能化合物のかかる効果の機構は必ずしもよく理解され
ていないが、末端停止剤、即ち分子量調節剤として機能
しているとも推測される。
【0040】かかる重縮合反応に用いられる有機金属触
媒としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)とヨウ化第一銅の1:1併用系等の遷移
金属のトリフェニルホスフィン錯体が好適に使用され、
その使用量は通常0.001〜0.5当量、好ましくは
0.01〜0.1当量程度とする。前記の重縮合の反応
温度は、通常0〜100℃、好ましくは20〜80℃、
更に好ましくは40〜60℃程度とし、その反応時間は
該反応温度にも依存するが、例えば50℃程度の反応温
度では通常3〜70時間、反応の収率と生産性から好ま
しくは10〜50時間、更に好ましくは15〜30時間
程度となる。
【0041】生成するPEK側鎖PPhEの精製方法に
制限はないが、例えば、溶液を貧溶媒中に注入して析出
せしめる沈殿法により好適に精製単離可能である。かか
る沈殿法の具体的方法としては、PEK側鎖PPhEの
良溶媒(例えばTHFやクロロホルム等)の溶液を過剰
容量の貧溶媒(例えばメタノールやエタノール等のアル
コール類、水、等)中に十分な攪拌を加えながら、場合
によっては氷冷等により冷却しながら加える。
【0042】[樹脂組成物]本発明のPEK側鎖PPh
Eは、任意の樹脂をマトリクスとする樹脂組成物として
使用してもよい。ここでいう樹脂とは合成樹脂でも天然
樹脂でもよい高分子材料であり、特に透明性を有する非
晶性樹脂が好ましく用いられる。ここでいう非晶性樹脂
とは、樹脂成形産業において汎用的に行われている溶融
成形手段により可視領域で透明な非晶性成形体を与える
重合体であり、例えば、ポリスチレン、スチレン/α−
メチルスチレン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共
重合体、スチレン/メチルメタクリレート共重合体、ス
チレングリシジルメタクリレート共重合体等のスチレン
系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリ
レート、ポリエチルメタクリレート、ポリエチルアクリ
レート、ポリt−ブチルメタクリレート、ポリフェニル
メタクリレート、ポリベンジルメタクリレート、ポリア
ダマンチルアクリレート、ポリメタクリル酸、ポリアク
リル酸、ポリアクリルアミド、メチルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体等のアクリル系樹脂、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェ
ノールA)を原料とするポリカーボネート、2,2−ビ
ス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(通称ビスフェノールC)を原料とするポリカーボネー
ト、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニル
エタン(通称ビスフェノールP)を原料とするポリカー
ボネート等の芳香族ポリカーボネート樹脂、水素添加ポ
リスチレン、ポリ(3−メチル−1−ブテン)等の非晶
性ポリオレフィン等が例示でき、これらのうち光線透過
率や成形温度の点で好適なのは、ポリスチレン、スチレ
ン/α−メチルスチレン共重合体、スチレン/無水マレ
イン酸共重合体、スチレングリシジルメタクリレート共
重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリメチルアクリレート、ポリエチルメタクリレー
ト、ポリエチルアクリレート、ポリアダマンチルアクリ
レート、ポリメタクリル酸、メチルメタクリレート/メ
タクリル酸共重合体等のアクリル系樹脂、及びビスフェ
ノールA系ポリカーボネート、ビスフェノールC系ポリ
カーボネート、ビスフェノールP系ポリカーボネート等
の芳香族ポリカーボネート樹脂であり、中でもポリスチ
レン等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、
ポリメチルアクリレート、メチルメタクリレート/メタ
クリル酸共重合体等のアクリル系樹脂、及びビスフェノ
ールA系ポリカーボネート、ビスフェノールP系ポリカ
ーボネート等の芳香族ポリカーボネート樹脂が更に好適
であり、ポリメチルメタクリレートとビスフェノールA
系ポリカーボネートが最も好適である。
【0043】かかる樹脂組成物を製造する方法には特に
制限はなく、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、
トルエン、塩化メチレン、クロロホルム等の溶剤中での
溶液混合、あるいは単軸押出機、二軸押出機、ブラベン
ダー、ロールミキサー等による溶融混合等の汎用的手段
が可能である。また、樹脂原料であるモノマー類に前記
のPEK側鎖PPhEを溶解しておき、次いでかかるモ
ノマー溶液を重合せしめる方法(以下「モノマー混合
法」と呼ぶ)も可能である。かかるモノマー混合法に好
適なモノマー類としては、メチルメタクリレート、n−
ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、アクリロ
ニトリル等のアクリル酸誘導体が例示される。更に、ビ
スフェノールA系ポリカーボネート等の芳香族ポリカー
ボネート樹脂の重合系(例えば塩化メチレンを溶媒とす
る界面重合法やピリジン法)の有機溶液相に該PEK側
鎖PPhEを溶解しておく方法も可能である。
【0044】かかる樹脂組成物において、前記のPEK
側鎖PPhEの含量(重量百分率)は通常0.1%〜9
5%程度であり、樹脂組成物に該PEK側鎖PPhEの
光学特性を付与する効果の点では該含量の下限は好まし
くは1%、より好ましくは5%程度とし、一方樹脂組成
物の機械的強度の観点からは該含量の上限は好ましくは
80%、より好ましくは70%程度とする。なお、かか
る樹脂組成物には、本発明の効果を著しく損なわない限
りにおいてガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、マイカ、タルク、モンモリロナイト、スメクタイ
ト、合成マイカ、合成スメクタイト等の無機フィラー、
スチレン系熱可塑性エラストマーやアクリルゴム等のゴ
ム成分、樹脂ビーズ、中空ビーズ、熱安定剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、難燃剤、ワセリンやグリセリンエス
テル等の可塑剤や滑剤、金属粉、半導体粉、黒鉛、樹脂
粉、色素、染料、蛍光染料、顔料、相溶化剤等、任意の
添加剤を加えてもよい。
【0045】[薄膜状成形体とその製造方法]本発明
は、前記のPEK側鎖PPhEを含有し、基板上に塗布
されてなる薄膜状成形体を提供する。本発明の薄膜状成
形体は、その厚み、面積、形状及び面の性質(例えば平
面、球面、曲面、凹面、凸面、多孔質の面、平滑性、あ
るいは厚さの分布等の属性)に制限はないが、例えば該
薄膜状成形体の両面間の最短距離で定義される厚みとし
て、通常0.01μm〜1000μm程度の範囲とし、
好ましくは0.05μm〜100μm、更に好ましくは
0.1μm〜50μm程度の範囲とする。かかる厚み
は、1つの薄膜状成形体において分布を有していてもよ
い。かかる薄膜状成形体は、本発明のPEK側鎖PPh
Eのみから構成されていても、あるいは前記の樹脂組成
物としてPEK側鎖PPhEを含有していてもよい。
【0046】本発明の薄膜状成形体の具体的形態として
は、平面状あるいは曲面状のフィルム又はシート、レン
ズ状、中空のチューブ状薄膜(断面形状は任意)、中空
の立体(例えば球状や箱状等)薄膜等が例示され、これ
らは任意の基板に接触していてもよい。かかる基板の材
質としては、石英ガラス等の無機ガラス、PMMA等の
アクリル樹脂、ポリスチレン等のスチレン樹脂、ビスフ
ェノールA系ポリカーボネート等の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂に代表される合成樹脂、アルミニウム、チタ
ン、銅、金、白金等の金属、黒鉛、ダイヤモンド、非晶
性カーボン等の炭素材料、シリコン、ゲルマニウム、チ
タニア、ジルコニア等の半導体やセラミクス、あるいは
水、エタノール、水銀等の液体等が例示され、これら材
質は例えば蒸着による表面コーティング層等の形態で積
層構造を成していてもよい。
【0047】[高分子主鎖の分子配向]前記の薄膜状成
形体は、PPhE分子鎖の剛直性を利用したPEK側鎖
PPhEの高分子主鎖が一方向に分子配向している場合
には、特に著しい光学的異方性を示す特徴を獲得するの
で有用である。かかる分子配向は、前記の樹脂等のマト
リクス物質を含まない状態、即ちPEK側鎖PPhE自
身で薄膜状成形体を形成する場合に実現が容易になると
考えられる。
【0048】ここでいう「分子配向」とは、非屈曲性の
棒状分子と見なされるPEK側鎖PPhEの高分子鎖が
一定方向(即ち分子配向方向)に並ぶ分子配置概念であ
る。本発明における「一方向に分子配向している」状態
とは、与えられた薄膜状成形体がかかる分子配向に帰属
される放射線回折パターンを有意に与える状態、より具
体的には該回折パターン強度の回折角依存スペクトルに
おいて有意な極大値が存在する状態として定義される。
かかる放射線としては通常エックス線が用いられるが、
与えられた薄膜状成形体の分子配向状態によっては、よ
り長い波長の放射線として電子線や中性子線等の素粒子
線を使用してもよい。本発明の薄膜状成形体においてか
かる分子配向の方向は、通常、該薄膜状成形体の表面と
平行方向に存在する。
【0049】かかる一方向に分子配向している状態(以
下「一方向分子配向」と呼ぶ)の定量的定義として、以
下に説明する回折強度条件が例示される。即ち、与えら
れた薄膜状成形体表面の法線方向から前記の放射線ビー
ムを入射した場合に得られる回折強度の回折角依存スペ
クトルの積分値を考えたとき、回折強度極大方向の偏角
5度以内の該積分値の、全角度方向の該積分値に対する
百分率(以後「配向度」と呼ぶ)が通常40%以上とな
る回折強度極大方向が存在する状態、である。該配向度
は、本発明の薄膜状成形体において好ましくは60%以
上、更に好ましくは70%以上である。
【0050】本発明の薄膜状成形体の有する前記の一方
向分子配向は、走査型電子顕微鏡(SEM)による任意
方向の破断面(例えば液体窒素温度に冷却後の脆性破壊
面)、切断面、あるいは表面等の異方性形態(モルホロ
ジー)観察、あるいは偏光透過率の異方性が見られるこ
と等により、その存在を推定することも可能である。即
ち、かかる異方性形態や偏光透過率の異方性を示すPE
K側鎖PPhEからなる薄膜状成形体は、通常、前記の
一方向分子配向の定義を満たすので、かかる場合には本
発明の薄膜状成形体に該当するものである。
【0051】[薄膜状成形体の製造方法]前記の薄膜状
成形体を製造する方法に制限はなく、溶液塗布法や溶融
成形法等の公知の手段を使用してよいが、前記のような
PPhE高分子主鎖が一方向に分子配向した状態を得る
好適な方法として、本発明のPEK側鎖PPhEを含有
する溶液(以下「高分子溶液」と記す)を、一方向への
せん断印加条件において前記の任意の基板上に塗布する
方法、あるいは薄膜状成形体を分子配向方向に延伸する
方法等が例示される。
【0052】かかる高分子溶液に用いられる溶媒として
は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)や1,4−
ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、塩化メチ
レンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリ
ドン等の非プロトン性アミド類等が例示される。また、
該溶液におけるPEK側鎖PPhEの濃度には制限はな
いが、25℃における該溶液の粘度として通常1〜10
000mPa・秒(即ちセンチポイズ)、生産性や流動
性制御の点から好ましくは5〜5000mPa・秒、更
に好ましくは10〜1000mPa・秒程度とし、一
方、溶液中の重量濃度として通常1〜90重量%、生産
性や流動性制御の点から好ましくは5〜80重量%、更
に好ましくは10〜70重量%程度とする。。
【0053】前記の「一方向へのせん断印加条件」と
は、該溶液が任意の基板に接触した状態で一方向に印加
されるせん断であり、該せん断による該溶液中でのPE
K側鎖PPhE分子の分子配向促進により、前記の一方
向分子配向を形成させる意図で後述する機械的手段によ
り印加されるものである。換言すれば、せん断が該溶液
中において一方向のみに生じていることを必要条件とす
るものではなく、該機械的手段による一方向へのせん断
印加操作により例えば乱流等の不確定要素に起因する意
図しない方向への局所的流動が溶液中に生じたとして
も、該操作が本発明における一方向へのせん断印加に該
当することを否定するものとはならない。
【0054】また、意図しない方向へのせん断印加を含
む複合操作を行った結果として、基板に接触した溶液中
で実質的に意図する方向へのせん断を生じさせる場合
も、かかる一連の操作全体として本発明における一方向
へのせん断印加に該当する。かかる場合の例として、例
えば、意図する方向に対してある偏角を有する複数の異
なる強度のせん断を印加した溶液を合流させ、かかる複
数のせん断ベクトルの和が意図する方向への合一せん断
ベクトルとなるような操作設計が考えられる。
【0055】前記の一方向へのせん断印加のための機械
的手段に制限はないが、例えば基板上を一方向に移動す
るTダイから溶液を吐出する方法、静止した基板上に任
意形状の吐出口から溶液を押し出して一方向に流延する
方法(この時溶液の流延を促進するのに重力を利用すべ
く該基板を傾けてもよい)、一方向に移動する基板(例
えばベルト状基板等)上に静止した任意形状の吐出口か
ら溶液を押し出す方法、一方向に移動する基板上に一方
向に移動する任意形状の吐出口から溶液を押し出す方
法、溶液中に浸漬した基板を引き上げその表面に該引き
上げ方向のせん断を生じさせる方法、基板寸法よりもわ
ずかに大きい寸法の内形状を有する容器内部に溶液を満
たし、この容器内部を該基板を通過させてその表面にせ
ん断を生じさせる方法、密着する2つの面(例えば2平
面あるいは非常に近い曲率半径を有する2円筒面)の間
に溶液を挟み、該2つの面の一方を一方向に滑らせて挟
まれた該溶液にせん断を生じさせる方法、等が挙げられ
る。かかるせん断印加時あるいはその直後に、必要に応
じて溶液に含まれる溶媒等の揮発成分を除去する操作を
並行させてもよい。
【0056】前記の機械的手段により基板に接触した前
記の溶液に生じる一方向へのせん断の大きさ(せん断速
度)は該溶液の粘度や濃度に応じて調整され、また本発
明の薄膜状成形体を与える限りにおいて制限はないが、
通常0.1〜10000秒-1、生産性と流動制御性の点
で好ましくは1〜1000秒-1、更に好ましくは10〜
500秒-1程度の範囲とする。
【0057】かかる一方向へのせん断印加条件により高
分子溶液から製造されたPEK側鎖PPhEを主体とす
る薄膜状成形体に、前記の延伸を加えて一方向分子配向
を更に促進してもよい。なお、本発明の薄膜状成形体を
製造する際に、本発明の効果を著しく損なわない限りに
おいてガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、マ
イカ、タルク、モンモリロナイト、スメクタイト等の無
機フィラー、カーボンナノチューブ等のナノフィラー、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リエステル、ポリアミド等の熱可塑性樹脂、スチレン系
熱可塑性エラストマーやアクリルゴム等のゴム成分、金
属粉、半導体粉、黒鉛、樹脂粉、あるいは樹脂ビーズ等
の充填材類、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難
燃剤、ワセリンやグリセリンエステル等の可塑剤や滑剤
等の添加剤類、色素、染料、蛍光染料、顔料等の着色剤
類等、任意の添加成分を加えてもよい。
【0058】
【実施例】次に実施例により本発明の具体的態様を更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
これらの実施例によって限定されるものではない。 [測定装置と条件等] (1)NMRスペクトル・・・日本電子(株)製JNM
−GSX400型を使用し、溶媒は特に断らない限りC
DCl3 を使用した。 (2)赤外吸収(IR)スペクトル・・・(株)島津製
作所製IR435型を使用し、KBr錠剤法により測定
した。
【0059】[PEKデンドロン残基の合成]以下の合
成例1〜合成例16において様々なPEKデンドロン残
基の合成例を説明する。 合成例1・・・FBA(化合物4) 前記図2中の化合物4であるFBAの合成は、前記の
A.Morikawaら;Macromolecule
s,26巻,6324−6329頁(1993)の記載
に従い、市販の5−ヒドロキシイソフタル酸(図2中の
化合物1;1当量)を出発原料として行った。即ち、ま
ず、ジメチル硫酸(10当量)を2モル濃度の水酸化ナ
トリウム水溶液中で80℃で30分作用させた後に塩酸
を加えて弱酸性として、フェノール性水酸基をメチルエ
ーテルに変換した化合物(化合物2)の結晶を濾別洗浄
して得た。この化合物は真空乾燥し、次いで、チオニル
クロリドを反応試剤兼溶媒とし、少量のN,N−ジメチ
ルホルムアミドを添加して加熱還流させた。原料が溶解
したところで過剰のチオニルクロリドを蒸留除去した
後、減圧蒸留により2つのカルボキシル基を酸塩化物基
に変換した化合物(化合物3)を得た。最後に、塩化ア
ルミニウム(酸塩化物基に対して1.1当量)を攪拌分
散したモノフルオロベンゼン(反応試剤兼溶媒)を氷冷
し、ここに前記で調製した酸塩化物のモノフルオロベン
ゼン溶液を滴下した。室温で3時間攪拌後、反応液を氷
水に攪拌とともに投入し、有機相を分液し、水相は塩化
メチレンで抽出し、これらの有機相を集めて無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後溶媒を留去した。このFriedel
−Crafts反応生成物を減圧蒸留により精製したと
ころ、前記報告とNMR及びIRスペクトルが一致した
ので、目的とするFBAの生成を確認した。
【0060】合成例2・・・3,5−ビス(4−フェノ
キシベンゾイル)フェノール(化合物6) 前記のA.Morikawaら;Macromolec
ules,32巻,1062−1068頁(1999)
の報告に従って合成した。即ち合成例1で得たFBAに
対して、フェノール(FBAに対して2.2倍モル)を
無水炭酸カリウム(FBAに対して2倍モル)の存在
下、N,N−ジメチルアセトアミドとトルエンの混合溶
媒中で加熱して縮合させ、この反応の完結を確認した
後、溶媒を減圧留去した。この残渣を水洗と塩化メチレ
ンによる抽出で粗精製し、酢酸から再結晶して3,5−
ビス(4−フェノキシベンゾイル)アニソール(前記図
2中の化合物5)を得た。次いで、この化合物5に対し
て1.5倍モルの塩化アルミニウムを加熱還流条件のベ
ンゼン中で作用させる脱メチル化反応を行い、反応の完
結を確認したところで反応液を大量の氷水に投入し水洗
抽出して得た粗生成物をトルエンから再結晶して、3,
5−ビス(4−フェノキシベンゾイル)フェノール(図
2中の化合物6)を得た。この構造は、前記報告とNM
R及びIRスペクトルが一致したことから確認した。
【0061】合成例3・・・第2世代のPEKデンドロ
ン(化合物8) 前記のA.Morikawa;Macromolecu
les,32巻,1062−1068頁(1999)に
報告されているように、前記の合成例2の一連の合成操
作において、フェノールの代わりに合成例2で得る3,
5−ビス(4−フェノキシベンゾイル)フェノール(前
記図2中の化合物6)を使用することで、前記図2中の
化合物8であるフェノール性水酸基をFP末端に有する
第2世代のPEKデンドロンを得ることができる。但
し、精製にはシリカゲルカラムクロマトグラフィを使用
し、展開溶媒としては図2中の化合物7の段階では塩化
メチレン/酢酸エチル(混合比を100/0→98/2
へ徐々に変化させる)を、化合物8の精製には塩化メチ
レン/酢酸エチル(混合比を100/0→90/10へ
徐々に変化させる)が、それぞれ好適に使用される。
【0062】合成例4・・・3,5−ジメトキシ−4’
−(4−フルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル(化
合物12) 前記のA.Morikawaら;Polymer Jo
urnal,32巻,234−242頁(2000)に
報告されているように、4,4’−ジフルオロベンゾフ
ェノン(1当量)、3,5−ジメトキシフェノール(1
当量)、及び炭酸カリウム(1当量)をトルエンとDM
Acの混合溶媒中で130〜160℃で縮合して、3,
5−ジメトキシ−4’−(4−フルオロベンゾイル)ジ
フェニルエーテル(前記図3中の化合物12)を合成可
能である。この反応終了後、濃縮して得る残渣を塩化メ
チレンと水に溶解分液して水溶性物質を取り除き、有機
相を乾燥後濃縮して得る粗生成物を3回蒸留して精製さ
れた化合物12を得ることができる。
【0063】合成例5・・・3,5−ジヒドロキシ−
4’−(4−フルオロベンゾイル)ジフェニルエーテル
(化合物13) 前記のA.Morikawaら;Polymer Jo
urnal,32巻,234−242頁(2000)に
報告されている脱メチル化反応を転用して、前記の合成
例4で得る3,5−ジメトキシ−4’−(4−フルオロ
ベンゾイル)ジフェニルエーテル(前記図3中の化合物
12)をピリジン塩酸塩中で加熱し、3,5−ジヒドロ
キシ−4’−(4−フルオロベンゾイル)ジフェニルエ
ーテル(化合物13)に変換することができる。反応液
を大量の水中に投入し、酢酸エチルで抽出し、有機相を
乾燥後濃縮して得る残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ(展開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル混合系)
により該化合物13を精製可能である。
【0064】合成例6・・・4−(4−フルオロベンゾ
イル)ジフェニルエーテル(化合物9) 前記の合成例4の合成操作において、3,5−ジメトキ
シフェノールの代わりにフェノールを使用して前記図3
中の化合物9を同様に合成可能である。 合成例7・・・第1世代のブロミドPEKデンドロン
(化合物11) 前記のA.Morikawaら;Polymer Jo
urnal,32巻,255−262頁(2000)に
報告されている反応条件を転用し、3,5−ジヒドロキ
シベンジルアルコール(1当量)に対して合成例6で得
る前記図3中の化合物9(2当量)を炭酸カリウム(2
当量)の共存下、トルエンとDMAcの混合溶媒中で1
30〜150℃で縮合して、第1世代のアルコールPE
Kデンドロン(図3中の化合物10)を合成可能であ
る。反応終了後、濃縮して得る残渣を塩化メチレンと水
に溶解分液して水溶性物質を取り除き、有機相を乾燥
後、濃縮して得る粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィ(展開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル混合
系)により精製して該化合物10の精製品を得る。これ
に、乾燥したテトラヒドロフラン(以下、THFと略記
する)中で四臭化炭素(1.25当量)とトリフェニル
ホスフィン(1.25当量)を作用させる臭素化反応に
より、相当するブロミドデンドロン(図3中の化合物1
1)に変換可能である。この臭素化反応の反応液を反応
終了後、大量の氷水中に投入し、塩化メチレンで抽出し
た有機相を乾燥後濃縮し、得られる粗生成物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:塩化メチレン/
酢酸エチル混合系)により精製して該化合物11の精製
品を得ることができる。
【0065】合成例8・・・第2世代のPEKデンドロ
ン(化合物14) 前記のA.Morikawaら;Polymer Jo
urnal,32巻,255−262頁(2000)に
報告されているように、比較的求核反応を受けやすい芳
香環に結合したフッ素原子とフェノール性水酸基とを有
する基質にベンジルブロミド誘導体を選択的に該フェノ
ール性水酸基に縮合する反応が可能であるので、これを
転用して以下のように合成可能である。即ち、前記の合
成例5で得る3,5−ジヒドロキシ−4’−(4−フル
オロベンゾイル)ジフェニルエーテル(1当量;前記図
3中の化合物13に相当)に対して前記の合成例7で得
る第1世代のブロミドPEKデンドロン(2当量;化合
物11に相当)を炭酸カリウム(2当量)と18−クラ
ウン−6−エーテル(約0.2当量)の共存下で加熱還
流アセトン中で縮合する。反応終了後、濃縮して得る残
渣を塩化メチレンと水に溶解分液して水溶性物質を取り
除き、有機相を乾燥後、濃縮して得る粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:塩化メチレン
/酢酸エチル混合系)により精製して第2世代のPEK
デンドロン(図3中の化合物14)の精製品を得る。
【0066】合成例9・・・第3世代のブロミドPEK
デンドロン(化合物16) 前記の合成例7において、合成例6で得る前記図3中の
化合物9の代わりに合成例8で得る化合物14を使用し
て一連の合成操作を同様に行い、第3世代のブロミドP
EKデンドロン(図3中の化合物16)を合成可能であ
る。 合成例10・・・3,5−ビス(4−フルオロベンゾイ
ル)フェノール(化合物17) 前記合成例1で得たFBAをピリジン塩酸塩(FBAの
3倍重量)と混合し、加熱還流し、FBAの消失をTL
Cで確認後、反応液を大量の氷水中に投入して目的物を
単離した(前記図4中の化合物17)。この化合物の構
造は、NMRスペクトルが前記のT.M.Miller
ら著の文献の補遺の報告と一致したことから確認した。
【0067】合成例11・・・フッ素原子を分岐末端に
有する第1世代カルボン酸PEKデンドロン(化合物1
9) 合成例10で得た3,5−ビス(4−フルオロベンゾイ
ル)フェノール(16.9g;50ミリモル、前記図4
中の化合物17)をDMAc(80mL)に溶解し、こ
こにカリウムt−ブトキシド(5.61g;50ミリモ
ル)を加え、これが溶解するまで室温で攪拌した。その
後、4−フルオロベンゾニトリル(30.3g;250
ミリモル)を加え、120℃に加熱して1時間攪拌し、
溶媒を減圧留去した。得られた残渣に水(200mL)
を加え、塩化メチレンで3回抽出した。この抽出で得ら
れた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、
減圧濃縮した。こうして得た残渣は、塩化メチレンを展
開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィにより
精製し、更にメタノールで再結晶した。この生成物の構
造は、IRスペクトルにおいてニトリル基(2230c
-1)とケトンに相当するカルボニル基(1670cm
-1)の各吸収帯を、プロトンNMRスペクトルにおいて
ニトリル基が結合するベンゼン環[7.11(ダブレッ
ト,2プロトン)、7.68(ダブレット,2プロト
ン)]、分岐点のベンゼン環[7.68(ダブレット,
2プロトン)、7.90(トリプレット,1プロト
ン)]、及び分岐末端のベンゼン環[7.19(マルチ
プレット,4プロトン)、7.87(マルチプレット,
4プロトン)]にそれぞれ結合するプロトンに帰属され
るシグナルを、それぞれ観測したことから、前記図4中
の化合物18であることを確認した。この化合物18
(10.98g;25ミリモル)を酢酸(80mL)に
溶解し、ここに硫酸(15mL)と水(15mL)を加
え、100℃で10時間攪拌した。その後、反応液を水
(500mL)に投入し、生成した固体を濾別水洗し
た。この固体を減圧乾燥後、塩化メチレン/THF混合
液(19/1)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロ
マトグラフィにより精製した。この生成物の構造は、I
Rスペクトルにおいてカルボキシル基の水酸基(320
0〜2400cm-1)、カルボキシル基のカルボニル基
(1690cm-1)、及びケトンに相当するカルボニル
基(1660cm-1)の各吸収帯を、プロトンNMRス
ペクトルにおいてカルボキシル基が結合するベンゼン環
[7.11(ダブレット,2プロトン)、8.14(ダ
ブレット,2プロトン)]、分岐点のベンゼン環[7.
68(ダブレット,2プロトン)、7.90(トリプレ
ット,1プロトン)]、及び分岐末端のベンゼン環
[7.19(マルチプレット,4プロトン)、7.87
(マルチプレット,4プロトン)]にそれぞれ結合する
プロトンに帰属されるシグナルを、それぞれ観測したこ
とから、前記図4中の化合物19であることを確認し
た。この化合物を以下、FG1−COOHと略記する。
【0068】合成例12・・・フッ素原子を分岐末端に
有する第1世代エステルPEKデンドロン(化合物2
0) 合成例11で得たFG1−COOH(9.17g;20
ミリモル)をエタノール(70mL)に溶解し、ここに
硫酸(0.2mL)を加え加熱還流した。TLCにより
原料の消失を確認後、10重量%炭酸ナトリウム水溶液
(100mL)を加え、塩化メチレンで3回抽出した。
この抽出で得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、濾過し、減圧濃縮した。こうして得た残渣は、塩
化メチレンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマト
グラフィにより精製し、更にメタノールで再結晶した。
この生成物の構造は、IRスペクトルにおいてエステル
基のカルボニル基(1700cm-1)とケトンに相当す
るカルボニル基(1660cm-1)の各吸収帯を、プロ
トンNMRスペクトルにおいてエチル基[1.38(ト
リプレット,3プロトン)、4.38(カルテット,2
プロトン)]、エステル基が結合するベンゼン環[7.
09(ダブレット,2プロトン)、8.07(ダブレッ
ト,2プロトン)]、分岐点のベンゼン環[7.66
(ダブレット,2プロトン)、7.88(トリプレッ
ト,1プロトン)]、及び分岐末端のベンゼン環[7.
19(マルチプレット,4プロトン)、7.87(マル
チプレット,4プロトン)]にそれぞれ結合するプロト
ンに帰属されるシグナルを、それぞれ観測したことか
ら、前記図4中の化合物20であることを確認した。こ
の化合物を以下、FG1−COOEtと略記する。
【0069】合成例13・・・フェノキシ基を分岐末端
に有する第1世代カルボン酸PEKデンドロン(化合物
22) フェノール(1.50g;16ミリモル)をDMAc
(25mL)に溶解し、ここにカリウムt−ブトキシド
(1.80g;16ミリモル)を加え、これが溶解する
まで室温で攪拌した。その後、合成例12で得たFG1
−COOEt(3.41g;7ミリモル)を加え、15
0℃に加熱して2時間攪拌し、溶媒を減圧留去した。得
られた残渣に水(200mL)を加え、塩化メチレンで
3回抽出した。この抽出で得られた有機相を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、濾過し、減圧濃縮した。こうして
得た残渣は、塩化メチレンを展開溶媒とするシリカゲル
カラムクロマトグラフィにより精製した。この生成物の
構造は、IRスペクトルにおいてエステル基のカルボニ
ル基(1700cm-1)とケトンに相当するカルボニル
基(1660cm-1)の各吸収帯を、プロトンNMRス
ペクトルにおいてエチル基[1.38(トリプレット,
3プロトン)、4.38(カルテット,2プロト
ン)]、エステル基が結合するベンゼン環[7.09
(ダブレット,2プロトン)、8.07(ダブレット,
2プロトン)]、分岐点のベンゼン環[7.67(ダブ
レット,2プロトン)、7.90(トリプレット,1プ
ロトン)]、ケトン基と分岐末端側で共役するベンゼン
環[7.03(ダブレット,4プロトン)、7.83
(ダブレット,4プロトン)]、及び分岐末端のベンゼ
ン環[7.10(マルチプレット,4プロトン)、7.
22(マルチプレット,2プロトン)、7.41(マル
チプレット,4プロトン)]にそれぞれ結合するプロト
ンに帰属されるシグナルを、それぞれ観測したことか
ら、前記図4中の化合物21であることを確認した。こ
の化合物21(3.2g;5ミリモル)をジクロロ酢酸
(60mL)に溶解し、ここに硫酸(1mL)と水(5
mL)を加え、100℃で8時間攪拌した。その後、反
応液を水(500mL)に投入し、生成した沈殿を濾別
水洗した。この固体を減圧乾燥後、トルエンから再結晶
して精製した。この生成物の構造は、IRスペクトルに
おいてカルボキシル基の水酸基(3200〜2400c
-1)、カルボキシル基のカルボニル基(1680cm
-1)、及びケトンに相当するカルボニル基(1660c
-1)の各吸収帯を、プロトンNMRスペクトルにおい
てカルボキシル基が結合するベンゼン環[7.10(ダ
ブレット,2プロトン)、8.13(ダブレット,2プ
ロトン)]、分岐点のベンゼン環[7.68(ダブレッ
ト,2プロトン)、7.91(トリプレット,1プロト
ン)]、ケトン基と分岐末端側で共役するベンゼン環
[7.03(ダブレット,4プロトン)、7.83(ダ
ブレット,4プロトン)]、及び分岐末端のベンゼン環
[7.10(マルチプレット,4プロトン)、7.22
(マルチプレット,2プロトン)、7.41(マルチプ
レット,4プロトン)]にそれぞれ結合するプロトンに
帰属されるシグナルを、それぞれ観測したことから、前
記図4中の化合物22であることを確認した。この化合
物を以下、G1−COOHと略記する。
【0070】合成例14・・・フェノキシ基を分岐末端
に有する第2世代カルボン酸PEKデンドロン(化合物
24) 合成例2で得た3,5−ビス(4−フェノキシベンゾイ
ル)フェノール(2.92g;6ミリモル、前記図4中
の化合物6)をDMAc(2mL)に溶解し、ここにカ
リウムt−ブトキシド(0.67g;6ミリモル)を加
え、これが溶解するまで室温で攪拌した。その後、合成
例12で得たFG1−COOEt(1.46g;3ミリ
モル)を加え、150℃に加熱して2時間攪拌し、溶媒
を減圧留去した。得られた残渣に水(200mL)を加
え、塩化メチレンで3回抽出した。この抽出で得られた
有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、減圧
濃縮した。こうして得た残渣は、塩化メチレン/酢酸エ
チル(混合比50/1)を展開溶媒とするシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィにより精製した。この生成物の構
造は、IRスペクトルにおいてエステル基のカルボニル
基(1700cm-1)とケトンに相当するカルボニル基
(1660cm-1)の各吸収帯を、プロトンNMRスペ
クトルにおいてエチル基[1.38(トリプレット,3
プロトン)、4.38(カルテット,2プロトン)]、
エステル基のオルト位のベンゼン環炭素原子[8.06
(ダブレット,2プロトン)]、G1部分の分岐点のベ
ンゼン環[7.67(ダブレット,2プロトン)、7.
95(トリプレット,1プロトン)]、G1部分のケト
ン基のオルト位のベンゼン環炭素原子(分岐末端側)
[7.88(ダブレット,4プロトン)]、G2部分の
分岐点のベンゼン環[7.69(ダブレット,4プロト
ン)、7.91(トリプレット,2プロトン)]、G2
部分のケトン基と共役するベンゼン環(分岐末端側)
[7.03(ダブレット,8プロトン)、7.82(ダ
ブレット,8プロトン)]、分岐末端のベンゼン環の4
位と3位[それぞれ7.22(マルチプレット,4プロ
トン)、7.40(マルチプレット,8プロトン)]、
及びその他の3種のベンゼン環炭素[7.04〜7.1
2(マルチプレット,14プロトン)]にそれぞれ結合
するプロトンに帰属されるシグナルを、それぞれ観測し
たことから、前記図4中の化合物23であることを確認
した。この化合物23(2.84g;2ミリモル)をジ
クロロ酢酸(40mL)に溶解し、ここに硫酸(1m
L)と水(5mL)を加え、100℃で8時間攪拌し
た。その後、反応液を水(500mL)に投入し、生成
した固体を濾別水洗した。この固体を減圧乾燥後、塩化
メチレン/THF(混合比20/1)を展開溶媒とする
シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製した。こ
の生成物の構造は、IRスペクトルにおいてカルボキシ
ル基の水酸基(3200〜2400cm-1)、カルボキ
シル基のカルボニル基(1680cm-1)、及びケトン
に相当するカルボニル基(1660cm-1)の各吸収帯
を、プロトンNMRスペクトルにおいてカルボキシル基
のオルト位のベンゼン環炭素原子[8.10(ダブレッ
ト,2プロトン)]、G1部分の分岐点のベンゼン環
[7.67(ダブレット,2プロトン)、7.95(ト
リプレット,1プロトン)]、G1部分のケトン基のオ
ルト位のベンゼン環炭素原子(分岐末端側)[7.88
(ダブレット,4プロトン)]、G2部分の分岐点のベ
ンゼン環[7.68(ダブレット,4プロトン)、7.
91(トリプレット,2プロトン)]、G2部分のケト
ン基と共役するベンゼン環(分岐末端側)[7.03
(ダブレット,8プロトン)、7.83(ダブレット,
8プロトン)]、分岐末端のベンゼン環の4位と3位
[それぞれ7.22(マルチプレット,4プロトン)、
7.40(マルチプレット,8プロトン)]、及びその
他の3種のベンゼン環炭素[7.04〜7.12(マル
チプレット,14プロトン)]にそれぞれ結合するプロ
トンに帰属されるシグナルを、それぞれ観測したことか
ら、前記図4中の化合物24であることを確認した。こ
の化合物を以下、G2−COOHと略記する。
【0071】合成例15・・・FP末端に活性なフッ素
原子を有する第1世代のPEKデンドロン 前記の合成例4の合成操作において、3,5−ジメトキ
シフェノールの代わりに合成例2で得た3,5−ビス
(4−フェノキシベンゾイル)フェノール(図2中の化
合物6)を使用して、4,4’−ジフルオロベンゾフェ
ノンの1つのフッ素原子が該化合物6のFP末端の水酸
基と縮合してエーテル結合して生成する下記式(10)
で表されるFP末端に活性なフッ素原子を有する第1世
代のPEKデンドロンを得ることができる。但し、精製
には塩化メチレン/酢酸エチル溶媒系等を展開溶媒とす
るシリカゲルカラムクロマトグラフィが好適に使用され
る。
【0072】
【化16】
【0073】合成例16・・・FP末端に活性なフッ素
原子を有する第2世代のPEKデンドロン 前記の合成例4の合成操作において、3,5−ジメトキ
シフェノールの代わりに合成例3で得た第2世代のPE
Kデンドロン(図2中の化合物8)を使用して、4,
4’−ジフルオロベンゾフェノンの1つのフッ素原子が
該化合物8のFP末端の水酸基と縮合してエーテル結合
して生成する下記式(11)で表されるFP末端に活性
なフッ素原子を有する第2世代のPEKデンドロンを得
ることができる。但し、精製には塩化メチレン/酢酸エ
チル溶媒系等を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマ
トグラフィが好適に使用される。
【0074】
【化17】
【0075】[PEK側鎖PPhEの原料モノマーの合
成]以下の合成例17〜合成例20においてPEKデン
ドロン残基が結合したPEK側鎖PPhEの原料モノマ
ーであるジエチニレンベンゼン誘導体の合成例を説明す
る。 合成例17・・・1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジエ
チニルベンゼン(DHDEB) T.Satoら;J.Am.Chem.Soc.,12
1巻,10658−10659頁(1999)の記載に
準じ、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヨードベンゼ
ン(1当量)に、攪拌しながら塩化第一銅(0.05当
量)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(II)(0.05当量)を室温で順次加え、容器
内の真空引きと窒素置換を繰り返した。ここにトリメチ
ルシリルアセチレン(3.0当量)とジイソプロピルア
ミン(3.0当量)を順次加え、60℃で4時間反応さ
せた後、トルエンで希釈し濾過して固体を除去した。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製して1,
4−ジヒドロキシ−2,5−ビス(トリメチルシリルエ
チニル)ベンゼンを得た。次いで、これを過剰量の無水
炭酸カリウムとともにメタノール中で室温にて1昼夜攪
拌し、メタノール/塩化メチレン系を展開溶媒とするシ
リカゲルカラムクロマトグラフィで精製してDHDEB
を得た。これらの生成物の化学構造は、1H−NMRが
前記のT.Satoら著の文献の添付情報に記載の報告
値と一致したことから確認した。
【0076】合成例18・・・前記一般式(2)で示さ
れるベンゾフェノン構造を介してPEKデンドロン残基
を結合したジエチニルベンゼン誘導体の合成例 前記のA.Morikawaら;Polymer Jo
urnal,32巻,255−262頁(2000)に
報告されている反応条件を転用して可能である。即ち、
例えば前記の合成例16で得る前記式(11)のFP末
端に活性なフッ素原子を有する第2世代のPEKデンド
ロン(2当量)を合成例17で得たDHDEB(1当
量)に対して、炭酸カリウム(2当量)の共存下、トル
エンとDMAcの混合溶媒中で加熱縮合して、下記式
(12)の2つのPEKデンドロン残基を有するジエチ
ニルベンゼン誘導体を合成可能である。精製は、反応終
了後、濃縮して得る残渣を塩化メチレンと水に溶解分液
して水溶性物質を取り除き、次いで有機相を乾燥後、濃
縮して得る粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ(展開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル混合系)によ
り精製して可能である。
【0077】
【化18】
【0078】合成例18において、前記式(11)のP
EKデンドロンの代わりに前記合成例15で得る前記式
(10)のPEKデンドロンあるいは前記合成例8で得
るPEKデンドロン(前記図3中の化合物14)等のF
P末端に活性なフッ素原子を有する任意のPEKデンド
ロンを使用して、同様の反応と精製方法により前記式
(12)の構造に相当するジエチニルベンゼン誘導体を
得ることができる。
【0079】合成例19・・・前記一般式(3)で示さ
れるベンジルエーテル構造を介してPEKデンドロン残
基を結合したジエチニルベンゼン誘導体の合成例 前記のT.Satoら著の文献に記載のエーテル化反応
を転用して可能である。即ち、例えば前記の合成例9で
得る第3世代のFP末端にベンジルブロミド構造を有す
るPEKデンドロン(前記図3中の化合物16)(2.
1当量)と合成例17で得たDHDEB(1当量)、無
水炭酸カリウム(5.0当量)を混合した容器内の真空
引きと窒素置換を繰り返し、ここに乾燥したN,N−ジ
メチルホルムアミド(略称DMF)を加え60℃で攪拌
し、反応終了後、反応液を大過剰の水に攪拌しながら注
ぎ、生成した固体を濾別し、シリカゲルカラムクロマト
グラフィで精製して、下記式(13)の2つのPEKデ
ンドロン残基を有するジエチニルベンゼン誘導体を合成
可能である。
【0080】
【化19】
【0081】合成例19において、前記化合物16の代
わりに、例えば前記合成例7で得る第1世代のブロミド
PEKデンドロン(前記図3中の化合物11)等のFP
末端にベンジルブロミド構造を有する任意のPEKデン
ドロンを使用して、同様の反応と精製方法により前記式
(13)の構造に相当するジエチニルベンゼン誘導体を
得ることができる。
【0082】合成例20・・・前記一般式(4)で示さ
れる安息香酸エステル構造を介してPEKデンドロン残
基を結合したジエチニルベンゼン誘導体の合成例 カルボン酸PEKデンドロンのFP末端のカルボキシル
基を塩化チオニルによる定法で酸塩化物基に変換し、こ
れをDHDEBの水酸基と縮合する方法により可能であ
る。即ち、例えば前記の合成例14で得るフェノキシ基
を分岐末端に有する第2世代カルボン酸PEKデンドロ
ン(前記図4中の化合物24)を塩化チオニルで処理し
て得る相当する酸塩化物デンドロン(2当量)を乾燥し
たN,N−ジメチルホルムアミド(略称DMF)中で適
当な塩基(例えば炭酸カリウム;3当量)の共存下、合
成例17で得たDHDEB(1当量)の水酸基と縮合
し、反応終了後、反応液を大過剰の水に攪拌しながら注
ぎ、生成した固体を濾別し、シリカゲルカラムクロマト
グラフィで精製して、下記式(14)の2つのPEKデ
ンドロン残基を有するジエチニルベンゼン誘導体を合成
可能である。
【0083】
【化20】
【0084】合成例20において、前記化合物24の代
わりに、例えば前記合成例13で得る第1世代のカルボ
ン酸PEKデンドロン(前記図4中の化合物22)等の
FP末端に安息香酸構造を有する任意のPEKデンドロ
ンを使用して、同様の反応と精製方法により前記式(1
4)の構造に相当するジエチニルベンゼン誘導体を得る
ことができる。
【0085】[PEK側鎖PPhEの合成と薄膜状成形
体の調製]本発明のPEK側鎖PPhEは、前記のT.
Satoら著の文献に記載の縮重合反応を転用して可能
である。また、こうして得るPEK側鎖PPhEの溶液
を一方向へのせん断印加条件において基板上に塗布し
て、高分子主鎖が一方向に分子配向した薄膜状成形体を
得ることができる。以下の実施例1〜実施例3により詳
しく説明する。また実施例4において、本発明のPEK
側鎖PPhEが極性有機媒質への改善された溶解性や相
溶性を有することを樹脂組成物の調製により説明する。
【0086】実施例1 前記の合成例18で合成した前記式(12)の2つのP
EKデンドロン残基を有するジエチニルベンゼン誘導体
(1当量)、p−ジヨードベンゼン(1当量)、テトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
(0.05当量)を混合し、容器内の真空引きと窒素置
換を繰り返した後、乾燥THFを溶媒として加え、更
に、ヨウ化第一銅2.75ミリモルを1000mLのジ
イソプロピルアミンに溶解したものをヨウ化第一銅とし
て0.05当量となるよう攪拌しながら加える。これを
50℃で約1日攪拌後、エチニルベンゼン(約20当
量)を加え更に約半日反応を継続する。反応液を減圧下
に濃縮し、クロロホルム可溶分をメタノール中に投入す
る再沈殿法で精製してPEK側鎖PPhEを得る。こう
して得るPEK側鎖PPhEのTHF溶液を2枚のスラ
イドグラスの平面表面間に挟んでまず静置し、大気圧下
60〜65℃に調温し、次いでこの温度条件において該
2枚のスライドグラスのうち上の1枚をその長手方向に
滑らせて該溶液に一方向のせん断を印加し、滑らせたス
ライドグラスの通過により現れる塗布溶液面を緩やかな
温風により直ちに濃縮して薄膜状成形体を与える。
【0087】実施例2 実施例1に記載の合成と精製の操作において、2つのP
EKデンドロン残基を有するジエチニルベンゼン誘導体
として前記式(12)の化合物の代わりに合成例19で
合成した前記式(13)の化合物を使用して、相当する
PEK側鎖PPhEを得ることができる。こうして得る
PEK側鎖PPhEは、実施例1に記載の溶液塗布操作
により薄膜状成形体を与える。
【0088】実施例3 実施例1に記載の合成と精製の操作において、2つのP
EKデンドロン残基を有するジエチニルベンゼン誘導体
として前記式(12)の化合物の代わりに合成例20で
合成した前記式(14)の化合物を使用して、相当する
PEK側鎖PPhEを得ることができる。こうして得る
PEK側鎖PPhEは、実施例1に記載の溶液塗布操作
により薄膜状成形体を与える。
【0089】前記の諸実施例で得る薄膜状成形体はいず
れも水銀灯の365nm発光帯をPEKデンドロン残基
により吸収する能力を持つ。また、光学的異方性を示す
ことから、PPhE高分子主鎖が一方向に分子配向した
本発明の薄膜状成形体であることが示され、例えば偏光
フィルター等の偏光膜として有用なものである。 実施例4・・・PEK側鎖PPhEの樹脂組成物 前記の諸実施例で得るPEK側鎖PPhEはいずれも、
ポリメチルメタクリレート(略称PMMA)やビスフェ
ノールA系ポリカーボネート(略称PC)等のカルボニ
ル基を高分子構造中に有する樹脂との混合により、幅広
い組成範囲で透明性に優れた樹脂組成物を与える。かか
る樹脂組成物は、例えばTHFのような良溶媒中での溶
液ブレンド、次いで該溶媒の除去により得られる。かか
る溶液ブレンドにより得る溶液を基板に塗布して、透明
性に優れた本発明の薄膜状成形体を得ることができる。
かかる樹脂組成物は、Tダイ押し出し成形や熱プレス成
形等の溶融成形によっても本発明の薄膜状成形体を与え
る。
【0090】[ポリベンジルエーテルデンドロンを使用
した比較例] 合成例21・・・第2世代のポリベンジルエーテルデン
ドロン残基を有するジエチニルベンゼン誘導体 合成例19において、PEKデンドロン(前記図3中の
化合物16)の代わりに東京化成(株)から供給される
第2世代のブロミドデンドロンである3,5−ビス
[3,5−ビス(ベンジルオキシ)ベンジルオキシ]ベ
ンジルブロミドを使用して同様の合成と精製操作を行う
ことで、下記式(15)の2つのポリベンジルエーテル
デンドロン残基(以下「PBED残基」と略記する)を
有するジエチニルベンゼン誘導体を合成可能である。
【0091】
【化21】
【0092】比較例1・・・PBED残基を側鎖として
有するPPhEとその薄膜状成形体 実施例1に記載の合成と精製の操作において、2つのP
EKデンドロン残基を有するジエチニルベンゼン誘導体
として前記式(12)の化合物の代わりに前記合成例2
1で合成した前記式(15)のPBED残基を有する化
合物を使用して、相当するPBED残基を側鎖として有
するPPhE(以下「PBED側鎖PPhE」と略記す
る)を得ることができる。こうして得るPEK側鎖PP
hEは、実施例1に記載の溶液塗布操作により薄膜状成
形体を与える。この薄膜状成形体は光学的異方性を示す
が、水銀灯の365nm発光帯をPBED残基により吸
収する能力を持たない。
【0093】比較例2・・・PBED側鎖PPhEの樹
脂組成物 比較例1で得るPBED側鎖PPhEは、実施例4と同
様の方法でPMMAやPC等のカルボニル基を高分子構
造中に有する樹脂との樹脂組成物を調製しても、側鎖の
デンドロン残基にケトン構造を有さないのでこれらの樹
脂との相溶性に乏しいため、非常に限られた組成におい
てしか透明性に優れた樹脂組成物を与えない。
【0094】
【発明の効果】本発明のPEK側鎖PPhEは、ポリメ
チルメタクリレートやビスフェノールA系ポリカーボネ
ート等の重要な透明樹脂等の極性官能基を有する有機媒
質への改善された溶解性や相溶性を有する。また、側鎖
であるPEKデンドロン残基による水銀灯の365nm
発光帯等の比較的長波長の紫外線を吸収する能力をも有
するので、かかる汎用紫外光源を励起光として使用可能
な発光材料として有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 デンドロンの世代とフォーカルポイント(F
P)を示す模式図である。
【図2】 PEKデンドロン骨格の合成手順の例示であ
る。
【図3】 FP末端にベンジルブロミド構造を有するP
EKデンドロンの合成手順の例示である。
【図4】 FP末端にカルボキシル基を有するPEKデ
ンドロンの合成手順の例示である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 86:00 B29K 86:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F006 AA15 AA22 AA36 AB32 BA00 CA00 4F071 AA69 AH12 BB02 BC02 4F205 AA49A AG01 AM26 GA07 GB02 GF24 GN24 4J032 CA04 CB04 CC01 CD02 CE03 CG06 CG07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンエチニレンに、芳香族ポ
    リエーテルケトン構造を有するデンドロン残基がそのフ
    ォーカルポイント末端において1つの酸素原子を介して
    結合されたものであることを特徴とするデンドロン側鎖
    含有ポリフェニレンエチニレン。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)で表される、請求項1
    に記載のデンドロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレ
    ン。 【化1】 (但し、一般式(1)における2つのLは、それぞれ芳
    香族ポリエーテルケトン構造を有するデンドロン残基を
    表し、相互に異なっていてもよい。また丸括弧はその内
    側の構造が繰返し単位であることを表し、nは重合度を
    表す自然数を表す。)
  3. 【請求項3】 一般式(1)における芳香族ポリエーテ
    ルケトン構造を有するデンドロン残基Lのフォーカルポ
    イント末端における結合様式が、下記一般式(2)、一
    般式(3)及び一般式(4)からなる群から選ばれる少
    なくとも1種である、請求項2に記載のデンドロン側鎖
    含有ポリフェニレンエチニレン。 【化2】 【化3】 【化4】 (但し、一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)
    におけるArは、芳香族ポリエーテルケトン構造を有す
    るデンドロン残基Lが結合するポリフェニレンエチニレ
    ン主鎖のベンゼン環を表し、L1、L2又はL3は、それ
    ぞれ芳香族ポリエーテルケトン構造を有するデンドロン
    残基Lの化学構造の残りの部分を表す部分構造であって
    相互に異なっていてもよい。また一般式(3)及び一般
    式(4)におけるx及びyはそれぞれL2及びL3の数を
    表す3以下の自然数である。)
  4. 【請求項4】 一般式(2)、一般式(3)及び一般式
    (4)における芳香族ポリエーテルケトン構造を有する
    デンドロン残基の部分構造L1、L2及びL3が、下記一
    般式(5)又は式(6)で表される繰返し単位を含むも
    のである、請求項3に記載のデンドロン側鎖含有ポリフ
    ェニレンエチニレン。 【化5】 (但し、一般式(5)においてmはフェニレン基の連鎖
    数を表す0〜4の整数である。) 【化6】
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のデンド
    ロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンを含有し、基板
    上に塗布されてなることを特徴とする薄膜状成形体。
  6. 【請求項6】 ポリフェニレンエチニレンの高分子主鎖
    が一方向に分子配向している、請求項5に記載の薄膜状
    成形体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載のデンド
    ロン側鎖含有ポリフェニレンエチニレンを含有する溶液
    を一方向へのせん断印加条件において基板上に塗布する
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の薄膜状成形体
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005232293A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Japan Science & Technology Agency 水溶性デンドリマー分子ワイヤー及びその合成方法
US8053091B2 (en) * 2007-05-22 2011-11-08 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Hyperbranched polymer, organic light-emitting diode including organic layer including the hyperbranched polymer, and method of manufacturing the organic light-emitting diode

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