JP2002290149A - 水平偏波アンテナ - Google Patents

水平偏波アンテナ

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JP2002290149A
JP2002290149A JP2001085389A JP2001085389A JP2002290149A JP 2002290149 A JP2002290149 A JP 2002290149A JP 2001085389 A JP2001085389 A JP 2001085389A JP 2001085389 A JP2001085389 A JP 2001085389A JP 2002290149 A JP2002290149 A JP 2002290149A
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正人 田中
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恭一 飯草
Takashi Ohira
孝 大平
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ATR Adaptive Communications Research Laboratories
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導波路がTMモードあるいはTEMモードで
ある場合にも電磁波の送受信を効率的に行うことができ
るとともに小型化および高密度化が可能なスリットアン
テナを提供することである。 【解決手段】 オーバーサイズ同軸導波路の外部導体3
に複数の矩形波状のミアンダ形スリット6が設けられ
る。ミアンダ形スリット6は、複数の垂直スリット部6
1および複数の水平スリット部62,63により構成さ
れる。隣接する垂直スリット部61の端部を接続するよ
うに水平スリット部62,63が垂直スリット部61に
直角に配置される。垂直スリット部61の長さは管内波
長のほぼ1/2に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直線偏波アンテナ
に関し、特にスリットアンテナおよびTMモードまたは
TEMモードの給電導波路で構成される進行波形スリッ
トアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、導波路に沿って直線状のスリ
ットを設けることにより導波路から電磁波を徐々に放射
する漏れ波アンテナと呼ばれる技術がある。この漏れ波
アンテナでは、導波路がTEモードの場合に直線状のス
リットから直線偏波が放射される。
【0003】一方、任意のアンテナパターンを成形する
(ビーム成形する)方法として、複数の素子アンテナを
配列し、各素子アンテナに給電する電磁波の振幅と位相
を制御するアレーアンテナの技術がある。
【0004】一つの基地局アンテナで広い部屋を万遍無
く照らすことができるようにしたり、移動局アンテナで
ビーム追尾を必要としないでも通信を確保するために
は、水平面内で無指向性であるアンテナが望まれる。
【0005】そこで、本発明者らは、水平面内無指向性
を実現する同軸円筒スロットアレーアンテナを提案して
いる。同軸円筒スロットアレーアンテナは、オーバーサ
イズ同軸導波路の外導体に複数のスロットを設けたアン
テナである。この同軸円筒スロットアレーアンテナは、
マイクロストリップ線路に比べて導波路の誘電体を厚く
できるため低損失である。また、給電波が同軸モードで
あるので、アンテナ軸を垂直に設置することにより、水
平面内無指向性を実現することができる。さらに、スロ
ットの大きさおよび位置を軸方向に制御することによ
り、垂直面内にビーム成形可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の漏れ波アンテナ
では、導波路がTEモードの場合に直線状のスリットか
ら直線偏波が放射される。しかしながら、導波路がTM
モードあるいはTEMモードの場合には、導波路に沿っ
た直線状のスリットからは電磁波が放射されない。その
ため、TMモードまたはTEMモードの導波路に直線状
のスリットを設けてもアンテナとして機能しない。
【0007】また、TEモードの導波路を用いた漏れ波
アンテナでは、電磁波の放射源である磁流の位相が管内
波長にほぼ等しい間隔で揃う。そのため、放射源の高密
度化が図れない。
【0008】一方、上記の同軸円筒スロットアレーアン
テナのアンテナ軸を垂直に設置した場合、スロットを水
平に設けることにより垂直偏波は容易に得られる。しか
し、給電波がTEMモードであるため、垂直スロットは
励振されない。
【0009】そこで、本発明者らは、1対のスロットを
ハの字状に配置した斜めスロットペアを提案している。
図13は斜めスロットペアを示す図である。図13の斜
めスロットペア700は、1対の斜めスロット710,
720により構成される。斜めスロット710,720
はTEMモード波の給電方向に対してそれぞれ角度αお
よび−α傾斜している。これにより、水平磁流成分に誘
発されて垂直磁流成分も励振される。この場合、垂直偏
波の成分のみが打ち消されるように斜めスロット71
0,720が逆方向に傾けられ、かつ次式のようなスロ
ット間隔Dで配置される。
【0010】 D/λg=Dcosθ/λ0 +1/2 …(1) ここで、λgは管内波長、λ0 は自由空間波長である。
また、ここでは、TEMモード波の給電方向を垂直方向
(z軸方向)とする。また、垂直方向(z軸方向)から
の仰角をθで表す。このような斜めスロットペア700
によれば、水平偏波を実現することができる。しかしな
がら、図13の斜めスロットペア700においては、全
ての仰角θに関して上記の条件を満たすことはできない
という限界がある。
【0011】そこで、本発明者らは、垂直スロットの両
端部の同じ側に水平スロットを接続した大括弧形スロッ
トを提案している。図14は大括弧形スロットを示す図
である。
【0012】図14の大括弧型スロット600は、垂直
スロット610および1対の短い水平スロット620,
630により構成される。垂直スロット610は、垂直
方向(z軸方向)に配置される。垂直スロット610の
両端部の同じ側に水平スロット620,630が直角に
接続されている。水平スロット620,630の間隔
(垂直スロット610の長さ)Lは、管内波長λgのほ
ぼ1/2に設定される。TEMモード波が垂直方向(z
軸方向)に給電されると、水平スロット620,630
は励振されるが、垂直スロット610は励振されない。
【0013】図14の大括弧形スロット600において
は、水平スロット620,630の間隔Lがほぼλg/
2に設定されているので、水平スロット620,630
には逆向き(逆相)の磁流M+1,M-1が励振される。こ
れらの磁流M+1,M-1は、垂直スロット610に同じ向
きの磁流を励振しようとする。また、垂直スロット61
0の長さLがほぼλg/2であるため、共振が起こりや
すくなる。それにより、垂直スロット610に磁流M0
が励振される。このような垂直方向の磁流M0により効
率的に水平偏波が送受信される。一方、2つの水平スロ
ット620,630に励振される磁流M+1,M-1は逆相
であるため、互いに打ち消し合う。したがって、垂直偏
波の送受信は抑制される。
【0014】このようにして、図14の大括弧形スロッ
ト600を用いると、水平偏波同軸円筒スロットアレー
アンテナを構成することができる。
【0015】図14の大括弧形スロット600において
は、垂直磁流は同軸導波路のTMモードあるいはTEM
モード波により直接励振されないが、逆に垂直磁流が励
振されても給電波への影響が生じにくく、同軸導波路内
での反射が小さいという特徴を有する。
【0016】ただし、大括弧形スロット600を用いて
アレーアンテナを構成した場合には、図13の斜めスロ
ットペア700を用いた場合と比較して、全てのスロッ
ト600が同じ方向に揃うため、スロット600間の相
互結合が大きく、また、その配列分布に影響を受けやす
い。このため、励磁分布の制御においては、この影響を
考慮する必要がある。
【0017】図13の斜めスロットペア700および図
14の大括弧形スロット600を比較すると、大括弧形
スロット600の方が垂直方向および水平方向の占有面
積が小さいことがわかる。そのため、水平偏波アンテナ
の小型化および高密度化が可能となる。
【0018】しかしながら、水平偏波の送受信を効率的
に行うことができ、さらに小型化および高密度化が可能
な水平偏波アンテナが望まれている。
【0019】本発明の目的は、導波路がTMモードある
いはTEMモードの場合にも電磁波の送受信を効率的に
行うことができるとともに小型化および高密度化が可能
なスリットアンテナを提供することである。
【0020】本発明の他の目的は、水平偏波の送受信を
効率的に行うことができるとともに小型化および高密度
化が可能なTMモードあるいはTEMモードの給電導波
路で構成される進行波形スリットアンテナを提供するこ
とである。
【0021】
【課題を解決するための手段および発明の効果】第1の
発明に係るアンテナは、電磁波を伝搬する導波路に矩形
波状に蛇行するように延びるスリットが設けられたもの
である。
【0022】本発明に係るアンテナにおいては、矩形波
状のスリットにおいて導波路中の電磁波の進行方向に垂
直な部分の励振により導波路中の電磁波の進行方向に平
行な部分の励振を誘発し電磁波の進行方向に垂直な偏波
が発生する。
【0023】したがって、導波路がTMモードあるいは
TEMモードである場合にも、電磁波の送受信を効率的
に行うことができる。
【0024】この場合、電磁波の進行方向に垂直な部分
による偏波が互いに打ち消されるように各部分の長さを
設定することにより、直線偏波を効率的に発生すること
ができる。
【0025】スリットは、導波路中の電磁波の進行方向
に垂直な方向および平行な方向に間隔を隔てて配置され
かつ電磁波の進行方向に平行に延びる複数の第1のスリ
ット部と、導波路中の電磁波の進行方向に間隔を隔てて
配置されかつ各第1のスリット部の端部と他の第1のス
リット部の端部とに接続されるように第1のスリット部
に対して直角に延びる複数の第2のスリット部とを有
し、複数の第2のスリット部の励振により複数の第1の
スリット部の励振を誘発し電磁波の進行方向と垂直な第
1の偏波が発生するとともに複数の第2のスリット部に
よる第2の偏波が打ち消されるように複数の第1のスリ
ット部の長さが設定されてもよい。
【0026】この場合、スリットの第2のスリット部の
励振により第1のスリット部の励振を誘発し電磁波の進
行方向に垂直な第1の偏波が発生するとともに、複数の
第2のスリット部による第2の偏波が互いに打ち消され
る。それにより、第1の偏波のみの直線偏波を効率的に
発生することができる。
【0027】複数の第1のスリット部の長さは、管内波
長のほぼ2分の1であることが好ましい。それにより、
複数の第2のスリット部の励振により発生する第2の偏
波が十分に打ち消されるとともに、第1のスリット部が
共振しやすくなる。したがって、直線偏波を効率的に発
生することができる。また、管内波長のほぼ2分の1間
隔の各第1のスリット部には同相の磁流が励振されるた
め、放射源が高密度に分布する。それにより、グレーテ
ィングローブが抑制される。また、小型化および高密度
化が図られる。
【0028】第2の発明に係るアンテナは、端部および
外周面を有する内部導体と、内部導体の端部上および外
周面上に形成された誘電体と、誘電体を介して内部導体
の端部上に形成された端部領域および誘電体を介して内
部導体の外周面上に形成された外周部領域を有する外部
導体と、外部導体の端部領域および内部導体の端部の各
中心から外部導体と内部導体との間の誘電体に給電する
給電部とを備え、内部導体の端部と外部導体の端部領域
との間の誘電体が所定の管内波長の電磁波を伝搬する半
径方向導波路を形成し、内部導体の外周面と外部導体の
外周部領域との間の誘電体が管内波長の電磁波を伝搬す
る同軸導波路を形成し、外部導体の外周部領域に一端部
から他端部に延びる複数の矩形波状のスリットが設けら
れたものである。
【0029】本発明に係るアンテナにおいては、矩形波
状の各スリットにおいて、同軸導波路の軸方向に垂直な
部分の励振により同軸導波路の軸方向に平行な部分の励
振を誘発し同軸導波路の軸方向に垂直な偏波が発生す
る。この場合、同軸導波路の軸方向に垂直な部分による
偏波が互いに打ち消されるように各スリットの各部分の
長さを設定することにより、水平偏波を効率的に発生す
ることができる。このようにして、TEMモードの給電
導波路で構成される進行波形スリットアレーアンテナが
構成されるので、水平面内無指向性の水平偏波アンテナ
が実現する。
【0030】また、各スリットが矩形波状に形成されて
いるので、同軸導波路の周方向において、各スリットの
占有面積が小さくなる。それにより、水平偏波アンテナ
の周方向の小型化および高密度化が図られる。
【0031】複数のスリットの各々は、同軸導波路の周
方向および軸方向に間隔を隔てて配置されかつ同軸導波
路の軸方向に平行に延びる複数の第1のスリット部と、
同軸導波路の軸方向に間隔を隔てて配置されかつ各第1
のスリット部の端部と他の第1のスリット部の端部とに
接続されるように第1のスリット部に対して直角に延び
る複数の第2のスリット部とを有し、複数の第2のスリ
ット部の励振により複数の第1のスリット部の励振を誘
発し同軸導波路の軸方向と垂直な第1の偏波が発生する
とともに複数の第2のスリット部による第2の偏波が打
ち消されるように複数の第1のスリット部の長さが設定
されてもよい。
【0032】この場合、各スリットの第2のスリット部
の励振により第1のスリット部の励振を誘発し同軸導波
路の軸方向に垂直な第1の偏波が発生するとともに、複
数の第2のスリット部による第2の偏波が互いに打ち消
される。それにより、水平偏波を効率的に発生すること
ができる。
【0033】複数の第1のスリット部の長さは、管内波
長のほぼ2分の1であることが好ましい。それにより、
複数の第2のスリット部の励振により発生する第2の偏
波が十分に打ち消される。したがって、水平偏波を効率
的に発生することができる。
【0034】隣接するスリットにおける第2のスリット
部が、同軸導波路の軸方向における同じ位置に配置され
ることが好ましい。それにより、各スリットの第1のス
リット部の励振により発生される第1の偏波が同相で励
振される。したがって、水平偏波を効率的に発生するこ
とができる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1(a),(b)は本発明の一
実施の形態における水平偏波アンテナのそれぞれ縦断面
図および外観図である。図1の水平偏波アンテナは水平
偏波同軸円筒スリットアレーアンテナである。
【0036】図1において、内部導体1は、円柱状の銅
等により形成され、1対の円形状端面および外周面を有
する。内部導体1の1対の円形状端面および外周面はフ
ッ素樹脂等の誘電体2により被覆されている。この誘電
体2は、内部導体1の円形状端面に接する円盤部と、内
部導体1の外周面に接する円筒部とを有する。
【0037】誘電体2の外面は外部導体3により被覆さ
れている。この外部導体3は、誘電体2を介して内部導
体1の1対の円形状端面に対向する円盤部と、誘電体2
を介して内部導体1の外周面に対向する円筒部とを有す
る。
【0038】外部導体3の外周面には、後述する複数の
スリット6が形成されている。内部導体1の円形状端面
および外部導体3の円盤部の各中心には同軸線路7,8
がそれぞれ接続されている。矢印10で示すように一方
の同軸線路7から給電が行われる。他方の同軸線路8の
端部には終端素子9が取り付けられている。
【0039】内部導体1および外部導体3の中心軸がア
ンテナ軸となる。以下の説明では、水平偏波アンテナの
アンテナ軸を垂直方向(z軸方向)に配置するものとす
る。
【0040】図1の水平偏波アンテナにおいては、誘電
体2の円盤部の中心から給電された電磁波が誘電体2の
円盤部を半径方向の外側に向かって進行することにより
ラジアル導波路5が形成される。また、電磁波がこのラ
ジアル導波路5を経由して円筒部に到達すると、円筒部
を他方の円盤部に向かって進行することによりオーバー
サイズ同軸導波路4が形成される。
【0041】電磁波がオーバーサイズ同軸導波路4を伝
搬する過程で外部導体3に形成された複数のスリット6
から外部へ電磁波が放射される。複数のスリット6は周
方向に所定間隔で配置されている。そのため、各スリッ
ト6からの放射電波による電界および磁界の強度分布は
周方向にほぼ均一となる。
【0042】なお、水平偏波アンテナの送受信の可逆性
により、外部導体3のスリット6が電磁波を受けた場合
には、逆のプロセスで受信が行われる。
【0043】図1(a)において、オーバーサイズ同軸
導波路4の長さをL0で表し、外径をR1で表し、内径
をR2で表す。また、図1(b)において、垂直方向
(z軸方向)からの仰角をθで表し、方位角をφで表
す。
【0044】図2は図1の水平偏波アンテナに形成され
るスリットの配列パターンを示す展開図である。
【0045】図2のスリット6をミアンダ形(蛇行状)
スリットと呼ぶ。各ミアンダ形スリット6は矩形波状に
形成されている。図2の例では、複数のミアンダ形スリ
ット6が図1の外部導体3の円筒部の一端部から他端部
に延びかつ周方向に一定間隔で配列される。
【0046】図3は本発明の原理を説明するための図で
あり、(a)は大括弧形スロットの向きと垂直磁流の向
きとの関係を示し、(b)は複数の大括弧形スロットの
組み合わせと垂直磁流との関係を示し、(c)はミアン
ダ形スリットを示す。
【0047】図3(a)において、左側の大括弧形スロ
ット600を大括弧開く形スロットと呼び、右側の大括
弧形スロット600を大括弧閉じる形スロットと呼ぶ。
図3(a)に示すように、大括弧形スロット600にお
いては、大括弧の向きによって励振される垂直磁流の向
きが異なる。左側の大括弧開く形スロットでは、垂直ス
ロット610に下向きの磁流M0 が励振される。一方、
右側の大括弧閉じる形スロットでは、垂直スロット61
0に上向きの磁流M0 が励振される。
【0048】そこで、図3(b)に示すように、大括弧
開く形スロットと大括弧閉じるスロットとをz軸方向に
管内波長λgのほぼ1/2ずらして配置する。これによ
り、各大括弧形スロットの600の垂直スロット610
を同じ向きに励振することが可能となる。
【0049】このような配置方法においては、同じ向き
の大括弧形スロットのみを配置した場合に比べ、z軸方
向における大括弧形スロット600の間隔(素子間隔)
が半分になる。その結果、素子間隔が大きくなることに
より発生するグレーティングローブを抑制することがで
きる。
【0050】このように、複数の大括弧形スロット60
0を交互に逆向きに配置することにより、水平偏波を実
現することができる。しかしながら、図3(b)の配置
によれば、大括弧形スロット600が本来有しているか
横方向(z軸方法に垂直な方向)の占有面積が小さくな
るという長所を生かせなくなる。図3(c)に示すミア
ンダ形スリット6では、横方向の占有面積を小さくする
ことができる。
【0051】この場合、垂直スリット部61の長さが管
内波長λgのほぼ2分の1となるので、後述するよう
に、通常の直線状のスリットに比べ放射源が高密度に分
布する。それにより、直線偏波を効率的に発生すること
ができるとともに、グレーティングローブが抑制され
る。
【0052】ここで、大括弧形スロット600の中心線
で測定される水平スロット620,630の間隔(垂直
スロット610の長さ)をLとし、垂直スロット610
の幅をwとし、水平スロット620,630の長さをs
とし、水平スロット620,630の幅をw’と定義す
る。
【0053】図3(c)において、ミアンダ形スリット
6は、複数の垂直スリット部61および複数の短い水平
スリット部62,63により構成される。複数の垂直ス
リット部61は、垂直方向(z軸方向)に延びるように
配置され、かつ交互に水平方向に間隔を隔てて配置され
る。隣接する垂直スリット部61の端部を接続するよう
に水平スリット部62,63が垂直スリット部61に対
して直角に配置されている。
【0054】垂直スリット部61の長さはLであり、垂
直スリット部61の幅はwであり、水平スリット部6
2,63の長さはsであり、水平スリット部62,63
の幅はw’である。垂直スリット部61の長さLは、管
内波長λgのほぼ1/2に設定される。
【0055】図15は本発明のアンテナによるグレーテ
ィングローブの抑制効果を説明するための図であり、
(a)はTEモードの導波路に沿った直線状のスリット
における磁流を示し、(b)はTMモードまたはTEM
モードの導波路に沿ったミアンダ形スリットにおける磁
流を示す。
【0056】図15(a)に示すように、直線状のスリ
ット800においては、管内波長λgの間隔で同相の磁
流が励振される。図15(b)に示すように、ミアンダ
形スリット6においては、管内波長λgの2分の1の間
隔で垂直スリット部61に同相の磁流が励振される。そ
のため、ミアンダ形スリット6においては、直線状のス
リット800に比べて、放射源が高密度に分布する。そ
れにより、グレーティングローブが抑制される。
【0057】(A)定式化 ここで、図3(c)のミアンダ形スリット6を図3
(b)の大括弧形スロット600の重ね合わせと考え、
水平偏波および垂直偏波を一般化して定式化を行う。
【0058】図3(b)の大括弧形スロット600にお
いて、水平偏波EH を送受信する垂直磁流は、水平スロ
ット620,630に励振される磁流M+1,M-1の逆相
成分により励振されると考えられる。また、垂直偏波E
V は水平スロット620,630に生じる励振の同相成
分により送受信される。水平偏波EH および垂直偏波E
V は次式(2),(3)によりそれぞれ表される。
【0059】 EH ∝M-1exp(−jk(z−L/2))−M+1exp(−jk(z+L/ 2)) …(2) EV ∝M-1exp(−jk(z−L/2))exp(−jk0 L/2cosθ )+M+1exp(−jk(z+L/2))exp(jk0 L/2cosθ) … (3) ここで、M+1およびM-1は水平スロット620,630
に励振される磁流の大きさを表す。大括弧形スロット6
00では、水平スロット620,630の長さが等しく
かつ位置もほぼ近いことから、M-1=M+1と考えられ
る。
【0060】したがって、上式(2),(3)は次式
(4),(5)のように変形することができる。
【0061】 EH =jAexp(−jkz)sin(πL/λg) …(4) EV =Bexp(−jkz)cos{πL/(χλg)} …(5) χ=1/(−1+cosθ0 /√εr ) …(6) ここで、jは虚数単位を表す。また、θ0 は主ビーム方
向の仰角である。また、AおよびBは水平スロット62
0,630にそれぞれ励振される磁流によって送受信さ
れる水平偏波および垂直偏波の振幅を表す実数パラメー
タである。
【0062】上式(4),(5)から水平スロット62
0,630の間隔Lおよび仰角θによらず、水平偏波E
H は垂直偏波EV よりも位相が90[度]進んでいるこ
とがわかる。
【0063】一方、図3(c)のミアンダ形スリット6
においては、水平スリット部62,63が単独で存在し
ない。ここでは、水平スリット部62,63の長さが等
しいと仮定し、M-1=M+1とする。したがって、ミアン
ダ形スリット6においても、上式(2),(3)は上式
(4),(5)のように変形することができる。
【0064】したがって、図3(c)のミアンダ形スリ
ット6においても、上式(4),(5)から水平スリッ
ト部62,63の間隔(垂直スリット部61の長さ)L
および仰角θによらず、水平偏波EH は垂直偏波EV
りも位相が90[度]進んでいることがわかる。
【0065】(B)水平偏波条件上式(4),(5)か
ら水平偏波と垂直偏波との位相差は垂直スリット部61
の長さLによらず90[度]であることがわかる。この
ことから、水平偏波および垂直偏波の振幅を等しくする
ことにより円偏波を送受信することがわかる。また、上
式(5),(6)に示すように、垂直偏波は、光路差が
あるため、主ビーム方向の仰角θ0 の依存性を有する。
主ビーム方向の仰角θ0 の方向で垂直偏波が0すなわち
水平偏波となる条件は、次式(7)で与えられる。
【0066】L=χλg/2 …(7) ブロードサイド方向において水平偏波となる条件は、θ
0=90[度]として次式のようになる。
【0067】L=λg/2 …(8) これは、図3(b)の大括弧形スロット600で用いた
条件と同じである。上式(7)はL=Dとすれば、図1
3の斜めスロットペア700における水平偏波条件の式
(1)と等価になる。
【0068】(C)位相制御 図10はミアンダ形スリット6における磁流および垂直
スリット部61の座標系を示す図である。図10(a)
において、ミアンダ形スリット6における磁流を矢印で
示す。
【0069】また、図10(a),(b)に示すよう
に、任意のi番目の垂直スリット部61の長さをLi
し、i番目の垂直スリット部61の中心位置の座標をz
i とする。ここで、iは1〜nの任意の整数である。こ
の場合、水平スリット部62の座標はzi −Li/2と
なり、水平スリット部63の座標はzi +Li /2とな
る。
【0070】上式(4),(5)から、磁流の励振位相
は垂直スリット部61の中心位置z i で決まることがわ
かる。したがって、i番目の素子における磁流の励振位
相は垂直スリット部61の中心位置zi により制御す
る。等間隔アレーの場合、i番目の素子における磁流の
励振位相をψi とすると、垂直スリット部61の中心位
置zi は、励振位相ψi と、等間隔アレーでなくなるた
めに生じる光路長の変化とを考慮して、次式(9)によ
り与えられる。
【0071】 zi −zi-1 =χλg(1+(ψi −ψi-1 )/2π−χ) …(9) (D)振幅制御 垂直偏波の送受信の割合(振幅)を表す実数パラメータ
Bは、水平スリット部62,63の長さsおよび幅w’
に依存すると考えられる。また、水平偏波の送受信の割
合(振幅)を表す実数パラメータAは、垂直スロット部
61の長さLおよび幅wに依存するとともに、垂直スロ
ット部61を起動する水平磁流(垂直偏波)の実数パラ
メータBすなわち水平スリット部62,63の長さsお
よび幅w’にも依存すると考えられる。このように、水
平偏波は、垂直スリット部61の長さLおよび幅wなら
びに水平スリット部62,63の長さsおよび幅w’に
より変化する。
【0072】(E)スリットの拘束条件 ミアンダ形スリット6の場合には、大括弧形スロット6
00の場合と異なり、垂直スロット部61の中心位置z
i と垂直スリット部61の長さLi とが次式(10)の
関係を有する。
【0073】 (Li-1 +Li )/2=zi −zi-1 …(10) したがって、位相制御のために素子位置(垂直スロット
部61の中心位置)z i が決まると、垂直スロット部6
1の長さLを自由に選ぶことができない。ゆえに、水平
偏波の条件式(7)を満足するためにや、振幅制御のた
めに、垂直スロット部61の長さLを自由に選択するこ
とができない。また、水平スリット部62,63は、そ
の両側の垂直スロット部61の励振振幅に影響を与える
ため、水平スリット部62,63の長さsおよび幅w’
により独立に水平偏波を制御することは難しい。そのた
め、振幅制御は、垂直スロット部61の幅wにより行う
ことが望ましい。
【0074】なお、上式(10)により、垂直スロット
部61の長さLi は一義的に決定されない。垂直スリッ
ト部61の長さLi をほぼ均一にするためには、垂直ス
リット部61の長さLi を次式(11)により与えられ
る垂直スリット部61の長さの平均値Lavに近い値に選
ぶことが望ましい。
【0075】 Lav=(zn −z1 )/(n−1) …(11) (F)ビーム成形 以上をまとめると、ミアンダ形スリット6を用いた垂直
面内ビームの成形は、図11に示す手順で行われる。ま
ず、垂直面内成形ビームE(θ)の主ビーム方向の仰角
θ0 から上式(6)に従ってχの値を計算する。
【0076】次に、垂直面内成形ビームE(θ)から計
算される磁流の励振位相ψi の分布から上記のχの値を
上式(9)に代入することにより、垂直スリット部61
の中心位置zi の分布を決定する。
【0077】さらに、上式(11)を考慮しながら上式
(10)を用いて垂直スリット部61の長さLi の分布
を求める。
【0078】一方、垂直面内成形ビームE(θ)におけ
る励振振幅Pi の分布からスリット6の結合率γi の分
布を求める。なお、結合率γi は、1管内波長当たりの
スリットの電磁放射の割合を表す。
【0079】そして、結合率γi の最小値γmin および
最大値γmax を実現できるように、B(s,w’)の関
係から、水平スリット部62,63の長さsおよび幅
w’を定める。さらに、A(L,w,s,w’)の関係
から、垂直スリット部61の長さLi および結合率γi
の分布を用いて必要な垂直スリット部61の幅wi を求
める。
【0080】ここで、A(L,w,s,w’)は、実数
パラメータAが垂直スロット部61の長さLおよび幅w
ならびに水平スリット部62,63の長さsおよび幅
w’に依存することを意味する。また、B(s,w’)
は、実数パラメータBが水平スリット部62,63の長
さsおよび幅w’に依存することを意味する。
【0081】
【実施例】実施例として、図1の外部導体3に図3
(c)に示した複数のミアンダ形スリット6を軸の周り
に20本等間隔に配列した水平偏波同軸円筒アレーアン
テナを試作し、設計周波数15GHzで指向性を測定し
た。図1の水平偏波アンテナにおいて、オーバーサイズ
同軸導波路4の外径R1は24mmであり、内径R2は
20mmであり、長さL0は約280mmである。誘電
体2の比誘電率εr は約2.2である。
【0082】比較例1として、外部導体3に図13に示
した複数の斜めスロットペア700の並びを軸の周りに
20本等間隔に配列した同軸円筒アレーアンテナを試作
した。また、比較例2として、外部導体3に図3(b)
に示した大括弧開く形スロットおよび大括弧閉じる形ス
ロットの並びを軸の周りに等間隔に20本配列した同軸
円筒アレーアンテナを試作した。さらに、比較例3とし
て、外部導体3に複数の直線状のスリットを軸の周りに
等間隔に20本配列した同軸円筒アレーアンテナを試作
した。
【0083】ミアンダ形スリット6における垂直スリッ
ト部61の長さLは管内波長の1/2である6.79m
m、幅wは0.6mmであり、水平スリット部62,6
3の長さsは2.0mm、幅w’は0.6mmである。
斜めスロットペア700における斜めスロット710,
720の長さLは6.0mm、幅wは0.6mmであ
り、角度αは45[度]である。大括弧形スロット60
0における垂直スロット610の長さLは6.79m
m、幅wは0.6mmであり、水平スロット620,6
30の長さsは2.0mm、幅w’は0.6mmであ
る。直線状スリットの幅は0.6mmである。
【0084】図4は斜めスロットペアを用いたアレーア
ンテナの垂直面内指向性を示す図である。図5は大括弧
開く形スロットおよび大括弧閉じる形スロットを用いた
アレーアンテナの垂直面内指向性を示す図である。図6
は直線状のスリットを用いたアレーアンテナの垂直面内
指向性を示す図である。図7はミアンダ形スリットを用
いたアレーアンテナの垂直面内指向性を示す図である。
図4〜図7において、横軸は仰角θを表し、縦軸は利得
を表す。また、実線は水平偏波を表し、破線は垂直偏波
を表す。
【0085】図5に示すように、大括弧形スロット60
0を交互に逆向きに配列したアレーアンテナにより水平
偏波を得ることができる。また、図4および図5の比較
から、大括弧形スロット600を用いたアレーアンテナ
では、斜めスロットペア700を用いたアレーアンテナ
に比べて交差偏波識別度(水平偏波と垂直偏波とのレベ
ル差)が良好になることがわかる。
【0086】図6に示すように、直線状のスリットを用
いたアレーアンテナでは、水平偏波のレベルが垂直偏波
のレベルと等しくなっている。このことより、直線状の
垂直なスリットは効率的に励振されないことが確認でき
る。
【0087】図7に示すように、ミアンダ形スリット6
を用いたアレーアンテナでは、水平偏波が実現され、主
ビームがブロードサイド方向に向いていることがわか
る。このミアンダ形スリット6は、図3(b)の大括弧
形スロット600の水平スロット620,630を重ね
て接続した形状となっているので、大括弧形スロット6
00と同様に、水平スリット部62,63が垂直スリッ
ト部61の励振を起動していると考えられる。
【0088】図4および図7を比較すると、ミアンダ形
スリット6を用いた場合には、斜めスロットペア700
を用いた場合に比べて、良好な交差偏波識別度が確保さ
れていることがわかる。
【0089】次に、円筒面走査近傍界測定法の理論に従
って、完全な水平面内無指向性の仮定のもと、遠方界指
向性より円筒面近傍の等価磁流開口面分布を計算した結
果を図8および図9に示す。図8は大括弧開く形スロッ
トおよび大括弧閉じる形スロットを用いたアレーアンテ
ナの円筒面近傍の等価磁流開口面分布を示す図である。
図9はミアンダ形スリットを用いたアレーアンテナの円
筒面近傍の等価磁流開口面分布を示す図である。
【0090】図8および図9において、給電部は横軸の
負の側に位置する。横軸はz軸方向の位置を表し、縦軸
は振幅および位相を表す。実線は垂直磁流MV を表し、
破線は水平磁流MH を表す。また、太線は振幅を表し、
細線は位相を表す。
【0091】図8および図9から、大括弧形スロット6
00を用いたアレーアンテナの場合にも、ミアンダ形ス
リット6を用いたアレーアンテナの場合にも、ほぼ均一
な開口面分布が実現されていることがわかる。
【0092】また、ミアンダ形スリット6を用いたアレ
ーアンテナでは、交差偏波を送受信する等価的水平磁流
の振幅が大括弧形スロット600を用いたアレーアンテ
ナよりも約15dB大きいことがわかる。
【0093】振幅と位相分布の傾きから、単位構造当た
りの結合率γと等価的な管内波長λg’を計算した結果
をリターンロスの測定値とともに表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】表1の結果から、水平スリット部62,6
3(水平スロット620,630)の長さsおよび幅w
が等しい場合、ミアンダ形スリット6の方が大括弧形ス
ロット600に比べて結合率γが小さくなることがわか
る。
【0096】以上のように、ミアンダ形スリット6を用
いることにより、同軸円筒アレーアンテナが水平偏波を
送受信できることを実験により確認した。この構造によ
り、周方向のスリットの占有面積を減少させることがで
き、スリットの配列の高密度化およびスロットとの同時
配列などの応用が可能となる。
【0097】垂直面内ビーム成形においては、垂直スリ
ット部61の中心位置よりその励振位相が制御される。
また、励振振幅は、垂直スリット部61の幅wにより制
御することが適当であると考えられる。
【0098】なお、本発明に係る円偏波アンテナの形状
は図1に示した形状に限定されない。図12は本発明の
他の実施の形態における水平偏波アンテナの縦断面図で
ある。図12の水平偏波アンテナは水平偏波同軸円筒ス
リットアレーアンテナである。
【0099】図12の例では、内部導体1は、1対の円
錐状端部および外周面を有する。内部導体1の1対の円
錐状端部および外周面は誘電体2により被覆されてい
る。この誘電体2は、内部導体1の円錐状端部に接する
円錐状端部と、内部導体1の外周面に接する円筒部とを
有する。
【0100】誘電体2の外面は外部導体3により被覆さ
れている。この外部導体3は、誘電体2を介して内部導
体1の1対の円錐状端部上に位置する円錐状端部と、誘
電体2を介して内部導体1の外周面上に位置する円筒部
とを有する。
【0101】外部導体3の外周面には、図1の水平偏波
アンテナと同様の複数のスリット6が形成されている。
内部導体1の円錐状端部および外部導体3の円錐状端部
の各中心には同軸線路7,8がそれぞれ接続されてい
る。
【0102】図12の水平偏波アンテナにおいても、図
1の水平偏波アンテナと同様に、水平偏波を効率的に発
生することができるとともに、周方向に小型化および高
密度化を図ることができる。
【0103】なお、上記実施の形態の水平偏波アンテナ
では、内部導体1、誘電体2および外部導体3の断面を
円形としているが、内部導体1、誘電体2および外部導
体3の断面を楕円形としてもよい。この場合にも、水平
偏波を効率的に発生することができるとともに、周方向
に小型化および高密度化を図ることができる。
【0104】また、上記実施の形態では、同軸導波路で
構成される進行波形スリットアレーアンテナについて説
明しているが、導波路は同軸導波路に限定されず、ミア
ンダ形スリットの数は複数に限定されない。例えば、同
軸導波路以外の導波路に1つのミアンダ形スリット6を
設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における水平偏波アンテ
ナの縦断面図および外観図である。
【図2】図1の水平偏波アンテナに形成されるスリット
の配列パターンを示す展開図である。
【図3】大括弧形スロットの向きと垂直磁流の向きとの
関係、大括弧開く形スロットおよび大括弧閉じる形スロ
ットの組み合わせと垂直磁流との関係およびミアンダ形
スリットを示す図である。
【図4】斜めスロットペアを用いたアレーアンテナの垂
直面内指向性を示す図である。
【図5】大括弧開く形スロットおよび大括弧閉じる形ス
ロットを用いたアレーアンテナの垂直面内指向性を示す
図である。
【図6】直線状のスリットを用いたアレーアンテナの垂
直面内指向性を示す図である。
【図7】ミアンダ形スリットを用いたアレーアンテナの
垂直面内指向性を示す図である。
【図8】大括弧開く形スロットおよび大括弧閉じる形ス
ロットを用いたアレーアンテナの円筒面近傍の等価磁流
開口面分布を示す図である。
【図9】ミアンダ形スリットを用いたアレーアンテナの
円筒面近傍の等価磁流開口面分布を示す図である。
【図10】ミアンダ形スリットにおける磁流および垂直
スリット部の座標系を示す図である。
【図11】垂直面内ビーム成形の制御手順を示す図であ
る。
【図12】本発明の他の実施の形態における水平偏波ア
ンテナの縦断面図である。
【図13】斜めスロットペアを示す図である。
【図14】大括弧形スロットを示す図である。
【図15】本発明のアンテナによるグレーティングロー
ブの抑制効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1 内部導体 2 誘電体 3 外部導体 4 オーバーサイズ同軸導波路 5 ラジアル導波路 6 ミアンダ形スリット 7,8 同軸線路 9 終端素子 61 垂直スリット部 62,63 水平スリット部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯草 恭一 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信 研究所内 (72)発明者 大平 孝 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール環境適応通信 研究所内 Fターム(参考) 5J021 AA05 AA10 AA11 AB05 CA01 GA05 GA07 GA08 HA10 JA07 5J045 AA14 AA22 AB05 BA01 CA02 DA11 FA05 GA03 HA06 NA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波を伝搬する導波路に矩形波状に蛇
    行するように延びるスリットが設けられたことを特徴と
    するアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記スリットは、 前記導波路中の電磁波の進行方向に垂直な方向および平
    行な方向に間隔を隔てて配置されかつ前記電磁波の進行
    方向に平行に延びる複数の第1のスリット部と、 前記導波路中の電磁波の進行方向に間隔を隔てて配置さ
    れかつ各第1のスリット部の端部と他の第1のスリット
    部の端部とに接続されるように第1のスリット部に対し
    て直角に延びる複数の第2のスリット部とを有し、 前記複数の第2のスリット部の励振により前記複数の第
    1のスリット部の励振を誘発し前記電磁波の進行方向と
    垂直な第1の偏波が発生するとともに前記複数の第2の
    スリット部による第2の偏波が打ち消されるように前記
    複数の第1のスリット部の長さが設定されたことを特徴
    とする請求項1記載のアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記複数の第1のスリット部の長さは、
    管内波長のほぼ2分の1であることを特徴とする請求項
    2記載のアンテナ。
  4. 【請求項4】 端部および外周面を有する内部導体と、 前記内部導体の前記端部上および前記外周面上に形成さ
    れた誘電体と、 前記誘電体を介して前記内部導体の前記端部上に形成さ
    れた端部領域および前記誘電体を介して前記内部導体の
    外周面上に形成された外周部領域を有する外部導体と、 前記外部導体の前記端部領域および前記内部導体の前記
    端部の各中心から前記外部導体と前記内部導体との間の
    前記誘電体に給電する給電部とを備え、 前記内部導体の端部と前記外部導体の前記端部領域との
    間の前記誘電体が所定の管内波長の電磁波を伝搬する半
    径方向導波路を形成し、前記内部導体の前記外周面と前
    記外部導体の前記外周部領域との間の前記誘電体が前記
    管内波長の電磁波を伝搬する同軸導波路を形成し、 前記外部導体の前記外周部領域に一端部から他端部に延
    びる複数の矩形波状のスリットが設けられたことを特徴
    とするアンテナ。
  5. 【請求項5】 前記複数のスリットの各々は、 前記同軸導波路の周方向および軸方向に間隔を隔てて配
    置されかつ前記同軸導波路の軸方向に平行に延びる複数
    の第1のスリット部と、 前記同軸導波路の軸方向に間隔を隔てて配置されかつ各
    第1のスリット部の端部と他の第1のスリット部の端部
    とに接続されるように第1のスリット部に対して直角に
    延びる複数の第2のスリット部とを有し、 前記複数の第2のスリット部の励振により前記複数の第
    1のスリット部の励振を誘発し前記同軸導波路の軸方向
    と垂直な第1の偏波が発生するとともに前記複数の第2
    のスリット部による第2の偏波が打ち消されるように前
    記複数の第1のスリット部の長さが設定されたことを特
    徴とする請求項4記載のアンテナ。
  6. 【請求項6】 前記複数の第1のスリット部の長さは、
    前記管内波長のほぼ2分の1であることを特徴とする請
    求項5記載のアンテナ。
  7. 【請求項7】 互いに隣接するスリットにおける前記複
    数の第2のスリット部は、前記同軸導波路の軸方向にお
    いて同じ位置に配置されたことを特徴とする請求項5ま
    たは6記載のアンテナ。
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