JP2002291703A - 医療用液晶モニター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手術に携わる要員が手術室のモニター画面を
容易に、かつ、支障なく見ることができるようにする。 【解決手段】 三台の液晶モニター１１ａ〜ｃの側部同
士を蝶番１５ａ，ｂで開閉自在に連結する。その液晶モ
ニター１１ａ〜ｃの一台１１ｂに支柱１２を設けて天井
に設けた移動用トロリー１８に取り付ける。そして、液
晶モニター１１ａ〜ｃを開閉し、表示画面２４を手術要
員３の配置に合わせて向きを変えることにより、手術に
携わる要員が手術室のモニター画面を容易に、かつ、支
障なく見ることができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する利用分野】この発明は、例えば、手術室
やＩＣＵなどに設置する医療用液晶モニター装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】近年の手術室には、手術箇所のモニター
や手術患者の状態を示す心電図や血圧などのデータを手
術中の医師や看護婦が把握できるように、それらを一元
的に表示するためのモニター装置が置かれている。

【０００３】従来、このようなモニター装置には、ブラ
ウン管を用いたテレビ（ＣＲＴ）モニターが用いられて
いた。ところが、このテレビモニターは、奥行きがあ
り、また重量も重いので、例えば、図７に示すように、
モニター台１に横一列あるいは二段に配置するようにし
ていた。

【０００４】しかし、上記のようにテレビモニターをモ
ニター台１に配置したものでは、モニター台１を手術台
２に向けて一方向にしか配置できないので、例えば図７
に示すように、医師や看護婦などの手術要員３が重なる
とモニター画面４を見通せなくなる。

【０００５】そのため、例えば、多数の手術要員３を必
要とする心臓カテーテル手術などにおいても手術台２に
近寄れる人数が限られてしまうという不都合が生じてい
た。

【０００６】この問題を解決するため、複数のモニター
台１を準備し、そのモニター台１を手術要員３の配置に
応じて移動させることが考えられていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにモニター台を移動させる方法では、重たいモニター
台を手術要員の配置に合わせて手術ごとに移動させるの
は手間がかかるし、手術中に要員が移動すると、それに
合わせてモニター台を移動させなければならない問題が
あった。

【０００８】そこで、この発明の課題は、手術中に手術
に携わる要員が、容易に、かつ、支障なくモニター画面
を見ることができるようにすることである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明では、複数の液晶モニターを横一列にして
開閉自在に連結した構成を採用したのである。

【００１０】このような構成を採用することにより、液
晶モニターは平板なので、横一列に開閉自在に連結され
た複数の液晶モニターの開閉角度を変えれば、各液晶モ
ニターの表示画面の向きを手術要員の位置に応じて変え
られる。そのため、手術に携わる者が支障なく表示画面
を見ることができる。

【００１１】また、上記複数の液晶モニターの一台に吊
り下げ部材を設け、天井あるいは天井を移動する移動用
トロリーから吊り下げられるようにした構成を採用する
こともできる。

【００１２】このような構成を採用することにより、液
晶モニターは軽量なので、天井からの吊り下げが容易に
できる。また、天井から吊り下げることにより、床に置
かれた機器などに関係なく手術室内への配置が自由にで
きる。そのため、例えば、液晶モニターを手術台上に配
置し、配置した液晶モニターを開閉して向きを手術要員
の配置や移動に応じて変えれば、開閉した液晶モニター
を、例えば手術の患者を挟んで手術を行う医師や看護婦
などの手術要員それぞれが見ることができるので、手術
台に近寄れる人数を限る必要はない。

【００１３】このとき、上記複数の液晶モニターが３台
の液晶モニターで構成されている構成を採用することが
できる。

【００１４】このような構成を採用することにより、３
台の液晶モニターを開閉して三角形に折り曲げれば、一
つの液晶モニターが１２０°カバーすることができ、液
晶モニターを配置した周囲のどの位置からでも開閉した
いずれかのモニターを見ることができる。その際、各液
晶モニターの表示は、同じモニター画面にしても良い
し、画面を見る手術要員の必要とする表示にすることが
できる。

【００１５】また、このとき、上記液晶モニターにハン
ドルを設けた構成を採用することにより、ハンドルを持
って液晶モニターの開閉や移動ができるので、例えば、
手術中の手術要員の移動に合わせて、液晶モニターの開
閉や移動が簡単にできる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。

【００１７】図１に示すように、この形態の医療用液晶
モニター装置は、複数（三台）の液晶モニター１１ａ〜
ｃを横一列にして開閉自在に連結した構成となってい
る。また、その液晶モニター１１ａ〜ｃの一台、すなわ
ち、中央の液晶モニター１１ｂの上面に吊り下げ用の部
材として支柱１２を設けてあり、その支柱１２を天井に
設けた移動用トロリー１８に固定用フランジ１４でもっ
て取り付ける構成となっている。

【００１８】液晶モニター１１ａ〜ｃは、この形態の場
合、２１インチのもの２台１１ａ，ｂと１３インチのも
の１台１１ｃで構成されており、例えば２１インチのも
の１１ａ，ｂは、手術個所のモニター画面、脳波、心電
図などを単独で、あるいは画面を分割して表示するよう
になっている。また、１３インチのもの１１ｃには、脈
拍などの数値データを表示するようにしている。

【００１９】また、各モニター１１ａ〜ｃは、図２に示
すように、側部同士を蝶番１５ａ，ｂで開閉自在に連結
してある。

【００２０】その際、２１インチのもの１１ａ，ｂは、
１３インチのもの１１ｃに比べ少し重くなるので、２１
インチのもの１１ａ，ｂ同士の連結には、蝶番１５ａを
２箇所設けて連結している。また、１３インチのもの１
１ｃについては、図２（ａ），（ｃ）のように、蝶番１
５ｂをＬ型のアダプター１６を介して取り付け、蝶番１
５ｂの回転軸を浮かせるようにしており、図３に示すよ
うに、１３インチのもの１１ｃを１８０°回転させた際
に、２１インチの液晶モニター１１ａの厚みの分だけ浮
いた状態となるようにして、折り畳んで収納ができるよ
うになっている。

【００２１】さらに、各液晶モニター１１ａ〜ｃの下部
には、逆Ｔ字形のハンドル１７が設けられており、この
ハンドル１７を掴んで液晶モニター１１ａ〜ｃの開閉や
後述するように液晶モニター１１ａ〜ｃの移動が簡単に
できるようになっている。

【００２２】なお、この形態では連結に蝶番１５ａ，ｂ
を用いているが、これ以外にも連結には、例えば継ぎ手
などを用いるようにしてもよい。

【００２３】また、先に述べたように、中央の液晶モニ
ター１１ｂに、吊り下げ用の支柱１２を設けたが、この
支柱１２と液晶モニター１１ｂとは水平方向（図１の矢
印方向）に回動自在に取り付けるようにすれば、手術要
員の配置や移動に合わせてより最適に液晶モニター１１
ａ〜ｃ向きの調節ができる。

【００２４】移動用トロリー１８は、図４のように、箱
形のトロリー本体１９にガイド輪２０と走行輪２１とを
備え、前記ガイド輪２０と走行輪２１を天井に並行に設
けた２本の概Ｃ形チャンネル材からなるガイドレール２
２に係合させるようにしたもので、係合させたレール２
２に沿って移動できるようになっている。

【００２５】また、トロリー本体１９には、４個の取り
付け孔２３が設けられており、先に述べた固定用フラン
ジ１４がネジ止めできるようになっている。

【００２６】この形態は、上記のように構成されてお
り、この発明の医療用液晶モニター装置１０は、移動用
トロリー１８のガイドレール２２を天井に配置すること
により、手術室内を簡単に移動させることができる。例
えば、手術台２上にも移動させるようにもできる。その
ため、手術台２の両側に手術要員を配置する場合は、例
えば、図５（ａ）に示すように、液晶モニター１１ａ，
ｂを開閉して折り曲げれば、液晶モニター１１ａ，ｂの
表示画面２４が、図６（ａ）に示すように表裏となり、
図５（ａ）に示すように、手術台２の両側に配置された
手術要員３が、それぞれ液晶モニター１１ａ〜ｃの表示
画面２４を見ながら手術を行うことができる。

【００２７】その結果、全ての手術要員３が患者の状態
を把握しながら手術を行うことができ、手術要員３の医
師なども液晶モニター１１ａ〜ｃの表示画面２４を見て
的確な指示を与えることができる。

【００２８】また、例えば、手術要員３が図５（ａ）の
破線のように移動した場合でも、ハンドルをもって液晶
モニター１１ｃをその方向へ開閉すればよい。

【００２９】一方、この液晶モニター１１ａ〜ｃは、図
５（ｂ）に示すように、手術要員３が手術台２の片側だ
けに配置される場合でも、液晶モニター１１ａ〜ｃの表
示画面２４が一方向となるように開閉すれば対処でき
る。そのため、端の者も前記表示画面２４を無理なく見
ることができ、その際、例えば、液晶モニター１１ａ〜
ｃの表示画面２４に異なった表示を行うようにすれば、
表示できる情報も多くでき、多くの情報を共有できる。

【００３０】さらに、図６（ｂ）のように、３台の液晶
モニター１１ａ〜ｃを開閉して三角形に折り曲げると、
各液晶モニター１１ａ〜ｃの表示画面２４が１２０°を
カバーして周囲のどの位置からでも開閉したいずれかの
液晶モニター１１ａ〜ｃを見ることができる。このと
き、各液晶モニター１１ａ〜ｃの表示は、同じ表示内容
にしても良いし、各液晶モニター１１ａ〜ｃを見る手術
要員３の必要とする表示とすることもできる。

【００３１】このように、この医療用液晶モニター装置
１０は、手術要員３に合わせて連結された液晶モニター
１１ａ〜ｃを開閉して向きを変えられる。そのため、例
えば、手術中に手術要員３が移動してもそれに合わせて
液晶モニター１１ａ〜ｃの向きを変えられるので、手術
に携わる者が支障なくモニター画面を見ることができ
る。

【００３２】なお、この形態では、液晶モニター１１ａ
〜ｃが三台の場合について述べたが、これに限定される
ものではない。これより多くても良いし、また少なく
（２台）てもよい。表示内容や配置する部屋の大きさな
どに合わせて適宜決めることができる。

【００３３】また、この形態では、液晶モニター１１ａ
〜ｃの内の一台１１ｃを小さなものとしたが、これに限
定されるものではない。全て同じ大きさのものにしても
良いし、２台を小さなものとしてもよいことは当然であ
る。

【００３４】さらに、この形態では、液晶モニター１１
ａ〜ｃを天井から吊り下げるようにしたが、これに限定
されるものではない。これ以外にも、例えばスタンドな
どを設けて、床から配置するようにしてもよい。

【００３５】また、この形態では、医療用液晶モニター
装置１０を手術室に設けた場合について述べたが、これ
に限定されるものではなく、これ以外にもＩＣＵなどに
も設置することができる。

【００３６】

【発明の効果】この発明は、以上のように構成したこと
により、手術中の手術要員が、容易に、かつ、支障なく
モニター画面を見ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態の一部断面斜視図

【図２】（ａ）実施形態の平面図 （ｂ）実施形態の正面図 （ｃ）実施形態の側面図

【図３】実施形態の作用説明図

【図４】（ａ）実施形態の移動用トロリーの平面図 （ｂ）（ａ）のｂ−ｂ断面図

【図５】（ａ）実施形態の作用説明図 （ｂ）実施形態の作用説明図

【図６】（ａ）実施形態の作用説明図 （ｂ）実施形態の作用説明図

【図７】従来例の作用説明図

【符号の説明】

１０ 医療用液晶モニター装置 １１ａ〜ｃ 液晶モニター １２ 支柱 １７ ハンドル １８ 移動用トロリー

フロントページの続き Ｆターム(参考） 5C094 AA01 AA12 BA43 DA01 DA02 HA08 5G435 AA01 BB12 EE16 EE17 LL04

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の液晶モニターを横一列にして開閉
   自在に連結した医療用液晶モニター装置。
2. 【請求項２】 上記複数の液晶モニターの一台に吊り下
   げ部材を設け、天井あるいは天井を移動する移動用トロ
   リーから吊り下げられるようにした請求項１に記載の医
   療用液晶モニター装置。
3. 【請求項３】 上記複数の液晶モニターが３台の液晶モ
   ニターで構成されている請求項１または２に記載の医療
   用液晶モニター装置。
4. 【請求項４】 上記液晶モニターにハンドルを設けた請
   求項１乃至３のいずれかに記載の医療用液晶モニター装
   置。