JP2002290149A - 水平偏波アンテナ - Google Patents
水平偏波アンテナInfo
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Abstract
ある場合にも電磁波の送受信を効率的に行うことができ
るとともに小型化および高密度化が可能なスリットアン
テナを提供することである。 【解決手段】 オーバーサイズ同軸導波路の外部導体3
に複数の矩形波状のミアンダ形スリット6が設けられ
る。ミアンダ形スリット6は、複数の垂直スリット部6
1および複数の水平スリット部62,63により構成さ
れる。隣接する垂直スリット部61の端部を接続するよ
うに水平スリット部62,63が垂直スリット部61に
直角に配置される。垂直スリット部61の長さは管内波
長のほぼ1/2に設定される。
Description
に関し、特にスリットアンテナおよびTMモードまたは
TEMモードの給電導波路で構成される進行波形スリッ
トアンテナに関する。
ットを設けることにより導波路から電磁波を徐々に放射
する漏れ波アンテナと呼ばれる技術がある。この漏れ波
アンテナでは、導波路がTEモードの場合に直線状のス
リットから直線偏波が放射される。
(ビーム成形する)方法として、複数の素子アンテナを
配列し、各素子アンテナに給電する電磁波の振幅と位相
を制御するアレーアンテナの技術がある。
く照らすことができるようにしたり、移動局アンテナで
ビーム追尾を必要としないでも通信を確保するために
は、水平面内で無指向性であるアンテナが望まれる。
を実現する同軸円筒スロットアレーアンテナを提案して
いる。同軸円筒スロットアレーアンテナは、オーバーサ
イズ同軸導波路の外導体に複数のスロットを設けたアン
テナである。この同軸円筒スロットアレーアンテナは、
マイクロストリップ線路に比べて導波路の誘電体を厚く
できるため低損失である。また、給電波が同軸モードで
あるので、アンテナ軸を垂直に設置することにより、水
平面内無指向性を実現することができる。さらに、スロ
ットの大きさおよび位置を軸方向に制御することによ
り、垂直面内にビーム成形可能である。
では、導波路がTEモードの場合に直線状のスリットか
ら直線偏波が放射される。しかしながら、導波路がTM
モードあるいはTEMモードの場合には、導波路に沿っ
た直線状のスリットからは電磁波が放射されない。その
ため、TMモードまたはTEMモードの導波路に直線状
のスリットを設けてもアンテナとして機能しない。
アンテナでは、電磁波の放射源である磁流の位相が管内
波長にほぼ等しい間隔で揃う。そのため、放射源の高密
度化が図れない。
テナのアンテナ軸を垂直に設置した場合、スロットを水
平に設けることにより垂直偏波は容易に得られる。しか
し、給電波がTEMモードであるため、垂直スロットは
励振されない。
ハの字状に配置した斜めスロットペアを提案している。
図13は斜めスロットペアを示す図である。図13の斜
めスロットペア700は、1対の斜めスロット710,
720により構成される。斜めスロット710,720
はTEMモード波の給電方向に対してそれぞれ角度αお
よび−α傾斜している。これにより、水平磁流成分に誘
発されて垂直磁流成分も励振される。この場合、垂直偏
波の成分のみが打ち消されるように斜めスロット71
0,720が逆方向に傾けられ、かつ次式のようなスロ
ット間隔Dで配置される。
また、ここでは、TEMモード波の給電方向を垂直方向
(z軸方向)とする。また、垂直方向(z軸方向)から
の仰角をθで表す。このような斜めスロットペア700
によれば、水平偏波を実現することができる。しかしな
がら、図13の斜めスロットペア700においては、全
ての仰角θに関して上記の条件を満たすことはできない
という限界がある。
端部の同じ側に水平スロットを接続した大括弧形スロッ
トを提案している。図14は大括弧形スロットを示す図
である。
スロット610および1対の短い水平スロット620,
630により構成される。垂直スロット610は、垂直
方向(z軸方向)に配置される。垂直スロット610の
両端部の同じ側に水平スロット620,630が直角に
接続されている。水平スロット620,630の間隔
(垂直スロット610の長さ)Lは、管内波長λgのほ
ぼ1/2に設定される。TEMモード波が垂直方向(z
軸方向)に給電されると、水平スロット620,630
は励振されるが、垂直スロット610は励振されない。
は、水平スロット620,630の間隔Lがほぼλg/
2に設定されているので、水平スロット620,630
には逆向き(逆相)の磁流M+1,M-1が励振される。こ
れらの磁流M+1,M-1は、垂直スロット610に同じ向
きの磁流を励振しようとする。また、垂直スロット61
0の長さLがほぼλg/2であるため、共振が起こりや
すくなる。それにより、垂直スロット610に磁流M0
が励振される。このような垂直方向の磁流M0により効
率的に水平偏波が送受信される。一方、2つの水平スロ
ット620,630に励振される磁流M+1,M-1は逆相
であるため、互いに打ち消し合う。したがって、垂直偏
波の送受信は抑制される。
ト600を用いると、水平偏波同軸円筒スロットアレー
アンテナを構成することができる。
は、垂直磁流は同軸導波路のTMモードあるいはTEM
モード波により直接励振されないが、逆に垂直磁流が励
振されても給電波への影響が生じにくく、同軸導波路内
での反射が小さいという特徴を有する。
アレーアンテナを構成した場合には、図13の斜めスロ
ットペア700を用いた場合と比較して、全てのスロッ
ト600が同じ方向に揃うため、スロット600間の相
互結合が大きく、また、その配列分布に影響を受けやす
い。このため、励磁分布の制御においては、この影響を
考慮する必要がある。
14の大括弧形スロット600を比較すると、大括弧形
スロット600の方が垂直方向および水平方向の占有面
積が小さいことがわかる。そのため、水平偏波アンテナ
の小型化および高密度化が可能となる。
に行うことができ、さらに小型化および高密度化が可能
な水平偏波アンテナが望まれている。
いはTEMモードの場合にも電磁波の送受信を効率的に
行うことができるとともに小型化および高密度化が可能
なスリットアンテナを提供することである。
効率的に行うことができるとともに小型化および高密度
化が可能なTMモードあるいはTEMモードの給電導波
路で構成される進行波形スリットアンテナを提供するこ
とである。
発明に係るアンテナは、電磁波を伝搬する導波路に矩形
波状に蛇行するように延びるスリットが設けられたもの
である。
状のスリットにおいて導波路中の電磁波の進行方向に垂
直な部分の励振により導波路中の電磁波の進行方向に平
行な部分の励振を誘発し電磁波の進行方向に垂直な偏波
が発生する。
TEMモードである場合にも、電磁波の送受信を効率的
に行うことができる。
による偏波が互いに打ち消されるように各部分の長さを
設定することにより、直線偏波を効率的に発生すること
ができる。
に垂直な方向および平行な方向に間隔を隔てて配置され
かつ電磁波の進行方向に平行に延びる複数の第1のスリ
ット部と、導波路中の電磁波の進行方向に間隔を隔てて
配置されかつ各第1のスリット部の端部と他の第1のス
リット部の端部とに接続されるように第1のスリット部
に対して直角に延びる複数の第2のスリット部とを有
し、複数の第2のスリット部の励振により複数の第1の
スリット部の励振を誘発し電磁波の進行方向と垂直な第
1の偏波が発生するとともに複数の第2のスリット部に
よる第2の偏波が打ち消されるように複数の第1のスリ
ット部の長さが設定されてもよい。
励振により第1のスリット部の励振を誘発し電磁波の進
行方向に垂直な第1の偏波が発生するとともに、複数の
第2のスリット部による第2の偏波が互いに打ち消され
る。それにより、第1の偏波のみの直線偏波を効率的に
発生することができる。
長のほぼ2分の1であることが好ましい。それにより、
複数の第2のスリット部の励振により発生する第2の偏
波が十分に打ち消されるとともに、第1のスリット部が
共振しやすくなる。したがって、直線偏波を効率的に発
生することができる。また、管内波長のほぼ2分の1間
隔の各第1のスリット部には同相の磁流が励振されるた
め、放射源が高密度に分布する。それにより、グレーテ
ィングローブが抑制される。また、小型化および高密度
化が図られる。
外周面を有する内部導体と、内部導体の端部上および外
周面上に形成された誘電体と、誘電体を介して内部導体
の端部上に形成された端部領域および誘電体を介して内
部導体の外周面上に形成された外周部領域を有する外部
導体と、外部導体の端部領域および内部導体の端部の各
中心から外部導体と内部導体との間の誘電体に給電する
給電部とを備え、内部導体の端部と外部導体の端部領域
との間の誘電体が所定の管内波長の電磁波を伝搬する半
径方向導波路を形成し、内部導体の外周面と外部導体の
外周部領域との間の誘電体が管内波長の電磁波を伝搬す
る同軸導波路を形成し、外部導体の外周部領域に一端部
から他端部に延びる複数の矩形波状のスリットが設けら
れたものである。
状の各スリットにおいて、同軸導波路の軸方向に垂直な
部分の励振により同軸導波路の軸方向に平行な部分の励
振を誘発し同軸導波路の軸方向に垂直な偏波が発生す
る。この場合、同軸導波路の軸方向に垂直な部分による
偏波が互いに打ち消されるように各スリットの各部分の
長さを設定することにより、水平偏波を効率的に発生す
ることができる。このようにして、TEMモードの給電
導波路で構成される進行波形スリットアレーアンテナが
構成されるので、水平面内無指向性の水平偏波アンテナ
が実現する。
いるので、同軸導波路の周方向において、各スリットの
占有面積が小さくなる。それにより、水平偏波アンテナ
の周方向の小型化および高密度化が図られる。
方向および軸方向に間隔を隔てて配置されかつ同軸導波
路の軸方向に平行に延びる複数の第1のスリット部と、
同軸導波路の軸方向に間隔を隔てて配置されかつ各第1
のスリット部の端部と他の第1のスリット部の端部とに
接続されるように第1のスリット部に対して直角に延び
る複数の第2のスリット部とを有し、複数の第2のスリ
ット部の励振により複数の第1のスリット部の励振を誘
発し同軸導波路の軸方向と垂直な第1の偏波が発生する
とともに複数の第2のスリット部による第2の偏波が打
ち消されるように複数の第1のスリット部の長さが設定
されてもよい。
の励振により第1のスリット部の励振を誘発し同軸導波
路の軸方向に垂直な第1の偏波が発生するとともに、複
数の第2のスリット部による第2の偏波が互いに打ち消
される。それにより、水平偏波を効率的に発生すること
ができる。
長のほぼ2分の1であることが好ましい。それにより、
複数の第2のスリット部の励振により発生する第2の偏
波が十分に打ち消される。したがって、水平偏波を効率
的に発生することができる。
部が、同軸導波路の軸方向における同じ位置に配置され
ることが好ましい。それにより、各スリットの第1のス
リット部の励振により発生される第1の偏波が同相で励
振される。したがって、水平偏波を効率的に発生するこ
とができる。
実施の形態における水平偏波アンテナのそれぞれ縦断面
図および外観図である。図1の水平偏波アンテナは水平
偏波同軸円筒スリットアレーアンテナである。
等により形成され、1対の円形状端面および外周面を有
する。内部導体1の1対の円形状端面および外周面はフ
ッ素樹脂等の誘電体2により被覆されている。この誘電
体2は、内部導体1の円形状端面に接する円盤部と、内
部導体1の外周面に接する円筒部とを有する。
れている。この外部導体3は、誘電体2を介して内部導
体1の1対の円形状端面に対向する円盤部と、誘電体2
を介して内部導体1の外周面に対向する円筒部とを有す
る。
スリット6が形成されている。内部導体1の円形状端面
および外部導体3の円盤部の各中心には同軸線路7,8
がそれぞれ接続されている。矢印10で示すように一方
の同軸線路7から給電が行われる。他方の同軸線路8の
端部には終端素子9が取り付けられている。
ンテナ軸となる。以下の説明では、水平偏波アンテナの
アンテナ軸を垂直方向(z軸方向)に配置するものとす
る。
体2の円盤部の中心から給電された電磁波が誘電体2の
円盤部を半径方向の外側に向かって進行することにより
ラジアル導波路5が形成される。また、電磁波がこのラ
ジアル導波路5を経由して円筒部に到達すると、円筒部
を他方の円盤部に向かって進行することによりオーバー
サイズ同軸導波路4が形成される。
搬する過程で外部導体3に形成された複数のスリット6
から外部へ電磁波が放射される。複数のスリット6は周
方向に所定間隔で配置されている。そのため、各スリッ
ト6からの放射電波による電界および磁界の強度分布は
周方向にほぼ均一となる。
により、外部導体3のスリット6が電磁波を受けた場合
には、逆のプロセスで受信が行われる。
導波路4の長さをL0で表し、外径をR1で表し、内径
をR2で表す。また、図1(b)において、垂直方向
(z軸方向)からの仰角をθで表し、方位角をφで表
す。
るスリットの配列パターンを示す展開図である。
スリットと呼ぶ。各ミアンダ形スリット6は矩形波状に
形成されている。図2の例では、複数のミアンダ形スリ
ット6が図1の外部導体3の円筒部の一端部から他端部
に延びかつ周方向に一定間隔で配列される。
あり、(a)は大括弧形スロットの向きと垂直磁流の向
きとの関係を示し、(b)は複数の大括弧形スロットの
組み合わせと垂直磁流との関係を示し、(c)はミアン
ダ形スリットを示す。
ット600を大括弧開く形スロットと呼び、右側の大括
弧形スロット600を大括弧閉じる形スロットと呼ぶ。
図3(a)に示すように、大括弧形スロット600にお
いては、大括弧の向きによって励振される垂直磁流の向
きが異なる。左側の大括弧開く形スロットでは、垂直ス
ロット610に下向きの磁流M0 が励振される。一方、
右側の大括弧閉じる形スロットでは、垂直スロット61
0に上向きの磁流M0 が励振される。
開く形スロットと大括弧閉じるスロットとをz軸方向に
管内波長λgのほぼ1/2ずらして配置する。これによ
り、各大括弧形スロットの600の垂直スロット610
を同じ向きに励振することが可能となる。
の大括弧形スロットのみを配置した場合に比べ、z軸方
向における大括弧形スロット600の間隔(素子間隔)
が半分になる。その結果、素子間隔が大きくなることに
より発生するグレーティングローブを抑制することがで
きる。
0を交互に逆向きに配置することにより、水平偏波を実
現することができる。しかしながら、図3(b)の配置
によれば、大括弧形スロット600が本来有しているか
横方向(z軸方法に垂直な方向)の占有面積が小さくな
るという長所を生かせなくなる。図3(c)に示すミア
ンダ形スリット6では、横方向の占有面積を小さくする
ことができる。
内波長λgのほぼ2分の1となるので、後述するよう
に、通常の直線状のスリットに比べ放射源が高密度に分
布する。それにより、直線偏波を効率的に発生すること
ができるとともに、グレーティングローブが抑制され
る。
で測定される水平スロット620,630の間隔(垂直
スロット610の長さ)をLとし、垂直スロット610
の幅をwとし、水平スロット620,630の長さをs
とし、水平スロット620,630の幅をw’と定義す
る。
6は、複数の垂直スリット部61および複数の短い水平
スリット部62,63により構成される。複数の垂直ス
リット部61は、垂直方向(z軸方向)に延びるように
配置され、かつ交互に水平方向に間隔を隔てて配置され
る。隣接する垂直スリット部61の端部を接続するよう
に水平スリット部62,63が垂直スリット部61に対
して直角に配置されている。
直スリット部61の幅はwであり、水平スリット部6
2,63の長さはsであり、水平スリット部62,63
の幅はw’である。垂直スリット部61の長さLは、管
内波長λgのほぼ1/2に設定される。
ィングローブの抑制効果を説明するための図であり、
(a)はTEモードの導波路に沿った直線状のスリット
における磁流を示し、(b)はTMモードまたはTEM
モードの導波路に沿ったミアンダ形スリットにおける磁
流を示す。
ット800においては、管内波長λgの間隔で同相の磁
流が励振される。図15(b)に示すように、ミアンダ
形スリット6においては、管内波長λgの2分の1の間
隔で垂直スリット部61に同相の磁流が励振される。そ
のため、ミアンダ形スリット6においては、直線状のス
リット800に比べて、放射源が高密度に分布する。そ
れにより、グレーティングローブが抑制される。
(b)の大括弧形スロット600の重ね合わせと考え、
水平偏波および垂直偏波を一般化して定式化を行う。
いて、水平偏波EH を送受信する垂直磁流は、水平スロ
ット620,630に励振される磁流M+1,M-1の逆相
成分により励振されると考えられる。また、垂直偏波E
V は水平スロット620,630に生じる励振の同相成
分により送受信される。水平偏波EH および垂直偏波E
V は次式(2),(3)によりそれぞれ表される。
に励振される磁流の大きさを表す。大括弧形スロット6
00では、水平スロット620,630の長さが等しく
かつ位置もほぼ近いことから、M-1=M+1と考えられ
る。
(4),(5)のように変形することができる。
向の仰角である。また、AおよびBは水平スロット62
0,630にそれぞれ励振される磁流によって送受信さ
れる水平偏波および垂直偏波の振幅を表す実数パラメー
タである。
0,630の間隔Lおよび仰角θによらず、水平偏波E
H は垂直偏波EV よりも位相が90[度]進んでいるこ
とがわかる。
においては、水平スリット部62,63が単独で存在し
ない。ここでは、水平スリット部62,63の長さが等
しいと仮定し、M-1=M+1とする。したがって、ミアン
ダ形スリット6においても、上式(2),(3)は上式
(4),(5)のように変形することができる。
ット6においても、上式(4),(5)から水平スリッ
ト部62,63の間隔(垂直スリット部61の長さ)L
および仰角θによらず、水平偏波EH は垂直偏波EV よ
りも位相が90[度]進んでいることがわかる。
ら水平偏波と垂直偏波との位相差は垂直スリット部61
の長さLによらず90[度]であることがわかる。この
ことから、水平偏波および垂直偏波の振幅を等しくする
ことにより円偏波を送受信することがわかる。また、上
式(5),(6)に示すように、垂直偏波は、光路差が
あるため、主ビーム方向の仰角θ0 の依存性を有する。
主ビーム方向の仰角θ0 の方向で垂直偏波が0すなわち
水平偏波となる条件は、次式(7)で与えられる。
0=90[度]として次式のようになる。
条件と同じである。上式(7)はL=Dとすれば、図1
3の斜めスロットペア700における水平偏波条件の式
(1)と等価になる。
スリット部61の座標系を示す図である。図10(a)
において、ミアンダ形スリット6における磁流を矢印で
示す。
に、任意のi番目の垂直スリット部61の長さをLi と
し、i番目の垂直スリット部61の中心位置の座標をz
i とする。ここで、iは1〜nの任意の整数である。こ
の場合、水平スリット部62の座標はzi −Li/2と
なり、水平スリット部63の座標はzi +Li /2とな
る。
は垂直スリット部61の中心位置z i で決まることがわ
かる。したがって、i番目の素子における磁流の励振位
相は垂直スリット部61の中心位置zi により制御す
る。等間隔アレーの場合、i番目の素子における磁流の
励振位相をψi とすると、垂直スリット部61の中心位
置zi は、励振位相ψi と、等間隔アレーでなくなるた
めに生じる光路長の変化とを考慮して、次式(9)によ
り与えられる。
Bは、水平スリット部62,63の長さsおよび幅w’
に依存すると考えられる。また、水平偏波の送受信の割
合(振幅)を表す実数パラメータAは、垂直スロット部
61の長さLおよび幅wに依存するとともに、垂直スロ
ット部61を起動する水平磁流(垂直偏波)の実数パラ
メータBすなわち水平スリット部62,63の長さsお
よび幅w’にも依存すると考えられる。このように、水
平偏波は、垂直スリット部61の長さLおよび幅wなら
びに水平スリット部62,63の長さsおよび幅w’に
より変化する。
00の場合と異なり、垂直スロット部61の中心位置z
i と垂直スリット部61の長さLi とが次式(10)の
関係を有する。
部61の中心位置)z i が決まると、垂直スロット部6
1の長さLを自由に選ぶことができない。ゆえに、水平
偏波の条件式(7)を満足するためにや、振幅制御のた
めに、垂直スロット部61の長さLを自由に選択するこ
とができない。また、水平スリット部62,63は、そ
の両側の垂直スロット部61の励振振幅に影響を与える
ため、水平スリット部62,63の長さsおよび幅w’
により独立に水平偏波を制御することは難しい。そのた
め、振幅制御は、垂直スロット部61の幅wにより行う
ことが望ましい。
部61の長さLi は一義的に決定されない。垂直スリッ
ト部61の長さLi をほぼ均一にするためには、垂直ス
リット部61の長さLi を次式(11)により与えられ
る垂直スリット部61の長さの平均値Lavに近い値に選
ぶことが望ましい。
面内ビームの成形は、図11に示す手順で行われる。ま
ず、垂直面内成形ビームE(θ)の主ビーム方向の仰角
θ0 から上式(6)に従ってχの値を計算する。
算される磁流の励振位相ψi の分布から上記のχの値を
上式(9)に代入することにより、垂直スリット部61
の中心位置zi の分布を決定する。
(10)を用いて垂直スリット部61の長さLi の分布
を求める。
る励振振幅Pi の分布からスリット6の結合率γi の分
布を求める。なお、結合率γi は、1管内波長当たりの
スリットの電磁放射の割合を表す。
最大値γmax を実現できるように、B(s,w’)の関
係から、水平スリット部62,63の長さsおよび幅
w’を定める。さらに、A(L,w,s,w’)の関係
から、垂直スリット部61の長さLi および結合率γi
の分布を用いて必要な垂直スリット部61の幅wi を求
める。
パラメータAが垂直スロット部61の長さLおよび幅w
ならびに水平スリット部62,63の長さsおよび幅
w’に依存することを意味する。また、B(s,w’)
は、実数パラメータBが水平スリット部62,63の長
さsおよび幅w’に依存することを意味する。
(c)に示した複数のミアンダ形スリット6を軸の周り
に20本等間隔に配列した水平偏波同軸円筒アレーアン
テナを試作し、設計周波数15GHzで指向性を測定し
た。図1の水平偏波アンテナにおいて、オーバーサイズ
同軸導波路4の外径R1は24mmであり、内径R2は
20mmであり、長さL0は約280mmである。誘電
体2の比誘電率εr は約2.2である。
した複数の斜めスロットペア700の並びを軸の周りに
20本等間隔に配列した同軸円筒アレーアンテナを試作
した。また、比較例2として、外部導体3に図3(b)
に示した大括弧開く形スロットおよび大括弧閉じる形ス
ロットの並びを軸の周りに等間隔に20本配列した同軸
円筒アレーアンテナを試作した。さらに、比較例3とし
て、外部導体3に複数の直線状のスリットを軸の周りに
等間隔に20本配列した同軸円筒アレーアンテナを試作
した。
ト部61の長さLは管内波長の1/2である6.79m
m、幅wは0.6mmであり、水平スリット部62,6
3の長さsは2.0mm、幅w’は0.6mmである。
斜めスロットペア700における斜めスロット710,
720の長さLは6.0mm、幅wは0.6mmであ
り、角度αは45[度]である。大括弧形スロット60
0における垂直スロット610の長さLは6.79m
m、幅wは0.6mmであり、水平スロット620,6
30の長さsは2.0mm、幅w’は0.6mmであ
る。直線状スリットの幅は0.6mmである。
ンテナの垂直面内指向性を示す図である。図5は大括弧
開く形スロットおよび大括弧閉じる形スロットを用いた
アレーアンテナの垂直面内指向性を示す図である。図6
は直線状のスリットを用いたアレーアンテナの垂直面内
指向性を示す図である。図7はミアンダ形スリットを用
いたアレーアンテナの垂直面内指向性を示す図である。
図4〜図7において、横軸は仰角θを表し、縦軸は利得
を表す。また、実線は水平偏波を表し、破線は垂直偏波
を表す。
0を交互に逆向きに配列したアレーアンテナにより水平
偏波を得ることができる。また、図4および図5の比較
から、大括弧形スロット600を用いたアレーアンテナ
では、斜めスロットペア700を用いたアレーアンテナ
に比べて交差偏波識別度(水平偏波と垂直偏波とのレベ
ル差)が良好になることがわかる。
いたアレーアンテナでは、水平偏波のレベルが垂直偏波
のレベルと等しくなっている。このことより、直線状の
垂直なスリットは効率的に励振されないことが確認でき
る。
を用いたアレーアンテナでは、水平偏波が実現され、主
ビームがブロードサイド方向に向いていることがわか
る。このミアンダ形スリット6は、図3(b)の大括弧
形スロット600の水平スロット620,630を重ね
て接続した形状となっているので、大括弧形スロット6
00と同様に、水平スリット部62,63が垂直スリッ
ト部61の励振を起動していると考えられる。
スリット6を用いた場合には、斜めスロットペア700
を用いた場合に比べて、良好な交差偏波識別度が確保さ
れていることがわかる。
って、完全な水平面内無指向性の仮定のもと、遠方界指
向性より円筒面近傍の等価磁流開口面分布を計算した結
果を図8および図9に示す。図8は大括弧開く形スロッ
トおよび大括弧閉じる形スロットを用いたアレーアンテ
ナの円筒面近傍の等価磁流開口面分布を示す図である。
図9はミアンダ形スリットを用いたアレーアンテナの円
筒面近傍の等価磁流開口面分布を示す図である。
負の側に位置する。横軸はz軸方向の位置を表し、縦軸
は振幅および位相を表す。実線は垂直磁流MV を表し、
破線は水平磁流MH を表す。また、太線は振幅を表し、
細線は位相を表す。
00を用いたアレーアンテナの場合にも、ミアンダ形ス
リット6を用いたアレーアンテナの場合にも、ほぼ均一
な開口面分布が実現されていることがわかる。
ーアンテナでは、交差偏波を送受信する等価的水平磁流
の振幅が大括弧形スロット600を用いたアレーアンテ
ナよりも約15dB大きいことがわかる。
りの結合率γと等価的な管内波長λg’を計算した結果
をリターンロスの測定値とともに表1に示す。
3(水平スロット620,630)の長さsおよび幅w
が等しい場合、ミアンダ形スリット6の方が大括弧形ス
ロット600に比べて結合率γが小さくなることがわか
る。
いることにより、同軸円筒アレーアンテナが水平偏波を
送受信できることを実験により確認した。この構造によ
り、周方向のスリットの占有面積を減少させることがで
き、スリットの配列の高密度化およびスロットとの同時
配列などの応用が可能となる。
ット部61の中心位置よりその励振位相が制御される。
また、励振振幅は、垂直スリット部61の幅wにより制
御することが適当であると考えられる。
は図1に示した形状に限定されない。図12は本発明の
他の実施の形態における水平偏波アンテナの縦断面図で
ある。図12の水平偏波アンテナは水平偏波同軸円筒ス
リットアレーアンテナである。
錐状端部および外周面を有する。内部導体1の1対の円
錐状端部および外周面は誘電体2により被覆されてい
る。この誘電体2は、内部導体1の円錐状端部に接する
円錐状端部と、内部導体1の外周面に接する円筒部とを
有する。
れている。この外部導体3は、誘電体2を介して内部導
体1の1対の円錐状端部上に位置する円錐状端部と、誘
電体2を介して内部導体1の外周面上に位置する円筒部
とを有する。
アンテナと同様の複数のスリット6が形成されている。
内部導体1の円錐状端部および外部導体3の円錐状端部
の各中心には同軸線路7,8がそれぞれ接続されてい
る。
1の水平偏波アンテナと同様に、水平偏波を効率的に発
生することができるとともに、周方向に小型化および高
密度化を図ることができる。
では、内部導体1、誘電体2および外部導体3の断面を
円形としているが、内部導体1、誘電体2および外部導
体3の断面を楕円形としてもよい。この場合にも、水平
偏波を効率的に発生することができるとともに、周方向
に小型化および高密度化を図ることができる。
構成される進行波形スリットアレーアンテナについて説
明しているが、導波路は同軸導波路に限定されず、ミア
ンダ形スリットの数は複数に限定されない。例えば、同
軸導波路以外の導波路に1つのミアンダ形スリット6を
設けてもよい。
ナの縦断面図および外観図である。
の配列パターンを示す展開図である。
関係、大括弧開く形スロットおよび大括弧閉じる形スロ
ットの組み合わせと垂直磁流との関係およびミアンダ形
スリットを示す図である。
直面内指向性を示す図である。
ロットを用いたアレーアンテナの垂直面内指向性を示す
図である。
直面内指向性を示す図である。
垂直面内指向性を示す図である。
ロットを用いたアレーアンテナの円筒面近傍の等価磁流
開口面分布を示す図である。
円筒面近傍の等価磁流開口面分布を示す図である。
スリット部の座標系を示す図である。
る。
ンテナの縦断面図である。
ブの抑制効果を説明するための図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 電磁波を伝搬する導波路に矩形波状に蛇
行するように延びるスリットが設けられたことを特徴と
するアンテナ。 - 【請求項2】 前記スリットは、 前記導波路中の電磁波の進行方向に垂直な方向および平
行な方向に間隔を隔てて配置されかつ前記電磁波の進行
方向に平行に延びる複数の第1のスリット部と、 前記導波路中の電磁波の進行方向に間隔を隔てて配置さ
れかつ各第1のスリット部の端部と他の第1のスリット
部の端部とに接続されるように第1のスリット部に対し
て直角に延びる複数の第2のスリット部とを有し、 前記複数の第2のスリット部の励振により前記複数の第
1のスリット部の励振を誘発し前記電磁波の進行方向と
垂直な第1の偏波が発生するとともに前記複数の第2の
スリット部による第2の偏波が打ち消されるように前記
複数の第1のスリット部の長さが設定されたことを特徴
とする請求項1記載のアンテナ。 - 【請求項3】 前記複数の第1のスリット部の長さは、
管内波長のほぼ2分の1であることを特徴とする請求項
2記載のアンテナ。 - 【請求項4】 端部および外周面を有する内部導体と、 前記内部導体の前記端部上および前記外周面上に形成さ
れた誘電体と、 前記誘電体を介して前記内部導体の前記端部上に形成さ
れた端部領域および前記誘電体を介して前記内部導体の
外周面上に形成された外周部領域を有する外部導体と、 前記外部導体の前記端部領域および前記内部導体の前記
端部の各中心から前記外部導体と前記内部導体との間の
前記誘電体に給電する給電部とを備え、 前記内部導体の端部と前記外部導体の前記端部領域との
間の前記誘電体が所定の管内波長の電磁波を伝搬する半
径方向導波路を形成し、前記内部導体の前記外周面と前
記外部導体の前記外周部領域との間の前記誘電体が前記
管内波長の電磁波を伝搬する同軸導波路を形成し、 前記外部導体の前記外周部領域に一端部から他端部に延
びる複数の矩形波状のスリットが設けられたことを特徴
とするアンテナ。 - 【請求項5】 前記複数のスリットの各々は、 前記同軸導波路の周方向および軸方向に間隔を隔てて配
置されかつ前記同軸導波路の軸方向に平行に延びる複数
の第1のスリット部と、 前記同軸導波路の軸方向に間隔を隔てて配置されかつ各
第1のスリット部の端部と他の第1のスリット部の端部
とに接続されるように第1のスリット部に対して直角に
延びる複数の第2のスリット部とを有し、 前記複数の第2のスリット部の励振により前記複数の第
1のスリット部の励振を誘発し前記同軸導波路の軸方向
と垂直な第1の偏波が発生するとともに前記複数の第2
のスリット部による第2の偏波が打ち消されるように前
記複数の第1のスリット部の長さが設定されたことを特
徴とする請求項4記載のアンテナ。 - 【請求項6】 前記複数の第1のスリット部の長さは、
前記管内波長のほぼ2分の1であることを特徴とする請
求項5記載のアンテナ。 - 【請求項7】 互いに隣接するスリットにおける前記複
数の第2のスリット部は、前記同軸導波路の軸方向にお
いて同じ位置に配置されたことを特徴とする請求項5ま
たは6記載のアンテナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001085389A JP3806759B2 (ja) | 2001-03-23 | 2001-03-23 | 水平偏波アンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002290149A true JP2002290149A (ja) | 2002-10-04 |
JP3806759B2 JP3806759B2 (ja) | 2006-08-09 |
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-
2001
- 2001-03-23 JP JP2001085389A patent/JP3806759B2/ja not_active Expired - Lifetime
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