JP2002292544A - 工作機械の芯出し治具、工作機械の芯出し方法、及び工作機械における長さ測定方法 - Google Patents

工作機械の芯出し治具、工作機械の芯出し方法、及び工作機械における長さ測定方法

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JP2002292544A
JP2002292544A JP2001095165A JP2001095165A JP2002292544A JP 2002292544 A JP2002292544 A JP 2002292544A JP 2001095165 A JP2001095165 A JP 2001095165A JP 2001095165 A JP2001095165 A JP 2001095165A JP 2002292544 A JP2002292544 A JP 2002292544A
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centering
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Isamu Ishii
勇 石井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易かつ短時間で取り付け及び調整が可能な
工作機械の芯出し治具を提供する。 【解決手段】 フライス盤の主軸90に取り付けられス
ライド用開口10bを有する主軸取付部材10と、可動
状態で支持される接触体89が押圧により押し込まれた
場合の変位量を測定し指針により示すダイヤルゲージ8
0と、スライド用開口10bに平行に移動可能でゲージ
芯が主軸芯90bを通る垂直線の一つの上を動くように
ダイヤルゲージ80を保持するスライド部材11を備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライス盤等の工
作機械において、被工作物に形成された凹部等の中心線
と、工作機械の主軸の中心線とを合致させるための芯出
し治具、及びこの芯出し治具を用いた芯出し方法の改良
等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フライス盤によって加工を行う
際、被工作物に設けられた円形断面の凹部等の中心を通
る中心線(以下、「芯出し対象芯」という。)と、フラ
イス盤の主軸の中心線(以下、「主軸芯」という。)を
合致させる作業(以下、「芯出し」という。)を行わな
う必要がある場合がある。このような場合、図14及び
図15に示すようなダイヤルゲージ80を用いて芯出し
作業を行う場合がある。
【0003】ダイヤルゲージ80は、測定子81と、本
体ケース82と、ダイヤル部83と、装着部84及び8
8を有している。測定子81は、棒状の部材であり、測
定子81の先端には、略球状の接触体89が設けられて
いる。また、測定子81の後端は、本体ケース82内の
機構に接続している。また、ダイヤル部83は、目盛板
85と指針86を有している。本体ケース82の内部に
は、例えば図15に示すような機構が内蔵されている。
装着部84、88は、このダイヤルゲージ80を他の治
具等に装着するための部分である。
【0004】すなわち、この機構は、本体ケース82内
の空間82gに収容されたラック82aと、ラック82
aと噛み合い可能な歯車82bと、歯車82bと噛み合
い可能な他の歯車82dを有している。また、ラック8
2aの図15(A)における左端は、拘束部82h及び
82iによって拘束され、ラック82aの図15(A)
における右端は、圧縮バネ82fによって支持されてい
る。また、図15(B)に示すように、ラック82aの
側部の長手方向に沿って設けられた溝部82mは、本体
ケース82の凸条部82kと嵌合している。また、歯車
82bの回転軸である歯車軸82cと、歯車82dの回
転軸である歯車軸82eは、図15(B)に示すよう
に、それぞれ本体ケース82に回転可能な状態で支持さ
れている。また、歯車軸82eには、指針86が取り付
けられている。
【0005】このような構成により、棒状の部材である
測定子81の先端に設けられた略球状の接触体89が、
図14及び図15(A)に示す方向d1(以下、「ゲー
ジ測定方向」という。)に押されると、ラック82aも
連動してd1方向に移動する。この動きに伴い、歯車8
2bはd2の方向に回転し、歯車82eはd2とは逆方
向に回転する。これにより、指針86は、d3の方向
(時計回り方向)に回転する。この場合、ラック82a
の直線運動は、歯車82bによって回転運動に変換され
る。また、歯車82eの歯数は、歯車82bの歯数より
も少なくなるように設定されており、歯車82eの回転
数(回転角度)は、歯車82bの回転数(回転角度)よ
りも大きくなるようになっている。また、指針86の長
さは、歯車軸82eの円周に比べて大きな値となってい
る。このため、ラック82aの直線運動の移動量は、ラ
ック82a、歯車82b、82eによって拡大され、目
盛板85上での指針86の動きは大きなものとなる。し
たがって、ダイヤルゲージ80を用いると、微少な長さ
の変化量、例えば0.01mm単位の変化量を測定する
ことができる。
【0006】なお、接触体89への押圧がなくなると、
圧縮バネ82fの弾性反発力により、d1とは反対の方
向に移動し、拘束部82h、82iによって拘束される
ため、測定子81は元の位置に戻る。また、歯車82e
にさらに他の歯車を噛み合わせれば、指針86の回転方
向をd3とは反対の方向(反時計回り方向)とすること
ができる。なお、上記したダイヤルゲージ80の構成
は、一例であり、上記した各構成要素については、他の
公知の機構を用いることが可能である。要は、測定子8
1の直線運動を回転運動に変換する運動変換機構と、回
転角度を拡大する拡大機構と、この拡大機構の回転軸に
取り付けられるとともに目盛部材に対して回転する指針
を設けることにより、ダイヤルゲージを構成することが
できる。
【0007】次に、上記のようなダイヤルゲージ80を
用いて芯出しを行う場合には、ダイヤルゲージ80を芯
出し用の治具に取り付けたのち、フライス盤の主軸に取
り付ける必要がある。図16に示すフライス盤用芯出し
用治具201は、その一例であり、棒状の主軸取付部2
10と、主軸取付部210の一端に設けられた球状の球
体部211と、球体部211を収容する収容部212
と、ダイヤルゲージ80の一部である装着部88が取り
付けられるゲージ接続部213を備えている。収容部2
12の内面は、凹球面となっており、球体部211と収
容部212はユニバーサルジョイントを構成している。
また、収容部212の下部には調節具214が設けられ
ており、調節具214をいずれかの方向に回転させるこ
とにより、球体部211を緩めたり又は収容部212に
固定することができるようになっている。
【0008】ダイヤルゲージ80の測定子81は、ヒン
ジ87を中心としていずれかの回転方向に曲げ、曲げた
状態を維持することができる構造となっており、測定子
81を曲げた状態でゲージ測定方向の変位量を測定でき
るようになっている。したがって、図16に示す凹部1
02Bの芯出しを行う場合には、ダイヤルゲージ80の
装着部88をフライス盤用芯出し治具201のゲージ接
続部213に取り付けたのちに、治具の主軸取付部21
0をフライス盤の主軸90の取付孔90aに取り付け
る。あるいは、フライス盤用芯出し治具201の主軸取
付部210をフライス盤の主軸90の取付孔90aに取
り付けたのちに、ダイヤルゲージ80の装着部88をフ
ライス盤用芯出し治具201のゲージ接続部213に取
り付けるようにしてもよい。
【0009】次に、測定子81を曲げ、被工作物101
Bの凹部102Bの内壁面に接触体89を軽く押接させ
る。このようにセットしたのち、手動で主軸取付部21
0をd4又はその逆方向に回動させ、回動したいずれの
位置においてもダイヤルゲージ80の指針が変動しない
ような状態となるように、主軸90を移動させることに
より、主軸90の中心線である主軸芯90bと、凹部1
02Bの中心線である芯出し対象芯110Bを合致さ
せ、芯出しを行うことができる。
【0010】また、上記したダイヤルゲージ80を用い
て芯出しを行うための芯出し用治具としては、図17に
示すものも用いられている。このフライス盤用芯出し用
治具202は、棒状の主軸取付部220と、主軸取付部
220の一端に設けられたヒンジ部221と、一端がヒ
ンジ部221に接続するとともに湾曲した棒状に構成さ
れた本体部222と、本体部222の他端に接続するヒ
ンジ部223と、ヒンジ部223に接続されるとともに
ダイヤルゲージ80の棒状の装着部84に取り付けられ
るゲージ接続部224を備えている。ヒンジ部221及
び223は、その中心部を回転中心としていずれかの回
転方向に曲げ、曲げた状態を維持することができる構造
となっている。
【0011】したがって、図17に示す凹部102Cの
芯出しを行う場合には、ダイヤルゲージ80の装着部8
4をフライス盤用芯出し治具202のゲージ接続部22
4に取り付けたのちに、治具の主軸取付部220をフラ
イス盤の主軸90の取付孔90aに取り付ける。あるい
は、フライス盤用芯出し治具202の主軸取付部220
をフライス盤の主軸90の取付孔90aに取り付けたの
ちに、ダイヤルゲージ80の装着部84をフライス盤用
芯出し治具202のゲージ接続部224に取り付けるよ
うにしてもよい。
【0012】次に、測定子81の接触体89を被工作物
101Cの凹部102Cの内壁面に軽く押接させる。こ
のようにセットしたのち、手動で主軸取付部220をd
5又はその逆方向に回動させ、回動したいずれの位置に
おいてもダイヤルゲージ80の指針が変動しないような
状態となるように、主軸90を移動させることにより、
主軸90の中心線である主軸芯90bと、凹部102C
の中心線である芯出し対象芯110Cを合致させ、芯出
しを行うことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来のフライス盤用芯出し用治具201におい
ては、収容部212の主軸取付部210に対する角度を
調整することになるが、収容部212は、ユニバーサル
ジョイントとして働くため、ある方向への角度を調整す
ると、他の方向への角度も微妙に変化してしまい、所望
の方向への角度調整が煩雑であり、かつ調整のための時
間が長くかかる、という問題があった。
【0014】また、上記した従来のフライス盤用芯出し
用治具202においては、2つのヒンジ部221、22
3の角度を調整することになるが、この場合も、所望の
方向への角度調整が煩雑であり、かつ調整のための時間
が長くかかる、という問題があった。
【0015】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、容
易かつ短時間で取り付け及び調整が可能な工作機械の芯
出し治具を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る工作機械の芯出し治具は、被工作物の
芯出し対象の中心線である芯出し対象芯と、工作機械の
主軸の中心線である主軸芯とを合致させるための工作機
械の芯出し治具であって、前記主軸に取り付けられると
ともに、前記主軸芯を通り前記主軸芯に対して垂直とな
る直線である主軸芯垂直線のうちの一つに平行となるか
又は一致する直線である移動路中心線に沿う移動路を有
する主軸取付手段と、可動状態で支持される接触体を有
し、前記接触体が押圧により押し込まれた場合の変位量
を測定し、測定された変位量を指針又は表示器により示
す変位測定器と、前記移動路に平行に移動可能な構成を
有するとともに、前記変位測定器の接触体の中心線であ
る測定器芯が、前記主軸芯垂直線のうちの一つの上を動
くように前記変位測定器を保持する測定器保持手段を備
えたことを特徴とする。
【0017】上記の工作機械の芯出し治具において、好
ましくは、前記芯出し対象は、被工作物に設けられた円
形断面の貫通孔又は凹部又はこれらのいずれかに取り付
けられた芯出し用部材、若しくは被工作物に設けられた
円形断面の凸部を含む。
【0018】また、上記の工作機械の芯出し治具におい
て、好ましくは、前記変位測定器は、ダイヤルゲージ又
は差動変圧器若しくはリニアエンコーダを含む。
【0019】また、上記の工作機械の芯出し治具におい
て、好ましくは、前記移動路は、前記移動路中心線に平
行に延設される凹部又は開口若しくは梁状部材であると
ともに、前記移動路中心線に沿う第1嵌合部を有し、前
記測定器保持手段は、前記第1嵌合部と嵌合する第2嵌
合部を有する。
【0020】また、上記の工作機械の芯出し治具におい
て、好ましくは、前記測定器保持手段は、前記主軸芯垂
直線のうち前記移動路中心線に対して垂直な直線の方向
に前記変位測定器の接触体を微少距離だけ前進又は後退
可能な垂直方向微調整手段を有する。
【0021】また、上記の工作機械の芯出し治具におい
て、好ましくは、前記垂直方向微調整手段は、前記変位
測定器を前記測定器保持手段に取り付ける第1取付角度
を微調整する第1取付角度微調整手段である。
【0022】また、上記の工作機械の芯出し治具におい
て、好ましくは、前記垂直方向微調整手段は、前記移動
路に平行に移動可能な状態で前記測定器保持手段を前記
主軸取付手段に取り付ける第2取付角度を微調整する第
2取付角度微調整手段である。
【0023】また、上記の工作機械の芯出し治具におい
て、好ましくは、前記工作機械は、回転する主軸により
工作を行うものであって、フライス盤又はボール盤又は
中ぐり盤又はNC工作盤若しくはマシニングセンタを含
む。
【0024】また、本発明に係る工作機械の芯出し方法
は、被工作物の芯出し対象の中心線である芯出し対象芯
と、工作機械の主軸の中心線である主軸芯とを合致させ
るための工作機械の芯出し方法であって、前記主軸に取
り付けられるとともに、前記主軸芯を通り前記主軸芯に
対して垂直となる直線である主軸芯垂直線のうちの一つ
に平行となるか又は一致する直線である移動路中心線に
沿う移動路を有する主軸取付手段と、可動状態で支持さ
れる接触体を有し、前記接触体が押圧により押し込まれ
た場合の変位量を測定し、測定された変位量を指針又は
表示器により示す変位測定器と、前記移動路に平行に移
動可能な構成を有するとともに、前記変位測定器の接触
体の中心線である測定器芯が、前記主軸芯垂直線のうち
の一つの上を動くように前記変位測定器を保持する測定
器保持手段を備えた工作機械の芯出し治具を前記主軸に
装着し、前記主軸を前記芯出し対象の近傍へ移動させる
第1過程を行い、次いで、前記測定器保持手段を前記移
動路に平行に移動させ、前記変位測定器の接触体を前記
芯出し対象の近傍へ移動させ、前記変位測定器の接触体
を前記芯出し対象の内壁又は外壁に押接させ、前記変位
測定器の指針又は表示器の値がある値である第1値とな
るようにする第2過程を行い、次いで、前記主軸を手動
で回転させ、前記変位測定器の指針又は表示器の値が前
記第1値から変化した場合には、前記指針又は表示器の
値が最大から最小へ向かう方向に前記工作機械の主軸を
前記移動路に平行に移動させる第3過程を繰り返し、前
記主軸の回転角度位置のいずれの位置においても前記変
位測定器の指針又は表示器の値が前記第1値を維持する
ようにすることを特徴とする。
【0025】また、上記の工作機械の芯出し方法におい
て、好ましくは、前記測定器保持手段に、前記主軸芯垂
直線のうち前記移動路中心線に対して垂直な直線の方向
に前記変位測定器の接触体を微少距離だけ前進移動又は
後退移動可能な垂直方向微調整手段を設け、前記第3過
程においては、前記指針又は表示器の値が最大から最小
へ向かう方向に前記工作機械の主軸を移動させる。
【0026】また、本発明に係る工作機械における長さ
測定方法は、被工作物の芯出し対象の中心線である芯出
し対象芯と、位置を数値制御可能な工作機械の主軸の中
心線である主軸芯とを合致させた後に、前記被工作物の
測長対象点までの長さを測定する方法であって、前記主
軸に取り付けられるとともに、前記主軸芯を通り前記主
軸芯に対して垂直となる直線である主軸芯垂直線のうち
の一つに平行となるか又は一致する直線である移動路中
心線に沿う移動路を有する主軸取付手段と、可動状態で
支持される接触体を有し、前記接触体が押圧により押し
込まれた場合の変位量を測定し、測定された変位量を指
針又は表示器により示す変位測定器と、前記移動路に平
行に移動可能な構成を有するとともに、前記変位測定器
の接触体の中心線である測定器芯が、前記主軸芯垂直線
のうちの一つの上を動くように前記変位測定器を保持す
る測定器保持手段を備えた工作機械の芯出し治具を前記
主軸に装着し、前記主軸を前記芯出し対象の近傍へ移動
させる第1過程を行い、次いで、前記測定器保持手段を
前記移動路に平行に移動させ、前記変位測定器の接触体
を前記芯出し対象の近傍へ移動させ、前記変位測定器の
接触体を前記芯出し対象の内壁又は外壁に押接させ、前
記変位測定器の指針又は表示器の値がある値である第1
値となるようにする第2過程を行い、次いで、前記主軸
を手動で回転させ、前記変位測定器の指針又は表示器の
値が前記第1値から変化した場合には、前記指針又は表
示器の値が最大から最小へ向かう方向に前記工作機械の
主軸を前記移動路に平行に移動させる第3過程を繰り返
し、次いで、前記主軸の回転角度位置のいずれの位置に
おいても前記変位測定器の指針又は表示器の値が前記第
1値を維持する状態となった場合には、その時点の前記
主軸芯の位置を前記工作機械の座標原点に設定する第4
過程を行い、次いで、前記主軸を前記測長対象点の近傍
へ移動させ、前記変位測定器の接触体を前記測長対象点
の内壁又は外壁に押接させ、前記変位測定器の指針又は
表示器の値が前記第1値となるようにする第5過程を行
い、次いで、前記主軸を手動で回転させ、前記変位測定
器の指針又は表示器の値が前記第1値から変化した場合
には、前記指針又は表示器の値が最大から最小へ向かう
方向に前記工作機械の主軸を前記移動路に平行に移動さ
せる第6過程を繰り返し、次いで、前記主軸の回転角度
位置のいずれの位置においても前記変位測定器の指針又
は表示器の値が前記第1値を維持する状態となった場合
には、前記第5過程における前記工作機械のx座標値及
びy座標値を読み取ることにより、前記芯出し対象芯か
ら前記測長対象点までのx方向の長さ及びy方向の長さ
を測定することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態であるフライス盤用芯出
し治具の構成を示す第1の図であり、図1(A)はダイ
ヤルゲージを装着した状態の正面図を、図1(B)は図
1(A)の左側から見た側面図を、それぞれ示してい
る。また、図2は、本発明の第1実施形態であるフライ
ス盤用芯出し治具の構成を示す第2の図であり、図2
(A)は図1(A)の右側から見た側面図を、図2
(B)は図1(A)の上側から見た平面図を、それぞれ
示している。また、図1(B)、及び図2は、ダイヤル
ゲージを装着していない状態を示している。この第1実
施形態、及び以下の各実施形態において、使用するダイ
ヤルゲージ80は、時計の12時の位置を目盛値零と
し、変位量が増大するにつれて時計回り方向に指針が回
転する形式のものとする。
【0029】図1、2に示すように、このフライス盤用
芯出し治具1Aは、主軸取付部材10と、スライド部材
11と、止めネジ13及び14を備えて構成されてい
る。これらのうち、主軸取付部材10は、略円柱状に形
成された部材である。主軸取付部材10は、その上部
に、略円柱状又は略多角柱状に形成され、上記したフラ
イス盤の主軸90の取付孔90aに取り付けるための取
付部10aを有している。主軸取付部材10の中心線
(図1(A)における主軸取付部材10の中心位置を通
り図の上下方向に延びる線)は、主軸取付部材10が主
軸90に取り付けられた状態では、主軸芯90bと合致
するように設定されている。また、主軸取付部材10に
は、断面が四角形状の貫通したスライド用開口10bが
形成されている。このスライド用開口10bの中心線
(図1(A)におけるスライド用開口10bの中心位置
を通り図の左右水平方向に延びる線)は、主軸取付部材
10が主軸90に取り付けられた状態では、主軸芯90
bと交差し、かつ主軸芯90bに対して角度が90度と
なるように設定されている。この主軸取付部材10は、
特許請求の範囲における主軸取付手段に相当している。
【0030】スライド部材11は、略四角柱状の部材で
あり、スライド部材11の断面は、主軸取付部材10の
スライド用開口10bの断面よりもわずかに小さくなる
ように設定されている。このため、スライド部材11
は、スライド用開口10bに挿通可能であり、スライド
移動(直線移動)が可能となっている。また、スライド
部材11の中心線(図1(A)におけるスライド部材1
1の中心位置を通り図の左右水平方向に延びる線)は、
スライド部材11が主軸取付部材10に取り付けられた
状態では、スライド用開口10bの中心線と合致するよ
うに設定されている。したがって、スライド部材11の
中心線は、主軸取付部材10に取り付けられた状態で
は、主軸芯90bと交差し、かつ主軸芯90bに対して
角度が90度となっている。
【0031】また、主軸取付部材10の側部には、スラ
イド用開口10bの中心線と直交する方向にネジ孔10
cが設けられている。ネジ孔10cは、略円柱状の開口
であり、主軸取付部材10の外部とスライド用開口10
bを連通させており、内壁に雌ネジが形成されている。
このネジ孔10cの雌ネジには、止めネジ13の雄ネジ
部13aが螺合するようになっている。雄ネジ部13a
の長さは、ネジ孔10cの長さより長くなるように設定
されている。したがって、止めネジ13の頭部13bを
ある方向に回動して締め込むことにより、スライド部材
11を、その位置で主軸取付部材10に固定することが
できる。
【0032】また、スライド部材11の左右方向の一端
の付近には、略円柱状の貫通孔である装着用孔11aが
開設されている。装着用孔11aの内径は、ダイヤルゲ
ージ80の装着部84の外径よりもわずかに大きくなる
ように設定されている。このため、ダイヤルゲージ80
の装着部84は、装着用孔11aに挿入可能となってい
る。また、装着用孔11aの中心線(図1(A)におけ
る装着用孔11aの中心位置を通り図の上下方向に延び
る線)は、スライド部材11の中心線と交差し、かつス
ライド部材11の中心線に対して角度が90度となり、
スライド部材11が主軸取付部材10に取り付けられた
状態では、装着用孔11aの中心線の方向は鉛直上下方
向と合致するように設定されている。
【0033】また、スライド部材11の左右方向の一端
部には、装着用孔11aの中心線と直交する方向(水平
方向)にネジ孔11bが設けられている。ネジ孔11b
は、略円柱状の開口であり、スライド部材11の外部と
装着用孔11aを連通させており、内壁に雌ネジが形成
されている。このネジ孔11bの雌ネジには、止めネジ
14の雄ネジ部14aが螺合するようになっている。雄
ネジ部14aの長さは、ネジ孔11bの長さより長くな
るように設定されている。したがって、ダイヤルゲージ
80の装着部84を装着用孔11aに挿入したのち、止
めネジ14の頭部14bを回動して締め込むことによ
り、ダイヤルゲージ80を、その位置でスライド部材1
1に固定し取り付けることができる。
【0034】また、ダイヤルゲージ80の装着部84
は、略円柱状に形成されており、装着部84の中心線
は、接触体89の中心線(以下、「ゲージ芯」とい
う。)と合致している。したがって、ダイヤルゲージ8
0の測定子81の中心線(図1(A)における測定子8
1の中心位置を通り図の上下方向に延びる線)は、ダイ
ヤルゲージ80がスライド部材11に取り付けられた状
態では、スライド部材11の中心線と交差し、スライド
部材11の中心線に対して角度が90度となり、かつダ
イヤルゲージ80の測定子81の中心線の方向は鉛直上
下方向と合致している。
【0035】上記のような構成により、スライド部材1
1にダイヤルゲージ80を取り付けた状態で止めネジ1
3を上記の方向とは逆方向に回動して緩めると、スライ
ド部材11を図1(A)における左右方向にスライド移
動させることができる。この場合、接触体89の中心線
であるゲージ芯は、スライド用開口10bの中心線の延
長線上を動く。したがって、ゲージ芯は、主軸芯90b
と交差し主軸芯90bに対して垂直となる水平方向の直
線の上を動くことになる。
【0036】ここに、スライド用開口10bは特許請求
の範囲における移動路に相当し、スライド用開口10b
の中心線は特許請求の範囲における移動路中心線に相当
している。また、スライド用開口10bの中心線は、主
軸芯90bを通り主軸芯90bに対して垂直となる直線
となっており、特許請求の範囲における主軸芯垂直線に
相当している。また、スライド用開口10bの内面は、
スライド用開口10bの中心線に沿っており、特許請求
の範囲における第1嵌合部に相当している。また、ダイ
ヤルゲージ80は特許請求の範囲における変位測定器に
相当し、ゲージ芯は特許請求の範囲における測定器芯に
相当しており、以下の各実施形態においても同様であ
る。また、スライド部材11は、特許請求の範囲におけ
る測定器保持手段に相当している。また、スライド部材
11の外面は、スライド用開口10bの内面と嵌合可能
であり、特許請求の範囲における第2嵌合部に相当して
いる。
【0037】次に、上述したフライス盤用芯出し治具1
Aとダイヤルゲージ80を用いて、被工作物の芯出し対
象の中心線である芯出し対象芯と、フライス盤の主軸9
0の中心線である主軸芯90bとを合致させる方法につ
いて、図3、4、及び5を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】まず、ダイヤルゲージ80の装着部84を
フライス盤用芯出し治具1Aの装着用孔11aに挿入し
止めネジ14で取り付けたのちに、治具の取付部10a
をフライス盤の主軸90の取付孔90aに取り付ける。
あるいは、フライス盤用芯出し治具1Aの取付部10a
をフライス盤の主軸90の取付孔90aに取り付けたの
ちに、ダイヤルゲージ80の装着部84をフライス盤用
芯出し治具1Aの装着用孔11aに取り付けるようにし
てもよい。
【0039】次に、フライス盤(図示せず)を操作し、
主軸90を被工作物101の凹部102の近傍へ移動さ
せる。この過程は、特許請求の範囲における第1過程に
相当している。ここに、凹部102は、芯出し対象に相
当している。
【0040】次に、スライド部材11をスライド用開口
10bの中心線に沿って平行にスライド移動させ、ダイ
ヤルゲージ80の接触体89を凹部102の近傍へ移動
させる。次いで、図3(A)及び図3(B)に示すよう
に、ダイヤルゲージ80の接触体89を被工作物101
の凹部102の内壁面に軽く押接させる。この過程は、
特許請求の範囲における第2過程に相当している。図3
(A)は、凹部102と接触体89を上方から見た平面
図であり、図3(B)は、凹部102と接触体89を側
方から見た断面図である。また、図3(C)は、図3
(A)及び図3(B)の場合のダイヤルゲージ80の指
針86と目盛板83を示す図である。図3(C)におい
て、大きな目盛線は10の単位の目盛値を示し、小さな
目盛線は5の単位の目盛値を示している。図3(C)の
場合のダイヤルゲージ80の読み値は、15.0となっ
ている。このダイヤルゲージの目盛の読み値15.0
は、特許請求の範囲における第1値に相当している。ま
た、図3(A)、図3(B)、図3(D)、図3
(E)、図3(F)、図3(G)、図3(H)、図3
(J)、図3(K)における左右方向は、スライド用開
口10b及びスライド部材11の中心線の方向と一致し
ている。
【0041】上記のようにセットしたのち、手動で主軸
90を回動させる。図3(D)は、上方から見た場合
に、図3(A)の場合から反時計回り方向に角度90度
だけ回動した状態を示しており、図3(E)はその場合
の側断面図を、また、図3(F)はその場合のダイヤル
ゲージ80の指針86と目盛板83を示す図である。図
3(C)の場合のダイヤルゲージ80の読み値は、9.
4となっている。
【0042】また、図3(G)は、上方から見た場合
に、図3(D)の場合から反時計回り方向にさらに角度
90度だけ回動した状態を示しており、図3(H)はそ
の場合の側断面図を、また、図3(I)はその場合のダ
イヤルゲージ80の指針86と目盛板83を示す図であ
る。図3(I)の場合のダイヤルゲージ80の読み値
は、5.0となっている。
【0043】また、図3(J)は、上方から見た場合
に、図3(G)の場合から反時計回り方向にさらに角度
90度だけ回動した状態を示しており、図3(K)はそ
の場合の側断面図を、また、図3(L)はその場合のダ
イヤルゲージ80の指針86と目盛板83を示す図であ
る。図3(L)の場合のダイヤルゲージ80の読み値
は、9.4となっている。
【0044】ダイヤルゲージ80の読み値が、主軸90
の回動によって図3(C)、図3(F)、図3(I)、
図3(L)と変化するような場合は、芯出し対象芯であ
る凹部102の中心線110Aと主軸芯90bが、図4
(A)に示すような位置関係となっているからである。
図4(A)、図4(B)における左右方向は、スライド
用開口10b及びスライド部材11の中心線の方向と一
致している。すなわち、図4(A)に示すように、主軸
芯90bと、芯出し対象芯110Aは、スライド用開口
10b及びスライド部材11の中心線の方向にずれてお
り、芯出し対象芯100Aは、スライド用開口10b及
びスライド部材11の中心線の方向において、主軸芯9
0bよりも左側にある。
【0045】このため、自由状態(押圧力がかかってい
ない状態)においては点P1の位置となる接触体89の
外面の点は、凹部102の内壁面への押接により点P2
の位置まで長さS1だけ押し込まれる。図3(C)にお
けるダイヤルゲージ80の読み値15.0は、この長さ
S1に対応している。ダイヤルゲージ80は、主軸芯9
0bを中心として回転するから、自由状態においては、
接触体89の外面の点の軌跡は、図4(A)において破
線で示す円C2となる。
【0046】しかし、接触体89は、凹部102の内壁
面C1に接触しながら動く。このため、接触体89の外
面の点が図4(A)における点P2の位置にある状態か
ら、主軸90を反時計回り方向に角度90度だけ回転さ
せると、接触体89の外面の点は図4(A)における点
P3の位置に移動する。このときに接触体89が押し込
まれる長さS2は、図3(F)におけるダイヤルゲージ
80の読み値9.4に対応している。また、この状態か
ら、主軸90を反時計回り方向にさらに角度90度だけ
回転させると、接触体89の外面の点は図4(A)にお
ける点P4の位置に移動し、このときに接触体89が押
し込まれる長さS3は、図3(I)におけるダイヤルゲ
ージ80の読み値5.0に対応している。そして、主軸
90を反時計回り方向にさらに角度90度だけ回転させ
ると、接触体89の外面の点は図4(A)における点P
5の位置に移動し、このときに接触体89が押し込まれ
る長さS4は、図3(L)におけるダイヤルゲージ80
の読み値9.4に対応している。
【0047】上記のことから、主軸芯90bを芯出し対
象芯110Aと合致させるためには、図4(A)におい
て、主軸芯90bを図の右から左へ向かう方向へ移動さ
せればよい。この移動方向は、スライド用開口10b及
びスライド部材11の中心線の方向であり、かつ、点P
1から点P2に向かう方向である。すなわち、これは、
ダイヤルゲージ80の読み値が最大のS1(図3(C)
における読み値15.0)から、最小のS3(図3
(I)における読み値5.0)へ向かう方向である。
【0048】このように主軸90を左方へ移動させれ
ば、主軸芯90bは芯出し対象芯110Aと一致する。
図4(B)は、この状態を示した図である。この場合に
おいても、自由状態における接触体89の外面の点の軌
跡は、破線の円C3となる。しかし、図4(A)の場合
と異なり、主軸芯90bは芯出し対象芯110Aと一致
しているから、凹部102の内壁面C1への押接によっ
て接触体89が長さS5だけ押し込まれた状態から主軸
90を反時計回り方向に回動させても、接触体89の変
位量S6、S7、S8は、S5と等しく、他の位置にお
いてもすべてS5の値と等しくなる。この状態を図3と
同様に示したものが図5であり、図5(C)、図5
(F)、図5(I)、図5(L)に示すように、ダイヤ
ルゲージ80の読み値は、すべて等しい。この場合に
は、読み値は10.0となっている。ここに、図5
(C)における読み値10.0は、特許請求の範囲にお
ける第1値に相当している。
【0049】上記の説明においては、説明を簡易にする
ため、主軸90を1回移動するだけで主軸芯90bと芯
出し対象芯110Aが合致する例を挙げたが、数値制御
ではないフライス盤の場合には、主軸移動量の調節は、
人間が手動で行うことになり、移動量が足りなかった
り、あるいは移動量が大きすぎる場合もある。その場合
には、上記したように、主軸90を手動で回転させ、凹
部102の内壁面に押接させたダイヤルゲージ80の目
盛の読み値が変化した場合には、読み値が最大から最小
へ向かう方向へ主軸90を移動させる過程(以下、「第
3過程」という。)を繰り返し、最終的に主軸90の回
転角度位置のいずれの位置においてもダイヤルゲージ8
0の読み値が当初の第1値を維持するようにすれば、主
軸芯90bを芯出し対象芯110Aに合致させることが
できる。
【0050】(2)第2実施形態 本発明は、上記した第1実施形態とは異なる他の構成に
よっても実現可能である。図6は、本発明の第2実施形
態であるフライス盤用芯出し治具の構成を示す図であ
る。
【0051】図6に示すように、このフライス盤用芯出
し治具1Bは、主軸取付部材20と、スライド部材21
と、移動路部材22と、止めネジ13及び14を備えて
構成されている。これらのうち、主軸取付部材20は、
取付部20aと、移動路支持部20bを有している。取
付部20aは、主軸取付部材20の上部に設けられ、略
円柱状又は略多角柱状に形成され、上記したフライス盤
の主軸90の取付孔90aに取り付けるための部分であ
る。また、移動路支持部材20bは、略「コ」字状に形
成され、水平部と、この水平部の両端からそれぞれ垂下
する2つの垂下部を有している。
【0052】主軸取付部材20の中心線(図6における
主軸取付部材20の中心位置を通り図の上下方向に延び
る線)は、主軸取付部材20が主軸90に取り付けられ
た状態では、主軸芯90bと合致するように設定されて
いる。また、主軸取付部材20の移動路支持部材20b
の各垂下部には、断面が同一の四角形状の貫通した開口
20c、20dが形成されている。これらの開口20
c、20cの中心線(図6における開口20cの中心位
置を通り図の左右水平方向に延びる線、及び図6におけ
る開口20dの中心位置を通り図の左右水平方向に延び
る線)は、主軸取付部材20が主軸90に取り付けられ
た状態では、主軸芯90bと交差し、かつ主軸芯90b
に対して角度が90度となるように設定されている。こ
の主軸取付部材20は、特許請求の範囲における主軸取
付手段に相当している。
【0053】移動路部材22は、略四角柱状の部材であ
り、移動路部材22の断面は、主軸取付部材20の開口
20c、20dの断面よりもわずかに小さくなるように
設定されている。このため、移動路部材22は、開口2
0c、20dに挿通可能となっている。また、移動路部
材22の中心線(図6における移動路部材22の中心位
置を通り図の左右水平方向に延びる線)は、移動路部材
22が主軸取付部材20に取り付けられた状態では、開
口20c、20dの中心線と合致するように設定されて
いる。したがって、移動路部材22の中心線は、主軸取
付部材20に取り付けられた状態では、主軸芯90bと
交差し、かつ主軸芯90bに対して角度が90度となっ
ている。
【0054】また、主軸取付部材20の各垂下部の側部
には、開口20c、20cの中心線と直交する方向にそ
れぞれネジ孔(図示せず)が設けられている。これらの
ネジ孔は、略円柱状の開口であり、主軸取付部材20の
外部と開口20c、20dをそれぞれ連通させており、
内壁に雌ネジが形成されている。これらのネジ孔の雌ネ
ジには、止めネジ13の雄ネジ部13aが螺合するよう
になっている。雄ネジ部13aの長さは、ネジ孔の長さ
より長くなるように設定されている。したがって、図6
における左右両端の止めネジ13の頭部13bをある方
向に回動して締め込むことにより、移動路部材22を主
軸取付部材20に固定することができる。
【0055】スライド部材21は、略円柱状又は略多角
柱状の部材であり、移動路部材22よりもわずかに小さ
い四角形断面の貫通したスライド用開口21bが形成さ
れている。これにより、移動路部材22には、スライド
部材21が嵌合し、図6の左右水平方向にスライド移動
可能となっている。スライド用開口21bの中心線(図
6におけるスライド用開口21bの中心位置を通り図の
左右水平方向に延びる線)は、主軸取付部材20が主軸
90に取り付けられた状態では、主軸芯90bと交差
し、かつ主軸芯90bに対して角度が90度となるよう
に設定されている。
【0056】また、スライド部材21の側部の上方に
は、スライド用開口21bの中心線と直交する方向にネ
ジ孔(図示せず)が設けられている。このネジ孔は、略
円柱状の開口であり、スライド部材21の外部とスライ
ド用開口21bを連通させており、内壁に雌ネジが形成
されている。このネジ孔の雌ネジには、止めネジ13の
雄ネジ部13aが螺合するようになっている。雄ネジ部
13aの長さは、このネジ孔の長さより長くなるように
設定されている。したがって、図6における中央の止め
ネジ13の頭部13bをある方向に回動して締め込むこ
とにより、スライド部材11を、その位置で移動路部材
22に固定することができる。
【0057】また、スライド部材21の下端付近には、
円形断面の凹部である装着用凹部21aが開設されてい
る。装着用凹部21aの内径は、ダイヤルゲージ80の
装着部84の外径よりもわずかに大きくなるように設定
されている。このため、ダイヤルゲージ80の装着部8
4は、装着用凹部21aに挿入可能となっている。ま
た、装着用凹部21aの中心線(図6における装着用凹
部21aの中心位置を通り図の上下方向に延びる線)
は、移動路部材22の中心線と交差し、かつ移動路部材
22の中心線に対して角度が90度となり、スライド部
材21が移動路部材22に取り付けられた状態では、装
着用凹部21aの中心線の方向は鉛直上下方向と合致す
るように設定されている。
【0058】また、スライド部材11の側部の下方に
は、装着用凹部21aの中心線と直交する方向(水平方
向)にネジ孔(図示せず)が設けられている。このネジ
孔は、略円柱状の開口であり、スライド部材21の外部
と装着用凹部21aを連通させており、内壁に雌ネジが
形成されている。このネジ孔の雌ネジには、止めネジ1
4の雄ネジ部14aが螺合するようになっている。雄ネ
ジ部14aの長さは、ネジ孔11bの長さより長くなる
ように設定されている。したがって、ダイヤルゲージ8
0の装着部84を装着用凹部21aに挿入したのち、止
めネジ14の頭部14bを回動して締め込むことによ
り、ダイヤルゲージ80を、その位置でスライド部材1
1に固定し取り付けることができる。
【0059】上記のような構成により、スライド部材2
1にダイヤルゲージ80を取り付けた状態で、スライド
部材21を固定している止めネジ13を上記の方向とは
逆方向に回動して緩めると、スライド部材21を図6に
おける左右方向にスライド移動させることができる。こ
の場合、接触体89の中心線であるゲージ芯は、スライ
ド用開口10bの中心線の延長線上を動く。したがっ
て、ゲージ芯は、主軸芯90bと交差しかつ主軸芯90
bに対して垂直となる水平方向の直線の上を動くことに
なる。
【0060】ここに、移動路部材22は特許請求の範囲
における移動路に相当し、移動路部材22の中心線は特
許請求の範囲における移動路中心線に相当している。ま
た、移動路部材22の中心線は、主軸芯90bを通り主
軸芯90bに対して垂直となる直線となっており、特許
請求の範囲における主軸芯垂直線に相当している。ま
た、移動路部材22の外面は、移動路部材22の中心線
に沿っており、特許請求の範囲における第1嵌合部に相
当している。また、移動路部材22は、特許請求の範囲
における梁状部材に相当している。また、スライド部材
21は、特許請求の範囲における測定器保持手段に相当
している。また、スライド部材11の内面は、移動路部
材22の外面と嵌合可能であり、特許請求の範囲におけ
る第2嵌合部に相当している。
【0061】上記した第2実施形態のフライス盤用芯出
し治具1Bとダイヤルゲージ80を用いても、第1実施
形態の場合とまったく同様にして、被工作物の芯出し対
象の中心線である芯出し対象芯と、フライス盤の主軸9
0の中心線である主軸芯90bとを合致させることがで
きる。また、第2実施形態の場合には、ダイヤルゲージ
80の接触体89が芯出し対象芯の直上に位置すること
も可能であり、非常に小径の芯出し対象であっても支障
無く芯出しを行うことができる、という利点を有してい
る。
【0062】(3)第3実施形態 本発明は、上記した各実施形態とは異なる他の構成によ
っても実現可能である。図7は、本発明の第3実施形態
であるフライス盤用芯出し治具の構成を示す第1の図で
あり、ダイヤルゲージを装着した状態の正面図を示して
いる。また、図8は本発明の第3実施形態であるフライ
ス盤用芯出し治具の構成を示す第2の図であり、図7
(A)の右側から見た側面図を示している。
【0063】上記した第1、2実施形態では、図14に
示すダイヤルゲージ80の装着部84の中心線が、接触
体89の中心線と合致することを前提としていた。しか
し、製作誤差等により、ダイヤルゲージ80の装着部8
4の中心線が、接触体89の中心線と合致しない場合が
ある。この場合、図14(B)の状態において両者が合
致しないときには、ヒンジ87により測定子81を曲げ
ることにより誤差を吸収することが可能である。しか
し、図14(A)の状態において両者が合致しない場合
には、第1、第2実施形態のフライス盤用芯出し治具で
は、芯出しを行うことは非常に困難となる。以下に説明
する第3実施形態のフライス盤用芯出し治具は、このよ
うな場合においても芯出しが可能な構成を有している。
【0064】図7、8に示すように、この第3実施形態
のフライス盤用芯出し治具1Cは、主軸取付部材10
と、スライド部材31と、ゲージ保持部材32と、止め
ネジ13及び33及び34を備えて構成されている。こ
れらのうち、主軸取付部材10は、第1実施形態で説明
したものとまったく同様の構成と作用を有しており、特
許請求の範囲における主軸取付手段に相当している。
【0065】また、スライド部材31は、第1実施形態
におけるスライド部材11とほぼ同様の構成を有してお
り、スライド部材31は、スライド用開口10b内をス
ライド移動可能となっており、止めネジ13によって、
主軸取付部材10に固定し取り付けることができる。ス
ライド部材31は、その左右方向の一端の付近に、ゲー
ジ保持部材32が取り付けられる点がスライド部材11
と異なっている。すなわち、スライド部材31の左右方
向の一端の付近には、2つのネジ孔31a、31bが上
下に並設されている。ネジ孔31a、31bは、略円柱
状の開口であり、内壁に雌ネジが形成されている。この
ネジ孔31a、31bの雌ネジには、止めネジ33の雄
ネジ部33aが螺合するようになっている。
【0066】ゲージ保持部材32には、その下端付近に
は、略円柱状の凹部である装着用凹部孔32aが開設さ
れている。装着用凹部32aの内径は、ダイヤルゲージ
80の装着部84の外径よりもわずかに大きくなるよう
に設定されている。このため、ダイヤルゲージ80の装
着部84は、装着用凹部32aに挿入可能となってい
る。
【0067】また、ゲージ保持部材32には、挿通孔3
2bと、調節孔32cと、ネジ孔32dが上下方向に並
設されている。挿通孔32bは、略円柱状の開口であ
り、その内径は、止めネジ33の雄ネジ部33aの外径
よりもわずかに大きな値に設定されており、止めネジ3
3が挿入可能となっている。また、調節孔32cは、略
円柱状の開口であり、その内径は、挿通孔32bの外径
よりも大きく、止めネジ33の頭部33aの外径よりも
小さな値に設定されており、止めネジ33が挿入可能と
なっている。
【0068】また、ネジ孔32dは、略円柱状の開口で
あり、ゲージ保持部材32の外部と装着用凹部32aを
連通させており、内壁に雌ネジが形成されている。この
ネジ孔32dの雌ネジには、止めネジ34の雄ネジ部3
4aが螺合するようになっている。雄ネジ部34aの長
さは、ネジ孔32dの長さより長くなるように設定され
ている。したがって、ダイヤルゲージ80の装着部84
を装着用凹部32aに挿入したのち、止めネジ34の頭
部34bを回動して締め込むことにより、ダイヤルゲー
ジ80を、その位置でゲージ保持部材32に固定し取り
付けることができる。
【0069】上記のような構成により、ゲージ保持部材
32にダイヤルゲージ80を取り付けた状態で、挿通孔
32bに図7(A)における上側の止めネジ33を挿通
し、少し回動して軽く締め、かつ、調節孔32cに図7
(A)における下側の止めネジ33を挿通し、少し回動
して軽く締めると、ゲージ保持部材32は、挿通孔32
bの中心を回転中心として微少な角度だけ回転可能とな
る。その後、適宜の角度位置に調節した状態で2つの止
めネジ33、33を締め付け、ゲージ保持部材32をそ
の角度の状態でスライド部材31に取り付けて固定する
ことができる。これにより、ダイヤルゲージ80の接触
体89を、スライド部材31の中心線に対して垂直な直
線の方向に微少距離だけ前進又は後退させることがで
き、図14(A)の状態においてダイヤルゲージ80の
装着部84の中心線が接触体89の中心線と合致しない
場合であっても、両者のズレ誤差を吸収することが可能
となる。
【0070】ここに、スライド用開口10bは特許請求
の範囲における移動路に相当し、スライド用開口10b
の中心線は特許請求の範囲における移動路中心線に相当
している。また、スライド用開口10bの中心線は、主
軸芯90bを通り主軸芯90bに対して垂直となる直線
となっており、特許請求の範囲における主軸芯垂直線に
相当している。また、スライド用開口10bの内面は、
スライド用開口10bの中心線に沿っており、特許請求
の範囲における第1嵌合部に相当している。また、ゲー
ジ保持部材32は、特許請求の範囲における測定器保持
手段に相当している。また、ゲージ保持部材32と、2
つの止めネジ33、33と、調節孔32cは、特許請求
の範囲における垂直方向微調整手段及び第1取付角度微
調整手段に相当しており、これらにより調整するダイヤ
ルゲージ80のスライド部材31への取付角度は、第1
取付角度に相当している。また、スライド部材31の外
面は、スライド用開口10bの内面と嵌合可能であり、
特許請求の範囲における第2嵌合部に相当している。
【0071】次に、上述したフライス盤用芯出し治具1
Cとダイヤルゲージ80を用いて、被工作物の芯出し対
象の中心線である芯出し対象芯と、フライス盤の主軸9
0の中心線である主軸芯90bとを合致させる方法につ
いて、図9及び10を参照しつつ詳細に説明する。
【0072】まず、上記した第1実施形態の場合と同様
にして、主軸90にフライス盤用芯出し治具1Cを取り
付ける。フライス盤用芯出し治具1Cには、ダイヤルゲ
ージ80を取り付ける。
【0073】次に、フライス盤(図示せず)を操作し、
主軸90を被工作物101の凹部102の近傍へ移動さ
せる。この過程は、特許請求の範囲における第1過程に
相当している。ここに、凹部102は、芯出し対象に相
当している。
【0074】次に、スライド部材31をスライド用開口
10bの中心線に沿って平行にスライド移動させ、ダイ
ヤルゲージ80の接触体89を凹部102の近傍へ移動
させる。次いで、ダイヤルゲージ80の接触体89を被
工作物101の凹部102の内壁面に軽く押接させる。
この過程は、特許請求の範囲における第2過程に相当し
ている。
【0075】次に、主軸90を手動で回転させ、凹部1
02の内壁面に押接させたダイヤルゲージ80の目盛の
読み値が変化した場合には、読み値が最大から最小へ向
かう方向へ主軸90を移動させる過程(以下、「第3過
程」という。)を繰り返す。この際、調節孔32cと下
方の止めネジ33を用いて、適宜角度調整を行い、ダイ
ヤルゲージ80の接触体89を、スライド部材31の中
心線に対して垂直な直線の方向に微少距離だけ前進又は
後退させることを組み合わせることにより、主軸芯90
bを芯出し対象芯110Aと一致させることができる。
【0076】(4)第4実施形態 次に、上述したフライス盤用芯出し治具、例えば1A
と、ダイヤルゲージ80を用いて、被工作物の測長対象
点までの長さを測定する方法(本発明の第4実施形態)
について、図9を参照しつつ詳細に説明する。
【0077】この方法には、主軸位置を数値制御可能な
フライス盤(図示せず)を用いる。そして、まず、上記
したフライス盤用芯出し治具1Aとダイヤルゲージ80
を主軸に装着し、上記した芯出し方法により、主軸を回
転させてダイヤルゲージ80の読み値が第1値から変化
した場合には、読み値が最大から最小へ向かう方向に主
軸を移動させる過程(第3過程)を繰り返し、被工作物
105の芯出し対象である凹部106の中心線である芯
出し対象芯と、工作機械の主軸の中心線である主軸芯と
を合致させる。ここまでの過程は、特許請求の範囲にお
ける第1〜第3過程に相当している。図9(A)は、被
工作物105と、被工作物105に設けられた凹部10
6を示した上面図である。符号107は、測長を行おう
とする測長対象である他の凹部を示している。また、符
号89は、凹部106の内壁面に軽く押接された状態の
ダイヤルゲージの接触体を示している。
【0078】図9(B)は、この場合のダイヤルゲージ
80の読み値を示している。この例では、読み値は1
0.0となっている。図示はしていないが、この状態で
は、主軸を手動で回転させても、回転角度位置のいずれ
の位置においてもダイヤルゲージ80の読み値は10.
0を維持する状態となっている。この場合、読み値1
0.0は、特許請求の範囲における第1値に相当してい
る。次に、この状態で、数値制御式のフライス盤の座標
原点O(0,0)を、現在の主軸の中心点位置に設定す
る。この過程は、特許請求の範囲における第4過程に相
当している。
【0079】次に、この状態から、主軸を静かに上昇さ
せるとともに移動させ、ダイヤルゲージの接触体89を
凹部106から離し、凹部107の上方まで移動させ
る。次に、主軸を少しずつ下降させるとともに移動させ
て、ダイヤルゲージの接触体89を凹部107の内壁面
に接近させ、その後、接触体89を凹部107の内壁面
に静かに押接させる。この際、主軸の移動量を微調整し
て、ダイヤルゲージ80の読み値が前回の値(10.
0)と等しくなるようにする。図9(D)は、この場合
のダイヤルゲージ80の読み値を示している。この場合
も、読み値は10.0となっている。この過程は、特許
請求の範囲における第5過程に相当している。
【0080】次に、上記した芯出し方法と同様に、主軸
を回転させてダイヤルゲージ80の読み値が10.0か
ら変化した場合には、読み値が最大から最小へ向かう方
向に主軸を移動させる過程(第6過程)を繰り返し、主
軸を手動で回転させても、回転角度位置のいずれの位置
においてもダイヤルゲージ80の読み値が10.0を維
持する状態となるようにする。
【0081】そして、次に、この状態での数値制御式の
フライス盤の座標値(x1,y1)を、フライス盤の表
示部等(図示せず)から読み取る。このようにすれば、
読み取ったx座標値x1は、図9(C)に示すように、
凹部106の中心点O(0,0)から接触体89の中心
点位置P6(x1,y1)までのx方向の長さを表すこ
とになる。また、同様に、読み取ったy座標値y1は、
図9(C)に示すように、凹部106の中心点O(0,
0)から接触体89の中心点位置(x1,y1)までの
y方向の長さを表すことになる。
【0082】この第4実施形態のようにすれば、数値制
御式のフライス盤の被工作物上の距離を簡易に測定する
ことができ、便利である。
【0083】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0084】例えば、上記各実施形態においては、移動
路として、開口(例えば10b)、あるいは梁状部材
(例えば22)を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
には限定されず、他の構成の移動路、例えば、溝状の凹
部であってもよい。図10に示す第5実施形態のフライ
ス盤用芯出し治具1Dは、その一例であり、第1実施形
態のフライス盤用芯出し治具1Aにおけるスライド用開
口10bのかわりに略「T」字状断面のスライド用凹部
10dを主軸取付部材10に設けるとともに、このスラ
イド用凹部10dに嵌合してスライド可能な略「T」字
状断面を有するスライド部材41を用い、スライド部材
41の下端付近に設けられた装着用凹部41aにダイヤ
ルゲージ80の装着部84を装着するようにしている。
このように構成すれば、主軸取付部材10の下部が開放
されており、ネジ孔10cに螺合している止めネジ13
を緩めれば、ダイヤルゲージ80が主軸取付部材10の
下部を支障無く通過することができ、ダイヤルゲージ8
0の接触体89が芯出し対象芯の直上に位置することも
可能であり、非常に小径の芯出し対象であっても支障無
く芯出しを行うことができる、という利点を有してい
る。
【0085】一般に、移動路は、移動路中心線に平行に
延設される凹部、又は開口、若しくは梁状部材であれば
よい。また、移動路は、移動路中心線に沿う第1嵌合部
を有し、測定器保持手段は、第1嵌合部と嵌合する第2
嵌合部を有すればよい。第2嵌合部は、第1嵌合部の凹
部に嵌合する梁状部材、第1嵌合部の開口に嵌合する梁
状部材、第1嵌合部の梁状部材に嵌合する凹部又は開口
であればよい。この場合、第1嵌合部と第2嵌合部の断
面形状は、一般には、四角形、三角形、他の多角形、円
形、楕円形、その他任意の形状が可能である。しかし、
移動路が凹部の場合で下部が開放されている場合、ある
いは移動路が梁状部材の場合で第2嵌合部の凹部の上部
が開放されている場合には、止めネジ13等を緩めた場
合に測定器保持手段が落下しないような形状、例えば、
第1嵌合部及び第2嵌合部の断面形状が略「T」字状の
もの、第1嵌合部及び第2嵌合部の断面形状が「H」を
横にした形状のものなど、水平方向に何らかの凹凸を設
けるようにしてもよい。
【0086】この第5実施形態においては、スライド用
凹部10dは特許請求の範囲における移動路に相当し、
スライド用凹部10dの中心線は特許請求の範囲におけ
る移動路中心線に相当している。また、スライド用凹部
10dの中心線は、主軸芯90bを通り主軸芯90bに
対して垂直となる直線となっており、特許請求の範囲に
おける主軸芯垂直線に相当している。また、スライド用
凹部10dの内面は、スライド用凹部10dの中心線に
沿っており、特許請求の範囲における第1嵌合部に相当
している。また、スライド部材41は、特許請求の範囲
における測定器保持手段に相当している。また、スライ
ド部材41の外面は、スライド用凹部10dの内面と嵌
合可能であり、特許請求の範囲における第2嵌合部に相
当している。
【0087】また、上記各実施形態においては、芯出し
を行う対象として、被工作物に設けられた凹部(例え
ば、図13(A)に示す102)を例に挙げて説明した
が、本発明はこれには限定されず、他の形状、構成の芯
出し対象であってもよい。例えば、図13(B)に示す
ような被工作物101Aに設けられた円形断面の貫通孔
103であってもよい。あるいは、図13(C)に示す
ような被工作物101に設けられた円形断面の凹部10
2に取り付けられた芯出し用部材104であってもよ
い。芯出し用部材104の場合には、接触体89を押接
する箇所は、芯出し用部材の外壁面となる。また、芯出
し用部材104は、貫通孔103に取り付けられてもよ
い。さらに、芯出し対象は、被工作物に設けられた円形
断面の凸部(図示せず)であってもよい。
【0088】また、上記各実施形態においては、工作機
械として、フライス盤を例に挙げて説明したが、本発明
はこれには限定されず、他の工作機械、例えば、ボール
盤、又は中ぐり盤、又はNC工作盤、若しくはマシニン
グセンタなどであってもよい。要は、回転する主軸によ
り工作を行う工作機械であれば、どのようなものであっ
てもよいのである。また、第4実施形態の測長方法は、
数値制御式の工作機械である必要があるが、それ以外の
芯出し方法は、数値制御式でない工作機械であっても実
施可能である。
【0089】また、上記各実施形態においては、移動路
(例えばスライド用開口10bの内面)の中心線である
移動路中心線(例えばスライド用開口10bの中心線)
が、主軸芯(例えば90b)を通り主軸芯に対して垂直
となる直線(主軸芯垂直線)である例について説明した
が、本発明はこれには限定されず、他の構成、例えば、
移動路中心線は、主軸垂直線のうちの一つに平行となる
線であればよい。その場合でも、測定器保持手段の構成
(特に、変位測定器を装着する部分の位置)を適宜に設
定することにより、変位測定器の接触体の中心線である
測定器芯が、主軸芯垂直線のうちの一つの上を動くよう
にすることができる。
【0090】また、上記各実施形態においては、変位測
定器として、可動状態で支持される接触体89を有し、
接触体89が押圧により押し込まれた場合の変位量を測
定し、測定された変位量を指針により示す機械式のダイ
ヤルゲージ80を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
には限定されず、他の構成の変位測定器であってもよ
い。例えば、可動状態で支持される接触体89を有し、
接触体89が押圧により押し込まれた場合の変位量を電
気的量に変換し、この電気的量に基づいて、測定された
変位量を表示器(液晶表示器など)により示す電気式の
変位測定器であってもよい。
【0091】このような電気式の変位測定器の一例とし
ては、差動変圧器が挙げられる。差動変圧器は、図示は
していないが、非磁性材料の巻枠に1次コイルと2次コ
イルを巻き、巻枠の内部にコア(鉄心など)を配置して
1次コイルに交流電圧を加えると、コアの位置に応じて
電磁誘導による誘導起電力が2次コイルの出力電圧とし
て得られることを利用するものであり、コアの先端を接
触体とし、コアの後端に圧縮バネを設けておけば、図1
5に示すダイヤルゲージ80と同様の作用を行わせるこ
とができ、出力を電気的量として得ることができる。
【0092】また、電気式の変位測定器の他の例として
は、リニアエンコーダが挙げられる。リニアエンコーダ
は、図示はしていないが、発光ダイオード等を光源と
し、帯板状のスケールに一定間隔で直線的に配置された
スリット(細い開口)を通して断続的に変化する光量
を、反対側のフォトダイオード等の受光器により検出
し、検出されたパルス信号により移動距離を検出するも
のであり、スケールの先端を接触体とし、スケールの後
端に圧縮バネを設けておけば、図15に示すダイヤルゲ
ージ80と同様の作用を行わせることができ、出力を電
気的量として得ることができる。
【0093】また、上記各実施形態においては、垂直方
向微調整手段として、第3実施形態のゲージ保持部材3
2と、2つの止めネジ33、33と、調節孔32cを例
に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他
の構成のものであってもよい。例えば、図11(全体斜
視図)及び図12(図12(A)は側面図であり主軸取
付部材10のみ中央での縦断面を示し、図12(B)は
図12(A)におけるA−A断面図を示している。)に
示す第6実施形態のフライス盤用芯出し治具1Eは、そ
の一例である。このフライス盤用芯出し治具1Eは、第
1実施形態のフライス盤用芯出し治具1Aにおけるスラ
イド用開口10bのかわりに円形断面のスライド用開口
10eを主軸取付部材10に設けるとともに、この円形
断面のスライド用開口10eに嵌合しスライド可能な断
面のスライド部材51を用い、スライド部材51の長手
方向の一端付近には、ダイヤルゲージ80の装着部84
を挿入するための装着用孔51aと、この装着部84を
ネジ止めするためのネジ孔51b(上記した止めネジ1
4の雄ネジ部14aが螺合可能なネジ孔)を設けるとと
もに、スライド部材51の長手方向に伸びる略四角形断
面のスライド用溝51cを設け、このスライド用溝51
cに嵌合させることによりスライド部材51がスライド
可能となるような形状(スライド用溝51cに嵌合する
略直角の隅角部を2個有するとともに、スライド部材5
1の円筒面状の外周面に合致する曲面を有する略柱状の
立体形状)を有するコマ部材55を設け、コマ部材55
にネジ孔55aを設けておくとともに、スライド用開口
10eに対して垂直な状態で連通する略長方形断面の調
整用長孔10fを主軸取付部材10の胴体の側部に開設
し、雄ネジ部53aと頭部53bを有する止めネジ53
の雄ネジ部53aを調整用長孔10fから挿入し、コマ
部材55のネジ孔55aに螺合させるようにする。
【0094】この第6実施形態のように構成すれば、ス
ライド部材51は、ネジ孔10cに螺合している止めネ
ジ13を緩めれば、スライド用開口10eの中心線の周
りにある角度だけ回転可能となる。これにより、図12
(A)に示すように、ダイヤルゲージ80の装着部84
を挿入するための装着用孔51aを鉛直方向から傾斜さ
せることができるので、ダイヤルゲージ80の接触体8
9を、スライド部材51の中心線に対して垂直な直線の
方向に微少距離だけ前進又は後退させることができ、図
14(A)の状態においてダイヤルゲージ80の装着部
84の中心線が接触体89の中心線と合致しない場合で
あっても、両者のズレ誤差を吸収することが可能とな
る。第6実施形態のフライス盤用芯出し治具1Eでは、
上記のようにして調整したスライド部材51の主軸取付
部材10に対する取付角度(第2取付角度)の状態で止
めネジ53を締め付けることによりコマ部材55を主軸
取付部材10の内部に固定することができ(図12
(A)を参照)、かつ、この状態において、スライド部
材51は、スライド用溝51cを有しているため、スラ
イド用開口10e及びスライド用溝51cの長手方向に
自由にスライド移動することができるようになっている
ので、上記した各実施形態の場合と同様にして、被工作
物の芯出し対象の中心線である芯出し対象芯と、フライ
ス盤の主軸の中心線である主軸芯とを合致させることが
できる。
【0095】この第6実施形態においては、スライド用
開口10eは特許請求の範囲における移動路に相当し、
スライド用開口10eの中心線は特許請求の範囲におけ
る移動路中心線に相当している。また、スライド用開口
10eの中心線は、主軸芯(図示せず。図1等の符号9
0bを参照。)を通り主軸芯に対して垂直となる直線と
なっており、特許請求の範囲における主軸芯垂直線に相
当している。また、スライド用開口10eの内面は、ス
ライド用開口10eの中心線に沿っており、特許請求の
範囲における第1嵌合部に相当している。また、スライ
ド部材51の外面は、スライド用開口10eの内面と嵌
合可能であり、特許請求の範囲における第2嵌合部に相
当している。また、スライド部材51は、特許請求の範
囲における測定器保持手段に相当している。また、主軸
取付部材10の円形のスライド用開口10eと、スライ
ド部材51の円形の外形と、スライド部材51のスライ
ド用溝51cと、コマ部材55と、主軸取付部材10の
調整用長孔10fと、止めネジ53は、特許請求の範囲
における垂直方向微調整手段及び第2取付角度微調整手
段に相当しており、これらにより調整するスライド部材
51の主軸取付部材10への取付角度は、第2取付角度
に相当している。
【0096】あるいは、垂直方向微調整手段の他の構成
の例としては、スライド部材の断面を、円形断面の一部
に凸部又は凹部を設けたものとしておき、スライド用開
口の断面を、凸部又は凹部の付近のみ若干大きな開口と
しておけば、ゲージ取付角度は微少な角度範囲でのみ微
調整可能となる。要は、変位測定器を測定器保持手段に
取り付ける第1取付角度を微調整することができる機
構、若しくは移動路に平行に移動可能な状態で測定器保
持手段を主軸取付手段に取り付ける第2取付角度を微調
整することができる機構であれば、どのようなものであ
ってもよい。
【0097】あるいは、垂直方向微調整手段の他の構成
の例としては、第1実施形態のスライド部材11(これ
を第1のスライド部材とする。)の一端付近に、スライ
ド部材11の中心線に対して垂直となる水平方向の線を
中心線とするような第2のスライド用開口(図示せず)
を設けるとともに、この第2のスライド用開口に嵌合し
スライド可能な第2のスライド部材(図示せず)を設け
るようにしてもよい。このようにすれば、第1のスライ
ド部材の中心線に対して垂直な方向にダイヤルゲージ8
0を移動させることが可能となる。要は、主軸芯垂直線
のうち移動路中心線に対して垂直な直線の方向に変位測
定器の接触体を微少距離だけ前進又は後退可能であれ
ば、どのような機構であってもよいのである。
【0098】なお、上記した各実施形態の各構成要素
は、適宜に選択して組み合わせ、他の実施形態を構成す
ることが可能である。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る工作
機械の芯出し治具によれば、工作機械の主軸に取り付け
られ移動路を有する主軸取付手段と、可動状態で支持さ
れる接触体が押圧により押し込まれた場合の変位量を測
定し指針又は表示器により示す変位測定器と、移動路に
平行に移動可能で測定器芯が主軸芯垂直線の一つの上を
動くように変位測定器を保持する測定器保持手段を備え
たので、容易かつ短時間で被工作物の芯出し対象芯と主
軸芯を合致させることができる、という利点を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるフライス盤用芯出
し治具の構成を示す第1の図である。
【図2】本発明の第1実施形態であるフライス盤用芯出
し治具の構成を示す第2の図である。
【図3】図1及び図2に示すフライス盤用芯出し治具を
用いたフライス盤の芯出し方法を説明する第1の図であ
る。
【図4】図1及び図2に示すフライス盤用芯出し治具を
用いたフライス盤の芯出し方法を説明する第2の図であ
る。
【図5】図1及び図2に示すフライス盤用芯出し治具を
用いたフライス盤の芯出し方法を説明する第3の図であ
る。
【図6】本発明の第2実施形態であるフライス盤用芯出
し治具の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態であるフライス盤用芯出
し治具の構成を示す第1の図である。
【図8】本発明の第3実施形態であるフライス盤用芯出
し治具の構成を示す第2の図である。
【図9】本発明の第4実施形態であるフライス盤におけ
る長さ測定方法を説明する図である。
【図10】本発明の第5実施形態であるフライス盤用芯
出し治具の構成を示す図である。
【図11】本発明の第6実施形態であるフライス盤用芯
出し治具の構成を示す第1の図である。
【図12】本発明の第6実施形態であるフライス盤用芯
出し治具の構成を示す第2の図である。
【図13】本発明の各実施形態のフライス盤用芯出し治
具により芯出しを行う芯出し対象の例を示す図である。
【図14】フライス盤の芯出し治具に用いられるダイヤ
ルゲージの外観構成を示す図である。
【図15】フライス盤の芯出し治具に用いられるダイヤ
ルゲージの機構の構成を示す概念図である。
【図16】従来のフライス盤用芯出し治具の構成と作用
を説明する第1の図である。
【図17】従来のフライス盤用芯出し治具の構成と作用
を説明する第2の図である。
【符号の説明】
1A〜1E フライス盤用芯出し治具 10 主軸取付部材 10a 取付部 10b スライド用開口 10c ネジ孔 10d スライド用凹部 10e スライド用開口 10f 調整用長孔 11 スライド部材 11a 装着用孔 11b ネジ孔 13 止めネジ 13a 雄ネジ部 13b 頭部 14 止めネジ 14a 雄ネジ部 14b 頭部 20 主軸取付部材 20a 取付部 20b 移動路支持部 20b、20c 開口 21 スライド部材 21a 装着用凹部 21b スライド用開口 22 移動路部材 31 スライド部材 31a、31b ネジ孔 32 ゲージ保持部材 32a 装着用凹部 32b 挿通孔 32c 調節孔 32d ネジ孔 33 調整ネジ 33a 雄ネジ部 33b 頭部 34 止めネジ 34a 雄ネジ部 34b 頭部 41 スライド部材 41a 装着用凹部 51 スライド部材 51a 装着用孔 51b ネジ孔 51c スライド用溝 53 止めネジ 53a 雄ネジ部 53b 頭部 55 コマ部材 55a ネジ孔 80 ダイヤルゲージ 81 測定子 82 本体ケース 82a ラック 82b 歯車 82c 歯車軸 82d 歯車 82e 歯車軸 82f 圧縮バネ 82g 空間 82h、82i 拘束部 82k 凸条部 82m 溝部 83 ダイヤル部 84 装着部 85 目盛板 86 指針 87 ヒンジ 88 装着部 89 接触体 90 主軸 90a 取付孔 90b 主軸芯 101、101A〜101C 被工作物 102、102B、102C 凹部 103 貫通孔 104 芯出し用部材 105 被測定物 106、107 凹部 110A〜110C 芯出し対象芯 201、202 フライス盤用芯出し治具 210 主軸取付部 211 球体部 212 収容部 213 ゲージ接続部 214 調節具 220 主軸取付部 221 ヒンジ部 222 本体部 223 ヒンジ部 224 ゲージ接続部 d1〜d4 方向

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被工作物の芯出し対象の中心線である芯
    出し対象芯と、工作機械の主軸の中心線である主軸芯と
    を合致させるための工作機械の芯出し治具であって、 前記主軸に取り付けられるとともに、前記主軸芯を通り
    前記主軸芯に対して垂直となる直線である主軸芯垂直線
    のうちの一つに平行となるか又は一致する直線である移
    動路中心線に沿う移動路を有する主軸取付手段と、 可動状態で支持される接触体を有し、前記接触体が押圧
    により押し込まれた場合の変位量を測定し、測定された
    変位量を指針又は表示器により示す変位測定器と、 前記移動路に平行に移動可能な構成を有するとともに、
    前記変位測定器の接触体の中心線である測定器芯が、前
    記主軸芯垂直線のうちの一つの上を動くように前記変位
    測定器を保持する測定器保持手段を備えたことを特徴と
    する工作機械の芯出し治具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の工作機械の芯出し治具に
    おいて、 前記芯出し対象は、被工作物に設けられた円形断面の貫
    通孔又は凹部又はこれらのいずれかに取り付けられた芯
    出し用部材、若しくは被工作物に設けられた円形断面の
    凸部を含むことを特徴とする工作機械の芯出し治具。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の工作機械の芯出し治具に
    おいて、 前記変位測定器は、ダイヤルゲージ又は差動変圧器若し
    くはリニアエンコーダを含むことを特徴とする工作機械
    の芯出し治具。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の工作機械の芯出し治具に
    おいて、 前記移動路は、前記移動路中心線に平行に延設される凹
    部又は開口若しくは梁状部材であるとともに、前記移動
    路中心線に沿う第1嵌合部を有し、 前記測定器保持手段は、前記第1嵌合部と嵌合する第2
    嵌合部を有することを特徴とする工作機械の芯出し治
    具。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の工作機械の芯出し治具に
    おいて、 前記測定器保持手段は、前記主軸芯垂直線のうち前記移
    動路中心線に対して垂直な直線の方向に前記変位測定器
    の接触体を微少距離だけ前進又は後退可能な垂直方向微
    調整手段を有することを特徴とする工作機械の芯出し治
    具。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の工作機械の芯出し治具に
    おいて、 前記垂直方向微調整手段は、前記変位測定器を前記測定
    器保持手段に取り付ける第1取付角度を微調整する第1
    取付角度微調整手段であることを特徴とする工作機械の
    芯出し治具。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の工作機械の芯出し治具に
    おいて、 前記垂直方向微調整手段は、前記移動路に平行に移動可
    能な状態で前記測定器保持手段を前記主軸取付手段に取
    り付ける第2取付角度を微調整する第2取付角度微調整
    手段であることを特徴とする工作機械の芯出し治具。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の工作機械の芯出し治具に
    おいて、 前記工作機械は、回転する主軸により工作を行うもので
    あって、フライス盤又はボール盤又は中ぐり盤又はNC
    工作盤若しくはマシニングセンタを含むことを特徴とす
    る工作機械の芯出し治具。
  9. 【請求項9】 被工作物の芯出し対象の中心線である芯
    出し対象芯と、工作機械の主軸の中心線である主軸芯と
    を合致させるための工作機械の芯出し方法であって、 前記主軸に取り付けられるとともに、前記主軸芯を通り
    前記主軸芯に対して垂直となる直線である主軸芯垂直線
    のうちの一つに平行となるか又は一致する直線である移
    動路中心線に沿う移動路を有する主軸取付手段と、 可動状態で支持される接触体を有し、前記接触体が押圧
    により押し込まれた場合の変位量を測定し、測定された
    変位量を指針又は表示器により示す変位測定器と、 前記移動路に平行に移動可能な構成を有するとともに、
    前記変位測定器の接触体の中心線である測定器芯が、前
    記主軸芯垂直線のうちの一つの上を動くように前記変位
    測定器を保持する測定器保持手段を備えた工作機械の芯
    出し治具を前記主軸に装着し、 前記主軸を前記芯出し対象の近傍へ移動させる第1過程
    を行い、 次いで、前記測定器保持手段を前記移動路に平行に移動
    させ、前記変位測定器の接触体を前記芯出し対象の近傍
    へ移動させ、前記変位測定器の接触体を前記芯出し対象
    の内壁又は外壁に押接させ、前記変位測定器の指針又は
    表示器の値がある値である第1値となるようにする第2
    過程を行い、 次いで、前記主軸を手動で回転させ、前記変位測定器の
    指針又は表示器の値が前記第1値から変化した場合に
    は、前記指針又は表示器の値が最大から最小へ向かう方
    向に前記工作機械の主軸を前記移動路に平行に移動させ
    る第3過程を繰り返し、前記主軸の回転角度位置のいず
    れの位置においても前記変位測定器の指針又は表示器の
    値が前記第1値を維持するようにすることを特徴とする
    工作機械の芯出し方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の工作機械の芯出し方法
    において、 前記測定器保持手段に、前記主軸芯垂直線のうち前記移
    動路中心線に対して垂直な直線の方向に前記変位測定器
    の接触体を微少距離だけ前進移動又は後退移動可能な垂
    直方向微調整手段を設け、 前記第3過程においては、前記指針又は表示器の値が最
    大から最小へ向かう方向に前記工作機械の主軸を移動さ
    せることを特徴とする工作機械の芯出し方法。
  11. 【請求項11】 被工作物の芯出し対象の中心線である
    芯出し対象芯と、位置を数値制御可能な工作機械の主軸
    の中心線である主軸芯とを合致させた後に、前記被工作
    物の測長対象点までの長さを測定する方法であって、 前記主軸に取り付けられるとともに、前記主軸芯を通り
    前記主軸芯に対して垂直となる直線である主軸芯垂直線
    のうちの一つに平行となるか又は一致する直線である移
    動路中心線に沿う移動路を有する主軸取付手段と、 可動状態で支持される接触体を有し、前記接触体が押圧
    により押し込まれた場合の変位量を測定し、測定された
    変位量を指針又は表示器により示す変位測定器と、 前記移動路に平行に移動可能な構成を有するとともに、
    前記変位測定器の接触体の中心線である測定器芯が、前
    記主軸芯垂直線のうちの一つの上を動くように前記変位
    測定器を保持する測定器保持手段を備えた工作機械の芯
    出し治具を前記主軸に装着し、 前記主軸を前記芯出し対象の近傍へ移動させる第1過程
    を行い、 次いで、前記測定器保持手段を前記移動路に平行に移動
    させ、前記変位測定器の接触体を前記芯出し対象の近傍
    へ移動させ、前記変位測定器の接触体を前記芯出し対象
    の内壁又は外壁に押接させ、前記変位測定器の指針又は
    表示器の値がある値である第1値となるようにする第2
    過程を行い、 次いで、前記主軸を手動で回転させ、前記変位測定器の
    指針又は表示器の値が前記第1値から変化した場合に
    は、前記指針又は表示器の値が最大から最小へ向かう方
    向に前記工作機械の主軸を前記移動路に平行に移動させ
    る第3過程を繰り返し、 次いで、前記主軸の回転角度位置のいずれの位置におい
    ても前記変位測定器の指針又は表示器の値が前記第1値
    を維持する状態となった場合には、その時点の前記主軸
    芯の位置を前記工作機械の座標原点に設定する第4過程
    を行い、 次いで、前記主軸を前記測長対象点の近傍へ移動させ、
    前記変位測定器の接触体を前記測長対象点の内壁又は外
    壁に押接させ、前記変位測定器の指針又は表示器の値が
    前記第1値となるようにする第5過程を行い、 次いで、前記主軸を手動で回転させ、前記変位測定器の
    指針又は表示器の値が前記第1値から変化した場合に
    は、前記指針又は表示器の値が最大から最小へ向かう方
    向に前記工作機械の主軸を前記移動路に平行に移動させ
    る第6過程を繰り返し、 次いで、前記主軸の回転角度位置のいずれの位置におい
    ても前記変位測定器の指針又は表示器の値が前記第1値
    を維持する状態となった場合には、前記第5過程におけ
    る前記工作機械のx座標値及びy座標値を読み取ること
    により、前記芯出し対象芯から前記測長対象点までのx
    方向の長さ及びy方向の長さを測定することを特徴とす
    る工作機械における長さ測定方法。
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