JP2002289909A - 半導体受光素子 - Google Patents

半導体受光素子

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憲一 小山
Tomoiku Honjiyou
智郁 本城
Takanori Yasuda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光吸収層の膜厚を薄くすることができ、光によ
り励起されたキャリアが走行する距離が短くなり、高速
応答に適した受光素子を提供する。 【解決手段】Siから成る基板10上に一導電型を呈す
るバッファ層11、一導電型半導体層12、光吸収層1
3および窓層である逆導電型半導体層14とを順次積層
してGaAs系の半導体受光層に構成し、そして、逆導
電型半導体層14の上にオーミックコンタクト層15と
p側電極17aとを順次積層し、基板10の裏面にはn
側電極17bを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体受光素子に関
し、特に光ファイバー通信などに使用する半導体受光素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体受光素子を図3により説明
する。
【0003】同図はGaAs基板上のGaAs層を成膜
した半導体受光素子である。
【0004】20はn型のGaAs基板20であり、こ
のGaAs基板20の上にn型のGaAsバッファ層2
1、n型のAlGaAs層22、n-型の半絶縁GaA
s光吸収層23およびp型のAlGaAs窓層24とを
順次形成し、p型のAlGaAs窓層24の一部表面上
にp+型のGaAsコンタクト層25を形成し、このG
aAsコンタクト層25上にp側電極27aを設けてい
る。
【0005】また、GaAs基板20の裏面にn側電極
27bを設け、さらに素子全体に絶縁膜26を被覆した
構造となっている。
【0006】かかるGaAs半導体受光素子によれば、
バッファ層21にはn型不純物が1×1017〜1019at
oms/cm3程度の比較的高濃度にて添加されている。
【0007】AlGaAs層22においても、n型不純
物が1×1017〜1019atoms/cm3程度の比較的高濃度
にて添加されている。
【0008】さらに光吸収層23では不純物を含有しな
いノンドープであるが、実際には不純物が5×1015 a
toms/cm3程度の低濃度のn型になっている。
【0009】さらにまた、AlGaAs窓層24では1
×1017〜1019atoms/cm3程度のp型になり、GaA
sコンタクト層25では1×101 8〜1019atoms/cm3
程度の高濃度のp型になっている。
【0010】そして、p側電極27aとn側電極27bと
の間にて逆バイアス電圧を印加することで光吸収層23
を空乏化させ、このような状態下にて入射光を入射させ
ると、光吸収層23にて励起されたキャリアは光吸収層
23にかかっている高電界によって加速され、これによ
り、短い時間でn型GaAsバッファ層21、もしくは
p型のAlGaAs窓層24に移動し、その結果、高速
応答を実現することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光通信
で使用されるλ=850nmの波長であり、これに対す
る光吸収層であるGaAsの光吸収係数は図4に示すよ
うに波長依存性が大きいため、素子の温度により吸収係
数が大きく変化してしまうという課題がある。
【0012】すなわち、λ=850nmの光に対し、そ
の吸収係数は、同図に示す如く、8500cm-1の値を
示し、その急変な領域においては、温度変化により吸収
係数が大きく変化を起こしてしまう。
【0013】さらに詳述するに、高温になると光吸収層
であるGaAsのエネルギーギャップが小さくなり、そ
のために図4に示す吸収曲線は右側にシフトし、λ=8
50nmの光に対する光吸収係数が大きくなるが、その
反面、低温になるとGaAsエネルギーギャップが大き
くなり、これによって吸収曲線は左側にシフトし、λ=
850nmの光に対する光吸収係数が低下していた。
【0014】したがって、このような構成の半導体受光
素子を作製するには、素子の使用温度内で特性を得るた
めに、低温規格温度、すなわち図4に示す吸収係数の曲
線が左方にシフトし、吸収係数が最も低くなることでも
って基準とし、その基準による吸収係数にて設計を行
い、低温においても充分な光吸収特性が得られるよう膜
厚の設計を行っている。
【0015】ところが、このような低温規格温度を採用
することで、光吸収層を充分に厚くする必要があり、そ
のために受光素子の応答速度が低下していた。
【0016】したがって本発明は上記事情に鑑みて完成
されたものであり、その目的は光吸収層の厚みを小さく
して、応答速度を高めた半導体受光素子を提供すること
にある。
【0017】本発明の他の目的は、温度依存性を小さく
して高い信頼性を達成した半導体受光素子を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光素子
は、Siから成る半導体基板上に一導電型半導体層と光
吸収層と逆導電型半導体層とを順次積層してGaAs系
の半導体受光層に構成せしめたことを特徴とする。
【0019】本発明の他の半導体発光素子は、前記一導
電型半導体層のうち半導体基板側の層領域をAlGaA
sにより、光吸収層側の層領域をInGaAsにより形
成したことを特徴とする。
【作用】本発明の半導体発光素子は、上記構成のように
Siから成る半導体基板と、一導電型半導体層と光吸収
層と逆導電型半導体とを順次積層してGaAs系の半導
体受光層とを組合せたことで、たとえばMOCVD法な
どの成膜技術にてGaAs系の半導体受光層を形成する
に当り、Si半導体の熱膨張係数が2.56×10
-6(K-1)であることに対し、GaAs系半導体の熱膨
張係数が5.7×10 -6(K-1)というように大きく、
そのために約500〜800℃の高温下で成膜した後、
室温まで冷却させると、そのGaAs系半導体受光層が
基板でもって約1.4×109(dyn/cm2)程度の
引っ張り応力を受ける。
【0020】このような引っ張り応力によって、GaA
sからなる光吸収層のエネルギーバンドギャップが小さ
くなり、これにより、図4に示す光吸収係数の曲線が右
側にシフトし、λ=850nmの光に対する光吸収係数
が高くなり、その結果、図3に示す如くGaAs基板上
にGaAs層を成膜した半導体受光素子に比べ、光吸収
係数が高くなる。
【0021】したがって、同じ光吸収率を得るのに必要
な光吸収層の膜厚を薄くすることができ、これにより、
光により励起されたキャリアが走行する距離が短くな
り、高速応答に適した受光素子を得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の半導体発光素子の
基本的な構成を図1と図2により詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の半導体受光素子の概略断面
図であり、図2は本発明の他の半導体受光素子の概略断
面図である。双方の半導体受光素子ともにSi基板上に
GaAs系pinフォトダイオードを形成したものであ
る。
【0024】図1に示す半導体発光素子によれば、10
は一導電型の半導体基板(以下、基板と称する)であ
り、この基板10の上に一導電型を呈するバッファ層1
1、一導電型半導体層12、光吸収層13および窓層で
ある逆導電型半導体層14とを順次積層し、この逆導電
型半導体層14の上にオーミックコンタクト層15とp
側電極17aとを順次積層している。
【0025】また、基板10の裏面にはn側電極17b
を形成している。そして、素子の側面と表面上に絶縁膜
16を設けている。
【0026】次に各層の構成を詳述する。
【0027】単結晶の半導体基板10は(100)面を<
011>方向に2〜7°オフさせたSi基板である。
【0028】バッファ層11はガリウム砒素(GaAs)
から形成され、一導電型不純物(Si等)を1×1017
1019atoms/cm3 程度含有させ、そして、2〜3μm程
度の厚みに形成し、これにより、基板10と、その上の
半導体層との格子不整合からなるミスフィット転位を防
止したり、もしくは低減させている。
【0029】一導電型半導体層12はアルミガリウム砒
素(AlGaAs)からなり、一導電型不純物(Si等)を
1×1017〜1019atoms/cm3 程度含有させ、そして、
0.2〜2.0μm程度の厚みに形成する。
【0030】光吸収層13はガリウム砒素(GaAs)か
らなり、不純物を含有しないノンドープであるが、実際
には一導電型不純物(C等)を1×1015 atoms/cm3程度
含有しており、0.5〜3.0μm程度の厚みである。
【0031】逆導電型半導体層14はアルミニウムガリ
ウム砒素(AlGaAs)から形成され、亜鉛(Zn)の逆
導電型半導体不純物を1×101 7〜1019atoms/cm3
度含有し、0.1〜3.0μm程度の厚みである。
【0032】オーミックコンタクト層15はガリウム砒
素(GaAs)から形成され、亜鉛(Zn)などの逆導電型
半導体不純物を1×1019〜1020atoms/cm3程度含有
し、0.01〜0.3μm程度の厚みである。
【0033】絶縁膜16は窒化シリコン(SiNx)など
から形成され、3000Å程度の厚みである。
【0034】P側電極17aとn側電極17bは金/金・ゲ
ルマニウム (Au/AuGe)などから形成され、厚み
1μm程度である。
【0035】かくして本発明の半導体受光素子によれ
ば、上記構成のようにSiから成る基板10の上に、一
導電型半導体層12と光吸収層13と逆導電型半導体層
14とを順次積層して成るGaAs系の半導体受光層を
形成したことで、GaAs系半導体受光層が基板10で
もって約1.4×109(dyn/cm2)程度の引っ張
り応力を受け、これにより、光吸収層13のエネルギー
バンドギャップが小さくなり、λ=850nmの光に対
する光吸収係数が高くなり、その結果、同じ光吸収率を
得るのに必要な光吸収層13の膜厚を薄くすることがで
きる。
【0036】したがって、光により励起されたキャリア
が走行する距離が短くなり、高速応答に適した受光素子
を得られる。
【0037】ちなみに、MOCVD法などの成膜技術に
てGaAs系の半導体受光層を形成するに当り、Si半
導体の熱膨張係数が2.56×10-6(K-1)であり、
GaAs系半導体の熱膨張係数が5.7×10
-6(K-1)であり、その熱膨張係数差に起因して、約5
00〜800℃の高温下で成膜した後、室温まで冷却さ
せると、GaAs系半導体受光層が、たとえば約1.4
×109(dyn/cm2)程度の引っ張り応力を受け
る。
【0038】本発明者が繰り返しおこなった実験によれ
ば、室温(25℃)にまで冷却させたことで、GaAs
系半導体受光層が1.0×108(dyn/cm2)以
上、好適には1.0×109(dyn/cm2)以上、最
適には5.0×109(dyn/cm2)以上の引っ張り
応力を受けることで、高速応答に適した受光素子を得ら
れる。
【0039】そして、このGaAs系半導体受光層の引
っ張り応力は、基板10の厚みやサイズ、形状、ならび
に一導電型半導体層12と光吸収層13と逆導電型半導
体層14の各層の厚みやサイズ、形状、構成材の種類な
どによって決まるが、さらには要求される受光性能とも
関係して規定する。
【0040】次に本発明の他の半導体受光素子を図2に
て説明する。
【0041】この半導体受光素子によれば、図1に示す
半導体受光素子に比べて、GaAs系半導体受光層の引
っ張り応力を容易に高めることができる点で優れてい
る。
【0042】図2に示す半導体受光素子においては、一
導電型半導体層のうち半導体基板側の層領域をAlGa
Asにより、光吸収層側の層領域をInGaAsにより
形成している。
【0043】すなわち、図1の半導体受光素子に比べ
て、さらに一導電型半導体層12と光吸収層13との間
に、格子定数の大きい一導電型InGaAs層18を介
在させ、これによって、GaAs系半導体受光層の引っ
張り応力を大きくしている。なお、その他の層構成は、
図1と同じである。
【0044】このように格子定数の大きい一導電型In
xGa1-xAs層18(0<x<0.2)を介在させる
と、光吸収層であるGaAsが格子定数の大きいInx
Ga1-xAs層の格子定数に整合しようとして引っ張り
応力を受け、GaAs系半導体受光層の引っ張り応力が
大きくなる。
【0045】また、一導電型InGaAs層18を介在
させるに当り、その原子組成比率をInxGa1-xAs
にて表示するに、0<x<0.3にするとよい。
【0046】xが0.3以上になると、格子不整合によ
る転位欠陥の発生が生じ、光吸収層の結晶性の低下を起
こし、暗電流の増加という点で不具合が生じる。
【0047】一導電型InGaAs層18は一導電型半
導体層12の一部の層領域であり、この層12と同じ機
能を備える。よって、一導電型不純物(Si等)を1×1
17〜1019atoms/cm3 程度含有させればよい。
【0048】また、一導電型半導体層12の厚みは0.
2〜2.0μm程度であるが、その一部の層領域でもっ
てInGaAs層18を構成する。この層18の厚みを
0.01〜1.0μmにすると、転位欠陥の発生もなく、
光吸収層に充分な引っ張り応力を与えられるという点で
よい。
【0049】InGaAs層18の厚みが0.01μm
未満では、発生する応力が小さく、それほどの効果が期
待できない。一方、1.0μmを超えると、InGaA
s層の界面より転位欠陥が発生し、暗電流の増加などの
特性低下が生じる。
【0050】以上の通り、一導電型半導体層12の内部
にInGaAs層18を構成したことで、GaAs系半
導体受光層の引っ張り応力を、さらに高めることがで
き、光吸収層13のエネルギーバンドギャップが小さく
なり、これにより、光吸収係が増大し、その結果、光吸
収層の膜厚をさらに薄くすることができ、高速応答に適
した半導体受光素子が得られた。
【0051】本発明者が繰り返しおこなった実験によれ
ば、このように一導電型InGaAs層18を介在させ
たことで、その介在がない図1の半導体受光素子と比較
し、キャリアの走行距離が1割程度短くなり、そのため
に遮断周波数が1割程度向上したことを確認した。
【0052】次に図1に示す本発明の半導体受光素子の
製造方法を説明する。この製法は各工程(1)〜(1
1)を順次経る。
【0053】・工程(1) 半導体層はMOCVD法を用いて成膜する。
【0054】一導電型GaAsからなる基板10を、水
素(H2)とアルシンガス(AsH3)とから成る雰囲気中に
投入し、700℃〜1000℃にまで昇温し、基板10
の表面上の酸化物を除去する。
【0055】・工程(2) 基板温度を500℃〜800℃に設定し、トリメチルガ
リウム(以下、TMGと略記する)とアルシンガス(As
3)とシランガス(SiH4)とを反応管に供給してSi
濃度が1×1017〜1019原子/cm3程度のバッファ層
12を2〜3μmの厚みにて形成する。
【0056】・工程(3) 原料ガスとしてTMG、トリメチルアルミニウム(以
下、TMAと略記する)、アルシンガス(AsH3) およ
びドーパントガスであるシランガス(SiH4)を反応管
に供給して、Si濃度が1×1017〜1019原子/cm3
程度の一導電型半導体層13を0.2〜2.0μmの厚み
にて形成する。
【0057】・工程(4) TMGとアルシンガス(AsH3)を用いて、同様にガリ
ウム砒素(GaAs)からなる半絶縁性を呈する光吸収層
13を1.0〜3.0μmの厚みにて形成する。
【0058】・工程(5) TMG、TMA、アルシンガス(AsH3)およびジメチ
ル亜鉛(以下、DMZと略記する)とを反応管に供給し
て、Zn濃度が1×1017〜1019原子/cm3程度のア
ルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)からなる逆導電
型半導体窓層14を0.1〜2.0μmの厚みで形成す
る。
【0059】・工程(6) TMG、アルシンガス(AsH3)およびDMZとを反応
管に供給して、Zn濃度が1×1019〜1020原子/c
3程度のガリウム砒素(GaAs)からなるオーミック
コンタクト層15を0.01〜0.3μm形成する。
【0060】以上の通り、各工程(1)〜(6)におい
ては、MOCVD法を用いて、バッファ層12と一導電
型半導体層13と逆導電型半導体窓層14とオーミック
コンタクト層15の積層構造体を形成し、そして、次の
工程(7)と工程(8)でもって各半導体層をエッチン
グし、図1や図2に示すような構成にする。
【0061】・工程(7) まず、硫酸―過酸化水素系のエッチング液を用いて、図
1に示す構成において、一導電型半導体層12と光吸収
層13と逆導電型半導体層14の各端面を順メサ形状も
しくは逆メサ形状にする。
【0062】・工程(8) 続けて、同様に硫酸―過酸化水素系のエッチング液を用
いて、オーミックコンタクト層15の一部に対しエッチ
ングを行い、これによって受光領域を形成する。
【0063】・工程(9) 蒸着法やスパッタリング法を用いて、金・クロムなどに
より遮光膜(図示せず)を形成する。この遮光膜は、逆
導電型半導体層14の表面上にて、受光領域以外に形成
する。
【0064】・工程(10) プラズマCVD法でシランガス(SiH4)とアンモニア
(NH4)を用いて窒化シリコン(SiNx)からなる絶縁膜
16を被覆する。
【0065】・工程(11) しかる後、蒸着法やスパッタリング法を用いて金・ゲル
マニウム(AuGe)などにより電極17a,17bを
形成する。
【0066】本発明者は、上述した製法に基づいて、G
aAs基板上にGaAs膜をエピタキシャル成長させた
試料と、Si基板上にGaAs膜をエピタキシャル成長
させた試料とを作成し、これら試料のフォトルミネッセ
ンス(PL)のスペクトルを測定した。
【0067】図6の(a)はGaAs基板30上にGa
As膜31をエピタキシャル成長させた測定用試料の断
面図であり、同図(b)はGaAs基板30上にGaA
s膜31をエピタキシャル成長させた測定用試料の断面
図である。
【0068】図6(a)の試料のPLスペクトルを測定
したところ、図5において、aに示すようなスペクトル
線が得られた(77K PLスペクトル)。図5におい
て、横軸は波長であり、縦軸はPL強度(相対値)を示
す。
【0069】また、図6(b)の試料のPLスペクトル
を測定したところ、図5において、b、c、d、e、f
に示すようなスペクトル線が得られた。
【0070】bはGaAs膜の厚みが4μmの場合であ
り、cはGaAs膜の厚みが7μm、dはGaAs膜の
厚みが15μm、eはGaAs膜の厚みが30μm、f
はGaAs膜の厚みが100μmの場合である。
【0071】図5に示す結果から明かな通り、aに示す
如く、GaAs膜には応力がかからないが、b〜fに示
すように、Si基板上にGaAs膜をエピタキシャル成
長させた場合には、そのGaAs膜に働く引っ張り応力
が、膜厚の増大にともなって増加し、これにより、エネ
ルギーギャップが小さくなり、その結果、PLスペクト
ルが長波長側にシフトしている。
【0072】本発明者の実験によれば、図3に示す如く
従来の半導体受光素子にて、その光吸収層の厚みが2〜
3μmであったものが、同じ吸収率にすべく、図1に示
す本発明の半導体受光素子では、その光吸収層の厚みが
1.5〜2.5μmにまで小さくすることができた。そして、
このような厚みの減少は、図5に示す結果でもって裏付
けることができた。
【0073】
【発明の効果】以上の通り、本発明の半導体受光素子に
よれば、Siから成る半導体基板上に一導電型半導体層
と光吸収層と逆導電型半導体層とを順次積層してGaA
s系の半導体受光層に構成したり、さらには一導電型半
導体層のうち半導体基板側の層領域をAlGaAsによ
り、光吸収層側の層領域をInGaAsにより形成した
ことで、GaAs系半導体受光層が基板でもって引っ張
り応力を受け、これにより、光吸収層のエネルギーバン
ドギャップが小さくなり、光吸収係数が高くなり、その
結果、同じ光吸収率を得るのに必要な光吸収層の膜厚を
薄くすることができ、光により励起されたキャリアが走
行する距離が短くなり、高速応答に適した受光素子を得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体受光素子の概略断面図である。
【図2】本発明の他の半導体受光素子の概略断面図であ
る。
【図3】従来の半導体受光素子の概略断面図である。
【図4】光の波長に対するGaAsの吸収係数を示す線
図である。
【図5】基板上のGaAs層の応力を示し、波長に対す
るPL強度の特性を示す線図である。
【図6】(a)と(b)は、PL強度を測定する試料の
概略図断面図である。
【符号の説明】
10・・・半導体基板 11・・・バッファ層 12・・・一導電型半導体層 13・・・光吸収層 14・・・逆導電型半導体窓層 15・・・オーミックコンタクト層 16・・・絶縁膜 17a・・・p側電極 17b・・・n側電極 18・・・一導電型InGaAs層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M118 AA10 AB05 BA01 CA05 CB02 CB20 5F049 MA04 MB07 NA01 NA20 NB01 PA04 SS03 WA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Siから成る半導体基板上に一導電型半導
    体層と光吸収層と逆導電型半導体層とを順次積層してG
    aAs系の半導体受光層に構成せしめたことを特徴とす
    る半導体発光素子。
  2. 【請求項2】前記一導電型半導体層のうち半導体基板側
    の層領域をAlGaAsにより、光吸収層側の層領域を
    InGaAsにより形成したことを特徴とする請求項1
    記載の半導体受光素子。
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