JP2002284544A - 磁気記録媒体用ガラスセラミックス基板 - Google Patents

磁気記録媒体用ガラスセラミックス基板

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JP2002284544A
JP2002284544A JP2002020125A JP2002020125A JP2002284544A JP 2002284544 A JP2002284544 A JP 2002284544A JP 2002020125 A JP2002020125 A JP 2002020125A JP 2002020125 A JP2002020125 A JP 2002020125A JP 2002284544 A JP2002284544 A JP 2002284544A
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glass
solid solution
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magnetic recording
ceramic substrate
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Naoyuki Goto
直雪 後藤
Kosuke Nakajima
耕介 中島
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Ohara Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸化物系垂直磁気記録媒体等のような高温成膜
時においても熱変形量やたわみ量が非常に小さい垂直磁
気記録媒体用の基板を提供する。 【解決手段】主結晶相がβ−石英,β−石英固溶体,β
−スポジューメン,β−スポジューメン固溶体,β−ユ
ークリプタイト、(但し、Li2Oの一部はMgOおよ
び/またはZnOとの置換可能),β−ユークリプタイ
ト固溶体(但し、Li2Oの一部はMgOおよび/また
はZnOとの置換可能)の中から選ばれる、1種または
2種以上であり、基板の温度を500℃に加熱し、5分
間保持し、冷却した後のディスク基板の平坦度が1μm
以下であり、その組成にMgO、BaO、ZnOを必須
成分として含有し、これら3成分の合計量が重量%で
1.2%〜3%未満であることを特徴とする、磁気記録
媒体用ガラスセラミックス基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種情報記録装置
に用いられる磁気記録媒体用基板の中でも、特に垂直磁
気記録媒体において、高温成膜.高温アニーリングにも
適応し得る高耐熱性特性,基板表面の超平滑性,高温成
膜もしくは高温アニーリング時における基板材からのア
ルカリ成分の低溶出特性を兼ね備えた、ディスク状情報
記録媒体用基板に関する。尚、本明細書において「磁気
情報記録媒体」とは、パーソナルコンピューターのハー
ドディスクとして使用される、固定型ハードディスク,
リムーバル型ハードディスク,カード型ハードディス
ク,デジタルビデオカメラやデジタルカメラにおいて使
用可能な情報磁気記録媒体等のディスク状磁気情報記録
媒体を意味する。
【0002】
【従来の技術】近年実用化されている情報磁気記録装置
は、パ−ソナルコンピュ−タのマルチメディア化やデジ
タルビデオカメラ・デジタルカメラ等に見られるよう
に、動画や音声等の大容量デ−タが扱われるため、1G
b/in2を超える高密度な記録密度に到達している。
ところで、これらの磁気記録装置の大半は、磁性媒体の
磁化方向が面内方向である面内記録方式を用いている
が、高記録密度化に伴って記録波長,トラック幅,媒体
膜厚のいずれもが縮小化し、1ビットを構成する磁性体
の磁気エネルギーがどんどん小さくなり、信号出力の低
下,S/N比の増大を招いている。更に記録密度が10
Gb/in2を超えると、このような小さい磁化単位で
は、熱的に不安定になり、磁気記録が困難となることが
問題となる。
【0003】これに対し、垂直記録方式は、磁化容易軸
を垂直方向とするため、ビットサイズを極めて小さくす
ることができ、また、所望の媒体膜厚(面内記録方式の
5〜10倍)を有することにより反磁界の低減や形状磁
気異方性による効果も望むことができるため、従来の面
内方向記録磁気方式の高密度化において生じる、記録エ
ネルギーの減少や熱的不安定という問題を解決でき、面
内方向の記録方式よりも格段の記録密度向上を実現でき
る。この様なことから、垂直記録方式では20Gb/i
2以上の記録密度を達成する事が十分可能であり、1
00Gb/in2の検討が既に行われている。
【0004】この垂直磁気記録方式では、媒体面に対し
て垂直方向に磁化を行うため、従来の面内方向に磁化容
易軸を有する媒体とは異なり、垂直方向に磁化容易軸を
有する媒体が用いられる。現在垂直磁化膜として有望視
されているのは、バリウムフェライト膜であり、他にも
Co−γFe23やCo系合金,Fe系合金,Ni系合
金等の各種合金膜が挙げられる。
【0005】このように、従来の面内方向磁化とは異な
る新しい技術に用いる媒体基板には、以下のような特性
が要求される。
【0006】バリウムフェライト等をはじめとする酸
化物系の媒体は、磁性体結晶粒子の微細化と垂直方向へ
の生成のために、成膜温度を高温化する必要があり、更
に最近の研究では、磁気特性向上のために高温(500
〜900℃程度)でアニーリングを行う場合もある。し
たがって、基板材はこのような高温にも耐え得るもので
あり、基板の変形や表面粗度の変化等を発生してはいけ
ない。
【0007】垂直磁気記録媒体は記録密度向上に伴
い、ヘッド浮上高さが0.025μm以下と低浮上化の
傾向にあり、更にはニアコンタクトレコーディングある
いはコンタクトレコーディング化の方向にある。一方、
媒体表面をデータ領域として有効に活用するため、従来
のランディング領域を設ける方式から、ランディング領
域のないランプローディング方式が注目されている。こ
のため、ディスク表面のデ−タ領域または基板表面の全
面が、この浮上高さの低減やコンタクトレコーディング
を可能にする、超平滑面でなければならない。
【0008】垂直磁気記録媒体基板は、成膜する媒体
結晶に影響を及ぼす、結晶異方性・異物・不純物等がな
く、組織も緻密で均質、微細でなければならない。
【0009】垂直磁気記録媒体の記録密度向上に伴
い、磁性膜の高精度化・微細化が必要となるが、材料中
にNa2O、K2O、OH成分を含有すると、これらのイ
オンが成膜工程中に拡散し、磁性媒体膜粒子の粗大化や
配向性の悪化を引き起こすため、これらの成分を実質的
に含有してはならない。また、環境上好ましくないPb
O成分も実質的に含有してはならない。
【0010】種々の薬品による洗浄やエッチングに耐
え得る、化学的耐久性を有していなければならない。
【0011】垂直磁気記録媒体の記録密度向上に伴
い、ビットおよびトラック密度が増加するが、このビッ
トセルのサイズの縮小化においては、基板材の熱膨張係
数が大きく影響する。したがって、−50℃〜+600
℃の温度範囲における熱膨張係数が−10×10-7〜8
0×10-7/℃でなければならない。
【0012】ところで、従来磁気ディスク基板材には、
アルミニウム合金が使用されているが、アルミニウム合
金製基板では、研磨工程において基板表面に突起または
スポット状の凹凸を生じ易く、平坦性・平滑性の点で十
分なものが得られ難い。またアルミニウム合金は軟かい
材料で変形が生じやすいため、薄形化に対応することが
難しい。更に高速回転時の撓みによりヘッドクラッシュ
を生じ、メディアを損傷させてしまう等の問題点を有し
ており、今後の高密度記録化に十分対応できる材料では
ない。しかも、垂直磁気記録方式で最も重要となる、成
膜時の耐熱温度が300℃以下であるため、500℃以
上で成膜を行ったり、500〜900℃程度という高温
でのアニーリングを行うと、基板が熱変形してしまうた
め、この様な高温処理を必要とする垂直磁気記録媒体用
基板としての適用は困難である。
【0013】また、アルミニウム合金基板の問題点を解
消する材料として、化学強化したソーダライムガラス
(SiO2−CaO−Na2O)やアルミノシリケートガ
ラス(SiO2−Al23−Na2O)が知られている
が、この場合、
【0014】研磨は化学強化後に行なわれるため、デ
ィスクの薄板化における強化層の不安定要素が高く、且
つ基板自体の耐熱性が低い、すなわち、所定のサンプル
に垂直磁気記録媒体を500℃以上で高温成膜後、所定
の方法により測定した平坦度が5μm以上と高値を示す
ため、媒体成膜後の変形が問題となったり、強化層と未
強化層の変質が大きな問題となる。
【0015】ガラス中にNa2O・K2O成分を必須成
分として含有するため、成膜時にNa,Kが基板から記
録媒体中に溶出するという問題を有する。あるいはNa
2O・K2O溶出防止のための全面バリアコート処理が必
要となり、製品の低コスト安定生産性が難しいという欠
点を有している。
【0016】更に、アルミニウム合金基板や化学強化ガ
ラス基板に対して、いくつかの結晶化ガラスが知られて
いる。例えば、特開平6−329440号公報記載のS
iO 2−Li2O−MgO−P25系結晶化ガラスは、主
結晶相として二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)お
よびα−クオーツ(α−SiO2)を有し、α−クオー
ツ(α−SiO2)の球状粒子サイズをコントロールす
る事で、従来のメカニカルテクスチャー、ケミカルテク
スチャーを不用とし、研磨後の表面粗度(Ra)を15
〜50Åの範囲で制御を可能とした、基板表面全面テク
スチャー材として非常に優れた材料であるが、目標とす
る表面粗度(Ra)が1Å〜5Åと、急速に進む記録容
量向上に伴うヘッドの低浮上化に十分対応することがで
きない。
【0017】また強化ガラスと同様に、耐熱性が低い
(すなわち所定温度環境(500℃以上で5分間以上)を
経た後に、所定の方法により測定した平坦度が5μmよ
り大きい)ため、媒体成膜後やアニーリング後の基板の
変形の問題や、他にも表面粗度の変化が問題となる。
【0018】特開平7−169048号公報には、Si
2−Li2O系ガラスに感光性金属のAu、Agを含有
する感光性結晶化ガラス、特開平9−35234号公報
には、SiO2−Al23−Li2O系ガラスにおいて主
結晶相が二珪酸リチウム(Li2O・2SiO2)とβ−
スポジューメン(Li2O・Al23・4SiO2)から
なる磁気ディスク用基板がそれぞれ開示されているが、
いずれのガラスセラミックス基板材も、前記結晶化ガラ
スと同様に、耐熱性が低い(すなわち所定温度環境(5
00℃以上で5分間以上)を経た後に、所定の方法によ
り測定した平坦度が5μmより大きい)ため、媒体成膜
後やアニーリング後の基板の変形の問題や、他にも表面
粗度の変化が問題となる。
【0019】USP−5336643号公報にはSiO
2-Al23-Li2O系低膨張透明結晶化ガラスが、US
P−5,028,567号公報にはSiO2-Al23-
ZnO系の結晶化ガラスがそれぞれ開示されているが、
いずれのガラスセラミックス材料も、垂直磁気記録媒体
用基板材として上記のような耐熱性(すなわち所定温度
環境(500℃以上で5分間以上)を経た後に、所定の方
法により測定した平坦度の大きさ)に関する検討や示唆
は全くなされていない。特に重要な、高温成膜後やアニ
ーリング後における基板表面の超平滑性の維持について
は、なんら議論がなされていない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、今後の垂直磁
気記録方式による高記録密度化に対応し得る、高い耐熱
特性と超平滑表面を兼ね備えた情報磁気記録媒体用ガラ
スセラミックス基板を提供することにある。
【0021】
【課題を解消するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意試験研究を重ねた結果、特定の主結
晶相を有するガラスセラミックスにおいて、所定の方法
により測定された平坦度が1μm以下で、−50℃〜+
600℃の温度範囲における熱膨張係数が−10×10
-7〜+80×10-7/℃の範囲に限定され、且つ結晶粒
子径が0.001μm〜0.10μmと微細な結晶粒子で
あり、研磨後の表面が超平滑性を有し、高温成膜で問題
となるNa2O、K2O成分イオンの拡散の心配がなく、
高温成膜時に表面粗度の変化も20%以下となることを
兼ね備えた、従来の基板よりも一段と有利な、垂直磁気
記録媒体用ガラスセラミックが得られることを見い出
し、本発明に至った。
【0022】すなわち、請求項1に記載の発明は、ガラ
スセラミックスの主結晶相は、β−石英(β−Si
2),β−石英固溶体(β−SiO2固溶体),β−ス
ポジューメン(β−Li2O・Al23・4SiO2),
β−スポジューメン固溶体(β−Li2O・Al23
4SiO2固溶体),β−ユークリプタイト(β−Li2
O・Al23・2SiO2、但し、Li2Oの一部はMg
Oおよび/またはZnOとの置換可能),β−ユークリ
プタイト固溶体(β−Li2O・Al23・2SiO2
溶体、但し、Li2Oの一部はMgOおよび/またはZ
nOとの置換可能)の中から選ばれる、1種または2種
以上であり、その組成にMgO、BaO、ZnOを必須
成分として含有し、これら3成分の合計量が重量%で
1.2%〜3%未満であることを特徴とする、磁気記録
媒体用ガラスセラミックス基板であり、
【0023】請求項2に記載の発明は、−50℃〜+6
00℃の温度範囲において、熱膨張係数が−10×10
-7〜+80×10-7/℃の範囲であることを特徴とす
る、請求項1に記載の磁気記録媒体用ガラスセラミック
ス基板であり、
【0024】請求項3に記載の発明は、前記ガラスセラ
ミック基板において、研磨後の表面粗度Ra(算術平均
粗さ)が1〜5Å、Rmax(最大粗さ)が100Å以
下であることを特徴とする、請求項1または2のいずれ
かに記載の磁気記録媒体用ガラスセラミックス基板であ
り、
【0025】請求項4に記載の発明は、前記ガラスセラ
ミック基板において、析出結晶相の結晶粒子径が0.0
01μm〜0.10μmの範囲であることを特徴とす
る、請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガ
ラスセラミックスであり、
【0026】請求項5に記載の発明は、前記ガラスセラ
ミック基板において、PbO,Na 2O,K2O成分を含
有しないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに
記載の磁気記録媒体用ガラスセラミックス基板であり、
【0027】請求項6記載の発明は、前記ガラスセラミ
ック基板のガラスセラミックは重量百分率で、 SiO2 50〜62% P25 5〜10% Al23 22〜26% Li2O 3〜 5% MgO 0.5〜2% ZnO 0.2〜1.8% 但し、Li2O+MgO+ZnO 4〜6.5% CaO 0.3〜4% BaO 0.5〜2% 但し、CaO+BaO 0.8〜5% MgO+BaO+ZnO 1.2〜3%未満 TiO2 1〜4% ZrO2 1〜4% As23+Sb23 0〜4% の範囲の各成分を含有しながらも、PbO,Na2O,
2Oを実質的に含まない原ガラスを熱処理することに
より得られ、該ガラスセラミックの主結晶相は、β−石
英(β−SiO2),β−石英固溶体(β−SiO2固溶
体),β−スポジューメン(β−Li2O・Al23
4SiO2),β−スポジューメン固溶体(β−Li2
・Al23・4SiO2固溶体),β−ユークリプタイ
ト(β−Li2O・Al23・2SiO2、但し、Li2
Oの一部はMgOおよび/またはZnOとの置換可
能),β−ユークリプタイト固溶体(β−Li2O・A
23・2SiO2固溶体、但し、Li2Oの一部はMg
Oおよび/またはZnOとの置換可能)の中から選ばれ
る1種または2種以上であることを特徴とする、請求項
1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラスセラミ
ックス基板であり、
【0028】請求項7に記載の発明は、前記ガラスセラ
ミックスは、ガラス原料を溶融、成型および徐冷後、結
晶化熱処理条件として、核形成温度が650〜750
℃,結晶化温度が750℃〜950℃で熱処理する事に
より得られ、−50℃〜+600℃の温度範囲における
熱膨張係数が−10×10-7〜+20×10-7/℃の範
囲であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに
記載の磁気記録媒体用ガラスセラミックス基板であり、
【0029】請求項8に記載の発明は、請求項1ないし
7のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラスセラミック
ス基板を用い、基板温度を500〜900℃に加熱した
状態で磁化膜を成膜し、必要に応じてアニーリング処理
を行った後の、情報記録媒体の平坦度が1μm以下であ
ることを特徴とする、ディスク状磁気記録媒体である。
【0030】本発明のガラスセラミックの物理特性,主
結晶相および粒径,表面特性,組成範囲等について、上
記の様に限定した理由を以下に述べる。
【0031】まず、耐熱性についてであるが、前述のよ
うに垂直磁化用媒体として有望視されているバリウムフ
ェライト等の酸化物系磁性媒体を、基板上に成膜する
際、基板温度は約500℃以上となる場合が多く、更に
磁気特性向上のためにアニーリング処理(500〜90
0℃程度)を行う場合もあるため、基板はこの様な温度
においても、変形や結晶系および結晶粒径等の構造変化
を生じてはならない。すなわち、基板温度を500℃ま
で加熱、5分間保持し、冷却した後の、触針式形状測定
機によって測定される、基板の平坦度は5μm以下でな
ければならない。好ましくは3μm、より好ましくは1
μmである。また温度についても、より高い温度,長い
保持時間に加熱した後でもその平坦度が低いことが望ま
しく、好ましくは500℃,10分間、より好ましくは
600℃,10分間、更に好ましくは700℃もしくは
800℃,10分間でも、上記平坦度が維持できること
が望ましい。
【0032】次に熱膨張係数についてであるが、前述の
ように酸化物系磁性媒体の成膜温度は高く、変形や構造
変化の課題に加えて、熱膨張係数の問題もクリアしなけ
ればならない。つまり、熱膨張係数が大きいと、成膜中
と成膜後の媒体の歪みや伸縮によって、磁気特性の変化
や媒体の剥離等を生じてしまう。また、垂直磁気記録媒
体が使用される条件も多種多様であり、低温から高温ま
で、熱膨張係数を一定範囲としなければならなず、これ
により−50〜+600℃の温度範囲における熱膨張係
数を、−10×10-7〜+80×10-7/℃としなけれ
ばならない。好ましくは、−5×10-7〜+70×10
-7/℃、より好ましくは−3×10-7〜+60×10-7
/℃である。
【0033】次に表面粗度についてであるが、前述のよ
うに磁気記録密度の向上に伴い、ヘッドの浮上高さを低
減しなければならず、最近では0.025μm以下とな
っており、今後は100Å以下からニアコンタクトレコ
ーディング、コンタクトレコーディングへと更に低減さ
れていく。特に高密度化に好適なランプローディング方
式においては、低浮上化の傾向が著しい。以上の様な理
由により、ヘッドの低浮上化を実現するためには、基板
表面の平滑度が従来に比べて格段に良好でなければなら
ず、よって、研磨後の表面粗度(Ra)は1〜5Åの範
囲でなければならない。これよりも表面粗度が大きい
と、前記高密度記録において所望のヘッド浮上量低減を
実現できず、これよりも小さいと、ヘッドと媒体の吸着
力が大きくなり、媒体破損を引き起こす。
【0034】次に析出結晶相の粒径についてであるが、
前述の研磨後の表面粗度の低減を実現するためには、こ
れら析出結晶の粒径を0.001〜0.10μmの範囲
としなければならない。析出結晶の粒径が0.10μm
を超えたり、0.001μm未満であると、所望の表面
粗度を得ることができない。好ましくは0.001〜
0.07μm、より好ましくは0.001〜0.05μ
mである。
【0035】次いで析出した主結晶相についてである
が、これは熱膨張係数を左右する重要な要因であり、正
の熱膨張係数を有するガラスに対し、負の熱膨張係数を
有する結晶相を析出させ、全体としての熱膨張係数を所
望の範囲としなければならない。この目的を実現するた
めの主結晶相は、β−石英(β−SiO2),β−石英
固溶体(β−SiO2固溶体),β−スポジューメン
(β−Li2O・Al23・4SiO2),β−スポジュ
ーメン固溶体(β−Li2O・Al23・4SiO2固溶
体),β−ユークリプタイト(β−Li2O・Al23
・2SiO2、但し、Li2Oの一部はMgOおよび/ま
たはZnOとの置換可能),β−ユークリプタイト固溶
体(β−Li2O・Al23・2SiO2固溶体、但し、
Li2Oの一部はMgOおよび/またはZnOとの置換
可能)の中から選ばれる、1種または2種以上である。
【0036】尚、β−石英(β−SiO2),β−石英
固溶体(β−SiO2固溶体),β−スポジューメン
(β−Li2O・Al23・4SiO2),β−スポジュ
ーメン固溶体(β−Li2O・Al23・4SiO2固溶
体),β−ユークリプタイト(β−Li2O・Al23
・2SiO2、但し、Li2Oの一部はMgOおよび/ま
たはZnOとの置換可能),β−ユークリプタイト固溶
体(β−Li2O・Al2 3・2SiO2固溶体、但し、
Li2Oの一部はMgOおよび/またはZnOとの置換
可能)の中から選ばれる、1種または2種以上の主結晶
相については、特定組成範囲内におけるLi2OとAl2
3とSiO2の含有割合により、β−石英とβ−スポジ
ューメンとβ−ユークリプタイトの中から選ばれる1種
または2種以上の結晶相の析出とその割合が、また他の
成分の含有量により、これらの中から選ばれる1種また
は2種以上の各結晶相とこれらの中から選ばれる1種ま
たは2種以上の各結晶相の固溶体相の析出とその割合が
決定される。
【0037】次いでNa2O,K2O,PbOを実質的に
含有しないことについてであるが、まずNa2O,K2
については、前述のように、媒体結晶の異常粒子成長や
配向性の悪化をもたらすため、実質的にこれらを含有し
てはならない。また、PbOについては環境上好ましく
ない成分であるため、極力用いるべきではない。
【0038】次に各組成成分について述べる。まず、本
発明の一側面である、β−石英(β−SiO2),β−
石英固溶体(β−SiO2固溶体),β−スポジューメ
ン(β−Li2O・Al23・4SiO2),β−スポジ
ューメン固溶体(β−Li2O・Al23・4SiO2
溶体),β−ユークリプタイト(β−Li2O・Al2
3・2SiO2、但し、Li2Oの一部はMgOおよび/
またはZnOとの置換可能),β−ユークリプタイト固
溶体(β−Li2O・Al23・2SiO2固溶体、但
し、Li2Oの一部はMgOおよび/またはZnOとの
置換可能)の中から選ばれる、1種または2種以上を、
主結晶相とするガラスセラミックス基板についてである
が、SiO2成分は、原ガラスの熱処理により、主結晶
相として析出する上記結晶を生成するきわめて重要な成
分であるが、その量が50%未満では、得られたガラス
セラミックスの析出結晶が不安定で組織が粗大化しやす
く、結果的に機械的強度が低下し、研磨して得られる表
面粗度も大きくなる。また、62%を超えると原ガラス
の溶融・成形性が困難になり均質性が低下する。好まし
くは53〜57%、より好ましくは54〜56%の範囲
である。
【0039】P25成分は、SiO2成分と共存させる
ことにより、原ガラスの溶融・清澄性を向上させる効果
を有するが、その量が5%未満では上記効果が得られ
ず、また10%を超えると、原ガラスの耐失透性が低下
し、これが原因となって結晶化段階でガラスセラミック
スの組織が粗大化して、機械的強度を低下させてしま
う。好ましくは6〜10%、より好ましくは7〜9%の
範囲である。
【0040】更に上記効果を著しく向上させるには、好
ましくはSiO2+P25=61〜65%、P25/S
iO2=0.12〜0.16、より好ましくはSiO2
25=62〜64%、P25/SiO2=0.13〜
0.15の範囲である。
【0041】Al23成分は、その量が22%未満では
原ガラスの溶融が困難となるため得られるガラスセラミ
ックスの均質性が低下し、更にガラスセラミックスの化
学的耐久性も悪化する。また、26%を超えるとやはり
原ガラスの溶融性が悪化して均質性が低下すると共に、
原ガラスの耐失透性が低下し、これが原因となって結晶
化段階でガラスセラミックスの組織が粗大化して、機械
的強度を低下させてしまう。好ましくは23〜26%、
より好ましくは23〜25%の範囲である。
【0042】Li2O、MgO、ZnOの3成分は、β
−石英固溶体,β−スポジューメン,β−スポジューメ
ン固溶体,β−ユークリプタイト,β−ユークリプタイ
ト固溶体の構成要素である重要な成分であるが、これら
の3成分は、上記の限定されたSiO2成分およびP2
5成分との共存により、ガラスセラミックスの低膨張特
性向上や高温時のたわみ量を低減させ、更に原ガラスの
溶融性、清澄性を著しく向上させる重要な成分である。
【0043】Li2O成分は、その量が3%未満では上
記効果が得られず、また溶融性の低下に伴う均質性の低
下も招き、更に目的とする結晶相が析出し難くなる。ま
た5%を超えると上記低膨張特性が得られず、原ガラス
の耐失透性が低下し、これが原因となって結晶化段階で
ガラスセラミックスの組織が粗大化して、機械的強度を
低下させてしまう。好ましくは3.5〜5%、より好ま
しくは3.5〜4.5%の範囲である。
【0044】MgO成分は、その量が0.5%未満では
上記効果が得られず、また2%を超えると上記低膨張特
性が得られない。好ましくは0.5〜1.8%、より好
ましくは0.6〜1.5%の範囲である。
【0045】ZnO成分は、その量が0.2%未満で
は、上記効果が得られず、また2%を超えると上記低膨
張特性が得られず、原ガラスの耐失透性が低下し、これ
が原因となって結晶化段階でガラスセラミックスの組織
が粗大化して、機械的強度を低下させてしまう。好まし
くは0.2〜1.8%、より好ましくは0.2〜1.5
%の範囲である。
【0046】更に上記効果を著しく向上させるには、L
2O+MgO+ZnOの3成分の合計量が4.0〜
6.5%の範囲にすべきであり、好ましくは4.3〜
6.5%、より好ましくは4.5〜6.5%の範囲であ
る。
【0047】CaO、BaOの2成分は、基本的にガラ
ス中に析出した結晶以外のガラスマトリックスとして残
存するものであり、上記の低膨張性および溶融性改善の
効果に対して、結晶相とガラスマトリックス相の微調整
成分として重要であるが、CaO成分は、その量が0.
3%未満ではこの効果が得られず、4%を超えると目標
とする結晶相が得られず、更に原ガラスの耐失透性が低
下し、これが原因となって結晶化段階でガラスセラミッ
クスの組織が粗大化して、機械的強度を低下させてしま
う。好ましくは0.5〜3%、より好ましくは0.5〜
2%の範囲である。
【0048】BaO成分は、その量が0.5%未満で
は、上記効果が得られず、4%を超えると原ガラスの耐
失透性が低下し、これが原因となって結晶化段階でガラ
スセラミックスの組織が粗大化して、機械的強度を低下
させてしまう。好ましくは0.5〜3%、より好ましく
は0.5〜2%の範囲である。
【0049】更に上記効果を著しく向上させるには、C
aO+BaOの2成分の合計量が0.8%〜5%の範囲
にすべきであり、好ましくは1〜4%、より好ましくは
1〜3%の範囲である。
【0050】TiO2およびZrO2成分は、いずれも結
晶核形成剤として不可欠であるが、これらの量がそれぞ
れ1%未満では、所望の結晶を析出することができず。
またそれぞれ4%を超えると原ガラスの溶融性が悪化し
て均質性が低下し、最悪の場合は不溶物が発生してしま
う。好ましくはTiO2が1.5〜4%,ZrO2が1.
5〜3.5%、より好ましくはTiO2が1.5〜3.
5%,ZrO2が1〜3%の範囲である。
【0051】As23、Sb23成分は、均質な製品を
得るためガラス溶融の際の清澄剤として添加し得るが、
その量は4%以下で十分である。好ましくはAs23
Sb 23が0〜2%、より好ましくはAs23が0〜2
%である。
【0052】尚、上記成分の他に特性の微調整等を目的
として、本発明のガラスセラミックス基板の特性を損な
わない範囲で、SrO,B23,F2,La23,Bi2
3,WO3,Y23,Gd23,SnO2成分を1種ま
たは2種以上の合計量で2%以下、他にもCoO,Ni
O,MnO2,Fe23,Cr23等の着色成分を1種
または2種以上の合計量で2%以下まで、それぞれ添加
し得る。
【0053】上記の本発明の結晶化ガラスからなるガラ
スセラミックス基板は、上記各成分の合計量を90%以
上とすべきであり、好ましくは95%以上、より好まし
くは98%以上とすると更に良好なガラスセラミックス
基板が得られる。
【0054】次に、本発明による結晶化ガラスからなる
情報磁気記録媒体用ガラスセラミック基板を製造するに
は、上記の組成を有するガラスを溶解し、熱間成形およ
び/または冷間加工を行った後650℃〜750℃の範
囲の温度で1〜12時間熱処理して結晶核を形成し、続
いて750℃〜950℃の範囲の温度で約1〜12時間
熱処理して結晶化を行う。
【0055】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施例につい
て説明する。表1〜表3は本発明の情報磁気記録媒体用
ガラスセラミック基板の実施組成例(No.1〜No.15)
およびこれらガラスセラミックス基板のガラスセラミッ
クスの核形成温度,結晶化温度,結晶相,結晶粒子径,
研磨後の表面粗度(Ra)と最大表面粗さ(Rma
x),基板加熱テスト後の基板の平坦度,基板を500
℃以上の高温状態として成膜後(実施例1については成
膜後に800℃:15分のアニーリング処理を実施)の
ディスク状情報磁気記憶媒体の平坦度,基板の熱膨張係
数(−60℃〜+600℃)を示したものであり、表4
は、従来のAl23-SiO2系化学強化ガラス(比較例
1)および従来のLi2O−SiO2系ガラスセラミック
ス(比較例2)の組成および前記各特性を示したもので
ある。尚、本発明は以下の実施例にのみ限定されるもの
ではない。尚、平坦度の測定は、未処理ディスク基板
(直径65mm、板厚0.635mm)を用い、加熱テ
スト後もしくは成膜後の表面を触針式形状測定機にて計
測評価した。尚、表の中の析出結晶については、β−石
英はβ-Q,β−石英固溶体はβ-Q-SS,β−スポジュー
メンはβ-Sp,β−スポジューメン固溶体は=β-Sp-S
S,β−ユークリプタイトはβ-Eu,β−ユークリプタイ
ト固溶体はβ-Eu-SSと表している。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】本発明の上記実施例のガラスは、いずれも
酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の原料を混合し、これを通常
の溶解装置を用いて約1400〜1500℃の温度で溶
解し攪拌均質化した後、ディスク状に成形して、冷却し
ガラス成形体を得た。その後これを650〜750℃で
約1〜12時間熱処理して結晶核形成後、750〜95
0℃で約1〜12時間熱処理結晶化して、所望のガラス
セラミックを得た。次いで上記ガラスセラミックを平均
粒径5〜30μmの砥粒にて約10分〜60分ラッピン
グし、その後平均粒径0.5μm〜2μmの酸化セリュー
ムにて約30分〜60分間研磨し仕上げた。
【0061】表1〜3に示されるとおり、本発明のガラ
スセラミックスは、析出結晶の粒子径が0.001〜
0.10μmの範囲にあるのと同時に、研磨後の表面粗
度Raが1〜5Åの範囲、Rmaxが50Å以下と平滑
性に非常に優れている。
【0062】ガラスセラミックの結晶相については、β
−石英(β−SiO2),β−石英固溶体(β−SiO2
固溶体),β−スポジューメン(β−Li2O・Al2
3・4SiO2),β−スポジューメン固溶体(β−Li
2O・Al23・4SiO2固溶体),β−ユークリプタ
イト(β−Li2O・Al23・2SiO2、但し、Li
2Oの一部はMgOおよび/またはZnOとの置換可
能),β−ユークリプタイト固溶体(β−Li2O・A
23・2SiO2固溶体、但し、Li2Oの一部はMg
Oおよび/またはZnOとの置換可能)の中から選ばれ
る1種または2種以上の結晶相であった。
【0063】更に基板加熱テスト後における基板の平坦
度は、いずれも0.1μm以下と所望の平坦度(すなわ
ち、5μm以下、好ましくは3μm以下、更に好ましく
は1μm以下。)をクリアしており、また基板加熱温度
を500℃以上としても、その平坦度は上述のように所
望の平坦度(すなわち、5μm以下、好ましくは3μm
以下、更に好ましくは1μm以下。)をクリアしてい
る。実施例によっては、600℃:10分や700℃:
10分や800℃:10分においてもその平坦度は前記
の所望の範囲をクリアしている。
【0064】磁性膜の成膜については、以下の工程によ
って、垂直磁気記録媒体を成膜した。まず、真空蒸着装
置を用いて、下地層としてPtを1.2×10-6Tor
rの真空度において基板を回転(24rpm)させなが
ら膜厚30nmとなるまで蒸着する。次いでRFマグネ
トロンスパッタ装置により、磁性層としてBaFe12
19を膜厚250nm成膜した。尚、磁性層の成膜条件
は、ターゲット:焼結法によるBaFe1219、全ガス
圧:2×10-4Torr、ガス分圧:Xe:Ar:O2
=50:49:1、基板温度:600,700,800
℃(比較例は500,550℃)、成膜時の基板回転
数:24rpm、RF電力密度:10.2W/cm2
アニーリング(実施例1,24,25のみ):800℃
−10分である。
【0065】前述のように、本願のガラスセラミックス
基板は良好な耐熱性を有していることから、酸化物系
(主にバリウムフェライト)の垂直磁化膜を基板上に成
膜する場合において、基板を500℃以上の高温状態と
しても、成膜後の垂直磁気記録媒体の平坦度は所望の範
囲(すなわち、5μm以下、好ましくは3μm以下、更
に好ましくは1μm以下。)をクリアしている。
【0066】尚、この実施例にあるような成膜装置以外
でも、垂直磁化膜を作成できる装置例えば真空蒸着装
置,イオンプレーティング装置,イオンビームスパッタ
装置,MBE装置,PVD法による装置,CVD法によ
る装置,プラズマを用いた成膜装置であっても構わな
い。
【0067】一方、表4に示したように従来の化学強化
ガラスは、研磨後の最大表面粗さ(Rmax)が大き
く、且つ、高温成膜下におけるディスク基板の熱変形た
わみ量がいずれの材料も8μmと大きく、スパッタ時に
おいては変形を生じ、更にガラス中に含まれるNa
2O、K2O成分が、垂直磁化膜を成膜した際に磁性膜中
にこれらイオンが拡散し、良好な成膜を作ることが困難
であった。また従来のガラスセラミックスについては、
研磨後の表面粗度(Ra)および最大表面粗さ(Rma
x)が大きく、且つスパッタ後においては、化学強化ガ
ラスと同様に磁性膜との反応相が認められるものであっ
た。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、上
記従来技術に見られる諸欠点を解消しつつ、高温成膜や
高温アニーリングにもに耐え得る高耐熱性と基板の超平
滑性を兼ね備えた、今後の高記録密度化を実現する垂直
磁化膜や他の高温成膜が必要な媒体に好適な特性を有す
る情報磁気記録媒体用ガラスセラミック基板を得ること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA11 BB01 DA06 DB04 DC01 DC02 DC03 DD03 DE02 DE03 DF01 EA03 EB01 EC01 ED02 ED03 EE02 EE03 EF01 EF02 EF03 EG02 EG03 FA01 FB03 FC03 FD01 FE01 FE02 FE03 FF01 FG01 FH01 FJ01 FJ02 FJ03 FK01 FK02 FK03 FL01 GA01 GA02 GA03 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 GE02 GE03 HH01 HH03 HH05 HH07 HH08 HH09 HH10 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK04 KK05 KK07 KK10 MM27 NN29 NN31 NN33 QQ02 QQ10 QQ11 5D006 CB04 CB07 DA03 EA03 FA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスセラミックスの主結晶相は、β−
    石英(β−SiO2),β−石英固溶体(β−SiO2
    溶体),β−スポジューメン(β−Li2O・Al23
    ・4SiO2),β−スポジューメン固溶体(β−Li2
    O・Al23・4SiO2固溶体),β−ユークリプタ
    イト(β−Li2O・Al23・2SiO2、但し、Li
    2Oの一部はMgOおよび/またはZnOとの置換可
    能),β−ユークリプタイト固溶体(β−Li2O・A
    23・2SiO2固溶体、但し、Li2Oの一部はMg
    Oおよび/またはZnOとの置換可能)の中から選ばれ
    る、1種または2種以上であり、その組成にMgO、B
    aO、ZnOを必須成分として含有し、これら3成分の
    合計量が重量%で1.2%〜3%未満であることを特徴
    とする、磁気記録媒体用ガラスセラミックス基板。
  2. 【請求項2】 −50℃〜+600℃の温度範囲におい
    て、熱膨張係数が−10×10-7〜+80×10-7/℃
    の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の磁気
    記録媒体用ガラスセラミックス基板。
  3. 【請求項3】 前記ガラスセラミック基板において、研
    磨後の表面粗度Ra(算術平均粗さ)が1〜5Å、Rm
    ax(最大粗さ)が100Å以下であることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の磁気記録媒体用ガラスセ
    ラミックス基板。
  4. 【請求項4】 前記ガラスセラミック基板において、析
    出結晶相の結晶粒子径が0.001μm〜0.10μm
    の範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれ
    かに記載の磁気記録媒体用ガラスセラミックス。
  5. 【請求項5】 前記ガラスセラミック基板において、P
    bO,Na2O,K2O成分を含有しないことを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガ
    ラスセラミックス基板。
  6. 【請求項6】 前記ガラスセラミック基板のガラスセラ
    ミックは重量百分率で、 SiO2 50〜62% P25 5〜10% Al23 22〜26% Li2O 3〜 5% MgO 0.5〜2% ZnO 0.2〜1.8% 但し、Li2O+MgO+ZnO 4〜6.5% CaO 0.3〜4% BaO 0.5〜2% 但し、CaO+BaO 0.8〜5% MgO+BaO+ZnO 1.2〜3%未満 TiO2 1〜4% ZrO2 1〜4% As23+Sb23 0〜4% の範囲の各成分を含有しながらも、PbO,Na2O,
    2Oを実質的に含まない原ガラスを熱処理することに
    より得られ、該ガラスセラミックの主結晶相は、β−石
    英(β−SiO2),β−石英固溶体(β−SiO2固溶
    体),β−スポジューメン(β−Li2O・Al23
    4SiO2),β−スポジューメン固溶体(β−Li2
    ・Al23・4SiO2固溶体),β−ユークリプタイ
    ト(β−Li2O・Al23・2SiO2、但し、Li2
    Oの一部はMgOおよび/またはZnOとの置換可
    能),β−ユークリプタイト固溶体(β−Li2O・A
    23・2SiO2固溶体、但し、Li2Oの一部はMg
    Oおよび/またはZnOとの置換可能)の中から選ばれ
    る1種または2種以上であることを特徴とする、請求項
    1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラスセラミ
    ックス基板。
  7. 【請求項7】 前記ガラスセラミックスは、ガラス原料
    を溶融、成型および徐冷後、結晶化熱処理条件として、
    核形成温度が650〜750℃,結晶化温度が750℃
    〜950℃で熱処理する事により得られ、−50℃〜+
    600℃の温度範囲における熱膨張係数が−10×10
    -7〜+20×10-7/℃の範囲であることを特徴とす
    る、請求項1〜6のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガ
    ラスセラミックス基板。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の磁
    気記録媒体用ガラスセラミックス基板を用い、基板温度
    を500〜900℃に加熱した状態で磁化膜を成膜し、
    必要に応じてアニーリング処理を行った後の、垂直記録
    媒体の平坦度が1μm以下であることを特徴とする、デ
    ィスク状磁気記録媒体。
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