JP2002284346A - 石炭焚きボイラーフライアッシュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法 - Google Patents

石炭焚きボイラーフライアッシュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法

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JP2002284346A
JP2002284346A JP2001088742A JP2001088742A JP2002284346A JP 2002284346 A JP2002284346 A JP 2002284346A JP 2001088742 A JP2001088742 A JP 2001088742A JP 2001088742 A JP2001088742 A JP 2001088742A JP 2002284346 A JP2002284346 A JP 2002284346A
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slurry
concentration slurry
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concentration
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啓孝 ▲丈▼達
Hirotaka Jotatsu
Tetsuhiro Kinoshita
哲宏 木下
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フライアッシュ高濃度スラリーを輸送する設
備の定常運転中における石炭種の変動に伴うフライアッ
シュの性状変化がもたらすフライアッシュ高濃度スラリ
ーの粘度変化に起因する配管の閉塞を回避する制御方法
の提供。 【解決手段】 フライアッシュ供給装置2を用いて灰捨
サイロ1に貯蔵されたフライアッシュを攪拌槽4に供給
し、攪拌槽4にて攪拌機5を用いて石炭焚きボイラー設
備から発生するフライアッシュを水と混合し、フライア
ッシュ高濃度スラリーを製造し、さらにスラリーを灰捨
場9まで輸送し、埋立投棄する設備において、フライア
ッシュ高濃度スラリーの輸送配管8の水平部に差圧測定
装置7を設置し、この差圧測定装置7で測定した差圧値
を給水量制御装置10にフィードバックし、給水量を制
御することにより、フライアッシュ高濃度スラリー中の
水分濃度を自動調節し、差圧値を所定値に維持するよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭焚きボイラー
設備から発生するフライアッシュからフライアッシュ高
濃度スラリーを製造し、さらに灰捨場まで該スラリーを
輸送し、埋立投棄する設備の制御方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】灰捨場におけるフライアッシュの浮灰、
再飛散の防止、および固化密度の増大による灰捨場の延
命を目的として、石炭焚きボイラー設備から発生するフ
ライアッシュを水と混合することにより製造したフライ
アッシュ高濃度スラリーを灰捨場に輸送・埋立投棄する
フライアッシュの処理方法が提案されており(特開平1
0−192830号公報)、該処理方法は既に実用化さ
れている。
【0003】ところで、フライアッシュ高濃度スラリー
輸送設備の輸送配管にて生じる差圧は、フライアッシュ
高濃度スラリー中の水分濃度のみならず、フライアッシ
ュおよび水の各種性状(フライアッシュおよび水の化学
成分及びその組成、フライアッシュの真比重、フライア
ッシュの粒径分布)の影響を強く受ける。フライアッシ
ュ輸送設備では、石炭種の変動に伴うフライアッシュの
性状変化がもたらすフライアッシュ高濃度スラリーの粘
度変化によって輸送配管を閉塞させることが無いよう
に、すなわち該スラリーの輸送に必要とされるスラリー
ポンプ吐出圧が該スラリーポンプの能力を上回ることが
無いように、常に該スラリーポンプ吐出圧を監視しなが
らフライアッシュ高濃度スラリー中の水分濃度を手動調
節する作業が行われている。
【0004】しかして、フライアッシュ高濃度スラリー
輸送設備の運転における上記問題点を解決するために、
フライアッシュ高濃度スラリー中の水分濃度を自動調節
する方法が提案されている(特開平10−192830
号公報)。ここで採用されているフライアッシュ高濃度
スラリー中の水分濃度の自動調節方法は、 方法1)スラリーポンプの吐出口に設置された粘度計測
装置によって測定される粘度値を、フライアッシュ高濃
度スラリーの製造工程にフィードバックし、該粘度値を
所定値に維持するように該スラリー中の水分濃度を自動
調節する。 方法2)スラリーポンプの吐出口に設置された比重計測
装置によって測定されるフライアッシュ高濃度スラリー
の比重値を、該スラリーの製造工程にフィードバック
し、該比重値を所定値に維持するように該スラリー中の
水分濃度を自動調節する。 方法3)スラリーポンプの吐出口に設置されたフロー値
測定装置によって測定される即時フロー値を、フライア
ッシュ高濃度スラリーの製造工程にフィードバックし、
該フロー値を所定値に維持するように該スラリー中の水
分濃度を自動調節する。 方法4)スラリーポンプの吐出口に設置された圧力監視
装置によって測定される吐出圧値を、フライアッシュ高
濃度スラリーの製造工程にフィードバックし、該吐出圧
値を、所定値に維持するように該スラリー中の水分濃度
を自動調節する。というものである。
【0005】しかし、上記方法1では粘度計測装置が用
いられているが、フライアッシュ高濃度スラリーのよう
に高粘度かつ非ニュートン性を有する流体の粘度を正確
に測定することは困難である。また、上記方法2では比
重測定装置が用いられているが、フライアッシュ高濃度
スラリーにおいて比重と粘度の対応関係は一定ではな
く、該スラリーの比重値を所定値に維持しても、該スラ
リーの輸送で生じる差圧を所定値に維持できるとは限ら
ない。また、上記方法3ではフロー値測定装置が用いら
れているが、元来フロー値はモルタルコンクリートの流
動性の目安となる物性値であり、手動分析されるのが通
常である。したがって、該フロー値をオンライン分析す
るのは非常に困難である。また、仮に該測定値のオンラ
イン分析装置を開発した場合、該装置は非常に高価なも
のとなることが予想されるため、方法3は現実的な制御
方法とは言い難い。さらに、上記方法4では圧力監視装
置が用いられているが、フライアッシュ高濃度スラリー
の灰捨場への埋立投棄が進行すると共に輸送配管は延長
される。したがって、長期間に渡り安定して該スラリー
を輸送するためには、輸送配管が延長される度にスラリ
ーポンプ吐出圧の所定値を変更しなければならず、方法
4は理想的な制御方法と言い難い。このようにフライア
ッシュ高濃度スラリー中の水分濃度を自動調節する方法
が種々提案されているが、これらの方法を実施する手段
に付随する問題点のために実用化されていないのが現状
である。
【0006】そこで本発明は、上記従来技術の有する問
題点を解決し、簡潔かつ安価な手段を用いて、フライア
ッシュ高濃度スラリー中の水分濃度を自動調節すること
で、石炭種の変動に伴うフライアッシュの性状変化がも
たらすフライアッシュ高濃度スラリーの粘度変化による
配管閉塞を引き起こすこと無く、長期間に渡り安定して
フライアッシュ高濃度スラリー輸送設備を運転すること
のできる制御方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の石炭焚きボイラーフライアッシュ高濃度ス
ラリー輸送設備の制御方法は、石炭焚きボイラー設備か
ら発生するフライアッシュを水と混合することによって
製造したフライアッシュ高濃度スラリーを輸送する設備
において、フライアッシュ高濃度スラリーの輸送配管の
水平部に或る長さの輸送配管の圧力損失を測定する差圧
測定装置を設置し、この差圧測定装置を用いて測定した
差圧値を給水量制御装置にフィードバックし、給水量を
制御することにより、フライアッシュ高濃度スラリー中
の水分濃度を自動調節し、差圧値を所定値に維持するこ
とを特徴とするものである。
【0008】上記本発明の石炭焚きボイラーフライアッ
シュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法において、フラ
イアッシュ高濃度スラリーを製造する攪拌槽に液レベル
測定装置を設置し、この液レベル測定装置にて測定した
液レベル値をフライアッシュ供給装置の駆動機構にフィ
ードバックし、フライアッシュ供給量を制御することに
より、前記攪拌槽の液レベルを制御することが好まし
い。
【0009】また、上記本発明の石炭焚きボイラーフラ
イアッシュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法におい
て、フライアッシュ高濃度スラリーを製造する攪拌槽に
液レベル測定装置を設置し、この液レベル測定装置にて
測定した液レベル値をスラリーポンプの駆動機構にフィ
ードバックし、フライアッシュ高濃度スラリーの輸送量
を調節することにより、前記攪拌槽の液レベルを制御す
ることも好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の石炭焚きボイラーフライ
アッシュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法の実施形態
を図によって説明する。先ず、図1によって石炭焚きボ
イラーフライアッシュ高濃度スラリーの輸送設備を説明
すると、この輸送設備は灰捨サイロ1、フライアッシュ
供給装置2、フライアッシュ計量装置3、攪拌槽4、攪
拌機5、スラリーポンプ6、輸送配管8、給水量制御装
置10、給水ポンプ11にて構成されている。フライア
ッシュは、フライアッシュ供給装置2によって灰捨サイ
ロ1から攪拌槽4に供給された後、攪拌機5によって水
と混合され、フライアッシュ高濃度スラリーになる。さ
らに、このフライアッシュ高濃度スラリーは、スラリー
ポンプ6によって輸送配管8を経由して灰捨場9に輸送
され、埋立投棄される。
【0011】前記輸送配管8の水平部分には或る長さの
輸送配管の圧力を測定する差圧測定装置7を設置し、こ
の差圧測定装置7には差圧制御器13を連繋し、差圧制
御器13は給水量制御装置10に連繋している。従っ
て、差圧測定装置7により測定した差圧値と所定値との
偏差に応じて差圧制御器13により給水量制御装置10
の駆動機構を作動させて、攪拌槽4への給水量を調節す
ることができる。
【0012】前記攪拌槽4には液レベル測定装置12を
設置し、この液レベル測定装置12には液レベル制御器
14を連繋し、液レベル制御器14はフライアッシュ供
給装置2に連繋している。従って、液レベル測定装置1
2により測定した液レベル値と所定値との偏差に応じて
液レベル制御器14によりフライアッシュ供給装置2の
駆動機構を作動させて、攪拌槽4へのフライアッシュ供
給量を調節することができる。
【0013】次に上記構成の本発明の石炭焚きボイラー
フライアッシュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法の実
施形態について詳述する。攪拌槽4において体積収支を
考慮すると、該攪拌槽4の液レベルの動特性は次のよう
に表現できる。
【0014】
【数1】
【0015】攪拌槽4において、質量収支を考慮する
と、フライアッシュ高濃度スラリーの密度の動特性は次
のように表現できる。ただし、攪拌槽4内においては完
全混合を仮定した。
【0016】
【数2】
【0017】図2は、2種類の異なる石炭種のフライア
ッシュにおいて、その各スラリーの比重値と粘度値の関
係を調査するために実施した輸送試験のデータをプロッ
トした図である。そして、この図2には、各石炭種のフ
ライアッシュから製造した各スラリーに対して導出した
比重−粘度曲線も示してある。いま、単一の石炭種のフ
ライアッシュのみを取り上げると、フライアッシュ高濃
度スラリーの比重と粘度の関係は図2で判るようにほぼ
1対1に対応する。図2に示したフライアッシュ高濃度
スラリーの比重−粘度曲線から、フライアッシュの石炭
種毎に
【0018】
【数3】
【0019】と近似される。ただし、ηとγsはそれぞ
れフライアッシュ高濃度スラリーの粘度と比重である。
また、αとβはフライアッシュの石炭種に依存する未知
パラメータである。ここで、攪拌槽4内におけるフライ
アッシュ高濃度スラリーの比重γsから輸送配管8にて
生じる差圧δpへの伝達関数、さらに攪拌槽4内におけ
るフライアッシュ高濃度スラリーの比重γsからポンプ
吐出圧pへの伝達関数を導出し、それらを比較すること
でフライアッシュ高濃度スラリー輸送設備においてポン
プ吐出圧よりも差圧を用いた制御方法の方が有利である
ことを証明する。まず、それらの関係を導出するにあた
り、以下の仮定を設定した。 仮定1)攪拌槽4で製造されたフライアッシュ高濃度ス
ラリーが差圧測定装置7を通過するまでの時間は極めて
短く、それは無視できるものとする。 仮定2)輸送配管8内におけるフライアッシュ高濃度ス
ラリーの流れは逆混合のないピストン流とする。 上記の仮定1)に従うと、攪拌槽4内におけるフライア
ッシュ高濃度スラリーの比重γsと輸送配管8にて生じ
る(単位長さ当りの)差圧δpの関係は次のようにな
る。
【0020】
【数4】
【0021】ただし、式(2)において、dは配管内
径、バーνは配管断面平均流速である。本発明の制御方
法を採用すると、フライアッシュ高濃度スラリーの流量
は一定なので、配管断面平均流速バーνは定数である。
上記の仮定2)に従うと、攪拌槽4内におけるフライア
ッシュ高濃度スラリーの比重γsとポンプ吐出圧pの関
係は次のようになる。
【0022】
【数5】
【0023】ただし、式(3)中のTはフライアッシュ
高濃度スラリーがスラリーポンプ6から押し出されてか
ら灰捨場9に到着するのに要する時間であり、スラリー
ポンプ6の吐出口から灰捨場9までの距離をLとする
と、
【0024】
【数6】
【0025】と表現できる。さて、攪拌槽4内における
フライアッシュ高濃度スラリーの比重γsから輸送配管
8にて生じる(単位長さ当りの)差圧δpへの伝達関数
1は、式(2)の両辺をラプラス変換することによっ
て得られる。
【0026】
【数7】
【0027】次に、攪拌槽4内におけるフライアッシュ
高濃度スラリーの比重γsからポンプ吐出圧pへの伝達
関数G2は、式(3)の両辺をラプラス変換することに
よって得られる。
【0028】
【数8】
【0029】式(5)から判るように、攪拌槽4内にお
けるフライアッシュ高濃度スラリーの比重γsから輸送
配管8にて生じる差圧δpへの伝達関数は比例要素であ
るのに対して、攪拌槽4内におけるフライアッシュ高濃
度スラリーの比重γsからポンプ吐出圧pへの伝達関数
は時間遅れを含む積分要素である。従って、伝達関数の
比較結果から、ポンプ吐出圧ではなく差圧を用いてフラ
イアッシュ高濃度スラリーの水分濃度を自動調節する方
が、安定した制御系を容易に実現できることが判る。
【0030】さて、前記数式1、数式2を用いて攪拌槽
4をモデリングし、輸送配管5にて生じる差圧は、各石
炭種のフライアッシュから製造した各スラリーに対する
比重−粘度曲線と攪拌槽4から抜き出す各スラリーの流
量から計算した上で、図1に示す輸送設備のフライアッ
シュ高濃度スラリーの輸送試験を行った。ただし各石炭
種のフライアッシュの比重は表1に示す実測値を用い
た。
【0031】
【表1】 この表1は各石炭種のフライアッシュと水の比重を示す
ものである。
【0032】
【表2】 この表2は各石炭種のフライアッシュの化学成分と化学
組成を示すものである。
【0033】図3は、図1に示す輸送設備のフライアッ
シュ高濃度スラリー輸送時におけるフライアッシュの比
重値の経時変化を表すものである。この比重値は二回ス
テップ状に変化しているが、このステップ状変化によ
り、攪拌槽4に供給されるフライアッシュ性状が突然変
化した場合に、攪拌槽4の液レベルと輸送配管8にて生
じる差圧値が所定値に維持されることが確認できる。な
お、時間0〜200〔min〕では石炭種1のフライア
ッシュ、時間200〜400〔min〕では石炭種2の
フライアッシュ、時間400〜600〔min〕では石
炭種1のフライアッシュが攪拌槽4に供給されたもので
ある。
【0034】図4は、フライアッシュ高濃度スラリーの
輸送試験を行った結果得られた輸送配管8における差圧
値の経時変化を示すものである。この図4から、石炭種
の変動に伴うフライアッシュの性状変化がもたらすフラ
イアッシュ高濃度スラリーの粘度変化に関わらず、差圧
値は所定値に維持されていることが判る。
【0035】図5は、フライアッシュ高濃度スラリーの
輸送試験を行った結果得られた攪拌槽4への給水量の経
時変化を示すものである。この図5から、石炭種の変動
に伴うフライアッシュの性状変化がもたらすフライアッ
シュ高濃度スラリーの粘度変化により生じる差圧値の変
動に対応して、給水量が適正に調節されていることが判
る。
【0036】図6は、フライアッシュ高濃度スラリーの
輸送試験を行った結果得られた攪拌槽4における液レベ
ル値の経時変化を示すものである。この図6から、攪拌
槽4における液レベル値は所定値に維持されていること
が判る。
【0037】図7は、フライアッシュ高濃度スラリーの
輸送試験を行った結果得られた攪拌槽4へのフライアッ
シュ供給量の経時変化を示すものである。この図7か
ら、攪拌槽4の液レベル値の変化に応じて、フライアッ
シュ供給量が適正に調節されていることが判る。
【0038】図8は、フライアッシュ高濃度スラリーの
輸送試験を行った結果得られた攪拌槽4から抜き出すフ
ライアッシュ高濃度スラリー流量の経時変化を示すもの
である。図1の輸送設備の制御方法では、スラリーポン
プ6の駆動機構の回転数を常に一定に維持するので、攪
拌槽4から抜き出すフライアッシュ高濃度スラリー流量
は一定に維持される。
【0039】次に本発明の石炭焚きボイラーフライアッ
シュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法の他の実施形態
を図によって説明する。この制御方法における石炭焚き
ボイラーフライアッシュ高濃度スラリー輸送設備は、図
9に示すように灰捨サイロ1、フライアッシュ供給装置
2、フライアッシュ計量装置3、攪拌槽4、攪拌機5、
スラリーポンプ6、輸送配管8、給水量制御装置10、
給水ポンプ11にて構成されている。フライアッシュ
は、フライアッシュ供給装置2によって灰捨サイロ1か
ら攪拌槽4に供給された後、攪拌機5によって水と混合
され、フライアッシュ高濃度スラリーになる。さらに、
このフライアッシュ高濃度スラリーは、スラリーポンプ
6によって輸送配管8を経由して灰捨場9に輸送され、
埋立投棄される。
【0040】前記輸送配管8の水平部分には差圧測定装
置7を設置し、この差圧測定装置7には差圧制御器13
を連繋し、差圧測定装置13は給水制御装置10に連繋
している。従って、差圧制御装置7により測定した差圧
値と所定値との偏差に応じて差圧制御器13により給水
量制御装置10の駆動機構を作動させて、攪拌槽4への
給水量を調節することができる。
【0041】前記攪拌槽4には液レベル測定装置12を
設置し、この液レベル測定装置12には液レベル制御器
14を連繋し、液レベル制御器14はスラリーポンプ6
に連繋している。従って、液レベル測定装置12より測
定した液レベル測定値と所定値との偏差に応じて液レベ
ル制御器14によりスラリーポンプ6の駆動機構を作動
させて、攪拌槽4から抜き出すフライアッシュ高濃度ス
ラリーの流量を調節することができる。
【0042】上記構成の本発明の石炭焚きボイラーフラ
イアッシュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法の実施形
態について詳述する。攪拌槽4の液レベルの動特性とし
て前記の数式1を、フライアッシュ高濃度スラリーの密
度の動特性をして数式2を、各石炭種のフライアッシュ
に対する該フライアッシュ高濃度スラリーの比重−粘度
曲線として図2を用いることで、図9に示す輸送設備で
の輸送試験を行った。この時の各石炭種のフライアッシ
ュと水の比重は前記の表1の通りである。また、輸送試
験におけるフライアッシュの比重の経時変化、すなわち
フライアッシュの石炭種の経時変化は前記図3の通りで
ある。
【0043】図10は、フライアッシュ高濃度スラリー
の輸送試験を行った結果得られた輸送配管8のおける差
圧値の経時変化を示すものである。この図10から、石
炭種の変動に伴うフライアッシュの性状変化がもたらす
フライアッシュ高濃度スラリーの粘度変化に関わらず、
差圧値は所定値に維持されていることが判る。
【0044】図11は、フライアッシュ高濃度スラリー
の輸送試験を行った結果得られた攪拌槽4への給水量の
経時変化を示すものである。この図11から、石炭種の
変動に伴うフライアッシュの性状変化がもたらすフライ
アッシュ高濃度スラリーの粘度変化により生じる差圧値
の変動に対応して、給水量が適正に調節されていること
が判る。
【0045】図12は、フライアッシュ高濃度スラリー
の輸送試験を行った結果得られた攪拌槽4における液レ
ベル値の経時変化を示すものである。この図12から、
攪拌槽4における液レベル値は所定値に維持されている
ことが判る。
【0046】図13は、フライアッシュ高濃度スラリー
の輸送試験を行った結果得られた攪拌槽4から抜き出す
フライアッシュ高濃度スラリー流量の経時変化を示すも
のである。この図13から、攪拌槽4の液レベル値の変
化に応じて、該攪拌槽4から抜き出されるフライアッシ
ュ高濃度スラリーの流量が適正に調節されていることが
判る。
【0047】図14は、フライアッシュ高濃度スラリー
の輸送試験を行った結果得られた攪拌槽4へ供給するフ
ライアッシュ供給量の経時変化を示すものである。図9
の輸送設備の制御方法では、フライアッシュ供給装置2
の駆動機構の回転数を常に一定に維持するので、攪拌槽
4へ供給するフライアッシュ供給量は一定に維持され
る。
【0048】
【発明の効果】以上の説明で判るように本発明によれ
ば、フライアッシュ高濃度スラリーを製造・輸送・埋立
投棄する設備において、該スラリーを灰捨場まで輸送す
る配管の水平部に差圧測定装置を設置し、該装置にて測
定した差圧値を給水制御装置にフィードバックし、給水
量を制御することにより、フライアッシュ高濃度スラリ
ー中の水分濃度を自動調節することができ、石炭焚きボ
イラー設備にて燃される石炭の種類の変動に伴うフライ
アッシュの性状変化がもたらすフライアッシュ高濃度ス
ラリーの粘度変化による輸送配管の閉塞を回避すること
ができ、従ってフライアッシュ高濃度スラリーの輸送に
必要とされるスラリーポンプ吐出圧が該スラリーポンプ
の能力を上回ることなく、長期間に渡り安定してフライ
アッシュ高濃度スラリー輸送設備を運転することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法の1つを実施する石炭焚きボ
イラーフライアッシュ高濃度スラリー輸送設備を示す系
統図である。
【図2】石炭種の変化が比重−粘度曲線に及ぼす影響を
示す図である。
【図3】フライアッシュ高濃度スラリー輸送時における
フライアッシュの比重と石炭種の経時変化を示す図であ
る。
【図4】本発明の制御方法の1つに基づいてフライアッ
シュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた輸送配
管における差圧値の経時変化を示す図である。
【図5】本発明の制御方法の1つに基づいてフライアッ
シュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた攪拌槽
への給水量の経時変化を示す図である。
【図6】本発明の制御方法の1つに基づいてフライアッ
シュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた攪拌槽
の液レベル値の経時変化を示す図である。
【図7】本発明の制御方法の1つに基づいてフライアッ
シュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた攪拌槽
へのフライアッシュ供給量の経時変化を示す図である。
【図8】本発明の制御方法の1つに基づいてフライアッ
シュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた攪拌槽
から抜き出すフライアッシュ高濃度スラリー流量の経時
変化を示す図である。
【図9】本発明の制御方法の他の1つを実施する石炭焚
きボイラーフライアッシュ高濃度スラリー輸送設備を示
す系統図である。
【図10】本発明の制御方法の他の1つに基づいてフラ
イアッシュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた
輸送配管における差圧値の経時変化を示す図である。
【図11】本発明の制御方法の他の1つに基づいてフラ
イアッシュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた
攪拌槽への給水量の経時変化を示す図である。
【図12】本発明の制御方法の他の1つに基づいてフラ
イアッシュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた
攪拌槽の液レベル値の経時変化を示す図である。
【図13】本発明の制御方法の他の1つに基づいてフラ
イアッシュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた
攪拌槽から抜き出すフライアッシュ高濃度スラリー流量
の経時変化を示す図である。
【図14】本発明の制御方法の他の1つに基づいてフラ
イアッシュ高濃度スラリーを輸送試験した結果得られた
攪拌槽へのフライアッシュ供給量の経時変化を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 灰捨サイロ 2 フライアッシュ供給装置 3 フライアッシュ計量装置 4 攪拌槽 5 攪拌機 6 スラリーポンプ 7 差圧測定装置 8 輸送配管 9 灰捨場 10 給水量制御装置 11 給水ポンプ 12 液レベル測定装置 13 差圧制御器 14 液レベル制御器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭焚きボイラー設備から発生するフラ
    イアッシュを水と混合することによってフライアッシュ
    高濃度スラリーを製造し、さらに該スラリーを輸送する
    設備において、フライアッシュ高濃度スラリーの輸送配
    管の水平部に或る長さの輸送配管の圧力損失を測定する
    差圧測定装置を設置し、この差圧測定装置を用いて測定
    した差圧値を給水量制御装置にフィードバックし、給水
    量を制御することにより、フライアッシュ高濃度スラリ
    ー中の水分濃度を自動調節し、差圧値を所定値に維持す
    ることを特徴とする石炭焚きボイラーフライアッシュ高
    濃度スラリー輸送設備の制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の石炭焚きボイラーフライ
    アッシュ高濃度スラリー輸送設備の制御方法において、
    フライアッシュ高濃度スラリーを製造する攪拌槽に液レ
    ベル測定装置を設置し、この液レベル測定装置にて測定
    した液レベル値をフライアッシュ供給装置の駆動機構に
    フィードバックし、フライアッシュ供給量を制御するこ
    とにより、前記攪拌槽の液レベルを制御することを特徴
    とする石炭焚きボイラーフライアッシュ高濃度スラリー
    輸送設備の制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の石炭焚きボイラーフライ
    アッシュ高濃度スラリーの輸送設備の制御方法におい
    て、フライアッシュ高濃度スラリーを製造する攪拌槽に
    液レベル測定装置を設置し、この液レベル測定装置にて
    測定した液レベル値をスラリーポンプの駆動機構にフィ
    ードバックし、フライアッシュ高濃度スラリーの輸送量
    を調節することにより、前記攪拌槽の液レベルを制御す
    ることを特徴とする石炭焚きボイラーフライアッシュ高
    濃度スラリー輸送設備の制御方法。
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