JP2002286833A - ドップラセンサの取付構造 - Google Patents

ドップラセンサの取付構造

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JP2002286833A
JP2002286833A JP2001083219A JP2001083219A JP2002286833A JP 2002286833 A JP2002286833 A JP 2002286833A JP 2001083219 A JP2001083219 A JP 2001083219A JP 2001083219 A JP2001083219 A JP 2001083219A JP 2002286833 A JP2002286833 A JP 2002286833A
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sensor
signal
mounting structure
doppler sensor
frame
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Application number
JP2001083219A
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English (en)
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Toshio Oguro
利雄 小黒
Takenori Fukushima
武徳 福島
Kentaro Todoroki
健太郎 轟木
Mie Ikushima
見江 幾島
Masayuki Nagaishi
昌之 永石
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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  • Bidet-Like Cleaning Device And Other Flush Toilet Accessories (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 框体外で反射してセンサに戻ってくる伝播波
が、框体内で反射してセンサに戻ってくる伝播波に干渉
されない状態で、ドップラセンサを框体内に配置できる
ようにする。 【解決手段】 ドップラセンサ1は、符号19で示す位
置、即ち、ケーシング3の内壁面から送信信号であるマ
イクロ波の1/4波長に相当する距離を隔てた位置に、マ
イクロ波の送/受信領域7(送信アンテナ及び受信アン
テナの設置領域)を、検知対象物体である人体の出現し
得る方向に向けて配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送信すべき伝播波
と受信した伝播波との周波数差に応じた信号を出力する
ドップラセンサの框体(ケーシング)内への取付構造に
関する。以下では、ドップラセンサを、男子小便器や腰
掛便器等に備える自動洗浄装置のケーシング内に配置す
る場合を例に取って説明する。
【0002】
【従来の技術】従来、男子小便器や腰掛式便器等におい
て、適宜箇所に配置したドップラセンサが、上記便器近
傍に接近する人体を検知したとき、上記便器に取付けた
自動洗浄装置が、上水等の洗浄液を便槽に排出すること
で上記便器を洗浄するものが知られている。上記ドップ
ラセンサは、電波(特にマイクロ波又はミリ波)による
ドップラ効果を利用して(即ち、センサから放射される
べき電波と対象物体に当って反射してセンサに戻ってく
る電波との周波数差を求めることで)、上記対象物体で
ある人体の検知を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したド
ップラセンサを、外部に露出した状態で配置すると、違
和感があるため見栄えが良くないし、特に、所謂共同便
所のように、不特定多数の利用者が自由に利用可能な設
置環境下では、悪戯されたり壊されたりする虞も大き
い。そこで、上記センサを、上記自動洗浄装置や、腰掛
式便器のロータンク側部に取付ける洗浄操作ユニット
や、或いは腰掛式便器の側部を含む適宜位置に取付ける
(後付けの)脱臭ユニット等、上記装置や各ユニットが
備える、通常、アクリル板で構成したケーシング内に外
部から密閉した状態で配置する方法が検討されている。
この方法では、上述したセンサにおける電波の送/受信
領域(送信アンテン及び受信アンテナ)を、検知対象物
体である(用を足そうとする)人体の出現し得る方向
(例えば男子小便器や腰掛式便器の正面方向)に向けた
状態で、上記ケーシング内に固定的に配置される。
【0004】しかし、上記センサに戻ってくる、上記セ
ンサから放射された電波の反射波には、ケーシングの壁
を透過して外部に送信され、検知対象物体である人体に
当って反射して該センサに戻ってくる電波(外部反射
波)と、ケーシングの壁を透過せずにその壁面に当って
反射して該センサに戻ってくる電波(内部反射波)とが
ある。この場合、言わばノイズである内部反射波が、対
象物体の検知を示す外部反射波に干渉して外部反射波の
強度を弱める虞があり、外部反射波の強度が弱まると、
外部反射波と上記センサから送信されるべき電波との周
波数差に応じた信号を生成する処理に不具合をきたし、
それにより上記センサの検知精度が低下する虞があっ
た。
【0005】従って本発明の目的は、センサから放射さ
れ、框体外で反射して該センサに戻ってくる伝播波が、
框体内で反射して該センサに戻ってくる伝播波に干渉さ
れない状態で、ドップラセンサを框体内に配置できるよ
うにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従うドップラセ
ンサの取付構造は、送信すべき伝播波と受信した伝播波
との周波数差に応じた信号を出力するドップラセンサの
框体内への取付けに係るもので、上記ドップラセンサ
は、上記框体の内壁面から上記送信すべき伝播波の1/4
波長に相当する距離を隔てた位置若しくはその近傍位置
に、伝播波の送/受信領域を所定方向に向けて配置され
る。
【0007】上記構成では、ドップラセンサが、上記框
体の内壁面から上記送信すべき伝播波の1/4波長に相当
する距離を隔てた位置若しくはその近傍位置に、伝播波
の送/受信領域を所定方向に向けて配置される。この位
置は、本発明者がアクリル板及びドップラセンサを用意
し、該ドップラセンサとアクリル板との間の距離を可変
調整しつつ該センサからの出力信号の強度を測定する実
験を行った結果、明らかになったものである。
【0008】即ち、上記実験において、ドップラセンサ
に対するアクリル板の設置位置を少しづつずらしなが
ら、各々の設置位置での該センサからの出力信号の強度
(電圧レベル)を測定し、夫々の強度を比較した結果見
出された強度が最大値を示す位置、つまり、アクリル板
から上記送信すべき伝播波の1/4波長に相当する距離を
隔てた位置を、上記アクリル板に対する上記センサの配
置位置に決定したものである。この実験の結果、ドップ
ラセンサを、上記框体内における上述した位置に設定す
ることにより、框体外で反射して該センサに戻ってくる
伝播波の強度が、該センサから放射され、框体内で反射
して該センサに戻ってくる伝播波の干渉を受けて弱めら
れるのを防止できることが分かったものである。
【0009】なお、上記センサの上記框体内での配置位
置は、框体の壁面から上記送信すべき伝播波の1/4波長
に相当する距離を隔てた位置の近傍位置であっても差支
えない。これらの詳細については、後に説明する。
【0010】本発明に係る好適な実施形態では、上記所
定方向は、例えば検知対象物体である人体の出現し得る
方向である。上記伝播波としては、例えばマイクロ波の
周波数帯に含まれる電波が挙げられる。上記ドップラセ
ンサは、外部に電波として送信するための信号を生成す
る送信信号生成部と、外部から電波として伝送された信
号を受信する信号受信部と、上記受信信号を読込むと共
に、上記送信信号と上記受信信号との周波数差を求め
て、その周波数差に応じた信号を生成する信号生成部と
を備える。
【0011】上述した框体には、電波を透過し得る材
料、例えばアクリル板で構成されるものが用いられる。
【0012】上記框体としては、例えば便座を有する便
器に含まれる各種の框体、その便器を設置したトイレ室
内の環境を所望の状態に調整するためのシステムに含ま
れる便槽への洗浄液供給装置の框体、又は脱臭装置や、
擬音装置や、アクティブ静音装置等の環境維持装置の框
体が挙げられる。また、男子小便器に取付けられる、そ
の男子小便器を自動洗浄するための自動洗浄装置の框体
も挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するに先立ち、電波によるドップラ効果を利用したドッ
プラセンサによる人体検知の原理を説明する。
【0014】電波によるドップラ効果を利用したドップ
ラセンサでの人体検知の一般的な原理は、下記の(1)
式で示される。
【0015】 ΔF=F−F=2×F×v/c・・・・・・(1) (1)式において、ΔFは、ドップラ周波数(約5〜200H
z)であり、Fは、送信波の周波数(送信周波数)であ
り、約10.525GHzである。Fは、反射波の周波数(反射
周波数)であり、Cは、光速(300×10m/s)である。
ここで、Fを約10.525GHzに選定した理由は、電波を利
用してドップラセンサにより人体を検知する場合には、
使用する電磁波の周波数帯域を1GHz〜100GHzに設定する
のが効果的とされるためである。
【0016】次に、本発明の実施の形態を、図面により
詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施形態に係るドップ
ラセンサの取付構造を適用した男子小便器の一例を示す
説明図である。
【0018】図1に記載の例では、ドップラセンサ1を
内部に密閉状態で配置したケーシング3が、男子小便器
5の上部正面に上記ドップラセンサ1の送信アンテナ及
び受信アンテナの設置領域である送/受信領域7を、検
知対象物体である(用を足そうとする)人体9の出現し
得る方向である男子小便器5の正面方向に向けた状態で
固定的に配置される。上記センサ1には、例えば複数の
信号処理回路(後述する発信回路、差分検出回路、帯域
フィルタ等)、送信アンテナ及び受信アンテナ(上記送
/受信領域7内に、プリント配線仕様で形成される)等
のセンサの各構成要素が、1枚の基板上に搭載された構
成のものが用いられる。また、上記ケーシング3には、
例えばアクリル板等の電波を透過し得る材料で構成され
たものが用いられる。
【0019】図1において、符号Fは、ドップラセン
サ1の送信アンテナからの送信波であり、符号Fは、
送信波Fが男子小便器5に向う人体(歩行者)9に反
射することによって生成される、相対運動(歩行者9の
歩行速度)vによるドップラ周波数シフトを受けた反射
波である。
【0020】図2は、上記ドップラセンサが備える機能
構成を示すブロック図である。
【0021】図2に示すように、上記反射波Fは、受
信部13により受信され、一方、送信部11からの上記
送信波Fは、基準信号として受信部13に読込まれ
る。そして差分検出回路15において、反射波Fと送
信波Fとの周波数差であるΔF(ドップラ周波数)が検
出信号として取出され、帯域フィルタ17を通じて出力
される。
【0022】上記各アンテナと上記人体9との距離は、
ドップ周波数ΔFの振幅に反比例するため、ΔFの値が分
かれば人体9の位置を検出できる。また、ドップラ周波
数ΔFの周波数スペクトラムを解析することにより、人
体9が男子小便器5に近づいているのか、或いは遠ざか
っているのか(人体9の移動方向)も検出できる。上記
ドップラ信号(ドップラ周波数)ΔFは、送信波Fが10
GHzのとき、人体9の歩行速度vを1m/sとすれば約67Hz
である。また、走行速度100km/hの車の場合には、1.85
2Hzとなる。測定対象に応じて帯域フィルタ17の帯域
周波数を設定すれば、ノイズとして混入する他の電波を
カットすることができる。
【0023】図3は、上述した本発明の一実施形態に係
るドップラセンサ1の取付構造の要部を示す説明図であ
る。
【0024】本実施形態では、ドップラセンサ1は、図
3において符号19で示す位置、即ち、上記ケーシング
3の内壁面から送信信号であるマイクロ波の1/4波長に
相当する距離を隔てた位置に、マイクロ波の送/受信領
域7(つまり、上述した送信アンテナ及び受信アンテナ
の設置領域)を、検知対象物体である人体9の出現し得
る方向に向けて配置される。
【0025】図4は、図3に記載の取付構造において、
ドップラセンサ1からの送信信号と、ケーシング3を透
過しケーシング3外で反射して該センサ1に戻ってくる
受信信号と、ケーシング3を透過せずにケーシング3の
壁面で反射して該センサ1に戻ってくる受信信号との関
係を示す説明図である。
【0026】図4において、発振器25がバイアス電圧
出力部23からの+5Vのバイアス電圧によって駆動する
ことで、発信回路21から発信信号(送信信号)として
センサ1内の信号伝送路20に10.525GHzのマイクロ波
が出力される。上記送信信号は、該信号伝送路20を通
じて例えば略7の割合で送信アンテナ27側に、残り略
3の割合で該信号伝送路20から分岐する別の信号伝送
路30を通じて差分検出回路15側に、夫々伝送され
る。一方、受信部13、即ち、受信アンテナ29には、
ケーシング3を透過し上述した男子小便器5に接近する
人体9に当って反射して該センサ1に戻ってくる信号
と、ケーシング3を透過せずにケーシング3の壁面で反
射して該センサ1に戻ってくる信号とが夫々受信され
る。そして、これらの信号により生成される信号が、受
信信号として差分検出回路15に伝送される。
【0027】つまり、差分検出回路15では、信号伝送
路30から入力する上記送信信号と、受信信号として人
体9に当って反射して戻ってきた信号及びケーシング3
の壁面で反射して戻ってきた信号とにより生成される信
号との周波数差が求められ、その求められた周波数差に
応じた大きさの信号が生成されて帯域フィルタ17に出
力される。よって、人体9に当って反射して戻ってきた
信号の強度(電圧レベル)が、ケーシング3の壁面で反
射して戻ってきた信号によって干渉されて弱められる
と、差分検出回路15において上記周波数差が正確に求
められず、その結果として、帯域フィルタ17を通じて
出力されるセンサ信号の強度(電圧レベル)も弱めら
れ、人体9の検知精度が低下する虞がある。
【0028】図5及び図6は、いずれも本発明者が行っ
た実験の結果得られたデータであり、ドップラセンサ1
の配置位置を基準に設定した該センサ1からの距離が異
なる複数の位置の各々を、ケーシング3に見立てたアク
リル板の設置位置に順次選択して、各々の設置位置で測
定した該センサ1からの出力信号(センサ信号)の信号
波形を示すものである。上記実験では、厚さ3mmのアク
リル板を使用した。図5及び図6で夫々示す該センサ1
からの出力信号波形は、いずれも検知対象物体である人
体9が極めてゆっくりとした移動速度で該センサ1から
遠ざかっている状態で測定したものである。図5は、ケ
ーシング3の設置位置を、該センサ1から0mm離れた位
置、10mm離れた位置、20mm離れた位置及び30mm離れた
位置に夫々移動させたときの信号波形を、一方、図6
は、上記設置位置を、該センサ1から5mm離れた位置、
7.5mm離れた位置、15mm離れた位置、25mm離れた位置及
び35mm離れた位置に夫々移動させたときの信号波形
を、夫々示す。
【0029】図5及び図6において、横軸は時間軸(単
位10sec)であり、従って右方向に行くほど(つまり、
時間が経過するほど)該センサ1と検知対象物体である
人体9との距離が大きくなる。一方、縦軸にはセンサ信
号の信号強度(電圧レベル)(単位200mv)が示され
る。
【0030】アクリル板が、該センサ1から0mm離れた
位置にあるときのセンサ信号波形を示す図5(a)、10
mm離れた位置にあるときのセンサ信号波形を示す図5
(b)、20mm離れた位置にあるときのセンサ信号波形を
示す図5(c)、30mm離れた位置にあるときのセンサ信
号波形を示す図5(d)を比較対照すると、人体9が該
センサ1に最も接近しているとき、センサ信号の信号強
度(振幅)が最大になることが分かる。
【0031】同様に、アクリル板が、該センサ1から5m
m離れた位置にあるときのセンサ信号波形を示す図6
(a)、7.5mm離れた位置にあるときのセンサ信号波形
を示す図6(b)、15mm離れた位置にあるときのセンサ
信号波形を示す図6(c)、25mm離れた位置にあるとき
のセンサ信号波形を示す図6(d)、35mm離れた位置に
あるときのセンサ信号波形を示す図6(e)を比較対照
すると、やはり人体9が該センサ1に最も接近している
とき、センサ信号の信号強度(振幅)が最大になること
が分かる。
【0032】図5(a)〜図5(d)において、センサ
信号の最大振幅の値が最も大きいのは、図5(b)で示
す10mm離れた位置にあるときであり、約250mvである。
次いで図5(c)で示す20mm離れた位置にあるときの約
220mv、更に、図5(d)で示す30mm離れた位置にある
ときの約190mvであり、最大振幅の値が最も小さいの
は、図5(a)で示す0mm離れた位置にあるときの約175
mvである。
【0033】一方、図6(a)〜図6(e)では、セン
サ信号の最大振幅の値が最も大きいのは、図6(b)で
示す7.5mm離れた位置にあるときであり、約265mvであ
る。次いで図6(a)で示す5mm離れた位置にあるとき
の約225mv、図6(d)で示す25mm離れた位置にあると
きの約220mv、更に、図6(c)で示す15mm離れた位置
にあるときの約205mvであり、最大振幅の値が最も小さ
いのは、図6(e)で示す35mm離れた位置にあるときの
約185mvである。
【0034】以上の内容から明らかなように、図5
(a)〜図6(e)において、センサ信号の最大振幅の
値が最も大きいのは、図6(b)で示す7.5mm離れた位
置にあるときであり、センサ信号の最大振幅の値が最も
小さいのは、図5(a)で示す0mm離れた位置にあると
きであることが分かる。本実施形態では、上述したよう
に、ドップラセンサ1からの送信信号として、10.525GH
zのマイクロ波を使用しており、上記実験においても10.
525GHzのマイクロ波を使用している。10.525GHzのマイ
クロ波の1波長λは、{3×1011(mm/s)}/10.525GHz=
28.5[mm]であるから、上記7.5mmの値は、上記マイクロ
波の1/4波長である7.125[mm]の値に近似している。
【0035】要するに、厚さ3mmのアクリル板で構成し
たケーシングに、上述した構成のドップラセンサ1を外
部から密閉した状態で収容して、10.525GHzのマイクロ
波により例えば用を足そうとする人体9を検知しようと
する場合、ケーシング3外で反射して該センサ1に戻っ
てくる受信信号の強度が、ケーシング3内で反射して該
センサ1に戻ってくる受信信号によって弱められないよ
うにするには、該センサ1の送/受信領域を、ケーシン
グ3の壁面から上記マイクロ波の1/4波長に相当する
距離である、7.5mm程度離れた位置に配置するのが良い
のである。ケーシング3と該センサ1との距離を、上記
のように送信信号の1/4波長に設定する理論的根拠
は、該センサ1からの上記送信波がアクリル板に当って
反射するとき、1/2波長ずれることによるものであ
る。
【0036】よって、本発明者は、図3で示したよう
に、ドップラセンサ1を、符号19で示す位置、即ち、
上記ケーシング3の内壁面から送信信号であるマイクロ
波の1/4波長に相当する距離を隔てた位置に、マイクロ
波の送/受信領域7(つまり、上述した送信アンテナ2
7及び受信アンテナ29の設置領域)を、人体9の出現
し得る方向に向けて配置するドップラセンサの取付構造
を提案するに至ったものである。
【0037】なお、アクリル板が該センサ1から0mm離
れた位置にあるとき、センサ信号の最大振幅の値が最も
小さくなる理由は、該センサ1とアクリル板との距離が
近ければ近いほど、アクリル板に当って反射して戻って
くる受信信号の強度が強くなるために、検知対象物体に
当って反射して戻ってきた受信信号が干渉される度合い
が大きくなることによるものと思料される。
【0038】図7は、上述した図5(a)〜図6(e)
に夫々示したセンサ信号の最大振幅の値をサンプリング
して作成したドップラセンサ1に対するアクリル板の設
置位置に応じたセンサ信号の特性曲線を示す。
【0039】図7において、横軸には、該センサ1の配
置位置を基準に設定したアクリル板の設置位置が0mmか
ら5mm間隔で35mmまで設定されており、一方、縦軸に
は、該センサ1からのセンサ信号の最大振幅の値が50m
v単位で0mvから300mvまで設定されている。
【0040】図7においても、アクリル板の設置位置を
該センサ1から7.5mmの位置に設置したときにセンサ信
号の最大振幅の値が最も大きくなり(約265mv)、該セ
ンサ1から0mmの位置に設置したときにセンサ信号の最
大振幅の値が最も小さくなる(約175mv)ことが明らか
である。
【0041】図8は、ドップラセンサ1に対する厚さ3m
mのアクリル板、又は厚さ5mmのアクリル板の設置位置に
応じたセンサ信号の電圧レベルの変化を示す。図8に示
す電圧レベルとは、上記ドップラセンサ1から直流増幅
回路(図示しない)を通じて例えば上述した自動洗浄装
置(図示しない)のコントローラ(図示しない)に出力
される信号の電圧レベルのことである。
【0042】図8において、横軸には、該センサ1の配
置位置を基準に設定した(厚さ3mm又は厚さ5mmの)アク
リル板の設置位置が0mmから5mm間隔で40mmまで設定され
ており、一方、縦軸には、該センサ1から直流増幅回路
(図示しない)を通じて出力される信号の電圧レベルの
値が1v単位で0vから6vまで設定されている。また、曲
線aは、厚さ3mmのアクリル板を用いたときの上記電圧
レベルの変化を示し、曲線bは、厚さ5mmのアクリル板
を用いたときの上記電圧レベルの変化を示す。
【0043】厚さ3mmのアクリル板では、上記曲線aで
示すように、上記電圧レベルは距離0mmで3v、距離5mmで
4v、距離7.5mmで5v、距離10mmで4.4v、距離15vで3.6v、
距離20mmと距離25mmとで3.8v、距離30mmで3.4v、距離35
mmで3.2vというように変化する。一方、厚さ5mmのアク
リル板では、上記曲線bで示すように、上記電圧レベル
は距離0mmで3v、距離5mmで3.9v、距離7.5mmで5v、距離1
0mmで4.4v、距離15mmで4v、距離20mmで3.6v、距離25m
mで3.4v、距離30mmで3.1v、距離35mmで3vというように
変化する。
【0044】図8より、厚さ5mmのアクリル板を用いた
場合でも、距離7.5mmで上記電圧レベルが最大(5v)に
なることが分かる。
【0045】上述したドップラセンサの取付構造は、図
9に示すような、洗浄操作ユニット41付きのロータン
クを備える便器43の側面部に上述した送/受信領域を
便器から見て前方向に向けた状態で、着脱自在に取付け
られる(後付けの)脱臭ユニット45内に配置すること
もできる。
【0046】図10は、(自動洗浄式腰掛)便器43に
取付ける(後付けの)脱臭ユニット45の全体斜視図、
図11は、図10で示した脱臭ユニット45の内部構成
を示す説明図、図12は、図9で示した洗浄操作ユニッ
ト41の内部構成を示す説明図である。
【0047】上記脱臭ユニット45は、図10に示すよ
うに、ダクト兼便器ハンガ45aと、ユニット本体45
bとから成っており、ユニット本体45b内部には、上
記脱臭ユニット45を便器43に取付けたときに、上述
した送/受信領域が例えば便器から見て前方向に向くよ
うにしてドップラセンサ1が配置されている。そして、
ユニット本体45b内部には、ドップラセンサ1に加え
て脱臭装置47と、ドップラセンサ1からの出力信号を
有線或いは無線にて制御部(図示しない)側に伝送する
ためのセンサ信号通信部49とが配置されている。
【0048】一方、図12に内部構成を示した洗浄操作
ユニット41では、センサ信号通信部49から送信され
る信号に基づいてモータ51が起動し、このモータ51
の回転により、排水弁を連結した洗浄操作軸53が回転
して上述した便槽内の洗浄動作を行う。
【0049】これらの変形例においても、ドップラセン
サ1が外部に露出していないために、センサ1が悪戯さ
れて故障する等の不具合を防止できるうえ、ドップラセ
ンサ1が便槽の表面等から突出していないので、美観を
損なうことが無く見栄えが良い。なお、これらの変形例
では、ドップラセンサ1の後付けが可能であるため、便
器43を設置した時点で上記ドップラセンサ1を必要と
しないユーザにとっては当座の出費を節約できる。
【0050】以上、本発明の好適な実施形態及びその変
形例について説明したが、これらは本発明の説明のため
の例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態にの
み限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態で
も実施することが可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
センサから放射され、框体外で反射して該センサに戻っ
てくる伝播波が、框体内で反射して該センサに戻ってく
る伝播波に干渉されない状態で、ドップラセンサを框体
内に配置できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るドップラセンサの取
付構造を適用した男子小便器の一例を示す説明図。
【図2】図1に記載のドップラセンサが備える機能構成
を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係るドップラセンサの取
付構造の要部を示す説明図。
【図4】図3に記載の取付構造において、ドップラセン
サからの送信信号と、ケーシングを透過しケーシング外
で反射してセンサに戻ってくる受信信号と、ケーシング
を透過せずにケーシングの壁面で反射してセンサに戻っ
てくる受信信号との関係を示す説明図。
【図5】ドップラセンサの配置位置を基準に設定した該
センサからの距離が異なる複数の位置の各々を、ケーシ
ングに見立てたアクリル板の設置位置に順次選択して、
各々の設置位置で測定した該センサからの出力信号(セ
ンサ信号)の信号波形を示す図。
【図6】ドップラセンサの配置位置を基準に設定した該
センサからの距離が異なる複数の位置の各々を、ケーシ
ングに見立てたアクリル板の設置位置に順次選択して、
各々の設置位置で測定した該センサからの出力信号(セ
ンサ信号)の信号波形を示す図。
【図7】図5(a)〜図6(e)に夫々示したセンサ信
号の最大振幅の値をサンプリングして作成したドップラ
センサに対するアクリル板の設置位置に応じたセンサ信
号の特性曲線を示す図。
【図8】ドップラセンサに対する厚さ3mmのアクリル
板、又は厚さ5mmのアクリル板の設置位置に応じたセン
サ信号の電圧レベルの変化を示す図。
【図9】本発明の一実施形態の変形例に係るドップラセ
ンサの取付構造を備える自動洗浄式腰掛便器の側面図。
【図10】図9で示した自動洗浄式腰掛便器に取付ける
後付けの脱臭ユニットの全体斜視図。
【図11】図10で示した脱臭ユニットの内部構成を示
す説明図。
【図12】図9で示した洗浄操作ユニット41の内部構
成を示す説明図。
【符号の説明】
1 ドップラセンサ 3 ケーシング 5 男子小便器 7 送/受信領域 9 人体 11 送信部 13 受信部 15 差分検出回路 17 帯域フィルタ 20、30 信号伝送路 21 発信回路 23 バイアス電圧出力部 25 発振器 27 送信アンテナ 29 受信アンテナ
フロントページの続き (72)発明者 轟木 健太郎 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 幾島 見江 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 永石 昌之 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 2D038 BC01 2D039 AA04 DB04 FA03 5J070 AB15 AD02 AE09 AH40 BA01 5J083 AB14 AC05 AE08 AF01 BE54 CA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信すべき伝播波と受信した伝播波との
    周波数差に応じた信号を出力するドップラセンサの框体
    内への取付構造において、 前記ドップラセンサが、前記框体の内壁面から前記送信
    すべき伝播波の1/4波長に相当する距離を隔てた位置若
    しくはその近傍位置に、伝播波の送/受信領域を所定方
    向に向けて配置されるドップラセンサの取付構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の取付構造において、 前記所定方向が、検知対象物体である人体の出現し得る
    方向であるドップラセンサの取付構造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の取付構造において、 前記伝播波が、マイクロ波の周波数帯に含まれる電波で
    あるドップラセンサの取付構造。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記
    載の取付構造において、 前記ドップラセンサが、 外部に電波として送信するための信号を生成する送信信
    号生成部と、 外部から電波として伝送された信号を受信する信号受信
    部と、 前記受信信号を読込むと共に、前記送信信号と前記受信
    信号との周波数差を求めて、その周波数差に応じた信号
    を生成する信号生成部と、 を備えるドップラセンサの取付構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記
    載の取付構造において、 前記框体が、電波を透過し得る材料で構成されるドップ
    ラセンサの取付構造。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の取付構造において、 前記材料がアクリル板を含むドップラセンサの取付構
    造。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の取付構造において、 前記框体が、便座を有する便器に含まれる各種の框体、
    該便器を設置したトイレ室内の環境を所望の状態に調整
    するためのシステムに含まれる便槽への洗浄液供給装置
    の框体、又は少なくとも1個以上の環境維持装置の框体
    であるドップラセンサの取付構造。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の取付構造において、 前記環境維持装置が、脱臭装置、擬音装置及びアクティ
    ブ静音装置の少なくともいずれか1個を含むドップラセ
    ンサの取付構造。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の取付構造において、 前記框体が、男子小便器に取付けられる、該男子小便器
    を自動洗浄するための自動洗浄装置の框体であるドップ
    ラセンサの取付構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004226089A (ja) * 2003-01-20 2004-08-12 Omron Corp 検知装置及び錠制御装置
US7603726B2 (en) 2005-12-20 2009-10-20 S.C. Johnson & Son, Inc. Toilet bowl cleaning and/or deodorizing device

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