JP2002285034A - リン酸塩顔料の製造方法 - Google Patents

リン酸塩顔料の製造方法

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JP2002285034A
JP2002285034A JP2001091077A JP2001091077A JP2002285034A JP 2002285034 A JP2002285034 A JP 2002285034A JP 2001091077 A JP2001091077 A JP 2001091077A JP 2001091077 A JP2001091077 A JP 2001091077A JP 2002285034 A JP2002285034 A JP 2002285034A
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sludge
treatment
pigment
phosphate
washing
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JP2001091077A
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Yoshiko Ogawa
淑子 小川
Seiichiro Shirahata
清一郎 白幡
Yuji Kitako
裕二 北子
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸塩化成処理後の洗浄廃水の処理により
生じるスラッジをリン酸塩顔料として再生させることに
より、上記スラッジを廃棄することなく回収利用する方
法、及び、上記方法により得られるリン酸塩顔料を提供
する。 【解決手段】 リン酸塩化成処理を行う工程(1)、上
記記工程(1)の後、水洗処理を行う工程(2)、上記
工程(2)における洗浄廃水を電気分解処理する工程
(3)、並びに、上記工程(3)で生成するスラッジを
乾燥及び焼成する工程(4)を含む顔料の製造方法であ
って、上記顔料は、平均粒径が1〜50μm、水可溶分
が0.1〜1.0質量%、真比重が1.5〜2.5であ
ることを特徴とする顔料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸塩化成処理
後の洗浄水の再利用において副産物として発生するスラ
ッジの処理方法に関し、詳しくは、リン酸塩化成処理後
の洗浄廃水を電気分解して生じるスラッジからリン酸塩
顔料を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の金属成形物は、一般的に、表
面に付着している油分を除去するための脱脂処理、後工
程である化成処理における化成皮膜の形成を良好に行う
ための表面調整処理、及び、耐食性や耐磨耗性を向上さ
せるリン酸塩化成処理という一連の塗装前処理工程が行
われた後、電着塗装されている。このうちリン酸塩化成
処理においては、副産物として化成スラッジが発生す
る。
【0003】リン酸亜鉛化成処理で発生する化成スラッ
ジの回収利用を目的として、特開2000−24819
3号公報には、リン酸亜鉛化成処理工程で発生するスラ
ッジを300〜900℃で30〜180分間焼成するリ
ン酸塩含有顔料の製造方法が開示されており、また、特
開2001−048506号公報には、リン酸亜鉛化成
処理で発生するスラッジを、円筒乾燥機により乾燥して
乾燥スラッジを得、ついで前記乾燥スラッジを150〜
900℃で10〜180分間焼成する、リン酸塩顔料の
製造方法が開示されている。
【0004】一方、上述の脱脂処理及びリン酸塩化成処
理においては、処理液の混合防止や化成皮膜の品質の確
保を目的として、処理の後に水洗浄が複数回行われてい
る。生じる洗浄廃水は、従来、廃水処理設備に送られた
後廃棄されるので、廃棄に伴う経費が高かった。
【0005】特開平7−116666号公報、特開平1
0−99777号公報等には、電気分解装置を使用した
上記洗浄廃水の処理方法が提案されている。これらの電
気分解処理により副産物としてスラッジが発生する。こ
のスラッジは、従来、廃棄されていたが、近年の環境に
対する配慮及び廃棄物の処理場の減少や処理費用等に鑑
み、上記洗浄廃水の処理系は、廃棄物ゼロの完全クロー
ズド化が望まれるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リン酸塩化
成処理後の洗浄廃水の処理により生じるスラッジをリン
酸塩顔料として再生させることにより、上記スラッジを
廃棄することなく回収利用する方法、及び、上記方法に
より得られるリン酸塩顔料の提供を目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リン酸塩
化成処理後の洗浄廃水を電気分解処理することにより生
じるスラッジは、上記リン酸塩化成処理後の水洗水によ
る洗浄を回収前に既に経たものであるので、リン酸塩化
成処理により生じる化成スラッジよりも含有イオン成分
が少なく、スラッジの洗浄工程の省略や、スラッジの焼
成時間の短縮が可能となることを見出した。上記スラッ
ジは、また、上記電気分解処理によって水酸化物沈殿と
して回収されるので、リン酸塩化成処理により生じる化
成スラッジよりも不溶化の程度が高く、これによって
も、焼成前の工程を省略してスラッジの顔料化工程が短
縮されることを見出した。
【0008】本発明者らは、また、リン酸塩化成処理を
経て副産物として発生するスラッジは、リン酸塩を含有
するので、乾燥及び焼成することによりリン酸塩顔料と
して再生することができ、これによりスラッジを廃棄物
として系外に出すことなく洗浄廃水の処理系の完全クロ
ーズド化が可能になることを見出し、本発明を完成し
た。
【0009】即ち、本発明は、リン酸塩化成処理を行う
工程(1)、上記工程(1)の後、水洗処理を行う工程
(2)、上記工程(2)における洗浄廃水を電気分解処
理する工程(3)、並びに、上記工程(3)で生成する
スラッジを乾燥及び焼成する工程(4)を含む顔料の製
造方法であって、上記顔料は、平均粒径が1〜50μ
m、水可溶分が0.1〜1.0質量%、真比重が1.5
〜2.5であることを特徴とする顔料の製造方法であ
る。上記焼成は、150℃〜900℃で行うものである
ことが好ましい。上記工程(4)において、スラッジは
乾燥する前に濃縮されるものであることが好ましい。上
記濃縮は、限外濾過によるものであることが好ましい。
上記洗浄廃水は、pH5以上に中和してから電気分解処
理するものであることが好ましい。本発明は、また、上
記顔料の製造方法により製造されることを特徴とする顔
料である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明の顔料の製造方法は、リン酸塩化成
処理を行う工程(1)、上記工程(1)の後、水洗処理
を行う工程(2)、上記工程(2)における洗浄廃水を
電気分解処理する工程(3)、並びに、上記工程(3)
で生成するスラッジを乾燥及び焼成する工程(4)を含
むことを特徴とする。
【0011】本発明の顔料の製造方法は、リン酸塩化成
処理後の洗浄廃水を電気分解処理する場合に適用される
ものであれば、リン酸塩化成処理の対象となる被塗装物
については特に限定されず、例えば、冷延鋼板又は亜鉛
メッキ鋼板を主たる被処理物とする自動車車体及びその
部品等の金属成形物等を挙げることができる。上述の各
工程のうち、工程(1)及び工程(2)は、上記金属成
形物等の電着塗装前処理工程の一部として行われるもの
である。
【0012】上記リン酸塩化成処理を行う工程(1)
は、金属成形物の耐食性や耐磨耗性を向上させるために
行われる。上記化成処理を行わしめるリン酸塩化成処理
剤は、通常用いられるリン酸亜鉛を主成分とするもので
あり、カチオン成分として、亜鉛以外にNi2+、M
2+、Co2+、Cu2+、Mn2+、Ca2+、Na+ 、Fe
2+、NH4 + 、H+ 、アニオン成分として、PO4 3-
NO3 - 、NO2 - 、F- 、SiF6 2- 、ClO3 -
SO4 2- 等が含まれていてもよく、一部有機酸等を含む
こともできる。上記リン酸塩化成処理剤には、40〜5
0℃程度において数分間浸漬することが好ましい。
【0013】上記工程(1)の後、水洗処理を行う工程
(2)は、通常、上記工程(1)を経た被塗装物を水に
より洗浄するものであり、スプレー水洗又は浸漬水洗の
どちらでもよく、これらの方法を組み合わせることもで
きる。上記洗浄の回数は1回であってもよいし、2回以
上であってもよい。上記工程(2)における洗浄廃水
は、電気分解処理する工程(3)に付する。
【0014】上記電気分解処理は、陽電極として、アル
ミニウム電極、マグネシウム電極又は鉄電極を用いるこ
とが好ましい。より好ましくは、アルミニウム電極であ
る。アルミニウム電極は、電極から溶出してくるAlイ
オンが不溶性の水酸化アルミニウムとなり、この水酸化
アルミニウムは、電解作用によって発生した水素によっ
て浮上する際に、更に種々の金属イオンの水酸化物と凝
集物を形成するので、この浮上してきた凝集物を定期的
にスクレイパ等で採取するだけで容易にスラッジとして
分離回収することができるとともに、装置のメンテナン
スを簡便にすることができる。一方、陽電極として鉄電
極を使用する場合には、沈殿物が凝集することなく処理
液が懸濁状態となるため、スラッジを回収する際には、
電気分解処理の後に、濾過装置によりこの沈殿物を濾過
する必要がある。
【0015】上記電気分解処理において陰極は、導電体
であれば上記陽電極以外の他の金属でもよいが、電極極
性を所定間隔で交互に切り換える場合には、陽陰両電極
ともアルミニウム電極、マグネシウム電極又は鉄電極で
構成する。電極極性を交互に切り換えた場合には、電気
分解により消耗する電極の消費バランスが均等化され、
良好な電気分解処理を行うことが可能であり、効率的な
微小スラッジの凝集分離を行うことができる。
【0016】上記電気分解処理は、洗浄廃水から金属イ
オンをより多く回収する点から、pH7以上になるまで
行うことが好ましい。pH7未満であると、上記洗浄廃
水からNiイオン、Mnイオン等の重金属イオンが効率
的に除去されず、常法に従って処理水の廃棄や再利用を
行うことが困難になる場合がある。より好ましくは、p
H7〜8.5である。pH8.5を超えると、Alイオ
ンが沈殿せずにAlO2 - 等のイオンとなって溶解する
ため、処理液中のAlイオンの濃度が上昇する傾向にあ
る。
【0017】上記電気分解処理は、処理した液が好まし
くはpH7以上、より好ましくはpH7〜8.5になる
ように、上記電極間の印加電圧や印加時間を設定するこ
とができ、これらは、処理する洗浄廃水の量や汚れ具合
によって適宜変更してもよい。印加電圧は5〜30V、
滞留時間は10〜60分間が好ましい。
【0018】上記洗浄廃水は、電気分解処理の前に、p
H5以上に調整することが好ましい。pH5未満である
と、上記洗浄廃水からNiイオン、Mnイオン等の重金
属イオンが効率的に除去されず、常法に従って処理水の
廃棄や再利用を行うことが困難となり得る。好ましく
は、pH5〜7である。pH7を超えると、Alイオン
が沈殿せずに、AlO2 - 等のイオンとなって溶解する
こととなるため、処理液中のAlイオンの濃度が上が
る。
【0019】上記pH調整においては、洗浄廃水を、水
酸化カルシウム又は水酸化ナトリウムにより中和するこ
とが好ましい。これらの塩基性物質は、固体であっても
水溶液の状態であってもよい。より好ましくは、水酸化
カルシウム又はその水溶液である。水酸化カルシウムを
添加することによって、化成処理液中に大量に含まれる
リン酸イオン及びフッ素イオンとカルシウムとの不溶性
の塩が形成されるため、リン酸イオン及びフッ素イオン
をも容易にスラッジ中に含有させることができる。
【0020】上記工程(3)の電気分解処理により、上
記工程(2)により得られる洗浄廃水から、スラッジが
生じる。上記スラッジは、本発明において顔料製造の原
料となる。上記スラッジは、主として、上述の工程
(1)で用いられたリン酸塩化成処理剤に由来して上記
洗浄廃水中に残存する金属イオンや陰イオンが不溶化し
たものであり、リン酸亜鉛やリン酸鉄等のリン酸塩を主
成分として含有する。上記スラッジは、発生した工程や
装置の種類により変動はあるが、一般にそのままの状態
では水可溶分が多く、塗料用顔料として使用することが
できない。本発明に適用することができるスラッジの成
分組成としては、例えば、上記洗浄廃水から回収した後
105℃で2時間乾燥したものについて、Alが5〜3
0%、Caが0.1〜0.5%、Niが0.1〜1.0
%、Mnが0.1〜1.0%、Feが0.1〜3.0
%、Znが0.1〜3.0%及びPO4 が50〜80%
等を挙げることができる。
【0021】上記スラッジの回収方法としては特に限定
されず、例えば、従来公知の方法を用いることができ、
例えば、浮上スラッジは掻き取り装置により、沈降スラ
ッジは限外濾過(UF)フィルターにより、それぞれ回
収することができる。このようにして回収された回収ス
ラッジは、通常、含水率90質量%以上である。
【0022】上記回収スラッジは、次の工程(4)にお
いて乾燥する。上記乾燥は、スラッジの含水率が5質量
%以下となるように行うことが好ましい。5質量%を超
えると、後に行う焼成で固化しやすくなり、また、焼成
に必要なエネルギーの増加を招きかねない。上記乾燥の
方法としては特に限定されず、例えば、円筒乾燥機、ド
ラムドライヤー、ディスクドライヤーを用いる方法、天
日乾燥、加熱乾燥等の方法が挙げられる。上記乾燥の条
件としては乾燥後のスラッジが含水率5質量%以下とな
るものであれば特に限定されず、例えば、80〜150
℃未満で10分間〜3時間加熱することが挙げられる。
【0023】上記回収スラッジは、上記乾燥に先立っ
て、水道水又は純水により洗浄を行ってもよい。本発明
においては、上記回収スラッジは、上述のリン酸塩化成
処理後の処理液の洗浄時に処理液の成分として洗浄され
ているので、回収後に改めて水洗浄する必要はないが、
上記回収スラッジの水洗浄を行うと、得られるリン酸塩
顔料の水可溶分を一層減少することができる。
【0024】上記水洗浄に使用する水の量は、上記回収
スラッジの量に対して質量で5〜35倍、好ましくは1
0〜32倍が有効である。上記量の水は、2回以上に分
割して使用し複数回洗浄を行うと、より効果的である。
上記水洗浄の方法としては特に限定されないが、水中に
上記回収スラッジを投入して一定時間、好ましくは3分
以上撹拌を行う方法が望ましい。上記水洗浄に用いる水
は、熱水又は温水であると洗浄効果が高まるが、室温程
度の水温であっても充分な洗浄効果が得られる。
【0025】上記回収スラッジは、上述の乾燥を効果的
に行うことができる点から、上記乾燥の前において含水
率が70〜90質量%であることが好ましい。70質量
%未満であると、乾燥前のスラッジが流動性を失うほど
泥状になって、効率の良い乾燥が困難になる場合があ
る。90質量%を越えると、乾燥処理時間が長くなり、
ランニングコストが高くなる等の問題が起こることがあ
り、好ましくない。
【0026】上記範囲内の乾燥前含水率に調整する方法
としては特に限定されず、例えば、上述の回収スラッジ
の水洗浄の後に又は上記水洗浄を行うことなく、必要に
応じて、濃縮、脱水又は水の添加を行う方法等が挙げら
れる。上記濃縮の方法としては特に限定されず、例え
ば、従来公知の方法を用いることができるが、濃縮を効
率よく行うことができる点から、限外濾過による方法が
好ましい。
【0027】上記により乾燥された乾燥スラッジは、次
いで焼成する。上記焼成は、150〜900℃で10〜
180分間、好ましくは30〜130分間行われる。1
50℃より低い温度又は10分間より短時間の焼成では
焼成が不充分であり、塗料成分として用いるには分散性
が不充分となる場合がある。焼成温度が900℃より高
い場合又は焼成時間が180分より長い場合は、得られ
る顔料が変色したり、硬度の上昇が生じ、塗料用に使用
できなくなるほか、ランニングコストが増加する等の問
題が発生することがある。本発明においては、上述のリ
ン酸塩化成処理後の洗浄時に処理液の成分として洗浄さ
れたスラッジを用いることから、リン酸塩化成処理によ
り生じる化成スラッジと比較して、スラッジに含まれる
イオン成分量は少ないので、上記温度や時間の焼成条件
を緩和してもよい。
【0028】上記焼成に用いられる装置は、上記温度及
び時間範囲を確保し得るものであれば特に制限はなく、
例えば、上記乾燥スラッジをコンベア上に載せて処理温
度領域を通過させる連続式の焼成炉でもよいし、バッチ
式の焼成炉でもよい。上記焼成の熱源としては特に限定
されず、例えば、電気炉、ガス炉等が挙げられる。
【0029】このようにして上記乾燥スラッジを焼成す
ることにより得られる焼成スラッジは、リン酸塩顔料と
して用いることができる。上記リン酸塩顔料は、その平
均粒径が1〜50μm、水可溶分が0.1〜1.0質量
%以下、真比重が1.5〜2.5である。上記平均粒径
は、2〜10μmであることが好ましい。平均粒径を上
記範囲内にするため、上記焼成スラッジを粉砕してもよ
い。上記粉砕の方法としては特に限定されず、例えば、
従来公知の方法を用いることができ、例えば自動乳鉢等
が挙げられる。
【0030】本明細書において、上記スラッジの水可溶
分とは、JIS K 5101の25.1「煮沸浸出
法」に準じて評価したものであり、約5〜25gのスラ
ッジにスラッジと水の合計が200mlとなるように水
を加え、5分間煮沸した後、冷却し、濾過を行い、濾液
の蒸留残渣の質量から算出したものである。
【0031】このようにして得られたリン酸塩顔料は、
一般的な塗料用顔料として使用することができる。上記
リン酸塩顔料は、上述のように水可溶分が少ないので体
質顔料として使用することができる他、リン酸塩顔料の
防錆性を利用して、電着塗料等の下塗り塗料、防錆プラ
イマー、中塗り塗料に使用することができる。
【0032】本発明の顔料の製造方法は、リン酸塩化成
処理後の洗浄廃水を電気分解処理することにより得られ
るスラッジを材料とするので、一般的に体質顔料として
用いることができるほか、防錆力がある点で防錆プライ
マー、中塗り用塗料等に有用なリン酸塩顔料を簡便な方
法により得ることができるとともに、リン酸塩化成処理
後の洗浄廃水の処理工程において廃棄するスラッジをな
くし、有効に再利用することができ、環境上の要請及び
コスト削減や資源の有効利用という時代の要請に合致す
るものである。
【0033】また、上記洗浄廃水を電気分解処理する工
程において金属イオン等を水酸化不溶物にすることがで
き、更に、電気分解処理の陽電極としてアルミニウム電
極を使用する場合には、溶出するAlイオンを不溶性の
水酸化アルミニウムにすることができるので、固液分離
性を高めてスラッジの回収が容易になるほか、装置のメ
ンテナンス性に優れる。従って、本発明のリン酸塩顔料
の製造方法は、自動車の車体又は部品類の電着塗装前処
理工程に好適に用いられ、本発明のリン酸塩顔料は、有
効に活用されるものである。
【0034】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。実施例において、部、%はそれぞれ質量部、
質量%を表す。実施例1 (リン酸塩顔料の製造)自動車車体をサーフダイン50
00(リン酸亜鉛処理剤、日本ペイント社製)で化成処
理した後、水洗し、得られる洗浄廃水(pH4.3)を
Ca(OH)2 によりpH5.5に調整した液1m3
ついて、電極としてAl板(50cm×50cm)8枚
及びSUS板(50cm×50cm)8枚を用い、電流
値30A、電圧4V、電解時間2時間の条件でpH7.
8となるまで電気分解処理を行った。その後、浮上スラ
ッジは掻き取り装置にてスラッジタンクに回収し、沈降
スラッジは限外濾過フィルター(三協技研社製)にて回
収した。これらの回収スラッジは、含水率90%以上で
あった。得られた回収スラッジを30倍量の純水にて洗
浄後、セーフティーオーブン(タバイ社製)を用いて1
05℃で2時間乾燥し、含水率5%の乾燥スラッジを得
た。次いで、焼成装置(電気マッフル炉:ヤマト科学社
製)にて500℃で2時間焼成してから、自動乳鉢にて
1時間グラインドし、焼成スラッジ(リン酸塩顔料)を
得た。
【0035】(Na溶出量)純水に焼成スラッジを2%
になるように添加し、3時間撹拌後その上澄液中のNa
量を原子吸光分析装置で測定し、Na溶出量を求めた。
結果を表1に示す。
【0036】(分散性の評価)得られた焼成スラッジ
を、分散用樹脂としてアミン変性エポキシ樹脂(ND−
5222・V8用、日本ペイント社製)を用いて焼成ス
ラッジと分散樹脂との固形分比が1対0.3になるよう
に配合した。その後イオン交換水を用いて不揮発分50
%の分散ペーストに調製し、この分散ペーストに対し質
量比で300対600になるようにガラスビーズを添加
し、分散粒度が10μm以下になるように卓上型バッチ
式サンドミル(太平システム社製)を用いて25℃で3
000回転で120分間分散した。得られた塗料をイオ
ン交換水を用いて不揮発分40%、塗料固形分中の焼成
スラッジが質量基準で5%となるように調製した。この
塗料を、室温で20日放置した後の塗料状態を評価し
た。結果を表1に示す。
【0037】実施例2 回収スラッジの洗浄工程を省略することのほかは、実施
例1と同様にリン酸塩顔料を製造し、評価した。比較例1 回収スラッジの洗浄工程及びグラインド工程を省略する
ことのほかは、実施例1と同様にリン酸塩顔料を製造
し、評価した。
【0038】比較例2 回収スラッジとして、サーフダイン5000(リン酸亜
鉛処理剤、日本ペイント社製)による化成処理で発生し
回収したものを用い、回収後洗浄しないことのほかは、
実施例1と同様にリン酸塩顔料を製造し、評価した。
【0039】
【表1】
【0040】表1から、実施例1〜2のように電気分解
処理にて発生するスラッジからは、塗料安定性の高くN
a溶出量の低い顔料が得られるが、比較例2のようにリ
ン酸亜鉛化成処理にて発生するスラッジからは、塗料安
定性が良好かつNa溶出量の低い顔料は得られないこと
がわかった。比較例1のように平均粒径が1〜50μm
の範囲内にない焼成スラッジは、Na溶出量は低いが、
塗料安定性の良い顔料ではないこともわかった。
【0041】
【発明の効果】本発明の顔料の製造方法により、従来廃
棄処理せざるを得なかったリン酸塩化成処理を経て生じ
るスラッジをリン酸塩顔料として再生することができ
る。本発明のリン酸塩顔料は、粒径が細かく均一である
のでビヒクルへの分散が良好であるとともに、水中への
溶出成分が少ないので、塗料用顔料として好適に用いら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 11/06 ZAB C02F 11/12 C 11/12 C23C 22/08 22/83 C23C 22/08 C02F 1/46 102 22/83 (72)発明者 北子 裕二 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA06 KA01 KB30 PA02 PB08 4D059 AA03 BB02 BD12 BE22 BK21 CB04 CC10 4D061 DA08 DB18 EA06 EB05 EB17 EB20 EB27 EB28 EB31 FA11 4J037 AA11 CA08 CA21 DD05 DD12 DD23 DD30 EE13 EE25 EE26 EE33 EE35 EE43 EE46 EE47 4K026 AA02 AA25 BA03 BA04 BB07 CA23 DA12 DA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸塩化成処理を行う工程(1)、前
    記工程(1)の後、水洗処理を行う工程(2)、前記工
    程(2)における洗浄廃水を電気分解処理する工程
    (3)、並びに、前記工程(3)で生成するスラッジを
    乾燥及び焼成する工程(4)を含む顔料の製造方法であ
    って、前記顔料は、平均粒径が1〜50μm、水可溶分
    が0.1〜1.0質量%、真比重が1.5〜2.5であ
    ることを特徴とする顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】 焼成は、150℃〜900℃で行うもの
    である請求項1記載の顔料の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(4)において、スラッジは乾燥す
    る前に濃縮されるものである請求項1又は2記載の顔料
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 濃縮は、限外濾過によるものである請求
    項3記載の顔料の製造方法。
  5. 【請求項5】 洗浄廃水は、pH5以上に中和してから
    電気分解処理するものである請求項1、2、3又は4記
    載の顔料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の顔料
    の製造方法により製造されることを特徴とする顔料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009520099A (ja) * 2005-12-19 2009-05-21 マハラニ・ペインツ・プライベート・リミテッド 塗料スラッジを再利用可能塗料に変換するための組成物及び方法
JP2015192944A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 旭化成ケミカルズ株式会社 電着塗装化成工程の洗浄水処理

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